JPH11504273A - 複数の彫刻ヘッドを用いた彫刻方法および彫刻装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複数の彫刻ヘッド（３４，３６）を用いて、パターンを彫刻するための彫刻システムおよび彫刻方法が提供される。この彫刻装置および彫刻方法により、複数の彫刻ヘッド（３４，３６）を用いて逐次的に彫刻処理を実施することで、異なる彫刻ヘッド（３４，３６）により彫刻された領域が出会う部分においても連続的な彫刻パターンが与えられる。さらに、本発明による彫刻システムおよび彫刻方法は、それぞれの彫刻ヘッド（３４，３６）により彫刻される領域を撮像するための撮像システム（１６２）を有している。これにより、彫刻ヘッド（３４，３６）または彫刻ヘッドを駆動するための（彫刻ヘッド駆動部６２からの）信号が調整されて、例えば１つの彫刻ヘッド（３４）により彫刻された領域と他の彫刻ヘッド（３６）により彫刻された領域とが出会う部分が、単一の彫刻ヘッドにより彫刻されたかに見えるように、彫刻動作を実施することが容易となる。さらに、本発明によれば、通常は反対方向に配置される２つの彫刻ヘッド（３４，３６）間における任意の周方向オフセット（離隔角度）を補償するために、彫刻される画像に対応する画像データを逐次処理および伝送する方法が与えられる。

Description

【発明の詳細な説明】 複数の彫刻ヘッドを用いた彫刻方法および彫刻装置 関連出願についての参照 本出願は、１９９３年２月２５日に出願された米国特許出願08/022,127号、１ ９９３年９月２３日に出願された米国特許出願08/135,938号、１９９５年５月１ ２日に出願された米国特許出願08/242,012号、および１９９５年５月３日に出願 された米国特許出願08/415,638号の一部継続出願である。 発明の背景 １．発明の属する技術分野 本発明は、複数の彫刻ヘッドを用いた彫刻システムおよび彫刻方法に係り、特 に、複数の彫刻ヘッドを用いて、実質的に連続的で、組み合わされ(intermeshed )または混合された(blended)彫刻パターンを形成するための複数の彫刻ヘッドを 備えた彫刻機に関する。 ２．関連技術に関する説明 グラビア印刷版の電気−機械的彫刻は、シリンダ（印刷胴）を回転させながら 、彫刻ヘッドを駆動することで実現される。この際、彫刻ヘッドは、往復運動す るシャフト上に支持されたダイヤモンドスタイラス（ダイヤモンド圧子）(diamo nd stylus)を有して構成されている。このスタイラスにより、セル、セル列、ま たはトラックがシリンダ表面上に彫刻され、印刷工程で使用される彫刻されたシ リンダが形成される。この彫刻されたシリンダは、通常、紙、プラスチック、金 属製フィルム材料、または他の被印刷材料に印刷するためのウェブ型のグラビア 印刷機において使用される。 雑誌等の刊行物を印刷するために使用される彫刻されたシリンダ用の彫刻機の なかには、ダイヤモンドスタイラスをそれぞれ備えた複数の彫刻ヘッドを有する 彫刻機がある。複数の彫刻ヘッドを与えることで、それぞれの彫刻ヘッドをシリ ンダの異なる領域を彫刻するのに使用することが可能となる。この際、それぞれ の彫刻ヘッドにより彫刻されたシリンダのそれぞれの領域は、例えば刊行物の異 なるページに対応する。 彫刻ヘッドにより形成されるセル、セル列、またはトラックをシリンダ上の望 ましい位置に配置することを保証するために、彫刻動作を実施する複数のスタイ ラスの動作が正確に制御される。しかし、彫刻ヘッド間の相対的な初期位置の設 定は、従来、技術的に非常に労力を有するものであった。この初期位置の設定に おいては、彫刻工程を行う前に、熟練した技術者により、それぞれの彫刻ヘッド の位置が手動で調整される。 手作業による介入が必要なこと、それぞれの彫刻ヘッドのスタイラスの損耗態 様が異なること、シリンダ表面上の銅の硬さが表面に沿って変化すること、およ び彫刻応答および彫刻ヘッドの特性等に差異があることから、連続的パターンを 彫刻するために２つ以上の彫刻ヘッドを使用することは困難であった。この際、 異なる彫刻ヘッドにより彫刻されるセルまたは領域は整合しないから、シリンダ 内に望ましくない継目部が形成され、その結果印刷物上に目に見える欠陥が生じ ることになる。 それゆえ、連続的な混合パターン(blended pattern)および／または組合せパ ターン(intermeshed pattern)を彫刻するために、彫刻工程において複数の彫刻 ヘッドを協働して動作させるように複数の彫刻ヘッドを使用可能とする彫刻シス テムおよび彫刻方法に対する要求がある。 発明の概要 本発明の１つの実施の形態によれば、本発明による彫刻システムは、複数の彫 刻器具(engraving device)と、組合せパターンを彫刻するようにそれぞれの彫刻 器具を駆動する（彫刻ヘッドに通電する）ために複数の彫刻器具に接続されたプ ロセッサとを有して構成されている。 本発明の他の実施の形態によれば、本発明による彫刻機内のシリンダ上に組合 せパターンを彫刻する方法は、シリンダに対して複数の彫刻器具を動作位置に配 置して、組合せパターンを彫刻する工程を有している。 また、本発明の他の実施の形態によれば、本発明による複数の彫刻ヘッドを用 いてのシリンダの彫刻方法は、シリンダに対して複数の彫刻ヘッドを動作位置に 配置して、シリンダ上の混合パターンを彫刻するために複数の彫刻ヘッドを同時 に駆動する工程を有している。 また、本発明の他の実施の形態によれば、彫刻機は、調整可能に設置されてそ れらの間でシリンダを回転可能に支持できる主軸台(headstock)および心押し台( tailstock)を備えた彫刻台座(engraving bed)と、彫刻台座上にスライド移動 可能に設置されたキャリッジと、キャリッジ上にスライド移動可能に設置された 第１の彫刻ヘッドと、キャリッジ上にスライド移動可能に設置された第２の彫刻 ヘッドと、シリンダ上に少なくとも１つのパターンを彫刻するために第１の彫刻 ヘッドおよび第２の彫刻ヘッドをそれぞれ駆動する第１の彫刻ヘッド駆動部およ び第２の彫刻ヘッド駆動部とを有して構成されている。この際、第１の彫刻ヘッ ドと第２の彫刻ヘッドとは、円周方向にオフセットされて配置されている。また 、上記少なくとも１つのパターンは、第１の彫刻ヘッドおよび第２の彫刻ヘッド により彫刻される彫刻領域からなるトラックを有している。 さらに、本発明の他の実施の形態によれば、彫刻領域からなる複数のトラック から構成されるパターンを彫刻する方法は、複数のトラックのなかの少なくとも １つのトラックを第１の彫刻ヘッドにより彫刻するとともに、複数のトラックの なかの他のトラックを第２の彫刻ヘッドにより彫刻する工程を有している。 それゆえ、本発明は、複数の彫刻ヘッドを用いて混合パターンまたは組合せパ ターンを彫刻するためのシステムおよび方法を提供することを目的とする。 また、本発明は、複数の彫刻ヘッドにより、彫刻された彫刻領域からなる連続 的パターンを彫刻するためのシステムおよび方法を提供することを目的とする。 さらに、本発明は、連続的彫刻パターンを与えるように彫刻領域の混合または 組合せを容易にするために、複数の彫刻ヘッドにより彫刻された彫刻領域を撮像 するためのシステムおよび方法を提供することを目的とする。 