JP4416059B2 - グラビア版彫刻セル測定装置およびグラビア版彫刻方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はグラビア印刷版を製作する技術分野に属する。特に、電気情報信号により制御される機械的彫刻ヘッドを用いて彫刻を行い、グラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を得る場合に、彫刻品質管理等の目的で彫刻セルの体積を測定する装置およびその測定に基づいてグラビア版の彫刻を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷においては、グラビア版面上に供給されたインキをドクター装置によって掻き落とし、グラビア版面上に形成された凹形状のセルに残されたインキを印刷用紙に転移して印刷が行われる。すなわち、セルに残されたインキの量により印刷濃度が変化し、それにより印刷パターンが形成される。したがって、適正な形状を有するセルがグラビア版面上に形成されることが適正な印刷品質を得るために決定的に重要である。
【0003】
そこで、機械的彫刻ヘッドを用いてグラビア版面上に彫刻を行う場合には、所定の入力データに対して所定の形状のセルが形成されるように、通常は、本彫刻の前に彫刻条件の設定が行われる。そのため、テスト彫刻を行って彫刻条件が適正であるか否かが判定される。
従来は、彫刻条件が適正であるか否かの判定は、テスト彫刻によりグラビア版面上に形成されたセルをスケール入りの顕微鏡で観察し、セルの寸法を測定することにより行われている。すなわち、セルの天地寸法(彫刻方向と平行方向の寸法;長さ)または左右寸法(彫刻方向と直角方向の寸法;幅)が所定の入力データに対して所定の寸法であるか否かによって、彫刻条件が適正であるか否かの判定が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セルの寸法とセルの形状が1対1の関係にある場合にはこの方法によって適正な判定を行うことができる理屈である。ところが実際には、彫刻針の磨耗等による差異がありこの方法では充分な精度で判定することができない。特に、印刷品質に対する要求度が高い場合には、従来の方法を用いることができない。たとえば、グラビア版の生産時間を短縮するため複数(たとえば4〜8)の機械的彫刻ヘッドを同時進行で用いてグラビア版面上に彫刻が行われる。その場合、機械的彫刻ヘッドの僅かな彫刻特性の違いが、印刷物の隣接する絵柄に色調の差となって現れる。その色調の差は隣接するため極めて目立つこととなり、印刷品質に対する要求度が高くなる。
【0005】
そのため、従来は印刷工程において実際に印刷が行われてから初めて色調不良が判明し、グラビア版の修正や再版(作り直し)を余儀なくされていた。これによる、材料、時間、労力の浪費および印刷機の稼動停止による損失は極めて大きなものである。
そこで、本発明の目的は、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも簡易に測定が可能なグラビア版彫刻セル測定装置およびその測定に基づく作業性の良いグラビア版彫刻方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明の請求項1に係るグラビア版彫刻セル測定装置は、グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、前記画像データと前記彫刻条件データに基づいて前記彫刻セルの体積を演算するセル体積演算手段と、を有するグラビア版彫刻セル測定装置において、前記彫刻条件データは、すくなくとも彫刻針の磨耗により生じる前記彫刻セルの体積の演算誤差を補正するための前記彫刻針の履歴としての彫刻電圧の積算値を含むようにしたものである。
本発明によれば、撮像手段によりグラビア版面に形成した彫刻セルが撮像され画像データが得られ、彫刻条件入力手段により彫刻セルを形成するときの彫刻条件が入力され彫刻条件データが得られ、セル体積演算手段により画像データと彫刻条件データに基づいて彫刻セルの体積が演算されるグラビア版彫刻セル測定装置において、前記彫刻条件データは、すくなくとも彫刻針の磨耗により生じる前記彫刻セルの体積の演算誤差を補正するための前記彫刻針の履歴としての彫刻電圧の積算値を含む。
すなわち、このように彫刻セルの画像データと彫刻条件データに基づいてセル体積が演算され、彫刻条件データにはすくなくとも彫刻電圧の積算値が含まれており、これを彫刻針の履歴として彫刻針の磨耗により生じる彫刻セルの体積の演算誤差を補正することができる。したがって、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルを撮像することで簡易に測定が可能なグラビア版彫刻セル体積測定装置が提供される。なお、彫刻における彫刻電圧の積算値と、彫刻針の磨耗の進行との間には強い相関関係が存在する。
【0008】
