JPH1092312A - 感光性エレメント、これを用いた蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板 - Google Patents

感光性エレメント、これを用いた蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板

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JPH1092312A
JPH1092312A JP9008162A JP816297A JPH1092312A JP H1092312 A JPH1092312 A JP H1092312A JP 9008162 A JP9008162 A JP 9008162A JP 816297 A JP816297 A JP 816297A JP H1092312 A JPH1092312 A JP H1092312A
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JP
Japan
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phosphor
resin composition
photosensitive resin
composition layer
pattern
Prior art date
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Pending
Application number
JP9008162A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Hideyasu Tachiki
秀康 立木
Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Seiji Tai
誠司 田井
Yumiko Wada
有美子 和田
Seikichi Tanno
清吉 丹野
Hajime Kakumaru
肇 角丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高精度で均一な形状の蛍光体パターンを作業
性良く形成できる感光性エレメント、これを用いてパタ
ーンを形成できる蛍光体パターンの製造法、及びこの蛍
光体パターンを備えたプラズマディスプレイパネル用背
面板を提供する。 【解決手段】 支持体フィルム上に、熱可塑性樹脂層
3、その上に蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4を
有してなる感光性エレメント、(I)前記感光性エレメ
ントを、凹凸を有する基板の凹凸表面上に、蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層が接するように加熱圧着する
工程、(II)感光性樹脂組成物層に活性光線を像的に照
射する工程、(III)現像により感光性樹脂組成物層を
選択的に除去してパターンを形成する工程及び(IV)前
記パターンから焼成により不要分を除去して蛍光体パタ
ーンを形成する工程の各工程を含む蛍光体パターンの製
造法、及び前記蛍光体パターンを備えてなるプラズマデ
ィスプレイパネル用背面板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性エレメン
ト、これを用いた蛍光体パターンの製造法、蛍光体パタ
ーン及びプラズマディスプレイパネル用背面板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、平板ディスプレイの1つとし
て、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることに
よって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDPと記す)が知られている。PDPは、ガ
ラスからなる平板状の前面板と背面板とが互いに平行に
かつ対向して配設され、両者はその間に設けられたバリ
アリブにより一定の間隔に保持されており、前面板、背
面板及びバリアリブに囲まれた空間で放電する構造にな
っている。このような空間には、表示のための蛍光体が
塗布され、放電によって封入ガスから発生する紫外線に
よって蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認で
きるようになっている。
【0003】従来、この蛍光体を設ける方法としては、
各色蛍光体を分散させたスラリー液もしくはペーストを
スクリーン印刷等の印刷方法によって塗布する方法が提
案されており、特開平1−115027号公報、特開平
1−124929号公報、特開平1−124930号公
報、特開平2−155142号公報等に開示されてい
る。しかし、上記の蛍光体分散スラリー液は液状である
ため、蛍光体の沈澱等による分散不良が生じやすく、ま
たスラリー液に液状の感光性レジストを用いた場合に
は、暗反応の促進等により保存安定性が乏しくなる等の
欠点を有する。さらにスクリーン印刷等の印刷方法は印
刷精度に劣るため、将来的なPDPの大画面化への対応
は困難である等の問題がある。
【0004】これらの問題点の解決には、蛍光体を含有
させた感光性エレメント(感光性フィルムともいう)を
用いる方法が提案されている(特開平6−273925
号公報)。感光性エレメントを用いる方法とは、蛍光体
を含有する感光性樹脂層と支持体フィルムよりなる感光
性エレメントの蛍光体を含有する感光性樹脂層を、加熱
圧着(ラミネート)により前記PDP用基板の空間に埋
め込み、次に、ネガフィルムを用いて、写真法により紫
外線等の活性光で像的に露光し、その後、アルカリ水溶
液等の現像液で、未露光部分を除去し、さらに、焼成に
より不必要な有機成分を取り除いて、必要な部分のみに
蛍光体パターンを形成するものである。従って、前記P
DP用基板の空間に蛍光体パターンを形成する際には、
蛍光体の分散性を確認する必要はなく、また、蛍光体分
散スラリー液若しくはペーストに比べて保存安定性にも
優れている。さらに、写真法を用いるため、精度良く蛍
光体パターンを形成することができる。
【0005】しかし、従来の方法により感光性エレメン
トを使用して蛍光体を含有する感光性樹脂層を、ラミネ
ートにより前記PDP用基板の空間(セル内)に埋め込
むと、バリアリブ壁面及び空間底面上に蛍光体パターン
を均一な層厚、形状で形成することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、エッジフュージョンの抑制及びPDP用基板等の凹
凸を有する基板の空間への埋め込み性(PDP用基板の
バリアリブ壁面及びセル底面上における蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層の形成性)が優れ、高精度で均一
な形状の蛍光体パターンを作業性良く形成できる感光性
エレメントを提供するものである。請求項2記載の発明
は、請求項1記載の発明の効果に加えて、より作業性に
優れる感光性エレメントを提供するものである。
【0007】請求項3記載の発明は、作業性、環境安全
性及びPDP用基板等の凹凸を有する基板の空間への埋
め込み性(PDP用基板のバリアリブ壁面及びセル底面
上における蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の形成
性)が優れ、高精度で均一な形状の蛍光体パターンを形
成できる蛍光体パターンの製造法を提供するものであ
る。請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果
に加えて、より作業性に優れる蛍光体パターンの製造法
を提供するものである。請求項5記載の発明は、請求項
3記載の発明の効果に加えて、さらに膜べりの抑制に優
れる蛍光体パターンの製造法を提供するものである。請
求項6記載の発明は、請求項3、4又は5記載の発明の
効果に加えて、より作業性に優れる蛍光体パターンの製
造法を提供するものである。請求項7記載の発明は、高
精度で均一な形状で輝度の優れた蛍光体パターンを提供
するものである。請求項8記載の発明は、高精度で均一
な形状で輝度の優れた蛍光体パターンを備えたプラズマ
ディスプレイパネル用背面板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体フィル
ム上に、(A)熱可塑性樹脂層を有し、その上に(B)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を有してなる感光
性エレメントに関する。また、本発明は、(B)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層が、(a)フィルム性付
与ポリマ、(b)エチレン性不飽和基を有する光重合性
不飽和化合物、(c)活性光の照射により遊離ラジカル
を生成する光開始剤及び(d)蛍光体を含むものである
前記感光性エレメントに関する。
【0009】また、本発明は、(I)前記感光性エレメ
ントを、凹凸を有する基板の凹凸表面上に、(B)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層が接するように加熱圧
着する工程、(II)感光性樹脂組成物層に活性光線を像
的に照射する工程、(III)現像により感光性樹脂組成
物層を選択的に除去してパターンを形成する工程及び
(IV)前記パターンから焼成により不要分を除去して蛍
光体パターンを形成する工程の各工程を含むことを特徴
とする蛍光体パターンの製造法に関する。また、本発明
は、(I)〜(III)の各工程を繰り返して、赤、緑及
び青に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層か
らなる多色のパターンを形成した後、(IV)の工程を行
ない多色の蛍光体パターンを形成する前記蛍光体パター
ンの製造法に関する。また、本発明は、(I)〜(IV)
の各工程を繰り返して、赤、緑及び青に発色する多色の
蛍光体パターンを形成する前記蛍光体パターンの製造法
に関する。また、本発明は、(III)現像により感光性
樹脂組成物層を選択的に除去してパターンを形成する工
程において、(A)層及び(B)層が、同一の現像液を
使用して現像する前記蛍光体パターンの製造法に関す
る。
【0010】また、本発明は、前記蛍光体パターンの製
造法により製造された蛍光体パターンに関する。また、
本発明は、プラズマディスプレイパネル用基板上に前記
蛍光体パターンを備えてなるプラズマディスプレイパネ
ル用背面板に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の感光性エレメントは、支
持体フィルム上に、(A)熱可塑性樹脂層を有し、その
上に(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を有す
るものである。
【0012】本発明における支持体フィルムとしては、
化学的及び熱的に安定であり、また、可とう性の物質で
構成された、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙
げられ、その中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが
より好ましい。支持体フィルムは、後に(A)熱可塑性
樹脂層から除去可能でなくてはならないため、除去が不
可能となるような表面処理が施されたものであったり、
材質であったりしてはならない。支持体フィルムの厚さ
は、5〜100μmとすることが好ましく、10〜80
μmとすることよりが好ましく、10〜30μmとする
ことが特に好ましい。
【0013】本発明における(A)熱可塑性樹脂層を構
成する樹脂としては、加熱圧着時の温度で軟化するもの
であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、エ
チレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸
エステルの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合
体、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステルとの共重合体、ビニルトルエンとアクリル酸エス
テル又はメタクリル酸エステルとの共重合体、ポリビニ
ルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エステル又はポリ
メタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ酢酸ビニルの
加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の加水
分解物、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体の
加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体の加
水分解物、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルとの共重合体の加水分解物、ビニルトルエ
ンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの
共重合体の加水分解物等)、カルボキシアルキルセルロ
ースの水溶性塩、ヒドロキシプロピルセルロース等の水
溶性セルロース類、水溶性セルロースエーテル類、カル
ボキシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニルピロリド
ン、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単
量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を
有する樹脂などが挙げられる。
【0014】また、本発明における(A)熱可塑性樹脂
層は、混色防止、作業性の向上、膜べりの抑制等の点か
ら、(e)熱可塑性樹脂、(f)末端にエチレン性不飽
和基を有する光重合性不飽和化合物及び(g)活性光の
照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤を含有して
なる感光性樹脂組成物により構成することもできる。
【0015】(e)熱可塑性樹脂としては、前記した
(A)熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として使用可能な
樹脂及び後述する(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層を構成する感光性樹脂組成物に使用可能な(a)
フィルム性付与ポリマを使用することができる。
【0016】(f)末端にエチレン性不飽和基を有する
光重合性不飽和化合物としては、後述する(B)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組
成物に使用可能な(b)末端にエチレン性不飽和基を有
する光重合性不飽和化合物を使用することができる。
【0017】(g)活性光の照射により遊離ラジカルを
生成する光開始剤としては、後述する(B)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物
に使用可能な(c)活性光の照射により遊離ラジカルを
生成する光開始剤を使用することができる。
【0018】(e)成分の配合量は、(e)成分及び
(f)成分の総量が100重量部として、10〜90重
量部とすることが好ましく、20〜80重量部とするこ
とがより好ましい。この配合量が、10重量部未満で
は、感光性エレメントとした場合に、感光性樹脂組成物
が流動によって端部からしみ出したり、フィルム形成性
が低下する等の傾向があり、90重量部を超えると、感
度が不充分となる傾向がある。
【0019】(f)成分の配合量は、(e)成分及び
(f)成分の総量が100重量部として、10〜90重
