JP3925749B2 - 積層方法、積層装置、蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板 - Google Patents

積層方法、積層装置、蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層方法、積層装置、蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂層を有するフィルムを基板上に積層する方法としては、常圧積層法、減圧下で積層を行う真空積層法等が知られている(特開昭57−197891号公報、特開昭57−34947号公報等)。
上記方法は、いずれも、一種類のフィルムを積層する場合に限られており、二種類以上のフィルムを積層する場合においては、二工程以上を必要とし、作業性が悪い等の問題がある。
【0003】
近年、平板ディスプレイの1つとして、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることによって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネル(以下PDPと記す)の検討が盛んに行われている。
PDPは、ガラスからなる平板状の前面板と背面板とが互いに平行にかつ対向して配設され、両者はその間に設けられたバリアリブにより一定の間隔に保持されており、前面板、背面板及びバリアリブに囲まれた空間で放電する構造になっている。
このような空間には、表示のための蛍光体が塗布され、放電によって封入ガスから発生する紫外線によって蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認できるようになっている。
【0004】
従来、この蛍光体を設ける方法としては、各色蛍光体を分散させたスラリー液もしくはペーストをスクリーン印刷等の印刷方法によって塗布する方法が提案されており、特開平1−115027号公報、特開平1−124929号公報、特開平1−124930号公報、特開平2−155142号公報等に開示されている。
しかし、上記の蛍光体分散スラリー液は液状であるため、蛍光体の沈澱等による分散不良が生じやすく、またスラリー液に液状の感光性レジストを用いた場合には、暗反応の促進等により保存安定性が乏しくなる等の欠点を有する。さらにスクリーン印刷等の印刷方法は印刷精度に劣るため、将来的なPDPの大画面化への対応は困難である等の問題がある。
【0005】
これらの問題点の解決には、蛍光体を含有させた感光性エレメント(感光性フィルムともいう)を用いる方法が提案されている(特開平6−267421及び6−273925号公報)。
感光性エレメントを用いる方法とは、蛍光体を含有する感光性樹脂層と支持体フィルムよりなる感光性エレメントの蛍光体を含有する感光性樹脂層を、加熱圧着(ラミネート)により前記PDP用基板の空間に埋め込み、次に、ネガフィルムを用いて、写真法により紫外線等の活性光で像的に露光し、その後、アルカリ水溶液等の現像液で、未露光部分を除去し、さらに、焼成により不必要な有機成分を取り除いて、必要な部分のみに蛍光体パターンを形成するものである。
このような感光性エレメントを使用する方法は、写真法を用いるため、精度良く蛍光体パターンを形成することができる。
【0006】
しかし、従来の方法により感光性エレメントを使用して蛍光体を含有する感光性樹脂層を、ラミネートにより前記PDP用基板の空間(セル内)に埋め込むと、バリアリブ壁面及び空間底面上に蛍光体パターンを均一な層厚、形状で形成することが困難であった。
そこで、蛍光体パターンを均一な層厚、形状で形成するための種々の方法が検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、二種類以上のフィルムを用いて、それぞれのフィルムを作業性よく基板上に積層することができる積層方法を提供するものでPDP用基板等の凹凸を有する基板上に、作業性よく積層することができる積層方法を提供するものである。また、より作業性よく積層することができる積層方法を提供するものである。
【0008】
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、さらにプリント配線板用基板、カラーフィルタ等の製造に好適な積層方法を提供するものである。請求項記載の発明は、請求項1、2記載の発明の効果に加え、さらにプラズマディスプレイパネル、EL基板等の製造に好適な積層方法を提供するものである。請求項記載の発明は、請求項1、2、3記載の発明の効果に加え、よりプラズマディスプレイパネル等の製造に好適な積層方法を提供するものである。請求項記載の発明は、請求項1、2、3又記載の発明の効果に加え、より作業性に優れる積層方法を提供するものである。
【0009】
請求項及び記載の発明は、熱可塑性樹脂層を有する、二種類以上のフィルムを用いて、それぞれの熱可塑性樹脂層を作業性よく基板上に積層することができる積層装置を提供するものである。請求項記載の発明は、熱可塑性樹脂層を有する、二種類以上のフィルムを用いて、それぞれの熱可塑性樹脂層を作業性よく基板上に積層することができ、スペースをとらない積層装置を提供するものである。請求項記載の発明は、請求項6、7又は記載の発明の効果に加え、さらに作業開始準備が容易であり、メンテナンス性に優れる積層装置を提供するものである。請求項10記載の発明は、請求項6、7又は記載の発明の効果に加え、さらに積層時の欠陥を抑制できる積層装置を提供するものである。
【0010】
請求項11記載の発明は、高精度な蛍光体パターンの製造法を提供するものである。請求項12記載の発明は、高精度に形成された蛍光体パターンを提供するものである。請求項13記載の発明は、高精度に形成された蛍光体パターンを備えたプラズマディスプレイパネル用背面板を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムAを第1の供給部から供給し、膜厚が10〜200μmの熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムBを第2の供給部から供給して、高さが20〜500μm及び幅が20〜200μmの凹凸を有する基板上に前記フィルムAを積層し、その上に前記フィルムBを30〜130℃の温度で加熱圧着積層することを特徴とする積層方法に関する。また、本発明は、基板が、凹凸を有する基板である前記積層方法に関する。また、本発明は、フィルムAが、熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムであり、フィルムBが、熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムである前記積層方法に関する。
【0012】
また、本発明は、熱可塑性樹脂層Aが、
(a)フィルム性付与ポリマ、
(b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物及び
(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤
を含む感光性樹脂組成物層である前記積層方法に関する。
また、本発明は、熱可塑性樹脂層Aが、さらに、
(d)蛍光体を含む感光性樹脂組成物層である前記積層方法に関する。
また、本発明は、熱可塑性樹脂層Bが、
(e)熱可塑性樹脂、
を含む前記積層方法に関する。
【0013】
また、本発明は、熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムが、支持体フィルム、熱可塑性樹脂層A及びカバーフィルムを有するものであり、熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムが、支持体フィルム、熱可塑性樹脂層B及びカバーフィルムを有するものである前記積層方法に関する。
【0014】
また、本発明は、熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムAを供給する第1の供給手段、膜厚が10〜200μmの熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムBを供給する第2の供給手段及び高さが20〜500μm及び幅が20〜200μmの凹凸を有する基板上に前記フィルムAを積層し、その上に前記フィルムBを30〜130℃の温度で加熱圧着積層することにより、前記凹凸を有する基板の凹部内面へ前記熱可塑性樹脂層Aを埋め込むための積層手段を備えてなる積層装置に関する。また、本発明は、支持体フィルム(5A)、熱可塑性樹脂層A(3)及びカバーフィルム(6A)を有するフィルムA並びに支持体フィルム(5B)、熱可塑性樹脂層B(4)及びカバーフィルム(6B)を有するフィルムBを用いて、高さが20〜500μm及び幅が20〜200μmの凹凸を有する基板(7)上に熱可塑性樹脂層A(3)、その上に熱可塑性樹脂層B(4)を積層する装置であって、フィルムAを供給する第1の供給手段、フィルムBを供給する第2の供給手段、カバーフィルム((6A)及び(6B))を取るため手段、支持体フィルム(5A)を取るための手段及び熱可塑性樹脂層A(3)と熱可塑性樹脂層B(4)を30〜130℃の温度で加熱圧着積層する積層手段を備えた積層装置に関する。
【0015】
また、本発明は、支持体フィルム(5A)、熱可塑性樹脂層A(3)及びカバーフィルム(6A)を有するフィルムA並びに支持体フィルム(5B)、熱可塑性樹脂層B(4)及びカバーフィルム(6B)を有するフィルムBを用いて、基板(7)上に熱可塑性樹脂層A(3)、その上に熱可塑性樹脂層B(4)を積層する装置であって、高さが20〜500μm及び幅が20〜200μmの凹凸を有する基板(7)を送る搬送手段、フィルムAを供給する第1の供給手段、フィルムBを供給する第2の供給手段、カバーフィルム((6A)及び(6B))を取るための手段、熱可塑性樹脂層A(3)又は熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送るための手段、支持体フィルム(5A)を送るための手段、支持体フィルム(5A)を取るための手段、熱可塑性樹脂層A(3)又は熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを前記基板(7)に30〜130℃の温度で加熱圧着積層する積層手段を設けた積層装置に関する。
【0016】
また、本発明は、基板(7)を送る搬送ロール(11)、
フィルムAを供給する第1の供給ロール(1)、
カバーフィルム(6A)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを基板 (7)上に積層する積層ロール(10)、
支持体フィルム(5A)を送る送りロール(12)、
支持体フィルム(5A)を巻取る支持体フィルム巻取ロール(9)、
フィルムBを供給する第2の供給ロール(2)、
カバーフィルム(6B)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、
支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
基板(7)上に積層された熱可塑性樹脂層A(3)の上に、支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを積層する積層ロール(10)
を設けた前記積層装置に関する。
【0017】
また、本発明は、基板(7)を送る搬送ロール(11)、
フィルムAを供給する第1の供給ロール(1)、
フィルムAを送る送りロール(12)、
カバーフィルム(6A)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
フィルムBを供給する第2の供給ロール(2)、
フィルムBを送る送りロール(12)、
カバーフィルム(6B)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、
支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムと支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを貼り合わせる合わせロール(13)、
支持体フィルム(5A)を送る送りロール(12)、
支持体フィルム(5A)を巻取る支持体フィルム巻取ロール(9)、
熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを基板(7)上に積層する積層ロール(10)
を設けた前記積層装置に関する。
【0018】
また、本発明は、(I)凹凸を有する基板の凹凸表面上に、前記の積層方法により蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層である熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムA及び熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムBを積層して熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを形成する工程、
(II)活性光線を像的に照射する工程、
(III)現像により不要部を除去する工程及び
(IV)焼成により不要分を除去する工程
を含む蛍光体パターンの製造法に関する。
また、本発明は前記の蛍光体パターンの製造法により製造された蛍光体パターンに関する。
また、本発明はプラズマディスプレイパネル用基板上に前記の蛍光体パターンを備えてなるプラズマディスプレイパネル用背面板に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の積層方法は、フィルムAを第1の供給部から供給し、フィルムBを第2の供給部から供給して、基板上にフィルムAを、その上にフィルムBを積層することを特徴とする。
本発明における基板としては、特に制限はなく、例えば、プリント配線板製造用基板(銅張積層板、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板等)、カラーフィルタ製造用基板(透明ガラス基板、プラスチック基板、金属基板(アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等)、セラミック基板等)、プラズマディスプレイパネル製造用基板(PDP用基板)(透明な接着のための表面処理を施していてもよい、ガラス板、セラミック基板、絶縁処理された金属基板、合成樹脂板等の基板に、電極及びバリアリブが形成された基板等)、有機EL製造用基板(透明ガラス基板、プラスチック基板、金属基板(アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等)、セラミック基板、電極が形成された基板等)、フィールドエミッションディスプレイの蛍光体層形成用基板(透明ガラス基板、プラスチック基板、金属基板(アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等)、セラミック基板等)などが挙げられる。
