JP3504832B2 - グラビア彫刻機のスタイラス変位調整装置 - Google Patents

グラビア彫刻機のスタイラス変位調整装置

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JP3504832B2
JP3504832B2 JP22496497A JP22496497A JP3504832B2 JP 3504832 B2 JP3504832 B2 JP 3504832B2 JP 22496497 A JP22496497 A JP 22496497A JP 22496497 A JP22496497 A JP 22496497A JP 3504832 B2 JP3504832 B2 JP 3504832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラビア彫刻機に
関し、特に、彫刻ヘッドに設けられたスタイラスによっ
てグラビアシリンダの表面に彫刻されるセルの深さを調
整するためのスタイラス変位調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア彫刻機は、表面に銅メッキが施
された円筒状のグラビアシリンダを回転させながら、こ
のシリンダ表面にセルと呼ばれる四角錐状の微小な穴を
形成する装置である。そして、セルの深さと幅とによっ
て当該セルに挿入されるインキの量が制御され、画像濃
度が表現されるようになっている。シリンダ表面にセル
を形成するためには彫刻ヘッドが用いられる。彫刻ヘッ
ドには、先端にダイヤモンドの針(バイト)を有するス
タイラスが設けられており、このスタライスを数kHz
の周波数で振動させて彫刻を行っている。
【0003】図13は、彫刻ヘッドに印加される彫刻信
号を示したものであり、この彫刻信号の変位はスタライ
スの変位に相当している。彫刻信号は、図13(a)に
示すような高周波のキャリー信号と、図13(b)に示
すような画像データに基づく濃度信号とを重畳して得ら
れるものであり、彫刻信号vは、下式(1)で表され
る。下式(1)において、第1項は前記キャリー信号に
よるキャリー成分であり(図12(a)参照)、第2項
は前記濃度信号による濃度成分であり(図12(b)参
照)、第3項はオフセットゲイン(図9参照)である。
オフセットゲインGsは、スタイラスをグラビアシリン
ダ表面から離れる方向にシフトするための信号成分であ
る。
【0004】 v=Dc・Gc+Dd・Gd+Gs (1) ただし、Dc;キャリー信号 Dd;濃度信号 Gc;キャリーゲイン Gd;濃度ゲイン Gs;オフセットゲイン このような彫刻信号を彫刻ヘッドに印加することによ
り、画像の濃度に対応する深さ及び幅のセルをシリンダ
表面に彫刻することができる。なお、図13(c)にお
ける一点鎖線Sがシリンダ表面に相当しており、図の斜
線領域で示す部分がセルに相当している。
【0005】前述のように、グラビア彫刻機では、セル
深さによって濃度を表現するようにしているので、セル
深さと濃度とは一対一の関係にする必要がある。しか
も、線数(画像の目の細かさに相当)にかかわらず、シ
リンダの軸方向に隣り合うセル間には土手と呼ばれる彫
刻されない部分を設ける必要がある。このため、濃度と
セル深さとの対応関係をセル形状(セルの配列により変
化)やセルの配列線数によって変えなければならない。
また、彫刻ヘッドやシリンダが交換される場合にも変位
調整が必要となる。なお、セル深さはセル幅に一対一に
対応するので、以後セル幅を調整することによりセル深
さを調整するものとする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】出願人は、スタイラス
の変位を自動的に調整するスタイラス変位調整装置を既
に特開平6−191001号公報に開示している。この
装置は、前記各条件が変更される毎に試し彫りを行い、
彫刻されたセルのセル幅を自動計測し、彫刻ヘッドに印
加する彫刻信号を変化させながら所望のセル幅になるま
で試し彫りを繰り返して行うことにより前記3つのゲイ
ンを順次求めて基準彫刻信号を決定し、スタイラスの変
位を自動的に調整する装置である。
【0007】前記のスタイラス変位調整装置は、スタイ
ラスの調整を自動的に調整できる点で優れている。しか
