JP2002526425A - 粘膜免疫を刺激するための方法およびアジュバント - Google Patents

粘膜免疫を刺激するための方法およびアジュバント

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗原に対する粘膜免疫を誘導する方法に関し、そのような抗原に対する免疫を刺激する上で有効なオリゴヌクレオチドアジュバントを提供する。本発明によって提供されるアジュバントは毒性が低く、コレラ毒素やその他の粘膜用アジュバントと比較して製造が比較的簡単であり、また宿主の免疫応答をTh1表現型へと偏向させ得るという更なる利点も有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連する米国特許出願 本出願は、1997年9月5日に出願され、現在係属中の米国特許出願第08/927,120
号の部分継続出願である。
【0002】政府の権利の言明 本発明は、補助金番号PO1 AI40682およびKO8 AI01490として国立衛生研究所よ
り授与された政府補助金によってなされた。政府は本発明に一定の権利を有し得
る。
【0003】発明の属する技術分野 本発明は、宿主の粘膜免疫を刺激するために用いる方法およびオリゴヌクレオ
チド組成物に関する。
【0004】関連技術の歴史 免疫グロブリンA(IgA)および細胞傷害性T細胞(CTL)は、粘膜組織においてエ
イズウイルスを含む多数の感染性作用物質に対する保護を提供することが知られ
ている。しかし、抗原に対するそのような粘膜免疫を誘導するための効果的で、
かつ非毒性の手段は容易に見つからないことが示された。例えば、弱毒化生ワク
チンは粘膜性IgAおよびCTL応答を含む強い免疫をもたらすが、そのようなワクチ
ンは製造が困難で、かつ医原性疾患を引き起こす危険がある。これらの問題は感
染性作用物質由来の組換えタンパク質を使用することによって回避できるが、粘
膜表面に運ばれた抗原に対する免疫応答は一般に弱い。
【0005】 粘膜において活性なアジュバントは、それと同時に投与されるタンパク質抗原
に対する免疫応答を実質的に向上させることが可能であるが、ヒトにおける使用
を制限する毒性を有する。例えば、コレラ毒素は極めて強力な粘膜用アジュバン
トであるが、これは生来的に毒性であり、そしてIgEの産生および標的抗原に対
するアレルギー性感作を含む、Th2に偏った免疫応答を誘導する場合がある。こ
のような制限のために、アルミニウムは今日の臨床使用における実質的に唯一の
アジュバントである。しかし、アルミニウムは比較的弱く、多数の抗原と作用す
るというわけではなく、CTL活性を誘導しない。そしてアルミニウムは全身に送
達されてしまうため、粘膜における検出可能な力価のIgA産生を誘導しない。
【0006】発明の概要 本発明は、抗原によって誘導されるIgE産生を回避しながら、抗原特異的IgA産
生を刺激するだけでなく、宿主の免疫応答をTh1表現型に偏向させる粘膜におい
て活性なアジュバントを提供する。このアジュバントは、哺乳動物において公知
の毒性を殆ど持たないか、または全く持たず、製造が比較的簡単で、かつ粘膜用
アジュバントとして用いられているコレラ毒素の効果に匹敵する効果を有する。
実際、本発明のISS-ODNアジュバントを用いると1回投与しただけで強いsIgA応答
が得られる。
【0007】 本発明の粘膜において活性なアジュバントは、免疫刺激性オリゴヌクレオチド
(ISS-ODN)からなる。本発明の方法の実施に用いるための、製薬上許容されるISS
-ODNの組成物が提供される。本発明のISS-ODNは、5’-プリン-プリン-[C]-[G]-
ピリミジン-ピリミジン-3’という一次構造からなるものを含む、CpGジヌクレオ
チドで富化されたDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドを含む。ISS-ODNアジュバン
ト組成物の特に有用な形は、免疫感作抗原とISS-ODNとをコンジュゲートした形
である。
【0008】 本発明はさらに宿主における分泌性IgA(sIgA)の産生を刺激する手段を提供す
る。この目的のため、抗原感作の前または後で宿主粘膜にISS-ODNが投与される。
本発明のこの側面に関する特に有利な用途は、アレルゲンおよび病原体などの抗
原がそこから宿主の体内に侵入する粘膜部位に免疫を誘導することである。本発
明はISS-ODNの投与部位で、およびそこから遠い部位で、粘膜における免疫を刺
激するのに有用である。
【0009】 好都合なことに、本発明によってもたらされる粘膜免疫は、抗原に対する宿主
の全身性免疫応答におけるTh2免疫表現型から Th1免疫表現型へのシフトを伴な
う。したがって、後に実施する抗原によるチャレンジに対する宿主の粘膜免疫応
答性を増強するための本発明の方法を使用するとIgE産生が抑制され、それによ
って抗原チャレンジに応答して免疫感作により誘導されるアナフィラキシーの危
険が回避される。
【0010】 Th2免疫表現型の抑制は、本発明の粘膜用アジュバントの使用によっても達成
される。したがって該アジュバントの使用は、抗原によって刺激されるIL-4およ
びIL-5の産生(これは公知のアジュバントを用いた免疫感作を含む標準的免疫療
法に伴なうものである)を減少させる。
【0011】 ISS-ODNは、ISS-ODNおよび任意の付加的薬剤、ならびにISS-ODNを宿主組織に
送達するデバイスおよび処置を受けた宿主に対するISS-ODNの生物学的効果を測
定するための試薬を含むキットの形で提供することも可能である。
【0012】発明の説明 A.粘膜免疫に対するISS-ODNアジュバントの効果 1.粘膜免疫系 殆どの外来性抗原が哺乳動物に侵入する主な入口は粘膜組織、すなわち、舌/
胃、呼吸器、生殖器、直腸および眼の粘膜組織である。粘膜における免疫保護は
、粘膜関連リンパ組織(MALT)、上皮細胞、ならびにB細胞、T細胞およびアクセ
サリー細胞の亜集団によって媒介される。抗原に対する粘膜免疫の誘導を特徴づ
ける一次免疫応答は、活性化B細胞によるsIgAの産生である。sIgAは粘膜表面に
おける保護を提供することによって宿主の免疫に寄与し、それによって侵入しつ
つある抗原が全身的に関与する可能性を制限する。B細胞のsIgA産生細胞への最
終分化は、Th1免疫表現型において産生されるサイトカインであるIL-6との接触
によって助けられる。Th1免疫表現型はまた、細胞内感染に対する宿主免疫応答
を助ける抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の産生を含む、細胞性免疫の誘導
をも助ける。
【0013】 殆どの病原体および他の外来性抗原は粘膜を通って宿主に侵入するが、有効な
粘膜免疫を刺激することが困難なので、殆どのワクチン組成物の投与を非経口経
路に限定されてきた。しかし、抗原の非経口投与は典型的には局所免疫(例えば
、粘膜内におけるIgAの産生または細胞性免疫)を誘導しない。したがって、非
経口ワクチン投与後の宿主免疫の発達は、外来性抗原が全身に分布するに至るま
で遅延される。
【0014】2.ISS−ODNの粘膜アジュバント性 本発明にしたがって粘膜に投与されたISS−ODNはアジュバントとして作用し、
そして抗原に対する宿主の免疫応答を以下のようにモジュレートする。すなわち
、IgE媒介アナフィラキシーの危険を殆ど伴なわずに(実施例6;図5)、(1)保
護性sIgAの局所的産生の刺激(実施例Iおよび図1);(2)細胞性免疫の刺激(特
にCTL産生;実施例IVおよび図4);および(3)宿主免疫応答をTh1表現型に偏向
させる(実施例II、IIIおよびVI;図2、3および6-11)ことである。これらの現象
の理解は、以下の非限定的定義によって助けられる。
【0015】 a.当技術分野で受け入れられている意味によれば、「アジュバント」という用
語は「特定の抗原と組合わせて用いられる物質であって、該抗原を単独で用いる
場合よりも多大な免疫性をもたらす」物質をいう(Ramon, Ann. Inst. Pasteur,
38:1-10 (1924);最近では、O'Hagen, 「全身および粘膜投与のためのワクチン
アジュバントにおける最近の進歩」, J. Pharm. Pharmacol., 49:1-10 (1997)に
、承認され、引用された)。
【0016】 b.「増強された」免疫応答とは、アジュバントによってもたらされる免疫応
答をいう。すなわち、対照(一般に、単独で投与される抗原からなる)によって誘
導されるものよりも強い、抗原に対する応答をいう。本発明のISS-ODNアジュバ
ントを用いると、抗原特異的分泌型IgA(sIgA)の産生によって測定される増強
された応答は、抗原を単独で用いた免疫感作によって達成される応答の大きさの
少なくとも3倍、そして約30倍にもなることが期待できる。特に局所的sIgA産生
についてそれが期待できる。または、本発明のISS-ODNによる免疫応答の増強(
抗原特異的分泌型IgA(sIgA)産生によって測定される)は、抗原およびコレラ
毒素アジュバンドを用いた免疫感作によって達成される応答の大きさと同等また
はそれより大きく(約2倍まで)になることが期待できる。特に局所的sIgA産生
についてそれが期待できる。
【0017】 c.「局所性」および「局所的」という用語は、本発明によりISS-ODNが導入
される粘膜組織およびそこから産生される流体をいう。したがって、例えば、宿
主にISS-ODNおよび抗原を鼻腔内投与した後、気管支肺胞洗浄液中に測定されるs
IgAは、宿主呼吸組織に誘導された局所性粘膜免疫の1態様を表す。
【0018】 d.「粘膜免疫」および「粘膜免疫応答」という用語は、ある粘膜組織内の哺乳
動物免疫系の、該粘膜組織または遠位の粘膜組織に導入された抗原に対する応答
をさす。この応答は、sIgAの産生によって限定されることなく特徴づけられる。
粘膜免疫応答は全身性免疫応答を伴う場合もある。
【0019】 e.「Th1表現型」という用語は、CD4+リンパ球のTh1(ヘルパーT細胞)サブ
セットによって媒介される免疫表現型をさす。Th1細胞は主としてIL-2、IFNγお
よびTNFβを分泌する(後者の2つはマクロファージ活性化および遅延型過敏症
