JPH1148742A - 車両用空調装置 - Google Patents
車両用空調装置Info
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- JPH1148742A JPH1148742A JP21354197A JP21354197A JPH1148742A JP H1148742 A JPH1148742 A JP H1148742A JP 21354197 A JP21354197 A JP 21354197A JP 21354197 A JP21354197 A JP 21354197A JP H1148742 A JPH1148742 A JP H1148742A
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Abstract
の不快感を低減できる車両用空調装置を提供すること。 【解決手段】 例えば、ウォームアップ時において、選
択された吹出口モードがフットモードの時は、各サイド
フェイス吹出口32に具備された左右スイングルーバの
傾き角θを決定する。具体的には、各サイドフェイス吹
出口32から吹き出される風が直接乗員に当たらない様
に、サイドウィンドウ68側へ所定角度(例えば+50
度)だけ傾ける。また、その後、水温TWの上昇に伴っ
て吹出口モードが変更した場合、例えばフットモードか
らバイレベルモードに切り替わった場合には、各センタ
フェイス吹出口31に具備された左右スイングルーバの
傾き角θを決定する。具体的には、各センタフェイス吹
出口31から吹き出される風が直接乗員に当たらない様
に、車室内中央側へ所定角度(例えば+5度)だけ傾け
る。
Description
される吹出風の方向を変更できる風向可変手段を備えた
車両用空調装置に関する。
ン冷却水を暖房用の熱源として利用する場合、エンジン
始動直後は未だエンジン冷却水の温度(以下、水温と言
う)が低いため、エンジン始動と同時に送風機を作動さ
せると、乗員の足元に冷風が吹き出されてしまう。そこ
で、水温が所定の温度に達するまで送風機を停止し、水
温が所定の温度に達した後は、水温上昇に応じて送風機
の回転数(送風量)を高くしていく風量制御が行われて
いる。
の温度に達して送風が開始されても、吹出口へ送風空気
を送るダクト自体が冷えているため、温水との熱交換に
よって加熱された空気がダクトを流れる間に放熱して吹
出口に到達するまでに冷やされてしまう。従って、例え
ば吹出口モードがフットモードであれば、一般にはサイ
ドフェイス吹出口からも空気が吹き出される構成である
ため、図14のグラフaに示す様に、送風開始から暫く
の間(数十秒)は大変冷たい風がサイドフェイス吹出口
から乗員に吹き出されてしまうという問題があった。な
お、図14は外気温度が−10℃の時の水温とサイドフ
ェイス吹出口の吹出温度との関係を示すグラフであり、
送風開始から暫くの間は水温と吹出温度との差が大きい
ことが分かる。本発明は、上記事情に基づいて成された
もので、その目的は、送風開始時に吹き出される吹出風
による乗員の不快感を低減できる車両用空調装置を提供
することにある。
少なくとも所定時間は、吹出口から吹き出される吹出風
が直接乗員に当たらない方向へ風向可変手段を作動させ
ることを特徴とする。これにより、例えば暖房運転のウ
ォームアップ時(暖房開始時)であれば、ダクト自体が
冷えていても、送風開始から少なくとも所定時間は、吹
出口から吹き出される冷たい風が直接乗員に当たること
がないため、冷たい風が当たることによる乗員の不快感
を防ぐことができる。また、送風開始から少なくとも所
定時間の間、ダクト内を流れる温風によってダクトが暖
められるため、その後、吹出口より吹き出される吹出風
が直接乗員に当たる方向へ風向可変手段を作動させれ
ば、適度な温風を乗員に向けて吹き出すことができるた
め、快適な暖房感が得られる。
始時)であれば、ダクト自体が熱くなっていても、送風
開始から少なくとも所定時間は、吹出口から吹き出され
る温かい風が直接乗員に当たることがないため、温かい
風が当たることによる乗員の不快感を防ぐことができ
る。また、送風開始から少なくとも所定時間の間、ダク
ト内を流れる冷風によってダクトが冷やされるため、そ
の後、吹出口より吹き出される吹出風が直接乗員に当た
る方向へ風向可変手段を作動させれば、適度な冷風を乗
員に向けて吹き出すことができるため、快適な冷房感が
得られる。
転において、運転開始の指令を受けてから所定時間だけ
送風を停止する風量制御を行うことを特徴とする。この
場合、暖房運転であれば、送風が開始されるまでの間
に、暖房用熱源(例えばエンジン冷却水)の温度を所定
温度まで上昇させることができるため、それから送風を
