JP4498482B2 - グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 - Google Patents
グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4498482B2 JP4498482B2 JP29526998A JP29526998A JP4498482B2 JP 4498482 B2 JP4498482 B2 JP 4498482B2 JP 29526998 A JP29526998 A JP 29526998A JP 29526998 A JP29526998 A JP 29526998A JP 4498482 B2 JP4498482 B2 JP 4498482B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engraving
- cell
- needle
- depth
- volume
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はグラビア印刷版を製作する技術分野に属する。特に、電気情報信号により制御される機械的彫刻ヘッドを用いて彫刻を行い、グラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を得る場合に、彫刻品質管理等の目的で彫刻セルの形状パラメータを測定する装置およびその測定に基づいてグラビア版の彫刻を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷においては、グラビア版面上に供給されたインキをドクター装置によって掻き落とし、グラビア版面上に形成された凹形状のセルに残されたインキを印刷用紙に転移して印刷が行われる。すなわち、セルに残されたインキの量により印刷濃度が変化し、それにより印刷パターンが形成される。したがって、適正な形状を有するセルがグラビア版面上に形成されることが適正な印刷品質を得るために決定的に重要である。
【0003】
そこで、機械的彫刻ヘッドを用いてグラビア版面上に彫刻を行う場合には、所定の入力データに対して所定の形状のセルが形成されるように、通常は、本彫刻の前に彫刻条件の設定が行われる。そのため、テスト彫刻を行って彫刻条件が適正であるか否かが判定される。
従来は、彫刻条件が適正であるか否かの判定は、テスト彫刻によりグラビア版面上に形成されたセルをスケール入りの顕微鏡で観察し、セルの寸法を測定することにより行われている。すなわち、セルの天地寸法(彫刻方向と平行方向の寸法;長さ)または左右寸法(彫刻方向と直角方向の寸法;幅)が所定の入力データに対して所定の寸法であるか否かによって、彫刻条件が適正であるか否かの判定が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セルの寸法とセルの形状が1対1の関係にある場合にはこの方法によって適正な判定を行うことができる理屈である。ところが実際には、彫刻針の磨耗等による差異がありこの方法では充分な精度で判定することができない。特に、印刷品質に対する要求度が高い場合には、従来の方法を用いることができない。たとえば、グラビア版の生産時間を短縮するため複数(たとえば4〜8)の機械的彫刻ヘッドを同時進行で用いてグラビア版面上に彫刻が行われる。その場合、機械的彫刻ヘッドの僅かな彫刻特性の違いが、印刷物の隣接する絵柄に色調の差となって現れる。その色調の差は隣接するため極めて目立つこととなり、印刷品質に対する要求度が高くなる。
【0005】
そのため、従来は印刷工程において実際に印刷が行われてから初めて色調不良が判明し、グラビア版の修正や再版(作り直し)を余儀なくされていた。これによる、材料、時間、労力の浪費および印刷機の稼動停止による損失は極めて大きなものである。
そこで、本発明の目的は、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも簡易に測定が可能なグラビア版彫刻セル測定装置およびその測定に基づく作業性の良いグラビア版彫刻方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明の第1の形態のグラビア版彫刻セル測定装置は、グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、 前記画像データに基づいて彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって前記面積を演算することにより前記彫刻セルの開口面積を演算するセル面積演算手段と、 前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し、彫刻ヘッドに取りつけられた彫刻針の角度である彫刻針角度と、彫刻針磨耗度に相当する使用時間とからなる彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、 前記開口部の幅の最大値である彫刻セルの最大幅と、前記彫刻データの彫刻針角度とに基づいて、彫刻セルの深さを((彫刻セルの最大幅)/2)/(tan((彫刻針角度)/2))から演算する彫刻セル深さ演算手段と、 前記彫刻針磨耗度に相当する使用時間に基づいて、使用時間に対応する補正係数が記述されたテーブルを参照して補正係数を得る彫刻針磨耗度補正係数取得手段と、 前記彫刻セルの開口面積と前記彫刻セルの深さと前記補正係数に基づいて、(開口面積)×(深さ)×(1/3)×(補正係数)から彫刻セルの体積を演算する彫刻セル体積演算手段と、 を有するようにしたものである。
本発明によれば、彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって演算したセル面積、最大幅と彫刻針角度から演算したセル深さ、彫刻針磨耗度(使用時間)に基づく補正係数、から彫刻セルの形状パラメータとして体積を導出し、その体積からセルの形状を特定することができる。すなわち、セルの寸法である幅と長さからセル形状を特定するのではなく、彫刻セルの開口面積を極めて良好な精度で得ることができ、それに基づいて導出する体積も良好な精度である。したがって、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルを撮像することで簡易に測定が可能なグラビア版彫刻セル測定装置が提供される。