本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明、付随する図面、および請 求の範囲から明らかとなるであろう。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の１つの実施の形態による彫刻システムを示す斜視図である。 図２は、図１の彫刻システムを示す上面図である。 図３は、図１の彫刻システムを示す一部に断面を含んだ側面図、および彫刻シ ステム内で使用されるプロセッサの構成を示すブロック図である。 図４Ａは、彫刻される少なくとも一部の画像に対応する複数の画像データ列(c olumn of image data)を記憶するための複数の記憶位置(storage location)を有 する画像メモリを示す部分図である。 図４Ｂは、図４Ａの一部の画像データに対応する複数のセルからなる組合せ彫 刻パターンまたは混合彫刻パターンを示す図である。 図５は、彫刻システム内で使用される画像データの逐次処理またはデータ編成 処理を示すフローチャートである。 図６Ａから図６Ｃは、彫刻システム内で使用される複数の彫刻ヘッドにより彫 刻された彫刻領域からなり、螺旋状または円周状に彫刻されたトラックまたはラ インの種々の組合せを示すためのシリンダの展開図である。図において、それぞ れのトラックまたはラインは、例えば、複数のセル、チャネル(channel)、およ び／またはハイライトセル(highlight cell)から構成されている。 図７は、異なる彫刻ヘッドにより彫刻された２つの彫刻領域から形成される継 目領域を示す図６Ｃに類似の図である。 好適な実施の形態の説明 図１には、彫刻台座１２を備えた彫刻システム（彫刻機）１０が示されている 。彫刻台座１２には、複数のガイドレール（トラック）１４が形成され、このガ イドレール１４上には、主軸台１６および心押し台１８がスライド移動可能に設 置されている。これにより、主軸台１６および心押し台１８は、（図１の双方向 矢印Ａにより示される方向において）互いに接近離間するように移動可能となる 。 主軸台１６および心押し台１８は、シャフトを有しないシリンダに対してはそ れぞれ円錐状支持部３０および３２を用いて、また、１つ以上のシャフトを有す るシリンダに対しては（図示されない）チャック(chuck)を用いて、シリンダ２ ０を回転可能に支持することが可能である。 また、彫刻機１０は、彫刻機１０の動作を制御するためのコントローラ（プロ セッサ）２２を有して構成されている。さらに、彫刻機１０は、主軸台駆動部(h eadstock drive)２４および心押し台駆動部(tailstock drive)２６を有して構成 されている。これらの駆動部は、ともにコントローラ２２に接続され、また、主 軸台１６および心押し台１８を互いに接近または離間させるように同時的または 独立的に移動させるように、コントローラ２２により通電される。主軸台駆動部 ２４および心押し台駆動部２６には、主軸台１６および心押し台１８の駆動を容 易とするように、（図示されない）種々のギヤ、プーリ、および／またはリード スクリューを備えさせることが可能である。また、例えば主軸台１６を固定した 状態で本発明を適用できることが理解されるであろう。前記駆動システムは、本 出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許5,329,215号明細書に記載された構成 を有している。そして、上記特許明細書は、参照することで本願明細書に組み込 まれる。 さらに、コントローラ２２は、コントローラ２２から受け入れられたシリンダ 駆動信号に応じて、彫刻機１０の彫刻ステーションにおいてシリンダ２０を回転 駆動させるために主軸台１６および心押し台１８のいずれか一方または両方に付 設されたシリンダ駆動部２８に接続されている。 さらに、彫刻機１０は、図示されるように、彫刻台座１２上のガイドレール１ ４上にスライド移動可能に設置されたキャリッジ３８上にスライド移動可能に設 置された複数の彫刻ヘッド３４および３６を有して構成されている。図２の平面 図により最もよく示されるように、キャリッジ３８には、副キャリッジ４２およ び４４をスライド移動可能に載せるガイドレール（トラック）４０が形成されて いる。これにより、副キャリッジ４２および４４が、双方向矢印ＢおよびＣによ り示されるように、それぞれ接近または離間するように移動可能となる。彫刻ヘ ッド３４および３６は、図示されるように、それぞれ適切なブラケット４６およ び４８を用いて副キャリッジ４２および４４上に設置される。 図３に最もよく示されるように、彫刻ヘッド３４は彫刻器具５８を有して構成 され、彫刻ヘッド３６は彫刻器具６０を有して構成されている。それぞれの彫刻 ヘッドを用いることで、例えば（図４Ｂに示されるように、）一連のセル６６、 チャネル６８および／またはハイライトセル７０を有する彫刻領域をシリンダ２ ０の表面２０ａ上に望ましいように彫刻することが可能である。この実施の形態 においては、彫刻器具５８と彫刻器具６０とが、周方向に（図３に示されるよう に）約１８０度の角度θだけオフセットされて配置されていることに留意する必 要がある。しかし、彫刻工程を効率的に実施するために、彫刻器具５８と彫刻器 具６０とを、相対的に周方向に任意のオフセット間隔で、すなわち相対的に任意 の角度だけ離隔して配置させるのが可能であることが解されるであろう。これに 関連して、彫刻機１０は、彫刻器具５８と彫刻器具６０とのなす角度θを調整す るための（図示されない）調整器または調整手段を有することがある。 図２に示す実施の形態においては、彫刻器具５８と彫刻器具６０とが、互いに 実質的に反対方向に配置されているが、キャリッジ３８を改造して、彫刻ヘッド ３４および３６を隣接するように配置して、同じ側からシリンダ２０を彫刻する ことができることに留意する必要がある。この場合、周方向の離隔角度またはオ フセットは、ゼロまたはおおよそゼロとなる。 さらに、図示される実施の形態では、２つの彫刻ヘッドのみが示されているが 、要求に応じて３つ以上の彫刻ヘッドおよび彫刻器具を設置するのが可能である ことが理解されるであろう。この場合、追加のキャリッジ、副キャリッジ、彫刻 ヘッド駆動部、およびキャリッジ駆動部が必要とされる。 本実施の形態においては、彫刻ヘッド３４および３６、およびこれらにそれぞ れ付設された彫刻器具５８および６０は、シリンダ２０の表面２０ａを彫刻する ための任意の適切な手段を有して構成させることができる。例えば、米国特許4, 357,633号、4,438,460号、4,450,486号、4,451,886号、および4,500,929号明細 書に開示されたグラビア彫刻ヘッドおよびスタイラスを使用することが可能であ る。これらの特許は、参照することで本願明細書に組み込まれる。さらに、代替 的に、本願発明と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願08/334,740号により記 載されたＴｂ₅Ｄｙ_1-xＦｅ₂からなる磁気拘束性(magnetorestrictive)アクチュ エータを有する磁気拘束性部材を用いた磁気歪み(magnetostrictive)彫刻ヘッド を用いる のも好適である。