また本発明の請求項2に係るグラビア版彫刻セル測定装置は、請求項1に係るグラビア版彫刻セル測定装置において、前記セル体積演算手段は前記画像データから前記彫刻セルの開口面積と最大セル幅を演算し、またその最大セル幅と前記彫刻条件データから最大セル深さを演算し、さらに前記開口面積と前記最大セル深さを乗算した値の3分の1を前記彫刻セルの体積として演算するようにしたものである。本発明によれば、彫刻セルの体積は開口面積と最大セル深さを乗算した値の3分の1として演算される。したがって、簡易な演算により彫刻セルの体積を得ることができ測定の応答速度が速い。
【0009】
また本発明の請求項3に係るグラビア版彫刻セル測定装置は、請求項または2のいずれかに係るグラビア版彫刻セル測定装置において、前記セル体積演算手段は前記画像データから前記彫刻セルのセル幅を演算し、またそのセル幅と前記彫刻条件データからセル深さを演算し、さらに前記セル幅と前記セル深さを乗算した値を前記彫刻セルの彫刻方向に積分して得られる値の2分の1を前記彫刻セルの体積として演算するようにしたものである。本発明によれば、彫刻セルの体積はセル幅とセル深さを乗算した値を彫刻セルの彫刻方向に積分して得られる値の2分の1として演算される。したがって、簡易な演算により彫刻セルの体積を得ることができ測定の精度が高い。
【0010】
また本発明の請求項4に係るグラビア版彫刻セル測定装置は、請求項1〜3のいずれかに係るグラビア版彫刻セル測定装置において、前記彫刻条件データは、彫刻ヘッドに取りつけられた彫刻針の角度である彫刻針角度と、前記彫刻針の履歴またはテスト彫刻により決定する彫刻針磨耗度であるようにしたものである。本発明によれば、彫刻セルの体積を得る場合に、彫刻針角度と彫刻針磨耗度が考慮される。したがって、高い精度の測定を行うことができる。
【0011】
また本発明の請求項5に係るグラビア版彫刻セル測定装置は、 基準データに基づいてテスト彫刻を行いグラビア版面上にテスト彫刻セルを形成するテスト彫刻過程と、 前記テスト彫刻セルを撮像することによりその体積を自動測定し測定体積データを得るセル体積自動測定過程と、 前記測定体積データと基準体積データとを比較し彫刻条件を補正する必要性を判定する比較判定過程と、 前記比較判定過程により補正必要の判定が行われた場合には彫刻条件を補正する彫刻条件補正過程と、 前記比較判定過程により補正不要の判定が行われた場合には前記彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成する本彫刻過程と、 から成るグラビア版彫刻方法において、 前記セル体積測定過程は、グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、 前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、前記画像データと前記彫刻条件データに基づいて前記彫刻セルの体積を演算するセル体積演算手段と、 を有するグラビア版彫刻セル体積測定装置により測定が行われ、 前記彫刻条件データは、すくなくとも彫刻針の磨耗により生じる前記彫刻セルの体積の演算誤差を補正するための前記彫刻針の履歴としての彫刻電圧の積算値を含む、ようにしたものである。
本発明によれば、テスト彫刻過程により基準データに基づいてテスト彫刻が行われグラビア版面上にテスト彫刻セルが形成され、セル体積自動測定過程により前記テスト彫刻セルを撮像することによりその体積が自動測定され測定体積データが得られ、比較判定過程により測定体積データと基準体積データとが比較され彫刻条件を補正する必要性の判定がなされる。補正必要の判定が行われた場合には彫刻条件補正過程により彫刻条件の補正が行われる。一方補正不要の判定が行われた場合には本彫刻過程によりその彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成するグラビア版彫刻方法において、前記セル体積測定過程は、グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、前記画像データと前記彫刻条件データに基づいて前記彫刻セルの体積を演算するセル体積演算手段と、を有するグラビア版彫刻セル体積測定装置により測定が行われ、 前記彫刻条件データは、すくなくとも彫刻針の磨耗により生じる前記彫刻セルの体積の演算誤差を補正するための前記彫刻針の履歴としての彫刻電圧の積算値を含む。
すなわち、彫刻セルを撮像することでその体積を簡易かつ正確に自動測定することができ作業性の良い。また、彫刻条件データにはすくなくとも彫刻電圧の積算値が含まれており、これを彫刻針の履歴として彫刻針の磨耗により生じる彫刻セルの体積の演算誤差を補正することができる。したがって、セルの体積を自動測定してグラビア版の彫刻条件を高精度に管理するから、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルの体積を簡易かつ正確に測定することができ作業性の良いグラビア版彫刻方法が提供される。なお、彫刻における彫刻電圧の積算値と、彫刻針の磨耗の進行との間には強い相関関係が存在する。
【0012】
