【発明の詳細な説明】
修飾ポリアミンポリマーおよびセルラーゼ酵素を含んだ洗剤組成物
発明の分野
本発明は、脱毛玉効果(depilling benefits)を発揮する、セルラーゼ酵素と、
機能性主鎖部分を有した水溶性および/または分散性修飾(modified)ポリアミン
とを含んだ、洗剤組成物に関する。セルラーゼ酵素は、セルロースを分解しうる
量で存在する。加えて、洗剤組成物の少くとも約0.1重量%は界面活性剤であ
る。
発明の背景
慣用的な洗剤処方物は、汚れの除去性を改善するために、界面活性剤、ビルダ
ーおよび他の添加物を通常含有している。タンパク質の独特なクラス、酵素が、
布帛、皿および他の硬質表面のクリーニングを改善するために慣用的な洗剤に添
加できることは、洗剤を処方する業者に認識されている。酵素は生化学反応を触
媒する生細胞で形成される物質であり、洗剤処方物で用いられたときに、それら
は洗剤のクリーニング能力を高める。同様に、慣用的な酵素含有洗濯洗剤が洗浄
プロセスで用いられたときに、処方物に存在する界面活性剤およびビルダーが酵
素の作用を高めることも、洗濯洗剤業者に知られている。慣用的な洗濯洗剤中に
含有される一般的な酵素には、デンプンを分解するアミラーゼ;タンパク質を分
解する反応を触媒するプロテアーゼ;脂質で働くリパーゼ;セルロースを分解す
るセルラーゼがある。
セルラーゼは、セルロース(β−1,4−グルカン結合)を加水分解してグル
コース、セロビオース、セロオリゴ糖などを形成する酵素として、当業界で知ら
れている。セルロース分解酵素は、洗剤のクリーニング能力を高める物質として
だけではなく、柔軟化してその感触を改善させることで布帛表面を改質する物質
としても、洗剤処方業者に認識されている。コットン含有布帛の繰返し洗浄は、
布帛をざらざらで不快な堅さにさせ、毛玉を生じる。毛玉は、繰返し洗浄後にコ
ットン布帛上に集まる、繊維の小さな塊または“球”の存在である。セルラーゼ
を含有した洗濯洗剤処方物の使用は、コットンを含有した布帛の堅さおよびざら
つきを減少または消失させることができる。加えて、セルラーゼ酵素は繰返し洗
浄による毛玉作用を減少させる上で役立ち、布帛の白さを維持する上でも役立つ
。更に、洗濯洗剤組成物中のセルラーゼ酵素はしみ抜き剤として用いられ、消費
者に認識されるクリーニング性能の全体的印象にも寄与する。
しかしながら、セルラーゼ製剤が複合混合物であって、そのうちあるフラクシ
ョンだけが洗浄プロセスで触媒として有効であると、洗剤酵素業者により認識さ
れている。更に、あるセルラーゼはコットン衣類でネガティブな効果、例えば重
量損失および引張強さ損失を生じうることも、当業界で周知である。これらのネ
ガティブな効果は、ネガティブな効果なしに布帛の表面を改質する上で役立つ特
定の洗剤成分とセルラーゼとの組合せを選択することで、最小に抑えることがで
きる。
様々な布帛表面改質剤が市販されており、洗剤組成物と布帛柔軟剤/静電気防
止品および組成物に現在用いられている。表面改質剤の例は汚れ放出ポリマーで
ある。汚れ放出ポリマーは典型的にはオリゴマーまたはポリマーエステル“主鎖
”を含んでおり、ポリエステルまたは他の合成布帛で通常非常に有効であり、そ
こでは脂肪または類似した疎水性の汚れが付着皮膜を形成していて、水性洗濯プ
ロセスで除去しずらくなっている。汚れ放出ポリマーは“混成”布帛、即ちコッ
トンおよび合成物質の混成からなる布帛でさほど劇的な効果を有さず、コットン
品では効果をほとんどまたは全く有しない。
これまで、コットン布帛に使用上有効な布帛表面改質剤の開発はとらえどころ
がなかった。汚れ放出ポリマーの構造を布帛の構造に合わせるというパラダイム
を適用したその他の試み、即ちポリエステル汚れ放出ポリマー分野で成功した方
法は、それでも、特にコットン布帛向けの、他の布帛表面改質剤に適用されたと
きに、そこそこの結果を出した。例えば、メチルセルロース、コットン多糖と修
飾オリゴマー単位との使用は、コットンよりもポリエステルの方に有効であるこ
とがわかった。
テクスタイル品向けに有効な表面改質剤はある修飾ポリアミンから製造できる
ことが、意外にも発見された。この意外な結果は、合成および合成−コットン混
成布帛だけでなく、コットン布帛でも、汚れ放出効果のような望ましい表面改質
効果を発揮する上で有効な組成物を生み出した。
本発明の修飾ポリアミンは、本明細書に開示された洗濯洗剤組成物が固体また
は液体であるときに、等しく有効である。固形洗濯洗剤は、顆粒、フレークまた
は固形洗濯品の形態をとる。液体洗剤は様々な粘度を有することができ、それに
は高濃縮物、流動性の“すぐ使える”洗剤または軽質布帛前処理剤がある。更に
、本方法で開示された修飾ポリアミンは、他の洗濯洗剤添加物および助剤と特に
適合する。
したがって、当業界の前記開示にもかかわらず、洗濯洗剤のクリーニング能力
を高めて、コットンの感触を柔軟に改善するセルラーゼを含有した洗剤組成物に
ついて必要性が存在しているのである。しみを取るこのような洗剤組成物につい
ても必要性がある。更に、当業界の開示にもかかわらず、コットン衣類で重量損
失および引張強さ損失を伴うことなく、高いクリーニング、柔軟化および脱毛玉
を行える、セルラーゼと修飾ポリアミンポリマーとの特別な組合せを含んだ、こ
のような洗剤組成物について、必要性がなお残っている。
したがって、本発明の目的は、本発明の水溶性および/または分散性修飾ポリ
アミン布帛表面改質剤と一緒に、有効なセルラーゼ酵素を含んだ、洗濯洗剤組成
物を提供することである。この組合せは、表面改質効果、脱毛玉およびクリーニ
ング効果をすべての布帛に対して発揮させる上で有効な洗濯洗剤組成物を提供す
る。
本発明の更に別の目的は、布帛表面を洗濯洗剤組成物の水溶液と接触させるこ
とからなる、洗濯中に布帛表面を改質するための方法を提供することである。
背景技術
1973年4月26日付で公開されたU.K.1,314,897では、洗濯
された布帛における湿潤汚れ再付着の防止およびしみ抜きの改善用に、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース物質を開示している。Kearney に発行された米国特
許第3,897,026号明細書では、エチレン−無水マレイン酸コポリマーと
コットンポリマーのヒドロキシル部分との反応により得られる、改善された汚れ
放出およびしみ抵抗性を有したセルローステクスタイル物質について開示してい
る。Dickson に発行された米国特許第3,912,681号明細書では、ポリカ
ルボキシレートポリマーによる非永続的汚れ放出仕上げをコットン布帛に施すた
めの組成物について開示している。Hintonらに発行された米国特許第3,948
,838号明細書では、汚れ放出用に高分子量(500,000〜1,500,
000)ポリアクリルポリマーを開示している。Leigh らに発行された米国特許
第4,559,056号明細書では、オルガノポリシロキサンエラストマー、オ
ルガノシロキサンオキシアルキレンコポリマー架橋剤およびシロキサン硬化触媒
を含んだ組成物でコットンまたは合成布帛を処理するプロセスについて開示して
いる。米国特許第4,579,681号および第4,614,519号明細書も
参照。これらの開示されたビニルカプロラクタム物質は、ポリエステル布帛、コ
ットンおよびポリエステルの混成品と、仕上げ剤で疎水性にされたコットン布帛
にそれらの有効性を限定している。
アルコキシル化ポリアミンおよび四級化アルコキシル化ポリアミンの例は、汚
れ分散剤として使用に適すると欧州特許出願第206,513号明細書に開示さ
れているが、しかしながら布帛表面改質剤としてそれらの可能な用途は開示され
ていない。加えて、これらの物質は、本発明のポリアミンになされた重要な修飾
、N−オキシドと、以下に開示された化合物で示されるブリーチ安定性増加向け
の要素とを含んでいない。
上記技術に加えて、以下では様々な汚れ放出ポリマーまたは修飾ポリアミンを
開示している:1985年10月22日付で発行されたConnorの米国特許第4,
548,744号;1986年7月1日付で発行されたVander Meer の米国特許
第4,597,898号;1989年10月31日付で発行されたMaldonado ら
の米国特許第4,877,896号;1990年1月2日付で発行されたVander
Meer の米国特許第4,891,160号;1990年12月11日付で発行さ
れたMaldonado らの米国特許第4,976,879号;1995年5月16日付
で発行されたGosselink の米国特許第5,415,807号;1980年11月
25日付で発行されたMarco らの米国特許第4,235,735号;1978年
12月29日付で公開されたU.K.特許第1,537,288号;1978年
1月18日付で公開されたU.K.特許第1,498,520号;1995年1
1月30日付で公開されたWO95/32272;1980年1月10日付で発
行されたドイツ特許DE28 29 022;1994年4月27日付で公開さ
れた日本公開JP06313271
下記特許および文献はセルラーゼ酵素を含有した洗剤組成物について開示して
いる:Bjork らの米国特許第5,120,463号(Genentech International,
Inc.);Boyer らのWO93/11215(The Procter & Gamble Company);
Conventsらの米国特許第5,443,750号(The Procter & Gamble Company
);Suzukiらの米国特許第4,822,516号(Kao Corporation);Suzuki
らの米国特許第4,978,470号(Kao Corporation)。下記特許ではセル
ラーゼ製法について開示している:Barbesgaard らの米国特許第4,435,3
0
7号(Novo Industri A/S);Rasmussen らのEP0,531,372(Novo In
dustri A/S)。
発明の要旨
本発明は:
a)少くとも約0.1重量%の洗浄界面活性剤;
b)少くとも約0.001重量%のセルラーゼ酵素;および
c)少くとも約0.05重量%、好ましくは約0.5〜約10%、更に好まし
くは約1〜約7%の水溶性または分散性修飾ポリアミン布帛表面改質剤〔その剤
は、下記式に相当するポリアミン主鎖:
を含んで、修飾ポリアミン式V(n+1)WmYnZを有しているか、または下記式に
相当するポリアミン主鎖:
を含んで、修飾ポリアミン式V(n-k+1)WmYnY′kZ(kはn以下である)を有
している(修飾前の上記ポリアミン主鎖は約200ドルトン以上の分子量を有す
る)〕
〔上記式中
i)V単位は下記式を有する末端単位である:
ii)W単位は下記式を有する主鎖単位である:
iii)Y単位は下記式を有する分岐単位である:
および
iv)Z単位は下記式を有する末端単位である:
上記式中、主鎖連結R単位はC2−C12アルキレン、C4−C12アルケニレン、C3
−C12ヒドロキシアルキレン、C4−C12ジヒドロキシアルキレン、C8−C12
ジアルキルアリレン、−(R1O)xR1−、−(R1O)xR5(OR1)x−、−(
CH2CH(OR2)CH2O)(R1O)y−R1O(CH2CH(OR2)CH2)w
−、−C(O)(R4)rC(O)−、−CH2CH(OR2)CH2−およびそれ
らの混合からなる群より選択される;R1はC2−C6アルキレンおよびそれらの
混合である;R2は水素、−(R1O)xBおよびそれらの混合である;R3はC1
−C18アルキル、C7−C12アリールアルキル、C7−C12アルキル置換アリール
、C6−C12アリールおよびそれらの混合である;R4はC1−C12アルキレン、
C4−C12アルケニレン、C8−C12アリールアルキレン、C6−C10アリレンお
よびそれらの混合である;R5はC1−C12アルキレン、C3−C12ヒドロキシア
ルキレン、C4−C12ジヒドロキシアルキレン、C8−C12ジアルキルアリレン、
−C(O)−、−C(O)NHR6−NHC(O)−、−C(O)(R4)rC(
O)−、−CH2CH(OH)CH2O(R1O)yR1O−CH2CH(OH)CH2
−およびそれらの混合である;R6はC2−C12アルキレンまたはC6−C12アリ
レンである;E単位は水素、C1−C22アルキル、C3−C22アルケニル、C7−
C22アリールアルキル、C2−C22ヒドロキシアルキル、−(CH2)p−CO2M
、−(CH2)qSO3M、−CH(CH2CO2M)−CO2M、−(CH2)pPO3
M、−(R1O)xB、−C(O)R3およびそれらの混合からなる群より選択さ
れる;但し窒素のいずれかのE単位が水素であるとき、その窒素はN−オキシド
でもない;Bは水素、C1−C6アルキル、−(CH2)qSO3M、−(CH2)p
CO2M、−(CH2)qCH(SO3M)CH2SO3M、−(CH2)qCH(SO2
M)CH2SO3M、−(CH2)pPO3M、−PO3Mおよびそれらの混合であ
る;Mは水素または電荷バランスを満たす上で十分な量の水溶性カチオンである
;Xは水溶性アニオンである;mは4〜約400の値を有する;nは0〜約20
0の値を有する;pは1〜6の値を有する;qは0〜6の値を有する;rは0ま
たは1の値を有する;wは0または1の値を有する;xは1〜100の値を有す
る;yは0〜100の値を有する;zは0または1の値を有する〕;を含んだ、
洗濯組成物に関する。
洗剤組成物は、場合により、但し好ましくは、ビルダー、蛍光増白剤、ブリー
チ、ブリーチ増強剤、ブリーチアクチベーター、非セルラーゼ酵素、酵素アクチ
ベーター、起泡抑制剤、色素、香料、着色料、フィラー塩、ヒドロトロープおよ
びそれらの混合物から選択される補助成分の有効量を更に含む。
すべてのパーセンテージ、比率および割合は、別記されないかぎり重量による
。すべての温度は、別記されないかぎり摂氏度(℃)である。引用されたすべて
の文献は、関連箇所で、参考のため本明細書に組み込まれる。
発明の具体的な説明
本発明は、コットン、非コットンまたはコットンおよび非コットン布帛の混合
物で使用に特に適した洗剤組成物に関する。本発明には下記処方がある。
布帛改質効果を発揮する好ましい液体洗濯洗剤組成物は:
a)少くとも約10重量%の、アニオン性およびノニオン性洗浄界面活性剤か
ら選択される洗浄界面活性剤;
b)約0.05〜約2重量%のセルラーゼ酵素;
c)約0.5〜約10重量%の水溶性または分散性修飾ポリアミン布帛表面改
質剤〔その剤は、下記式に相当するポリアミン主鎖:
を含んで、修飾ポリアミン式V(n+1)WmYnZを有しているか、または下記式に
相当するポリアミン主鎖:
を含んで、修飾ポリアミン式V(n-k+1)WmYnY′kZ(kはn以下である)を有
している(修飾前の上記ポリアミン主鎖は約200ドルトン以上の分子量を
有する)〕
〔上記式中
i)V単位は下記式を有する末端単位である:
ii)W単位は下記式を有する主鎖単位である:
iii)Y単位は下記式を有する分岐単位である:
および
iv)Z単位は下記式を有する末端単位である:
上記式中、主鎖連結R単位はC2−C12アルキレン、C4−C12アルケニレン、C3
−C12ヒドロキシアルキレン、C4−C12ジヒドロキシアルキレン、C8−C12
ジアルキルアリレン、−(R1O)xR1−、−(R1O)xR5(OR1)x−、−(
CH2CH(OR2)CH2O)z−
(R1O)yR1(OCH2CH(OR2)CH2)w−、−C(O)(R4)rC(O
)−、−CH2CH(OR2)CH2−およびそれらの混合からなる群より選択さ
れる;R1はC2−C6アルキレンおよびそれらの混合である;R2は水素、−(R1
O)xBおよびそれらの混合である;R3はC1−C18アルキル、C7−C12アリ
ールアルキル、C7−C12アルキル置換アリール、C6−C12アリールおよびそれ
らの混合である;R4はC1−C12アルキレン、C4−C12アルケニレン、C8−C12
アリールアルキレン、C6−C10アリレンおよびそれらの混合である;R5はC1
−C12アルキレン、C3−C12ヒドロキシアルキレン、C4−C12ジヒドロキシ
アルキレン、C8−C12ジアルキルアリレン、−C(O)−、−C(O)NHR6
NHC(O)−、−R1(OR1)−、−C(O)(R4)rC(O)−、−CH2
CH(OH)CH2−、−CH2CH(OH)CH2O(R1O)yR1OCH2CH
(OH)CH2−およびそれらの混合である;R6はC2−C12アルキレンまたは
C6−C12アリレンである;E単位は水素、C1−C22アルキル、C3−C22アル
ケニル、C7−C22アリールアルキル、C2−C22ヒドロキシアルキル、−(CH2
)pCO2M、−(CH2)qSO3M、−CH(CH2CO2M)−CO2M、−(
CH2)pPO3M、−(R1O)xB、−C(O)R3およびそれらの混合からなる
群より選択される;但し窒素のいずれかのE単位が水素であるとき、その窒素は
N−オキシドでもない;Bは水素、C1−C6アルキル、−(CH2)qSO3M、
−(CH2)pCO2M、−(CH2)q(CHSO3M)CH2SO3M、−(CH2
)q−(CHSO2M)CH2SO3M、−(CH2)pPO3M、−PO3Mおよびそ
れらの混合である;Mは水素または電荷バランスを満たす上で十分な量の水溶性
カチオンである;Xは水溶性アニオンである;mは4〜
約400の値を有する;nは0〜約200の値を有する;pは1〜6の値を有す
る;qは0〜6の値を有する;rは0または1の値を有する;wは0または1の
値を有する;xは1〜100の値を有する;yは0〜100の値を有する;zは
0または1の値を有する〕;および
d)水中10%溶液として測定されたときにpH約7〜約9.5の組成物を供
する上で十分なアルカリ物質;
を含んでなる。
布帛表面を本発明の洗濯洗剤組成物の水溶液と接触させることからなる、洗濯
中に布帛表面を改質するための方法も、本発明に含まれる。
更に、布帛を洗濯して、繊維に毛玉のついた布帛から毛玉を取るための方法も
本発明に含まれ、その方法は上記毛玉付き布帛を本発明の洗剤組成物の有効量か
ら形成された水性洗浄液と接触させることからなる。
本発明の洗濯洗剤組成物は下記成分を含んでいる。
セルラーゼ酵素−本発明による洗濯洗剤組成物は、少くとも0.001重量%
、好ましくは少くとも約0.01%のセルラーゼ酵素を含んでいる。しかしなが
ら、有効量のセルラーゼ酵素があれば、本明細書に記載された洗濯洗剤組成物で
使用上十分である。“有効量”という用語は、布帛、皿などのような基材でクリ
ーニング、しみ抜き、汚れ除去、ホワイトニング、脱臭またはフレッシュさ改善
効果を発揮しうる量に関する。本組成物は、典型的には約0.05〜約2重量%
、好ましくは約0.1〜約1.5%の市販酵素製剤を含む。本発明のセルラーゼ
酵素は、組成物g当たり0.005〜0.1 Anson単位(AU)の活性を供する
ために十分なレベルで、このような市販製剤中に通常存在している。好ましくは
、酵素含有組成物の至適pHは約7〜約9.5である。
1984年3月6日付で発行されたBarbesgaard らの米国特許第4,435,
307号明細書では、Humicola insolens から産生されたセルラーゼについて開
示している。他の適切なセルラーゼの例には、Humicola insolens、Humicola gr
isea var.thermoideaの株から産生されたものと、Bacillus sp.またはAeromonas
sp.の種で産生されたセルラーゼがある。他の有用なセルラーゼは、海洋軟体
