JPH1150597A - リラクセーションに優れた樹脂被覆pc鋼より線 - Google Patents

リラクセーションに優れた樹脂被覆pc鋼より線

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JPH1150597A
JPH1150597A JP22433197A JP22433197A JPH1150597A JP H1150597 A JPH1150597 A JP H1150597A JP 22433197 A JP22433197 A JP 22433197A JP 22433197 A JP22433197 A JP 22433197A JP H1150597 A JPH1150597 A JP H1150597A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆を有するPC鋼より線において、被覆工
程で加熱を行っても被覆後のリラクセーションが低い樹
脂被覆PC鋼より線とその製造方法を提供する。 【解決手段】 下記(A)の鋼より線に樹脂被覆を有す
る樹脂被覆PC鋼より線であって、 JIS G 3536 に規定
される低リラクセーション規格を満たす。 (A)重量%でC:0.75〜1.20%,Mn:0.
30〜0.90%を含み、かつ次の条件を満たす鋼より
線 0≦Si<0.8%のとき1.0+0.28Si−5.
84Si2 +4.91Si3 ≦Cr≦2.0%0.8≦
Si≦2.0%のとき 0≦Cr<≦2.0%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は橋梁・円形構造物な
どのプレストレストコンクリート構造物に使用される樹
脂被覆PC鋼より線や、法面などの補強に使用されるア
ンカー用樹脂被覆PC鋼より線に関するものである。特
に、リラクセーションに優れた樹脂被覆PC鋼より線に
関する。
【0002】
【従来の技術】斜張橋,エクストラドースト橋の斜材ケ
ーブルや外ケーブル工法にPC鋼より線を使用する場
合、PC鋼より線はコンクリートの内部に埋設されない
ため腐食環境下にさらされる。また、PC鋼より線をア
ンカー用に使用する場合、アンカーはセメントモルタル
で防食されているとはいえ、常に腐食環境下の土中にあ
ることになる。そのため、PC鋼より線に合成樹脂を被
覆して防食処理したものが提案されている。
【0003】PC鋼より線に合成樹脂を被覆する方法は
種々提案されており、例えば特公平3-28551 号,特許第
2597795 号,特許第2510442 号,特開平6-142595号,特
開平8-226191号公報に記載の技術が知られている。この
ような技術で使用されるPC鋼より線は、通常JIS G 35
02に規定されたピアノ線材にパテンティング処理を施し
て伸線加工し、さらに撚り加工した後、350〜400
℃程度でブルーイング処理またはホットストレッチ処理
したものである。そして、これらのいずれの技術もPC
鋼より線に合成樹脂を被覆するために、被覆工程の前後
においてPC鋼より線の再加熱処理(170〜350 ℃程
度)を行っている。これは、ブルーイング処理やホッ
トストレッチ処理時の温度が350〜400℃と高く、
このような温度では合成樹脂の劣化が起こり、鋼より
線の製造ラインの後に合成樹脂の被覆ラインを連結する
と非常に長尺のラインとなるためである。
【0004】一般にPC鋼より線の重要な品質特性とし
てリラクセーション特性が挙げられる。リラクセーショ
ン特性は構造物にPC鋼より線を配置・緊張してプレス
トレスを与えるとき、長時間経過後にプレストレスが減
少していく特性で、これが小さいほど有効なプレストレ
スが確保されることになる。そのため、最近では低リラ
クセーションのPC鋼より線が用いられることが多い。
特に防食が必要となる斜材用ケーブルは、桁の吊り材と
して用いる場合、リラクセーション自体が桁の吊り荷重
に影響を及ぼすため、低リラクセーションのPC鋼より
線が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、被覆される
前にホットストレッチ処理で低リラクセーション化した
PC鋼より線を用いても樹脂被覆の形成時にPC鋼より
線を再加熱するとリラクセーションが大きくなることが
わかった。
【0006】ホットストレッチ処理を施してJIS G 3536
の低リラクセーション規格(1000時間で2.5%以
下,10時間で0.3〜0.7%程度)を満たすPC鋼
より線に種々温度の異なる加熱処理を行い、加熱処理後
の常温におけるリラクセーションの変化を調査した結果
を図1に示す。また、ホットストレッチ処理を施さずに
ブルーイング処理を施してJIS G 3536の普通リラクセー
ション規格(1000時間で8.0%以下,10時間で
1.0〜1.5%程度)を満たすPC鋼より線にも同様
の加熱処理を行い、加熱処理後の常温におけるリラクセ
ーションの変化も併せて図1に示す。
【0007】ホットストレッチ処理されたものでは、加
熱前のPC鋼より線のリラクセーションが10Hrで0.