上記特許出願は、参照することで、本願明細書に組み込まれる 。また、ここで記載される方法およびシステムは、レーザ彫刻(laser engraving )工程で使用される型の（図示されない）レーザ彫刻装置にも適用することが可 能である。 図１に示されるように、彫刻機１０は、プロセッサ２２と、彫刻ヘッド３４お よび３６とにそれぞれ接続される第１の彫刻ヘッド駆動部６２および第２の彫刻 ヘッド駆動部６４とを有して構成されている。これらの彫刻ヘッド駆動部６２お よび６４により、コントローラ２２から受け入れた駆動信号に応じて、彫刻ヘッ ド３４および３６をそれぞれ駆動させることが可能となる。 さらに、彫刻機１０は、（図１に示されるように）第１の副キャリッジ４２お よび第２の副キャリッジ４４にそれぞれ接続されるとともに、プロセッサ２２に も接続される第１の副キャリッジ駆動部５０および第２の副キャリッジ駆動部５ ２を有して構成されている。彫刻ヘッド３４および３６をシリンダ２０に対する 動作位置に配置または動作位置から離脱させるように、副キャリッジ４２および ４４を個々に移動または駆動して彫刻ヘッド３４および３６を互いに要求に応じ て接近離間させるように移動させるために、プロセッサ２２により、第１の副キ ャリッジ駆動部５０および第２の副キャリッジ駆動部５２を選択的に駆動するこ とが可能である。 また、彫刻機１０は、主キャリッジ３８およびプロセッサ２２に接続されるキ ャリッジ駆動部５６を有して構成されている。この際、彫刻工程を効率的に実施 するように、双方向矢印Ｄにより示される方向においてガイドレール１４に沿っ てキャリッジ３８を移動させるために、プロセッサ２２により、キャリッジ駆動 部５６が選択的に駆動可能となっている。 本実施の形態においては、第１の副キャリッジ駆動部５０および第２の副キャ リッジ駆動部５２は、（図２および図３に示されるように）キャリッジ３８の下 部でありトラック１４の上部において、（図示されない）好適なベアリング内に 回転可能に取り付けられた複数のリードスクリュー５１および５３を有して構成 されている。 例えばリードスクリュー５１は、（図３に示されるように）副キャリッジ４２ 内の壁部３９に形成されねじ切りされた開口部４９と協働するように設置されて いる。これにより、リードスクリュー５１の回転に応じて、シリンダ２０に対し て副キャリッジ４２が接近または離間するように移動される。リードスクリュー ５３および副キャリッジ４４も、同様に動作する。また、副キャリッジ駆動部５ ０および５２は、リードスクリュー５１および５３を選択的に駆動するためにプ ロセッサ２２に接続された（図示されない）ステッピングモータを有して構成さ れている。これにより、副キャリッジ４２および４４を、シリンダ２０に対して 接近および離間するように、選択的に移動させることが可能となる。 また、本実施の形態においては、彫刻機１０は、（図２に示されるように、） 副キャリッジ４４上の彫刻ヘッド３４を調整可能に配置するために、副キャリッ ジ４４に付設されてプロセッサ２２に接続された水平方向のポシショナ(positi- oner)６１を有して構成されている。これにより、彫刻器具５８と彫刻器具６０ との間の水平方向（長手方向）の位置関係（相対的距離）を調整することが可能 となる。また、図示はされないが、副キャリッジ４２に対して、同様のポジショ ナを付設することが可能である。 図２および図３に示されるように、ポジショナ６１は、副キャリッジ４２のハ ウジング６７に形成されねじ切りされた開口部８１内に回転可能に取り付けられ たリードスクリュー６３を有して構成されている。ポジショナ６１は、プロセッ サ２２に接続されてプロセッサ２２からの信号に応じてリードスクリュー６３を 回転駆動させるステッピングモータ６９を有して構成されている。さらに、ポジ ショナ６１は、キャリッジ３８上における副キャリッジ４４および彫刻器具５８ の位置に関する情報をプロセッサ２２にフィードバックするために、リードスク リューに付設されプロセッサ２２に接続されたエンコーダ８３を有して構成され ている。後に説明されるが、必要である場合には、ポジショナ６１により、彫刻 器具５８と彫刻器具６０との間の長手方向（すなわちシリンダ２０に沿った）距 離を調整するための手段が与えられる。この手段は、オフセットされた異なる彫 刻ヘッドによりトラックを彫刻する際に必要とされる。 本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願08/242,012号に開示された構 成を有するキャリッジを組み込むことが望ましい。この出願は、参照することで 、 本願明細書に組み込まれる。しかし、上記の特許出願に記載された構成を有する キャリッジを用いなくても、本願発明の利点を実現することは可能である。 図３に示されるように、彫刻機１０は、さらに、（図１に示される）シリンダ 駆動部２８に動作的に接続されたエンコーダ８２を有して構成されている。この エンコーダ８２は、（図３に示される）ライン８４を介して同期パルスを発生さ せることができ、この同期パルスは、彫刻ヘッド駆動部６２および６４、および プロセッサ２２のレジデント(resident)である第１のバッファ制御部８６および 第２のバッファ制御部８８に伝達される。エンコーダ８２は、さらにライン９０ を介してクロックパルスを発生させることができ、このクロックパルスは、組合 せパターンまたは混合パターン７２の少なくとも一部分に対応する画像データへ のアクセスを容易とするために利用される。画像データは、後に説明される処理 方法に基づいて、プロセッサ２２内のシーケンシャルメモリ(sequential memory )６５内に記憶され、彫刻ヘッド駆動部６２および６４に逐次伝送される。エン コーダ８２から発せられる同期パルスは、彫刻ヘッド駆動部６２および６４にそ れぞれ接続された第１のバッファ制御部８６および第２のバッファ制御部８８に 対するトグルを発生させる。この際、第１のバッファ制御部８６は、ライン９２ を介して彫刻ヘッド駆動部６４に画像データを伝送するとともに、ライン９４を 介してクロックパルスを受け入れる。同様に、第２のバッファ制御部８８は、彫 刻ヘッド３６により彫刻するためにライン９６を介して彫刻ヘッド駆動部６２に 画像データを伝送するとともに、ライン９８を介して彫刻ヘッド駆動部６２から クロックパルスを受け入れる。 また、プロセッサ２２は、（図３に示される）バッファ１０２，１０４，１０ ６，および１０８等の複数の画像バッファを有して構成させることが可能である 。 画像バッファ１０２および１０４は、それぞれライン１１４および１１６を介 して受け入れられたクロックパルスに応答して、それぞれライン１１０および１ １２を介して画像データを伝送する。同様にして、画像バッファ１０６および１ ０８は、それぞれライン１２２および１２４を介して受け入れられたクロックパ ルスに応答して、それぞれライン１１８および１２０を介してバッファ制御部８ ８に画像データを伝送する。シリンダ２０上に彫刻される混合パターン７２の少 なくとも一部分に対応する画像データの逐次処理および同期処理を説明すること を目的として、図４Ａには、シリンダ２０の表面２０ａ上に彫刻されるセルの濃 度値に対応する画像データ（画素濃度）を備えたシーケンシャルメモリ(sequen- tial memory)の一部が、例えば一対のコラム１２６および１２８として示されて いる。例えば、彫刻される（図示されない）画像領域の濃度値に応じた（図４Ａ および図４Ｂの）画像データ値ＸおよびＹは、画像メモリ位置１３３および１３ ５に記憶される。 彫刻ヘッド３４と彫刻ヘッド３６とが、これらの間において所定の角度（周方 向距離）を有することから、彫刻される混合パターン７２に応じて、画像メモリ ６５内に記憶された画像データを編成処理する必要がある。このように画像デー タを編成処理および逐次処理することで、彫刻ヘッド３４と彫刻ヘッド３６とに より実現される彫刻形態は、設計者の意図に応じて、混合され、結合され、補足 され、および／または組合わされる。 図４Ａには、プロセッサ２２の（図示されない）メモリ内に記憶された混合パ ターンまたは組合せパターン少なくとも一部分に対応する複数の画像データ列１ ２６，１２８，１３０，および１３２が示されている。本実施の形態においては 、彫刻される画像に応じた画像データは、列(column)単位に順次的（シーケンシ ャル）に記憶されている。画像データに対応する信号に応答して、彫刻ヘッド駆 動部６２および６４により、それぞれ彫刻ヘッド３４および３６が駆動される際 には、（図４Ａの）メモリ位置１３３および１３５に記憶されたデータＸおよび Ｙに応じて、（図４Ｂに示される）領域１３４および１３６等の彫刻領域が適切 な順序および順番で彫刻されるように、画像データが、バッファに伝送され、編 成処理され、および／または逐次処理されることが重要となる。また、このよう な順序および順番は、図３においてθにより示される周方向オフセット（離隔角 度）により影響を受ける。本実施の形態においては、既に述べたように、離隔角 度は約１８０度であるが、これを３６０度まで増やすことも可能である。しかし ながら、９０度と２７０度との間の角度が好適であることが判明している。 結果的に、プロセッサ２２は、それぞれの彫刻ヘッド駆動部６２および彫刻ヘ ッド駆動部６４に対応して、２重バッファを備えたメモリ構造を有している。本 実施の形態においては、２重バッファを備えたメモリは、最初に入力されたデー タが最初に出力されることを基本として処理される。 データ処理に関しては、図５に示されるように、（ブロック１４０において） バッファ制御部８６および８８が、それぞれ画像バッファ１０２および１０６を 指向するように初期化される。ブロック１４２では、トグルが１に設定される。 その後、例えば図４Ａに示されたデータ列１２６等の画像データ列が、バッファ １０２内に入力される。そして、ブロック１４６において、彫刻ヘッド３６によ る彫刻工程の逐次的な動作のタイミングを整合させるために、例えば図４Ａに示 されたデータ列１２８である次の画像データ列の（１８０度を３６０度で割るこ とで規定される）後半の半分のデータおよびこれに続いて該画像データ列の前半 の半分のデータが、画像バッファ１０６内に入力される。次に、ブロック１４８ において、バッファ制御部８６および８８により、それぞれバッファ１０２およ び１０６から受け入れられた画像データに応じて、彫刻信号が発生される。そし て、ブロック１５０において、バッファ制御部８６および８８により、エンコー ダ８２からライン８４を介して受け入れられる同期パルスに応答して、それぞれ ライン９２および９６を介して彫刻ヘッド駆動部６４および６２に彫刻駆動信号 が伝送される。その後、ブロック１５２において、画像データに対応するパター ンの少なくとも一部分を彫刻するために、彫刻ヘッド駆動部６２および６４によ り、それぞれ彫刻ヘッド３６および３４が駆動される。 判定ブロック１５４において、すべての画像データ列に対する彫刻作業が完了 したとの判定がなされると、処理ルーチンが終了する。彫刻作業が完了していな い場合には、処理ルーチンは、メモリ６５からのさらなる画像データ列を処理す るように進行する。次に、判定ブロック１５６において、トグルが１に等しいか が判定される。このような状態は、例えば１回目の処理ルーチンが終了した時点 に対応する。このような場合には、処理はブロック１６０に進んで、トグルが０ に設定され、バッファ制御部８６および８８が、それぞれ画像バッファ１０４お よび１０８を指向するように切り換えられる。判定ブロック１５６における判定 が上記と逆の場合には、処理はブロック１５８に進んで、トグルが１に設定され 、バッファ制御部８６および８８が、それぞれ画像バッファ１０２および１０６ を 指向するように切り換えられる。そして、図に示されるように、処理ルーチンは ブロック１４４に戻り、（図３に示される）画像メモリ６５からのさらなる画像 データ列が処理され、彫刻作業が実行される。 本発明の特徴によれば、複数の彫刻ヘッド３４および３６を用いて、シリンダ ２０の表面２０ａ上に複数のセル６６、チャネル６８、および／またはハイライ トセル７０を彫刻するシステムおよび方法が提供される。また、本発明の他の特 徴によれば、図６Ａから図６Ｃおよび図７に示されるようなパターン等の継目な しの組合せパターンまたは混合パターンを形成するために、彫刻領域を独立的ま たは同時的に彫刻できる複数の彫刻ヘッド３４および３６が提供される。 図６Ａから図６Ｃについて記載される実施の形態においては、彫刻ヘッド３４ により彫刻される領域が実線のトラックで表され、彫刻ヘッド３６により彫刻さ れる領域が破線のトラックで表される。説明を容易とするために、それぞれのト ラックは、シリンダ２０の一回転または部分的な回転の間に彫刻されるものとす る。 （図６Ａに示される螺旋状パターンのトラック７１のような）単一の彫刻トラ ックが存在する場合、または図６Ａのパターン７３のようなパターンを形成する 複数の円周状またはステップオーバー(step-over)トラック７３ａが存在する場 合には、彫刻ヘッド３４と彫刻ヘッド３６とにより、単一の螺旋状彫刻パターン ７１を構成するセル６６、チャネル６８、およびハイライトセル７０を実質的に 同時に彫刻することが望ましい。この場合、それぞれの彫刻トラック７１ａが連 続的に見えるように、彫刻ヘッド３４と彫刻ヘッド３６との間の適切な同期が保 証されることが重要となる。 例えば図６Ａに示されるパターン７１のようなパターンを彫刻する際には、螺 旋状トラック７１ａを彫刻するために彫刻器具５８と彫刻器具６０とが互いに距 離Ｅだけ離隔されるように、彫刻ヘッド３４および３６が配置される。対照的に 、（図６Ａに示されるパターン７３のような）円周状彫刻パターンまたはステッ プオーバー彫刻パターンに対しては、彫刻器具間距離Ｅはゼロであり、彫刻器具 ５８と彫刻器具６０とは、同一の円周トラック７３ａに沿って彫刻動作を実施す る。 パターン７１のそれぞれのトラック７１ａが彫刻された後には、プロセッサ２ ２により、キャリッジ駆動部５６が駆動されて、キャリッジ３８が、図６Ａのパ ターン７１に対しては距離Ｅ、図６Ａのパターン７３に対しては距離２×Ｅだけ 移動される。