動物Dolabella Auricula Solander の肝膵から抽出されたものである。適切なセ
ルラーゼは以下にも開示されている:GB2,075,028A(Novo Industr
i A/S);GB2,095,275A(Kao Soap Co.,Ltd.);およびHorikoshi
らの米国特許第3,844,890号(理化学研究所)。加えて、適切なセル
ラーゼとそれらの製造方法は、1991年11月14日付で公開されたNovo Nor
disk A/SのPCT国際公開WO91/17243に記載されている。
セルラーゼの工業生産では、組換えDNA技術が用いられることが好ましい。
しかしながら、関連微生物の発酵または変異の調整を行える他の技術も、望まし
い酵素添加物の過剰産生を保証するために用いてよい。このような方法および技
術は当業界で公知であり、当業者に容易に行える。
修飾ポリアミンポリマー−本発明の布帛表面改質剤は、水溶性または分散性の
修飾ポリアミンである。これらのポリアミンは、直鎖または環式いずれかの主鎖
を含んでいる。ポリアミン主鎖はそれより多いまたは少い程度でポリアミン分岐
鎖も含むことができる。一般的に、本明細書に記載されるポリアミン主鎖は、ポ
リアミン鎖の各窒素が置換、四級化、酸化されたかまたはそれらが組み合わされ
た単位について後で記載されているように修飾される。
本発明の目的にとり、“修飾(modification)”という用語は、主鎖−NH水素
原子をE単位で置き換えること(置換)、主鎖窒素を四級化させること(四級化
)、または主鎖窒素をN−オキシドに酸化すること(酸化)と定義される。“修
飾”および“置換”という用語は、主鎖窒素に結合された水素原子をE単位で置
き換
えるプロセスに言及するとき、互換的に用いられる。四級化または酸化は一部の
状況下で置換なしに生じうるが、置換は少くとも1つの主鎖窒素の酸化または四
級化に伴うことが好ましい。
本発明の布帛表面改質剤を構成する直鎖または非環式ポリアミン主鎖は下記一
般式を有している:
修飾前の上記主鎖はR“連結”単位で接続された一級、二級および三級アミン窒
素からなる。本発明の剤を構成する環式ポリアミン主鎖は下記一般式を有してい
る:
修飾前の上記主鎖はR“連結”単位で接続された一級、二級および三級アミン窒
素からなる。
本発明の目的にとり、主鎖または分岐鎖を構成する一級アミン窒素は、修飾さ
れると、VまたはZ“末端”単位として表示される。例えば、下記構造を有する
、主ポリアミン主鎖または分岐鎖の末端に位置した一級アミン部分:
〔H2N−R〕−
が本発明に従い修飾されたとき、それはV“末端”単位、または単純にV単位と
して表示される。しかしながら、本発明の目的にとり、一級アミン部分の一部ま
たは全部は以下で更に記載される制限に従い未修飾のままである。これらの未修
飾一級アミン部分は、主鎖でのそれら位置のせいで、“末端”単位のままである
。
同様に、下記構造を有する、主ポリアミン主鎖の末端に位置した一級アミン部分
:
−NH2
が本発明に従い修飾されたとき、それはZ“末端”単位、または単純にZ単位と
して表示される。この単位は、以下で更に記載される制限に従い未修飾のままで
もよい。
同様に、主鎖または分岐鎖を構成する二級アミン窒素は、修飾されると、W“
主鎖”単位として表示される。例えば、下記構造を有する、本発明の主鎖および
分岐鎖の主要素、二級アミン部分:
が本発明に従い修飾されたとき、それはW“主鎖”単位、または単純にW単位と
して表示される。しかしながら、本発明の目的にとり、二級アミン部分の一部ま
たは全部は未修飾のままでもよい。これらの未修飾二級アミン部分は、主鎖での
それら位置のせいで、“主鎖”単位のままである。
更に同様に、主鎖または分岐鎖を構成する三級アミン窒素は、修飾されると、
Y“分岐”単位と称される。例えば、下記構造を有する、ポリアミン主鎖または
他の分岐鎖もしくは環の鎖分岐点である、三級アミン部分:
が本発明に従い修飾されたとき、それはY“分岐”単位、または単純にY単位と
して表示される。しかしながら、本発明の目的にとり、三級アミン部分の一部ま
たは全部は未修飾のままでもよい。これらの未修飾三級アミン部分は、主鎖での
それら位置のせいで、“分岐”単位のままである。ポリアミン窒素を連結するよ
うに働く、V、WおよびY単位窒素に付随したR単位は、以下で記載されている
。
本発明のポリアミンの最終修飾構造は、したがって、直鎖ポリアミンポリマー
の場合に下記一般式:
V(n+1)WmYnZ
環式ポリアミンポリマーの場合に下記一般式:
V(n-k+1)WmYnY′kZ
で表すことができる。環を含んだポリアミンの場合に、下記式のY′単位:
は主鎖または分岐環の分岐点として働く。Y′単位毎に、下記式を有するY単位
がある:
これは主ポリマー鎖または分岐への環の接続点を形成する。主鎖が完全な環であ
る独特な場合に、ポリアミン主鎖は下記式を有する:
したがってZ末端単位を含まず、下記式を有する
Vn-kWmYnY′k
上記式中kは環形成分岐単位の数である。好ましくは、本発明のポリアミン主鎖
は環を含まない。
非環式ポリアミンの場合に、インデックスn対インデックスmの比率は相対的
分岐度に関する。本発明による完全非分岐直鎖修飾ポリアミンは下記式を有して
いる:
VWmZ
即ちnは0である。nの値が大きくなるほど(m対nの比率が低くなるほど)、
分子中の分岐度は大きくなる。典型的には、mの値は最小値4から約400まで
の範囲であるが、mの値が大きく、特にインデックスnの値が非常に低いかまた
はほぼ0であるときも好ましい。
一級、二級または三級の各ポリアミン窒素は、本発明に従い修飾されると、単
純な置換、四級化または酸化の3つの一般的クラスのうち1つのメンバーとして
更に表せる。修飾されていないポリアミン窒素単位は、それらが一級、二級また
は三級窒素であるかどうかに応じて、V、X、YまたはZ単位に分類される。即
ち、本発明の目的にとり、未修飾一級アミン窒素はVまたはZ単位であり、未修
飾二級アミン窒素はW単位であり、未修飾三級アミン窒素はY単位である。
修飾一級アミン部分は、3つの形態のうち1つを有するV“末端”単位として
表示される:
a)下記構造を有する単純置換単位:
b)下記構造を有する四級化単位:
(上記式中Xは電荷バランスをとる適切な対イオンである);および
c)下記構造を有する酸化単位:
修飾二級アミン部分は、3つの形態のうち1つを有するW“主鎖”単位として
表示される:
a)下記構造を有する単純置換単位:
b)下記構造を有する四級化単位:
(上記式中Xは電荷バランスをとる適切な対イオンである);および
c)下記構造を有する酸化単位:
修飾三級アミン部分は、3つの形態のうち1つを有するY“分岐”単位として
表示される:
a)下記構造を有する未修飾単位:
b)下記構造を有する四級化単位:
(上記式中Xは電荷バランスをとる適切な対イオンである);および
c)下記構造を有する酸化単位:
ある修飾一級アミン部分は、3つの形態のうち1つを有するZ“末端”単位と
して表示される:
a)下記構造を有する単純置換単位:
b)下記構造を有する四級化単位:
(上記式中Xは電荷バランスをとる適切な対イオンである);および
c)下記構造を有する酸化単位:
いずれの窒素位置も非置換または未修飾であるとき、水素がEの代わりである
と理解される。例えば、ヒドロキシエチル部分の形で1つのE単位を有する一級
アミン単位は、式(HOCH2CH2)HN−を有したV末端単位である。
本発明の目的にとり、鎖末端単位には2つのタイプ、VおよびZ単位がある。
Z“末端”単位は構造−NH2の末端一級アミノ部分から誘導される。本発明に
よる非環式ポリアミン主鎖は1つのZ単位だけを有し、環式ポリアミンはZ単位
を有しない。Z単位が修飾されてN−オキシドを形成している場合を除き、Z“
末端”単位は下記いずれかのE単位で置換することができる。Z単位窒素がN−
オキシドに酸化されている場合、その窒素は修飾されているはずであり、そのた
めEが水素であることはない。
本発明のポリアミンは、主鎖の窒素原子を接続するように働く主鎖R“連結”
単位を含んでいる。R単位は、本発明の目的から“ヒドロカルビルR”単位およ
び“オキシR”単位と称される単位からなる。“ヒドロカルビルR”単位とは、
C2−C12アルキレン、C4−C12アルケニレン、C3−C12ヒドロキシアルキレ
ン(ヒドロキシル部分は、ポリアミン主鎖窒素に直接接合された炭素原子以外の
、R単位鎖上のいずれかの位置を占める);C4−C12ジヒドロキシアルキレン
(ヒドロキシル部分は、ポリアミン主鎖窒素に直接接合された炭素原子以外の、
R単位鎖上のいずれか2つの炭素原子を占める);C8−C12ジアルキルアリレ
ン(本発明の目的から、連結鎖の一部として2つのアルキル置換基を有したアリ
レン部分である)である。例えば、ジアルキルアリレン単位は下記式を有する:
上記単位は1,4−置換でなくともよく、1,2または1,3−置換C2−C12
アルキレン、好ましくはエチレン、1,2−プロピレン、およびそれらの混合、
更に好ましくはエチレンであってもよい。“オキシ”R単位には、−(R1O)x
R5(OR1)x−、−(CH2CH(OR2)CH2O)z(R1O)yR1(OCH2
CH(OR2)CH2)w−、−CH2CH(OR2)CH2−,−(R1O)xR1−
およびそれらの混合がある。好ましいR単位はC2−C12アルキレン、C3−C12
ヒドロキシアルキレン、C4−C12ジヒドロキシアルキレン、C8−C12ジアルキ
ルアリレン、−(R1O)xR1−、−CH2CH(OR2)CH2−、−(CH2C
H(OH)CH2O)z(R1O)yR1(OCH2CH(OH)CH2)w−、−(R1
O)xR5(OR1)x−であり、更に好ましいR単位はC2−C12アルキレン、C3
−C12ヒドロキシアルキレン、C4−C12ジヒドロキシアルキレン、−(R1O
)xR1−、−(R1O)xR5(OR1)x−、−(CH2CH(OH)CH2O)z(
R1O)yR1(OCH2CH(OH)CH2)w−およびそれらの混合であり、更に
一層好ましいR単位はC2−C12アルキレン、C3ヒドロキシアルキレンおよびそ
れらの混合であり、最も好ましいのはC2−C12アルキレンである。本発明の最
も好ましい主鎖は、エチレンであるR単位を少くとも50%含んでいる。
R1はC2−C6アルキレンおよびそれらの混合、好ましくはエチレンである。
R2は水素、−(R1O)xB、好ましくは水素である。
R3はC1−C18アルキル、C7−C12アリールアルキレン、C7−C12アルキル
置換アリール、C6−C12アリールおよびそれらの混合、好ましくはC1−C12ア
ルキル、C7−C12アリールアルキレン、更に好ましくはC1−C12アルキル、最
も好ましくはメチルである。R3単位は下記E単位の一部として働く。
R4はC1−C12アルキレン、C4−C12アルケニレン、C8−C12アリール
アルキレン、C6−C10アリレン、好ましくはC1−C10アルキレン、C8−C12
アリールアルキレン、更に好ましくはC2−C8アルキレン、最も好ましくはエチ
レンまたはブチレンである。
R5はC1−C12アルキレン、C3−C12ヒドロキシアルキレン、C4−C12ジヒ
ドロキシアルキレン、C8−C12ジアルキルアリレン、−C(O)−、−C(O
)NHR6NHC(O)−、−C(O)(R4)rC(O)−、−R1(OR1)−
、−CH2CH(OH)CH2O(R1O)yR1OCH2CH(OH)CH2−、−
C(O)(R4)rC(O)−、−CH2CH(OH)CH2−であり、R5は好ま
しくはエチレン、−C(O)−、−C(O)NHR6NHC(O)−、−R1(O
R1)−、−CH2CH(OH)CH2−、−CH2CH(OH)CH2O(R1O)y 1
OCH2CH(OH)CH2−、更に好ましくは−CH2CH(OH)CH2−で
ある。
R6はC2−C12アルキレンまたはC6−C12アリレンである。
好ましい“オキシ”R単位はR1、R2およびR5単位について更に規定される
。好ましい“オキシ”R単位は好ましいR1、R2およびR5単位を含んでいる。
本発明の好ましい表面改質剤は、エチレンであるR1単位を少くとも50%含ん
でいる。好ましいR1、R2およびR5単位が“オキシ”R単位で組み合わされて
、下記のような好ましい“オキシ”R単位を形成する。
i)更に好ましいR5を−(CH2CH2O)xR5(OCH2CH2)x−に置換す
ると、−(CH2CH2O)xCH2CHOHCH2(OCH2CH2)x−を形成する
;
ii)好ましいR1およびR2を−(CH2CH(OR2)CH2O)z−(R1O)y
R1O(CH2CH(OR2)CH2)w−に置換すると、−(CH2CH(OH)C
H2O)z−(CH2CH2O)yCH2CH2O
(CH2CH(OH)CH2)w−を形成する;
iii)好ましいR2を−CH2CH(OR2)CH2−に置換すると、−CH2CH
(OH)CH2−を形成する。
E単位は水素、C1−C22アルキル、C3−C22アルケニル、C7−C22アリー
ルアルキル、C2−C22ヒドロキシアルキル、−(CH2)pCO2M、−(CH2
)qSO3M、−CH(CH2CO2M)CO2M、−(CH2)pPO3M、−(R1
O)mB、−C(O)R3、好ましくは水素、C2−C22ヒドロキシアルキレン、
ベンジル、C1−C22アルキレン、−(R1O)mB、−C(O)R3、−(CH2
)pCO2M、−(CH2)qSO3M、−CH(CH2CO2M)CO2M、更に好ま
しくはC1−C22アルキレン、−(R1O)xB、−C(O)R3、−(CH2)pC
O2M、−(CH2)qSO3M、−CH(CH2CO2M)CO2M、最も好ましく
はC1−C22アルキレン、−(R1O)xBおよび−C(O)R3からなる群より選
択される。修飾または置換が窒素で行われないときには、水素原子がEを表す部
分として残る。
V、WまたはZ単位が酸化されているとき、即ち窒素がN−オキシドであると
き、E単位は水素原子ではない。例えば、主鎖または分岐鎖は下記構造の単位を
含まない:
加えて、V、WまたはZ単位が酸化されているとき、即ち窒素がN−オキシド
であるとき、E単位は窒素原子に直接結合されたカルボニル部分ではない。本発
明によると、E単位−C(O)R3部分はN−オキシド修飾窒素に結合されず、
即ち下記構造を有するN−オキシドアミドも、それらの組合せも存在しない:
Bは水素、C1−C6アルキル、−(CH2)qSO3M、−(CH2)pCO2M、
−(CH2)q(CHSO3M)CH2SO3M、−(CH2)q(CHSO2M)CH2
SO3M、−(CH2)pPO3M、−PO3M、好ましくは水素、−(CH2)qS
O3M、−(CH2)q(CHSO3M)CH2SO3M、−(CH2)q(CHSO2
M)CH2SO3M、更に好ましくは水素または−(CH2)qSO3Mである。
Mは水素、または電荷バランスを満たす上で十分な量の水溶性カチオンである
。例えば、ナトリウムカチオンは−(CH2)pCO2Mおよび−(CH2)qSO3
Mを等しく満たして、−(CH2)pCO2Naおよび−(CH2)qSO3Na部分
になる。2以上の一価カチオン(ナトリウム、カリウムなど)も、所要の化学電
荷バランスを満たすように組合せることができる。しかしながら、2以上のアニ
オン基が二価カチオンで電荷バランスを満たされたり、あるいは2以上の一価カ
チオンが多アニオン基の電荷要求を満たす上で必要とされることもある。例えば
、ナトリウム原子で置換された−(CH2)pPO3M部分は、式−(CH2)pP
O3Na3を有する。カルシウム(Ca2+)またはマグネシウム(Mg2+)のよう
な二価カチオンを、他の適切な一価水溶性カチオンの代わりに用いても、または
それと組合せてもよい。好ましいカチオンはナトリウムおよびカリウム、更に好
ましくはナトリウムである。
Xは塩素(Cl-)、臭素(Br-)およびヨウ素(I-)のような水溶性アニ
オンであるか、またはXは硫酸(SO4 2-)およびメト硫酸(CH3SO3 -)のよ
うな負電荷基である。
式インデックスは下記値を有する:pは1〜6の値を有する;qは0〜6の値
を有する;rは0または1の値を有する;wは0または1の値を有する;xは1
〜100の値を有する;yは0〜100の値を有する;zは0または1の値を有
する;mは4〜約400の値を有する;nは0〜約200の値を有する;m+n
は少くとも5の値を有する。
本発明の好ましい修飾ポリアミン表面改質剤は、R基の約50%未満、好まし
くは約20%未満、更に好ましくは5%未満が“オキシ”R単位であり、最も好
ましくはR単位が“オキシ”R単位を全く含まないポリアミン主鎖を有している
。
“オキシ”R単位を全く含まない最も好ましい剤は、R基の50%未満が4以
上の炭素原子を含んだポリアミン主鎖を有している。例えば、エチレン、1,2
−プロピレンおよび1,3−プロピレンが3以下の炭素原子を含んでいて、好ま
しい“ヒドロカルビル”R単位である。それは、主鎖R単位がC2−C12アルキ
レン、好ましくはC2−C3アルキレン、最も好ましくはエチレンのときである。
本発明の表面改質剤は、修飾された均一および不均一なポリアミン主鎖を有し
ており、−NH単位の100%以下が修飾されている。本発明の目的にとり、“
均一なポリアミン主鎖”という用語は、同一のR単位(即ち、すべてエチレン)
を有するポリアミン主鎖として定義される。しかしながら、この同一という定義
には、選択された化学合成法の人為性のせいで存在するポリマー主鎖を含んだ、
他の外来単位を有するポリアミンを排除するわけではない。例えば、エタノール
アミンがポリエチレンイミンの合成で“開始剤”として用いられ、そのため重合
“開始剤”に起因して1つのヒドロキシエチル部分を含むポリエチレンイミンの
サンプルも本発明の目的にとり均一なポリアミン主鎖を有していると考えられる
ことが、当業者に知られている。分岐Y単位が存在せずに、すべてエチレンR単
位を有したポリアミン主鎖は、均一な主鎖である。すべてエチレンR単位を有し
たポリアミン主鎖は、分岐の程度または存在する環式分岐の数にかかわらず、均
一な主鎖である。
本発明の目的にとり、“不均一なポリマー主鎖”という用語は、様々なR単位
長およびR単位タイプの複合であるポリアミン主鎖に関する。例えば、不均一な
主鎖はエチレンおよび1,2−プロピレン単位の混合であるR単位を含んでいる
。本発明の目的にとり、“ヒドロカルビル”および“オキシ”R単位の混合は不
均一な主鎖を供する上で不要である。これら“R単位鎖長”の適正な操作によれ
ば、本発明のポリアミン剤の溶解性および布帛直接性を調節しうる能力を業者に
付与できる。
本発明の好ましいポリマーは、全部または一部ポリエチレンオキシ部分で置換
された均一なポリアミン主鎖、全部または一部四級化されたアミン、全部または
一部N−オキシドに酸化された窒素、およびそれらの混合を含んでいる。しかし
ながら、すべての主鎖アミン窒素が同様に修飾されなくてもよく、修飾の選択は
業者の具体的ニーズに任される。エトキシル化の程度も業者の具体的要求により
決められる。
本発明の化合物の主鎖を構成する好ましいポリアミンは、通常ポリアルキレン
アミン(PAA)、ポリアルキレンイミン(PAI)、好ましくはポリエチレン
アミン(PEA)、ポリエチレンイミン(PEI)、あるいは親PAA、PAI
、PEAまたはPEIよりも長いR単位を有した部分により連結されたPEAま
たはPEIである。一般的なポリアルキレンアミン(PAA)はテトラブチレン
ペンタミンである。PEAは、アンモニアおよびエチレンジクロリドの反応、そ
の後分別蒸留により得られる。得られる一般的なPEAはトリエチレンテトラミ
