JP5386949B2 - タイヤ接地解析装置、タイヤ接地解析方法およびタイヤ接地解析プログラム - Google Patents
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この路面と接触するタイヤの接地面から、例えば、接地面の面積、負荷荷重を接地面の面積で除算した平均圧力、タイヤ周方向(タイヤの回転方向)の最大長さ(最大接地長さ)、接地面におけるタイヤ幅方向(タイヤ周方向と直交する方向)の最大長さ(最大接地幅)、さらにはタイヤの接地面の輪郭形状等の各種接地特性物理量を求めることによって、騒音性能、摩耗性能、操縦安定性能または制動性能等のタイヤの特性を概略評価することができる。したがって、タイヤの接地面の各種接地特性物理量を算出すること、すなわち、タイヤの接地解析を行うことは、タイヤの特性を概略評価する上で、極めて重要である。このため、タイヤの接地解析方法が種々提案されている(特許文献1参照)。
この二値化したデジタル画像に対して、3画素×3画素の領域毎に処理を施す膨脹フィルタを用いて接地画像の輪郭を等方的に膨脹させる膨脹処理を、接地画像が一つのブロックになるまで繰返し行う。
この後、上記膨脹処理の繰返し回数に所定回数付加した回数分、3画素×3画素の領域毎に処理を施す侵食フィルタを用いて接地画像の輪郭を等方的に侵食(収縮)させる侵食処理(収縮処理)を、繰返し行う。この後、前記所定回数分、前記膨脹フィルタを用いた膨脹処理を行う。この一連の処理によって得られた接地画像を用いることで、タイヤの動作または構造的特徴に寄与しないため、取り除くことが好ましいとされているウィスカ(タイヤ製造時に発生するトレッド部の表面から僅かに凸状に突出した微小突出部分)を取り除くことができることが記載されている。
さらには、タイヤによって膨張フィルタを用いた処理および侵食フィルタを用いた処理の回数が異なるため、膨張フィルタを用いた処理および侵食フィルタを用いた処理の回数が不定であり、処理時間が特定できないという問題点もある。
また、本発明において、前記タイヤの接地画像は、例えば、トレッドパターン付きタイヤのトレッドパターンの接地画像である。
本発明において、前記タイヤの接地画像は、例えば、トレッドパターン付きタイヤのトレッドパターンの接地画像である。
図1は、本発明の実施形態のタイヤ接地解析装置を備えるタイヤ接地解析システムを示す模式図である。
図2(a)〜(d)は、本発明の実施形態のタイヤ接地解析方法を工程順に示す模式図である。
図3(a)〜(d)は、本発明の実施形態のタイヤ接地解析方法の要部を工程順に詳細に示す模式図である。
カメラ24は、例えば、デジタルカメラであり、被写体の画像を、例えば、8ビットのデジタル画像データとして取得できるものである。このカメラ24は、タイヤ接地解析装置14の、後述する画像生成部30に接続されている。
また、カメラ24にてタイヤの接地画像を取得する場合、タイヤ100のトレッド部の回転方向であるタイヤ100の周方向が、得られる接地画像の2つの画素配列方向のうち一方の画素配列方向に一致するように取得し、タイヤ100の幅方向を2つの画素配列方向のうち他方の画素配列方向に一致するように取得する。これは、後述する画像処理を容易に行うためである。
プリンタ18は、モニタ16に表示される各種画像等を紙などの記録媒体にプリントとして出力するものであり、例えば、カラーレーザプリンタ、カラーインクジェットプリンタが用いられる。
これにより、モニタ16に、タイヤ100が実際に接地している接地部が黒、非接地部が白とした二値化画像として表示される。この二値化画像は、タイヤ100が実際に接地している接地面100bの面積を表す実接地面積画像(ACA(Actual Contact Area)画像)である(図2(b)参照)。
また、二値化画像内に接地部分外の背景部分等に接地部分の信号値と同等の信号値となるノイズ成分が混在する場合があるため、画像生成部30は、4近傍収縮などの等方性収縮処理機能を有してもよく、例えば、等方性収縮処理を1回行ってノイズ成分を除去するようにしてもよい。
また、二値化処理の際の閾値としては、差分法により、平滑されたデータの各階調の差を2で割ったものを用いることができる。
さらに、差分データの最小値から0に向かって−5を通過したところの階調を閾値としてもよい。
