JP2941162B2 - 防錆被覆めっきpc鋼材の製造方法 - Google Patents

防錆被覆めっきpc鋼材の製造方法

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JP2941162B2 JP6038250A JP3825094A JP2941162B2 JP 2941162 B2 JP2941162 B2 JP 2941162B2 JP 6038250 A JP6038250 A JP 6038250A JP 3825094 A JP3825094 A JP 3825094A JP 2941162 B2 JP2941162 B2 JP 2941162B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緊張材としてコンクリ
ートに埋設してプレストレストを導入する防錆被覆めっ
きPC鋼材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のPC鋼材は、JIS規格に定めら
れているように金属素地が露出した被覆なしの裸材料で
ある。PC鋼材はコンクリートに埋設して用いられるた
め、通常の場合はその防錆対策を考慮する必要がない。
しかし、自動車用や鉄道用等の橋梁では長期間の使用に
伴いコンクリートにひび割れが発生し、これが徐々に進
行して雨水等が浸透し、内部のPC鋼より線を腐食させ
て橋を劣化させる現象が特に塩害地域において顕著に生
じている。このためPC鋼材においても防錆対策が種々
検討されている。
【0003】また、永久アースアンカーのテンドン(緊
張材)としてPC鋼より線が多用されているが、永久ア
ースアンカーのテンドンとしてもっとも重要なことは、
PC鋼より線を如何に防食するかである。このためそれ
ぞれのシステム毎に手間の掛かる防錆処理を施してお
り、テンドンの組み立てに高いコストが掛かっているの
が現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】防錆対策として最も普
通に考えられる方法はPC鋼材に亜鉛又は亜鉛合金めっ
きを施すことである。しかしながら、亜鉛系めっきがコ
ンクリートに接触すると、コンクリート中に含まれる成
分とめっき成分とが反応して水素脆性を生じてPC鋼線
が脆化し、断線を生じるおそれがあり、最悪の場合には
構造物の崩壊事故に結び付く危険性がある。このため、
安易にPC鋼材に対して亜鉛めっきを採用することはで
きない。
【0005】本発明はこのような点に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、安全性が高
く、かつ錆にくく長寿命の防錆被覆めっきPC鋼材の製
造方法を提供することにある。
【0006】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る防錆被覆め
っきPC鋼材の製造方法は、鋼線に亜鉛めっき又は亜鉛
合金めっきを施し、複数本のめっき鋼線を撚り合わせて
鋼より線とし、この鋼より線をブルーイング処理し、さ
らに鋼より線を耐圧容器内に収納し、耐圧容器内の空気
を排気して減圧し、この減圧状態で耐圧容器内に前記鋼
より線が埋没するまで液状の熱硬化性樹脂を注入し、こ
の注入後に耐圧容器内を常圧に戻し、次に耐圧容器内に
空気を圧送して前記熱硬化性樹脂を加圧し、この加圧
後、耐圧容器から鋼より線を引き出し、この鋼より線に
付着している熱硬化性樹脂を硬化させることを特徴とす
る。
【0008】
【作用】本発明に係る防錆被覆めっきPC鋼材の製造方
においては、亜鉛系めっき鋼より線をブルーイングし
た後に、熱硬化性樹脂を被覆する。内部歪みや残留応力
をブルーイングにより除去して鋼より線のリラクゼーシ
ョンを十分に高めた後に樹脂被覆するので、鋼より線に
強固に密着した剥離し難い樹脂被覆層が得られる。ま
た、減圧状態で耐圧容器内に鋼より線が埋没するまで液
状の樹脂を注入し、この注入後に耐圧容器内を常圧に戻
し、次に耐圧容器内に空気を圧送して樹脂を加圧するの
で、鋼より線に対する樹脂の食い込みが大きくなり、樹
脂層が鋼より線から容易に剥落しなくなる。とくに熱硬
化性樹脂は熱可塑性樹脂に比べて加熱下における流動性
がはるかに低いので、これを大気圧下で被覆すると樹脂
の鋼より線に対する密着度が不足しやすくなるが、本発
明方法では減圧および加圧により鋼より線に対する密着
度が飛躍的に増大する。 このようにして製造されたPC
鋼材は、熱硬化性樹脂からなる防錆被覆層で亜鉛又は亜
鉛合金からなる金属めっき層を覆っているので、金属め
っき層はコンクリートと直接に接触せず、コンクリート
中に含まれる成分とめっき成分との反応が起こらず、水
素脆性が有効に防止される。また、金属めっき層と熱硬
化性樹脂被覆層との多重防錆であるので、たとえ熱硬化
性樹脂被覆層にピンホール等の欠陥が存在する場合であ
っても長時間にわたり錆を生じない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図3において、符号1は耐圧容器を示し
てあり、この耐圧容器1内に長尺の例えば7本より又は
19本よりのPC鋼より線aがリール2に巻き付けられ
た状態で収納されている。
【0010】リール2は図4に示すように、一対のフラ
ンジ3,3間に丸棒、異形棒、パイプ等からなる複数本
の連結ロッド4を架設してなり、PC鋼より線aが前記
各連結ロッド4…の外周側に巻き付けられ、耐圧容器1
内に注入される液状の合成樹脂とPC鋼より線aとが良
好に接触するように構成されている。
【0011】そしてこのリール2はホルダー5を介して
着脱可能に支持されており、耐圧容器1の上面にこのリ
ール2の出し入れ用の開口部6が形成され、この開口部
6が気密蓋7により開閉可能に密閉されている。
【0012】耐圧容器1には、樹脂注入管10、樹脂排
出管11、減圧管12、加圧管13がそれぞれ接続さ
れ、これら各管10,11,12,13にそれぞれ開閉
弁10a,11a,12a,13aが設けられている。
また耐圧容器1の一側面に圧力調整口14が形成され、
この圧力調整口14に圧力調整弁14aが設けられてい
る。
【0013】次に、図1及び図2を参照しながら第1及
び第2の実施例に係る防錆被覆めっきPC鋼より線を製
造する場合について説明する。線材aとしてJIS規格
G3536に定められた鋼線を用いる。鋼線の初期径は
10mmである。このような線材aを、パテンティング
工程S1においてA3変態点(850〜930℃)に加
熱してオーステナイト化した後に、溶融鉛浴(500〜
600℃)中に焼き入れ、強度と靭性を兼ね備え伸線に
最適なソルバイト組織とする。次いで、洗線工程S2に
おいて、線材aを、例えば希塩酸(60℃)に浸漬して
その表面の酸化物を除去する。さらに伸線工程S3にお
いて、伸線ダイスにより冷間で数回引き抜き加工をし
て、目標の線径(約4mm)およびPC鋼材として必要
な強度と靭性を有する芯線a1と側線a2を得る。
【0014】次に、芯線a1および側線a2をそれぞれ
めっき処理する。第1実施例の各めっき処理工程S4,
S5においては芯線a1および側線a2を溶融亜鉛浴に
浸漬し、所望厚さの亜鉛めっき層31を形成する。一
方、第2実施例の各めっき処理工程S4,S5において
は芯線a1および側線a2を溶融亜鉛−アルミニウム浴
に浸漬し、所望厚さの亜鉛アルミニウム合金めっき層3
1を形成する。いずれの場合も、めっき付着量が300
g/m2 以上になるように調整することが望ましい。め
っき層31は必ずしも亜鉛めっき及び亜鉛アルミニウム
合金めっきのみに限られず、亜鉛系合金のめっきであれ
ばいずれであってもよい。
【0015】なお、第2実施例の亜鉛アルミニウム合金
めっき方法については特願平3−348540号および
特開平5−156418号公報などに記載されている。
すなわち、前処理として鋼線を450℃の溶融鉛浴で脱
脂し、塩酸溶液により酸洗後、水酸化ナトリウム溶液中
でアルカリ電解洗浄し、高圧水流を吹き付けて水洗す
る。次いで、ZnCl2 −SnCl2 −KCl系フラッ
クスを用いてpH0.6で温度68℃の条件で鋼線をフ
ラックス処理し、熱風乾燥後、溶融亜鉛−アルミニウム
合金めっき浴に浸漬する。めっき浴温度は約428℃、
合金中のアルミニウム濃度は3.6〜6.4重量%であ
る。
【0016】めっきされた芯線a1および側線a2をリ
ールに巻取り、これらのリールをチューブラ型撚り線機
に装着する。そして撚合工程S6において、6本の側線
a2を芯線a1に撚り合わせ、7本撚りのより線a3と
する。次いで、ブルーイング工程S7において、より線
a3を250〜350℃の温度域に加熱し、加工歪みを
除去する。
【0017】次に、樹脂被覆工程S8において、より線
a3に樹脂層33を被覆して最終製品a5を得る場合に
ついて説明する。減圧管12の開閉弁12aを開け、真
空ポンプ(図示せず)の駆動により耐圧容器1内の空気
を減圧管12を通して排気し、耐圧容器1内を0.1気
圧以下に減圧し、この状態を1分間以上保持する。これ
によりPC鋼より線3aの内部の空気がほぼ完全に除去
される。
【0018】この後、耐圧容器1内の真空減圧状態を維
持したまま、樹脂注入管10の開閉弁10を開き、この
樹脂注入管10を通して耐圧容器1内に液状の合成樹脂
を、リール2に巻かれたPC鋼より線aの全体が完全に
埋没するまで注入する。
【0019】この注入する合成樹脂としては、以下のよ
うな条件を満たす熱硬化性樹脂を用いる。 a.隙間浸透性がよく、適度な粘性を有すること。
【0020】b.硬化時間が短いこと。 c.鋼より線のワイヤとの接着性がよく、適当な柔軟性
を有していること。 d.耐薬品性、耐久性に優れること。
【0021】e.コンクリートとの密着性がよく、大き
な接着力を有すること。 f.作業性、取扱性、環境性に優れていること。 例えば被覆用の合成樹脂としては液状エポキシ系樹脂が
適している。
【0022】耐圧容器1内に所定量の合成樹脂を注入し
た後には、圧力調整口14の圧力調整弁14aを開き、
耐圧容器1内の圧力を常圧に戻す。この後、加圧管13
の開閉弁13aを開き、コンプレッサ(図示せず)の駆
動により加圧管13を通して耐圧容器1内に空気を圧送
し、この空気で耐圧容器1内の合成樹脂を加圧する。こ
の加圧力としては、合成樹脂の種類によって異なるが2
〜10気圧程度を基準とする。
【0023】この加圧により、耐圧容器1内に配置する
PC鋼より線aの内部に合成樹脂が浸透する。PC鋼よ
り線3aの内部は、予めほぼ真空状態に保たれており、
したがってこのPC鋼より線3aの内部の各部に合成樹
脂が確実かつ緻密に浸透して充満する。
【0024】この後、耐圧容器1内を常圧に戻し、この
状態でリール2に巻かれているPC鋼より線3aを耐圧
容器1内から順次引き出し、このPC鋼より線3aを絞
り部15に導入し、この絞り部15においてPC鋼より
線3aの表面に付着している合成樹脂の付着形態および
その被膜厚さを調整する。
【0025】さらにこのPC鋼より線3aを加熱炉16
に導入し、この加熱炉16によりPC鋼より線3aに付
着している熱硬化性樹脂を適温に加熱して硬化させ、こ
の後、 PC鋼より線3aガイドローラ17を通して巻
取りドラム18で順次巻き取る。加熱炉16ではPC鋼
より線3aに付着した熱硬化性樹脂を適温に加熱するこ
とができ、したがってその熱硬化性樹脂の熱による劣化
を招くようなことがない。
【0026】
【0027】ここで、上記実施例の具体的な条件を下記
に示す。 [実施例1(亜鉛めっき)] (1)供試PC鋼より線 7本より線 直径12.7mm (2)亜鉛めっき付着量 300±30g/m2 (3)使用樹脂 液状エポキシ系樹脂 (4)注入圧力×時間 5kgf/cm2 ×3分 (5)硬化時間×時間 130℃×10分 この条件でPC鋼より線の防錆処理を施したときにおけ
るその性能の試験の結果を示すと次の通りである。
【0028】 (6)樹脂の平均膜圧 0.5mm(内部充填率100%) (7)塩水噴霧試験(1000時間) 発錆なし、内部への塩水侵入なし (8)水素脆性試験 脆化なし [実施例2(亜鉛アルミニウム合金めっき)] (1)供試PC鋼より線 7本より線 直径12.7mm (2)亜鉛アルミニウム合金めっき付着量 300±30g/m2 (3)使用樹脂 液状エポキシ系樹脂 (4)注入圧力×時間 5kgf/cm2 ×3分 (5)硬化時間×時間 130℃×10分 この条件でPC鋼より線の防錆処理を施したときにおけ
るその性能の試験の結果を示すと次の通りである。
【0029】 (6)樹脂の平均膜圧 0.5mm(内部充填率100%) (7)塩水噴霧試験(1000時間) 発錆なし、内部への塩水侵入なし (8)水素脆性試験 脆化なし 上記の塩水噴霧試験は、JIS規格に定められたものに
準拠した。
【0030】上記の水素脆性試験は、顕微鏡下でミクロ
組織を800倍の視野で10箇所につき観察し、ボイド
やクラックなどの痕跡が認められなければ合格とし、ボ
イドやクラックなどの痕跡が認められれば不合格とし
た。
【0031】塩水噴霧試験及び水素脆性試験ともに樹脂
層33のみを部分除去(切り欠き)したものについても
行なった。PC鋼より線a5に対してピッチ間隔1mお
きに樹脂層33を切り欠き、これを用いてプレテンショ
ン桁(固定具を使わないでプレストレストを加えておい
て中央部分にコンクリートを打設する工法)を作製し
た。コンクリート埋設部分の長さを10mとし、両端部
分をそれぞれ1mずつコンクリートから突出させた。
【0032】このようなプレテンション桁を屋外に1年
間放置して暴露試験したところ、切り欠き部において錆
の発生は健全部と同様に認められなかった。また、水素
脆性試験では樹脂層除去部位の表層のみに若干の脆化が
認められたが、内部への進行は認められなかった。
【0033】このような防錆処理を施したPC鋼より線
aは、種々の用途に用いることができるが、その代表的
な例としては、PCコンクリート橋や永久アースアンカ
ーへの応用を挙げることができる。
【0034】自動車用や鉄道用等の橋には、一般にPC
コンクリートが用いられているが、長期の使用に伴いコ
ンクリートにひび割れが発生し、これが徐々に進行して
雨水等が浸透し、内部のPC鋼より線を腐食させて橋を
劣化させる現象が特に塩害地域において顕著に生じてい
る。このようなPCコンクリート橋に本発明を適用した
PC鋼より線を用いれば、その発錆、腐食を確実に防止
して橋の耐久性を向上させることが可能となる。
【0035】また永久アースアンカーのテンドン(緊張
材)としてPC鋼より線が多用されているが、永久アー
スアンカーのテンドンとしてもっとも重要なことは、P
C鋼より線を如何に防食するかである。このためそれぞ
れのシステム毎に手間の掛かる防錆処理を施しており、
テンドンの組み立てに高いコストが掛かっているのが現
状であるが、本発明を適用したPC鋼より線を用いるこ
とにより、テンドンの組み立てをきわめて容易にかつ低
コストで実施することが可能となる。
【0036】なお、本発明は、PC鋼より線を対象とす
る場合に限らず、ワイヤやロッドなどのPC鋼材にも同
様に適用することができるものである。次に、図5及び
図6を参照しながら第3及び第4の実施例に係る防錆被
覆めっきPC鋼より線を製造する場合について説明す
る。 [実施例3(亜鉛めっき)] [実施例4(亜鉛アルミニウム合金めっき)]線材a
を、パテンティング工程S11においてA3 変態点(8
50〜930℃)に加熱してオーステナイト化した後
に、溶融鉛浴(500〜600℃)中に焼き入れ、強度
と靭性を兼ね備え伸線に最適なソルバイト組織とする。
次いで、洗線工程S12において、線材aを、例えば希
塩酸(60℃)に浸漬してその表面の酸化物を除去す
る。さらに伸線工程S13において、伸線ダイスにより
冷間で数回引き抜き加工をして、目標の線径(約4m
m)およびPC鋼材として必要な強度と靭性を有する芯
線a1と側線a2を得る。
【0037】次に、芯線a1および側線a2をそれぞれ
めっき処理する。実施例3のめっき処理工程S14,S
16においては、芯線a1および側線a2を溶融亜鉛浴
に浸漬し、所望厚さの亜鉛めっき層31を形成する。実
施例4のめっき処理工程S14,S16においては、芯
線a1および側線a2を溶融亜鉛−アルミニウム浴に浸
漬し、所望厚さの亜鉛アルミニウム合金めっき層31を
形成する。いずれの場合も、めっき付着量が300g/
2 以上になるように調整することが望ましい。
【0038】次に、上記の加圧樹脂被覆装置を用いて芯
線a1および側線a2に樹脂をそれぞれ被覆する(樹脂
被覆工程S15,S17)。樹脂被覆された芯線a1お
よび側線a2をリールに巻取り、これらのリールをチュ
ーブラ型撚り線機に装着する。そして撚合工程S18に
おいて、6本の側線a2を芯線a1に撚り合わせ、7本
撚りのより線a3とする。次いで、ブルーイング工程S
19において、より線a3を250〜350℃の温度域
に加熱し、各線a1,a2を覆う樹脂を軟化溶融し、一
体化した樹脂層33を形成する。このようにして最終製
品a7を得た。
【0039】次に、図7及び図8を参照しながら第5及
び第6の実施例に係る防錆被覆めっきPC鋼棒を製造す
る場合について説明する。 [実施例5(亜鉛めっき)] [実施例6(亜鉛アルニウム合金めっき)]棒材bを、
3 変態点(850〜930℃)に加熱してオーステナ
イト化した後に、溶融鉛浴(500〜600℃)中に焼
き入れ、強度と靭性を兼ね備え伸線に最適なソルバイト
組織とする(パテンティング処理)。次いで、棒材b
を、例えば希塩酸(60℃)に浸漬してその表面の酸化
物を除去する。さらに、伸線ダイスにより冷間で数回引
き抜き加工をして、目標の棒径およびPC鋼材として必
要な強度と靭性を有する棒材bを得る。
【0040】次に、棒材bをめっき処理する。実施例5
のめっき処理工程S21においては、棒材bを溶融亜鉛
浴に浸漬し、所望厚さの亜鉛めっき層31を形成する。
実施例6のめっき処理工程S21においては、棒材bを
溶融亜鉛−アルミニウム合金浴に浸漬し、所望厚さの亜
鉛アルミニウム合金めっき層31を形成する。いずれの
場合も、めっき付着量が300±100g/m2 以上に
なるように調整することが望ましい。次いで、ブルーイ
ング工程S22において、棒材bを250〜350℃の
温度域に加熱し、加工歪みを除去する。上記の加圧樹脂
被覆装置を用いて棒材bに樹脂を被覆し(樹脂被覆工程
S23)、最終製品b3を得た。なお、防錆被覆めっき
PC鋼材の表面には、必要に応じて同種の合成樹脂を二
重に被覆したり、あるいは異種の合成樹脂を二重に被覆
してもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明方法により製造された防錆被覆め
っきPC鋼材は、めっき層がコンクリートと直接接触し
ないので、水素脆性による断線が防止され、安全性が高
い。また、熱硬化性樹脂被覆層の下に亜鉛系めっき層が
存在するので、熱硬化性樹脂被覆層にピンホール等の欠
陥が存在する場合であっても長時間にわたり錆を生じる
ことなく長寿命となる。さらにブルーイング後において
鋼より線に減圧/加圧処理により樹脂を被覆するので、
密着性の高い熱硬化性樹脂からなる防錆被覆となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施例に係る防錆被覆
めっきPC鋼材の製造方法を示す工程図。
【図2】第1及び第2の実施例の防錆被覆めっきPC鋼
材の横断面図。
【図3】防錆被覆処理に用いられる加圧樹脂被覆装置を
模式的に示す透視概要図。
【図4】加圧樹脂被覆装置のリールの断面図。
【図5】本発明の第3及び第4の実施例に係る防錆被覆
めっきPC鋼材の製造方法を示す工程図。
【図6】第3及び第4の実施例の防錆被覆めっきPC鋼
材の横断面図。
【図7】本発明の第5及び第6の実施例に係る防錆被覆
めっきPC鋼材の製造方法を示す工程図。
【図8】第5及び第6の実施例の防錆被覆めっきPC鋼
材の横断面図である。
【符号の説明】
1…耐圧容器、10…樹脂注入管、11…樹脂排出管、
12…減圧管、13…加圧管、14…圧力調整口、a
3,a5,a7…防錆被覆めっきPC鋼材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−111937(JP,A) 特開 平5−98742(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D07B 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼線に亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきを
    施し、複数本のめっき鋼線を撚り合わせて鋼より線と
    し、この鋼より線をブルーイング処理し、さらに鋼より
    線を耐圧容器内に収納し、耐圧容器内の空気を排気して
    減圧し、この減圧状態で耐圧容器内に前記鋼より線が埋
    没するまで液状の熱硬化性樹脂を注入し、この注入後に
    耐圧容器内を常圧に戻し、次に耐圧容器内に空気を圧送
    して前記熱硬化性樹脂を加圧し、この加圧後、耐圧容器
    から鋼より線を引き出し、この鋼より線に付着している
    熱硬化性樹脂を硬化させることを特徴とする防錆被覆め
    っきPC鋼材の製造方法。
JP6038250A 1994-03-09 1994-03-09 防錆被覆めっきpc鋼材の製造方法 Expired - Fee Related JP2941162B2 (ja)

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