ン(TETA)およびテトラエチレンペンタミン(TEPA)である。ペンタミ
ン
より大きな、即ちヘキサミン、ヘプタミン、オクタミンおよび可能であればノナ
ミンの、一緒に誘導された混合物は、蒸留により分取しずらく、環式アミン、特
にピペラジン類のような他の物質を含有している。窒素原子が存在する側鎖を有
した環式アミンも存在しうる。PEAの製法について記載する、1957年5月
14日付で発行されたDickinson の米国特許第2,792,372号明細書参照
。
好ましいアミンポリマー主鎖は、C2アルキレン(エチレン)単位であるR単
位からなり、これはポリエチレンイミン(PEI)としても知られる。好ましい
PEIは少くとも中度の分岐を有しており、即ちm対nの比率は4:1未満であ
るが、約2:1のm対n比を有するPEIが最も好ましい。修飾前の好ましい主
鎖は下記一般式を有している:
上記式中mおよびnは前記と同義である。修飾前の好ましいPEIは、約200
ドルトン以上の分子量を有している。
ポリアミン主鎖における一級、二級および三級アミン単位の相対割合は、特に
PEIの場合で、製法に応じて変わる。ポリアミン主鎖の各窒素原子に結合され
た各水素原子は、後の置換、四級化または酸化について可能な部位を表す。
これらのポリアミンは、例えば、二酸化炭素、重亜硫酸ナトリウム、硫酸、過
酸化水素、塩酸、酢酸などのような触媒の存在下でエチレンイミンを重合させる
ことにより製造できる。これらのポリアミン主鎖を製造する具体的な方法は、1
939年12月5日付で発行されたUlrichらの米国特許第2,182,306号
;1962年5月8日付で発行されたMayle らの米国特許第3,033,746
号;1940年7月16日付で発行されたEsselmann らの米国特許第2,208
,095号;1957年9月17日付で発行されたCrowtherの米国特許第2,8
06,
839号;および1951年5月21日付で発行されたWilsonの米国特許第2,
553,696号明細書に開示されており、すべて参考のため本明細書に組み込
まれる。
PEIを含んだ本発明の修飾ポリマーの例は、式I〜IVに示されている:
式Iは、すべての置換しうる窒素がポリオキシアルキレンオキシ単位−(CH2
CH2O)7Hによる水素の置換で修飾された、PEI主鎖を含むポリマーを示
しており、下記式を有する:
これは1タイプの部分で完全に修飾されたポリマーの例である。
式IIは、すべての置換しうる一級アミン窒素がポリオキシアルキレンオキシ単
位−(CH2CH2O)7Hによる水素の置換で修飾された、PEI主鎖を含むポ
リマーを示しており、その分子は次いでN−オキシドへのすべての酸化しうる一
級および二級窒素の後の酸化により修飾されて、その剤は下記式を有している:
式III は、すべての主鎖水素原子が置換されて、一部の主鎖アミン単位が四級
化された、PEI主鎖を含むポリマーを示している。置換基はポリオキシアルキ
レンオキシ単位−(CH2CH2O)7Hまたはメチル基である。修飾されたPE
Iポリマーは下記式を有している:
式IVは、主鎖窒素が置換(即ち、−(CH2CH2O)7Hまたはメチル)、四
級化、N−オキシドへの酸化またはそれらの組合せにより修飾された、PEI主
鎖を含むポリマーを示している。得られたポリマーは下記式を有している:
上記例において、単位クラスのすべての窒素が同一修飾を含むことはない。本
発明によれば、業者に、二級アミン窒素の一部をエトキシル化させ、一方で他の
二級アミン窒素をN−オキシドに酸化させてもよい。これは、業者が酸化または
四級化前に1以上の置換基で一級アミン窒素の全部または一部を修飾するように
選択しうるという点で、一級アミン窒素にもあてはまる。E基のいかなる可能な
組合せも一級および二級アミン窒素で置換できるが、但し前記制限がある。
洗浄界面活性剤−本明細書に記載された好ましいアニオン性およびノニオン性
洗浄界面活性剤に加えて、本発明で使用に適した他の洗浄界面活性剤には、以下
で更に記載されているカチオン性、両性、双極性およびそれらの混合物がある。
アニオン性洗浄界面活性剤−本発明の組成物は、少くとも約0.1重量%、好
ましくは少くとも1%、更に好ましくは少くとも10%、最も好ましくは約5〜
約80%のアニオン性洗浄界面活性剤を含んでいる。一級または二級いずれかの
アルキルサルフェート界面活性剤が、本発明で使用上重要なアニオン性界面活性
剤のタイプである。アルキルサルフェートは一般式ROSO3Mを有しており、
ここでRは好ましくはC10−C24ヒドロカルビル、好ましくはC10−C20アルキ
ル部分を有するアルキル直鎖もしくは分岐鎖またはヒドロキシアルキル、更に好
ましくはC12−C18アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、Mは水素または
水溶性カチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、
リチウム)、置換または非置換アンモニウムカチオン(例えばメチル、ジメチル
およびトリメチルアンモニウム)、四級アンモニウムカチオン(例えばテトラメ
チルアンモニウムおよびジメチルピペリジニウム)、エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミンから誘導され
るカチオンと、それらの混合などである。典型的には、C12−C16のアルキル鎖
は低い洗浄温度(例えば、約50℃以下)の場合に好ましく、C16−C18アルキ
ル鎖は高い洗浄温度(例えば、約50℃)の場合に好ましい。
アルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤が好ましいアニオン性界面活
性剤のもう1つのカテゴリーである。これらの界面活性剤は、典型的には式RO
(A)mSO3Mの水溶性塩または酸であり、ここでRは非置換C10−C24アルキ
ル、またはC10−C24アルキル部分を有するヒドロキシアルキル基、好ましくは
C12−C20アルキルまたはヒドロキシアルキル、更に好ましくはC12−C18アル
キルまたはヒドロキシアルキルであり、Aはエトキシまたはプロポキシ単位であ
り、mはゼロより大きく、典型的には約0.5〜約6、更に好ましくは約0.5
〜約3であり、Mは水素またはカチオン、例えば金属カチオン(例えばナトリウ
ム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、アンモニウムまた
は置換アンモニウムカチオンである。アルキルエトキシル化サルフェートとアル
キルプロポキシル化サルフェートが本発明では考えられる。置換アンモニウムカ
チオンの具体例には、メチル、ジメチル、トリメチル−アンモニウムおよび四級
アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニ
ウムと、アルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ンおよびトリエタノールアミンから誘導されるカチオンと、それらの混合がある
。例示される界面活性剤は、C12−C18アルキルポリエトキシレート
(1.0)サルフェート、C12−C18アルキルポリエトキシレート(2.25)
サルフェート、C12−C18アルキルポリエトキシレート(3.0)サルフェート
およびC12−C18アルキルポリエトキシレート(4.0)サルフェートであり、
Mは便宜上ナトリウムおよびカリウムから選択される。
ノニオン性洗浄界面活性剤−本発明の組成物は、少くとも約0.1重量%、好
ましくは少くとも1%、更に好ましくは少くとも約10%、最も好ましくは約5
〜約80%のノニオン性洗浄界面活性剤も含んでいる。好ましいノニオン性界面
活性剤、例えば、いわゆる狭いピークのアルキルエトキシレートを含めたC12−
C18アルキルエトキシレート(“AE”)、C6−C12アルキルフェノールアル
コキシレート(特にエトキシレートおよび混合エトキシ/プロポキシ)、C6−
C12アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合物、C8−C22アル
カノールのアルキレンオキシド縮合物、エチレンオキシド/プロピレンオキシド
ブロックポリマー(PluronicTM−BASF Corp.)と、半極性ノニオン系(例え
ば、アミンオキシドおよびホスフィンオキシド)も本組成物で使用できる。これ
らタイプの界面活性剤の詳しい開示は、参考のため本明細書に組み込まれる、1
975年12月30日付で発行されたLaughlinらの米国特許第3,929,67
8号明細書でみられる。
Llenado の米国特許第4,565,647号明細書(参考のため本明細書に組
み込まれる)に開示されたようなアルキル多糖も、本発明の組成物で好ましいノ
ニオン性界面活性剤である。
別の好ましいノニオン性界面活性剤は、下記式を有するポリヒドロキシ脂肪酸
アミドである:
上記式中R7はC5−C31アルキル、好ましくは直鎖C7−C19アルキルまたはア
ルケニル、更に好ましくは直鎖C9−C17アルキルまたはアルケニル、最も好ま
しくは直鎖C11−C15アルキルまたはアルケニル、またはそれらの混合である;
R8は水素、C1−C4アルキル、C1−C4ヒドロキシアルキル、好ましくはメチ
ルまたはエチル、更に好ましくはメチルからなる群より選択される。Qは、直鎖
アルキルとその鎖に直接結合された少くとも3つのヒドロキシルを有するポリヒ
ドロキシアルキル部分、またはそのアルコキシル化誘導体であり、好ましいアル
コキシはエトキシまたはプロポキシ、およびそれらの混合である。好ましいQは
還元アミノ化反応で還元糖から誘導される。更に好ましくは、Qはグリシチル部
分である。適切な還元糖には、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクト
ース、ガラクトース、マンノースおよびキシロースがある。原料として、高デキ
ストロースコーンシロップ、高フルクトースコーンシロップおよび高マルトース
コーンシロップも、上記個別の糖と同様に利用できる。これらのコーンシロップ
は、Qについて糖成分のミックスを生じる。他の適切な原料を決して排除する意
味ではないことが理解されるはずである。Qは更に好ましくは−CH2(CHO
H)nCH2OH、−CH(CH2OH)(CHOH)n-1CH2OH、−CH2(C
HOH)2−(CHOR′)(CHOH)CH2OHおよびそれらのアルコキシル
化誘導体からなる群より選択され、ここでnは3〜5の整数であり、R′は水素
または環式もしくは脂肪族単糖である。Q部分について最も好ましい置換基は、
nが4であるグリシチル、特に−CH2(CHOH)4CH2OHである。
R7CO−N<には、例えばコカミド、ステアラミド、オレアミド、ラウラミ
ド、ミリスタミド、カプリカミド、パルミタミド、タローアミドなどがある。
R8には、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−ヒ
ドロキシエチルまたは2−ヒドロキシプロピルがある。
Qには、1−デオキシグルシチル、2−デオキシフルクチチル、1−デオキシ
マルチチル、1−デオキシアクチチル、1−デオキシガラクチチル、1−デオキ
シマンニチル、1−デオキシマルトトリオチチルなどがある。
本組成物で使用上このタイプの特に望ましい界面活性剤は、R7がアルキル(
好ましくはC11−C13)、R8がメチル、Qが1−デオキシグルシチルである上
記式の化合物、アルキル−N−メチルグルコミドである。
他の糖誘導界面活性剤には、N−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例
えばC10−C18N−(3−メトキシプロピル)グルカミドがある。N−プロピル
〜N−ヘキシルC12−C18N−グルカミドは、低起泡性のために使用できる。C10
−C20慣用石鹸も用いてよい。高起泡性が望まれるならば、分岐鎖C10−C16
石鹸も用いてよい。他の慣用的な有用界面活性剤は標準テキストに掲載されてい
る。
本発明の目的にとり、以下に記載された他の洗浄界面活性剤も洗濯洗剤組成物
に用いてよい。
典型的には約1〜約55重量%のレベルで本発明に有用な他の界面活性剤の非
制限例には、慣用的なC11−C18アルキルベンゼンスルホネート(“LAS”)
、式CH3(CH2)x(CHOSO3 -M+)CH3およびCH3(CH2)y(CHO
SO3 -M+)CH2CH3のC10−C18二級(2,3)アルキルサルフェート(x
および(y+1)は少くとも約7、好ましくは少くとも約9の整数であり、Mは
水溶性カチオン、特にナトリウムである)、不飽和サルフェート、例えばオレイ
ルサルフェート、C10−C18アルキルアルコキシカルボキシレート(特にEO1
−5エトキシカルボキシレート)、C10−C18グリセロールエーテル、C10−C18
アルキルポリグリコシドおよびそれらの対応硫酸化ポリグリコシド、およびC12
−C18α−スルホン化脂肪酸エステルがある。
所望であれば、慣用的なノニオン性および両性界面活性剤、例えば、いわゆる狭
いピークのアルキルエトキシレートを含めたC12−C18アルキルエトキシレート
(“AE”)、C6−C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシ
レートおよび混合エトキシ/プロポキシ)、C12−C18ベタインおよびスルホベ
タイン(“スルタイン”)、C10−C18アミンオキシドなども、全体組成物中に
含有させてよい。C10−C18N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミドも使用で
きる。典型例には、C12−C18N−メチルグルカミドがある。WO9,206,
154参照。他の糖誘導界面活性剤には、C10−C18N−(3−メトキシプロピ
ル)グルカミドのようなN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドがある。C10
−C20慣用石鹸も用いてよい。高起泡性が望まれるならば、分岐鎖C10−C16
石鹸も用いてよい。アニオン性およびノニオン性界面活性剤の混合物が特に有用
である。他の慣用的な有用界面活性剤は標準テキストに掲載されている。
洗浄目的に有用な他のアニオン性界面活性剤も、本組成物中に含有させること
ができる。これらには、石鹸の塩(例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム
および置換アンモニウム塩、例えばモノ、ジおよびトリエタノールアミン塩があ
る)、C9−C20直鎖アルキルベンゼンスルホネート、C8−C22一級または二級
アルカンスルホネート、C8−C24オレフィンスルホネート、スルホン化ポリカ
ルボン酸、アルキルグリセロールスルホネート、脂肪アシルグリセロールスルホ
ネート、脂肪オレイルグリセロールサルフェート、アルキルフェノールエチレン
オキシドエーテルサルフェート、パラフィンスルホネート、アルキルホスフェー
ト、アシルイセチオネートのようなイセチオネート、N−アシルタウレート、メ
チルタウリドの脂肪酸アミド、アルキルサクシナメートおよびスルホサクシネー
ト、スルホサクシネートのモノエステル(特に飽和および不飽和C12−C18モノ
エステル)およびスルホサクシネートのジエステル(特に飽和および不飽和C6
−C14ジエステル)、N−アシルサルコシネート、アルキル多糖のサルフェ
ート、例えばアルキルポリグルコシドのサルフェート、分岐一級アルキルサルフ
ェート、アルキルポリエトキシカルボキシレート、例えば式RO(CH2CH2O
)kCH2COO-M+(RはC8−C22アルキルであり、kは0〜10の整数であ
り、Mは可溶性塩形成カチオンである)のもの、イセチオン酸でエステル化され
て水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸がある。更に、例はSurface Active Age
nts and Detergents(Vol.I & II,Schwartz,Perry & Berch)に記載されている。
本発明による洗濯洗剤組成物は補助成分およびキャリアを含んでおり、その補
助成分はビルダー、蛍光増白剤、ブリーチ、ブリーチ増強剤、ブリーチアクチベ
ーター、非セルラーゼ酵素、酵素アクチベーター、起泡抑制剤、色素、香料、着
色料、フィラー塩、ヒドロトロープおよびそれらの混合物からなる群より選択さ
れるが、しかしながらこのリストは全部でも、または業者により用いられる適切
な物質を除外する意味でもない。
補助成分
非コットン汚れ放出剤−公知のポリマー汚れ放出剤、以下“SRA”も、場合
により本洗剤組成物に用いることができる。利用されるならば、SRAは組成物
の通常0.01〜10.0重量%、典型的には0.1〜5%、好ましくは0.2
〜3.0%である。好ましいSRAは前記されている。
本発明の組成物に適したSRAは、ポリエステルおよびナイロンのような疎水
性繊維の表面を親水化させる親水性セグメントと、疎水性繊維上に付いて、洗浄
およびすすぎサイクルの終了までそれに付着し続け、このため親水性セグメント
のアンカーとして働く疎水性セグメントとを典型的に有する。これにより、SR
Aでの処理後に生じる汚れを、後の洗浄操作でより容易に洗い落とすことができ
る。
SRAは様々な荷電、例えばアニオンまたはカチオン(1990年9月11日
付で発行されたGosselink らのU.S.4,956,447参照)と非荷電モノ
マー単位を含み、それらの構造は直鎖、分岐でもまたは星形でもよい。それらは
、分子量をコントロールするか、または物理的もしくは界面活性を変える上で特
に有効な、キャップ部分を含んでいてもよい。構造および荷電分布は、異なる繊
維またはテクスタイルタイプへの適用向けと、様々な洗剤または洗剤添加製品向
けに調整される。
SRAには、しばしばチタン(IV)アルコキシドのような金属触媒での、少く
とも1回のエステル交換/オリゴマー化を含んだプロセスにより典型的に製造さ
れる、オリゴマーテレフタレートエステルがある。このようなエステルは、もち
ろん密に架橋された全体構造を形成することなく、1、2、3、4またはそれ以
上の位置でエステル構造中に組み込める追加モノマーを用いて作られる。
適切なSRAには、例えば1990年11月6日付J.J.ScheibelおよびE.P.Go
sselink のU.S.4,968,451に記載されているような、テレフタロイ
ルおよびオキシアルキレンオキシ反復単位のオリゴマーエステル主鎖とその主鎖
に共有結合されたアリル誘導スルホン化末端部分から構成される、実質的に直鎖
のエステルオリゴマーのスルホン化産物がある。このようなエステルオリゴマー
は、(a)アリルアルコールをエトキシル化する;(b)2段階エステル交換/
オリゴマー化操作で(a)の生成物をジメチルテレフタレート(“DMT”)お
よび1,2−プロピレングリコール(“PG”)と反応させる;および(c)(
b)の生成物を水中でメタ重亜硫酸ナトリウムと反応させることにより製造でき
る。他のSRAには、1987年12月8日付Gosselink らのU.S.4,71
1,730のノニオン性末端キャップ化1,2−プロピレン/ポリオキシエチレ
ンテレフタレートポリエステル、例えばポリ(エチレングリコール)メチルエー
テル、DMT、PGおよびポリ(エチレングリコール)(“PEG”)のエステ
ル交換/オリゴマー化により製造されるものがある。