し、基準彫刻信号を形成する各成分のゲインをそれぞれ
独立に調整するために各ゲインの調整毎に試し彫りを行
っているので、彫刻条件によっては所定のルーチンを何
度も反復して基準彫刻信号の調整に時間がかかる場合が
ある。
【0008】本発明の課題は、基準彫刻信号を形成する
各成分のゲインの相互関係を利用し、1度の試し彫りで
前記3つのゲインを1度に調整し、より迅速に基準彫刻
信号を決定することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るグラビア
彫刻機のスタイラス変位調整装置は、キャリーゲインと
濃度ゲインとオフセットゲインとを含む、スタイラスを
駆動する彫刻信号を調整することによってグラビアシリ
ンダの表面に彫刻されるセルの深さを調整するためのグ
ラビア彫刻機のスタイラス変位調整装置であって、セル
観測手段と画像処理手段と彫刻信号調整手段とを備えて
いる。
【0010】前記セル観測手段は、スタイラスによって
グラビアシリンダ表面に形成されたセルの形状を画像情
報として得る。前記画像処理手段は、前記セル観測手段
で得られた画像情報からセルのセルサイズデータを得
る。前記彫刻信号調整手段は、前記画像処理手段で得ら
れた1つのセルサイズデータと所望の基準セルサイズデ
ータとに基づき、前記全てのゲインの最適値を演算す
る。
【0011】前記グラビア彫刻機のスタイラス変位調整
装置では、スタイラスの変位調整を行うためのセルを適
当な大きさの彫刻信号によりシリンダ端部に彫刻する。
このセルの形状はセル観測手段によって画像情報として
観測される。この画像情報は画像処理手段に入力され、
ここでセルのセル幅やチャネル幅(図8のWb1,Wb
2で示されるように、高濃度セルを彫刻したときに主走
査方向に隣接するセル間で発生するセルの連続部分(チ
ャネル)の幅)などがセルサイズデータとして演算され
る。そして彫刻信号調整手段は、画像処理で得られたセ
ルサイズデータと所望の基準セルサイズデータとを同一
濃度で対比し、所望のセルサイズが得られるように前記
全てのゲインの最適値を演算する。各ゲインは、同一の
1つのセルサイズデータから一括して得られるので、基
準彫刻信号を迅速かつ適正に調整することが可能とな
る。
【0012】請求項2に係るグラビア彫刻機のスタイラ
ス変位調整装置は、請求項1の装置において、彫刻信号
調整手段がスタイラスの変位量をセル幅の変化量に置換
して前記の各ゲインの最適値を演算する。
【0013】
【発明の実施の形態】
[全体構成]図1及び図2に本発明のグラビア彫刻機の
一実施形態例を示す。このグラビア彫刻機は、ベッド1
と、ベッド1の上面に固定された主軸台2と、主軸台2
と対向して配置された芯押し台3と、第1テーブル4及
び第2テーブル5とを備えている。芯押し台3は、ベッ
ド1の上面に配置された1対のガイドレール6に沿って
装置の左右方向に移動自在である。そして、ベッド側部
に設けられたモータ及びベルト等からなる駆動機構9に
よって、芯押し台3は主軸台2に対して接近または離反
可能である。なお、芯押し台3のセンタ12は、シリン
ダ13によって出没自在である。第1テーブル4及び第
2テーブル5は、ベッド1の上面に配置された1対のガ
イドレール7に沿って左右方向に移動自在である。各テ
ーブル4,5は、1対のレール7間に配置されたボール
ねじ15及びこれを駆動するための駆動モータ16によ
ってレール7に沿って移動可能である。主軸台2の主軸
10は、駆動モータ及びベルト等からなる駆動機構11
によって回転させられるようになっている。このような
構成において、クラビアシリンダCは、図1の二点鎖線
で示すように、主軸10とセンタ12との間に支持され
る。
【0014】第1及び第2テーブル4,5には、彫刻ヘ
ッド21が、装置の前後方向に移動自在に設けられてい
る。そして第1テーブル4上面には、ガイドレール20
が設けられ、ボールねじ22及び駆動モータ23からな
る駆動機構によって彫刻ヘッド21が移動させられるよ
うになっている。 [スタイラス及びその駆動機構]図3に、彫刻ヘッド2
1に設けられたスタイラス及びその駆動機構を示す。
【0015】スタイラス30は、捩じりシャフト31の
先端に固定されており、その一端にはダイヤモンドバイ
ト32が装着されている。捩じりシャフト31の他端部
