JPH11502516A - 第1級アミンを経由するタクソールおよびドースタクセルの製造 - Google Patents

第1級アミンを経由するタクソールおよびドースタクセルの製造

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JPH11502516A JP8523705A JP52370596A JPH11502516A JP H11502516 A JPH11502516 A JP H11502516A JP 8523705 A JP8523705 A JP 8523705A JP 52370596 A JP52370596 A JP 52370596A JP H11502516 A JPH11502516 A JP H11502516A
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ゼング,クン,ワイ.
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ハウザー,インコーポレイテッド
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D305/00Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms
    • C07D305/14Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms condensed with carbocyclic rings or ring systems

Abstract

(57)【要約】 本発明はタクソールA、BおよびCをタクソール第1級アミンに変換し、次いでこのタクソール第1級アミンを容易かつ効率良くタクソールAまたはドースタクセルに変換する方法に関し、この結果、バイオマスからのこれら生成物の収率が著しく高められる。この方法は、シュワルツ試薬による側鎖からのアミドの除去によるイミンの形成、次いでイミンの加水分解による第1級アミンの生成を含む。第1級アミンは次いでタクソールAまたはドースタクセルに変換される。この方法によって新規なタクソールイミン化合物および第1級アミン塩が形成された。

Description

【発明の詳細な説明】 第1級アミンを経由するタクソールおよびドースタクセルの製造 我々の発明はタクソール、ドースタクセルおよび関連化合物の第1級アミンを 製造するための新規な方法に関する。この方法における中間物として形成された タクソールのイミンおよび第1級アミンから形成された塩もまた新規である。 本発明の背景 この発明はタクソール(このものは、また時として“パクリタクセル”と称さ れ、また米国、ニュー・ジャージー州、プリンストンのブリストール・マイアー ス・スクィブ社の登録商標である“TAXOL(タクソール)”として知られている 薬学的組成物がある)およびいくつかのその先駆体およびドースタクセル(フラ ンス国、ヴィトリィーシュール−セーヌのローヌ・プーラン・ロレルの商標“TA XOTERE(タクソテル)”としばしば称されている)を含む関連化合物の製造の分 野に一般的に関する。 この発明の方法は、また新規なタクサン中間化合物、とりわけタクソールのい くつかのイミンおよび第1級アミン塩およびそれらの誘導体の製造に関する。 タクソールを図1Aに示す。ここで特に触れない限り、用語“タクソール”は この図1Aに示したような変形物A、BおよびCの総括的名称である。用語“タ クサン”はタクソールの環状構造の特徴を有する化合物を示す。ドースタクセル を図1Bに示す。 一般に、タクソールはToxus brevifolia(タクサス・ブレビフォリア)の樹皮 からのみ大規模に分離されて来た。しかし不幸にも最も効率的な方法によってさ えもタクソールの収率は比較的低い。タクソールAに対する実際の、および潜在 的要求量は天然供給源からの抽出による、現在入手可能な供給量をはるかに越え ている(PharmacTher.第52巻、第1〜34頁および第5〜6頁1991年に掲載の キングストーン(Kingston)の論文“タクソールの化学”〔以後、キングストー ンと略記〕、および1993年にウィーンおよびニューヨークのSpringer-Verlag社 発行の有機天然化合物の化学の進歩61記載のキングストーンらの論文“タクサン ジテルペノイド”を参照のこと)。本明細書記載の方法は、これら供給源からの タクソールAの収率を著しく高めることができる。 タクソールは図1に示した式によって表わされる複雑な化合物である。式に記 した数字は標準的なタクソール命名法による位置番号を示す。タクソール分子の 物理的および化学的複雑さのゆえにタクソールの合成は極めて困難である。“今 世紀末までに商業的に採用できるタクソールの合成方法が開発されることは、全 くありそうもないことである”と云われている(キングストーン、第24頁)。 また米国特許第5,015,744号、第1欄、第59行以降には、“タクソール合成に おける進歩にかかわらず、タクソールの最終的な金合成工程は、しかしながら多 くの工程から成立ち、長たらしい費用のかさむ方法と思われる”と記されている 。 タクソール合成の複雑性は、Swindell(スウィンデル)の論文“タクサンジテ ルペン合成の戦略:評論”Org .Prep.Proced Int. 第23巻、第465〜543および 第537頁(1991年)(以下、スウィンデルと称する)に目を通してみても明らか である。タクソールの合成に関してその他の人によって、いくつかの発表がなさ れたが、採用された操作は、極めて複雑で商業的用途には不適当であると思われ る。 関連化合物からのタクソールの部分合成でさえも全く困難である。“タクソー ルはタクサンの中で機能的に、および立体化学的に最も複雑である”(スウィン デル、第467頁)。とりわけタクソール分子は類似した化学構成成分を有する多 くの反応点を提供する。このことは、たとえばタクサン環の位置番号1,2,4 ,5,7,9および10に存在する多くの含酸素置換基のいづれかに影響する何ら かの反応に関する問題を提供する〔米国特許第4,876,399、Holton ホルトンら、 第3欄、第13〜18行参照〕。この化学的複雑性は、ブロック剤または“保護基” の使用、および特定の位置における特定の反応をもたらす極めて制御された反応 パラメータの採用による以外は、著しい特異性を有する直接的反応を困難にする 。 加えて、タクソール分子の立体化学は図1に描かれた二次元的式よりも著しく 更に複雑である。事実、タクソール分子は“逆さになったカップ形状で、エステ ル側鎖がカップの開口を横切っている”として特徴づけられている(キングスト ーン、第3頁)。キングストーンにはタクソールの立体化学のより詳細な二次元 的描写が含まれている。 これらの考察の結果として、タクソールおよびタクソール関連化合物の化学は 困難であり、予測不可能であった。 タクソールAはタクサン環のC-13に結合した側鎖上の3'の位置に形成される アミド基の点で“B(時としてセファロマンニンと呼ばれる)”および“C”と して知られる他の変異物と区分される。タクソールA、BおよびCの種々の構造 を図1に示した。最近では、他のアミド基もまた、天然のバイオマス中に存在す るタクサンの3'の位置に存在できると信じられている。タクソールBおよびCは 、他のアミド化合物と同様にバイオマス中にも存在するが、タクソールAのみが FDAによって商業的使用が認められた。従って、タクソールAは、商業的、治 療用生成物の製造において、かかる他の天然に存在するタクソール化合物から分 離または単離しなければならない。この分離は困難であり、コストがかさむ。し かも収率は極めて低い。 タクソールA、BおよびCは3'位置のアミド基のみが異なるが、ここに開示さ れた本発明以前には、他のタクソール化合物のアミド基をタクソールAを直接的 に変換してタクソールAを形成する方法は知られていなかった。これの第1の理 由は3'位置のアミド結合はタクソール構造における他の結合よりもはるかに強固 であることである。加水分解のような化学反応は、アミド基を変えうるが、保護 した場合でさえも他の場所を優先的に攻撃し、タクソール分子の開裂と分裂を引 き起こす。従って、タクサン分子に他の化学変化を起こしやすい基が存在する場 合のアミド基の開裂は極めて困難である(たとえば、1986年にバージニア・ポリ テクニック・インスティテュート・アンド・ステート・ユニバーシティ発行のC .Jitrangsri(シィ・ジィトラングスリィ)著“アプローチズ・トウ・ザ・シン シイシイス・オブ・モディファイド・タクソール”を参照、この文献はUMI( ユー・エム・アイ)、ディサーテェイション・サービス、米国、ミシガン州4810 6-1764、アン・アーバア、ピ.オ.ボックス1764から入手可能である)。 理論的には、エステルの存在下においてもアミドを還元することが可能である 。しかしながら、還元生成物は置換アミンであり、このものは第1級アミンへ更 に変換するには一般的に好適ではない。従って、この方法はタクソールアミド類 のタクソールAへの総合的変換のためには有用ではなかった。これに対して、タ ク ソールBおよびCの第1級アミンは高度に望ましい中間物であり、本発明の方法 を用いる同様な反応において両化合物から製造することができる。 10−脱アセチルバッカチンのような他の物質のタクソールへの変換のための多 段階方法とは異なり、第1級アミンは容易に、かつ効果的に既知の技術の使用に よってタクソールAまたはドーセタクセルに変換される。 かかる困難性の結果として、タクソールBおよびCのタクソールAへの報告さ れている変換はC-13位置の側鎖の全てを除去し、この鎖を適切なタクソールA タイプのアミドと置換することによりなされていた。この方法は多くの工程を含 み、複雑であり、著しい量の高価な材料を無駄にする。 これに対して、我々はアミド基の第1級アミンへの化学的変換による、タクソ ールBおよびCから直接的にタクソールAを部分合成するための、単純かつ効果 的な方法を見出した。この方法はまた、たとえばタクソール誘導体の製造および ドースタクセルの生成を含むタクソール化学の他の観点からも有用である。 本発明の概要 我々はタクソールBおよびCをタクソールAに変換するための、単純、効果的 、そして驚くほど選択的な方法を見出した。 ここで述べるこの方法は、シュワルツ(Schwartz)試薬によるアミドの還元的 脱酸素によりイミンを形成し、次いで加水分解によるイミンの第1級アミンへの 変換を含む。事実、出発物質が保護されない場合には、シュワルツ試薬との反応 によって少量のタクソールは直接的に第1級アミンに変換される。その構造を図 1に示した第1級アミンは、次いでタクソールA、ドーセタクセルまたは他のタ クソール誘導体へ変換することができる。 ここにより詳細に述べるように、本発明は多くの目的と利点を有する。これら の中には、タクサス ブレビフォリアまたは他のバイオセス源から回収されうる タクソールAまたはドースタクセルの量を著しく増加しうる事実がある。 本発明の更なる目的は、タクソールA、ドースタクセルまたは他のタクソール 誘導体を製造するための先駆体として使用することができる、いくつかの新規な タクソールイミンの製造およびタクソール第1級アミンの製造にある。これら誘 導体の中には水溶性の新規な第1級アミン塩がある。 加えて、本発明の目的は、タクソールをドースタクセルに変換するための単純 にして効果的な方法を提供することにある。 かかる目的およびその他の全ては、以下に述べるとおり、温和、効率的かつ選 択的な化学反応を用いることにより達成される。 図面の説明 図1AはタクソールA、BおよびCの化学的構造を示す。また第1級アミンの 構造も示し、本発明の方法の使用によって、これらタクソールの構造の各々から 形成することができる。 図1Bはドースタクセルの化学的構造を示す。 図2はタクソールA、BおよびCまたはこれらタクソール化合物の10−脱アセ チル形状からタクソールAまたはドースタクセルを製造するための、可能な選択 を示す概要図である。 図3は本発明の方法において使用するための、既知のタクサン出発物質を示し ている。 図4は、本発明の方法を用いるタクソールの第1級アミンの形成を図式的に説 明しており、出発物質における他の可能な反応位置を保護している。 図5は本発明の方法を用いる、タクソールの第1級アミンの形成を図式的に説 明しているが、他の可能な反応位置を保護していない。 図6は、(1)タクソール第1級アミンのタクソールへの変換、および(2) 10−脱アセチルタクソール(“10−DAT”)のドースタクセルへの変換を図式 的に説明している。 図7は、以下に述べる方法によって得られた新規なタクソールイミン化合物の 一般的化学構造である。 図8は、同様に以下に述べる方法によって得られた新規なタクソール第1級ア ミン塩の一般的化学構造である。 図9は以下に述べる方法によって得られた新規なアミナール化合物の一般的化 学構造である。 本発明および好ましい態様の詳細な説明 我々は今や、タクソールA、BおよびCのアミド基を第1級アミンに変換する ための方法を見出した。 アミドの第1級アミンへの変換は、Cp2ZrHCl(ジルコノセン塩化物水素化 物、ここで“Cp”はシクロペンタジェニルであり、この化合物はまた、“シュ ワルツ試薬”として知られている)の効果的還元的脱酸素量の使用によって達成 される。過去においてこころみられて不成功であった他の還元剤とは異なり、シ ュワルツ試薬を用いるタクソールアミド基の制御された還元は、タクソールAま たは他のタクソール関連化合物に容易に変換されるイミン、第1級アミンおよび おそらくはアミナール化合物をもたらす。 本発明に使用するための、適切な出発物質は、3'の位置にアミド基を有する側 鎖をC-13に有する、いづれかのタクサンを含む。許容される出発物質には図3 に示した物質が含まれる。出発物質としてのタクソールA、BおよびCの使用に 加えて、本発明の方法は、A、BおよびCのアミド構造を有する10−脱アセチル タクソール(すなわち、“10−DAT”)を用いることができる。