【0007】
また本発明の第2の形態のグラビア版彫刻セル測定装置は、グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、 前記画像データに基づいて彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって前記面積を演算することにより前記彫刻セルの開口面積を演算するセル面積演算手段と、 前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し、彫刻ヘッドに取りつけられた彫刻針の角度である彫刻針角度と、彫刻針磨耗度に相当する使用時間とからなる彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、 前記開口部の幅の最大値である彫刻セルの最大幅と、前記彫刻針角度と、前記彫刻針磨耗度とに基づいて、最大幅と彫刻針角度と彫刻針磨耗度とに対応する彫刻セルの深さが記述されたテーブルを参照して彫刻セルの深さを得る彫刻セル深さ取得手段と、 前記彫刻セルの開口面積と前記彫刻セルの深さに基づいて、(開口面積)×(深さ)×(1/3)から彫刻セルの体積を演算する彫刻セル体積演算手段と、 を有するようにしたものである。
本発明によれば、彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって演算したセル面積、最大幅と彫刻針角度と彫刻針磨耗度(使用時間)に基づくセル深さ、から彫刻セルの形状パラメータとして体積を導出し、その体積からセルの形状を特定することができる。すなわち、セルの寸法である幅と長さからセル形状を特定するのではなく、彫刻セルの開口面積を極めて良好な精度で得ることができ、それに基づいて導出する体積も良好な精度である。したがって、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルを撮像することで簡易に測定が可能なグラビア版彫刻セル測定装置が提供される。
【0008】
また本発明の第1の形態のグラビア版彫刻方法(請求項3)は、基準データに基づいてテスト彫刻を行いグラビア版面上にテスト彫刻セルを形成するテスト彫刻過程と、前記テスト彫刻セルを撮像することによりその形状パラメータを自動測定し測定形状データを得るセル測定過程と、前記測定形状データと基準形状データとを比較し彫刻条件を補正する必要性を判定する比較判定過程と、前記比較判定過程により補正必要の判定が行われた場合には彫刻条件を補正する彫刻条件補正過程と、前記比較判定過程により補正不要の判定が行われた場合には前記彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成する本彫刻過程とから成り、前記形状パラメータは体積であって、前記体積は、 前記テスト彫刻セルを撮像して得た画像データに基づいて彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって前記面積を演算することにより前記彫刻セルの開口面積を演算するセル面積演算過程と、 前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し、彫刻ヘッドに取りつけられた彫刻針の角度である彫刻針角度と、彫刻針磨耗度に相当する使用時間とからなる彫刻条件データを得る彫刻条件入力過程と、 前記開口部の幅の最大値である彫刻セルの最大幅と、前記彫刻データの彫刻針角度とに基づいて、彫刻セルの深さを((彫刻セルの最大幅)/2)/(tan((彫刻針角度)/2))から演算する彫刻セル深さ演算過程と、 前記彫刻針磨耗度に相当する使用時間に基づいて、使用時間に対応する補正係数が記述されたテーブルを参照して補正係数を得る彫刻針磨耗度補正係数取得過程と、 前記彫刻セルの開口面積と前記彫刻セルの深さと前記補正係数に基づいて、(開口面積)×(深さ)×(1/3)×(補正係数)から彫刻セルの体積を演算する彫刻セル体積演算過程と、によって得られる体積であるようにしたものである。
本発明によれば、テスト彫刻過程により基準データに基づいてテスト彫刻が行われグラビア版面上にテスト彫刻セルが形成され、セル測定過程により前記テスト彫刻セルを撮像することによりその形状パラメータが自動測定され測定形状データが得られ、比較判定過程により測定体積データと基準体積データとが比較され彫刻条件を補正する必要性の判定がなされる。補正必要の判定が行われた場合には彫刻条件補正過程により彫刻条件の補正が行われる。一方補正不要の判定が行われた場合には本彫刻過程によりその彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成する。
この過程において、形状パラメータは体積であって、体積は彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって演算したセル面積、最大幅と彫刻針角度から演算したセル深さ、彫刻針磨耗度(使用時間)に基づく補正係数、から彫刻セルの形状パラメータとして体積を導出し、その体積からセルの形状を特定することができる。すなわち、セルの寸法である幅と長さからセル形状を特定するのではなく、彫刻セルの開口面積を極めて良好な精度で得ることができ、それに基づいて導出する体積も良好な精度である。このように、セルの体積を自動測定してグラビア版の彫刻条件を高精度に管理するから、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルの体積を簡易かつ正確に測定することができ作業性の良いグラビア版彫刻方法が提供される。
また本発明の第2の形態のグラビア版彫刻方法(請求項4)は、第1の形態のグラビア版彫刻方法において、前記彫刻条件補正過程を行った場合には前記テスト彫刻過程と前記セル測定過程と前記比較判定過程とを繰返すようにしたものである。本発明によれば、テスト彫刻過程とセル体積測定過程とが繰返され、すなわち測定→調整→彫刻→測定が繰返され調整精度が高められる。また、セル体積測定過程が自動測定であるから、この調整作業の作業性と作業時間の制約が少なくなり充分に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の態様】