は固定部33に固定されている。また捩じりシャフト3
1の中間部には、平面視菱形のロータ34が固定されて
いる。ロータ34の周囲には、ロータ34を挟み込むよ
うに積層磁性体(ステータ)35が配置されており、こ
のステータ35の側部にはステータ35に磁力を与える
ための永久磁石36が配置されている。また、ロータ3
4の周囲でロータ34とステータ35との間には、コイ
ル37が配置されている。このような構成では、コイル
37に彫刻信号を印加することにより、スタイラス30
は図の矢印方向に彫刻信号の周波数に応じて振動する。 [制御ブロック]本装置の制御ブロックを図4に示す。
【0016】この装置はCPU、RAM及びROM等か
らなるマイクロコンピュータを含むコントローラ40を
有している。また、主軸台2と芯押し台3との間に配置
されたグラビアシリンダCの側端部に近い表面に対向し
て、シリンダ表面に形成されたセルの形状を観測するた
めの光学顕微鏡41が配置されている。光学顕微鏡41
は、グラビアシリンダCに対して接近または離反自在と
なっている。光学顕微鏡41にはファイバーケーブル4
2を介してストロボ光源43が接続されている。またス
トロボ光源43にはストロボ電源44が接続されてい
る。このストロボ光源43によって所定の周波数でスト
ロボを発光させることにより、グラビアシリンダを回転
させながらシリンダ表面の1か所を静止画として観測す
ることが可能となる。光学顕微鏡41にはCCD45が
設けられている。CCD45で得られた画像情報は、カ
メラコントローラ46に入力されるようになっている。
カメラコントローラ46は画像処理装置47に接続され
ている。
【0017】画像処理装置47にはCRTモニタ48が
接続されている。画像処理装置47にはカメラコントロ
ーラ46からビデオ信号が入力され、画像処理装置47
からCRTモニタ48に対してはモニタ信号が送出され
る。画像処理装置47は、カメラコントローラ46から
のビデオ信号をもとにセルサイズデータを演算するため
の装置である。この画像処理装置47とコントローラ4
0とはRS232Cを介して互いに接続されている。
【0018】コントローラ40はCPU、RAM、RO
M等を有するマイクロコンピュータを含んでおり、画像
処理装置47からのデータをもとに彫刻信号を調整する
ための機能を有している。コントローラ40から出力さ
れた彫刻信号は、駆動アンプ49を介して彫刻ヘッド2
1に与えられる。彫刻ヘッド21内では、駆動アンプ4
9からの彫刻信号はコイル37に供給される。また、シ
リンダCの回転位置はエンコーダ50によって検出され
るようになっており、このエンコーダ50の出力信号が
コントローラ40に入力されるようになっている。ま
た、コントローラ40は、カメラコントローラ46に対
してタイミングパルスを送出し、カメラコントローラ4
6は、ストロボ電源44に対してストロボを発光させる
ためのストロボタイミング信号を送出する。なお、コン
トローラ40には他の入出力部が接続されている。 [制御処理]次に、図5〜図7に示すフローチャートに
したがって本装置の制御動作を説明する。 <初期設定>装置の起動スイッチがオンされると、まず
ステップS1において初期設定がなされる。この初期設
定では、各部を初期位置に移動させる等の処理を行う。
次にステップS2では、セルモニタモードが選択された
か否かを判断する。このセルモニタモードは、グラビア
シリンダに対して試験的に彫刻を行い、スタイラスの変
位調整すなわちセル深さの調整を行うためのモードであ
る。またステップS3では彫刻開始指令がなされたか否
か、ステップS4ではその他の処理が選択されたか否か
を判断する。
【0019】セルモニタモードが選択された場合には、
プログラムはステップS2からステップS5に移行し、
後述するスタイラス変位調整処理を実行する。またスタ
イラスの変位調整が終了して彫刻の開始が選択された場
合にはステップS3からステップS6に移行する。ステ
ップS6では、グラビアシリンダの表面に画像情報に応
じた彫刻処理が実行される。またその他の処理が選択さ
れた場合には、ステップS4からステップS7に移行
し、選択された処理を実行してステップS2に戻る。 <調整処理>次に、スタイラス変位調整処理について説
明する。
【0020】ここで、セル配列線数の変化に伴い変化す