なお、これら以外にも、二値化処理の際の閾値として、公知の方法により求められた閾値を用いることもできる。
この画像処理部32は、二値化画像を表す二値化画像データを処理して総接地面積画像(GCA:Ground Contact Area)を表す画像データを得るとともに、カメラ24で撮影された接地面の画像(図2(a)の計測画像60)と図2(c)に示す総接地面積画像(GCA画像)64とを合成するものである。
画像処理部32で得られた総接地面積画像の画像データは、メモリ38に供給され、メモリ38に記憶される。後述するように、メモリ38から総接地面積画像64の画像データが物理量抽出部34に読み取られ、総接地面積(GCA)等の算出に利用される。
また、画素抽出部42は、各Y走査列75に含まれる各画素の画素値の情報を取得するものである。すなわち、白画素75a(図3(b)参照)と黒画素75b(図3(b)参照)との位置情報を取得するものである。さらに、各Y走査列75において、黒画素75bに挟まれる白画素75aを抽出し、この白画素75aの配列長さ(ランレングス)の情報を取得するものでもある。
この場合、黒画素に変換する白画素の配列長さの最大長さは、タイヤの溝を塗り潰し、かつGCAの輪郭を崩さない程度のものである。この黒画素に変換する白画素の配列長さの最大長さは、好ましくは、最大接地幅の20〜40%程度である。
比較判定部44においては、各X走査列71および各Y走査列75について作成した画素値変換信号を変換部46に出力する。
以上のように、走査画素処理部33(走査分割部40、画素抽出部42、比較判定部44および変換部46)でX走査列71およびY走査列75の両方について処理された二値化画像データは、図2(c)に示す総接地面積画像(GCA画像)64を表すものとなり、この総接地面積画像(GCA画像)64を表す二値化画像データは、メモリ38に出力され、記憶される。
この画像回転部48で回転された処理済みの二値化画像データは、メモリ38に出力され、記憶される。その後、走査画素処理部33でX走査列71およびY走査列75の両方について処理される。
なお、走査画素処理部33(走査分割部40、画素抽出部42、比較判定部44および変換部46)でX走査列71およびY走査列75の両方について処理された二値化画像データは、図2(c)に示す総接地面積画像(GCA画像)64を表すものであるため、画像回転部48による回転は必ずしも必要ではない。
物理量抽出部34においては、例えば、二値化画像62の二値化画像データをメモリ38から読み出し、実接地面積(ACA)を算出する。この実接地面積は、二値化画像62における黒画素の数に、この1画素の面積を掛けることにより求めることができる。
また、物理量抽出部34においては、例えば、総接地面積画像64の画像データをメモリ38から読み出し、総接地面積(GCA)を算出する。この総接地面積(GCA)は、総接地面積画像64における黒画素の数に、この1画素の面積を掛けることにより求めることができる。
さらには、物理量抽出部34は、最大接地長さ、最大接地幅、中心接地長さ、中心接地長も求めることができる。
1画素あたりの大きさは、例えば、直径が11.28cmの円盤を、タイヤ100が接地する位置に配置し、この円盤をカメラ24で撮影する。そして、二値化処理し、円盤の二値化像を得る。この円盤の二値化像について、その直径を通るX方向およびY方向における画素数を求める。円盤の実際の直径をY方向の画素数で割った値をY方向における1画素の長さとする。円盤の実際の直径をX方向の画素数で割った値をX方向における1画素の長さとする。このY方向の長さとX方向の長さをかけたものが1画素の面積となる。
このメモリ38は、RAM、ROM、ハードディスク等、またはこれらを組み合わせたものにより構成されている。
ソフトウェア処理の形態である場合には、メモリ38には、CPU36により、画像生成部30、画像処理部32および物理量抽出部34について、上述の機能を実行させるタイヤ接地解析プログラムが記憶される。
これにより、図2(a)に示すように、支持基板20に接地したタイヤ100の接地面100aの計測画像60が得られる。このタイヤ100の接地面100aの画像は、例えば、8ビットのデジタル画像データで表される。
次に、撮影されたタイヤ100の接地面のデジタル画像データは、カメラ24からタイヤ接地解析装置14の画像生成部30に供給される。
なお、上述のように、二値化画像62は、接地部が黒画素であり、非接地部が白画素であり、タイヤ周方向と画像のY方向とが一致され、タイヤ幅方向と画像のX方向とが一致されている。
各X走査列71において、変換部46により、画素値変換信号に基づいて、二値化画像の白画素71aを黒画素71bに変更させる。これにより、図3(c)に示すように、画素の一部が変換された接地面101を示す画像72が得られる。この画像72の画像データがメモリ38に記憶される。
なお、走査分割された画像70において、タイヤの接地面100b以外の領域73は、X走査列71において黒画素がないため、白画素は変換されない。
各Y走査列75において、変換部46により、画素値変換信号に基づいて、二値化画像の白画素75aを黒画素75bに変更させる。これにより、図2(c)に示すように、タイヤ100の接地面100a(図2(a)参照)内が全て埋められた接地面102の総接地面積画像64が得られる。この総接地面積画像64の画像データがメモリ38に記憶される。
なお、走査分割された画像74において、画素の一部が変換された接地面101以外の領域76は、Y走査列75において黒画素がないため、白画素は変換されない。
本実施形態の走査塗りつぶし処理においては、X方向の処理とY方向の処理の順番は、特に限定されるものではなく、Y方向の処理を先にしてもよい。
以下、図4(a)〜(g)に基づいて、画像を回転させて、再度、X方向、Y方向の2方向について処理を行う方法について説明する。
ここで、画像を回転させる際、図3(a)に示すように、時計周り方向を正(プラス)とし、反時計周り方向を負(マイナス)とする。
そして、走査画素処理部33で、第1の回転画像80に対して、上述の走査塗りつぶし処理を行なわせる。なお、走査塗りつぶし処理の終了後に、第1の回転画像80を−90°回転させて、もとの状態に戻して、最終的な総接地面積画像としてもよい。
そして、走査画素処理部33で、第2の回転画像82に対して、上述の走査塗りつぶし処理を行なわせる。なお、走査塗りつぶし処理の終了後に、第2の回転画像82を−45°回転させて、もとの状態に戻して、最終的な総接地面積画像としてもよい。
そして、走査画素処理部33で、第3の回転画像84に対して、上述の走査塗りつぶし処理を行なわせる。なお、走査塗りつぶし処理の終了後に、第3の回転画像84を−15°回転させて、もとの状態に戻して、最終的な総接地面積画像としてもよい。
そして、走査画素処理部33で、第4の回転画像86に対して、上述の走査塗りつぶし処理を行なわせる。なお、走査塗りつぶし処理の終了後に、第4の回転画像86を+15°回転させて、もとの状態に戻して、最終的な総接地面積画像としてもよい。
そして、走査画素処理部33で、第5の回転画像88に対して、上述の走査塗りつぶし処理を行なわせる。走査塗りつぶし処理の終了後に、第5の回転画像88を+45°回転させて、図4(f)に示すように、もとの状態に戻すことにより、最終的な,接地している全ての領域を表す接地面102aの総接地面積画像90が得られる。
このようにして、本実施形態においては、画像を回転させた状態で、黒画素で挟まれた白画素を抽出し、この抽出された白画素を黒画素に変更することにより、回転させることなく走査塗りつぶした処理をして得られた総接地面積画像64よりも、精度が高い総接地面積画像90を得ることができる。
更には、画像を回転させる角度についても、+90°、−90°、+45°、−45°、+30、−30°などに限定されるものではなく、その回転角度は、適宜設定することができる。
12 撮影装置
14 タイヤ接地解析装置
20 支持基板
24 カメラ
32 画像処理部
34 物理量抽出部
36 CPU
38 メモリ
40 走査分割部
42 画像抽出部
44 比較判定部
46 変換部
48 画像回転部
50 画像合成部
60 計測画像
62 二値化画像
64 総接地面積画像(GCA画像)
66 合成画像
71 X走査列
75 Y走査列
100 タイヤ
Claims (9)
- タイヤの接地画像に画像処理を施してタイヤの接地解析を行うタイヤ接地解析装置であって、
前記タイヤの接地画像から、直交して配列された複数の画素からなり、前記タイヤの接地部に相当する画素に第1の画素値が設定され、前記タイヤの非接地部に相当する画素に第2の画素値が設定された二値化画像を生成する画像生成部と、