6%であったのに対し、加熱温度の上昇に伴ってリラク
セーションが大きくなることがわかる。すなわち、15
0℃位からリラクセーションが大きくなり始め、200
〜250℃程度の加熱で1.5〜2.0%になる。これ
は被覆処理しない普通リラクセーションのPC鋼より線
と同等かそれより大きい値である。さらに高温になると
リラクセーション値は普通リラクセーションの規格より
かなり大きくなるが、300〜400℃程度で飽和する
ことがわかる。
【0008】また、ブルーイング処理されたものでは、
同様に150℃位からリラクセーションが大きくなり、
250℃前後の加熱でさらに大きくなることがわかる。
もちろんこの場合は加熱前のリラクセーションが普通リ
ラクセーションの規格であるため、加熱すれば普通リラ
クセーションの規格よりもさらに大きくなる。
【0009】従って、本発明の主目的は、樹脂被覆を形
成した後においてもリラクセーション値が低い被覆PC
鋼より線とその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
消するもので、その特徴は、下記の(A)の化学成分の
鋼より線に樹脂被覆を有する樹脂被覆PC鋼より線であ
って、JIS G 3536に規定される低リラクセーション規格
を満たすことにある。 (A)重量%でC:0.75〜1.20%,Mn:0.
30〜0.90%を含み、かつ次の条件を満たす鋼より
線 0≦Si<0.8%のとき、1.0+0.28Si−
5.84Si2 +4.91Si3 ≦Cr≦2.0%0.
8≦Si≦2.0%のとき、 0≦Cr<≦2.0%
【0011】ここで、JIS G 3536に規定されるリラクセ
ーション規格とは、低リラクセーションが1000時間
で2.5%以下,普通リラクセーションが1000時間
で8.0%以下をいう。ただし、1000時間の測定は
長時間になるため、10時間の測定結果で目安をつける
ことが多い。その場合、低リラクセーションで0.3〜
0.7%程度、普通リラクセーションで1.0〜1.5
%程度を示す。
【0012】上記のリラクセーションの測定は、常温で
試験片を適当な間隔でつかみ、載荷速度を1分間に20
0N/mm2 として規格引張荷重の70%に相当する荷重を
かけ、その荷重を120±2秒保持した後、1000時
間つかみ間隔を保持して荷重の減少を測定することで行
う。
【0013】PC鋼より線に施される樹脂被覆は、各
素線の全周に施す、鋼より線全体の外周を覆うと共に
各素線の隙間にも樹脂を充填することが好ましい。
【0014】また、本発明樹脂被覆PC鋼より線の製造
方法は、下記(A)の化学成分の鋼より線にブルーイン
グ処理またはホットストレッチ処理を施す工程と、その
PC鋼より線を150〜350℃に加熱して樹脂被覆を
施す工程とを具えることを特徴とする。 (A)重量%でC:0.75〜1.20%,Mn:0.
30〜0.90%を含み、次の条件を満たす鋼より線 0≦Si<0.8%のとき、1.0+0.28Si−
5.84Si2 +4.91Si3 ≦Cr≦2.0%0.