これにより、彫刻ヘッド３４および３６により、次のトラックを彫 刻することが可能となる。 図６Ｂには、他の２つの彫刻パターン７４および７６が示されている。これら のパターンにおいては、互いに隣接し、補足し合う複数の彫刻トラック７４ａお よび７６ａが、彫刻ヘッド３４および３６によりそれぞれ彫刻される。この場合 、彫刻ヘッド３４の彫刻器具５８と彫刻ヘッド３６の彫刻器具６０とを、それぞ れ距離２×Ｅだけ離隔するように配置することが望ましい。これにより、シリン ダ２０の完全な１回転の彫刻動作により、彫刻器具５８および６０は、距離４× Ｅだけ移動する。 （図６Ｂのパターン７４のように、）彫刻ヘッド３４および３６により彫刻さ れるトラックが連続的に隣接するように螺旋状パターンを彫刻する場合には、彫 刻動作を実行する際に、シリンダが完全に１回転する間においてキャリッジ３８ が距離４×Ｅだけ移動されるように、プロセッサ２２によりキャリッジ駆動部５ ６が駆動される。ステップオーバーパターンまたは円周状パターン７６に対して は、トラック７６ａのようなトラックを完全に彫刻した後に、キャリッジ３８を 距離４×Ｅだけ移動させるように、プロセッサ２２によりキャリッジ駆動部５６ が駆動される。図６Ｂから理解されるように、キャリッジ３８が距離４×Ｅだけ 移動されると、彫刻ヘッド３４および３６も同じ距離だけ移動される。図６Ｂに 示されるように、混合パターンまたは組合せパターン７２を彫刻するために、彫 刻器具５８によりトラック７４ａを彫刻させるとともに、彫刻器具６０によりト ラック７６ａを彫刻させることが望ましい。 図６Ｃに関しては、円周状パターン７９は、彫刻ヘッド３４および３６により 彫刻された領域から構成されていることに留意する必要がある。そして、このパ ターンは、彫刻ヘッド３４および３６により彫刻される複数のセル９７ａおよび チャネル９７ｂから構成されている図７の拡大パターン９７に類似している。彫 刻ヘッド３４により彫刻される領域と彫刻ヘッド３６により彫刻される領域とが 出会う部分には、図６Ｃにおいて符号７５で示される継目領域が形成される。ま た、図６Ｃには、彫刻ヘッド３４および彫刻ヘッド３６により彫刻される彫刻領 域から構成される螺旋状パターン７７が示されている。 彫刻ヘッド３４および３６により、同一でないか、または連続的に隣接するこ とのない領域またはトラックが彫刻され、これらの領域が出会って図６Ｃに示さ れる継目部７５および図７に示される継目部９９のような継目部が形成される場 合には、目に見えるまたは望ましくない不連続部を除去するために、継目部７５ または継目部９９を連続的に見えるようにすることが重要となる。すなわち、例 えば、図７において、領域Ｅが彫刻ヘッド３４により彫刻され、領域Ｆが彫刻ヘ ッド３６により彫刻される場合には、これら２つの彫刻領域が出会って継目部９ ９が形成される部分は、望ましくない不連続性を排除するために、整合または互 いに補足し合っている必要がある。 以下に、彫刻システムを動作させる方法が説明される。 （図１に示されるように、）第１の円錐状支持部３０と第２の円錐状支持部３ ２との間において、シリンダ２０が回転可能に設置される。彫刻される画像また は画像の一部に対応する画像データが、走査（スキャン）され、プロセッサ２２ および（図３に示される）画像メモリ６５内に入力される。そして、プロセッサ ２２により、（図１に示される）シリンダ２０の左端位置に向けて彫刻ヘッドが 移動されるように、キャリッジ駆動部５６が駆動される。この左端位置では、彫 刻ヘッド３４および３６を調整または較正するために、１つ以上のテスト的切削 が実施される。これにより、例えば、彫刻器具６０に対する彫刻器具５８の相対 的位置が調整される。この際、副キャリッジ４４の長手方向位置を調整するため に、プロセッサ２２により、モータ６９またはポジショナ６１が駆動される。 彫刻ヘッド３４および３６および彫刻器具５８および６０の較正が完了した後 には、彫刻動作を開始するように、シリンダ２０の表面２０ａに対して彫刻ヘッ ド３４および３６をそれぞれ動作位置に配置するために、プロセッサ２２により 、第１の副キャリッジ駆動部５０および第２の副キャリッジ駆動部５２が選択的 に駆動される。本願明細書で記載される彫刻動作を効率的に実施するために、彫 刻ヘッド３４および３６と同様に、プロセッサ２２により、第１の副キャリッジ 駆動部５０と第２の副キャリッジ駆動部５２とを選択的に、独立してまたは同時 に 駆動することが可能である。そして、彫刻ヘッド３４および３６がシリンダ２０ に対して適切に配置されると、彫刻動作が開始される。 プロセッサ２２により、シリンダ２０を回転駆動するようにシリンダ駆動部２ ８が駆動され、同時に、シリンダ２０の表面２０ａにアクセスするようにキャリ ッジ３８を移動させるためにキャリッジ駆動部５６が駆動される。これにより、 彫刻動作を実施することが可能となる。 この際、図５について既に説明した処理手順に基づいて、プロセッサ２２によ り、画像メモリ６５内に記憶された画像データの処理が開始される。これにより 、シリンダ２０の表面２０ａ上に彫刻される（図４Ｂに示される）複数のセル６ ６、チャネル６８、および／またはハイライトセル７０から構成される彫刻領域 、または彫刻領域からなるトラックが形成され、図６Ａから図６Ｃ、および図７ に示された１つ以上のパターンから構成され、またはこれらのパターンが組み合 わされて構成された彫刻パターンが与えられる。 シリンダ２０上への画像パターンの彫刻が完了すると、副キャリッジ４２と副 キャリッジ４４とを互いに離間するように移動させるために、プロセッサ２２に より、第１の副キャリッジ駆動部５０および第２の副キャリッジ駆動部５２がそ れぞれ再び駆動される。その後、シリンダ２０は、彫刻機１０から取り外され、 これに続いて印刷機内で使用される。 例えば彫刻ヘッド３４により彫刻される領域と彫刻ヘッド３６により彫刻され る領域等の異なる彫刻領域を混合または結合させる際には、本願明細書において 既に述べたように、異なる彫刻領域が出会う部分において、それぞれの彫刻領域 が整合して連続的であることが重要となる。スタイラスの損耗、シリンダの表面 ２０ａに沿った銅硬さの変化、彫刻ヘッド特性の差異等の彫刻工程に関連する問 題が存在することで、彫刻ヘッド３４により彫刻される領域と彫刻ヘッド３６に より彫刻される領域とが出会う部分においてこれらの領域が連続的に見えるよう に、彫刻ヘッド３４により実施される彫刻動作と、彫刻ヘッド３６により実施さ れる彫刻動作とを調整することが重要となる。このような調整には、副キャリッ ジ４２および４４の位置に対するプロセッサ２２による調整、または彫刻ヘッド 駆動部６２および６４により発生されて彫刻ヘッド３４および３６をそれぞれ駆 動するために使用される駆動信号に対するプロセッサ２２による調整が含まれる 。 したがって、上記の問題を解決するために、彫刻機１０は、（図１に示される ように、）撮像システムまたは撮像手段１６２を有して構成されている。この撮 像システムは、彫刻機が動作する際に、リアルタイムで彫刻領域を撮像すること が可能である。