また本発明の請求項6に係るグラビア版彫刻セル測定装置は、請求項5に係るグラビア版彫刻方法において、前記彫刻条件補正過程を行った場合には前記テスト彫刻過程と前記セル体積測定過程と前記比較判定過程とを繰返すようにしたものである。本発明によれば、テスト彫刻過程とセル体積測定過程とが繰返され、すなわち測定→調整→彫刻→測定が繰返され調整精度が高められる。また、セル体積測定過程が自動測定であるから、この調整作業の作業性と作業時間の制約が少なくなり充分に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の態様】
次に、実施の態様により本発明について説明する。本発明のグラビア版彫刻セル測定装置と周辺装置の構成の一例を絵図として図1に示す。図1において、1はグラビア版彫刻装置、2はグラビア版、3a,3b,3c,3d,3e,3fはグラビア版彫刻装置1の彫刻ヘッド、4はグラビア版彫刻セル測定装置(略称としてセル測定装置を併用する)、5は撮像手段、21は彫刻電圧積算計である。また、彫刻電圧、彫刻ヘッド(彫刻針)の動作、彫刻セルの寸法の関係を模式図として図2に示す。また、グラビア版彫刻セル測定装置4の構成の一例をブロック図として図3に示す。図3において、5は撮像手段、21は彫刻電圧積算計、6はキーボード、マウス等の入力部、7はディスプレイ、プリンタ等の出力部、8は処理部、9は記憶部、10は画像入力手段、11は彫刻条件入力手段、12はセル演算手段、13はセル補正手段、14は画像データ、15は彫刻条件データ、16は磨耗補正係数である。図1〜図3に基づいて本発明のグラビア版彫刻セル測定装置の構成について説明する。
【0016】
グラビア版彫刻装置1はグラビア版2を支持し、その軸回りに回転する構造を有する。グラビア版彫刻装置1の彫刻ヘッド3は、図1に示す一例では、6つで構成されており、グラビア版2の軸方向と平行する方向に彫刻を行いながら移動する構造を有する。すなわち、グラビア版2をその軸回りに回転し彫刻ヘッド3a〜3fをグラビア版2の軸方向に移動することで、グラビア版2の版面全体に対して彫刻を行う。
【0017】
グラビア版彫刻装置1の彫刻ヘッド3a〜3fが6つで構成されているということは、彫刻ヘッドが1つの構成の場合と比較して、グラビア版2の版面全体の彫刻を6倍の速度で完了することができることを意味している。その一方で、彫刻ヘッドが1つの構成の場合と比較して、6倍の数の彫刻ヘッド3a〜3fについて、彫刻条件を適正に設定する必要がある。すでに説明したように、異なる彫刻ヘッドにより彫刻する場合は、彫刻ヘッドの僅かな彫刻特性の違いが印刷物の絵柄に色調の差となり、絵柄が隣接するため目立つこととなる。したがって、適正な彫刻条件の設定をすべての彫刻ヘッド3a〜3fに対して行うことが印刷品質を確保するために必要であり、そのためには、簡易かつ高精度で測定が可能なセル体積測定装置が必要である。
【0018】
図1に示すように、グラビア版彫刻機1とセル測定装置4との間には彫刻電圧積算計21が接続されている。彫刻電圧積算計21は、グラビア版彫刻機1が彫刻ヘッド3a〜3fを駆動し彫刻セルを一つ一つ形成するときに各々の彫刻ヘッドに印加される彫刻電圧をグラビア版彫刻機1から入力する。彫刻電圧積算計21は、この入力した彫刻電圧を各々の彫刻ヘッド(の彫刻針)ごとに積算する。たとえば、彫刻電圧5ボルト(volt)で彫刻セル一つを形成すると、彫刻電圧積算計21は5セル・ボルトを彫刻電圧積算値に加算する処理を行う。また、彫刻電圧3ボルトで彫刻セル一つを形成すると、彫刻電圧積算計21は3セル・ボルトを彫刻電圧積算値に加算する処理を行う。
【0019】
図2には、彫刻電圧、彫刻ヘッド(彫刻針)の動作、彫刻セルの寸法の関係が模式図として示されている。図2において上段は、彫刻電圧を縦軸が電圧、横軸が時刻の棒グラフとして示している。前述のようにグラビア版2は回転して主走査が行われるから、横軸における時刻はグラビア版2の版面における位置を表している。また、一つの棒グラフの幅は単位距離を表している。すなわち、棒グラフの一つは形成される彫刻セルの1つに対応している。
【0020】
図2において中段は、彫刻ヘッドの動作、すなわち、彫刻針の振動を絵図として示している。彫刻電圧が大きい場合には彫刻針の振幅が大きく、彫刻電圧が小さい場合には彫刻針の振幅が小さくなる。その結果、グラビア版2の版面に形成される彫刻セルの大きさが変化する。
図2において下段は、形成される彫刻セルの開口面の形状を絵図として示している。彫刻電圧が大きく彫刻針の振幅が大きい場合には、大きな開口面積の彫刻セルが形成される。彫刻電圧が小さく彫刻針の振幅が小さい場合には、小さな開口面積の彫刻セルが形成される。
【0021】
このように、図2の上段に示す彫刻電圧において、縦軸は彫刻針の振動によってグラビア版2の版面に形成される彫刻セルの大きさを示している。したがって、彫刻電圧の大きさは彫刻針が彫刻セルを形成するときに受ける負荷の大きさ、すなわち磨耗の大きさと密接な関係がある。また、横軸は彫刻針が形成する彫刻セルの数を示しており、このセル数も彫刻針が受ける磨耗の大きさと密接な関係がある。結局、図2の上段に示す彫刻電圧に示す棒グラフの面積が彫刻針が受ける磨耗の大きさと密接な関係があることになる。この関係については、詳細を後述する(図7参照)。
【0022】