8≦Si≦2.0%のとき、 0≦Cr<≦2.0%
【0015】この製造方法において、鋼より線を加熱し
て樹脂被覆する前にブルーイング処理またはホットスト
レッチ処理を施すことが望ましい。被覆する樹脂として
は、エポキシ樹脂やポリエチレン樹脂などがある。
【0016】上記の本発明における鋼より線の化学成分
の限定理由は次の通りである。Cは強度を上げるために
有効でかつ経済的な元素である。Cの含有量を上げるに
伴いパテンティング後の強度・伸線加工硬化量が増大す
るが、JIS G 3536に規定されたPC鋼線,PC鋼より線
の引張強度を満足させるために0.75%を下限とす
る。一方、Cの含有量が多くなると、中心部に初析セメ
ンタイトが発生しやすくなることによって伸線加工性が
劣るため上限を1.20%とした。
【0017】SiとCrの各々は鋼線,鋼より線の表面
に合成樹脂を被覆する際の再加熱温度でリラクセーショ
ンが上昇することを抑える効果を有する。一方、Siの
含有量が多くなると圧延,伸線時に鋼線表面に傷ができ
やすくなる。また、Crの含有量が増えるとパテンティ
ング時に鋼線の中心部にマルテンサイトが発生しやすく
なるが、マルテンサイトの発生は伸線加工性を劣化させ
ない程度に抑える必要がある。これらの点を考慮してS
iとCrの含有量を規定した。
【0018】Siのみが含まれてCrが含まれないとき
は、前記の効果と不都合との調和の観点から、Siの下
限は0.8%、上限は2.0%である。Crのみが含ま
れてSiが含まれないときは、同様の理由により、Cr
の下限は1.0%、上限は2.0%となる。そして、S
iとCrの双方が含まれているときも同様の理由によ
り、両者の合計上限は4.0%とした。なお、SiとC
rの双方が含まれているときのSiとCrの含有量の一
例としては、Si:0.15〜0.35%,Cr:1.
0〜2.0%が挙げられる。
【0019】MnはJIS G 3536に規定された含有量であ
る0.3%〜0.9%を適性範囲とした。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (試験例1)表1に示す化学成分の材料をパテンティン
グ処理した後に酸洗いし、伸線して素線を得て、この素
線をより合わせて370℃の温度で張力を負荷させなが
らブルーイング処理(いわゆるホットストレッチ処理)
を行ってPC鋼より線を得た。ホットストレッチ処理後
(被覆前)におけるリラクセーション値は低リラクセー
ションの規格を満たしている。
【0021】
【表1】
【0022】このPC鋼より線に次の(1) 〜(3) の被覆
処理を行い、被覆材1〜被覆材3を製造した。
【0023】(1) 被覆材1 PC鋼より線の表面をブラスト処理や酸洗いなどにより
全面を脱脂・粗面化して水洗いし、高周波誘導加熱によ
り200℃で10秒間加熱する。その後、一旦よりをほ
どいてからエポキシ樹脂を静電粉体塗装により被覆し、
同樹脂が固化しないうちによりを戻して、さらに150
℃の保温炉を通して樹脂を硬化させる。
【0024】(2) 被覆材2 PC鋼より線の表面をブラスト処理や酸洗いなどにより
全面を脱脂・粗面化して水洗いし、高周波誘導加熱によ
り300℃で10秒間加熱する。その後、溶融ポリエチ
レンを加圧状態で蓄えたタンク内にPC鋼より線を挿通
して被覆を形成する。
【0025】(3) 被覆材3 高周波誘導加熱による加熱温度を250℃とした点を除
いて被覆材1と同様の処理を行う。
【0026】以上の(1) 〜(3) の処理により、PC鋼よ
り線の外周を合成樹脂で覆うと共に、各素線の隙間にも
樹脂が充填された状態の被覆PC鋼より線を得た。な
お、素線同士の接触点には樹脂が介在されていない。そ
してこれらのPC鋼より線についてリラクセーション試
験(10Hr)を行った。その結果を表2に示す。なお、
被覆材1の一部については1000Hrのリラクセーショ
ン値も併せて示す。
【0027】
【表2】
【0028】<被覆材1についての評価>ホットストレ
ッチ処理後の(被覆前の)供試材HST のリラクセーショ
ン値(10Hr) は0.56%と0.45%(2つのデー
タを測定)であったが、表2に示すように、供試材HST