を媒介する)。Th1の活性化を助けると考えられる要因は、ウイルス感染によっ
て誘導されるものに類似しており、細胞内病原体;IFN-β、IFN-α、IFNγ、IL-
12およびIL-18への暴露;および低用量の抗原への暴露を含む。活性なTh1(IFN
γ)細胞は、細胞性免疫(抗原特異的CTL産生の増大を含む)を増強し、そして
それゆえ細胞内感染への応答において特に重要である。
【0020】 f.「Th2表現型」という用語は、CD4+リンパ球のTh2(ヘルパーT細胞)サブ
セットによって媒介される免疫表現型をさす。Th2細胞は主としてIL-4(これはI
gE抗体の産生を刺激する)、IL-5(これは組織への顆粒球浸潤を刺激する)、IL
-6およびIL-10を分泌する。Th2の活性化を助けると考えられる要因は、IL-4への
暴露、Bリンパ球におけるAPC活性、および高用量の抗原を含む。Th2細胞は抗体
産生を増強し、それゆえ(IL-4によって刺激されるIgE抗体産生の誘導と関連す
るアラフィナキシー現象の危険にもかかわらず)細胞外感染に応答する上で重要
である。
【0021】 g.「Th2Th1スイッチ」および「Th1表現型に偏った」という表現は、以下の
現象のうち任意のものの発生をさす: (i) 抗原チャレンジの前後で測定されたIL-4レベルにおける低下;または処置
を受けた宿主における、初回抗原免疫された対照、または初回抗原免疫されかつ
チャレンジされた対照と比較して低レベルのIL-4(またはIL-4の不在)の検出; (ii) 抗原チャレンジ前後のIL-12、IL-18 および/またはIFN(α、βまたはγ)
のレベルにおける増大;またはISS-ODNで処置した宿主における、初回抗原免疫
された対照、または初回抗原免疫されかつチャレンジされた対照と比較して高レ
ベルのIL-12、IL-18 および/またはIFN(α、βまたはγ)の検出; (iii)処置した宿主におけるIgG2a抗体の産生;または (iv)抗原チャレンジの前後に測定される抗原特異的IgEのレベルの低下;また
はISS-ODNで処置した宿主における、初回抗原免疫された対照、または初回抗原
免疫されかつチャレンジされた対照と比較して低レベルの抗原特異的IgE (また
は抗原特異的IgE の不在)の検出。
【0022】 これらの数値のそれぞれを測定するための代表的方法を実施例に記述する。
【0023】 (h)「コア」ヌクレオチド配列とは、本発明のISS-ODNに存在する、少なくと
も6個のヌクレオチドからなるモチーフ(少なくとも1個の非メチル化CpGモチ
ーフを含む)をいう。ある種の哺乳動物種(例えば、げっ歯類動物)において免疫
刺激活性を有するISS-ODN中の各CpG配列の相対的位置は、5’-CG-3’である(す
なわち、Gが3'側に位置し、Cは5'側に位置する)。多くの公知のISS-ODNは、少
なくとも2個のプリンヌクレオチド(例えば、GAまたはAA)および少なくとも2個
のピリミジンヌクレオチドでCpGモチーフの両側を囲んでいる(5’-プリン-プリ
ン-[C]-[G]-ピリミジン-ピリミジン-3’)。
【0024】 注目すべきことに、本発明は、粘膜用アジュバントとしてコレラ毒素を用いた
場合に達成される大きさに匹敵する大きさでsIgA産生および細胞性免疫(CTLの
産生によって特徴づけられる)を刺激することに成功した(実施例1および図1)
。しかも、本発明は、ワクチン調製物におけるコレラ毒素および他のアジュバン
トの臨床使用をこれまで制限してきた毒性の危険を殆ど有さずに、これらの粘膜
免疫の顕著な特徴を達成するのである(実施例VIおよび図5;また、霊長類の動
物への、および臨床試験におけるヒトへのホスホロチオエートオリゴデオキシヌ
クレオチドの投与は、本発明に用いられるキログラムあたり日用量(daily dose)
の5倍までの用量で投与した場合でも、重大な毒性を全くもたらさなかった。)
【0025】 さらに、本発明において誘導される粘膜免疫は、Th1表現型を有する全身性免
疫応答を伴なう(粘膜におけるTh1環境については実施例II〜IIIおよび図2〜3
を、また宿主免疫応答の全身性Th1表現型全般については実施例VIIおよび図6〜1
1参照)。本発明は特定の作用機構に限定されるものではないが、ISS-ODNは、宿
主MHCクラスIプロセシング経路により提示するための抗原提示細胞による外来
抗原の取込みを容易にすることが考えられる。作用機構がどのようなものであれ
、抗原に対する宿主の免疫応答性を高め、そして免疫応答をTh1表現型にシフト
させるためにISS-ODNを用いることは、Th2型炎症の危険およびIgE関連アナフィ
ラキシーの危険がより少ない宿主の免疫感作を可能とする(例えば、実施例VIお
よび図5参照)。
【0026】B.ISS-ODN組成物 1.ISS-ODNの構造 構造的には、ISS-ODNは、少なくとも1個の非メチル化CpGモチーフを含むこと
ができる6個以上のヌクレオチドを有する非コード性オリゴヌクレオチドである
。ある種の哺乳動物種(例えば、げっ歯類動物)において免疫刺激活性を有するIS
S-ODN中の各CpG配列の相対的位置は、5’-CG-3’である(すなわち、3'側にGが
位置し、Cが5'側に位置する)。多くの公知のISS-ODNは、少なくとも2個のプリ
ンヌクレオチド(例えば、GAまたはAA)および少なくとも2個のピリミジンヌクレ
オチドでCpGモチーフの両側を囲んでいる(5’-プリン-プリン-[C]-[G]-ピリミ
ジン-ピリミジン-3’)。CpGモチーフを含有するISS-ODNは、Bリンパ球の増殖
を刺激すると考えられる(例えば、Kriegら、Nature, 374:546-549, 1995参照の
こと)。
【0027】 上記ISS-ODNのコア六量体構造物は、その上流および/または下流で、任意の数
または組成のヌクレオチドまたはヌクレオシドと接していることができる。しか
し、ISS-ODNは長さが少なくとも6merであり、そして好ましくは標的組織へのIS
S-ODNの取込みを増大させるために長さは6merから200 merの間である。当業者
は公知のISS-ODNの報告されたヌクレオチド配列に精通しているか、または容易
に同定することができるであろう。この点に関する容易な参照文献としては、下
記のものが特に役に立つ: Yamamotoら, Microbiol. Immunol., 36:983 (1992) Ballasら, J. Immunol., 157:1840 (1996) Klinmanら, J. Immunol., 158:3635 (1997) Satoら, Science, 273:352 (1996)。
【0028】 これらの各論文は、ISS-ODNのヌクレオチド組成に関する技術分野における知識
レベルを説明するため、参照により本明細書中に組み入れている。
【0029】 特に、本発明に有用なISS-ODNは下記の六量体ヌクレオチド配列を有するISS-O
DNを含む: 1.「CpG」ジヌクレオチドを有するISS-ODN;および 2.RNA ISS-ODNとして使用するための上記六量体配列のヌクレオチドについ
ては、イノシンおよび/またはウラシル置換。
【0030】 例えば、本発明に有用なDNAに基づくISS-ODNは、下記の六量体ヌクレオチド配
列を含む; AACGTT、AGCGTC、GACGTT、GGCGTT、AACGTC、AGCGTC、GACGTC、GGCGTC、AACGCC、
AGCGCC、GACGCC、GGCGCC、AGCGCT、GACGCT、GGCGCT、TTCGAA、GGCGTT、およびAA
CGCC(それぞれ配列番号1〜18)。
【0031】 ISS-ODNは一本鎖または二本鎖DNA、一本鎖または二本鎖RNA、および/またオリ
ゴヌクレオチドであってよい。ISS-ODNはパリンドローム領域を含む場合も、含
まない場合もある。これを含む場合は、パリンドロームはコア六量体配列の(存
在するならば)CpGモチーフまでしか伸びていない場合もあるし、または該六量
体配列のより多くのヌクレオチドならびに該六量体配列のフランキング(flankin
g,両側に隣接する)ヌクレオチド配列を包含する場合もある。
【0032】 コア六量体のCpGモチーフの両側に位置する、および/またはフランキングヌク
レオチド配列を構成するISS-ODNのヌクレオチド塩基は、任意の公知の天然に存
在する塩基または合成の非天然塩基(例えば、TCAGまたは RNAにおけるUACGI)
であることができる。通常の技法を用いて、他の化合物(例えば、ペプチド)の結
合点としてオリゴヌクレオチドをISS-ODNの内部領域および/または末端に組み入
れることが可能である。ISS-ODNの塩基、糖部分、リン酸基、および末端もまた
当業者に公知の任意の方法によって改変して、上記の活性に加えて所望の特性を
有するISS-ODNを構築することが可能である。例えば、任意の立体配置でISS-ODN
のヌクレオチド塩基に糖成分を結合させることができる。
【0033】 さらに、主鎖リン酸基の改変(例えば、メチルホスホネート、ホスホロチオエ
ート、ポスホロアミデートおよびホスホロジチオエートヌクレオチド間結合物)
はISS-ODNに抗菌活性を賦与し、in vivoにおけるそれらの安定性を高め、それに
よってISS-ODNを治療用途に特に有用なものとすることができる。特に有用なリ
ン酸基改変は、ISS-ODNオリゴヌクレオチドのホスホロチオエートまたはホスホ
ロジチオエート型への変換である。潜在的抗菌特性に加えて、ホスホロチオエー
トおよびホスホロジチオエートは未改変のオリゴヌクレオチド対応物よりもin v
ivoにおいて分解に対して耐性であり、本発明のISS-ODNを宿主にとってより利用
可能なのものとする。
【0034】2.ISS-ODNの合成およびスクリーニング ISS-ODNは当技術分野で周知の技法および核酸合成装置を用いて合成すること
ができる。この点に関する参照文献としては、例えば、Ausubelら, Current Pro
tocols in Molecular Bioloby, 第2および4章(Wiley Interscience, 1989); M
aniatisら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor La
