JP4663113B2 - 抗原刺激顆粒球媒介炎症を予防または軽減するための免疫刺激オリゴヌクレオチドの使用 - Google Patents

抗原刺激顆粒球媒介炎症を予防または軽減するための免疫刺激オリゴヌクレオチドの使用 Download PDF

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Description

【0001】
(政府の権利の明示)
本発明は、米国国立衛生研究所により与えられた許諾番号AI37305に基づいて政府の支援を得て行われた。政府は、本発明に関して一定の権利を有する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、宿主組織中の顆粒球媒介炎症の軽減または抑制および抗原に対する宿主の免疫応答性の調節に使用するための方法およびオリゴヌクレオチド組成物に関する。
【0003】
(関連技術の背景)
脊椎動物において、顆粒球(好酸球、好塩基球、好中球、および肥満細胞)による内皮細胞接着が起こると、続いて、ロイコトリエン、主要塩基性タンパク質、ヒスタミンなどの炎症メディエイタが放出される。感受性の強い個体では、生じた炎症により、罹患した宿主組織が障害を受ける可能性がある。
【0004】
最も一般的な病的炎症状態は、呼吸気道中に好酸球が多量に浸潤し、続いて炎症誘発性組織障害が起こるとを特徴とする喘息である。罹患組織中への顆粒球の浸潤に伴う他の病的炎症状態としては、鼻ポリープ症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、好酸球性筋膜炎、特発性過好酸球増加症候群、および皮膚好塩基球過敏症、ならびにインターロイキン(IL)‐5や特定のインターフェロン(IFN)のような顆粒球刺激性サイトカインの産生増加の結果として生じる炎症および線維症が挙げられる。
【0005】
このような症状に対する通常の治療は、典型的には、顆粒球が内皮に接着した後で放出される炎症メディエイタの活性を抑制するような形で行われる(例えば、コルチコイド組成物を罹患組織へ送達することにより)。炎症誘発抗原が何であるかが分かっている場合、更なる抗原チャレンジに対する免疫保護を、免疫化により行うことが可能である。しかしながら、標準的な免疫化は、中和抗体の産生を刺激することには有効であるが、より長期間にわたる細胞性免疫を刺激することには効果がない。更に、抗原免疫化は、IL‐4およびIL‐5の宿主産生を刺激する。IL‐5は、内皮への顆粒球接着を増大させ、一方、IL‐4は、IgEアイソタイプへの免疫グロブリン変換を誘発し、アナフィラキシーを起こす危険性を有する。
【0006】
(発明の概要)
本発明は、宿主組織中への顆粒球の浸潤を抑制することによって、哺乳類宿主中における抗原刺激炎症を迅速に抑制するための手段を提供する。本発明はまた、アナフィラキシーの危険を伴うことなく、後続の抗原チャレンジから抗原感作哺乳類宿主を守るための非免疫化手段を提供する。これらの目的は、免疫抗原の同時送達を行うことなく、宿主への免疫刺激オリゴヌクレオチド(ISS-ODN)の送達を介して、本発明により達成される。
【0007】
驚くべきことに、ISS-ODNは、免疫刺激性を有するほかに、抗炎症性を有する。従って、ISS-ODNは、組織の抗原刺激顆粒球浸潤に伴う炎症、例えば、喘息発作時に呼吸困難状態の呼吸気道中で起こる炎症の治療および予防に有用である。有利なことに、本発明に係るISS-ODNの送達を行うと、ISS-ODNが抗原に対する宿主の免疫応答に影響を及ぼす前にも、宿主組織中への抗原刺激顆粒球浸潤が抑制される。従って、本発明は、細胞接着を抑制することにより抗原刺激炎症を軽減するための抗原非依存的方法を提供する。この方法では、内皮細胞の顆粒球結合を介して刺激される恐れのある炎症メディエイタの放出が回避される。
【0008】
本発明に対する治療用途としては、例えば、喘息の抑制が挙げられる。この場合、ISS-ODNは、鼻腔内投与により肺組織に送達されるか、または全身的経路を介して送達される。喘息の場合、肺組織の好酸球浸潤は、主に、呼吸アレルゲンに対するアレルギー応答の後期に起こる。標準的な免疫療法により、アレルゲンに対する宿主の免疫応答を調節することができ、実際に、宿主気道中への好酸球の移動を止めることができる。しかしながら、本発明を実施した場合には、宿主免疫系が呼吸アレルゲンに応答するかなり前に、宿主気道の好酸球浸潤が抑制される。これにより、急性喘息発作の特徴である気道狭窄および呼吸組織障害を予防する1手段が提供される。
【0009】
もう1つの態様において、本発明は、抗体に対する既存の宿主細胞免疫応答をTh2表現型からTh1表現型へ変化させるための手段を提供する。この目的では、ISS-ODNは、抗原感作宿主組織とISS-ODNとの接触を引き起こす任意の経路により送達される。こうして投与されたISS-ODNは、宿主の体液性(抗体)および細胞性(Th1表現型)免疫応答の両方を増大させる。標準的な免疫療法とは異なり、本発明の方法によれば、宿主に追加抗原を導入しない場合でさえも、免疫性が刺激される。従って、感作抗原による後続のチャレンジに対する宿主の免疫応答性を、免疫化を行わずに増大させるような方法を用いれば、免疫化により誘発されるアナフィラキシーの危険が回避され、抗原チャレンジに対するIgE産生が抑制され、更に、免疫化に使用するための感作抗原を同定する必要性がなくなる。本発明のこの態様に対する特に有利な用途は、アレルゲンが体内に進入する皮膚や粘膜などの標的組織中の局所アレルギー応答の治療である。
【0010】
また、本発明によるTh2表現型の抑制は、抗原刺激IL‐4およびIL‐5産生を低減させるための標準的な免疫療法に対する有用な補助手段である。従って、本発明には、従来型の抗原免疫化(例えば、ワクチン接種またはアレルギー免疫療法)に関連したTh2表現型を抑制するために宿主にISS-ODNを宿主に送達することが含まれる。
【0011】
本発明によりTh1表現型へのシフトを行うと、それに伴って、IFNα、β、およびγ、ならびにIL‐12およびIL‐18の分泌が増大する。これらのサイトカインはそれぞれ、ウイルスなどの細胞内病原体に対する宿主の免疫防御を強化する。従って、本発明には、病原性感染症を抑えるために宿主にISS-ODNを送達することが含まれる。
【0012】
また、Th1表現型では、血管形成が促進される(IL-12による刺激を介して顕著に)。従って、本発明には、糖尿病性網膜症の場合のように局所血流が顕著な病因学的役割を果たす症状を治療するために、ISS-ODNを宿主に送達して治療的血管形成を刺激することが含まれる。
【0013】
本発明の方法を実施する場合、ISS-ODNの製薬上許容される組成物が使用される。本発明のISS-ODNには、CpGジヌクレオチドで富化されたDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドが含まれ、具体的には、一次構造5’‐プリン‐プリン‐[C]‐[G]‐ピリミジン‐ピリミジン‐3’を含む物質が挙げられる。
【0014】
対象となる治療方法に適している場合、他の抗炎症薬または免疫治療薬と併用して投与してもよい。従って、本発明の方法を実施する際に使用される特に有用な組成物は、抗炎症薬(例えば、グルココルチコイド)または免疫治療薬(例えば、抗原、サイトカイン、またはアジュバント)がISS-ODNと混合されているかまたはISS-ODNにコンジュゲートされている組成物である。
【0015】
ISS-ODNはまた、ISS-ODNと任意の他の薬剤とを含むキット、およびISS-ODNを宿主組織に送達するためのデバイス、更には治療される宿主に及ぼすISS-ODNの生物学的作用を調べるための試薬、の形態で供給することも可能である。
【0016】
(詳細な説明)
A.本発明の抗炎症療法および免疫療法
1.本発明の方法の治療効果
本発明の方法を実施することにより達成可能な主な治療目標は、炎症を治療すること、およびTh1表現型を用いて感作抗原に対する宿主の免疫応答性を増大させることである。これら2つの目標は、抗原感作宿主(すなわち、感作抗原によるチャレンジに応答するように免疫系に初回抗原刺激を受けた哺乳動物)へのISS-ODN送達によって達成される。本開示の目的に対して、「感作抗原」とは、外因性かつ免疫原性のタンパク質、ペプチド、糖タンパク質、脂質、または多糖を意味する。参照用として、哺乳類抗原免疫性の態様をまとめたチャートを図1として添付する。
【0017】
本発明の抗炎症法は、抗原感作宿主における急性顆粒球媒介炎症の開始の抑制およびこうした炎症の軽減に有用である。特に、抗原感作された(初回抗原刺激を受けた)宿主を後続の抗原チャレンジの前に処置すると、顆粒球(特に、好酸球および好塩基球)による宿主組織の抗原刺激湿潤が抑制される。同様に、抗原チャレンジの際またはその後で抗原感作宿主を処置すると、顆粒球による宿主組織の抗原刺激湿潤が低減する。有利なこととして、本発明によって送達されるISS-ODNの抗炎症作用は迅速であり、ISS-ODNが感作抗原に対する宿主の免疫応答性に影響を及ぼすことが期待される前でさえも、効力を示す。従って、本発明を用いれば、顆粒球媒介炎症による宿主の組織障害がかなり迅速に防止される。
【0018】
例えば、実施例IIのデータから分かるように、同時抗原チャレンジを行わずにISS-ODNで処置したアレルギー性喘息の抗原感作動物モデルは、対照動物および不活性ISS-ODN変異体だけで処置した動物と比較して、好酸球の呼吸組織中への浸潤が90%程度低減された。顕著な点として、予めチャレンジを受けたマウスにおける好酸球浸潤の低減、または初回抗原刺激を受けチャレンジを受けていないマウスにおける好酸球浸潤の抑制は、ISS-ODN送達を行った24時間以内の短い時間で観測された。従って、好酸球浸潤に対するISS-ODNの作用は、感作抗原に対する後発性宿主免疫応答には依存しない。抗原に依存しないため、ISS-ODNは、抗原チャレンジの前または抗原チャレンジの危険性が存在する期間中(例えば、アレルギーシーズン中)、炎症抑制薬として利用することができる。重要な点として、実施例IVおよびVIに示されているように、初回抗原刺激を受けた宿主において炎症または後続の抗原チャレンジによる免疫応答を予防するために、更に、抗原チャレンジの後において炎症または他の抗原刺激免疫応答を低減するために、ISS-ODNを本発明に従って使用することができる。