【0020】
本発明における凹凸を有する基板としては、例えば、バリアリブが形成されたプラズマディスプレイパネル用基板(PDP用基板)等が挙げられる。
PDP用基板としては、例えば、透明な接着のための表面処理を施していてもよい、ガラス板、セラミック基板、絶縁処理された金属基板、合成樹脂板等の基板に、電極及びバリアリブが形成されたものなどが挙げられる。
バリアリブの形成には、特に制限なく、公知の材料を使用できるが、例えば、シリカ、熱硬化性樹脂、低融点ガラス(酸化鉛等)、溶剤などを含むリブ材を用いることができる。
また、PDP用基板には、電極及びバリアリブの他に、必要に応じて、誘電膜、絶縁膜、補助電極、抵抗体等が形成されていてもよい。
これらのものを、基板へ形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、基板に、蒸着、スパッタリング、メッキ、塗布、印刷等の方法で電極を形成することができ、印刷法、サンドブラスト法、埋め込み法等の方法でバリアリブを形成することができる。
【0021】
図1及び図2にバリアリブが形成されたPDP用基板の一例の模式図を示した。
バリアリブは、通常、高さが20〜500μm、幅が20〜200μmとされる。
バリアリブで囲まれた放電空間の形状には、特に制限はなく、格子状、ストライプ状、ハニカム状、3角形状、楕円形状等が可能であるが、通常、図1及び図2等に示すような、格子状又はストライプ状の放電空間が形成される。
図1及び図2において、透明基板14上にはバリアリブ15が形成されており、図1では格子状放電空間16が、図2ではストライプ状放電空間17が形成されている。
放電空間の大きさは、PDPの大きさと解像度によって決められ、通常、図1のような格子状放電空間であれば、縦及び横の長さは、50μm〜1mmとなり、図2のようなストライプ状放電空間であれば、間隔は、30μm〜1mmとなる。
【0022】
本発明におけるフィルムA及びフィルムBとしては、特に制限はないが、作業性等の点から、フィルムAが、熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムであることが好ましく、フィルムBが、熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムであることが好ましい。
【0023】
本発明における熱可塑性樹脂層Aとしては、熱可塑性を有する樹脂であれば特に制限はなく、例えば、(a)フィルム性付与ポリマ、(b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物及び(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤を含む感光性樹脂組成物層等が好ましいものとして挙げられる。
【0024】
本発明における(a)フィルム性付与ポリマとしては、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合体に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0025】
本発明における(a)フィルム性付与ポリマの重量平均分子量は、5,000〜300,000とすることが好ましく、20,000〜150,000とすることがより好ましい。この重量平均分子量が、5,000未満では、感光性エレメントとした場合にフィルム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、300,000を超えると、現像性(不要部が現像により、容易に除去できる性質)が低下する傾向がある。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値である。
【0026】
また、熱可塑性樹脂Aが、公知の各種現像液により現像可能となるように、 (a)フィルム性付与ポリマのカルボキシル基含有率(酸価(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整することができる。
例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価を、90〜260とすることが好ましい。この酸価が、90未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超えると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)が低下する傾向がある。
また、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像する場合には、酸価を、16〜260とすることが好ましい。この酸価が、16未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
さらに、1,1,1−トリクロロエタン等の有機溶剤現像液又はエマルジョン現像液を用いる場合には、カルボキシル基を含有しなくても良い。
【0027】
本発明における(b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物としては、従来、光重合性多官能モノマとして知られているものを全て用いることができる。
【0028】
例えば、下記一般式(I)
【化1】
Figure 0003925749
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、kは1〜10の整数であり、Yは置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素基又は複素環残基若しくはポリアルキレングリコール残基、
【化2】
Figure 0003925749
(式中、R1及びR2は各々独立には水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はトリフルオロメチル基を示し、R3及びR4は各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を示し、m及びnは各々独立に1〜20の整数を示す)
を示す)
で表される化合物等が挙げられる。
【0029】
一般式(I)中、Yで示される置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素残基又は複素環残基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよい炭素数1〜22の直鎖、分岐若しくは脂環状のアルカン残基(メタン残基、エタン残基、プロパン残基、シクロプロパン残基、ブタン残基、イソブタン残基、シクロブタン残基、ペンタン残基、イソペンタン残基、ネオペンタン残基、シクロペンタン残基、ヘキサン残基、シクロヘキサン残基、ヘプタン残基、シクロヘプタン残基、オクタン残基、ノナン残基、デカン残基等)、芳香族環残基(ベンゼン残基、ナフタレン残基、アントラセン残基、ビフェニル残基、ターフェニル残基等)、複素環残基 (フラン残基、チオフェン残基、ピロール残基、オキサゾール残基、チアゾール残基、イミダゾール残基、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン残基、トリアジン残基、キノリン残基、キノキサリン残基等)などが挙げられる。
【0030】
具体的には、一個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル系モノマ(アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、1−(メタクリロイロキシエトキシカルボニル)−2−(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0031】
二個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレート、ウレタンジアクリレート化合物等が挙げられる。
【0032】
三個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメタクリレート等が挙げられる。
四個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。
【0033】
五個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が挙げられる。
六個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
これらの不飽和結合を有する単量体は、いずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0034】
また、本発明における熱可塑性樹脂層Aを、蛍光体パターンの製造に使用する場合には、作製時に、焼成により不要分を除去する必要があるため、前記した (b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物の中から、熱分解性が良好な、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリ(エチレン・プロピレン)アクリレート複合体、(エチレン・プロピレン)グリコールジメタアクリレート等を使用することがより好ましい。
【0035】
また、(a)フィルム性付与ポリマと(b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物の両方の機能を有する化合物として、側鎖にエチレン性不飽和基を有する光重合性高分子結合剤を(a)フィルム性付与ポリマの代わりに用いることができる。具体的には、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、オキシラン環、酸無水物等の官能基を有するビニル共重合体に、少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基等の1個の官能基を有する化合物を付加反応させて得られる光重合性ビニル共重合体等が挙げられる。
【0036】
カルボキシル基、水酸基、アミノ基、オキシラン環、酸無水物等の官能基を有するビニル共重合体の合成に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ケイ皮酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、メタクリルアミド、イソシアン酸エチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸等のカルボキシル基、水酸基、アミノ基、オキシラン環、酸無水物等の官能基を有するビニル単量体が挙げられ、またその他のビニル単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、オキシラン環、酸無水物等の官能基を有するビニル単量体を必須成分として、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0037】
少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、酸無水物等の1個の官能基を有する化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イソシアン酸エチルメタクリレート、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ケイ皮酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0038】
本発明における側鎖にエチレン性不飽和基を有する光重合性高分子結合剤の重量平均分子量は、5,000〜300,000とすることが好ましく、20,000〜150,000とすることがより好ましい。この重量平均分子量が、5,000未満では、感光性エレメントとした場合にフィルム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、300,000を超えると、現像性(不要部が現像により、容易に除去できる性質)が低下する傾向がある。
【0039】
また、蛍光体を含有する熱可塑性樹脂層Aが、公知の各種現像液により現像可能となるように、側鎖にエチレン性不飽和基を有する光重合性高分子結合剤のカルボキシル基含有率(酸価(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整することができる。
例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価を、90〜260とすることが好ましい。この酸価が、90未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超えると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)が低下する傾向がある。
また、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像する場合には、酸価を、16〜260とすることが好ましい。この酸価が、16未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
さらに、1,1,1−トリクロロエタン等の有機溶剤現像液又はエマルション現像液を用いる場合には、カルボキシル基を含有しなくてもよい。
【0040】
本発明における(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤としては、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、ベンジル誘導体(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等)、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0041】
本発明における(a)成分の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量が100重量部として、10〜90重量部とすることが好ましく、20〜80重量部とすることがより好ましい。この配合量が、10重量部未満では、感光性エレメントとしてロール状で供給した場合、感光性樹脂組成物がロール端部からしみ出す(以下エッジフュージョンと記す)ことにより、感光性エレメントのラミネート時にロールからの繰り出しが困難となり、また、しみ出した部分が、PDP用基板等を使用した場合には、PDP用基板の空間に部分的に過剰に埋め込まれ、製造歩留りが著しく低下する等の問題が生じたり、フィルム形成性が低下する傾向があり、90重量部を超えると、感度が不充分となる傾向がある。
【0042】
本発明における(b)成分の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量が100重量部として、10〜90重量部とすることが好ましく、20〜80重量部とすることがより好ましい。この配合量が、10重量部未満では、感光性樹脂組成物の感度が不充分となる傾向があり、90重量部を超えると、光硬化物が脆くなる傾向があり、また、感光性エレメントとした場合に、感光性樹脂組成物が流動によって端部からしみ出したり、フィルム形成性が低下する傾向がある。
【0043】
本発明における(c)成分の配合量は、(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対して、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.1〜20重量部とすることがより好ましい。この配合量が、0.01重量部未満では、感光性樹脂組成物の感度が不充分となる傾向があり、30重量部を超えると、感光性樹脂組成物の露光表面での活性光の吸収が増大して、内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0044】
本発明における熱可塑性樹脂層Aを構成する感光性樹脂組成物には、公知の染料、顔料、発色剤、可塑剤、重合禁止剤、表面改質剤、安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤等を必要に応じて添加することができる。
このような熱可塑性樹脂層Aを構成する感光性樹脂組成物は、プリント配線板製造用樹脂、カラーフィルタ製造用樹脂等として、好適に使用することができる。
【0045】
また、本発明における熱可塑性樹脂層Aを構成する感光性樹脂組成物は、これに(d)蛍光体を含ませることにより、PDP用基板製造用樹脂、EL基板製造用樹脂、フィールドエミッションディスプレイ用蛍光体層形成樹脂等として使用することができる。
【0046】
本発明における(d)蛍光体としては、特に限定はなく、通常の金属酸化物を主体とするものが使用できる。
赤色発色の蛍光体としては、例えば、Y22S:Eu、Zn3(PO4)2:Mn 、Y23:Eu、YVO4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、γ−Zn3(PO4)2:Mn、(ZnCd)S:Ag+In2O等が挙げられる。
緑色発色の蛍光体としては、例えば、ZnS:Cu、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Cu+Zn2SiO4:Mn、Gd22S:Tb、Y3Al512:Ce、ZnS:Cu,Al、Y22S:Tb、ZnO:Zn、ZnS:Cu,Al+In23、LaPO4:Ce,Tb、BaO・6Al23:Mn等が挙げられる。
青色発色の蛍光体としては、例えば、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al、ZnS:Ag,Ga,Al、ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl、ZnS:Ag+In23、Ca259Cl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+、Sr10(PO4)6Cl12:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、BaMgAl1423:Eu2+、BaMgAl1626:Eu2+等が挙げられる。
【0047】
本発明における(d)蛍光体の粒径は、0.1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、2〜8μmであることが特に好ましい。この粒径が0.1μm未満では、発光効率が低下する傾向があり、また、20μmを超えると、分散性が低下する傾向がある。
また、本発明における(d)蛍光体の形状としては、球形であることが好ましく、その表面積はより小さい方が好ましい。
【0048】
本発明における(d)成分の配合量は、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の総量100重量部に対して、10〜400重量部とすることが好ましく、50〜350重量部とすることがより好ましく、70〜300重量部とすることが特に好ましい。この配合量が、10重量部未満では、PDPとして発光させた場合に発光効率が低下する傾向があり、400重量部を超えると、感光性エレメントとした場合に、フィルム形成性が低下したり、可とう性が低下する傾向がある。
【0049】
本発明における熱可塑性樹脂層Aを構成する感光性樹脂組成物には、フィルム性を良好なものとするために可塑剤を添加することができる。
可塑剤としては、一般式(II)
【化3】
Figure 0003925749
(式中、R5は水素原子、メチル基を示し、Y1は水素原子、置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基若しくはポリアルキレングリコール残基を示し、Y2は 、水酸基、置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基若しくはポリアルキレングリコール残基を示し、aは1〜100の整数を示す)
で表されるポリプロピレングリコール及びその誘導体、ポリエチレングリコール及びその誘導体などのポリアルキレングリコール誘導体並びにジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等が挙げられる。
【0050】
可塑剤の配合量は、(a)及び(b)成分の総量が100重量部として、0〜90重量部とすることが好ましく、0〜80重量部とすることがより好ましく、0〜70重量部とすることが特に好ましい。この配合量が、90重量部を超えると、熱可塑性樹脂層Aを構成する感光性樹脂組成物の感度が不充分となる傾向がある。
【0051】
本発明における熱可塑性樹脂層Aを構成する感光性樹脂組成物には、長期間増粘を起こさず、貯蔵安定性を良好にするために、カルボキシル基を有する化合物を含有させることができる。
カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂肪族二塩基酸、芳香族二塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基酸等が挙げられる。
【0052】
具体的には、例えば、ぎ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノレン酸、リノール酸、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、マロン酸モノメチル、マロン酸モノエチル、こはく酸、メチルこはく酸、アジピン酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、クエン酸、サリチル酸、ピルビン酸、リンゴ酸等が挙げられる。
中でも、増粘を抑制する効果が高い点から、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、クエン酸等が好ましく、しゅう酸、マロン酸、クエン酸等がより好ましい。これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0053】
カルボキシル基を有する化合物の配合量は、(a)成分100重量部に対して、0〜30重量部とすることが好ましく、0.01〜30重量部とすることがより好ましい。この配合量が、30重量部を超えると感度が不充分となる傾向がある。
【0054】
本発明における熱可塑性樹脂層Aを構成する感光性樹脂組成物には、蛍光体の分散を良好とするために、分散剤を添加することが好ましい。
分散剤としては、無機分散剤(シリカゲル系、ベントナイト系、カオリナイト系、タルク系、ヘクトライト系、モンモリロナイト系、サポナイト系、バイデライト系等)、有機分散剤(脂肪族アマイド系、脂肪族エステル系、酸化ポリエチレン系、硫酸エステル系アニオン活性剤、ポリカルボン酸アミン塩系、ポリカルボン酸系、ポリアマイド系、高分子ポリエーテル系、アクリル共重合物系、特殊シリコン系等)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0055】
分散剤の使用量としては、特に制限はなく、(a)成分100重量部に対して、0〜100重量部とすることが好ましく0.01〜100重量部とすることがより好ましい。この使用量が、100重量部を超えると、パターン形成精度(蛍光体を含有する感光性樹脂組成物からなるパターンを、現像後、寸法的に正確に、所望の形状で得られる性質)が低下する傾向がある。
【0056】
本発明における熱可塑性樹脂層Aを構成する感光性樹脂組成物には、焼成後、PDP用基板から蛍光体が剥離しないようにするために、結着剤を使用することができる。
結着剤としては、例えば、低融点ガラス、金属アルコキシド、シランカップリング剤等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
結着剤の使用量としては、特に制限はなく、(d)成分100重量部に対して、0〜100重量部とすることが好ましく、0〜50重量部とすることがより好ましく、0〜30重量部とすることが特に好ましい。この使用量が、100重量部を超えると、発光効率が低下する傾向がある。
【0057】
本発明における熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムは、前記熱可塑性樹脂層Aを構成する各成分を、溶解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させることにより、均一に溶解又は分散した溶液とし、支持体フィルム上に、塗布、乾燥することにより、感光性エレメントとして得ることができる。
前記各成分を、溶解又は分散可能な溶剤としては、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等があげられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0058】
支持体フィルムとしては、化学的及び熱的に安定であり、また、可とう性の物質で構成された、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、その中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。支持体フィルムは、後に熱可塑性樹脂層Aから除去可能でなくてはならないため、除去が不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であったりしてはならない。支持体フィルムの厚さは、5〜100μmとすることが好ましく、10〜80μmとすることがより好ましく、10〜70μmとすることが特に好ましい。
【0059】
塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
乾燥温度は、60〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが好ましい。
【0060】
感光性エレメントの熱可塑性樹脂層Aの厚さは、特に制限はないが、プリント配線板用基板の製造に使用する場合や、カラーフィルタの画素として使用する場合は、その膜厚は、1〜10μmとすることが好ましく、1〜5μmとすることがより好ましい。
また、PDP用基板の製造に使用する場合は、その膜厚は、10〜200μmとすることが好ましく、20〜120μmとすることがより好ましく、20〜80μmとすることが特に好ましく、30〜80μmとすることが最も好ましい。この膜厚が、10μm未満では、後述する焼成後の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率が低下する傾向があり、200μmを超えると、焼成後の蛍光体パターンが厚くなり、放電空間が少なくなる傾向がある。
【0061】
感光性エレメントの熱可塑性樹脂層Aは、100℃での粘度が1〜1×109Pa・secであることが好ましく、2〜1×108Pa・secであることがより好ましく、5〜1×107Pa・secであることが特に好ましく、10〜1×106Pa・secであることが極めて好ましい。この100℃での粘度が、1Pa・sec未満では、室温での粘度が低くなりすぎて感光性エレメントとした場合に、熱可塑性樹脂層Aが流動により端部から滲み出す傾向があり、フィルム形成性が低下する傾向がある。また、1×109Pa・secを超えると、PDP用基板の製造等に使用する場合に、凹凸を有する基板の凹部内面への熱可塑性樹脂層Aの形成性が低下する傾向がある。
【0062】
感光性エレメントの熱可塑性樹脂層Aの上には、さらに剥離可能なカバーフィルムを積層することができる。
カバーフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと熱可塑性樹脂層Aとの接着力よりも、カバーフィルムと熱可塑性樹脂層Aとの接着力の方が小さいものであることが好ましい。
このようにして得られる感光性エレメントは、ロール状に巻いて保管可能とすることができる。
【0063】
本発明における熱可塑性樹脂層Bを構成する(e)熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂であれば特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸エステルの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体、ビニルトルエンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エステル又はポリメタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ酢酸ビニルの加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物、ビニルトルエンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物等)、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニルピロリドン、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を有する樹脂などが挙げられる。
【0064】
また、熱可塑性樹脂層Bは、PDP用基板の製造等に使用する場合において、混色防止、作業性、フィルム性の向上等の点から、可塑剤を含有させることもできる。使用する可塑剤としては、(b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物、前記一般式(II)で表されるポリプロピレングリコール及びその誘導体、ポリエチレングリコール及びその誘導体などのポリアルキレングリコール誘導体、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂層Bには、(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤を含有してもよい。
【0065】
熱可塑性樹脂層Bに含有される(e)熱可塑性樹脂成分の配合量は、樹脂成分及び可塑剤成分の総量が100重量部として、10〜100重量部とすることが好ましく、20〜100重量部とすることがより好ましい。この配合量が、10重量部未満では、エレメントとした場合に、樹脂組成物が流動によって端部からしみ出したり、フィルム形成性が低下する等の傾向がある。
【0066】
また、熱可塑性樹脂層Bに含有される可塑剤成分の配合量は、樹脂成分及び可塑剤成分の総量が100重量部として、0〜90重量部とすることが好ましく、0〜80重量部とすることがより好ましい。この配合量が、90重量部を超えると、エレメントとした場合に、流動によって端部からしみ出したり、フィルム形成性が低下する等の傾向がある。
【0067】
さらに、熱可塑性樹脂層Bに含有される(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤成分の配合量は、樹脂成分及び可塑剤成分の総量が100重量部として、0〜30重量部とすることが好ましく、0〜20重量部とすることがより好ましい。この配合量が、30重量部を超えると、露光表面での活性光の吸収が増大して、内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0068】
また、本発明における熱可塑性樹脂層Bは、後述する現像工程において、熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bが、同一の現像液を使用して現像できるものであることが、工程を少なくできる点から好ましい。
同一の現像液で現像できるものとしては、水又はアルカリ水溶液に可溶なものが挙げられる。
【0069】
水又はアルカリ水溶液に可溶な熱可塑性樹脂層Bを構成する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エステル又はポリメタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ酢酸ビニルの加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物、ビニルトルエンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物等)、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニルピロリドン、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を有する樹脂などが挙げられる。
【0070】
不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を有する樹脂としては、例えば、不飽和カルボン酸 (アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)と、前記熱可塑性樹脂層Aを構成する(a)フィルム性付与ポリマに使用可能なビニル単量体とを共重合して得られるビニル共重合体などを使用することが好ましい。
不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を有する樹脂は、重量平均分子量が、5,000〜300,000とすることが好ましく、20,000〜150,000とすることがより好ましい。この重量平均分子量が、5,000未満では、感光性エレメントとした場合にフィルム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、300,000を超えると、現像性が低下する傾向がある。
【0071】
また、アルカリ水溶液に可溶な熱可塑性樹脂層Bとして、公知の各種現像液により現像可能となるように、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を有する樹脂のカルボキシル基含有率(酸価(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整することができる。
例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価が、90〜260とすることが好ましい。この酸価が、90未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
また、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像する場合には、酸価が、16〜260とすることが好ましい。この酸価が、16未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
【0072】
本発明における熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムは、前記熱可塑性樹脂層Bを構成する各成分を溶解する溶剤に、溶解又は混合させることにより、均一な溶液とし、前記した支持体フィルム上に、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等の公知の塗布方法を用いて、塗布、乾燥することによりフィルム状に形成することができる。
熱可塑性樹脂層Bを構成する樹脂を溶解する溶剤としては、例えば、水、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0073】
本発明における熱可塑性樹脂層Bの厚さは、特に制限はないが、PDP用基板の製造に使用する場合において、凹凸を有する基板の凹部内面への埋め込み性等の点から、10〜200μmとすることが好ましく、20〜100μmとすることがより好ましい。
また、本発明における熱可塑性樹脂層Bは、100℃での粘度が1〜1×109Pa・secであることが好ましく、2〜1×108Pa・secであることがより好ましく、5〜1×107Pa・secであることが特に好ましく、10〜1×106Pa・secであることが極めて好ましい。この100℃での粘度が、1Pa・sec未満では、室温での粘度が低くなりすぎてフィルムとした場合に、熱可塑性樹脂層Bが流動により端部から滲み出す傾向があり、フィルム形成性が低下する傾向がある。また、1×109Pa・secを超えると、PDP用基板の製造に使用する場合において、凹凸を有する基板の凹部内面への熱可塑性樹脂層Aの形成性が低下する傾向がある。
【0074】
また、本発明における熱可塑性樹脂層Bの上には、さらに剥離可能なカバーフィルムを積層することができる。
カバーフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと熱可塑性樹脂層Bとの接着力よりも、カバーフィルムと熱可塑性樹脂層Bとの接着力の方が小さいものが好ましい。
このようにしてフィルム状に形成された熱可塑性樹脂層Bは、ロール状に巻いて保管可能とすることができる。
【0075】
本発明における熱可塑性樹脂層Aを有するフィルム及び熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムは、作業性等の点から、熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムが、支持体フィルム、熱可塑性樹脂層A及びカバーフィルムを有するものであることが好ましく、熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムが、支持体フィルム、熱可塑性樹脂層B及びカバーフィルムを有するものであることが好ましい。
また、本発明における熱可塑性樹脂層Aを有するフィルム及び熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムは、それぞれの熱可塑性樹脂層は、必ずしも一層である必要はなく、二層以上であってもよい。
【0076】
本発明における積層方法は、フィルムAを第1の供給部から供給し、フィルムBを第2の供給部から供給して、基板上にフィルムAを、その上にフィルムBを積層する必要があり、その方法としては、以下に示す本発明の積層装置を使用する方法等が挙げられる。
【0077】
本発明の積層装置は、フィルムAを供給する第1の供給手段、フィルムBを供給する第2の供給手段及び基板上にフィルムAを、その上にフィルムBを積層する積層手段を備えたものである。
また、本発明の積層装置は、支持体フィルム(5A)、熱可塑性樹脂層A(3)及びカバーフィルム(6A)を有するフィルムA並びに支持体フィルム(5B)、熱可塑性樹脂層B(4)及びカバーフィルム(6B)を有するフィルムBを用いて、基板(7)上に熱可塑性樹脂層A(3)、その上に熱可塑性樹脂層B (4)を積層する装置であって、フィルムAを供給する第1の供給手段、フィルムBを供給する第2の供給手段、カバーフィルム((6A)及び(6B))を取るため手段、支持体フィルム(5A)を取るための手段及び熱可塑性樹脂層A(3)と熱可塑性樹脂層B(4)を積層するための積層手段を備えたものである。
【0078】
また、本発明の積層装置は、基板(7)を送る搬送手段、フィルムAを供給する第1の供給手段、フィルムBを供給する第2の供給手段、カバーフィルム((6A)及び(6B))を取るための手段、熱可塑性樹脂層A(3)又は熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送るための手段、支持体フィルム(5A)を送るための手段、支持体フィルム(5A)を取るための手段、熱可塑性樹脂層A (3)又は熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを基板(7)に積層する積層手段を設けたものである。
前記した本発明の積層装置としては、具体的には、図3及び図4に示す積層装置等が挙げられる。
【0079】
以下、図3及び図4を用いて、本発明の積層装置を説明する。
図3及び図4は、本発明の積層装置の一例を示した模式図である。
図3の積層装置は、基板(7)を送る搬送ロール(11)、
フィルムAを供給する第1の供給ロール(1)、
カバーフィルム(6A)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを基板 (7)上に積層する積層ロール(10)、
支持体フィルム(5A)を送る送りロール(12)、
支持体フィルム(5A)を巻取る支持体フィルム巻取ロール(9)、
フィルムBを供給する第2の供給ロール(2)、
カバーフィルム(6B)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、
支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
基板(7)上に積層された熱可塑性樹脂層A(3)の上に、支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを積層する積層ロール(10)
を設けたものである。
【0080】
フィルムAを供給する第1の供給ロール(1)に、支持体フィルム(5A)、熱可塑性樹脂層A(3)及びカバーフィルム(6A)を有するロール状のフィルムAを設置し、カバーフィルム巻取ロール(8)で、カバーフィルム(6A)を巻取りながら、支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを、送りロール(12)で、積層ロール(10)に送り、基板(7)の上に支持体フィルム(5A)を有する熱可塑性樹脂層A(3)が積層される。
熱可塑性樹脂層A(3)が積層された基板(7)は、搬送ロール(11)で送られ、熱可塑性樹脂層A(3)上の支持体フィルム(5A)は、送りロール(12)で、支持体フィルム巻取ロール(9)へ送られ、支持体フィルム巻取ロール(9)で巻取られ、基板(7)上には、熱可塑性樹脂層A(3)のみが積層された状態となる。
【0081】
一方、フィルムBを供給する第2の供給ロール(2)に、支持体フィルム(5B)、熱可塑性樹脂層B(4)及びカバーフィルム(6B)を有するロール状のフィルムBを設置し、カバーフィルム巻取ロール(8)で、カバーフィルム(6B)を巻取りながら、支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを、送りロール(12)で、積層ロール(10)に送り、基板(7)の上に積層された熱可塑性樹脂層A(3)の上に、支持体フィルム(5B)を有する熱可塑性樹脂層B(4)が積層される。
なお、積層過程の部分的拡大図も図3に併せて示した。
【0082】
支持体フィルム(5A)を有する熱可塑性樹脂層A(3)を積層する積層ロール(10)の圧着圧力は、ゲージ圧(常圧1atmが0である)で、1×102〜1×107Paとすることが好ましく、5×102〜5×106Paとすることがより好ましく、1×104〜1×106Paとすることが特に好ましい。この圧着圧力は、ラミネーターのシリンダー圧力であり、線圧に換算でき、線圧で、50〜1×105N/mとすることが好ましく、2.5×102〜5×104N/mとすることがより好ましく、5×102〜4×104N/mとすることが特に好ましい。この圧着圧力が、50N/m未満では、熱可塑性樹脂層A(3)が、基板(7)上に充分に密着できない傾向があり、1×105N/mを超えると、基板(7)が破壊される傾向がある。
ここで、線圧を5×103N/mとする方法としては、例えば、シリンダ径が40mmφのラミネータを用い、厚さが3mm、縦10cm×横10cm(正方形)の基板を用いて、ラミネータのシリンダ圧力(常圧1atmが0である)を、2kgf/cm2とすることにより、線圧を5×103N/mとする方法、シリンダ径が40mmφのラミネータを用い、厚さが3mm、縦20cm×横20cm(正方形)の基板を用いて、ラミネータのシリンダ圧力(常圧1atmが0である)を、4kgf/cm2とすることにより、線圧を5×103N/mとする方法等が挙げられる。
【0083】
また、支持体フィルム(5A)を有する熱可塑性樹脂層A(3)を積層する積層ロール(10)は、熱可塑性樹脂層A(3)の基板(7)への密着性を向上させる点から、加熱圧着ロールとし、加熱を伴うこともできる。
加熱を伴う場合の加熱温度は、10〜140℃とすることが好ましく、10〜130℃とすることがより好ましく、20〜130℃とすることが更に好ましく、30〜130℃とすることが特に好ましく、30〜110℃とすることが最も好ましい。この加熱温度が、10℃未満では、熱可塑性樹脂層A(3)が、基板(7)上に充分に密着できない傾向があり、140℃を超えると、熱可塑性樹脂層A(3)が熱硬化する傾向がある。
熱可塑性樹脂層A(3)前記のように加熱すれば、基板(7)を予熱処理することは必要ではないが、熱可塑性樹脂層A(3)の基板(7)への密着性をさらに向上させる点から、前記基板(7)の予熱処理を行うことが好ましい。
【0084】
支持体フィルム(5A)を有する熱可塑性樹脂層A(3)を積層する積層ロール(10)の材質としては、特に制限はないが、熱可塑性樹脂層A(3)の基板(7)への密着性をさらに向上させる点から、ロールの表面が、ゴム、プラスチック等の柔軟性に富んだ材質のものを使用することが好ましい。
なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜400μmとすることが好ましい。
【0085】
支持体フィルム(5B)を有する熱可塑性樹脂層B(4)を積層する積層ロール(10)の圧着圧力は、ゲージ圧(常圧1atmが0である)で、1×104〜1×107Paとすることが好ましく、2×104〜5×106Paとすることがより好ましく、4×104〜1×106Paとすることが特に好ましい。この圧着圧力は、ラミネーターのシリンダー圧力であり、線圧に換算でき、線圧で、5〜1×105N/mとすることが好ましく、2.5×102〜5×104N/mとすることがより好ましく、1×102〜4×104N/mとすることが特に好ましい。この圧着圧力が 、50N/m未満では、熱可塑性樹脂層B(4)が、熱可塑性樹脂層A(3)上に充分に密着できない傾向があり、1×105N/mを超えると、基板(7)が破壊される傾向がある。
【0086】
また、支持体フィルム(5B)を有する熱可塑性樹脂層B(4)を積層する積層ロール(10)は、熱可塑性樹脂層B(4)の熱可塑性樹脂層A(3)への密着性を向上させる点から、加熱圧着ロールとし、加熱を伴うこともできる。加熱を伴う場合の加熱温度は、10〜140℃とすることが好ましく、10〜13℃とすることがより好ましく、20〜130℃とすることが更に好ましく、30〜130℃とすることが特に好ましく、30〜110℃が最も好ましい。この加熱温度が、10℃未満では、熱可塑性樹脂層B(4)が、熱可塑性樹脂層A(3)上に充分に密着できない傾向があり、140℃を超えると、熱可塑性樹脂層A(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)が熱硬化する傾向がある。
【0087】
なお、基板(7)が凹凸を有するPDP用基板等である場合には、凹凸を有する基板の凹凸表面上に熱可塑性樹脂層A(3)を密着させる必要があり、その場合、熱可塑性樹脂層B(4)は埋め込み層の役割を果たすため、上記した熱可塑性樹脂層B(4)を積層する積層ロール(10)の加熱は、必須条件となる。
図5は、凹凸を有する基板の凹凸表面上を示した模式図であり、図5において、凹凸表面上(18)は斜線部にして示した。
【0088】
支持体フィルム(5B)を有する熱可塑性樹脂層B(4)を積層する積層ロール(10)の材質としては、特に制限はないが、熱可塑性樹脂層B(4)の熱可塑性樹脂層A(3)への密着性を向上させる点から、ロールの表面が、ゴム、プラスチック等の柔軟性に富んだ材質のものを使用することが好ましい。
なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜400μmとすることが好ましい。
基板(7)の搬送速度は、0.01〜10m/分とすることが好ましく、0.02〜5m/分とすることがより好ましく、0.1〜2m/分とすることが特に好ましい。
【0089】
図4の積層装置は、基板(7)を送る搬送ロール(11)、
フィルムAを供給する第1の供給ロール(1)、
フィルムAを送る送りロール(12)、
カバーフィルム(6A)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
フィルムBを供給する第2の供給ロール(2)、
フィルムBを送る送りロール(12)、
カバーフィルム(6B)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、
支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムと支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを貼り合わせる合わせロール(13)、
支持体フィルム(5A)を送る送りロール(12)、
支持体フィルム(5A)を巻取る支持体フィルム巻取ロール(9)、
熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを送る送りロール(12)、
熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを基板(7)上に積層する積層ロール(10)
を設けたものである。
【0090】
フィルムAを供給する第1の供給ロール(1)に、支持体フィルム(5A)、熱可塑性樹脂層A(3)及びカバーフィルム(6A)を有するロール状のフィルムAを設置し、送りロール(12)で、カバーフィルム(6A)をカバーフィルム巻取ロール(8)に送り、カバーフィルム巻取ロール(8)で、カバーフィルム(6A)を巻取りながら、支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを、送りロール(12)で、合わせロール(13)に送る。一方、フィルムBを供給する第2の供給ロール(2)に、支持体フィルム(5B)、熱可塑性樹脂層B(4)及びカバーフィルム(6B)を有するロール状のフィルムBを設置し、送りロール(12)で、カバーフィルム(6B)をカバーフィルム巻取ロール(8)に送り、カバーフィルム巻取ロール(8)で、カバーフィルム(6B)を巻取りながら、支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを、送りロール(12)で合わせロール(13)に送る。
【0091】
支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムと支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを、合わせロール(13)で張りあわせ、送りロール(12)で、支持体フィルム(5A)を支持体フィルム巻取ロール(9)に送り、支持体フィルム巻取ロール(9)で、支持体フィルム(5A)を巻取りながら、送りロール(12)で、熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを、積層ロール(10)に送る。
基板(7)は、搬送ロール(11)で送られながら、積層ロール(10)により、基板(7)上に、熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムが積層される。
なお、積層過程の部分的拡大図も図4に併せて示した。
【0092】
熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを積層する積層ロール(10)の圧着圧力は、ゲージ圧(常圧1atmが0である)で、1×104〜1×107Paとすることが好ましく、2×104〜5×106Paとすることがより好ましく、4×104〜1×106Paとすることが特に好ましい。この圧着圧力は、ラミネーターのシリンダー圧力であり、線圧に換算でき、線圧で、5〜1×105N/mとすることが好ましく、2.5×102〜5×104N/mとすることがより好ましく、1×102〜4×104N/mとすることが特に好ましい。この圧着圧力が、50N/m未満では、熱可塑性樹脂層A(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)が、基板(7)上に充分に密着できない傾向があり、1×105N/mを超えると、基板(7)が破壊される傾向がある。
【0093】
また、熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを積層する積層ロール(10)は、熱可塑性樹脂層A(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)の、基板(7)への密着性を向上させる点から、加熱圧着ロールとし、加熱を伴うこともできる。
加熱を伴う場合の加熱温度は、0〜130℃とすることが好ましく、10〜130℃とすることがより好ましく、10〜120℃とすることが更に好ましく、20〜120℃とすることが更に好ましく、20〜110℃とすることが特に好ましく、30〜110℃とすることが最も好ましい。この加熱温度が、0℃未満では、熱可塑性樹脂層A(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)が、基板(7)上に充分に密着できない傾向があり、130℃を超えると、熱可塑性樹脂層A(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)が熱硬化する傾向がある。
【0094】
なお、基板(7)が凹凸を有するPDP用基板等である場合には、凹凸を有する基板の凹凸表面上に熱可塑性樹脂層A(3)を密着させる必要があり、その場合、熱可塑性樹脂層B(4)は埋め込み層の役割を果たすため、上記した積層ロール(10)の加熱は、必須条件となる。
また、熱可塑性樹脂層A(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)を前記のように加熱すれば、基板(7)を予熱処理することは必要ではないが、熱可塑性樹脂層A(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)の基板(7)への密着性をさらに向上させる点から、前記基板(7)の予熱処理を行うことが好ましい。
【0095】
熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを積層する積層ロール(10)の材質としては、特に制限はないが、熱可塑性樹脂層A(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)の基板(7)への密着性を向上させる点から、ロールの表面が、ゴム、プラスチック等の柔軟性に富んだ材質のものを使用することが好ましい。
なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜400μmとすることが好ましい。
また、基板(7)の搬送速度は、0.01〜10m/分とすることが好ましく、0.02〜5m/分とすることがより好ましく、0.1〜2m/分とすることが特に好ましい。
【0096】
また、本発明の積層方法は、5×104Pa以下の減圧下で行ってもよく、本発明の積層装置を減圧可能なものとし、5×104Pa以下の減圧下で、本発明の積層装置を使用することもできる。
【0097】
【作用】
本発明の積層装置は、熱可塑性樹脂層を有する二種類以上のフィルムを、一台の装置のみで積層できるものであり、作業性が良好である。
本発明の積層装置における積層ロール(10)の圧着圧力、加熱温度等を調整することにより、熱可塑性樹脂層の基板(7)への密着性が良好に積層でき、作業性も良好である。また、PDP用基板等の凹凸を有する基板においても、熱可塑性樹脂層を凹部内面へ、埋め込み性良く積層できる。
本発明の積層装置を使用することにより、一台の装置のみで積層できるため、装置の省スペース化が得られる。
また、本発明における図3の積層装置は、構造がシンプルであり、作業開始準備が容易であり、メンテナンス性にも優れる。
また、本発明における図4の積層装置は、二種類以上の熱可塑性樹脂層を、一回の積層で基板上に形成できるため、積層時の欠陥を抑制できるものである。
【0098】
本発明の積層方法及び積層装置は、二種類以上のフィルムを作業性良く積層するために好適であり、多層ラミネートを必要とする、カラーフィルタの製造、プラズマディスプレイパネルの製造、EL基板、フィールドエミッションディスプレイ蛍光体層形成用基板の製造等に有効に使用でき、比較的凹凸の差が大きい基板を使用するプラズマディスプレイパネルの製造等には、より好適である。
【0099】
以下、本発明の積層方法及び本発明の積層装置を用いた一例として、プラズマディスプレイパネルの製造における蛍光体パターンの製造法を説明する。
本発明の蛍光体パターンの製造法は、(I)凹凸を有する基板の凹凸表面上に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)及び熱可塑性樹脂層Bを形成する工程、(II)活性光線を像的に照射する工程、(III)現像により不要部を除去する工程及び(IV)焼成により不要分を除去する工程の各工程を有する。
【0100】
以下、図6を用いて、蛍光体パターンの製造法の各工程を説明する。なお、図6は、蛍光体パターンの製造法の各工程を示した模式図である。
〔(I)凹凸を有する基板の凹凸表面上に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)及び熱可塑性樹脂層Bを形成する工程〕
バリアリブ(15)が形成されたPDP用透明基板(14)(凹凸を有する基板)の凹凸表面上に、本発明の積層方法及び積層装置を用いて、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)を形成させた状態を図6(I)に示した。
【0101】
〔(II)活性光線を像的に照射する工程〕
活性光線(20)を像的に照射する状態を図6(II)に示した。
図6(II)の工程において、活性光線(20)を像的に照射する方法としては、図6(I)の状態の熱可塑性樹脂層B(4)の上に、ネガフィルム、ネガガラス、ポジフィルム、ポジガラス等のフォトマスク(19)を介して、活性光線 (20)を像的に照射することができる。この時、熱可塑性樹脂層B(4)の上に支持体フィルム(5B)が存在する場合は、その支持体フィルム(5B)を積層したまま活性光線(20)を像的に照射してもよく、また、支持体フィルム (5B)を除去した後に活性光線(20)を像的に照射してもよい。
なお、この時、熱可塑性樹脂層B(4)が、感光性を有するものである場合は、熱可塑性樹脂層B(4)は、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)と同時に光硬化することとなる。
【0102】
活性光線(20)としては、公知の活性光源が使用でき、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。
光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるので、その場合の活性光源は、紫外線を有効に放射するものにすべきである。また、光開始剤が可視光線に感受するもの、例えば、9、10−フェナンスレンキノン等である場合には、活性光線(20)としては、可視光が用いられ、その光源としては、前記のもの以外に写真用フラッド電球、太陽ランプ等も使用することができる。
また、活性光線(20)としては、平行光線、散乱光線等が挙げられ、平行光線及び散乱光線のどちらを使用してもよく、また、両方を一工程において使用してもよく、両方を二段階で別々に使用してもよい。なお、両方を二段階で別々に使用する場合には、どちらを先に行ってもよい。
【0103】
〔(III)現像により不要部を除去する工程〕
現像により不要部を除去した状態を図6(III)に示した。なお、図6(III)において、3′は光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層である。
図6(III)において、現像方法としては、例えば、図6(II)の状態の後、熱可塑性樹脂層B(4)の上に支持体フィルム(5B)が存在する場合には、これを除去した後、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤等の公知の現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法により現像を行い、不要部を除去する方法などが挙げられる。
【0104】
不要部を除去する場合には、まず、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)を溶解しない水、アルカリ水溶液、半溶剤水溶液、半溶剤アルカリ水溶液、有機溶剤等を用いて、熱可塑性樹脂層B(4)の不要部を溶解により除去した後に、現像液を用いて、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)の不要部を除去してもよく、また、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)が、同一の現像液を使用して現像できるものである場合には、その現像液を用いて、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)の不要部及び熱可塑性樹脂層B(4)の不要部を一工程で除去することもできる。
また、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)の不要部及び熱可塑性樹脂層B(4)の不要部を除去する方法として、ドライ現像にて、それぞれ単独に又は一工程で行うこともできる。
【0105】
なお、(III)の工程においては、前記(II)の工程により、形成された凹部内面以外の、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)(熱可塑性樹脂層B(4)が感光性を有するものである場合は、凹部内面以外熱可塑性樹脂層B(4))は、不要部であり、これを現像により除去する必要がある。なお、図7は、凹部内面を示した模式図であり、図7において、凹部内面(22)は斜線部にして示した。
【0106】
また、前記(III)工程の現像時間及び現像温度は、不要部を除去できるように適宜調節することができる。
現像時間は、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)の最小現像時間(蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)をPDP用基板の凹部内面に埋め込んだ後、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)が現像によって除去される最短の時間)の1〜10倍の時間とすることが好ましく、現像温度は、10〜60℃とすることが好ましい。
現像時間が、最小現像時間未満では、現像残りが発生する傾向があり、最小現像時間の10倍の時間を超えると、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)の必要部まで除去される傾向がある。また、現像温度が、10℃未満では、現像性が低下する傾向があり、60℃を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
【0107】
アルカリ水溶液の塩基としては、水酸化アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの炭酸塩若しくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等)、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミンなどが挙げられ、中でも、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が好ましいものとして挙げられる。
現像に用いるアルカリ水溶液のpHは、9〜11とすることが好ましく、また、その温度は、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)及び熱可塑性樹脂層B(4)の現像性に合わせて調整することができる。
また、アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させることができる。
【0108】
水系現像液としては、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなるものが挙げられる。
ここで、アルカリ水溶液の塩基としては、前記物質以外に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
水系現像液のpHは、8〜12とすることが好ましく、9〜10とすることがより好ましい。
【0109】
有機溶剤としては、例えば、三アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%の範囲とされ、また、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。
また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することができる。
単独で用いる有機溶剤現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N、N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20重量%の範囲で水を添加してもよい。
【0110】
このようにして、凹部内面以外に形成された蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)(不要部)(熱可塑性樹脂層B(4)が感光性を有するものである場合は、凹部内面以外の熱可塑性樹脂層B(4))が、現像により除去され、凹部内面には、光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層3′(熱可塑性樹脂層B(4)が感光性を有する場合は、光硬化後の熱可塑性樹脂層Bも含む)が形成される。
【0111】
また、現像後、PDP用基板の凹部内面の表面における蛍光体含有フォトレジストの密着性及び耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプ等による紫外線照射や加熱を行うこともできる。
この時の、紫外線の照射量は、通常、5〜10000mJ/cm2とすることが好ましく、7〜5000mJ/cm2とすることがより好ましく、10〜3000mJ/cm2とすることが特に好ましい。
また、加熱時の温度は、60〜180℃とすることが好ましく、100〜180℃とすることがより好ましい。また、加熱時間は、15〜90分間とすることが好ましい。
これらの紫外線の照射と加熱は、照射と加熱を別々に行ってもよく、どちらを先に行ってもよい。
【0112】
〔(IV)焼成により不要分を除去する工程〕
焼成により不要分を除去した後の蛍光体パターンを形成した状態を図6(IV)に示した。なお、図6(IV)において、21は蛍光体パターンである。
図6(IV)において、焼成方法としては、特に制限はなく、公知の焼成方法を使用し、蛍光体及び結着剤以外の不要分を除去し、蛍光体パターンを形成することができる。
この時の、最高焼成温度は、350〜800℃とすることが好ましく、400〜600℃とすることがより好ましい。また、最高焼成温度での焼成時間は、3〜120分間とすることが好ましく、5〜90分間とすることがより好ましい。
この時の、昇温速度は、0.5〜50℃/分とすることが好ましく、1〜45℃/分とすることがより好ましい。また、最高焼成温度に到達する前の350〜450℃の間に、その温度を保持するステップを設けることができ、その保持時間は5〜100分間とすることが好ましい。
【0113】
本発明の蛍光体パターンの製造法は、工程数を低減できる等の点から、前記(I)〜 (III)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からなる多色パターンを形成した後、(IV)の工程を行ない多色の蛍光体パターンを形成することが好ましい。
本発明の蛍光体パターンの製造法において、赤色、青色及び緑色に発色するそれぞれの蛍光体を単独で含む蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)は、赤色、青色及び緑色の各色について、どの様な順番でも行うことができる。
【0114】
本発明の蛍光体パターンの製造法における(I)〜(III)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を含む多色パターンを形成した状態を図8に示した。図8において、3′aは1色目のパターン、3′bは2色目のパターン及び3′cは3色目のパターンである。
また、本発明の蛍光体パターンの製造法における(IV)の工程を行ない多色の蛍光体パターンを形成した状態を図9に示した。図9において、21aは1色目の蛍光体パターン、21bは2色目の蛍光体パターン及び21cは3色目の蛍光体パターンである。
【0115】
また、本発明の蛍光体パターンの製造法は、凹部内面に形成された蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)(3)の膜べりの抑制等の点から、前記蛍光体パターンの製造法における(I)〜(IV)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発色する多色の蛍光体パターンを形成することが好ましい。
【0116】
本発明のプラズマディスプレイパネル用背面板は、上述のようにして得られた蛍光パターンを、プラズマディスプレイパネル用基板上に備えてなるものである。
以下に、プラズマディスプレイパネル用背面板について、図10を用いて説明する。なお、図10は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の一例を示した模式図であり、図10において14は透明基板、15はバリアリブ、17はストライプ状放電空間、21は蛍光体パターン、23はアドレス用電極、24は保護膜、25は誘電体層、26は表示用電極及び27は前面板用基板である。
図10において、透明基板14、バリアリブ15、蛍光体パターン21及びアドレス用電極23を含む下部がPDP用背面板であり、保護膜24、誘電体層25、表示用電極26及び前面板用基板27を含む上部がPDP用前面板である。
PDPは、電圧の印加方式から、AC(交流)型PDP、DC(直流)型PDP等に分類でき、一例として示した図10の模式図は、AC型PDPである。
【0117】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
製造例1
〔フィルム性付与ポリマ(a)溶液の作製〕
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1に示す▲1▼を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1に示す▲2▼を4時間かけて均一に滴下した。
▲2▼の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、重量平均分子量が80,000、酸価が130mgKOH/gのフィルム性付与ポリマ(a)の溶液(固形分45.5重量%)を得た。
【0118】
【表1】
Figure 0003925749
【0119】
製造例2
〔熱可塑性樹脂層A用溶液(Aー1)の作製〕
表2に示す材料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、熱可塑性樹脂層A用溶液(Aー1)を調製した。
【0120】
【表2】
Figure 0003925749
【0121】
製造例3
〔熱可塑性樹脂層A用溶液(Aー2)の作製〕
表3に示す材料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、熱可塑性樹脂層A用溶液(Aー2)を調製した。
【0122】
【表3】
Figure 0003925749
【0123】
製造例4
〔感光性エレメント(i)の作製〕
製造例2で得られた、熱可塑性樹脂層A用溶液(A−1)を、50μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、熱可塑性樹脂層Aを形成した。得られた熱可塑性樹脂層Aの厚さは60μmであった。
次いで、熱可塑性樹脂層Aの上に、さらに、25μmの厚さのポリエチレンフィルムを、カバーフィルムとして張り合わせて、感光性エレメント(i)を作製した。
【0124】
得られた感光性エレメント(i)のエッジフュージョン性を下記の方法で評価し、結果を表6に示した。
〔エッジフュージョン性〕
ロール状に巻き取られた長さ90mの感光性エレメント(i)を、温度が23℃、湿度が60%Rhで保管し、ロール側面から感光層のしみ出しの様子を、6カ月間にわたって目視で評価した。評価基準は次の通りである。
○:エッジフュージョン性が良好なもの(6カ月間でも感光層のしみ出しがないもの)
×:エッジフュージョン性が不良なもの(6カ月間で感光層のしみ出しが発生したもの)
【0125】
製造例5
〔感光性エレメント(ii)の作製〕
製造例4において、製造例2で得られた熱可塑性樹脂層A用溶液(A−1)を、製造例3で得られた熱可塑性樹脂層A用溶液(A−2)に代えた以外は、製造例4と同様にして、感光性エレメント(ii)を作製した。なお、感光性エレメント(ii)の熱可塑性樹脂層Aの厚さは、40μmであった。
得られた感光性エレメント(ii)のエッジフュージョン性を、製造例4と同様にして評価し、結果を表6に示した。
【0126】
製造例6
〔感光性エレメント(iii)の作製〕
表4に示す材料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、熱可塑性樹脂層A用溶液(A−3)を調製した。
【0127】
【表4】
Figure 0003925749
【0128】
次いで、製造例4において、熱可塑性樹脂層A用溶液(A−1)を熱可塑性樹脂層A用溶液(A−3)に代えた以外は、製造例4と同様にして、感光性エレメント(iii)を作製した。なお、感光性エレメント(iii)の熱可塑性樹脂層Aの厚さは、40μmであった。
得られた感光性エレメント(iii)のエッジフュージョン性を、製造例4と同様にして評価し、結果を表6に示した。
【0129】
製造例7
〔感光性エレメント(iv)の作製〕
表5に示す材料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、熱可塑性樹脂層A用溶液(A−4)を調製した。
【0130】
【表5】
Figure 0003925749
【0131】
次いで、製造例4において、熱可塑性樹脂層A用溶液(A−1)を熱可塑性樹脂層A用溶液(A−4)に代えた以外は、製造例4と同様にして、感光性エレメント(iv)を作製した。なお、感光性エレメント(iv)の熱可塑性樹脂層Aの厚さは、40μmであった。
得られた感光性エレメント(iv)のエッジフュージョン性を、製造例4と同様にして評価し、結果を表6に示した。
【0132】
【表6】
Figure 0003925749
【0133】
表6の結果から、製造例4〜7で作製した、感光性エレメントのエッジフュージョン性は良好であった。
【0134】
製造例8
〔熱可塑性樹脂層Bを有するフィルム(B−1)の作製〕
表7に示す材料からなる樹脂溶液を、20μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、80〜110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して蒸留水を除去し、熱可塑性樹脂層Bを形成した。得られた熱可塑性樹脂層Bの乾燥後の厚さは、70μmであった。
【0135】
【表7】
Figure 0003925749
【0136】
次いで、熱可塑性樹脂層Bの上に、厚さが25μmのポリエチレンフィルムをカバーフィルムとして張り合わせて、支持体フィルム、熱可塑性樹脂層B及びカバーフィルムからなる、熱可塑性樹脂層Bを有するフィルム(B−1)を作製した。
【0137】
製造例9
〔熱可塑性樹脂層Bを有するフィルム(B−2)の作製〕表に示す材料からなる樹脂溶液を、20μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、80〜110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、熱可塑性樹脂層Bを形成した。得られた熱可塑性樹脂層Bの乾燥後の厚さは、45μmであった。
【0138】
【表8】
Figure 0003925749
【0139】
次いで、熱可塑性樹脂層Bの上に、厚さが25μmのポリエチレンフィルムをカバーフィルムとして張り合わせて、支持体フィルム、熱可塑性樹脂層B及びカバーフィルムからなる、熱可塑性樹脂層Bを有するフィルム(B−2)を作製した。
【0140】
〔熱可塑性樹脂層Aを有する感光性エレメント及び熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムの積層〕
実施例1
凹凸を有するPDP用基板(ストライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の開口幅150μm、バリアリブの幅70μm、バリアリブの高さ150μm)のバリアリブが形成された側に、図3に示す本発明の積層装置を用いて、製造例4で得られた熱可塑性樹脂層Aを有する感光性エレメント(i)のポリエチレンフィルムを剥がしながら、ラミネート温度が60℃、ラミネート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が5×104Pa(幅10cmの基板を用いたため、このときの線圧は1.2×103N/m)で積層し、感光性エレメント(i)のバリアリブと接していない面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離、熱可塑性樹脂層A上に熱可塑性樹脂層Bを有するフィルム(B−1)のポリエチレンフィルムを剥がしながら、ラミネート温度が120℃、ラミネート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が4×105Pa(幅10cmの基板を用いたため、このときの線圧は9.8×103N/m)で積層し、凹部内面に熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを埋め込んだ。
【0141】
熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bが積層された基板を、ストライプ方向に対して直角の方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡にて観察し、蛍光体層形成性を確認した結果、均一で良好な蛍光体層が形成されていることが分かった。
【0142】
実施例2
図4に示す本発明の積層装置を用いて、製造例5で得られた熱可塑性樹脂層Aを有する感光性エレメント(ii)及び熱可塑性樹脂層Bを有するフィルム(B−2)それぞれのポリエチレンフィルムを剥がしながら、ラミネート温度が20℃、ラミネート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が5×104Pa(幅10cmのフィルムを用いたため、このときの線圧は1.2×103N/m)で積層し、感光性エレメント(ii)の熱可塑性樹脂層Bと接していない面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離しながら、凹凸を有するPDP用基板(ストライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の開口幅150μm、バリアリブの幅70μm、バリアリブの高さ150μm)のバリアリブが形成された側に、ラミネート温度が120℃、ラミネート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が4×105Pa(幅10cmの基板を用いたため、このときの線圧は9.8×103N/m)で積層し、凹部内面に熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを埋め込んだ 。
【0143】
熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bが積層された基板を、ストライプ方向に対して直角の方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡にて観察し、蛍光体層形成性を確認した結果、均一で良好な蛍光体層が形成されていることが分かった。
【0144】
実施例3
図4に示す本発明の積層装置を用いて、製造例6で得られた熱可塑性樹脂層Aを有する感光性エレメント(iii)及び熱可塑性樹脂層Bを有するフィルム(B−2)それぞれのポリエチレンフィルムを剥がしながら、ラミネート温度が20℃、ラミネート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が5×104Pa(幅10cmのフィルムを用いたため、このときの線圧は1.2×103N/m)で積層し、感光性エレメント(iii)の熱可塑性樹脂層Bと接していない面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離しながら、凹凸を有するPDP用基板(ストライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の開口幅150μm、バリアリブの幅70μm、バリアリブの高さ150μm)のバリアリブが形成された側に、ラミネート温度が120℃、ラミネート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が4×105Pa(幅10cmの基板を用いたため、このときの線圧は9.8×103N/m)で積層し、凹部内面に熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを埋め込んだ。
【0145】
熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bが積層された基板を、ストライプ方向に対して直角の方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡にて観察し、蛍光体層形成性を確認した結果、均一で良好な蛍光体層が形成されていることが分かった。
【0146】
実施例4
図4に示す本発明の積層装置を用いて、製造例7で得られた熱可塑性樹脂層Aを有する感光性エレメント(iv)及び熱可塑性樹脂層Bを有するフィルム(B−2)それぞれのポリエチレンフィルムを剥がしながら、ラミネート温度が20℃、ラミネート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が5×104Pa(幅10cmのフィルムを用いたため、このときの線圧は1.2×103N/m)で積層し、感光性エレメント(iv)の熱可塑性樹脂層Bと接していない面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離しながら、凹凸を有するPDP用基板(ストライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の開口幅150μm、バリアリブの幅70μm、バリアリブの高さ150μm)のバリアリブが形成された側に、ラミネート温度が120℃、ラミネート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が4×105Pa(幅10cmの基板を用いたため、このときの線圧は9.8×103N/m)で積層し、凹部内面に熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを埋め込んだ 。
【0147】
熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bが積層された基板を、ストライプ方向に対して直角の方向に切断し、その切断面を電子顕微鏡にて観察し、蛍光体層形成性を確認した結果、均一で良好な蛍光体層が形成されていることが分かった。
【0148】
実施例5
〔赤蛍光体パターンの作製〕
〔(I)凹凸を有する基板の凹凸表面上に、赤蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)及び熱可塑性樹脂層Bを形成する工程〕
実施例2と同様にして、感光性エレメント(ii)及びフィルム(B−2)を用いて基板に熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを積層した。
〔(II)活性光線を像的に照射する工程〕
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムごと熱可塑性樹脂層Bを剥離して除き、熱可塑性樹脂層A上に試験用フォトマスクを密着させて、(株)オーク製作所製HMW−590型露光機を使用し、500mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0149】
〔(III)現像により不要部を除去する工程〕
次いで、活性光線の照射後、常温で1時間放置した後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で120秒間スプレー現像した。
現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに、150℃で1時間、乾燥器中で加熱した。
〔(IV)焼成により不要分を除去する工程〕
次いで、500℃で30分間加熱処理(焼成)を行い、不必要な樹脂成分を除去し、PDP用基板の凹部内面に赤蛍光体パターンを形成させた。
【0150】
得られた赤蛍光体パターンの断面を、実体顕微鏡及びSEMにより目視にて観察し、蛍光体パターンの形成状況を評価した結果、赤蛍光体層がPDP用基板の凹部内面(バリアリブ壁面及び基板面)上に均一に形成されていた。
【0151】
実施例6
〔青蛍光体パターンの作製〕
〔(I)凹凸を有する基板の凹凸表面上に、青蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)及び熱可塑性樹脂層Bを形成する工程〕
実施例2と同様にして、感光性エレメント(iii)及びフィルム(B−2)を用いて基板に熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを積層した。
〔(II)活性光線を像的に照射する工程〕
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムごと熱可塑性樹脂層Bを剥離して除き、熱可塑性樹脂層A上に試験用フォトマスクを密着させて、(株)オーク製作所製HMW−590型露光機を使用し、500mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0152】
〔(III)現像により不要部を除去する工程〕
次いで、活性光線の照射後、常温で1時間放置した後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で120秒間スプレー現像した。
現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに、150℃で1時間、乾燥器中で加熱した。
〔(IV)焼成により不要分を除去する工程〕
次いで、500℃で30分間加熱処理(焼成)を行い、不必要な樹脂成分を除去し、PDP用基板の凹部内面に青蛍光体パターンを形成させた。
【0153】
得られた青蛍光体パターンの断面を、実体顕微鏡及びSEMにより目視にて観察し、青蛍光体パターンの形成状況を評価した結果、青蛍光体層がPDP用基板の凹部内面(バリアリブ壁面及び基板面)上に均一に形成されていた。
