JPH1147999A - サーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法 - Google Patents

サーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法

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JPH1147999A
JPH1147999A JP22314297A JP22314297A JPH1147999A JP H1147999 A JPH1147999 A JP H1147999A JP 22314297 A JP22314297 A JP 22314297A JP 22314297 A JP22314297 A JP 22314297A JP H1147999 A JPH1147999 A JP H1147999A
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隆 広津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周辺機器との連動加工システムでの生産速度
を向上できるサーボプレスの周辺機器制御装置及びその
方法を提供する。 【解決手段】 電動サーボモータ4により駆動されて直
動するスライド2を、素材を供給する周辺機器10と連
動運転し、素材の打抜きを行うサーボプレスの周辺機器
制御装置において、スライド位置検出手段33と、スラ
イド荷重を検出する荷重検出手段34と、スライド位置
データの増加又は減少に基づいて上昇行程又は下降行程
を判別する上昇/下降行程判別手段37と、荷重が増加
開始するときのスライド位置を素材の上面位置Cとして
記憶する荷重発生位置検出手段41と、前記上昇行程中
に上面位置Cの近傍に来たときに、周辺機器10に起動
信号を出力する起動信号生成手段38とを備える。又
は、上面位置Cより上昇余裕距離αだけ上方の位置Aに
来たとき前記起動信号を出力してもよい。また、打ち抜
き時のスライド位置に基づいて前記上面位置Cを算出し
てもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動サーボモータ
によってスライドが駆動されるサーボプレスにおいて、
周辺機器との連動時の高速作動を可能とするサーボプレ
スの周辺機器制御装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プレス機械には、クランク軸の回
転動力をリンク機構により直線運動に変換されて駆動さ
れるスライドを備えた機械式プレス、油圧シリンダによ
り直線駆動されるスライドを備えた油圧プレス、あるい
は、電動サーボモータの回転動力により例えばボールネ
ジ機構等を介して直線駆動されるスライドを備えたサー
ボプレスなどがある。そして、サーボプレスは、機械式
プレスに比べてスライドの可動範囲を任意に設定可能な
ことや、油圧プレスに比べて駆動源がクリーンで、か
つ、騒音が小さいことなどの理由によって、作業環境を
重要視する産業分野に広く使用されている。
【0003】一方、このようなサーボプレスや油圧プレ
スにおいては、材料搬入、搬送又は搬出等を行う周辺機
器との連動運転を行うために、例えば、リミットスイッ
チ等の位置検出センサを設け、上下駆動されるスライド
の位置を検出している。そして、所定の位置信号の検出
順序に基づいてスライド移動方向を判断し、また、その
検出位置によってスライド位置を判断し、これらの判断
結果に基づいて所定のタイミングで材料の搬入指令、搬
送指令等の信号を周辺機器に出力して連動運転を行って
いる。
【0004】そして、上記位置検出センサの取り付け位
置は、作業者が経験的に決めて設定している。例えば、
コイル材の送給装置を制御しているコイルライン制御装
置に対して、コイル材の送り開始を指令するときのスラ
イド位置は、通常、サーボプレスのスライドが下限位置
から上昇してコイル材の上面より所定距離上昇した位
置、すなわち、コイル材の送り時に上型と干渉しない位
置に設定されている。上記のコイル材送り開始の指令
は、生産性を上げるために、出来るだけ早いタイミング
で出力する必要があり、このため、上記送り開始を指令
するリミットスイッチはコイル材上面になるべく近く設
定される。このとき、コイル材の送り開始時に、スライ
ドに取着された金型(つまり上型)にコイル材が引っ掛
からないようにするため、コイル材の板厚のばらつきを
考慮して、作業者が上記設定位置を経験的に決めてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、従来のリミットスイッチ等の位置設定の方法は
コイル材の板厚のばらつき等を考慮しなければならない
ので、余裕を持ってコイル材の上面より上方に設定され
ている。したがって、この余裕度が大きい場合には、コ
イル材送り開始指令、つまり周辺機器の起動指令を出力
するタイミングが遅くなるので、コイル材供給装置等の
周辺機器との連動加工システム全体での生産速度を上げ
ることが困難となっている。また、加工対象のコイル材
の板厚の変更に対応して、このリミットスイッチの位置
を設定し直さなければならないので、段取り換え時の作
業時間がかかるという問題がある。さらに、サーボプレ
スは電動サーボモータの回転動力をボールネジ等を介し
て減速して加圧力を大きくすることによってスライド駆
動を行う機構となっているので、サーボプレス自体の生