【0019】
本発明はいずれの作用機構にも限定されるものではないが、ISS-ODNの抗炎症活性は、少なくとも部分的には、IL‐5抑制の結果である。しかしながら、宿主組織中での顆粒球蓄積の抑制は、サイトカイン分泌リンパ球の免疫活性化が起こることが期待される時間よりも早い時点で(24時間以内に)達成される。このため、本発明に従って投与されたISS-ODNのは、恐らく、VCAM‐1内皮受容体、それらの好酸球性リガンド(VLA-4)をブロックすることにより、または顆粒球を溶解することにより、内皮への顆粒球接着を物理的に妨害するものと考えられる。その機能はなんであれ、本発明による顆粒球蓄積のISS-ODN抑制は、宿主の免疫系のISS-ODN刺激に依存しないように見える。
【0020】
本発明の免疫療法では、抗原への宿主の同時暴露を行うことなく感作抗原によるチャレンジに対してワクチン接種様免疫応答が誘発される。本発明を実施することによって達成される免疫刺激は、感作抗原を用いて宿主のワクチン接種を行う際に生じる免疫刺激に匹敵する。従って、本発明の方法は、意図的な抗原チャレンジを行うことなく感作抗原に対して宿主を免疫化する手段を提供する。
【0021】
有利な点として、本発明に従って刺激された免疫応答は、免疫化応答とは異なる。すなわち、後者はTh2表現型で進行し、一方、前者はTh1表現型で進行する。これに関連して、CD4+リンパ球が、一般的には2つの異なるサブセット(すなわち、Th1とTh2細胞)のうちの1つに属することを思い起こすことが有用である。Th1細胞は、主に、IL‐2、IFNγ、およびTNFβ(後の2つは、マクロファージ活性化および遅延型過敏症を媒介する)を分泌し、一方、Th2細胞は、主に、IL‐4(IgE抗体の産生を刺激する)、IL‐5(組織の顆粒球浸潤を刺激する)、IL‐6、およびIL‐10を分泌する。これらのCD4+サブセットは、互いに負の影響を及ぼしあう。すなわち、Th1リンホカインの分泌はTh2リンホカインの分泌を抑制し、その逆もまた成り立つ。
【0022】
Th1活性化を優先的に誘発すると考えられる因子は、ウイルス感染により誘導される因子と類似しており、具体的には、細胞内病原体;IFN‐β、IFN‐α、IFNγ、IL‐12、およびIL‐18への暴露;ならびに少用量の抗原への暴露が挙げられる。Th1型免疫応答はまた、自己免疫疾患においても優先的に起こる。Th2活性化を優先的に誘発すると考えられる因子としては、IL‐4およびIL‐10への暴露、Bリンパ球の一部分のAPC活性、および高用量の抗原が挙げられる。活性Th1(IFNγ)細胞は、細胞性免疫を増強するため、細胞内感染症に対して特に価値があり、一方、活性Th2細胞は、抗体産生を増強するため、細胞外感染症に対して価値がある(IgE抗体産生のIL‐4刺激誘発に伴うアナフィラキシー事象の危険を伴う)。従って、宿主の免疫応答をTh1能力からTh2能力へシフトさせる能力およびその逆方向にシフトさせる能力は、抗原チャレンジに対する宿主の免疫性を調節するうえで臨床的意義はかなり大きい(例えば、感染症状およびアレルギー症状の場合)。
【0023】
この目的のために、本発明の方法では、感作抗原に対する宿主の免疫応答を、Th1表現型にシフトさせる(実施例IV)。その結果、抗原刺激/Th2関連IL‐4、IL‐5、およびIL‐10分泌(実施例VI)、抗原感作組織のIL‐5刺激顆粒球浸潤(実施例IIおよびIII)、ならびにIgEのIL‐4刺激産生(実施例V)が抑制され、それにより、宿主が長期に及ぶアレルギー性炎症を患う危険性が減少し、抗原誘発アナフィラキシーの危険が最小限に抑えられる。
【0024】
本発明はいずれの特定の作用機構にも限定されるものではないが、ISS‐ODNは、宿主MHCクラスIプロセシング経路を介する提示に対して、抗原提示細胞による外因性抗原の摂取を促進するものと考えられる。その作用機能はなんであれ、感作抗原に対する宿主の免疫応答性を増大させるために、および免疫応答をTh1表現型にシフトさせるために、ISS‐ODNを使用すると、免疫化誘発アナフィラキシーの危険が回避され、感作抗原に応じたIgE産生が抑制され、更に、免疫化で使用するための感作抗原を同定する必要性がなくなる。
【0025】
本発明に関連して、ISS‐ODN媒介「炎症軽減」(初回抗原刺激および抗原チャレンジを受けた宿主中で)、「炎症予防」(抗原チャレンジを受ける前に初回抗原刺激を受けた宿主中で)、およびISS‐ODN処置の施された宿主中での「Th1表現型の免疫応答の増大」は、次のイベントのいずれかによって実証される。
【0026】
(1)抗原チャレンジの前および後で測定したIL‐4のレベルが減少すること、または初回抗原刺激を受けた対照もしくは初回抗原刺激およびチャレンジを受けた対照と比較して処置の施された宿主中においてより低いIL‐4レベル(またはレベルゼロ)が検出されること。
(2)抗原チャレンジの前および後におけるIL‐12、IL‐18、および/またはIFN(α、β、もしくはγ)のレベルが増加すること、または初回抗原刺激を受けた対照もしくは初回抗原刺激およびチャレンジを受けた対照と比較してISS‐ODN処置の施された宿主中においてIL‐12、IL‐18、および/またはIFN(α、β、もしくはγ)のより高いレベルが検出されること。
(3)処置の施された宿主中でIgG2a抗体が産生されること。
(4)抗原チャレンジの前および後で測定した抗原特異的IgEのレベルが減少すること、または初回抗原刺激を受けた対照もしくは初回抗原刺激およびチャレンジを受けた対照と比較してISS‐ODN処置の施された宿主中において抗原特異的IgEのより低いレベル(またはレベルゼロ)が検出されること。
また、特に、炎症の軽減および予防に関して、処置の施された宿主における本発明の方法の有効性を示す特に意義ある指標は次の通りである。
(5)ISS‐ODN投与の前および後における抗原チャレンジした宿主中で測定した場合、罹患宿主組織の炎症性浸潤物中の顆粒球の数(例えば、好酸球もしくは好塩基球の数、ただし、宿主に影響を及ぼす疾患にどの細胞タイプが最も関与しているかによる)が減少すること、または初回抗原刺激を受けた対照もしくは初回抗原刺激およびチャレンジを受けた対照と比較して処置の施された宿主中において好酸球もしくは好塩基球の数のより低いレベル(またはレベルゼロ)が検出されること。
【0027】
このような値を測定するための代表的な方法を、実施例により更に説明する。
2.宿主にISS‐ODNを投与するための方法および経路
本発明のISS‐ODNは、任意の利用可能な方法および薬剤送達に適した経路、例えば、ex vivo法(ISS‐ODNを用いてインキュベートまたはトランスフェクトされた細胞の送達など)および全身的または局所的経路、を用いて宿主に投与される。しかしながら、ほとんどの場合、治療効果の即時性およびin vivoでのオリゴヌクレオチドの分解の回避の両方のために、ISS‐ODNを抗原感作組織に誘導する方法および局所的経路の方が、全身的投与経路よりも好ましいことは、当業者には分かるであろう。
【0028】
多くの外因性抗原に対する導入箇所は、皮膚または粘膜を通る。従って、皮膚(例えば、皮膚または皮下の疾患の場合)または粘膜(例えば、呼吸器、眼、舌、または生殖器の疾患の場合)を標的とする送達方法および経路は特に有用であろう。臨床分野の当業者は、皮膚および粘膜への薬剤送達のための手段については熟知しているかまたは容易に確認することができるであろう。しかしながら、レビューのために、本発明に有用な薬剤送達の代表的な方法および経路について以下で簡単に説明する。
【0029】
鼻腔内投与手段は、呼吸器の炎症、特に、鼻孔から気管または気管支へ移動する抗原により媒介される炎症を処置するのに特に有用である。このような手段には、アエゾル懸濁剤の吸入または本発明のポリヌクレオチド組成物の吹送が含まれる。ポリヌクレオチド組成物を鼻粘膜、気管、および気管支へ送達するのに好適なネブライザデバイスは、当技術分野で周知であり、従って、本明細書中では詳細な説明は行わない。鼻腔内薬剤送達に関する一般的なレビューのために、当業者は、Chien,Novel Drug Delivery Systems,Ch.5(Marcel Dekker,1992)を調べることも可能である。
【0030】
経皮投与および皮下注射は、皮膚のアレルギー反応および炎症を処置するのに有用である。皮膚へ薬剤送達するための手段としては、例えば、好適な製剤の局所適用、経皮浸透、注射、および表皮投与が挙げられる。
【0031】
経皮浸透のために、吸収促進剤またはイオン浸透療法が好適な方法である。このような方法に対するレビューのために、当業者は、Chienの上記文献の第7章を調べることも可能である。イオン浸透は、市販の「パッチ」を用いて行ってもよい。このパッチは、電気パルスを利用して7日間以上にわたり損傷のない皮膚を介して連続的にこうした製品を送達する。この方法を用いると、比較的高濃度で医薬用組成物の制御浸透を行うことができ、薬剤を組合せて注入することができ、更に、吸収促進剤の同時使用が可能になる。
【0032】
この方法に使用するための代表的なパッチ製品としては、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるGeneral Medical Companyの商標LECTRO PATCHを有する製品が挙げられる。この製品は、リザバー電極を電子的に中性pHに保持し、様々な投与濃度での投与、連続的な投与、および/または周期的な投与を行うことが可能である。パッチの調製および使用は、製品LECTRO PATCHに添付されている製造業者の取扱説明書に従って行う必要がある。これらの説明書は、参照により本明細書に組み入れる。