量部とすることが好ましく、20〜80重量部とするこ
とがより好ましい。この配合量が、10重量部未満で
は、感度が不充分となる傾向があり、90重量部を超え
ると、感光性エレメントとした場合に、流動によって端
部からしみ出したり、フィルム形成性が低下する等の傾
向がある。
【0020】(g)成分の配合量は、(e)成分及び
(f)成分の総量100重量部に対して、0.01〜3
0重量部とすることが好ましく、0.1〜20重量部と
することがより好ましい。この配合量が、0.01重量
部未満では、感度が不充分となる傾向があり、30重量
部を超えると、露光表面での活性光の吸収が増大して、
内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0021】また、(A)熱可塑性樹脂層は、後述する
現像工程において、(A)熱可塑性樹脂層及び(B)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層が、同一の現像液を
使用して現像できるものであることが、工程を少なくで
きる点から好ましい。同一の現像液で現像できるものと
しては、水又はアルカリ水溶液に可溶なものが挙げられ
る。
【0022】水又はアルカリ水溶液に可溶な(A)熱可
塑性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリビニ
ルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エステル又はポリ
メタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ酢酸ビニルの
加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の加水
分解物、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体の
加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体の加
水分解物、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルとの共重合体の加水分解物、ビニルトルエ
ンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの
共重合体の加水分解物等)、カルボキシアルキルセルロ
ースの水溶性塩、ヒドロキシプロピルセルロース等の水
溶性セルロース類、水溶性セルロースエーテル類、カル
ボキシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニルピロリド
ン、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単
量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を
有する樹脂などが挙げられる。
【0023】不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な
不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキ
シル基を有する樹脂としては、例えば、不飽和カルボン
酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等)と、後述する(B)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を構成する(a)フィルム性付与
ポリマに使用可能なビニル単量体とを共重合して得られ
るビニル共重合体などを使用することが好ましい。不飽
和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共
重合することにより得られるカルボキシル基を有する樹
脂は、重量平均分子量が、5,000〜300,000
とすることが好ましく、20,000〜150,000
とすることがより好ましい。この重量平均分子量が、
5,000未満では、感光性エレメントとした場合にフ
ィルム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、30
0,000を超えると、現像性(不要部が現像により、
容易に除去できる性質)が低下する傾向がある。なお、
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用い
て換算した値である。
【0024】また、アルカリ水溶液に可溶な(A)熱可
塑性樹脂層として、公知の各種現像液により現像可能と
なるように、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な
不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキ
シル基を有する樹脂のカルボキシル基含有率(酸価(mg
KOH/g)で規定できる)を適宜調整することができる。
例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ水
溶液を用いて現像する場合には、酸価が、90〜260
とすることが好ましい。この酸価が、90未満では、現
像が困難となる傾向があり、260を超えると、耐現像
液性(現像により除去されずに残りパターンとなる部分
が、現像液によって侵されない性質)が低下する傾向が
ある。また、アルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とか
らなる水系現像液を用いて現像する場合には、酸価を、
16〜260とすることが好ましい。この酸価が、16
未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超え
ると、耐現像液性が低下する傾向がある。また、水と水
に溶解しない一種以上の有機溶剤とからなるエマルジョ
ン現像液を用いて現像する場合及び1,1,1−トリク
ロロエタン等の有機溶剤現像液を用いる場合には、カル
ボキシル基を含有しなくてもよい。
【0025】また、(A)熱可塑性樹脂層のフィルム性
を良好なものとするために、上記した(A)熱可塑性樹
脂層を構成する樹脂中に、可塑剤を添加することができ
る。可塑剤としては、ポリプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチ
ルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォ
スフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフ
ェニルジフェニルフォスフェート等が挙げられる。
【0026】また、一般式(I)
【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、Y1は水素
原子、置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基又は
置換基を有していてもよいポリアルキレングリコール残
基を示し、Y2は水酸基、置換基を有していてもよい飽
和の炭化水素基又は置換基を有していてもよいポリアル
キレングリコール残基を示し、aは1〜20の整数であ
る)で表される化合物等も可塑剤として使用することも
できる。
【0027】本発明における支持体フィルム上に(A)
熱可塑性樹脂層を設ける方法としては、前記(A)熱可
塑性樹脂層を構成する樹脂を、これを溶解する溶剤に、
溶解又は混合させることにより、均一な溶液とし、前記
した支持体フィルム上に、ナイフコート法、ロールコー
ト法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコー
ト法、カーテンコート法等の公知の塗布方法を用いて、
塗布、乾燥することにより形成することができる。
(A)熱可塑性樹脂層を構成する樹脂を溶解する溶剤と
しては、例えば、水、トルエン、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、γ−ブチルラクトン、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルス
ルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、クロロホルム、
塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等
が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0028】本発明における(A)熱可塑性樹脂層の厚
さは、特に制限はないが、凹凸を有する基板の凹部内面
への埋め込み性等の点から、10〜200μmとするこ
とが好ましく、20〜100μmとすることがより好ま
しい。本発明における(A)熱可塑性樹脂層は、100
℃での粘度が1〜1×107Pa・secであることが好まし
く、2〜1×106Pa・secであることがより好ましく、
5〜1×105Pa・secであることが特に好ましく、10
〜1×104Pa・secであることが極めて好ましい。この
100℃での粘度が、1Pa・sec未満では、室温での粘度
が低くなりすぎてフィルムとした場合に、(A)熱可塑
性樹脂層が流動により端部から滲み出す傾向があり、フ
ィルム形成性が低下する傾向がある。また、1×107P
a・secを超えると、後述する凹凸を有する基板の凹部内
面への(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の形
成性が低下する傾向がある。
【0029】本発明における(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層としては、蛍光体を必須成分とする感
光性樹脂組成物を含む層であれば特に制限はないが、作
業性の点から、例えば、(a)フィルム性付与ポリマ、
(b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽
和化合物、(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生
成する光開始剤及び(d)蛍光体を含む層等が好ましい
ものとして挙げられる。
【0030】本発明における(a)フィルム性付与ポリ
マとしては、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合
体に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロ
ピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチ
ル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチ
ル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチ
ル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、
メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸
オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、ア
クリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシ
ル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシ
ル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシ
ル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシ
ル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メ
タクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタ
クリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチ
ル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタク
リル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレン
グリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコー
ル、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタ
クリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸
メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキ
シトリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノ
エチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプ
ロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリ
ル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチ
ル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−
フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタク
リル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビ
ニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは単
独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0031】また、本発明における(a)フィルム性付
与ポリマとしては、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリ
アクリル酸エステル又はポリメタクリル酸エステルの加
水分解物、ポリ酢酸ビニルの加水分解物、エチレンと酢
酸ビニルとの共重合体の加水分解物、エチレンとアクリ
ル酸エステルとの共重合体の加水分解物、塩化ビニルと
酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、スチレンとアク
リル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体
の加水分解物、ビニルトルエンとアクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物
等)、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、ヒド
ロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース類、ヒ
ドロキシプロピレンオキシセルロース等の水溶性セルロ
ースエーテル類、カルボキシアルキルでん粉の水溶性
塩、ポリビニルピロリドン等を使用することもできる。
【0032】本発明における(a)フィルム性付与ポリ
マの重量平均分子量は、5,000〜300,000と
することが好ましく、20,000〜150,000と
することがより好ましい。この重量平均分子量が、5,
000未満では、感光性エレメントとした場合にフィル
ム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、300,
000を超えると、現像性(不要部が現像により、容易
に除去できる性質)が低下する傾向がある。
【0033】また、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層が、公知の各種現像液により現像可能となるよ