b., New York, 1982); 米国特許第4458,066号および第4,650,675号を参照された
い。これらの文献は、合成オリゴヌクレオチドの作製に関する技術分野における
知識を示すことのみを目的として、参照によりここに組み入れている。ISS-ODN
は非コード性であるため、合成中にオープンリーディングフレームを維持するこ
とに関する心配は全くない。
【0035】 または、核酸精製またはハイブリダイゼーションなどの当技術分野で周知の技
法を用いて、微生物種(特にマイコバクテリア)からISS-ODNまたはISSで富化さ
れたDNAを単離することができる。好ましくは、そのような単離されたDNAは実質
的に純粋な状態まで、すなわち、リポ多糖などの内因性混合物を含まなくなるま
で精製される。より大きいポリヌクレオチドの一部として単離されたISS-ODNは
、エンドヌクレアーゼ消化などの当技術分野で周知の技法によって所望の長さに
することができる。当業者は、本発明において使用可能なISS-ODNを得るための
ポリヌクレオチドの単離、精製および消化に適した技法に精通しているか、また
は容易に突き止めることができるであろう。
【0036】 特定のオリゴヌクレオチドが本発明に有用なISS-ODNの特性を有していること
の確認は、該ISS-ODNが上記文節A.2(e)に記述するようにサイトカイン分泌およ
びIgG抗体イソタイプ産生に影響をおよぼすかどうかを評価することによって得
ることができる。そのような評価を行う上で有用なin vitro技法の詳細を実施例
に示す。当業者は、本明細書中に教示するパラメーターと共に、サイトカイン分
泌および抗体産生を測定するための他の方法をも知っているか、または容易に突
き止めることができるであろう。
【0037】 本発明の方法に用いるため、本発明のISS-ODNアジュバントは遊離ISS-ODNオリ
ゴヌクレオチド、ISS-ODNオリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートおよびIS
S含有組換え発現ベクターの形を取る(ISS-ODNコンジュゲートおよびISS-ODNベ
クターの活性に関するデータは、同時係属中の、同一出願者に譲渡された米国特
許出願第60/028,118号および第08/593,554号に記載されている;in vivoにおけ
るISS-ODN免疫刺激活性を示すために、これら特許出願のデータを参照により本
明細書に組み入れる)。ワクチン組成物においては、抗原を同時に送達する(遊
離オリゴヌクレオチドと別途に、またはこれと混合して)か;抗原をプラスミド
(特に主鎖にISS-ODN部分を含有するプラスミド)から組換え体として発現させ
るか;または最も効果的には、抗原とISS-ODNをコンジュゲートすることができ
る。
【0038】 他の有用なコンジュゲートパートナーの例としては、任意の免疫原性抗原(ア
レルゲン、生の弱毒化ウイルス粒子、および腫瘍抗原を含む)、ターゲッティン
グペプチド(受容体リガンド、抗体および抗体フラグメント、ホルモンおよび酵
素、等)、非ペプチド性抗原(脂質、多糖、糖タンパク質、ガングリオシド等、
ペプチド結合で結合されたもの)、およびサイトカイン(インターロイキン、イ
ンターフェロン、エリトロポエチン、腫瘍壊死因子およびコロニー活性化因子を
含む)が挙げられる。このようなコンジュゲートパートナーは通常の技法(例え
ば、ペプチド合成)によって調製することが可能であり、また多くのものは市販
されている。
【0039】 当業者はまたオリゴヌクレオチド-ペプチドコンジュゲートの調製に有用な方
法に精通しているか、または容易に決定することができるであろう。コンジュゲ
ーションはISS-ODNのどちらか一方の末端で、または内部に位置する適切に改変
された塩基(例えば、シトシンまたはウラシル)の部位で達成することができる
。参考文献としては、オリゴヌクレオチドをタンパク質と、およびオリゴヌクレ
オチドをIgのオリゴサッカライド部分とコンジュゲートする方法が公知である(
例えば、O’Shannessyら, J. Applied Biochem., 7:347 (1985)参照;この開示
は、オリゴヌクレオチドのコンジュゲーションに関する技術分野における知識の
標準レベルを示すことのみを目的として、参照により本明細書に組み入れている
)。別の有用な参照文献には、Kricka(編), Nonisotopic DNA Probe Techniques
(Acad. Press, 1992)に収録されているKessler、「核酸における非放射性標識
法」がある。
【0040】 簡単に述べると、公知の適切なコンジュゲーション方法の例は、固相支持体化
学による3’結合によるコンジュゲーション(例えば、Haralambidisら, Nuc. Ac
ids Res. 18:493 (1990)およびHaralambidisら, Nuc. Acids Res. 18:501 (1990
)[ペプチドパートナーの固相支持体合成];Zuckermannら, Nuc. Acids Res.,
15:5305 (1987), Coreyら, Science, 238:1401 (1987)およびNelsonら, Nuc. Ac
ids Res., 17:1781 (1989)[オリゴヌクレオチドパートナーの固相支持体合成])
を含む。アミノ-アミノ基結合は、Benoitら, Neuromethods, 6:43 (1987)に記述
されているように実施することができる。また、チオール基-カルボキシル基結
合は、Sinahら, 「オリゴヌクレオチド類似体:実際の手法(Oligonucleotide A
nalogues: A Practical Approach)」(IRL Press, 1991)に記述されているよう
に実施することができる。これらの後者の方法においては、オリゴヌクレオチド
パートナーは固相支持体上に合成され、そしてホスホルアミダイトと反対側の保
護されたアミン、チオールまたはカルボキシル基を含む結合基が5’-ヒドロキシ
ル基に共有結合する(例えば、米国特許第4,849,513号;第5,015,733号;第5,118,8
00号および第5,118,802号参照)。
【0041】 オリゴヌクレオチドパートナーのペプチドへの結合もまた、改変シトシンまた
はウラシル塩基へのリンカーアーム(例えば、アミンまたはカルボキシル基)の
組み込みによって達成される(例えば、Ruth, 4th Annual Congress for Recomb
inant DNA Research at 123参照)。アフィニティー結合(例えば、ビオチン-ス
トレプトアビジン)もまた用いることができる(例えば、Rogetら, Nuc. Acids R
es., 17:7643 (1989))。
【0042】 オリゴヌクレオチドを脂質に結合する方法もまた公知であり、それらの方法に
はオリゴ-リン脂質コンジュゲートの合成(例えば、Yanagawaら, Nuc. Acids. Sy
mp. Ser., 19:189 (1988)参照)、オリゴ-脂肪酸コンジュゲートの合成(例えば、
Grabarekら, Anal. Biochem., 185:131 (1990)参照)およびオリゴ-ステロール
コンジュゲートの合成(Boujradら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5728 (199
3)参照)が含まれる。
【0043】 上記の参照文献の各々は、オリゴヌクレオチドコンジュゲーション法に関する
技術分野における知識および技能のレベルを示すことのみを目的として、参照に
より本明細書に組み入れている。
【0044】 本発明によるISS-ODNとペプチド薬剤との同時投与は、ISS-ODNを組換え発現ベ
クター(プラスミド、コスミド、ウイルスまたはレトロウイルス)中にcisまた
はtransに組み込むことによっても達成することができる。上記組換えベクター
は、該ベクターによって送達が可能な任意の治療上有益なタンパク質をコードし
ている。本発明を実施するために用いられる発現ベクターへのISS-ODNの組み込
みが望まれる場合は、当業者には詳しい説明が不要である通常の技法を用いてそ
のような組み込みを達成することができる。しかし、総論としては、前出のAusu
bel, Current Protocols in Molecular Biologyが参考になるであろう。
【0045】 簡単に述べると、組換え発現ベクター(いかなるタンパク質もコードせず、IS
S-ODNのキャリアーとして用いられるベクターを含む)の構築には標準的連結技
法が用いられる。構築したベクター内で配列が正しいことを確認するための分析
としては、連結混合物を用いて宿主細胞を形質転換し、(適切な場合には)抗生
物質耐性によって上首尾に形質転換された形質転換体を選択する。該形質転換体
由来のベクターを調製し、制限酵素によって分析し、および/または例えばMessi
ngら(Nucleic Acids Res., 9:309, 1981)の方法、Maxamら(Methods in Enzymolo
gy, 65:499, 1980)の方法、または当業者に公知の他の適切な方法によって配列
決定する。開裂した断片のサイズ分離は、例えばManiatisら(Molecular Cloning
, 第133-134頁, 1982)に記述されているような通常のゲル電気泳動法を用いて達
成される。
【0046】 宿主細胞を発現ベクターで形質転換し、そしてプロモーターの誘導、形質転換
体の選択、および遺伝子の増幅に適切なように改変された通常の栄養培地で培養
することができる。温度、pH等の培養条件は、発現用に選択された宿主細胞につ
いて以前に用いられた条件であり、当業者には明らかであろう。
【0047】 組換え発現ベクターを本発明のISS-ODNのキャリアーとして用いる場合は、プ
ラスミドおよびコスミドは、病原性をもたないので特に好ましい。しかし、プラ
スミドおよびコスミドはin vivoにおいてウイルスよりも迅速に分解をうける。
または、本発明に用いることができるウイルスベクターはアデノウイルス、アデ