【0033】
表皮投与には、本質的に、刺激物質に対する免疫応答を誘発するのに十分な程度に表皮の最外層を機械的または化学的に刺激する処理が含まれる。表皮投与に使用される代表的なデバイスでは、尖叉上にコーティングされたISS‐ODNを掻皮施用にするために使用可能な直径の非常に小さな短い尖叉を多数使用する。フランスのリヨン(Lyon)にあるPasteur Merieuxで製造されている旧型ツベルクリン試験用MONO‐VACCに含まれるデバイスは、ISS‐ODNの表皮投与に使用するのに好適である。このデバイスは、このデバイス製品に含まれる製造業者の取扱説明書に従って使用する。使用および投与に関するこれらの説明事項は、デバイスの従来的使用を示すために、参照により本明細書に組み入れる。このほかに、この実施形態に使用しうる類似のデバイスとしては、アレルギー試験を行うために現在使用されているデバイスが挙げられる。
【0034】
眼への投与(例えば、アレルギー性結膜炎の治療の場合)には、眼への製剤の侵襲的または局所的適用が含まれる。点眼剤、局所クリーム剤、および注射液はいずれも、眼への薬剤送達のための好適に利用できる具体例である。
【0035】
全身的投与には、侵襲的投与または全身的に吸収させる局所投与が含まれる。局所投与ならびに静脈内および筋肉内注射は、薬剤の全身的投与を行うための一般的な手段の具体例である。
【0036】
3.ISS‐ODNの用量パラメータ
本発明のISS‐ODNの特別な利点は、比較的わずかな用量の場合でさえも、抗炎症活性および免疫治療活性をもつことができる点である。使用量は達成しようとする臨床目的によって変化するであろうが、好適な用量は、1回分として、約1〜1000μg ISS‐ODN/ml担体までを提供する量である。この開示により提供される教示に鑑みて、臨床分野の当業者は、本発明に係るISS‐ODNの投与に好適なパラメータについて熟知しているか、または容易に確認することができるであろう。
【0037】
この点に関連して、本発明におけるISS‐ODNの抗炎症活性および免疫治療活性は、本質的に用量依存的であることに注目すべきである。従って、ISS‐ODNの効力を2倍に増大させるためには、1回の投与をそれぞれ2倍の濃度で行う。臨床的には、低用量(例えば、約1μg/ml〜約50μg/ml)でISS‐ODNを投与し、その後、所望の治療目的に応じて用量を増大させることが奨励されることもある。このほか、ISS‐ODNの目標用量は、ISS‐ODN投与後の最初の24〜48時間以内に採取される宿主の血液のサンプルにおいて約1〜10μMであると考られる。現在の研究に基づいて、ISS‐ODNは、これらの用量レベルにおいて毒性はほとんでまたはまったくないと考えられる。
【0038】
B.ISS ODN 抗炎症組成物
1.ISS‐ODNの構造
機能的には、ISS‐ODNは、宿主中において細胞性および体液性免疫応答を増大させる。特に、リンパ球増殖ならびに宿主の単球およびナチュラルキラー(NK)細胞によるサイトカイン(IFNを含む)の放出を増大させる。宿主のリンパ球を、例えば、ISS‐ODNオリゴヌクレオチド、ISS‐ODNオリゴヌクレオチド‐コンジュゲート、およびISS含有組換え発現ベクターと、接触させると、合成ISS‐ODNによる免疫刺激がin vivoで誘発される(ISS‐ODNコンジュゲートおよびISS‐ODNベクターの活性に関するデータは、同時係属中である同一譲受人の米国特許出願第60/028,118号および同第08/593,554号に記載されている;これらに記載のデータは、in vivoにおけるISS‐ODN免疫刺激活性を示すために、参照により本明細書に組み入れる)。この場合、天然微生物ISS‐ODNは、感染症に応答すべく、宿主の免疫系を刺激するが、これらのISS‐ODNの合成類似体は、微生物抗原だけでなく、腫瘍抗原、アレルゲン、および他の物質に対しても、宿主の免疫応答を調節するため、治療上有用である。
【0039】
構造的には、ISS‐ODNは、6量体以上の長さの非コードオリゴヌクレオチドであり、少なくとも1つの非メチル化CpGモチーフを含んでいてもよい。特定の哺乳類種(例えば、げっ歯類)中で免疫刺激活性を呈するISS‐ODN中の各CpG配列の相対位置は、5’‐CG−3’である(すなわち、Cは5’位にあり、一方、Gは3’位にある)。多くの既知のISS‐ODNは、少なくとも2個のプリンヌクレオチド(例えば、GAまたはAA)および少なくとも2個のピリミジンヌクレオチドでCpGを挟んだ形をとる(5’‐プリン‐プリン‐[C]‐[G]‐ピリミジン‐ピリミジン‐3’)。CpGモチーフ含有ISS‐ODNは、Bリンパ球増殖を刺激するものと考えられる(例えば、Krieg,et al.,Nature,374:546‐549,1995を参照されたい)。
【0040】
上記のISS‐ODNのコア6量体構造は、任意の数または組成のヌクレオチドまたはヌクレオシドにより上流および/または下流で挟まれている。しかしながら、ISS‐ODNは、少なくとも6量体の長さを有し、標的組織中へのISS‐ODNの取込みを増大させるために、好ましくは、6〜200量体の長さを有する。当業者は、既に報告されているISS‐ODNのヌクレオチド配列について熟知しているか、または容易に確認することができるであろう。この点に関しての参照を容易にするうえで、次の出典は、特に有用である。
Yamamoto,et al.,Marobiol.Immunol.,36;983(1992)
Ballas,et al.,J.Immunol.,157:1840(1996)
Klinman,et al., J.Immunol., 158:3635 (1997)
Sato, et al., Science,273:252 (1996)
これらの論文は、ISS‐ODNのヌクレオチド組成物に関する当技術分野におけるレベルを示す目的で、参照により本明細書に組み入れる。
【0041】
特に、本発明に有用なISS‐ODNとしては、次の6量体ヌクレオチド配列を有するものが挙げられる。
1.「CpG」ジヌクレオチドを有するISS‐ODN。
2.RNA ISS‐ODNとして使用するための上記の6量体配列中のヌクレオチドに対するイノシン置換および/またはウラシル置換。
【0042】
例えば、本発明に有用なDNAベースISS‐ODNとしては、次の6量体ヌクレオチド配列を有するものが挙げられる。
AACGTT, AGCGTC, GACGTT, GGCGTT,
AACGTC, AGCGTC, GACGTC, GGCGTC,
AACGCC, AGCGCC, GACGCC, GGCGCC,
AGCGCT, GACGCT, GGCGCT, TTCGAA,
GGCGTT, 及び AACGCC (それぞれ配列番号1〜18)
ISS‐ODNは、1本鎖または2本鎖DNA、1本鎖または2本鎖RNA、および/またはオリゴヌクレオチドであってよい。ISS‐ODNには、パリンドローム領域が含まれていても含まれていなくてもよい。パリンドローム(存在する場合)は、コア6量体配列中のCpGモチーフ(存在する場合)までのみ伸長しているものであってもよいし、または6量体配列および両端(flanking)ヌクレオチド配列のより多くの部分を包含するものであってもよい。
【0043】
コア6量体のCpGモチーフを挟むおよび/または両端ヌクレオチド配列を構成するISS‐ODNのヌクレオチド塩基は、任意の既知の天然に存在する塩基または合成の非天然塩基であってよい(例えば、TCAG、またはRNA中のUACGI)。他の化合物(例えば、ペプチド)に対する結合ポイントとして使用するために、オリゴヌクレオチドを、従来型の方法を用いてISS‐ODNの内部領域および/または末端に導入してもよい。ISS‐ODNの先に記載の活性のほかに所望の性質を有するISS‐ODNを構築するために、ISS‐ODNの塩基(1種または複数種)、糖部分、燐酸基、および末端を、当業者に周知の方法により修飾してもよい。例えば、糖部分を、任意の立体化学的配置で、ISS‐ODNのヌクレオチド塩基に結合させてもよい。
【0044】
このほか、バックボーン燐酸基修飾(例えば、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、およびホスホロジチオエートヌクレオチド間結合)を行って、ISS‐ODNに抗微生物活性を付与し、in vivoでのそれらの安定性を増大させることにより、治療用途に特に有用なものにすることができる。特に有用な燐酸基修飾は、ISS‐ODNオリゴヌクレオチドのホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートの形態に変換することである。ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエートは、抗微生物特性をもつ可能性があるほかに、未修飾の対応するオリゴヌクレオチドよりも、in vivoでの分解に対する耐性が大きく、その結果、本発明のISS‐ODNは宿主に対する利用可能性がより増大する。
【0045】
2.ISS‐ODNの合成およびISS‐ODNに対するスクリーニング
ISS‐ODNは、当技術分野で周知の方法および核酸合成装置を用いて合成することが可能である。これに関する参照文献として、例えば、Ausubel,et al.,Current Protocols in Molecular Biology, Chs.2 and 4(Wiley Interscience, 1989);Maniatis,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Lab., New York,1982);米国特許第4,458,066号、および米国特許第4,650,675号を参照されたい。これらの参考文献は、単に合成オリゴヌクレオチドの生産に関する当技術分野の知識を示す目的で、参照により本明細書に組み入れる。ISS‐ODNは非コード部分であるため、合成中、オープンリーディングフレームを保持することにはまったく関与しない。
