【発明の詳細な説明】蛍光体スクリーンの金属被覆法
本発明は蛍光体スクリーン(phosphor screen)、特に、陰極線管用の蛍光体ス
クリーンの金属被覆法に関する。
CRTの蛍光体スクリーンのターゲット面(target side)上の電子透過性、光反射
性アルミニウム被膜は、蛍光体スクリーンの表面全体に形成された有機材料の平
滑な被膜上へのアルミニウムの蒸発によって形成される。この平滑な被膜を焼去
して(burn out)、蛍光体スクリーンの表面に亘ってアルミニウム“テンテイング
”(“tenting”)の鏡状被膜を残留させる。
蛍光体スクリーンを金属被覆(metallizing)するための種々の方法が従来技術
において提案されており、これらの方法は、一般的に、溶剤系(solvent based s
ystem)と水性系(aqueous based system)とに分類され得る。
溶剤系においては、最初、蛍光体層(phosphor layer)を水性プレウエット(pre
wet)で湿潤させついでトルエンのごとき溶剤中のポリ(イソブチルメタクリレー
ト)のごとき重合体の約2%溶液からなる溶剤型ラッカーをプレウエットの表面
に浮遊させる。水と溶剤を加熱により除去して、約1μmの厚さの重合体材料の
被膜を残留させる。
この方法の主要な欠点は、この方法ではトルエンのごとき揮発性有機溶剤を多
量に使用し、これに関連する全ての環境問題を伴うことである。
水性系はUS-A-3067055、US-A-3582389及びUS-A-3582390号に記載されており、
これらの方法においては、アクリレート樹脂共重合体のごとき水不溶性、被膜形
成性樹脂の水性エマルジョンを蛍光体スクリーン上に被覆し、被覆を乾燥させ、
被覆層に金属被覆を行いそして樹脂被膜からなる被覆を約450℃までの温度で加
熱することにより揮発させる。エマルジョンは約5〜20重量%の樹脂を含有して
いる。US-A-3582389号には分散体に物質を添加することが記載されている。分散
体のpHを4.0〜8.0に調節するために中和剤を添加している。焼去工程中に裸のガ
ラス上の金属被膜のふくれ(blistering)を減少
させるために、ポリ(ビニルアルコール)の硼酸錯体を1.0%までの量で添加し
ている。金属被覆層(metallized layer)のガラスへの接着を改善し、それによっ
て、焼成工程後の金属被覆層の剥離を減少させるために、コロイドシリカを25%
までの量で、また、可溶性珪酸塩を2%までの量で添加している。US-A-4123563
号には重合体被膜と金属層の多孔度を調節するためにシュウ酸アンモニウムを添
加することが記載されている。これによって、重合体層の蒸発によって惹起され
る金属層上でのふくれが防止される。同様に、US-A-3582390号には上記と同一の
目的で過酸化水素を使用することが記載されている。後者のUS-A-3582390号では
過酸化水素をエマルジョンに添加しており、これによって、焼成工程中に金属層
が蛍光体スクリーン上でふくれを生ずる傾向が減少すると述べられている。
水性系の欠点の一つは、分散体が蛍光体ストリップ又はドット(dot)の間の間
隙の全てに充満し、従って、溶剤系におけるよりも厚い層を形成することである
。従って、蛍光体スクリーン上に残留する重合体の量が溶剤法で利用されるもの
より多く、従って、除去することがより困難である。従って、焼去工程をより長
時間行うか又は焼去工程を多数回行うことさえあるため、エネルギーの必要量が
増大する。
上記で一般的に述べた溶剤系においては、重合体被膜溶液とアルミニウムを蛍
光体スクリーンに施しついでCRTのファンネル(funnel)を有機バインダー中のガ
ラスフリットにより蛍光体スクリーンに接着させる。重合体被膜と有機バインダ
ーの両者を一回の加熱サイクルで除去することが可能である。
水性系においては、除去されるべき重合体の量は、通常、CRTのファンネルの
付加の前に重合体被膜の焼去を必要にするごとき量である。従って、2回の加熱
工程を必要とし、そのため、エネルギーコストが増大し、そして、多数の加熱炉
のためにより多くの投資を必要とし、従ってまた、製造現場においては空間を必
要とする。
蛍光体スクリーンに金属被覆を行うための従来の文献に記載される他の方法は
DE-A-4136310号に記載されている。これに記載されている方法においては、アク
リレート、ビニル又はジアゾ官能基の少なくとも1つを含有する被
膜層組成物が使用される。この組成物は紫外線又は電子ビームの照射に暴露され
たときにラジカルを生成することのできる開始剤を含有している。これらの組成
物から形成された被膜ではシーリング(sealing)/加熱サイクルが完了した後に、
許容され得ない高い水準の残渣が残留する。
今般、本発明者は従来の方法よりエネルギー効率の良好な、揮発性有機溶剤を
含有していない被覆用組成物を使用するそして加熱サイクル中に焼去されて残渣
を少量しか又は全く残留させることのない蛍光体スクリーンの金属被覆方法を開
発した。
従って、本発明は、
i)アクリレート又はメタクリレートモノマー中に溶解させたポリ(アクリレー
ト)又はポリ(メタクリレート)からなる被覆用組成物であって、その中に開始
剤を含有する被覆用組成物を蛍光体スクリーンに被覆し;
ii)被覆スクリーンに照射(irradiation)を行って重合体被膜を形成させ;
iii)被覆スクリーン上に金属層を沈着させて複合体を形成させ;ついで
iv)複合体を重合体被膜の分解温度以上の温度に加熱して重合体被膜を分解及
び/又は揮発させることからなる蛍光体スクリーンの金属被覆法を提供する。
本発明の方法に従って金属被覆される蛍光体スクリーンは、通常、カラーテレ
ビジョン受像管又は表示管(display tube)のごとき陰極線管の形成に使用される
。少なくとも1つ、好ましくは、3つのパターンの、連続的に沈着させた赤色放
出(red-emitting)、緑色放出及び青色放出蛍光体ストリップ又はドットをガラス
パネルの内面に所定のパターンで配置して、発光蛍光体スクリーン(luminescent
phosphor screen)を形成させる。
本発明の方法によれば、蛍光体スクリーンをアクリレート又はメタクリレート
モノマー中に溶解させたポリ(アクリレート)又はポリ(メタクリレート)から
なる被覆用組成物で被覆する;この被覆用組成物はその中に開始剤を含有してお
り、従って、照射の際に、組成物が硬化したとき、重合体被膜が形成される。
被覆用組成物中で使用されるポリ(アクリレート)又はポリ(メタクリレ
ート)は一般式:
(式中、nは2〜200,000の整数であり、Rは水素原子又はメチル基であり、R´はC1-18
アルキル基、アリール基又は20個までの炭素原子を含有する、場合によりニ
トロ、アミン、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトリル及び/又はエポキシ基の1個
又はそれ以上により置換されているシクロアルキル、シクロアルケン、シクロア
ルキン、アルケン、アルキン又は複素環式基である)の反復単位からなる。
本発明で使用されるポリ(アクリレート)又はポリ(メタクリレート)の例は
、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(n-プロピルメタクリレート)、ポリ(
n-ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(n-ヘキ
シルメタクリレート)、ポリ(n-オクチルメタクリレート)、ポリ(2-エチルヘ
キシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(n-ドデシ
ルメタクリレート)、ポリ(n-テトラデシルメタクリレート)、ポリ(n-ヘキサ
デシルメタクリレート)、ポリ(n-オクタデシルメタクリレート)、ポリ(iso-
ボルニルメタクリレート)、ポリ(ボルニルメタクリレート)、ポリ(t-ブチル
メタクリレート)、ポリ(アミルメタクリレート)、ポリ(イソアミルメタクリ
レート)、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)、ポリ(エチルアクリレート
)、ポリ(n-プロピルアクリレート)、ポリ(n-ブチルアクリレート)、ポリ(イ
ソブチルアクリレート)、ポリ(n-ヘキシルアクリレート)、ポリ(n-オクチル
アクリレート)、ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)、ポリ(イソデシルア
クリレート)、ポリ(n-ドデシルアクリレート)、ポリ(n-テトラデシルアクリ
レート)、ポリ(n-ヘキサデシルアクリレート)、ポリ(n-オクタデシルアクリ
レート)、ポリ(イソボルニルアクリレート)、ポリ(ボルニルアクリレート)
、ポリ(t-ブチルアクリレート)、ポリ(アミルアクリレート)、ポリ(イソア
ミルアクリレート)、ポリ(シクロヘキシルアクリレート)、ポリ(n-ヘプチ
ルアクリレート)、ポリ(n-ノニルアクリレート)、ポリ(sec-ブチルアクリレ
ート)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチル
メタクリレート)又はポリ(テトラヒドロフルフリルメタクリレート)である。
本発明で使用されるポリ(アクリレート)又はポリ(メタクリレート)におい
ては、nは好ましくは1000〜10,000の整数である。
被覆用組成物中で使用されるアクリレート又はメタクリレートモノマーは一般
式:
RCH=CHCO2R
(式中、R及びR´は前記の意義を有する)の化合物である。本発明で使用される
アクリレート又はメタクリレートモノマーの例は、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソ
ボルニルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレー
ト、2-エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n-ドデシル
メタクリレート、n-テトラデシルメタクリレート、n-ヘキサデシルメタクリレー
ト、n-オクタデシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ボルニルメ
タクリレート、t-ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、イソアミルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアク
リレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシ
ルアクリレート、イソデシルアクリレート、n-ドデシルアクリレート、n-テトラ
デシルアクリレート、n-ヘキサデシルアクリレート、n-オクタデシルアクリレー
ト、イソボルニルアクリレート、ボルニルアクリレート、t-ブチルアクリレート
、アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート
、n-ヘプチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、
2-エトキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート又はテト
ラヒドロフルフリルメタクリレートである。
本発明の方法で使用される被覆用組成物は、通常、0.1〜20重量%、より
好ましくは、5〜12重量%のポリ(アクリレート)又はポリ(メタクリレート)
、70〜99.8重量%、より好ましくは、80〜95重量%のモノマー及び0.1〜10重量
%、より好ましくは、1〜5重量%の開始剤からなるであろう。
被覆用組成物は、通常、ポリ(アクリレート)又はポリ(メタクリレート)樹
脂をアクリレート又はメタクリレートモノマーに溶解させついで開始剤を添加す
ることにより調製される。別法として、アクリレート又はメタクリレートモノマ
ーに開始剤を添加しついでポリ(アクリレート)又はポリ(メタクリレート)を
添加することができる。開始剤は照射、例えば、紫外線、電子ビーム、熱輻射、
可視線、マイクロウエーブ又はγ線の照射を行ったとき、ラジカル又はカチオン
を生成することのできるものでなければならない。
開始剤は一般的な種類の開始剤の少なくとも1種であり得る:即ち、ベンゾイ
ンエーテル、例えば2-エトキシ-1,2-ジフェニルエタノン;ベンジルケタール、
例えば2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタノン;ジアルコキシアセトフェノン
、例えばジエトキシ-1-フェニルエタノン;ヒドロキシアルキルフェノン、例え
ばヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;チオキサントン誘導体;アミノア
ルキルフェノン、例えばビス(2-メチル-2-モリホリノプロパノイル)-9-ブチル
カルバゾール;アシルホシフィンオキシド;ハロゲン化化合物、例えばフェニル
-トリブロモエチルスルホン;ベンゾフェノン誘導体、例えばミヒラーケトン;
ジケトン、例えばベンジル;水溶性開始剤、例えばベンゾイル-N,N,N-トリメチ
ルベンゼン、塩化アンモニウム、過硫酸カリウム;アミン共開始剤、例えばメチ
ルジエタノールアミン;トリアリールスルホニウム塩;ジアリールヨードニウム
塩;ペルオキソド;ペルオキシエステル;ヒドロペルオキシド;アゾ開始剤;ペ
ルオキシカーボネート;ペルケタール;又は上記の任意のものの混合物。
蛍光体スクリーンに従来の慣用の方法によって被覆用組成物を被覆する。例え
ば、被覆用組成物を回転している蛍光体スクリーンに被覆し得る;この被覆は、
場合により、過剰の被覆用組成物を回転により除去するために蛍光体スクリーン
を傾斜させて行われる。被覆用組成物は、通常、25μmの厚さで蛍光体スクリー
ンに被覆されるであろう。蛍光体スクリーン上での被覆を
均一にするために、被覆用組成物を施す前に、蛍光体スクリーンを予備湿潤させ
ることが有利であり得る。本発明の方法で使用される被覆用組成物は10重量%ま
での均展剤、例えばポリエステル変性ポリジメチルシロキサン又は硝酸化セルロ
ースエステルを含有し得る。
蛍光体スクリーンを被覆用組成物で被覆した後、被覆に照射を行ってフリーラ
ジカル又はカチオンを生成させ、被膜を硬化させる。照射は紫外線、電子ビーム
、熱輻射、可視線、マイクロウエーブ又はγ線の照射であることができ、その照
射量は被覆用組成物の硬化を開始させるのに十分な量である。ついで被覆蛍光体
