JPH11502864A - 鉛およびバリウム不含の点火用組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明の対象は、起爆物質がジニトロベンゾフロキサンのアルカリ金属塩および／またはアルカリ土類金属塩から選択され、酸素供給物質が金属過酸化物、アンモニウム、グアニジン、アミノグアニジン、トリアミノグアニジン、ジシアノジアミジン並びに元素のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウムの硝酸塩および／または多価金属酸化物から選択されていることによって特徴付けられる酸素供給物質との混合物中の起爆物質を有する鉛およびバリウム不含の点火用組成物である。本発明による点火用組成物は、公知の有害物質不含の点火用組成物と比べて向上した安定性を示している。

Description

【発明の詳細な説明】 鉛およびバリウム不含の点火用組成物 本発明の対象は、酸素供給物質との混合物中の起爆物質を有する鉛およびバリ ウム不含の点火用組成物である。 欧州特許第００３１０４５号Ｂ１明細書から、単独もしくは配合された酸化剤 としての過酸化亜鉛の使用は、爆薬含有混合物もしくは花火製造技術の混合物に おいて公知である。 欧州特許第０１２９０８１号Ｂ１明細書には、起爆物質として、全混合物に対 して、不動態化剤との混合物中で５〜７０重量％の含量でのモノニトロジヒドロ キシジアゾベンゾールおよび／またはジニトロジヒドロキシジアゾベンゾールの ストロンチウム塩並びに付加的に更に３０重量％までの量でのテトラゼンおよび １０〜７０重量％の量での過酸化亜鉛を含有する酸化剤としての過酸化亜鉛との 混合物中の起爆物質からなる鉛およびバリウム不含の点火用組成物が記載されて いる。 公知の点火用組成物は、起爆物質として、殊に鉛の、トリニトロポリフェノー ル、例えばトリニトロフェノール、トリニトロレソルシンまたは窒化水素酸から 誘導される化合物を含有している。その上更に、鉛の 複塩、例えば硝酸次亜燐酸塩を含有する点火用組成物も公知である。前記点火用 組成物の燃焼の際に、少ない爆発回数の後に早くも許容臨界濃度に達する鉛およ びその化合物の増大した濃度が周囲空気中に生じる。重金属不含の起爆物質から なる解決策は、既に提案されていた。この種のものとしては、殊にジアゾジニト ロフェノールが普及している。しかしながら、例えば酸素供給物質としての過酸 化亜鉛を有するジアゾジニトロフェノール含有点火用組成物は、活発に反応する ジアゾジニトロフェノールによって引き起こされる極めて強力なガス圧衝撃を示 している。このことは、武器の機能の支障かまたは内部衝撃および外部衝撃を生 じることがある。これとともに、ジアゾジニトロフェノールは、増大された熱反 応性を示している。 従って、本発明の対象は、酸素供給物質との混合物中の起爆物質を有する改善 された鉛およびバリウム不含の点火用組成物である。 従って、前記の問題の解決のための第一の実施態様は、酸素供給物質との混合 物中での起爆物質を有する鉛およびバリウム不含の点火用組成物であり、該点火 用組成物は、起爆物質がジニトロベンゾフロキサンのアルカリ金属塩および／ま たはアルカリ土類金属塩から選択され、かつ酸素供給物質が金属過酸化物、アン モニウム、グアニジン、アミノグアニジン、トリアミノグアニジン、ジシアノジ アミジン並びに元素のナト リウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウムの硝酸塩および／また は多価金属酸化物から選択されていることによって特徴付けられる。 本発明による点火用組成物は、湿潤−／高温貯蔵の際に、公知技術水準と比べ て改善された安定性を示している。 本発明の範囲内での起爆物質としては、モノニトロジヒドロキシジアゾベンゾ ールおよび／またはジニトロジヒドロオキシジアゾベンゾール、ジアゾジニトロ フェノール、トリアゾール化合物およびテトラゾール化合物の公知の塩とともに 、例えばニトロトリアゾロンの塩、ジニトロベンゾフロキサンの塩、殊にカリウ ム塩を使用することができる。官能性アジド基を有する有機化合物としては、殊 にシアヌール酸トリアジド、トリアジドトリニトロベンゾール、スチフィニルジ アジドまたは２−ピクリル−５−ニトロテトラゾールが挙げられる。 本発明によれば、起爆物質は、有利に、全混合物に対して５〜７０重量％、殊 に３０〜６０重量％の含量で使用される。 酸素供給物質としては、公知技術水準から自体公知の金属過酸化物の過酸化亜 鉛とともに、他の酸素供給物質を使用することも可能である。前記の範囲内での 他の物質としては、点火用組成物中で、例えば使用することができる：二酸化錫 、二酸化セリウム、三酸化 タングステンおよび／またはアンモニウム、グアニジン、アミノグアニジン、ト リアミノグアニジン、ジシアンジアミジン並びに元素のナトリウム、カリウム、 マグネシウム、カルシウム、セリウムの硝酸塩、殊に硝酸カリウムまたは塩基性 硝酸セリウム。本発明による点火用組成物中の酸素供給物質の量は、全混合物に 対して、例えば５〜７０重量％で変動することができる。本発明の範囲内では、 酸素供給物質は８〜６０重量％の量が特に有利である。前記物質は、微粒状の状 態かまたは粗粒状で使用することができる。約１０μｍの平均粒度を有する微粒 状の物質は、点火用組成物がプレスされた装薬として使用される場合に有利に使 用され、他方、約３０μｍの粒度を有する粗粒状の物質は、例えばリムファイア 組成物（Randfeuersatzen）中のあまり強力に圧縮されていない装薬に特に適し ている。 本発明によれば、点火用組成物は、更に、増感剤、還元剤、摩擦剤（Friktion smittel）、二次爆薬および／または不活性物質を含有していてもよい。 増感剤、有利にテトラゼンが存在する場合、全混合物に対して０〜３０重量％ の含量で存在することができる。 反応に関与する還元剤は、本発明による点火用組成物の場合、点火能力の改善 に適しており、かつ部分的に機械的感度の向上をも生じる。適当な物質は、殊に 全混合物に対して０〜２０重量％の含量で、有利に炭素、金属粉末、殊に硼素、 アルミニウム、セリウム、チタン、ジルコン、マグネシウムおよび珪素の金属合 金、殊にセリウム−マグネシウム、セリウム−珪素、チタン−アルミニウム、ア ルミニウム−マグネシウム、カルシウムシリサイドおよび金属硫化物、殊に硫化 アンチモンおよび硫化モリブデン並びに金属水素化物、例えば水素化チタンから 選択されている。若干の還元剤は、例えば硫化アンチモンまたは硫化カルシウム のように、同時に摩擦剤の機能も充足していることがある。点火用組成物中の還 元剤の含量が０〜２０重量％であってもよいのに対して、燃焼の間の反応に関係 しない摩擦剤は、全混合物に対して４５重量％までの量で本発明による点火用組 成物中に存在していてもよい。この種の摩擦剤は自体公知であり；例としてガラ ス粉末が挙げられる。 反応に関与する他の成分としては、殊に二次爆薬、例えばニトロセルロースま たはペンタエリトリットテトラニトラートが適している。他の例としては、オク トーゲンおよびヘキソーゲン並びに硝化された芳香族化合物、例えばトリニトロ ベンゾールのアミノ化合物、例えばモノアミノトリニトロベンゾール、ジアミノ トリニトロベンゾールもしくはトリアミノトリニトロベンゾールまたはアミノヘ キサニトロジフェニル、更に前記化合物のアクリル化生成物、例えばヘキサニト ロオキサアニリドまたはヘキサニトロジフェニル尿素が挙げられる。更に例えば 、前記の二次爆薬には、ヘキサニトロスチルベン、ヘキサニトロジフェニルオキ シド、ヘキサニトロジフェニルスルフィド、ヘキサニトロジフェニルスルホンお よびヘキサニトロジフェニルアミン並びにテトラニトロカルバゾール、テトラニ トロアクリドンまたはポリビニルニトラート並びにニトロトリアゾロンおよびそ の化合物が挙げられる。点火用組成物の前記物質の含量は、全混合物に対して０ 〜３０重量％になってもよい。 不活性物質としては、本発明による点火用組成物の場合、しばしばそれぞれの 使用目的に対する前記組成物の特性の調整のためにも一緒に使用される自体公知 の物質が適している。この場合、殊に有利に全混合物に対して０〜２０重量％の 含量で含有されていてもよい結合剤、接着剤、染料、不動態化剤および／または 匂い特性決定のための薬品が記載される。この場合、例えば炭酸カルシウム、二 酸化チタンおよび／または白色窒化硼素が挙げられる。 組成物後ガスの匂いの改善および特性決定のためには、組成物混合物または結 合剤並びに組成物の被覆に、衝撃の間の熱負荷に耐えるのに適する匂い特性決定 のための薬品を混合することができる。殊に前記の点でバニリンが前記の特性を 充足することが見出された。 本発明による点火用組成物の製造は、自体公知の方法により、乾燥混合物の篩 別または湿った混合物の混練によって行われる。この場合、湿った材料の供給は 、穿孔板の塗り込めまたは押出しによって行うことができる。 実施例 例 １ この実施例は、２０ｍｇの装填量の雷管点火用キャップ用の点火用組成物を記 載している。 ジニトロベンゾフロキサン酸カリウム４５重量部、テトラゼン５重量部、過酸 化亜鉛３０重量部、二酸化錫１５重量部およびチタン５重量部からなる混合物を 、水２２重量部で均一にし、かつ穿孔板の中への塗り込めによって供給した。点 火用キャップの中への導入後に乾燥させ、かつプレスした。 本発明による点火剤混合物は、７日間の７１℃の温度および９０％の空気湿分 での湿潤／高温貯蔵の際に、常用のジアゾール含有点火用組成物よりも良好な安 定性を示した。感度の試験の際に、薬包からの点火用キャップの圧出は観察され なかった。 比較例 １ ジアゾジニトロフェノール４０重量部、テトラゼン １５重量部、過酸化亜鉛８重量部、ガラス粉末（１２０〜１７０μｍ）３５重量 部およびAdhesin（登録商標）（接着剤）からなる湿った混合物を、１８ｍｇの 装填量でリムファイア薬包２２１ｆＢ中に装填した。 点火用組成物は、より確実な通弧（Durchzuendung）のために、せき止め材（V erdaemmung）として、匂い特性決定のためにバニリン０．２ｇを含有するVinnap as（登録商標）Ａ５０ ３〜４ｍｇからなる塗膜を必要とした。 例 ２ 例１と同様に、リムファイア薬包２２１ｆＢ用の点火用組成物、装填量１６ｍ ｇを製造した。ジニトロベンゾフロキサン酸カリウム４７重量部、テトラゼン１ ０重量部、過酸化亜鉛８重量部、ガラス粉末（９０〜２００μｍ）３４重量部お よびAdhesin（登録商標）（接着剤）１重量部からなる混合物を、例１と同様に 試験した。 この点火用組成物に、せき止め材としての被覆塗料なしに通弧し、かつ市販の 弾薬に匹敵する内部衝撃および外部衝撃を達成した。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．酸素供給物質との混合物中の起爆物質を有する鉛およびバリウム不含の点火 用組成物において、起爆物質がジニトロベンゾフロキサンのアルカリ金属塩およ び／またはアルカリ土類金属塩から選択され、酸素供給物質が金属過酸化物、ア ンモニウム、グアニジン、アミノグアニジン、トリアミノグアニジン、ジシアノ ジアミジン並びに元素のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セ リウムの硝酸塩および／または多価金属酸化物から選択されていることを特徴と する、鉛およびバリウム不含の点火用組成物。 ２．全混合物に対して５〜７０重量％、殊に３０〜６０重量％の起爆物質含量を 有する、請求項１に記載の点火用組成物。 ３．全混合物に対して５〜７０重量％、殊に８〜６０重量％の酸素供給物質含量 を有する、請求項１に記載の点火用組成物。 ４．金属過酸化物が過酸化亜鉛である、請求項１に記載の点火用組成物。 ５．金属酸化物が二酸化セリウム、三酸化タングステンおよび／または二酸化錫 から選択されている、請求項１に記載の点火用組成物。 ６．更に増感剤、還元剤、摩擦剤、二次爆薬および／ または不活性物質を含有している、請求項１に記載の点火用組成物。 ７．増感剤としてのテトラゼンを、殊に全混合物に対して０〜３０重量％の含量 で含有している、請求項６に記載の点火用組成物。 ８．還元剤が、殊に全混合物に対して０〜２０重量％の含量で、炭素、金属粉末 、殊に硼素、アルミニウム、セリウム、チタン、ジルコン、マグネシウムおよび ／または珪素の金属粉末、金属合金、殊にセリウム−マグネシウム、セリウム− 珪素、チタン−アルミニウム、アルミニウム−マグネシウム、カルシウムシリサ イドおよび金属硫化物、殊に硫化アンチモンおよび／または硫化モリブデン並び に金属水素化物、例えば水素化チタンから選択されている、請求項６に記載の点 火用組成物。 ９．摩擦剤としてのガラス粉末を、殊に全混合物に対して０〜４５重量％の含量 で含有している、請求項６に記載の点火用組成物。 １０．二次爆薬が、殊に全混合物に対して０〜３０重量％の含量で、ヘキソーゲ ン、オクトーゲンおよび硝化された芳香族化合物のアミノ化合物から選択されて いる、請求項６に記載の点火用組成物。 １１．不活性物質が、殊に全混合物に対して０〜２０重量％の含量で、結合剤、 接着剤、染料、不動態化剤および／または匂い特性決定のための薬品から選 択されている、請求項６に記載の点火用組成物。 １２．匂い特性決定のための薬品がワニリンである、請求項１１に記載の点火用 組成物。