次に、実施の態様により本発明について説明する。本発明のグラビア版彫刻セル測定装置の構成の一例を絵図として図1に示す。図1において、1はグラビア版彫刻装置、2はグラビア版、3a,3b,3c,3d,3e,3fはグラビア版彫刻装置1の彫刻ヘッド、4はグラビア版彫刻セル測定装置(セル測定装置と略称する)、5は撮像手段、6はキーボード、マウス等の入力部、7はディスプレイ、プリンタ等の出力部、8は処理部、9は記憶部、10は画像入力手段、11は彫刻条件入力手段、12はセル演算手段、13は画像データ、14は彫刻条件データである。
【0010】
グラビア版彫刻装置1はグラビア版2を支持し、その軸回りに回転する構造を有する。グラビア版彫刻装置1の彫刻ヘッド3は、図1に示す一例では、6つで構成されており、グラビア版2の軸方向と平行する方向に彫刻を行いながら移動する構造を有する。すなわち、グラビア版2をその軸回りに回転し彫刻ヘッド3a〜3fをグラビア版2の軸方向に移動することで、グラビア版2の版面全体に対して彫刻を行う。
【0011】
グラビア版彫刻装置1の彫刻ヘッド3a〜3fが6つで構成されているということは、彫刻ヘッドが1つの構成の場合と比較して、グラビア版2の版面全体の彫刻を6倍の速度で完了することができることを意味している。その一方で、彫刻ヘッドが1つの構成の場合と比較して、6倍の数の彫刻ヘッド3a〜3fについて、彫刻条件を適正に設定する必要がある。すでに説明したように、異なる彫刻ヘッドにより彫刻する場合は、彫刻ヘッドの僅かな彫刻特性の違いが印刷物の絵柄に色調の差となり、絵柄が隣接するため目立つこととなる。したがって、適正な彫刻条件の設定をすべての彫刻ヘッド3a〜3fに対して行うことが印刷品質を確保するために必要であり、そのためには、簡易かつ高精度で測定が可能なセル体積測定装置が必要である。
【0012】
セル測定装置4は、パーソナルコンピュータ、画像処理装置等のデータ処理装置のハードウェアとソフトウェアによって実現することができる。図1に示すように、セル測定装置4は処理部8と記憶部9とから構成され、さらに処理部8は画像入力手段10、彫刻条件入力手段11、セル演算手段12とから構成され、記憶部は画像データ13と彫刻条件データ14から構成される。処理部8はCPU(central processing unit )や処理プログラム等によって実現することができ、記憶部はRAM(random access memory)やハードディスク装置等によって実現することができる。
【0013】
撮像手段5は、たとえばCCDイメージセンサのような撮像素子に対し拡大光学系によりグラビア印刷版面の彫刻セルの光学イメージを結像させて撮像信号を出力するカメラ(撮像手段5と指示した部分)と、そのカメラから出力される撮像信号をディジタル信号に変換してセル測定装置4に出力する部分(セル測定装置4が内蔵する撮像信号インターフェース)とから構成される。
撮像手段5からセル測定装置4に出力される彫刻セルの光学イメージのディジタル信号は、セル測定装置4の処理部8の画像入力手段10によって記憶部9に画像データ13として格納される。
【0014】
画像入力処理について一例を挙げて詳細に説明する。画像入力手段10は画像入力画面を出力部7のディスプレイに表示する。その画像入力画面には所定の時間間隔で撮像手段5により撮像され彫刻セルの濃淡画像と、その濃淡画像を判別分析法により求めた閾値等の所定の閾値で2値化した2値画像が表示されている。セル測定装置4の操作者は濃淡画像または2値化画像の所定の範囲に測定対象の彫刻セルの光学イメージが正常に含まれているか否かを判定する。正常であれば、画像入力を指示する操作、たとえばキーボードの特定キーを押して指示するか、またはマウスの指示ポイントを画像入力を指示するウィンドウの所定に位置においてマウスボタンをクリックして指示する。
【0015】
正常でない場合には、撮像手段5の撮像位置を変更するか画像入力画面の操作により、濃淡画像または2値化画像の所定の範囲に測定対象の彫刻セルの光学イメージが正常に含まれるようにして画像入力を指示する。画像入力の指示により、画像入力手段10はディスプレイに表示されている濃淡画像および/または2値化画像を記憶部9に画像データ13として格納する。
画像入力画面において、判別手法の変更等により所定の閾値の変更、撮像条件(撮像倍率、シャッター時間等)の変更等を行うようにすることができるが、通常使用ではその必要が無いように構成されており変更の操作は行われない。セル測定装置4の操作者が測定対象の彫刻セルを変更する度に繰返し行う操作はこの画像入力の指示だけである。
【0016】
画像データ13としてセル測定装置4の記憶部9に格納する彫刻セルとしては、本発明においては特に限定はない。本彫刻を始める前に彫刻条件を決定するためのテスト彫刻した部分の彫刻セルであっても、また、本彫刻した部分の彫刻セルであってもよい。本発明の撮像手段5はグラビア印刷版面の任意の位置において彫刻セルを撮像することができ、また、セル測定装置4は任意の彫刻セルの体積を測定することができる。
【0017】
グラビア版彫刻装置1によって彫刻が行われる場合、彫刻ヘッド3a〜3fに取り付けられた彫刻針の針形状によって得られる彫刻セルの立体的形状が異なったものとなる。その場合、彫刻針の針形状において特に重要であるのは彫刻針角度であり、彫刻針角度によって彫刻セルの開口形状が同じであってもその彫刻セルの深さが異なったものとなる。彫刻針角度は、たとえば110〜150度の角度があり、角度が鋭角であるほど彫刻セルの開口形状が同じであっても彫刻セルの深さが深くなり彫刻セルの体積が大きくなる。
【0018】
一般に、彫刻針の種類は彫刻針角度によって一意的に決まり、したがって彫刻針の先端の針形状も彫刻針角度によって一意的に決まるのであるが、使用経過(履歴)に応じて彫刻針(ダイアモンド針)の磨耗が進行し彫刻針の針形状が少しづつ変化する。その結果、彫刻針の磨耗を除き彫刻条件を同一とした場合でも、彫刻によって得られる彫刻セルの開口形状とその彫刻セルの深さが異なったものとなる。
【0019】
この磨耗の進行度合いは使用時間によって決まる。彫刻針の品質のバラツキや、彫刻する画像データの違い、彫刻するグラビアシリンダー版の版面物性の違い、等により厳密には異なる部分を有するのであるが、使用時間によって磨耗の進行度合いが決まるものとして近似することができる。
また、この磨耗の進行度合いはテスト彫刻により決定することができる。所定の彫刻条件において、そのテスト対象の彫刻針により彫刻して得られた彫刻セルの開口形状を観察し、磨耗の進行に起因する独特の形状変化の度合いにより磨耗の進行度合いを判定することができる。この形状変化の度合いによる磨耗の進行度合いをサンプルと比較し使用時間に換算して、「使用時間が“何時間”に相当する磨耗の進行度合いである」と判定することができる。