撮像システム１６２は、シリンダ２０の表面２０ａを光学的に撮 像するために、（図３に示されるような）カメラ１６２ａおよび１６２ｂを有し て構成させることが可能である。これにより、幅、深さ、面積、体積等の彫刻領 域の特性が検出され、これらの特性が所定の望ましい特性と比較される。この際 、プロセッサ２２により、例えば彫刻ヘッド３４および３６、および／または彫 刻器具５８および６０を駆動するために使用される駆動信号を調整するために、 実際の特性と望ましい特性との間の差異が利用される。これにより、異なる彫刻 ヘッドにより彫刻された領域が出会う部分において彫刻領域が整合し、または互 いに補足し合うから、シリンダ２０上に彫刻されるパターン内から望ましくない 継目部または不連続部が排除される。 本願発明と同一の譲受人に譲渡された同時係属出願である米国特許出願08/022 ,127号、08/125,938号、および08/415,638号に記載された撮像システム内で実現 された技術的構成を本発明において用いることができる。上記の特許出願は、参 照することで本願明細書に組み込まれる。 本発明による方法および装置を用いることで、複数の彫刻ヘッドにより彫刻さ れる彫刻領域から構成される画像を効率的に彫刻するための複数の彫刻ヘッドの 使用が容易となる。この際、複数の彫刻領域から画像を構成することで、それぞ れの彫刻領域は、組合わされ、混合され、または結合される。 上記の実施の形態においては、一対の彫刻ヘッド３４および３６を有する装置 について説明がなされたが、混合パターン、結合パターン、および／または組合 せパターンの彫刻をさらに容易とするために、多数の彫刻ヘッドを備えた多数の キャリッジおよび副キャリッジを彫刻台座１２上にスライド移動可能に設置する のが可能であることが理解されるであろう。本願発明は、図６Ａから図６Ｃおよ び図７に示される対称状のパターンの彫刻に限定されるものではなく、２つ以上 の彫刻器具により彫刻される複数の彫刻領域を有する任意形態のパターンを彫刻 するのに使用することが可能である。さらに、本発明を用いることで、１つの彫 刻ヘッドにより彫刻されたセルを、他の彫刻ヘッドにより容易に重ね彫りできる ことが理解されるであろう。 本願明細書において説明された彫刻方法、およびこの方法を実施するための装 置の形態は、本発明の好適な実施の形態として与えられているが、本発明がこの 方法および装置形態自体のみに限定されるものではなく、請求の範囲において規 定される本発明の範囲から離れることなく種々の変更が可能であることが理解さ れるであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 セイツ，デイビッド アール アメリカ合衆国 オハイオ 45377 ヴァ ンダリア バーチトン プレイス 1115 【要約の続き】 応する画像データを逐次処理および伝送する方法が与え られる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 複数の彫刻器具と、 ワークピース(workpiece)（加工物）上に組合わせパターンを彫刻するように 、それぞれの前記彫刻器具を駆動するために、前記複数の彫刻器具に接続された コントローラとを有して構成されるワークピース彫刻用の彫刻システム。 ２． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 彫刻台座をさらに有して構成され、 前記複数の彫刻器具が、前記彫刻台座上に設置されていることを特徴とする彫 刻システム。 ３． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 前記複数の彫刻器具が、複数の彫刻ヘッドに付設されていることを特徴とする 彫刻システム。 ４． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 それぞれの前記彫刻器具が、互いに所定の角度をなして離隔して配置されるこ とを特徴とする彫刻システム。 ５． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 前記組合せパターンは、彫刻された複数のセルからなるラインから構成され、 これら彫刻された複数のセルが、前記複数の彫刻器具のなかの少なくとも２つ の彫刻器具により彫刻されることを特徴とする彫刻システム。 ６． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 前記複数の彫刻器具が、少なくとも第１の彫刻器具と第２の彫刻器具とを有し て構成され、 前記組合せパターンが、前記第１の彫刻器具により彫刻されたセルからなる第 １のラインと、前記第２の彫刻器具により彫刻されたセルからなる第２のライン とを有して構成されていることを特徴とする彫刻システム。 ７． 請求項６記載の彫刻システムにおいて、 彫刻されたセルからなる前記第１のラインと前記第２のラインとが、互いに隣 接することを特徴とする彫刻システム。 ８． 請求項７記載の彫刻システムにおいて、 彫刻されたセルからなる前記第１のラインと前記第２のラインとが連続的に隣 接することを特徴とする彫刻システム。 ９． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 前記複数の彫刻器具を駆動するための複数の彫刻器具駆動部をさらに有して構 成されていることを特徴とする彫刻システム。 １０． 請求項９記載の彫刻システムにおいて、 ワークピース上に彫刻される画像に対応した画像データを記憶するための画像 メモリと、 前記複数の彫刻器具駆動部にそれぞれ接続された少なくとも１つのバッファ制 御部とをさらに有して構成され、 前記画像メモリから伝送される画像データを逐次処理するように、少なくとも １つの前記バッファ制御部を選択的に動作させるために、前記コントローラが、 複数の前記バッファ制御部に接続されていることを特徴とする彫刻システム。 １１． 請求項１０記載の彫刻システムにおいて、 前記コントローラが、前記彫刻システム内のワークピース駆動モータに接続さ れるエンコーダを有して構成されていることを特徴とする彫刻システム。 １２． 請求項４記載の彫刻システムにおいて、 前記複数の彫刻ヘッドが、互いに少なくとも９０度離隔して配置されているこ とを特徴とする彫刻システム。 １３． 請求項４記載の彫刻システムにおいて、 前記複数の彫刻ヘッドが、互いに約１８０度離隔して配置されていることを特 徴とする彫刻システム。 １４． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 前記彫刻器具が、スタイラスに連結された磁気拘束性部材を有して構成されて いることを特徴とする彫刻システム。 １５． 請求項１４記載の彫刻システムにおいて、 前記磁気拘束性部材が、Ｔｂ_xＤｙ_1-xＦｅ₂から形成されることを特徴とする 彫刻システム。 １６． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 前記ワークピースがシリンダであることを特徴とする彫刻システム。 １７． 請求項１記載の彫刻システムにおいて、 前記複数の彫刻器具のなかで、少なくとも１つの前記彫刻器具の他の彫刻器具 に対する相対的位置を調整するためのポジショナをさらに有して構成されている ことを特徴とする彫刻システム。 １８． 彫刻機内でワークピース上に組合せパターンを彫刻するための方法であ って、 前記ワークピースに対して、複数の彫刻器具を動作位置に配置する工程と、 前記組合せパターンを彫刻する工程とを有することを特徴とする彫刻方法。 １９． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻器具を互いに所定角度だけ離隔するように配置する工程をさら に有することを特徴とする彫刻方法。 ２０． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻器具を互いに少なくとも９０度離隔して配置する工程をさらに 有することを特徴とする彫刻方法。 ２１． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻器具を互いに約１８０度離隔して配置する工程をさらに有する ことを特徴とする彫刻方法。 ２２． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記組合せパターンは、複数のセルからなる複数のラインから構成され、 前記複数の彫刻器具により前記複数のラインを彫刻する工程をさらに有するこ とを特徴とする彫刻方法。 ２３． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記組合せパターンは、複数のセルからなる少なくとも２つのラインを有して 構成され、 前記複数の彫刻器具は、少なくとも２つの彫刻ヘッドを有して構成され、 前記少なくとも２つの彫刻ヘッドにより、複数のセルからなる前記少なくとも ２つのラインを彫刻する工程をさらに有することを特徴とする彫刻方法。 ２４． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記組合せパターンは、複数のセルからなる少なくとも１つのラインを有して 構成され、 前記複数の彫刻器具により、複数のセルからなる前記少なくとも１つのライン を彫刻する工程をさらに有することを特徴とする彫刻方法。 ２５． 請求項２４記載の彫刻方法において、 複数のセルからなる前記少なくとも１つのラインが、複数のセルからなる単一 の螺旋状ラインとして与えられることを特徴とする彫刻方法。 ２６． 請求項２４記載の彫刻方法において、 複数のセルからなる前記少なくとも１つのラインが、複数のセルからなる円周 状ラインとして与えられることを特徴とする彫刻方法。 ２７． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記組合せパターンを同時に彫刻するために、前記複数の彫刻器具を同時に駆 動する工程をさらに有することを特徴とする彫刻方法。 ２８． 請求項１９記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻器具間の離隔角度を補償するように、メモリ記憶部から画像デ ータが伝送されることを特徴とする彫刻方法。 ２９． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記組合せパターンの少なくとも一部分に対応する複数の駆動信号を発生する 工程と、 前記複数の駆動信号のなかの少なくとも１つの駆動信号に基づいて、それぞれ の前記彫刻器具を駆動する工程とをさらに有することを特徴とする彫刻方法。 ３０． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻器具のなかの１つの彫刻器具により、前記組合せパターンの前 記第１の領域を彫刻する工程と、 前記複数の彫刻器具のなかの他の彫刻器具により、前記組合せパターンの前記 第２の領域を彫刻する工程とをさらに有することを特徴とする彫刻方法。 ３１． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻ヘッドのなかの１つの彫刻ヘッドにより、他の前記彫刻ヘッド により彫刻された領域を重ね彫りする工程をさらに有することを特徴とする彫刻 方法。 ３２． 請求項１８記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻器具のなかの１つの彫刻器具の他の彫刻器具に対する水平方向 位置を調整する工程をさらに有することを特徴とする彫刻方法。 ３３． 複数の彫刻ヘッドを用いてワークピースを彫刻するための方法であって 、 複数の彫刻ヘッドを前記ワークピースに対して動作位置に配置する工程と、 前記ワークピース上に混合パターンを彫刻するために、前記複数の彫刻ヘッド を同時に駆動する工程とを有することを特徴とする彫刻方法。 ３４． 請求項３３記載の彫刻方法において、 前記混合パターンの少なくとも一部分に対応する複数の画像信号を発生する工 程と、 前記複数の画像信号に基づいて、前記複数の彫刻ヘッドを駆動する工程とをさ らに有することを特徴とする彫刻方法。 ３５． 請求項３３記載の彫刻方法において、 実質的に同一の彫刻トラック内で同時に彫刻するように、前記複数の彫刻ヘッ ドが駆動されることを特徴とする彫刻方法。 ３６． 請求項３５記載の彫刻方法において、 前記彫刻トラックが螺旋状に形成されることを特徴とする彫刻方法。 ３７． 請求項３５記載の彫刻方法において、 前記彫刻トラックが円周状に形成されることを特徴とする彫刻方法。 ３８． 請求項３３記載の彫刻方法において、 前記混合パターンは、複数の彫刻トラックから構成され、 前記複数の彫刻トラックのなかの少なくとも１つの彫刻トラックを彫刻するた めに、それぞれの前記彫刻ヘッドを駆動する工程をさらに有することを特徴とす る彫刻方法。 ３９． 請求項３３記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻ヘッドが、第１の彫刻ヘッドと第２の彫刻ヘッドとを有して構 成され、 前記混合パターンは、少なくとも第１のトラックと第２のトラックとを有して 構成され、 前記第１の彫刻ヘッドにより前記第１のトラックを彫刻し、前記第２の彫刻ヘ ッドにより前記第２のトラックを彫刻する工程を有することを特徴とする彫刻方 法。 ４０． 請求項３９記載の彫刻方法において、 前記第１のトラックと前記第２のトラックとが、互いに隣接するように配置さ れることを特徴とする彫刻方法。 ４１． 請求項３３記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻ヘッドのなかの１つの彫刻ヘッドを、他の前記彫刻ヘッドから 所定距離だけ離隔して配置する工程をさらに有することを特徴とする彫刻方法。 ４２． 請求項４１記載の彫刻方法において、 前記所定距離が、少なくとも９０度の離隔角度として与えられることを特徴と する彫刻方法。 ４３． 請求項４１記載の彫刻方法において、 前記所定距離が、約１８０度の離隔角度として与えられることを特徴とする彫 刻方法。 ４４． 請求項３３記載の彫刻方法において、 前記混合パターンに対応する画像データを少なくとも１つのバッファ内に記憶 する工程と、 前記少なくとも１つのバッファ内で前記画像データを編成処理する工程と、 前記少なくとも１つのバッファ内の前記画像データに応答して、前記複数の彫 刻ヘッドを駆動するための画像信号を発生する工程とをさらに有することを特徴 とする彫刻方法。 ４５． 請求項４４記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻ヘッドは、第１の彫刻ヘッドと第２の彫刻ヘッドとを有して構 成され、 前記第１の彫刻ヘッドと前記第２の彫刻ヘッドとの間の離隔角度に応じて、前 記画像データを伝送する工程を有することを特徴とする彫刻方法。 ４６． 請求項４５記載の彫刻方法において、 前記離隔角度が、９０度と２７０度との間の角度として与えられることを特徴 とする彫刻方法。 ４７． 請求項３３記載の彫刻方法において、 前記複数の彫刻ヘッドが、第１の彫刻ヘッドと第２の彫刻ヘッドとを有して構 成され、 前記第１の彫刻ヘッドと前記第２の彫刻ヘッドとの間の周方向オフセットを基 にして、前記混合パターンに応じた前記画像データを伝送する工程をさらに有す ることを特徴とする彫刻方法。 ４８． 請求項４７記載の彫刻方法において、 前記周方向オフセットがおおよそゼロであることを特徴とする彫刻方法。 ４９． 請求項４７記載の彫刻方法において、 前記周方向オフセットが、９０度と２７０度との間の離隔角度として与えられ ることを特徴とする彫刻方法。 ５０． 請求項４７記載の彫刻方法において、 前記周方向オフセットが、約１８０度の離隔角度として与えられることを特徴 とする彫刻方法。 ５１． 彫刻領域からなる複数のトラックから構成されるパターンを彫刻する方 法であって、 第１の彫刻ヘッドにより、前記複数のトラックのなかの少なくとも１つのトラ ックを彫刻する工程と、 第２の彫刻ヘッドにより、他の前記トラックを彫刻する工程とを有することを 特徴とする彫刻方法。 ５２． 請求項５１記載の彫刻方法において、 前記第１の彫刻ヘッドを前記第２の彫刻ヘッドに対して所定の離隔角度だけオ フセットされるように配置する工程をさらに有することを特徴とする彫刻方法。 ５３． 請求項５２記載の彫刻方法において、 前記オフセットが、９０度と２７０度との間の離隔角度として与えられること を特徴とする彫刻方法。 ５４． 請求項５１記載の彫刻方法において、 前記複数のトラックの少なくとも一部分を撮像して、これに対応する画像デー タを生成する工程と、 前記複数のトラックのなかで前記第１の彫刻ヘッドにより彫刻された少なくと も１つのトラックが、前記第２の彫刻ヘッドにより彫刻された他のトラックと補 足し合うか否かを判定するために、前記画像データを評価する工程とをさらに有 することを特徴とする彫刻方法。 ５５． 請求項５１記載の彫刻方法において、 前記複数のトラックのなかの少なくとも１つのトラックが、他の前記トラック に隣接するように配置されていることを特徴とする彫刻方法。 ５６． 請求項５１記載の彫刻方法において、 前記複数のトラックのなかの少なくとも１つのトラックが、他の前記トラック に対して連続するように配置されることを特徴とする彫刻方法。 ５７． 請求項５１記載の彫刻方法において、 前記第１の彫刻ヘッドと前記第２の彫刻ヘッドとの間の周方向オフセットを決 定する工程と、 該周方向オフセットに応じた駆動信号に基づいて、前記第１の彫刻ヘッドおよ び前記第２の彫刻ヘッドを駆動する工程とをさらに有することを特徴とする彫刻 方法。 ５８． 請求項５１記載の彫刻方法において、 前記第１の彫刻ヘッドと前記第２の彫刻ヘッドとの間の周方向オフセットに応 じて画像データを伝送する工程と、 該画像データに基づいて、前記複数のトラックのなかの少なくとも１つのトラ ックに対応する第１の彫刻ヘッド駆動信号を発生するとともに、他のトラックに 対応する第２の彫刻ヘッド駆動信号を発生する工程とをさらに有することを特徴 とする彫刻方法。 ５９． シリンダを回転可能に支持できる主軸台と心押し台とを備えた彫刻台座 と、 前記彫刻台座にスライド移動可能に設置されたキャリッジと、 前記キャリッジに設置された第１の彫刻ヘッドと、 前記第１の彫刻ヘッドに対して周方向のオフセットを有するように、前記キャ リッジ上に設置された第２の彫刻ヘッドと、 前記シリンダ上に少なくとも１つのパターンを彫刻するように、前記第１の彫 刻ヘッドおよび前記第２の彫刻ヘッドのそれぞれを駆動するために、前記第１の 彫刻ヘッドおよび前記第２の彫刻ヘッドに接続されたコントローラとを有して構 成され、 前記少なくとも１つのパターンが、前記第１の彫刻ヘッドと前記第２の彫刻ヘ ッドとにより彫刻された彫刻領域からなるトラックを有して構成されていること を特徴とする彫刻機。 ６０． 請求項５９記載の彫刻機において、 前記組合せパターンが、複数の彫刻セルからなるラインを有して構成され、 前記複数の彫刻セルが、少なくとも２つの前記彫刻器具により彫刻されること を特徴とする彫刻機。 ６１． 請求項５９記載の彫刻機において、 前記複数の彫刻器具が、少なくとも第１の彫刻器具と第２の彫刻器具とを有し て構成され、 前記組合せパターンが、前記第１の彫刻器具により彫刻された彫刻セルからな る第１のラインと、前記第２の彫刻器具により彫刻された彫刻セルからなる第２ のラインとを有して構成されていることを特徴とする彫刻機。 ６２． 請求項５９記載の彫刻機において、 前記周方向オフセットが、９０度と２７０度との間の離隔角度として与えられ ることを特徴とする彫刻機。 ６３． 請求項５９記載の彫刻機において、 前記周方向オフセットが、約１８０度の離隔角度として与えられることを特徴 とする彫刻機。 ６４． 請求項５９記載の彫刻機において、 前記コントローラは、前記少なくとも１つの彫刻パターンに対応する複数の駆 動信号を発生させるための発生器を有して構成され、 前記複数の駆動信号は、前記発生器に入力される画像データおよび前記周方向 オフセットに応じて発生されることを特徴とする彫刻機。 ６５． 請求項５９記載の彫刻機において、 前記キャリッジが、さらに該キャリッジ上で移動可能である第１の副キャリッ ジと第２の副キャリッジとを有して構成されていることを特徴とする彫刻機。 ６６． 請求項５９記載の彫刻機において、 前記コントローラが、ワークピース上に彫刻された画像に応じた画像データを 記憶するための画像メモリと、 前記複数の彫刻器具駆動部に対して、それぞれ接続された少なくとも１つのバ ッファ制御部とを有して構成され、 前記少なくとも１つのバッファ制御部から前記複数の彫刻器具に伝送される画 像データを逐次処理するように、前記少なくとも１つのバッファ制御部を選択的 に動作させるために、前記コントローラが前記少なくとも１つのバッファ制御部 に接続されていることを特徴とする彫刻機。 ６７． 請求項６６記載の彫刻機において、 前記コントローラが、前記彫刻機内のワークピース駆動モータに接続されるエ ンコーダを有して構成されていることを特徴とする彫刻機。 ６８． 請求項５９記載の彫刻機において、 前記彫刻ヘッドが、スタイラスに連結された磁気拘束性部材を有して構成され ていることを特徴とする彫刻機。 ６９． 請求項６８記載の彫刻機において、 前記磁気拘束性部材が、Ｔｂ_xＤｙ_1-xＦｅ₂から形成されていることを特徴と する彫刻機。