る各種のセル形状における、濃度とセル深さとの関係を
図11に示す。セル配列線数の変化に伴うセル形状の種
類としては、コンプレストセル、エロンゲートセル、フ
ァイン等があり、このセル形状の種類の違いによって濃
度とセル深さとの関係が図に示すように異なる。ここ
で、コンプレストセル(175L/i)を例にとって説
明すると、スタイラス変位は図の実線aに示されるよう
な特性に調整されなければならない。これは、濃度10
0%ではセル深さを42μmとし、濃度5%ではセル深
さを8μmとし、また濃度0%ではスタイラスが変位し
てもシリンダ表面が彫刻されないようにスタイラスとシ
リンダ表面との間に所定のギャップx(5μm程度)が
生じるようにするためである。このとき、演算によって
求めるその時の条件に適合する調整用基準特性として、
図11の破線bで示すような特性を求め、この特性を実
線aのデータに補正して彫刻信号を作成する。
【0021】ここで、コントローラ40で作成される彫
刻信号vは前述の式(1)で表される。式(1)におけ
る定数Gc,Gd,Gsがセル形状やセル配列線数ある
いはシリンダ径などの彫刻パラメータの変更に応じて調
整されるべきゲインである。なお、キャリーゲインGc
は出力波形の振幅に対応し、濃度ゲインGdは図9にお
ける破線の特性bの傾きを示し、オフセットゲインGs
はキャリー信号中心部のシリンダ表面からのシフト量を
示している。
【0022】前記各ゲインは図6以降に示すフローチャ
ートにしたがって求められる。まずステップS8では、
セル形状やセル配列線数、シリンダ径やスタイラスの刃
先の角度等の彫刻パラメータがオペレーターによって入
力されるのを待つ。彫刻パラメータが入力されると、ス
テップS9において各パラメータ及び濃度100%にお
ける目標セルサイズデータ、すなわち目標となる濃度1
00%セルのセル幅及びチャネル幅をコントローラ40
に設定する。次にステップS10では、濃度ステップパ
ターンを彫刻する。ここでは、前回既に各ゲインが本処
理によって求められている場合には、前回のゲインを用
いて10%濃度ステップごとにセルが形成されるような
彫刻信号を出力する。これにより、グラビアシリンダC
には、10%濃度ステップごとのセルが彫刻される。ま
た、各ゲインの値が求められていない場合には、それぞ
れのゲインを予め設定された初期値(Gc=Gc0 ,G
d=Gd0 ,Gs=Gs0 )として10%濃度ステップ
ごとのセルを彫刻する。
【0023】次にステップS11では、カメラコントロ
ーラ46に対して制御信号を送出し、光学顕微鏡41の
焦点をシリンダ表面に合わせる。また、グラビアシリン
ダの回転数と前述したセル配列線数とに応じてタイミン
グパルスをカメラコントローラ46に送出し、そのタイ
ミングでストロボを発光させる。これにより、光学顕微
鏡41によりグラビアシリンダCに彫刻された所定位置
のセル形状を観測することが可能となる。
【0024】ここで、光学顕微鏡41の焦点をシリンダ
表面に合わせる場合には、CCD45で取り込んだセル
画像の濃度ヒストグラムを作成し、最大コントラストが
得られるまで光学顕微鏡41を前進あるいは後退させ
る。このようにして最大コントラストが得られた光学顕
微鏡位置がフォーカス位置である。このような制御は画
像処理装置47によって行われる。あるいは、別途オー
トフォーカス用の距離センサからの信号により光学顕微
鏡を位置決めしてもよい。
【0025】このようにして得られたセル形状の画像デ
ータは、ビデオ信号としてカメラコントローラ46から
画像処理装置47に送られる。そこでステップS12に
おいて、コントローラ40から画像処理装置47に対し
て信号を出力し、セルサイズ(セルのセル幅とチャネル
幅)を画像処理装置47に計測させる。このセルサイズ
の計測データは、セルサイズデータとしてRS232C
を介してコントローラ40に取り込まれる。
【0026】ステップS13では、この取り込まれたセ
ルサイズデータをもとに、実測されたセルサイズと目標
となるセルサイズとを比較して、実測されたセルサイズ
が許容値内であるか否かを判断する。ここで、10%濃
度ステップごとにセルが彫刻されているが、許容値内に
あるか否かの判断は前記目標セルサイズを設定した濃
度、すなわち濃度100%のセルによって行う。なお、