彫刻電圧積算計21が計測する彫刻電圧積算値は、図2の上段に示す彫刻電圧に示す棒グラフの面積に相当する量(単位;セル・ボルト)である。図1に絵図を示す彫刻電圧積算計21において、表示されている数値“186652”は彫刻電圧積算値を示している。この彫刻電圧積算値は、前述のように、各々の彫刻ヘッド3b〜3fに対して個別に計測が行われる。どの彫刻ヘッドの彫刻電圧積算値を表示するかは、切り替えスイッチを操作することによって行われる。
【0023】
セル測定装置4は、パーソナルコンピュータ、画像処理装置等のデータ処理装置のハードウェアとソフトウェアによって実現することができる。図1に示すように、セル測定装置4は処理部8と記憶部9とから構成され、さらに処理部8は画像入力手段10、彫刻条件入力手段11、セル演算手段12、セル補正手段13とから構成され、記憶部8は画像データ14と彫刻条件データ15、磨耗補正計数16から構成される。処理部8はCPU(central processing unit )や処理プログラム等によって実現することができ、記憶部はRAM(random access memory)やハードディスク装置等によって実現することができる。
【0024】
撮像手段5は、たとえばCCDイメージセンサのような撮像素子に対し拡大光学系(たとえば図1に示す顕微鏡)によりグラビア印刷版面の彫刻セルの光学イメージを結像させて撮像信号を出力するカメラ(撮像手段5と指示した部分)と、そのカメラから出力される撮像信号をディジタル信号に変換してセル測定装置4に出力する部分(セル測定装置4が内蔵する撮像信号インターフェース)とから構成される。
撮像手段5からセル測定装置4に出力される彫刻セルの光学イメージのディジタル信号は、セル測定装置4の処理部8の画像入力手段10によって記憶部9に画像データ14として格納される。
【0025】
画像入力処理について一例を挙げて詳細に説明する。画像入力手段10は画像入力画面を出力部7のディスプレイに表示する。その画像入力画面には所定の時間間隔で撮像手段5により撮像され彫刻セルの濃淡画像と、その濃淡画像を判別分析法により求めた閾値等の所定の閾値で2値化した2値画像が表示されている。セル測定装置4の操作者は濃淡画像または2値化画像の所定の範囲に測定対象の彫刻セルの光学イメージが正常に含まれているか否かを判定する。正常であれば、画像入力を指示する操作、たとえばキーボードの特定キーを押して指示するか、またはマウスの指示ポイントを画像入力を指示するウィンドウの所定に位置においてマウスボタンをクリックして指示する。
【0026】
正常でない場合には、撮像手段5の撮像位置を変更するか画像入力画面の操作により、濃淡画像または2値化画像の所定の範囲に測定対象の彫刻セルの光学イメージが正常に含まれるようにして画像入力を指示する。画像入力の指示により、画像入力手段10はディスプレイに表示されている濃淡画像および/または2値化画像を記憶部9に画像データ14として格納する。
画像入力画面において、判別手法の変更等により所定の閾値の変更、撮像条件(撮像倍率、シャッター時間等)の変更等を行うようにすることができるが、通常使用ではその必要が無いように構成されており変更の操作は行われない。セル測定装置4の操作者が測定対象の彫刻セルを変更する度に繰返し行う操作はこの画像入力の指示だけである。
【0027】
画像データ14としてセル測定装置4の記憶部9に格納する彫刻セルとしては、本発明においては特に限定はない。本彫刻を始める前に彫刻条件を決定するためのテスト彫刻した部分の彫刻セルであっても、また、本彫刻した部分の彫刻セルであってもよい。本発明の撮像手段5はグラビア印刷版面の任意の位置において彫刻セルを撮像することができ、また、セル測定装置4は任意の彫刻セルの体積を測定することができる。
【0028】
グラビア版彫刻装置1によって彫刻が行われる場合、彫刻ヘッド3a〜3fに取り付けられた彫刻針の針形状によって得られる彫刻セルの立体的形状が異なったものとなる。その場合、彫刻針の針形状において特に重要であるのは彫刻針角度であり、彫刻針角度によって彫刻セルの開口形状が同じであってもその彫刻セルの深さが異なったものとなる。彫刻針角度は、たとえば110〜150度の角度があり、角度が鋭角であるほど彫刻セルの開口形状が同じであっても彫刻セルの深さが深くなり彫刻セルの体積が大きくなる。
【0029】
一般に、彫刻針の種類は彫刻針角度によって一意的に決まり、したがって彫刻針の先端の針形状も彫刻針角度によって一意的に決まるのであるが、使用経過(履歴)に応じて彫刻針(ダイアモンド針)の磨耗が進行し彫刻針の針形状が少しづつ変化する。その結果、彫刻針の磨耗を除き彫刻条件を同一とした場合でも、彫刻によって得られる彫刻セルの開口形状とその彫刻セルの深さが異なったものとなる。
【0030】
この磨耗の進行度合いは、前述の彫刻電圧積算計21によって計測される彫刻電圧積算値によって決まる。彫刻針の品質のバラツキや、彫刻する画像データの違い、彫刻するグラビアシリンダー版の版面物性の違い、等により厳密には異なる部分を有するのであるが、彫刻電圧積算値によって磨耗の進行度合いが決まるものとして近似することができる。
また、この磨耗の進行度合いはテスト彫刻により決定することができる。所定の彫刻条件において、そのテスト対象の彫刻針により彫刻して得られた彫刻セルの開口形状を観察し、磨耗の進行に起因する独特の形状変化の度合いにより磨耗の進行度合いを判定することができる。この形状変化の度合いによる磨耗の進行度合いをサンプルと比較し彫刻電圧積算値に換算して、「彫刻電圧積算値が“何セル・ボルト”に相当する磨耗の進行度合いである」と判定することができる。
【0031】
彫刻条件入力手段11は、出力部7のディスプレイに彫刻条件の入力画面を表示する。セル測定装置4の操作者が表示画面を見ながら入力部6(キーボード、マウス)を操作して彫刻条件を入力する。すなわち彫刻条件として、彫刻針角度、彫刻針磨耗度に相当する使用時間、等を入力する。彫刻条件入力手段11は、入力された彫刻条件に基づいて彫刻条件データ15を生成し記憶部9に格納する。操作者による彫刻条件の入力は1回行えばよく、測定対象の彫刻セルを変えて新たに撮像が行われる場合に再入力を行う必要はない。
【0032】
セル演算手段12は、画像データ14と彫刻条件データ15に基づいて彫刻セルの形状パラメータ(たとえば開口面積または体積)を演算する。セル演算手段が彫刻セルの開口面積を演算するときはセル演算手段のことを「セル面積演算手段」とも呼び、セル演算手段が彫刻セルの体積を演算するときは、セル演算手段のことを「セル体積演算手段」とも呼ぶこととする。セル演算手段12については詳細を後述する。
【0033】
セル補正手段13は、セル演算手段12が演算した形状パラメータを彫刻条件データ15に基づいて補正する。具体的には、セル演算手段12が演算した開口面積または体積について、彫刻針の磨耗度と補正係数の関係を記述した表を参照し、対応する補正係数に基づいて補正を行い実際の値に近い開口面積または体積を得る。記憶部9に記憶されている磨耗補正係数16は彫刻針の磨耗度と補正係数の関係を記述した表に相当するデータである。このセル補正手段13については詳細を後述する。
【0034】
本発明のグラビア彫刻セル測定装置の全体構成の概略は上記のとおりである。この構成における特徴部分、特に、セル演算手段12とセル補正手段13について詳細を説明する前に、本発明のグラビア彫刻セル測定装置を用いたグラビア版彫刻方法について説明をしておく。本発明のグラビア版彫刻方法における処理の過程をフロー図として図4に示す。まず、ステップS41において、基準データに基づいてテスト彫刻を行いグラビア版面上にテスト彫刻セルを形成する(テスト彫刻過程)。次に、ステップS42において、テスト彫刻セルを撮像することによりテスト彫刻セルの形状パラメータを自動測定する(セル測定過程)。形状パラメータは、ここでは開口面積または体積である。次に、ステップS43において、彫刻針の履歴またはテスト彫刻により決定する彫刻針磨耗度に基づいて彫刻セルの形状パラメータを補正する(形状パラメータ補正過程)。
【0035】
次に、ステップS44において、補正した形状パラメータと基準の形状パラメータとを比較し彫刻条件を補正する必要性を判定する(比較判定過程)。ステップS44の比較判定過程により補正必要の判定が行われた場合には、ステップS45において彫刻条件を補正する。この補正において、特に、彫刻強度の調整が行われる(彫刻条件補正過程)。一方、ステップS44の比較判定過程により補正不要の判定が行われた場合にはステップS46において彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成する(本彫刻過程)。
【0036】
図4に示すフロー図において、ステップS42のセル測定過程とステップS43の形状パラメータ補正過程とは図1に示すセル測定装置(グラビア版彫刻セル測定装置)において行われる。また、図4に示すフロー図において、ステップS45の彫刻条件補正過程を行った場合には、ステップS41のテスト彫刻過程とステップS42のセル測定過程とステップS43の形状パラメータ補正過程とステップS44の比較判定過程とを繰返すように示されている。勿論、この処理過程が彫刻条件設定の精度においては好ましいのであるが、ステップS41〜S44を繰り返すことは、作業負荷の点においては好ましくない。ステップS45の彫刻条件補正過程における補正量が大きくない等の場合においては、ステップS45の彫刻条件補正過程の後に、直ちに、ステップS44の本彫刻過程に進むことができる。
【0037】
次に、グラビア版彫刻セル測定装置のセル演算手段12が行う彫刻セルの形状パラメータの演算について説明する。まず、彫刻セルの形状パラメータが彫刻セルの開口面積である場合について説明する。彫刻セルの開口面積の演算方法を説明図として図5に示す。画像入力手段10によって入力が行われ記憶部9に画像データとして記憶されている彫刻セルの濃淡画像、または2値化画像から、セル演算手段12は彫刻セルの開口部を抽出する。すなわち、濃淡画像の場合には2値化画像とし2値化画像において開口部の画素値を“1”、他の部分を“0”とするか、またはその逆とする。次に、彫刻方向と直角方向の彫刻セルの開口部分の幅W(y)を彫刻方向(y軸方向)に積分する。これにより彫刻セルの開口面積Sを演算する。
【0038】
次に、彫刻セルの形状パラメータが彫刻セルの体積である場合について説明する。本発明における彫刻セルの体積の演算方法を説明図として図6に示す。図6(A)は、彫刻セル体積を開口面積×深さ×(1/3)から演算する方法を示し、図6(B)は、彫刻方向に垂直なセル断面積を彫刻方向に積分する方法を示している。まず、図6(A)の演算方法について説明する。セル演算手段(セル体積演算手段)12は画像データ14から彫刻セルの開口面積を演算する。この開口面積の演算は、上述の図4に示す方法を用いることができる。またたとえば、画像データ14が濃淡画像であれば、所定の閾値を用いて2値化を行って彫刻セルの土手の部分の光学イメージの画素と彫刻セルの内部の部分の光学イメージの画素の区別を行う。2値化だけでは不十分な場合には、孤立画素の除去、欠損画素の補充等の画像処理を行って彫刻セルの土手の部分と彫刻セルの内部の部分の区別を正確に行う。そして彫刻セルの内部の部分の光学イメージの画素数を計数することにより開口面積を演算する。開口面積は、相対的な値を用いる場合には計数値でよく、絶対的な値を用いる場合には計数値に所定の係数を乗算する。
【0039】
次に、セル演算手段12は画像データ14から彫刻セルの彫刻方向と直角方向の最大幅を演算する。前記のようにして得られた彫刻セルの内部の部分の画素は開口部分の光学イメージの画素であり開口形状を表している。通常、彫刻セルの開口形状は概ね菱形であり、立体形状は概ね四角錐形である。XY直交座標系において彫刻方向をY軸方向とすれば、開口形状を示す画像データの各画素行においてX軸方向の画素数を計数して得られる計数値の内の最大の計数値は彫刻セルの彫刻方向と直角方向の最大幅である。開口面積の場合と同様に最大幅は、相対的な値を用いる場合には計数値でよく、絶対的な値を用いる場合には計数値に所定の係数を乗算する。
【0040】
次に、セル演算手段12は最大幅から彫刻セルの深さを演算する。このとき、彫刻条件データ15の内の彫刻針角度が考慮される。この演算は彫刻針角度から幾何学的な単純計算により行うことができ、たとえば、彫刻セルの深さを((彫刻セルの最大幅)/2)/(tan((彫刻針角度)/2))から演算する。
【0041】
また、この演算は最大幅の数値と彫刻セルの深さの数値を対応させて記録したテーブルを実験または上記演算等により前もって求めておき、そのテーブルを参照することにより行われてもよい。そのテーブルは彫刻針角度ごとに異なった複数のテーブルを前もって求めておき、彫刻条件データ15の彫刻針角度に基づいて複数のテーブルから該当するテーブルを選択して参照する。テーブルを参照する場合には実際には複雑な彫刻セルの形状を考慮した実効的な深さの数値に置き換えることができる。
これにより、彫刻セルの深さが演算されると、セル演算手段12は彫刻セル体積を(開口面積)×(深さ)×(1/3)から演算する。
【0042】
次に、図6(B)の演算方法について説明する。セル演算手段12は画像データ14から彫刻セルの彫刻方向と直角方向の幅を演算する。この演算は前述の最大幅を演算した場合と同様に求めることができる。すなわち、XY直交座標系において彫刻方向をY軸方向とすれば、開口形状を示す画像データの各画素行においてX軸方向の画素数を計数して得られる計数値は彫刻セルの彫刻方向と直角方向の幅である。この幅は、相対的な値を用いる場合には計数値でよく、絶対的な値を用いる場合には計数値に所定の係数を乗算する。
【0043】
次に、セル演算手段12は開口形状を示す画像データの各画素行について演算した幅から彫刻セルの深さを演算する。この演算も前述の(図4(A)の)彫刻セルの深さを演算した場合と同様に求めることができる。すなわち、まず幅の数値と彫刻セルの深さの数値を対応させて記録したテーブルを実験等により前もって求めておく。このテーブルは彫刻針角度ごとに複数のテーブルを前もって求めておく。彫刻条件データ15の彫刻針角度に対応するテーブルを参照することにより、彫刻セルの深さを得る。次に、セル演算手段12は彫刻セルの各画素行に対応する微小部分体積を(セル幅)×(深さ)×(1/2)×(微小部分の長さ)から演算する。この微小部分体積を全画素行に対して演算し、さらにその総和を演算することにより彫刻セル体積が得られる。
【0044】
次に、グラビア版彫刻セル測定装置のセル補正手段13が行う彫刻セルの体積を補正する演算について説明する。前述の図6に示す過程により得られる体積は、彫刻セルの開口形状と彫刻針角度に基づいて演算され、彫刻針の磨耗度については考慮されていない。セル補正手段13は、彫刻針の履歴(彫刻電圧積算値)またはテスト彫刻により決定する彫刻針磨耗度に基づいて、前述の演算で得られる体積の補正演算を行い実際により近い体積を演算する。
【0045】
図6に示す過程で得られる彫刻セルの体積において、彫刻針の彫刻電圧積算値(磨耗度)と誤差体積の関係をグラフにして図7に示す。図7に示すグラフにおいて、横軸(y軸)は彫刻針の彫刻電圧積算値を示し、縦軸(x軸)は誤差体積(測定誤差)、すなわち近似体積と実体積との差を示している。近似体積とは 前述の図6に示す過程においてセル体積演算手段12により得られる体積のことである。また、実体積とは、近似体積の場合と比較してずっと精度の高い測定方法により得られる体積値のことである。たとえば、実体積はレーザー立体顕微鏡、等により立体形状を直接抽出して得ることができる。
【0046】
図7のグラフに示すように、彫刻針の彫刻電圧積算値が大きくなるほど誤差体積が大きくなる。また、ライト(10%)部分、ミドル(60%)部分、シャドウ(100%)部分の誤差体積の違いから明らかなように、開口面積(または体積)が大きい彫刻セルほど誤差体積が大きくなる。ここで、磨耗補正係数を定義し、(磨耗補正係数)=(実体積)/(近似体積)とする。磨耗補正係数をこのように定義しておくと、セル補正手段13は近似体積に磨耗補正係数を乗算することにより、すなわち、(実体積)=(磨耗補正係数)×(近似体積)により、直ちに実体積が得られ便利である。
【0047】
磨耗補正係数の表の一例を図8に示す。図8に示すように、彫刻電圧積算値の範囲として0〜800万セル・ボルトまでを100万セル・ボルトごとに磨耗補正係数が表に示されている。また、ライト(10%)部分、ミドル(60%)部分、シャドウ(100%)部分の3つの分類ごとに磨耗補正係数が表に示されている。図8に磨耗補正係数の表として示したデータは記憶部9に磨耗補正係数16として記憶されている。
【0048】
この磨耗補正計数の計算方法について説明する。彫刻電圧積算値が500(万セル・ボルト)のとき、シャドウ(100%)部分において、近似体積が235837(μm3 )、実体積が218857(μm3 )であるとする。このとき、磨耗補正係数は、(磨耗補正係数)=(実体積)/(近似体積)=218857/235837=0.928、のようにして計算することができる。
【0049】
このようにして得られた磨耗補正係数の表の利用方法について説明する。その磨耗補正係数が表に存在する簡単な一例として、彫刻電圧積算値が500(万セル・ボルト)の彫刻針を用いシャドウ(100%)部分の彫刻セルを形成する。このときの補正前のセル体積(近似体積)が220000(μm3 )であるとする。補正後のセル体積は、(補正後のセル体積)=(補正前のセル体積)×(磨耗係数)=220000×0.928=204160(μm3 )、のようにして計算することができる。
【0050】
その磨耗補正係数が表に存在しない場合には、周知の補間法を適用して計算することができる。たとえば、彫刻電圧積算値が350(万セル・ボルト)の彫刻針を用い形成したシャドウ(100%)部分の彫刻セルに適用する磨耗補正係数(磨耗係数350のように記す)の計算の方法が、図8に示されている。この計算には、表に存在する磨耗補正係数を利用する。すなわち、彫刻電圧積算値が300と400(万セル・ボルト)の彫刻針を用い形成したシャドウ(100%)部分の彫刻セルに適用する磨耗補正係数である0.992と0.961を利用する。磨耗補正係数350は、(磨耗補正係数350)=(磨耗係数300)+(((磨耗係数400)−(磨耗係数300))/(400−300))×(350−300)= 0.992+((0.961−0.992)/100)×50=0.977、のようにして計算することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のとおりであるから、本発明の請求項1に係るグラビア版彫刻セル測定装置によれば、彫刻セルの画像データと彫刻条件データに基づいてセル体積が演算され、彫刻条件データにはすくなくとも彫刻電圧の積算値が含まれており、これを彫刻針の履歴として彫刻針の磨耗により生じる彫刻セルの体積の演算誤差を補正することができるから、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルを撮像することで簡易に測定が可能なグラビア版彫刻セル体積測定装置が提供される。また本発明の請求項2に係るグラビア版彫刻セル測定装置によれば、彫刻セルの体積は開口面積と最大セル深さを乗算した値の3分の1として演算される。したがって、簡易な演算により彫刻セルの体積を得ることができ測定の応答速度が速い。また本発明の請求項3に係るグラビア版彫刻セル測定装置によれば、彫刻セルの体積はセル幅とセル深さを乗算した値を彫刻セルの彫刻方向に積分して得られる値の2分の1として演算される。したがって、簡易な演算により彫刻セルの体積を得ることができ測定の精度が高い。また本発明の請求項4に係るグラビア版彫刻セル測定装置によれば、彫刻セルの体積を得る場合に、彫刻針角度と彫刻針磨耗度が考慮される。したがって、高い精度の測定を行うことができる。また本発明の請求項5に係るグラビア版彫刻セル測定装置によれば、セルの体積を自動測定してグラビア版の彫刻条件を高精度に管理することができ、彫刻セルの画像データと彫刻条件データに基づいてセル体積が演算され、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルを撮像することでその体積を簡易かつ正確に自動測定することができ、さらに、彫刻条件データにはすくなくとも彫刻電圧の積算値が含まれており、これを彫刻針の履歴として彫刻針の磨耗により生じる彫刻セルの体積の演算誤差を補正することができるから、印刷品質に対する要求度が高い場合においても適用することができ、しかも彫刻セルの体積を簡易かつ正確に測定することができ作業性の良いグラビア版彫刻方法が提供される。また本発明の請求項6に係るグラビア版彫刻セル測定装置によれば、テスト彫刻過程とセル体積測定過程とが繰返され、すなわち測定→調整→彫刻→測定が繰返され調整精度が高められる。また、セル体積測定過程が自動測定であるから、この調整作業の作業性と作業時間の制約が少なくなり充分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグラビア版彫刻セル測定装置と周辺装置の構成の一例を示す絵図である。