SRAの他の例には、1988年1月26日付Gosselink のU.S.4,721
,580の部分および完全アニオン性末端キャップ化オリゴマーエステル、例え
ばエチレングリコール(“EG”)、PG、DMTおよび3,6−ジオキサ−8
−ヒドロキシオクタンスルホン酸Naからのオリゴマー;DMT、メチル(Me
)キャップ化PEGおよびEGおよび/またはPG、またはDMT、EGおよび
/またはPG、Meキャップ化PEGおよびジメチル−5−スルホイソフタレー
トNaの組合せから作られる、1987年10月27日付Gosselink のU.S.
4,702,857のノニオン性キャップ化ブロックポリエステルオリゴマー化
合物;1989年10月31日付Maldonado、Gosselink らのU.S.4,87
7,896のアニオン性、特にスルホアロイル末端キャップ化テレフタレートエ
ステルがあり、後者は洗濯および布帛コンディショニング製品の双方で有用なS
RAの代表であり、例はm−スルホ安息香酸一ナトリウム塩、PGおよびDMT
から作られるエステル組成物であるが、場合により、但し好ましくはPEG、例
えばPEG3400を更に加える。
SRAには、エチレンテレフタレートまたはプロピレンテレフタレートとポリ
エチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドテレフタレートとの単純コポリ
マーブロック(1976年5月25日付HaysのU.S.3,959,230およ
び1975年7月8日付Basadur のU.S.3,893,929号参照);Dow
からMETHOCELとして市販されるヒドロキシエーテルセルロースポリマーのような
セルロース誘導体;C1−C4アルキルセルロースおよびC4ヒドロキシアルキル
セルロース(1976年12月28日付Nicol らのU.S.4,000,093
参照);アンヒドログルコース単位当たり約1.6〜約2.3の平均置換(メチ
ル)度および2%水溶液として20℃で測定すると約80〜約120センチポイ
ズの溶液粘度を有するメチルセルロースエーテルがある。このような物質はMETO
LOSE SM100およびMETOLOSE SM200として市販されており、それらは信越化学
工業KKにより製造されるメチルセルロースエーテルの商品名である。
ポリ(ビニルエステル)疎水性セグメントで特徴付けられる適切なSRAには
、ポリ(ビニルエステル)、例えばC1−C6ビニルエステルのグラフトコポリマ
ー、好ましくはポリアルキレンオキシド主鎖にグラフト化されたポリ(ビニルア
セテート)がある。1987年4月22日付で公開されたKud らの欧州特許出願
第0,219,048号明細書参照。市販例には、BASF,ドイツから入手で
きるSOKALAN HP−22のようなSOKALAN SRAがある。他のSRAは、平均分
子量300〜5000のポリオキシエチレングリコールから誘導される、80〜
90重量%のポリオキシエチレンテレフタレートと一緒に10〜15重量%のエ
チレンテレフタレートを含んだ反復単位のポリエステルである。市販例には、Du
pontの ZELCON 5126およびICIのMILEASE Tがある。
もう1つのSRAは、1つのスルホイソフタロイル、5つのテレフタロイル単
位、所定比率、好ましくは約0.5:1〜約10:1でオキシエチレンオキシお
よびオキシ−1,2−プロピレンオキシ単位と、2−(2−ヒドロキシエトキシ
)エタンスルホン酸ナトリウムから誘導される2つの末端キャップ単位とを含ん
だオリゴマーのように、実験式(CAP)2(EG/PG)5(T)5(SIP)1
を有するオリゴマーであり、これはテレフタロイル(T)、スルホイソフタロイ
ル(SIP)、オキシエチレンオキシおよびオキシ−1,2−プロピレン(EG
/PG)単位を含んでいて、末端キャップ(CAP)、好ましくは修飾イセチオ
ネートで終わることが好ましい。上記SRAは、好ましくは更にオリゴマーの0
.5〜20重量%の結晶性減少安定剤、例えば直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムのようなアニオン性界面活性剤、またはキシレン−、クメン−および
トルエン−スルホネートまたはそれらの混合物から選択されるメンバーを含んで
おり、これらの安定剤または調整剤はすべて1995年5月16日付で発行され
たGosselink,Pan,Kellett お
よびHallのU.S.5,415,807に開示されているように合成容器中に導
入される。上記SRAの適切なモノマーには、2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エタンスルホン酸Na、DMT、ジメチル−5−スルホイソフタレートNa、E
GおよびPGがある。
追加クラスのSRAには、(I)ポリマーエステル構造をつなげるためにジイ
ソシアネートカップリング剤を用いたノニオン性テレフタレート(Viollandらの
U.S.4,201,824およびLagasse らのU.S.4,240,918参
照);(II)無水トリメリット酸を既知のSRAに加えて末端ヒドロキシル基を
トリメリテートエステルに変換することにより作られたカルボキシレート末端基
を有するSRAがある。触媒を適正に選択すると、無水トリメリット酸は、無水
結合鎖の開環よりもむしろ、無水トリメリット酸の隔離カルボン酸のエステルを
介してポリマーの末端に結合を形成する。ノニオン性またはアニオン性SRAは
、それらがエステル化されるヒドロキシル末端基を有しているかぎり、出発物質
として用いてもよい。TungらのU.S.4,525,524参照。他のクラスに
は、(III)ウレタン結合種のアニオン性テレフタレートベースSRA(Viollan
dらのU.S.4,201,824参照);(IV)ノニオン性およびカチオン性
双方のポリマーを含めた、ビニルピロリドンおよび/またはジメチルアミノエチ
ルメタクリレートのようなモノマーの、ポリ(ビニルカプロラクタム)および関
連コポリマー(Ruppert らのU.S.4,579,681参照);(V)BAS
FのSOKALAN タイプに加えて、アクリル系モノマーをスルホン化ポリエステル上
にグラフト化させて作られるグラフトコポリマーがある。これらのSRAは既知
のセルロースエーテルと類似した汚れ放出および再付着防止活性を有すると述べ
られている:Rhone-Poulenc Chemieの1988年EP279,134A参照。更
に他のクラスには、(VI)カゼインのようなタンパク質へのアクリル酸および酢
酸ビニルのようなビニルモノマーのグラフト(BASF(1991)のEP45
7,
205A参照);(VII)特にポリアミド布帛を処理するために、アジピン酸、
カプロラクタムおよびポリエチレングリコールを縮合することで製造されたポリ
エステル−ポリアミドSRA(Bevan らのDE2,335,044、Unilever N
.V.,1974参照)がある。他の有用なSRAは米国特許第4,240,918号、
第4,787,989号および第4,525,524号明細書に記載されている
。
漂白化合物−漂白剤およびブリーチアクチベーター
本洗剤組成物は、場合により、漂白剤、あるいは漂白剤と1種以上のブリーチ
アクチベーターを含む漂白組成物を更に含有している。存在するとき、漂白剤は
特に布帛洗濯向けで、洗剤組成物の約0.05〜約30%、更に好ましくは約1
〜約30%、最も好ましくは約5〜約20%のレベルである。存在するならば、
ブリーチアクチベーターの量は、典型的には漂白剤+ブリーチアクチベーターか
らなる漂白組成物の約0.1〜約60%、更に典型的には約0.5〜約40%で
ある。
本発明で用いられる漂白剤は、現在知られているかまたは知られるようになる
、テクスタイルクリーニング、硬質表面クリーニングまたは他のクリーニング目
的で洗剤組成物に有用ないかなる漂白剤であってもよい。これらには酸素ブリー
チと他の漂白剤がある。ペルボレートブリーチ、例えばナトリウムペルボレート
(例えば、一または四水和物)が本発明では使用できる。
制限なしに使用できる漂白剤のもう1つのカテゴリーには、過カルボン酸漂白
剤およびその塩がある。このクラスの剤の適切な例には、マグネシウムモノペル
オキシフタレート六水和物、m−クロロ過安息香酸のマグネシウム塩、4−ノニ
ルアミノ−4−オキソペルオキシ酪酸およびジペルオキシドデカン二酸がある。
このような漂白剤は、1984年11月20日付で発行されたHartman の米国特
許第4,483,781号、1985年6月3日付で出願されたBurns らの米国
特許出願第740,446号、1985年2月20日付で公開されたBanks らの
欧州特許出願第0,133,354号および1983年11月1日付で発行され
たChung らの米国特許第4,412,934号明細書に開示されている。高度に
好ましい漂白剤には、1987年1月6日付で発行されたBurns らの米国特許第
4,634,551号明細書に記載されたような6−ノニルアミノ−6−オキソ
ペルオキシカプロン酸も含む。
ペルオキシゲン漂白剤も使用できる。適切なペルオキシゲン漂白化合物には、
炭酸ナトリウムペルオキシヒドレートおよび相当する“ペルカーボネート”ブリ
ーチ、ピロリン酸ナトリウムペルオキシヒドレート、尿素ペルオキシヒドレート
および過酸化ナトリウムがある。ペルサルフェートブリーチ(例えば、OXONE、D
uPont製)も使用できる。
好ましいペルカーボネートブリーチは約500〜約1000μm範囲の平均粒
度を有した乾燥粒子からなり、上記粒子の約10重量%以下は約200μmより
小さく、上記粒子の約10重量%以下は約1250μmより大きい。場合により
、ペルカーボネートはシリケート、ボレートまたは水溶性界面活性剤でコートす
ることができる。ペルカーボネートはFMC、SolvayおよびTokai Denka のよう
な様々な市販元から入手できる。
漂白剤の混合物も使用できる。
ペルオキシゲン漂白剤、ペルボレート、ペルカーボネート等は好ましくはブリ
ーチアクチベーターと混合され、ブリーチアクチベーターに相当するペルオキシ
酸を水溶液中において(即ち、洗浄プロセス中に)その場で生成する。アクチベ
ーターの様々な非制限例は1990年4月10日付で発行されたMao らの米国特
許第4,915,854号および米国特許第4,412,934号明細書に開示
されている。ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)およびテトラ
アセチルエチレンジアミン(TAED)アクチベーターが典型的であり、それら
の混合物も使用できる。更に本発明で有用な他の典型的なブリーチおよびアクチ
ベーターについて米国特許第4,634,551号明細書も参照。
高度に好ましいアミド系ブリーチアクチベーターは下記式の化合物である:
R1N(R5)C(O)R2C(O)L または
R1C(O)N(R5)R2C(O)L
上記式中R1は約6〜約12の炭素原子を有するアルキル基であり、R2は1〜約
6の炭素原子を有するアルキレンであり、R5はH、あるいは約1〜約10の炭
素原子を有するアルキル、アリールまたはアルカリールであり、Lはいずれか適
切な脱離基である。脱離基は、ペルヒドロライシス(perhydrolysis)アニオン
によるブリーチアクチベーターへの求核攻撃の結果として、ブリーチアクチベー
ターから出される基である。好ましい脱離基はフェニルスルホネートである。
上記式のブリーチアクチベーターの好ましい例には、参考のため本明細書に組
み込まれる米国特許第4,634,551号明細書に記載されているような、(
6−オクタンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6−ノナンア
ミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6−デカンアミドカプロイル
)オキシベンゼンスルホネートおよびそれらの混合物がある。
もう1つのクラスのブリーチアクチベーターは、参考のため本明細書に組み込
まれる、1990年10月30日付で発行されたHodge らの米国特許第4,96
6,723号明細書に開示されたベンゾオキサジンタイプアクチベーターからな
る。ベンゾオキサジンタイプの高度に好ましいアクチベーターは以下である:
更にもう1つのクラスの好ましいブリーチアクチベーターには、アシルラクタ
ムアクチベーター、特に下記式のアシルカプロラクタムおよびアシルバレロラク
タムがある:
上記式中R6はH、あるいは1〜約12の炭素原子を有するアルキル、アリール
、アルコキシアリールまたはアルカリール基である。高度に好ましいラクタムア
クチベーターには、ベンゾイルカプロラクタム、オクタノイルカプロラクタム、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルカプロラクタム、ノナノイルカプロラクタ
ム、デカノイルカプロラクタム、ウンデセノイルカプロラクタム、ベンゾイルバ
レロラクタム、オクタノイルバレロラクタム、デカノイルバレロラクタム、ウン
デセノイルバレロラクタム、ノナノイルバレロラクタム、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルバレロラクタムおよびそれらの混合物がある。過ホウ酸ナトリウ
ム中に吸着されたベンゾイルカプロラクタムを含むアシルカプロラクタムについ
て開示する、参考のため本明細書に組み込まれる1985年10月8日付で発行
されたSanderson の米国特許第4,545,784号明細書も参照。
酸素漂白剤以外の漂白剤も当業界で知られており、本発明で利用できる。特に
面白い非酸素漂白剤の1タイプには、スルホン化亜鉛および/またはアルミニウ
ムフタロシアニンのような光活性化漂白剤がある。1977年7月5日付で発行
されたHolcombeらの米国特許第4,033,718号明細書参照。用いられるな
らば、洗剤組成物はこのようなブリーチ、特にスルホン化亜鉛フタロシアニンを
典型的には約0.025〜約1.25重量%で含有する。
所望であれば、漂白化合物はマンガン化合物により触媒できる。このような化
合物は当業界で周知であり、例えば米国特許第5,246,621号、米国特許
第5,244,594号、米国特許第5,194,416号、米国特許第5,1
14,606号明細書と、欧州特許出願公開第549,271号A1、第549
,272号A1、第544,440号A2および第544,490号A1明細書
に開示されたマンガンベース触媒を含む。これら触媒の好ましい例には、MnIV 2
(u−O)3(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)2
(PF6)2、MnIII 2(u−O)1(u−OAc)2(1,4,7−トリメチル
−1,4,7−トリアザシクロノナン)2(ClO4)2、MnIV 4(u−O)6(
1,4,7−トリアザシクロノナン)4(ClO4)4、MnIIIMnIV 4(u−O
)1(u−OAc)2(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノ
ナン)2(ClO4)3、MnIV(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリア
ザシクロノナン)(OCH3)3(PF6)およびそれらの混合物がある。他の金
属ベースブリーチ触媒には、米国特許第4,430,243号および米国特許第
5,114,611号明細書に開示されたものがある。漂白を高める上でマンガ
ンと様々な錯体リガンドとの併用も下記米国特許明細書に報告されている:第4
,728,455号;第5,284,944号;第5,246,612号;第5
,256,779号;第5,280,117号;第5,274,147号;第5
,153,161号;第5,227,084号
実施上、限定ではないが、本発明の組成物およびプロセスは水性洗浄液中で少
くとも0.1ppm程度の活性ブリーチ触媒種を供給するように調整でき、好ま
しくは洗濯液中で約0.1〜約700ppm、更に好ましくは約1〜約500p
pmの触媒種を供給する。
他の活性成分、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、染料または顔料、液体
処方用の溶媒、固形組成物用の固形フィラー等を含めた、洗剤組成物で有用な様
々な他の成分が、本組成物中に含有させることができる。高起泡性が望まれるな
らば、C10−C16アルカノールアミドのような起泡増進剤も、典型的には1〜1
0%レベルで組成物中に配合できる。C10−C14モノエタノールおよびジエタノ
ールアミドがこのような起泡増進剤の典型的クラスの例示である。このような起
泡増進剤と高起泡性補助界面活性剤、例えば前記のアミンオキシド、ベタインお
よびスルタインとの併用も有利である。所望であれば、MgCl2、MgSO4等
のような可溶性マグネシウム塩が、追加の起泡性を出して、油脂除去性能を高め
るために、典型的には0.1〜2%のレベルで添加できる。
本組成物で用いられる様々な洗浄成分は、場合により、上記成分を多孔質疎水
性担体に吸収させ、それから上記担体を疎水性コーティングでコートして、更に
安定化させることができる。好ましくは、洗浄成分は多孔質担体中に吸収される
前に界面活性剤と混合される。使用時に、洗浄成分は担体から水性洗浄液中に放
出され、そこでそれは意図された洗浄機能を発揮する。
この技術を更に詳細に説明すると、多孔質疎水性シリカ(商標名 SIPERNAT D
10、DeGussa)はC13-15エトキシル化アルコールEO(7)ノニオン性界面活
性剤3〜5%を含有したタンパク質分解酵素溶液と混合される。典型的には、酵
素/界面活性剤溶液はシリカの重量×2.5である。得られた粉末はシリコーン
油中で撹拌しながら分散される(500〜12,500範囲の様々なシリコーン
油粘度が使用できる)。得られたシリコーン油分散液は乳化されるか、または最
終洗剤マトリックスに加えられる。このようにして、前記酵素、ブリーチ、ブリ
ーチアクチベーター、ブリーチ触媒、フォトアクチベーター、染料、蛍光剤、布
帛コンディショナーおよび加水分解性界面活性剤のような成分が、液体洗濯洗剤
組成物を含めた洗剤で使用のために“保護”することができる。
液体洗剤組成物は、キャリアとして水および他の溶媒を含有することができる
。メタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールで例示される
低
分子量一級または二級アルコールが適切である。一価アルコールが界面活性剤を
溶解させる上で好ましいが、2〜約6の炭素原子と2〜約6のヒドロキシ基を有
するようなポリオール(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコー
ル、グリセリンおよび1,2−プロパンジオール)も使用できる。組成物は5〜
90%、典型的には10〜50%のこのようなキャリアを含有することができる
。
本洗剤組成物は、水クリーニング操作で使用中に、洗浄水が約6.5〜約11
、好ましくは約7.5〜10.5のpHを有するように処方されることが好まし
い。液体皿洗い製品処方物は、好ましくは約6.8〜約9.0のpHを有する。
洗濯製品は、典型的にはpH9〜11である。勧められる使用レベルでpHをコ
ントロールするための技術には、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用があり、当業
者に周知である。
他の酵素−非セルラーゼ酵素も、テクスタイルまたは皿のような表面からタン
パク質ベース、炭水化物ベースまたはトリグリセリドベース汚れの除去、例えば
洗濯中における遊離染料移動の阻止と、布帛再生を含めた、様々な目的のために
、本洗剤組成物中に含有させることができる。適切な他の酵素には、植物、動物
、細菌、真菌および酵母起源のようなあらゆる適切な起源のプロテアーゼ、アミ
ラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼおよびそれらの混合物がある。好ましい選
択は、pH活性および/または至適安定性、熱安定性と、活性洗剤、ビルダーな
どに対する安定性のようなファクターにより決められる。この点において、細菌
アミラーゼおよびプロテアーゼのような、細菌または真菌酵素が好ましい。
本明細書で用いられる“洗浄性酵素”とは、洗濯、硬質表面クリーニングまた
はパーソナルケア洗剤組成物で、クリーニング、しみ抜きまたは他の有益な効果
を有する酵素を意味する。好ましい洗浄性酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼお
よびリパーゼのようなヒドロラーゼである。洗濯目的に好ましい酵素にはプロテ
アーゼ、リパーゼおよびペルオキシダーゼがあるが、それらに限定されない。
酵素は“クリーニング有効量”を供給するために十分なレベルで洗剤または洗
剤添加組成物中に通常配合される。“クリーニング有効量”という用語は、布帛
、食器などのような基材でクリーニング、しみ抜き、汚れ除去、ホワイトニング
、脱臭またはフレッシュさ改善効果を生じうる量に関する。現行製品の実際上、
典型的な量は洗剤組成物1g当たり重量で約5mg以内、更に典型的には0.0
1〜3mgの活性酵素である。換言すれば、本組成物は典型的には0.001〜
5重量%、好ましくは0.01〜1%の市販酵素製品を含む。プロテアーゼ酵素
は、組成物1g当たり0.005〜0.1 Anson単位(AU)の活性を供給する
ために十分なレベルで、このような製品中に通常存在する。それより高い活性レ
ベルでも高濃縮洗剤処方には望ましい。
本発明に適したアミラーゼには、例えばNovoのGB1,296,839に記載
定性、例えば酸化安定性について酵素の工学処理が知られている。例えば、J.Bi
ological Chem.,Vol.260,No.11,June 1985,pp.6518-6521 参照。本組成物の
て測定されたような、自動皿洗いタイプのような洗剤で改善された安定性、特に
改善された酸化安定性を有するアミラーゼを用いることができる。これらの好ま
しいアミラーゼは、上記対照アミラーゼに対して測定すると、例えばpH9〜1
0の緩衝液中で過酸化水素/テトラアセチルエチレンジアミンに対する酸化安定
性;例えば約60℃のような通常の洗浄温度における熱安定性;または例えば約
8〜約11のpHにおけるアルカリ安定性のうち1以上で測定しうる改善により
最小限で特徴付けられる、“安定性増強”アミラーゼである特徴を共有している
。安定性はいずれかの業界開示技術試験を用いて測定することができる。例えば
、WO 9402597に開示された文献参照。安定性増強アミラーゼはNovo
またはGenencor Internationalから得られる。本発明で高度に好ましいアミラー
ゼの1つのクラスは、1つ、2つまたは多数のアミラーゼ株が直接の前駆体であ
るかどうかにかかわらず、1種以上のBacillusアミラーゼ、特に Bacillus α−
アミラーゼから部位特異的変異誘発を用いて誘導されるという共通性を有してい
る。上記対照アミラーゼに対して酸化安定性が増したアミラーゼは、特に漂白、
更に好ましくは塩素漂白とは区別されるような酸素漂白の洗剤組成物で使用上好
ましい。このような好ましいアミラーゼには、(a)B.licheniformis α−アミ
ラーゼの197位に位置するメチオニン残基の置換がアラニンまたはトレオニン
、
に示されるような、1994年2月3日付Novoの前記WO 9402597によ
るアミラーゼ、あるいはB.amyloliquefaciens、B.subtilisまたはB.stearotherm
ophilusのような類似親アミラーゼの相同位置変種;(b)C.Matchinsonにより2
07th American Chemical Society National Meeting,March 13-17,1994で発表さ
れた″Oxidatively Resistant alpha-Amylases″と題される論文でGenencor Int
ernationalにより記載されたような安定性増強アミラーゼがある。そこでは、自
動皿洗い洗剤中のブリーチはα−アミラーゼを不活化するが、改善された酸化安
定性アミラーゼがB.licheniformis NCIB8061からGenencorにより作られ
たことが記載されている。メチオニン(Met)は最も修飾しやすい残基として
特定された。Metは8、15、197、256、304、366および438
位で1度に1回置換されて特定の変異体になるが、特に重要なのはM197Lお
よびM197Tであり、M197T変種が最も安定
本発明で特に好ましいアミラーゼには、WO 9510603Aに記載されたよ
Novoから市販されている。他の特に好ましい酸化安定性増強アミラーゼには、
Genencor InternationalのWO 9418314およびNovoのWO 94025
97に記載されたものがある。例えば入手しうるアミラーゼの既知キメラ、ハイ
ブリッドまたは単純変異親形から部位特異的変異誘発により誘導されるような、
他のいかなる酸化安定性増強アミラーゼも用いてよい。他の好ましい酵素修飾も
行いうる。NovoのWO 9509909A参照。
洗剤用に適したリパーゼ酵素には、GB1,372,034に開示された、Ps
eudomonas stutzeri ATCC19.154のようなPseudomonas 属の微生物に
より産生されるものがある。1978年2月24日付で公開された日本特許出願
第53/20487号のリパーゼも参照。このリパーゼは、商品名リパーゼP“
Amano”または“amano-P”として、日本、名古屋のAmano Pharmaceutical Co.L
td.から市販されている。他の適切な市販リパーゼには、Amano-CES、リパーゼ
ex Chromobacter viscosum、例えば日本、田方の東洋醸造社からのChromobacter
viscosum var.lipolyticum NRRLB 3673;USAのU.S.Biochemical Corp.およ
びオランダのDisoynth Co.からのChromobacter viscosum リパーゼ;リパーゼ e
x Pseudomonas gladioliがある。Humicola lanuginosa に由来して
で使用上好ましいリパーゼである。ペルオキシダーゼ酵素に対して安定化された
リパーゼおよびアミラーゼ変種は、NovoのWO 9414951Aに記載されて
いる。WO 9205249およびRD94359044も参照。
本発明で使用に適したクチナーゼ酵素は、GenencorのWO 8809367A
に記載されている。
ペルオキシダーゼ酵素は、“溶液漂白”に、あるいは洗浄中に基材から落ちた
染料または顔料が洗浄液中に存在する他の基材に移動することを防ぐために、酸
素源、例えばペルカーボネート、ペルボレート、過酸化水素などと組合せて用い
られる。公知のペルオキシダーゼには、西洋ワサビペルオキシダーゼ、リグニナ
ーゼとクロロまたはブロモペルオキシダーゼのようなハロペルオキシダーゼがあ
る。ペルオキシダーゼ含有洗剤組成物は、1989年10月19日付NovoのWO
89099813AおよびNovoのWO 8909813Aに開示されている。
様々な酵素物質と合成洗剤組成物中へのそれらの配合手段も、Genencor Inter
national のWO 9307263AおよびWO 9307260A、NovoのW
O 8908694Aと、1971年1月5日付McCarty らの米国特許第3,5
53,139号明細書にも開示されている。酵素は、1978年7月18日付Pl
ace らの米国特許第4,101,457号および1985年3月26日付Hughes
の米国特許第4,507,219号明細書でも更に開示されている。液体洗剤処
方物で有用な酵素物質とこのような処方物中へのそれらの配合は、1981年4
月14日付Horaらの米国特許第4,261,868号明細書に開示されている。
洗剤で有用な酵素は様々な技術で安定化させることができる。酵素安定化技術は
、1971年8月17日付Gedge らの米国特許第3,600,319号、198
6年10月29日付Venegas のEP199,405およびEP200,586に
開示および例示されている。酵素安定化系も、例えば米国特許第3,519,5
70号明細書に記載されている。プロテアーゼ、キシラナーゼおよびセルラーゼ
を出す有用なBacillus sp.AC13は、NovoのWO 9401532Aに記載さ
れている。
プロテアーゼの適切な例は、B.subtilisおよびB.licheniformis の特定株から
得られるズブチリシンである。1つの適切なプロテアーゼはBacillus株から得ら
れ、8〜12のpH範囲で最大活性を有し、デンマークのNovo Industries A/S
び類似酵素の製法はNovoのGB1,243,784に記載されている。他の適切
EP130,756Aに開示されたようなプロテアーゼA、および1987年4
月28日付のEP303,761Aおよび1985年1月9日付のEP130,
756Aに開示されたようなプロテアーゼBがある。NovoのWO9318140
Aに記載されたBacillus sp.NCIMB 40338 からの高pHプロテアーゼも参照。プ
ロテアーゼ、1以上の他の酵素および可逆的プロテアーゼインヒビターを含んだ
酵素洗剤は、NovoのWO9203529Aに記載されている。他の好ましいプロ
テアーゼには、Procter & GambleのWO9510591Aのものがある。所望で
あれば、Procter & GambleのWO9507791に記載されたような、低い吸着
性と高い加水分解性を有したプロテアーゼも市販されている。本発明に適した洗
剤向けの組換えトリプシン様プロテアーゼは、NovoのWO9425583に記載
されている。
更に詳しくは、“プロテアーゼD”と称される特に好ましいプロテアーゼ酵素
は、天然でみられないアミノ酸配列を有したカルボニルヒドロラーゼ変種であり
、双方とも1994年10月13日付で出願された、A.Baeck らのUSSN08
/322,676の“プロテアーゼ含有クリーニング組成物”およびC.Ghosh ら
のUSSN08/322,677の“プロテアーゼ酵素を含有した漂白組成物”
と題する特許出願に記載されたような、Bacillus amyloliquefaciensズブチリシ
ンのナンバリングに従い、好ましくは+99、+101、+103、+104、
+107、+123、+27、+105、+109、+126、+128、+1
35、+156、+166、+195、+197、+204、+206、+21
0、+216、+217、+218、+222、+260、+265および/ま
たは+274からなる群より選択されるものに相当する1以上のアミノ酸残基位
置と組合せて、+76位に相当する位置において、上記カルボニルヒドロラーゼ
で複数のアミノ酸の代わりに異なるアミノ酸を用いることにより、前駆体カルボ
ニルヒドロラーゼから誘導される。
本発明の好ましい洗濯洗剤組成物は“プロテアーゼD”と称されるプロテアー
ゼ酵素を場合により含んでもよいが、これは天然でみられないアミノ酸配列を有
したカルボニルヒドロラーゼ変種であり、双方とも1994年10月13日付で
出願された、A.Baeck らのUSSN08/322,676の“プロテアーゼ含有
クリーニング組成物”およびC.Ghosh らのUSSN08/322,677の“プ
ロテアーゼ酵素を含有した漂白組成物”と題する特許出願に記載されたような、
Bacillus amyloliquefaciensズブチリシンのナンバリングに従い、好ましくは+
99、+101、+103、+104、+107、+123、+27、+105
、+109、+126、+128、+135、+156、+166、+195、
+197、+204、+206、+210、+216、+217、+218、+
222、+260、+265および/または+274からなる群より選択される
ものに相当する1以上のアミノ酸残基位置と組合せて、+76位に相当する位置
において、上記カルボニルヒドロラーゼで複数のアミノ酸残基の代わりに異なる
アミノ酸を用いることにより、前駆体カルボニルヒドロラーゼから誘導される。
好ましいタンパク質分解酵素には修飾細菌セリンプロテアーゼ、例えば、“プ
ロテアーゼB”と称される、1987年4月28日付で出願された欧州特許出願
第87/303,761.8号明細書(特に第17、24および98頁)に記載
されたもの;“プロテアーゼA”と称される修飾細菌セリンタンパク質分解酵素
に関する、1986年10月29日付で公開されたVenegas の欧州特許出願第1
99,404号明細書に記載されたもの;1985年1月9日付のEP130,
756Aに開示されたようなプロテアーゼA;および1987年4月28日付の
EP303,761Aおよび1985年1月9日付のEP130,756Aに開
示されたようなプロテアーゼBもある。
酵素についてコードする様々なヌクレオチド配列を変異させて酵素のアミノ酸
配列を変えることにより修飾されたズブチリシン酵素、特にBPN′も、好まし
いプロテアーゼである。これらの修飾ズブチリシン酵素は、野生型ズブチリシン
と比較して不溶性基質への低い吸着性とその高い加水分解性を有している。この
ようなBPN′変種についてコードする変異遺伝子も適している。
好ましいBPN′変種は、野生型アミノ酸配列が199、200、201、2
02、203、204、205、206、207、208、209、210、2
11、212、213、214、215、216、218、219または220
位のうち1以上で置き換わった野生型アミノ酸配列からなり、そのBPN′変種
は野生型ズブチリシンBPN′と比較して不溶性基質への低い吸着性とその高い
加水分解性を有している。好ましくは、置換アミノ酸を有する位置は199、2
00、201、202、205、207、208、209、210、211、2
12または215位、更に好ましくは200、201、202、205または2
07位である。
本発明による使用で好ましいプロテアーゼ酵素には、ズブチリシン309変種
もある。これらのプロテアーゼ酵素には、いくつかのクラスのズブチリシン30
9変種がある。
A.ループ領域6置換変種−これらのズブチリシン309タイプ変種はズブチ
リシン309野生型アミノ酸配列の修飾アミノ酸配列を有しており、その修飾ア
ミノ酸配列は193、194、195、196、197、199、200、20
1、202、203、204、205、206、207、208、209、21
0、211、212、213または214位のうち1以上に置換を有し、それに
よりズブチリシン309変種は野生型ズブチリシン309と比較して不溶性基質
への低い吸着性とその高い加水分解性を有している。好ましくは、これらのプロ
テアーゼは193、194、195、196、199、201、202、203
、204、205、206または209位、更に好ましくは194、
195、196、199または200位で置換されたアミノ酸を有している。
B.マルチループ領域置換変種−これらのズブチリシン309変種もズブチリ
シン309野生型アミノ酸配列の修飾アミノ酸配列であり、その修飾アミノ酸配
列は第一、第二、第三、第四または第五ループ領域のうち1以上で1以上の位置
に置換を有し、それによりズブチリシン309変種は野生型ズブチリシン309
と比較して不溶性基質への低い吸着性とその高い加水分解性を有している。
C.ループ領域以外の位置における置換−加えて、野生型ズブチリシン309
で1以上の置換が、ループ領域の位置以外の位置、例えば74位で行われてもよ
い。ズブチリシン309への追加置換が74位のみで行われるならば、置換は好
ましくはAsn、Asp、Glu、Gly、His、Lys、PheまたはPr
o、好ましくはHisまたはAspによる。しかしながら、修飾は1以上のルー
プ位置と74位、例えば残基97、99、101、102、105および121
に行われてもよい。
ズブチリシンBPN′変種およびズブチリシン309変種はWO95/299
79、WO95/30010およびWO95/30011で更に記載されており
、それらすべてが1995年11月9日付で公開され、それらすべてが参考のた
め本明細書に組み込まれる。
酵素安定化系−酵素含有の、限定されないが、液体組成物は、約0.001〜
約10重量%、好ましくは約0.005〜約8%、最も好ましくは約0.01〜
約6%の酵素安定化系も含んでいてよい。酵素安定化系は、洗浄酵素と適合する
いかなる安定化系であってもよい。このような系は、他の処方活性剤により本来
的に供給されるか、あるいは例えば処方業者または洗剤にすぐ使える酵素の製造
業者により別に加えられる。このような安定化系は、例えばカルシウムイオン、
ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロニン酸およびそれらの混
合物を含むことができ、洗剤組成物のタイプおよび物理的形態に応じて異なる安
定化問題を扱うようにデザインされる。
1つの安定化アプローチは、最終組成物中における水溶性カルシウムおよび/
またはマグネシウムイオン源の使用であり、これはこのようなイオンを酵素に供
給する。カルシウムイオンはマグネシウムイオンよりも通常やや有効であり、1
タイプのカチオンだけが用いられているならば本発明で好ましい。典型的な洗剤
組成物、特に液体は、最終洗剤組成物1l当たり約1〜約30、好ましくは約2
〜約20、更に好ましくは約8〜約12ミリモルのカルシウムイオンを含むが、
配合される酵素の多様性、タイプおよびレベルを含むファクターに応じたバリエ
ーションが可能である。好ましくは、例えば塩化カルシウム、水酸化カルシウム
、ギ酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、水酸化カルシ
ウムおよび酢酸カルシウムを含めた水溶性カルシウムまたはマグネシウム塩が用
いられ、更に一般的には硫酸カルシウムまたは例示されたカルシウム塩に相当す
るマグネシウム塩が用いられる。更に高レベルのカルシウムおよび/またはマグ
ネシウムも、もちろん、例えばあるタイプの界面活性剤の油脂カット作用を促進
する上で有用である。
もう1つの安定化アプローチはボレート種の使用による。Seversonの米国特許
第4,537,706号明細書参照。ボレート安定剤は、用いられるとき、組成
物の10%以内またはそれ以上のレベルであるが、更に典型的には約3重量%以
内のレベルのホウ酸または他のボレート化合物、例えばホウ砂またはオルトボレ
ートが液体洗剤用に適している。フェニルボロニン酸、ブタンボロニン酸、p−
ブロモフェニルボロニン酸などのような置換ホウ酸もホウ酸の代わりに使用でき
、洗剤組成物中で全ホウ素のレベル減少がこのような置換ホウ素誘導体の使用に
より可能である。
あるクリーニング組成物の安定化系は、0〜約10重量%、好ましくは約0.
01〜約6%の塩素ブリーチスカベンジャーを更に含んでいて、これは多
くの給水中に存在する塩素ブリーチ種が特にアルカリ条件下で酵素を攻撃および
不活化することから防ぐために加えられる。水中の塩素レベルは典型的には約0
.5〜約1.75ppm範囲と少ないが、例えば皿または布帛洗浄中に酵素と接
触する水の全容量中における有効塩素は比較的大きい;したがって、使用時の塩
素に対する酵素安定性がときどき問題となる。塩素ブリーチと反応する能力を有
したペルボレートまたはペルカーボネートは安定化系とは別な出所に由来した量
で本組成物のあるものに存在しているため、塩素に対する追加安定剤の使用は最
も一般的には必須でないが、改善された結果がそれらの使用から得られる。適切
な塩素スカベンジャーアニオンは広く知られていて、容易に入手でき、使用され
るならば、アンモニウムカチオンをサルファイト、ビサルファイト、チオサルフ
ァイト、チオサルフェート、ヨージドなどで含んだ塩がある。酸化防止剤、例え
ばカルバメート、アスコルベートなど、有機アミン、例えばエチレンジアミン四
酢酸(EDTA)またはそのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン(MEA)
とそれらの混合物も同様に用いてよい。同様に、特別な酵素阻害系も、異なる酵
素が最大適合性を有するように配合できる。他の好都合なスカベンジャー、例え
ばビサルフェート、ニトレート、クロリド、過酸化水素源、例えば過ホウ酸ナト
リウム四水和物、過ホウ酸ナトリウム一水和物および過炭酸ナトリウムと、ホス
フェート、縮合ホスフェート、アセテート、ベンゾエート、シトレート、ホルメ
ート、ラクテート、マレート、タートレート、サリチレートなどおよびそれらの
混合物も、所望であれば使用できる。一般的に、塩素スカベンジャー機能は良く
認識された機能下で別に掲載された成分(例えば、過酸化水素源)により発揮さ
れうるため、その機能を望ましい程度まで発揮する化合物が本発明の酵素含有態
様に存在していないのでないかぎり、別な塩素スカベンジャーを加える絶対的必
要性はない;そのときであっても、スカベンジャーは最良の結果のためだけに加
えられる。更に、業者は、処方されたときに他の反応成分とかなり不適合である
酵
素スカベンジャーまたは安定剤の使用を避ける上で、化学者の通常の技能を働か
せるであろう。アンモニウム塩の使用に関して、このような塩は洗剤組成物と単
純に混合できるが、貯蔵中に水を吸着および/またはアンモニアを遊離し易い。
したがって、このような物質は、存在するならば、Baginskiらの米国特許第4,
652,392号明細書に記載されたような粒子で保護されることが望ましい。
ビルダー−洗剤ビルダーは、ミネラル硬度のコントロールを助ける上で、本組
成物中に場合により含有させることができる。無機および有機ビルダーが使用で
きる。ビルダーは粒状汚れの除去を助けるために布帛洗濯組成物中で典型的に用
いられる。
ビルダーのレベルは組成物の最終用途およびその望ましい物理的形態に応じて
広く変わる。存在するとき、組成物は典型的には少くとも約1%のビルダーを含
んでいる。液体処方物は、典型的には約5〜約50重量%、更に典型的には約5
〜約30%の洗剤ビルダーを含む。顆粒処方物は、典型的には約10〜約80重
量%、更に典型的には約15〜約50%の洗剤ビルダーを含む。しかしながら、
それ以下または以上のレベルのビルダーが排除される意味ではない。
無機またはP含有洗剤ビルダーには、ポリホスフェート(トリポリホスフェー
ト、ピロホスフェートおよびガラス質ポリマーメタホスフェートで例示される)
、ホスホネート、フィチン酸、シリケート、カーボネート(ビカーボネートおよ
びセスキカーボネートを含む)、サルフェートおよびアルミノシリケートのアル
カリ金属、アンモニウムおよびアルカノールアンモニウム塩があるが、それらに
限定されない。しかしながら、非リン酸ビルダーも一部の地方で必要とされる。
重要なことは、本組成物がシトレートのようないわゆる“弱い”(ホスフェート
と比較して)ビルダーの存在下、あるいはゼオライトまたは積層シリケートビル
ダーで生じるいわゆる(アンダービルト)状況下であっても意外によく機能する
こ
とである。
シリケートビルダーの例は、アルカリ金属シリケート、特に1.6:1〜3.
2:1範囲のSiO2:Na2O比を有するものと、1987年5月12日付で発
行されたH.P.Rieck の米国特許第4,664,839号明細書に記載された積層
ナトリウムシリケートのような積層シリケートである。NaSKS−6はHoechs
t により販売される結晶積層シリケートの商標名である(一般的に本明細書では
“SKS−6”と略記される)。ゼオライトビルダーと異なり、NaSKS−6
シリケートビルダーはアルミニウムを含んでいない。NaSKS−6はδ−Na2
SiO5形態の積層シリケートを有している。それはドイツDE−A−3,41
7,649およびDE−A−3,742,043に記載されたような方法により
製造できる。SKS−6が本発明で使用上高度に好ましい積層シリケートである
が、他のこのような積層シリケート、例えば一般式NaMSixO2x+1・yH2O
(Mはナトリウムまたは水素であり、xは1.9〜4、好ましくは2の数であり
、yは0〜20、好ましくは0の数である)を有したものも本発明で使用できる
。Hoechst による様々な他の積層シリケートには、α、βおよびγ形としてNa
SKS−5、NaSKS−7およびNaSKS−11がある。上記のように、δ
−Na2SiO5(NaSKS−6形)が本発明で使用上最も好ましい。顆粒処方
でクリスプニング(crispening)剤として、酸素ブリーチ用の安定剤として、およ
び起泡コントロール系の成分として働ける、例えばマグネシウムシリケートのよ
うな他のシリケートも有用である。
カーボネートビルダーの例は、1973年11月15日付で公開されたドイツ
特許出願第2,321,001号明細書に開示されるようなアルカリ土類および
アルカリ金属カーボネートである。
アルミノシリケートビルダーが本発明で有用である。アルミノシリケートビル
ダーはほとんどの現行市販重質顆粒洗剤組成物で非常に重要であり、液体洗剤処
方で重要なビルダー成分でもある。アルミノシリケートビルダーには下記実験式
を有するものがある:
Mz〔(zAlO2)y〕・xH2O
上記式中zおよびyは少くとも6の整数であり、z対yのモル比は1.0〜約0
.5の範囲であり、xは約15〜約264の整数である。
有用なアルミノシリケートイオン交換物質が市販されている。これらのアルミ
ノシリケートは構造上結晶でも非晶質でもよく、天然アルミノシリケートでもま
たは合成してもよい。アルミノシリケートイオン交換物質の製造方法は、197
6年10月12日付で発行されたKrummel らの米国特許第3,985,669号
明細書に開示されている。本発明で有用な好ましい合成結晶アルミノシリケート
イオン交換物質はゼオライトA、ゼオライトP(B)、ゼオライトMAPおよび
ゼオライトXという名称で市販されている。特に好ましい態様において、結晶ア
ルミノシリケートイオン交換物質は下記式を有している:
Na12〔(AlO2)12(SiO2)12〕・xH2O
上記式中xは約20〜約30、特に約27である。この物質はゼオライトAとし
て知られる。脱水ゼオライト(x=0〜10)も本発明で使用できる。好ましく
は、アルミノシリケートは直径約0.1〜10ミクロンの粒度を有する。
本発明の目的に適した有機洗剤ビルダーには様々なポリカルボキシレート化合
物があるが、それらに限定されない。本明細書で用いられる“ポリカルボキシレ
ート”とは、多数のカルボキシレート基、好ましくは少くとも3つのカルボキシ
レートを有した化合物に関する。ポリカルボキシレートビルダーは通常酸形で組
成物に加えられるが、中和塩の形で加えてもよい。塩形で利用される場合には、
ナトリウム、カリウムおよびリチウムのようなアルカリ金属、またはアルカノー
ルアンモニウム塩が好ましい。
ポリカルボキシレートビルダーの中には、様々なカテゴリーの有用な物質が含
まれる。ポリカルボキシレートビルダーの1つの重要なカテゴリーには、196
4年4月7日付で発行されたBergの米国特許第3,128,287号および19
72年1月18日付で発行されたLambertiらの米国特許第3,635,830号
明細書に開示されているような、オキシジサクシネートを含めたエーテルポリカ
ルボキシレートを含む。1987年5月5日付でBushらに発行された米国特許第
4,663,071号の“TMS/TDS”ビルダーも参照。適切なエーテルポ
リカルボキシレートには、米国特許第3,923,679号、第3,835,1
63号、第4,158,635号、第4,120,874号および第4,102
,903号明細書に記載されたような環式化合物、特に脂環式化合物も含む。
他の有用な洗浄ビルダーには、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無
水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,
5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸およびカルボキシメ
チルオキシコハク酸と、エチレンジアミン四酢酸およびニトリロ三酢酸のような
ポリ酢酸の様々なアルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウム塩と、メ
リット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,
5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸およびそれらの可溶性塩
のようなポリカルボキシレートがある。
シトレートビルダー、例えばクエン酸およびその可溶性塩(特にナトリウム塩
)は、再生源からのそれらの利用性とそれらの生分解性のために、重質液体洗剤
処方で特に重要なポリカルボキシレートビルダーである。シトレートは、特にゼ
オライトおよび/または積層シリケートビルダーと組合せて、顆粒組成物でも使
用できる。オキシジサクシネートもこのような組成物および組合せで特に有用で
ある。
本発明の洗剤組成物では、1986年1月28日付で発行されたBushの米国特
許第4,566,984号明細書に開示された3,3−ジカルボキシ−4−オキ
サ−1,6−ヘキサンジオエート類と関連化合物も適している。有用なコハク酸
ビルダーには、C5−C20アルキルおよびアルケニルコハク酸とその塩がある。
このタイプの特に好ましい化合物はドデセニルコハク酸である。サクシネートビ
ルダーの具体例には、ラウリルサクシネート、ミリスチルサクシネート、パルミ
チルサクシネート、2−ドデセニルサクシネート(好ましい)、2−ペンタデセ
ニルサクシネート等がある。ラウリルサクシネートがこのグループの好ましいビ
ルダーであり、1986年11月5日付で公開された欧州特許出願第86200
690.5/0,200,263号明細書に記載されている。
他の適切なポリカルボキシレートは、1979年3月13日付で発行されたCr
utchfield らの米国特許第4,144,226号および1967年3月7日付で
発行されたDiehl の米国特許第3,308,067号明細書に開示されている。
Diehl の米国特許第3,723,322号明細書も参照。
脂肪酸、例えばC12−C18モノカルボン酸も単独で、あるいは追加ビルダー活
性を与えるために前記ビルダー、特にシトレートおよび/またはサクシネートビ
ルダーと組合せて、組成物中に配合できる。脂肪酸のこのような使用は起泡性の
減少を通常起こすため、業者により考慮されるべきである。
リンベースビルダーが使用できる状況下、特に手で洗濯する操作に用いられる
固形製品の処方では、周知のナトリウムトリポリホスフェート、ナトリウムピロ
ホスフェートおよびナトリウムオルトホスフェートのような様々なアルカリ金属
ホスフェートが使用できる。エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホネート
および他の公知ホスホネートのようなホスホネートビルダー(例えば、米国特許
第3,159,581号、第3,213,030号、第3,422,021号、
第3,400,148号および第3,422,137号明細書参照)も使用でき
る。
キレート化剤−本洗剤組成物は、1種以上の鉄および/またはマンガンキレー
ト化剤も場合により含有していてよい。このようなキレート化剤は、すべて以下
に記載されているようなアミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能
性置換芳香族キレート化剤およびそれらの混合物からなる群より選択できる。理
論に拘束されず、これら物質の効果は可溶性キレートの形成により洗浄液から鉄
およびマンガンイオンを除去しうるそれらの例外的能力に一部起因していると考
えられる。
任意のキレート化剤として有用なアミノカルボキシレートには、エチレンジア
ミン四酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、
エチレンジアミン四プロピオン酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエチレ
ントリアミン五酢酸、エタノールジグリシン、それらのアルカリ金属、アンモニ
ウム、置換アンモニウム塩およびそれらの混合物がある。
アミノホスホネートも、少くとも低レベルの全リンが洗剤組成物で許容される
ときに本発明の組成物でキレート化剤として使用に適しており、DEQUEST のよう
なエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)を含む。好ましくは、
これらのアミノホスホネートは炭素原子約7以上のアルキルまたはアルケニル基
を含まない。
多官能性置換芳香族キレート化剤も本組成物で有用である。1974年5月2
1日付で発行されたConnorらの米国特許第3,812,044号明細書参照。こ
のタイプの好ましい化合物は、酸形の場合、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジ
スルホベンゼンのようなジヒドロキシジスルホベンゼンである。
本発明で使用上好ましい生分解性キレーターは、1987年11月3日付Hart
man およびPerkins の米国特許第4,704,233号明細書に記載されたよう
なエチレンジアミン二コハク酸(“EDDS”)、特に〔S,S〕異性体である
。
利用されるならば、これらのキレート化剤は通常本洗剤組成物の約0.1〜約
10重量%である。更に好ましくは、利用されるならば、キレート化剤はこのよ
うな組成物の約0.1〜約3.0重量%である。
土汚れ除去/再付着防止剤−本発明の組成物は、土汚れ除去および再付着防止
性を有する水溶性エトキシル化アミンも場合により含有することができる。これ
らの化合物を含有した顆粒洗剤組成物は、典型的には約0.01〜約10.0重
量%の水溶性エトキシル化アミンを含有し、液体洗剤組成物は典型的には約0.