ステップS9で目標セルサイズを他の濃度で設定した場
合はその濃度で前記の判断を行う。この時点で計測され
た実際のセルサイズが入力された目標セルサイズと比較
して許容値内にある場合には、ステップS14のデータ
補正処理に移行する。たとえばグラビアシリンダのみを
交換し、他の条件が変更されていない場合には、前回得
られた各ゲインの値を使える場合が多い。この場合には
ステップS13でYESと判断される場合が多く、ステ
ップS15のゲイン演算ルーチンを行わず、ステップS
14のデータ補正処理のみを行うことにより時間短縮を
図ることができる。
【0027】すなわち、ステップS13でセルサイズが
許容範囲に入っていれば、ゲインが最適値になっている
ことになり、前述のステップS10での彫刻も基準彫刻
信号でなされたことになる。よって次のステップS14
では、まず、ステップS10で彫刻した濃度100%ス
テップ毎のセルのセルサイズを計測し、図11の破線b
で示す調整用基準特性を得る。そして濃度に対応する実
際のセル深さが、当該調整用基準特性に基づいて実線a
で示す特性となるように濃度データを書き換える。すな
わち、図12に例示する調整用基準特性bが得られる
と、元の画像データである特性aの濃度データを、対応
する調整用基準特性b上における画像データに書き換え
てデータ補正を行う。特性bはある関数で表され、また
特性aも関数で表される。従って、例えば濃度e1及び
e2を、2つの関数式を用いて濃度データe3及びe4
に補正する。このようにして、たとえば濃度e1のセル
を形成する場合は、調整用基準特性b上では濃度e3に
相当するので、e1をe3に補正して彫刻信号を作成す
る。これにより、形成されたセルによる濃度はe1とな
る。
【0028】ステップS13でセルサイズが許容値内に
無い場合には、ステップS15のゲイン演算ルーチンに
移行する。ゲイン演算ルーチンでは、計測したセルサイ
ズに基づき当該セルを形成した彫刻信号のキャリー成
分、濃度成分及びオフセットゲインによるスタイラスの
変位量をそれぞれキャリー変位量、濃度変位量、オフセ
ット変位量の実測変位量として計算する。この実測変位
量をそれぞれキャリー変位量、濃度変位量、オフセット
変位量の目標変位量と対比して各ゲインGc,Gd,G
sの目標値を演算により一度に求める。なお、このゲイ
ン演算ルーチンについては後に詳しく説明する。
【0029】以上のように、所定の濃度により形成され
たセルを観測して得られた実測変位量と目標変位量とを
対比することによって、理論上は濃度ゲイン、キャリー
ゲイン及びオフセットゲインの最適値を得ることができ
る。さらにステップ10〜ステップ11の処理を何回か
繰り返すことによって実測セルサイズデータの精度を高
めることも好ましい。このようにして求めた各ゲインか
ら式(1)で表される基準彫刻信号を得る。この実施形
態では、スタイラスの変位量(彫刻信号の変位量)をセ
ルサイズの変化量に置換し、彫刻信号を決定するキャリ
ーゲイン、濃度ゲイン及びオフセットゲインを関連づけ
て演算し、基準彫刻信号を迅速かつ的確に調整すること
ができる。 [各ゲインの演算処理の詳細]以下、Gd,Gc,Gs
の演算について、さらに具体的かつ詳細に説明する。 <濃度と画像データとの関係>以下において、濃度を2
56段階にデジタル化した画像データを用い、0から2
8までの画像データを濃度0%に、28から228まで
を濃度に応じた階調に、228から256までを濃度1
00%に対応させるものとする。 <セルの形状と彫刻信号との関係>以下にセル形状と彫
刻信号との関係を説明する。セル形状としては、図8
(a)に例示するようにチャネルを生じる場合と、図8
(b)に例示するようにチャネルを生じない場合とがあ
る。上記のチャネルは高濃度セルを彫刻するときに生
じ、印刷時にインキの流れを向上させる働きがある。
【0030】まず、チャネルが存在するときの平均チャ
ネル幅Wbは下記式(2)で計測される。 Wb=(Wb1+Wb2)/2 (2) 一方、チャネルが存在しない場合は、仮想のチャネルを
想定して次のようにして求める。図8(b)に例示する
ように、各セル間の距離(ピッチ)をL、主走査方向の
セル長さをl及びセル幅をWaとすると、Lがキャリー
信号の周期(=2π)に対応しているので、図8(b)
におけるθは下式(3)で表され、仮想チャネル幅Wb