開始することによって冷たい風が車室内に長時間吹き出
されるのを防止できる。また、冷房運転であれば、送風
が開始されるまでの間に、冷却用熱交換器(例えば冷凍
サイクルのエバポレータ)を十分に冷やすことができる
ため、それから送風を開始することによって温かい風が
車室内に長時間吹き出されるのを防止できる。
ェイス吹出口より吹き出される吹出風が車両のサイドウ
ィンドウ側へ流れる様に風向可変手段を作動させ、セン
タフェイス吹出口より吹き出される吹出風が車室内中央
側へ流れる様に風向可変手段を作動させることを特徴と
する。これにより、送風開始から少なくとも所定時間
は、サイドフェイス吹出口より吹き出される吹出風及び
センタフェイス吹出口より吹き出される吹出風が直接乗
員に当たることを防止できる。
から最初に吹き出される吹出開始時とセンタフェイス吹
出口から最初に吹き出される吹出開始時とが異なる場合
であって、制御手段は、少なくとも何方か一方の吹出口
より吹き出される吹出風が直接乗員に当たらない方向へ
風向可変手段を作動させることを特徴とする。この場
合、例えば、サイドフェイスダクト内への送風が開始さ
れてから少なくとも所定時間はサイドフェイス吹出口か
ら吹き出される吹出風が直接乗員に当たらない方向へ風
向可変手段を作動させることができる。または、センタ
フェイスダクト内への送風が開始されてから少なくとも
所定時間はセンタフェイス吹出口から吹き出される吹出
風が直接乗員に当たらない方向へ風向可変手段を作動さ
せることができる。なお、好ましくは、吹出開始時が早
い方の吹出口から吹き出される吹出風が直接乗員に当た
らない方向へ風向可変手段を作動させることが望まし
い。
の吹出口に具備された風向可変手段と、助手席側の吹出
口に具備された風向可変手段とを独立に制御できる。こ
れにより、運転席側と助手席側とで吹出口モードが異な
る場合でも、運転席側と助手席側とでそれぞれの吹出口
モードに対応した風向可変手段の制御を行うことができ
る。
り吹き出される吹出風が車室内の上方または下方へ流れ
る様に風向可変手段の作動を制御する。これにより、送
風開始から少なくとも所定時間は、吹出口より吹き出さ
れる吹出風が直接乗員に当たることを防止できる。な
お、風向可変手段は、上下方向と左右方向とを複合して
制御しても良い。
図面に基づいて説明する。図1はドライバー側のサイド
フェイス吹出口より吹き出される吹出風のスイング角度
を示す模式図である。本実施例の車両用空調装置1は、
図2(車両用空調装置の全体構成図)に示す様に、車室
内へ空気を送るための送風ダクト2を備え、この送風ダ
クト2の上流端に内外気切替手段(下述する)を備えた
送風機3が接続されている。
導入するための内気導入口4と車室外空気(外気)を導
入するための外気導入口5とを有する内外気切替箱6
と、この内外気切替箱6に回転自在に支持されて、内気
導入口4と外気導入口5とを選択的に切り替える内外気
切替ドア7を備える。この内外気切替ドア7は、サーボ
モータ等のアクチュエータ8により駆動され、そのアク
チュエータ8は後述のエアコン制御装置(以下ECU9
と言う)により通電制御される。送風機3は、内外気切
替箱6と一体に形成されたファンケース10と、このフ
ァンケース10に収容されるファン11と、このファン
11を回転駆動するファンモータ12から成り、このフ
ァンモータ12への印加電圧(制御電圧VA)に応じて
ファンモータ12の回転速度(送風量)が決定される。
なお、ファンモータ12は、印加電圧を可変するモータ
駆動回路13を通じてECU9により通電制御される。
た空気(以下送風空気と言う)を冷却する冷却用熱交換
器14が配され、この冷却用熱交換器14より空気下流
側に送風空気を加熱する加熱用熱交換器15が配されて
いる。冷却用熱交換器14は、例えば冷凍サイクルのエ
バポレータであり、エバポレータ内部を流通する低温冷
媒との熱交換によって送風空気を冷却する。加熱用熱交
換器15は、例えばエンジン冷却水を熱源とする温水式
ヒータコアであり、ヒータコア内を流通するエンジン冷
却水(温水)との熱交換によって送風空気を加熱する。
送風ダクト2内は、冷却用熱交換器14より下流側が仕
切り板16によって運転席の乗員(以下ドライバーと言
う)へ空気を供給するための第1空気通路17と、助手
席の乗員(以下パッセンジャーと言う)へ空気を供給す
るための第2空気通路18とに分けられている。なお、
冷却用熱交換器14は、送風ダクト2内の全面に渡って
配され、加熱用熱交換器15は、仕切り板16を貫通し
て第1空気通路17内と第2空気通路18内とに配され
ている。
5を迂回する第1バイパス通路19と、第1空気通路1
7を流れてドライバーへ吹き出される送風空気の温度を
調節する第1エアミックスドア20が設けられている。
この第1エアミックスドア20は、第1バイパス通路1
9を通過する空気量と第1空気通路17に配された加熱
用熱交換器15を通過する空気量との割合を調節するも
ので、サーボモータ等のアクチュエータ21により駆動
され、そのアクチュエータ21はECU9により通電制
御される。第2空気通路18には、加熱用熱交換器15
を迂回する第2バイパス通路22と、第2空気通路18
を流れてパッセンジャーへ吹き出される送風空気の温度
を調節する第2エアミックスドア23が設けられてい
る。この第2エアミックスドア23は、第2バイパス通
路22を通過する空気量と第2空気通路18に配された
加熱用熱交換器15を通過する空気量との割合を調節す
るもので、サーボモータ等のアクチュエータ24により
駆動され、そのアクチュエータ24はECU9により通
電制御される。
17に通じるドライバー側フェイスダクト25とデフロ
スタダクト26とドライバー側フットダクト27、及び
第2空気通路18に通じるパッセンジャー側フェイスダ
クト28とパッセンジャー側フットダクト29が接続さ
れている。ドライバー側フェイスダクト25は、ドライ
バーの上半身へ向けて主に冷風を供給するための通路
で、通路途中から二間に分岐して設けられ、一方が車室
内前面に配されたダッシュボード30(図6参照)の略
中央部に開口するドライバー側センタフェイス吹出口3
1(図6参照)に接続され、他方がダッシュボード30
の運転席側端部に開口するドライバー側サイドフェイス
吹出口32(図6参照)に接続されている。デフロスタ
ダクト26は、車両のフロントガラス(図示しない)へ
向けて主に温風を供給するための通路で、ダッシュボー
ド30の上面に開口するデフロスタ吹出口33に接続さ
れている。ドライバー側フットダクト27は、ドライバ
ーの足元へ向けて主に温風を供給するための通路で、ド
ライバーの足元近傍に開口するドライバー側フット吹出
口34に接続されている。
は、ドライバー側フェイス吹出口31とドライバー側サ
イドフェイス吹出口32とを選択的に開閉できるモード
切替ドア35が設けられ、デフロスタダクト26とドラ
イバー側フットダクト27の上流側開口部には、それぞ
れの開口部を開閉するモード切替ドア36、37が設け
られている。これら各モード切替ドア35、36、37
の開閉状態に応じて、フットモード、バイレベルモー
ド、フェイスモード、デフモード、フット/デフモード
等の周知の各吹出口モードが得られる。モード切替ドア
35、36、37は、サーボモータ等のアクチュエータ
38、39により駆動され、そのアクチュエータ38、
39はECU9により通電制御される(図2参照)。
8は、パッセンジャーの上半身へ向けて主に冷風を供給
するための通路で、通路途中から二間に分岐して設けら
れ、一方がダッシュボード30の略中央部に開口するパ
ッセンジャー側センタフェイス吹出口40(図6参照)
に接続され、他方がダッシュボード30の助手席側端部
に開口するパッセンジャー側サイドフェイス吹出口41
(図6参照)に接続されている。パッセンジャー側フッ
トダクト29は、パッセンジャーの足元へ向けて主に温
風を供給するための通路で、パッセンジャーの足元近傍
に開口するパッセンジャー側フット吹出口42に接続さ
れている。
8には、パッセンジャー側フェイス吹出口40とパッセ
ンジャー側サイドフェイス吹出口41とを選択的に開閉
できるモード切替ドア43が設けられ、パッセンジャー
側フットダクト29の上流側開口部には、その開口部を
開閉するモード切替ドア44が設けられている。これら
各モード切替ドア43、44の開閉状態に応じて、フッ
トモード、バイレベルモード、フェイスモード等の周知
の各吹出口モードが得られる。各モード切替ドア43、
44は、サーボモータ等のアクチュエータ45により駆
動され、そのアクチュエータ45はECU9により通電
制御される(図2参照)。なお、ドライバー側フェイス
ダクト25に設けられたモード切替ドア35とパッセン
ジャー側フェイスダクト28に設けられたモード切替ド
ア43は、フットモードが選択された時に、センタフェ
イス吹出口31、40側を閉じてサイドフェイス吹出口
32、41側を開く様に作動する。
ドライバー側サイドフェイス吹出口32、及びパッセン
ジャー側フェイス吹出口40とパッセンジャー側サイド
フェイス吹出口41には、図3に示す様に、吹出風の方
向を変更できる風向可変手段46が具備されている。こ
の風向可変手段46は、吹出風の方向を左右方向(車幅
方向)に変更するための左右スイング部47と、吹出風
の方向を上下方向に変更するための上下スイング部48
とを備える。なお、各吹出口31、32、40、41に
具備された風向可変手段46は、略同様の構成であるた
め、同一符号を付して説明する。左右スイング部47
は、図4に示す様に、左右方向の角度調節が可能な複数
の左右スイングルーバ49、各左右スイングルーバ49
を駆動するための回転力を発生するモータ50、及びモ
ータ50の回転力を各左右スイングルーバ49に伝達す
るアーム51とリンクレバー52から構成される。
上下方向の角度調節が可能な複数の上下スイングルーバ
53、各上下スイングルーバ53を駆動するための回転
力を発生するモータ54、及びモータ54の回転力を各
上下スイングルーバ53に伝達するアーム55とリンク
レバー56から構成される。左右スイング部47のモー
タ50と上下スイング部48のモータ54は、それぞれ
ポテンショメータ57、58の検出値(抵抗比)に基づ
いてECU9により通電制御される。左右スイング部4
7のポテンショメータ57は、各左右スイングルーバ4
9の傾き角θ(リンクレバー52の位置)を抵抗比によ
って検出し、上下スイング部48のポテンショメータ5
8は、各上下スイングルーバ53の傾き角θ(リンクレ
バー56の位置)を抵抗比によって検出することができ
る。
ラムや各種演算式等が記憶されたマイクロコンピュータ
を内蔵するもので、エアコン操作パネル59(図6参
照)での各種操作に基づいて出力される操作信号、およ
び空調制御に係わる各種検出手段(下述する)からの検
出信号を入力し、これらの入力信号を制御プログラムに
従って演算処理した後、その処理結果に基づいて前述の
各種アクチュエータ及びモータ駆動回路13を通電制御
する。各種検出手段としては、車室内空気の温度Trを
検出する内気センサ60、外気温度Tamを検出する外気
センサ61、日射量Tsを検出する日射センサ62、冷
却用熱交換器14(エバポレータ)を通過した空気の温
度TEを検出するエバ後温度センサ63、加熱用熱交換
器15(ヒータコア)に供給されるエンジン冷却水の温
度TWを検出する水温センサ64等が設けられている
(図2参照)。
ダッシュボード30に組み込まれ(図6参照)、そのパ
ネル59上には、ドライバー側の温度設定スイッチ6
5、パッセンジャー側の温度設定スイッチ66、風向可
変手段46をマニュアル操作により作動させるためのス
イングスイッチ67、以下図示しないが、ECU9に対
して空調制御指令を出力するオートスイッチ、ECU9
に対して作動停止指令を出力するオフスイッチ、ドライ
バー側の吹出口モード切替スイッチ、パッセンジャー側
の吹出口モード切替スイッチ等が設けられている。な
お、これらの各種スイッチ類は、リモートコントローラ
(図示しない)に設定しても良い。
いて説明する。図7はECU9の制御プログラムの一例
を示すフローチャートである。ECU9は、エアコン操
作パネル59でオートスイッチがオン操作されると、以
下の制御プログラムに従って空調制御を実行する。初め
に、データ処理用メモリの記憶内容等を初期化する(ス
テップ100)。続いて、エアコン操作パネル59の温
度設定スイッチ65、66で設定された設定温度(ドラ
イバー側とパッセンジャー側)、及び各種検出手段の検
出信号を読み込んでデータ処理用メモリに記憶する(ス
テップ110)。続いて、読み込んだデータと下記の数
式、に基づいて、ドライバー側の目標吹出温度TA
O(Dr)とパッセンジャー側の目標吹出温度TAO(Pa)を
演算する(ステップ120)。
れドライバー側とパッセンジャー側の温度設定スイッチ
65、66で設定された設定温度であり、Kset 、K
r、Kam、Ks、Kd(Dr)、Kd(Pa)は、それぞれ温度
設定ゲイン、内気温度ゲイン、外気温度ゲイン、日射量
ゲイン、ドライバー側の温度差補正ゲイン、パッセンジ
ャー側の温度差補正ゲインを表す。また、Ka(Dr)、K
a(Pa)は、それぞれ外気温度Tamがドライバー側とパッ
センジャー側の各空調温度に及ぼす影響度合いを補正す
るゲイン、Cd(Dr)、Cd(Pa)は、上記影響度合いに応
じた定数、Cは補正定数を表す。但し、Ka(Dr)、Ka
(Pa)、Cd(Dr)、Cd(Pa)の各値は、車両の形状や大き
さ、各吹出口より吹き出される吹出風の風向等、様々な
パラメータで変化する。
O(Dr)及びTAO(Pa)に基づいて、送風機3の制御電圧
VA(ファンモータ12への印加電圧)を演算する(ス
テップ130)。この制御電圧VAは、ステップ120
で演算されたTAO(Dr)及びTAO(Pa)にそれぞれ適合
した制御電圧VA(Dr)及びVA(Pa)を図8に示すブロワ
特性図より求めた後、それらの制御電圧VA(Dr)及びV
A(Pa)を平均することにより得ている。但し、夏場の冷
房運転開始時(クールダウン時)及び冬場の暖房運転開
始時(ウォームアップ時)には、車両のイグニッション
