【発明の詳細な説明】
フタリド化合物及びその製法
技術分野
本発明は、新規なフタリド化合物、特に、FERM BP−4787として寄
託された微生物の発酵により生産された新規なフタリド化合物に関する。また、
本発明は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)により引き起こさ
れる疾患、障害および有害な症状の治療に有用であり、特に、それによって引き
起こされる胃十二指腸疾患、疾病および有害な症状の治療に有用である、フタリ
ド化合物を製造する方法及びこの化合物を含んで成る医薬組成物に関する。
背景技術
胃および十二指腸潰瘍は、世界中の人口のかなりの部分に影響を及ぼしている
。現在、胃および十二指腸潰瘍の両方の通常の治療は、ヒスタミンH2受容体拮
抗薬(H2遮断薬)を用いた患者の治療に関連する。潰瘍を治癒するのに一般的
に効果的であるが、H2遮断薬治療を中止した1年以内に90%までの患者に潰
瘍再発が起きる。従って、患者は、何年間も治療を継続するか又は潰瘍再発の危
険を犯さねばならない。今や、コロイド次クエン酸ビスマス(CBS)のような
潰瘍治癒薬は、ヘリコバクター殺菌薬であること、このようなCBSを、潰瘍を
治療するためにH2遮断薬と組み合わせて用いることが公知である。更に、潰瘍
患者を治療するために、CBS、H2遮断薬およびアモキシシリンを組み合わせ
て用いてきた。
ヘリコバクター・ピロリは、最近、胃および十二指腸潰瘍ならびに他の胃十二
指腸疾患、疾病および有害な症状における主要な原因物質であることが示されて
きた。従って、胃十二指腸管からヘリコバクター・ピロリを排除する抗生物質治
療は、この胃十二指腸疾患、疾病および有害な症状の根本原因を取り除き、潰瘍
患者のH2遮断薬等を用いて長期かつ高価な治療を継続する必要性を排除するで
あろう。前述の治療のいずれもが、ヘリコバクター・ピロリの100%根絶する
ことができない。従って、卓越したヘリコバクター殺菌活性を有する化合物を提
供することが熱望される。
本発明の目的は、卓越したヘリコバクター殺菌活性を有する新規なフタリド化
合物及びこの化合物を含んで成る医薬組成物を提供することである。本発明の他
の目的は、新規なフタリド化合物を製造する方法を提供することである。
発明の簡単な開示
よって、本発明は、一般式:
のフタリド化合物を提供する(ここで、Rは、一般式:
−(CH2)3−C(=O)−(CH2)2−C(=O)−CH3、−(CH2)5−
C(=O)−(CH2)2−C(=O)−CH3、−(CH2)6−CH(OH)−
CH3または−(CH2)6−C(=O)−CH3の基である)。
本発明の一般式(I)の化合物の中でも好ましいものは、Rが:
である一般式(I)の化合物である。
更に、本発明は、FERM BP−4787の同定特徴を有する微生物、又は
その突然変異体もしくは組換え型を培養して成る、一般式(I)のフタリド化合
物を製造する方法を提供する。
また、本発明は、一般式(I)の化合物及び薬学的に許容される担体を含んで
成る、胃潰瘍、十二指腸潰瘍および胃癌を含む胃十二指腸疾患のようなヘリコバ
クター・ピロリが誘導する疾患、疾病又はそれにより引き起こされる有害な症状
の治療に用いる医薬組成物を提供する。
発明の詳細な説明
本発明に用いる微生物は、合衆国農務省の林産(Forest Produc
ts)研究所(Madison,ウィスコンシン州)から入手したファネロカエ
ーテ・ベルチナ(Phanerochaete velutina)FPL 5362の菌株である。こ
れは、1994年8月25日にブタペスト条約下で工業技術院微生物工業技術研
究所(日本、305、茨城県筑波市東1丁目1−3在)にFERM BP−47
87の寄託番号で寄託された。この菌株の分類学的性質は、Burdsall,H.H.Jr
.(Mycologia Memoir,10,133-139,1985)により報告されており、この菌株は
、担子菌類Phanerochaete velutinaであると述べられている。
本発明において、一般式(I)のフタリド化合物を生産する能力を有するFE
RM BP−4787の突然変異体または組換え型も用いることができる。突然
変異体または組換え型は、周知の方法により、自然突然変異、紫外線照射または
N−メチル−N´−ニトロ−N−ニトロソグアニジンもしくはメタンスルホン酸
エチルのような変異原物質を用いた処理による人為突然変異、または細胞融合、
遺伝子操作等のような細胞工学手法により得ることができる。
本発明によれば、一般式(I)のフタリド化合物は、発酵により生物活性化合