では同1.3%と普通リラクセーションの規格値と同程
度に大きくなっている。
【0029】一方、Si,Crの含有量を高めた供試材
HS-1〜HSC-5 はリラクセーションが改善されていること
がわかる。供試材HS-1〜5,HCR-1〜5 において、Si,
Crの各々の含有量が0.6%程度のもの(HS-1,HCR-1)
は低リラクセーションの規格値までは改善されていない
が、同0.9%では低リラクセーションの規格値と同レ
ベルになっている。また、Si+Crの合計含有量を変
えたHSC-1〜5 は、この合計含有量が0.65%程度(HS
C-1) では低リラクセーションの規格値まで改善できな
いが、0.9%程度(HSC-2) 以上では低リラクセーショ
ンの規格値と同レベルとなっている。さらに、1000
Hrのリラクセーション値でも10Hrのリラクセーション
値と同様に低リラクセーションの規格を満たしているこ
とがわかる。
【0030】<被覆材2についての評価>供試材HST で
はリラクセーション値が2.6%と普通リラクセーショ
ンの規格値より大きくなっている。
【0031】一方、Si,Crの各々の含有量を変えた
供試材HS-1〜5,HCR-1〜5 において、Si,Crの各々
の含有量が0.6%や0.9%程度のもの(HS-1,2,HCR-
1,2)は低リラクセーションの規格値までは改善されてい
ないが、同1.2%程度では低リラクセーションの規格
値と同レベルになっている。また、Si+Crの合計含
有量を変えたHSC-1〜5 は、この合計含有量が0.65
%や0.91%(HSC-1,2) では低リラクセーションの規
格値まで改善できないが、1.25%以上では低リラク
セーションの規格値と同レベルとなっている。
【0032】<被覆材3についての評価>被覆材3での
供試材HST のリラクセーションは1.9%となってお
り、被覆材2ほどではないが普通リラクセーションの規
格を上回る値を示している。
【0033】一方、Si,Crの各々の含有量を変えた
供試材HS-1〜5,HCR-1〜5 において、Siが0.6%程
度のHS-1,Crが0.9%までのHCR-1,2 は低リラクセ
ーションの規格値までは改善されていないが、各々Si
が0.9%,Crが1.18%になると低リラクセーシ
ョンの規格値と同レベルになっている。また、Si+C
rの合計含有量を変えたHSC-1〜5 は、この合計含有量
が0.65%(HSC-1)では低リラクセーションの規格値
まで改善できないが、0.91%以上では低リラクセー
ションの規格値と同レベルとなっている。
【0034】(試験例2)さらに、上記供試材HS-1〜HS
C-5 についてSiおよびCrの含有量と被覆材の種類
(再加熱温度の違い)とによってリラクセーションがど
のように変化するかを調べた。その結果を図2〜図4に
示す。図2〜図4に示すように、SiまたはCrの増加
およびSi+Crの増加に伴いリラクセーションが小さ
くなることがわかる。
【0035】また、被覆材1〜3は合成樹脂を被覆する
ときのPC鋼より線の加熱温度が異なるが、被覆時の加
熱温度とSi含有量によってリラクセーションがどのよ
うに変化するかも調べた。その結果を図5に示す。図5
に示すように、加熱温度が200℃程度のときはSiが
0.8%程度以上含まれ、250℃程度のときはSiが
1.0%以上含まれ、300℃のときはSiが1.2%
程度以上含まれていれば低リラクセーションの規格を満
たすことがわかる。通常、PC鋼より線に樹脂被覆を施
す場合には150℃以上に加熱するので、被覆時の加熱
温度に応じて上記のようにSiの含有量を調整すれば、
低リラクセーションの規格を満たすことができる。これ
らの効果は、CrまたはSi+Crを含有させたときも
ほぼ同様のことがいえる。ただし、Crの添加による低
リラクセーション化の効果に比べてSiの添加による効
果の方がやや大きい。
【0036】以上の結果を整理して、低リラクセーショ
ンの規格値を満たすSiとCrの含有量の関係を調べて
みた。その結果を図6に示す。同図中における曲線は、 Cr=1.0+0.28Si−5.84Si2 +4.9
1Si3 で表される。
【0037】従って、0≦Si<0.8%のとき、1.