ノウイルス随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、またはレト
ロウイルス等のRNAウイルスを含む。選択できるウイルスベクターのうち、アデ
ノウイルス随伴ウイルスは病原性が低いという利点をもつであろう。この前後関
係においては、アデノウイルス随伴ウイルスは外来遺伝子挿入のための容量が比
較的小さいという点は、本発明のISS-ODNが比較的小さいサイズに合成可能であ
るため、全く問題とならないであろう。
【0048】 ISS-ODNのリン酸基の改変が望まれる場合(例えば、その生物利用可能性を増
大させるため)は、オリゴヌクレオチドのリン酸基改変を行う技法が当技術分野
で公知であり、それらは詳しい説明を必要としない。そのような有用な1技法の
総論としては、標的オリゴヌクレオチド産物の中間体リン酸トリエステルを調製
し、水性ヨウ素または他の作用物質(無水アミンなど)を用いて酸化して天然に
存在するリン酸トリエステルとする。得られたオリゴヌクレオチドホスホルアミ
ダイトを硫黄で処理して、ホスホロチオエートを得ることができる。同一の一般
的技法(硫黄処理工程を除く)を適用して、メチルホスホネートからメチルホス
ホアミダイトを得ることができる。リン酸基改変技法に関するさらなる詳細につ
いては、当業者は米国特許第4,425,732号、第4,458,066号、第5,218,103号およ
び第5,453,496号ならびにTetrahedron Lett. 21:4149 (1955), 7:5575 (1986),
25:1437 (1984)およびJournal Am. ChemSoc., 93:6657 (1987)を参照にするとよ
いであろう。これらの開示は、これらの化合物の調製に関する技術分野における
標準的知識レベルを示すことのみを目的として、本明細書に組み入れている。
【0049】C.本発明のISS-ODNアジュバントを使用して粘膜免疫を刺激する方法 1.ISS-ODNを宿主に投与する方法および経路 本発明のISS-ODNは、薬剤の送達に適した、使用できる任意の方法および経路
を用いて宿主に投与される。これらの方法にはex vivo法(例えば、ISS-ODNと共
にインキュベートした、またはISS-ODNでトランスフェクションした細胞の送達
)も含まれる。臨床技術分野において通常の技術を有するものは粘膜に薬剤を送
達する手段に精通しているか、または容易に突き止めることができるであろう。
この点に関して有用な参考文献は、Chien, Novel Drug Delivery Systems, 3-6
章および9章(Marcel Dekker, 1992)である。これらの章を本明細書に組み入れ
る。しかし、総論としては、本発明に有用な薬剤送達の具体的方法および経路を
以下に簡単に論じる。
【0050】 鼻腔内投与手段は、呼吸器の炎症、特に鼻腔経路から気管または気管支中に送
られた抗原によって媒介される炎症に特に有用である。そのような手段は、エア
ロゾル懸濁物の吸入、または本発明のアジュバント組成物のガス吸入法(insuffl
ation)を含む。医薬組成物を鼻腔粘膜、気管および気管支に送達するのに適した
噴霧器は当技術分野で周知であり、それゆえここには詳述しない。
【0051】 直腸および膣への送達には、座薬製剤およびポリマー性送達デバイスが有用で
ある(例えば、Chienら, J. Pharm. Sci. 64:1776 (1975)に記述されているデバ
イスを参照されたい)。避妊薬を膣粘膜に送達するために用いられる材料および
構造(例えば、プロゲステロンの送達のために用いられる避妊用膣リング)は、
本発明にも使用できる。
【0052】 粘膜吸着性を有する製薬用ポリマーもまた、薬剤を粘膜に送達する有効な手段
である。そのようなポリマーの例としては、カルボキシメチルセルロース、カル
ボポール、ポリカルボフィル、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムが挙げ
られる。粘膜吸着性ポリマー内に本発明のアジュバント組成物を包みこむこと(
encapsulation)は、該組成物の胃粘膜への送達にとって特に有用な方法である
【0053】 粘膜組織に対する直接的な局所投与は便利であり、単なるアジュバント溶液ま
たはクリーム調製物を用いて実施することができる。アジュバント組成物の取込
みを増大させるため、グリココール酸ナトリウムなどの吸収促進剤を用いてもよ
い。
【0054】 眼への投与(例えば、アレルギー性結膜炎の治療のため等)は、医薬調製物の眼
への侵襲性または局所的適用を含む。点眼剤、局所用クリームおよび注射液は、
全て、眼に薬剤を送達するのに適した環境の例である。
【0055】 ISS-ODNの粘膜への標的設定した送達のためにコロイド分散系を用いることが
できる。コロイド分散系には、巨大分子複合体、ナノカプセル、微小球体、ビー
ズ、および脂質をベースにした系(水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル
およびリポソームを含む)が含まれる。しかし、脂質に基づく調製物を使用する
場合には、粘膜の脂質特性(これは脂質をベースにした医薬品送達に適合しない
場合がある)を考慮しなければならない。
【0056】2.ISS-ODNアジュバントの用量パラメーター 本発明のISS-ODNの際立った利点は、比較的微細な用量でもアジュバント効果
を発揮するそれらの能力である。用いられる用量は達成すべき臨床的目標によっ
て変るが、適切な用量範囲は1回分の投与量につきキャリアー1 mlあたり約1〜
1000μgのISS-ODNを提供する範囲である。本明細書の開示によって提供される教
示に鑑みれば、当業者は本発明によりISS-ODNを投与するための適切なパラメー
ターに精通するか、またはそれらを容易に突き止めることができるであろう。
【0057】 臨床的には、ISS-ODNを低用量で投与し(例えば、約1 μg/mlから約50μg/ml
)、次に所望の治療目標を達成するのに必要とされる場合は上記用量を増やすこ
とが望ましいであろう。現在までの研究に基づくならば、ISS-ODNはこれらの用
量レベルでは毒性を殆ど有さないか、または全く有さないと思われる。
【0058】3.ISS-ODNの医薬組成物 ベクターまたは他の送達系を使用せずに送達する場合には、ISS-ODNを製薬上
許容される組成物の形に調製する。本発明のISS-ODNと共に使用するのが好まし
い製薬上許容されるキャリアーは、無菌の水性または非水性溶液、懸濁物および
エマルジョンを含む。非水性溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、オリーブ油等の植物油、およびオレイン酸エチル等の注射可
能な有機エステルが挙げられる。水性キャリアーとしては、生理食塩水および緩
衝化媒質を含めて、水、アルコール性/水性溶液、エマルジョンまたは懸濁物が
挙げられる。非経口用賦形剤としては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキスト
ロース注射剤、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射剤、乳酸添加リンゲル
注射剤または不揮発性油が含まれる。静注用賦形剤としては、流体および栄養補
充物、電解質補充物(リンゲルデキストロース注射剤に基づくもの等)が含まれ
る。防腐剤および他の添加物、たとえば抗菌剤、酸化防止剤、キレート化剤、お
よび不活性ガスなどもまた上記組成物中に存在してよい。ISS−ODN組成物は当技
術分野で周知の手段を用いていったん凍結乾燥させ、その後元に戻して、本発明
にしたがって使用することもできる。
【0059】 吸収促進剤、界面活性剤および化学的刺激剤(例えば、ケラチン溶解性作用物
質)はISS−ODN組成物の標的組織への輸送を促進することができる。有機薬剤お
よびペプチドを基にした薬剤の粘膜への送達に用いて成功している吸収促進剤お
よび界面活性剤に関する一般原則についての参照文献としては、Chien, Novel D
rug Delivery Systems, 第4章(Marcel Dekker, 1992)を参照されたい。
【0060】 特に鼻腔吸収促進剤の適切な例は、Chien、前出の第5章、表2および3に記述
されている。より穏やかな作用物質が好ましい。粘膜/鼻腔送達のための本発明
の方法に用いるのに適切な作用物質は、Changら, Nasal Drug Delivery, 「制御
された薬剤の送達に関する論文」、第9章および表3-4B (Marcel Dekker, 1992)
にも記述されている。皮膚からの薬剤吸収を促進することが知られている適切な
作用物質は、Sloan著、Use of Solubility Parameters from Regular Solution
Theory to Describe Partitioning-Driven Processes, 第5章、「プロドラッグ
:局所および眼への薬剤の送達」(Mercel Dekker, 1992)および本文中の別の箇
所に記述されている。これらの参照文献はすべて、薬剤送達技法に関する技術分
野における知識および技能レベルを示す目的のみのために、本明細書に組み入れ
ている。
【0061】D.本発明の方法を実施する際に用いられるキット 上記の方法において使用するため、キットもまた本発明により提供される。そ
のようなキットは、下記のもののうち任意のもの又は全部を含むことができる:
ISS-ODN(コンジュゲートした、またはコンジュゲートしていないもの);製薬
上許容されるキャリアー(ISS-ODNとあらかじめ混合しておいてもよい)または
凍結乾燥ISS-ODNを復元するための懸濁物基材;付加的薬剤(これは、ISS-ODNア
ジュバントと同時投与するための通常のワクチン調製物を含むことができる);
ISS-ODNおよび付加的薬剤のそれぞれに対する無菌のバイアル、またはそれらの
混合物のための1個のバイアル;ISS-ODNを宿主に送達するためのデバイス;ま
たは、処置された動物において意図された免疫刺激効果が達成されたという印を
検出するためのアッセイ試薬および適切なアッセイ用デバイス。