スイッチ(図示しない)をオンしてから所定時間だけ送
風を停止する。つまり、車室内の熱負荷が大きい冷房運
転開始時には、イグニッションスイッチをオンした直後
の熱風吹出による乗員の不快感を防止する目的で送風機
3の遅動制御が行われる。これは、図9に示す遅動制御
特性に基づいて行われるもので、例えば、イグニッショ
ンスイッチがオンされた時刻t0 から時刻t1 までの間
(例えば8秒)はファンモータ12をオフし、時刻t1
から時刻t2 までの間(例えば2秒)は、送風レベル
「Lo(設定されている最小風量)」が得られる様にフ
ァンモータ12へ制御電圧を印加し、更に時刻t2 から
時刻t3 までの間(例えば5秒)は、送風レベルが「L
o」から「Hi(設定されている最大風量)」へ徐々に
増大する様にファンモータ12への制御電圧を可変す
る。そして、時刻t3 以降は、図8に示したブロワ特性
図に基づいて制御電圧を決定する。
ンスイッチをオンした直後の冷風吹出による乗員の不快
感を防止する目的で送風機3の遅動制御が行われる。こ
れは、図10に示す水温遅動制御特性に基づいて行われ
るもので、例えば、水温センサ64によって検出される
水温TWが所定水温Tw1(例えば50℃)以下に低下し
ている時はファンモータ12をオフし、水温TWが所定
水温Tw1を越えて設定水温Tw2(例えば70℃)に達す
るまでは、水温上昇に伴って風量レベルが徐々に増大す
る様にファンモータ12への制御電圧を可変する。そし
て、水温センサ64によって検出される水温TWが設定
水温Tw2以上に上昇した時には、図8に示したブロワ特
性図に基づいて制御電圧を決定する。ステップ130で
送風機3の制御電圧VAを演算した後、ステップ120
で演算されたTAO(Dr)及びTAO(Pa)に基づいて、図
11に示す吹出口モード特性図より、それぞれドライバ
ー側の吹出口モードとパッセンジャー側の各吹出口モー
ドを決定する(ステップ140)。
口モードに基づいて、風向可変手段46の左右スイング
ルーバ49の制御目標位置(傾き角θ)を求める(ステ
ップ150)。なお、各センタフェイス吹出口31、4
0に具備された左右スイングルーバ49の傾き角θは、
図1(ドライバー側の吹出口31、32を示す)に示す
様に、吹出口31、40から真正面に向けて空気を吹き
出させる時の位置Aを基準(0度)として、乗員側(ド
ライバー側センタフェイス吹出口31であればドライバ
ー側、パッセンジャー側センタフェイス吹出口40であ
ればパッセンジャー側)をマイナスの値、車室内中央側
をプラスの値として説明する。また、各サイドフェイス
吹出口32、41に具備された左右スイングルーバ49
の傾き角θは、吹出口32、41から真正面に向けて空
気を吹き出させる時の位置Bを基準(0度)として、乗
員側をマイナスの値、車両のサイドウィンドウ68側を
プラスの値として説明する。従って、ドライバー側の吹
出口31、32とパッセンジャー側の吹出口40、41
とでは、左右スイングルーバ49の傾き角θが共にプラ
ス側の値およびマイナス側の値でも、吹出風の方向は反
対方向となる。
時)において、選択された吹出口モードがフットモード
の時は、各フット吹出口34、42とともに各サイドフ
ェイス吹出口32、41からも風が吹き出されるため、
この場合は各サイドフェイス吹出口32、41に具備さ
れた左右スイングルーバ49の傾き角θを決定する。具
体的には、各サイドフェイス吹出口32、41から吹き
出される風が直接乗員に当たらない様に、サイドウィン
ドウ68側(つまりプラス側)へ所定角度(例えば+5
0度)だけ傾ける(図1参照)。また、その後、水温T
Wの上昇に伴って吹出口モードが変更した場合、例えば
フットモードからバイレベルモードに切り替わった場合
には、各フット吹出口34、42とともに各センタフェ
イス吹出口31、40からも風が吹き出されるため、こ
の場合は各センタフェイス吹出口31、40に具備され
た左右スイングルーバ49の傾き角θを決定する。具体
的には、各センタフェイス吹出口31、40から吹き出
される風が直接乗員に当たらない様に、車室内中央側
(つまりプラス側)へ所定角度(例えば+5度)だけ傾
ける(図1参照)。
において、選択された吹出口モードがフェイスモードの
時は、4か所のフェイス吹出口31、32、40、41
から風が吹き出されるため、各センタフェイス吹出口3
1、40に具備された左右スイングルーバ49と各サイ
ドフェイス吹出口32、41に具備された左右スイング
ルーバ49の傾き角θを上記の様に決定する。なお、左
右スイングルーバ49の作動は、選択された吹出口3
2、41(または31、40)から風が出始めてから少
なくとも所定時間継続し、その後は乗員側(マイナス
側)へ向けても良いし、プラス側とマイナス側との間で
スイングさせても良い。但し、ウォームアップ時あるい
はクールダウン時において、吹出口モードが変更する場
合は、変更後の吹出口からは初めて風が吹き出されるた
め、その変更後の吹出口に具備された左右スイングルー
バ49も作動させる。例えば、ウォームアップ時では、
図12に示す様に、水温TWが所定温度Tw1に達した時
点でフットモードが選択されると、この時点から少なく
とも所定時間t1 だけは各サイドフェイス吹出口32、
41に具備された左右スイングルーバ49をサイドウィ
ンドウ68側へ傾け、その後、水温上昇によって吹出口
モードがバイレベルモードに変わった時は、その時点か
ら少なくとも所定時間t2 だけは各センタフェイス吹出
口31、40に具備された左右スイングルーバ49を車
室内中央側へ傾ける。左右スイングルーバ49の作動時
間は、ECU9に内蔵されたタイマによってカウントし
ても良いし、各吹出口31、32、40、41の出口に
吹出温度を検出するセンサを取り付け、そのセンサの検
出値に基づいて決定しても良い。
の制御目標位置(傾き角θ)を決定した後、ドライバー
側の目標吹出温度TAO(Dr)及びパッセンジャー側の目
標吹出温度TAO(Pa)をそれぞれ実現するために、下記
の数式、に基づいて第1エアミックスドア20の開
度SW(Dr)(%)と第2エアミックスドア23の開度S
W(Pa)(%)を演算する(ステップ160)。
VAが送風機3(ファンモータ12)に印加される様に
モータ駆動回路13へ制御信号を出力する(ステップ1
70)。続いて、ステップ160で演算した目標開度S
W(Dr)及びSW(Pa)が得られる様に、各エアミックスド
ア20、23を駆動するアクチュエータ21、24へ制
御信号を出力する(ステップ180)。続いて、ステッ
プ140で決定したドライバー側の吹出口モード及びパ
ッセンジャー側の各吹出口モードが得られる様に、各ア
クチュエータ38、39、40へ制御信号を出力する
(ステップ190)。続いて、ステップ150で求めた
左右スイングルーバ49の制御目標位置(傾き角θ)が
得られる様に、左右スイング部47のモータ50へ制御
信号を出力する(ステップ200)。
房運転のウォームアップ時及び冷房運転のクールダウン
時に、送風ダクト2内への送風が開始されてから少なく
とも所定時間は、吹出口32、41(または31、4
0)から吹き出される吹出風が直接乗員に当たらない方
向へ左右スイングルーバ49を作動させることにより、
ウォームアップ時であれば冷たい風、クールダウン時で
あれば熱風が直接乗員に当たることによる不快感を防止
できる。ウォームアップ時を例として説明すると、図1
3に示す様に、エンジンスタート(イグニッションスイ
ッチ:オン)から2分経過した時、水温センサ64で検
出される水温TWが予め定めてあった所定水温Tw1(図
10参照)まで上昇すると、風量レベルが徐々に上がり
始める。ここで、例えば吹出口モードがフットモードに
なっていたとすると、各サイドフェイス吹出口32、4
1からは、外気温度と略同等の冷風(約−10℃)が出
ていることになる(図14参照)。このため、各サイド
フェイス吹出口32、41から風が出る前に左右スイン
グルーバ49をサイドウィンドウ68側(プラス側)へ
50度程度傾ける。これにより、各サイドフェイス吹出
口32、41から吹き出される風は、図1の実線Cに示
す様に、サイドウィンドウ68側へ吹き付けられて乗員
には当たらない。
と、ダクト(各フェイスダクト25、28の分岐点から
吹出口32、41までの通路)自体が暖められるため、
左右スイングルーバ49を乗員側へ向けても各サイドフ
ェイス吹出口32、41から冷風が吹き出されることは
なく、水温TWに応じた温風が吹き出されて快適な暖房
感を得ることができる。なお、上記の状態を所定時間継
続した後は、乗員の暖房のために左右スイングルーバ4
9を乗員側へ向けても良いし、サイドウィンドウ68の
曇り防止のためにサイドウィンドウ68側へ向け続けて
も良い。あるいは、両方の目的を得るために乗員側とサ
イドウィンドウ68側との間でスイングさせても良い。
た場合には、各センタフェイス吹出口31、40と各サ
イドフェイス吹出口32、41の4か所から風が吹き出
される。この時、先程まで風が出ていた各サイドフェイ
ス吹出口32、41は、すでにダクト自体が暖められて
いるために各吹出口32、41より吹き出される風を乗
員側へ向けても問題はないが、各センタフェイス吹出口
31、40に通じるダクト(各フェイスダクト25、2
8の分岐点から吹出口31、40までの通路)は未だ外
気温度近く(約−10℃)になっているため、各センタ
フェイス吹出口31、40から初めて出る風は、外気温
度に近い冷風となる。そこで、今度は各センタフェイス
吹出口31、40に具備された左右スイングルーバ49
を車室内中央側(プラス側)へ5度程度傾ける。これに
より、各センタフェイス吹出口31、40から吹き出さ
れる風は、図1の実線Dに示す様に、車室内中央側へ吹
き付けられて乗員には当たらない。この状態を所定時間
(数十秒)続けた後は、乗員を暖めるために左右スイン
グルーバ49を乗員の方へ向けても良いし、後席側の暖
房補助のために車室内中央側を向け続けても良い。
口31、32、40、41に具備された風向可変手段4
6に左右スイング部47と上下スイング部48とを備え
るが、本実施例の効果を得るためであれば左右スイング
部47だけでも良い。また、上記実施例では、送風ダク
ト2内に第1空気通路17と第2空気通路18とを設け
てドライバー側とパッセンジャー側とを独立に空調制御
できる例について説明したが、ドライバー側とパッセン
ジャー側とを分けることなく、一様に空調制御する構成
でも本発明を適用できることは言うまでもない。上記実
施例では、送風ダクト2内への送風が開始されてから少
なくとも所定時間は、吹出口32、41(または31、
40)から吹き出される吹出風が直接乗員に当たらない
方向へ左右スイングルーバ49を作動させているが、例
えば冷房時であれば、エバ後温度TEが所定の温度に下
がるまで、また暖房時であれば、水温TWが所定の温度
に達するまで、吹出風が直接乗員に当たらない様に、各
左右スイングルーバ49を作動させても良い。
更後の吹出口に具備された左右スイングルーバ49を所
定角度だけ傾ける様に制御しているが、最初に選択され
る吹出口に具備された左右スイングルーバ49だけを所
定角度だけ傾ける様に制御しても良い。また、クールダ
ウン時及びウォームアップ時に送風機3を遅動制御して
いるが、必ずしも遅動制御を実行する必要はない。即
ち、イグニッションスイッチがオンされると直ぐに送風
が開始される場合でも、送風ダクト2への送風が開始さ
れてから少なくとも所定時間は、吹出口から吹き出され
る吹出風が直接乗員に当たらない方向へ左右スイングル
ーバ49を傾ければ良い。更に、本実施例では、左右ス
イングルーバ49によって吹出風が直接乗員に当たらな
い方向へ制御しているが、上下スイングルーバ53によ
って制御しても良い。例えば、吹出風が車室内の上方ま
たは下方へ流れる様に上下スイングルーバ53の傾き角
を制御すれば、吹出風が直接乗員に当たるのを避けるこ
とが可能である。また、左右スイングルーバ49と上下
スイングルーバ53の両方で吹出風が直接乗員に当たら
ない様に制御しても良い。
標吹出温度TAO(Dr)及びTAO(Pa)の演算時におい
て、ドライバー側とパッセンジャー側との差に対応した
各演算項の補正を外気温度Tamにより行う構成とした
が、これに代えて、数式、における各演算項の補正
を、それぞれに対応した目標吹出温度TAO(Dr)及びT
AO(Pa)の高低に応じて行う構成としても同等の効果が
得られる。また、吹出口モードは、目標吹出温度TAO
(Dr)及びTAO(Pa)により決定されるものであり、しか
も、実際に車室内の空気の流れを考慮した場合、ドライ
バー側とパッセンジャー側への吹出温度や各乗員での気
流干渉状態が吹出口モード毎に相違していることも十分
考えられるため、数式、における設定温度Tset (D
r)及びTset (Pa)の差に対応した各演算項の補正を、そ
れぞれに対応した吹出口モードにより行う構成とした場
合でも相応の効果が得られる。
出される吹出風のスイング角度を示す模式図である。
である。
る。
図である。
制御特性図である。
である。
ャートである。
る。
との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】乗員に向けて空気を吹き出すための吹出口
を有するダクトと、 前記吹出口より吹き出される吹出風の方向を変更できる
風向可変手段と、 前記ダクト内への送風が開始されてから少なくとも所定
時間は、前記吹出口から吹き出される吹出風が直接乗員
に当たらない方向へ前記風向可変手段を作動させる制御
手段とを備えたことを特徴とする車両用空調装置。 - 【請求項2】暖房運転または冷房運転において、運転開
始の指令を受けてから所定時間だけ送風を停止する風量
制御を行うことを特徴とする請求項1に記載した車両用
空調装置。 - 【請求項3】請求項1または2に記載した車両用空調装
置において、 前記ダクトは、車室内前面の略中央部に開口するセンタ
フェイス吹出口を有するセンタフェイスダクトと、前記
センタフェイス吹出口より車両サイド側に開口するサイ
ドフェイス吹出口を有するサイドフェイスダクトであ
り、 前記制御手段は、前記サイドフェイス吹出口より吹き出
される吹出風が車両のサイドウィンドウ側へ流れる様に
前記風向可変手段を作動させ、前記センタフェイス吹出
口より吹き出される吹出風が車室内中央側へ流れる様に
前記風向可変手段を作動させることを特徴とする車両用
空調装置。 - 【請求項4】請求項3に記載した車両用空調装置におい
て、 前記サイドフェイス吹出口から最初に吹き出される吹出
開始時と前記センタフェイス吹出口から最初に吹き出さ
れる吹出開始時とが異なる場合であって、 前記制御手段は、少なくとも何方か一方の吹出口より吹
き出される吹出風が直接乗員に当たらない方向へ前記風
向可変手段を作動させることを特徴とする車両用空調装
置。 - 【請求項5】運転席側と助手席側とで吹出口モードをそ
れぞれ独立に変更可能に設けられ、 前記制御手段は、運転席側の前記吹出口に具備された前
記風向可変手段と、助手席側の前記吹出口に具備された
前記風向可変手段とを独立に制御できることを特徴とす
る請求項1〜4に記載した何れかの車両用空調装置。 - 【請求項6】前記制御手段は、前記吹出口より吹き出さ
れる吹出風が車室内の上方または下方へ流れる様に前記
風向可変手段の作動を制御することを特徴とする請求項
1、2、4、5に記載した何れかの車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21354197A JP3799760B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21354197A JP3799760B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 車両用空調装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1148742A true JPH1148742A (ja) | 1999-02-23 |
JP3799760B2 JP3799760B2 (ja) | 2006-07-19 |
Family
ID=16640908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21354197A Expired - Fee Related JP3799760B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 車両用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3799760B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010076652A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Denso Corp | 送風装置及び覚醒装置 |
KR101230347B1 (ko) | 2010-12-15 | 2013-02-06 | 콘티넨탈 오토모티브 일렉트로닉스 유한회사 | 공조장치에서의 토출방향 자동 조절장치 |
JP2017140882A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 株式会社デンソー | 車両用空調装置 |
JP2019209841A (ja) * | 2018-06-05 | 2019-12-12 | マツダ株式会社 | 車両用温度調整装置 |
-
1997
- 1997-08-07 JP JP21354197A patent/JP3799760B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101230347B1 (ko) | 2010-12-15 | 2013-02-06 | 콘티넨탈 오토모티브 일렉트로닉스 유한회사 | 공조장치에서의 토출방향 자동 조절장치 |
JP2017140882A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 株式会社デンソー | 車両用空調装置 |
WO2017138272A1 (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 株式会社デンソー | 車両用空調装置 |
JP2019209841A (ja) * | 2018-06-05 | 2019-12-12 | マツダ株式会社 | 車両用温度調整装置 |
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JP3799760B2 (ja) | 2006-07-19 |
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