物を生産するのに通常用いるものと同様の条件下で、FERM BP−4787
又はその突然変異体もしくは組換え型の好気的発酵により生産することができる
。
FERM BP−4787又はその突然変異体もしくは組換え型は、通常、不
溶性物質および水性栄養培地を用いた固形培地上で発酵させる。不溶性物質の量
は、10から50%(w/v)の範囲であってもよい。発酵に有用な好適な不溶
性物質としては、砂、砕いた石、ウッドチップならびに、コムギのふすま、オー
トミール、砕いたトウモロコシ、キビの穀粒等のような全および破砕穀粒が挙げ
られる。本発明において、新規なフタリド化合物を産生するFERM BP−4
787の培養は、好ましくは、このような不溶性物質および水性栄養培地を用い
20から35℃の温度で3から30日間行う。培地のpHは、4.0から9.0
、好ましくは5.0から7.5の範囲に調整することができる。
発酵に有用な栄養培地は、糖類、デンプン類およびグリセロールのような同化
可能な炭素源;カゼイン、カゼインの酵素消化物、ダイズミール、綿実ミール、
落花
生ミール、コムギ グルテン、ダイズ粉、肉エキスおよび魚肉ミールのような有
機窒素源を含む。無機塩、塩化ナトリウムおよび炭酸カルシウムのような成長物
質源;ならびに鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、コバルトおよびマンガンのような
微量元素も用いることができ、有利な結果をもたらす。
FERM BP−4787又はその突然変異体もしくは組換え型は、規模なら
びに培地および温度のような発酵条件により変えることのできる15から40℃
の温度で3から25日間攪拌しながら深部好気性条件下で発酵させることもでき
る。FERM BP−4787は、好ましくは、水性栄養培地中で20から35
℃の温度で3から25日間このフタリド化合物を産生するように発酵させる。培
地のpHは、4.0から9.0、好ましくは5.0から7.5の範囲で調整する
ことができる。深部好気性条件に用いる栄養培地は、上記のものを含む。発酵中
に過剰な泡立ちに遭遇したならば、ポリプロピレングリコール類またはシリコー
ン類のような消泡剤を発酵培地に加えることができる。
このように産生したフタリド化合物は、抽出および種々のクロマトグラフィー
技法のような標準技法により単離することができる。
フタリド化合物、CJ−12,954、CJ−13,014、CJ−13,0
15、CJ−13,102、CJ−13,103、CJ−13,104およびC
J−13,108を、発酵混合物から実質的に純粋な形で単離し、UV分光光度
法、NMRおよび質量分析法のような種々の分光技法により同定した。分析によ
れば、これらの化合物は、以下の化学式を有すると考えられる。
本発明のフタリド化合物のヘリコバクター殺菌活性を、ペーパーディスク(8
mm、ADVANTEC社)およびBrucella寒天培地(BBL−Bec
ton Dickinson Microbiology Systems社)を
用いた寒天平板希釈法により測定した。フタリド化合物、CJ−12,954、
CJ−13,014、CJ−13,015、CJ−13,102、CJ−13,
103、CJ−13,104およびCJ−13,108は、ヘリコバクター殺菌
活性を示した。これらの化合物の中でもCJ−12,954およびCJ−13,
014は、特に高い活性を示した。上記の試験に用いたものと同等の濃度で、バ
シラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus Stearothermophilus)、ミクロコ
ッカス・ルテウス
(Micrococcus luteus)、スタヒロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aure
us)およびパスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolitica)のような他の微
生物に対し試験した場合、いずれのフタリド化合物もこれらの微生物に対し殺菌
活性を示さなかった。
よって、本発明の一般式(I)のフタリド化合物は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍お
よび胃癌を含む胃十二指腸疾患のようなヘリコバクター・ピロリが誘導する疾患
、疾病又はそれにより引き起こされる有害な症状の治療に有用である。哺乳類患
者、特にヒト患者におけるヘリコバクター殺菌薬としての用途には、本発明の一
般式(I)のフタリド化合物は、標準製薬慣習により、単独でまたは医薬組成物
中で不活性担体と共にのいずれかで投与することができる。本発明の一般式(I
)のフタリド化合物は、ラニチジン、シメチジン、ファモチジンもしくはニザチ
ニンのような適切なH2遮断薬、オメプラゾールのようなプロトンポンプ阻害物
質、アモキシシリンのような他の抗生物質又はそのいずれかの組み合わせと組み
合わせて投与することもできる。所望であれば、CBSも医薬組成物に加えるこ
とができる。化合物は、非経口または経口投与により供することができる。有効
成分は、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐剤、液剤、乳剤、懸濁剤および使用
に好適な他の形態のために、例えば、通常の非毒性の薬学的に許容される担体と
混合することができる。用いることのできる担体は、水、ブドウ糖、乳糖、アラ
ビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンペースト、三珪酸マグネシウム、
タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド珪酸、バレイショデンプン、尿素
および、製剤を製造する用途に適した他の担体である。更に、必要ならば、補助
剤、安定剤および着色剤ならびに香料を用いることができる。通常、本発明のフ
タリド化合物は、このような剤形中に5から70重量%、好ましくは10から5
0重量%の範囲の濃度水準で存在することができる。
本発明の一般式(I)のフタリド化合物は、0.01から20mg/kgの範
囲の投与量でヘリコバクター殺菌薬として哺乳類患者に用いることができる。特
定のケースに用いる投与量は、治療する疾患状況または症状、投与する個々の化
合物の効力、特定の患者の応答および投与経路のような多数の因子によって変わ
る。しかしながら、一般式(I)のフタリド化合物を、胃十二指腸疾患を治療す
るためにヒ
ト患者に用いる場合、通常の経口または非経口投与量は、1日につき1から4回
で、0.5から250mgおよび好ましくは5から250mgの範囲である。
実施例
本発明を以下の実施例により具体的に説明する。しかしながら、本発明がこれ
らの実施例の特定の細部に制限されるものではないことは当然のことである。分
光学的および理化学的データは、以下の装置により得た:UV、JASCO U
best−30;IR、Shimadzu IR−470;NMR、LSI−1
1/73ホストコンピューター、TH−5調整可能プローブおよびバージョン1
.6ソフトウェアを有する最新のJEOLJNM−GX270;ならびにLRE
I−およびHREI−MS、M−003データ処理システムを有するHitac
hi M−80。全てのNMRスペクトルは、特に断らない限りCDCl3中で測
定しており、ピークの位置は、7.24ppmでCHCl3の内部標準に基づき
百万分率(ppm)で表す。ピークの形状は、以下の通りに示す:s(一重)、
d(二重)、dd(二重の二重)、t(三重)、q(四重)、m(多重)、br
(幅広)、brs(幅広一重)およびsh(肩)。実施例1
麦芽寒天培地(麦芽エキス2.5%および寒天1.5%)上で生育したPhaner
ochaete velutina(FERM BP−4787)の10から21日を経たペトリ
皿から細胞を回収し、2mlの滅菌水に懸濁した。この懸濁液を、10mlの培
地−1(ブドウ糖2%、麦芽エキス2%、酵母エキス1.8%、麦芽糖2.4%
および寒天0.1%、pH5.4−5.6)を入れた50mlの試験管に接種す
るのに用いた。試験管を、28℃のシェーカー上で250rpmで7から21日
間インキュベートした。実施例2
実施例1の方法により得た細胞懸濁液(2ml)を用いて100mlの培地−
1を入れた500mlのフラスコ2本に接種した。フラスコを28℃で7日間イ
ンキュベートした。これらのフラスコを、150mlの培地−1を入れた15本
の500mlのフラスコ中に7.5ml接種するのに用いた。15本のフラスコ
内のこれらの種培養物を、0.5Lの培地−2(ブドウ糖1%、グリセロール3
%、ペプト
ン0.5%、NaCl 0.2%、寒天0.1%およびpH6.9−7.1)お
よび200gのオートミールを入れた15個の6Lの発酵容器中に100ml接
種するのに用いた。インキュベーションを28℃で14から28日間行った。実施例3
12本の振蕩フラスコ内の種培養物を、0.5または0.75Lの培地−1お
よび300gのコムギふすまを入れた12個の6Lの発酵容器中に100ml接
種するのに用いたことを除いては、実施例2の方法に従って発酵を行った。イン
キュベーションを28℃で14から28日間行った。実施例4
フタリド化合物の単離
実施例3の12個の6Lの発酵容器のそれぞれに、2Lのエタノールを加えた
。合わせたブロスを濾過し、濾液を水溶液(6L)に濃縮し、5Lの酢酸エチル
で3回抽出した。抽出液を無水Na2SO4上で乾燥し、蒸発させて油状残分(8
4.4g)を得た。油状残分をシリカゲルカラム上に供し、化合物を、酢酸エチ
ル−n−ヘキサン(1:3)(3L)、次いで、酢酸エチル−n−ヘキサン(1
:1)(3L)で溶出した。活性を示す画分をセファデックスLH−20(Ph
armacia社の商標)カラムに個別に供し、メタノールで溶出した。フタリ
ド化合物を含有する画分を、更に、Chemcosorb 5ODS−UH(C
hemco社の商標)カラム(20x250mm)に供し、10ml/分の流速
で120分間アセトニトリル−水(13:7)で溶出した。検出は、230nm
でのUV吸収により行った。
活性を示す溶出ピークを集めて化合物CJ−12,954(15.2mg)、
CJ−13,014(14.3mg)、CJ−13,015(7.8mg)、C
J−13,102(21.1mg)、CJ−13,103(4mg)、CJ−1
3,104(14.1mg)およびCJ−13,108(54mg)を得た。7
種の化合物を、YMCパックODS AM−302(Yamamura社の商標
)(150x4.6mmカラム)を用い40℃で1ml/分の流速で30分間メ
タノール−水(3:1)で溶出するHPLCにより分離した。分離した化合物の
保持時間(分)は、10.7(CJ−12,954)、11.4(CJ−13,
014)、22.
1(CJ−13,015)、11.0(CJ−13,102)、11.8(CJ
−13,103)、24.4(CJ−13,104)および20.9(CJ−1
3,108)であった。特徴付け
CJ−12,954、CJ−13,014、CJ−13,015、CJ−13
,102、CJ−13,103、CJ−13,104およびCJ−13,108
の理化学的性状は、以下の通りである。
CJ−12,954
無色ガラス状物質;[α]D 24+6.0°(c 0.07,CHCl3); HREI-MS(m/z)測定値
418.2355(C24H34O6から算定した理論値 418.2354); UV λmax(MeOH,nm)21
7.4(ε 30,000),257.6(ε 14,000)および290.6(ε 5,000); IR(KBr,cm-1
)2930,1754,1606,1489,1457,1433,1333,1214,1155,1105,1051,1027
,985,856,836および688; LREI-MS(m/z)418(2.7%,相対強度),403(1.0),40
0(1.2),385(2.4),374(4.9),363(4.8),361(16.1),320(33.1),318(7.8),30
7(6.5),303(3.5),279(5.3),278(8.8),207(22.8),194(29.6),193(80.6),1
77(6.1),165(12.2),141(100),112(21.3),85(68.1),55(29.1)および41(24.5
); 1HNMR δ 6.39(1 H,brs),6.38(1 H,brs),5.27(1 H,dd,J = 8.1,3.7 z
),4.08(1 H,m),3.93(3 H,s),3.90(1 H,m),3.87(3 H,s),2.05 〜 1.80(
7H,m),1.80 〜 1.55(4 H,m),1.55 〜 1.20(9 H,m)および1.27(3 H,d,J =
6.2 Hz); 13C NMR δ 168.5(s),166.6(s),159.6(s),155.2(s),114.2(s),10
6.9(s),98.6(d),97.3(d),79.9(d x 2),75.8(d),56.0(q),55.9(q),37.3(t
),36.5(t),36.1(t),34.8(t),32.6(t),30.7(t),29.4(t),29.3(t),25.9(t
),24.6(t)および23.0(q).
CJ−13,014
無色ガラス状物質;[α]D 24+71.2°(c 0.11,CHCl3); HREI-MS(m/z)測定値 4
18.2355(C24H34O6から算定した理論値 418.2354); UV λmax(MeOH,nm)217.
0(ε 34,000),257.8(ε 16,000)および290.4(ε 5,600); IR(KBr,cm-1)2930
,1753,1607,1489,1457,1432,1333,1214,1156,1100,1050,1027,916
,894,865,835および690; LREI-MS(m/z)418(3.7%,相対強度),403(1.2),40
0(1.7),385
(2.4),374(5.1),363(6.2),361(35.2),360(5.7),345(1.1),320(19.7),318
(8.6),307(8.6),303(4.2),279(4.4),278(7.9),207(24.0),194(28.0),193
(79.9),191(7.1),177(5.9),165(11.4),141(100),135(7.5),123(4.9),122
(6.4),112(24.4),84(54.4),67(7.8),57(10.6),56(15.8)および55(26.0); 1
H NMR δ 6.39(1 H,brs),6.38(1 H,brs),5.27(1 H,dd,J = 8.1,3.7 Hz),
4.16(1 H,m),4.01(1 H,m),3.93(3 H,s),3.87(3 H,s),2.15 〜 1.90(7 H
,m),1.65(1 H,m),1.55 〜 1.35(6 H,m),1.35 〜 1.25(6 H,m)および1.19
(3 H,d,J = 6.2 Hz); 13C NMR δ 168.5(s),166.6(s),159.6(s),155.2(s)
,114.7(s),106.9(s),98.6(d),97.3(d),79.9(d),78.1(d),74.0(d),56.0(
q),55.9(q),35.7(t),35.6(t x 2),34.8(t),32.2(t),30.2(t),29.4(t),
29.3(t),25.7(t),24.6(t)および21.1(q).
CJ−13,015
無色ガラス状物質;[α]D 25+25.6°(c 0.22,CHCl3); HREI-MS(m/z)測定値
418.2358(C24H34O6から算定した理論値 418.2354); UV λmax(MeOH,nm)217
.4(ε 32,000),257.6(ε 15,000)および290.4(ε 5,800); IR(KBr,cm-1)29
20,2850,1757,1697,1612,1599,1493,1465,1426,1412,1350(sh),1333
,1220,1197,1160,1096,1050,1023,835および689; LREI-MS(m/z)418(10
.3%,相対強度),400(11.8),375(3.8),347(18.2),320(11.4),305(70.0),207
(36.8),194(28.7),193(100),165(13.7),99(19.3)および43(32.3); 1H NMR
δ 6.39(1 H,brs),6.38(1 H,brs),5.27(1 H,dd,J = 8.1,3.7Hz),3.93(3
H,s),3.87(3 H,s),2.67(4 H,m),2.42(2 H,t,J = 7.5 Hz),2.17(3 H,
s),1.95(1 H,m),1.66(1 H,m),1.54(2 H,m),1.42(2 H,m)および1.24(10
H,brs); 13C NMR δ 209.7(s),207.4(s),168.6(s),166.6(s),159.5(s),15
5.2(s),106.7(s),98.6(d),97.3(d),80.0(d),55.9(q x 2),42.7(t),36.8(
t),36.0(t),34.8(t),29.9(q),29.2(t x 4),29.1(t),24.6(t)および23.7(t
)
CJ−13,102
無色ガラス状物質;[α]D 25+26.8°(c 0.81,CHCl3);HREI-MS(m/z)測定値
462.2620(C26H38O7から算定した理論値 462.2616); UV λmax(MeOH,nm)217
.0(ε 24,000),257.4(ε 11,000)および290.4(ε 4,000); IR(KBr,cm-1)292
5,2850,1754,1732,1606,1489,1460,1430,1356,1334,1239,1217,115
7,1102,1052,1027および835; LREI-MS(m/z)462(5.5%,相対強度),402(91.5
),363(47.9),345(43.2),207(39.0),194(29.7),193(100),165(13.3)および
43(66.0); 1H NMR δ 6.38(2 H,brs),5.26(1 H,dd,J = 7.7,3.7Hz),4.81(
1 H,m),3.91(3 H,s),3.86(3 H,s),2.42(2 H,t,J = 7.5 Hz),2.11(3 H
,s),2.00(3 H,s),2.00 〜 1.55(4 H,m),1.55 〜 1.30(4 H,m)および1.21
(12 H,brs); 13C NMR δ 208.0(s),170.9(s),168.5(s),166.6(s),159.6(s)
,155.2(s),106.9(s),98.6(d),97.4(d),79.9(d),73.5(d),55.9(q x 2),3
9.5(t),34.8(t),34.2(t),29.9(q),29.3(t x 4),29.2(t),27.9(t),25.2(t
),24.6(t)および21.1(q).
CJ−13,103
無色ガラス状物質;[α]D 25+26.0°(c 0.10,CHCl3);HREI-MS(m/z)測定値
446.2665(C26H38O6から算定した理論値 446.2666); UV λmax(MeOH,nm)216
.8(ε 26,000),257.4(ε 12,000)および290.0(ε 4,600); IR(KBr,cm-1)292
0,2845,1759,1699,1612,1599,1492,1463,1426,1412,1356,1332,122
0,1195,1160,1095,1047,1024,834および690; LREI-MS(m/z)446(18.5%,
相対強度),428(19.8),403(6.2),375(21.2),348(13.4),333(100),207(32.0
),194(25.1),193(69.6),165(8.8),99(13.7),71(9.7),55(109)および43(23
.4); 1H NMR δ 6.39(1 H,brs),6.38(1 H,brs),5.27(1 H,dd,J = 7.7,3.
7 Hz),3.93(3 H,s),3.87(3 H,s),2.66(4 H,m),2.42(2 H,t,J = 7.5Hz)
,2.16(3 H,s),1.94(1 H,m),1.64(1 H,m),1.52(2 H,m),1.41(2 H,m)お
よび1.22(14 H,brs).
CJ−13,104
無色ガラス状物質;[α]D 25+36.1°(c 0.41,CHCl3); HREI-MS(m/z)測定値
406.2713(C24H38O5から算定した理論値 406.2716); UV λmax(MeOH,nm)216
.4(ε 27,000),257.6(ε 12,000)および289.4(ε 4,400); IR(KBr,cm-1)291
5,2845,1755,1736,1611,1599,1493,1462,1426,1336,1220,1197,116
0,1097,
1052,1026,983,936,835および690; LREI-MS(m/z)406(1.2%,相対強度),38
8(21.2),362(93.1),207(53.9),194(35.6),193(100),165(13.5),55(16.5)
,45(39.6)および41(14.9); 1H NMR δ 6.38(2 H,m),5.26(1 H,dd,J = 7.7
,3.7 Hz),3.92(3 H,s),3.86(3 H,s),3.77(1 H,m),2.20(1 H,br),1.95
(1 H,m),1.65(1 H,m),1.50 〜 1.35(4 H,m),1.22(18 H,brs)および1.16(
3 H,d,J = 6.2 Hz); 13C NMR δ 168.5(s),166.6(s),159.6(s),155.2(s),
106.9(s),98.6(d),97.4(d),79.9(d),68.2(d),56.0(q),55.9(q),39.3(t)
,34.8(t),29.6(t x 5),29.5(t),29.4(t),29.3(t),25.7(t),24.6(t)およ
び23.4(q).
CJ−13,108
無色ガラス状物質;[α]D 25+44.8°(c 0.50,CHCl3); HREI-MS(m/z)測定値
404.2557(C24H36O5から算定した理論値 404.4559); UV λmax(MeOH,nm)217
.4(ε 30,000),257.2(ε 14,000)および290.2(ε 5,200);IR(KBr,cm-1)291
5,2845,1756,1707,1611,1600,1492,1464,1425,1355,1333,1219,119
5,1159,1099,1050,1023,995,974,833および690; LREI-MS(m/z)404(58.
7%,相対強度),347(81.5),207(43.8),194(31.1),193(100),165(13.4),58(1
5.5)および43(42.8); 1H NMR δ 6.36(2 H,brs),5.23(1 H,dd,J = 7.7,3.7
Hz),3.89(3 H,s),3.84(3 H,s),2.36(2 H,t,J = 7.3 Hz),2.07(3 H,s)
,1.91(1 H,m),1.64(1 H,m),1.50(2 H,m),1.38(2 H,m)および1.18(16 H
,brs); 13C NMR δ 209.3(s),168.4(s),166.6(s),159.5(s),155.1(s),106
.8(s),98.5(d),97.4(d),79.9(d),55.9(q),55.8(q),43.7(t),34.7(t),29
.7(q),29.4(t x 3),29.3(t x 3),29.2(t),29.0(t),24.5(t)および23.7(t)
.
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12P 17/18 C12P 17/18 D
//(C12P 17/04
C12R 1:645)
(C12P 17/18
C12R 1:645)
(72)発明者 小嶋 仲夫
愛知県名古屋市名東区社台3−153−1−
501