スクリーンを加熱して、予備湿潤溶液からの残留水分を除去する。
予備湿潤溶液は、アクリル共重合体[Rheovis系列(range)、Allied Colloids]
、ポリアクリル酸(Viscalex 系列、Allied Colloids)、水和珪酸ナトリウム リ
チウム マグネシウム(Laponite,Laporte adsorbents)のごとき増粘剤を含有し得
る。グリセロールも予備湿潤溶液中で添加剤として使用し得る。
ついで、被覆蛍光体スクリーン上に従来の慣用の方法によって金属層を沈着さ
せる。CRTの製造については、金属層はアルミニウムであり、これを好ましくは
真空蒸発により蛍光体スクリーン上に沈着させる。アルミニウム層は0.1〜0.3μ
mの厚さを有することが好ましい。
金属層を蛍光体スクリーン上に沈着させて複合体を形成させた後、複合体を重
合体被膜の分解温度以上の温度に加熱して、重合体を焼去し、揮発させる。重合
体被膜は加熱の際に分解して、鉱物残渣を残留させる。本発明で使用するのに最
も好ましい重合体被膜は約450℃以下の温度で分解する。
本発明を実施するに当って、工程(iv)における複合体の加熱を、蛍光体スクリ
ーンに陰極線管をシールする工程と組合せ得る;即ち、重合体被膜を揮発させる
別個の工程が不必要になる。陰極線管の金属被覆へのシーリングは当業者には周
知であり、通常、有機バインダー中のガラスフリットを使用して部品をシールす
るフリットシーリング(frit sealing)法を使用して行われる。陰極線管中に存在
する酸素は、通常、重合体被膜の焼去を助成するのに
十分であるが、必要に応じて、追加の空気又は酸素富化空気を陰極線管中に導入
し得ることは理解されるであろう。金属被覆蛍光体スクリーンの陰極線管へのフ
リットシーリングは、通常、約450℃の温度で生起するであろう。シーリングサ
イクルについての慣用の温度分布は、レールサイクル(Lehr cycle)と称されてい
る。
本発明の方法によって金属被覆された蛍光体スクリーン及び本発明の方法によ
って金属被覆された蛍光体スクリーンの少なくとも1つを含有する陰極線管も本
発明の範囲に包含される。
本発明を下記の実施例を参照して更に説明する;これらの実施例においては下
記の定義が使用されている。レールサイクル
下記の実施例で使用されているレールサイクルは下記の通りである:室温から
450℃まで10℃/分で加熱、450℃で45分間保持、ついで室温に冷却。
実施例1
予備湿潤したTVスクリーンに、イソブチルメタクリレート(89重量%)、ポリ(
イソブチルメタクリレート)(10重量%)及び1重量%の2-ベンジル-2-ジメチルア
ミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン(Ciba GiegyからIrgacure 369
として入手される)からなるUV硬化性ラッカーを噴霧塗装した。過剰のラッカー
は160rpmで20秒回転させることにより除去した。
ついで、高出力に設定された2個の600w/in H 電球を供えたフュージョン(Fus
ion)DRSE 120 UV光源を使用して照射を行うことによりUV硬化性ラッカーを硬化
させた。10m/分のベルト速度で装置を2回通過させることによりラッカーを完全
に硬化させ、重合体のガラス転移温度以下に冷却した後に粘着性を示さないもの
にした。
ついで、TVスクリーンに、当業者に既知の技術を使用して、気相蒸着(vapour
phase deposition)によりアルミニウムを被覆した。装置として10-5mbarで作動
させるEdwards E 306Aコーテイングシステムを使用した。アルミニウム被膜は肉
眼で見て光輝のあるかつメタリックなものでありかつバックライト照射(backlig
hting)の際、光線を透過させなかった。
最後に、UV硬化ラッカーをレールサイクルの条件下で加熱した。かく得られた
TVスクリーン上のアルミニウム被膜には欠陥部及びふくれがなかった。バックラ
イトの照射下では、重合体被膜の蒸発によって生じたピンホール以外、スクリー
ンの外観に変化はなかった。
実施例2
予備湿潤したTVスクリーンに、メチルメタクリレート(89重量%)、ポリ(メル
メタクリレート)(10重量%)及びIrgacure 369(1重量%)からなるUV硬化性ラ
ッカーを噴霧塗装した。過剰のラッカーは160rpmで20秒回転させることにより除
去した。
ついで、高出力に設定された2個の600w/in H 電球を供えたフュージョンDRSE
120UV光源を使用して照射を行うことによりUV硬化性ラッカーを硬化させた。10
m/分のベルト速度で装置を2回通過させることによりラッカーを完全に硬化させ
、重合体のガラス転移温度以下に冷却した後に粘着性を示さないものにした。
ついで、実施例1と同様の方法でTVスクリーンにアルミニウムを被覆した。得
られたアルミニウム被膜は肉眼で見て光輝のあるかつメタリックなものでありか
つバックライト照射の際、光線を透過させなかった。
最後に、UV硬化ラッカーを、この試料を10℃/分の加熱速度で450℃まで加熱し
ついで45分間、恒温に保持することにより焼去して、アルミニウム層が螢光体に
接着しているかつその外観が輝いているスクリーンを得た。
実施例3
予備湿潤したTVスクリーンに、2-エトキシエチルメタクリレート(89重量%)、
ポリ(イソブチルメタクリレート)(10重量%)及びIrgacure 369(1重量%)から
なるUV硬化性ラッカーを噴霧塗装した。過剰のラッカーは160rpmで20秒回転させ
ることにより除去した。
ついで、高出力に設定された2個の600w/in H 電球を供えたフュージョンDRSE
120UV光源を使用して照射を行うことによりUV硬化性ラッカーを硬化させた。
ついで、実施例1と同様の方法でTVスクリーン片にアルミニウムを被覆し
た。得られたアルミニウム被膜は肉眼で見て輝きのあるかつメタリックなもので
ありかつバックライト照射の際、光線を透過させなかった。
最後に、UV硬化ラッカーをレールサイクルの条件下で加熱した。かく得られた
スクリーンのアルミニウム層は外観が輝いていた。
実施例4
予備湿潤したTVスクリーンに、ポリ(イソブチルメタクリレート)(7.5重量%)
、イソブチルメタクリレート(85.5重量%)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン(Ciba GiegyからIrgacure 184として入手される)(5重量%)及び2
重量%のQuantacure ITX(2-及び4-イソプロピルチオキサントンの混合物−Grea
t Lakes Fine Chemicalsから入手される)からなる製剤を噴霧塗装した。TVスク
リーンを中圧水銀灯の下で10分間、粘着性を示さなくなるまで硬化させついで実
施例1に記載の方法に従ってアルミニウムを被覆した。
ついで、スクリーンをレールサイクルの条件下で加熱した。冷却したスクリー
ン上のアルミニウム被膜は外観が輝いておりかつ肉眼では亀裂やふくれは認めら
れなかった。
実施例5
ポリ(エチルメタクリレート)(4重量%)をイソブチルメタクリレート(91
重量%)に溶解させた。この溶液にシクロヘキシルフェニルケトン(5重量%)
を添加した。混合物全体を室温で14時間攪拌して均質な混合物を得た。
得られた被覆層組成物を予備湿潤TVスクリーン上に回転塗装した。被覆層組成
物を中圧水銀灯によって発生させた紫外線に暴露した。約4分後、被覆層組成物
の樹脂成分の全てが硬化し、半透明の層が形成された。ついで、このパネルを加
熱炉内に120℃で5分間放置することにより乾燥させた。ついで実施例1の方法
によりアルミニウム層を被覆した。
スクリーンをレールサイクルの条件下で加熱して、蛍光体に接着したアルミニ
ウム層を残留させた。
実施例6
ポリ(イソブチルメタクリレート)(4重量%)をイソブチルメタクリレート
(91重量%)に14時間で溶解させた。この被膜形成用組成物に加熱型開始剤(the
rmal initiator)であるラウロイルペルオキシド(5重量%)を添加し、混合物
を更に2時間、室温で攪拌した。
得られた被覆層組成物を予備湿潤蛍光体TVスクリーン上に回転塗装した。つい
で、被覆TVスクリーンを加熱炉内に70℃で15分間放置することにより組成物を硬
化させ、蛍光体表面に重合体被膜を残留させた。
ついで実施例1の方法によりアルミニウムを被覆した。得られたスクリーンを
レールサイクルの条件下で加熱して、蛍光体に接着したアルミニウム層を残留さ
せた。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,C
A,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI
,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,
KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M
D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,
TJ,TM,TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 サビル,カレン
イギリス国 レンフルーシヤー ピイエイ
8 6エツチエヌ,アースキン,リンバー
ン,グレンモス アベニユ 14
(72)発明者 リ,ウオレン
イギリス国 リーデイング アールジイ4
6ピービイ,カバーサム,ロウフイール
ド ロード,48
(72)発明者 コリスター,ブライアン,ジヨン
イギリス国 オツクスフオード オーエツ
クス8 7ワイエル,ウイトネイ,ソーネ
イ レイス,161