01〜約5%を含有する。
最も好ましい汚れ放出および再付着防止剤はエトキシル化テトラエチレンペン
タミンである。例示エトキシル化アミンは、1986年7月1日付で発行された
VanderMeerの米国特許第4,597,898号明細書で更に記載されている。好
ましい土汚れ除去−再付着防止剤のもう1つのグループは、1984年6月27
日付で公開されたOhおよびGosselink の欧州特許出願第111,965号明細書
に開示されたカチオン性化合物である。使用できる他の土汚れ除去/再付着防止
剤には、1984年6月27日付で公開されたGosselink の欧州特許出願第11
1,984号明細書に開示されたエトキシル化アミンポリマー、1984年7月
4日付で公開されたGosselink の欧州特許出願第112,592号明細書に開示
された双極性ポリマー、1985年10月22日付で発行されたConnorの米国特
許第4,548,744号明細書に開示されたアミンオキシドがある。当業界で
知られる他の土汚れ除去および/または再付着防止剤も本組成物で利用できる。
もう1つのタイプの好ましい再付着防止剤には、カルボキシメチルセルロース(
CMC)物質がある。これらの物質は当業界で周知である。
ポリマー分散剤−ポリマー分散剤は、特にゼオライトおよび/または積層シリ
ケートビルダーの存在下において、本組成物中約0.1〜約7重量%のレベルで
有利に利用することができる。適切なポリマー分散剤にはポリマーポリカルボキ
シレートおよびポリエチレングリコールがあるが、当業界で知られるその他のも
のも使用できる。理論に制限されるつもりはないが、ポリマー分散剤は、結晶成
長阻害、粒状汚れ放出解膠および再付着防止により、他のビルダー(低分子量ポ
リカルボキシレートを含む)と併用されたときに、全体的洗剤ビルダー性能を高
めると考えられる。
ポリマーポリカルボキシレート物質は、適切な不飽和モノマーを好ましくはそ
れらの酸形で重合または共重合させることにより製造できる。重合して適切なポ
リマーポリカルボキシレートを形成しうる不飽和モノマー酸には、アクリル酸、
マレイン酸(または無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニチン酸、
メサコン酸、シトラコン酸およびメチレンマロン酸がある。ビニルメチルエーテ
ル、スチレン、エチレン等のようなカルボキシレート基を含まないモノマーセグ
メントのポリマーポリカルボキシレート中における存在は、このようなセグメン
トが約40重量%以上を占めないならば適切である。
特に適切なポリマーポリカルボキシレートはアクリル酸から誘導できる。本発
明で有用なこのようなアクリル酸ベースポリマーは、重合アクリル酸の水溶性塩
である。酸形をしたこのようなポリマーの平均分子量は、好ましくは約2000
〜10,000、更に好ましくは約4000〜7000、最も好ましくは約40
00〜5000の範囲内である。このようなアクリル酸ポリマーの水溶性塩には
、例えばアルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウム塩がある。このタ
イプの可溶性ポリマーは公知物質である。洗剤組成物中におけるこのタイプのポ
リアクリレートの使用は、例えば1967年3月7日付で発行されたDiehlの米
国特許第3,308,067号明細書に開示されている。
アクリル酸/マレイン酸ベースコポリマーも、分散/再付着防止剤の好ましい
成分として用いてよい。このような物質には、アクリル酸およびマレイン酸のコ
ポリマーの水溶性塩がある。酸形をしたこのようなコポリマーの平均分子量は、
好ましくは約2000〜100,000、更に好ましくは約5000〜75,0
00、最も好ましくは約7000〜65,000の範囲内である。このようなコ
ポリマーにおけるアクリレート対マレエートセグメントの比率は、通常約30:
1〜約1:1、更に好ましくは約10:1〜2:1の範囲内である。このような
アクリル酸/マレイン酸コポリマーの水溶性塩には、例えばアルカリ金属、アン
モニウムおよび置換アンモニウム塩がある。このタイプの可溶性アクリレート/
マレエートコポリマーは、1982年12月15日付で公開された欧州特許出願
第66915号明細書に記載された公知物質であり、1986年9月3日付で公
開されたEP第193,360号明細書でもヒドロキシプロピルアクリレートを
含むこのようなポリマーについて記載している。更に他の有用な分散剤には、マ
レイン酸/アクリル酸/ビニルアルコールターポリマーがある。このような物質
も、例えばアクリル酸/マレイン酸/ビニルアルコールの45/45/10ター
ポリマーを含めて、EP193,360に開示されている。
含有させうるもう1つのポリマー物質はポリエチレングリコール(PEG)で
ある。PEGは分散剤性能を示して、しかも土汚れ除去−再付着防止剤として作
用することができる。これら目的のために典型的な分子量範囲は、約500〜約
100,000、好ましくは約1000〜約50,000、更に好ましくは約1
500〜約10,000の範囲内である。
ポリアスパルテートおよびポリグルタメート分散剤も、特にゼオライトビルダ
ーと組合せて用いることができる。ポリアスパルテートのような分散剤は、好ま
しくは約10,000の分子量(平均)を有する。
増白剤−当業界で知られるいかなる蛍光増白剤、あるいは他の増白またはホワ
イトニング剤も、典型的には約0.05〜約1.2重量%のレベルで本洗剤組成
物中に配合できる。本発明で有用な市販蛍光増白剤は、必ずしも限定されないが
、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン類、ジベン
ゾ
チオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール類、5および6員環式ヘテロ環と他
の様々な物質の誘導体を含めたサブグループに分類できる。このような増白剤の
例は″The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents″
,M.Zahradnik,John Wiley & Sons 発行,New York(1982)に開示されている。
本組成物で有用な蛍光増白剤の具体例は、1988年12月13日付で発行さ
れたWixonの米国特許第4,790,856号明細書に開示されたものである。
これらの増白剤には、Veronaから増白剤の PHORWHITEシリーズがある。この参考
文献に開示された他の増白剤には、Ciba-Geigy市販のTinopal UNPA、Tinopa
l CBSおよびTinopal 5BM;イタリア所在Hilton-Davis市販のArtic White
CCおよびArtic White CWD;2−(4−スチリルフェニル)−2H−ナフト
ール〔1,2−d〕トリアゾール類;4,4′−ビス(1,2,3−トリアゾー
ル−2−イル)スチルベン類;4,4′−ビス(スチリル)ビスフェニル類;ア
ミノクマリン類がある。これら増白剤の具体例には、4−メチル−7−ジエチル
アミノクマリン、1,2−ビス(ベンゾイミダゾール−2−イル)エチレン、1
,3−ジフェニルフラゾリン類、2,5−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル
)チオフェン、2−スチリルナフト〔1,2−d〕オキサゾールおよび2−(ス
チルベン−4−イル)−2H−ナフト〔1,2−d〕トリアゾールがある。19
72年2月29日付で発行されたHamiltonの米国特許第3,646,015号明
細書も参照。アニオン性増白剤も本発明では好ましい。
起泡抑制剤−泡の形成を減少または抑制する化合物も本発明の組成物中に配合
することができる。起泡抑制は、米国特許第4,489,455号および第4,
489,574号明細書に記載されたようないわゆる“高濃度クリーニングプロ
セス”と、フロントローディング(front loading)ヨーロッパスタイル洗濯機で
特に重要である。
様々な物質が起泡抑制剤として使用でき、起泡抑制剤は当業者に周知である。
例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Third Edition,Vo
lume 7,pages 430-447(John Wiley & Sons,Inc.,1979)参照。特に興味ある起泡
抑制剤の1カテゴリーには、モノカルボン脂肪酸およびその可溶性塩がある。1
960年9月27日付で発行されたWayne St.John の米国特許第2,954,3
47号明細書参照。起泡抑制剤として用いられるモノカルボン脂肪酸およびその
塩は、典型的には炭素原子10〜約24、好ましくは炭素原子12〜18のヒド
ロカルビル鎖を有する。適切な塩にはナトリウム、カリウムおよびリチウム塩の
ようなアルカリ金属塩と、アンモニウムおよびアルカノールアンモニウム塩があ
る。
本洗剤組成物は非界面活性起泡抑制剤も含有していてよい。これらには、例え
ばパラフィンのような高分子量炭化水素、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリ
グリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18−C40ケトン(例
えば、ステアロン)等がある。他の起泡抑制剤には、塩化シアヌルと1〜24の
炭素原子を有する2または3モルの一級または二級アミンとの生成物として形成
されるトリ〜ヘキサアルキルメラミンまたはジ〜テトラアルキルジアミンクロル
トリアジンのようなN−アルキル化アミノトリアジン、プロピレンオキシドと、
モノステアリルアルコールホスフェートエステルおよびモノステアリルジアルカ
リ金属(例えば、K、NaおよびLi)ホスフェートおよびホスフェートエステ
ルのようなモノステアリルホスフェートがある。パラフィンおよびハロパラフィ
ンのような炭化水素は液体形で利用できる。液体炭化水素は室温および大気圧下
で液体であり、約−40〜約50℃範囲の流動点と、約110℃以上の最小沸点
(大気圧)を有する。好ましくは約100℃以下の融点を有するロウ状炭化水素
を利用することも知られている。炭化水素は洗剤組成物向けの起泡抑制剤の好ま
しいカテゴリーである。炭化水素起泡抑制剤は、例えば1981年5月5日付で
発行されたGandolfoらの米国特許第4,265,779号明細書に記載されてい
る。その炭化水素には、約12〜約70の炭素原子を有した脂肪族、脂環式、芳
香族およびヘテロ環式飽和または不飽和炭化水素がある。この起泡抑制剤の説明
で用いられている“パラフィン”という用語は、真のパラフィンと環式炭化水素
の混合物を含めた意味である。
非界面活性起泡抑制剤のもう1つの好ましいカテゴリーには、シリコーン起泡
抑制剤がある。このカテゴリーには、ポリジメチルシロキサンのようなポリオル
ガノシロキサン油、ポリオルガノシロキサン油または樹脂の分散物またはエマル
ジョンと、ポリオルガノシロキサンがシリカ上に化学吸着または溶融されたポリ
オルガノシロキサンとシリカ粒子との組合せの使用を含む。シリコーン起泡抑制
剤は当業界で周知であり、例えば1981年5月5日付で発行されたGandolfoら
の米国特許第4,265,779号および1990年2月7日付で公開されたSt
arch,M.S.の欧州特許出願第89307851.9号明細書に開示されている。
他のシリコーン起泡抑制剤は米国特許第3,455,839号明細書に開示さ
れており、そこでは少量のポリジメチルシロキサン流体を配合することにより水
溶液を消泡させるための組成物および方法に関する。
シリコーンおよびシラン化シリカの混合物は、例えばドイツ特許出願DOS第
2,124,526号明細書に記載されている。顆粒洗剤組成物におけるシリコ
ーン消泡剤および起泡抑制剤は、Bartolottaらの米国特許第3,933,672
号および1987年3月24日付で発行されたBaginskiらの米国特許第4,65
2,392号明細書に開示されている。
本発明で有用な例示シリコーンベース起泡抑制剤は:
(i)25℃で約20〜約1500csの粘度を有するポリジメチルシロキサン
流体
(ii)約0.6:1〜約1.2:1の(CH3)3SiO1/2単位対SiO2単位の
比率でSiO2単位の(CH3)3SiO1/2単位から構成される
シロキサン樹脂約5〜約50重量部/(i)100部、および
(iii)固体シリカゲル約1〜約20重量部/(i)100部
から本質的になる、起泡抑制量の起泡抑制剤である。
本発明で用いられる好ましいシリコーン起泡抑制剤において、連続相用の溶媒
はあるポリエチレングリコール、ポリエチレン−ポリプロピレングリコールコポ
リマーまたはそれらの混合物(好ましい)、あるいはポリプロピレングリコール
から構成される。主要なシリコーン起泡抑制剤は分岐/架橋されており、好まし
くは直鎖でない。
この点を更に説明するため、起泡を抑制する典型的な液体洗濯洗剤組成物は約
0.001〜約1、好ましくは約0.01〜約0.7、最も好ましくは約0.0
5〜約0.5重量%の上記シリコーン起泡抑制剤を場合により含み、これは(1
)(a)ポリオルガノシロキサン、(b)樹脂シロキサンまたはシリコーン樹脂
生成シリコーン化合物、(c)微細フィラー物質、および(d)混合成分(a)
、(b)および(c)の反応を促進してシラノレートを形成させるための触媒の
混合物である、主要消泡剤の非水性エマルジョン;(2)少くとも1種のノニオ
ン性シリコーン界面活性剤;および(3)室温で約2重量%以上の水中溶解度を
有するポリエチレングリコールまたはポリエチレン−ポリプロピレングリコール
のコポリマーを含んでなるが、ポリプロピレングリコールは含まない。同様の量
が顆粒組成物、ゲル等で使用できる。1990年12月18日付で発行されたSt
archの米国特許第4,978,471号、1991年1月8日付で発行されたSt
archの第4,983,316号、1994年2月22日付で発行されたHuber ら
の第5,288,431号、Aizawaらの米国特許第4,639,489号および
第4,749,740号明細書、第1欄46行目〜第4欄35行目も参照。
本シリコーン起泡抑制剤には、好ましくはポリエチレングリコールおよびポリ
エチレングリコール/ポリプロピレングリコールのコポリマーを含み、すべて約
1000以下、好ましくは約100〜800の平均分子量を有している。本発明
のポリエチレングリコールおよびポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーは室
温で約2重量%以上、好ましくは約5重量%以上の水中溶解度を有する。
本発明で好ましい溶媒は約1000以下、更に好ましくは約100〜800、
最も好ましくは200〜400の平均分子量を有するポリエチレングリコールと
、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール、好ましくはPPG20
0/PEG300のコポリマーである。約1:1〜1:10、最も好ましくは1
:3〜1:6のポリエチレングリコール:ポリエチレン−ポリプロピレングリコ
ールのコポリマーの重量比が好ましい。
本発明で用いられる好ましいシリコーン起泡抑制剤は、特に分子量4000の
ポリプロピレングリコールを含有しない。それらは PLURONIC L101のような
エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーも含有してい
ないことが好ましい。
本発明で有用な他の起泡抑制剤には、二級アルコール(例えば、2−アルキル
アルカノール)、およびこのようなアルコールとシリコーン油、例えば米国特許
第4,798,679号、第4,075,118号およびEP第150,872
号明細書に開示されたシリコーンとの混合物がある。二級アルコールにはC1−
C16鎖を有したC6−C16アルキルアルコールがある。好ましいアルコールは2
−ブチルオクタノールであり、これはCondeaから商標名 ISOFOL 12として入手
できる。二級アルコールの混合物はEnichem から商標名 ISALCHEM 123として
入手できる。混合起泡抑制剤は、典型的には1:5〜5:1の重量比でアルコー
ル+シリコーンの混合物からなる。
自動洗濯機で用いられるいかなる洗剤組成物においても、泡は洗濯機からあふ
れるほど生じるべきではない。起泡抑制剤は利用されるならば起泡抑制量で存在
することが好ましい。“起泡抑制量”とは、組成物の業者が自動洗濯機で使用上
低起泡性の洗濯洗剤となるように起泡を十分に抑制するこの起泡抑制剤の量を選
択しうることを意味する。
本組成物は通常0〜約5%の起泡抑制剤を含む。起泡抑制剤として利用される
とき、モノカルボン脂肪酸およびその塩は典型的には洗剤組成物の約5重量%以
内の量で存在する。好ましくは約0.5〜約3%の脂肪モノカルボキシレート起
泡抑制剤が利用される。シリコーン起泡抑制剤は典型的には洗剤組成物の約2.