【0154】
実施例7
〔緑蛍光体パターンの作製〕
〔(I)凹凸を有する基板の凹凸表面上に、緑蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)及び熱可塑性樹脂層Bを形成する工程〕
実施例2と同様にして、感光性エレメント(iv)及びフィルム(B−2)を用いて基板に熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを積層した。
〔(II)活性光線を像的に照射する工程〕
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムごと熱可塑性樹脂層Bを剥離して除き、熱可塑性樹脂層A上に試験用フォトマスクを密着させて、(株)オーク製作所製HMW−590型露光機を使用し、500mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0155】
〔(III)現像により不要部を除去する工程〕
次いで、活性光線の照射後、常温で1時間放置した後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で120秒間スプレー現像した。
現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、さらに、150℃で1時間、乾燥器中で加熱した。
〔(IV)焼成により不要分を除去する工程〕
次いで、500℃で30分間加熱処理(焼成)を行い、不必要な樹脂成分を除去し、PDP用基板の凹部内面に緑蛍光体パターンを形成させた。
【0156】
得られた緑蛍光体パターンの断面を、実体顕微鏡及びSEMにより目視にて観察し、緑蛍光体パターンの形成状況を評価した結果、緑蛍光体層がPDP用基板の凹部内面(バリアリブ壁面及び基板面)上に均一に形成されていた。
【0157】
以上の結果から、本発明の積層方法及び積層装置を用いて蛍光体パターンを製造することにより、良好な蛍光体パターンを製造することができる。
【0158】
実施例8
〔3色パターンの形成〕
実施例5における(I)〜(III)の工程を行って得られた、1色目の赤色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が形成された基板を用いて、試験例2の(I)〜(III)と同様の工程を行って、2色目の青色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成し、次いで、試験例3の(I)〜(III)と同様の工程を行って、3色目の緑色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成して多色のパターンを作製した。
次に、得られた多色のパターンを用いて、実施例5における(IV)の工程を行い、多色の蛍光体パターンが形成されたPDP用背面板を作製した。
【0159】
得られた多色の蛍光体パターンの断面を、実体顕微鏡及びSEMにより目視にて観察し、多色の蛍光体パターンの形成状況を評価した結果、赤、青及び緑に発色する多色の蛍光体パターンがPDP用背面板の空間(バリアリブ壁面及びセル底面上)に均一に形成されていることを確認した。
【0160】
【発明の効果】
請求項1記載の積層方法は、二種類以上のフィルムを用いて、それぞれのフィルムを作業性よく基板上に積層することができる。さらにPDP用基板等の凹凸を有する基板上に、作業性よく積層することができ、より作業性に優れる。請求項記載の積層方法は、請求項1記載の発明の効果を奏し、さらにプリント配線板用基板、カラーフィルタ等の製造に好適である。請求項記載の積層方法は、請求項1、2記載の発明の効果を奏し、さらにプラズマディスプレイパネル、EL基板等の製造に好適である。請求項記載の積層方法は、請求項1、2又記載の発明の効果を奏し、よりプラズマディスプレイパネル等の製造に好適である。請求項記載の積層方法は、請求項1、2、3又記載の発明の効果を奏し、より作業性に優れる。
【0161】
請求項及び記載の積層装置は、熱可塑性樹脂層を有する、二種類以上のフィルムを用いて、それぞれの熱可塑性樹脂層を作業性よく基板上に積層することができる。請求項記載の積層装置は、熱可塑性樹脂層を有する、二種類以上のフィルムを用いて、それぞれの熱可塑性樹脂層を作業性よく基板上に積層することができ、スペースをとらない積層装置である。請求項記載の積層装置は、請求項6、7又は8記載の発明の効果を奏し、さらに作業開始準備が容易であり、メンテナンス性に優れる。請求項10記載の積層装置は、請求項6、7又は記載の発明の効果を奏し、さらに積層時の欠陥を抑制できる。
【0162】
請求項11記載の蛍光体パターンの製造法は、高精度な蛍光体パターンを製造できるものである。請求項12記載の蛍光体パターンは、高精度に形成されたもので、均一性に優れたものである。請求項13記載のプラズマディスプレイパネル用背面板は、高精度に形成された蛍光体パターンを備えたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】バリアリブが形成されたPDP用基板の一例を示した模式図である。
【図2】バリアリブが形成されたPDP用基板の一例を示した模式図である。
【図3】本発明の積層装置の一例を示した模式図である。
【図4】本発明の積層装置の一例を示した模式図である。
【図5】凹凸を有する基板の凹凸表面上を示した模式図である。
【図6】蛍光体パターンの製造法の各工程の一例を示した模式図である。
【図7】凹部内面を示した模式図である。
【図8】蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からなる多色パターンを形成した状態を示した模式図である。
【図9】多色の蛍光体パターンを形成した状態を示した模式図である。
【図10】プラズマディスプレイパネル用背面板の一例を示した模式図である。
【符号の説明】
1 …第1の供給ロール
2 …第2の供給ロール
3 …熱可塑性樹脂層A
3 …蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(熱可塑性樹脂層A)
3′…光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
3′a…1色目のパターン
3′b…2色目のパターン
3′c…3色目のパターン
4 …熱可塑性樹脂層B
5A …支持体フィルム
5B …支持体フィルム
6A …カバーフィルム
6B …カバーフィルム
7 …基板
8 …カバーフィルム巻取ロール
9 …支持体フィルム巻取ロール
10 …積層ロール
11 …搬送ロール
12 …送りロール
13 …合わせロール
14 …透明基板
15 …バリアリブ
16 …格子状放電空間
17 …ストライプ状放電空間
18 …凹凸表面上
19 …フォトマスク
20 …活性光線
21 …蛍光体パターン
21a…1色目の蛍光体パターン
21b…2色目の蛍光体パターン
21c…3色目の蛍光体パターン
22 …凹部内面
23 …アドレス用電極
24 …保護膜
25 …誘電体層
26 …表示用電極
27 …前面板用基板

Claims (13)

  1. 熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムAを第1の供給部から供給し、膜厚が10〜200μmの熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムBを第2の供給部から供給して、高さが20〜500μm及び幅が20〜200μmの凹凸を有する基板上に前記フィルムAを積層し、その上に前記フィルムBを30〜130℃の温度で加熱圧着積層することにより、前記凹凸を有する基板の凹部内面へ前記熱可塑性樹脂層Aを埋め込むことを特徴とする積層方法。
  2. 熱可塑性樹脂層Aが、(a)フィルム性付与ポリマ、(b)末端にエチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物及び(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤を含む感光性樹脂組成物層である請求項記載の積層方法。
  3. 熱可塑性樹脂層Aが、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含みさらに、(d)蛍光体を含む感光性樹脂組成物層である請求項1又は2に記載の積層方法。
  4. 熱可塑性樹脂層Bが、(e)熱可塑性樹脂を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層方法。
  5. 熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムが、支持体フィルム、熱可塑性樹脂層A及びカバーフィルムを有するものであり、熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムが、支持体フィルム、熱可塑性樹脂層B及びカバーフィルムを有するものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層方法。
  6. 熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムAを供給する第1の供給手段、膜厚が10〜200μmの熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムBを供給する第2の供給手段及び高さが20〜500μm及び幅が20〜200μmの凹凸を有する基板上に前記フィルムAを積層し、その上に前記フィルムBを30〜130℃の温度で加熱圧着積層することにより、前記凹凸を有する基板の凹部内面へ前記熱可塑性樹脂層Aを埋め込むための積層手段を備えてなる積層装置。
  7. 支持体フィルム(5A)、熱可塑性樹脂層A(3)及びカバーフィルム(6A)を有するフィルムA並びに支持体フィルム(5B)、熱可塑性樹脂層B(4)及びカバーフィルム(6B)を有するフィルムBを用いて、高さが20〜500μm及び幅が20〜200μmの凹凸を有する基板(7)上に熱可塑性樹脂層A(3)、その上に熱可塑性樹脂層B(4)を積層する装置であって、フィルムAを供給する第1の供給手段、フィルムBを供給する第2の供給手段、カバーフィルム((6A)及び(6B))を取るため手段、支持体フィルム(5A)を取るための手段及び熱可塑性樹脂層A(3)と熱可塑性樹脂層B(4)を30〜130℃の温度で加熱圧着積層する積層手段を備えた積層装置。
  8. 支持体フィルム(5A)、熱可塑性樹脂層A(3)及びカバーフィルム(6A)を有するフィルムA並びに支持体フィルム(5B)、熱可塑性樹脂層B(4)及びカバーフィルム(6B)を有するフィルムBを用いて、基板(7)上に熱可塑性樹脂層A(3)、その上に熱可塑性樹脂層B(4)を積層する装置であって、高さが20〜500μm及び幅が20〜200μmの凹凸を有する基板(7)を送る搬送手段、フィルムAを供給する第1の供給手段、フィルムBを供給する第2の供給手段、カバーフィルム((6A)及び(6B))を取るための手段、熱可塑性樹脂層A(3)又は熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送るための手段、支持体フィルム(5A)を送るための手段、支持体フィルム(5A)を取るための手段、熱可塑性樹脂層A(3)又は熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを前記基板(7)に30〜130℃の温度で加熱圧着積層する積層手段を設けた積層装置。
  9. 基板(7)を送る搬送ロール(11)、フィルムAを供給する第1の供給ロール(1)、カバーフィルム(6A)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを送る送りロール(12)、支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを基板(7)上に積層する積層ロール(10)、支持体フィルム(5A)を送る送りロール(12)、支持体フィルム(5A)を巻取る支持体フィルム巻取ロール(9)、フィルムBを供給する第2の供給ロール(2)、カバーフィルム(6B)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送る送りロール(12)、基板(7)上に積層された熱可塑性樹脂層A(3)の上に、支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを積層する積層ロール(10)を設けた請求項6〜8のいずれか一項に記載の積層装置。
  10. 基板(7)を送る搬送ロール(11)、フィルムAを供給する第1の供給ロール(1)、フィルムAを送る送りロール(12)、カバーフィルム(6A)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムを送る送りロール(12)、フィルムBを供給する第2の供給ロール(2)、フィルムBを送る送りロール(12)、カバーフィルム(6B)を巻取るカバーフィルム巻取ロール(8)、支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを送る送りロール(12)、支持体フィルム(5A)及び熱可塑性樹脂層A(3)を有するフィルムと支持体フィルム(5B)及び熱可塑性樹脂層B(4)を有するフィルムを貼り合わせる合わせロール(13)、支持体フィルム(5A)を送る送りロール(12)、支持体フィルム(5A)を巻取る支持体フィルム巻取ロール(9)、熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを送る送りロール(12)、熱可塑性樹脂層A(3)、熱可塑性樹脂層B(4)及び支持体フィルム(5B)を有するフィルムを基板(7)上に積層する積層ロール(10)を設けた請求項6〜8のいずれか一項に記載の積層装置。
  11. (I)凹凸を有する基板の凹凸表面上に、請求項1記載の積層方法により蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層である熱可塑性樹脂層Aを有するフィルムA及び熱可塑性樹脂層Bを有するフィルムBを積層して熱可塑性樹脂層A及び熱可塑性樹脂層Bを形成する工程、(II)活性光線を像的に照射する工程、(III)現像により不要部を除去する工程及び(IV)焼成により不要分を除去する工程を含む蛍光体パターンの製造法。
  12. 請求項11記載の蛍光体パターンの製造法により製造された蛍光体パターン。
  13. プラズマディスプレイパネル用基板上に請求項12記載の蛍光体パターンを備えてなるプラズマディスプレイパネル用背面板。
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