前記二値化画像を複数の列に区画し、各列に含まれる画素について第1の画素値の画素に挟まれた第2の画素値の画素を抽出し、前記抽出された画素について第2の画素値を第1の画素値に変換し、さらに、前記第2の画素値が第1の画素値に変換された二値化画像を複数の行に区画し、各行に含まれる画素について第1の画素値の画素に挟まれた第2の画素値の画素を抽出し、前記抽出された画素について第2の画素値を第1の画素値に変換する走査画素処理部と、
前記走査画素処理部で処理された二値化画像を所定の角度回転させる画像回転部を有し、
前記画像回転部で回転された前記二値化画像は、再度、前記走査画素処理部で、前記二値化画像を複数の列に区画し、各列に含まれる画素について第1の画素値の画素に挟まれた第2の画素値の画素を抽出し、前記抽出された画素について第2の画素値を第1の画素値に変換し、さらに、前記第2の画素値が第1の画素値に変換された二値化画像を複数の行に区画し、各行に含まれる画素について第1の画素値の画素に挟まれた第2の画素値の画素を抽出し、前記抽出された画素について第2の画素値を第1の画素値に変換されることを特徴とするタイヤ接地解析装置。 - 前記各列で抽出された前記第2の画素値の画素の配列長さ、および前記各行で前記抽出された前記第2の画素値の画素の配列長さを、所定の長さと比較し、前記配列長さが所定の長さよりも短い場合、前記走査画素処理部により、前記第2の画素値を前記第1の画素値に変換させる比較決定部を有する請求項1に記載のタイヤ接地解析装置。
- 前記画像生成部で生成された二値化画像は、前記画素の配列方向のいずれか一方と前記タイヤの接地画像におけるタイヤ周方向とが一致され、残りの一方と前記タイヤの接地画像におけるタイヤ幅方向とが一致されている請求項1または2に記載のタイヤ接地解析装置。
- 前記タイヤの接地画像は、トレッドパターン付きタイヤのトレッドパターンの接地画像である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ接地解析装置。
- タイヤの接地画像に画像処理を施してタイヤの接地解析を行うタイヤ接地解析方法であって、
前記タイヤの接地画像から、直交して配列された複数の画素からなり、前記タイヤの接地部に相当する画素に第1の画素値が設定され、前記タイヤの非接地部に相当する画素に第2の画素値が設定された二値化画像を生成する第1の工程と、
前記二値化画像を複数の列に区画し、各列に含まれる画素について第1の画素値の画素に挟まれた第2の画素値の画素を抽出し、前記抽出された画素について第2の画素値を第1の画素値に変換し、さらに、前記第2の画素値が第1の画素値に変換された二値化画像を複数の行に区画し、各行に含まれる画素について第1の画素値の画素に挟まれた第2の画素値の画素を抽出し、前記抽出された画素について第2の画素値を第1の画素値に変換する第2の工程と、
処理された二値化画像を所定の角度回転させる第3の工程と有し、
前記第3の工程の後、前記回転された前記二値化画像を、再度、前記第2の工程に基づいて前記第2の画素値を前記第1の画素値に変換する第4の工程とを有することを特徴とするタイヤ接地解析方法。 - 前記第2の工程においては、前記各列で抽出された前記第2の画素値の画素の配列長さ、および前記各行で前記抽出された前記第2の画素値の画素の配列長さを、所定の長さと比較し、前記配列長さが所定の長さよりも短い場合、前記第2の画素値を前記第1の画素値に変換させる請求項5記載のタイヤ接地解析方法。
- 前記第1の工程で生成された二値化画像は、画素の配列方向のいずれか一方と前記タイヤの接地画像におけるタイヤ周方向とが一致され、残りの一方と前記タイヤの接地画像におけるタイヤ幅方向とが一致されている請求項5または6に記載のタイヤ接地解析方法。
- 前記タイヤの接地画像は、トレッドパターン付きタイヤのトレッドパターンの接地画像である請求項5〜7のいずれか1項に記載のタイヤ接地解析方法。
- 請求項5〜8のいずれか1項に記載のタイヤ接地解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤ接地解析プログラム。
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