0重量%以内の量で利用されるが、それ以上の量で用いてもよい。この上限は、
主にコストを最小に抑える上での関心と、起泡を有効に抑制する上でより低い量
での有効性からみて、性質上実際的である。好ましくは約0.01〜約1%、更
に好ましくは約0.25〜約0.5%のシリコーン起泡抑制剤が用いられる。本
発明で用いられるこれらの重量%値には、ポリオルガノシロキサンと組合せて利
用されるあらゆるシリカと、利用されるあらゆる補助物質を含めている。リン酸
モノステアリル起泡抑制剤は組成物の約0.1〜約2重量%の範囲内の量で通常
利用される。炭化水素起泡抑制剤は典型的には約0.01〜約5.0%の範囲内
の量で利用されるが、それより高いレベルでも使用できる。アルコール起泡抑制
剤は典型的には最終組成物の0.2〜3重量%で用いられる。
布帛柔軟剤−様々なスルー・ザ・ワッシュ(throuth-the-wash)布帛柔軟剤、特
に1977年12月13日付で発行されたStorm およびNirschl の米国特許第4
,062,647号の微細スメクタイトクレーと、当業界で知られる他の柔軟剤
クレーは、布帛クリーニングと共に布帛柔軟剤効果を発揮させるために、典型的
には本組成物中約0.5〜約10重量%のレベルで場合により用いることができ
る。クレー柔軟剤は、例えば1983年3月1日付で発行されたCrisp らの米国
特許第4,375,416号および1981年9月22日付で発行されたHarris
らの米国特許第4,291,071号明細書に開示されたようなアミンおよびカ
チオ
ン性柔軟剤と併用できる。
染料移動阻止剤−本発明の組成物は、クリーニングプロセス中にある布帛から
他への染料の移動を阻止するために有効な1種以上の物質を含有することもでき
る。通常、このような染料移動阻止剤には、ポリビニルピロリドンポリマー、ポ
リアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルイミダ
ゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼおよびそれら
の混合物がある。用いられるならば、これらの剤は典型的には組成物の約0.0
1〜約10重量%、好ましくは約0.01〜約5%、更に好ましくは約0.05
〜約2%である。
更に具体的には、本発明で使用上好ましいポリアミンN−オキシドポリマーは
下記構造式:R−Ax−Pを有した単位を含んでいる;式中Pは重合性単位であ
って、それにはN−O基が結合できるか、またはN−O基は重合性単位の一部を
形成できるか、またはN−O基は双方の単位に結合できる;Aは次の構造:−N
C(O)−、−C(O)O−、−S−、−O−、−N=のうち1つである;xは
0または1である;Rは脂肪族、エトキシル化脂肪族、芳香族、ヘテロ環式また
は脂環式基あるいはそれらの組合せであって、それにはN−O基の窒素が結合で
きるか、またはN−O基はこれらの基の一部である。好ましいポリアミンN−オ
キシドは、Rがピリジン、ピロール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジンお
よびそれらの誘導体のようなヘテロ環式基である場合である。
N−O基は下記一般構造で表すことができる:
上記式中R1R2R3は脂肪族基、芳香族、ヘテロ環式または脂環式基、あ
るいはそれらの組合せであり、x、yおよびzは0または1であり、N−O基の
窒素は結合するかまたは上記基のいずれかの一部を形成することができる。ポリ
アミンN−オキシドのアミンオキシド単位はpKa<10、好ましくはpKa<
7、更に好ましくはpKa<6を有する。
いかなるポリマー主鎖も、形成されるアミンオキシドポリマーが水溶性であっ
て染料移動阻止性を有しているかぎり、使用できる。適切なポリマー主鎖の例は
、ポリビニル、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリアクリレートおよびそれらの混合物である。これらのポリマーに
は、1つのモノマータイプがアミンN−オキシドで、他のモノマータイプがN−
オキシドである、ランダムまたはブロックコポリマーがある。アミンN−オキシ
ドポリマーは、典型的には10:1〜1:1,000,000のアミン対アミン
N−オキシドの比率を有している。しかしながら、ポリアミンオキシドポリマー
中に存在するアミンオキシド基の数は、適切な共重合によるかまたは適切なN−
オキシド度で変えることができる。ポリアミンオキシドはほぼいずれの重合度で
も得られる。典型的には、平均分子量は500〜1,000,000、更に好ま
しくは1000〜500,000、最も好ましくは5000〜100,000の
範囲内である。この好ましいクラスの物質は“PVNO”と称される。
本洗剤組成物で有用な最も好ましいポリアミンN−オキシドは、約50,00
0の平均分子量と約1:4のアミン対アミンN−オキシド比を有したポリ(4−
ビニルピリジン−N−オキシド)である。
N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルイミダゾールポリマーのコポリマー(
“PVPVI”のクラスと称される)も本発明で使用上好ましい。好ましくは、
PVPVIは5000〜1,000,000、更に好ましくは5000〜200
,000、最も好ましくは10,000〜20,000の平均分子量範囲を有し
ている(平均分子量範囲はBarth,et al.,Chemical Analysis,Vol.113,
″Modern Methods of Polymer Characterization″で記載されたような光散乱法
により決められ、その開示は参考のため本明細書に組み込まれる)。PVPVI
コポリマーは、典型的には1:1〜0.2:1、更に好ましくは0.8:1〜0
.3:1、最も好ましくは0.6:1〜0.4:1のN−ビニルイミダゾール対
N−ビニルピロリドンのモル比を有している。これらのコポリマーは直鎖または
分岐鎖でありうる。
本発明の組成物では約5000〜約400,000、好ましくは約5000〜
約200,000、更に好ましくは約5000〜約50,000の平均分子量を
有したポリビニルピロリドン(“PVP”)も用いることができる。PVPは洗
剤分野の業者に公知である;参考のため本明細書に組み込まれる、例えばEP−
A−262,897およびEP−A−256,696明細書参照。PVPを含有
した組成物は、約500〜約100,000、好ましくは約1000〜約10,
000の平均分子量を有したポリエチレングリコール(“PEG”)も含有する
ことができる。好ましくは、洗浄液中にデリバリーされるPEG対PVPの比率
は、ppmベースで、約2:1〜約50:1、更に好ましくは約3:1〜約10
:1である。
本洗剤組成物は、染料移動阻止作用も示すあるタイプの親水性蛍光増白剤約0
.005〜5重量%を場合により含有することができる。用いられるならば、本
組成物は好ましくは約0.01〜1重量%のこのような蛍光増白剤を含む。
本発明で有用な親水性蛍光増白剤は下記構造式を有した化合物である:
上記式中R1はアニリノ、N−2−ビス−ヒドロキシエチルおよびNH−2−ヒ
ドロキシエチルから選択される;R2はN−2−ビス−ヒドロキシエチル、N−
2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ、モルフィリノ、クロロおよびアミノ
から選択される;Mはナトリウムまたはカリウムのような塩形成カチオンである
。
上記式中R1がアニリノ、R2がN−2−ビス−ヒドロキシエチル、およびMが
ナトリウムのようなカチオンであるとき、増白剤は4,4′−ビス〔〔4−アニ
リノ−6−(N−2−ビス−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン−2−イル〕
アミノ〕−2,2′−スチルベンジスルホン酸および二ナトリウム塩である。こ
の具体的な増白剤種はCiba-Geigy Corporationから商品名 Tinopal-UNPA-GXで市
販されている。Tinopal-UNPA-GXが本洗剤組成物で有用な好ましい親水性蛍光増
白剤である。
上記式中R1がアニリノ、R2がN−2−ヒドロキシエチル−N−2−メチルア
ミノ、およびMがナトリウムのようなカチオンであるとき、増白剤は4,4′−
ビス〔〔4−アニリノ−6−(N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ)
−s−トリアジン−2−イル〕アミノ〕−2,2′−スチルベンジスルホン酸二
ナトリウム塩である。この具体的な増白剤種はCiba-Geigy Corporationから商品
名Tinopal 5BM-GXで市販されている。
上記式中R1がアニリノ、R2がモルフィリノ、およびMがナトリウムのような
カチオンであるとき、増白剤は4,4′−ビス〔(4−アニリノ−6−モルフィ
リノ−s−トリアジン−2−イル)アミノ〕−2,2′−スチルベンジスルホン
酸、ナトリウム塩である。この具体的な増白剤種はCiba-Geigy Corporationから
商品名Tinopal AMS-GXで市販されている。
本発明で使用上選択される特定の蛍光増白剤種は、前記の選択されたポリマー
染料移動阻止剤と併用されたときに、特に有効な染料移動阻止性能効果を発揮す
る。このような選択されたポリマー物質(例えば、PVNOおよび/または
PVPVI)とこのような選択された蛍光増白剤(例えば Tinopal-UNPA-GX、Ti
nopal 5BM-GXおよび/またはTinopal AMS-GX)との組合せは、これら2種の洗剤
組成物成分が単独で用いられたときよりも、洗浄水溶液中で有意に優れた染料移
動阻止性を発揮する。理論に拘束されず、このような増白剤は洗浄液中で布帛に
高い親和性を有し、したがってこれらの布帛に比較的早く付着することから、こ
のように働くと考えられる。増白剤が洗浄液中で布帛に付着する程度は、“イグ
ゾースション係数”(exhaustion coefficient)と呼ばれるパラメーターにより
規定できる。イグゾースション係数とは、一般的にa)布帛に付着した増白剤物
質対b)洗浄液中の初期増白剤濃度の比率のことである。比較的高いイグゾース
ション係数の増白剤が、本発明の関係で染料移動を阻止するために最も適してい
る。
もちろん、他の慣用的な蛍光増白剤タイプの化合物が、真の染料移動阻止効果
よりもむしろ慣用的な布帛“輝き”効果を出すために、本組成物で場合により使
用できることは明らかであろう。このような用法は洗剤処方上慣用的かつ周知で
ある。
使用方法
布帛と洗浄液との接触は、撹拌条件下で通常行う。撹拌は、良好なクリーニン
グのために、好ましくは洗濯機で行われる。洗浄の後に、好ましくは、慣用的な
衣類乾燥機で湿潤布帛を乾燥させる。洗濯機内の水性洗浄液中における液体また
は顆粒洗剤組成物の有効量は、好ましくは約500〜約7000ppm、更に好
ましくは約1000〜約3000ppmである。
例I
平均分子量1800のポリ(エチレンイミン)のエトキシル化
Claisen ヘッド、温度コントローラー(Therm-O-WatchTM、I2R)に接続され
た温度計、スパージ管およびメカニカルスターラーを装備した250ml三首丸
底フラスコに、ポリ(エチレンイミン)MW1800(Polysciences、50.0
g、0.028モル)を加える。エチレンオキシドガス(Liquid Carbonics)を
、52gの重量増(1.2エトキシ単位に相当する)が得られるまで、非常に速
く撹拌しながらアルゴン下約140℃でスパージ管から加える。この黄色ガス様
物質の一部50gを貯蔵する。残りの物質に水酸化カリウムペレット(Baker、
0.30g、0.0053モル)を加える。水酸化カリウムが溶解した後、60
gの重量増(全部で4.2エトキシ単位に相当する)が得られるまで、エチレン
オキシドを上記のように加える。この褐色粘稠液体の一部53gを貯蔵する。3
5.9gの重量増(全部で7.1エトキシ単位に相当する)が得られるまで、エ
チレンオキシドを上記のように残りの物質に加えて、94.9gの暗褐色液体を
得る。あとの2つのサンプル中における水酸化カリウムは、理論量のメタンスル
ホン酸を加えることにより中和する。
例II
PEI1800E7の四級化
磁気撹拌棒を装備した500ml Erlenmeyer フラスコに、窒素当たり約7エ
チレンオキシ残基程度のエトキシル化で更に修飾された分子量1800を有する
ポリエチレンイミン(PEI1800、E7)(207.3g、0.590モル
窒素、例Iのように製造)と、アセトニトリル(120g)を加える。ジメチル
硫酸(28.3g、0.224モル)を急速撹拌溶液に一度で加え、その後栓を
して、室温で一夜撹拌する。アセトニトリルを約60℃でロータリー蒸発により
除去し、その後Kugelrohr 装置を用いて約80℃で溶媒を更に除去して、望まし
い部分的に四級化された物質220gを暗褐色粘稠液体として得る。反応産物の
サンプルで得られた13C−NMR(D2O)スペクトルでは、ジメチル硫酸に相
当する〜58ppmで炭素共鳴の不在を示している。1H−NMR(D2O)スペ
クトルでは、未四級化窒素に隣接するメチレンについて約2.5ppmで共鳴の
部分的シフトを示しており、約3.0ppmシフトしていた。これは窒素の約3
8%の望ましい四級化と一致する。
例III
PEI1800E7のアミンオキシドの形成
磁気撹拌棒を装備した500ml Erlenmeyer フラスコに、窒素当たり約7エ
トキシ基程度にエトキシル化された分子量1800を有するポリエチレンイミン
(PEI−1800、E7)(209g、0.595モル窒素、例Iのように製
造)と、過酸化水素(水中30wt%溶液120g、1.06モル)を加える。フ
ラスコに栓をして、初期の発熱後に溶液を室温で一夜撹拌する。反応混合物のサ
ンプルで得られた1H−NMR(D2O)スペクトルでは、完全な変換を示してい
る。未酸化窒素に隣接するメチレンプロトンの共鳴は、元の位置よりも〜2.5
ppmから〜3.5ppmシフトしていた。反応溶液にアルミナペレット上0.
5%Pd約5gを加え、溶液を室温で約3日間放置する。溶液を試験すると、試
験紙では過酸化物について陰性であることがわかった。こうして得られた物質は
水中51.1%活性溶液として適切に貯蔵される。
例IV
四級化PEI1800E7のアミンオキシドの形成
磁気撹拌棒を装備した500ml Erlenmeyer フラスコに、窒素当たり約7エ
チレンオキシ残基程度にエトキシル化で更に修飾されて(PEI1800E7)
、その後ジメチル硫酸で約38%まで四級化により更に修飾された、分子量18
00を有するポリエチレンイミン(130g、〜0.20モル酸化性窒素、
例IIのように製造)、過酸化水素(水中30wt%溶液48g、0.423モル)
および水(〜50g)を加える。フラスコに栓をして、初期の発熱後に溶液を室
温で一夜撹拌する。反応混合物から採取されたサンプルで得られた1H−NMR
(D2O)スペクトルでは、2.5〜3.0ppmの範囲で既に観察されたメチ
レンピークによる共鳴が約3.7ppm化学シフトしたメチレンを有する物質に
完全に変換したことを示している。反応溶液にアルミナペレット上0.5%Pd
約5gを加え、溶液を室温で約3日間放置する。溶液を試験すると、試験紙では
過酸化物について陰性であることがわかった。四級化された窒素〜38%および
アミンオキシドに酸化された窒素62%を有する望ましい物質が得られ、水中4
4.9%活性溶液として適切に貯蔵される。
例V
四級化PEI1800E7の酸化
磁気撹拌棒を装備した500ml Erlenmeyer フラスコに、窒素当たり7エチ
レンオキシ残基程度にエトキシル化で更に修飾されて(PEI1800E7)、
その後ジメチル硫酸で約4.7%まで四級化された、分子量1800を有するポ
リエチレンイミン(121.7g、〜0.32モル酸化性窒素)、過酸化水素(
水中50wt%溶液40g、0.588モル)および水(109.4g)を加える
。フラスコに栓をして、初期の発熱後に溶液を室温で一夜撹拌する。反応混合物
のサンプルで得られた1H−NMR(D2O)スペクトルでは、2.5〜3.0p
pmのメチレンピークが〜3.5ppmシフトしたことを示している。反応溶液
にアルミナペレット上0.5%Pd〜5gを加え、溶液を室温で〜3日間放置す
る。溶液を試験すると、試験紙では過酸化物について陰性であることがわかった
。四級化された窒素〜4.7%およびアミンオキシドに酸化された窒素〜95.
3%を有する望ましい物質が得られ、水中46.5%溶液として適切に貯蔵され
る。
例VI
PEI1800E7の四級化
磁気撹拌棒を装備した500ml Erlenmeyer フラスコに、約7程度までエト
キシル化で更に修飾された分子量1800を有するポリエチレンイミン(224
g、0.637モル窒素)と、アセトニトリル(150g、3.65モル)を加
える。ジメチル硫酸(3.8g、0.030モル)を急速撹拌溶液に一度で加え
、その後栓をして、室温で一夜撹拌する。アセトニトリルを約60℃でロータリ
ー蒸発により除去する。最後の痕跡量の溶媒をKugelrohr において〜80℃で更
にストリッピングして除去し、窒素の〜4.7%が四級化された望ましい物質〜
220gを暗褐色粘稠液体として得る。13C−NMR(D2O)スペクトルでは
、〜58ppmで共鳴の不在により、ジメチル硫酸の消費を示している。1H−
NMR(D2O)スペクトルでは、2.5ppm(未四級化窒素に隣接するメチ
レン単位)の共鳴で〜3.0ppmの部分的シフトを示している。
以下は本発明による高密度液体洗剤組成物について記載している:
例VII-X
1.Shell Oil Co.販売のE9エトキシル化アルコール
2.副成分−蛍光増白剤および酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼおよ
びアミラーゼ)を含む
3.例4によるポリマー
4.例1によるポリマー
5.残部には、100%まで、例えば、蛍光増白剤、香料、起泡抑制剤、汚れ分
散剤、プロテアーゼ、リパーゼ、キレート化剤、染料移動阻止剤、添加水および
CaCO3、タルク、シリケートなどを含めたフィラーのような副成分を含有す
ることができる。
例XI−XIV
1.Shell Oil Co.販売のE9エトキシル化アルコール
2.例4によるポリマー
3.例1によるポリマー
4.残部には、100%まで、例えば、香料、起泡抑制剤、汚れ分散剤、プロテ
アーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、キレート化剤、染料移動阻止剤、添加水および
CaCo3、タルク、シリケートなどを含めたフィラーのような副成分を含有す
ることができる。
例XV−XIX
1.Shell Oil Co.販売のC12−C13アルキルE9エトキシレート
2.“プロテアーゼ含有クリーニング組成物”と題されたA.Baeck らの米国特許
出願第08/322,676号によるBacillus amyloliquefaciensズブチリシン
3.Humicola lanuginosa に由来し、Novoから市販されている
4.WO9510603Aに開示され、Novoから市販されている
5.例4によるポリマー
例XX−XXIII
液体洗濯洗剤組成物
1.布帛表面改質剤
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
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CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
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LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU