JPH11500316A - 結核菌の細胞内取り込みをコードするdna分子およびその利用 - Google Patents

結核菌の細胞内取り込みをコードするdna分子およびその利用

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JPH11500316A JP8525764A JP52576496A JPH11500316A JP H11500316 A JPH11500316 A JP H11500316A JP 8525764 A JP8525764 A JP 8525764A JP 52576496 A JP52576496 A JP 52576496A JP H11500316 A JPH11500316 A JP H11500316A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生存する能力を結核菌に付与する単離DNA分子に関する。この遺伝子フラグメントによりコードされるタンパク質は結核菌の感染を予防するワクチンに有用であり、一方、このタンパク質に対する抗体は微生物に既に感染した者を受動免疫するのに用いることができる。これらのタンパク質および抗体は組織および体液中の結核菌を検出する診断検定に用いられる。本発明のタンパク質は、哺乳動物、特にヒトに投与するため、種々の他の治療物質と結合して、これらの物質の細胞による取り込みを達成し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 結核菌の細胞内取り込みをコードするDNA分子およびその利用 発明の分野 本発明は、結核菌の取り込みをコードするDNA分子、および薬剤、ワクチン および診断試験におけるその利用に関する。 発明の背景 結核は世界における主要な死因であって、毎年900万人の新しい結核患者の 発生と290万人の死亡があると考えられている。米国では、結核の着実な減少 傾向が1985年に逆転した。この問題は、結核菌の薬剤耐性株の増加によって 悪化している。 最近の結核の流行は、多数のHIV感染者が非常に近接した場所(例えば、病 院、矯正施設およびホスピスにおけるAIDS病棟)に居住することと関連して いる。ヘルス・ケア従事者への結核の伝染が頻発している。該従事者の18−5 0%に皮膚テストで感染が認められている。参照 F.Laraque et al.,“HIV 感染患者における結核”The AIDS Reader(September/October 1992)、(参考に よりここに合体する)。 結核菌の感染後には、2つの基本的な臨床パターンがある。 多数の症例において、吸入された結核菌は、食細胞肺胞マクロファージに取り 込まれて、すぐに殺されるか、または結核結節と呼ばれる病変部において限られ た程度に細胞内で生育する。稀に、小児または免疫無防御状態者において、小粟 粒(キビ様)病変または生命の危険性がある髓膜炎を伴う早期の血行性撒布がお きる。通常は、感染2−6週間後、細胞性免疫が生じ、免疫リンパ球および活性 マクロファージの病変部への浸潤によって、大部分の菌は殺され、初期感染は壁 で隔離されてしまう。しばしば、感染者は症状に気付かないことがある。ツベル クリンの精製タンパク質誘導体に対する皮膚反応試験および、ある場合には治癒 し石灰化した病変部のX線写真が感染の唯一の証拠となる。しかし、未知の程度 で、休眠中であるが生育し得る結核菌が存在し続ける。 第2のパターンは、感染の活発な病気への進行である。結核菌に感染した者の 10%で病気へ進行する生涯的危険がある。いずれの場合も、結核菌は、肺の初 期感染部位からリンパ管または血液を通して体の他の部位(肺尖およびリンパ結 節が好適部位である)に拡がる。胸膜、リンパ管、骨、生殖泌尿器系、髓膜、腹 膜および皮膚などの肺以外の結核は、結核患者の約15%で起きる。多くの菌は 殺されるが、大きな割合で浸潤食細胞および肺の実質的細胞も死に、特徴的な固 形乾酪性(チーズ様)壊死が生じ、その中で菌は、繁茂はしないが、生存するこ とができる。保護免疫反応が優勢になると、病変部は捕獲されてしまうが、なお 肺や他の組織にいくらか残留する危険性がある。もし壊死反応が拡大し、気管支 にまで入り込むと、肺に空洞ができ、多数の菌が外部へ咳に伴って拡散する。最 悪の場合、固形壊死、おそらく炎症細胞からの放出ヒドロラーゼの結果が液体化 し、おそらくミリリットル当たり109にも達する菌増殖の富化培地が形成する 。病理的および炎症的過程により、特徴的な衰弱、発熱、胸痛、咳、および血管 侵食のあるとき、血痰が生じる。発病力および病原論の分子的基礎については、 分かっていないことが多い。非発病力株についての分子的根拠の確立、病原体の 推定される発病力遺伝子の同定およびクローニング、およびこれらの遺伝子によ る発病力株の非発病力株への転換を明らかにすることが必要である。結核菌の非 発病力株は存在するが、変異の本質は分かっていない。結核の病原論に関連する 単一の遺伝子は、先行技術で明確にされていない。宿主細胞の侵襲、細胞内生存 、生長、拡散または組織屈動性の分子的基礎も知られていない。現存の薬剤の標 的は分子レベルで特徴が明らかにされておらず、いかなる薬剤に対する耐性メカ ニズムも明確でない。薬剤開発のための新しい結核菌標的は20年間特徴付けが なされていない。 結核に対して多くの規定された処置療法がある。米国公衆衛生局および米国胸 部学会の推奨する療法は、2カ月間のイソニアチド、リファンピシンおよびピラ ジナミドの併用、それに続く4カ月間のイソニアチドおよびリファンピシンの投 与である。HIV感染者に対しては、イソニアチドおよびリファンピシン処置が さらに7カ月間続けられる。この処置は、短期化学療法と言われて、完全に行っ た患者において90%以上の治癒率である。多種薬剤耐性の結核に対する処置で は、最初の療法において追加のエタンブトールおよび/またはストレプトマイシ ン、または2次的薬剤、カナマイシン、アミカシリン、カプレオマイシン、エチ オナミド、シクロセリン、PASおよびクロファジミンなどを必要とする。新し い薬剤、シプロフロキサシンおよびオフロキサシンなども使用できる。通常の結 核菌感染で、PPD陽性結果である者に対しては、イソニアチドによる化学療法 的予防措置が病気を防止するのに約90%有効である。結核およびこれらの処置 の詳細については、B.Bloom et al.,“結核: 再び現れた殺人者について”Scien ce ,257:1055-64(1992);“米国における結核の対処”American Thoracic Society ,146:1623-33(1992); City Health Information,vol.11(1992)(参考により ここに合体する)に記載されている。 結核に対して現在用いられている処置は、比較的高レベルの成功を納めている が、この疾患の処置についての成功率を改善する必要性は、なお存している。更 に、従来の処置療法に対して抵抗性のある結核菌株がますます増加していること から、新しいタイプの処置法が開発されねばならない。高率の結核発生地域にお いて、米国でも外国でも、かかる耐性菌は増大している。 発明の要約 本発明は、哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生存す る能力を結核菌に付与する単離DNA分子、およびこれらの単離DNA分子によ りコードされる単離タンパク質またはポリペプチドに関する。該分子は、該タン パク質およびペプチドを生産する組換えDNA発現系を形成する発現ベクターに おいて異型DNAとして挿入され得る。同様に、異型DNAは、組換えDNA発 現系を形成する発現ベクターに常に挿入され、この目的を達成するために細胞内 に合体され得る。 本発明の単離タンパク質またはポリペプチドは、薬学的に許容される担体と組 み合わされてワクチンを形成し、または単独で、哺乳動物、特にヒトに投与され て、結核菌の感染を防止するために使用される。別に、本発明のタンパク質また はポリペプチドの各々は、抗体またはその結合部分をつくるために用いることが できる。抗体またはその結合部分は、単独で、または薬学的に許容される担体と 共に、すでに結核菌と接触した哺乳動物、特にヒトを処置し、疾患の発病を防止 する受動免疫を誘発するために用いることができる。 本発明のタンパク質またはポリペプチド、またはそれらに対する抗体またはそ の結合部分は、組織または体液サンプル中の結核菌の検出方法にも用いることが できる。タンパク質またはポリペプチドを用いたときは、これらは抗原として提 供される。抗原または抗体とのいかなる反応もサンプル中の結核菌の存在を表示 する検定系を用いて検出される。他方、哺乳動物細胞に入る能力および/または マクロファージ内で生存する能力を結核菌に付与する遺伝子のヌクレオチド配列 またはそのフラグメントをプローブとして、核酸ハイブリダイゼンション検定ま たは遺伝子増幅検定法(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて)において、提 供することにより、該サンプル中の結核菌が検出される。プローブとのいかなる 反応も検定されて、サンプル中の結核菌の存在が明らかになる。 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、結核菌の処置または検定と関係し ない目的にも用いることができる。詳細には、哺乳動物の細胞に入る能力を結核 菌に付与するこれらのタンパク質およびポリペプチドの効力を、かかる細胞が他 の物質を取り込むように、利用することができる。これは、哺乳動物により取り 込むための物質を含有する産物およびその物質に関連する本発明のタンパク質ま たはポリペプチドでもって達成される。 本発明のDNA分子の単離は、該菌の処置および検定に顕著な進歩をもたらす 。これは、結核菌の感染を予防するワクチンおよび結核菌に接触した者の受動免 疫のための薬剤についての基を提供する。ワクチンに使用されるタンパク質、ま たは薬剤を形成するタンパク質は、組換えDNA技術を用いて高レベルで生産さ れ得る。 診断的利用において、本発明のタンパク質およびポリペプチド、およびこれら に対する抗体およびその結合部分は、特定の個人が結核菌に感染しているかどう かを迅速に決定することを可能にする。さらに、かかる検定は、抗体反応で調べ られる個人を診察することなしに実施し得る。 結核菌についての処置および診断手段とは別に、哺乳動物中にかかる生物体の 入り込む能力を付与する本発明は、細胞内、特にマクロファージ内に物質を導入 することを必要とする治療的処置において顕著な有用性を有する。本発明のタン パク質またはポリペプチドを薬剤と結びつけることにより、かかる薬剤はその治 療を必要とする細胞内に迅速に導入され得る。該薬剤の細胞への取り込みが高め られることは、その用量を減少し、従って毒性と費用を低下せしめる。例えば、 従来の癌治療において、薬剤の毒性は大量投与の必要性から重要な問題である。 本発明は、かかる高用量を減少でき、細胞内で同等または高い薬剤レベルの分布 を可能とする潜在力を有している。 さらに、本発明のタンパク質またはポリペプチドのDNAフラグメントとの結 合を遺伝子治療に関連して用いることができる。特に、マクロファージへの取り 込みを高める本発明のDNA分子のコード産物の能力は、特異的にマクロファー ジへ遺伝子を伝達する機会を提供する。かかる系は、体液性免疫のみでなく、細 胞性免疫をも誘発するのに用いることができる。 図面の簡単な説明 図1A、1Bおよび1Cは、H37Ra(ATCC25177)(図1A)お よび侵襲組換え株E.coli XL1−Blue(pZX7)(図1Bおよび 1C)を含む結核菌株感染のHeLa細胞の薄片電子顕微鏡写真である。電子− 透明域が結核菌体を取り囲んでいる(図1Aの矢印)。細胞は、図1Aの結核菌 株と共に72時間、図1Bおよび1CのXL1−Blue(pZX7)と共に7 .5時間インキュベートされた。図1Cで多様生物体がみられ、食作用胞中の細 菌増殖を示唆している。黒横棒は0.5μmの長さを表す。 図2は、元のベクターpZX7から単一方向性欠失サブクローン(pZX7. 3,pZX7.4,pZX7.5 and pZX7.6)およびBam HI−Ps t I(pZX7.1),Pst I−HinD III(pZX7.2)、および Bam HI−Eco RI(pZX7.7)サブクローンの構築を示す。黒棒は 結核菌DNA配列を表し、白棒はpBluescript配列を表す。サブクロ ーン・ベクターはE.coli XL1−Blueに転移され、次いでそれらの形 質転換株と共に6時間、HeLa細胞単層でインキュベートされた。 図3A、3Bおよび3Cは、組換えE.coliクローンXL1−Blue( pZX7)に3時間(図3A)および24時間(図3B)さらしたヒトマクロフ ァージおよび比較の非病原性E.coli XL1−Blue(pBluescr ipt)に24時間さらした細胞(図3C)の薄片電子顕微鏡写真である。細菌 は、区画化され、マクロファージの内側の膜層で囲まれている(図3B)。XL 1−Blue(pBluescript)にさらしたマクロファージにおいては 、24時間後に細菌が、電子顕微鏡で認められない。黒横棒は1μmの長さを表 す。 図4は、細菌細胞の超音波処理物のアセトン沈降溶解性フラクションのSDS −ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動を示す。ポリペプチドは9%ゲルで分析さ れた(左側)。分子の大きさ標準(1枠)、Bam HI−Eco RI pBl uescriptクローニング部位間に非関連結核菌DNAフラグメントを含有 するベクター(pZN7)を有するE.coli XL1−Blue(2枠)およ びXL1−Blue(pZX7)(3枠)。8%ゲル中での分析(右側):pZ X7におけるBam HIクローニング部位から12塩基上流に導入された2− 塩基クレームシフトを有するベクターを含むXL1−Blue(1枠)およびX L1−Blue(pZX7)(2枠)。分子の大きさは最も右に表示する。XL 1−Blue(pZX7)の可溶性タンパク質フラクション中に52−KDポリ ペプチドを検出した(矢印)。約50KDのタンパク質はpZX7.8を含むX L1−Blueで発現される。52−KDタンパク質の発現は常に組換えE.c oliクローンのHeLa細胞相互作用と関連している。 図5は、枠1に低分子量マーカーを有する組換えE.coli溶解生成物、枠 2にE.coli BL21(DE3)、枠3にE.coliBL21(DE3) (pET23c)、枠4に未誘発E.coli BL21(DE3)(pET23 c−ORF1)、枠5に誘発E.coli BL21(DE3)(pET23c− ORF1)のSDS−PAGE解析を示す。 図6AおよびBは、結核菌侵襲−関連組換えタンパク質でコートしたラテック ス・ビードのHeLa細胞との結合についての透過電子顕微鏡写真を示す。図6 Aは、組換えタンパク質でコートしたビードを示す(矢印)。図6Bは、コント ロールE.coli溶解生成物タンパク質でコートしたビードを示す(矢印)。 発明の詳細な説明 本発明の1つは、哺乳動物細胞に入る能力およびマクロファージ内で生存する 能力を結核菌に付与する単離DNA分子に関する。このDNA分子は、次のよう に、配列番号1に対応するヌクレオチド配列を含む。 上記DNA分子は、約50−55キロダルトン、望ましくは52キロダルトン の分子量を有するポリペプチドをコードする。アミノ酸配列は、配列番号1に対 応するヌクレオチド配列から演繹され、カルボキシ末端に疎水領域を有する高親 水性タンパク質である。これは、生物体の外膜に接するカルボキシ末端を有する 分泌タンパク質、細胞質タンパク質または表面タンパク質であり得る。このタン パク質またはポリペプチドは、次のように配列番号2に対応する演繹アミノ酸配 列を有していると考えられる。 上記のタンパク質において、Xaaは終止コドンを意味する。この単離タンパ ク質またはポリペプチドの産生は、好ましくは組換えDNA技術を用いて実施さ れる。タンパク質またはポリペプチドは、哺乳動物細胞に入る能力およびマクロ ファージ内で生存する能力を結核菌に付与する1以上の抗原決定基を有すると考 えられる。 上記配列番号1および2における終止コドンの存在から教示されるように、こ れらの配列は、いくつかの開放読み枠を構成し、またそれによりコードされる。 最初の開放読み枠は、配列番号1のヌクレオチド配列の181番−807番に及 んでいる。この配列は、哺乳動物細胞に入る能力を付与するものであり、次のヌ クレオチド配列を有する(配列番号3)。 配列番号3に対応するヌクレオチド配列は、次のアミノ酸配列をコードする( 配列番号4)。 このアミノ酸配列によってコードされるタンパク質またはポリペプチドは、哺 乳動物細胞に入る能力を結核菌に付与する1以上の抗原決定基を有する。このタ ンパク質またはポリペプチドは22−28キロダルトン、望ましく25キロダル トンの分子量を有する。 配列番号1および2に対応する配列は、マクロファージ内で生存する能力を結 核菌に付与すると考えられる追加の開放読み枠を含むかまたはそれによりコード される。この開放読み枠に対応するヌクレオチド配列は、次の通りである(配列 番号5)。 配列番号5に対応するヌクレオチド配列は、次のアミノ酸配列を有するタンパ ク質またはポリペプチドをコードする(配列番号6)。 マクロファージ内で生存する能力を結核菌に付与する演繹タンパク質またはポ リペプチドは、少なくとも21キロダルトンの推定分子量を有する。天然におい て、このタンパク質またはポリペプチドは、配列番号6がその末端に終止コドン を有さないDNA分子によってコードされることから、配列番号6の21キロダ ルトンよりも大きい分子量を有すると予測される。従って、天然において、マク ロファージ内の生存を付与するタンパク質またはポリペプチドは、さらに長いと 考えられる。 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、望ましくは純粋な形で従来技術に より生産される。例えば、下記実施例5−6参照。タンパク質を単離するために 、組換えプラスミドを有するE.coli宿主細胞を繁殖させ、ホモゲナイズし 、ホモゲネートを遠心分離して細菌片を除去する。上澄み液を段階硫酸アンモニ ウム沈降にかける。本発明のタンパク質を含有するフラクションを適当な大きさ のデキストリンまたはポリアクリルアミド・コラム中でゲル濾過にかけ、タンパ ク質を分離する。必要に応じて、タンパク質フラクションをさらにHPLCで精 製する。 哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生存する能力を結 核菌に付与するDNA分子の一つを細胞に、従来の組換えDNA技術を用いて合 体することができる。一般的に、選択したDNA分子をそれが異型となる(すな わち通常は存在しない)発現系に挿入する。異型DNA分子は、適当な方向およ び正しい読み枠で発現系すなわちベクターに挿入される。ベクターは、挿入タン パク質コード配列の転写および翻訳に必要な要素を含有している。 Cohen and Boyerの米国特許第4,237,224(参考によりここに合体する )は、制限酵素解裂およびDNAリガーゼによる連結反応を用いる組換えプラス ミドの形態における発現系の生産について記載している。これらの組換えプラス ミドを形質転換の手段により導入し、原核生物を含む単−細胞培養物および組織 培養で成育した真核細胞中で複製する。 組換え遺伝子は、ワクシニアウイルスなどのウイルス中にも導入できる。組換 えウイルスは、ウイルスに感染せしめた細胞中にプラスミドをトランスフェクト することによりつくられる。 適当なベクターには、限定するわけでないが、次のウイルス・ベクターが含ま れる。ラムダ・ベクター系、gt11、gt WES.tB、Charon 4な ど、およびプラスミド・ベクター、pBR322,pBR325,pACYC1 77,pACYC184,pUC8,pUC9,pUC18,pUC19,pL G339,pR290,pKC37,pKC101,SV40,pBluesc ript II SK+/- or KS+/-(参照“ストラタジーン・クローニング系 ”カタログ(1993)Stratagene社,La Jolla,Calif、参考によりここに合体 する)、pQE,pIH821,pGEX,pET系(参照 F.W.Studier et al.,“クローン化遺伝子の直接発現へのT7 RNAポリメラーゼの利用”Ge ne Expression Technology vol.185(1990)、参考によりここに合体する) およびこれらの誘導体である。組換え分子は細胞中に、形質転換、特にトランス フェクション、接合、動態化または電気穿孔によって導入される。DNA配列は 、Maniatis et al.,分子クローニング:研究マニュアル,Cold Spring Labor atory,Cold Springs Harbor,New York(1982)(参考によりここに合体す る)などに記載の公知の標準的クローニング手法によって、ベクター中にクロー ン化される。 種々の宿主ベクター系がタンパク質コード配列を発現するために用いられる。 まず、ベクター系は、用いられる宿主細胞と和合性でなければならない。宿主ベ クター系には、限定するわけではないが、次のものが含まれる。バクテリオファ ージDNA、プラスミドDNAまたはコスミドDNAで形質転換された細菌、イ ースト・ベクターを含むイーストなどの微生物、ウイルス(例えば、ワクシニア ウイルス、アデノウイルスなど)で感染した哺乳動物細胞系、ウイルス(例えば 、バキュロウイルスなど)で感染した昆虫細胞系がある。用いる宿主ベクター系 に従って、多くの適当な複製および翻訳要素の一つを使用できる。 相違する遺伝子シグナルおよび進行過程が多くの遺伝子発現レベル(例えばD NA転写およびメッセンジャーRNA(mRNA)翻訳)を調整する。 DNAの転写は、RNAポリメラーゼの結合を指示し、それによってmRNA 合成を促進するDNA配列であるプロモーターの存在に依存する。原核細胞プロ モーターのDNA配列は、真核細胞プロモーターのものと異なる。さらに、真核 細胞プロモーターおよび伴う遺伝子シグナルは、原核細胞系では、認められない か、または機能できない。また、原核細胞プロモーターは、真核細胞では認めら れないか、または機能できない。 同様に、原核細胞中のmRNAの翻訳は、真核細胞とは異なる適当な原核細胞 シグナルの存在に依存している。原核細胞中の効率的なmRNAの翻訳は、mR NA上にShine−Dalgarno(SD)配列と呼ばれるリボソーム結合部位を必要 とする。この配列は、タンパク質のアミノ末端メチオニンをコードする開始コド ン、通常はAUG、の前に位置するmRNAの短いヌクレオチド配列である。S D配列は、16S rRNA(リポソームRNA)の3'末に相補的であり、rR NAで二重鎖にすることによりmRNAのリポソームへの結合をおそらく促進し て、リポソームの正しい位置付けを可能にする。最大遺伝子発現の総説について Roberts and Lauer,Methods in Enzymology,68:473(1979)(参考によりこ こに合体する)を参照。 プロモーターはその“長さ”(すなわち転写を促進する能力)が様々である。 クローン化遺伝子を発現する目的には、高レベルの転写および遺伝子発現を得る ために強力なプロモーターを用いるのが望ましい。用いた宿主細胞系に従って、 多くの適当なプロモーターの一つを用いることができる。例えば、E.coli 、そのバクテリアファージ、またはプラスミド沖でクローニングするとき、T7 プロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、recAプロモータ ー、リボソームRNAプロモーター、大腸菌ファージlambaのPRおよびPL プロモーターおよびその他のプロモーター、lacUV5、ompF、bla、 lppを含み、これに限定されない、プロモーターが隣接DNAセグメントの直 接高レベル転写に用いられる。さらに、ハイブリッドtrp−lacUV5(t ac)プロモーターまたは組換えDNAまたは他の合成DNA技術より製造され る他のE.coliプロモーターが挿入遺伝子の転写のために使用される。 細菌宿主細胞株および発現ベクターは、特別に誘発しない限りプロモーターの 作用を阻止するものが選ばれる。あるオペロンにおいては、特別の誘発物質の追 加が挿入DNAの効率的な転写に必要である。例えば、lacオペロンはラクト ーゼまたはIPTG(イソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド)の添加により 誘発される。多くの他のオペロン、trp、proなどは、異なる調節の下にあ る。 特別の開始シグナルも原核細胞における効率的な遺伝子転写および翻訳に必要 である。これらの転写および翻訳開始シグナルは夫々、遺伝子特異メッセンジャ ーRNAおよび合成タンパク質の量で測定される“強さ”が違っている。プロモ ーターを含有するDNA発現ベクターは、種々の“強い”転写および/または翻 訳開始シグナルの組み合わせも含む。例えば、E.coliにおける効率的な翻 訳には、リボソーム結合部位を提供するために5'−開始コドン(ATG)へ約 7−9塩基のShine−Dalgarno(SD)配列を必要とする。宿主細胞リボソー ムにより利用されるSD−ATG組み合わせが採用される。さらに組換えDNA または合成ヌクレオチドの合体に関する他の技術により製造されるSD−ATG 組み合わせも用いることができる。 哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生存する能力を結 核菌に付与する希望の単離DNA分子が発現系にクローン化されると、宿主細胞 に合体される準備が整う。かかる合体は、ベクター/宿主細胞系に従って、上記 の種々の形質転換によって実施し得る。適当な宿主細胞には、制限ではなく、細 菌、ウイルス、イースト、哺乳動物細胞などが含まれる。 一般に、ヒト免疫系は、細菌表面の特殊なタンパク質または炭水化物に結合す る抗体を産生して、病原細菌の感染に応答する。抗体は、抗体のFc領域に結合 するレセプターを有するマクロファージへの結合を促進する。補体と呼ばれる他 の血清タンパク質は、外因粒子を覆い、マクロファージ上で特殊な表面レセプタ ーとの結合によりその摂取を促進する。一旦粒子がマクロファージの表面に結合 すると、摂取の段階的過程が粒子表面への細胞質膜のセグメントの継続的並置に よって始まる。膜上の表面レセプターは、粒子表面に均一に分布しているリガン ドと相互作用し、その表面に結合する。粒子を包むマクロファージは、粒子が摂 取されるリポソームに送られる。 ある種の微生物はマクロファージに摂取されるが(すなわちundergo uptake) 、死ぬことはない。その中に結核菌がある。結果として、かかる微生物はマクロ ファ ージの内部で無期限的に生存することができ、マクロファージから出たときに、 活性結核を起こす。 哺乳動物細胞に入る能力を結核菌に付与するヌクレオチド配列に関する本発明 による確定から、結核菌の取り込みについての分子的基礎が示唆される。この情 報および上記の組換えDNA技術でもって、結核菌を処置または検出できる広範 な治療的または予防的薬剤および診断的手法を開発し得る。 例えば、本発明のタンパク質またはポリペプチドの効果量を単独または薬学的 に許容できる担体と共に、ヒトにワクチンとして結核菌の感染を予防するために 、投与できる。一方、結核菌にさらされた者に、受動免疫としてタンパク質また はポリペプチドに対する抗体またはその結合部分の効果量を投与することもでき る。かかる抗体またはその結合部分は、単独または薬学的に許容される担体と共 に投与して、最近に結核菌にさらされたかもしれない者の処置を短縮できる。 受動免疫を誘導するのに用いられるのに適した抗体は、モノクローナルまたは ポリクローナルである。 モノクローナル抗体の産生は公知の技術によってなされる。基本的には、最初 に、哺乳動物(例えばマウス)の脾臓から免疫細胞(リンパ球)を得る。動物は 前もって希望する抗原(例えば、本発明のタンパク質またはペプチド)によりイ ンビボまたはインビトロで免疫しておく。抗体分泌リンパ球は(マウス)ミエロ ーマ細胞または形質転換細胞と融合し、これは細胞培養物中で無期限的に複製す ることができ、よって、不死の免疫グロブリン分泌細胞系をつくる。得られた融 合細胞すなわちハイブリドーマは培養されて、得られたコロニーが希望するモノ クローナル抗体の産生のためにスクリーニングされる。かかる抗体を産生するコ ロニーは、インビトロまたはインビボでクローン化され、そして生長して、大量 の抗体を生産する。かかる細胞の融合については、理論的基礎および実際的な方 法についてKohler and Milstein,Nature 256:495(1975)(参考によりここに 合体する)に記載されている。 哺乳動物のリンパ球の免疫は、本発明のタンパク質またはポリペプチドの一つ でもって動物(例えばマウス)のインビボ免疫によりなされる。かかる免疫は、 抗体の充分な力価を得るために7週間まで定期的に実施される。ウイルスは適当 な溶液またはアジュバント中に保持される。最後の抗原強化後に、動物は殺され て、脾臓細胞が取り出される。 細胞培養における哺乳動物ミエローマ細胞または無期限的に複製できる他の融 合パートナーとの融合は、標準的既知技術、例えばポリエチレングリコール(P EG)または他の融合剤を用いて実施される(参照、Milstein and Kohler, ur. J.Immunol .6:511(1976)、参考によりここに合体する)。この不死の細胞 系は、望ましくはネズミのものであるが、ラットおよびヒトなどの他の哺乳動物 の細胞からも誘導され、速い生長ができ、かつ優れた融合能を有するために、あ る種の栄養の利用に必要な酵素を欠いて、選択される。多くのかかる細胞系は当 業者によく知られており、また定期的に発表されている。 ポリクローナル抗体を得る方法もよく知られている。典型的には、かかる抗体 は、本発明のタンパク質またはポリペプチドの一つをニュージーランド白色兎に 皮下注することにより産生される。兎はプレ免疫血清を得るために最初に採血さ れている。抗原は、異なる6部位に各部位につき全量100μl注入できる。各 注入物質は、合成界面活性剤アジュバント・プルロニク(pluronic)ポリオール またはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動後にタンパク質またはポリペプ チド含有粉砕アクリルアミドゲルを含む。最初の注入2週間後に採血し、そして 同じ抗原で6週間毎3回定期的に強化する。各注入10日後にサンプルの血清を 採取する。ポリクローナル抗体は、抗体を捕獲するための対応抗原を用いてアフ ィニティ・クロマトグラフィーにより血清から得る。最後に兎をペントバルビタ ール150mg/kg静注により安楽死せしめる。ポリクローナル抗原を産生す る、このまたは他の方法は、E.Harlow,et al.,編集、抗体:研究マニュアル (1988)(参考によりここに合体する)に開示されている。例えば、下記実施例 9参照。 全抗体を用いるのに加えて、本発明の方法には、各抗体の結合部分の利用も含 まれる。かかる抗体フラグメントは、通常の方法、例えば、J.Goding,モノク ローナル抗体:原理と手法 ,pp.98-118(N.Y.Academic press 1983)(参考によ りここに合体する)記載のタンパク質融解フラグメンテーション法によってつく られる。 本発明のワクチンおよび受動免疫剤は、経口投与、非経口投与、例えば皮下、 静脈、筋肉、腹腔、鼻腔注入または粘膜への適用、例えば鼻、喉、気管支の粘膜 などへの適用がなされる。単独または適当な薬学的担体と共に投与される。形態 は固体または液体であり、例えば錠、カプセル、粉末、溶液、懸濁液またはエマ ルションである。 固体の単位用量形態は通常のものである。それには、本発明のタンパク質また はポリペプチドあるいは抗体またはその結合部分、および担体、例えば潤滑剤お よびラクトース、スクロースまたはトウモロコシデンプンなどの活性のない充填 剤、を含む通常のゼラチンタイプなどのカプセルがある。他の実施態様には、錠 剤があり、通常の錠剤用の基剤ラクトース、スクロースまたはトウモロコシデン プンを、アカシア、トウモロコシデンプン、ゼラチンなどの結合剤、トウモロコ シデンプン、ポテトデンプン、アルギン酸などの崩壊剤およびステアリン酸また はステアリン酸マグネシウムなどの潤沢剤と組み合わせて製造される。 本発明のタンパク質またはポリペプチド、または本発明の抗体またはその結合 部分は、薬学的担体と共に生理的に許容される希釈剤中のこれらの物質の溶液ま たは懸濁液として注射可能な用量で投与され得る。かかる担体には、界面活性剤 および他の薬学的に許容されるアジュバントを加えてまたは加えずに、無菌の水 剤または油剤がある。油剤としては、鉱物、動物、植物または合成油があり、例 えばピーナッツ油、大豆油または鉱物油である。一般に、水、塩類水、水性デキ ストランおよび関連糖溶液、およびポリエチレングリコールまたはポリプロピレ ングリコールなどのグリコール類が特に注射用溶液として望ましい液体担体であ る。 エアゾールとしての使用について、溶液または懸濁液中の本発明のタンパク質 またはポリペプチド、または本発明の抗体またはその結合部分は、適当な推進剤 、例えば、プロパン、ブタン、イソブタンなどの炭化水素推進剤および通常のア ジュバントと共に加圧エアゾール容器に包装される。本発明の物質は、ネブライ ザーまたはアトマイザーなどの非加圧形態でも投与される。 本発明の他の点において、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、結核菌 体液の検出のための診断検定法における抗原として用いられる。他方、この菌の 検出は、該抗原から生じる抗体およびその結合部分を用いて診断検定法で達成さ れる。かかる技法により下記の組織または体液のサンプル中の結核菌を検出する ことが可能になる:血液、髄液、喀痰、胸膜液、尿、気管支肺胞洗浄液、リンパ 腺、骨髄または他の生検材料。 一つの実施態様において、検定系はサンドウィッチ法または競合法である。適 当な検定法の例として、酵素結合免疫吸収法、放射免疫検定法、ゲル拡散沈降検 定法、免疫拡散検定法、凝集反応検定法、蛍光免疫検定法、タンパク質A免疫検 定法または免疫電気泳動法がある。 本発明の他の診断上の実施態様において、本発明の単離DNA分子のヌクレオ チド配列は、種々の患者体液中の結核菌の検出のために核酸ハイブリダイゼイシ ョン検定法においてプローブとして用いられる。本発明のヌクレオチド配列は、 下記のような公知の核酸ハイブリダイゼイション検定法において(これらに限定 はされない)使用される。Southern blots(Southern,J.Mol.Biol.,98:508 (1975));Northern blots(Thomas et al.,Proc.Nat'l Acad.Sci.USA,77 :5201-05(1980));Colony blots(Grunstein et al.,Proc.Nat'l Acad.Sci. USA ,72:3961-65(1975))(参考によりここに合体する)。他方、本発明の単離 DNA分子は、遺伝子増幅検定法(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応)において用 いられる。参照H.A.Erlich et al.,“ポリメラーゼ連鎖反応についての最近 の進歩”,Science 252:1643-51(1991)(参考によりここに合体する)。 より一般的に、結核菌による取り込み現象の分子基礎は、他の物質の哺乳動物 細胞への取り込みを効果的にするために用いられる。これは、細胞内取り込みを 効果的に行う本発明のタンパク質またはポリペプチド(すなわち、配列番号2お よび4のアミノ酸に対応するタンパク質またはポリペプチド)を、哺乳動物細胞 に取り込みたい物質と併用することにより達成される。この取り込みは、非常に 様々な物質、例えば抗生物質、DNAフラグメント、抗癌剤およびこれらの混合 を該細胞に導入するのに利用することができる。 抗生物質を直接細胞に導入し得ることは、抗生物質は細胞内の結核菌を殺すこ とができるので実質的な利点である。かかる取り込みを達成するための1つの方 法は、抗生物質で中心体(microsphere)を透浸し、次いで中心体を本発明の細 胞内取り込みタンパク質またはポリペプチドでコートする。別法として、抗生物 質を運ぶ中心体を用いる代わりに、抗生物質を本発明の細胞内取り込みタンパク 質またはプロモーターと化学的に結合せしめることができる。 この技法は、細胞内病原菌による広範な疾患の処置に用いられる。結核の処置 については、細胞への浸透はよくないが、インビトロ試験で細胞外の結核菌に高 い活性を有する多くの抗生物質が本発明の細胞内取り込みタンパク質またはポリ ペプチドと接合して用いられる。癌の処置において、抗癌剤の細胞内への運送を 、本発明の細胞内取り込みタンパク質またはポリペプチドと結合せしめることに より、非常に高めることができる。これは該薬剤の用量低下を可能にし、その毒 性の低下につながる。 本発明の他の点は、本発明の細胞内取り込みタンパク質またはポリペプチドを 遺伝子療法また遺伝子ワクチンにおいて利用することである。治療的または予防 的に有用なDNAは、そのチミン残基においてリンカー・アームを通して本発明 のタンパク質またポリペプチドと結合する。結果として、遺伝子物質は、細胞に 導入されて、遺伝子的欠陥を矯正したり、あるいは免疫原として働く所望の特性 また産物を生み出したりする。 実施例実施例1 .HeLa細胞侵襲クローンの調製およびスクリーニング 哺乳動物細胞導入をコードする結核菌DNA配列を同定するために、組換え侵 襲クローンを次のように構築した。結核菌H37Ra株(ATCC25177) ゲノムを制限酵素Sau3 A1およびEco R1で切断し、フラグメントをプ ラスミドベクターpBluescript II(Stratagene,La Jolla,CA)のBam H1−Eco R1制限部位にリゲートした。組 換えベクターをE.coli EL1−Blue(Stratagene)中に電 気穿穴により導入した。R.R.Isberg and S.Falkow,Nature 317,262(1987 )(参考によりここに合体する)記載の方法に準じて、HeLa細胞侵襲クロー ンのための組換え株をスクリーニングした。 E.coli形質転換体XL1−Blue(pZX7)は、pBluescr iptベクターのBam HI−Eco RI制限酵素部位に1535塩基挿入体 を含有するプラスミド(pZX7)を保持し、HeLa細胞と密接に関連するス クリーニング法によって見つけ出された。このクローンがHeLa細胞に入って いることは移行電子顕微鏡により確認された(図1)。図1Aは、結核菌株H3 7Ra(ATCC25177)に感染したHeLa細胞を示し、図1Bおよび1 Cは侵襲組換え株E.coli XL1−Blue(pZX7)を示す。これらの 細胞は、図1Aでは結核菌と共に72時間、図1Bおよび1CではXL1−Bl ue(pZX7)と共に7.5時間、インキュベートされた。HeLa細胞によ るこれらクローンの内部移行は、感染3.5時間後に可視の細胞内生物体を有し 、時間依存的であり(図1B)、いくつかの食作用胞は多種の生物体を含有し( 図1C)、これは細胞内で細菌が増殖していることを示唆した。いくつかの内部 移行細菌は、鮮明なETZに囲まれ、HeLa細胞内の結核菌を囲む明確な領域 の様子に似ていた(図1A、矢印)。この領域は他の病原細胞内微生物のまわり にしばしば見られるETZを表しているのか(参照P.Draper and R.J.W.R ess,Nature 228,860(1970);N.Rastogi,Res.Microbiol.141,217(1990);T. Yamamoto,M.Nishimura,N.Harada,T.Imaeda,Int.J.Lepr.26,111(1958)、 参考によりここに合体する)、調製による加工物なのか、明らかでない。 ベクターpBluescriptまたは他のpBluescript誘導組換 えベクター(pZN7)を含有する非病原性株E.coli XL1−Blueは 、7.5時間後にHeLa細胞との結合を示さなかった。 侵襲表現型がクローン結核菌DNAフラグメントによりコードされたことを示 すために、他の病原性E.coli株、特にHB101、DH5αおよびNM5 22をpZX7で形質転換した。構築体HB101(pZX7)、DH5α(p ZX7)およびNM522(pZX7)はHeLa細胞に侵襲的であった。XL 1−Blue(pZX7)の長い保存におけるpZX7の自然損失は侵襲表現型 の損失と関連している。 4種のpZX7のエクソヌクレアーゼIII単一方向性欠失サブクローンおよび サブクローンBam HI−Pst I(pZX7.1)、Pst−I−HinD III(pZX7.2)、およびBam HI−Eco RI([Zx7.7)をH eLa細胞結合に用いた。pZX7の単一方向性欠失サブクローンは、製造業者 の説明書(Erase−a−Base System,Promega,Madison,WI)に従ってエクソ ヌクレアーゼIIIを用いて生成せしめた。プラスミドpZX7は、Bam HI− Eco RI DNA挿入体のEcoRI部位からの上流でHinD IIIおよびk pnI制限酵素でもって二重消化されて、ExoIII消化からそれを保護するた めに、挿入体近接5'−突出末端、挿入体近接4塩基3'突出を生じせしめる。消 化プラスミドをExoIIIの300Uと37℃で混合し、30秒毎ExoIII消化 の2.5μl分液をS1ヌクレアーゼ含有のチューブに移して、残る単鎖ティル を除去した。S1ヌクレアーゼを中和によって不活化し、70℃で10分間加熱 した。KlenowDNAポリメラーゼを加えて、欠失含有ベクターを円形にす るためにリゲートされた鈍い末端をつくった。連絡反応の混合物は、電気穿孔に より能力のあるE.coli XL1−Blue株を形質転換するのに用いた。こ れらの形質転換株はHeLa細胞単層と共に6時間インキュベートした。 この工程の結果を図2に示す。黒棒は結核菌DNA配列を、白棒はpBlue script配列を表す。pZX7.3、pZX7.4orpZX7.5を保持す るE.coli XL1−Blue株は、E.coli ZL1−Blue(pZX 7)と類似したパターンでHeLa細胞と結合する。一方、他のサブクローンは 結合しない。実施例2 .ヒト・マクロファージの感染 実施例1のE.coli組換えクローンで感染したマクロファージ単層は、ポ リスチレン壁底のグラス・カバー・スリップ上で確認された。これらはマクロフ ァージにつき10以上の一夜生長菌で1または2時間、最初に感染され、次いで リン酸緩衝液(pH7.4)で洗い、さらに1、6または22時間インキュベー トした。培養は37℃でPRM1−1640培地(Gibco)でゲンタマイシ ン含有の2%AB加熱不活化ヒト血清(10μg/ml)でおこなわれた。ゲン タマイシンは細胞外菌を殺すために入れられた。マクロファージ単層は再度洗い 、次いで無菌蒸留水に溶かした。溶解液をトリプチカーゼ醤油寒天培地に播き、 コロニーを得た。顕微鏡検査のために、マクロファージ単層を100%メタノー ルで固定し、10%ギームサ染色液で染色し、光学顕微鏡または電子顕微鏡で調 べた。 1時間で感染した単層のみ水洗い、固定、染色をした後、直ちに光学顕微鏡で 調べた。マクロファージ溶解物培養および光学顕微鏡の結果は表1に示す。感染 マクロファージの%は、カバー・スリップ単層上の100−200マクロファー ジ当たりの感染マクロファージの数から算出した。各E.coli株は、各時点 で4−6回調べ、E.coli組換えクローン、対照株XL1−Blue(pB luescript)およびXL1−Blue(pZX7.3)で感染した細胞 の平均%をStudentT検定で比較した。 侵襲組換えE.coliクローンXL1−Blue(pZX7)に3時間(図 3A)および24時間(図3B)さらしたヒト・マクロファージの薄セクション 電子マイクログラフを示す。図3Cは、非病原性E.coli XL1−Blue (pBluescript)に24時間さらしたヒト・マクロファージの薄セク ション・マイクログラフを示す。24時間後、細菌は細胞内部でより多数であり 、区画化され、宿主起源の仮定膜の多層に囲まれていた(図3B)。E.col i (pBluescript)に感染したマクロファージ内部に24時間後で細菌 は認められなかった(図3C)。 表1は、HeLa細胞侵襲E.coli XL1−Blue(pZX7)、サブ クローンXL1−Blue(pZX7.3)、および非侵襲XL1−Blue(p. Bluescript)で感染したヒト・マクロファージ単層細胞の光学顕微鏡 および培養研究からの結果を示す。コロニー形成単位(CFU)は細胞培養溶解 物のミリリットルにつき測定した。感染1時間後、組換えクローンにより感染し た細胞の%(82±8%)は、XL1−Blue(pBluescript)に より感染した細胞より5倍以上であった(15±6%、P<0.001)。 この結果は、クローン化結核菌DNA配列がマクロファージ細胞のバックグラ ンド食細胞活性上の量での細菌取り込みを容易にすることを示唆している。感染 24時間後、XL1−Blue(pBluescript)にさらしたマクロフ ァージの12%(±10%)、XL1−Blue(pZX7)にさらした細胞の 60%が感染した(P<0.001)。表1が表すように、24時間感染せしめ た マクロファージの溶解物の培養は、細胞内E.coli XL1−Blue(pZ X7)株が有望であることを示した。 XL1−Blue(pZX7)、XL1−Blue(pBluescript )およびHeLa細胞侵襲欠失誘導E.coli XL1−Blue(pZX7. 3)の能力の比較において、1時間の感染で表1のマクロファージを感染さすた めに、E.coli XL1−Blue(pZX7.3)の侵襲能はXL1−Bl ue(pBluescript)よりも4倍大きかったが(P<0.001)、 24時間では、相違は長く現れなかった。このようにHeLa細胞侵襲に関連し たDNA配列は、マクロファージによる取り込みの増大に寄与し、マクロファー ジ内で生存を付与する配列は、哺乳動物細胞内導入に必要な配列の下流に位置す る。実施例3 .相同性解析 Bam Hi−Eco RiDNAフラグメントはF.Sanger,et al.,“鎖終末 インヒビターを有するDNA配列”Proc.Nat.Acad.Sci.,74:5463-67(参考 によりここに合体する)記載の鎖終末法により配列が解析され、1535塩基対 を有することが分かった[European Molecular Biology Laboratory(EM BL)accession number X70901]。この配列は、GenBank(R7 2.0)またはEMBL(R31.0)のデータベースのいずれのDNA配列とも 相同性を示さなかった。明白な原核プロモーターコンセンサス配列を認め得なか った。結核菌が普通の原核終了コドン配列を使用すると仮定すると、アミノ酸配 列相同性を同定できる。1つの有力な開放読み枠の演繹配列のNH2末端近くの 領域は、(i)哺乳動物細胞内導入に関連するListeria単球遺伝子によりコー ドされるタンパク質であるインターナリン(A.B.Hartman,M.Venkatesan,E .V.Oaks,J.M.Buysse,J.Bacteriol,172,1905(1990)、参考によりここに合 体する)の80残基NH2−端末領域と27%の相同性を、(ii)Shigella の 侵襲性プラスミドのIpaH遺伝子産物(B.E.Anderson,G.A.McDonald, D.C.Jones,R.L.Regnery,Infect.Immun.58,2760(1990)(参考によりここ に合体する))の145残基領域と20%の相同性を、(iii)受容体仲介エン ドサイト−シスをつかさどるコートされた小胞中の受容体にクラスリンを結合せ しめる細胞質膜タンパク質であるアダプチン(S.Ponnambalam,M.S.Robinso n,A.P.Jackson,L.Peiper,P.Parham,J.Biol.Chem.265,4814(1990)and J.L.Goldstein,M.S.Brown,R.G.W.Anderson,D.W.Russell,W.J.S chneider,Annu.Rev.Cell Biol.1,1(1985)(参考によりここに合体する)) の176−残基領域と18%の相同性を有することが分かった。Yersinia pseu dotuberculosis の侵襲タンパク質に対して整列するとき、細胞内導入に関連す る領域は、侵襲COOH−端末近くの100残基領域と19%類似であった(R .R.Isberg,D.L.Voorhis,S.Falkow,Cell 50,769(1987)(参考によりここ に合体する))これらの平衡整列の機能的意義は不明である。実施例4 .52kDポリペプチドの機能上の解析 SDS−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(SDS−PAGE)により解析 されたタンパク質フラクションは次のようにして調製された。アンピシリン含有 トリプチカーゼ醤油ブロス中(100μg/ml)の菌の一夜生育液5ml(光 学密度600で550nmでの吸収に調整)を遠心分離で採取した。5mMのM gCl2含有の10mMドリス−HCI緩衝液(pH8.0)1.5ml中細菌ペ レットを超音波処理した。この処理物を25分間12,000rpmでマイクロ 遠心分離器(Eppendorf model 5415C)により4℃で遠心分離した。アセ トンを新鮮マイクロ遠心分離チューブ中の上澄み液(60%v/v)600μl に加え、混合物を25分間14,000rpm、4℃で遠心分離した。ペレット を蒸留水20μlおよびLaemmli煮沸緩衝液20μlに再懸濁し、5分間沸騰水 上で加熱し、次いでSDS−PAGEにより解析した。最初の遠心分離後の外膜 フラクション含有の細菌片を水100μlおよび7.5mMのMgCl2および3 %(v/v)トリトンX−100含有15mMトリス−HC1緩衝液(pH8. 0)100μlに再懸濁し、25分間14,000rpmで遠心分離した。ペレ ットを水25μlおよび煮沸緩衝液25μlに再懸濁し、沸騰し、SDS−PA GEによりサンプル分液20μlを解析した。 アセトンでのSDS−PAGE(すなわちSDS−ポリアクリルアミド・ゲル 電気泳動)は、細菌細胞超音波処理物の溶解フラクションを沈降する。ポリペプ チドは9%ゲルにおいて分析した(左側):分子の大きい標準(枠1)、Bam HI−Eco RI pBluescriptクローニング部位の間の非関連結 核菌DNAフラグメント含有ベクター(pZN)を有するE.coli XL1− BBlue(枠2)およびXL1−Blue(pZX7)(枠3)。8%ゲルで の分析(右側):pZX7においてBam HIクローニング部位から12塩基 上流に導入された2塩基フレームシフトを有するベクター(pZX7.8)含有 XL1−Blue(枠1)およびXL1−Blue(PZX7)(枠2)。分子 の大きさは右下方に示す。XL1−Blue(pZX7)の可溶タンパク質フラ クションに52−kDポリペプチドを検出した(矢印)。約50kDのタンパク 質をpZX7.8含有XL1−Blueにより発現した。52−kDタンパク質 の発現は組換えE.coliクローンのHeLa細胞相互作用と常に関連してい た。 図4のSDS−PAGEの結果から、XL1−Blue(pZX7)の細菌細 胞超音波処理物の可溶性フラクションは、非関連結核菌DNAフラグメントを保 持するpBluescript誘導ベクター(pZN7)を有するXL1−Bl ueの可溶性フラクションでは検出されない52−kDポリペプチドを含むと、 結論される。2塩基フレームシフトは、pZX7中のBam HIクローニング 部位から12塩基上流のXbaI部位でKlenowDNAポリメラーゼで5' 突出末端が充填された後に鈍い末端連結反応により導入されるものであり、これ は、このプラスミド含有E.coli XL1−BlueのHeLa細胞との関連 損失をもたらす。このクローンは52kDタンパク質を発現しないが、低級分子 マスの新ポリペプチドが可溶フラクションに検出された。XL1−Blue(p ZX7)の長期保存の後にHeLa細胞に関連の能力の自然的損失は52−kD タンパク質の損失を伴った。この52−kDタンパク質は、クローン化結核菌D NAフラグメントにより発現された産物のようである。細菌外膜ポリペプチドフ ラクションにおいて検出できるような相違はなかった。実施例5 .結核菌の哺乳細胞内導入を仲介するタンパク質をコードする開放読み 枠(ORF−1)のサブクローニング 配列番号3(すなわちORF−1)に対応するヌクレオチド配列をpETベク ター(NovagenからのpET23a、b、c)のEcoRIおよびHinDIII エンドヌクレアーゼ部位にサブクローンした。これは、ORF−1フラグメント のPCR増幅産物をサブクローンして、なされた。ORF−1の増幅に用いられ たプライマーは次の通りである:EcoRI−primer:5'−GGGGA ATTCATGTGAACGCC GACATCAA(配列番号7);HinD III−primer:5'−GGGAAGCTTA TTGCGGCAGC CCCGGCGTC(配列番号8)。結核菌株H37Ra(ATCC25177 )からの抽出DNAを次のPCR条件を用いて30サイクル増幅した:変性94 ℃1分間、プライマーアニーリング56℃2分間およびプライマー伸長72℃1 分間である。増幅されたDNAは1.8%アガロース・ゲル中で電気泳動により 再溶解し、UV照射で可視化した後、増幅DNAをQIAEXを用いたゲルから 、製造書の説明に従って、除去した。DNAは同じ消化緩衝液中のEcoRIお よびHinDIIで消化した。 pETベクターもEcoRIおよびHinDIIエンドヌクレアーゼで消化し 、1%アガロースに溶解し、線化されたベクターをゲルから除去し、連結反応の ためにPCR−増幅ORF−1DNAフラグメントのEcoRI/HinDII I消化物と混合した。 連結反応は次のように行われた。消化PCR−増幅DNA産物5μlおよびベ クターDNA消化物3μl含有の混合物に、10XT4リガーゼ緩衝液(New England BioLabs)1μlおよびT4リガーゼ(15U)を加えた。混合物を 室温で4時間インキュベートした。連結反応混合物の分取液1.5μlをE.co li株BL21(DE3)に電気穿孔し、このE.coliを37℃の一夜イン キュベーション用のアンピシリン含有(200μg/ml)寒天平板上でインキ ュベートした。pET23構築物(pET23a−ORF1、pET23b−O RF1、pET23c−ORF1)の各々からの代表的コロニーにつき、別記す るようにHeLa細胞との、その結合を調べた。株は、IPTGにより誘発し、 またはせずに調べた。実施例6 .ORF−1により発現されたタンパク質のSDS−ポリアクリルアミ ド・ゲル電気泳動分析 ORF−1によりコードされたタンパク質を発現するために、pET23組換 えBL21(DE3)E.coli株を最初にアンピシリン含有トリプチカーゼ 醤油ブロス(TSB)培地5ml中で一夜生育せしめた。翌日、サンプル500 μlを採取し、アンピシリン含有TSB(200μg/ml)5mlに再懸濁し 、3時間インキュベートした。次いでIPTG(40mM)50μlを生育物に 加え、さらに2時間37℃でインキュベートした。細菌懸濁液(Abs600でO D=500)1mlを採取し、ペレットを水50μlおよびLaemmli煮沸 緩衝液に最懸濁して、5分間沸騰した。沸騰サンプルの分取液15μlを12% SDS−ポリアクリルアミド・ゲルにかけ、電気泳動で分解した。PETベクタ ー含有BL21(DE3)は、これらの実験において対照として同様に処理した 。 SDS−PAGEは、BL21(DE3)(pET23c−ORF1)により 発現された25−28KDaの周りの位置するタンパク質を表し、これは他のp ET23構築物または対照BL21(DE3)(pET23c)株のいずれによ っても発現されなかった。IPTGによる誘発なしでも、タンパク質のなんらか の発現は明らかであった(図5)。同じ組換え株BL21(DE3)(pET2 3c−ORF1)は、HeLa細胞との強い結合を示した。このようにORF− 1の発現産生物はHeLa細胞結合を付与するのに充分である。実施例7 .組換えORF−1タンパク質のN−端末分析 IPTG処置BL21(DE3)(pET23c−ORF1)株がSDS−P AGEについて上記したように調製された。7レーンが同じ細菌溶解質で充填さ れ、1レーンが対照のE.coli溶解質で充填された。電気泳動後、分解タン パク質は、電気ブロッティング器(IDEA Scientific Company)を用いて 、1つのPVDF膜(Immobilon,Millipore)に移された。膜をCoomassie Blue で2分間着色し、移行タンパク質バンドが見えるようになるまで脱色した 。組換えE.coliレーンの25−28KDaのタンパク質フラクション(対 照のE.coliレーンには存在していない)を切り出し、N−端末の配列を調 べ るためにスタンフォード大学のタンパク質・ヌクレオチド研究施設に送った。N −端末は、pETベクターのT7標識アミノ酸配列(1−15位)を、次いでV al,Asn,Ala,Asp,Ileを含み、これはORF−1のヌクレオチ ド配列から演繹されるN−末アミノ酸配列であった。実施例8 .ビードのHeLa細胞結合を検査するための組換えタンパク質による ラテックス・ビードのコーティング ORF−1によりコードされた25−28kDaタンパク質の粗調製はBL2 1(DE3)(pET23c−ORF1)から次のように得られた。タンパク質 は上記のようにIPTG誘発により発現された。誘発後、細菌懸濁液を、100 mM NaCl及び1mM EDTA含有のトリス緩衝液に最終濃度10%(vo l/vol)になるように混合した。リソチームを溶液に最終濃度1mg/ml になるように加え、細胞を室温で20分間インキュベートした。次いで細胞を5 000g10分間遠心分離し、上清液を除去した。ペレットを氷に移し、100 mM NaCl、1mM EDTAおよび0.1%デオキシコール酸ナトリウム含 有の氷冷50mMトリス緩衝液(pH8.0)5ml中に再懸濁した。MgCl2 およびDNAseIを夫々の最終濃度8mMおよび10μg/mlまで加えた。 インキュベーションを氷上で粘性がなくなるまで行った。懸濁液で物質を構成し ている封入体を10,000g10分、遠心分離で除去した。得たペレットを1 %NP−40、100mM NaClおよび1mM EDTA含有の50mMトリ ス緩衝液5ml中に再懸濁することにより洗浄し、次いでNP−40を含有しな い同じ緩衝液で洗った。ペレット物質の分取液を組換えタンパク質の存在につき SDS−PAGEで調べた。 ペレットの残りを、100mM KCl、0.1mM EDTA、125mM M gCl2、10%グリセロールおよび0.1%NP−40(HEMGN緩衝液)を 含有する25mM HEPES緩衝液(pH7.6)中の6Mグアニジウム−HC L(GuHCl)2mlに溶解した。これはプロテアーゼ阻害剤(1mM DT T、2μg/mlアプロチニン、1μg/mlロイペプチン、1μg/mlペプ スタチン、0.1mM PMSF、および0.1mM Na−メタベスルフィート) を含む。可溶化したタンパク質を2日間以上4℃で6M GuHClを欠くHE MGN緩衝液に対する継続透析にかけた。対照として、同じ操作をE.coli BL21(DE3)(pET23c)細胞について行った。タンパク質濃度はB ACプロトコルにより測定した。 0.3μmポリスチレン・ラテックス・ビード(Sigma)の10%水性懸濁液 のサンプル2μlをPBS中100μg/mlタンパク質溶液(pH7.5)1 mlに加えた。ビードをタンパク質溶液と共に一夜37℃で常に振りながらイン キュベートし、凝集塊を拡散さすために短い超音波処理を行った。ビード懸濁液 100μlを24ウェル組織培養プレートにおける円いガラスのカバースリップ 上でMEM(10%牛胎児血清含有)中で生育したHeLa細胞単層に加えた。 対照には、PBSのみ中でインキュベートしたビード、1%BSA含有PBS中 でインキュベートしたビードおよび上記の対照E.coli株から調製のタンパ ク質でコートされたビードが含まれる。ウェルにつきMEM2ml中のHeLa 細胞単層は5時間37℃でインキュベートし、次いでPBSで5回洗い、100 %メタノールで30分間固定した。細胞は10%Giemsa で20分間着色し、光 学顕微鏡で調べた。 HeLa細胞は透過電子顕微鏡で調べるためにも調製した。5時間インキュベ ーション後のHeLa細胞単層を2%PBS中グルテアルデヒド(pH7.5) で3時間固定し、次いでこすり落とし、同じグルテアルデヒド緩衝液に再懸濁し た。細胞を緩やかにペレットし、ペレットを透過電子顕微鏡のための標準プロト コールによる切片として調製した。一つの結果を図6に示す。実施例9 .組換えタンパク質に対するポリクローン・抗血清の作製 25−28kDaタンパク質を発現するE.coli BL21(DE3)(p ET23c−ORF1)の溶解質を多ウェル中12%SDS−PAGEにより分 解し、タンパク質をゲルから切取した。タンパク質を含むアクリルアミド・ゲル を乳鉢と乳棒で粉砕し、無菌PBS(pH7.5)2mlに再懸濁した。およそ のタンパク質濃度をBCA法により測定した。6カ月令NZW雌ウサギの皮下7 −8カ所に1カ所につき約20μgの抗原懸濁液を注射した。最初の注射から4 週および6週後に同量の抗原を家兎に注射した。最後の注射から2週後に血液か ら血清を採取した。組換えタンパク質に対するその反応性をウエスタン・ブロッ ティングにより調べた。免疫抗血清・希釈1:10,000はニトロセルロース 膜に結合したタンパク質1μg以下を検出できた。実施例4の52kDaタンパ ク質および実施例7の23−28kDaポリペプチドの両方ともこれらの抗体に より認識された。実施例10 .IS6110の存在についての解析 結核菌株H37Ra(ATCC25177)のゲノムDNA部分的消化体をS au3AIおよびEcoRI制限酵素でもって調製した。H37Ra株は、Cr awford,et al.の米国特許第5,183,737に記載されているI S6110の多重コピーを含有し、かつIS6110はEcoRI部位を有して いないので、消化体はIS6110を含有するいくつかのDNAフラグメントを 含むであろう。DNAフラグメントはベクターpBluescriptIIのBa mHI−EcoRI制限部位中にリゲートされ、組換えライブラリーを作製した 。組換えベクターはE.coli XL1−Blueに電気穿孔された。これらの 組換えE.coli株は、本出願の他の箇所に記載した方法により侵襲クローン のためにスクリーニングされた。 HeLa細胞を用いた最初のスクリーニングの後、15E.coliコロニー を得た。これらのうち一つのみが継続的にHeLa細胞と結合を示した。これは 前に記載した株XL1−Blue(pZX7)である。他のコロニーについては 、何回も試験したが、HeLa細胞との結合は弱いかまたは認められなかった。 これらの他の株はIS6110の存在につき、次のプライマーを用いて、IS6 110内の245−bp領域のPCR増幅から生成したプローブにより試験した 。INS1:5'−CGTGAGGGCATCGAGGTGGC(配列番号9) およびINS2:5'−GCGTAGGCGTCGGTGACAAA(配列番号 10)。 いずれもIS6110配列を含んでいなかった。さらに、HeLa細胞との他 のクローンの持続的かつ強力な結合を欠くことは、pZX7内に含まれる配列が 、 哺乳動物細胞内導入をコードするこのゲノム・ライブラリー中のDNAフラグメ ントにおける唯一の配列であることを示唆している。 本発明を説明のために詳細に記載したが、かかる詳細はその目的のためにのみ 理解されるべきであり、その変更または別法は、下記の請求項に定義される本発 明の精神および範囲を逸脱することなしに当業者によりなされ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 48/00 A61K 48/00 C07K 14/35 C07K 14/35 16/12 16/12 C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/569 F G01N 33/569 C12N 5/00 B

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生存する能力 を結核菌に付与する単離DNA分子。 2.該DNA分子が配列番号1に対応するヌクレオチド配列を含む、請求項1 の単離DNA分子。 3.該DNA分子が分子量約50−55キロダルトンを有するポリペプチドを コードする、請求項1の単離DNA分子。 4.該DNA分子が哺乳動物細胞に入る能力を結核菌に付与する、請求項1の 単離DNA分子。 5.該DNA分子が配列番号3に対応するヌクレオチド配列を含む、請求項4 の単離DNA分子。 6.該DNA分子が分子量約22−28キロダルトンを有するポリペプチドを コードする、請求項4の単離DNA分子。 7.該DNA分子がマクロファージ内で生存する能力を結核菌に付与し、かつ 配列番号5に対応するヌクレオチド配列を含む、請求項1の単離DNA分子。 8.哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生存する能力 を結核菌に付与する請求項1のDNA分子によってコードされる単離タンパク質 またはポリペプチド。 9.該DNA分子が配列番号1に対応するヌクレオチド配列を含む、請求項8 の単離タンパク質またはポリペプチド。 10.該タンパク質またはポリペプチドが配列番号2に対応するアミノ酸配列 を含む、請求項8の単離タンパク質またはポリペプチド。 11.該タンパク質またはポリペプチドが分子量約50−55キロダルトンを 有する、請求項8の単離タンパク質またはポリペプチド。 12.該DNA分子が哺乳動物細胞に入る能力を結核菌に付与する、請求項8 の単離タンパク質またはポリペプチド。 13.該DNA分子が配列番号3に対応するヌクレオチド配列を含む、請求項 12の単離タンパク質またはポリペプチド。 14.該タンパク質またはポリペプチドが配列番号4に対応するアミノ酸配列 を有する、請求項12の単離タンパク質またはポリペプチド。 15.該タンパク質またはポリペプチドが分子量約22−28キロダルトンを 有する、請求項12の単離タンパク質またはポリペプチド。 16.該タンパク質またはポリペプチドが組換え体である、請求項12の単離 タンパク質またはポリペプチド。 17.該タンパク質またはポリペプチドが精製されている、請求項12の単離 タンパク質またはポリペプチド。 18.該タンパク質またはポリペプチドが哺乳動物細胞に入る能力を結核菌に 付与する1以上の抗原決定基を有する、請求項12の単離タンパク質またはポリ ペプチド。 19.該DNA分子がマクロファージ内で生存する能力を結核菌に付与し、か つ配列番号6に対応するアミノ酸配列を有する、請求項8の単離タンパク質また はポリペプチド。 20.請求項8の単離タンパク質またはポリペプチドの効果量を哺乳動物に投 与することを含む、結核菌感染に対して哺乳動物を免疫する方法。 21.該投与が経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下または鼻内である 、請求項20の方法。 22.哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生存する能 力を結核菌に付与する請求項1の異型DNAを挿入し発現ベクターを含む、組換 えDNA発現系。 23.該異型DNAが哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ 内で生存する能力を結核菌に付与し、かつ配列番号1に対応するヌクレオチド配 列を含む、請求項22の組換えDNA発現系。 24.該異型ベクターが哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファー ジ内で生存する能力を結核菌に付与し、かつ配列番号3に対応するヌクレオチド 配列を含む、請求項22の組換えDNA発現系。 25.該異型ベクターがマクロファージ内で生存する能力を結核菌に付与し、 かつ配列番号5に対応するヌクレオチド配列を含む、請求項22の組換えDNA 発現系。 26.該異型DNAが該ベクター中に適当な方向および正しい読み枠でもって 挿入される、請求項22の組換えDNA発現系。 27.請求項1の異型DNAを合体する宿主細胞。 28.該異型DNAが哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ 内で生存する能力を結核菌に付与し、かつ配列番号1に対応するヌクレオチド配 列を含む、請求項27の宿主細胞。 29.該異型ベクターが哺乳動物細胞に入る能力を結核菌に付与し、かつ配列 番号3に対応するヌクレオチド配列を含む、請求項27の宿主細胞。 30.該異型ベクターがマクロファージ内で生存する能力を結核菌に付与し、 かつ配列番号5に対応するヌクレオチド配列を含む、請求項27の宿主細胞。 31.該異型DNAが発現ベクターを含む組換えDNA発現系に挿入される、 請求項27の宿主。 32.請求項8の単離タンパク質またはポリペプチドおよび薬学的に許容され る担体を含む、結核菌による哺乳動物の感染および疾患を予防するワクチン。 33.該タンパク質またはポリペプチドが精製されている、請求項32のワク チン。 34.請求項32のワクチンの効果量を哺乳動物に投与することを含む結核菌 による感染に対して哺乳動物を免疫する方法。 35.該投与が経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下または鼻内である 、請求項34の方法。 36.請求項8のタンパク質またはポリペプチドに対する単離抗体またはその 結合部分。 37.該抗体がモノクローナルまたはポリクローナルである、請求項36の単 離抗体またはその結合部分。 38.該抗体が哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生 存する能力を結核菌に付与する遺伝子フラグメントによりコードされる該タンパ ク質またはポリペプチドの抗原決定基に特異的である、請求項36の単離抗体ま たはその結合部分。 39.請求項36の該抗体またはその結合部分の効果量を結核菌に感染した哺 乳動物に投与することよりなる、結核菌感染哺乳動物を受動免疫する方法。 40.該投与が経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下または鼻内である 、請求項39の方法。 41.請求項36の単離抗体またはその結合部分および薬学的に許容される担 体を含む、結核菌感染哺乳動物を受動免疫するための組成物。 42.該抗体がモノクローナルまたはポリクローナルである、請求項41の組 成物。 43.該抗体が哺乳動物細胞に入る能力および/またはマクロファージ内で生 存する能力を結核菌に付与する遺伝子フラグメントによりコードされる該タンパ ク質またはポリペプチドの抗原決定基に特異的である、請求項41の組成物。 44.請求項41の該組成物の効果量を結核菌に感染した哺乳動物に投与する ことを含む、結核菌感染哺乳動物を受動免疫する方法。 45.該投与が経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下または鼻内である 、請求項44の方法。 46.請求項8のタンパク質またはポリペプチドを抗原として準備し;該抗原 をサンプルと接触せしめ;検定系を用いて結核菌がサンプル中に存在することを 表す反応を検出することを含む、組織または体液のサンプル中の結核菌を検定す る方法。 47.検定系が、酵素結合免疫吸収法、放射免疫検定法、ゲル拡散沈降反応法 、免疫拡散検定法、凝集反応検定法、蛍光免疫検定法、タンパク質A免疫検定法 および免疫電気泳動法からなる群より選ばれる、請求項46の方法。 48.請求項36の抗体またはその結合部分を抗原として準備し;該抗体また はその結合部分をサンプルと接触せしめ;検定系を用いて結核菌がサンプル中に 存在することを表す反応を検出することを含む、組織または体液のサンプル中の 結核菌を検定する方法。 49.検定系が、酵素結合免疫吸収法、放射免疫検定法、ゲル拡散沈降反応法 、免疫拡散検定法、凝集反応検定法、蛍光免疫検定法、タンパク質A免疫検定法 および免疫電気泳動法からなる群より選ばれる、請求項48の方法。 50.請求項1のDNA分子のヌクレオチド配列を核酸ハイブリダイゼーショ ン検定のプローブとして準備し;該プローブをサンプルと接触せしめ;結核菌が サンプル中に存在することを表す反応を検出することを含む、組織または体液の サンプル中の結核菌を検定する方法。 51.請求項1のDNA分子のヌクレオチド配列を遺伝子増幅検定方法のプロ ーブとして準備し;該プローブをサンプルと接触せしめ;結核菌がサンプル中に 存在することを表す反応を検出することを含む、組織または体液サンプル中の結 核菌を検定する方法。 52.哺乳動物細胞により取り込むための物質および;請求項8のタンパク質 またはポリペプチド(該タンパク質は該物質と結合している)からなる哺乳動物 細胞への物質の取り込みのための産物。 53.該タンパク質またはポリペプチドが分子量約50−55キロダルトンを 有する、請求項52の産物。 54.該タンパク質またはポリペプチドが配列番号2に対応するアミノ酸配列 を有する、請求項53の産物。 55.該タンパク質またはポリペプチドが分子量24−28キロダルトンを有 する、請求項52の産物。 56.該タンパク質またはポリペプチドが配列番号4に対応するアミノ酸配列 を有する、請求項55の産物。 57.該タンパク質またはポリペプチドが精製されている、請求項55の産物 。 58.該物質が抗生物質、DNAフラグメント、抗癌剤およびその混合物から なる群より選ばれる、請求項55の産物。 59.物質を哺乳動物細胞に請求項8のタンパク質またはポリペプチドでもっ て導くことを含む、細胞内取り込み方法。 60.該タンパク質またはポリペプチドが分子量約50−55キロダルトンを 有する、請求項59の産物。 61.該タンパク質またはポリペプチドが配列番号2に対応するアミノ酸配列 を有する、請求項59の産物。 62.該タンパク質またはポリペプチドが分子量24−28キロダルトンを有 する、請求項59の産物。 63.該タンパク質またはポリペプチドが配列番号4に対応するアミノ酸配列 を有する、請求項59の産物。 64.該タンパク質またはポリペプチドが精製されている、請求項59の産物 。 65.該物質が抗生物質、DNAフラグメント、抗癌剤およびその混合物から なる群より選ばれる、請求項62の方法。 66.哺乳動物細胞がマクロファージである、請求項62の方法。 67.該方法が細胞性免疫を誘発する、請求項66の方法。 68.哺乳動物細胞により取り込むための物質および;請求項12のタンパク 質またはポリペプチド(該タンパク質は該物質と結合している)からなる哺乳動 物細胞への物質の取り込みのための産物。 69.物質を哺乳動物細胞に請求項12のタンパク質またはポリペプチドでも って導くことを含む、細胞内取り込み方法。
JP8525764A 1995-02-22 1996-02-20 結核菌の細胞内取り込みをコードするdna分子およびその利用 Pending JPH11500316A (ja)

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