うに、(a)フィルム性付与ポリマのカルボキシル基含
有率(酸価(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整する
ことができる。例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウ
ム等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価
を、90〜26とすることが好ましい。この酸価が、9
0未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超
えると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパタ
ーンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)が
低下する傾向がある。また、水又はアルカリ水溶液と一
種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像す
る場合には、酸価を、16〜260とすることが好まし
い。この酸価が、16未満では、現像が困難となる傾向
があり、260を超えると、耐現像液性が低下する傾向
がある。さらに、水と水に溶解しない一種以上の有機溶
剤とからなる現像液(エマルジョン現像液)を用いて現
像する場合及び1,1,1−トリクロロエタン等の有機
溶剤現像液を用いる場合には、カルボキシル基を含有し
なくてもよい。
【0034】本発明における(b)エチレン性不飽和基
を有する光重合性不飽和化合物としては、従来、光重合
性多官能モノマとして知られているものを全て用いるこ
とができる。例えば、下記一般式(II)
【化2】 (式中、R2は水素原子又はメチル基を示し、kは1〜
10の整数であり、Y3は置換基を有していてもよい飽
和又は不飽和の炭化水素基又は複素環残基若しくはポリ
アルキレングリコール残基、
【化3】 (式中、R3及びR4は各々独立に水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基又はトリフルオロメチル基を示
し、R5及びR6は各々独立に炭素数1〜6のアルキレン
基を示し、m及びnは各々独立に1〜20の整数を示
す)を示す)で表される化合物等が挙げられる。
【0035】一般式(II)中、Y3で示される置換基を
有していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素残基又は複
素環残基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、カルボキシル基等の置換基を有してい
てもよい炭素数1〜22の直鎖、分岐若しくは脂環状の
アルカン残基(メタン残基、エタン残基、プロパン残
基、シクロプロパン残基、ブタン残基、イソブタン残
基、シクロブタン残基、ペンタン残基、イソペンタン残
基、ネオペンタン残基、シクロペンタン残基、ヘキサン
残基、シクロヘキサン残基、ヘプタン残基、シクロヘプ
タン残基、オクタン残基、ノナン残基、デカン残基
等)、芳香族環残基(ベンゼン残基、ナフタレン残基、
アントラセン残基、ビフェニル残基、ターフェニル残基
等)、複素環残基(フラン残基、チオフェン残基、ピロ
ール残基、オキサゾール残基、チアゾール残基、イミダ
ゾール残基、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン
残基、トリアジン残基、キノリン残基、キノキサリン残
基等)などが挙げられる。
【0036】具体的には、一個の不飽和結合を有する単
量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸の
エステル系モノマ(アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリ
ル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル
酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸
sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸te
rt−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペ
ンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリ
ル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタ
クリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノ
ニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テト
ラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキ
サデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オク
タデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイ
コシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシ
ル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチ
ル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シク
ロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸
ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチ
ル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチル
アミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、ア
クリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタ
クリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエ
チル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2
−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、アク
リル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メ
トキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプ
ロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレ
ングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコ
ール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール
等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モ
ノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビ
ニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル
系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等)、1−(メタクリロイロキシエトキシカルボニル)
−2−(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカ
ルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0037】二個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサ
プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタ
クリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチ
レングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリ
レート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメ
チロールプロパンジメタクリレート、ビスフェノールA
ジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、
2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタ
クリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン
2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル
ジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ルジメタクリレート、ウレタンジアクリレート化合物等
が挙げられる。
【0038】三個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド
変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルトリメタクリレート等が挙げられる。四個の不飽和結
合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロール
プロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパ
ンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート等が挙げられる。
【0039】五個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が
挙げられる。六個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が
挙げられる。これらの末端にエチレン性不飽和結合を有
する単量体は、いずれにしても、光照射によりラジカル
重合するものであればよく、単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。
【0040】また、本発明における(B)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層は、蛍光体パターンの作製時
に、焼成により不要分を除去する必要があるため、前記
した(b)エチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和
化合物の中から、熱分解性が良好な、ポリエチレングリ
コールジメタクリレートがより好ましい。また、後述す
る蛍光体パターンの作製時に、焼成により不要成分を除
去する必要があるため、本発明における(B)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成
物の内、後述する(d)蛍光体及び結着剤以外の感光性
樹脂組成物は、熱分解性が良好なものである必要がある
ため、この(d)蛍光体及び結着剤以外の感光性樹脂組
成物には、これを構成する元素として、炭素、水素、酸
素及び窒素以外のものを含まないことが好ましい。
【0041】本発明における(c)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤としては、例えば、芳
香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル
−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケト
ン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベ
ンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェ
ニル−ケトン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベ
ンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル
等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイ
ン等)、ベンジル誘導体(2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−
1、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)
−2−モルフォリノプロパノン−1、2,2−ジメトキ
シ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンジルジ
メチルケタール等)、2,4,5−トリアリールイミダ
ゾール二量体(2−(o−クロロフェニル)−4,5−
ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェ
ニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾ
ール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−
フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−
5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二
量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジ
ン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン
等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0042】本発明における(d)蛍光体としては、特
に限定はなく、通常の金属酸化物を主体とするものが使
用できる。赤色発色の蛍光体としては、例えば、Y22
S:Eu、Zn3(PO4)2:Mn、Y23:Eu、YV
4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、γ−Zn3(PO4)
2:Mn、(ZnCd)S:Ag+In2O等が挙げられ
る。緑色発色の蛍光体としては、例えば、ZnS:C
u、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Cu+Zn2Si
4:Mn、Gd22S:Tb、Y3Al512:Ce、
ZnS:Cu,Al、Y22S:Tb、ZnO:Zn、
ZnS:Cu,Al+In23、LaPO4:Ce,T
b、BaO・6Al23:Mn等が挙げられる。青色発
色の蛍光体としては、例えば、ZnS:Ag、ZnS:
Ag,Al、ZnS:Ag,Ga,Al、ZnS:A
g,Cu,Ga,Cl、ZnS:Ag+In23、Ca
259Cl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(P
4)6Cl2:Eu2+、S10(PO4)6Cl2:Eu2+、B
aMgAl1017:Eu2+、BaMgAl1423:Eu
2+、BaMgAl1626:Eu2+等が挙げられる。
【0043】本発明における(d)蛍光体の粒径は、
0.1〜20μmであることが好ましく、1〜15μm
であることがより好ましく、2〜8μmであることが特
に好ましい。この粒径が0.1μm未満では、発光効率
が低下する傾向があり、また、20μmを超えると、分
散性が低下する傾向がある。また、本発明における
(d)蛍光体の形状としては、球形であることが好まし
く、その表面積はより小さい方が好ましい。
【0044】本発明における(a)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量を100重量部とし
て、10〜90重量部とすることが好ましく、20〜8
0重量部とすることがより好ましい。この配合量が、1
0重量部未満では、感光性エレメントとしてロール状で
供給した場合、蛍光体含有感光性樹脂がロール端部から
しみ出す(以下エッジフュージョンと記す)ことによ
り、感光性エレメントのラミネート時にロールからの繰
り出しが困難となり、またしみ出した部分がPDP用基
板の空間に部分的に過剰に埋め込まれ、製造歩留りが著
しく低下する等の問題が生じたり、フィルム形成性が低
下する傾向があり、90重量部を超えると、感度が不充
分となる傾向がある。
【0045】本発明における(b)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量を100重量部とし
て、10〜90重量部とすることが好ましく、20〜8
0重量部とすることがより好ましい。この配合量が、1
0重量部未満では、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
の感度が不充分となる傾向があり、90重量部を超える
と、光硬化物が脆くなる傾向があり、また、感光性エレ
メントとした場合に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物が流動によって端部からしみ出したり、フィルム形成
性が低下する傾向がある。
【0046】本発明における(c)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対し
て、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.
1〜20重量部とすることがより好ましい。この配合量
が、0.01重量部未満では、蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物の感度が不充分となる傾向があり、30重量
部を超えると、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の露
光表面での活性光の吸収が増大して、内部の光硬化が不
充分となる傾向がある。
【0047】本発明における(d)成分の配合量は、
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の総量100重
量部に対して、10〜300重量部とすることが好まし
く、50〜250重量部とすることがより好ましく、7
0〜200重量部とすることが特に好ましい。この配合
量が、10重量部未満では、PDPとして発光させた場
合に発光効率が低下する傾向があり、300重量部を超
えると、感光性エレメントとした場合に、フィルム形成
性が低下したり、可とう性が低下する傾向がある。
【0048】本発明における(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、長
期間増粘を起こさず、貯蔵安定性を良好にするために、
カルボキシル基を有する化合物を含有させることができ
る。カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂肪族二塩基酸、芳香族二
塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基酸等が挙げられ
る。
【0049】具体的には、例えば、ぎ酸、酢酸、クロロ
酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘ
プタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジ
ン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノレン酸、リノール酸、しゅう酸、マロン酸、メ
チルマロン酸、エチルマロン酸、マロン酸モノメチル、
マロン酸モノエチル、こはく酸、メチルこはく酸、アジ
ピン酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト
酸、クエン酸、サリチル酸、ピルビン酸、リンゴ酸等が
挙げられる。中でも、増粘を抑制する効果が高い点か
ら、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロ
ン酸、クエン酸等が好ましく、しゅう酸、マロン酸、ク
エン酸等がより好ましい。これらは単独で又は2種類以
上組み合わせて使用される。
【0050】カルボキシル基を有する化合物の配合量
は、(a)成分100重量部に対して、0.01〜30
重量部とすることが好ましい。この配合量が、0.01
重量部未満では、保存安定性の効果が低くなる傾向があ
り、30重量部を超えると、感度が不充分となる傾向が
ある。
【0051】本発明における(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、蛍
光体の分散を良好とするために、分散剤を添加すること
が好ましい。分散剤としては、無機分散剤(シリカゲル
系、ベントナイト系、カオリナイト系、タルク系、ヘク
トライト系、モンモリロナイト系、サポナイト系、バイ
デライト系等)、有機分散剤(脂肪族アマイド系、脂肪
族エステル系、酸化ポリエチレン系、硫酸エステル系ア
ニオン活性剤、ポリカルボン酸アミン塩系、ポリカルボ
ン酸系、ポリアマイド系、高分子ポリエーテル系、アク
リル共重合物系、特殊シリコン系等)等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0052】分散剤の使用量としては、特に制限はな
く、(a)成分100重量部に対して、0.01〜10
0重量部とすることが好ましい。この使用量が、0.0
1重量部未満では、添加効果が発現しない傾向があり、
100重量部を超えると、パターン形成精度(蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物からなるパターンを、現像
後、寸法的に正確に、所望の形状で得られる性質)が低
下する傾向がある。
【0053】本発明における(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、焼
成後、PDP用基板から蛍光体が剥離しないようにする
ために、結着剤を使用することが好ましい。結着剤とし
ては、例えば、低融点ガラス、金属アルコキシド、シラ
ンカップリング剤等が挙げられる。これらは単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。結着剤の使用量
としては、特に制限はなく、(d)成分100重量部に
対して、0.01〜100重量部とすることが好まし
く、0.05〜50重量部とすることがより好ましく、
0.1〜30重量部とすることが特に好ましい。この使
用量が、0.01重量部未満では、蛍光体の結着効果が
発現しない傾向があり、100重量部を超えると、発光
効率が低下する傾向がある。
【0054】また、本発明における(B)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物に
は、染料、発色剤、可塑剤、顔料、重合禁止剤、表面改
質剤、安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤等を必要に応じ
て添加することができる。
【0055】本発明の感光性エレメントは、(B)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する前記各成分
を溶解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させること
により、均一に分散した溶液とし、前記で設けた(A)
熱可塑性樹脂層の上に、塗布、乾燥することにより得る
ことができる。(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層を構成する前記各成分を溶解又は分散可能な溶剤と
しては、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩化
メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等があ
げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせ
て使用される。
【0056】塗布方法としては、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、
スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、
カーテンコート法等が挙げられる。乾燥温度は、60〜
130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、3分〜1
時間とすることが好ましい。また、この塗布工程におい
て、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成
する前記各成分を溶解又は分散可能な溶剤に、溶解又は
混合させることにより、均一に分散した溶液と接触する
部分の塗布装置の材質は、非金属性の材質であることが
好ましい。この(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層を構成する溶液と接触する部分の塗布装置の材質が
金属である場合には、(B)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層を構成する溶液中の蛍光体によって、これと
接触する塗布装置が研磨され、この研磨粉が(B)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する溶液中に不
純物として混入する傾向がある。
【0057】本発明における(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層の厚さは、特に制限はないが、10〜
200μmとすることが好ましく、20〜120μmと
することがより好ましく、30〜80μmとすることが
特に好ましい。この厚さが、10μm未満では、後述す
る焼成後の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率が低下
する傾向があり、200μmを超えると、焼成後の蛍光
体パターンが厚くなり、蛍光面の発光面積が縮小して発
光効率が低下する傾向がある。
【0058】本発明における(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層は、100℃での粘度が1〜1×10
9Pa・secであることが好ましく、1〜1×107Pa・secで
あることがより好ましく、2〜1×106Pa・secである
ことがより好ましく、5〜1×105Pa・secであること
が特に好ましく、10〜1×104Pa・secであることが
極めて好ましい。この100℃での粘度が、1Pa・sec未
満では、室温での粘度が低くなりすぎて感光性エレメン
トとした場合に、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層が流動により端部から滲み出す傾向があり、フィ
ルム形成性が低下する傾向がある。また、1×109Pa・
secを超えると、後述する凹凸を有する基板の凹部内面
への(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の形成
性が低下する傾向がある。
【0059】また、本発明において、(B)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層の感度は、21段ステップタ
ブレットで1〜21段であることが好ましく、1.5〜
18段であることがより好ましく、2〜15段であるこ
とが特に好ましい。また、本発明において、(B)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層の解像度は、最小のラ
イン/スペースが、1mm/1mm以下であることが好まし
く、900μm/900μm以下であることがより好ま
しく、800μm/800μmであることが特に好まし
い。また、本発明において、(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層の密着性は、最小のライン/スペース
が、400μm/400μm以下であることが好まし
く、350μm/400μm以下であることがより好ま
しく、300μm/400μmであることが特に好まし
い。ここで、感度、解像度及び密着性を上記の好ましい
範囲とすることは、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物の各成分の種類と量、活性光線の種類と照射量等
を調節することにより達成できる。
【0060】本発明における(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層の上には、さらに剥離可能なカバーフ
ィルムを積層することができる。カバーフィルムとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート等が挙げられ、支持体フ
ィルムと(A)熱可塑性樹脂層との接着力よりも、カバ
ーフィルムと(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層との接着力の方が小さいものであることが好ましい。
カバーフィルムの厚さは、特に制限はないが、5〜10
0μmとすることが好ましく、10〜90μmとするこ
とがより好ましい。このようにして得られる本発明の感
光性エレメントは、ロール状に巻いて保管可能とするこ
とができる。
【0061】また、本発明の感光性エレメントは、
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
前記各成分を溶解又は分散可能な前記溶剤に、溶解又は
混合させることにより、均一に分散した溶液を、前記し
た支持体フィルム上に、ナイフコート法、ロールコート
法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート
法、カーテンコート法等の公知の塗布方法を用いて、塗
布、乾燥することにより(B)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を形成した後、この(B)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層と前記支持体フィルム上に設けた
(A)熱可塑性樹脂層が接するように張り合わせること
により得ることもできる。この時、(B)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層の厚さは、特に制限はないが、
10〜200μmとすることが好ましく、20〜120
μmとすることがより好ましく、30〜80μmとする
ことが特に好ましい。この厚さが、10μm未満では、
後述する焼成後の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率
が低下する傾向があり、200μmを超えると、焼成後
の蛍光体パターンが厚くなり、蛍光面の発光面積が縮小
して発光効率が低下する傾向がある。
【0062】また、(A)熱可塑性樹脂層及び(B)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層に使用するそれぞれ
の支持体フィルムは、(A)熱可塑性樹脂層の支持体フ
ィルムと(A)熱可塑性樹脂層との接着力よりも、
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の支持体フ
ィルムと(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層と
の接着力の方が小さいものであることが好ましい。この
ようにして得られる本発明の感光性エレメントは、ロー
ル状に巻いて保管可能とすることができる。
【0063】本発明の蛍光体パターンの製造法は、
(I)前記本発明の感光性エレメントを、凹凸を有する
基板の凹凸表面上に、(B)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層が接するように加熱圧着する工程、(II)感
光性樹脂組成物層に活性光線を像的に照射する工程、
(III)現像により感光性樹脂組成物層を選択的に除去
してパターンを形成する工程及び(IV)前記パターンか
ら焼成により不要分を除去して蛍光体パターンを形成す
る工程の各工程を含むことを特徴とする。
【0064】以下、本発明の蛍光体パターンの製造法の
各工程について、図1及び図2を用いて詳述する。な
お、図1及び図2は、本発明の蛍光体パターンの製造法
の各工程を示した模式図である。
【0065】〔(I)前記本発明の感光性エレメント
を、凹凸を有する基板の凹凸表面上に、(B)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層が接するように加熱圧着す
る工程〕バリアリブ2が形成されたプラズマディスプレ
イパネル用基板(PDP用基板)1(凹凸を有する基
板)の凹凸表面上に、(A)熱可塑性樹脂層3及び
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4を含む本
発明の感光性エレメントを、加熱ロール5を用いて加熱
圧着して積層させた状態を図1(I)に示した。
【0066】本発明における凹凸を有する基板として
は、例えば、バリアリブが形成されたプラズマディスプ
レイパネル用基板(PDP用基板)等が挙げられる。P
DP用基板としては、例えば、透明な接着のための表面
処理を施していてもよい、ガラス板、合成樹脂板等の基
板に、電極及びバリアリブが形成されたものなどが挙げ
られる。バリアリブの形成には、特に制限なく、公知の
材料を使用できるが、例えば、シリカ、熱硬化性樹脂、
低融点ガラス(酸化鉛等)、溶剤などを含むリブ材を用
いることができる。また、PDP用基板には、電極及び
バリアリブの他に、必要に応じて、誘電膜、絶縁膜、補
助電極、抵抗体等が形成されていてもよい。これらのも
のを、基板へ形成する方法としては、特に制限はなく、
例えば、基板に、蒸着、スパッタリング、メッキ、塗
布、印刷等の方法で電極を形成することができ、印刷
法、サンドブラスト法、埋め込み法等の方法でバリアリ
ブを形成することができる。
【0067】図6及び図7にバリアリブが形成されたP
DP用基板の一例の模式図を示した。バリアリブは、通
常、高さが20〜500μm、幅が20〜200μmと
される。バリアリブで囲まれた放電空間の形状には、特
に制限はなく、格子状、ストライプ状、ハニカム状、3
角形状、楕円形状等が可能であるが、通常、図6及び図
7等に示すような、格子状又はストライプ状の放電空間
が形成される。図6及び図7において、基板1上にはバ
リアリブ2が形成されており、図6では格子状放電空間
9が、図7ではストライプ状放電空間10が形成されて
いる。放電空間の大きさは、PDPの大きさと解像度に
よって決められ、通常、図6のような格子状放電空間で
あれば、縦及び横の長さは、50μm〜1mmとなり、図
7のようなストライプ状放電空間であれば、間隔は、3
0μm〜1mmとなる。
【0068】図1(I)の工程において、バリアリブ2
が形成されたPDP用基板1上に、(A)熱可塑性樹脂
層3及び(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4
を含む本発明の感光性エレメントを積層させる方法とし
ては、例えば、感光性エレメントにカバーフィルムが存
在しているときは、そのカバーフィルム(支持体フィル
ム上に(A)熱可塑性樹脂層を形成したものと、支持体
フィルム上に(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を形成したものを張り合わせて得られた感光性エレメ
ントをを使用する場合は、(B)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層の支持体フィルム)を除去後、PDP用
基板のバリアリブを形成した面に、(B)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層4が接するように、加熱ロール
5で加熱圧着させること等により積層することができ
る。
【0069】この時の圧着圧力は、1×102〜1×1
7Paとすることが好ましく、5×102〜5×106Pa
とすることがより好ましく、1×104〜1×106Paと
することが特に好ましい。この圧着圧力が、1×102P
a未満では、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5が、PDP基板上に充分に密着できない傾向があ
り、1×107Paを超えると、PDP用基板のバリアリ
ブが破壊される傾向がある。圧着装置としてラミネータ
(シリンダ加圧)を用いる場合、上記の加熱圧着時の圧
着圧力は、線圧に換算すると、線圧で線圧で2.4〜
2.4×105N/mとすることが好ましく、12〜1.2
×105N/mとすることがより好ましく、2.4×102
〜2.4×104N/mとすることが特に好ましい。この圧
着圧力が、2.4N/m未満では、(B)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層5のPDP基板の凹部空間への埋
め込み性が低下する傾向があり、2.4×105N/mを超
えると、PDP用基板のバリアリブが破壊される傾向が
ある。例えば、ここで、線圧を5×103N/mとする方法
としては、シリンダ径が40mmφのラミネータを用い、
厚さが3mm、縦10cm×横10cm(正方形)の基板を用
いて、ラミネータのシリンダ圧力(常圧1atmが0であ
る)を、2kgf/cm2とすることにより、線圧を5×103
N/mとする方法、シリンダ径が40mmφのラミネータを
用い、厚さが3mm、縦20cm×横20cm(正方形)の基
板を用いて、ラミネータのシリンダ圧力(常圧1atmが
0である)を、4kgf/cm2とすることにより、線圧を5
×103N/mとする方法等が挙げられる。
【0070】加熱圧着時の加熱温度は、10〜130℃
とすることが好ましく、20〜120℃とすることがよ
り好ましく、30〜110℃とすることが特に好まし
い。この加熱温度が、10℃未満では、(B)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層4のPDP基板の空間への
埋め込み性が低下する傾向があり、130℃を超える
と、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4が熱
硬化する傾向がある。
【0071】(A)熱可塑性樹脂層3及び(B)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層4を含む本発明の感光性
エレメントを前記のように加熱すれば、PDP用基板を
予熱処理することは必要ではないが、(B)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層4の空間への埋め込み性をさ
らに向上させる点から、PDP用基板を予熱処理するこ
とが好ましい。この時の予熱温度は、30〜130℃と
することが好ましく、また、予熱時間は、0.5〜20
分間とすることが好ましい。また、(B)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層4の空間への埋め込み性をさら
に向上させる点から、上記圧着ロールの表面が、ゴム、
プラスチック等の柔軟性に富んだ材質のものを使用する
こともできる。なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さ
は、200〜400μmとすることが好ましい。
【0072】さらに、同様の目的で、4×103Pa以下
の減圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行うこ
ともできる。また、積層が完了した後、30〜150℃
の範囲で、1〜120分間加熱することもできる。この
時、(A)熱可塑性樹脂層3の上に支持体フィルムが存
在する場合には、その支持体フィルムを必要に応じて除
去してもよい。また、(B)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層4における(b)エチレン性不飽和基を有す
る光重合性不飽和化合物又は(c)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤が、(A)熱可塑性樹
脂層3へマイグレーションを起こしやすい場合には、こ
の現象を抑制するために、積層が完了した後、PDP用
基板を冷却(通常、−50〜50℃の範囲)することも
できる。このようにして、(B)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層4をPDP用基板の空間に均一に形成す
ることができる。
【0073】また、前記した加熱圧着時の加熱条件、圧
着圧力条件及びPDP用基板の予備加熱条件や、(A)
熱可塑性樹脂層3の膜厚等の各条件の組み合わせを変え
ることより、図3に示すような状態に積層することもで
きる。なお、図3は、本発明の蛍光体パターンの製造法
における、(I)工程終了後の一例である。
【0074】なお、感光性エレメントを積層させる前の
PDP用基板作製時において、加熱等により、PDP用
基板の全体又は部分的な収縮が発生する場合と、PDP
用基板の収縮がほとんど発生しない場合があり、PDP
用基板の全体又は部分的な収縮が発生する場合において
は、後述する(II)感光性樹脂組成物層に活性光線を像
的に照射する工程においての位置合わせ精度の裕度を大
きくする点から、図1(I)に示すように凸部の上部に
感光性樹脂組成物層4がほとんど残存しないように凹部
内面に積層させることが好ましく、また、PDP用基板
の収縮がほとんど発生しない場合においては、図1
(I)のように積層させてもよく、図3に示すように凸
部の上部に感光性樹脂組成物層4が残存する状態で積層
させてもよい。
【0075】〔(II)感光性樹脂組成物層に活性光線を
像的に照射する工程〕活性光線7を像的に照射する状態
を図1(II)に示した。図1(II)の工程において、活
性光線7を像的に照射する方法としては、図1(I)の
状態の(A)熱可塑性樹脂層3の上部に、ネガフィル
ム、ポジフィルム等のフォトマスク6を介して、活性光
線7を像的に照射することができる。この時、(A)熱
可塑性樹脂層3の上に支持体フィルムが存在する場合
は、その支持体フィルムを積層したまま活性光線7を像
的に照射してもよく、また、支持体フィルムを除去した
後に活性光線7を像的に照射してもよい。なお、この
時、(A)熱可塑性樹脂層3が、前記した感光性樹脂組
成物である場合には、(A)熱可塑性樹脂層3及び
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4は、同時
に光硬化することとなる。
【0076】また、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層4を溶解しない水、アルカリ水溶液、水系現像
液、有機溶剤等を用いて、(A)熱可塑性樹脂層3を溶
解により除去するか(B)熱可塑性樹脂層を剥離して除
去した後、ネガフィルム、ポジフィルム等フォトマスク
6を介して、活性光線7を像的に照射することもでき
る。
【0077】また、フォトマスク6の活性光線7の透過
幅は、通常、PDP用基板の凹部の開口幅であるが、前
記(I)の工程において、図1(I)のように積層させ
た場合は、PDP用基板の凹部の開口幅と同じ透過幅か
又はPDP用基板の凹部の開口幅よりも広い透過幅とす
ることが、位置合わせ精度の裕度を大きくできる点から
好ましい。
【0078】活性光線7としては、公知の活性光源が使
用でき、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キ
セノンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。
光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大で
あるので、その場合の活性光源は、紫外線を有効に放射
するものにすべきである。また、光開始剤が可視光線に
感受するもの、例えば、9、10−フェナンスレンキノ
ン等である場合には、活性光線7としては、可視光が用
いられ、その光源としては、前記のもの以外に写真用フ
ラッド電球、太陽ランプ等も使用することができる。ま
た、活性光線7としては、平行光線、散乱光線等が挙げ
られ、平行光線及び散乱光線のどちらを使用してもよ
く、両方を同時に使用してもよく、別々に前後して使用
してもよい。活性光線7の照射量は、特に制限はない
が、光硬化性等の点から、5〜10,000mJ/cm2とす
ることが好ましく、7〜5,000mJ/cm2とすることが
より好ましく、10〜1000mJ/cm2とすることが特に
好ましい。
【0079】〔(III)現像により感光性樹脂組成物層
を選択的に除去してパターンを形成する工程〕現像によ
り不要部を除去した状態を図1(III)に示した。な
お、図1(III)において、4′は光硬化後の蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層である。図1(III)の工
程において、現像方法としては、例えば、図1(II)の
状態の後、(A)熱可塑性樹脂層3の上に支持体フィル
ムが存在する場合には、これを除去した後、水、アルカ
リ水溶液、水系現像液、有機溶剤等の公知の現像液を用
いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピ
ング等の公知方法により現像を行い、不要部を除去する
方法等が挙げられる。
【0080】不要部を除去する場合には、まず、(B)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4を溶解しない
水、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤等を用い
て、(A)熱可塑性樹脂層3を溶解により除去した後
に、現像液を用いて、(B)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層4の不要部を除去してもよく、また、(A)
熱可塑性樹脂層3が、前記した(A)熱可塑性樹脂層3
及び(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4が、
同一の現像液を使用して現像できるものである場合に
は、その現像液を用いて、(A)熱可塑性樹脂層3及び
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4をまとめ
て除去することもできる。また、(A)熱可塑性樹脂層
3及び(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4の
不要部を除去する方法として、ドライ現像で、別々に除
去することもできるし、まとめて除去することもでき
る。なお、この時、(A)熱可塑性樹脂層3が、前記し
た感光性樹脂組成物である場合には、光硬化後の蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層4′の上部には、光硬化
後の熱可塑性樹脂層が残存することとなる。
【0081】現像時間及び現像温度は、不要部を除去で
きるように適宜調節することができ、現像時間は、
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4の最小現
像時間((B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を
PDP用基板の凹部内面に埋め込んだ後、(B)層が現
像によって除去される最短の時間)の1〜10倍の時間
とすることが好ましく、現像温度は、10〜60℃とす
ることが好ましい。現像時間が、最小現像時間未満で
は、現像残りが発生する傾向があり、最小現像時間の1
0倍の時間を超えると、(B)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層4の必要部まで除去される傾向がある。ま
た、現像温度が、10℃未満では、現像性が低下する傾
向があり、60℃を超えると、耐現像液性が低下する傾
向がある。
【0082】アルカリ水溶液の塩基としては、水酸化ア
ルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物
等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウ
ムの炭酸塩若しくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸
塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ
金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸
カリウム等)、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリ
エタノールアミンなどが挙げられ、中でも、炭酸ナトリ
ウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が好ましいも
のとして挙げられる。現像に用いるアルカリ水溶液のpH
は、9〜11とすることが好ましく、また、その温度
は、(A)熱可塑性樹脂層3及び(B)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層4の現像性に合わせて調整するこ
とができる。また、アルカリ水溶液中には、表面活性
剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等
を混入させることができる。
【0083】水系現像液としては、アルカリ水溶液と一
種以上の有機溶剤とからなるものが挙げられる。ここ
で、アルカリ水溶液の塩基としては、前記物質以外に、
例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、エタノールア
ミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−
アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオ
ール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン
等が挙げられる。水系現像液のpHは、8〜12とするこ
とが好ましく、9〜10とすることがより好ましい。
【0084】有機溶剤としては、例えば、三アセトンア
ルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアル
コキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
【0085】水と一種以上の有機溶剤とからなる水系現
像液(有機溶剤が水に溶解しない場合はエマルジョン溶
液)で、有機溶剤としては、例えば、アセトンアルコー
ル、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ
基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノプロピルエーテル、3-メチル-
3-メトキシブチルアセテート、1,1,1−トリクロ
ロエタン、N−メチルピロリドン、N、N−ジメチルホ
ルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケト
ン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらは単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤
の濃度は、通常、2〜90重量%の範囲とされ、また、
その温度は、現像性にあわせて調整することができる。
また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量
混入することができる。
【0086】単独で用いる有機溶剤現像液としては、例
えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロ
リドン、N、N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等
が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、
1〜20重量%の範囲で水を添加してもよい。また、
水、アルカリ水溶液、水系現像液(水と一種以上の有機
溶剤又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからな
るもの;これらは均一状態及びエマルジョンのどちらで
もよい)、有機溶剤等の公知の現像液中には、現像時の
蛍光体劣化防止の点で、アルカリ金属イオン以外の金属
イオン又はハロゲンイオンを含まないことが好ましい。
【0087】また、現像後、蛍光体の劣化を防止する目
的で、光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
4′及び(A)熱可塑性樹脂層3が、前記した感光性樹
脂組成物である場合には、光硬化後の熱可塑性樹脂層に
残存したアルカリ水溶液の塩基を、有機酸、無機酸又は
これらの酸水溶液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラ
ッシング、スクラッピング等の公知方法により酸処理
(中和処理)することができる。酸としては、例えば、
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂肪族二塩基酸、芳香族二
塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基酸等の有機酸及
び無機酸が挙げられる。
【0088】具体的な有機酸としては、例えば、ぎ酸、
酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プ
ロピオン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、
トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミ
チン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン
酸、アラキジン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、
エライジン酸、リノレン酸、リノール酸、しゅう酸、マ
ロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、マロン酸モ
ノメチル、マロン酸モノエチル、こはく酸、メチルこは
く酸、アジピン酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、イ
タコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ト
リメリト酸、クエン酸、サリチル酸、ピルビン酸、リン
ゴ酸等が挙げられる。また、具体的な無機酸としては、
例えば、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられる。これらのう
ち、中和の効果が高い点から、ぎ酸、しゅう酸、マロン
酸、クエン酸等が好ましいものとして挙げられる。
【0089】酸処理に用いる酸水溶液のpHは、2〜6と
することが好ましく、酸水溶液のpH及び温度は、光硬化
後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4′、(A)
熱可塑性樹脂層3が、前記した感光性樹脂組成物である
場合には、光硬化後の熱可塑性樹脂層及びPDP用基板
の耐酸性(酸に対して劣化しない耐久性)に合わせて調
整することができる。さらに、酸処理(中和処理)の
後、水洗する工程を行うこともできる。
【0090】また、現像後、PDP用基板の空間の表面
における蛍光体含有フォトレジストの密着性及び耐薬品
性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプ等による紫外
線照射や加熱を行うこともできる。この時の、紫外線の
照射量は、通常、0.2〜10J/cm2であり、照射の際
に、加熱を伴うこともできる。また、加熱時の温度は、
60〜180℃とすることが好ましく、100〜180
℃とすることがより好ましい。また、加熱時間は、15
〜90分間とすることが好ましい。これらの紫外線の照
射と加熱は、照射と加熱を別々に行ってもよく、どちら
を先に行ってもよい。
【0091】なお、図3に示すように凸部の上部に
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層4が残存す
る場合には、露光・現像条件及びフォトマスクの位置ず
れなどによって、本工程((III)工程)を行なうこと
により、凹部内面以外に残存した光硬化後の蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層(不要部)及び(A)熱可塑
性樹脂層が感光性樹脂組成物である場合には、光硬化後
の熱可塑性樹脂層(不要部)が残存する傾向がある。こ
の場合、凹部内面以外に残存した光硬化後の蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層(不要部)及び(A)熱可塑
性樹脂層が感光性樹脂組成物である場合には、光硬化後
の熱可塑性樹脂層(不要部)を研磨等により完全に除去
することもできる。また、前記研磨の代わりに、前記不
要部に粘着テープを接着した後、これを剥がし、不要部
のみを物理的に除去することもできる。また、このよう
な場合を想定して、後述する赤、緑及び青に発色する蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層からなる多色のパタ
ーンを形成後、後述する焼成工程前に、凸部の上部に酸
化鉄、酸化クロム、酸化銅などの黒色無機顔料及び低融
点ガラスフリット等を含む黒色無機材料ペーストを塗布
又は印刷あるいは、黒色無機材料含有感光性エレメント
を用いてブラックストライプを形成した後に、後述する
焼成を行うことができる。
【0092】〔(IV)前記パターンから焼成により不要
分を除去して蛍光体パターンを形成する工程〕焼成によ
り不要分を除去した後の蛍光体パターンを形成した状態
を図2(IV)に示した。なお、図2(IV)において、8
は蛍光体パターンである。図2(IV)の工程において、
焼成方法としては、特に制限はなく、公知の焼成方法を
使用し、蛍光体及び結着剤以外の不要物を除去し、蛍光
体パターンを形成することができる。この時の、焼成温
度は、350〜800℃とすることが好ましく、400
〜600℃とすることがより好ましい。また、焼成時間
は、3〜120分間とすることが好ましく、5〜90分
間とすることがより好ましい。この時の、昇温速度は、
0.5〜50℃/分とすることが好ましく、1〜45℃
/分とすることがより好ましい。また、最高焼成温度に
到達する前の350〜450℃の間に、その温度を保持
するステップを設けることができ、その保持時間は5〜
100分間とすることが好ましい。
【0093】本発明の蛍光体パターンの製造法は、工程
数を低減できる等の点から、前記本発明における(I)
〜(III)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色
及び青色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
からなる多色のパターンを形成した後、(IV)の工程を
行ない多色の蛍光体パターンを形成することが好まし
い。本発明において、赤色、青色、緑色に発色するそれ
ぞれの蛍光体を単独で有する(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層4は、赤色、青色、緑色の各色につい
て、どの様な順番でも行うことができる。
【0094】本発明における(I)〜(III)の各工程
を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発色する
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物からなる多色のパタ
ーンを形成した状態を図4に示した。なお、図4におい
て、4′aは1色目のパターン、4′bは2色目のパタ
ーン及び4′cは3色目のパターンである。また、本発
明における(IV)の工程を行ない多色の蛍光体パターン
を形成した状態を図5に示した。なお、図5において、
8aは1色目の蛍光体パターン、8bは2色目の蛍光体
パターン及び8cは3色目の蛍光体パターンである。
【0095】また、本発明の蛍光体パターンの製造法
は、膜べりの抑制等の点から、前記本発明における
(I)〜(IV)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、
緑色及び青色に発色する多色の蛍光体パターンを形成す
ることが好ましい。本発明の蛍光体パターンは、バリア
リブの高さをL(μm)としたとき、0.9×Lの位置
のバリアリブ壁面に形成された蛍光体パターンの層厚x
(μm)と0.4×Lの位置のバリアリブ壁面に形成さ
れた蛍光体パターンの層厚y(μm)の層厚比x/y
が、x/y=0.1〜1.5の範囲を満足するものであ
ることが輝度、光利用率等の点から好ましく、x/y=
0.15〜1.3の範囲であることがより好ましく、x
/y=0.2〜1.2の範囲であることが特に好まし
い。x/yが、0.1未満では、PDPとして発光させ
た場合に、広視野角からの視認における見かけの輝度が
低下する傾向があり、1.5を超えると、蛍光体が発光
した可視光の利用率が低下して、輝度が低下する傾向が
ある。
【0096】また、PDPとして発光させた場合に、蛍
光体が発光した可視光の利用率を、向上できる点から、
x/yが、x/y=0.1〜0.5の範囲であることが
好ましく、x/y=0.15〜0.45の範囲であるこ
とがより好ましく、x/y=0.2〜0.4の範囲であ
ることが特に好ましい。また、PDPとして発光させた
場合に、広視野角からの視認における見かけの輝度の低
下を抑制できる点から、x/yが、x/y=0.5〜
1.5の範囲であることが好ましく、x/y=0.55
〜1.3の範囲であることがより好ましく、x/y=
0.6〜1.2の範囲であることが特に好ましい。
【0097】本発明のプラズマディスプレイパネル用背
面板は、上述のようにして得られた蛍光パターンを、プ
ラズマディスプレイパネル用基板上に備えてなるもので
ある。以下に、プラズマディスプレイパネル用背面板に
ついて、図8を用いて説明する。なお、図8は、プラズ
マディスプレイパネル(PDP)の一例を示した模式図
であり、図8において1は基板、2はバリアリブ、10
はストライプ状放電空間、8は蛍光体パターン、11は
アドレス用電極、12は保護膜、13は誘電体層、14
は表示用電極及び15は前面板用基板である。図8にお
いて、基板1、バリアリブ2、蛍光体パターン8及びア
ドレス用電極11を含む下部がPDP用背面板であり、
保護膜12、誘電体層13、表示用電極14及び前面板
用基板15を含む上部がPDP用前面板である。PDP
は、電圧の印加方式から、AC(交流)型PDP、DC
(直流)型PDP等に分類でき、一例として示した図8
の模式図は、AC型PDPである。
【0098】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 製造例1 〔フィルム性付与ポリマの溶液(a−1)の作製〕撹拌
機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えた
フラスコに、表1に示すを仕込み、窒素ガス雰囲気下
で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちなが
ら、表1に示すを4時間かけて均一に滴下した。の
滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、重量平均分
子量が80,000、酸価が130mgKOH/gのフィルム
性付与ポリマの溶液(固形分45.5重量%)(a−
1)を得た。
【0099】
【表1】
【0100】製造例2 〔フィルム性付与ポリマの溶液(a−2)の作製〕製造
例1において、のメタクリル酸を4重量部に、メタク
リル酸メチルを86重量部に、アクリル酸エチルを10
重量部に代えた以外は、製造例1と同様にして、重量平
均分子量が80,000、酸価が26mgKOH/gのフィル
ム性付与ポリマの溶液(固形分45.5重量%)(a−
2)を得た。
【0101】製造例3 〔(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A−1)の作製〕表2
に示す材料を配合し、(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A
−1)を作製した。
【0102】
【表2】
【0103】製造例4 〔(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A−2)の作製〕表3
に示す材料を配合し、(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A
−2)を作製した。
【0104】
【表3】
【0105】製造例5 〔(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A−3)の作製〕表4
に示す材料を配合し、(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A
−3)を作製した。
【0106】
【表4】
【0107】製造例6 〔(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A−4)の作製〕表5
に示す材料を配合し、(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A
−4)を作製した。
【0108】
【表5】
【0109】製造例7 〔(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(B−1)の作製〕表6に示す材料を、ライカイ機を用
いて15分間混合し、(B)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層用溶液(B−1)を作製した。
【0110】
【表6】
【0111】製造例8 〔(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(B−2)の作製〕表7に示す材料を、ライカイ機を用
いて15分間混合し、(B)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層用溶液(B−2)を作製した。
【0112】
【表7】
【0113】製造例9 〔(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(B−3)の作製〕表8に示す材料を、ライカイ機を用
いて15分間混合し、(B)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層用溶液(B−3)を作製した。
【0114】
【表8】
【0115】製造例10 〔(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(B−4)の作製〕表9に示す材料を、ライカイ機を用
いて15分間混合し、(B)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層用溶液(B−4)を作製した。
【0116】
【表9】
【0117】製造例11 〔(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(B−5)の作製〕表10に示す材料を、ライカイ機を
用いて15分間混合し、(B)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層用溶液(B−5)を作製した。
【0118】
【表10】
【0119】〔感光性エレメントの作製〕 実施例1 製造例3で得られた(A)熱可塑性樹脂層用溶液(A−
1)を、20μmの厚さのポリエチレンテレフタレート
フィルム上に均一に塗布し、80〜110℃の熱風対流
式乾燥機で10分間乾燥して蒸留水を除去し、(A)熱
可塑性樹脂層を形成した。得られた(A)熱可塑性樹脂
層の乾燥後の厚さは、70μmであった。次いで、製造
例7で得られた(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層用溶液(B−1)を、(A)熱可塑性樹脂層の上に
均一に塗布し、80〜110℃の熱風対流式乾燥機で1
0分間乾燥して溶剤を除去し、(B)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層を形成した。得られた(B)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層の厚さは、60μmであ
った。次いで、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層の上に、さらに、25μmの厚さのポリエチレンフ
ィルムを、カバーフィルムとして張り合わせて、感光性
エレメント(i)を作製した。
【0120】得られた感光性エレメント(i)のエッジ
フュージョン性を下記の方法で評価し、結果を表11に
示した。 〔エッジフュージョン性〕ロール状に巻き取られた長さ
90mの感光性エレメント(i)を、温度が23℃、湿
度が60%Rhで保管し、ロール側面から感光層のしみ
出しの様子を、6カ月間にわたって目視で評価した。評
価基準は次の通りである。 ○:エッジフュージョン性が良好なもの(6カ月間でも
感光層のしみ出しがないもの) ×:エッジフュージョン性が不良なもの(6カ月間で感
光層のしみ出しが発生したもの)
【0121】実施例2 実施例1において、製造例3で得られた(A)熱可塑性
樹脂層用溶液(A−1)を、製造例4で得られた(A)
熱可塑性樹脂層用溶液(A−2)に代えた以外は、実施
例1と同様にして、感光性エレメント(ii)を作製し
た。なお、感光性エレメント(ii)の(A)熱可塑性樹
脂層の乾燥後の厚さは、70μmであり、(B)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層の厚さは、60μmであ
った。得られた感光性エレメント(ii)のエッジフュー
ジョン性を、実施例1と同様にして評価し、結果を表1
1に示した。
【0122】実施例3 実施例1において、製造例3で得られた(A)熱可塑性
樹脂層用溶液(A−1)を、製造例5で得られた(A)
熱可塑性樹脂層用溶液(A−3)に代えた以外は、実施
例1と同様にして、感光性エレメント(iii)を作製し
た。なお、感光性エレメント(iii)の(A)熱可塑性
樹脂層の乾燥後の厚さは、70μmであり、(B)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層の厚さは、60μmで
あった。得られた感光性エレメント(iii)のエッジフ
ュージョン性を、実施例1と同様にして評価し、結果を
表11に示した。
【0123】実施例4 実施例3において、製造例7で得られた(B)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層用溶液(B−1)を、製造
例8で得られた(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層用溶液(B−2)に代えた以外は、実施例3と同様
にして、感光性エレメント(iv)を作製した。なお、感
光性エレメント(iv)の(A)熱可塑性樹脂層の乾燥後
の厚さは、70μmであり、(B)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層の厚さは、60μmであった。得られ
た感光性エレメント(iv)のエッジフュージョン性を、
実施例1と同様にして評価し、結果を表11に示した。
【0124】実施例5 実施例1と同様にして、(A)熱可塑性樹脂層の乾燥後
の厚さが43μmの感光性エレメント(v)を作製し
た。なお、感光性エレメント(v)の(B)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層の厚さは、実施例1と同様に
60μmであった。得られた感光性エレメント(v)の
エッジフュージョン性を、実施例1と同様にして評価
し、結果を表11に示した。
【0125】実施例6 実施例1において、製造例3で得られた(A)熱可塑性
樹脂層用溶液(A−1)を、製造例4で得られた(A)
熱可塑性樹脂層用溶液(A−2)に代え、製造例6で得
られた(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶
液(B−1)を、製造例10で得られた(B)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層用溶液(B−4)に代えた
以外は、実施例1と同様にして、感光性エレメント(vi
ii)を作製した。なお、感光性エレメント(viii)の
(A)熱可塑性樹脂層の乾燥後の厚さは、43μmであ
り、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の厚さ
は、60μmであった。得られた感光性エレメント(vi
ii)のエッジフュージョン性を、実施例1と同様にして
評価し、結果を表11に示した。
【0126】実施例7 実施例1において、製造例3で得られた(A)熱可塑性
樹脂層用溶液(A−1)を、製造例6で得られた(A)
熱可塑性樹脂層用溶液(A−4)に代え、製造例6で得
られた(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶
液(B−1)を、製造例11で得られた(B)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層用溶液(B−5)に代えた
以外は、実施例1と同様にして、感光性エレメント(i
x)を作製した。なお、感光性エレメント(ix)の
(A)熱可塑性樹脂層の乾燥後の厚さは、50μmであ
り、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の厚さ
は、60μmであった。得られた感光性エレメント(i
x)のエッジフュージョン性を、実施例1と同様にして
評価し、結果を表11に示した。
【0127】比較例1 実施例1において、製造例3で得られた(A)熱可塑性
樹脂層用溶液(A−1)を使用しなかった以外は、実施
例1と同様にして、感光性エレメント(vi)を作製し
た。なお、感光性エレメント(vi)の(B)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層の厚さは、60μmであっ
た。得られた感光性エレメント(vi)のエッジフュージ
ョン性を、実施例1と同様にして評価し、結果を表11
に示した。
【0128】比較例2 比較例1において、製造例6で得られた(B)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層用溶液(B−1)を、製造
例8で得られた(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物溶液(B−3)に代えた以外は、比較例1と同様にし
て、感光性エレメント(vii)を作製した。なお、感光
性エレメント(vii)の(B)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の厚さは、60μmであった。得られた感
光性エレメント(vii)のエッジフュージョン性を、実
施例1と同様にして評価し、結果を表11に示した。
【0129】
【表11】
【0130】〔蛍光体パターンの作製〕 実施例8 〔(I)感光性エレメントを、凹凸を有する基板の凹凸
表面上に、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
が接するように加熱圧着する工程〕PDP用基板(スト
ライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の開口幅150μ
m、バリアリブの幅70μm、バリアリブの高さ150
μm:縦10cm、横10cm、厚さ3mm)のバリアリブが
形成された側に、実施例1で得られた感光性エレメント
(i)のポリエチレンフィルムを剥がしながら、真空ラ
ミネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1型)
を用いて、ヒートシュー温度が110℃、ラミネート速
度が0.5m/分、気圧が4000Pa以下、圧着圧力
(直径40mmのシリンダ圧力)が4×105Pa(線圧
9.8×103N/m)で積層した。
【0131】〔(II)感光性樹脂組成物層に活性光線を
像的に照射する工程〕次に、感光性エレメント(i)の
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、試験用フォ
トマスクを密着させて、(株)オーク製作所製HMW−5
90型露光機を使用し、100mJ/cm2で活性光線を像的
に照射した。
【0132】〔(III)現像感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程〕次に、活性光線
を照射後、常温で1時間放置した後、1重量%炭酸ナト
リウム水溶液を用いて30℃で70秒間スプレー現像し
た。現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材(株)製
東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射
を行った。
【0133】〔(IV)焼成により不要分を除去する工
程〕次に、550℃で30分間加熱処理(焼成)を行
い、不必要な樹脂成分を除去して、PDP用基板の空間
に蛍光体パターンを形成させた。
【0134】〔蛍光体パターンの評価〕得られた蛍光体
パターンの断面を、実体顕微鏡及びSEMにより目視に
て観察し、蛍光体パターンの形成状況を評価し、結果を
表12に示した。評価基準は次の通りである。 ○:蛍光体パターンがPDP用基板の空間(バリアリブ
壁面及びセル底面上)に均一に形成されている ×:蛍光体パターンがPDP用基板の空間(バリアリブ
壁面及びセル底面上)に均一に形成されていない
【0135】実施例9及び実施例10 実施例8において、実施例1で得られた感光性エレメン
ト(i)を、表9に示した感光性エレメントに代えた以
外は、実施例8と同様にして、蛍光体パターンを形成
し、得られた蛍光体パターンの形成状況を評価し、結果
を表12に示した。
【0136】実施例11 実施例8において、実施例1で得られた感光性エレメン
ト(i)を、表12に示した感光性エレメントに代え、
(III)現像により不要部を除去する工程を、下記に示
すように代えた以外は、実施例8と同様にして、蛍光体
パターンを形成し、得られた蛍光体パターンの形成状況
を評価し、結果を表12に示した。 〔(III)現像感光性樹脂組成物層を選択的に除去して
パターンを形成する工程〕1重量%炭酸ナトリウム水溶
液を用いて現像した後、さらに、5重量%のホウ砂、2
0重量%のブチルカルビトールの水溶液を用いて現像し
た。
【0137】実施例12 実施例8において、実施例1で得られた感光性エレメン
ト(i)を、表12に示した感光性エレメントに代え、
(I)感光性エレメントを、凹凸を有する基板の凹凸表
面上に、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が
接するように加熱圧着する工程を、下記に示すように代
えた以外は、実施例8と同様にして、蛍光体パターンを
形成し、得られた蛍光体パターンの形成状況を評価し、
結果を表12に示した。 〔(I)感光性エレメントを、凹凸を有する基板の凹凸
表面上に、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
が接するように加熱圧着する工程〕PDP用基板(スト
ライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の開口幅150μ
m、バリアリブの幅70μm、バリアリブの高さ150
μm:縦10cm、横10cm、厚さ3mm)をホットプレー
トにより80℃で5分間加熱した後、バリアリブが形成
された側に、実施例5で得られた感光性エレメント
(v)のポリエチレンフィルムを剥がしながら、ラミネ
ータ(日立化成工業(株)製、商品名HLM−1500
型)を用いて、ラミネート温度が110℃、ラミネート
速度が0.2m/分、圧着圧力(直径40mmのシリンダ
圧力)が4×105Pa(線圧9.8×103N/m)で積層
した。
【0138】実施例13 実施例12において、実施例5で得られた感光性エレメ
ント(v)を、表12に示した感光性エレメントに代
え、(II)活性光線を像的に照射する工程、(III)現
像により不要部を除去する工程及び(IV)焼成により不
要分を除去する工程を、下記に示すように代えた以外
は、実施例12と同様にして、蛍光体パターンを形成
し、得られた蛍光体パターンの形成状況を評価し、結果
を表12に示した。 〔(II)感光性樹脂組成物層に活性光線を像的に照射す
る工程〕次いで、感光性エレメント(viii)のポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、活性光線透過幅が1
30μmのフォトマスクをバリアリブ間の開口幅の中心
に、フォトマスクの活性光線透過幅の中心が位置するよ
うに密着させて、(株)オーク製作所製、HMW−201
GX型露光機を使用し、500mJ/cm2で活性光線を像的
に照射した。
【0139】〔(III)現像により感光性樹脂組成物層
を選択的に除去してパターンを形成する工程〕次いで、
活性光線の照射後、常温で1時間放置した後、1重量%
炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で100秒間ス
プレー現像した。現像後、80℃で10分間乾燥し、東
芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2
の紫外線照射を行った。次いで、150℃で1時間、加
熱処理を行った。 〔(IV)前記パターンから焼成により不要分を除去して
蛍光体パターンを形成する工程〕次いで、電気炉にて5
℃/分の昇温速度で昇温し、470℃で20分間加熱処
理(焼成)を行い、不必要な樹脂成分を除去し、PDP
用基板の凹部内面に蛍光体パターンを形成させた。
【0140】実施例14 実施例13において、実施例6で得られた感光性エレメ
ント(viii)を、表12に示した感光性エレメントに代
え、(III)現像により不要部を除去する工程を、下記
に示すように代えた以外は、実施例13と同様にして、
蛍光体パターンを形成し、得られた蛍光体パターンの形
成状況を評価し、結果を表12に示した。 〔(III)現像により感光性樹脂組成物層を選択的に除
去してパターンを形成する工程〕次いで、活性光線の照
射後、常温で1時間放置した後、3−メチル−3−メト
キシブチルアセテートと水とからなるエマルジョン溶液
(3−メチル−3−メトキシブチルアセテート/水(重
量比)=25/75)を用いて、30℃で70秒間スプ
レー現像した。現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝
電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2
紫外線照射を行った。次いで、乾燥機中において、15
0℃で1時間加熱処理を行った。
【0141】比較例3 実施例8において、実施例1で得られた感光性エレメン
ト(i)を、表12に示した感光性エレメントに代えた
以外は、実施例8と同様にして、蛍光体パターンを形成
し、得られた蛍光体パターンの形成状況を評価し、結果
を表12に示した。
【0142】
【表12】
【0143】表11及び表12の結果から、(A)熱可
塑性樹脂層を設けた本発明の感光性エレメントは、エッ
ジフュージョン性が良好であり、蛍光体パターンの形成
性(PDP用基板のバリアリブ壁面及び空間底面上への
埋め込み性)においても良好であることがわかる。これ
と比較して、(A)熱可塑性樹脂層を設けなかった感光
性エレメント(比較例1)は、エッジフュージョン性は
良好であったが、蛍光体パターンの形成性(PDP用基
板のバリアリブ壁面及び空間底面上への埋め込み性)
は、劣るものであった。なお、(A)熱可塑性樹脂層を
設けなかった感光性エレメント(比較例2)は、エッジ
フュージョン性が劣り、蛍光体パターンの形成には、不
適な感光性エレメントであった。
【0144】実施例15 製造例10において、(Y,Gd)BO3:Eu 140
重量部をBaMgAl1423:Eu2+ 120重量部に
代えた以外は、製造例10と同様にして(B)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層用溶液(B−6)を作製し
た。次いで、実施例6において、製造例10で得られた
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液(B
−4)を、(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
用溶液(B−6)に代えた以外は、実施例6と同様にし
て、感光性エレメント(x)を作製した。なお、感光性
エレメント(x)の(A)熱可塑性樹脂層の乾燥後の厚
さは、43μmであり、(B)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の厚さは、60μmであった。
【0145】次に、製造例10において、(Y,Gd)B
3:Eu 140重量部をZn2SiO4:Mn 12
0重量部に代えた以外は、製造例10と同様にして
(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液(B
−7)を作製した。次いで、実施例6において、製造例
10で得られた(B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層用溶液(B−4)を、(B)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層用溶液(B−7)に代えた以外は、実施
例6と同様にして、感光性エレメント(xi)を作製し
た。なお、感光性エレメント(xi)の(A)熱可塑性樹
脂層の乾燥後の厚さは、43μmであり、(B)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層の厚さは、60μmであ
った。
【0146】次に、実施例13における(I)〜(II
I)の工程を行って得られた、1色目の赤色に発色する
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が形成された基板
を用いて、実施例13において、実施例6で得られた感
光性エレメント(viii)を感光性エレメント(x)に代
えた以外は、実施例13と同様にして(I)〜(III)
の工程を行って、2色目の青色に発色する蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を形成し、次いで、実施例13
において、実施例6で得られた感光性エレメント(vii
i)を感光性エレメント(xi)に代えた以外は、実施例
13と同様にして(I)〜(III)の工程を行って、3
色目の緑色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層を形成して多色のパターンを作製した。次に、得ら
れた多色のパターンを用いて、実施例13における(I
V)の工程を行い、多色の蛍光体パターンが形成された
PDP用背面板を作製した。得られた多色の蛍光体パタ
ーンの断面を、実体顕微鏡及びSEMにより目視にて観
察し、多色の蛍光体パターンの形成状況を評価した結
果、赤、緑及び青に発色する多色の蛍光体パターンがP
DP用背面板の空間(バリアリブ壁面及びセル底面上)
に均一に形成されていることを確認した。
【0147】
【発明の効果】請求項1記載の感光性エレメントは、エ
ッジフュージョンの抑制が優れ、この感光性エレメント
を用いて、蛍光体パターンの製造する場合に、PDP用
基板の空間への埋め込み性(PDP用基板のバリアリブ
壁面及びセル底面上における蛍光体を含有する感光性樹
脂層の形成性)が優れ、高精度で均一な形状の蛍光体パ
ターンを作業性良く形成できるものである。請求項2記
載の感光性エレメントは、請求項1記載の感光性エレメ
ントの効果に加えて、より作業性に優れる。
【0148】請求項3記載の蛍光体パターンの製造法
は、作業性、環境安全性及びPDP用基板の空間への埋
め込み性(PDP用基板のバリアリブ壁面及びセル底面
上における蛍光体を含有する感光性樹脂層の形成性)が
優れ、高精度で均一な形状の蛍光体パターンを形成でき
る。請求項4記載の蛍光体パターンの製造法は、請求項
3記載の蛍光体パターンの製造法の効果に加えて、より
作業性に優れる。請求項5記載の蛍光体パターンの製造
法は、請求項3記載の蛍光体パターンの製造法の効果に
加えて、さらに膜べりの抑制に優れる。請求項6記載の
蛍光体パターンの製造法は、請求項3、4又は5記載の
蛍光体パターンの製造法の効果に加えて、より作業性に
優れる。
【0149】請求項7記載の蛍光体パターンは、高精度
で均一な形状で輝度の優れたものである。請求項8記載
のプラズマディスプレイパネル用背面板は、高精度で均
一な形状で輝度の優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体パターンの製造法の各工程を示
した模式図である。
【図2】本発明の蛍光体パターンの製造法の各工程を示
した模式図である。
【図3】本発明の蛍光体パターンの製造法における、
(I)工程終了後の一例である。
【図4】蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からなる
多色パターンを形成した状態を示した模式図である。
【図5】多色の蛍光体パターンを形成した状態を示した
模式図である。
【図6】バリアリブが形成さされたPDP用基板の一例
を示した模式図である。
【図7】バリアリブが形成さされたPDP用基板の一例
を示した模式図である。
【図8】本発明のプラズマディスプレイパネル用背面板
一例を示した模式図である。
【符号の説明】
1 …基板 2 …バリアリブ 3 …熱可塑性樹脂層 4 …蛍光体を有する感光性樹脂組成物層 4′…光硬化後の蛍光体を有する感光性樹脂組成物層 4′a…1色目のパターン 4′b…2色目のパターン 4′c…3色目のパターン 5 …加熱ロール 6 …フォトマスク 7 …活性光線 8 …蛍光体パターン 8a…1色目の蛍光体パターン 8b…2色目の蛍光体パターン 8c…3色目の蛍光体パターン 9 …格子状放電空間 10 …ストライプ状放電空間 11 …アドレス用電極 12 …保護膜 13 …誘電体層 14 …表示用電極 15 …前面板用基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/004 512 G03F 7/004 512 7/027 502 7/027 502 7/30 7/30 (72)発明者 田井 誠司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 和田 有美子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 丹野 清吉 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 角丸 肇 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体フィルム上に、(A)熱可塑性樹
    脂層を有し、その上に(B)蛍光体を含有する感光性樹
    脂組成物層を有してなる感光性エレメント。
  2. 【請求項2】 (B)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
    物層が、(a)フィルム性付与ポリマ、(b)エチレン
    性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物、(c)活性
    光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤及び
    (d)蛍光体を含むものである請求項1記載の感光性エ
    レメント。
  3. 【請求項3】 (I)請求項1又は2記載の感光性エレ
    メントを、凹凸を有する基板の凹凸表面上に、(B)蛍
    光体を含有する感光性樹脂組成物層が接するように加熱
    圧着する工程、(II)感光性樹脂組成物層に活性光線を
    像的に照射する工程、(III)現像により感光性樹脂組
    成物層を選択的に除去してパターンを形成する工程及び
    (IV)前記パターンから焼成により不要分を除去して蛍
    光体パターンを形成する工程の各工程を含むことを特徴
    とする蛍光体パターンの製造法。
  4. 【請求項4】 (I)〜(III)の各工程を繰り返し
    て、赤、緑及び青に発色する蛍光体を含有する感光性樹
    脂組成物層からなる多色のパターンを形成した後、(I
    V)の工程を行ない多色の蛍光体パターンを形成する請
    求項3記載の蛍光体パターンの製造法。
  5. 【請求項5】 (I)〜(IV)の各工程を繰り返して、
    赤、緑及び青に発色する多色の蛍光体パターンを形成す
    る請求項3記載の蛍光体パターンの製造法。
  6. 【請求項6】 (III)現像により感光性樹脂組成物層
    を選択的に除去してパターンを形成する工程において、
    (A) 層及び(B)層が、同一の現像液を使用して現
    像する請求項3、4又は5記載の蛍光体パターンの製造
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    蛍光体パターンの製造法により製造された蛍光体パター
    ン。
  8. 【請求項8】 プラズマディスプレイパネル用基板上に
    請求項7記載の蛍光体パターンを備えてなるプラズマデ
    ィスプレイパネル用背面板。
JP9008162A 1996-01-23 1997-01-21 感光性エレメント、これを用いた蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板 Pending JPH1092312A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115171514A (zh) * 2022-07-05 2022-10-11 广东工业大学 一种多重编码的动态表面图案及其制备方法和应用

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CN115171514B (zh) * 2022-07-05 2023-06-13 广东工业大学 一种多重编码的动态表面图案及其制备方法和应用

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