【0020】
図1の説明に戻り彫刻条件入力手段11は、出力部7のディスプレイに彫刻条件の入力画面を表示する。セル測定装置4の操作者が表示画面を見ながら入力部6(キーボード、マウス)を操作して彫刻条件を入力する。すなわち彫刻条件として、前述した彫刻針角度と、彫刻針磨耗度に相当する使用時間を入力する。彫刻条件入力手段11は、入力された彫刻条件に基づいて彫刻条件データ14を生成し記憶部9に格納する。操作者による彫刻条件の入力は1回行えばよく、測定対象の彫刻セルを変えて新たに撮像が行われる場合に再入力を行う必要はない。
【0021】
セル演算手段12は、画像データ13と彫刻条件データ14に基づいて彫刻セルの体積または開口面積(開口部の面積)を演算する。セル演算手段が彫刻セルの開口面積を演算するときはセル演算手段のことを「セル面積演算手段」とも呼び、セル演算手段が彫刻セルの体積を演算するときは、セル演算手段のことを「セル体積演算手段」とも呼ぶこととする。本発明における彫刻セルの開口面積の演算方法を説明図として図2に示す。図2において、セル演算手段(セル面積演算手段)12は画像データ13に基づいて彫刻セルの開口面積を演算する。具体的には、たとえば、セル演算手段12は、まず、画像データ13から測定対象となる彫刻セルの開口部を抽出する。すなわち、2値化画像データにおいて開口部の画素値を“1”、他の部分を“0”とするか、またはその逆とする。次に、彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部分の幅W(y)を彫刻方向(y軸方向)に積分する。これにより彫刻セルの開口面積Sを演算する。
【0022】
上記の演算によって得られる彫刻セルの開口面積に基づくグラビア彫刻の過程をフロー図として図3に示す。まず図3のステップS31において、基準データに基づいてテスト彫刻を行いグラビア版面上にテスト彫刻セルを形成する(テスト彫刻過程)。次にステップS32において、テスト彫刻セルを撮像することによりその形状パラメータを自動測定し測定形状データとして面積を得る(セル測定過程)。次にステップS33において、測定形状データと基準形状データとを比較し彫刻条件を補正する必要性を判定する(比較判定過程)。その判定の結果、補正必要の判定が行われた場合には、ステップS34において、彫刻条件を補正する(彫刻条件補正過程)。この補正は、基準面積値と比較し、最適調整値を算出することにより行われる。一方、その判定の結果、補正不要の判定が行われた場合には、ステップS34において、彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成する(本彫刻過程)。
【0023】
測定形状データ(測定面積)と基準形状データ(基準面積)を比較し彫刻条件を補正する必要性を判定する上記ステップS33の比較判定過程において、彫刻条件データ14の内の彫刻針磨耗度を考慮に入れることができる。たとえば、彫刻針磨耗度に関する補正係数のテーブルを彫刻時間または開口部形状に応じて実験等により前もって求めておく。彫刻条件データ14の彫刻針磨耗度に基づいて、彫刻針磨耗度に関する補正係数のテーブルを参照して彫刻針磨耗度補正係数を得る。さらに、比較判定過程において用いる基準形状データ(基準面積)を、彫刻針が磨耗していない場合の基準形状データ(基準面積)に対して彫刻針磨耗度補正係数を乗算した基準形状データ(基準面積)とする。これにより、上記ステップS34の彫刻条件補正過程において、彫刻針磨耗度を考慮に入れた最適調整値を算出することができる。
【0024】
次に、彫刻セルの形状パラメータが彫刻セルの体積である場合について説明する。本発明における彫刻セルの体積の演算方法を説明図として図4に示す。図4(A)は、彫刻セル体積を開口面積×深さ×(1/3)から演算する方法を示し、図4(B)は、彫刻方向に垂直なセル断面積を彫刻方向に積分する方法を示している。まず、図4(A)の演算方法について説明する。セル演算手段(セル体積演算手段)12は画像データ13から彫刻セルの開口面積を演算する。この開口面積の演算は、上述の図2に示す方法を用いることができる。またたとえば、画像データ13が濃淡画像であれば、所定の閾値を用いて2値化を行って彫刻セルの土手の部分の光学イメージの画素と彫刻セルの内部の部分の光学イメージの画素の区別を行う。2値化だけでは不十分な場合には、孤立画素の除去、欠損画素の補充等の画像処理を行って彫刻セルの土手の部分と彫刻セルの内部の部分の区別を正確に行う。そして彫刻セルの内部の部分の光学イメージの画素数を計数することにより開口面積を演算する。開口面積は、相対的な値を用いる場合には計数値でよく、絶対的な値を用いる場合には計数値に所定の係数を乗算する。
【0025】
次に、セル演算手段12は画像データ13から彫刻セルの彫刻方向と直角方向の最大幅を演算する。前記のようにして得られた彫刻セルの内部の部分の画素は開口部分の光学イメージの画素であり開口形状を表している。通常、彫刻セルの開口形状は概ね菱形であり、立体形状は概ね四角錐形である。XY直交座標系において彫刻方向をY軸方向とすれば、開口形状を示す画像データの各画素行においてX軸方向の画素数を計数して得られる計数値の内の最大の計数値は彫刻セルの彫刻方向と直角方向の最大幅である。開口面積の場合と同様に最大幅は、相対的な値を用いる場合には計数値でよく、絶対的な値を用いる場合には計数値に所定の係数を乗算する。
【0026】
次に、セル演算手段12は最大幅から彫刻セルの深さを演算する。このとき、彫刻条件データ14の内の彫刻針角度が考慮される。この演算は彫刻針角度から幾何学的な単純計算により行うことができ、たとえば、彫刻セルの深さを((彫刻セルの最大幅)/2)/(tan((彫刻針角度)/2))から演算する。
【0027】
また、この演算は最大幅の数値と彫刻セルの深さの数値を対応させて記録したテーブルを実験または上記演算等により前もって求めておき、そのテーブルを参照することにより行われてもよい。そのテーブルは彫刻針角度ごとに異なった複数のテーブルを前もって求めておき、彫刻条件データ14の彫刻針角度に基づいて複数のテーブルから該当するテーブルを選択して参照する。テーブルを参照する場合には実際には複雑な彫刻セルの形状を考慮した実効的な深さの数値に置き換えることができる。