【0046】
ISS‐ODNは、プラスミド、コスミド、ウイルス、またはレトロウイルスなどの送達ベクター中に導入してもよい。これにより、ベクターは、治療上有益なポリペプチド、例えば、サイトカイン、ホルモン、および抗原をコードするようになり得る。このようなベクター中にISS‐ODNを導入しても、それらの活性が悪影響を受けるとはない。
【0047】
このほか、核酸ハイブリダイゼーションなどの当技術分野で周知の方法を用いて、微生物種(特に、ミコバクテリア)からISS‐ODNを単離してもよい。好ましくは、実質的に純粋な状態にするために、すなわち、リポ多糖などの内因性汚染物質が含まれないようにすために、こうして単離されたISS‐ODNを更に精製する。より大きなポリヌクレオチドの一部分として単離されたISS‐ODNは、当技術分野で周知の方法により、例えば、エンドヌクレアーゼ消化により、所望の長さに減少させることが可能である。本発明に使用可能と思われるISS‐ODNを得るためのポリヌクレオチドの単離、精製、および消化に適した方法について、当業者は熟知しているか、または容易に確認することができるであろう。
【0048】
特定のオリゴヌクレオチドが本発明に有用なISS‐ODNの性質を有するかの確認は、先の第A.1節に記載したように、ISS‐ODNがサイトカイン分泌およびIgG抗体アイソタイプ産生に影響を及ぼすかを評価することによって行うことができる。このような評価を行うのに有用なin vitro法の詳細については、実施例に記載されている。当業者は、本明細書中に教示されているパラメータに沿ってサイトカイン分泌および抗体産生を測定するための他の方法について分かるか、または容易に確認することができるであろう。
【0049】
オリゴヌクレオチドに対して燐酸基修飾を行うための方法は、当技術分野で周知であり、詳細な説明は必要でない。このような有用な方法の1つをレビューするために、標的オリゴヌクレオチド産物に対する中間体燐酸トリエステルを調製し、ヨウ素水溶液を用いてまたは無水アミンのような他の薬剤を用いて酸化し、天然に存在する燐酸トリエステルを得た。得られたオリゴヌクレオチドホスホロアミデートを硫黄で処理することによりホスホロチオエートを得ることができる。同じ一般的手法(硫黄処理ステップは除く)を適用することにより、メチルホスホネートからメチルホスホロアミダイトを得ることができる。燐酸基修飾法に関する更に詳細な内容について、当業者は、米国特許第4,425,732号、同第4,458,066号、同第5,218,103号、および同第5,453,496号、ならびにTetrahedron Lett.21:4149(1995),7:5575(1986),25:1437(1984)、更に、Journal AM.Chem.Soc.,93:6657(1987)を調べることが可能である。これらの開示内容は、これらの化合物の調製に関する当技術分野における標準的な知識レベルを単に示すことを目的として、本明細書に組み入れる。
【0050】
炎症組織へのISS‐ODNのターゲッティング送達を行うために、コロイド分散系を使用してもよい。コロイド分散系には、巨大分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、および脂質ベース系、例えば、水中油型乳剤、ミセル、混合ミセル、およびリポソームが含まれる。本発明の好ましいコロイド系はリポソームである。
【0051】
リポソームは、人工の膜小胞であり、in vitoおよびin vivoにおける送達ビヒクルとして有用である。0.2〜4.0μmのサイズの大きな単ラメラ小胞(LUV)は、大きな巨大分子を含有する水性緩衝液の実質的な部分をカプセル化することができることが判明した。この水性の内部に、RNA、DNA、および損傷のないビリオンをカプセル化して生物学的に活性な形態で細胞に送達することができる(Fraley,et al.,Trends Biochem.Sci.,6:77,1981)。哺乳類細胞のほかに、植物、酵母、および細菌細胞中においてポリヌクレオチドの送達を行うために、リポソームが使用されてきた。リポソームが有効な遺伝子輸送ビヒクルであるためには、(1)生物学的活性を損なうことなく、高効率でアンチセンスポリヌクレオチドをコードする遺伝子をカプセル化すること、(2)非標的細胞と比較して標的細胞に対して優先的に実質的な結合が行われること、(3)標的細胞の細胞質へ小胞の水性内容物を高効率で送達すること、および(4)遺伝子情報を正確かつ効果的に発現すること、が必要である(Mannino,et al.,Biotechniques,6:682,1988)。
【0052】
リポソームの組成物は、通常、リン脂質、特に相転移温度の高いリン脂質と、一般的には、ステロイド(特にコレステロール)との組合せである。他のリン脂質または他の脂質を使用してもよい。リポソームの物理的特性は、pH、イオン強度、および二価カチオンの存在に依存する。
【0053】
リポソーム生産に有用な脂質としては、例えば、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシドが挙げられる。特に有用なものは、脂質部分が14〜18個の炭素原子、特に16〜18個の炭素原子を有しかつ飽和であるジアシルホスファチジルグリセロールである。代表的なリン脂質には、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、およびジステアロイルホスファチジルコリンが含まれる。
【0054】
リポソームのターゲッティングは、解剖学的および機械的要因に基づいて分類することができる。解剖学的分類は、選択率のレベル、例えば、器官特異性、細胞特異性、およびオルガネラ特異性のレベルに基づくものである。機械的ターゲッティングは、受動的または能動的であるかに基づくものである。受動的ターゲッティングは、洞様毛細血管を含有する器官中の細網内皮系(RES)の細胞にリポソームが分布する自然な傾向を利用するものである。一方、能動的ターゲッティングには、リポソームを、特異的リガンド、例えば、モノクロナール抗体、糖、糖脂質、もしくはタンパク質と結合させることにより、または天然の局在化部位以外の器官および細胞型へのターゲッティングを達成するために、リポソームの組成またはサイズを変化させることにより、リポソームを改変することが含まれる。
【0055】
ターゲッティング送達系の表面は、種々の方法で改変することが可能である。リポソームターゲッティング送達系の場合、ターゲッティングリガンドとリポソームの二重層との安定な会合を保持するために、リポソームの脂質二重層中に脂質基を導入することができる。脂質鎖をターゲッティングリガンドに結合させるために、種々の周知の連結基を使用することができる(例えば、Yanagawa,et l.,Nuc.Acids Symp.Ser.,19:189(1988);Grabarek,et al.,Anal.Biochem.,185:131(1990);Staros,et al.,Anal.Biochem.,156:220(1986),およびBoujrad,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:5728(1993)を参照されたい、これらの開示内容は、オリゴヌクレオチドを脂質にコンジュゲートさせることに関する当技術分野の標準的な知識レベルを単に示すために、参照により本明細書に組み入れる)。ISS‐ODNのターゲッティング送達はまた、ウイルスもしくは非ウイルス組換え発現ベクターの表面に、抗原もしくは他のリガンドに、モノクロナール抗体に、または所望の結合特異性を有する任意の分子に、ISS‐ODNをコンジュゲートすることにより、達成することができる。
【0056】
他の有用なコンジュゲートパートナーとしては、例えば、免疫原性抗原(アレルゲン、生きているおよび弱毒化ウイルス粒子、ならびに腫瘍抗原が含まれる)、ターゲッティングペプチド(受容体リガンド、抗体および抗体断片、ホルモン、ならびに酵素など)非ペプチド抗原(ペプチド結合により結合されたもの、例えば、脂質、多糖、糖タンパク質、ガングリオシドなど)、およびサイトカイン(インターロイキン、インターフェロン、エリスロポエチン、腫瘍壊死因子、およびコロニー刺激因子)が挙げられる。このようなコンジュゲートパートナーは、従来技術(例えばペプチド合成)に従って調製することが可能であり、多くのもの市販されている。
【0057】
オリゴヌクレオチド‐ペプチドコンジュゲートを調製するのに有用な方法について、当業者は熟知しているか、または容易に確認することができるであろう。コンジュゲート化は、ISS‐ODNの末端でまたは内部の好適な修飾塩基(例えば、シトシンまたはウラシル)で行うことができる。文献としては、オリゴヌクレオチドをタンパク質にコンジュゲートする方法およびIgのオリゴ糖部分にコンジュゲートする方法が知られている(例えば、O‘Shannessy,et al.,J.Applied Biochem.,7:347(1985)、を参照されたい、この開示内容は、オリゴヌクレオチドのコンジュゲートに関する当技術分野における標準的な知識レベルを単に示すために、参照により本明細書に組み入れる)。もう1つの有用な文献は、Kessler:“Nonradioactive Labeling Methods for Nucleic Acids”,Kricka(ed.),Nonisotopic DNA Probe Techniques(Acad.Press,1992)。
【0058】
簡潔に述べると、既知の好適なコンジュゲーション法としては、例えば、固相支持体化学を利用した3’結合によるコンジュゲート化(例えば、Haralambidis,et al.,Nuc.Acids Res.,18:493(1990)およびHaralambidis,et al.,Nuc.Acids Res.,18:501(1990)[ペプチドパートナーの固相支持体合成];Zuckermann,et al.,Nuc.Acids Res.,15:5305(1987),Corey,et al.,Science,238:1401(1987)およびNelson,et al.,Nuc.Acids Res.,17:1781(1989)[オリゴヌクレオチドパートナーの固相支持体合成]を参照されたい)。アミノ‐アミノ基連結は、Benoit,et al.,Neuromethods,6:43(1987)の記載に従って行うことが可能であり、一方、チオール‐カルボキシル基連結は、Sinah,et al.,Oligonucleotide Analogues:A Practical Approach(IRL Press,1991)の記載に従って行うことが可能である。これらの後者の方法では、固相支持体上でオリゴヌクレオチドパートナーを合成し、ホスホロアミダイトの反対側に保護アミン、チオール、またはカルボキシル基を含有する連結基が、5’‐ヒドロキシルに共有結合で連結される(例えば、米国特許第4,849,513号、同第5,015,733号、同第5,118,800号、および同第5,118,802号を参照されたい)。
【0059】
ペプチドへのオリゴヌクレオチドパートナーの連結は、改質シトシンまたはウラシル塩基へのリンカーアーム(例えば、アミンまたはカルボキシル基)の導入により行ってもよい(例えば、Ruth,4th Annual Congress for Recombinant DNA Research at 123を参照されたい)。アフィニティー連結(例えば、ビオチン‐ストレプトアビジン)を使用してもよい(例えば、Roget,et al.,Nuc.Acids Res.,17:7643(1989)を参照されたい)。
【0060】
オリゴヌクレオチドを脂質に連結するための方法もまた周知であり、オリゴ‐リン脂質コンジュゲートの合成(例えば、Yanagawa,et al.,Nuc.Acids Symp.Ser.,19:189(1988)を参照されたい)、オリゴ‐脂肪酸コンジュゲートの合成(例えば、Grabarek,et al.,Anal.Biochem.,185:131(1990)を参照されたい)、およびオリゴ‐ステロールコンジュゲートの合成(例えば、Boujrad,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA,90:5728(1993)を参照されたい)が含まれる。
【0061】
上記の引用文献はそれぞれ、オリゴヌクレオチドのコンジュゲーション法に関する当技術分野における知識および技術のレベルを示すことを単に目的として参照により本明細書に組み入れる。
【0062】
ペプチド薬を本発明に係るISS‐ODNと同時投与することについても、組換え発現ベクターにより送達可能な治療上有益な任意のタンパク質をコードする組換え発現ベクター(プラスミド、コスミド、ウイルス、またはレトロウイルス)中にcisまたはtransでISS‐ODNを導入することにより実施可能である。本発明を実施するために使用すべく発現ベクター中にISS‐ODNを導入することが望まれる場合、このような導入は、当業者には詳細に説明する必要のない従来の方法を用いて行うことが可能である。しかしながら、レビューのために、当業者は、先に記載のAusbel,Current Protocols in Molecular Biologyを調べることも可能である。
【0063】
簡潔に述べると、組換え発現ベクター(いずれのタンパク質をもコードしないベクターで、ISS‐ODN用の担体として使用されるものを含む)を構築するには、標準的な連結法を利用する。構築されたベクター中の配列が正しいかを確認するための解析を行うには、連結混合物を用いて宿主細胞を形質転換し、利用できる場合には抗生物質耐性により、うまく形質転換されたものを選択する。例えば、Messingらの方法(Nucleic Acids Res.,9:309,1981),Maxamらの方法(Methods in Enzymology,65:499,1980)、または当業者には周知の他の好適な方法を使用して、形質変換体からのベクターの調製、制限解析、および/または配列解析を行う。切断断片のサイズ分離は、例えば、Maniatisら(Molecular Cloning,pp,133‐134,1982)により報告されているように、従来のゲル電気泳動を用いて行う。
【0064】
宿主細胞は、発現ベクターを用いて形質転換し、プロモーターの誘発、形質変換体の選択、または遺伝子の増幅に適するように改変された従来型栄養培地中で培養してもよい。温度、pHなどの培養条件は、発現用として選択された宿主細胞に使用される従来の条件であり、当業者には自明であろう。
【0065】
組換え発現ベクターを本発明のISS‐ODN用の担体として利用する場合、病原性がないという点からプラスミドおよびコスミドが特に好ましい。しかしながら、プラスミドおよびコスミドは、ウイルスよりもin vivoで分解を受け易く、従って、適切な用量のISS‐ODNを送達することができずに、全身的に投与された遺伝子療法ベクターの呈するISS‐ODN免疫刺激活性が実質的に抑制される可能性がある。ウイルスベクター代替物のうち、アデノ随伴ウイルスは、病原性が低いという利点を有する。外来遺伝子の挿入に対するアデノ随伴ウイルスの能力が比較的低いということは、この場合には問題にならない。なぜなら、本発明のISS‐ODNは、比較的小さいサイズで合成することができるからである。
【0066】
本発明に利用可能な他のウイルスベクターとしては、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、またはRNAウイルス、例えば、レトロウイルスが挙げられる。レトロウイルスベクターは、好ましくは、マウス、トリ、またはヒトHIVレトロウイルスの誘導体である。単一の外来遺伝子を挿入可能なレトロウイルスとしては、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーヴェイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。多くの他のレトロウイルスは、多数の遺伝子を導入可能である。これらのベクターはすべて、形質導入細胞の同定および生成を行えるように、選択マーカー用の遺伝子を移入または導入可能である。
【0067】
組換えレトロウイルスは欠損があるため、感染性ベクター粒子を産生するような補助が必要である。こうした補助は、例えば、LTR内の調節配列の制御下でレトロウイルスの構造遺伝子のすべてをコードするプラスミドを含んでなるヘルパー細胞系を使用することによって得られる。これらのプラスミドには、パッケージング機構により被包用RNA転写産物の認識を可能にするヌクレオチド配列がない。パッケージングシグナルの欠損したヘルパー細胞系としては、例えば、ψ2、PA317、およびPA12が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの細胞系は、ゲノムがパッケージされていないので、エンプティビリオンを産生する。パッケージングシグナルは完全な形で存在しているが構造遺伝子が他の対象遺伝子で置換されているようなヘルパー細胞中にレトロウイルスベクターを導入すると、ベクターをパッケージすることができ、ベクタービリオンを産生することができる。
【0068】
1種以上の対象配列を、例えば、特異的標的細胞上の受容体に対するリガンドをコードする他の遺伝子と共に、ウイルスベクター中に挿入することにより、ベクターに標的特異性を付与することができる。例えば、糖、糖脂質、またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドを挿入することにより、レトロウイルスベクターに標的特異性をもたせることができる。好ましいターゲッティングは、抗体を用いてレトロウイルスベクターを標的化することにより達成される。ISS‐ODN含有レトロウイルスの標的特異的送達を可能にするようにレトロウイルスゲノム中に挿入可能な特異的ポリヌクレオチド配列について、当業者は知っているか、または過度の実験を行うことなく容易に確認することができるであろう。
【0069】
C. ISS-ODN の医薬品組成物
ベクターまたは他のデリバリーシステムを使用することなくデリバリーを行う場合には、ISS-ODNを医薬上許容される組成物に調製する。本発明のISS-ODNとともに使用するのに好ましい医薬上許容される担体としては、滅菌水溶液または非水溶液、懸濁液、及びエマルション等を挙げることができる。非水性溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、及びオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステル等が挙げられる。水性担体としては、生理食塩水及び緩衝媒体を含む、水、アルコール性/水性溶液、エマルション、懸濁液等が挙げられる。非経口投与用担体としては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルブドウ糖液、ブドウ糖及び塩化ナトリウム、乳酸化リンゲル液、または固定油等が挙げられる。静脈内投与用担体としては、補液や栄養補充液、電解質補充液(例えば、リンゲルブドウ糖液をベースにしたもの)等が挙げられる。保存剤及び他の添加剤、例えば抗菌剤、酸化防止剤、キレート化剤、及び不活性ガス等を加えてもよい。ISS-ODNの組成物は、周知の手段を用いて凍結乾燥し、後に再構成して本発明に従って使用してもよい。
【0070】
吸収促進剤、界面活性剤、及び化学的刺激剤(例えばケラチン溶解剤(keritinolytic agents))によって、ISS-ODNの標的組織内への透過を促進することができる。有機物質及びペプチドをベースにした薬剤の経粘膜デリバリーに使用して良好な結果が得られる吸収促進剤及び界面活性剤についての一般原則に関する参考文献としては、Chien, Novel Drug Delivery Systems, Ch. 4 (Marcel Dekker, 1992)を参照されたい。
【0071】
適当な経鼻粘膜吸収促進剤の具体例は、Chien(前出)のCh. 5、表2及び3に記載されており、より刺激の弱い薬剤が好ましい。本発明の方法で用いるための経粘膜/経鼻粘膜デリバリーのために適当な薬剤は、Changら、Nasal Drug Delivery, "Treatise on Controlled Drug Delivery"のCh. 9及び表3-4B (Marcel Dekker, 1992)にも記載されている。薬剤の経皮吸収を促進することが知られている適当な薬剤は、Sloan, Use of Solubility Parameters from Regular Solution Theory to Describe Partitioning-Driven Processes, Ch. 5, "Prodrugs; Topical and Ocular Drug Delivery" (Marcel Dekker, 1992)、及び本明細書の他の部分に記載されている。上記の全ての文献は、ドラッグデリバリー技術に関する当分野での知識及び技術的水準を説明することのみを目的として引用により本明細書の一部とする。
【0072】
D. 本発明の方法の実施において使用するためのキット
上述の方法で使用するためのキットも本発明により提供される。このようなキットには、ISS-ODN(コンジュゲートしたものまたはコンジュゲートしていないもの)、医薬上許容される担体(予めISS-ODNと混合しておいてもよい)、または凍結乾燥したISS-ODNを再構成するための懸濁液ベース、追加の薬物、ISS-ODN及び追加の薬物それぞれのための滅菌バイアル、またはそれらの混合物用の1個のバイアル、ISS-ODNのホストへのデリバリーに使用するための器具、処置を受けた動物において求めている抗炎症性及び/または免疫賦活効果があげられていることの証拠を検出するための検査試薬、及び適当な検査装置の全て、または一部を含むものとすることができる。
【0073】
以下、本発明の実施を示す実施例について説明する。これらの実施例は、単に参考として記載したもので、特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。本実施例において使用される全ての略語及び用語は、特に断りがない限りそれらについて想起される通常の意味を有する。
【0074】
実施例 I
アレルギー性喘息の気道過敏症に対するネズミモデル
種々の系統の感作抗原チャレンジマウスが、アレルギー性喘息で見られる気道過敏症のモデルとなる。この疾病のモデル化に使用するために適したマウス系としては、Balb/cマウス(Th2表現型に向かって遺伝的に偏らせてあり、CD4+リンパ球に対する抗原チャレンジに応答して高濃度のIL-4及びIL-5を産生するもの)、C57BL/6マウス(IL-5を欠損し、喘息におけるIL-5によって誘発される組織損傷の詳細な研究用のもの)、及びW/Wマウス(マスト細胞を欠いた、喘息におけるマスト細胞活性化の詳細な研究用のもの)等が挙げられる。
【0075】
疾病モデル化マウスの作製は、従来通りにモデル感作抗原として、担体(例えば、ミョウバンのようなアジュバントを含む担体または滅菌生理食塩水)中の卵白アルブミン("OVA")を、腹腔内注射または皮下注射し、次にエアロゾル化した抗原で抗原チャレンジすることによって行う。例えば、25μgのOVAを(アジュバントを用いて、あるいはアジュバントを用いずに)4〜6週にわたって毎週1回皮下注射することによりマウスを免疫化し、その後リン酸緩衝食塩水(PBS)中の濃度50 mg/mlのOVAをエアロゾル化したものを20分間隔でデリバリーすることにより2、3週ごとにチャレンジするか、あるいは0.9%食塩水中の10 mg/mlの濃度で約1週間にわたって(30分間隔で3回を毎日)チャレンジする。エアロゾル化のために用いる噴霧装置は、Aerotech II, CIS-US, Bedford, MAから入手でき、マウスの鼻孔の通過に適合したノーズチャンバ(例えばIntox Products, Albuquerque, NM製のnose-only chamber)とともに用いる。圧縮空気を10リットル/分の流量で送り込むと、上述の装置は、空気動力学的直径のメジアンが1.4μmのエアロゾル粒子を生成する。
【0076】
対照マウスとしては、先に免疫化を行わずにタンパク質抗原をチャレンジした同腹子が好ましい。この動物モデルに関する詳細については、当業者は、Fosterら、J. Exp. Med., 195-201, 1995及びCorryら、J. Exp. Med., 109-117, 1996.を参照することができる。
【0077】
実施例 II
ISS-ODNの投与による、ネズミ喘息モデルの肺組織における好酸球蓄積量の低下
6〜10週齢のBALB/cマウスを、実施例Iに記載したようにしてアレルギー性喘息モデル (OVAの皮下注射の後、PBS1 ml当たり50 mgの濃度のOVAで抗原チャレンジを行ったもの) として調製した。この方式に従って各マウスにOVAを吸入させる前に、それぞれ8匹のマウスからなるマウスの組に対して、以下の表に記載したように処置を行った。対照マウスは、抗原チャレンジを行ったが処置を行っていないものであり、未処置マウスは、抗原をチャレンジしていないものである。デキサメサゾン(喘息の治療のために従来から用いられているステロイド系抗炎症剤)の投与量はマウスの体重1 kgに対して5 mgとした。抗原の初期投与量は、0.2 mlのリン酸緩衝食塩水(PBS)中の、ミョウバンに吸着させた25μgのOVAとした。抗原のチャレンジ量は、PBS 1 ml当たり50 mgの 濃度のOVAの10 mlとした。
【0078】
【表1】
Figure 0004663113
【0079】
DY 1018は、ホスホチオエートのバックボーンを有する、5'-TGACTGTGAACGTTCGAGATGA-3' (配列番号19)のヌクレオチド配列を有し、
DY 1019は、ホスホチオエートのバックボーンを有する、5'-TGACTGTGAAGGTTGGAGATGA-3' (配列番号20)のヌクレオチド配列を有する。
【0080】
32日目に、尾の切断により各マウスの採血を行い(約50μl容量)、0.1 mMのPBS及びEDTAの溶液に入れた。溶液内の赤血球を、dH2O中の150 mMのNH4Cl及び10 mMのKHCO3で溶解し、次いで染色した(Wright-Giesma染色)。気管の疎通を行い屠殺した後、800μlのPBSで洗浄し、各マウスから肺の洗浄液を採取し、次にその洗浄液産物を染色した。摘出した大腿骨骨髄をPBSで洗い流すことによって各マウスの骨髄サンプルを得た。肺及び気管組織の組織学的標本を肺の右下葉及び気管から得た。標本を冷凍し、5ミクロン幅の切片に分割し、DABペルオキシダーゼで染色した。
【0081】
試験結果を、各サンプルにおける全白血球に対する好酸球の百分率(炎症性浸潤物)として以下の表に示す。但し「肺」に関する試験結果は、顕微鏡の視野当たりの好酸球の数を示す(各サンプルについて無作為に選択した5つの視野を評価した)。要約すると、対照マウスは、肺/気管組織サンプルにおいて平均67%の好酸球を有していた。変異ISS-ODN(M-ISS-ODN; DY1019)を受容したマウスは、IP及びNPの投与の後、肺組織における好酸球蓄積が、それぞれ平均52%及び88%(±12%)であった。抗原のチャレンジの後にM-ISS-ODNで処置したマウスについてより高い値となっているのは、DY1019の免疫抑制特性によるものである可能性が非常に高い(同時係属中の、出願人を同じくする、1997年6月6日出願の、発明者Eyal Razによる、"Inhibitors of DNA Immunostimulatory Sequence Activity"なる名称の、米国特許出願(出願番号60/048,793)を参照)。従って、マウスの組7及び8は、アレルギー性喘息を有する部分的免疫不全状態のホストをモデル化している。
【0082】
全く対照的に、DY1018 ISS-ODNの経鼻粘膜デリバリーで前処置したマウスでは、肺及び気管における好酸球蓄積が、抗原チャレンジの後に処置した場合は約10%未満、抗原チャレンジの前に処置した場合は約19%未満に過ぎなかった。これらの数値は、好酸球蓄積量が、対照マウスと比較して最大80%低下し、M-ISS-ODN(IN)処置したマウスと比較して90%以上低下したことを示している。
【0083】
IP ISS-ODN処置したマウスではさらに良好な結果が得られ、抗原チャレンジの前後何れに処置した場合も、肺及び気管における好酸球蓄積は6%であった。この数値は、対照マウスと比較して好酸球蓄積量が86%低下し、M-ISS-ODN(IP)処置したマウスと比較して91%低下したことを示している。
【0084】
これらのデータは、アレルギー性喘息の後期の特徴であるIL-5の刺激による肺組織での好酸球蓄積が、本発明のISS-ODN治療方法により抑制されることを示している。
【0085】
【表2】
Figure 0004663113
【0086】
実施例 III
抗原に依存しない肺組織での好酸球蓄積量の低下
実施例2のデータによって示された好酸球抑制が、ISS-ODNによる免疫刺激に依存しているか否かを評価するため、慣用のTh2刺激性アジュバント(ミョウバン)を用いてOVAに対してマウスを感作し、ISS-ODNまたは対照で処置し、マウスの免疫系に対するISS-ODNによる刺激が生ずると予想される時より前に好酸球抑制を測定した。
【0087】
より具体的には、4匹のマウスの群を、1 mgのミョウバン中の25μgのOVAを1日目、7日目、14日目、及び21日目に皮下注射することにより免疫化した。この免疫化プロトコルは、マウスにおける抗原のTh2型応答を刺激することが知られているものである。27日目に、群の1つに、実施例Iに記載のDY 1018 ISS-ODNを100μg、腹腔内注射により投与した。対照群には、実施例Iに記載のDY 1019 M-ISS-ODNを同じ投与経路によって投与した。
【0088】
28日目に、各群の動物にリン酸緩衝食塩水1 ml当たり10 mgのOVAを、吸入によって30分間投与した。30日目に、各群の動物の一部に、ISS-ODNまたはM-ISS-ODNの2回目の注射を行い、27日目に処置しなかった動物をISS-ODNまたはM-ISS-ODNで処置した。31日目にOVAの吸入によるチャレンジを繰り返し、動物を24時間以内に屠殺して好酸球数をカウントした。
【0089】
この実験の結果を以下の表に示す。27日目と30日目にISS-ODNを2回投与された動物は、ISS-ODNによる免疫刺激が処置の直後に最小であったものでも、32日目の気管支肺胞洗浄液(BALF)中の好酸球は5.8%に過ぎなかった。ISS-ODNで1回だけ処置を受けた(30日目)場合でも、BALF中の好酸球蓄積は、処置を受けた動物で10.3%に過ぎなかった。これに対して、M-ISS-ODNで2回処置した対照動物は、抽出したBALF中に42.3%の好酸球が存在した。
【0090】
【表3】
Figure 0004663113
【0091】
これらのデータから、本発明の実施により動物におけるアレルギー性の炎症を抑制できること、及びその抑制は処置の翌日に速やかに生じ得ることが立証される。
【0092】
実施例 IV
ISS-ODNを含むプラスミドの投与後のホストでのTh1応答の選択的誘導
マウスにおいて、IgG 2A抗体はTh1型免疫応答の血清学的マーカーであり、IgG 1抗体はTh2型免疫応答を示すものである。Th2応答には、アレルギー関連IgE抗体クラスが含まれ、可溶性タンパク質抗原は比較的強いTh2応答を刺激する傾向がある。これに対し、Th1応答はマクロファージ及び樹状細胞に結合する抗原によって誘導される。
【0093】
本発明によりISS-ODNを投与されたマウスによって応答が誘導された場合、何れの応答であるかを決定するために、9つの群のBalb/cマウスを、10μgのβガラクトシダーゼタンパク質(アビジンにコンジュゲートしたもの; Sigma, St. Louis, MO)で免疫化して、モデルのアレルギー表現型を生成し、以下のように処置した。
【0094】
【表4】
Figure 0004663113
【0095】
2週間おきに、各マウスの血清に存在するβガラクトシダーゼに対するIgG 2a及びIgG 1を、酵素でコーティングしたマイクロタイタープレート上での(IgG 1及びIgG 2Aサブクラスに特異的な抗体を用いる)酵素結合免疫吸着アッセイにより測定した。
【0096】
図2に示すように、ISS-ODNを投与されたマウスのみが高い力価のIgG 2A抗体を生成し、その数は12週間にわたって増加し続けた。図3に示すように、抗原自体による、あるいは変異体ISS-ODNによるマウスの免疫化によって、比較的高い力価のIgG 1抗体の産生が誘導された。図に示すデータは、マウスの各群から得られた平均の数値を含む。
【0097】
これらのデータは、本発明によるISS-ODNを抗原をチャレンジしたホストに投与することによって、選択的Th1応答が誘導されることを示している。さらにデータは、本発明によるISS-ODNを投与することによって、ISS-ODNの投与を抗原チャレンジの前に行った場合でも(この例では、抗原チャレンジの72時間前)、抗原をチャレンジすると免疫系をTh1表現型の方に偏らせることを示している。
【0098】
実施例 V
抗原をコードするポリヌクレオチドを用いた免疫化による抗原に対するIgE抗体の応答の抑制
Th2型の細胞の免疫応答に優先してTh1型細胞免疫応答を刺激することによって達成されたIgE抑制を示すために、5〜8週齢のBalb/cマウスを、2種の組換え発現ベクター、即ちISS-ODNを含むpCMV-Lac-Z (DY 1018 ISS-ODNに類似するヌクレオチド配列の2つのコピーを含む)、または対照プラスミドのpCMV-BLの何れか一方で免疫化した。第3の群のマウスには、抗原(βガラクトシダーゼ)を注射した。プラスミドDNAを精製し、TRITON X-114(Sigma, St. Louis, MI)で抽出することにより、その内毒素成分をDNA 1 mg当たり0.5-5 ngに低下させた。接種の前に、pDNAをエタノールで沈殿させ、70%エタノールで洗浄し、発熱物質を含まない生理食塩水に溶解した。
【0099】
免疫化は、MONO-VACC(登録商標)マルチプルタイン装置(Connaught Lab, Inc., Swiftwater. PA)の個々の尖叉(tyne)にロードされたプラスミドDNAを皮内注射することによって行った。簡単に説明すると、タイン装置を、DDW中で十分に洗浄し、終夜0.5%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)に浸漬した後に準備し、再度DDW中で洗浄し、終夜0.1N NaOHに浸漬し、再度DDW中で洗浄し、37℃で8時間乾燥した。以下に説明する各接種の直前に、生理食塩水に溶解したプラスミドDNAの6μlを、タイン装置の尖叉にピペットで移した。装置にロードしたpDNAの総量は、接種あたりpCNV-Lac-Z及びpCMV-BLのそれぞれについて25μgとした。実際の投与量の推定においては、尖叉を皮内の組織に注射する際に実際に導入されるのは、タイン装置にロードしたpDNA溶液の10%未満であると仮定した。
【0100】
各マウスについて、各プラスミドの2回の接種を1週間おきに尾の根元部に皮内注射する処置を3回行った。別の群のマウスについては、pDNAの代わりに10μgのβガラクトシダーゼタンパク質(50μlの生理食塩水に溶解したもの)を尾の根元部に単回皮内注射した。
【0101】
その後の感作抗原のチャレンジに対するIgE抗体による応答を誘導するために、各群のマウスに、初回の免疫化の14週後に、1μgの抗原(βガラクトシダーゼ; Calbiochem, San Diego, CA)、及びアジュバントとして3 mgのALUM水酸化アルミニウム(Pierce Chemical, Rockford, IL)を含むリン酸緩衝食塩水(PBS)溶液の0.1 mlを腹腔内注射した。マウスからの血清中の総IgEのアッセイをその後の4週間にわたって4回行った。
【0102】
IgEは、96ウェルポリビニルプレートにおいて固相ラジオイムノアッセイ(RAST) (Coligan, "Current Protocols In Immunology", Unit 7.12.4, Vol. 1, Wiley & Sons, 1994に記載のELISA法において放射性同位体に変更した方法)を用いて検出した。但し、ヒトFabに特異的な抗体の代りに、マウスのε鎖に特異的な精製されたポリクローナルヤギ抗体を用いた。抗-Lac-Z IgEを検出するためにプレートをβガラクトシダーゼ(10μg/ml)でコーティングした。この使用したアッセイで検出可能なIgEの最低濃度は、0.4 ngのIgE/mlであった。
【0103】
各群のマウスによる抗抗原反応を特異的に測定すると、図4に示すように、ISS-ODNを含むプラスミドを注射したマウスにおいては、抗-Lac-Z IgE濃度は追加免疫の前後を通じて低いレベルにとどまっていたが(RASTにおいて平均約250 CPM)、タンパク質を注射したマウスは、特に第1回目の追加免疫をした後に高レベルの抗-Lac-Zを生成し、このときマウスの抗-Lac-Z濃度は平均約3000 CPMに上昇した。免疫寛容の獲得とともに、タンパク質を注射したマウスでは抗-Lac-Z IgE濃度が経時的に低下したが、βガラクトシダーゼに対する免疫化を受けていない対照マウスでは上昇し続けた。
【0104】
これらのデータから、ISS-ODNを含むプラスミドを注射したマウスは、IgEの産生の抑制を伴うプラスミド発現産物に対する抗原特異的Th1型応答を生成したが、このタンパク質を注射したマウスでは、実質的により高レベルの抗原特異的IgE抗体が発生した後に初めて免疫寛容が獲得されたことがわかる。
【0105】
実施例 VI
ISS-ODNをデリバリーした後のマウスにおける、IL-4、IL-5、IL-10及びIFNγレベル及びCD4+リンパ球の増殖
BALB/cマウスに、100μgのDY 1018、DY 1019またはランダム配列の対照(DY 1043)を静脈内注射し、24時間後に屠殺した。各マウスから脾細胞を回収した。
【0106】
96ウェルマイクロタイタープレートを、食塩水1 ml当たり1μgの濃度の抗CD-3抗体(Pharmingen, La Jolla, CA)でコーティングした。この抗CD3抗体は、T細胞受容体(TCR)複合体に結合することの効果に類似した化学的シグナルを送ることによってT細胞を刺激する。このプレートを洗浄し、10%胎仔ウシ血清を含むRPMI 1640培地中の脾細胞を各ウェル(4×105/ウェル)に加えた。1日目、2日目及び3日目の上清を得た。
【0107】
これらの上清におけるTh2サイトカイン(IL-4、IL-5及びIL-10)のレベルを市販のキットを用いて測定するとともに、Th1サイトカイン(IFNγ)レベルを抗IFNγネズミ抗体アッセイ(例えば、Coligan, "Current Protocols in Immunology", Unit 6.9.5., Vol. 1, Wiley & Sons, 1994を参照)によって測定した。Th2表現型を有するマウスでは、IL-4及びIL-10が比較的高レベルでIFN-γが比較的低レベルであることが予想され、Th1表現型を有するマウスでは、IL-4及びIL-10が比較的低レベルでIFN-γが比較的高レベルであることが予想された。IL-5が比較的高レベルであることは前炎症状態(pro-inflammatory mileau)を特徴付けるものであり、IL-5が比較的低レベルであることはその逆である。