【0062】 以下に本発明の実施を説明する実施例を記述する。ISS-ODNへの全身性応答を
証拠づけるデータを実施例に含めた。哺乳動物免疫系に対するISS-ODNの全般的
効果を確認し、そしてその程度まで免疫環境に適用するためである。実施例は参
照のためにのみ提供されており、本発明を限定するものと解釈されてはならない
。本発明は添付の請求の範囲によって規定されるのである。実施例に用いる全て
の略語および用語は、特に別途記載しないかぎり、それらの予想される通常の意
味を有する。
【0063】実施例1:本発明のISS-ODNは抗原特異的IgA産生の刺激に有効なアジュバントで
ある 抗原に対するIgA産生の刺激におけるISS-ODNの有効性を確認するために、ISS-
ODNまたはコレラ毒素(CT; 最も強力な公知粘膜アジュバント)の存在下でβ-ガ
ラクトシダーゼ(β-gal)で鼻腔内免疫されたマウスの粘膜IgA応答を比較した
。抗原を単独で、またはその免疫刺激能が失われるように改変されたISS-ODN(M
-ISS-ODN; 免疫抑制性GpGモチーフでDY1018中のCpGジヌクレオチドモチーフを置
換)と共に、別々にマウスに鼻腔内免疫した。これらの研究に使用したISS-ODN
は以下の配列を有する:5-TGACTGTGAACGTTCGAGATGA-3。M-ODNは配列:5-TGACTGT
GAACCTTAGAGATGA-3を有する。
【0064】 この目的のために、6〜8週齢の雌BALB/cマウスをJackson Laboratory(Mar Ha
rbor, ME)から購入し、すべての実験で使用した。β-gal(50μg)の単体、こ
れと50μgのISS-ODNもしくはM-ODNまたはCT(10μg)(30μlの生理食塩水中)
との混合物もしくはコンジュゲートで、鼻腔内免疫を行った。あるいは、β-gal
(200μg)+ ISS-ODN(50μg)(50μlの食塩水中)を尾の基部にi.d.注射する
ことにより、またはβ-gal(200μg)+ ISS-ODN(50μg)を胃内(i.g.)投与
することにより(これは、0.2M炭酸水素ナトリウム400μl溶液とし、先端がとが
っていない針により行った)、マウスに投与した。i.g.免疫の前に、マウスを4
時間絶食させた。犠牲にしたマウスの気管のカニューレ挿入により、気管支肺胞
洗浄液(BALF)を得た。肺を0.8mlのPBSで洗い流し、その回収液をIgAアッセイ
を行うまで-70℃で凍結した。糞便および膣スワブを2週間隔で集めた。
【0065】 血清、BALFおよび糞便抽出液を、抗原特異的免疫グロブリンに関するELISAア
ッセイにおいて使用した。図1に示す結果は、プールされた高力価抗β-gal標準
物に基づく単位/mlで表されている。未希釈糞便IgAおよびIgG標準物は、それぞ
れ2,000および400,000 U/mlの任意濃度とした。DeltaSOFT II v.3.66プログラム
(Biometallics, Princeton, NJ)を使用して、サンプルを各プレートに関する
標準曲線と比較した。結果の統計分析は、Statviewコンピューターソフトウェア
(Abacus Concepts, Grand Rapids, MI)を使用して行った。両側スチューデン
トのt検定を用いてp値を定め、p値が0.05以下を有意とみなした。
【0066】 図1(a)および1(b)を参照すると、抗原を単独で又はM-ISS-ODNと共に用いて免
疫したマウスは、免疫後7週間で、糞便、気管支肺胞洗浄液(BALF)または膣ス
ワブサンプルのIgAは、ほとんど又は全く検出できないレベルであった。β-gal/
CTで免疫したマウスは、糞便物質中では599 U/ml、BALF中では1432 U/mlおよび
膣スワブ中では16000 U/mlの平均IgAレベルを有していた。驚くべきことに、該
β-gal/ISS-ODNコンジュゲートで免疫したマウスにおいて得られたIgAレベルは
、抗原およびCTで免疫したマウスにおいて得られたレベルに匹敵し(統計的な有
意差は無かった)、糞便中では462 U/ml、BALF中では2935 U/mlおよび膣スワブ
中では12500 U/mlであった(ISS-ODNと抗原との共送達は、ISS-ODN/抗原コンジ
ュゲートの送達の場合より若干低いレベルのIgA産生を誘導した)。したがって
、抗原に対する粘膜性免疫応答を得るのに必要なアジュバント活性が、通常の及
びより毒性の強いコレラ毒素アジュバントの場合と同等にISS-ODNにより得られ
た。
【0067】 粘膜におけるISS-ODNのアジュバント活性が粘膜投与の結果であるか否かを判
定するために、もう1つのマウス群を皮内(i.d.)および胃内(i.g.)経路によ
りβ-galおよびISS-ODNで皮内免疫した。これらの免疫経路は粘膜IgA産生を引き
起こさなかった。また、免疫マウスの糞便物質およびBALF中で検出されたIgAが
粘膜組織により能動的に分泌されたものなのか又は血清から受動的に拡散された
ものなのかを確認するために、血清、糞便物質およびBALF中の抗β-gal IgAレベ
ルを比較した。i.n.によるβ-gal/ISS-ODN免疫マウスの血清IgAレベルは、糞便
物質中より2倍低く、BALF中より10倍低かった。このことは、抗β-gal IgAが粘
膜組織により実際に分泌されたことの有力な証拠となる(図1(a))。
【0068】 これらの結果は、ISS-ODNおよびCTが、単独で送達された場合に粘膜IgA産生を
誘導する能力を有さない被験抗原と同等の粘膜アジュバント活性を有することを
示している。また、本発明者らは、β-galとISS-ODNとのi.d.送達が粘膜IgA応答
を引き起こさないことを示している。総合すると、これらの知見は、ISS-ODNが
、粘膜(この場合は鼻)を通じて抗原と共に共送達された場合に粘膜免疫の誘導
のための優れたアジュバントであることを示している。
【0069】実施例II:本発明のISS-ODNはTh1偏向全身性免疫応答の刺激のための有効なアジ ュバントである 抗原(β-gal)をISS-ODNアジュバントと共に粘膜(鼻腔内; i.n.)に投与す
ることにより誘導される全身性免疫応答の程度及び表現型を調べた。比較のため
に、皮内(i.d.)経路によりβ-galおよびISS-ODNを投与したマウスにおいて、
同じ免疫応答を調べた。抗原を単独で、またはその免疫刺激能が失われるように
改変されたISS-ODN(M-ISS-ODN; 免疫抑制性GpGモチーフでDY1018中のCpGジヌク
レオチドモチーフを置換)と共に用いて、別々にマウスに鼻腔内免疫した。これ
らの研究に使用したISS-ODNは以下の配列を有する:5-TGACTGTGAACGTTCGAGATGA-
3。M-ODNは配列:5-TGACTGTGAACCTTAGAGATGA-3を有する。
【0070】 この目的のために、前記実施例に記載のβ-gal/ISS-ODNで免疫したマウスから
、免疫の7週間後に、脾細胞を回収し、それをβ-galと共にインキュベートし、T
h1およびTh2免疫に関連していることが定説となっているサイトカインであるIFN
γおよびIL-4の産生に関して培養上清をアッセイした。β-galを10μg/ml加えた
補充RPMI 1640の200μlの最終容量中、96ウェルプレート内で5×105個の脾細胞
を37℃/5%CO2にてインキュベートすることにより、脾細胞サイトカインの特性
試験を行った。培養上清を72時間の時点で回収し、ELISAにより分析した。既知
量の組換えIL-4(Genzyme, Cambridge, MA)およびIFNγ(Pharmingen, San Die
go, CA)を使用して標準曲線を作成した。DeltaSOFT II v. 3.66プログラムを使
用して、各培養上清を該プレートに関する標準曲線と比較した。前記実施例に記
載のとおりに、統計分析を行った。
【0071】 図2を参照すると、i.n.およびi.d.経路によりそれぞれβ-galおよびISS-ODNで
免疫したマウスからの脾細胞は、Th1サイトカインIFNγの平均値2084 pg/mlおよ
び1720 pg/mlを示したが、Th2刺激サイトカインIL-4については何ら示さなかっ
た。したがって、粘膜(i.n.)または全身性(i.d.)経路によりISS-ODNアジュ
バントで免疫したマウスは、Th1偏向的に抗原に応答した。
【0072】 これに対して、β-galおよびCTでのi.n.ワクチン接種は、IFNγについては平
均値542 pg/mlおよびIL-4については平均値73 pg/mlを示す脾細胞を与えた(i.n
.によるβ-gal/ISS-ODN免疫と比較した場合、IFNγおよびIL-4の両方に関してP=
0.05; 図2)。β-galを単独で又はM-ODNと共に用いて鼻腔内免疫した場合には、
脾細胞からの抗原特異的サイトカイン産生は低いか又は検出不可能であった。し
たがって、通常のアジュバントでの又はアジュバントの不存在下での免疫は、該
抗原に対する応答が生じれば、Th2型免疫応答の方に偏向した。
【0073】実施例III:本発明の粘膜免疫はTh1型IgGアイソタイププロフィールを与える IFNγは、IgG2a産生のためのIgGアイソタイプスイッチ因子であり(Th1免疫表
現型に関連している)、IL-4は、IgG1産生のためのスイッチ因子である(Th2免
疫表現型に関連している)。本発明のISS-ODNアジュバントでの粘膜抗原免疫後
に誘導されるサイトカインプロフィールと一致するように、β-gal/ISS-ODNで鼻
腔内免疫したマウスはTh1偏向血清抗体応答を与えた。しかしながら、i.n.によ
るβ-gal/CTワクチン接種により免疫したマウスはTh2偏向IgGサブクラスプロフ
ィールを与えた。
【0074】 特に、β-gal/ISS-ODNでのマウスの鼻腔内免疫の7週間後、平均血清抗β-gal
IgG2aレベルはそれぞれ306,144および362,850 U/ml(図3(a))、抗β-gal IgG1
レベルはそれぞれ5,971および3,676 U/mlであった(図3(b))。これらの差は統
計的に有意なものではなかった。これに対して、β-galおよびCTでの鼻腔内免疫
は、94,518および36,471 U/mlの平均血清IgG2aおよびIgG1レベルを誘導した(i.