これにより、彫刻セルの深さが演算されると、セル演算手段12は彫刻セル体積を(開口面積)×(深さ)×(1/3)から演算する。
【0028】
上記において得られる彫刻セル体積は彫刻条件データ14の内の彫刻針磨耗度が考慮されていない。この彫刻針磨耗度を考慮に入れる方法を次に説明する。
まず、簡易な方法から説明する。彫刻針磨耗度に関する補正係数のテーブルを彫刻時間または開口部形状に応じて実験等により前もって求めておく。彫刻条件データ14の彫刻針磨耗度に基づいてセル演算手段12は彫刻針磨耗度に関する補正係数のテーブルを参照して彫刻針磨耗度補正係数を得る。さらに、上記において得られる彫刻セル体積に彫刻針磨耗度補正係数を乗算することにより彫刻条件データ14の彫刻針角度と彫刻針磨耗度を考慮に入れた彫刻セル体積をセル演算手段12によって演算することができる。
【0029】
次に、より精度の高い方法について説明する。セル演算手段12によって最大幅から彫刻セルの深さを演算するときに参照するテーブルとして、前述の最大幅の数値と彫刻セルの深さの数値を対応させて記録するだけのテーブルではなく、彫刻針磨耗度の数値と、最大幅の数値と、彫刻セルの深さの数値の3つの数値を対応させて記録するテーブル(3次元テーブル)を用いる。すなわち、彫刻針磨耗度の数値と、最大幅の数値の2つの数値できまる2次元座標(格子点)に彫刻セルの深さの数値が存在するようにする。そのテーブルは彫刻針角度ごとに異なった複数のテーブルを前もって求めておく。そしてセル演算手段12は、彫刻条件データ14から得られる彫刻針角度に基づいて、複数のテーブルから該当するテーブルを選択する。さらにセル演算手段12は、彫刻条件データ14から得られる彫刻針磨耗度の数値、および、画像データ13から演算した最大幅の数値から、その選択した3次元テーブルを参照して彫刻セルの深さの数値を得る。この彫刻セルの深さの数値は当然彫刻条件データ14が考慮に入れられている。この彫刻セルの深さの数値を用い、セル演算手段12は彫刻条件データ14を考慮に入れた彫刻セル体積を(開口面積)×(深さ)×(1/3)から演算する。
【0030】
このように次元の数が増えるとテーブルに記録するデータの数が多くなり、テーブルのデータ作成、記憶に問題を生じることがある。その対策として、彫刻針磨耗度と、最大幅と、彫刻セルの深さの各数値を離散的な数値としてデータ量を縮小することができる。彫刻針角度は幾何学的な形状であり通常は離散的な数値である。そしてテーブルに無い数値に対応する彫刻セルの深さの数値を求める場合には、周知の補間法を適用して求めることができる。
【0031】
次に、図4(B)の演算方法について説明する。セル演算手段12は画像データ13から彫刻セルの彫刻方向と直角方向の幅を演算する。この演算は前述の最大幅を演算した場合と同様に求めることができる。すなわち、XY直交座標系において彫刻方向をY軸方向とすれば、開口形状を示す画像データの各画素行においてX軸方向の画素数を計数して得られる計数値は彫刻セルの彫刻方向と直角方向の幅である。この幅は、相対的な値を用いる場合には計数値でよく、絶対的な値を用いる場合には計数値に所定の係数を乗算する。
【0032】
次に、セル演算手段12は開口形状を示す画像データの各画素行について演算した幅から彫刻セルの深さを演算する。この演算も前述の(図4(A)の)彫刻セルの深さを演算した場合と同様に求めることができる。すなわち、簡易な方法は、まず幅の数値と彫刻セルの深さの数値を対応させて記録したテーブルを実験等により前もって求めておく。このテーブルは彫刻針角度ごとに複数のテーブルを前もって求めておく。彫刻条件データ14の彫刻針角度に対応するテーブルを参照することにより、彫刻セルの深さを得る。次に、セル演算手段12は彫刻セルの各画素行に対応する微小部分体積を(セル幅)×(深さ)×(1/2)×(微小部分の長さ)から演算する。この微小部分体積を全画素行に対して演算し、さらにその総和を演算することにより彫刻セル体積が得られる。
この彫刻セル体積対し、セル演算手段12は前述と同様の方法で彫刻針磨耗度補正係数を乗算することにより彫刻条件データ14の彫刻針角度と彫刻針磨耗度を考慮に入れた彫刻セル体積を演算する。
【0033】
より精度の高い方法も前述と(図4(A)と)同様である。セル演算手段12によって各画素行の幅から彫刻セルの深さを演算するときに参照するテーブルとして、前述の幅の数値と彫刻セルの深さの数値を対応させて記録するだけのテーブルではなく、彫刻針磨耗度の数値と、幅の数値と、彫刻セルの深さの数値の3つの数値を対応させて記録するテーブル(3次元テーブル)を用いる。このテーブルは彫刻針角度ごとに複数のテーブルを前もって求めておく。そして、セル演算手段12は彫刻条件データ14の彫刻針角度に対応するテーブルを参照し、彫刻セルの各画素行に対応する微小部分体積を(セル幅)×(深さ)×(1/2)×(微小部分の長さ)から演算する。この微小部分体積を全画素行に対して演算し、さらにその総和を演算することにより彫刻セル体積が得られる。この彫刻セル体積は、当然、彫刻条件データ14の彫刻針角度と彫刻針磨耗度を考慮に入れた彫刻セル体積である。
【0034】
このように演算された彫刻セル体積のデータは、セル体積測定装置4の出力部7であるディスプレイおよび/またはプリンタに出力される。このようなセル体積測定装置によりテスト彫刻セルの体積を測定すると、測定体積データと基準体積データとを比較して彫刻条件の補正を必要とするか否かが判定される。基準体積データは良好な印刷物について入力データと彫刻セルの測定体積データを収集して、すなわち彫刻特性23を収集して、あらかじめ準備されている。
基準体積データには各入力データごと(基準データの1つの基準値)に所定の許容範囲(その1)が設定されており、測定体積データがその許容範囲内であれば彫刻条件の補正は不要であり、測定体積データがその許容範囲外であれば彫刻条件の補正は必要であると判定する。
【0035】
彫刻条件の補正は、測定体積データが基準体積データと一致するように、前述の変換テーブルを補正して適正なデータを設定する。また、状況により、前述した他の方法により行う。たとえば、測定体積データは離散的な各入力データ(基準データの1つの基準値)に対して与えられる離散的な測定値であるが、この測定値に基づいて曲線近似を行って連続的な測定体積データを得る。すなわち、グラビア版彫刻装置1に出力されるデータ(グラビア版彫刻装置1から見ると上述の入力データ)の値(出力値:x軸)と、それによってグラビア版2の版面上に形成されるセルの体積(セル体積:y軸)の関係、すなわち彫刻特性を連続関数として得る)。
【0036】
グラビア版に彫刻を行う際の彫刻特性をグラフとして図5に示す。図5において、出力値(x軸)はグラビア版彫刻装置1に出力されるデータの値であり、セル体積(y軸)はそれによってグラビア版2の版面上に形成されるセルの体積である。また、図5に示す矢印は、テスト彫刻により得られたテストカット値の彫刻特性52を、適正な基準値の彫刻特性53に修正することを示す。その適正な彫刻特性を得る彫刻条件が全ての彫刻ヘッド3a,3b,3c,3d,3e,3fに対して設定された後にグラビア版彫刻装置1により本彫刻を行なう。
【0037】
テスト彫刻と本彫刻が行われたグラビア版2を図6(A)に、そのグラビア版2の周面の展開図を図6(B)に示す。図6に示すようにテスト彫刻は絵柄の無い余白部分に対して各彫刻ヘッド3a,3b,3c,3d,3e,3fによって行われる。また、各絵柄に対にする本彫刻も各彫刻ヘッド3a,3b,3c,3d,3e,3fによって行われる。図6には、各彫刻ヘッド3a,3b,3c,3d,3e,3fによって行われる各彫刻領域が示されている。
【0038】
次に、上記の演算によって得られる彫刻セルの体積に基づくグラビア彫刻の過程をフロー図として図7に示す。まず、ステップS61において、基準データに基づいてテスト彫刻を行いグラビア版面上にテスト彫刻セルを形成する(テスト彫刻過程)。次に、ステップS62において、形状パラメータとしてテスト彫刻セルの体積を測定し測定体積データを得る(セル体積測定過程)。次に、ステップS63において、測定体積データと基準体積データとを比較し彫刻条件を補正する必要性を判定する(比較判定過程)。
【0039】
次に、ステップS64において処理フローは分岐する。比較判定過程により補正必要の判定が行われた場合にはステップS65に進み、ステップS65において、彫刻条件の補正を行い(彫刻条件補正過程)、ステップS66においてテスト彫刻を行って再測定を行うか否かの判定が行われる。彫刻条件の補正量が僅かである場合には、一般に、再測定を行う必要はないから、彫刻条件の補正を行った後、直ちにステップS67に進む(本彫刻過程)。彫刻条件の補正量が僅かではない場合には、再測定を行う必要があるからステップS61に戻り、上述の以降の過程を繰り返す。
一方、比較判定過程により補正不要の判定が行われた場合にはステップS67に進み、ステップS67において、彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成する(本彫刻過程)。
【0040】
【発明の効果】
以上のとおりであるから、本発明の第1の形態のグラビア版彫刻セル測定装置によれば、セルの寸法である幅と長さからセル形状を特定するのではなく、彫刻セルの開口面積を極めて良好な精度で得ることができ、それに基づいて導出する体積も良好な精度である。したがって、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルを撮像することで簡易に測定が可能なグラビア版彫刻セル測定装置が提供される。
【0041】
また本発明の第2の形態のグラビア版彫刻セル測定装置によれば、本発明の第1の形態のグラビア版彫刻セル測定装置によれば、セルの寸法である幅と長さからセル形状を特定するのではなく、彫刻セルの開口面積を極めて良好な精度で得ることができ、それに基づいて導出する体積も良好な精度である。したがって、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルを撮像することで簡易に測定が可能なグラビア版彫刻セル測定装置が提供される。
【0042】
また本発明の第1の形態のグラビア版彫刻方法によれば、セルの体積を自動測定してグラビア版の彫刻条件を高精度に管理するから、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルの体積を簡易かつ正確に測定することができ作業性の良いグラビア版彫刻方法が提供される。また本発明の第2の形態のグラビア版彫刻方法によれば、測定→調整→彫刻→測定が繰返され調整精度が高められる。また、セル体積測定過程が自動測定であるから、この調整作業の作業性と作業時間の制約が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグラビア版彫刻セル測定装置の構成の一例を示す絵図である。
【図2】本発明における彫刻セル開口面積の演算方法を示す説明図である。
【図3】彫刻セルの開口面積に基づくグラビア彫刻の過程を示すフロー図とである。
【図4】本発明における彫刻セルの体積の演算方法を示す説明図である。
【図5】グラビア版に彫刻を行う際の彫刻特性をグラフとして示す図である。
【図6】テスト彫刻と本彫刻が行われたグラビア版と、そのグラビア版2の周面の展開図を示す図である。
【図7】彫刻セルの体積に基づくグラビア彫刻の過程を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 グラビア版彫刻装置
2 グラビア版
3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h 彫刻ヘッド
4 セル測定装置
5 撮像手段
6 入力部
7 出力部
8 処理部
9 記憶部
10 画像入力手段
11 彫刻条件入力手段
12 セル演算手段
13 画像データ
14 彫刻条件データ
52 彫刻特性(テストカット値)
53 彫刻特性(基準値)
Claims (4)
- グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、
前記画像データに基づいて彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって前記面積を演算することにより前記彫刻セルの開口面積を演算するセル面積演算手段と、
前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し、彫刻ヘッドに取りつけられた彫刻針の角度である彫刻針角度と、彫刻針磨耗度に相当する使用時間とからなる彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、
前記開口部の幅の最大値である彫刻セルの最大幅と、前記彫刻データの彫刻針角度とに基づいて、彫刻セルの深さを((彫刻セルの最大幅)/2)/(tan((彫刻針角度)/2))から演算する彫刻セル深さ演算手段と、
前記彫刻針磨耗度に相当する使用時間に基づいて、使用時間に対応する補正係数が記述されたテーブルを参照して補正係数を得る彫刻針磨耗度補正係数取得手段と、
前記彫刻セルの開口面積と前記彫刻セルの深さと前記補正係数に基づいて、(開口面積)×(深さ)×(1/3)×(補正係数)から彫刻セルの体積を演算する彫刻セル体積演算手段と、
を有することを特徴とするグラビア版彫刻セル測定装置。 - グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、
前記画像データに基づいて彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって前記面積を演算することにより前記彫刻セルの開口面積を演算するセル面積演算手段と、
前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し、彫刻ヘッドに取りつけられた彫刻針の角度である彫刻針角度と、彫刻針磨耗度に相当する使用時間とからなる彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、
前記開口部の幅の最大値である彫刻セルの最大幅と、前記彫刻針角度と、前記彫刻針磨耗度とに基づいて、最大幅と彫刻針角度と彫刻針磨耗度とに対応する彫刻セルの深さが記述されたテーブルを参照して彫刻セルの深さを得る彫刻セル深さ取得手段と、
前記彫刻セルの開口面積と前記彫刻セルの深さに基づいて、(開口面積)×(深さ)×(1/3)から彫刻セルの体積を演算する彫刻セル体積演算手段と、
を有することを特徴とするグラビア版彫刻セル測定装置。 - 基準データに基づいてテスト彫刻を行いグラビア版面上にテスト彫刻セルを形成するテスト彫刻過程と、
前記テスト彫刻セルを撮像することによりその形状パラメータを自動測定し測定形状データを得るセル測定過程と、
前記測定形状データと基準形状データとを比較し彫刻条件を補正する必要性を判定する比較判定過程と、
前記比較判定過程により補正必要の判定が行われた場合には彫刻条件を補正する彫刻条件補正過程と、
前記比較判定過程により補正不要の判定が行われた場合には前記彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成する本彫刻過程とから成り、
前記形状パラメータは体積であって、前記体積は、
前記テスト彫刻セルを撮像して得た画像データに基づいて彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部の幅を彫刻方向に積分することによって前記面積を演算することにより前記彫刻セルの開口面積を演算するセル面積演算過程と、
前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し、彫刻ヘッドに取りつけられた彫刻針の角度である彫刻針角度と、彫刻針磨耗度に相当する使用時間とからなる彫刻条件データを得る彫刻条件入力過程と、
前記開口部の幅の最大値である彫刻セルの最大幅と、前記彫刻データの彫刻針角度とに基づいて、彫刻セルの深さを((彫刻セルの最大幅)/2)/(tan((彫刻針角度)/2))から演算する彫刻セル深さ演算過程と、
前記彫刻針磨耗度に相当する使用時間に基づいて、使用時間に対応する補正係数が記述されたテーブルを参照して補正係数を得る彫刻針磨耗度補正係数取得過程と、
前記彫刻セルの開口面積と前記彫刻セルの深さと前記補正係数に基づいて、(開口面積)×(深さ)×(1/3)×(補正係数)から彫刻セルの体積を演算する彫刻セル体積演算過程と、
によって得られる体積であることを特徴とするグラビア版彫刻方法。 - 請求項3に記載のグラビア版彫刻方法において、前記彫刻条件補正過程を行った場合には前記テスト彫刻過程と前記セル測定過程と前記比較判定過程とを繰返すことを特徴とするグラビア版彫刻方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29526998A JP4498482B2 (ja) | 1997-10-17 | 1998-10-16 | グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-299630 | 1997-10-17 | ||
JP29963097 | 1997-10-17 | ||
JP29526998A JP4498482B2 (ja) | 1997-10-17 | 1998-10-16 | グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11188831A JPH11188831A (ja) | 1999-07-13 |
JP4498482B2 true JP4498482B2 (ja) | 2010-07-07 |
Family
ID=26560188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29526998A Expired - Lifetime JP4498482B2 (ja) | 1997-10-17 | 1998-10-16 | グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4498482B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005275634A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Hi Enterprise:Kk | 冪則型情報処理装置、冪則型情報処理方法、プログラム、及び記録媒体 |
JP6149813B2 (ja) | 2013-10-28 | 2017-06-21 | 株式会社村田製作所 | グラビア版の製造方法、グラビア印刷方法及び電子部品の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996033869A1 (en) * | 1995-04-26 | 1996-10-31 | Ohio Electronic Engravers, Inc. | Method and apparatus for engraving using multiple engraving heads |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2818525B2 (ja) * | 1992-10-28 | 1998-10-30 | 大日本スクリーン製造株式会社 | グラビア彫刻機のスタイラス変位調整装置 |
JPH07324922A (ja) * | 1992-11-17 | 1995-12-12 | Furoobell:Kk | グラビア版網点測定装置 |
US5831746A (en) * | 1993-02-25 | 1998-11-03 | Ohio Electronic Engravers, Inc. | Engraved area volume measurement system and method using pixel data |
US5426588A (en) * | 1994-02-25 | 1995-06-20 | Eastman Kodak Company | Method for engraving a gravure cylinder |
-
1998
- 1998-10-16 JP JP29526998A patent/JP4498482B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996033869A1 (en) * | 1995-04-26 | 1996-10-31 | Ohio Electronic Engravers, Inc. | Method and apparatus for engraving using multiple engraving heads |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11188831A (ja) | 1999-07-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0636475A1 (en) | Automatic inspection of printing plates or cylinders | |
JPS635745B2 (ja) | ||
GB2371194A (en) | Indicating image processing status | |
JP4528633B2 (ja) | グラビアシリンダ用検査装置及び方法 | |
JP4498482B2 (ja) | グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 | |
US6532310B1 (en) | Removing noise caused by artifacts from a digital image signal | |
WO2015115499A1 (ja) | 工具検査方法及び工具検査装置 | |
CN112634375B (zh) | 一种ai智能检测中的平面标定和三维重建方法 | |
KR20080114648A (ko) | 드릴검사장치, 드릴검사방법, 및 그 프로그램을 기록한 기록매체 | |
JP3337228B2 (ja) | サンプルカットの生成及び評価方法 | |
JP3367944B2 (ja) | 電子彫刻機械での組み版彫刻におけるセル測定方法 | |
JP4416059B2 (ja) | グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 | |
EP0520025B1 (fr) | Procede de fabrication d'un poincon pour emboutir des toiles en vue de former des filigranes et dispositif pour la mise en oeuvre de ce procede | |
JPH11115143A (ja) | グラビア版彫刻方法 | |
JP2000065550A (ja) | 画像処理方法、画像処理システム、グラビア版彫刻方法、及びグラビア版彫刻システム | |
JPH0339603A (ja) | パターンの輪郭検出方法及びこの方法を用いた測長装置 | |
JP2002522266A (ja) | テスト彫刻の形成および評価方法 | |
JP3039704B2 (ja) | 印字評価方法及び印字評価装置 | |
JP2000263741A (ja) | 画像処理方法、画像処理システム、グラビア版彫刻方法、及びグラビア版彫刻システム | |
JP2000177089A (ja) | グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 | |
JP2000263740A (ja) | グラビアシリンダ情報管理システム | |
JP2000177090A (ja) | グラビア版彫刻品質管理装置およびグラビア版彫刻方法 | |
CN114581507B (zh) | 基于图像考种的种子尺寸标定方法、系统、装置及存储介质 | |
CN116580031B (zh) | 一种无溶剂复合印刷异常检测方法 | |
JP2000211094A (ja) | 画像処理方法、画像処理システム、グラビア版彫刻方法、及びグラビア版彫刻システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090204 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090602 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090731 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100216 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20100225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100407 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100414 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423 Year of fee payment: 4 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |