JPH0961996A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びプラズマディスプレイの背面板の製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びプラズマディスプレイの背面板の製造法

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JPH0961996A
JPH0961996A JP7218640A JP21864095A JPH0961996A JP H0961996 A JPH0961996 A JP H0961996A JP 7218640 A JP7218640 A JP 7218640A JP 21864095 A JP21864095 A JP 21864095A JP H0961996 A JPH0961996 A JP H0961996A
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JP
Japan
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photosensitive resin
resin composition
weight
glass substrate
photosensitive
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JP7218640A
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English (en)
Inventor
Hideyasu Tachiki
秀康 立木
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Hideaki Uehara
秀秋 上原
Ikuo Mukai
郁夫 向
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大きな凹凸がある基板に、充分追従可能な感
光性樹脂組成物、感光性エレメント及びプラズマディス
プレイパネルの背面板の製造法を提供する。 【解決手段】 (A)フィルム性付与ポリマー、(B)
エチレン性不飽和結合を有する化合物、(C)光重合反
応開始剤及び(D)蛍光体を含む感光性樹脂組成物、こ
の層を、支持体フィルム上に積層してなる感光性エレメ
ント、及び電極及びバリアリブが形成されたガラス基板
に、(イ)感光性エレメントを積層する工程、(ロ)ガ
ラス基板に積層された感光性樹脂組成物を、加熱する工
程、(ハ)感光性樹脂組成物に、活性光を像的に照射
し、露光部を光硬化させる工程、(ニ)未露光部を、現
像により除去する工程を繰り返して、ガラス基板に多色
パターンを形成した後、(ホ)パターンを焼成する工程
を行うプラズマディスプレイパネルの背面板の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成
物、感光性エレメント及びプラズマディスプレイの背面
板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(PDP)
は、原理的に大型化が可能であり、40インチ以上の大
画面であることが望ましい、ハイビジョンテレビ等の用
途を目的にして開発が進められている。PDPは、通
常、前面板と背面板とから構成されており、背面板は、
ガラス基板にPDPを駆動するための電極等を形成し、
図1及び図2等に示すような形状のバリアリブを設け
て、セル状又はストライプ状の多数の放電空間を形成
し、前記放電空間の内壁に、蛍光体層を形成することに
より作製される。カラーPDPの背面板では、赤、緑及
び青の蛍光体層が、放電空間ごとに形成される。
【0003】蛍光体層の形成には、各色蛍光体を分散さ
せた、感光性樹脂組成物のスラリー液を、スクリーン印
刷により塗工する方法(特開平1−115027号公
報、特開平1−124928号公報)、放電空間に前記
スラリー液を流し込む方法(特開平2−155027号
公報)等が試みられている。これらの方法は、いずれも
前記スラリー液を使用しているため、蛍光体の沈降によ
る分散不良、場所による塗布量の不均一性等によって、
蛍光体の塗布むらが生じやすい問題や、前記スラリー液
の保存安定性が悪い等の問題があり、PDPが大型にな
るにつれて、特に蛍光体の塗布むらの問題が顕著にな
る。これらの問題対策として、蛍光体を含有させた感光
性樹脂組成物のフィルムを作製し、前記フィルムを基板
に積層する方法(特開平6−273925号公報)が試
みられている。蛍光体を含有させた、感光性樹脂組成物
のフィルムを用いる上記の方法は、蛍光体の供給量の均
一性に優れ、大面積化が容易であり、凹凸の少ない基板
に蛍光体層を形成する場合には有力な方法である。
【0004】しかし、バリアリブが形成されたガラス基
板等のように、大きな凹凸がある基板に前記フィルムを
積層する場合には、感光性樹脂組成物が、基板の凹凸に
追従しきれず、感光性樹脂組成物とガラス基板との間に
空隙が残り易く、密着性も不充分になり易いので、積層
した感光性樹脂組成物を露光し、現像し、焼成して蛍光
体のパターンを形成する時に、パターンの形状不良や欠
損が発生し易くなる。また、バリアリブを形成したガラ
ス基板に、蛍光体を含有させた感光性樹脂組成物のフィ
ルムを積層した後に、バリアリブを形成した基板の凹形
状に合致する凸形状を持った金型等で押圧して、感光性
樹脂組成物を追従させる方法(特開平6−273925
号公報)もあるが、基板が大きくなるにつれて、精度良
く金型の位置合わせを行うことが難しくなり、作業性が
大幅に低下するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、バリアリブが形成された、ガラス基板のように大き
な凹凸がある基板に、充分追従可能な感光性エレメント
を得ることができる感光性樹脂組成物を提供するもので
ある。請求項2記載の発明は、バリアリブが形成され
た、ガラス基板のように大きな凹凸がある基板に、充分
追従可能であり、高精度で均一な形状の多色の蛍光体層
を、作業性よく形成できる感光性エレメントを提供する
ものである。請求項3記載の発明は、高精度で均一な形
状の多色の蛍光体層を、作業性よく形成でき、高品位な
大画面PDPの背面板を、歩留まりよく製造できるプラ
ズマディスプレイパネルの背面板の製造法を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)フィル
ム性付与ポリマ 40〜80重量部、(B)エチレン性
不飽和結合を有する化合物 20〜60重量部((A)
成分及び(B)成分の総量が100重量部として)、
(C)光重合反応開始剤 0.01〜20重量部
((A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し
て)及び(D)蛍光体 10〜300重量部((A)成
分及び(B)成分の総量100重量部に対して)を含
み、120℃での粘度が、1〜2000Pa・secである感
光性樹脂組成物に関する。また、本発明は、前記感光性
樹脂組成物の層を、支持体フィルム上に積層してなる感
光性エレメントに関する。
【0007】また、本発明は、電極及びバリアリブが形
成されたガラス基板に、(イ)前記感光性エレメントを
積層する積層工程、(ロ)感光性エレメントにより、ガ
ラス基板に積層された感光性樹脂組成物を、加熱する加
熱工程、(ハ)前記感光性樹脂組成物に、活性光を像的
に照射し、露光部を光硬化させる露光工程、(ニ)未露
光部を、現像により除去する現像工程を繰り返して、ガ
ラス基板にそれぞれ赤、緑及び青の蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層からなる多色パターンを形成した後、
(ホ)前記パターンを焼成する焼成工程を行い、ガラス
基板に、赤、緑及び青の蛍光体層からなるパターンを形
成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの
背面板の製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の感光性樹脂組成物は、
(A)フィルム性付与ポリマ 40〜80重量部、
(B)エチレン性不飽和結合を有する化合物 20〜6
0重量部((A)成分及び(B)成分の総量が100重
量部として)、(C)光重合反応開始剤 0.01〜2
0重量部((A)成分及び(B)成分の総量100重量
部に対して)及び(D)蛍光体 10〜300重量部
((A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し
て)を含み、120℃での粘度が、1〜2000Pa・sec
であることを必須とする。
【0009】本発明における(A)フィルム性付与ポリ
マとしては、特に制限はなく、合成容易性等の点から、
ビニル系共重合体が好ましい。ビニル系共重合体は、公
知の合成法により得られるが、使用できるビニル単量体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリ
ドン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類
以上を組み合わせて使用される。
【0010】本発明における(A)フィルム性付与ポリ
マは、重量平均分子量が10,000〜200,000
とすることが好ましい。フィルム性付与ポリマの重量平
均分子量が、10,000未満では、フィルム性が低下
する傾向があり、200,000を超えると、解像度が
低下する傾向がある。
【0011】本発明における(B)エチレン性不飽和結
合を有する化合物としては、例えば、ポリエチレングリ
コールジアクリレート(エチレン基の数が2〜14のも
の)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチ
レン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパ
ンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロ
ールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパンエトキシトリメタクリレート、トリメチロー
ルプロパンプロポキシトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパンプロポキシトリメタクリレート、テトラメチ
ロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタ
ントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリ
レート、ポリプロピレングリコールジアクリレート(プ
ロピレン基の数が2〜14のもの)、ポリプロピレング
リコールジメタクリレート(プロピレン基の数が2〜1
4のもの)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサメタクリレート、ビスフェノールA
ポリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールA
ポリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノール
Aジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールA
ジオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールA
トリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールA
トリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノール
Aデカオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノール
Aデカオキシエチレンジメタクリレート、グリシジル基
含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得ら
れる化合物(トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテルトリメタクリレート、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテルジアクリレート等)、多価カ
ルボン酸(無水フタル酸等)と水酸基及びエチレン性不
飽和基を有する化合物(β−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等)とのエ
ステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキ
ルエステル(アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸
メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリ
ル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、メタ
クリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル
等)などが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以
上を組み合わせて使用される。
【0012】本発明における(C)光重合反応開始剤と
しては、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,
N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノ
ン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラメチル−4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−
ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタ
ノン−1,2−エチルアントラキノン、フェナントレン
キノン、9,10−フェナンスレンキノン等)、ベンゾ
インエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベ
ンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、
ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2,
4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2−(o−
クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二
量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−
メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フ
ルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量
体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)
−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ
(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール
二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導
体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′
−アクリジニル)ヘプタン等)、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ビスアシル
フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは、
単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0013】本発明における(D)蛍光体としては、例
えば、赤色蛍光体には、(Y,Gd)BO3:Eu3+、Y2
3:Eu3+、Y22S:Eu3+、VO4:Eu3+等が挙
げられ、緑色蛍光体には、Zn2SiO4:Mn、BaO
・6Al23:Mn、Y3Al512:Tb、Y2Si
5:Tb、ZnS:Cu,Al、(Zn,Cd)S:C
u,Al、ZnS:Cu,Au,Al等が挙げられ、青
色蛍光体には、BaMgAl1017:Eu2+、BaMg
Al1423:Eu2+、BaMgAl1627:Eu2+、S
10(PO4)6Cl2:Eu2+、(Sr,Ca,Ba,M
g)10(PO4)6Cl2:Eu2+、Ca259Cl:Eu
2+、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等が挙げられ
る。
【0014】また、本発明における(D)蛍光体には、
蛍光体の発光色と同一色の顔料が添加された蛍光体を使
用することができる。添加される顔料としては、無機系
顔料が使用され、例えば、赤色顔料には、金コロイドガ
ラス、銅コロイドガラス、CdS−CdSeコロイドガ
ラス等が挙げられ、緑色顔料には、Cu・Cr・Co含
有ガラス等が挙げられ、青色顔料には、Co含有ガラ
ス、CoO等が挙げられる。蛍光体に顔料を添加するこ
とにより、蛍光体の発光効率は低下するが、PDPのコ
ントラストを向上させることができる。顔料の添加量
は、蛍光体の15重量%以下とすることが好ましい。こ
の添加量が、15重量%を超えると、蛍光体の発光効率
が低下する傾向がある。
【0015】以下に、本発明の感光性樹脂組成物に含ま
れる、(A)〜(D)の各成分の配合量について説明す
る。本発明における(A)成分の配合量は、(A)成分
及び(B)成分の総量を100重量部として、40〜8
0重量部とする。この配合量が、40重量部未満では、
フィルム性、機械強度等が低下する。また、80重量部
を超えると、光感度が低下する。本発明における(B)
成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量を1
00重量部として、20〜60重量部とする。この配合
量が、20重量部未満では、光感度が低下する。また、
60重量部を超えると、フィルム性、機械強度等が低下
する。
【0016】本発明における(C)成分の配合量は、
(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し
て、0.01〜20重量部とされる。この配合量が、
0.01重量部未満では、光感度が低下する。また、2
0重量部を超えると、機械強度等が低下する。本発明に
おける(D)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成
分の総量100重量部に対して、10〜300重量部と
され、50〜200重量部とすることが好ましく、70
〜180重量部とすることがより好ましい。この配合量
が、10重量部未満では、発光効率が低下する。また、
300重量部を超えると、粘度が高くなりすぎる。
【0017】本発明の感光性樹脂組成物には、さらに、
低融点ガラス等の無機粉末、分散剤、染料、可塑剤、重
合禁止剤、密着性向上剤などを必要に応じて適宜使用す
ることができる。ただし、無機粉末を使用する場合は、
発光効率等の点から、無機粉末と蛍光体との総量が、8
0重量%以下となる量で用いることが好ましい。
【0018】本発明の感光性樹脂組成物は、フィルム性
付与ポリマの重量平均分子量やガラス転移温度、フィル
ム性付与ポリマと架橋剤との配合比等を調節して、12
0℃での粘度を、1〜2000Pa・secとする必要があ
り、2〜500Pa・secとすることが好ましく、5〜20
0Pa・secとすることがより好ましく、10〜100Pa・s
ecとすることが特に好ましい。120℃での粘度が、1
Pa・sec未満では、室温での粘度が小さくなりすぎて、後
述する感光性エレメントに使用した場合、安定性が低下
する。また、2000Pa・secを超えると、後述する加熱
工程において、感光性樹脂組成物を流動化させることが
困難となり、追従性が悪くなる。
【0019】本発明の感光性エレメントは、前記本発明
の感光性樹脂組成物の層を、支持体フィルム上に積層し
たものである。本発明の感光性エレメントは、例えば、
感光性樹脂組成物の有機成分をアセトン、トルエン、メ
チルエチルケトン、塩化メチレン等の有機溶剤に均一に
溶解させ、蛍光体等の無機成分を加えて均一に分散させ
てスラリーを作製し、このスラリーを、支持体フィルム
上にナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート
法等で塗布し、乾燥した後、剥離可能なカバーフィルム
を積層することにより得ることができる。
【0020】支持体フィルムとしては、感光性エレメン
トの作製時に必要な、耐熱性、耐溶剤性を有しているこ
とが好ましく、例えば、ポリエステルフィルム、ポリイ
ミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリスチレンフィルム等が挙げられる。前記カ
バーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム等、公知のフィルムが用いられ、感光
性樹脂組成物と支持体フィルムとの接着力よりも、感光
性樹脂組成物とカバーフィルムとの接着力の方が小さい
ものであればよい。
【0021】このようにして得られた感光性エレメント
の感光性樹脂組成物層の厚さは、通常、10〜100μ
mとすることが好ましい。感光性樹脂組成物層の厚さ
が、10μm未満では、蛍光体層の厚さが薄くなりすぎ
る傾向があり、100μmを超えると、感光性エレメン
トを作製する時の乾燥に時間がかかり、製造コストが上
昇する傾向がある。なお、100μm以上の感光性樹脂
組成物層は、感光性エレメントの積層を繰り返すことに
よって得ることができる。また、感光性樹脂組成物層中
の残存溶剤量は、特性保持のために、2重量%以下に抑
えることが好ましい。
【0022】本発明のプラズマディスプレイパネルの背
面板の製造法は、電極及びバリアリブが形成されたガラ
ス基板に、(イ)前記感光性エレメントを積層する積層
工程、(ロ)感光性エレメントにより、ガラス基板に積
層された感光性樹脂組成物を、加熱する加熱工程、
(ハ)前記感光性樹脂組成物に、活性光を像的に照射
し、露光部を光硬化させる露光工程、(ニ)未露光部
を、現像により除去する現像工程を繰り返して、ガラス
基板にそれぞれ赤、緑及び青の蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層からなる多色パターンを形成した後、
(ホ)前記パターンを焼成する焼成工程を行い、ガラス
基板に、赤、緑及び青の蛍光体層からなるパターンを形
成することを特徴とする。
【0023】本発明におけるガラス基板には、PDPを
駆動するための電極及び放電空間を形成するためのバリ
アリブが形成されている必要がある。このガラス基板に
は、前記の電極及びバリアリブの他に、必要に応じて、
誘電膜、絶縁膜、補助電極、抵抗体等が形成されていて
もよい。これらのものの、ガラス基板への形成方法に
は、特に制限はなく、例えば、ガラス板に蒸着、スパッ
タリング、メッキ、塗布、印刷等の方法で、電極が形成
され、印刷法、サンドブラスト法、埋め込み法等の方法
で、バリアリブが形成することができる。
【0024】バリアリブは、通常、高さが20〜500
μm、幅が20〜200μmである。バリアリブで囲ま
れた放電空間の形状には、特に制限はなく、格子状、ス
トライプ状、ハニカム状、3角形状、楕円形状等が可能
であるが、通常、図1及び図2等に示すような、格子状
又はストライプ状の放電空間が形成される。放電空間の
大きさは、PDPの大きさと解像度によって決められ、
通常、図1のような格子状放電空間であれば、縦及び横
の長さは、50μm〜1mmとなり、図2のようなストラ
イプ状放電空間であれば、間隔は、30μm〜1mmとな
る。
【0025】以下、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの背面板の製造法の各工程について、詳述する。 (イ)前記感光性エレメントを積層する積層工程 前記感光性エレメントのカバーフィルムを剥離し、加熱
ロール等により加熱し、ガラス基板に積層して、図3
(a)に示すように、放電空間の開口部に、所定量の感
光性樹脂組成物を供給する。加熱ロールの温度及び圧着
圧力は、特に制限はなく、通常、90〜130℃、2〜
4kg/cm2とする。なお、ガラス基板は、感光性エレメン
トを積層する前に、室温〜130℃の範囲で加熱するこ
とができる。熱歪みによるガラス基板の破損を防止でき
る点から、ガラス基板の温度と加熱ロールの温度とを、
ほぼ等しくしておくことが好ましい。また、積層工程
は、通常、大気中で行われるが、減圧下又は真空中で行
うこともできる。
【0026】(ロ)感光性エレメントにより、ガラス基
板に積層された感光性樹脂組成物を、加熱する加熱工程 ガラス基板に積層した感光性エレメントの支持体フィル
ムを剥離し、感光性樹脂組成物を、加熱して流動化さ
せ、図3(b)〜(d)に示すように、感光性樹脂組成
物を、バリアリブに沿って、開口部から内部に向かって
移動させ、感光性樹脂組成物層を形成する。この時の加
熱温度は、80〜150℃とすることが好ましく、10
0〜130℃とすることがより好ましい。この加熱温度
が、80℃未満であると、感光性樹脂組成物が、充分に
流動化せず、追従性が低下する傾向があり、150℃を
超えると、感光性樹脂組成物が、変性する傾向があり、
感度や解像度等の感光特性が低下する傾向がある。
【0027】感光性樹脂組成物を、図3(a)の状態か
ら図3(d)の状態まで移動させるのに必要な時間は、
バリアリブの高さ、放電空間の形状と大きさ、加熱温
度、感光性樹脂組成物の厚さと粘度及び前記の積層条件
等に依存するので、感光性樹脂組成物を図3(a)の状
態から図3(d)の状態まで移動させるのに必要な時間
を、実測して加熱時間を設定する。この加熱時間は、通
常、1分〜10時間である。前記の積層工程を、減圧下
で行った場合には、感光性樹脂組成物を図3(a)の状
態から図3(d)の状態へ移動させるのに必要な時間
が、短縮される。
【0028】(ハ)前記感光性樹脂組成物に、活性光を
像的に照射し、露光部を光硬化させる露光工程 露光工程及び現像工程では、公知の方法で露光及び現像
されて、所定のパターンが形成される。例えば、感光性
樹脂組成物層が形成されたガラス基板に、パターンマス
クを密着させ、活性光で露光して光硬化させた後、現像
液で現像してパターンが形成される。活性光は、公知の
活性光源、例えば、高圧水銀ランプ、キセノンアークラ
ンプ、カーボンアーク、その他から発生する光等が好ま
しく使用される。感光性樹脂組成物層に含まれる光重合
反応開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大
であるので、その場合は、活性光源は、紫外線を有効に
放射するものにすべきである。もちろん、光重合反応開
始剤が可視光線に感受するもの、例えば、9、10−フ
ェナンスレンキノン等である場合には、活性光として
は、可視光が使用でき、その光源としては、前記のもの
以外に、写真用フラッド電球、太陽ランプ等も使用でき
る。
【0029】(ニ)未露光部を、現像により除去する現
像工程 現像には、アルカリ水溶液、水系現像液、溶剤系現像液
等の公知の現像液を使用し、例えば、スプレー、揺動浸
漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法によ
り、未露光部を除去して現像する。アルカリ水溶液の塩
基としては、例えば、水酸化アルカリ(リチウム、ナト
リウム又はカリウムの水酸化物等)、炭酸アルカリ(リ
チウム、ナトリウム若しくはカリウムの炭酸塩又は重炭
酸塩等)、アルカリ金属リン酸塩(リン酸カリウム、リ
ン酸ナトリウム等)、アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロ
リン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等)水酸化テト
ラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒド
ロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1,3−ジ
アミノプロパノール−2−モルホリンなどが挙げられ
る。アルカリ水溶液の温度は、感光性樹脂組成物層の現
像性に合わせて調整することができる。また、アルカリ
水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させる
ための少量の有機溶剤等を混入させることができる。
【0030】水系現像液は、水又はアルカリ水溶液と一
種以上の有機溶剤とからなる。ここでアルカリ物質とし
ては、前記物質以外に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナ
トリウム等が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、
三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数
1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これら
は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0031】有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%
とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて
調整することができる。また、水系現像液中には、界面
活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。単独で
用いる有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1
−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソ
ブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。こ
れらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20重量%の
範囲で水を添加することが好ましい。また、必要に応じ
て2種以上の現像方法を併用してもよい。さらに、現像
後、パターン化された感光性樹脂組成物の密着性及び耐
薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプ等による
紫外線照射や加熱を行うこともできる。この時の紫外線
の照射量は、通常、0.2〜10J/cm2程度であり、照
射の際に、60〜180℃の加熱を行ってもよい。これ
ら紫外線の照射と加熱は、どちらの順番に行ってもよ
い。
【0031】上記した(イ)〜(ニ)の各工程を、それ
ぞれ、赤、緑及び青の蛍光体を含有させた感光性エレメ
ントについて順次繰り返して、ガラス基板に所定の多色
パターンを形成することができる。
【0032】(ホ)前記パターンを焼成する焼成工程 前記多色パターンを形成した後、焼成して感光性樹脂組
成物の有機成分を除去することにより、放電空間を3色
の蛍光体で塗り分けた、PDPの背面板を作製すること
ができる。焼成温度及び焼成時間は、通常、ガラス基板
や蛍光体の耐熱性、感光性樹脂組成物における有機成分
の分解温度や分解速度等を考慮して設定される。ガラス
基板にソーダガラス板が用いられる場合、通常、焼成温
度は、400〜500℃とされ、焼成時間は、5〜12
0分とされるが、これらの条件には特に制限はない。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 (バリアリブの形成)1000mm×800mm×3mmのガ
ラス板に、プリント配線板の回路形成用ネガ型感光性エ
レメント(SA−8176、感光層の膜厚76μm、日
立化成工業株式会社製)を2回積層して、厚さ152μ
mの感光性レジスト樹脂組成物層を形成し、パターンマ
スクを密着させ、高圧水銀灯(オーク製作所製、HMW
−590)で露光し、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像
し、バリアリブを形成する領域の感光性樹脂組成物を取
り除いて、溝を形成し、この溝に、リブ用ペーストを埋
め込み、熱硬化させ、基板表面を研磨し、3重量%水酸
化ナトリウム水溶液に浸析して、感光性樹脂組成物を剥
離した後、550℃で1時間焼成して、図4に示す形状
のバリアリブを形成したガラス基板を作製した。
【0034】(フィルム性付与ポリマの合成)メチルセ
ロソルブ/トルエン=3:2(重量比)の溶液(以下、
溶液(A)と称する)500mlをフラスコに入れ、85
℃に昇温し、1時間放置した。その後、メタクリル酸2
3.7g、メタクリル酸メチル46.8g、アクリル酸
エチル31.2g、アクリル酸2−エチルヘキシル1.