は下式(4)で表される。
【0031】 θ=π/2+l・π/L (3) Wb=−(1+sinθ)/(1−sinθ)Wa (4) 以上のようにして求められるセル幅Wa及びチャネル幅
Wbとスタイラスの変位量との関係を図9に示す。図9
は彫刻信号によるスタイラスの変位量をセル幅に換算し
て示し、以下においてスタイラスの変位量はとくに断ら
ない限りセル幅換算値である。図9において、Waはセ
ル幅、Wbはチャネル幅、fは彫刻信号の振幅によるス
タイラスの変位量にそれぞれ対応し、 f=Wa−Wb で表される。彫刻信号によるスタイラスの変位波形の振
幅中心の位置は (Wa+Wb)/2 で表される。彫刻信号のオフセットゲインによるスタイ
ラスの変位量に対するddは、 dd={Gs/(Gd−Gs)}{B+(Wa+Wb)/2} (5) で表される。
【0032】ここでBは無信号時のスタイラスとグラビ
アシリンダ表面とのギャップ量のセル幅換算値であり、
次のように求められる。図9に示すように、オフセット
ゲインによるシフト量ddと、画像データによるスタイ
ラスの変位量とが同じ大きさになるときの画像データを
dとすると、シリンダ表面からスタイラスの変位の振幅
中心までの値は前記ギャップ量のセル幅換算値Bと等し
くなる。従って、画像データdにおける振幅中心までの
値、すなわち前記ギャップ量Bは、画像データdにおけ
るセル幅をWad、チャネル幅をWbdとすると下式の
ように表される。
【0033】B=(Wad+Wbd)/2 <各ゲインの演算処理>以上の前提のもとに、図7に示
すフローチャート及び図10に示す彫刻信号の目標変位
量と実測変位量との関係に従い、Gd,Gc,Gsの最
適値を求める。 ステップ16;目標キャリー変位量の演算 目標キャリー変位量ccは、目標セルサイズとして入力
したセル幅CEと目標チャネル幅CHとの差に対応し、
下式で表される。
【0034】cc=CE−CH ステップ17;実測キャリー変位量の演算 実測キャリー変位量fは、実測セル幅Waと実測チャネ
ル幅Wbとを用いて下式で表される。 f=Wa−Wb ここでWbは前記の式(2)または(4)で表される値
である。 ステップ18;キャリーゲインの最適値Gcの演算 最適キャリーゲインGcは、最適キャリーゲインGcと
実測キャリーゲインGc0との比が、目標キャリー変位
量ccと実測キャリー変位量fとの比に対応することを
用い、下式で求められる。
【0035】Gc=Gc0×(cc/f) ここでGc0;実測時のキャリーゲイン ステップ19;目標オフセット変位量ooの演算 目標オフセット変位量は、画像データが28(濃度0
%)の場合にスタイラスの先端がグラビアシリンダの表
面に当接するようなオフセットゲインが最適であるとし
て求める。この場合は、図10に例示する状態となり、
目標オフセット変位量ooは下式で表される。
【0036】oo=ss−B+cc/2 ここでssは、画像データが28(濃度0%)の場合に
スタイラスの先端がグラビアシリンダの表面に当接する
ようにスタイラスをシフトさせる量(セル幅換算値)で
ある。画像データ0におけるシフト量ssは、画像デー
タ28と画像データ228(濃度100%)とにおける
振幅中心値の差と図10におけるssとの比例関係か
ら、目標セル幅CEと目標チャネル幅CHを用いて下式
で表される。
【0037】 ss=14(CE+CH+cc)/(228−28) ステップ20;実測オフセット変位量ddの演算 実測オフセット変位量ddは、実測セル幅Waと実測チ
ャネル幅Wbと前記ギャップ量Bとを用いて前記の式
(5)で表される。 dd={Gs0/(Gd0−Gs0)}{B+(Wa+
Wb)/2} ここでGd0;実測時の濃度ゲイン Gs0;実測時のオフセットゲイン ステップ21;オフセットゲインの最適値Gsの演算 最適オフセットゲインGsは、最適オフセットゲインG
sと実測オフセットゲインGs0との比が、前記目標オ
フセット変位量ooと実測オフセット変位量ddとの比
に対応することを用いて下式で表される。
【0038】Gs=Gs0・(oo/dd) ここでGs0;実測時のオフセットゲイン ステップ22;目標濃度変位量の演算(グラビアシリン
ダ表面までを除く) グラビアシリンダ表面までの変位量を除いた目標濃度変
位量は、目標チャネル幅CHと前記キャリー変位量cc
とを用いて下式で表される。