n.によるβ-gal/ISS-ODN免疫と比較した場合、Ig2aに関してはP=0.005、IgG1に
関しては0.004)。また、β-galを単独で又はM-ODNと共に用いてi.n.免疫した場
合には、IgG応答は低いか又は検出不可能であった。
【0075】 総合すると、これらの観察は、ISS-ODNを伴った抗原のi.n.およびi.d.送達はT
h1偏向サイトカイン・抗体プロフィールを与え、i.n.によるβ-gal/CT共投与はT
h2偏向全身性免疫応答を与えることを示している。既に記載されているIgAデー
タと併せて考察すると、抗原およびISS-ODNの粘膜免疫は、IgAの産生を刺激する
ことに加えて、有利にも、全身性免疫応答をTh1応答に偏向させることが明らか
である。
【0076】実施例IV:本発明の粘膜免疫は細胞傷害性T細胞の産生を刺激する CTL応答はTh1偏向免疫に特徴的である。しかしながら、すべてのTh1偏向免疫
応答が細胞傷害性T細胞の形成を伴うわけではなく、タンパク質単体での免疫はC
TL活性の発生を引き起こさない。
【0077】 CTLアッセイのために、免疫マウスからの7x106個の脾細胞を、組換えヒトIL-2
およびクラスI H2d拘束β-galナノペプチドペプチド(T-P-H-P-A-R-I-G-L)の存
在下、6X106個のマイトマイシンC処理ナイーブ脾細胞と共にインキュベートした
。5日後、再刺激細胞を回収し、標的細胞の特異的細胞溶解を測定した。
【0078】 図4において認められるとおり、鼻腔内経路によりβ-galおよびISS-ODNで免疫
したマウスは、(IgA産生に加えて)高い脾性CTL活性を有していた。特に、5:1
のE:T比においては、β-gal/ISS-ODNの鼻腔内共送達は標的細胞の52%に特異的
細胞溶解を引き起こした。しかしながら、i.n.によるβ-gal/CT免疫は、同じE:T
比において僅か3%の特異的細胞溶解を引き起こしたにすぎなかった(β-gal/IS
S-ODNでの免疫と比較して、P=0.005)。同様に、β-galを単体で又はM-ODNと共
に用いてi.n.免疫した場合には、CTL応答は低いか又は検出不可能であった。
【0079】 これらの結果は、粘膜を通じたβ-gal/ISS-ODN共免疫が、強力なCTL応答を引
き起こし、一方、CTアジュバントの存在下での粘膜免疫がそれを引き起こさない
ことを示している。
【0080】実施例V:ISS-ODNの部分に関する毒性の欠如 以下の小節は、Webbら, Lancet, 349:1137 (1997)の論文からの引用である。
このWebbらの研究は、CpGモチーフを有するオリゴヌクレオチドをアンチセンス
癌療法における臨床治験に使用した結果を報告している。この毒性研究の結果は
、本発明のISS-ODNアジュバントの、考えられうる毒性(その欠如)を、直接的
に予測するものである。
【0081】 「好適な患者は、リンパ節生検サンプルにBCL-2タンパク質の発現の免疫組織
化学的証拠が認められる任意の組織学的段階の非ホジキンリンパ腫を有する男性
または女性であった。また、患者は、少なくとも2つの化学療法計画の完了後に
再発した疾患、12週間を超える余命、正常な腎および肝機能、3 109/Lを超える
白血球数、および100 109/Lを超える血小板数を保持していなければならなかっ
た。
【0082】 完全にホスホロチオエート化された18塩基のオリゴヌクレオチド(等張標準生
理食塩水に溶解した配列5'-TCTCCCAGCGTGCGCCAT-3)の1日量を、携帯用シリンジ
ドライバーによる皮下連続注入として投与した。このオリゴヌクレオチドは、BC
L-2遺伝子のmRNAの最初の6個のコドンに相補的であった。炎症の初期徴候が認め
られた場合には、注入部位を変更した。治療に関連した毒性を、一般的な毒性基
準により得点化した。著者らは、正確に特定した関心のある領域を動物研究およ
びin vitro研究で用いた。毒性のモニターは、治療の最初の48時間は、患者が入
院している間に行ったが、その後は外来にて行った。1回が2週間にわたる治療を
行った。治療の終了後4週間にわたり、患者をフォローアップした。腫瘍応答の
証拠が認められた場合には、次の治療を検討した。最初の1日量は4×6mg/m2であ
り、これは、マウスの10%を殺す用量(LD10)の10分の1に相当した。ついで、E
uropean Organization For Research and Treatment of Cancerの基準9に従った
場合に段階2以上の毒性が認められない限り、この用量を100%増加させた。著者
らは、最大許容量を、少なくとも50%の患者において段階3または4の毒性を引き
起こす量と定義した。
【0083】 血液のサンプル、骨髄のサンプルおよびリンパ節の細針吸引物のサンプルを、
第0週(治療の開始時)、第2週および第6週に集めた。Ficoll-Isopaque遠心分離
により新たに分離された単核細胞を10%ジメチルスルホキシド中に再懸濁させ、
液体窒素中で保存した。分析時に、該サンプルを70%エタノール中で固定し、BC
L-2タンパク質に対する抗体(DAKO、クローン124)と共にインキュベートし、つ
いで、フルオレセインイソチオシアネートで標識された抗免疫グロブリンGと共
にさらにインキュベートした。BCL-2タンパク質のレベルを、ゲート化(gated)
リンパ球のフローサイトメトリーにより測定した。この細胞集団内で、BCL-2に
関して陽性および陰性の細胞を同定した。BCL-2に関して陽性の細胞上でゲート
化することにより、BCL-2タンパク質の平均(SD)レベルを計算した。各患者由
来のすべてのサンプルを同一条件下で同時に標識した。BCL-2の濃度の変化は全
タンパク質の発現の全般的な変化を反映しうるため、著者らは、別のタンパク質
(患者3以降)における非特異的変化を対照として用いた。これらのレベルをフ
ローサイトメトリーにより測定し、フルオレセインコンジュゲート型HLA-A、-B
、-C抗体と共にサンプルをインキュベートした。HLAのレベルは、各患者の個々
のサンプル間で一致した。
【0084】治療の毒作用 低い毒性のため、計画したとおり、100%の増加量の用量増加が可能であった
。アンチセンスに関連した血液学的毒性は認められなかった(表2; この引用に
は含まれていない)。しかしながら、患者8は段階3の白血球減少および段階2の
血小板減少(治療開始時のインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)の胸部感
染に関連している)を引き起こした。
【0085】 患者8においてアンチセンス療法は継続し、静脈内への抗生物質による治療の
後、白血球減少および血小板減少から回復した。このことは、オリゴヌクレオチ
ドによらない作用であることを示唆するものであった。患者9は、第2週の終わり
に段階2の血小板減少を引き起こし、中程度(31%まで)の好酸球増加が認めら
れた。ついで、第6週の時点で、骨髄の浸潤およびリンパ節内の進行性疾患が認
められた。該血小板減少および好酸球増加は後続の化学療法により回復したため
、これらの効果は、該アンチセンスオリゴヌクレオチドによって生じたというよ
り、進行した段階のリンパ腫により生じた可能性が高かった。リンパ球減少は、
治療開始時に4名の患者(患者3、7、8および9)に存在したが、アンチセンス療
法中に悪化しなかった。貧血は、3名の患者(患者2、5および9)で認められたが
、用量に関連したものではなく、進行した骨髄浸潤に関連しているらしかった。
凝固異常(プロトロンビンもしくは部分トロンボプラスチン時間またはフィブリ
ノーゲン)も、治療に関連したCD4/CD8比の変化も認められなかった。骨髄吸引
および穿孔の反復サンプルは、治療に関連した形成不全症の証拠を何ら示さなか
った。
【0086】 非血液学的毒作用を表2に示す(この引用中には含まれていない)。患者7は、
治療終了後の残り2日間に一過性失神のエピソードを有していた。これらのエピ
ソードは、進行性縦隔疾患による上大静脈の閉塞により引き起こされた。この閉
塞を軽減するための化学療法の後、更なるエピソードは生じていない。9名の患
者全員がグルコースの非絶食血中濃度の一過性上昇を示したが、いずれも12mmol
/Lを超えることはなく、すべての患者の血中グルコース濃度は、アンチセンス療
法の中止後に正常範囲内に戻った。何ら介入は必要ではなく、高血糖の度合は用
量に関連していなかった。4名の患者が感染症を発症したが、いずれの感染も、
該アンチセンス療法に直接起因するものではなかった。アンチセンス療法は肝機
能に何ら影響を及ぼさなかった。アンチセンス療法の唯一の重大な毒作用は、注
入部位周辺の局所皮膚反応であった。8名の患者において、この反応は、この点
の3〜4日ごとの再検査を要するにすぎなかった。しかしながら、1名の患者(患
者4)は、治療開始後約12時間で許容できない痛みをもたらす局所炎症反応を示
した。炎症領域からの皮膚生検サンプルは、Tリンパ球(サブタイプの同定は不
可能)、組織球および少数の形質細胞よりなる真皮の血管周囲および付属器周辺
の浸潤を示した。表皮は正常であり、脈管炎は認められなかった。何度か部位を
変えたり薬物濃度を50%減少させたにもかかわらず、炎症は持続し、治療を中止
した。同用量の投与を受けた2名の患者および100%増加させた用量の投与を受け
た3名の患者は、患者4と同程度の反応を示さなかった。
【0087】 BCL-2アンチセンス療法の唯一の重大な毒作用は、注射部位における炎症応答
であった。1名の患者においては、この応答は、治療を中止しなければならない
ほどに重篤であった。しかしながら、この重篤な応答は、その他の患者では、よ
り高い用量においても生じなかった。著者らはまた、治療期間中に一過性の非絶
食性高血糖を認めた。該効果は臨床的意義を有していなかったが、これらはBish
opらにより既に報告されている。...その報告は、それが、用量ではなくホス
ホロチオエートバックボーンの化学に関連していると示唆している。これらの研
究者はまた、2名の患者において肝アミノトランスフェラーゼ濃度の一過性増加
(これは、治療の完了後に回復した)を報告している。 ...2時間にわたり投
与したホスホロチオアートの別の治験(HIVへの標的化)においては、凝固欠損
には関連していない部分トロンボプラスチン時間の一過性増加が認められた。
...これとは対照的に、著者らは、凝固因子における又は肝アミノトランスフ
ェラーゼ濃度におけるいずれの変化も見出さなかった。」
【0088】 前記の引用論文の全文は、The Lancet出版社またはそのウェブサイトwww.thel
ancet.comから入手可能である。
【0089】実施例VI:本発明に従い免疫した動物におけるIgE産生の抑制 実施例Iに記載のとおりに免疫した動物において、血清抗原特異的IgEレベルを
測定した。図5に示すとおり、抗原およびCTで免疫したマウスにおいては高力価
のIgE(5000 U/ml)が産生されたが、ISS-ODNおよび抗原で免疫したマウスにお
いては、鼻腔内経路であるか皮内経路であるかに無関係に、検出可能な力価のIg
Eは産生されなかった。
【0090】実施例VII:抗原の不存在下でのISS-ODNの送達後のマウスにおける全身性IL-4、 IL-5、IL-10およびINFγレベルならびにCD4+リンパ球の増殖 抗原とは独立したISS-ODNの効果を確認するために、100μgのDY1018、DY1019
またはランダムな配列の対照(DY1043)をBALB/cマウスに静脈内注射し、該マウ
スを24時間後に犠牲にした。各マウスから脾細胞を回収した。
【0091】 96ウェルマイクロタイタープレートを濃度1μg/mlの食塩水溶液とした抗CD3抗
体(Pharmingen, La Jolla, CA)でコーティングした。該抗CD3抗体は、T細胞受
容体(TCR)複合体への結合作用を模倣する化学シグナルを送達することにより
、T細胞を刺激する。該プレートを洗浄し、10%ウシ胎仔血清を含むRPMI 1640の