0+0.28Si−5.84Si2+4.91Si3
Cr≦2.0%を満たし、0.8≦Si≦2.0%のと
き、0≦Cr<≦2.0%を満たすことで低リラクセー
ションの樹脂被覆PC鋼より線を得ることができる。
【0038】(試験例3)次に、合成樹脂を被覆する前
のリラクセーション値が普通リラクセーションの規格で
あるPC鋼より線にSi,Crを増量した場合に、被覆
後のリラクセーションがどのようになっているかを調べ
た。
【0039】表1の供試材HST,HS-3,HCR-3と同等の化学
成分を有する材料をパテンティング処理した後に酸洗い
し、伸線して素線を得て、この素線をより合わせて37
0℃の温度でブルーイング処理を行ってPC鋼より線を
得た。
【0040】このPC鋼より線の表面をブラスト処理や
酸洗いなどにより全面を脱脂・粗面化して水洗いし、高
周波誘導加熱により300℃で10秒間加熱する。そし
て、一旦よりをほどいてからエポキシ樹脂を静電粉体塗
装により被覆し、同樹脂が固化しないうちによりを戻し
て、さらに150℃の保温炉を通して樹脂を硬化させ、
樹脂被覆PC鋼より線を得た(被覆材4)。得られた樹
脂被覆PC鋼より線のリラクセーション(10Hr)を表
3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】被覆を施す前のHST のリラクセーション値
は1.2%,1.3%(いずれも10Hr/2つのデータ
を測定)、4.5%(1000Hr)であったのに対し、
被覆後のPC鋼より線でSi,Crを増量したものは低
リラクセーションの規格を満たしていることがわかる。
【0043】前述の試験例1の結果と併せれば、被覆前
のリラクセーション値がホットストレッチ処理を施して
低リラクセーションの規格を満たしているものでも、ブ
ルーイング処理だけで普通リラクセーションの規格を満
たしているものでも、被覆後において低リラクセーショ
ンの規格を満たしていることがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、Si,Crの添加
量を増やすことで、PC鋼より線に被覆を施す際に加熱
処理を行っても被覆後のPC鋼より線が低リラクセーシ
ョンの規格を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆時の加熱温度とリラクセーションの関係を
示すグラフ。
【図2】Siの含有量とリラクセーションの関係を示す
グラフ。
【図3】Crの含有量とリラクセーションの関係を示す
グラフ。
【図4】Si+Crの含有量とリラクセーションの関係
を示すグラフ。
【図5】被覆時の加熱温度とリラクセーションの関係を
示すグラフ。
【図6】低リラクセーションの規格を満たすSiとCr
の含有量の関係を示すグラフ。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 慎一 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)の鋼より線に樹脂被覆を有す
    る被覆PC鋼より線であって、 JIS G 3536に規定される低リラクセーション規格を満た
    すことを特徴とするリラクセーションに優れた樹脂被覆
    PC鋼より線。 (A)重量%でC:0.75〜1.20%,Mn:0.
    30〜0.90%を含み、かつ次の条件を満たす鋼より
    線 0≦Si<0.8%のとき、 1.0+0.28Si−5.84Si2 +4.91Si
    3 ≦Cr≦2.0%0.8≦Si≦2.0%のとき、 0≦Cr<≦2.0%
  2. 【請求項2】 樹脂被覆は鋼より線の各素線の全周に施
    されていることを特徴とする請求項1記載のリラクセー
    ションに優れた樹脂被覆PC鋼より線。
  3. 【請求項3】 樹脂被覆は鋼より線の各素線の間に充填
    されていることを特徴とする請求項1記載のリラクセー
    ションに優れた樹脂被覆PC鋼より線。
  4. 【請求項4】 下記(A)の鋼より線にブルーイング処
    理またはホットストレッチ処理を施す工程と、 得られた鋼より線を150〜350℃に加熱して樹脂被
    覆を施す工程とを具えることを特徴とするリラクセーシ
    ョンに優れた樹脂被覆PC鋼より線の製造方法。 (A)重量%でC:0.75〜1.20%,Mn:0.
    30〜0.90%を含み、かつ次の条件を満たす鋼より
    線 0≦Si<0.8%のとき、 1.0+0.28Si−5.84Si2 +4.91Si
    3 ≦Cr≦2.0%0.8≦Si≦2.0%のとき、 0≦Cr<≦2.0%
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