JP2000305264A - 蛍光体を含有する感光性樹脂組成物、蛍光体パターンの製造法、これに用いられる感光性エレメント、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板 - Google Patents

蛍光体を含有する感光性樹脂組成物、蛍光体パターンの製造法、これに用いられる感光性エレメント、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板

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JP2000305264A
JP2000305264A JP11820199A JP11820199A JP2000305264A JP 2000305264 A JP2000305264 A JP 2000305264A JP 11820199 A JP11820199 A JP 11820199A JP 11820199 A JP11820199 A JP 11820199A JP 2000305264 A JP2000305264 A JP 2000305264A
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Hiroyuki Kawakami
広幸 川上
Yumiko Sugiura
有美子 杉浦
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Kazuya Sato
和也 佐藤
Mariko Shimamura
真理子 島村
Seiji Tai
誠司 田井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】PDP用基板等の凹凸を有する基板の空間への
埋め込み性が優れ、高精度で均一な形状の蛍光体パター
ンを形成できる蛍光体パターンの製造法を提供する。 【解決手段】(I)凹凸を有する基板の上に、(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み
層を順次配置した状態で、前記(B)層に圧力を加え
て、前記(A)層及び(B)層を凹凸を有する基板上に
積層する工程、(II)(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物に活性光線を像的に照射する工程、(III)
(B)埋め込み層を除去する工程、(IV)現像により活
性光線を像的に照射した(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を選択的に除去してパターンを形成する工
程及び(V)前記パターンから焼成により不要分を除去
して蛍光体パターンを形成する工程の各工程を含むこと
を特徴とする蛍光体パターンの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物、蛍光体パターンの製造法、これに用
いられる感光性エレメント、蛍光体パターン及びプラズ
マディスプレイパネル用背面板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、平板ディスプレイの1つとし
て、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることに
よって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDPと記す)が知られている。PDPは、ガ
ラスからなる平板状の前面板と背面板とが互いに平行に
かつ対向して配置され、両者はその間に設けられたバリ
アリブにより一定の間隔に保持されており、前面板、背
面板及びバリアリブに囲まれた空間で放電する構造にな
っている。このような空間には、表示のための蛍光体が
塗布され、放電によって封入ガスから発生する紫外線に
よって蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認で
きるようになっている。
【0003】従来、この蛍光体層を設ける方法として
は、各色蛍光体を分散させたスラリー液もしくはペース
トをスクリーン印刷等の印刷方法によって塗布する方法
が提案されており、特開平1−115027号公報、特
開平1−124929号公報、特開平1−124930
号公報、特開平2−155142号公報等に開示されて
いる。しかし、上記の蛍光体分散液は液状であるため、
蛍光体の沈澱等による分散不良が生じ易く、また、スラ
リー液に液状の感光性レジストを用いた場合には、暗反
応の促進等により保存安定性が乏しくなる等の欠点を有
する。さらにスクリーン印刷等の印刷方法は印刷精度に
劣るため、将来的なPDPの大画面化への対応は困難で
ある等の問題がある。
【0004】これらの問題点の解決には、蛍光体を含有
させた感光性エレメント(感光性フィルムともいう)を
用いる方法が提案されている(特開平6−273925
号公報)。感光性エレメントを用いる方法とは、蛍光体
を含有する感光性樹脂層と支持体フィルムよりなる感光
性エレメントの蛍光体を含有する感光性樹脂層を、加熱
圧着(ラミネート)により前記PDP用基板の空間に埋
め込み、次に、ネガフィルムを用いて、写真法により紫
外線等に活性光で像的に露光し、その後、アルカリ水溶
液等の現像液で、未露光部を除去し、さらに、焼成によ
り不必要な有機成分を取り除いて、必要な部分のみに蛍
光体パターンを形成するものである。従って、前記PD
P用基板の空間に蛍光体パターンを形成する際には、蛍
光体の分散性を確認する必要がなく、また、蛍光体分散
スラリー液若しくはペーストに比べて保存安定性にも優
れている。さらに、写真法を用いるため、精度良く蛍光
体パターンを形成することができる。
【0005】また、従来の方法により感光性エレメント
を使用して蛍光体を含有する感光性樹脂層を、ラミネー
トにより前記PDP用基板の空間(セル内)に埋め込む
と、バリアリブ壁面及び空間底面上に蛍光体パターンを
均一な膜厚、形状で形成することが困難であったことか
ら、近年、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
埋め込み層を配置した状態で、埋め込み層に圧力を加え
てラミネートする方法が特開平10−92313号公報
に提案されている。しかし、この方法では、蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層の上に埋め込み層を配置した
状態で、埋め込み層に圧力を加えてラミネートする際、
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層のカバーフィルム
(例えば、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレー
ト)を剥離除去しにくくなる場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に埋め込
み層を配置した状態で、埋め込み層に圧力を加えてラミ
ネートする際、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の
カバーフィルムの除去性が優れ、作業性及び光感度に優
れる蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を提供するも
のである。
【0007】請求項2記載の発明は、PDP用基板等の
凹凸を有する基板の空間への埋め込み性(PDP用基板
であれば、バリアリブ壁面及び空間底面上における蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層の形成性)が優れ、高
精度で均一な形状の蛍光体パターンを形成できる蛍光体
パターンの製造法を提供するものである。請求項3記載
の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、さらに
作業性、環境安全性に優れる蛍光体パターンの製造法を
提供するものである。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載の発明の効果に加えて、さらに作業性に優れる蛍光体
パターンの製造法を提供するものである。請求項5記載
の発明は、請求項2、3又は4記載の発明の効果に加え
て、さらに膜べりの抑制に優れる蛍光体パターンの製造
法を提供するものである。請求項6記載の発明は、請求
項2、3、4又は5記載の発明の効果に加えて、さらに
作業性、光感度に優れる蛍光体パターンの製造法を提供
するものである。
【0009】請求項7記載の発明は、エッジフュージョ
ンの抑制及びPDP用基板等の凹凸を有する基板の空間
への埋め込み性が優れ、埋め込み層の除去性が優れ、高
精度で均一な形状の蛍光体パターンを作業性良く形成で
きる感光性エレメントを提供するものである。請求項8
記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、さ
らに作業性、光感度に優れる感光性エレメントを提供す
るものである。
【0010】請求項9記載の発明は、高精度で均一な形
状で輝度の優れた蛍光体パターンを提供するものであ
る。請求項10記載の発明は、高精度で均一な形状で輝
度の優れた蛍光体パターンを備えたプラズマディスプレ
イパネル用背面板を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)フィル
ム性付与ポリマー、(b)蛍光体、(c)エチレン性不
飽和基を有する光重合性不飽和化合物、(d)活性光の
照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤及び(e)
下記一般式(I)
【化2】 (ただし、式中R1及びR2は、各々独立に水素原子、水
酸基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を示し、n
は1〜20の整数である)で表される化合物を含む蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物に関する。
【0012】また、本発明は、(I)凹凸を有する基板
の上に、(A)前記蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層及び(B)埋め込み層を順次配置した状態で、前記
(B)層に圧力を加えて、前記(A)層及び(B)層を
凹凸を有する基板上に積層する工程、(II)(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物に活性光線を像的に照射
する工程、(III)(B)埋め込み層を除去する工程、
(IV)現像により活性光線を像的に照射した(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を選択的に除去してパ
ターンを形成する工程及び(V)前記パターンから焼成
により不要分を除去して蛍光体パターンを形成する工程
の各工程を含むことを特徴とする蛍光体パターンの製造
法に関する。
【0013】また、本発明は、(I)の工程が、(I
a)支持体フィルム上に、(B)埋め込み層を有し、そ
の上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を有
してなる感光性エレメントを、凹凸を有する基板に前記
(A)層が接するようにして積層する工程である前記の
蛍光体パターンの製造法に関する。また、本発明は、
(I)〜(IV)の各工程を繰り返して、赤、緑、及び青
に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からな
る多色のパターンを形成した後、(V)の工程を行い多
色の蛍光体パターンを形成する前記蛍光体パターンの製
造法に関する。また、本発明は、(I)〜(V)の各工
程を繰り返して、赤、緑及び青に発色する多色の蛍光体
パターンを形成する前記蛍光体パターンの製造法に関す
る。また、本発明は、(B)埋め込み層が熱可塑性樹脂
を含むものである前記蛍光体パターンの製造法に関す
る。
【0014】また、本発明は、支持体フィルム上に
(B)埋め込み層を有し、その上に(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を有してなる感光性エレメント
に関する。また、本発明は、(B)埋め込み層が熱可塑
性樹脂を含むものである前記感光性エレメントに関す
る。
【0015】また、本発明は、前記蛍光体パターンの製
造法により製造された蛍光体パターンに関する。また、
本発明は、プラズマディスプレイパネル用基板上に前記
蛍光体パターンを備えてなるプラズマディスプレイパネ
ル用背面板に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物は、(a)フィルム性付与ポリマー、(b)
蛍光体、(c)エチレン性不飽和基を有する光重合性不
飽和化合物、(d)活性光の照射により遊離ラジカルを
生成する光開始剤及び(e)下記一般式(I)
【化3】 (ただし、式中R1及びR2は、各々独立に水素原子、水
酸基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を示し、n
は1〜20の整数である)で表される化合物を含むこと
を特徴とする。
【0017】一般式(I)における、アクリロイル基、
メタクリロイル基の化学構造は、それぞれ下記のとおり
である。
【化4】
【0018】本発明における(a)フィルム性付与ポリ
マーとしては、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重
合体に用いられるビニル単量体としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、特開平
10−92313号公報に記載されるビニル単量体等が
挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わ
せて使用される。
【0019】本発明における(a)フィルム性付与ポリ
マーの重量平均分子量は、5,000〜300,000
とすることが好ましく、20,000〜150,000
とすることがより好ましい。この重量平均分子量が、
5,000未満では、感光性エレメントとした場合にフ
ィルム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、30
0,000を超えると、現像性(不要部が現像により、
容易に除去できる性質)が低下する傾向がある。なお、
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用い
て換算した値である。
【0020】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層が、公知の各種現像液により現像可能となるよ
うに、(a)フィルム性付与ポリマーのカルボキシル基
含有率(酸(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整する
ことができる。例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウ
ム等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価
を、90〜260とすることが好ましい。この酸価が、
90未満では、現像が困難となる傾向があり、260を
超えると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパ
ターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)
が低下する傾向がある。また、水又はアルカリ水溶液と
一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像
する場合には、酸価を、16〜260とすることが好ま
しい。この酸価が、16未満では、現像が困難となる傾
向があり、260を超えると、耐現像液性が低下する傾
向がある。さらに、水と水に溶解しない一種以上の有機
溶剤とからなる現像液(エマルジョン現像液)を用いて
現像する場合には、カルボキシル基を含有しなくてもよ
い。なお、1,1,1−トリクロロエタン等の有機溶剤
現像液を用いる場合には、カルボキシル基を含有しなく
ても良い。
【0021】本発明における(b)蛍光体としては、特
に限定はなく、通常の金属酸化物を主体とするものが使
用できる。赤色発色の蛍光体としては、例えば、Y22
S:Eu、Zn3(PO4)2:Mn、Y23:Eu、YV
4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、γ−Zn3(PO4)
2:Mn、(ZnCd)S:Ag+In2O等が挙げられ
る。緑色発色の蛍光体としては、例えば、ZnS:C
u、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Cu+Zn2Si
4:Mn、Gd22S:Tb、Y3Al512:Ce、
ZnS:Cu,Al、Y22S:Tb、ZnO:Zn、
ZnS:Cu,Al+In23、LaPO4:Ce,T
b、BaO・6Al23:Mn等が挙げられる。青色発
色の蛍光体としては、例えば、ZnS:Ag、ZnS:
Ag,Al、ZnS:Ag,Ga,Al、ZnS:A
g,Cu,Ga,Cl、ZnS:Ag+In23、Ca
259Cl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(P
4)6Cl2:Eu2+、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+
BaMgAl1017:Eu2+、BaMgAl1423:E
2+、BaMgAl1626:Eu2+等が挙げられる。
【0022】本発明における(d)蛍光体の粒径は、
0.1〜20μmであることが好ましく、1〜15μm
であることがより好ましく、2〜8μmであることが特
に好ましい。この粒径が0.1μm未満では、発光効率
が低下する傾向があり、また、20μmを超えると、分
散性が低下する傾向がある。また、本発明における
(d)蛍光体の形状としては、球形であることが好まし
く、その表面積はより小さい方が好ましい。
【0023】本発明における(c)エチレン性不飽和基
を有する光重合性不飽和化合物としては、従来、光重合
性多官能モノマとして知られているものを全て用いるこ
とができる(但し、(e)成分である一般式(I)で表
される化合物のうちでR1及びR2が(メタ)クリロイル
基であるものを除く)。
【0024】例えば、下記一般式(II)
【化5】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、kは1〜1
0の整数であり、Yは置換基を有していてもよい飽和又
は不飽和の炭化水素基又は複素環残基若しくはポリアル
キレングリコール残基、
【化6】 (式中、R3及びR4は各々独立に水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基又はトリフルオロメチル基を示
し、R5及びR6は各々独立に炭素数1〜6のアルキレン
基を示し、j及びmは各々独立に1〜20の整数を示
す)で表される末端にエチレン性不飽和基を有する化合
物等が挙げられる。
【0025】一般式(II)中、Yで示される置換基を有
していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素残基又は複素
環残基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、アミノ基、カルボキシル基等を有する置換基を有し
ていてもよい炭素数1〜22の直鎖、分岐若しくは脂環
状のアルカン残基(メタン残基、エタン残基、プロパン
残基、シクロプロパン残基、ブタン残基、イソブタン残
基、シクロブタン残基、ペンタン残基、イソペンタン残
基、ネオペンタン残基、シクロペンタン残基、ヘキサン
残基、シクロヘキサン残基、ヘプタン残基、シクロヘプ
タン残基、オクタン残基、ノナン残基、デカン残基
等)、芳香族環残基(ベンゼン残基、ナフタレン残基、
アントラセン残基、ビフェニル残基、ターフェニル残基
等)、複素環残基(フラン残基、チオフェン残基、ピロ
ール残基、オキサゾール残基、チアゾール残基、イミダ
ゾール残基、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン
残基、トリアジン残基、キノリン残基、キノキサリン残
基等)等が挙げられる。
【0026】具体的には、例えば、アクリル酸又はメタ
クリル酸のエステル系モノマ、スチレン系モノマ、ポリ
オレフィン系モノマ、ビニル系モノマ、ニトリル系モノ
マ、テトエチレングリコールジメタクリレート等のポリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロ
キシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシポリ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタ
クリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレート、ウ
レタンジアクリレート化合物、特開平10−92313
号公報等に記載される光重合性多官能モノマ等が挙げら
れる。
【0027】これらの不飽和結合を有する単量体は、い
ずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであ
ればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体
は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0028】また、本発明における(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層は、蛍光体パターンの作製時
に、焼成により不要分を除去する必要があるため、前記
した(b)エチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和
化合物の中では、熱分解性が良好な、ポリエチレングリ
コールジメタクリレートがより好ましい。
【0029】本発明における(d)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤としては、例えば、芳
香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル
−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケト
ン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベ
ンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2
−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、
2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2
−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオ
キサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレ
ンキノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェ
ニルエーテル等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エ
チルベンゾイン等)、ベンジル誘導体(ベンジルジメチ
ルケタール等)、2,4,5−トリアリールイミダゾー
ル二量体(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフ
ェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニ
ル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾー
ル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フ
ェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニ
ル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−
5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二
量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジ
ン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン
等)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を
組み合わせて使用される。
【0030】本発明における(e)化合物としては、特
に制限は無く、例えば、n−パラフィン等のパラフィン
類、へプチルアルコール、デシルアルコール等の高級飽
和一価アルコール類、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12
−ドデカンジオール等の高級飽和二価アルコール類又は
これらアルコール類のアクリルあるいはメタクリル酸エ
ステル類等を使用することができる。
【0031】本発明における(a)成分の配合量は、
(a)成分、(c)成分及び(e)成分の総量が100
重量部として、10〜90重量部とすることが好まし
く、20〜80重量部とすることがより好ましい。この
配合量が、10重量部未満では、感光性エレメントをロ
ール状で供給した場合、蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物がロール端部からしみ出す(以下エッジフュージョ
ンと記す)ことにより、感光性エレメントのラミネート
時にロールからの繰り出しが困難となり、またしみ出し
た部分がPDP用基板の空間に部分的に過剰に埋め込ま
れ、製造歩留りが著しく低下する等の問題が生じたり、
フィルム形成性が低下する傾向があり、90重量部を超
えると、感度が不充分となる傾向がある。
【0032】本発明における(b)成分の配合量は、
(a)成分、(c)成分、(d)成分及び(e)成分の
総量100重量部に対して、10〜500重量部とする
ことが好ましく、10〜400重量部とすることがより
好ましく、10〜300重量部とすることが特に好まし
く、50〜250重量部とすることが極めて好ましい。
この配合量が、10重量部未満では、PDPとして発光
させた場合に発光効率が低下する傾向があり、500重
量部を超えると、感光性エレメントとした場合に、フィ
ルム形成性が低下したり、可とう性が低下する傾向があ
る。
【0033】本発明における(c)成分の配合量は、
(a)成分、(c)成分及び(e)成分の総量が100
重量部として、10〜90重量部とすることが好まし
く、20〜80重量部とすることがより好ましい。この
配合量が、10重量部未満では、蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物の感度が不充分となる傾向があり、90重
量部を超えると、光硬化物が脆くなる傾向があり、ま
た、感光性エレメントとした場合に、蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物が流動によって端部からしみ出した
り、フィルム形成性が低下する傾向がある。
【0034】本発明における(d)成分の配合量は、
(a)成分、(c)成分及び(e)成分の総量100重
量部に対して、0.01〜30重量部とすることが好ま
しく、0.1〜20重量部とすることがより好ましい。
この配合量が、0.01重量部未満では、蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物の感度が不充分となる傾向があ
り、30重量部を超えると、蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物の露光表面での活性光の吸収が増大して、内部
の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0035】本発明のおける(e)成分の配合量は、
(a)成分、(c)成分及び(e)成分の総量100重
量部に対して、0.05〜30重量部とすることが好ま
しく、0.1〜20重量部とすることがより好ましい。
この配合量が、0.05重量部未満では、蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層のカバーフィルムの除去性が充
分ではなくなる傾向があり、30重量部を超えると、光
硬化物が脆くなる傾向があり、また、感光性エレメント
とした場合に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物が流
動によって端部からしみ出したり、フィルム形成性が低
下する傾向がある。
【0036】本発明における凹凸を有する基板として
は、バリアリブが形成されたプラズマディスプレイパネ
ル用基板(PDP基板)等が挙げられる。PDP用基板
としては、例えば、透明な接着のための表面処理を施し
ていてもよい、ガラス板、合成樹脂等の基板に、電極及
びバリアリブが形成されたものなどが挙げられる。バリ
アリブの形成には、特に制限なく、公知の材料を使用で
きるが、例えば、シリカ、熱硬化性樹脂、低融点ガラス
(酸化鉛等)、溶剤などを含むリブ材を用いることがで
きる。
【0037】また、PDP用基板には、電極及びバリア
リブの他に、必要に応じて、誘電膜、絶縁膜、補助電
極、抵抗体層が形成されていてもよい。これらのもの
を、基板へ形成する方法としては、特に制限はなく、例
えば、基板に、蒸着、スパッタリング、メッキ、塗布、
印刷等の方法で、電極を形成することができ、印刷法、
サンドブラスト法、埋め込み法等の方法でバリアリブを
形成することができる。
【0038】図1及び図2にバリアリブが形成されたP
DP用基板の一例の模式図を示した。バリアリブは、通
常、高さが20〜500μm、幅が20〜200μmと
される。バリアリブで囲まれた放電空間の形状には、特
に制限はなく、格子状、ストライプ状、ハニカム状、3
角形状、楕円形状等が可能であるが、通常、図1及び図
2等に示すような、格子状又はストライプ状の放電空間
が形成される。図1及び図2において、基板1上にはバ
リアリブ2が形成されており、図1では格子状放電空間
3が、図2ではストライプ状放電空間4が形成されてい
る。放電空間の大きさは、PDPの大きさと解像度によ
って決められ、通常、図1のような格子状放電空間であ
れば、縦及び横の長さは、50μm〜1mmとなり、図2
のようなストライプ状放電空間であれば、間隔は30〜
1mmとなる。
【0039】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、長
期間増粘を起こさず、貯蔵安定性を良好にするために、
カルボキシル基を有する化合物を含有させることができ
る。カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂肪族二塩基酸、芳香族二
塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基酸等が挙げられ
る。
【0040】具体的には、例えば、ぎ酸、酢酸、クロロ
酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘ
プタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジ
ン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノレン酸、リノール酸、しゅう酸、マロン酸、メ
チルマロン酸、エチルマロン酸、マロン酸モノメチル、
マロン酸モノエチル、こはく酸、メチルこはく酸、アジ
ピン酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト
酸、クエン酸、サリチル酸、ピルビン酸、リンゴ酸等が
挙げられる。中でも、増粘を抑制する効果が高い点か
ら、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロ
ン酸、クエン酸等が好ましく、しゅう酸、マロン酸、ク
エン酸等がより好ましい。これらは単独で又は2種類以
上組み合わせて使用される。
【0041】カルボキシル基を有する化合物の配合量
は、(a)成分100重量部に対して、0.01〜30
重量部とすることが好ましい。この配合量が、0.01
重量部未満では、保存安定性の効果が低くなる傾向があ
り、30重量部を超えると、感度が不充分となる傾向が
ある。
【0042】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、蛍
光体の分散を良好とするために、分散剤を添加すること
ができる。また、本発明における(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物層に
は、焼成後、PDP用基板から蛍光体が剥離しないよう
にするために、公知の結着剤を使用することができる。
また、本発明における(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、染料、発
色剤、可塑剤、顔料、表面改質剤、安定剤、密着性付与
剤、熱硬化剤等を必要に応じて添加することができる。
【0043】本発明において、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層は、これを構成する前記各成分を溶
解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させることによ
り、均一に分散した溶液とし、支持体フィルム状に、塗
布、乾燥することにより得られた支持体フィルム及び
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を有する感
光性エレメントの形態で供給することができる。
【0044】前記各成分を溶解又は分散可能な溶剤とし
ては、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルホルムアミド、トタラメチルスルホン、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩化メチ
レン、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙げら
れ、これらは単独又は2種類以上を組み合わせて使用さ
れる。
【0045】前記支持体フィルムとしては、化学的及び
熱的に安定であり、また、可とう性の物質で構成され
た、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、
その中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンが好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ま
しい。支持体フィルムは、後に(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層から除去可能でなくてはならないた
め、除去が不可能となるような表面処理が施されたもの
であったり、材質であったりしてはならない。支持体フ
ィルムの厚さは、5〜100μmとすることが好まし
く、10〜80μmとすることがより好ましい。
【0046】前記塗布方法としては、公知の方法を用い
ることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート
法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート
法、カーテンコート法等が挙げられる。乾燥温度は、6
0〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、3分
〜1時間とすることが好ましい。
【0047】また、この塗布工程において、(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する前記各成分
を溶解又は分散可能な溶液に、溶解又は混合させること
により、均一に分散した溶液と接触する部分の塗布装置
の材質は、非金属性の材質であることが好ましい。この
(A)層を構成する溶液と接触する部分の塗布装置の材
質が金属である場合には、(A)層を構成する溶液中の
蛍光体によって、これと接触する塗布装置が研磨され、
この研磨粉が(A)層を構成する溶液中に不純物として
混入する傾向がある。
【0048】前記した支持体フィルム及び(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層を有する感光性エレメン
トは、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上
には、さらに剥離可能なカバーフィルムが積層されてい
てもよい。そのようなカバーフィルムとしては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層との接着力
よりも、カバーフィルムと(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層との接着力の方が小さいものであること
が好ましい。カバーフィルムの厚さは、特に制限はない
が、5〜100μmとすることが好ましく、10〜90
μmとすることがより好ましい。このようにして得られ
る感光性エレメントは、ロール状に巻いて保管可能とす
ることができる。
【0049】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層の厚さは、特に制限はないが、10〜
200μmとすることが好ましく、20〜120μmと
することがより好ましく、30〜80μmとすることが
特に好ましい。この厚さが、10μm未満では、焼成後
の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率が低下する傾向
があり、200μmを超えると、焼成後の蛍光体パター
ンが厚くなり、蛍光面の発光面積が縮小して発光効率が
低下する傾向がある。
【0050】本発明における(B)埋め込み層を構成す
る材質としては、外部からの圧力により変形し、かつ
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からの剥離
が可能であるものであれば特に制限はなく、その材料と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
メチルペンテン、ポリカーボネート、ポリウレタン、テ
フロン、ゴム類(ブタジエンゴム、スチレンヌタジエン
ゴム、シリコンゴム等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニル
トルエン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸
エステル、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレン
とアクリル酸エステルの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビ
ニルの共重合体、スチレンとアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルとの共重合体、ビニルトルエンとア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合
体、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エス
テル又はポリメタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ
酢酸ビニルの加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共
重合体の加水分解物、エチレンとアクリル酸エステルと
の共重合体の加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの
共重合体の加水分解物、スチレンとエチレンとアクリル
酸エステルとの共重合体の加水分解物、ビニルトルエン
とエチレンとアクリル酸エステルとの共重合体の加水分
解物等)カルボキシルアルキルセルロースの水溶性塩、
水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキルでん
粉の水溶性塩、ポリビニルピロリドン、不飽和カルボン
酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共重合させる
ことにより得られるカルボキシル基を有する樹脂などが
挙げられる。これらは単独又は2種類以上組み合わせて
使用される。
【0051】本発明における(B)埋め込み層には、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層における
(c)エチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合
物の(B)層へのマイグレーション抑制等の点から、エ
チレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物を含有
してなる樹脂組成物により構成することもできる。エチ
レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物として
は、前述した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を構成する感光性樹脂組成物に使用可能な(c)エチ
レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物を使用す
ることができる。
【0052】エチレン性不飽和基を有する光重合性不飽
和化合物の使用量は、(B)埋め込み層を構成する成分
の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部とす
ることが好ましく、0.5〜10重量部とすることがよ
り好ましい。この使用量が0.1重量部未満では、エチ
レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物が(A)
層から(B)層へマイグレーションする傾向があり、2
0重量部を超えると、エチレン性不飽和基を有する光重
合性不飽和化合物が(B)層から(A)層へマイグレー
ションする傾向がある。
【0053】また、本発明における(B)埋め込み層
は、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層におけ
る(d)活性光の照射により遊離ラジカルを発生する光
開始剤の(B)埋め込み層へのマイグレーション抑制等
の点から、活性光の照射により遊離ラジカルを生成する
光開始剤を含有してなる樹脂組成物により構成すること
もできる。活性光の照射により遊離ラジカルを生成する
光開始剤としては、前述した(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物に使用可
能な(d)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する
光開始剤を使用することができる。
【0054】活性光の照射により遊離ラジカルを生成す
る光開始剤の使用量は、(B)埋め込み層を構成する成
分の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部
とすることが好ましく、0.05〜5重量部とすること
がより好ましい。この使用量が0.01重量部未満は、
活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤が
(A)層から(B)層へマイグレーションする傾向があ
り、10重量部を超えると、活性光の照射により遊離ラ
ジカルを生成する光開始剤が(B)層から(A)層へマ
イグレーションする傾向がある。
【0055】また、本発明における(B)埋め込み層に
は、その光重合の抑制等の点から、重合禁止剤を含有し
てなる樹脂組成物により構成することもできる。重合禁
止剤としては、特に制限はなく、例えば、2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ
−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン(アデカスタブAO−220、旭電化工業
(株)製商品名)、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチ
ルエーテル、ベンゾキノン、ジフェニル−p−ベンゾキ
ノン、ピロガロール、フェノチアジン、カテコール、レ
ゾルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロ
ベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノ
ン、ヒンダードアミン化合物(旭電化工業(株)製商品
名:アデカスタブLA−32、LA−36、LA−3
1、1413、LA−51、LA−52、LA−77、
LA−57、LA−62、LA−67、LA−63、L
A−82、LA−87、LA−501、LA−602、
LA−603)などを使用することができ、これらは単
独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0056】重合禁止剤の使用量は、(B)埋め込み層
を構成する成分の100重量部に対して0.01〜30
重量部とすることが好ましく、0.05〜20重量部と
することがより好ましい。この使用量が0.01重量部
未満だと重合禁止効果が十分でない可能性があり、30
重量部を超えると、蛍光体パターンの形成性が劣る可能
性がある。
【0057】また、本発明における(B)埋め込み層中
には、粉末ガラス、有機マイクロビーズ等の光散乱材を
含有させることもできる。光散乱材の使用量は、埋め込
み層を構成する成分全体100重量部に対して0.05
〜80重量部とすることが好ましく、0.1〜60重量
部とすることがより好ましく、0.5〜50重量部とす
ることがさらに好ましい。光散乱材の使用量が0.05
重量部未満だと、形成された蛍光体層の光硬化性が不十
分となる傾向があり、80重量部を超えると、蛍光体層
の埋め込み形状が劣る傾向がある。
【0058】また、本発明における(B)埋め込み層に
は、後述する支持体フィルム上への塗布性向上の点か
ら、レベリング剤を含有してなる樹脂組成物により構成
することもできる。レベリング剤としては、特に制限は
なく、例えば、市販のシリコン系又はフッ素系レベリン
グ剤、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のグリコール類、パラフィン類、界面活性剤、前
述した(A)傾向体を含有する感光性樹脂組成物層を構
成する感光性樹脂組成物に使用可能な(c)エチレン性
不飽和基を有する光重合性不飽和化合物等を使用するこ
とができる。上記した材料のうち、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、テフロン等は、溶融押出し法等に
よりフィルム状に形成されたものを、(B)埋め込み層
として使用することができる。
【0059】また、本発明における(B)埋め込み層
は、これを構成する前記樹脂等を、これらを溶解又は分
散可能な溶剤に、溶解又は混合させることにより、均一
に溶解又は分散した溶液とし、支持体フィルム上に、塗
布、乾燥することにより得られるフィルム又はシートの
形態で供給することもできる。この支持体フィルムとし
ては、化学的及び熱的に安定であり、また、可とう性の
物質で構成された、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン
等が挙げられ、その中でも、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンが好ましく、ポリエチレンテレフタレ
ートがより好ましい。支持体フィルムの厚さは、5〜1
00μmとすることが好ましく、10〜30μmとする
ことがより好ましい。塗布方法としては、公知の方法を
用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコ
ート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコ
ート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0060】本発明における(B)埋め込み層の厚さ
は、特に制限はないが、PDP用基板の空間への埋め込
み性等の点から、10〜200μmとすることが好まし
く、20〜100μmとすることがより好ましい。ま
た、前記したフィルム又はシートにおける(B)埋め込
み層の上には、さらに、剥離可能なカバーフィルムを積
層することができる。このカバーフィルムとしては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート等が挙げられ、支持体フィルム
と(B)埋め込み層との接着力よりも、カバーフィルム
と(B)埋め込み層との接着力の方が小さいものである
ことが好ましい。
【0061】以下、本発明の蛍光体パターンの製造例の
一例を、各工程について、図3及び図4を用いて説明す
る。なお、図3及び図4は、本発明の蛍光体パターンの
製造法の一例の各工程を示した模式図である。また、本
発明の蛍光体パターンの製造法におけるこれらの工程
は、特開平10−92313号公報に準じて行うことも
できる。
【0062】〔(I)凹凸を有する基板の上に、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込
み層を順次配置した状態で、前記(B)層に圧力を加え
て、前記(A)層及び(B)層を凹凸を有する基板上に
積層する工程〕この(I)工程では、凹凸を有する基板
上に、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上
部に(B)埋め込み層が配置された状態で、(B)層を
圧着する。凹凸を有する基板上に、(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層の上部に(B)埋め込み層が配
置された状態で、(B)層を圧着する工程の一例を図3
(I)及び図3(II)に示した。
【0063】図3(I)は、バリアリブ2が形成された
PDP用基板1(凹凸を有する基板)上に、(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層5を積層した状態を示
した。図3(I)において、バリアリブ2が形成された
PDP用基板1に、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物5を積層する方法としては、例えば、前記した支
持体フィルム及び(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層を有してなる感光性エレメントを用いて積層する
方法等が挙げられる。この感光性エレメントを用いて積
層する場合は、感光性エレメントにカバーフィルムが存
在しているときは、そのカバーフィルムを除去後、PD
P用基板1のバリアリブ2を形成した面に、(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層5が接するように、載
せただけでもよく、圧着ロール等で加圧してもよく、減
圧下において行ってもよい。また、この時加熱を伴うこ
ともできる。
【0064】図3(II)は、(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層5の上部に、(B)埋め込み層6を配
置し、(B)層を圧着し、バリアリブ2が形成されたP
DP用基板1(凹凸を有する基板)のバリアリブ壁面及
び基板底面上に囲まれた空間へ、(A)層5及び(B)
層6を埋め込んだ状態を示した。図3(II)において、
(A)層5の上部に、(B)層6を配置し、圧着する方
法としては、例えば、図3(I)の状態の(A)層5の
上に支持体フィルムが存在している場合には、支持体フ
ィルムを除去した後、(A)層5の上部に、(B)層6
(カバーフィルムが存在しているときは、そのカバーフ
ィルムを除去した後)を配置し、圧着ロール7等により
圧着する方法などが挙げられる。また、(A)層5のP
DP基板の空間への埋め込み性をさらに向上するため
に、(B)層6の上に支持体フィルムが存在する場合に
は、その支持体フィルムを必要に応じて除去しながら圧
着ロール7等により圧着してもよい。
【0065】このようにして、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物5をPDP用基板の空間に均一に形成
することができる。また、本発明における(I)工程で
は、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5と
(B)埋め込み層6とを、2層同時に加熱圧着しながら
積層させることもできる。また、前記した加熱圧着時の
加熱条件、圧着圧力条件及びPDP用基板の予備加熱条
件や、(B)埋め込み層6の膜厚等の各条件の組み合わ
せを変えることより、図5に示すような状態に積層する
こともできる。なお、図5は、本発明の蛍光体パターン
の製造法における、(I)工程終了後の一例である。
【0066】〔(II)(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層に活性光線を像的に照射する工程〕活性光線
9を像的に照射する方法としては、図3(II)の状態の
(B)埋め込み層6の上部に、ネガフィルム、ポジフィ
ルム等のフォトマスク8を介して、活性光線9を像的に
照射することができる。この時、(B)層6の上に、前
記した支持体フィルムを新たに被覆して、活性光線9を
像的に照射することもできる。また、後述する(III)
(B)埋め込み層6を除去する工程を行った後に、直接
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層にフォトマ
スク8を介して、活性光線9を像的に照射することもで
きる。また、フォトマスク8の活性光線9の透過幅とし
ては、通常、PDP用基板の凹部の開口幅であるが、前
記(I)の工程において、図3(II)のように積層させ
た場合は、PDP用基板の凹部の開口幅よりも広い透過
幅とすることが、位置合わせ精度の裕度を大きくできる
点から好ましい。
【0067】一方、前記(I)の工程において図5のよ
うに積層させた場合には、PDP用基板の凹部の開口幅
と同じ透過幅か又はPDP用基板の凹部の開口幅よりも
狭い透過幅とすることが、バリアリブの上に所望しない
光硬化した蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を残さ
ず位置合わせ精度の裕度を大きくできる点から好まし
い。
【0068】活性光線9としては、公知の活性光線が使
用でき、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キ
セノンアーク、その他から発生する光等が挙げられる。
光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大で
あるので、その場合の活性光源は、紫外線を有効に放射
するものにすべきである。また、光開始剤が可視光線に
感受するもの、例えば、9,10−フェナンスレンキノ
ン等である場合には、活性光線9としては、可視光が用
いられ、その光源としては、前記のもの以外に写真用フ
ラッド電球、太陽ランプ等も使用することができる。ま
た、本発明における活性光線9としては、平行光線、散
乱光線等が挙げられ、平行光線及び散乱光線のどちらを
使用してもよく、また、両方を一工程において使用して
もよく、両方二段階で別々に使用してもよい。なお、両
方を二段階で別々に使用する場合には、どちらを先に行
ってもよい。また、本発明における活性光線9の照射量
は、特に制限はないが、光硬化性等の点から、5〜1
0,000mJ/cm2とすることが好ましく、7〜5,00
0mJ/cm2とすることが好ましく、10〜1,000mJ/c
m2とすることが特に好ましい。
【0069】〔(III)(B)埋め込み層を除去する工
程〕(B)埋め込み層6を剥離した状態を図3(IV)に
示した。図3(IV)において、(B)層6を除去する方
法としては、例えば、(B)層6上に、粘着テープを接
着したり、鈎型の治具等を用いて、物理的に(B)層6
を剥がす方法等が挙げられる。また、作業性の向上を目
的に、静電気、吸引等の力を利用して、(B)層6を剥
離する方法などを使用することもできる。また、(B)
層6を剥がした直後に、巻取用ロール等を使用して
(B)層6を巻取ることもできる。
【0070】〔(IV)現像により活性光線を像的に照射
した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程〕現像により不要
部を除去した状態を図4(V)に示した。なお、図4
(V)において、5′は光硬化後の蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層である。図4(V)において、現像方
法としては、例えば、図4(IV)の状態の後、(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層5の上に支持体フィ
ルムが存在する場合には、これを除去した後、アルカリ
水溶液、水系現像液、有機溶媒等の公知の現像液を用い
て、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピン
グ等の公知方法により現像を行い、不要部を除去する方
法等が挙げられる。また、(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層5の不要部を除去する方法として、露光
部、未露光部の粘着性を有した不要部のみを剥離するド
ライ現像にて行うこともできる。
【0071】〔(V)前記パターンから焼成により不要
分を除去して蛍光体パターンを形成する工程〕焼成によ
り不要分を除去した後の蛍光体パターンを形成した状態
を図4(VI)に示した。なお、図4(VI)において、1
0は開口体パターンである。図4(VI)において、焼成
方法としては、特に制限はなく、公知の焼成方法を使用
し、蛍光体及び結着剤以外の不要分を除去し、蛍光体パ
ターンを形成することができる。この時の、焼成温度
は、350〜800℃とすることが好ましく、400〜
600℃とすることがより好ましい。また、焼成時間
は、3〜120分間とすることが好ましく、5〜90分
間とすることがより好ましい。この時の、昇温速度は、
0.5〜50℃/分とすることが好ましく、1〜45℃
/分とすることがより好ましい。また、最高焼成温度に
到達する前の350〜450℃の間に、その温度を保持
するステップを設けることができ、その保持時間は5〜
100分間とすることが好ましい。
【0072】本発明の蛍光体パターンの製造法は、工程
数を提言できる等の点から、前記本発明における(I)
〜(IV)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及
び青色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
からなる多色パターンを形成した後、(V)の工程を行
い、多色の蛍光体パターンを形成することが好ましい。
本発明において、赤色、青色及び緑色に発色するそれぞ
れの蛍光体を単独で有する(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層5は、赤色、青色及び緑色の各色につい
て、どの様な順番でも行うことができる。
【0073】本発明における(I)〜(IV)の各工程を
1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発色する蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物を含む多色パターンを
形成した状態を図6に示した。図6において、5′aは
1色目のパターン、5′bは2色目のパターン及び5′
cは3色目のパターンである。また、本発明における
(V)の工程を行い多色の蛍光体パターンを形成した状
態を図7に示した。図7において、10aは1色目の蛍
光体パターン、10bは2色目の蛍光体パターン及び1
0cは3色目の蛍光体パターンである。
【0074】また、本発明の蛍光体パターンの製造法
は、膜べりの抑制等の点から、前記本発明における
(I)〜(V)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、
緑色及び青色に発色する多色の蛍光体パターンを形成す
ることが好ましい。
【0075】本発明の蛍光体パターンの製造法において
は、前記(I)の工程が、(Ia)支持体フィルム上
に、(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め
込み層を有し、その上に(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を有してなる感光性エレメントを、凹凸を
有する基板に前記(A)層が接するようにして積層する
工程であることが、作業性、環境安全性の観点からは好
ましい。
【0076】この場合は、蛍光体パターンの製造法は、
(Ia)支持体フィルム上に、(B)埋め込み層として
の(Ba)剥離可能な埋め込み層を有し、その上に
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を有する感
光性エレメントを、凹凸を有する基板の凹凸表面上に、
(A)層が接するように加熱し加圧して凹凸表面上に
(A)層及び(Ba)層を積層する工程、(IIa)
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を活性光線
により像的に照射する工程、(IIIa)(B)埋め込み
層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層を除去する工
程、(IVa)現像により(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層から不要分を除去する工程、(IVa)現像
により(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層から
不要分を除去する工程、並びに、(Va)焼成により
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層から不要成
分を除去する工程を含むことになる。
【0077】前記した(Ia)工程で使用される感光性
エレメントも本発明の一つであり、この支持体フィルム
上に、(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋
め込み層を有し、その上に(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層を有してなる感光性エレメントは、前記
した(B)埋め込み層を構成する成分を、これを溶解す
る溶剤に、溶解又は混合させることにより、均一な溶液
とし、この溶液を前記した支持体フィルム上にナイフコ
ート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビア
コート法、バーコート法、カーテンコート法等の公知の
塗布方法を用いて、塗布、乾燥することにより支持体フ
ィルム上に(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能
な埋め込みを形成し、この形成した(Ba)層の上に、
(A)層を構成する前記各成分を、これを溶解又は分散
可能な溶剤に、溶解又は混合させることにより、均一に
分散した溶液を、ナイフコート法、ロールコート法、ス
プレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カ
ーテンコート法等の公知の塗布方法を用いて、塗布、乾
燥して(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を形
成することにより得ることができる。
【0078】このようにして得られた本発明の感光性エ
レメントの(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
の上には、さらに剥離可能な前記カバーフィルムを積層
することができる。カバーフィルムとしては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート等が挙げられ、支持体フィルムと
(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み
層との接着力及び(B)埋め込み層としての(Ba)剥
離可能な埋め込み層と(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層との接着力よりも、カバーフィルムと(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層との接着力の方が
小さいものであることが好ましい。
【0079】(B)埋め込み層を構成する樹脂又は
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
前記各成分を溶解する溶剤としては、例えば、水、トル
エン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、γ−
ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホル
ムアミド、テトラメチルスルホン、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコ
ール、エチルアルコール等が挙げられる。これらは単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0080】また、塗布工程において、(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層を構成する前記各成分を溶
解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合させることによ
り、均一に分散した溶液と接触する部分の塗布装置の材
質は、非金属性の材質であることが好ましい。この
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
溶液と接触する部分の塗布装置の材質が金属である場合
には、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構
成する溶液中の蛍光体によって、これと接触する塗布装
置が研磨され、この研磨粉が(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する溶液中に不純物として混入
する傾向がある。乾燥温度は、60〜130℃とするこ
とが好ましく、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが
好ましい。
【0081】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層の厚さは、特に制限はないが、10〜
200μmとすることが好ましく、15〜150μmと
することがより好ましく、20〜100μmとすること
が特に好ましい。この厚さが、10μm未満では、後述
する焼成後の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率が低
下する傾向があり、200μmを超えると、焼成後の蛍
光体パターンが厚くなり、蛍光面の発光面積が縮小して
発光効率が低下する傾向がある。
【0082】本発明における(B)埋め込み層としての
(Ba)剥離可能な埋め込み層の厚さは、特に制限はな
いが、10〜200μmとすることが好ましく、15〜
150μmとすることがより好ましく、20〜100μ
mとすることが特に好ましい。この厚さが、10μm未
満では、後述する焼成後の蛍光体パターンが薄くなり、
発光効率が低下する傾向があり、200μmを超える
と、焼成後の蛍光体パターンが厚くなり、蛍光面の発光
面積が縮小して発光効率が低下する傾向がある。
【0083】また、本発明の感光性エレメントは、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
前記各成分を溶解又は分散可能な前記溶剤に、溶解又は
混合させることにより、均一に分散した溶液を、前記し
た支持体フィルム上に、ナイフコート法、ロールコート
法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート
法、カーテンコート法等の公知の塗布方法を用いて、塗
布、乾燥することにより(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を形成した後、この(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層と前記支持体フィルム上に設けた
(B)埋め込み層が接するように張り合わせることによ
り得ることもできる。この時、(Ba)層が接している
支持体フィルムと(Ba)層との接着力及び(Ba)層
と(A)層との接着力よりも、(A)層が接している支
持体フィルムと(A)層との接着力の方が小さいもので
あることが好ましい。このようにして得られる本発明の
感光性エレメントは、ロール状に巻いて保管可能とする
ことができる。
【0084】以下、(I)の工程が、(Ia)支持体フ
ィルム上に、(B)埋め込み層としての(B)剥離可能
な埋め込み層を有し、その上に(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層を優位なる感光性エレメントを、凹
凸を有する基板に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層が接するようにして積層する工程である場合につ
いて、各工程を図8を用いて説明する。なお、図8は、
本発明の蛍光体パターンの製造法の一工程である(I
a)工程を示した模式図である。
【0085】〔(Ia)支持体フィルム上に、(B)埋
め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層を有
し、その上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を有してなる感光性エレメントを、凹凸を有する基板
に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が接する
ようにして積層する工程〕バリアリブ2が形成された前
記PDP用基板1(凹凸を有する基板)の凹凸表面上
に、(B)埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め
込み層6a及び(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層5を含む本発明の感光性エレメントを、圧着ロール
7を用いて積層させた状態を図8に示した。
【0086】図8の工程において、バリアリブ2が形成
されたPDP用基板1上に、(B)埋め込み層としての
(Ba)剥離可能な埋め込み層6a及び(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層5を含む本発明の感光性エ
レメントを積層させる方法としては、例えば、感光性エ
レメントにカバーフィルムが存在しているときは、その
カバーフィルム(支持体フィルム上に(B)埋め込み層
としての(Ba)剥離可能な埋め込み層を形成したもの
と、支持体フィルム上に(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を形成したものを張り合わせて得られた感
光性エレメントを使用する場合は、(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層5の支持体フィルム)を除去
後、PDP用基板のバリアリブを形成した面に、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5が接するよう
に、圧着ロール7で圧着させること等により積層するこ
とができる。このようにして、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5をPDP用基板の凹部空間に均一
に形成することができる。
【0087】また、本発明の感光性エレメントの前記し
た加熱圧着時の加熱条件、圧着圧力条件及びPDP用基
板の予備加熱条件や、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層5と(B)埋め込み層としての(Ba)剥離
可能な埋め込み層6aの膜厚等の各条件の組み合わせを
変えることにより、図5に示すような状態に積層するこ
ともできる。
【0088】〔(IIa)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を活性光線により像的に照射する工程〕活
性光線を像的に照射する方法としては、前記(II)
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を活性光線
により像的に照射する工程と同様の方法を用いることが
できる。
【0089】〔(IIIa)(B)埋め込み層としての
(Ba)剥離可能な埋め込み層を除去する工程〕(B)
埋め込み層としての(Ba)剥離可能な埋め込み層を除
去する方法としては、前記(II)(B)埋め込み層を除
去する工程と同様の全ての方法を用いることができる。
【0090】〔(IVa)現像により活性光線を像的に照
射した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選
択的に除去してパターンを形成する工程〕現像により不
要部を除去する方法としては、前記(IV)現像により活
性光線を像的に照射した(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を選択的に除去してパターンを形成する工
程と同様の全ての方法を用いることができる。
【0091】〔(Va)前記パターンから焼成により不
要分を除去して蛍光体パターンを形成する工程〕焼成に
より不要分を除去する方法としては、前記(V)前記パ
ターンから焼成により不要分を除去して蛍光体パターン
を形成する工程と同様の全ての方法を用いることができ
る。
【0092】また、本発明の蛍光体パターンの製造法
は、工程数を低減できる等の点から、前記本発明におけ
る(Ia)〜(IVa)の各工程を1色毎に繰り返して、
赤色、緑色及び青色に発色する蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層からなる多色パターンを形成した後、(V
a)の工程を行い多色の蛍光体パターンを形成すること
が好ましい。本発明において、赤色、青色及び緑色に発
色するそれぞれの蛍光体を単独で含む(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層5は、赤色、青色及び緑色の
各色について、どの様な順番でも行うことができる。ま
た、本発明の蛍光体パターンの製造法は、膜べりの抑制
等の点から、前記本発明における(Ia)〜(Va)の
各工程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発
色する多色の蛍光体パターンを形成することが好まし
い。
【0093】本発明のプラズマディスプレイパネル用背
面板は、上述のようにして得られた蛍光体パターンを、
プラズマディスプレイパネル用基板上に備えてなるもの
である。以下、プラズマディスプレイパネル用背面板に
ついて、図9を用いて説明する。なお、図9は、プラズ
マディスプレイパネル(PDP)の一例を示した模式図
であり、図9において1は基板、2はバリアリブ、4は
ストライプ状放電空間、10は蛍光体パターン、11は
アドレス用電極、12は保護膜、13は誘電体層、14
は表示用電極及び15は前面板用基板である。
【0094】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 製造例1 〔フィルム性付与ポリマの溶液(a−1)の作製〕撹拌
機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えた
フラスコに、表1に示すを仕込み、窒素ガス雰囲気下
で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちなが
ら、表1に示すを4時間かけて均一に滴下した。の
滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、重量平均分
子量が80,000、酸価が130mgKOH/gのフィルム
性付与ポリマの溶液(固形分45.5重量%)(a−
1)を得た。
【0095】
【表1】
【0096】実施例1 〔(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(A−1)の作製〕表2に示す材料を、ライカイ機を用
いて15分間混合し、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層用溶液(A−1)を作製した。
【0097】
【表2】
【0098】製造例2〜5 〔(B)重合禁止剤を含有する埋め込み層用溶液(B−
1)〜(B−4)の作製〕表3に示す材料を60℃に加熱
しながらメカニカルスターラーを用いて30分間混合
し、埋め込み層溶液(B−1)〜(B−4)を作製し
た。
【0099】
【表3】
【0100】なお、表3において使用した重合禁止剤を
下記に示した。
【化7】
【0101】得られた溶液を20μmの厚さのポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、80〜
110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を
除去し、(B)埋め込み層を作製した。得られた(B)
層の乾燥後の厚さは、60μmであった。次いで、この
(B)層の上に、厚さが25μmのポリエチレンフィル
ムをカバーフィルムとして張り合わせて、埋め込み層を
含むフィルム(B−1)〜(B−4)を作製した。
【0102】実施例2 〔感光性エレメント(E−1)の作製〕実施例1で得ら
れた、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶
液(A−1)を20μmの厚さのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に均一に塗布し、110℃の熱風対流
式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を形成した。得られた
(A)層の厚さは60μmであった。次いで、この
(A)層の上に、さらに、製造例2で得られた埋め込み
層を含むフィルム(B−1)のカバーフィルムを剥がし
たフィルムを、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層と
埋め込み層が接するようにて張り合わせて、感光性エレ
メント(E−1)を作製した。
【0103】実施例3〜5 〔感光性エレメント(E−2)〜(E−4)の作製〕実
施例2において、埋め込み層を含むフィルムを(B−
1)からそれぞれ(B−2)〜(B−4)に代えた以外
は、実施例2と同様の操作を行い、感光性エレメント
(E−2)〜(E−4)を得た。
【0104】実施例2〜実施例5で得られた感光性エレ
メント(E−1)〜(E−4)のエッジフュージョン性
を下記の方法で測定した。ロール上に巻き取られた長さ
90mの感光性エレメント(E−1)〜(E−4)を温
度が23℃、湿度が60%RHで保管し、ロール面から
の感光層のしみ出しの様子を、6カ月間にわたって目視
で評価したところ、感光層のしみ出しが無く、エッジフ
ュージョン性が良好であることが分かった。
【0105】実施例6 〔蛍光体パターンの形成〕 〔(I)凹凸を有する基板の上に、(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層及び(B)埋め込み層に圧力を
加えて、前記(A)層及び(B)層を凹凸を有する基板
上に積層する工程〕PDP用基板(ストライプ状のバリ
アリブ、バリアリブ間の開口幅140μm、バリアリブ
の幅70μm、バリアリブの高さ140μm)のバリア
リブが形成された側に、実施例2で得られた感光性エレ
メント(E−1)の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層側のカバーフィルムであるポリエチレンフィル
ムを剥がしながら、ラミネータ(日立化成工業(株)製商
品名:HLM−3000型)を用いて、加熱温度が11
0℃、ラミネート温度が110℃、ラミネート速度が
0.5m/分、圧着圧力が5×103N/m(線圧)で圧着
し、(A)層及び(B)層を、バリアリブ壁面及び基板
底面上に囲まれた空間へ埋め込んだ。
【0106】なお、この際、感光性エレメント(E−
1)の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層側の
カバーフィルムであるポリエチレンフィルムの剥離性を
目視で評価した。評価結果を表5に示す。 ・目視での剥離性 ○:(A)層とポリエチレンフィルムが簡単に剥離でき
るもの ×:(A)層とポリエチレンフィルムの剥離が困難なも
【0107】〔(II)(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層に活性光線を像的に照射する工程〕次に、
(株)オーク製作所製HMW−590型露光機を使用し、
100mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0108】〔(III)(B)埋め込み層を除去する工
程〕次いで、(B)埋め込み層に粘着テープを接着し、
物理的に(B)層を剥離した。なお、この際、(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層と(B)埋め込み層
の剥離性を、目視及び接着強度で下記条件により評価し
た。評価結果を表5に示す。 ・目視での剥離性 ○:(A)層と(B)層が簡単に剥離できるもの ×:(A)層と(B)層の剥離が困難なもの ・接着強度 (A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層と(B)埋
め込み層の接着強度は、不動工業(株)製レオメーターN
RM−2010J−CW型を使用して、ピール強度で評
価した。 サンプルサイズ:20×100(mm) 引き剥がし速度:30mm/min
【0109】〔(IV)現像により活性光線を像的に照射
した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程〕次いで、活性光
線の照射後、常温で1時間放置した後、1重量%炭酸ナ
トリウム水溶液を用いて30℃で70秒間スプレー現像
した。現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材(株)
製紫外線照射装置を使用して、3mJ/cm2の紫外線照射を
行った。
【0110】〔(V)前記パターンから焼成により不要
分を除去して蛍光体パターンを形成する工程〕次に、5
50℃30分間加熱処理(焼成)を行い、不必要な樹脂
成分を除去し、PDP用基板の空間に蛍光体パターンを
形成させた。
【0111】〔蛍光体パターンの評価〕得られた蛍光体
パターンの断面を実態顕微鏡及びSEMにより目視にて
観察し、蛍光体パターンの形成状況を評価し、結果を表
5に示した。評価基準は下記の通りである。 ○:蛍光体パターンがPDP用の基板の空間(バリアリ
ブ壁面及びセル底面上)に均一に形成されている ×:蛍光体パターンがPDP用の基板の空間(バリアリ
ブ壁面及びセル底面上)に均一に形成されていない
【0112】実施例7〜9 実施例6の(I)工程において、感光性エレメントを
(E−1)からそれぞれ(E−2)〜(E−4)に代え
た以外は、実施例6と同様の操作を行い、(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層側のカバーフィルムであ
るポリエチレンフィルムの剥離性、(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層と(B)埋め込み層の接着力及
び蛍光体パターンの形成状況を評価した。結果を表5に
示す。
【0113】比較例1 〔(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(A−2)の作製〕表4に示す材料をライカイ機を用い
て15分間混合し、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層用溶液(A−2)を作製した。
【0114】
【表4】
【0115】比較例2 〔感光性エレメント(E−5)の作製〕実施例2におい
て、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用溶液
(A−1)を、(A−2)に代えた以外は、実施例2と
同様の操作を行い、感光性エレメント(E−5)を得
た。
【0116】比較例3 実施例6の(I)工程において、感光性エレメントを
(E−1)から(E−5)に代えた以外は、実施例6と
同様の操作を行い、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層側のカバーフィルムであるポリエチレンフィル
ムの剥離性、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層と(B)埋め込み層の接着力及び蛍光体パターンの形
成状況を評価した。結果を表5に示す。
【0117】
【表5】
【0118】
【発明の効果】請求項1記載の蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物は、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の
上に埋め込み層を配置した状態で、埋め込み圧力を加え
てラミネートする際、蛍光体の除去性に優れ、作業性及
び光感度に優れる。請求項2記載の蛍光体パターンの製
造法は、PDP用基板等の凹凸を有する基板への空間へ
の埋め込み性(PDP用基板であれば、バリアリブ壁面
及び空間底面上における蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層の形成性)が優れ、埋め込み層の除去性が優れ、
高精度で均一な形状の蛍光体パターンを形成できる。
【0119】請求項3記載の蛍光体パターンの製造法
は、請求項2記載の蛍光体パターンの製造法の効果を奏
し、さらに作業性、環境安全性に優れる。請求項4記載
の蛍光体パターンの製造法は、請求項2又は3記載の蛍
光体パターンの製造法の効果を奏し、さらに作業性に優
れる。請求項5記載の蛍光体パターンの製造法は、請求
項2又は3記載の蛍光体パターンの製造法の効果を奏
し、さらに膜減りの抑制に優れる。請求項6記載の蛍光
体パターンの製造法は、請求項2、3、4又は5記載の
蛍光体パターンの製造法の効果を奏し、さらに作業性、
光感度に優れる。
【0120】請求項7記載の感光性エレメントは、エッ
ジフュージョンの抑制及びPDP用基板等の凹凸を有す
る基板の空間への埋め込み層が優れ、高精度で均一な形
状の蛍光体パターンを作業性良く形成できる。請求項8
記載の感光性エレメントは、請求項7記載の感光性エレ
メントの効果を奏し、さらに作業性、光感度に優れる。
【0121】請求項9記載の蛍光体パターンは、高精度
で均一な形状で輝度の優れたものである。請求項10記
載のプラズマディスプレイパネル用背面板は、高精度で
均一な形状で輝度の優れた蛍光体パターンを備えたもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】バリアリブが形成されたPDP用基板の一例を
示した模式図である。
【図2】バリアリブが形成されたPDP用基板の一例を
示した模式図である。
【図3】本発明の蛍光体パターンの製造法の各工程を示
した模式図である。
【図4】本発明の蛍光体パターンの製造法の各工程を示
した模式図である。
【図5】本発明の蛍光体パターンの製造法おける、
(I)工程終了後の一例である。
【図6】蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からなる
多色パターンを形成した状態を示した模式図である。
【図7】多色の蛍光体パターンを形成した状態を示した
模式図である。
【図8】本発明の蛍光体パターンの製造法の一工程を示
した模式図である。
【図9】本発明のプラズマディスプレイパネル用背面板
の一例を示した模式図である。
【符号の説明】
1 基板 2 バリアリブ 3 格子状放電空間 4 ストライプ状放電空間 5 蛍光体を含有する感光性樹脂組成物 5′ 光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物 5′a 1色目のパターン 5′b 2色目のパターン 5′c 3色目のパターン 6 埋め込み層 6a 剥離可能な埋め込み層 7 圧着ロール 8 フォトマスク 9 活性光線 10 蛍光体パターン 10a 1色目の蛍光体パターン 10b 2色目の蛍光体パターン 10c 3色目の蛍光体パターン 11 アドレス用電極 12 保護膜 13 誘電体層 14 表示用電極 15 前面板用基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B32B 7/02 103 B32B 7/02 103 (72)発明者 野尻 剛 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 佐藤 和也 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 島村 真理子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 田井 誠司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AA02 AB11 AB17 AC01 AD01 BC12 BC14 BC31 BC34 BC43 BC51 BC65 CA00 CB13 CB14 CC15 DA03 DA20 DA40 EA03 EA08 EA10 FA12 FA28 4F100 AK01A AK25A AT00B BA02 CA30A DD01B EJ171 EJ522 EJ912 GB41 JL08A JN17A 4H001 CA01 CC13 XA05 XA08 XA12 XA13 XA14 XA15 XA16 XA17 XA20 XA23 XA30 XA38 XA39 XA48 XA56 XA57 XA64 YA13 YA17 YA25 YA29 YA30 YA31 YA47 YA58 YA63 YA65 5C028 FF16 HH14 5C040 FA01 GA03 GB02 GG09 JA19 KA15 KA16 MA22 MA23 MA24 MA30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)フィルム性付与ポリマー、(b)
    蛍光体、(c)エチレン性不飽和基を有する光重合性不
    飽和化合物、(d)活性光の照射により遊離ラジカルを
    生成する光開始剤及び(e)下記一般式(I) 【化1】 (ただし、式中R1及びR2は、各々独立に水素原子、水
    酸基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を示し、n
    は1〜20の整数である)で表される化合物を含む蛍光
    体を含有する感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (I)凹凸を有する基板の上に、(A)
    請求項1記載の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層及
    び(B)埋め込み層を順次配置した状態で、前記(B)
    層に圧力を加えて、前記(A)層及び(B)層を凹凸を
    有する基板上に積層する工程、(II)(A)蛍光体を含
    有する感光性樹脂組成物に活性光線を像的に照射する工
    程、(III)(B)埋め込み層を除去する工程、(IV)
    現像により活性光線を像的に照射した(A)蛍光体を含
    有する感光性樹脂組成物層を選択的に除去してパターン
    を形成する工程及び(V)前記パターンから焼成により
    不要分を除去して蛍光体パターンを形成する工程の各工
    程を含むことを特徴とする蛍光体パターンの製造法。
  3. 【請求項3】 (I)の工程が、(Ia)支持体フィル
    ム上に、(B)埋め込み層を有し、その上に(A)蛍光
    体を含有する感光性樹脂組成物層を有してなる感光性エ
    レメントを、凹凸を有する基板に前記(A)層が接する
    ようにして積層する工程である請求項2記載の蛍光体パ
    ターンの製造法。
  4. 【請求項4】 (I)〜(IV)の各工程を繰り返して、
    赤、緑、及び青に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂
    組成物層からなる多色のパターンを形成した後、(V)
    の工程を行い多色の蛍光体パターンを形成する請求項2
    又は3記載の蛍光体パターンの製造法。
  5. 【請求項5】 (I)〜(V)の各工程を繰り返して、
    赤、緑及び青に発色する多色の蛍光体パターンを形成す
    る請求項2又は3記載の蛍光体パターンの製造法。
  6. 【請求項6】 (B)埋め込み層が熱可塑性樹脂を含む
    ものである請求項2、3、4又は5記載の蛍光体パター
    ンの製造法。
  7. 【請求項7】 支持体フィルム上に(B)埋め込み層を
    有し、その上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
    物層を有してなる感光性エレメント。
  8. 【請求項8】 (B)埋め込み層が熱可塑性樹脂を含む
    ものである請求項7記載の感光性エレメント。
  9. 【請求項9】 請求項2、3、4、5又は6記載の蛍光
    体パターンの製造法により製造された蛍光体パターン。
  10. 【請求項10】 プラズマディスプレイパネル用基板上
    に請求項9記載の蛍光体パターンを備えてなるプラズマ
    ディスプレイパネル用背面板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008166299A (ja) * 2001-05-23 2008-07-17 Koninkl Philips Electronics Nv 白色光源をもつ液晶画像スクリーン

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