更に、上記の 出発物質には、C-7位置にキシロシドを有する天然産の化合物、または1994年1 0月18日に発行された米国特許第5,356,928号に記述されたようにキシロシドの酸 化によって導かれた“オキソ”化合物を含めることもできる。また出発物質には 、保護されていない化合物、またはC-7、C-10および2'の位置が、当業者に知 られている、トリエチルシリル化のような標準的技術によって保護されている化 合物を含めることもできる。 保護された出発物質の変換方法を図4に説明する。図示されているように、7 、10および2'のOH基は、いづれかの標準的技術、好ましくはトリエチルシリル 化を用いて全て保護されている。 トリメチルシリルおよびトリクロルエトキシカルボニルは、タクソール化学に おいて慣用的に用いられる他の保護基の例である。好ましくは7と2'の位置の基 の両方が、これらは最も活性である故に、保護される。最高の変換を得るために 、最少限2'の位置の基が保護されるべきである。適切な位置が保護された後に、 アミドをシュワルツ試薬と反応させると、イミン化合物の形成がもたらされる。 次いでこのイミン化合物は、図4に示すとおり、第1級アミンに容易に変換され る。イミンおよびイミンの第1級アミンへの変換について、以下により詳細に述 べる。 図5は保護されていないタクソール出発物質がシュワルツ試薬によって変換さ れる過程を一般的に示す。この場合においては、変換によってイミンと第1級ア ミン化合物との中間物混合物が生ずる。イミンは図示のとおり、次いで第1級ア ミンに変換される。 図5は第1級アミンがより容易に、すなわち保護されていない出発物質から直 接形成されることを示唆するかも知れぬが、実際にシュワルツ試薬によって第1 級アミンに直接変換された保護されていない出発物質の量は全くの少量である。 従って、好ましい態様では出発物質の保護と保護の除去が採用される。 種々の量のシュワルツ試薬を用いることができるが、一般的にはアミドのモル 当り1〜10モル当量の範囲の試薬が存在すべきである。好ましくは、アミドのモ ル当り少なくとも2当量のシュワルツ試薬がイミンの最高収率のために必要であ る。好ましくは、反応は溶媒としてのテトラヒドロフラン(“THF”)を用い て行なわれる。溶媒THFとシュワルツ試薬2〜10モル当量を用いたタクサンの ほぼ100mg/mlの溶液は、2〜8時間でアミドがイミンに変換される。好ましく はシュワルツ試薬はアルゴンのような不活性ガスの存在下に添加される。 アミドのシュワルツ試薬による処理によってイミンが形成され、水素が放出さ れる。バイオマス中に通常見出される既知のタクソール化合物から形成されるイ ミン化合物の一般式を図7に示す。還元によって得られた実際の物質は、上述し た出発物質のいづれが用いられたかに依存する。代表的な新規イミン化合物が分 離されており、それらの存在は実施例に説明されたとおり、NMRおよび質量ス ペクトル分析の直接的使用によって確認された。イミンは反応混合物中では安定 と思われるが、クロマトグラフィによる分離では若干の分解が起こるようである 。 我々はまた、ある種の新規なアミナール化合物が中間物として、一時的に形成 されると信じている。かかる化合物を図9に示す。 かかるアミン系化合物の存在は、質量スペクトルのデータと一致するが、しか しNMRまたは現代の決定的な他の技術によって確認されてはいない。この場合 も再び、生成した実際の物質は前述した出発物質のいづれを使用したかに依存す る。 シュワルツ試薬との反応によって得られたイミンは、酸による加水分解、次い で中和、有機溶媒による抽出によって第1級アミンに変換される。図4および本 明細書中のいくつかの実施例に示したとおり、加水分解はエタノールのようなプ ロトン性溶媒の溶液中で水性HClを用いて行われる。水性HBrのような他の 酸を用いることもできる。他の好適な溶媒には、メタノール、テトラヒドロフラ ンまたはジオキサンが含まれる。理論的には、少なくとも2モルの酸がイミン1 モル当たり存在すべきである。イミンの加水分解に加えて、HClの使用はトリ エチルシリル保護基を除去することができる。 しかしながら、他の保護基および酸を用いた場合には、保護基の除去を別個に 行なう必要がある。 加水分解の終了後、溶液はNaHCO3のような塩基によって中和される。次 いで第1級アミンはCH2Cl2または非−プロトン性溶媒のような有機溶媒を用 いて抽出される。他の補助的な操作を用いることも可能である。 図4に図式的に示したように、第1級アミンはタクソールまたはドースタクセ ルに変換される。ある種の第1級アミンをタクソールまたはドースタクセルに変 換する方法は、従来から知られている。第1級アミンは更に既知の技術によって タクソールAに効率的に変換される。たとえば、この変換は、45Tetrahedron( テトラヘドロン)、第13号(1989年)、第4172〜90頁記載のL.Mangatal(エル .マンガタル)らの論文“不斉(asymmetric)導入をともなう近接したオキシア ミノ化反応のタクソールおよび同族体への適用”に示された方法を用いることに より達成される。好ましくは、タクソール第1級アミンはエチルアセテートに溶 解され、重炭酸ナトリウムの存在下に塩化ベンゾイルと反応される、或いは、タ クソール第1級アミンはピリジンに溶解され、塩化ベンゾイルと反応され、生成 物は希薄なCuSO4溶液で洗浄される。同様に、10−脱アセチル第1級アミン をエチルアセテートに溶解し、NaHCO3およびジ第3級ブチルジカーボネー トと反応させることによりドースタクセルに変換される。 シュワルツ試薬による還元的脱酸素、イミンの加水分解および以後の第1級ア ミンの変換は温和、選択的かつ効率的である。 これらの反応は十分に温和なので反応過程を監視することができ、望ましい終 点を越えて望ましくない生成物を生ずるまでは継続されることはない。一般に 反応は高圧液体クロマトグラフィ(“HPLC”)および薄層クロマトグラフィ (“TLC”)を利用して監視することができる。タクサン出発物質またはイミ ン中間物質の存在がもはや検出されない場合に、反応は完結と考えられる。 アミドの還元的脱酸素およびイミンの形成を結果としてもたらす反応は極めて 選択的である。このことは二つの観点から明確である。第1に、反応は選択的に 起こり、3'位置のアミドから還元される。普通はタクソールへの還元剤の導入は 3'以外の位置で反応を生じさせると予測される。この選択的反応は3'以外の場所 の保護なしで行なうことができ、この工程の本来的選択性が明らかである。一方 、上記に論じたような、C-10、C-7および2'位置への保護基の使用が好ましく 、この方法によって収率が向上する。 第2に、反応はタクソールA、BおよびCおよび他のタクソール関連物質を含 む混合物で結果を減ずることなしに行なうことができる。 かかる混合物はバイオマス中に、またはバイオマスからの部分的分離物または 抽出物中に存在する。事実、本発明の方法はタクソールA、BおよびCの混合物 を単一の第1級アミン化合物へ変換するための共通した手段を提供するものであ り、これらの全ては次いでタクソールAへ変換され、分離され、または要求に応 じた適切な程度に精製される。 従って、タクサス ブレビフォリアまたは他の天然産物質からタクソールを分 離する種々の工程でアミドを第1級アミンに変換することができる。 最後に、アミドの第1級アミンへの変換は比較的効率的である。この工程は最 大化されてはいないが、アミドの第1級アミンへの転化率50%以上を得ることが 可能である。 タクソールまたはタクソール先駆体の抽出収率は、タクサン出発物質の量およ び反応生成物の分離、精製に用いた操作に依存する。 工程を更に改善すれば転化率50%以上のレベルの、収率における著しい改良が 確実に得られる。 本発明の以前においては、アミド基の変形を経由するタクソールBおよびCの タクソールAへの変換のための実施可能な方法は存在しなかった。アミドのアミ ンへの変換は、現在可能な分離方法のみよりも、より多量のタクソールまたはタ クソール誘導体を付加的な半合成を経由してバイオマスから得る機会を示してい る。この変換はタクサンの粗混合物で行なわれ、全てが第1級アミンに変換され るので従前の分離のみの処理費用を低減することができる。タクサンの粗混合物 の構成は、バイオマス抽出物をあからじめ精製することにより制御することがで きる。 たとえば、タクソールA、BおよびCを含むバイオマスまたはバイオマス抽出 物をシュワルツ試薬で処理するとイミンが生成し、これは次いで第1級アミンに 変換される。この場合において沈でん結晶化またはクロマトグラフィによって処 理バイオマス混合物から第1級アミンが精製される。第1級アミンは次いでタク ソールAに変換される。実施例1に示したように、タクソールAをこの方法で処 理すると、イミンおよび第1級アミンを経て、タクソールA自身にもどされる。 このことは、現在の技術を用いる、原料バイオマス中に含まれるタクソールBお よびCからタクソールAのむしろ困難な分離と対照的である。すなわち、本発明 のタクソールの製造方法は極めて単純であり、タクソールAの収率は著しく向上 する。 図2に示したように、本発明の著しい利点は、ある種の10−脱アセチル先駆体 のアセチル化を経由するタクソールの製造を更に最大化するための、またはタク ソールA、BおよびCの脱アセチルの上を経由するドースタクセルの製造を最大 化するための計画の一部分として用いることができることである。たとえば、タ クソール(A、Bおよび/またはC)および10−脱アセチルタクソール(A、B および/またはC)を含むバイオマスの混合物は第1級アミンに変換され、次い で10−脱アセチル化合物のアセチル化およびタクソールAへの変換が行なわれる 。これに代わる方法として、同様な混合物が第1級アミンに変換され、次いでC -10位置の脱アセチル化とドースタクセルへの変換が行なわれる。アセチル化お よび脱アセチル化の方法は当業者に知られている。加えて、タクソールまたは他 の10−アセチル化タクサンのTHF溶液の、重炭酸ナトリウムのような温和な塩 基の存在下における過酸化水素による処理は、10の位置に選択的、かつ効率的な 脱アセチル化をもたらす。この方法を実施例27に説明する。 アセチル化または脱アセチル化の工程は、適切であればいづれも、および第1 級アミンへの変換の工程は、いづれの順序でも行なうことができる。同様に、バ イオマスからの物質の抽出は、反応工程に関連する種々の順序で実施できる。し かしながら、一般的には、最終的抽出に先立って、物質の最大量を望ましい最終 生成物へ変換することが、より効率的である。すなわち、誘導体プールが一つの 群として変換され、次いで分離される。図2に示したとおり、脱アセチル化また はアセチル化の経由により、バイオマスからのタクソールまたはドースタクセル の製造を更に最大化することができる。 本発明の更なる利点は、他の高価なタクソール誘導体の製造に利用できること である。タクソール第1級アミンは極めて活性であるので、従前不可能であった 、更なるタクソール誘導体の製造のための優れた原料である。たとえば、タクソ ール第1級アミン塩は既知の技術に従って第1級アミンから製造することができ 、一般的には図8のように示される。これらの塩化合物は水溶性であり、水質環 境において容易に反応して他の誘導体を形成する。塩および他の水溶性誘導体は 、イン・ビボにおける治療用途により容易に用いることができ、これらの化合物 が薬学的活性を有することが明らかにされるであろう。 我々の発明の新規な方法および化合物を以下の実施例により説明する。 実施例 概要 : 便宜のために、種々の実施例の、簡単なあらましを以下に述べる。 実施例1〜3は、2'および7位置のOH基にトリエチルシリル保護基を有する タクソールA誘導体のタクソール第1級アミンへの変換を示す。 実施例4〜6は、2'および7位置の基にトリエチルシリル保護基を有するタク ソールB(セファロマンニン)誘導体の第1級アミンへの変換を示す。 実施例7は、2',7−ビス(トリエチルシリル)酸化タクソールBの2',7− ビス(トリエチルシリル)酸化イミンへの変換およびタクソール第1級アミンの 更なる変換を示している。 実施例8および9は、2'および7位置の基にトリエチルシリル保護基を有する タクソールC誘導体のタクソール第1級アミンへの変換を示す。 実施例10および11は、2'および7の位置のトリエチルシリル保護基およびキシ ロシルOH基を有する7−キシロシルタクソール誘導体の第1級アミンへの変換 を示す。 実施例12および13は、2'および7のOH基にトリメチルシリル保護基を有する タクソールA誘導体のタクソール第1級アミンへの変換に関する。 実施例14は、2'および7のOH基にトリクロルエトキシカルボニル保護基を有 するタクソールA誘導体のタクソール第1級アミンへの変換を示す。 実施例15および16はタクソール第1級アミンのタクソールへの変換に関する。 実施例17〜19は、2'および7のOH基にトリエチルシリル保護基を有する10− 脱アセチルタクソールA誘導体の10−脱アセチルタクソール第1級アミンへの変 換を示す。 実施例20および21は、2'および7のOH基にトリエチルシリル保護基を有する 10−脱アセチルタクソールC誘導体の10−脱アセチルタクソール第1級アミンへ の変換に関する。 実施例22は、10−脱アセチルタクソール第1級アミンのドースタクセル(すな わち“TAXOTERE:タクソチル”)への変換に関する。 実施例23は、保護基の使用なしでのタクソールのタクソール第1級アミンへの 変換に関する。 実施例24および25は、タクソールA、タクソールB(セファロマンニン)およ びタクソールC混合物のタクソール第1級アミンへの変換に関する。 実施例26は、タクソール第1級アミンのタクソール第1級アミン塩化水素塩へ の変換に関する。 実施例27は、タクソールの脱アセチル化のための好ましい方法を示す。原料と方法 実施例に使用した全ての溶媒および試薬は製造業者から受理して使用した。タ クサンはタクサス ブレビフォリアの樹皮から分離した。 反応は、0.25mmウォットマン(Whatman)シリカゲル60A K6F(ガラス支持 体)または0.25mmイ.エム.インダストリーズ(E.M.Industries)シリカゲル 60(アルミニウム支持体)シリカゲル板を用いる薄層クロマトグラフィによって 監視した。反応はまた、モデルL−6200ポンプ、モデルAS−4000ま たはL3000UV/VIS/DAD検出基〔日立(株)製〕からなるシステムを 用いる高圧液体クロマトグラフィー(“HPLC”)によっても監視した。 上記システムには40Mハード・デバイスおよびラブ・マネージャー(Lab mana- ger)HPLCソフトウェア〔日立(株)製〕を有するNEC286電算機が設備さ れている。 使用したHPLCカラムには、5μmのジフェニル材料〔Supelco(スペルコ )社製)を充填した4.6mm×250mmのフェニルカラム、5μmの60Åペンタフルオ ルフェニル(PFP)の4.6mm×250mmカラム(E.S.Industries(イ.エス.イ ンダストリーズ)社製);および4.6mm×20mmのフェニル・カード・カラム〔Jon es(ジョーンズ)クロマトグラフィ〕が含まれる。閃光クロマトグラフィ用のシ リカゲル(230〜240メッシュ)はScientific Products(サイアンティフィック・ プロダクツ)社から供給された。 収率は他に触れない限り、クロマトグラフィ的およびスペクトル分析的に純粋 な化合物に関するものである。本明細書で用いた“クロマトグラフィ純度”とは 与えられた成分についての227nmにおけるHPLC標準化ピーク面積の比率を示 すものである。 融点は補正されていない。1H−NMRおよび13C−NMRケミカル・シフト は参照としての非重水素化NMRを用いるテトラメチルシランに関連してppmで 示される。NMRデータはJEOL Eclipse 400 MHz NMRスペクトロメータを用いて 得た。低分解質量スペクトルはVGプレートフォーム(APIマス・スペクトロ メータ)−電子スプレイ・モードを用いて測定した。高分解質量スペクトルはV G分析ZABを用いて測定した。実施例1 :この実施例は2',7−ビス(テトラエチルシリル)タクソールの2', 7−ビス(トリエチルシリル)タクソールイミンおよび2',7−ビス(トリエチ ルシリル)タクソール第1級アミンへの変換を示すものである。 2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールの試料(330.8mg、0.31m mol、 をTHF(3.1ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物(236.7mg、0.92m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪拌、反応させた。2時間後にTLC分析によ って反応完結を知った。粗反応混合物の冷ヘキサン中にそそぎ、得られたZr 錯体の沈でんを濾別した。溶媒を減圧下に除去し、白色固体(326mg)を得た。シ リカゲルクロマトグラフィ(25%EtOAc/ヘキサン)によって、2',7−ビ ス(トリエチルシリル)タクソールイミン(193.8mg、59%)を得た。1H NM R(400MHz,CDCl3)データは下記のとおりである δ 0.49-0.61(m,12H),0.86-0. 93(m,18H),1.10(s,3H),1.15(s,3H),1.64(s,3H),1.68(m,1H),1.85(m, 2H),1.90(s,3H),2.15(s,3H),2.32(s,3H),2.49,(m,1H),3.67,(d,J = 7.32Hz,1H),4.12(d,J = 8.3Hz,1H),4.26(d,J=8.24Hz,1H),4.42(dd,J = 6.7,10.3Hz,1H),4.50(d,J = 8.4Hz,1H),4.55(d,J = 8.44Hz,1H),4.9 0(d,J = 8.04Hz,1H),5.57(d,J = 6.96Hz,1H),5.90(t,J = 8.8Hz,1H),6. 39(s,1H),7.04(m,1H),7.31(m,2H),7.42(m,3H),7.53(m,4H),7.67(m,1 H),7.80(m,2H),8.05(m,2H),8.37(s,1H)。13C NMR(100MHz,CDCl3) δ 4.8,5.4,5.9,6.7,6.8,10.1,14.6,20.9,21.2,23.1,26.5,34.5,37 .2,43.1,46.7,58.4,70.3,72.3,74.9,75.1,76.5,78.8,79.2,80.9,84 .3,128.4,128.6,129.5,130.2,131.0,133.3,133.8,136.1,139.0,140.6 ,162.8,166.9,169.2,169.9,172.3,201.9。IR(固体、cm-1)3570,3085 ,2956,2877,1728,1645,1454,1371,1240。LRMS(エレクトロスプレー ),m/z 1066(M+H)+。HRMS(FAB)、C5980NO13Si2(M+H)+に対する 計算値1066,5168,測定値1066,5161。 シリカゲルカラムを、次いでMeOHを洗い流して、2',7−ビス(トリエチ ルシリル)タクソール第1級アミン(91mg,30%)を得た。この結果は、イミン 生成物が幾分不安定であり、一部分がクロマトグラフィ中に加水分解されること を示している。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.50-0.66(m,12H),0.87-0.99(m,18H),1. 11(s,3H),1.17(s,3H),1.64(s,3H),1.74(m,1H),1.88(m,2H),1.90(s,3 H),2.15(s,3H),2.29(s,3H),2.49(m,1H),3.71(d,J =6.96Hz,1H),4.12( d,J = 8.4Hz,1H),4.26(d,J = 8.4,1H),4.22(br,s,1H),4.28(d,J = 6. 6Hz,1H),4.42(dd,J = 6.64,10.66Hz,1H),4.90(d,J = 8.04Hz,1H),5.60 (d,J = 7.32Hz,1H),6.00(t,J = 8.8Hz,1H),6.40(s,1H),7.13(m,1H),7 .31(m,4H),7.51(m,2H),7.64(1H),8.0(m,2H)。 LRMS(エレクトロスプレー),m/z 978(M+H)+。IR(固体,cm-1)3433,2 956,2914,2877,1726,1495,1369,1265,1107。実施例2 :この実施例は、2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールの2', 7−ビス(トリエチルシリル)タクソールイミンへの変換、および更にタクソー ル第1級アミンへの変更を示している。 2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソール(130.8mg、0.12m mol)の試料を THF(1.2ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物(93.6mg、0.36m mol) を加え、N2ガス下、25℃で攪拌し反応させた。1.5時間後にTLC分析によって 反応完結を知った。粗混合物を冷ヘキサン中にそそぎ、得られたZr錯体の沈殿 を濾別した。溶媒を減圧下に除去して白色固体の128.6mgを得た。 中間物のイミン生成物は分離されなかった。白色固体を再び1%w/w HCl− 95%EtOH溶液(4ml)にした。3日の後にTLC分析によって反応は終了し たと思われた。反応混合物を水でうすめ、ヘキサンで洗浄した。次いで水性部分 を取り除き、飽和NaHCO3溶液でpH7に中和した。中和した水性部分を次い でCH2Cl2で抽出した。得られた有機層を分離し、MgSO4上で乾燥し、濃縮 して固体にした。シリカゲル・クロマトグラフィ(7%MeOH/CH2Cl2) によって、タクソール第1級アミンの44.6mg(全収率50%)を得た。m.p.160〜1 62℃。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.11(s,3H),1.22(s,3H),1.64(s,3H),1 .81(s,3H),1.97(m,3H),2.21(s,3H),2.22(s,3H),2.52(m,1H),3.70(d, J = 6.96Hz,1H),4.12(d,J = 8.4Hz,1H),4.26(d,J = 8.76,1H),4.28(br ,s,2H),4.38(dd,J = 6.6,10.8Hz,1H),4.91(d,J = 7.68Hz,1H),5.61(d ,J = 6.96Hz,1H),6.12(t,J = 8.4Hz,1H),2.26(s,1H),7.22(m,1H),7.3 7(m,4H),7.5(m,2H),7.64(m,1H),8.04(m,2H)。13C NMR(100MHz,CDC l3)δ 9.6,15.0,20.9,21.5,22.5,26.8,35.3,35.6,43.2,45.7,58.5, 58.6,71.2,72.2,74.9,75.6,75.7,76.4,79.2,81.0,84.5,127.0,128.3 ,28.7,128.9,129.2,130.2,133.0,133.8,146.6,142.5,166.9,170.2,1 71.3,173.1,203.8。IR(固体、cm-1)3512,2941,2899,1724,1493,1452 ,1371,1242,1070;LRMS(エレクトロスプレー), m/z 750(M+H)+。HRMS(FAB)、C4048NO13(M+H)+に対する計算値750 ,3216,測定値750,3130。実施例3 :この実施例は、タクソールを2',7−ビス(トリエチルシリル)タク ソールに変換し、更に2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールイミンに変 換し、最終的にタクソール第1級アミン変換することを示す。この方法は中間生 成物を分離せずにタクソールを第1級アミンに変換することを示す。 タクソール試料(14.7g、17m mol)をピリジン(150ml)に溶解し、クロルトリエ チルシラン(23.03g,147m mol)を加えた。N2ガス下、25℃で攪拌し反応させ た。20時間後にTLC分析(7%MeOH/CH2Cl2)によって反応完結と思 われた。反応混合物を濃縮してピリジンを除去した。残さをCH2Cl2に溶解し 、水、10%CuSO4、NaHCO3およびブラインで連続して洗浄した。有機層 をMgSO4上で乾燥し、濃縮して粗2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソ ールの20.89gを得た。 粗2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールの一部分(14.50g,13.4m mo l)を乾燥THF(150ml)に溶解しジルコノセン塩化物水素化物(7.75g,30.2m m ol)を加えた。N2ガス下、25℃で攪拌して反応させた。20時間後にTLC分析 によって反応終了と思われた。反応混合物を冷ヘキサン中にそそぎ、得られた沈 でんZr錯体を濾別した。溶液を濃縮して2',7−ビス(トリエチルシリル)タ クソールイミンの17gを得た。 粗2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールイミンの一部分(8.36g)を1 %HCl/EtOH(180ml)に溶解し、25℃で20時間攪拌し反応させた。TLC分 析によって反応完結を知った。混合物を800mlの水にそそぎ、ヘキサン(180ml× 3)で洗浄した。水層をNHCO3で中和し、pH=7.0にした。生成物をCH2C l2で抽出した。有機層を除去し、濃縮して固体を得た。シリカゲルクロマトグ ラフィ(5%MeOH/CH2Cl2)によってタクソール第1級アミン(2.41g、 使用したタクソールの5gにもとづく全収率は52%)を得た。分離した物質は以前 に分離した試料とスペクトル分析の結果、同一であった。 実施例4:この実施例はセファロマンニンの2',7−ビス(トリエチルシリル) セファロマンニンへの変換を示す。 セファロマンニンの試料(525.5mg、0.63m mol)をピリジン(6.3ml)に溶解し た。クロルトリエチルシラン(1.06ml、6.3m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪 拌し、反応させた。2.75日後にTLC分析によって反応完結を知った。反応混合 物をCH2Cl2でうすめ、水、10%CuSO4およびブラインで連続的に洗浄した 。有機層をMgSO4で乾燥し、濃縮して固体を得た。次いで、シリカゲルクロ マトグラフィ(10〜25%EtOAc/ヘキサン)によって2',7−ビス(トリエ チルシリル)セファロマンニン(569.9mg、85%)を得た。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.42(m,6H),0.57(m,6H),0.79(m,9H),0 .92(m,9H),1.21(s,3H),1.22(s,3H),1.65(s,3H),1.69(s,3H),1.71(s, 3H),1.79(s,3H),1.90(m,2H),2.00(s,3H),2.1(m,1H),2.17(s,3H),2.3 5(m,1H),2.53(s,3H),3.38(d,J = 6.96Hz,1H),4.19(d,J = 8.0Hz,1H), 4.29(d,J = 8.04Hz,1H),4.47(dd,J = 6.6,10.62Hz,1H),4.62(d,J = 2.1 6Hz,1H),4.93(d,J = 8.04Hz,1H),5.55(d,J = 7.32Hz,1H),5.65(d,J = 7.32Hz,1H),6.22 (t,J = 8.8Hz,1H),6.42(m,1H),6.45(s,1H),6.67(d ,J = 8.8Hz,1H),7.26(m,3H),7.34(m,2H),7.50(m,2H),7.59(m,1H),8. 12(m,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 4.4,5.4,6.6,6.8,10.2,12.4 ,14.0,14.3,20.9,21.6,23.1,26.6,35.6,37.3,43.4,46.7,55.3,58.5 ,71.4,72.2,72.3,74.9,75.0,75.1,78.9,81.2,84.3,126.5,127.8,12 8.5,128.6,128.8,129.3,130.3,131.4,131.7,133.7,138.8,140.4,167. 1,168.7,169.3,170.2,171.7,201.8。LRMS(エレクトロスプレー),m/z 1060(M+H)+。IR(固体、cm-1)3446,2956,2912,2877,1726,1641,1494, 1371,1267,1240,1136,1109。実施例5 :この実施例は、2',7−ビス(トリエチルシリル)セファロマンニン の2',7−ビス(トリエチルシリル)セファロマンニンイミンへの変換を示す。 2',7−ビス(トリエチルシリル)セファロマンニンの試料(98.3mg、0.093m mo l)をTHF(1ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物(119.6mg、0.464 m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪拌し反応させた。2時間後に、TLC分析 によって反応完結を知った。粗混合物を冷ヘキサン中にそそぎ、得られたZr錯 体の沈でんを濾別した。溶媒を減圧下に除去し、白色固体96mgを得た。シ リカゲルクロマトグラフィ(20%EtOAc/ヘキサン)によって2',7−ビス (トリエチルシリル)セファロマンニンイミン(30mg、31%)を得た。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.55(m,12H),0.93(m,18H),1.10(s,3H),1 .14(s,3H),1.45(s,3H),1.63(s,3H),1.68(s,3H),1.85(m,3H),1.89(s, 3H),2.14(s,3H),2.30(s,3H),2.46(m,1H),3.66(d,J = 6.96Hz,1H),4.1 7(d,J = 8.40Hz,IH),4.22(d,J = 8.40Hz,1H),4.30(d,J = 8.44,1H),4. 41(dd,J = 6.6,10.66Hz,1H),4.49(d,J = 8.44Hz,1H),4.90(d(J = 8.10Hz ,1H),5.56(d,J = 6.96Hz,1H),5.86(t,J = 8.08Hz,1H),5.99(q,J = 8.8 Hz,1H),6.38(s,1H),7.02(m,1H),7.29(m,2H),7.44(m,2H),7.55(m,2H) ,7.67(m,1H),7.88(s,1H),8.05(m,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl3)δ 4.9,5.3,5.4,6.7,6.8,10.1,11.2,14.4,14.5,20.9,21.1,23.0,26.5 ,34.7,37.3,43.0,43.2,46.8,58.4,70.2,72.3,74.9,75.1,76.5,78.7 ,78.9,80.9,84.3,128.3,128.4,128.5,130.2,133.2,133.8,137.0,137 .4,139.7,140.7,167.0,167.1,169.3,169.9,201.8。LRMS(エレクト ロスプレー),m/z 1044(M+H)+。IR(固体、cm-1)3527,2956,2914,2877, 1728,1454,1371,1267,1240,1109。シリカゲルカラムを次いでMeOHで洗 い出し、2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソール第1級アミン(30mg、30 %)を得た。このものは、実施例1で分離された第2の生成物とクロマトグラフ ィ的にも、スペクトル分析からも同一であった。実施例6 :この実施例は、2',7−ビス(トリエチルシリル)セファロマンニン の2',7−ビス(トリエチルシリル)セファロマンニンイミンへの変換およびタ クソール第1級アミンへの更なる変換を示す。2',7−ビス(トリエチルシリル )セファロマンニンの試料(186.7mg、0.18m mol)をTHF(1.8ml)に溶解した 。ジルコノセン塩化物水素化物(227.2mg、0.88m mol)を加え、N2ガス下、25℃ で攪拌し、反応させた。2.5時間後に、TLC分析によって反応終結と思われた 。粗混合物を冷ヘキサンにそそぎ、得られたZr錯体沈でんを濾別した。培養を 減圧下に除去し、白色固体235mgを得た。中間物のイミン生成物は分離しなかっ た。固体をEtOH(4ml)および3N HCl(0.3ml)に再溶解した。16時間後 に TLC分析により反応完結を知った。反応混合物を水でうすめ、ヘキサンで洗浄 した。次いで水性部分を除去し、飽和NaHCO3溶液でpH7で中和した。中和 した水性部分を次いでCH2Cl2で抽出した。得られた有機層を分離し、MgS O4で乾燥し、濃縮して固体を得た。シリカゲルクロマトグラフィ(7%MeO H/CH2Cl2)によってタクソール第1級アミン(47.0mg、全収率35%)を得 た。この生成物は実施例2で分離され生成物と、クロマトグラフィ的にも、スペ クトル分析的にも同一であった。実施例7 :この実施例は、2',7−ビス(トリエチルシリル)酸化タクソールB の2',7−ビス(トリエチルシリル)酸化タクソールBイミンへの変換およびタ クソール第1級アミンへの更なる変換を示す。これは酸化タクソールB誘導体の 第1級アミンへの変換の例である。 2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールBの試料をメタノール中、オゾ ンで処理して2',7−ビス(トリエチルシリル)ピルビンアミド・タクソール化 合物を形成させた。この化合物の少量の試料(約5mg)を次いでTHF(ほぼ0.0 50ml)に溶解し、ジルコノセン塩化物水素化物の少量(約5mg)を加えた。混合 物を終夜、室温で攪拌し、TLCおよびLRMS(エレクトロスプレー)、m/z 978(M+H)で分析した。TLCデータ(SiO2、25%EtOAc/ヘキサン)は出 発物質を示さず、また保護第1級アミンに相当する極性スポットを示した。LR MSデータは2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソール第1級アミンに相当 するピークを示した。2',7−ビス(トリエチルシリル)ピルビンアミド・タク ソールイミンは明らかに非常に安定ではなく、反応混合物中で保護第1級アミン へと分解する。実施例8 :この実施例はタクソールCの2',7−ビス(トリエチルシリル)タク ソールCへの変換を示す。 タクソールCの試料(142mg、0.17m mol)をピリジン(2ml)に溶解し、クロル トリエチレンシラン(281μl、1.7m mol)を加えた。N2ガス下、25℃で攪拌、 反応させた。20時間後にTLC分析によってほとんど反応が終わったことを知っ た。混合物を濃縮してピリジンを除去した。残さをCH2Cl2に溶解し、水、10 %CuSO4、NaHCO3およびブラインで連続的に洗浄した。有機層 をMgSO4上で乾燥し、濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフ ィ(3%MeOH/CH2Cl2)によって160mgの2',7−ビス(トリエチルシリ ル)タクソールC(88.5%収率)を得た。 1H NMR(400MHz,CDCl3);δ0.42(m,5H),0.56(m,1H),0.67(m,1H),0.7 8(m,10H),0.91(m,2H),1.15(s,3H),1.23(m,5H),1.28(s,2H),1.57(m,2 H),1.69(s,3H),1.89(m,4H),2.16(m,2H),2.21(s,1H),2.23(s,3H),2.3 8(m,1H),2.50(s,3H),2.54(m,1H),3.81(d,J =6.96Hz,2H),4.20(d,J = 8.40Hz,1H),4.30(d,J = 8.4Hz,1H),4.44(m,1H),4.58(m,1H),4.97(m,1 H),5.54(m,1H),5.69(d,J = 6.96Hz,1H),6.23(m,1H),6.29(s,IH),6.35 (d,J = 11.2Hz,1H),7.27(m,2H),7.30(m,1H),7.37(m,3H),7.51(m,2H) ,7.59(m,1H),8.11(d,J = 7.32Hz,2H)。13C NMR(100MHz/CDCl3);δ 4.4,5.4,6.6,6.8,9.7,13.9,14.9,20.9,22.4,23.0,25.4,26.8,31.4 ,35.6,35.8,36.3,43.3,45.6,55.1,58.6,71.5,72.2,74.9,75.2,75.6 ,79.2,81.2,84.5,126.5,127.9,128.7,128.8,130.3,132.9,133.7,138 .6,142.7,167.1,170.2,172.14,171.6,172.7,203.8。LRMS(エレクト ロスプレー),m/z 1077(M+H)+,1099(M+Na)+実施例9 :この実施例は2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールCの2', 7−ビス(トリエチレンシリル)タクソールCイミンへの変換および10−脱アセ チルタクソール第1級アミンへの更なる変換を示すものである。これは、タクソ ール誘導体の第1級アミンへの変換の例である。 2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールCの試料(46mg、0.43m mol)を 乾燥THF(2ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物(27mg、0.105m mo l)を加えた。N2ガス下、25℃で攪拌し、反応させた。20時間後、TLC分析に よって反応が完結したと思われた。混合物を濃縮して粗2',7−ビス(トリエチ ルシリル)タクソールCイミンの80mgを得た。LRMS(エレクトロスプレー) m/z 1063(M+H)。 粗2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールCイミンの試料(80mg)を0. 75%HCl/95%EtOH(1.5ml)に溶解し、25℃で20時間攪拌して反応さ せた。TLCによる分析で、もはや反応が進行するとは思われないので、20mlの 水中にそそいで冷やし、ヘキサン(40ml×2)で洗浄した。水層をNaHCO3 によってpH=7.0に中和した。生成物をCH2Cl2で抽出した。有機層を除去し、 濃縮して固体を得た。シリカゲルクロマトグラフィ(5%MeOH/CH2Cl2 )によって14mgのタクソール第1級アミン(全収率44%)を得た。この生成物は 、実施例2で得られた生成物とクロマトグラフィ的にも、スペクトル分析的にも 同一であった。実施例10 :この実施例は10−脱アセチル−7−キシロシルタクソールCのペル( トリエチルシリル)−10−脱アセチル−7−キシロシルタクソールCへの変換を 示す。 10−脱アセチル−7−キシロシルタクソールCの試料(10−DAXTC、536.6mg、0 .57m mol)をピリジン(5.7ml)に溶解した。クロルトリエチルシラン(1.92ml、1 1.4m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪拌して反応させた。2.75日の後に、TL C分析によって反応完結と思われた。混合物をCH2Cl2でうすめ、水、10%C uSO4、およびブラインで連続的に洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、 濃縮して固体を得た。シリカゲルクロマトグラフィ(20%EtOAc/ヘキサン )によりペル(トリエチルシリル)−10−DAXTC(617.5mg、86%)を得た。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.41(m,7H),0.65(m,21H),0.98(m,32H),1 .12(s,3H),1.22(m,5H),1.25(s,3H),1.54(m,2H),1.75(m,1H),1.80(s, 3H),1.91(s,3H),1.99(m,1h),2.15(m,1H),2.21(t,J = 7.32Hz,2H),2.3 5(m,1H),2.47(s,3H),2.81(m,1H),3.31(d,J = 3.28Hz,1H),3.44(d,J = 2.2Hz,1H),3.54(t,J = 3.28Hz,1H),3.91(d,J = 6.6Hz,1H),3.99(dd,J = 2.20,11.56Hz,1H),4.13(dd,J = 6.96,10.28Hz,1H),4.20(d,J = 8.44 Hz,1H),4.27(d,J = 1.84Hz,1H),4.28(d,J = 8.44Hz,1H),4.41(s,1H), 4.58(d,J = 1.84Hz,1H),4.92(d,J = 8.44Hz,1H),5.13(d,J = 1.44Hz,1H ),5.51(dd,J = 1.80,7.38Hz,1H),5.66(d,J = 7.0Hz,1H),6.24(t,J = 8.8Hz,1H),6.38(d,J = 9.16Hz,1H),7.30(m,3H),7.37(m,2H),7.50(m,2 H),7.59(m,1H),8.10(m,2H)。(エレクトロスプレー),m/z 1418(M+Na)+。 IR(固体、cm-1)3440,2954, 2912,1875,1755,1731,1604,1493,1457,1271,1244,1109。実施例11 :この実施例は、ペル(トリエチルシリル)−10−DAXTCのペル(トリ エチルシリル)−10−DAXTCイミンへの変換、次いで10−脱アセチル−7−キシ ロシルタクソール第1級アミンへの更なる変換を示す。これは7−キシロシルタ クソール誘導体の7−キシロシルタクソール第1級アミンへの変換の例である。 ペル(トリエチルシリル)−10−DAXTCの試料(20.3mg、0.015m mol)をTH F(0.15ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物(22.5mg、0.087m mol) を加え、N2ガス下、25℃で攪拌し、反応させた。41時間後、TLC分析によれ ば反応は完結と思われた。粗混合物を冷ヘキサンにそそぎ、生じたZr錯体の沈 でんを濾別した。溶媒を減圧下に除去して、ペル(トリエチルシリル)−10−DA XTCイミン17mgを得た。LRMS(エレクトロスプレー)m/z 1380(M+H)。その他 の特徴づけは行なわなかった。中間生成物のイミンを0℃でCH3CN(1.6ml) 、HF(0.237ml)およびピリジン(0.085ml)に再び溶解した。25℃に徐々に加熱し て反応させた。20時間後、TLC分析により反応完結を知った。この時点におけ るLRMS分析結果は、10−脱アセチル−7−キシロシルタクソール第1級アミ ンについて期待されるm/zに一致する強いピークを示した。LRMS(エレクト ロスプレー)、m/z 840(M+H)+。その他の分析は行なわなかった。実施例12 :この実施例はタクソールの2',7−ビス(トリメチルシリル)タクソ ールへの変換を示すものである。 タクソールの試料(512mg、0.6m mol)をピリジン(5ml)に溶解し、クロル トリメチルシラン(0.9ml、蒸留物)を加えた。N2ガス下、25℃で攪拌し反応さ せた。20時間後、TLC分析によって反応は完結と思われた。混合物を濃縮して ピリジンを除去した。残されたCH2Cl2に溶解し、水、10%CuSO4、NaH CO3およびブラインで連続的に洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濃縮 して580mgの粗2',7−ビス(トリメチルシリル)タクソールを得た。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.064(s,9H),0.088(s,9H),1.86(m,1H),1 .94(s,3H),2.17(s,3H),2.21(m,1H),2.44(m,2H),2.55(s,3H),3.83(d, J = 7.2Hz,1H),4.19(d,J = 8.4Hz,1H),4.30(d,J = 8.4Hz,1H),4.40(m, 1H),4.16(d,J = 2.2Hz,2H),4.93(m,1H),5.70(m,2H),6.25 (m,1H),6.40(s,1H),7.12(d,J = 8.4Hz,1H),7.35(m,6H),7.49(m,3H), 7.59(m,1H),7.75(m,2H),8.11(d,J = 6.9Hz,2H)。LRMS(エレクトロス プレー)、m/z 998(M+H)+実施例13 :この実施例は2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールの2',7 −ビス(トリメチルシリル)タクソールイミンへの変換、次いでタクソール第1 級アミンへの更なる変換を示すものである。これはタクソールのタクソール第1 級アミンへの変換における別種の保護基の使用の例である。 粗2',7−ビス(トリメチルシリル)タクソールの試料(387mg、0.4m mol) を乾燥THF(5ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物(164.8mg、1.04 m mol)を加えた。N2ガス下、25℃で攪拌して反応を行なった。20時間後、TL C分析によって反応終了を知った。混合物を濃縮して557mgの粗2',7−ビス( トリメチルシリル)タクソールイミンを得た。この不安定な物質についてのデー タは得られなかった。粗2',7−ビス(トリメチルシリル)タクソールイミン(5 57mg)を1%HCl/EtOH(15ml)に溶解し、25℃で20時間、攪拌して反応を 行なった。TLC分析によって反応を完結させ、混合物を80mlの水にそそぎ、ヘ キサン(30ml×3)で洗浄した。水層をNaHCO3で中和しpH=7.0にした。生 成物をCH2Cl2で抽出した。有機層を濃縮して固体を得た。シリカゲルクロマ トグラフィ(5%MeOH/CH2Cl2)によって132mgのタクソール第1級アミ ン(全収率41%)を得た。実施例2からの標準試料とクロマトグラフィ的にも、 およびスペクトル分析からも同一であった。実施例14 :この実施例は、2',7−ビス(トリクロルエトキシカルボニル)タク ソールの2',7−ビス(トリクロルエトキシカルボニル)タクソールイミンへの 変換、次いでタクソール第1級アミンへの更なる変換を示すものである。これは タクソールのタクソール第1級アミンへの変換における他の保護基の使用の例で ある。 2',7−ビス(トリクロルエトキシカルボニル)タクソールの試料(21.9mg、 0.018m mol)をTHF(0.18ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物(28 .2mg、0.109m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪拌、反応を行させた。23時間 後、TLC分析によって反応完結を知った。粗混合物を冷ヘキサンにそそぎ、 生じたZr錯体の沈でんを濾別した。溶媒を減圧下に除去して11mgの淡黄色固体 を得た。質量スペクトルデータは2',7−ビス(TROC)タクソールイミン構 造と一致した。LRMS(エレクトロスプレー)、m/z 1188(M+H)。 特徴づけの更なる追加は行なわなかった。イミン中間生物をMeOH(0.096m l)およびAcOH(0.096ml)に再溶解した。亜鉛粉末(5.8mg)を加え、25℃で 攪拌、反応させた。24時間後、LRMS分析によって生成物混合物の一つとして タクソール第1級アミンが示された。LRMS(エレクトロスプレー)、m/z 75 0(M+H)+。他の分析は行なわなかった。実施例15 :この実施例はタクソール第1級アミンのタクソールへの変換を明らか にするものである。 タクソール第1級アミンの試料(95.1mg、0.127m mol)をピリジン(12.7ml) に溶解した。塩化ベンゾイル(0.0147ml、0.127m mol)を加え、N2ガス下、25 ℃で処理して反応させた。2時間後、TLC分析は反応完結を示した。粗混合物 をEtOAcでうすめ、水、10%CuSO4、およびブラインで連続的に洗浄した 。有機層を分離し、濃縮して固体を得た。シリカゲルクロマトグラフィ(5%M eOH/CH2Cl2)によって80.6mgのタクソール(74%)を得た。スペクトル 分析結果は天然産物と同一であった。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.12(s,3H),1.21(s,3H),1.66(s,3H),1.7 7(s,3H),1.85(m,1H),2.20(s,3H),2.29(m,2H),2.36(s,3H),2.50(m,1H ),3.77(dd,J = 1.0,6.96Hz,1H),4.19(d,J =8.44Hz,1H),4.30(d,J = 8. 4Hz,1H),4.37(dd,J = 6.60,10.62Hz,1H),4.77(d J = 2.92Hz,1H),4.92( dd,J = 2.16,9.84Hz,1H),5.65(d,J = 6.96Hz,1H),5.76(dd,J = 2.56, 8.8Hz,1H),6.19(t,J = 8.8Hz,1H),6.26(s,1H),7.13(d,J = 8.8Hz,1H) ,7.36(m,5H),7.45(m,5H),7.71(m,5H),8.1(m,2H)。13C NMR(100MHz ,CDCl3)δ 9.7,14.9,20.9,21.9,22.7,26.9,35.7,35.8,43.3,45.8,5 5.2,58.6,72.2,72.3,73.3,75.1,75.7,76.6,79.0,81.2,84.5,127.1, 127.2,128.4,128.7,128.8,129.0,129.3,130.3,132.0,133.2,133.6,13 3.7,138.1,142.0,167.0,167.3,170.5,171.3,172.8,203.7。LRMS( エレクトロスプレー)m/z 854(M+H)+。IR (固体、cm-1)3498,3435,2941,2899,1724,1664,1516,1485,1452,1371 ,1368,1242,1070。実施例16 :この実施例はタクソール第1級アミンのタクソールへの変換〔ショッ テン−バウマン(Schotten-Baumann)条件〕を示すものである。 タクソール第1級アミンの試料(7.5mg、0.01m mol)をEtOAc(1ml)およ び飽和NaHCO3溶液(1ml)に溶解した。塩化ベンゾイル(0.0011ml、0.01m mol)を加え、25℃で反応を行なった。6日後、反応物をEtOHcでうすめ、水 およびブラインで連続的に洗浄した。次いで有機層を濃縮して固体を得た。得ら れた残さの1H NMR分析は実施例15において得られた結果と同一であり、タク ソールが唯一の生成物であることを示している。それ以外の分析は行なわなかっ た。実施例17 :この実施例は10−脱アセチルタクソールの2',7−ビス(トリエチル シリル)−10−脱アセチルタクソールへの変換を明らかにしている。 10−脱アセチルタクソールの試料(333.5mg、<0.41m mol、純度<90%)をピ リジン(8.0ml)に溶解した。クロルトリエチルシラン(1.06ml、6.3m mol)を 加え、N2ガス下、25℃で攪拌し、反応させた。14時間後、TLC分析によって 反応完結が示された。混合物をCH2Cl2でうすめ、水、10%CuSO4、および ブラインで連続的に洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濃縮して固体を 得た。シリカゲルクロマトグラフィ(30%EtOAc/ヘキサン)により293.5mg の2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチルタクソールを得た(68% )。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.12(d,J = 7.3Hz,2H),7.75(d,J = 7.3Hz ,2H),7.61-7.29(m,13H),7.12(d,J = 8.8Hz,1H,NH),6.30(t,J = 8.4Hz ,1H,H-13),5.70-5.65.(m,2H),5.11(d,J = 1.8Hz,1H,H-10),4.90(d,J = 7.7Hz,1H,H-5),4.68(d,J = 2.2Hz,1H,H-2'),4.39(dd,J = 6.6,10.6H z,1H,H-7),4.32(d,J = 8.4Hz,1H,H-20a),4.27(d,1.8H,OH-10),4.22(d ,J = 8.1Hz,1H,H-20b),3.88(d,J = 6.6Hz,1H,H-3),2.54(s,3H,OAc-4) ,2.50-2.33(m,2H),2.12-2.06(m,1H),1.93(s,3H,Me-18),1.75(s,3H,Me -19),1.21(s,3H,Me-16),1.09(s,3H,Me-17),1.01-0.77 (m,18H,H-TES),0.60-0.37(m,12H,H-TES); LRMS(エレクトロスプレー )m/e 1040(M+H)+,1057(M+NH4)+実施例18 :この実施例は、2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチル タクソールの2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチルタクソールイ ミンへの変換を示すものである。 2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチルタクソールの試料(96.4 mg、0.096m mol)をTHF(1.1ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物 (74.4mg、0.29m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪拌し、反応を行なった。3.5 時間後、TLC分析によって反応完結が示された。粗混合物を冷ヘキサンにそそ ぎ、生じたZr錯体の沈でんをセライトのベットで濾別した。減圧下に溶媒を除 去し、粗2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチルタクソールイミン を得た。クロマトグラフィ(SiO2、5%MeOH/CH2Cl2)、次いで他の クロマトグラフィ(SiO2、30%EtOAc/ヘキセン)によって68mgの僅かに 黄色の化合物を得た。このものは1H NMRによれば、僅かに汚染されていると 思われる。NMRデータを用いる他の特徴づけによれば、8.37ppmにおける顕著 なイミンプロトンのシグナルや他の著名なシグナル(下記データ参照)が示され ている。質量スペクトルデータは、望ましいイミンについての強い分子イオンが 示される。このスペクトルデータは2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱 アセチルタクソールイミン構造を強く示唆する。不純物は除去が困難であり、こ れはシリカゲル上でのイミンの分解によって生ずるものと思われる。我々はすで に2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソールイミンはシリカゲル上で分解し て2',7−ビス(トリエチルシリル)タクソール第1級アミンを生ずることを見 ている(実施例1参照)。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.37(s,1H,imine-H),8.05(d,J = 7.0Hz,2 H),7.82-7.29(m,12H),7.05(t,J = 7.3Hz,1H),5.94(t,J = 9.2Hz,1H,H- 13),5.54(d,J = 7.3Hz,1H,H-2),5.04(d,J = 1.8Hz,1H,H-10),4.30(d, J = 7.7Hz,1H,H-5),4.59(d,J = 8.4Hz,1H),4.51(d,J = 8.4Hz,1H),4.3 4(dd,J = 3.8,6.9Hz,1H,H-7),4.25(d,J = 8.8Hz,1H,),4.19(d,J = 1.8 Hz,1H,OH-10),4.13(d,J = 8.8Hz,1H,),3.73(d,J = 7.0Hz,1H, H-3),2.44(m,1H,H-6a),2.32(s,3H,OAc-4),1.89(m,1H),1.81(s,3H,Me -18),1.69(s,3H,Me-19),1.64(m,1H),1.14(s,3H,Me-16),1.04(s,3H,M e-17),0.95-0.97(m,18H,TES-H),0.60-0.49(m,12H,TES-H);LRMS(エ レクトロスプレー)m/e 1024(M+H)+実施例19 :この実施例は、2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチル タクソールの2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチルタクソールイ ミンへの変換、次いで10−脱アセチルタクソール第1級アミンへの更なる変換を 示すものである。これは10−脱アセチルタクソール誘導体の10−脱アセチルタク ソール第1級アミンへの変換の例である。 2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチルタクソールの試料(203.5 mg、0.19m mol)をTHF(2.1ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化物(1 49mg、0.58m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪拌して反応させた。10時間後、 TLC分析によって反応完結を知った。粗混合物を冷ヘキサンにそそぎ、生じた Zr錯体の沈でんを濾別した。溶媒を減圧下に除去して白色固体を得た。中間物 のイミン生成物は分離されなかった。白色固体を1%w/w濃塩酸/95%EtOH溶 液(6ml)に再度溶解した。14時間後、TLC分析によって反応の完結を知った 。反応混合物を水でうすめ、ヘキサンで洗浄した。次いで水性部分を取り出し、 飽和NaHCO3溶液でpH7に中和した。中和した水性部分を次いでCH2Cl2で 抽出した。得られた有機層を取り出し、MgSO4上で乾燥し、濃縮して固体を 得た。シリカゲルクロマトグラフィ(7%MeOH/CH2Cl2)によって59.0m gの10−脱アセチルタクソール第1級アミン(全収率43%)を得た。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.05(d,J = 7.7Hz,2H),7.64 (t,J = 7.2H z,1H),7.51(m,2H),7.38(m,5H),6.13(t,J = 9.0Hz,1H,H-13),5.64(d, J = 7.0Hz,1H,H-2),5.19(s,1H,H-10),4.92(d,J = 8.1Hz,1H,H-5),4.3 2-4.27(m,4H),4.22(dd,J = 6.8,10.8Hz,1H,H-7),4.15(d,J = 7.7Hz,1H ,H-20b),3.87(d,J = 7.3Hz,1H,H-3),2.58(m,1H,H-6a),2.24(s,3H,OA c-4),2.02(t,J = 9.3Hz,2H,H-14),1.90(s,3H,Me-18),1.82(m,1H,H-6b ),1.73(s,3H,Me-19),1.21(s,3H,Me-16),1.10(s,3H,Me-17)。13C NM R(100MHz,DMSO)δ 10.37,14.30,21.38,22.89,27.10, 35.85,37.03,39.46,39.68,39.88,40.09,40.30,40.51,40.71,43.46,46 .51,57.53,59.23,70.15,71.35,74.33,75.31,75.98,77.07,77.42,80.8 4,84.28,127.64,127.81,128.41,128.59,129.24,130.08,130.60,133.97 ,136.62,137.23,142.53,165.76,170.22,173.81,209.92。LRMS(エレ クトロスプレー)m/e 708.3(M+H)+。IR(固体、cm-1)3448,3064,2939,289 8,1724,1602,1452,1438,1270,1245。実施例20 :この実施例は10−脱アセチルタクソールCの2',7−ビス(トリエチ ルシリル)−10−脱アセチルタクソールCへの変換を示している。 10−脱アセチルタクソールCの試料(58.2mg、<0.072m mol、純度<80%)を ピリジン(1.8ml)に溶解した。この試料のNMRデータは下記のとおりであっ た。 1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.10(d,J = 7.3Hz,2H),7.61-7.38(m,8H), 6.25(d,J = 8.8Hz,1H,NH),6.19(t,J = 9.0Hz,1H,H-13),5.68(d,J = 7. 3Hz,1H,H-3'),5.57(dd,J = 2.6,9.8Hz,1H,H-2),5.18(s,1H,H-10),4. 92(d,J = 7.7Hz,1H,H-5),4.67(s,1H,H-2'),4.31-4.19(m,4H),3.89(d, J = 7Hz,1H,3H),2.34(s,3Hz,OAc-4),2.28(m,1H,H-6a),2.19(t,J = 7. 7Hz,1H),1.83(m,1H),1.81(s,3H,Me-18),1.75(s,3H,Me-19),1.24(s,3 H,Me-16),1.13(s,3H,Me-17); LRMS(エレクトロスプレー)m/e 806.3(M +H)+。 クロルトリエチルシラン(0.250ml、1.44m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪 拌し反応させた。14時間後、TLC分析により反応終結と思われた。混合物をC H2Cl2でうすめ、水、10%CuSO4およびブラインで連続的に洗浄した。有機 層を無水MgSO4上で乾燥し、濃縮して固体を得た。シリカゲルクロマトグラ フィ(20%EtOAc/ヘキサン)によって24.0mgの2',7−ビス(トリエチル シリル)−10−脱アセチルタクソールCを得た。この物質は、更に特徴づけをす ることなく、実施例21の変換に用いられた。実施例21 :この実施例は、2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチル タクソールCの2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチルタクソール Cイミンへの変換、および10−脱アセチルタクソール第1級アミンへの更なる変 換を示している。 2',7−ビス(トリエチルシリル)−10−脱アセチルタクソールCの試料(24 .0mg、0.023m mol)をTHF(0.26ml)に溶解した。ジルコノセン塩化物水素化 物(24.2mg、0.093m mol)を加え、N2ガス下、25℃で攪拌して反応させた。14時 間後、TLC分析によって反応完結と思われた。粗混合物を冷ヘキサンにそそぎ 、生じたZr錯体の沈でんを濾別した。減圧下に溶媒を除去し、白色固体を得た 。中間物のイミン生成物は分離しなかった。固体をEtOH(1ml)および3N HCl(0.3ml)に再び溶解した。3日後にTLC分析によって反応完結を知っ た。反応混合物を水でうすめ、ヘキサンで洗浄した。次いで水性部分を取り出し 、飽和NaHCO3溶液で中和してpH7にした。次いで中和した水性部分をCH2 Cl2で抽出した。得られた有機層を分離し、MgSO4上で乾燥し、濃縮して固 体を得た。シリカゲルクロマトグラフィ(10%MeOH/CH2Cl2)によって1 0−脱アセチルタクソール第1級アミン(3.0mg、全収率18%)を得た。この生成 物は実施例19において得られた標準物とクロマトグラフィ的にも、スペクトル分 析的にも同一であった。実施例22 :この実施例は、10−脱アセチクルタクソール第1級アミンのドースタ クセル(TAXOTERE:タクソテル)への変換を示す。これは10−脱アセチルタクソ ールのドースタクセルへの変換を効果的に示すものである。 10−脱アセチルタクソール第1級アミンの試料(64.4mg、0.091m mol)を酢酸 エチル(9.1ml)に溶解し、NaHCO3の飽和溶液(9.1ml)を加えた。この 二層からなる混合物に、ジ−t−ブチルジカーボネート(0.042ml、0.18m mol) を加えた。混合物を25℃で14時間、攪拌した。TLC分析(7%MeOH/CH2 Cl2)は反応終了を示したので、反応混合物を酢酸エチルでうすめ、水および ブラインで洗浄し、有機層をMgSO4上で乾燥した。濃縮後、残さをクロマト グラフィ(SiO2、5%MeOH/CH2Cl2)で精製して54.8mgのドースタク セルを得た(74.5%収率)。分離した化合物の1H NMR、13C NMRおよび 質量スペクトルデータは、ドースタクセルについて報告されたデータと合致した 。実施例23 :この実施例は、保護基を用いないときのタクソールの第1級アミンへ の変換を明らかにするものである。 タクソールの試料(1.018g、1.192m mol)をTHF(11.9ml)に溶解し、ジル コノセン塩化物水素化物を少量づつ10分間加えた。混合物を25℃で2日間攪拌し た。混合物をTLC(7%MeOH/CH2Cl2)で分析したところ、タクソー ルをほとんど残存していないことが明らかになり、濃縮によって黄/褐色固体を 得た。この固体をエタノール(95%、126ml)に溶解し、濃塩酸(0.83ml)を加え た。黄/褐色溶液を25℃で14時間攪拌した。酸による加水分解によって白色沈で ん物が形成された。反応混合物のTLC分析の結果、タクソール第1級アミンの 実質的量の形成が示された。混合物から濾過によって白色沈でん物を除いた。濾 液を塩化メチレン(200ml、有機不純物を含む)および10%HCl(200ml、タク ソール第1級アミン塩酸塩を含む)に分配した。両層を分離した。 各層を他の溶液の新鮮な部分で抽出した(各々、2×50ml)。合併した酸性水 層をNaHCO3(飽和溶液)で中和し、塩化メチレン(2×100ml)で抽出した。次 いで塩化メチレン層をブラインで洗浄し(1×50ml)、無水MgSO4上で乾燥 し、濃縮して淡黄色固体(167mg)を得た。1H NMRデータによれば、淡黄色固 体は極めて純粋なタクソール第1級アミン(収率18%)であった。有機不純物を 含む、合併した初めの有機層をNaHCO3(飽和溶液)およびブラインで洗浄し 、無水MgSO4上で乾燥し、濃縮して黄色固体(478mg)を得た。この黄色固体を1 H NMRで分析したところ、数種の未確認物質と少量の未反応タクソールが含 まれていた。実施例24 :この実施例は精製したタクソールAと精製したタクソールB(セファ ロマンニン)の混合物のタクソール第1級アミンへの変換を示す。 タクソールAとセファロマンニン(それぞれ50mg)の混合物100mgにジルコノ セン塩化物水素化物(94mg、0.36m mol)を、次いでTHF 0.8ml(0.15モル)を 加えた。25℃で4日間、アルゴン気流下に攪拌、反応させた。反応混合物を濃縮 し、固体を得た。この固体を1%w/w濃塩酸/95%EtOH溶液(3ml)に再び溶 解した。反応混合物を25℃で終夜攪拌した。反応混合物を水中にそそいで反応を 中止させた。3N HClの添加によってpHを4に調整した。この水溶液をCH2 Cl2で抽出した(2×50ml)。水層にNaHCO3(飽和溶液)を加えてpH7に中 和し、次いでCH2Cl2で抽出した。第1級アミンを含む有機層をMgSO4 上で乾燥し、濃縮して固体とし、この固体をLRMSで分析したところ、第1級 アミンについて期待されるm/zと合致した。LRMS(エレクトロスプレー)、m /z 750(M+H)+実施例25 :この実施例は不純なタクソールA、不純なタクソールB(セファロマ ンニン)および不純なタクソールCの混合物のタクソール第1級アミンへの変換 を示す。 タクソールAおよびセファロマンニン(タクソールB)およびタクソールCの 混合物〔3種のタクソール(A+B+C)が55%〕の50mgとTHF2mlに、ジル コノセン塩化物水素化物(77mg、0.30m mol)を加えた。アルゴンガス下、25℃で 6日間攪拌し、反応させた。TLCによる分析で反応が未終了であることが示さ れたので、ジルコノセン塩化物水素化物の大過剰を加え、次いで0.5mlのTHF を加えた。終夜攪拌した後、反応混合物を濃縮して固体とした。この固体を再び 1%w/w濃塩酸/95%EtOH溶液(10ml)にした。混合物を25℃で終夜攪拌した 。水中にそそいで反応を終結した。3N HClを加えてpHを4に調整した。得 られた水溶液をCH2Cl2で抽出した(2×50ml)。水層にNaHCO3(飽和水 溶液)を加えてpH7に中和し、次いでCH2Cl2で抽出した。第1級アミンを含 む有機層をMgSO4上で乾燥し、次いで濃縮して固体を得た(65mg)。分析デ ータによれは、分離生成物は不純ではあるが、1H NMRおよびMSデータはタ クソール第1級アミンの標準試料と良く一致した。実施例26 :この実施例はタクソール第1級アミンのタクソール第1級アミン塩へ の変換を示すものである。 タクソール第1級アミンの試料(100mg、0.03m mol)をCH2Cl2(10ml)に溶解 し、HCl(Et20への15ミリモル溶液、10ml、150m mol)を加えた。25℃で2 分間攪拌して反応させた。混合物を濃縮して溶媒を除去した。得られた残さをC H2Cl2に再溶解し、ヘキサンにそそいで沈でんを形成させた。この沈でんを濾 過してタクソール第1級アミン・HCl塩85mgを得た(83%)。mp 165℃。 タクソール第1級アミン・HCl塩の試料(50mg、0.064m mol)を0.5mlの水 に溶解した。これに飽和NaHCO3水溶液を加えてpH7.0に中和し、次いでCH2 Cl2で抽出した。有機層を濃縮し、クロマトグラフ(3%MeOH/CH2 Cl2を移動層として用いた)によってタクソール第1級アミン30mgを得た(収率 63%)。1H NMRおよびLRMSデータはタクソール第1級アミンの標準試料 のそれと良く一致した。実施例27 :この実施例はタクソールの脱アセチル化のための好ましい方法の一つ を明らかにするものである。タクソール500mg(0.57m mol)のTHF 10ml溶液 を、磁気攪拌棒をそなえた25ml丸底フラスコに入れた。10mlの水、次いで960.0m gのNaHCO3を加え、次いで混合物を室温下で終夜攪拌した。次に混合物を塩 化メチレン/水(容積で50:50)で抽出した。有機層を補集し、無水MgSO4 上で乾燥した。減圧下に溶媒を蒸発させて粗生成物を得た。この粗生成物は実質 的に純粋であった。純粋な10−脱アセチルタクソールの457.2mgを収率96%で回 収できた。NMRデータおよび質量スペクトルは既知試料のそれと一致した。 上記の記述および実施例は本発明の代表的な態様を説明せんとするためのもの である。以下に述べる請求の範囲は特定の開示された態様に限定することを意図 したものではない。 本発明は、下記する請求の範囲の適切な範囲または公正な趣旨からはずれるこ となしに修正、変更および変化が可能である。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年3月10日 【補正内容】 補正請求の範囲 1.タクソールまたはその先駆体の製造に有用な、下記からなる化合物。 ここで、 R1=アルキル、アリール、カルボニルまたはエーテル基、 R2=H、アルキル、アリール、エステル、エーテルまたは保護基、 R3=H、アルキル、アリール、エーテル、エステル、グリコシド、オキソ または保護基、 R4=Hまたは保護基である。 2.R1=アルキルまたはアリール基、 R2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基 である請求の範囲1の化合物。 請求の範囲2の化合物。 18.タクソールまたはその先駆体の製造に有用な、下記からなる化合物。 ここで、 R2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基、 X=脱プロトンされた有機酸である。 19.XがCF3COOである請求の範囲18の化合物。 20.XがCH364SO3である請求の範囲18の化合物。 21.R2がAc、R3がHである請求の範囲18の化合物。 22.R2がH、R3がHである請求の範囲18の化合物。 23.R2がAc、R3がキシロシルである請求の範囲18の化合物。 24.R2がH、R3がキシロシルである請求の範囲18の化合物。 25.R2がAc、R3がオキソ化合物である請求の範囲18の化合物。 26.R2がH、R3がオキソ化合物である請求の範囲18の化合物。 27.R2、R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロ ルエトキシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲18の化合 物。 28.R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエト キシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲18の化合物。 29.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲18の化合物。 30.R4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエトキシカル ボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲18の化合物。 31.R4がトリエチルシリルである請求の範囲18の化合物。 32.アミドを還元的に脱酸素に有効な量のCp2ZrHClと接触させることから なるアミド基含有タクサンをイミンに変換するための方法。 33.タクサンが下記である請求の範囲32の方法。 ここで、 R1=アルキル、アリール、またはエーテル、 R2=H、アルキル、アリール、エステル、エーテルまたは保護基、 R3=H、アルキル、アリール、エーテル、エステル、グリコシド、オキソ または保護基、 R4=Hまたは保護基である。 2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基である請求の範囲33の方法。 36.R2、R3およびR4が保護基である請求の範囲34の方法。 37.タクサンがバイオマスまたはバイオマス抽出物に含まれている請求の範囲34 の方法。 38.R3およびR4が保護基である請求の範囲34の方法。 39.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲34の方法。 40.R4が保護基である請求の範囲34の方法。 41.R4がトリエチルシリルである請求の範囲34の方法。 42.R2がHである請求の範囲34の方法。 43.R3がキシロシルである請求の範囲34の方法。 44.R3がオキソ化合物である請求の範囲34の方法。 45.R4が保護基であり、タクサンがアミドのモル当りほぼ1〜10当量の間の量 のCp2ZrHClと接触せしめられる請求の範囲36の方法。 46.下記からなるアミド基を含むタクサンを第1級アミンに変換するための方法 。 アミドを還元的脱酸素に有効な量のCp2ZrHClと接触させてイミンを生成 させる; 該イミンを加水分解に有効な量の水性酸と接触させて酸溶液を形成する; 該酸溶液を塩基で中和して第1級アミンを形成させる; 47.タクサンが下記式である請求の範囲46の方法。 1=アルキル、アリールまたはエーテル、 R2=H、アルキル、アリール、エステル、エーテルまたは保護基、 R3=H、アルキル、アリール、エーテル、エステル、グリコシド、オキソ または保護基、 R4=Hまたは保護基。 2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基 R4=Hまたは保護基 である請求の範囲47の方法。 範囲48の方法。 50.R2、R3およびR4が保護基である請求の範囲49の方法。 51.タクサンがバイオマスまたはバイオマス抽出物に含まれている請求の範囲49 の方法。 52.R3およびR4が保護基である請求の範囲49の方法。 53.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲49の方法。 54.R4が保護基である請求の範囲49の方法。 55.R4がトリエチルシリルである請求の範囲48の方法。 56.R2がHである請求の範囲48の方法。 57.R3がキシロシルである請求の範囲48の方法。 58.R3がオキソ化合物である請求の範囲48の方法。 59.R4が保護基であり、タクサンがアミドのモル当りほぼ1〜10当量の間の量 のCp2ZrHClと接触せしめられる請求の範囲48の方法。 60.酸が水性HClである請求の範囲48の方法。 61.塩基がNaHCO3である請求の範囲60の方法。 62.下記構造のイミンを第1級アミンに変換するための方法。 ここで、 R1=アルキルまたはアリール基、 R2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基であり、 イミンを加水分解に有効な量の水性酸と接触させて酸溶液を形成させ、該酸溶 液を塩基で中和する。 63.R1がC65COである請求の範囲62の化合物。 65.R1がn−C511COである請求の範囲62の化合物。 66.R2がAc、R3がH、R4がHである請求の範囲62の化合物。 67.R2がH、R3がH、R4がHである請求の範囲62の化合物。 68.R2がAc、R3がキシロシル、R4がHである請求の範囲62の化合物。 69.R2がH、R3がキシロシル、R4がHである請求の範囲62の化合物。 70.R2、R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロ ルエトキシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲62の化合 物。 71.R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエト キシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲62の化合物。 72.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲62の化合物。 73.R4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエトキシカル ボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲62の化合物。 74.R4がトリエチルシリルである請求の範囲62の化合物。 75.酸が水性HClである請求の範囲62の方法。 76.R2、R3およびR4の一つ以上が保護基である請求の範囲62の方法。 77.塩基がNaHCO3である請求の範囲62の方法。 78.タクソール含有バイオマスまたはバイオマス抽出物をタクソールAに変換す るための、下記からなる方法。 タクソールを還元的脱酸素に有効な量のCp2ZrHClと接触させてタクソー ルイミンを生成させる; 該タクソールイミンを加水分解に有効な量の水性酸と接触させて酸溶液を形 成させる; 該酸溶液を塩基で中和してタクソール第1級アミンを形成させる; 該タクソール第1級アミンをタクソールAに変換させる。 79.タクソールが下記構造を有する少なくとも一つの化合物である請求の範囲78 の方法。 1=アルキル、アリールまたはエーテル、 R2=H、アルキル、アリール、エステル、エーテルまたは保護基、 R3=H、アルキル、アリール、エーテル、エステル、グリコシド、オキソ または保護基、 R4=Hまたは保護基。 2=Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基 である請求の範囲79の方法。 81.水性酸が水性HClである請求の範囲80の方法。 82.タクソールが下記からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請 求の範囲78の方法。 ここで、 2=Hまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソ化合物または保護基、 R4=Hまたは保護基 であり、前記化合物をアセチル化してR2位置にアセチル基を形成せしめる工 程を更に含む。 83.水性酸が水性HClである請求の範囲82の方法。 84.タクソール含有バイオマスまたはバイオマス抽出物をドースタクセルへ変換 するための、下記からなる方法。 タクソールを還元的脱酸素に有効な量のCp2ZrHClと接触させてタクソー ルイミンを生成させる; 該タクソールイミンを加水分解に有効な量の水性酸と接触させて酸溶解を形 成させる; 該酸溶液を塩基で中和してタクソール第1級アミンを形成させる; 該タクソール第1級アミンをドースタクセルに変換する。 85.タクソールが下記構造を有する少なくとも一つの化合物である請求の範囲84 の方法。 1=アルキル、アリールまたはエーテル、 R2=H、アルキル、アリール、エステル、エーテルまたは保護基、 R3=H、アルキル、アリール、エーテル、エステル、グリコシド、オキソ または保護基、 R4=Hまたは保護基。 2=Hまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソ化合物または保護基、 R4=Hまたは保護基 である請求の範囲85の方法。 87.水性酸が水性HClである請求の範囲86の方法。 89.タクソールが下記からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請 求の範囲84の方法。 ここで、 2=Ac、 R3=H、キシロシル、オキソ化合物または保護基、 R4=Hまたは保護基であり、 前記化合物を脱アセチル化してR2位置にHを形成させる工程を更に含む。 89.水性酸が水性HClである請求の範囲88の方法。 90.R1がC65C、R2がH、R3がH、R4がHである請求の範囲86の方法。 91.R1がC65C、R2がAc、R3がH、R4がH、そしてR4がHである請求 の範囲88の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーターソン,エス.ケント 米国、コロラド 80218、デンバー、エマ ーソン #3、1110

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.タクソールまたはその先駆体の製造に有用な、下記からなる化合物。 ここで、 R1=アルキル、アリール、ビニル、カルボニルまたはエーテル基、 R2=H、アルキル、アリール、ビニル、エステル、エーテルまたは保護基 、 R3=H、アルキル、アリール、ビニル、エーテル、エステル、グリコシド 、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基。 2.R1=アルキル、アリールまたはビニル基、 R2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、および R4=Hまたは保護基 である請求の範囲1の化合物。 4.R1がC65COである請求の範囲3の化合物。 6.R1がn−C511COである請求の範囲3の化合物。 7.R2がAc、R3がH、R4がHである請求の範囲3の化合物。 8.R2がH、R3がH、R4がHである請求の範囲3の化合物。 9.R2がAc、R3がキシロシル、R4がHである請求の範囲3の化合物。 10.R2がH、R3がキシロシル、R4がHである請求の範囲3の化合物。 11.R2がAc、R3がオキソ化合物、R4がHである請求の範囲3の化合物。 12.R2がH、R3がオキソ化合物、R4がHである請求の範囲3の化合物。 13.R2、R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロ ルエトキシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲3の化合 物。 14.R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエト キシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲3の化合物。 15.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲3の化合物。 16.R4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエトキシカル ボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲3の化合物。 17.R4がトリエチルシリルである請求の範囲3の化合物。 18.タクソールまたはその先駆体の製造に有用な、下記式の化合物。 ここで、 R2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基であり、 X=ハロゲンまたは脱プロトンされた有機酸である。 19.XがClである請求の範囲18の化合物。 20.XがBrである請求の範囲18の化合物。 21.XがCF3COOである請求の範囲18の化合物。 22.XがCH364SO3である請求の範囲18の化合物。 23.R2がAc、R3がHである請求の範囲18の化合物。 24.R2がH、R3がHである請求の範囲18の化合物。 25.R2がAc、R3がキシロシルである請求の範囲18の化合物。 26.R2がH、R3がキシロシルである請求の範囲18の化合物。 27.R2がAc、R3がオキソ化合物である請求の範囲18の化合物。 28.R2がH、R3がオキソ化合物である請求の範囲18の化合物。 29.R2、R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロ ルエトキシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲18の化合 物。 30.R3およびR4トリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエトキ シカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲18の化合物。 31.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲18の化合物。 32.R4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエトキシカル ボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲18の化合物。 33.R4がトリエチルシリルである請求の範囲18の化合物。 34.アミドを還元的脱酸素に有効な量のCp2ZrHClと接触させることからなる 、アミド基を含むタクサンをイミンに変換するための方法。 35.タクサンが下記式で表わされる請求の範囲34の方法。 ここで、 R1=アルキル、アリール、ビニルまたはエーテル、 R2=H、アルキル、アリール、ビニル、エステル、エーテルまたは保護基 、 R3=H、アルキル、アリール、ビニル、エーテル、エステル、グリコシド 、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基である。 2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基である請求の範囲35の方法。 38.R2、R3およびR4が保護基である請求の範囲36の方法。 39.タクサンがバイオマスまたはバイオマス抽出物に含まれている請求の範囲36 の方法。 40.R3およびR4が保護基である請求の範囲36の方法。 41.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲36の方法。 42.R4が保護基である請求の範囲36の方法。 43.R4がトリエチルシリルである請求の範囲36の方法。 44.R2がHである請求の範囲36の方法。 45.R3がキシロシルである請求の範囲36の方法。 46.R3がオキソ化合物である請求の範囲36の方法。 47.R4が保護基であり、タクサンがアミドのモル当り、ほぼ1〜10当量の間の 量のCp2ZrHClと接触される請求の範囲36の方法。 48.アミド基含有タクサンを第1級アミンに変換するための、下記からなる方法 。 アミドを還元的脱酸素に有効な量のCp2ZrHClと接触させてイミンを生成 させる; 該イミンを加水分解に有効な量の水性酸と接触させて酸溶液を形成させる; 該酸溶液を塩基で中和して第1級アミンを形成させる。 49.タクサンが下記式で表わされる請求の範囲48の方法。 1=アルキル、アリール、ビニルまたはエーテル、 R2=H、アルキル、アリール、ビニル、エステル、エーテルまたは保護基 、 R3=H、アルキル、アリール、ビニル、エーテル、エステル、グリコシド 、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基。 2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基である請求の範囲49の方法。 範囲50の方法。 52.R2、R3およびR4が保護基である請求の範囲50の方法。 53.タクサンがバイオマスまたはバイオマス抽出物に含まれている請求の範囲50 の方法。 54.R3およびR4が保護基である請求の範囲50の方法。 55.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲50の方法。 56.R4が保護基である請求の範囲50の方法。 57.R4がトリエチルシリルである請求の範囲50の方法。 58.R2がHである請求の範囲50の方法。 59.R3がキシロシルである請求の範囲50の方法。 60.R3がオキソ化合物である請求の範囲50の方法。 61.R4が保護基であり、タクサンがアミドのモル当りほぼ1〜10当量の間の量 でCp2ZrHClと接触される請求の範囲50の方法。 62.酸が水性HClである請求の範囲50の方法。 63.塩基がNaHCO3である請求の範囲50の方法。 64.下記構造のイミンを第1級アミンに変換するための方法。 ここで、 R1=アルキル、アリールまたはビニル基、 R2=H、Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基であり、 イミンを、水性酸の加水分解有効量と接触させて酸溶液を形成させ、該酸溶液 を塩基で中和する。 65.R1がC65COである請求の範囲64のイミン化合物。 67.R1がn−C511COである請求の範囲64のイミン化合物。 68.R2がAcであり、R3がH、R4がHである請求の範囲64のイミン化合物。 69.R2がH、R3がH、R4がHである請求の範囲64のイミン化合物。 70.R2がAc、R3がキシロシル、R4がHである請求の範囲64のイミン化合 物。 71.R2がH、R3がキシロシル、R4がHである請求の範囲64のイミン化合物。 72.R2、R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロ ルエトキシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲64のイミ ン化合物。 73.R3およびR4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエト キシカルボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲64のイミン化合 物。 74.R3およびR4がトリエチルシリルである請求の範囲64のイミン化合物。 75.R4がトリエチルシリル、トリメチルシリルおよびトリクロルエトキシカル ボニルからなる群から選ばれた保護基である請求の範囲64のイミン化合物。 76.R4がトリエチルシリルである請求の範囲64のイミン化合物。 77.酸が水性HClである請求の範囲64のイミン方法。 78.R2、R3およびR4の一つ以上が保護基である請求の範囲64の方法。 79.塩基がNaHCO3である請求の範囲64の方法。 80.タクソール含有バイオマスまたはバイオマス抽出物をタクソールAに変換す るための、下記からなる方法。 タクソールをCp2ZrHClの還元的脱酸素に有効な量と接触させて、タクソ ールイミンを生成させる; 該タクソールイミンを水性酸の加水分解有効量と接触させて酸溶液を形成さ せる; 該酸溶液を塩基で中和してタクソール第1級アミンを形成させる; 該タクソール第1級アミンをタクソールAに変換する。 81.タクソールが下記構造を有する少なくとも一つの化合物である請求の範囲80 の方法。 1=アルキル、アリール、ビニルまたはエーテル、 R2=H、アルキル、アリール、ビニル、エステル、エーテルまたは保護基 、 R3=H、アルキル、アリール、ビニル、エーテル、エステル、グリコシド 、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基。 2=Acまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基である請求の範囲81の方法。 83.水性酸が水性HClである請求の範囲82の方法。 84.タクソールが下記の群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求の範 囲80の方法。 ここで、 2=Hまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソ化合物または保護基、 R4=Hまたは保護基であり、 該タクソール化合物をアセチル化してR2の位置にアセチル基を形成される工 程を含む。 85.水性酸が水性HClである請求の範囲84の方法。 86.タクソール含有バイオマスまたはバイオマス抽出物をドースタクセルに変換 するための、下記工程からなる方法。 タクソールを還元的脱酸素に有効な量のCp2ZrHClと接触させてタクソー ルイミンを生成させる; 該タクソールイミンを水性酸の加水分解有効量と接触させて酸溶解を形成さ せる; 該酸溶液を塩基で中和してタクソール第1級アミンを形成させる; 該タクソール第1級アミンをドースタクセルに変換する。 87.タクソールが下記構造を有する少なくとも一つの化合物である請求の範囲86 の方法。 1=アルキル、アリール、ビニルまたはエーテル、 R2=H、アルキル、アリール、ビニル、エステル、エーテルまたは保護基 、 R3=H、アルキル、アリール、ビニル、エーテル、エステル、グリコシド 、オキソまたは保護基、 R4=Hまたは保護基。 2=Hまたは保護基、 R3=H、キシロシル、オキソ化合物または保護基、 R4=Hまたは保護基 である請求の範囲87の方法。 89.水性酸が水性HClである請求の範囲88の方法。 90.タクソールが下記の群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求の範 囲86の方法。 ここで、 2=Ac、 R3=H、キシロシル、オキソ化合物または保護基、 R4=Hまたは保護基 であり、該タクソール化合物を脱アセチル化してR2位置にHを形成させる工 程を更に含む。 91.水性酸が水性HClである請求の範囲90の方法。 92.R1がC65C、R2がH、R3がH、R4がHである請求の範囲88の方法。 93.R1がC65C、R2がAc、R3がH、R4がHである請求の範囲90の方法。
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