【図2】彫刻電圧、彫刻ヘッド(彫刻針)の動作、彫刻セルの寸法の関係を示す模式図である。
【図3】グラビア版彫刻セル測定装置の構成の一例をブロック図として示す図である。
【図4】本発明のグラビア版彫刻方法における処理の過程を示すフロー図である。
【図5】彫刻セルの開口面積を演算方法を示す説明図である。
【図6】本発明における彫刻セルの体積の演算方法を示す説明図である。
【図7】彫刻針の彫刻電圧積算値(磨耗度)と誤差体積の関係を示すグラフである。
【図8】磨耗補正係数の表の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 グラビア版彫刻装置
2 グラビア版
3a,3b,3c,3d,3e,3f 彫刻ヘッド
4 グラビア版彫刻セル測定装置
5 撮像手段
6 キーボード、マウス等の入力部
7 ディスプレイ、プリンタ等の出力部
8 処理部
9 記憶部
10 画像入力手段
11 彫刻条件入力手段
12 セル演算手段
13 セル補正手段
14 画像データ
15 彫刻条件データ
16 磨耗補正係数
21 彫刻電圧積算計
Claims (6)
- グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、前記画像データと前記彫刻条件データに基づいて前記彫刻セルの体積を演算するセル体積演算手段と、を有するグラビア版彫刻セル測定装置において、前記彫刻条件データは、すくなくとも彫刻針の磨耗により生じる前記彫刻セルの体積の演算誤差を補正するための前記彫刻針の履歴としての彫刻電圧の積算値を含むことを特徴とするグラビア版彫刻セル測定装置。
- 請求項1に記載のグラビア版彫刻セル測定装置において、前記セル体積演算手段は前記画像データから前記彫刻セルの開口面積と最大セル幅を演算し、またその最大セル幅と前記彫刻条件データから最大セル深さを演算し、さらに前記開口面積と前記最大セル深さを乗算した値の3分の1を前記彫刻セルの体積として演算することを特徴とするグラビア版彫刻セル測定装置。
- 請求項1または2に記載のグラビア版彫刻セル測定装置において、前記セル体積演算手段は前記画像データから前記彫刻セルのセル幅を演算し、またそのセル幅と前記彫刻条件データからセル深さを演算し、さらに前記セル幅と前記セル深さを乗算した値を前記彫刻セルの彫刻方向に積分して得られる値の2分の1を前記彫刻セルの体積として演算することを特徴とするグラビア版彫刻セル測定装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のグラビア版彫刻セル測定装置において、前記彫刻条件データは、彫刻ヘッドに取りつけられた彫刻針の角度である彫刻針角度と、前記彫刻針の履歴またはテスト彫刻により決定する彫刻針磨耗度であることを特徴とするグラビア版彫刻セル測定装置。
- 基準データに基づいてテスト彫刻を行いグラビア版面上にテスト彫刻セルを形成するテスト彫刻過程と、 前記テスト彫刻セルを撮像することによりその体積を自動測定し測定体積データを得るセル体積自動測定過程と、 前記測定体積データと基準体積データとを比較し彫刻条件を補正する必要性を判定する比較判定過程と、 前記比較判定過程により補正必要の判定が行われた場合には彫刻条件を補正する彫刻条件補正過程と、 前記比較判定過程により補正不要の判定が行われた場合には前記彫刻条件に基づいて本彫刻を行いグラビア版面上に彫刻セルを形成しグラビア版を完成する本彫刻過程と、 から成るグラビア版彫刻方法において、
前記セル体積測定過程は、グラビア版面に形成した彫刻セルを撮像し画像データを得る撮像手段と、 前記彫刻セルを形成するときの彫刻条件を入力し彫刻条件データを得る彫刻条件入力手段と、前記画像データと前記彫刻条件データに基づいて前記彫刻セルの体積を演算するセル体積演算手段と、 を有するグラビア版彫刻セル体積測定装置により測定が行われ、
前記彫刻条件データは、すくなくとも彫刻針の磨耗により生じる前記彫刻セルの体積の演算誤差を補正するための前記彫刻針の履歴としての彫刻電圧の積算値を含む、
ことを特徴とするグラビア版彫刻方法。 - 請求項5記載のグラビア版彫刻方法において、前記彫刻条件補正過程を行った場合には前記テスト彫刻過程と前記セル体積測定過程と前記比較判定過程とを繰返すことを特徴とするグラビア版彫刻方法。
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