培地内の各ウェルに脾細胞を加えた(4×105/ウェル)。第1日、第2日および第3
日に、上清を得た。
【0092】 市販のキットを使用して、上清中のTh2サイトカイン(IL-4、IL-5およびIL-10
)レベルをアッセイした。Th1サイトカイン(INFγ)レベルは、抗INFγマウス
抗体アッセイ(例えば、Coligan "Current Protocols in Immunology" Unit 6.9
.5., Vol. 1, Wiley & Sons, 1994を参照されたい)でアッセイした。Th2表現
型を有するマウスにおいては、比較的高レベルのIL-4およびIL-10ならびに低レ
ベルのINFγが予想されるであろう。一方、Th1表現型を有するマウスにおいては
、比較的低レベルのIL-4およびIL-10ならびに高レベルのINF-γが予想されるで
あろう。比較的高レベルのIL-5は前炎症(pro-inflammatory)環境の特徴であり
、一方、その逆は比較的低レベルのIL-5に当てはまる。
【0093】 図6および7に示すとおり、抗CD3で刺激されたIL-4およびIL-10分泌のレベルは
、DY1018で処理されたマウスにおいては、対照マウスよりかなり低かった。DY10
19処理マウスのレベルは中程度であった。DY1018処理マウスにおいては、前炎症
性IL-5のレベルは、同程度にまで減少した(図8)。
【0094】 DY1019(突然変異ISS-ODN)処理マウスおよび対照マウスと比較して、DY1018
(ISS-ODN)処理マウスにおいては、抗原チャレンジに応答するT細胞増殖のレベ
ルが著しく減少した。T細胞増殖のこの抑制はIL-2の投与に際して可逆的であっ
た。このことは、該抑制がISS-ODN処理マウスにおけるTh2アネルギーによるもの
であることを示している(以下の表を参照されたい)。
【0095】
【表1】 Th1で刺激されたIFN-γ分泌のレベルは、DY1018処理マウスにおいては著しく
増加したが、DY1019処理マウスにおいてはかなり減少した(対照と比較した場合
)。このことは、後者のマウスにおけるTh2型環境の刺激を示している(図9)。
これらの結果を示す追加的なデータを、以下の表に示す。表中の「b/f」は、「
前」を意味する。「1st」、「2nd」および「each(各々)」は、第1または第2の
抗原チャレンジの前に該化合物を投与することを意味する。
【0096】 重要なことは、抗原チャレンジの際の免疫応答をTh1表現型に移行させるため
には、抗原チャレンジ前にマウスを処理することがチャレンジ後に処理するより
も一層効果的であることである。図10および11に示すとおり、増加したIFNγ分
泌(図10)およびCD4+リンパ球増殖(図11)の測定では、抗原チャレンジ(βガ
ラクトシダーゼを用いる)の72時間前にISS-ODN DY1019を注射され初回抗原免疫
された動物(チャレンジは受けていない)は、チャレンジ後に処理されたそれら
の同腹子または突然変異体である不活性オリゴヌクレオチド(DY1019)でチャレ
ンジ前に処理された同腹子の場合よりも強力な、該抗原に対するTh1型免疫応答
を惹起した。
【0097】
【表2】 さらに、本発明に従い投与したISS-ODNは、Th2感作マウス細胞(OVAでの初回
抗原免疫を受けたマウスから集め、ついで100μg/mlのOVAと共にin vitroで72時
間インキュベートした脾細胞)からのTh2サイトカイン放出を抑制する。ISS-ODN
処理は、犠牲にする1日前(-1日)または3日前(-3日)に行った。これらのデー
タを以下に示す。
【0098】
【表3】
【0099】配列表 配列番号1〜18は、ISS-ODNの代表的な六量体ヌクレオチド配列である。
【0100】 配列番号19は、ISS-ODN DY1018の完全長ヌクレオチド配列である。
【0101】 配列番号20は、不活性ISS-ODN突然変異体DY1019の完全長ヌクレオチド配列で
ある。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ISS-ODNおよび抗原を用いて鼻腔内免疫感作したマウスが、コレラ毒素(CT)お
よび抗原を用いた免疫感作に応答して産生されるIgAに匹敵するレベルで分泌型I
gAを産生することを確認するグラフデータである。この応答を、抗原単独、また
はCpGコアの突然変異によって免疫刺激活性が完全に破壊されたISS-ODNを用いて
鼻腔内免疫感作したマウスの応答と比較している。これらのグループは両方とも
粘膜IgA産生を経験しなかった。図1aは免疫感作後の糞便サンプル、免疫感作後
のBALFサンプル、および免疫感作後の膣スワブサンプルにおけるIgA測定の結果
を示す。図1bは同一マウスにおける血清IgAレベルを示す。
【図2】 ISS-ODNおよび抗原を用いて鼻腔内免疫感作したマウスはTh1関連サイトカイン
(IFNγ)を産生するが、Th2関連サイトカイン(IL-4)は殆ど産生しないことを確認
するグラフデータである。この応答を、抗原単独、不活性化ISS-ODN/抗原または
CT/抗原を用いて鼻腔内免疫感作したマウスの応答と比較している。(これらの
うち後者は強いTh2型応答を誘導した。)図2aはIFNγ産生を示し、図2bはIL-4産
生を示す。
【図3】 ISS-ODNおよび抗原を用いて鼻腔内免疫感作したマウスは高力価のIgG2a (Th1)
抗体を産生するが(3a)、IgG1 (Th2)抗体の方は低力値である(3b)ことを確認する
グラフデータである。この応答を、抗原単独、不活性化ISS-ODN/抗原またはCT/
抗原を用いて免疫感作したマウスにおいて産生されたTh2関連IgG1抗体と比較し
ている。
【図4】 ISS-ODNおよび抗原を用いて鼻腔内免疫感作したマウスが、コレラ毒素(CT)お
よび抗原を用いた免疫感作に応答して産生される細胞傷害性T細胞(CTL)よりも
高いレベルでCTLを産生することを確認するグラフデータである。この応答を、
抗原単独、または不活性化ISS-ODN/抗原を用いて免疫感作したマウスにおいて
産生される低レベルのCTLと比較している。
【図5】 抗原およびCTを用いて鼻腔内免疫感作したマウスは高力価のIgE抗体を産生す
るが、ISS-ODNおよび抗原を用いて鼻腔内免疫感作したマウスは検出可能な力値
のIgE抗体を産生しないことを確認するグラフデータである。
【図6】 対照と比較して、ISS−ODNによってIL-4分泌が抑制されることを確認するデー
タのグラフである。
【図7】 ISS−ODN粘膜用アジュバント使用の結果、対照と比較してIL-5分泌が抑制され
ることを確認するデータのグラフである。
【図8】 ISS−ODN粘膜用アジュバント使用の結果、対照と比較してIL-10分泌が抑制さ
れることを確認するデータのグラフである。
【図9】 ISS−ODN粘膜用アジュバント使用の結果、対照と比較してIFNγ分泌が刺激さ
れることを確認するデータのグラフである。
【図10】 抗原チャレンジの前(星印を付している)または抗原チャレンジの後にISS-OD
Nで処置した動物におけるTh1表現型(IFNγレベルによって示される)への、ISS
-ODNが媒介するシフトを示すデータのグラフである。
【図11】 抗原チャレンジの前(星印を付している)または抗原チャレンジの後にISS-OD
Nで処置した動物における、免疫応答性(CD4+リンパ球増殖の増加によって示さ
れる)のISS-ODNが媒介する増強を示すデータのグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 27/14 A61P 27/14 37/04 37/04 C12N 15/09 ZNA G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/531 Z // C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/531 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN ,YU,ZA,ZW (72)発明者 ホーナー,アンソニー,エイ. アメリカ合衆国 92024 カリフォルニア 州 ルーカディア,ユニオン ストリート 321 (72)発明者 カーソン,デニス,エイ. アメリカ合衆国 92014 カリフォルニア 州 デル マー,ビスタ デル オシアノ 14824 Fターム(参考) 2G045 AA29 AA34 AA35 AA40 CA18 CB17 CB30 DA36 DA77 FB03 4B024 AA01 BA31 CA05 CA11 4B065 AA91X AB05 BA01 BB19 CA24 CA45 4C085 AA03 AA38 BA01 EE01 EE06 FF14 FF17 GG10 4C086 EA16 MA02 MA05 MA56 NA05 NA14 ZA33 ZA59 ZB07 ZB09 ZB13

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分泌型IgA(sIgA)の産生を含む哺乳動物宿主における抗原
    に対する粘膜免疫の誘導方法であって、 免疫刺激性オリゴヌクレオチド(ISS-ODN)および抗原を宿主粘膜内に導入す
    ることを含んでなり、 該ISS-ODNが、式:5'-プリン-プリン-[C]-[G]-ピリミジン-ピリミジン-3'を有
    するコアヌクレオチド配列を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 該宿主において誘導されるsIgA産生のレベルが、該抗原単体
    に応答して得られうるsIgA産生の量と比較して増加する、請求項1に記載の方法
  3. 【請求項3】 該宿主における増加したsIgA産生物が抗原特異的sIgAを含む
    、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該sIgA産生が、該ISS-ODNが導入された粘膜組織において生
    じる、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該sIgA産生が、該ISS-ODNが導入された組織から離れた粘膜
    組織において生じる、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該コアヌクレオチド配列が、配列番号2〜18のいずれかより
    なる配列の群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 該コアヌクレオチド配列が配列番号1よりなる、請求項1に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 該ISS-ODNヌクレオチド配列が配列番号19よりなる、請求項7
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該ISS-ODNおよび抗原の該宿主内への導入を、予め該宿主を
    該抗原にさらした後に行う、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該ISS-ODNおよび抗原の該宿主内への導入を、別途に該宿
    主を該抗原にさらす前に行う、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 該抗原を、該ISS-ODNを導入するのと同じ宿主粘膜組織内
    に導入する、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 該ISS-ODNを該抗原にコンジュゲートさせる、請求項1に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 該宿主における粘膜免疫の誘導が細胞傷害性Tリンパ球の
    宿主産生を伴う、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 該宿主における粘膜免疫の誘導が、Th1表現型への該宿主