【0108】
図5及び図6に示すように、DY 1018で処置したマウスにおける抗CD3で刺激されたIL-4及びIL-10の分泌のレベルは、対照マウスより実質的に低かった。DY 1019マウスでは、その中間であった。前炎症性IL-5のレベルは、DY 1018で処置したマウスにおいて同等な程度低下した(図7)。
【0109】
抗原チャレンジに応じたT細胞増殖のレベルは、DY 1018(ISS-ODN)で処置したマウスにおいて、DY 1019(変異ISS-ODN)で処置したマウス及び対照マウスと比較して著しく低下した。このT細胞増殖の抑制は、IL-2の投与により可逆的であり、このことはこの抑制がISS-ODNで処置したマウスにおけるTh2アネルギーに起因するものであったことを示すものである(以下の表を参照)。
【0110】
【表5】
Figure 0004663113
【0111】
Th1により刺激されたIFN-γ分泌のレベルは、(対照マウスと比較して)DY 1018で処置したマウスにおいて著しく増加したが、DY 1019で処置したマウスでは実質的に低下した。これは後者のマウスにおいてTh2型状態が刺激されたことを示している。これらの結果を裏付ける別のデータを以下の表に示す。表の"b/f"は「〜の前」を表し、"1st"、"2nd"、及び"each"は、1回目の抗原チャレンジ、2回目の抗原チャレンジ、及び各回の抗原チャレンジの前に化合物を投与することを表している。
【0112】
重要な点は、抗原チャレンジの前にマウスの処置を行うと、抗原チャレンジ後に処置する場合と比較して、抗原チャレンジ時の免疫応答がより効果的にTh1表現型にシフトするということである。図9及び図10に示すように、抗原でプライムした(但しチャレンジはしていない)動物で、(βガラクトシダーゼによる)抗原チャレンジの72時間前にISS-ODN DY1019を注射したものにおいては、抗原チャレンジ後に処置した同腹仔や、変異体の不活性なオリゴヌクレオチド(DY 1019)を前チャレンジした同腹仔と比較して、上昇したIFN-γの分泌(図9)及びCD4+リンパ球の増殖(図10)により測定されるように、抗原に対するTh1型免疫応答がより強力なものとなった。
【0113】
【表6】
Figure 0004663113
【0114】
さらに、本発明により投与されたISS-ODNにより、Th2感作マウス細胞(OVAでプライムしたマウスから回収し、in vitroで100μg/mlのOVAとともに72時間インキュベートした脾細胞)からのTh2サイトカイン放出が抑制される。ISS-ODNを用いた処置は、屠殺する1日前(-1)または3日前(-3)に行った。これらのデータを以下に示す。
【0115】
【表7】
Figure 0004663113

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、哺乳類免疫系の態様をまとめたチャートである。
【図2】 図2は、抗原チャレンジの3日前にISS‐ODNで処置したマウス中でTh2表現型からTh1表現型へのシフト(IgG2A産生として測定)が起こることを実証するデータのグラフである。
【図3】 図3aおよび3bは、抗原チャレンジの3日前に変異体である不活性ISS‐ODNで処置したマウス中でTh2表現型が誘導されること(IgG1A産生として測定)を実証するデータのグラフである。
【図4】 図4は、抗原感作(対照)マウスと比較して、抗原感作ISS‐ODN(DY1018 ISS‐ODNのコピーを2つ含有するプラスミドpCMV‐LacZ)処理マウス中で抗原特異的IgEのTh1関連抑制が起こることを実証するデータのグラフである。
【図5】 図5は、対照と比較してISS‐ODNによるIL‐4分泌の抑制を実証するデータのグラフである。
【図6】 図6は、対照と比較してISS‐ODNによるIL‐5分泌の抑制を実証するデータのグラフである。
【図7】 図7は、対照と比較してISS‐ODNによるIL‐10分泌の抑制を実証するデータのグラフである。
【図8】 図8は、対照と比較してISS‐ODNによるIFNγ分泌の刺激を実証するデータのグラフである。
【図9】 図9は、抗体チャレンジの前(アステリスクの付いたバー)または抗原チャレンジの後にISS‐ODNで処置した動物中でTh1表現型へのISS‐ODN媒介シフト(IFNγレベルで示されている)が起こることを実証するデータのグラフである。
【図10】 図10は、抗体チャレンジの前(アステリスクの付いたバー)または抗原チャレンジの後にISS‐ODNで処置した動物中で免疫応答のISS‐ODN媒介増大(CD4+リンパ球増殖の増加で示されている)が起こることを実証するデータのグラフである。
【配列表】
Figure 0004663113
Figure 0004663113
Figure 0004663113
Figure 0004663113
Figure 0004663113
Figure 0004663113
Figure 0004663113

Claims (22)

  1. 喘息の治療に十分な量の免疫刺激オリゴヌクレオチドを含有する、喘息刺激抗原に感作された哺乳動物に投与するための喘息の治療剤であって、該免疫刺激オリゴヌクレオチドは5'-シトシン-グアニン-3'の配列を含む免疫刺激配列(ISS)を含み、かつ6〜200ヌクレオチド長であり、該免疫刺激オリゴヌクレオチドは上記抗原と同時送達されることなく呼吸組織に投与される、上記治療剤。
  2. 抗原刺激炎症の治療に十分な量の免疫刺激オリゴヌクレオチドを含有する、抗原に感作された哺乳動物に投与するための抗原刺激炎症の治療剤であって、該免疫刺激オリゴヌクレオチドは5'-シトシン-グアニン-3'の配列を含む免疫刺激配列(ISS)を含み、かつ6〜200ヌクレオチド長であり、該免疫刺激オリゴヌクレオチドは上記抗原と同時送達されることなく呼吸組織に投与される、上記治療剤。
  3. 治療剤が鼻孔内投与、吸入または吹送により投与される、請求項1または2に記載の治療剤。
  4. 治療剤が、鼻粘膜、気管もしくは気管支へ治療剤を送達するネブライザデバイスにより送達される、または鼻孔内投与により肺組織へ送達される、請求項1または2記載の治療剤。
  5. 前記ISSが、5'-プリン-プリン-シトシン-グアニン-ピリミジン-ピリミジン-3'の配列を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療剤。
  6. 前記ISSが5'-AACGTT-3'の配列を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療剤。
  7. 前記ISSが、AGCGTC、GACGTT、GGCGTT、AACGTC、GACGTC、GGCGTC、AGCGCC、GACGCC、GGCGCC、AGCGCT、GACGCT、GGCGCT、AACGCT、AACGTT、AGCGTT、およびAACGCCからなる配列群より選ばれるヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の治療剤。
  8. 前記ISSが配列番号19に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療剤。
  9. 前記哺乳動物がヒトである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の治療剤。
  10. 前記免疫刺激オリゴヌクレオチドがペプチドに連結され、該ペプチドが哺乳動物が感作された抗原ではない、請求項1〜9のいずれか1項に記載に治療剤。
  11. 前記ペプチドがターゲッティング部分である、請求項10に記載の治療剤。
  12. 前記ペプチドがサイトカインである、請求項10に記載の治療剤。
  13. 前記ISSが、AGCGUC、GACGUU、GGCGUU、AACGUC、GACGUC、GGCGUC、AGCGCC、GACGCC、GGCGCC、AGCGCU、GACGCU、GGCGCU、AACGCU、AACGUU、AGCGUU、AACGCC、GACGUT、GACGTU、GGCGUT、GGCGTU、AACGUT、AACGTU、AGCGUT、およびAGCGTUからなる配列群より選ばれるヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の治療剤。
  14. 前記免疫刺激オリゴヌクレオチドが抗体に連結されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の治療剤。
  15. 免疫治療薬と併用して投与される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の治療剤。
  16. 抗炎症薬と併用して投与される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の治療剤。
  17. 肺組織における好酸球蓄積が低減される、請求項1に記載の治療剤。
  18. 前記喘息刺激抗原により刺激された炎症が低減される、請求項1に記載の治療剤。
  19. 前記抗原刺激炎症がアレルギー症状である、請求項2に記載の治療剤。
  20. 感作抗原に応答したIgE産生が低減される、請求項2に記載の治療剤。
  21. 前記抗原刺激炎症がTh2関連炎症である、請求項2に記載の治療剤。
  22. 前記免疫刺激オリゴヌクレオチドがTh1表現型への免疫応答のシフトに十分な量で投与される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の治療剤。
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