JPH11191367A - 蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板 - Google Patents

蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板

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JPH11191367A
JPH11191367A JP9361283A JP36128397A JPH11191367A JP H11191367 A JPH11191367 A JP H11191367A JP 9361283 A JP9361283 A JP 9361283A JP 36128397 A JP36128397 A JP 36128397A JP H11191367 A JPH11191367 A JP H11191367A
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JP
Japan
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phosphor
resin composition
photosensitive resin
composition layer
pattern
Prior art date
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Pending
Application number
JP9361283A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Kazuya Sato
和也 佐藤
Naoki Kimura
直紀 木村
Seiji Tai
誠司 田井
Ikuo Mukai
郁夫 向
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 作業性、環境安全性に優れる蛍光体パターン
の製造法及び高精度で均一な形状で輝度の優れた蛍光体
パターンとこの蛍光体パターンを備えたプラズマディス
プレイ用背面板を提供する。 【解決手段】 (I)凹凸を有する基板上において
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
(B)埋め込み層を配置した状態で、(B)埋め込み層
に圧力を加えて、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層及び剥離可能な(B)埋め込み層を積層する工
程、(II)活性光線を像的に照射する工程、(II
I)(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程、(IV)前記パ
ターンに活性光線を照射する工程及び/又は前記パター
ンを加熱する工程並びに(V)前記パターンから焼成に
より不要分を除去して蛍光体パターンを形成する工程の
各工程を含む蛍光体パターンの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体パターンの
製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネ
ル用背面板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、平板ディスプレイの1つとし
て、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることに
よって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDPと記す)が知られている。
【0003】PDPは、ガラスからなる平板状の前面板
と背面板とが互いに平行にかつ対向して配設され、両者
はその間に設けられたバリアリブにより一定の間隔に保
持されており、前面板、背面板及びバリアリブに囲まれ
た空間で放電する構造になっている。
【0004】このような空間には、表示のための蛍光体
が塗布され、放電によって封入ガスから発生する紫外線
によって蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認
できるようになっている。
【0005】従来、この蛍光体を設ける方法としては、
各色蛍光体を分散させたスラリー液若しくはペーストを
スクリーン印刷等の印刷方法によって塗布する方法が提
案されており、特開平1−115027号公報、特開平
1−124929号公報、特開平1−124930号公
報、特開平2−155142号公報等に開示されてい
る。
【0006】しかし、上記の蛍光体分散スラリー液は液
状であるため、蛍光体の沈澱等による分散不良が生じや
すく、またスラリー液に液状の感光性レジストストを用
いた場合には、暗反応の促進等により保存安定性が乏し
くなる等の欠点を有する。更にスクリーン印刷等の印刷
方法は印刷精度にに劣るため、将来的なPDPの大画面
化への対応は困難である等の問題がある。
【0007】これらの問題点の解決には、蛍光体を含有
させた感光性エレメント(感光性フィルムともいう)を
用いる方法が提案されている(特開平6−273925
号公報)。
【0008】感光性エレメントを用いる方法とは、蛍光
体を含有する感光性樹脂層と支持体フィルムよりなる感
光性エレメントの蛍光体を含有する感光性樹脂層を、加
熱圧着(ラミネート)により前記PDP用基板の空間に
埋め込み、次に、ネガフィルムを用いて、写真法により
紫外線等の活性光で像的に露光し、その後、アルカリ水
溶液等の現像液で、未露光部分を除去し、更に、焼成に
より不必要な有機成分を取り除いて、必要な部分のみに
蛍光体パターンを形成するものである。
【0009】従って、前記PDP用基板の空間に蛍光体
パターンを形成する際には、蛍光体の分散性を確認する
必要はなく、また、蛍光体分散スラリー液若しくはペー
ストに比べて保存安定性にも優れている。更に、写真法
を用いるため、精度良く蛍光体パターンを形成すること
ができる。
【0010】しかし、従来の方法により感光性エレメン
トを使用して蛍光体を含有する感光性樹脂層を、ラミネ
ートにより前記PDP用基板の空間(セル内)に埋め込
むと、バリアリブ壁面及び空間底面上に蛍光体パターン
を均一な層厚、形状で形成することが困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PD
P用基板等の凹凸を有する基板の空間への埋め込み性
(PDP用基板であれば、バリアリブ壁面及び空間底面
上における蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の形成
性)が優れ、高精度で均一な形状の蛍光体パターンを形
成できる蛍光体パターンの製造法を提供することにあ
る。
【0012】本発明の他の発明は、上記発明の効果に加
えて、更に作業性、環境安全性に優れる蛍光体パターン
の製造法を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、上記発明の効果に加
えて、更に膜べりの抑制に優れる蛍光体パターンの製造
法を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、上記発明の効果に加
えて、更に作業性、光感度に優れる蛍光体パターンの製
造法を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、高精度で均一な形状
で輝度の優れた蛍光体パターンを提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、高精度で均一な形状
で輝度の優れた蛍光体パターンを備えたプラズマディス
プレイ用背面板を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、(I)凹凸を
有する基板上において(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層の上に(B)埋め込み層を配置した状態で、
(B)埋め込み層に圧力を加えて、(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層及び(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層と剥離可能な(B)埋め込み層を凹凸
を有する基板上に積層する工程、(II)(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層に
活性光線を像的に照射する工程、(III)(B)埋め
込み層及び活性光線を像的に照射した部分の(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を選択的に除去して
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層のパターン
を形成する工程、(IV)前記パターンに活性光線を照
射する工程及び/又は前記パターンを加熱する工程並び
に(V)前記パターンから焼成により不要分を除去して
蛍光体パターンを形成する工程の各工程を含むことを特
徴とする蛍光体パターンの製造法に関する。
【0018】また、本発明は、前記蛍光体パターンの製
造法により製造された蛍光体パターンに関する。
【0019】また、本発明は、プラズマディスプレイパ
ネル用基板上に前記蛍光体パターンを備えてなるプラズ
マディスプレイパネル用背面板に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明における凹凸を有する基板
としては、バリアリブが形成されたプラズマディスプレ
イパネル用基板(PDP用基板)等が挙げられる。
【0021】PDP用基板としては、例えば、透明な接
着のための表面処理を施していてもよい、ガラス板、合
成樹脂板等の基板に、電極及びバリアリブが形成された
ものなどが挙げられる。
【0022】バリアリブの形成には、特に制限なく、公
知の材料を使用できるが、例えば、シリカ、熱硬化性樹
脂、低融点ガラス(酸化鉛等)、溶剤などを含むリブ材
を用いることができる。
【0023】また、PDP用基板には、電極及びバリア
リブの他に、必要に応じて、誘電膜、絶縁膜、補助電
極、抵抗体等が形成されていてもよい。
【0024】これらのものを、基板へ形成する方法とし
ては、特に制限はなく、例えば、基板に蒸着、スパッタ
リング、メッキ、塗布、印刷法の方法で電極を形成する
ことができ、印刷法、サンドブラスト法、埋め込み法の
方法でバリアリブを形成することができる。
【0025】図1及び図2にバリアリブが形成されたP
DP用基板の一例の、模式図を示した。バリアリブは、
通常、高さが20〜500μm、幅が20〜200μm
とされる。バリアリブで囲まれた放電空間の形状には、
特に制限なく、格子状、ストライプ状、ハニカム状、3
角形状、楕円形状等が可能であるが、通常、図1及び図
2等で示すような、格子状又はストライプ状の放電空間
が形成される。
【0026】図1及び図2において、基板1上にはバリ
アリブ2が形成されており、図1では格子状放電空間3
が、図2ではストライプ状放電空間4が形成されてい
る。
【0027】放電空間の大きさは、PDPの大きさと解
像度によって決められ、通常、図1のような格子状放電
空間であれば、縦及び横の長さは、50μm〜1mmと
なり、図2のようなストライプ状放電空間であれば、間
隔は、30μm〜1mmとなる。
【0028】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層は、その組成に特に制限はなく、フォ
トリソグラフ法に通常使用される感光性樹脂組成物を用
いて構成し得るが、光感度、作業性の点から、(a)フ
ィルム性付与ポリマー、(b)エチレン性不飽和基を有
する光重合性不飽和化合物、(c)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤及び(d)蛍光体を含
むものであることが好ましい。
【0029】本発明における(a)フィルム性付与ポリ
マーとしては、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重
合体に用いられる単量体としては、例えば、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プ
ロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso
−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸i
so−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル
酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アク
リル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチ
ル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アク
リル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘ
プチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニ
ル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリ
ル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシ
ル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシ
ル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシ
ル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、
アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル
酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチ
ル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アク
リル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メ
トキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル
酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキ
シジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピ
レングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレング
リコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコー
ル、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルア
ミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アク
リル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチル
アミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタク
リル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチ
ル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−
シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が
挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用される。
【0030】また、本発明における(a)フィルム性付
与ポリマーとしては、ポリビニルアルコール系樹脂(ポ
リアクリル酸エステル又はポリメタクリル酸エステルの
加水分解物、ポリ酢酸ビニルの加水分解物、エチレンと
酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、エチレンとアク
リル酸エステルとの共重合体の加水分解物、塩化ビニル
と酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、スチレンとア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合
体の加水分解物、ビニルトルエンとアクリル酸エステル
又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物
等)、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、ヒド
ロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース類、水
溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキルでん粉
の水溶性塩、ポリビニルピロリドン等を使用することも
できる。
【0031】本発明における(a)フィルム性付与ポリ
マーの重量平均分子量は、5,000〜300,000
とすることが好ましく、20,000〜150,000
とすることがより好ましい。この重量平均分子量が、
5,000未満では、感光性エレメントとした場合にフ
ィルム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、30
0,000を超えると、後述する、公知の各種現像液に
より現像する際の現像性(不要部が現像により、容易に
除去できる性質)が低下する傾向がある。なお、重量平
均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算
した値である。
【0032】また、(B)埋め込み層及び活性光線を像
的に照射した部分の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を選択的に除去して、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層のパターンを形成する際に、除去し
きれなかった不要部の(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層を完全に除去することを目的に、(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層に活性光線を像的に照
射した後、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
が、公知の各種現像液により現像可能となるように、
(a)フィルム性付与ポリマーのカルボキシル基含有率
(酸価(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整す
ることができる。
【0033】例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム
等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価
を、90〜260とすることが好ましい。この酸価が、
90未満では、現像が困難となる傾向があり、260を
超えると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパ
ターンとなる部分が現像液によって侵されない性質)が
低下する傾向がある。
【0034】また、水又はアルカリ水溶液と1種以上の
有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像する場合に
は、酸価を、16〜260とすることが好ましい。この
酸価が、16未満では、現像が困難となる傾向があり、
260を超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
【0035】更に、水と水に溶解しない1種以上の有機
溶剤とからなる現像液(エマルジョン現像液)や1,
1,1−トリクロロエタン等の有機溶剤現像を用いて現
像する場合には、感光性樹脂組成物のフィルム性付与ポ
リマーはカルボキシル基を含有しなくてもよい。
【0036】本発明における(b)エチレン性不飽和基
を有する光重合性不飽和化合物としては、従来、光重合
性多官能モノマーとして知られているものを全て用いる
ことができる。
【0037】例えば、下記一般式(I)
【0038】
【化1】 [式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、kは1〜1
0の整数であり、Yは置換基を有していてもよい飽和又
は不飽和炭化水素残基又は複素環残基若しくはポリアル
キレングリコール残基、あるいは式(II)
【0039】
【化2】 (式中、R1及びR2は水素原子、メチル基、エチル基、
プロピル基又はトリフルオロメチル基を示し、R3及び
4は各々独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、
m及びnは各々独立に、1〜20の整数を示す。)を示
す。]で表される末端にエチレン性不飽和基を有する化
合物が挙げられる。
【0040】一般式(I)中、Yで示される置換基を有
していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素残基又は複素
環残基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、アミノ基、カルボキシル基等の置換基を有していて
もよい炭素数1〜22の直鎖、分岐若しくは脂環状のア
ルカン残基(メタン残基、エタン残基、プロパン残基、
シクロプロパン残基、ブタン残基、イソブタン残基、シ
クロブタン残基、ペンタン残基、イソペンタン残基、ネ
オペンタン残基、シクロペンタン残基、ヘキサン残基、
シクロヘキサン残基、ヘプタン残基、シクロヘプタン残
基、オクタン残基、ノナン残基、デカン残基等)、芳香
族環残基(ベンゼン残基、ナフタレン残基、アントラセ
ン残基、ビフェニル残基、ターフェニル残基等)、複素
環残基(フラン残基、チオフェン残基、ピロール残基、
オキサゾール残基、チアゾール残基、イミダゾール残
基、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン残基、ト
リアジン残基、キノリン残基、キノキサリン残基等)等
が挙げられる。
【0041】具体的には、一個の不飽和結合を有する単
量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸の
エステル系モノマー(アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アク
リル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、
アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチ
ル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−
ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸t
ert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペ
ンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、
アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アク
リル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシ
ル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタク
リル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル
酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル
酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル
酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸
エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシ
ル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペ
ンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸
シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベ
ンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、
アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸
2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、ア
クリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオ
ロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸
2−シアノエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリ
コール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、
アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリ
ル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メト
キシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシト
リエチレングリコール等)、スチレン系モノマー(スチ
レン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン
等)、ポリオレフィン系モノマー(ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン等)、ビニル系モノマー(塩化ビニ
ル、酢酸ビニル等)、ニトリル系モノマー(アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等)、1−(メタクリロイ
ロキシエトキシカルボニル)−2−(3′−クロロ−
2′−ヒドロキシプロポキシカルボニル)ベンゼン(γ
−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロ
イルオキシエチル−o−フタレート)等が挙げられる。
【0042】二個のエチレン性不飽和基を有する光重合
性不飽和化合物としては、例えば、エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリ
レート、ヘキサプロピレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコ
ールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジ
オールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタ
クリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペ
ンタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオ
ールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリ
スリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
ジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレ
ート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノー
ルAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メ
タクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシポリエ
トキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタク
リロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノ
ールΑジグリシジルエーテルジアクリレート、ビスフェ
ノールΑジグリシジルエーテルジメタクリレート、ウレ
タンジアクリレート化合物等が挙げられる。
【0043】三個のエチレン性不飽和基を有する光重合
性不飽和化合物としては、例えば、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エチレ
ンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテルトリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテルトリメタクリレート等が挙げら
れる。
【0044】四個のエチレン性不飽和基を有する光重合
性不飽和化合物としては、例えば、テトラメチロールプ
ロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパン
テトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト等が挙げられる。
【0045】五個のエチレン性不飽和基を有する光重合
性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タメタクリレート等が挙げられる。
【0046】六個のエチレン性不飽和基を有する光重合
性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サメタクリレート等が挙げられる。
【0047】これらのエチレン性不飽和基を有する光重
合性不飽和化合物は、いずれにしても、光照射によりラ
ジカル重合するものであればよく、また、これらのエチ
レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物は、単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0048】また、本発明における(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層は、蛍光体パターンの作製時に
焼成により不要分を除去する必要があるため、前記した
(b)エチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合
物の中では、熱分解性が良好な、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレートがより好ましい。
【0049】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を後述する感光性エレメントとした場合及び後
述するPDP用基板の空間に埋め込んだ後の保存安定性
を向上((A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層に
おける(b)エチレン性不飽和基を有する光重合性不飽
和化合物が、後述する(B)埋め込み層へマイグレーシ
ョンを起こす性質を抑制)できる点及び(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層を後述するPDP用基板の
空間に埋め込む際の減圧加熱時に、(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層における(b)エチレン性不飽
和基を有する光重合性不飽和化合物の蒸発を抑制できる
点から、(b)エチレン性不飽和基を有する光重合性不
飽和化合物の重量平均分子量は、400以上であること
が好ましく、500以上であることがより好ましく、6
00以上であることが特に好ましく、また、(b)エチ
レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物の沸点
(760mmHg)は、300℃以上であればよく、他
に特に制限はないが、減圧下で加熱した場合の安定性、
作業性等の点から、沸点(760mmHg)は、350
℃以上であることが好ましく、400℃以上であること
がより好ましい。
【0050】また、後述する蛍光体パターンの作製時
に、焼成により不要成分を除去する必要があるため、本
発明における(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を構成する感光性樹脂組成物の内、後述する(d)蛍
光体及び後述の必要に応じて用いられる結着剤以外の感
光性樹脂組成物は、熱分解性が良好なものである必要が
あるため、この(d)蛍光体及び結着材以外の成分に
は、これを構成する元素として、炭素、水素、酸素及び
窒素以外のものを含まないことが好ましい。
【0051】本発明における(c)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤としては、例えば、芳
香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル
−4,4′−ジアミノベンゾフエノン(ミヒラーケト
ン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベ
ンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−4(モルホリノフェニル)ブタノン−1、2,2−ジ
メトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−
ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−
メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モ
ルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサ
ントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキ
ノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニル
エーテル等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチル
ベンゾイン等)、ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケ
タール等)、2,4,5−トリアリールイミダゾール二
量体(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量
体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)
−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−
メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール
二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フ
ェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体
等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジン、
1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等)などが
挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わ
せて使用される。
【0052】本発明における(d)蛍光体としては、特
に限定はなく、通常の金属酸化物を主体とするものが使
用できる。
【0053】赤色発色の蛍光体としては、例えば、Y2
2S:Eu、Zn3(PO42:Mn、Y33:Eu、
YVO4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、γ−Zn3
(PO42:Mn、(ZnCd)S:Ag+In2O等
が挙げられる。
【0054】緑色発色の蛍光体としては、例えば、Zn
S:Cu、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Cu+Zn2
SiO4:Mn、Gd22S:Tb、Y3Al512:C
e、ZnS:Cu,Al、Y22S:Tb、ZnO:Z
n、ZnS:Cu,Al+In 23、LaPO4:C
e,Tb、BaO・6Al23:Mn等が挙げられる。
【0055】青色発色の蛍光体としては、例えば、Zn
S:Ag、ZnS:Ag,Al、ZnS:Ag,Ga,
Al、ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl、ZnS:Ag
+In23、Ca259Cl:Eu2+、(Sr,C
a,Ba,Mg)10(PO46C12:Eu2+、Sr10
(PO46Cl2:Eu2+、BaMgAl1017:Eu
2+、BaMgAl1423:Eu2+、BaMgAl
1626:Eu2+等が挙げられる。
【0056】本発明における(d)蛍光体の粒径は、
0.1〜20μmであることが好ましく、1〜15μm
であることがより好ましく、2〜8μmであることが特
に好ましい。この粒径が0.1μm未満では、発光効率
が低下する傾向があり、また、20μmを超えると、分
散性が低下する傾向がある。
【0057】また、本発明における(d)蛍光体の形状
としては、球形であることが好ましく、その表面積はよ
り小さい方が好ましい。
【0058】本発明における(a)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量が100重量部とし
て、10〜90重量部とすることが好ましく、20〜8
0重量部とすることがより好ましい。この配合量が、1
0重量部未満では、感光性エレメントとしてロール状で
供給した場合、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物がロ
ール端部からしみ出す(以下エッジフュージョンと記
す)ことにより、感光性エレメントのラミネート時にロ
ールからの繰り出しが困難となり、またしみ出した部分
がPDP用基板の空間に部分的に過剰に埋め込まれ、製
造歩留りが著しく低下する等の問題が生じたり、フィル
ム形成性が低下する等の傾向があり、90重量部を超え
ると、感度が不十分となる傾向がある。
【0059】本発明における(b)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量が100重量部とし
て、10〜90重量部とすることが好ましく、20〜8
0重量部とすることがより好ましい。この配合量が、1
0重量部未満では、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
の感度が不十分となる傾向があり、90重量部を超える
と、光硬化物が脆くなる傾向があり、また、感光性エレ
メントとした場合に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物が流動によって端部からしみ出したり、フィルム形成
性が低下する傾向がある。
【0060】本発明における(c)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対し
て、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.
1〜20重量部とすることがより好ましい。この配合量
が、0.01重量部未満では、蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物の感度が不十分となる傾向があり、30重量
部を超えると、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の露
光表面での活性光の吸収が増大して、内部の光硬化が不
十分となる傾向がある。
【0061】本発明における(d)成分の配合量は、
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の総量100重
量部に対して、10〜500重量部とすることが好まし
く、10〜400重量部とすることがより好ましく、1
0〜300重量部とすることが特に好ましく、50〜2
50重量部とすることが極めて好ましい。この配合量
が、10重量部未満では、PDPとして発光させた場合
に発光効率が低下する傾向があり、500重量部を超え
ると、感光性エレメントとした場合に、フィルム形成性
が低下したり、可とう性が低下する傾向がある。
【0062】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、長
期間増粘を起こさず、貯蔵安定性を良好にするために、
カルボキシル基を有する化合物を含有させることができ
る。
【0063】カルボキシル基を有する化合物としては、
例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂肪族二塩基酸、
芳香族二塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基酸等が
挙げられる。
【0064】具体的には、例えば、ぎ酸、酢酸、クロロ
酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘ
プタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジ
ン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノレン酸、リノール酸、しゅう酸、マロン酸、メ
チルマロン酸、エチルマロン酸、マロン酸モノメチル、
マロン酸モノエチル、こはく酸、メチルこはく酸、アジ
ピン酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト
酸、クエン酸、サリチル酸、ピルビン酸、リンゴ酸等が
挙げられる。
【0065】中でも、増粘を抑制する効果が高い点か
ら、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロ
ン酸、クエン酸等が好ましく、しゅう酸、マロン酸、ク
エン酸等がより好ましい。これらは単独で又は2種類以
上組み合わせて使用される。
【0066】カルボキシル基を有する化合物の配合量
は、(a)成分100重量部に対して、0.01〜30
重量部とすることが好ましい。この配合量が、0.01
重量部未満では、保存安定性の効果が低くなる傾向があ
り、30重量部を超えると、感度が不十分となる傾向が
ある。
【0067】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物を構成する感光性樹脂組成物には、蛍光
体の分散を良好とするために、分散剤を添加することが
好ましい。
【0068】分散剤としては、無機分散剤(シリカゲル
系、ベントナイト系、カオリナイト系、タルク系、ヘク
トライト系、モンモリロナイト系、サポナイト系、バイ
デライト系等)、有機分散剤(脂肪族アマイド系、脂肪
族エステル系、酸化ポリエチレン系、硫酸エステル系ア
ニオン活性剤、ポリカルボン酸アミン塩系、ポリカルボ
ン酸系、ポリアマイド系、高分子ポリエーテル系、アク
リル共重合物系、特殊シリコン系等)等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0069】分散剤の使用量としては、特に制限はな
く、(a)成分100重量部に対して、0.01〜10
0重量部とすることが好ましい。この使用量が、0.0
1重量部未満では、添加効果が発現しない傾向があり、
100重量部を超えると、パターン形成精度(蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層からなるパターンを、形成
後、寸法的に正確に、所望の形状で得られる性質)が低
下する傾向がある。
【0070】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、焼
成後、PDP用基板から蛍光体が剥離しないようにする
ために、結着剤を使用することが好ましい。
【0071】結着剤としては、例えば、低融点ガラス、
金属アルコキシド、シランカップリング剤等が挙げられ
る。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。
【0072】結着剤の使用量としては、特に制限はな
く、(d)成分100重量部に対して、0.01〜10
0重量部とすることが好ましく、0.05〜50重量部
とすることがより好ましく、0.1〜30重量部とする
ことが特に好ましい。この使用量が、0.01重量部未
満では、蛍光体の結着効果が発現しない傾向があり、1
00重量部を超えると、発光効率が低下する傾向があ
る。
【0073】また、本発明における(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物に
は、染料、発色剤、可塑材、顔料、重合禁止剤、表面改
質剤、安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤等を必要に応じ
て添加することができる。
【0074】本発明において、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層は、これを構成する前記成分を溶解
又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させることによ
り、均一に分散した溶液とし、支持体フィルム上に塗
布、乾燥することにより得られる支持体フィルム及び
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を有する感
光性エレメントの形態で供給することができる。
【0075】前記各成分を、溶解又は分散可能な溶剤と
しては、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩化
メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙
げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて
使用される。
【0076】支持体フィルムとしては、化学的及び熱的
に安定であり、また、可とう性の物質で構成された、例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、その
中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンが
好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好まし
い。支持体フィルムは、後に(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層から除去可能でなくてはならないた
め、除去が不可能となるような表面処理が施されたもの
であったり、材質であったりしてはならない。この支持
体フィルムの厚さが、5〜100μmとすることが好ま
しく、10〜80μmとすることがより好ましい。
【0077】塗布方法としては、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、
スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、
カーテンコート法等が挙げられる。
【0078】乾燥温度は、60〜130℃とすることが
好ましく、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが好ま
しい。
【0079】また、この塗布工程において、(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する前記各成分
を溶解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させること
により、均一に分散した溶液と接触する部分の塗布装置
の材質は、非金属性の材質であることが好ましい。この
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
溶液と接触する部分の塗布装置の材質が金属である場合
には、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構
成する溶液中の蛍光体によって、これと接触する塗布装
置が研磨され、この研磨粉が(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する溶液中に不純物として混入
する傾向がある。
【0080】前記した支持体フィルム及び(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層を有する感光性エレメン
トは、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上
には、更に剥離可能なカバーフィルムが積層されていて
もよい。
【0081】そのようなカバーフィルムとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層との接着力
よりも、カバーフィルムと(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層との接着力の方が小さいものであること
が好ましい。
【0082】カバーフィルムの厚さは、特に制限はない
が、5〜100μmとすることが好ましく、10〜90
μmとすることがより好ましい。
【0083】このようにして得られる感光性エレメント
は、ロール状に巻いて保管可能とすることができる。
【0084】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層の厚さは、特に制限はないが、10〜
200μmとすることが好ましく、20〜120μmと
することがより好ましく、30〜80μmとすることが
特に好ましい。この厚さが、10μm未満では、焼成後
の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率が低下する傾向
があり、200μmを超えると、焼成後の蛍光体パター
ンが厚くなり、蛍光面の発光面積が縮小して発光効率が
低下する傾向がある。
【0085】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層は、100℃での粘度が、1〜1×1
7Pa・secとすることが好ましく、2〜1×106
Pa・secとすることがより好ましく、5〜1×10
5Pa・secとすることが特に好ましく、10〜1×
104Pa・secとすることが極めて好ましい。この
100℃での粘度が1Pa・sec未満では、室温での
粘度が低くなり過ぎて感光性エレメントとした場合に、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が流動によ
り端部から滲み出す傾向があり、フィルム形成性が低下
する傾向がある。また、1×107Pa・secを超え
ると、後述する凹凸を有する基板の凹部内面への(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の形成性が低下す
る傾向がある。
【0086】本発明における(B)埋め込み層を構成す
る材質としては、外部からの応力により変形し、かつ
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からの剥離
が可能であるものであれば特に制限はなく、その材料と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
メチルペンテン、ポリカーボネート、ポリウレタン、テ
フロン、ゴム類(ブタジエンゴム、スチレンブタジエン
ゴム、シリコンゴム等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニル
トルエン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸
エステル、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレン
とアクリル酸エステルの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビ
ニルの共重合体、スチレンとアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルとの共重合体、ビニルトルエンとア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合
体、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エス
テル又はポリメタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ
酢酸ビニルの加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共
重合体の加水分解物、エチレンとアクリル酸エステルと
の共重合体の加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの
共重合体の加水分解物、スチレンとアクリル酸エステル
又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物、
ビニルトルエンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸
エステルとの共重合体の加水分解物等)、カルボキシア
ルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテ
ル類、カルボキシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニ
ルピロリドン、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能
な不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボ
キシル基を有する樹脂などが挙げられる。これらは単独
で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0087】また、本発明における(B)埋め込み層
は、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層におけ
る(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光
開始剤の(B)埋め込み層へのマイグレーション抑制等
の点から、活性光の照射により遊離ラジカルを生成する
光開始剤を含有してなる樹脂組成物により構成すること
もできる。
【0088】活性光の照射により遊離ラジカルを生成す
る光開始剤としては、前述した(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物に使用
可能な(c)活性光の照射により遊離ラジカルを生成す
る光開始剤を使用することができる。
【0089】上記した材料のうち、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、テフロン等は、溶融押出し法によ
りフィルム状に形成されたものを、(B)埋め込み層と
して使用することができる。
【0090】また、本発明における(B)埋め込み層
は、これを構成する前記樹脂等を、これらを溶解又は分
散可能な溶剤に、溶解又は混合させることにより、均一
に分散した溶液とし、支持体フィルム上に塗布、乾燥す
ることにより得ることができるフィルム又はシートの形
態で供給することもできる。
【0091】この支持体フィルムとしては、化学的及び
熱的に安定であり、また、可とう性の物質で構成され
た、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、
その中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ま
しい。支持体フィルムの厚さは、5〜100μmとする
ことが好ましく、10〜30μmとすることがより好ま
しい。
【0092】塗布方法としては、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、
スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、
カーテンコート法等が挙げられる。
【0093】本発明における(B)埋め込み層の厚さ
は、特に制限はないが、PDP用基板の空間への埋め込
み性等の点から、10〜200μmとすることが好まし
く、20〜100μmとすることがより好ましい。
【0094】また、前記したフィルム又はシートにおけ
る(B)埋め込み層の上には、更に、剥離可能なカバー
フィルムを積層することができる。
【0095】このカバーフィルムとしては、ポレチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと(B)
埋め込み層との接着力よりも、カバーフィルムと(B)
埋め込み層との接着力の方が小さいものであることが好
ましい。
【0096】また、後述する(B)埋め込み層を除去す
る工程において、(B)埋め込み層の剥離性をよくする
ために、(B)埋め込み層とカバーフィルムとの間に、
(B)埋め込み層との接着力よりも、(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層及びカバーフィルムとの接着
力が小さいもので、(B)層と(A)層とを容易に分離