    免疫応答の偏向を伴い、該Th1表現型の形成が、以下の宿主免疫応答: (i)抗原チャレンジの前および後に測定されるIL-4のレベルの減少、または
    処理された宿主における、初回抗原免疫された対照又は初回抗原免疫されチャレ
    ンジされた対照と比較してより低いレベルのIL-4の検出、 (ii)抗原チャレンジの前および後のIL-12、IL-18および/またはIFN(α、
    βまたはγ)のレベルの増加、またはISS-ODNで処理された宿主における、初回
    抗原免疫された対照又は初回抗原免疫されチャレンジされた対照と比較してより
    高いレベルのIL-12、IL-18および/またはIFN(α、βまたはγ)の検出、 (iii)処理された宿主におけるIgG2a抗体の産生、あるいは (iv)抗原チャレンジの前および後に測定される抗原特異的IgEのレベルの減
    少、またはISS-ODNで処理された宿主における、初回抗原免疫された対照又は初
    回抗原免疫されチャレンジされた対照と比較してより低いレベルの抗原特異的Ig
    Eの検出 のいずれかにより証明される、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 該ISS-ODNを導入する宿主粘膜が呼吸器組織である、請求
    項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 該ISS-ODNを、宿主の鼻腔内経路を通じて該呼吸器組織内
    に導入する、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 分泌型IgAの産生を含む哺乳動物宿主における抗原に対す
    る粘膜免疫の誘導方法であって、 抗原の存在下で免疫刺激性オリゴヌクレオチド(ISS-ODN)を宿主粘膜内に導
    入することを含んでなり、 該ISS-ODNが、式:5'-プリン-プリン-[C]-[G]-ピリミジン-ピリミジン-3'を有
    するコアヌクレオチド配列を含み、該宿主において誘導されるsIgA産生のレベル
    が、該粘膜組織内への該抗原単体の導入に応答して得られうるsIgA産生の量の少
    なくとも3倍であることを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 該宿主における増加したsIgA産生が抗原特異的sIgAの産生
    よりなる、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 増加したsIgA産生が、該ISS-ODNが導入された粘膜組織に
    おいて生じる、請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 増加したsIgA産生が、該ISS-ODNが導入された粘膜組織か
    ら離れた粘膜組織において生じる、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 該コアヌクレオチド配列が、配列番号2〜18のいずれかよ
    りなる配列の群から選ばれる、請求項17に記載の方法。
  22. 【請求項22】 該コアヌクレオチド配列が配列番号1よりなる、請求項18
    に記載の方法。
  23. 【請求項23】 該ISS-ODNヌクレオチド配列が配列番号19よりなる、請求
    項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 ISS-ODNおよび抗原の該宿主内への導入を、予め該宿主を
    該抗原にさらした後に行う、請求項17に記載の方法。
  25. 【請求項25】 ISS-ODNおよび抗原の該宿主内への導入を、別途に該宿主
    を該抗原にさらす前に行う、請求項17に記載の方法。
  26. 【請求項26】 該抗原を、該ISS-ODNを導入するのと同じ宿主粘膜組織内
    に導入する、請求項17に記載の方法。
  27. 【請求項27】 該ISS-ODNを該抗原にコンジュゲートさせる、請求項17に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 該宿主における粘膜免疫の誘導が細胞傷害性Tリンパ球の
    宿主産生を伴う、請求項17に記載の方法。
  29. 【請求項29】 該宿主における粘膜免疫の誘導が、Th1表現型への該宿主
    免疫応答の偏向を伴い、該Th1表現型の形成が、以下の宿主免疫応答: (i)抗原チャレンジの前および後に測定されるIL-4のレベルの減少、または
    処理された宿主における、初回抗原免疫された対照又は初回抗原免疫されチャレ
    ンジされた対照と比較してより低いレベルのIL-4の検出、 (ii)抗原チャレンジの前および後のIL-12、IL-18および/またはIFN(α、
    βまたはγ)のレベルの増加、またはISS-ODNで処理された宿主における、初回
    抗原免疫された対照又は初回抗原免疫されチャレンジされた対照と比較してより
    高いレベルのIL-12、IL-18および/またはIFN(α、βまたはγ)の検出、 (iii)処理された宿主におけるIgG2a抗体の産生、あるいは (iv)抗原チャレンジの前および後に測定される抗原特異的IgEのレベルの減
    少、またはISS-ODNで処理された宿主における、初回抗原免疫された対照又は初
    回抗原免疫されチャレンジされた対照と比較してより低いレベルの抗原特異的Ig
    Eの検出 のいずれかにより証明される、請求項17に記載の方法。
  30. 【請求項30】 該ISS-ODNを導入する宿主粘膜が呼吸器組織である、請求
    項17に記載の方法。
  31. 【請求項31】 該ISS-ODNを、宿主の鼻腔内経路を通じて該呼吸器組織内
    に導入する、請求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 分泌型IgAの産生を含む哺乳動物宿主における抗原に対す
    る粘膜免疫の誘導方法であって、 抗原の存在下で免疫刺激性オリゴヌクレオチド(ISS-ODN)を宿主粘膜内に導
    入することを含んでなり、 該ISS-ODNが、式:5'-プリン-プリン-[C]-[G]-ピリミジン-ピリミジン-3'を有
    するコアヌクレオチド配列を含み、該宿主において誘導されるsIgA産生のレベル
    が、該粘膜組織内への該抗原およびコレラ毒素アジュバントの導入に応答して得
    られうるsIgA産生の量と同等か又はそれより大きいことを特徴とする方法。
  33. 【請求項33】 該宿主における増加したsIgA産生が抗原特異的sIgAの産生
    よりなる、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 増加したsIgA産生が、該ISS-ODNが導入された粘膜組織に
    おいて生じる、請求項32に記載の方法。
  35. 【請求項35】 増加したsIgA産生が、該ISS-ODNが導入された粘膜組織か
    ら離れた粘膜組織において生じる、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 該コアヌクレオチド配列が、配列番号2〜18のいずれかよ
    りなる配列の群から選ばれる、請求項32に記載の方法。
  37. 【請求項37】 該コアヌクレオチド配列が配列番号1よりなる、請求項32
    に記載の方法。
  38. 【請求項38】 該ISS-ODNヌクレオチド配列が配列番号19よりなる、請求
    項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 ISS-ODNおよび抗原の該宿主内への導入を、予め該宿主を
    該抗原にさらした後に行う、請求項32に記載の方法。
  40. 【請求項40】 ISS-ODNおよび抗原の該宿主内への導入を、別途に該宿主
    を該抗原にさらす前に行う、請求項32に記載の方法。
  41. 【請求項41】 該抗原を、該ISS-ODNを導入するのと同じ宿主粘膜組織内
    に導入する、請求項32に記載の方法。
  42. 【請求項42】 該ISS-ODNを該抗原にコンジュゲートさせる、請求項32に
    記載の方法。
  43. 【請求項43】 該宿主における粘膜免疫の誘導が細胞傷害性Tリンパ球の
    宿主産生を伴う、請求項32に記載の方法。
  44. 【請求項44】 該宿主における粘膜免疫の誘導が、Th1表現型への該宿主
    免疫応答の偏向を伴い、該Th1表現型の形成が、以下の宿主免疫応答: (i)抗原チャレンジの前および後に測定されるIL-4のレベルの減少、または
    処理された宿主における、初回抗原免疫された対照又は初回抗原免疫されチャレ
    ンジされた対照と比較してより低いレベルのIL-4の検出、 (ii)抗原チャレンジの前および後のIL-12、IL-18および/またはIFN(α、
    βまたはγ)のレベルの増加、またはISS-ODNで処理された宿主における、初回
    抗原免疫された対照又は初回抗原免疫されチャレンジされた対照と比較してより
    高いレベルのIL-12、IL-18および/またはIFN(α、βまたはγ)の検出、 (iii)処理された宿主におけるIgG2a抗体の産生、あるいは (iv)抗原チャレンジの前および後に測定される抗原特異的IgEのレベルの減
    少、またはISS-ODNで処理された宿主における、初回抗原免疫された対照又は初
    回抗原免疫されチャレンジされた対照と比較してより低いレベルの抗原特異的Ig
    Eの検出 のいずれかにより証明される、請求項32に記載の方法。
  45. 【請求項45】 該ISS-ODNを導入する宿主粘膜が呼吸器組織である、請求
    項32に記載の方法。
  46. 【請求項46】 該ISS-ODNを、宿主の鼻腔内経路を通じて該呼吸器組織内
    に導入する、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 (a)抗原にコンジュゲートした免疫刺激性オリゴヌクレ
    オチド(ISS-ODN)であって、このISS-ODNが、式:5'-プリン-プリン-[C]-[G]-
    ピリミジン-ピリミジン-3'を有するコアヌクレオチド配列を含むものと、(b)
    粘膜組織内への薬物吸収の促進剤とを含んでなる医薬組成物。
  48. 【請求項48】 (a)免疫刺激性オリゴヌクレオチド(ISS-ODN)であって
    、このISS-ODNのコアヌクレオチド配列が、配列番号1〜18のコア配列の群から選
    ばれるものと、(b)粘膜組織内への薬物吸収の促進剤とを含んでなる医薬組成
    物。
  49. 【請求項49】 該ISS-ODNが配列番号19よりなる、請求項48に記載の医薬
    組成物。
  50. 【請求項50】 抗原を更に含む、請求項48に記載の医薬組成物。
  51. 【請求項51】 哺乳動物宿主における粘膜免疫の誘導に使用するためのキ
    ットであって、無菌バイアル内に入れた抗原にコンジュゲートした免疫刺激性オ
    リゴヌクレオチド(ISS-ODN)と、該ISS-ODNを宿主粘膜組織内に送達するための
    装置とを含んでなるキット。
  52. 【請求項52】 哺乳動物宿主における粘膜免疫の誘導に使用するためのキ
    ットであって、無菌バイアル内に入れた免疫刺激性オリゴヌクレオチド(ISS-OD
    N)と、該ISS-ODNを宿主粘膜組織内に送達するための装置とを含んでなるキット
  53. 【請求項53】 該ISS-ODNが配列番号19よりなる、請求項52に記載のキッ
    ト。
  54. 【請求項54】 抗原を更に含む、請求項52に記載のキット。
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