5g及びアゾビスイソブチロニトリル1.53gを、溶
液(A)31.2gに溶解したものを、4時間かけて滴
下し、反応させた。次いで、メチルセロソルブ7.1g
を加え、2時間保温し、メタクリル酸0.6g及びアゾ
ビスイソブチロニトリル0.54gを、溶液(A)4.
8gに溶解したものを反応溶液に加え、さらに2時間保
温した。その後、アゾビスイソブチロニトリル0.02
4gをメチルセロソルブ1.2gに溶解した溶液を添加
して、5時間保温した後、ハイドロキノン0.01gを
メチルセロソルブ0.2gに溶解した溶液を加え冷却
し、重合体溶液(ポリマ(A))を得た。得られた重合
体溶液(ポリマ(A))は、不揮発分が38.5重量
%、重量平均分子量が28,000であった。なお、重
量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーによって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用い
て換算した値である。
【0035】実施例1〜4及び比較例1 (感光性樹脂組成物及び感光性エレメントの作製)表1
に示す配合割合で、(A)成分、(B)成分、(C)成
分添加剤及び溶剤を配合して有機物成分の溶液を調製し
た。
【表1】
【0036】上記で得られた溶液に、表2に示す配合割
合となるように、蛍光体((D)成分)を加えて、感光
性樹脂組成物の溶液((I)〜(V))を得た。次い
で、得られた各々の感光性樹脂組成物の溶液((I)〜
(V))を、厚さが20μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(PET)に、乾燥後の膜厚が40μmと
なるように塗工し、乾燥し、厚さ35μmのポリエチレ
ンフィルムで被覆して、感光性エレメント((I)〜
(V))を得た。各々の感光性エレメント((I)〜
(V))の感光性樹脂組成物の120℃における粘度
を、フローテスタ(島津製作所製、CFT−500)に
より測定し、結果を表2に併せて示した。なお、得られ
た感光性エレメント(I)〜(IV)が、本発明の範囲内
の感光性エレメントであり、感光性エレメント(V)
は、本発明の範囲外の比較用の感光性エレメントであ
る。
【0037】
【表2】
【0038】以下に、作製した感光性エレメント(I)
〜(V)を用いた実験例を示す。 (感光性樹脂組成物層の形成) 実験例1〜5 前記作製したガラス基板を、100℃に加熱し、表3に
示した感光性エレメントのカバーフィルムを剥離し、ロ
ール温度が110℃、ロール圧力が3.5kg/cm2、ラミ
ネート速度が1m/分で、前記ガラス基板に積層し、支
持体フィルムを剥離した後、表3に示す条件で加熱し、
感光性樹脂組成物を、セルの内部に移動させて、ガラス
基板に感光性樹脂組成物層を形成した。この感光性樹脂
組成物層を、3kWの高圧水銀灯(オーク製作所製、HM
W−201GX)で、3J/cm2の全面露光を行い光硬化
させ、エポキシ樹脂に埋め込んで断面を研磨し、光学顕
微鏡で感光性樹脂組成物層の形状を黙視で観察し、結果
を表3に併せて示した。なお、実験例1〜4の感光性樹
脂組成物層の断面形状を図5に、実験例5の感光性樹脂
組成物層の断面形状を図6に示した。
【0039】
【表3】
【0040】実験例1〜4においては、感光性樹脂組成
物層とガラス基板との間に、空隙は見られず、感光性樹
脂組成物が、放電空間の内壁によく追従していた。ま
た、実験5においては、感光性樹脂組成物層とガラス基
板との間に、空隙が残留しており、感光性樹脂組成物
は、放電空間の内壁にはほとんど追従していなかった。
【0041】実験例6〜9 実験例1と同様にして、表4に示した感光性エレメント
をガラス基板に積層した後、支持体フィルムを剥離し、
積層後の加熱をしないで、ガラス基板に感光性樹脂組成
物層を形成した。この感光性樹脂組成物層を、実験例1
と同様にして、感光性樹脂組成物層の形状を観察し、結
果を表4に併せて示した。なお、実験例6〜9の感光性
樹脂組成物層の断面形状を図7に示した。
【0042】
【表4】
【0043】実験例6〜9においては、感光性樹脂組成
物層とガラス基板との間に、空隙が残留しており、感光
性樹脂組成物は、放電空間の内壁には追従していなかっ
た。
【0044】実験例6〜9に示されるように、感光性樹
脂組成物をガラス基板に積層しただけでは、セルの凹面
に追従させることはできないが、実験例1〜4に示され
るように、感光性樹脂組成物をガラス基板に積層した後
に、感光性樹脂組成物を加熱して流動化させることによ
り、感光性樹脂組成物を放電空間の内壁に追従させるこ
とができ、空隙の残留が無く、密着性に優れ、均一な形
状の感光性樹脂組成物層を形成することができる。ま
た、実験例5のように、本発明の範囲外の感光性エレメ
ントを使用すると、120℃での粘度が2000Pa・sec
より大きくなり、感光性樹脂組成物の流動化が阻害され
て、放電空間の壁面への追従が不充分になることが示さ
れた。
【0045】(パターンの形成) 実験例10〜14 実験例1と同様にして、表5に示した感光性エレメント
をガラス基板に積層し、支持体フィルムを剥離した後、
表5に示す条件で加熱し、感光性樹脂組成物を、セルの
内部に移動させて、ガラス基板に感光性樹脂組成物層を
形成した。この感光性樹脂組成物層を形成したガラス基
板に、パターンマスクを密着させ、3kWの高圧水銀灯
(オーク製作所製、HMW−590)で露光を行った。
各感光性樹脂組成物層の感度は、光透過量が段階的に少
なくなるように作られたネガフィルム(光学密度0.0
5を1段目とし、1段ごとに光学密度が0.15ずつ増
加する21段のステップタブレット)を用いて測定し、
露光量は、ステップ段数が10段となる照射量に設定し
た。露光後、30分間放置し、30℃に保った0.5重
量%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、水洗し、乾燥さ
せ、高圧水銀灯(オーク製作所製、HMW−201G
X)で、3J/cm2の後露光を行って、ガラス基板に光硬
化させた感光性樹脂組成物のパターンを形成した。光硬
化させた感光性樹脂組成物のパターンを形成したガラス
基板を、エポキシ樹脂に埋め込み、断面を研磨し、感光
性樹脂組成物のパターンの断面形状を光学顕微鏡にて黙
視で観察し、結果をパターン形状として表5に併せて示
した。
【0046】実験例15 実験例10と同様にして、ガラス基板に感光性エレメン
ト(I)からなるパターンを形成し、引き続いて、実験
例11と同様にして、ガラス基板に感光性エレメント
(II)からなるパターンを形成し、引き続いて、実験例
12と同様にして、ガラス基板に感光性エレメント(II
I)からなるパターンを順次形成することにより、各放
電空間ごとに、赤、緑及び青の蛍光体を含む感光性樹脂
組成物で塗り分けたパターンを形成した後、実験例10
と同様にして、感光性樹脂組成物のパターンの断面形状
を観察し、結果をパターン形状として表5に併せて示し
た。
【0047】
【表5】
【0048】実験例10〜13及び実験例15において
は、良好な形状のパターンのみが観察され、パターンの
欠損や現像残り等は観察されなかった。また、実験例1
4においては、感光性樹脂組成物が脱落した放電空間
が、一部観察され、感光性樹脂組成物のパターンの一部
が欠損していた。
【0049】実験例16〜19 実験例10と同様にして、表6に示した感光性エレメン
トをガラス基板に積層した後、支持体フィルムを剥離
し、積層後の加熱をしないで、ガラス基板に感光性樹脂
組成物層を形成した。この感光性樹脂組成物層を形成し
たガラス基板に、実験例10と同様にして、ガラス基板
に光硬化させた感光性樹脂組成物のパターンを形成し
た。光硬化させた感光性樹脂組成物のパターンを形成し
たガラス基板を、実験例10と同様にして、感光性樹脂
組成物のパターンの断面形状を観察し、結果をパターン
形状として表6に併せて示した。
【0050】実験例20 実験例16と同様にして、ガラス基板に感光性エレメン
ト(I)からなるパターンを形成し、引き続いて、実験
例17と同様にして、ガラス基板に感光性エレメント
(II)からなるパターンを形成し、引き続いて、実験例
18と同様にして、ガラス基板に感光性エレメント(II
I)からなるパターンを順次形成することにより、各放
電空間ごとに、赤、緑及び青の蛍光体を含む感光性樹脂
組成物で塗り分けたパターンを形成した後、実験例16
と同様にして、感光性樹脂組成物のパターンの断面形状
を観察し、結果をパターン形状として表6に併せて示し
た。
【0051】
【表6】
【0052】実験例16〜20においては、感光性樹脂
組成物が脱落した放電空間が、一部観察され、感光性樹
脂組成物のパターンの一部が欠損していた。
【0053】実験例21〜26 実験例10〜15で得られた、光硬化させた感光性樹脂
組成物のパターンを形成したガラス基板を、500℃で
10分間焼成することにより、有機物成分を除去して、
蛍光体のパターンを形成した後、蛍光体のパターンを形
成したガラス基板を、エポキシ樹脂に埋め込み、断面を
研磨し、蛍光体のパターンの断面形状を光学顕微鏡にて
黙視で観察し、結果を蛍光体の形状として表7に示し
た。なお、実験例21〜24及び実験例26の蛍光体層
の断面形状を図8に、実験例25の蛍光体層の断面形状
を図9に示した。
【0054】
【表7】
【0055】実験例21〜24及び実験例26において
は、蛍光体の欠損は観察されず、ガラス基板の場所に依
らず、常に、良好な形状の蛍光体層が観察された。ま
た、実験例25においては、蛍光体の欠損した放電空間
が観察され、蛍光体層が形成された放電空間では、蛍光
体の偏りが見られ、蛍光体層の形状が放電空間によって
異なっているのが観察された。
【0056】実験例27〜31 実験例16〜20で得られた、光硬化させた感光性樹脂
組成物のパターンを形成したガラス基板を、実験例21
と同様にして、蛍光体のパターンの断面形状を観察し、
結果を蛍光体の形状として表8に示した。なお、実験例
27〜31の蛍光体層の断面形状は、実験例25の蛍光
体層の断面形状と同様(図9)であった。
【0057】
【表8】
【0058】実験例27〜31においては、蛍光体の欠
損した放電空間が観察され、蛍光体層が形成された放電
空間では、蛍光体の偏りが見られ、蛍光体層の形状が放
電空間によって異なっているのが観察された。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の感光性樹脂組成物は、加
熱により、感光性樹脂組成物を流動化させることがで
き、大きな凹凸のあるガラス基板でも、凹凸によく追従
し、ガラス基板によく密着した、感光性樹脂組成物層の
形成が可能である。請求項2記載の感光性エレメント
は、バリアリブが形成された、ガラス基板のように大き
な凹凸がある基板全体にわたって、感光性樹脂組成物の
積層量の均一性に優れ、高精度で均一な形状の多色の蛍
光体層を、作業性よく形成できる。請求項3記載のプラ
ズマディスプレイパネルの背面板の製造法は、高精度で
均一な形状の多色の蛍光体層を、作業性よく形成でき、
高輝度で、輝度むらや色むらのない高品位な大画面PD
Pの背面板を、歩留まりよく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バリアリブの一例を示した模式図
【図2】バリアリブの一例を示した模式図
【図3】感光性樹脂組成物層の形成過程を示した模式図
【図4】ガラス基板に形成したバリアリブの形状を示し
た模式図
【図5】実験例1〜4の感光性樹脂組成物層の断面形状
を示した模式図
【図6】実験例5の感光性樹脂組成物層の断面形状を示
した模式図
【図7】実験例6〜9の感光性樹脂組成物層の断面形状
を示した模式図
【図8】実験例21〜24及び実験例26の蛍光体層の
断面形状を示した模式図
【図9】実験例25及び実験例27〜31の蛍光体層の
断面形状を示した模式図
【符号の説明】
1 基板 2 バリアリブ 3 セル状放電空間 4 ストライプ状放電空間 5 感光性樹脂組成物 5′感光性樹脂組成物が薄くなった部分 6 支持体フィルム 7 蛍光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/027 502 G03F 7/027 502 7/028 7/028 7/033 7/033 7/30 7/30 7/40 501 7/40 501 H01J 9/227 H01J 9/227 C 11/02 11/02 B (72)発明者 向 郁夫 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)フィルム性付与ポリマ 40〜8
    0重量部、(B)エチレン性不飽和結合を有する化合物
    20〜60重量部((A)成分及び(B)成分の総量
    が100重量部として)、(C)光重合反応開始剤
    0.01〜20重量部((A)成分及び(B)成分の総
    量100重量部に対して)及び(D)蛍光体 10〜3
    00重量部((A)成分及び(B)成分の総量100重
    量部に対して)を含み、120℃での粘度が、1〜20
    00Pa・secである感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感光性樹脂組成物の層
    を、支持体フィルム上に積層してなる感光性エレメン
    ト。
  3. 【請求項3】 電極及びバリアリブが形成されたガラス
    基板に、(イ)請求項2記載の感光性エレメントを積層
    する積層工程、(ロ)感光性エレメントにより、ガラス
    基板に積層された感光性樹脂組成物を、加熱する加熱工
    程、(ハ)前記感光性樹脂組成物に、活性光を像的に照
    射し、露光部を光硬化させる露光工程、(ニ)未露光部
    を、現像により除去する現像工程を繰り返して、ガラス
    基板にそれぞれ赤、緑及び青の蛍光体を含有する感光性
    樹脂組成物層からなる多色パターンを形成した後、
    (ホ)前記パターンを焼成する焼成工程を行い、ガラス
    基板に、赤、緑及び青の蛍光体層からなるパターンを形
    成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの
    背面板の製造法。
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