させるためのフィルム等を更に積層することもできる。
【0097】このようなフィルム状又はシート状の
(B)埋め込み層は、ロール状に巻いて保管可能とする
ことができる。
【0098】以下、本発明の蛍光体パターンの製造法の
一例を、各工程について、図3及び図4を用いて説明す
る。なお、図3及び図4は、本発明の蛍光体パターンの
製造法の一例の各工程を示した模式図である。
【0099】[(I)凹凸を有する基板上において
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
(B)埋め込み層を配置した状態で、(B)埋め込み層
に圧力を加えて、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層及び(B)埋め込み層を凹凸を有する基板上に積
層する工程]この(I)工程では、凹凸を有する基板上
に、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上部
に(B)埋め込み層が配置された状態で、(B)層を圧
着する。
【0100】凹凸を有する基板上に、(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層の上部に(B)埋め込み層が
配置された状態で、(B)層を圧着する工程の一例を図
3(I)及び図3(II)に示した。
【0101】図3(I)は、バリアリブ2が形成された
PDP用基板1(凹凸を有する基板)上に、(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物5を積層した状態を示し
た。
【0102】図3(I)において、バリアリブ2が形成
されたPDP用基板1上に、(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層5を積層する方法としては、例えば、
前記した支持体フィルム及び(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を有してなる感光性エレメントを用い
て積層する方法等が挙げられる。
【0103】この感光性エレメントを用いて積層する場
合は、感光性エレメントにカバーフィルムが存在してい
るときは、カバーフィルムを除去後、PDP用基板1の
バリアリブ2を形成した面に、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5が接するように、載せただけでも
よく、圧着ロール等で加圧してもよく、減圧下において
行ってもよい。また、このとき加熱を伴うこともでき
る。
【0104】加圧する場合の圧力は、ゲージ圧(常圧1
atmが0である)で、1×103〜1×106Paとす
ることが好ましく、1×104〜5×105Paとするこ
とがより好ましく、1×104〜2×105Paとするこ
とが特に好ましい。
【0105】上記の加熱圧着時の圧着圧力は、圧着装置
であるラミネータのシリンダ圧力であるため、線圧に換
算すると、線圧で24〜2.4×104N/mとするこ
とが好ましく、2.4×102〜1.2×104N/mと
することがより好ましく、2.4×102〜5×103
/mとすることが特に好ましい。この圧着圧力が、24
N/m未満では、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層5のPDP基板の凹部空間への埋め込み性が低下
する傾向があり、2.4×104N/mを超えると、P
DP用基板1のバリアリブが破壊される傾向がある。
【0106】ここで、線圧を5×103N/mとする方
法としては、例えば、シリンダ径が40mmφのラミネ
ータを用い、厚さが3mm、縦10cm×横10cm
(正方形)の基板を用いて、ラミネータのシリンダ圧力
(常圧1atmが0である)を、2kgf/cm2とす
ることにより、線圧を5×103N/mとする方法、シ
リンダ径が40mmφのラミネータを用い、厚さが3m
m、縦20cm×横20cm(正方形)の基板を用い
て、ラミネータのシリンダ圧力(常圧1atmが0であ
る)を、4kgf/cm2とすることにより、線圧を5
×103N/mとする方法等が挙げられる。
【0107】加圧する場合の圧着ロール等の材質として
は、後述する(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5の空間への埋め込み性を更に向上させる点から、表
面がゴム、プラスチック等の柔軟性に富んだものである
ことが好ましい。
【0108】なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、
200〜400μmとすることが好ましい。また、加熱
する場合の温度は、10〜140℃とすることが好まし
く、20〜135℃とすることがより好ましく、30〜
130℃とすることが特に好ましい。
【0109】この加熱温度が、10℃未満では、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5が、PDP用基
板上1に十分に密着できない傾向があり、140℃を超
えると、(A)蛍光体を有する感光性樹脂組成物層5が
熱硬化する傾向がある。
【0110】感光性エレメントを前記のように加熱すれ
ば、バリアリブ2が形成されたPDP用基板1(凹凸を
有する基板)を予熱処理することは必要ではないが、後
述する(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5の
空間への埋め込み性を更に向上させる点から、前記PD
P用基板1の予熱処理を行うことが好ましい。
【0111】更に、同様の目的で、5×104Pa以下
の減圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行うこ
ともできる。
【0112】また、このように積層が完了した後、30
〜150℃の範囲で、1〜120分間、加熱することも
できる。この際、支持体フィルムを必要に応じて除去す
ることもできる。
【0113】図3(II)は、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5の上部に、(B)埋め込み層6を
配置し、(B)埋め込み層6を圧着し、バリアリブ2が
形成されたPDP用基板1(凹凸を有する基板)のバリ
アリブ壁面及び基板底面上に囲まれた空間へ、(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層5及び埋め込み層6
を埋め込む様子と、埋め込んだ後の状態を示した。
【0114】図3(II)において、(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層5の上部に、(B)埋め込み
層6を配置し、圧着する方法としては、例えば、図3
(I)の状態の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層5の上に支持体フィルムが存在している場合には、
支持体フィルムを除去した後、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5の上部に、(B)埋め込み層6
(カバーフィルムが存在しているときは、そのカバーフ
ィルムを除去した後)を配置し、圧着ロール7等により
圧着する方法などが挙げられる。
【0115】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層5のPDP基板の空間への埋め込み性を更に向
上するために、(B)埋め込み層6の上に支持体フィル
ムが存在する場合には、その支持体フィルムを必要に応
じて除去しながら圧着ロール7等により圧着してもよ
い。
【0116】このときの圧着圧力は、ゲージ圧(常圧1
atmが0である)で、1×104〜1×107Paとす
ることが好ましく、2×104〜5×106Paとするこ
とがより好ましく、4×104〜1×106Paとするこ
とが特に好ましい。この圧着圧力が、1×104Pa未
満では、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5
のPDP用基板1の空間への埋め込み性が低下する傾向
があり、1×107Paを超えると、PDP用基板1の
バリアリブ2が破壊される傾向がある。
【0117】上記の加熱圧着時の圧着圧力は、圧着装置
であるラミネータのシリンダ圧力であるため、線圧に換
算すると、線圧で2.4×102〜2.4×105N/m
とすることが好ましく、4.8×102〜1.2×105
N/mとすることがより好ましく、9.6×102
2.4×104N/mとすることが特に好ましい。この
線圧が、2.4×102N/m未満では、(B)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層5のPDP用基板1の凹
部空間への埋め込み性が低下する傾向があり、2.4×
105N/mを超えると、PDP用基板1のバリアリブ
2が破壊される傾向がある。
【0118】ここで、線圧を5×103N/mとする方
法としては、例えば、シリンダ径が40mmφのラミネ
ータを用い、厚さが3mm、縦10cm×横10cm
(正方形)の基板を用いて、ラミネータのシリンダ圧力
(常圧1atmが0である)を、2kgf/cm2とす
ることにより、線圧を5×103N/mとする方法、シ
リンダ径が40mmφのラミネータを用い、厚さが3m
m、縦20cm×横20cm(正方形)の基板を用い
て、ラミネータのシリンダ圧力(常圧1atmが0であ
る)を、4kgf/cm2とすることにより、線圧を5
×103N/mとする方法等が挙げられる。
【0119】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層5の空間への埋め込み性を更に向上させる点か
ら、上記圧着ロールの表面が、ゴム、プラスチック等の
柔軟性に富んだ材質のものを使用することもできる。な
お、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜400
μmとすることが好ましい。
【0120】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層5の空間への埋め込み性を更に向上させる点か
ら、加熱ロール等により(B)埋め込み層6を加熱しな
がら、PDP用基板1のバリアリブ2を形成した面に圧
着して積層することもできる。
【0121】加熱する場合の加熱温度は、10〜140
℃とすることが好ましく、20〜135℃とすることが
より好ましく、30〜130℃とすることが特に好まし
い。この加熱温度が、10℃未満では、(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層5のPDP用基板1の空間
への埋め込み性が低下する傾向があり、140℃を超え
ると、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5が
熱硬化する傾向がある。
【0122】(B)埋め込み層6を前記のように加熱す
れば、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5を
積層したPDP用基板1を予熱処理することは必要では
ないが、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5
の空間への埋め込み性を更に向上させる点から、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5を積層したPD
P用基板1を予熱処理を行うことが好ましい。
【0123】このときの予熱温度は、30〜140℃と
することが好ましく、また、予熱時間は0.5〜20分
間とすることが好ましい。
【0124】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層5の空間への埋め込み性を更に向上させる点か
ら、上記加熱圧着ロールの表面が、ゴム、プラスチック
等の柔軟性に富んだ材質のものを使用することもでき
る。なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜
400μmとすることが好ましい。
【0125】更に、同様の目的で、5×104Pa以下
の減圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行うこ
ともできる。また、積層が完了した後、30〜150℃
の範囲で、1〜120分間加熱することもできる。この
とき(B)埋め込み層6の上に支持体フィルムが存在す
る場合には、その支持体フィルムを必要に応じ除去して
もよい。
【0126】このようにして、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5をPDP用基板1の空間に均一に
形成することができる。
【0127】また、本発明における(I)工程では
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5と(B)
埋め込み層6とを、2層同時に加熱圧着しながら積層さ
せることもできる。
【0128】2層同時に加熱圧着させる時の加熱圧着条
件としては、前記(B)埋め込み層6を加熱圧着させる
ときの条件を用いることができる。
【0129】また、後述する(II)(B)埋め込み層
を除去する工程において、(B)埋め込み層を剥離しや
すくするために、(I)の工程の後に、PDP用基板を
冷却(通常、−50〜50℃の範囲)することもでき
る。
【0130】また、前記した加熱圧着時の加熱条件、圧
着圧力条件及びPDP用基板1の予備加熱条件や、
(B)埋め込み層6の膜厚等の各条件の組み合わせを変
えることにより、図5に示すような状態に積層すること
もできる。なお、図5は、本発明の蛍光体パターンの製
造法における、(I)工程終了後の一例である。
【0131】(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5と(B)埋め込み層6の層厚について、具体的に
は、凹凸を有する基板(PDP用基板)上の凹凸が形成
された領域と等しい領域(リブの中心線に囲まれる内側
の領域)の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
及び(B)埋め込み層において、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層の合計の体
積(V1)と、凹凸を有する基板の凹部空間の体積(V
2)との比((V1)/(V2))が、(V1)/(V
2)=1〜2の範囲であることが、高精度で均一な形状
の蛍光体パターンを形成できる点で好ましい。このと
き、(V1)/(V2)が、1〜1.2の範囲である場
合には、図3(II)に示すように、凸部の上部(バリ
アリブ2の上)に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層5がほとんど残存しない状態で、(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層5が凹部内面に形成される
傾向があり、また、(V1)/(V2)が、1.2を超
えて、2以下の範囲である場合には、図5に示すように
凸部の上部(バリアリブ2の上)に(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層5が残存する状態で(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層5が凹部内面に形成さ
れる傾向がある。ここで、(V1)/(V2)が1未満
である場合には、凹部内面において(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層5が密着できない部分が発生す
る傾向があり、また、(V1)/(V2)が2を超える
場合には、後述する多色の蛍光体パターンにおいて、そ
の断面形状が不均一になる傾向がある。
【0132】なお、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層5を積層させる前のPDP用基板作製時におい
て、加熱等により、PDP用基板の全体的又は部分的な
収縮が発生する場合と、PDP用基板の収縮がほとんど
発生しない場合があり、PDP用基板の全体的又は部分
的な収縮が発生する場合においては、後述する(II)
活性光線を像的に照射する工程においての位置合わせ精
度の裕度を大きくする点から、図3(II)に示すよう
に凸部の上部に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層5がほとんど残存しないように凹部内面に積層させ
ることが好ましいため、(V1)/(V2)が、1〜
1.2の範囲であることが好ましく、また、PDP用基
板の収縮がほとんど発生しない場合においては、図3
(II)のように積層させてもよく、図5に示すように
凸部の上部に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5が残存する状態で積層させてもよい。
【0133】[(II)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層及び(B)埋め込み層に活性光線を像的に
照射する工程]活性光線9を像的に照射する状態を図3
(III)に示した。図3(III)において、活性光
線9を像的に照射する方法としては、図3(II)の状
態の(B)埋め込み層6の上部に、ネガフィルム、ポジ
フィルム等のフォトマスク8を介して、活性光線9を像
的に照射することができる。
【0134】また、フォトマスク8の活性光線9の透過
幅としては、通常、PDP用基板1の凹部の開口幅であ
るが、前記(I)の工程において、図3(II)のよう
に積層させた場合は、PDP用基板1の凹部の開口幅と
同じ透過幅か又はPDP用基板の凹部の開口幅よりも広
い透過幅とすることが、位置合わせ精度の裕度を大きく
できる点から好ましい。
【0135】一方、前記(I)の工程において図5のよ
うに積層させた場合には、PDP用基板1の凹部の開口
幅と同じ透過幅か又はPDP用基板1の凹部の開口幅よ
りも狭い透過幅とすることが、バリアリブの上に所望し
ない光硬化した蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を
残さず位置合わせ精度の裕度を大きくできる点から好ま
しい。
【0136】活性光線9としては、公知の活性光源が使
用でき、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キ
セノンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。
【0137】光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域に
おいて最大であるので、その場合の活性光源は、紫外線
を有効に放射するものにすべきである。また、光開始剤
が可視光線に感受するもの、例えば、9,10−フェナ
ンスレンキノン等である場合には、活性光線9として
は、可視光が用いられ、その光源としては、前記のもの
以外に写真用フラッド電球、太陽ランプ等も使用するこ
とができる。
【0138】また、本発明における活性光線9として
は、平行光線、散乱光線等が挙げられ、平行光線、散乱
光線のどちらを使用してもよく、また、両方を一工程に
おいて使用してもよく、両方を二段階で別々で使用して
もよい。なお、両方を二段階で別々に使用する場合に
は、どちらを先に行ってもよい。
【0139】また、本発明における活性光線9の照射量
は、特に制限はないが、5〜10,000mJ/cm2
とすることが好ましく、7〜5,000mJ/cm2
することがより好ましく、10〜1,000mJ/cm
2とすることが特に好ましい。
【0140】[(III)(B)埋め込み層及び活性光
線を像的に照射した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を選択的に除去してパターンを形成する工程]
(B)埋め込み層6及び活性光線を像的に照射した
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5を選択的
に除去した状態を図4(IV)に示した。
【0141】図4(IV)において、(B)埋め込み層
6及び活性光線を像的に照射した(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層5を選択的に除去する方法として
は、例えば、(B)埋め込み層6上に、粘着テープを接
着したり、鉤型の治具等を用いて、物理的に(B)埋め
込み層6及び活性光線を像的に照射した部分の(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層5を剥がす方法など
が挙げられる。
【0142】このとき、活性光線を像的に照射した部分
の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5は、活
性光線が照射されることによって(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層5と(B)埋め込み層6との界面
におけるアンカリング効果が増大し、(B)埋め込み層
6との接着性が増大するため、(B)埋め込み層6を剥
がす際に、PDP用基板1から剥離されることとなる。
【0143】また、作業性の向上を目的に、静電気、吸
引等の力を利用して、(B)埋め込み層6及び活性光線
を像的に照射した部分の(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層5を剥離する方法などを使用することもで
きる。
【0144】また、(B)埋め込み層6及び活性光線を
像的に照射した部分の(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層5を剥がした直後に、巻取用ロール等を使用
して(B)埋め込み層6及び活性光線を像的に照射した
部分の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物5を巻
取ることもできる。
【0145】[(IV)前記パターンに活性光線を照射
する工程及び/又は前記パターンを加熱する工程]前記
パターンに活性光線を照射する方法としては、図4(I
V)の状態の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5に、前記(II)(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層に活性光線を像的に照射する工程において使
用した活性光線9を照射することができる。
【0146】また、(IV)工程においても、活性光線
9としては、平行光線、散乱光線等が挙げられ、平行光
線及び散乱光線のどちらを使用してもよく、また、両方
を一工程において使用してもよく、両方を二段階で別々
で使用してもよい。なお、両方を二段階で別々に使用す
る場合には、どちらを先に行ってもよい。
【0147】また、前述の(B)埋め込み層及び活性光
線を像的に照射した部分の(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層を選択的に除去して、(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層のパターンを形成する際に、
除去しきれなかった不要部の(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を完全に除去することを目的に、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層に活性光線
を像的に照射した後、公知の各種現像液により現像し、
不要部を完全に除去することもできる。
【0148】また、活性光線9の照射量は、特に制限は
ないが、5〜10,000mJ/cm2とすることが好
ましく、7〜5,000mJ/cm2とすることがより
好ましく、10〜1,000mJ/cm2とすることが
特に好ましい。
【0149】また、前記パターンを加熱することもでき
る。加熱時の温度は、60〜180℃とすることが好ま
しく、100〜180℃とすることがより好ましい。ま
た、加熱時間は、5〜90分間とすることが好ましい。
【0150】これらの前記パターンに活性光線を照射す
る工程と前記パターンを加熱する工程は、どちらか一方
を単独で行ってもよく、両方を行ってもよい。両方の工
程を行う場合には、別々に行ってもよく、どちらを先に
行ってもよい。また、両方の工程を同時に行ってもよ
い。
【0151】この工程を行うことにより、(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層とPDP用基板1(凹凸
を有する基板)との接着性を向上することができ、後述
する、焼成により不要分を除去して蛍光体パターンを形
成する工程において、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層をPDP用基板1(凹凸を有する基板)から
剥がれにくくすることができる。
【0152】なお、図5に示すように凸部の上部(バリ
アリブ2の上)に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層5が残存する場合には、露光・現像条件及びフォ
トマスクの位置ずれなどによって、凹部内面以外に残存
した光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
(不要部)が残存する傾向がある。この場合、凹部内面
以外に残存した光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層(不要部)を研磨等により完全に除去すること
もできる。
【0153】また、前記研磨の代わりに、前記不要部に
粘着テープを接着した後、これを剥がし、不要部のみを
物理的に除去することもできる。
【0154】また、このような場合を想定して、後述す
る赤、緑及び青に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層からなる多色のパターンを形成後、後述する焼
成工程前に、凸部の上部に酸化鉄、酸化クロム、酸化銅
などの黒色無機顔料及び低融点ガラスフリット等を含む
黒色無機料ペーストを塗布又は印刷あるいは、黒色無機
材料含有感光性エレメントを用いてブラックストライプ
を形成した後に、後述する焼成を行うことができる。
【0155】[(V)前記パターンから焼成により不要
分を除去して蛍光体パターンを形成する工程]焼成によ
り不要分を除去した後の蛍光体パターンを形成した状態
を図4(V)に示した。なお、図4(V)において、1
0は蛍光体パターンである。
【0156】図4(V)において、焼成方法とは、特に
制限はなく、公知の焼成方法を使用し、蛍光体及び結着
剤以外の不要分を除去し、蛍光体パターンを形成するこ
とができる。
【0157】このときの、焼成温度は、350〜800
℃とすることが好ましく、400〜600℃とすること
がより好ましい。また、焼成時間は、3〜120分間と
することが好ましく、5〜90分間とすることがより好
ましい。
【0158】このときの、昇温速度は、0.5〜50℃
/分とすることが好ましく、1〜45℃/分とすること
がより好ましい。また、最高焼成温度に到達する前の3
50〜450℃の間に、その温度を保持するステップを
設けることができ、その保持時間は5〜100分間とす
ることが好ましい。
【0159】本発明の蛍光体パターンの製造法は、工程
数を低減できる等の点から、前記本発明における(I)
〜(IV)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色
及び青色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層からなる多色パターンを形成した後、(V)の工程を
行い多色の蛍光体パターンを形成することが好ましい。
【0160】本発明において、赤色、青色及び緑色に発
色するそれぞれの蛍光体を単独で有する(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層5のパターンの形成は、赤
色、青色及び緑色の各色について、どのような順番でも
行うことができる。
【0161】本発明における(I)〜(IV)の各工程
を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発色する
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を含む多色パター
ンを形成した状態を図6に示した。図6において、5′
aは1色目のパターン、5′bは2色目のパターン、
5′cは3色目のパターンである。
【0162】また本発明における(V)の工程を行い多
色の蛍光体パターンを形成した状態を図7に示した。図
7において、10aは1色目の蛍光体パターン、10b
は2色目の蛍光体パターン、10cは3色目の蛍光体パ
ターンである。
【0163】また、本発明の蛍光体パターンの製造法
は、膜べりの抑制等の点から、前記本発明における
(I)〜(V)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、
緑色及び青色に発色する多色の蛍光体パターンを形成す
ることが好ましい。
【0164】本発明の蛍光体パターンの製造法において
は、前記(I)の工程を(Ia)支持体フィルム上に、
(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み
層を有し、その上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を有してなる感光性エレメントを用いて行うこ
とが、作業性、環境安全性の観点から好ましい。
【0165】この場合は、蛍光体パターンの製造法は、
(Ia)支持体フィルム上に、(B)埋め込み層として
の(Ba)剥離可能な埋め込み層を有し、その上に
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を有する感
光性エレメントを、凹凸を有する基板の凹凸表面上に、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が接するよ
うに配置した状態で、埋め込み層に圧力を加えて、凹凸
表面上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層及
び(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込
み層を積層する工程、(IIa)(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層及び(Ba)剥離可能な埋め込み
層に活性光線を像的に照射する工程、(IIIa)
(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み
層及び活性光線を像的に照射した(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を選択的に除去してパターンを形
成する工程、(IVa)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層に活性光線を照射する及び/又は(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層を加熱する工程、並
びに、(Va)焼成により(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層から不要分を除去する工程を含むことに
なる。
【0166】前記した(Ia)工程で使用される支持体
フィルム上に、(B)埋め込み層としての(Ba)剥離
可能な埋め込み層を有し、その上に(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を有してなる感光性エレメント
は、前記した(B)埋め込み層を構成する樹脂を、これ
を溶解する溶剤に、溶解又は混合させることにより、均
一な溶液とし、この溶液を前記した支持体フィルム上
に、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート
法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート
法等の公知の塗布方法を用いて、塗布、乾燥することに
より支持体フィルム上に(B)埋め込み層としての(B
a)剥離可能な埋め込み層を形成し、この形成した
(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み
層の上に、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を構成する前記各成分を、これを溶解又は分散可能な溶
剤に、溶解又は混合させることにより、均一に分散した
溶液を、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコ
ート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコ
ート法等の公知の塗布方法を用いて、塗布、乾燥して
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成する
ことにより得ることができる。
【0167】このようにして得られた感光性エレメント
の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
は、更に剥離可能な前記カバーフィルムを積層すること
ができる。
【0168】カバーフィルムとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと(B)埋め
込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層との接着
力及び(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋
め込み層と(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
との接着力よりも、カバーフィルムと(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層との接着力の方が小さいもの
であることが好ましい。
【0169】(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可
能な埋め込み層を構成する樹脂又は(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を構成する前記各成分を溶解す
る溶剤としては、例えば、トルエン、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、N−メ
チルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチル
スルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、クロロホル
ム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコー
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み
合わせて使用される。
【0170】また、塗布工程において、(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層を構成する前記各成分を溶
解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させることによ
り、均一に分散した溶液と接触する部分の塗布装置の材
質は、非金属性の材質であることが好ましい。この
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
溶液と接触する部分の塗布装置の材質が金属である場合
には、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物を構成
する溶液中の蛍光体によって、これと接触する塗布装置
が研磨され、この研磨粉が(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層を構成する溶液中に不純物として混入す
る傾向がある。
【0171】乾燥温度は、60℃〜130℃とすること
が好ましく、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが好
ましい。
【0172】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層の厚さは、特に制限はないが、10〜
200μmとすることが好ましく、15〜150μmと
することがより好ましく、20〜100μmとすること
が特に好ましい。この厚さが、10μm未満では、後述
する焼成後の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率が低
下する傾向があり、200μmを超えると、焼成後の蛍
光体パターンが厚くなり、蛍光面の発光面積が縮小して
発光効率が低下する傾向がある。
【0173】本発明における(B)埋め込み層としての
(Ba)剥離可能な埋め込み層の厚さは、特に制限はな
いが、10〜200μmとすることが好ましく、15〜
150μmとすることがより好ましく、20〜100μ
mとすることが特に好ましい。
【0174】また、本発明の感光性エレメントは、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
前記各成分を溶解又は分散可能な前記溶剤に、溶解又は
混合させることにより、均一に分散した溶液を、前記し
た支持体フィルム上に、ナイフコート法、ロールコート
法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート
法、カーテンコート法等の公知の塗布方法を用いて、塗
布、乾燥することにより(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を形成した後、この(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層と前記支持体フィルム上に設けた
(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み
層が接するように張り合せることにより得ることもでき
る。
【0175】このとき、(B)埋め込み層としての(B
a)剥離可能な埋め込み層が接している支持体フィルム
と(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込
み層との接着力及び(B)埋め込み層としての(Ba)
剥離可能な埋め込み層と(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層との接着力よりも、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層が接している支持体フィルムと
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層との接着力
が小さいものであることが好ましい。
【0176】このようにして得られる本発明の感光性エ
レメントは、ロール状に巻いて保管可能とすることがで
きる。
【0177】以下、(I)の工程が、(Ia)支持体フ
ィルム上に、(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可
能な埋め込み層を有し、その上に(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物を有してなる感光性エレメントを、
凹凸を有する基板に(Α)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層が接するようにして積層する工程である場合に
ついて、各工程を図8を用いて説明する。なお、図8
は、本発明の蛍光体パターンの製造法の一工程である
(Ia)工程を示した模式図である。
【0178】[(Ia)支持体フィルム上に、(B)埋
め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層を有
し、その上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を有してなる感光性エレメントを、凹凸を有する基板
に(Α)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が接する
ようにして積層する工程]バリアリブ2が形成された前
記PDP用基板1(凹凸を有する基板)の凹凸表面上
に、(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め
込み層6a及び(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層5を含む感光性エレメントを、圧着ロール7を用い
て積層させた状態を図8に示した。
【0179】図8の工程において、バリアリブ2が形成
されたPDP用基板1上に、(B)埋め込み層としての
(Ba)剥離可能な埋め込み層6a及び(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層5を含む本発明の感光性エ
レメントを積層させる方法としては、例えば、感光性エ
レメントにカバーフィルムが存在しているときは、その
カバーフィルム(支持体フィルム上に(B)埋め込み層
としての(Ba)剥離可能な埋め込み層を形成したもの
と、支持体フィルム上に(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を形成したものを張り合せて得られた感光
性エレメントを使用する場合は、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層5の支持体フィルム)を除去後、
PDP用基板1のバリアリブ2を形成した面に、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5が接するよう
に、圧着ロール7で圧着させること等により積層するこ
とができる。
【0180】圧着ロール7は、加熱圧着できるように加
熱手段を備えたものであってもよく、加熱圧着する場合
の加熱温度は、10〜140℃とすることが好ましく、
20〜135℃とすることがより好ましく、30〜13
0℃とすることが特に好ましい。この加熱温度が、10
℃未満では、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5のPDP基板の空間への埋め込み性が低下する傾向
があり、140℃を超えると、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5が熱硬化する傾向がある。
【0181】また、加熱圧着時の圧着圧力は、線圧で5
0〜1×105N/mとすることが好ましく、2.5×
102〜5×104N/mとすることがより好ましく、5
×102〜4×104N/mとすることが特に好ましい。
この圧着圧力が、50N/m未満では、(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層5のPDP用基板1の凹部
空間への埋め込み性が低下する傾向があり、1×105
N/mを超えると、PDP用基板1のバリアリブ2が破
壊される傾向がある。
【0182】(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可
能な埋め込み層6a及び(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層5を含む感光性エレメントを前記のように
加熱すれば、PDP用基板1を予熱処理することは必要
ではないが、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5の凹部空間への埋め込み性を更に向上させる点か
ら、PDP用基板1の予熱処理を行うことが好ましい。
【0183】このときの予熱温度は、30〜140℃と
することが好ましく、また、予熱時間は、0.5〜20
分間とすることが好ましい。
【0184】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層5の凹部空間への埋め込み性を更に向上させる
点から、上記圧着ロールの表面が、ゴム、プラスチック
等の柔軟性に富んだ材質のものを使用することもでき
る。なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜
400μmとすることが好ましい。
【0185】更に、同様の目的で、5×104以下の減
圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行うことも
できる。
【0186】また、積層が完了した後、30〜150℃
の範囲で、1〜120分間加熱することもできる。この
とき、(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋
め込み層6aの上に支持体フィルムが存在する場合に
は、その支持体フィルムを必要に応じて除去してもよ
い。
【0187】このようにして、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物5をPDP用基板1の凹部空間に均一
に形成することができる。
【0188】また、後述する(IIa)(B)埋め込み
層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層6aを除去す
る工程において、(B)埋め込み層としての(Ba)剥
離可能な埋め込み層6aを剥離しやすくするために、
(Ia)の工程の後に、PDP用基板1を冷却(通常、
−50〜50℃の範囲)することもできる。
【0189】また、本発明で用いる感光性エレメントの
前記した加熱圧着時の加熱条件、圧着圧力条件及びPD
P用基板1の予備加熱条件や、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5と(B)埋め込み層としての(B
a)剥離可能な埋め込み層6aの膜厚等の各条件の組み
合わせを変えることにより、図5に示すような状態に積
層することもできる。
【0190】(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5と(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋
め込み層6aの膜厚について、具体的には、凹凸を有す
る基板(PDP用基板)上の凹凸が形成された領域と等
しい領域の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
及び(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め
込み層において、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層及び(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能
な埋め込み層の合計の体積(V1)と、凹凸を有する基
板の凹部空間の体積(V2)との比((V1)/(V
2))が、(V1)/(V2)=1〜2の範囲であるこ
とが、高精度で均一な形状の蛍光体パターンを形成でき
る点で好ましい。このとき、(V1)/(V2)が、1
〜1.2の範囲である場合には、図8に示すように、凸
部の上部に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
5がほとんど残存しない状態で、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層5が凹部内面に形成される傾向が
あり、また、(V1)/(V2)が、1.2を超えて、
2以下の範囲である場合には、図5に示すように凸部の
上部に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5が
残存する状態で(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層5が凹部内面に形成される傾向がある。ここで、
(V1)/(V2)が1未満である場合には、凹部内面
において(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5
が密着できない部分が発生する傾向があり、また、(V
1)/(V2)が2を超える場合には、後述する多色の
蛍光体パターンにおいて、その断面形状が不均一になる
傾向がある。
【0191】なお、感光性エレメントを積層させる前の
PDP用基板作製時において、加熱等により、PDP用
基板の全体的又は部分的な収縮が発生する場合と、PD
P用基板の収縮がほとんど発生しない場合があり、PD
P用基板の全体的又は部分的な収縮が発生する場合にお
いては、PDP用基板とフォトマスクの位置ずれが起き
る場合がある。従って、PDP用基板の全体的又は部分
的な収縮が発生する場合においては、後述する(III
a)(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5及び
(Ba)剥離可能な埋め込み層baを活性光線により像
的に照射する工程においてのフォトマスク位置合わせ精
度の裕度を大きくする点から、図8に示すように凸部の
上部に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5が
ほとんど残存しないように凹部内面に積層させることが
好ましいため、(V1)/(V2)が、1〜1.2の範
囲であることが好ましく、また、PDP用基板の収縮が
ほとんど発生しない場合においては、図5のように積層
させてもよく、図8に示すように凸部の上部に(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層5が残存する状態で
積層させてもよい。
【0192】[(IIa)(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層及び(Ba)剥離可能な埋め込み層ba
に活性光線を像的に照射する工程]活性光線を像的に照
射する方法としては、前記(II)(a)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層を活性光
線により像的に照射する工程と同様の全ての方法を用い
ることができる。
【0193】[(IIIa)(B)埋め込み層としての
(Ba)剥離可能な埋め込み層及び活性光線を像的に照
射した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選
択的に除去してパターンを形成する工程](B)埋め込
み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層及び活性光
線を像的に照射した(Α)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を選択的に除去してパターンを形成する方法と
しては、前記(III)(B)埋め込み層及び活性光線
を像的に照射した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層を選択的に除去してパターンを形成する工程と同
様の全ての方法を用いることができる。
【0194】[(IVa)前記パターンに活性光線を照
射する工程及び/又は前記パターンを加熱する工程]前
記パターンに活性光線を照射する及び/又は前記パター
ンを加熱する方法としては、前記(IV)前記パターン
に活性光線を照射する工程及び/又は前記パターンを加
熱する工程と同様の全ての方法を用いることができる。
【0195】[(Va)前記パターンから焼成により不
要分を除去して蛍光体パターンを形成する工程]焼成に
より不要分を除去する方法としては、前記(V)前記パ
ターンから焼成により不要分を除去して蛍光体パターン
を形成する工程と全ての方法を用いることができる。
【0196】また、本発明の蛍光体パターンの製造法
は、工程数を低減できる等の点から、前記本発明におけ
る(Ia)〜(IVa)の各工程を1色毎に繰り返し
て、赤色、緑色及び青色に発色する蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層からなる多色パターンを形成した後、
(Va)の工程を行い多色の蛍光体パターンを形成する
ことが好ましい。
【0197】本発明において、赤色、青色及び緑色に発
色するそれぞれの蛍光体を単独で含む(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層5は、赤色、青色及び緑色の
各色について、どの様な順番でも行うことができる。
【0198】また、本発明の蛍光体パターンの製造法
は、膜べりの抑制等の点から、前記本発明における(I
a)〜(Va)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、
緑色及び青色に発色する多色の蛍光体パターンを形成す
ることが好ましい。
【0199】本発明の蛍光体パターンは、バリアリブの
高さをL(μm)としたとき、0.9×Lの位置のバリ
アリブ壁面に形成された蛍光体パターンの層厚x(μ
m)と0.4×Lの位置のバリアリブ壁面に形成された
蛍光体パターンの層厚y(μm)の層厚比x/yが、x
/y=0.1〜1.5の範囲を満足するものであること
が輝度、光利用率等の点から好ましく、x/y=0.1
5〜1.3の範囲であることがより好ましく、x/y=
0.2〜1.2の範囲であることが特に好ましい。x/
yが0.1未満ではPDPとして発光させた場合に、広
視野角からの視認における見かけの輝度が低下する傾向
があり、1.5を超えると、蛍光体が発光した可視光の
利用率が低下して、輝度が低下する傾向がある。
【0200】また、PDPとして発光させた場合に、蛍
光体が発光した可視光の利用率を向上できる点から、x
/yが、x/y=0.1〜0.5の範囲であることが好
ましく、x/y=0.15〜0.45の範囲であること
がより好ましく、x/y=0.2〜0.4の範囲である
ことが特に好ましい。
【0201】また、PDPとして発光させた場合に、広
視野角からの視認における見かけの輝度の低下を抑制で
きる点から、x/yがx/y=0.5〜1.5の範囲で
あることが好ましく、x/y=0.55〜1.3の範囲
であることがより好ましく、x/y=0.6〜1.2の
範囲であることが特に好ましい。
【0202】本発明のプラズマディスプレイパネル用背
面板は、上述のようにして得られた蛍光体パターンを、
プラズマディスプレイパネル用基板上に備えてなるもの
である。
【0203】以下に、プラズマディスプレイパネル用背
面板について、図9を用いて説明する。なお、図9は、
プラズマディスプレイパネル(PDP)の一例を示した
模式図であり、図9において1はPDP用基板、2はバ
リアリブ、4はストライプ状放電空間、10は蛍光体パ
ターン、11はアドレス用電極、12は保護膜、13は
誘電体層、14は表示用電極及び15は前面板用基板で
ある。
【0204】図9において、PDP用基板1、バリアリ
ブ2、蛍光体パターン10及びアドレス用電極11を含
む下部がPDP用背面板であり、保護膜12、誘電体層
13、表示用電極14及び前面板用基板15を含む上部
がPDP用前面板である。
【0205】PDPは、電圧の印加方式から、ΑC(交
流)型PDP、DC(直流)型PDP等に分類でき、一
例として示した図9の模式図は、ΑC型PDPである。
【0206】なお、本発明の蛍光体パターンの製造法
は、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、
エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の
自発光型ディスプレイにも適用することができる。
【0207】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0208】製造例1 [フィルム性付与ポリマーの溶
液(a−1)の作製] 撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備
えたフラスコに、表1に示す(1)の溶剤を仕込み、窒
素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±
2℃に保ちながら、表1に示す(2)のモノマーと開始
剤の混合物を4時間かけて均一に滴下した。滴下後、8
0℃±2℃で6時間撹拌を続け、重量平均分子量が8
0,000、酸価が130mgKOH/gのフィルム性
付与ポリマーの溶液(固形分45.5重量%)(a−
1)を得た。
【0209】
【表1】 製造例2 [(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(Α−1)の作製]表2に示す材料を、ライカイ機を用
いて15分間混合し、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層用溶液(Α−1)を作製した。
【0210】
【表2】 製造例3 [(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(Α−2)の作製]表3に示す材料を、ライカイ機を用
いて15分間混合し、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層用溶液(Α−2)を作製した。
【0211】
【表3】 製造例4 [(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(Α−3)の作製]表4に示す材料を、ライカイ機を用
いて15分間混合し、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層用溶液(Α−3)を作製した。
【0212】
【表4】 製造例5 [感光性エレメント(i)の作製]製造例2で得られ
た、(Α)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(A−1)を20μmの厚さのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に均一に塗布し、110℃の熱風対流式
乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層を形成した。得られた
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の厚さは6
0μmであった。
【0213】次いで、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層の上に、更に、25μmの厚さのポリエチレ
ンフィルムを、カバーフィルムとして張り合せて、感光
性エレメント(i)を作製した。
【0214】得られた感光性エレメント(i)のエッジ
フュージョン性を下記の方法で評価し、結果を表6に示
した。
【0215】[エッジフュージョン性]ロール状に巻き
取られた長さ90mの感光性エレメント(i)を、温度
が23℃、湿度が60%Rhで保管し、ロール側面から
感光性樹脂組成物層のしみ出しの様子を、6ケ月間にわ
って目視で評価した。評価基準は次の通りである。 ○:エッジフュージョン性が良好なもの(6カ月間でも
感光性樹脂組成物層のしみ出しがないもの) ×:エッジフュージョン性が不良なもの(6カ月間で感
光性樹脂組成物層のしみ出しが発生したもの) 製造例6 [感光性エレメント(ii)の作製]製造例5におい
て、製造例2で得られた(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層用溶液(A−1)を製造例3で得られた
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液(A
−2)に代えた以外は、製造例5と同様にして、感光性
エレメント(ii)を作製した。なお、感光性エレメン
ト(ii)の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層の厚さは、40μmであった。
【0216】得られた感光性エレメント(ii)のエッ
ジフュージョン性を、製造例5と同様にして評価し、結
果を表6に示した。
【0217】製造例7 [感光性エレメント(iii)の作製]製造例5におい
て、製造例2で得られた(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層用溶液(A−1)を製造例4で得られた
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液(A
−3)に代えた以外は、製造例5と同様にして、感光性
エレメント(iii)を作製した。なお、感光性エレメ
ント(iii)の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層の厚さは、60μmであった。
【0218】得られた感光性エレメント(iii)のエ
ッジフュージョン性を、製造例5と同様にして評価し、
結果を表6に示した。
【0219】製造例8 [感光性エレメント(iv)の作製]製造例2におい
て、表2に示す材料を、表5に示す材料に代えた以外
は、製造例2と同様にして、(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層用溶液(Α−4)を作製した。
【0220】
【表5】 次いで、製造例5において、(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物用溶液(A−1)を(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物用溶液(A−4)に代えた以外
は、製造例5と同様にして、感光性エレメント(iv)
を作製した。なお、感光性エレメント(iv)の(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の厚さは、40μ
mであった。
【0221】得られた感光性エレメント(iv)のエッ
ジフュージョン性を、製造例5と同様にして評価し、結
果を表6に示した。
【0222】
【表6】 表6に示すように、製造例5〜8で作製した感光性エレ
メントのエッジフュージョン性は良好であった。
【0223】[蛍光体パターンの作製] 実施例1 [(I)凹凸を有する基板上において(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層の上に(B)埋め込み層を配
置した状態で、(B)埋め込み層に圧力を加えて、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)
埋め込み層を凹凸を有する基板上に積層する工程]PD
P用基板(ストライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の
開口幅140μm、バリアリブの幅70μm、バリアリ
ブの高さ140μm)のバリアリブが形成された側に、
製造例5で得られた感光性エレメント(i)のポレチレ
ンフィルムを剥がしながら、ラミネータ(日立化成工業
(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて、ラミ
ネート温度が60℃、ラミネート速度が0.5m/分、
圧着圧力(シリンダ圧力)が5×104Pa(厚さが3
mm、縦10cm×横10cmの基板を用いたため、こ
の時の線圧は2.4×103N/m)で積層した。
【0224】次に、感光性エレメント(i)のバリアリ
ブと接していない面のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを剥離し、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層上に、膜厚34μmのポリ(エチレン/アクリル酸
エチル)フィルムを(B)埋め込み層として用い、ラミ
ネータ(日立化成工業(株)製、商品名HLM−300
0型)を使用して、ラミネート温度が120℃、ラミネ
ート速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が
4×105Pa(厚さが3mm、縦10cm×横10c
mの基板を用いたため、この時の線圧は9.8×103
N/m)で(B)埋め込み層を厚さ20μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムを介して圧着し、(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み
層を、バリアリブ壁面及び基板底面上に囲まれた空間へ
埋め込んだ。
【0225】また、このとき、PDP用基板上に凹凸が
形成された領域と等しい領域の(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層において、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)
埋め込み層の合計の体積(V1)と、PDP用基板の凹
部空間の体積(V2)との比((V1)/(V2))
は、(V1)/(V2)=1.007であった。
【0226】[(II)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層及び(B)埋め込み層に活性光線を像的に
照射する工程]次に、埋め込み層上に、試験用フォトマ
スクを密着させて、(株)オーク製作所製HMW−59
0型露光機を使用し、100mJ/cm2で活性光線を
像的に照射した。
【0227】[(III)(B)埋め込み層及び活性光
線を像的に照射した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を選択的に除去してパターンを形成する工程]
次いで、(B)埋め込み層である膜厚34μmのポリ
(エチレン/アクリル酸エチル)フィルムに、粘着テー
プを接着し、物理的に(B)埋め込み層及び活性光線が
照射された部分の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層をPDP用基板から剥離し、(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層のパターンを得た。
【0228】[(IV)前記パターンに活性光線を照射
する工程及び/又は前記パターンを加熱する工程]次い
で(株)オーク製作所HMW−201GX型露光機を使
用し、PDP用基板に残った(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層のパターンに1J/cm 2の活性光線
を照射した。
【0229】[(V)前記パターンから焼成により不要
分を除去して蛍光体パターンを形成する工程]次いで、
電気炉にて5℃/分の昇温速度で昇温し、470℃で2
0分間加熱処理(焼成)を行い、不必要な樹脂成分を除
去し、PDP用基板の凹部内面に蛍光体パターンを形成
させた。
【0230】また、このとき、蛍光体パターンの層厚比
x/yはx/y=0.9であった。
【0231】[蛍光体パターンの評価]得られた蛍光体
パターンの断面を、実体顕微鏡及びSEMにより目視に
て観察し、蛍光体パターンの成形状況を評価し、結果を
表7に示した。評価基準は次の通りである。 ○:蛍光体パターンがPDP用基板の空間(バリアリブ
壁面及びセル底面上)に均一に形成されている ×:蛍光体パターンがPDP用基板の空間(バリアリブ
壁面及びセル底面上)に均一に形成されていない 実施例2 実施例1において、製造例5で得られた感光性エレメン
ト(i)を製造例6で得られた感光性エレメント(i
i)に代え、膜厚34μmのポリ(エチレン/アクリル
酸エチル)フィルムを膜厚58μmのポリ(エチレン/
アクリル酸エチル)フィルムに代え、(II)(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み
層に活性光線を像的に照射する工程を下記に示すように
代えた以外は、実施例1と同様にして、蛍光体パターン
を形成し、得られた蛍光体パターンの形成状況を評価
し、結果を表7に示した。
【0232】また、このとき、PDP用基板上の凹凸が
形成された領域と等しい領域の(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層において、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)
埋め込み層の合計の体積(V1)と、PDP用基板の凹
部空間の体積(V2)との比((V1)/(V2))
は、(V1)/(V2)=1.05であった。
【0233】また、このとき、蛍光体パターンの層厚比
x/yはx/y=0.95であった。
【0234】[(II)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層及び(B)埋め込み層に活性光線を像的に
照射する工程]次に、埋め込み層上に、活性光線マスク
幅が150μmのフォトマスクをバリアリブ間の開口幅
の中心に、フォトマスクの活性光線マスク幅の中心が位
置するように密着させて、(株)オーク製作所製、HM
W−201GX型露光機を使用し、300mJ/cm2
で活性光線を像的に照射した。
【0235】実施例3 実施例1において、製造例5で得られた感光性エレメン
ト(i)を製造例7で得られた感光性エレメント(ii
i)に代えた以外は、実施例1と同様にして、蛍光体パ
ターンを形成し、得られた蛍光体パターンの形成状況を
評価し、結果を表7に示した。
【0236】また、このとき、蛍光体パターンの層厚比
x/yはx/y=0.9であった。
【0237】実施例4 [(Ia)支持体フィルム上に、(B)埋め込み層とし
ての(Ba)剥離可能な埋め込み層を有し、その上に
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を有する感
光性エレメントを、凹凸を有する基板の凹凸表面上に、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が接するよ
うに加熱し加圧して凹凸表面上に(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層としての
(Ba)剥離可能な埋め込み層を積層する工程]製造例
6で得られた感光性エレメント(ii)のポリエチレン
フィルムを剥がし、膜厚20μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に形成された膜厚58μmのポリ
(エチレン/アクリル酸エチル)フィルム((B)埋め
込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層)と感光
性エレメント(ii)の(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層とが接するように張りあわせて、(B)埋
め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層を有
し、その上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を有する感光性エレメント(v)を作製した。
【0238】次いで、PDP用基板(ストライプ状のバ
リアリブ、バリアリブ感の開口幅140μm、バリアリ
ブの幅70μm、バリアリブの高さ140μm)のバリ
アリブが形成された側に、感光性エレメント(v)の
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が接してい
るポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がしなが
ら、ラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名HLM
−3000型)を用いて、(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層がPDP用基板に接するように、ラミネ
ート温度が110℃、ラミネート速度が0.5m/分、
圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa(厚さが3m
m、縦10cm×横10cm(正方形)の基板を用いた
ため、このときの線圧は9.8×103N/m)で積層
した。
【0239】また、このとき、PDP用基板上の凹凸が
形成された領域と等しい領域の(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層としての(B
a)剥離可能な埋め込み層において、(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層として
の(Ba)剥離可能な埋め込み層の合計の体積(V1)
と、PDP用基板の凹部空間の体積(V2)との比
((V1)/(V2))は、(V1)/(V2)=1.
05であった。
【0240】[(IIa)(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層及び(Ba)剥離可能な埋め込み層に活
性光線を像的に照射する工程]次に、埋め込み層上に、
活性光線透過幅が130μmのフォトマスクをバリアリ
ブ間の開口幅の中心に、フォトマスクの活性光線透過幅
の中心が位置するように密着させて、(株)オーク製作
所製HMW−201GX型露光機を使用し、300mJ
/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0241】[(IIIa)(B)埋め込み層としての
(Ba)剥離可能な埋め込み層及び活性光線を像的に照
射した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選
択的に除去してパターンを形成する工程]次いで、
(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み
層である膜厚58μmのポリ(エチレン/アクリル酸エ
チル)フィルムに、粘着テープを接着し、物理的に
(B)剥離可能な埋め込み層及び活性光線が照射された
部分の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層をP
DP用基板から剥離し、(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層のパターンを得た。
【0242】[(IVa)前記パターンに活性光線を照
射する工程及び/又は前記パターンを加熱する工程]次
いで(株)オーク製作所HMW−201GX型露光機を
使用し、PDP用基板に残った(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層のパターンに1J/cm 2の活性光
線を照射した。
【0243】[(Va)前記パターンから焼成により不
要分を除去する工程]次いで、電気炉にて5℃/分の昇
温速度で昇温し、470℃で20分間加熱処理(焼成)
を行い、不必要な樹脂部分を除去し、PDP用基板の凹
部内面に蛍光体パターンを形成させた。得られた蛍光体
パターンの形成状況を実施例1と同様に評価し、結果を
表7に示した。
【0244】また、このとき、蛍光体パターンの層厚比
x/yはx/y=0.95であった。
【0245】実施例5 実施例2において、製造例6で得られた感光性エレメン
ト(ii)を、製造例8で得られた感光性エレメント
(iv)に代えた以外は、実施例2と同様にして、蛍光
体パターンを形成し、得られた蛍光体パターンの形成状
況を評価し、結果を表7に示した。
【0246】また、このとき、PDP用基板上の凹凸が
形成された領域と等しい領域の(Α)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層において、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)
埋め込み層の合計の体積(V1)と、PDP用基板の凹
部空間の体積(V2)との比(V1)/(V2)は、
((V1)/(V2))=1.05であった。
【0247】また、このとき、蛍光体パターンの層厚比
x/yはx/y=0.95であった。
【0248】比較例1 実施例1において、(B)埋め込み層を使用しなかった
以外は、実施例1と同様にして蛍光体パターンを形成
し、得られた蛍光体パターンの形成状況を評価し、結果
を表7に示した。
【0249】
【表7】 表7から、(B)埋め込み層を使用した実施例1、実施
例2、実施例3、実施例4及び実施例5は、PDP用基
板の空間における蛍光体パターンの形成性(PDP用基
板のバリアリブ壁面及び空間底面上への埋め込み性)が
良好であることがわかる。
【0250】これと比較して、(B)埋め込み層を使用
しなかった比較例1は、PDP用基板の空間における蛍
光体パターンの形成性(PDP用基板のバリアリブ壁面
及び空間底面上への埋め込み性)が劣ることがわかる。
【0251】実施例6 製造例3において、(Y,Gd)BO3:Eu140重
量部をBaMgAl1423:Eu2+110重量部に代え
た以外は、製造例3と同様にして(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層用溶液(A−5)を作製し、次い
で、製造例5と同様にして(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層を形成した。得られた(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層の乾燥後の厚さは、40μm
であった。
【0252】次いで、製造例5と同様にして、(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層を含む感光性エレメ
ント(vi)を作製した。
【0253】次に、実施例2における(I)〜(IV)
の工程を行って得られた、1色目の赤色に発色する蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層が形成された基板を用
いて、実施例2において、(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層を含む感光性エレメント(ii)を
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を含む感光
性エレメント(vi)に代えた以外は、実施例2と同様
にして(I)〜(IV)の工程を行って、2色目の青色
に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成
し、次いで、実施例5と同様にして(I)〜(IV)の
工程を行って、3色目の緑色に発色する蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を形成して多色のパターンを作製
した。
【0254】次に、得られた多色のパターンを用いて、
実施例2における(V)の工程を行い、多色の蛍光体パ
ターンが形成されたPDP用背面板を作製した。
【0255】得られた多色の蛍光体パターンの断面を、
実体顕微鏡及びSEMにより目視にて観察し、多色の蛍
光体パターンの形成状況を評価した結果、赤、緑及び青
に発色する多色の蛍光体パターンがPDP用背面板の空
間(バリアリブ壁面及びセル底面上)に均一に形成され
ていることを確認した。
【0256】
【発明の効果】本発明の蛍光体パターンの製造法は、P
DP用基板等の凹凸を有する基板の空間への埋め込み請
求項(PDP用基板であれば、バリアリブ壁面及び空間
底面上における蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の
形成性)が優れ、高精度で均一な形状の蛍光体パターン
を効率よく形成できるものである。
【0257】本発明の蛍光体パターンは、高精度で均一
な形状で輝度の優れたものである。
【0258】本発明のプラズマディスプレイ用背面板
は、高精度で均一な形状で輝度の優れた蛍光体パターン
を備えたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】バリアリブが形成されたPDP用基板の一例を
示した模式図である。
【図2】バリアリブが形成されたPDP用基板の一例を
示した模式図である。
【図3】本発明の蛍光体パターンの製造法の(I)〜
(II)の工程の一態様を示した模式図である。
【図4】本発明の蛍光体パターンの製造法における(I
II)工程終了後及び(V)工程終了後の一例を示した
模式図である。
【図5】本発明の蛍光体パターンの製造法における、
(I)工程終了後の一例を示した模式図である。
【図6】蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からなる
多色パターンを形成した状態を示した模式図である。
【図7】多色の蛍光体パターンを形成した状態を示した
模式図である。
【図8】本発明の蛍光体パターンの製造法の一工程の一
例を示した模式図である。
【図9】本発明のプラズマディスプレイパネル用背面板
の一例を示した模式図である。
【符号の説明】
1 PDP用基板 2 バリアリブ 3 格子状放電空間 4 ストライプ状放電空間 5 蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層 5′a 1色目のパターン 5′b 2色目のパターン 5′c 3色目のパターン 6 埋め込み層 6a 剥離可能な埋め込み層 7 圧着ロール 8 フォトマスク 9 活性光線 10 蛍光体パターン 10a 1色目の蛍光体パターン 10b 2色目の蛍光体パターン 10c 3色目の蛍光体パターン 11 アドレス用電極 12 保護膜 13 誘電体層 14 表示用電極 15 前面板用基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 直紀 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 田井 誠司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 向 郁夫 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)凹凸を有する基板上において
    (A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
    (B)埋め込み層を配置した状態で、(B)埋め込み層
    に圧力を加えて、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
    成物層及び(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
    と剥離可能な(B)埋め込み層を凹凸を有する基板上に
    積層する工程、(II)(A)蛍光体を含有する感光性
    樹脂組成物層及び(B)埋め込み層に活性光線を像的に
    照射する工程、(III)(B)埋め込み層及び活性光
    線を像的に照射した部分の(A)蛍光体を含有する感光
    性樹脂組成物層を選択的に除去して(A)蛍光体を含有
    する感光性樹脂組成物層のパターンを形成する工程、
    (IV)前記パターンに活性光線を照射する工程及び/
    又は前記パターンを加熱する工程並びに(V)前記パタ
    ーンから焼成により不要分を除去して蛍光体パターンを
    形成する工程の各工程を含むことを特徴とする蛍光体パ
    ターンの製造法。
  2. 【請求項2】 (I)の工程が、(Ia)支持体フィル
    ム上に、(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な
    埋め込み層を有し、その上に(A)蛍光体を含有する感
    光性樹脂組成物層を有してなる感光性エレメントを用い
    て、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
    (B)埋め込み層を配置し、この状態で(B)埋め込み
    層に圧力を加えて、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
    組成物層及び(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
    層と剥離可能な(B)埋め込み層を凹凸を有する基板上
    に積層する工程である請求項1記載の蛍光体パターンの
    製造法。
  3. 【請求項3】 (I)〜(IV)の各工程を繰り返し
    て、赤、緑及び青に発色する蛍光体を含有する感光性樹
    脂組成物層からなる多色パターンを形成した後、(V)
    の工程を行い多色の蛍光体パターンを形成する請求項1
    又は2記載の蛍光体パターンの製造法。
  4. 【請求項4】 (I)〜(V)の各工程を繰り返して、
    赤、緑及び青に発色する多色の蛍光体パターンを形成す
    る請求項1又は2記載の蛍光体パターンの製造法。
  5. 【請求項5】 (A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
    成物層が、(a)フィルム性付与ポリマー、(b)エチ
    レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物、(c)
    活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤及
    び(d)蛍光体を含むものである請求項1、2、3、又
    は4記載の蛍光体パターンの製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の蛍光
    体パターンの製造法により製造された蛍光体パターン。
  7. 【請求項7】 プラズマディスプレイパネル用基板上に
    請求項6記載の蛍光体パターンを備えてなるプラズマデ
    ィスプレイパネル用背面板。
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