【0039】h=CH+cc/2 ステップ23;実測濃度変位量g,hhの演算 グラビアシリンダ表面までの変位量を含む実測濃度変位
量gは、実測チャネル幅Wbと前記実測オフセット変位
量ddと前記ギャップ量Bと前記実測キャリー変位量f
とを用いて下式で表される。
【0040】g=Wb+dd+B+f/2 グラビアシリンダ表面までの変位量を除く実測濃度変位
量hhは、前記セル幅Waと実測チャネル幅Wbとを用
いて下式で表される。 hh=(Wa+Wb)/2 ステップ24;濃度ゲインの最適値Gdの演算 目標濃度ゲインは、前記で求めたh,hh,g,ooお
よびddを用いて下式で表される。下式において第1項
目及び第2項目はグラビアシリンダ表面からの変位量に
対応し、第3項目はグラビアシリンダ表面に達するまで
の変位量に対応する。
【0041】Gd={228+228(h−hh)/g
+c(oo−dd)dd}/228 ここで228;観測したセルの濃度(100%)を表す
画像データ 以上のようにして各ゲインGc,Gd及びGsの最適値
が決定され、彫刻信号を調整するための式(1)は確定
する。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明では、実測した同じ
1つのセルサイズデータからスタイラスを駆動する彫刻
信号の全てのゲインを相互関係に基づき演算し、基準彫
刻信号を迅速かつ適正に調整することができるので、彫
刻信号の調整時間を短縮でき、セル深さの調整を安定し
て行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が採用されたグラビア彫刻機
の正面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】彫刻ヘッドに設けられたスタイラス及びその駆
動機構を示す斜視図。
【図4】本装置の制御ブロック図。
【図5】本装置の制御フローチャート。
【図6】スタイラス変位調整処理を行う制御フローチャ
ート。
【図7】彫刻信号の演算例を示すフローチャート。
【図8】セルのタイプと彫刻信号との関係を示す概念
図。
【図9】スタイラスの変位量とセル幅との関係を示す説
明図。
【図10】スタイラスの目標変位量と実測変位量との関
係を示す説明図。
【図11】各種の線数における濃度とセル深さとの関係
を示す図。
【図12】彫刻信号とセル幅との関係説明図。
【図13】彫刻信号の波形図。
【符号の説明】
C グラビアシリンダ 21 彫刻ヘッド 30 スタイラス 40 コントローラ 41 光学顕微鏡 45 CCD 46 カメラコントローラ 47 画像処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41C 1/045

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャリーゲインと濃度ゲインとオフセット
    ゲインとを含む、スタイラスを駆動する彫刻信号を調整
    することによってグラビアシリンダの表面に彫刻される
    セルの深さを調整するためのグラビア彫刻機のスタイラ
    ス変位調整装置であって、 前記スタイラスによってグラビアシリンダ表面に形成さ
    れたセルの形状を画像情報として得るためのセル観測手
    段と、 前記セル観測手段で得られた画像情報から前記セルのセ
    ルサイズデータを得る画像処理手段と、 前記画像処理手段で得られた1つのセルサイズデータと
    所望の基準セルサイズデータとに基づき、前記全てのゲ
    インの最適値を演算する彫刻信号調整手段と、を備えて
    いるグラビア彫刻機のスタイラス変位調整装置。
  2. 【請求項2】前記彫刻信号調整手段は、スタイラスの変
    位量をセル幅の変化量に置換して前記全てのゲインの最
    適値を演算する請求項1に記載のグラビア彫刻機のスタ
    イラス変位調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102602126A (zh) * 2012-03-29 2012-07-25 汕头市立成印刷制版厂有限公司 凹印版辊的雕刻方法

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