産速度は機械式プレスよりも遅くなるのが一般的となっ
ている。しかしながら、生産性向上の要求から、サーボ
プレスにおいても機械式プレスの生産速度になるべく近
づけた生産速度で生産することが非常に重要な課題とな
っている。
【0006】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、周辺機器との連動加工システムでの生産
速度を向上できるサーボプレスの周辺機器制御装置及び
その方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電動サ
ーボモータ4により駆動されて直動するスライド2を、
コイル材15又はシート材等の素材を供給する周辺機器
10と同期して連動運転し、この供給された素材の打ち
抜き加工を行うサーボプレスの周辺機器制御装置におい
て、スライド2の位置を検出するスライド位置検出手段
33と、スライド2にかかる荷重を検出する荷重検出手
段34と、前記検出されたスライド位置のデータの増加
又は減少の区別によって、スライド2の上昇行程又は下
降行程の判別を行う上昇/下降行程判別手段37と、前
記検出された荷重が増加開始するときのスライド位置を
スライド位置検出手段33から入力し、この位置を前記
素材の上面位置Cとして記憶する荷重発生位置検出手段
41と、スライド2の上昇行程のとき、かつ、スライド
位置が前記上面位置Cの近傍に来たときに、前記周辺機
器10に起動信号を出力する起動信号生成手段38とを
備えた構成としている。
【0008】請求項1に記載の発明によると、サーボプ
レスの各ショット毎に、スライド荷重が増加開始したと
きのスライド位置に基づいて素材の上面位置を検出して
いるので、素材の板厚のばらつきに影響されずに確実に
上面位置が検出される。そして、スライドが上昇行程中
にこの上面位置に来たとき、周辺機器に起動信号が出力
されるので、上型と素材との干渉を発生させずに早いタ
イミングで周辺機器を起動できる。したがって、1サイ
クル加工時間を短縮した周辺機器との連動運転が可能と
なり、全体としてサーボプレスの生産性を向上できる。
さらに、素材の板厚が変わる毎にリミットスイッチの位
置を設定し直す作業が不要となるので、段取り換え時間
を短縮化できる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
サーボプレスの周辺機器制御装置において、前記起動信
号生成手段38が前記起動信号を出力するときのスライ
ド位置は、上型5と素材の干渉、及び前記素材を上方か
ら押さえるガイド17の素材上面からの許容距離を考慮
した上昇余裕距離αだけ前記上面位置Cより上方にある
位置Aとしている。
【0010】請求項2に記載の発明によると、上型上昇
時の素材の引っ掛かり、及びこの素材のガイドの素材上
面からの許容距離等を考慮した上昇余裕距離αだけ素材
上面位置より上方の位置にスライドが来たときに、周辺
機器に起動信号が出力される。これによって、上記引っ
掛かりが発生したり、あるいは、素材の平面度が悪くて
も、これらの影響による干渉を発生させずに早いタイミ
ングで周辺機器を起動できる。したがって、1サイクル
加工時間を短縮した周辺機器との連動運転が可能とな
り、全体としてサーボプレスの生産性を向上できる。さ
らに、素材の板厚が変わる毎にリミットスイッチの位置
を設定し直す作業が不要となるので、段取り換え時間を
短縮化できる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
記載のサーボプレスの周辺機器制御装置において、前記
荷重検出手段34により検出された荷重が所定の減少率
以上で減少したときのスライド位置を打ち抜き位置とし
て前記スライド位置検出手段33より入力し、この打ち
抜き位置に基づいて素材の前記上面位置Cを算出して記
憶する打ち抜き位置判断手段39を付設すると共に、前
記起動信号生成手段38は、この打ち抜き位置判断手段
39から入力した前記上面位置Cに基づいて、前記周辺
機器10に起動信号を出力するときのスライド位置を判
断することを特徴としている。
【0012】請求項3に記載の発明によると、サーボプ
レスの各ショット毎に、スライド荷重が所定の減少率以
上で減少したとき打ち抜き発生とみなし、このときの打
ち抜き位置に基づいて素材の上面位置を算出しているの
で、素材の板厚のばらつきには影響されずに確実に上面
位置が検出される。そして、スライドが上昇行程中にこ
の上面位置の近傍に来たときに、周辺機器に起動信号が
出力されるので、干渉を発生させずに早いタイミングで
周辺機器を起動できる。したがって、1サイクル加工時
間を短縮した周辺機器との連動運転が可能となり、全体
としてサーボプレスの生産性を向上できる。さらに、素
材の板厚が変わる毎にリミットスイッチの位置を設定し
直す作業が不要となるので、段取り換え時間を短縮化で
きる。
【0013】請求項4に記載の発明は、前記上昇/下降
行程判別手段37の判別結果が下降行程のとき、かつ、
前記荷重発生位置検出手段41が荷重の増加開始と判断
したときに、コイル材を供給するコイルフィーダ14の
送り用ローラを上昇させるフィーダリリース信号を出力
するリリース信号生成手段43が付設された請求項1又
は2記載のサーボプレスの周辺機器制御装置としてい
る。
【0014】請求項4に記載の発明によると、スライド
が下降行程中にスライド荷重増加開始位置に来たとき、
すなわち荷重が発生したときは、上型がコイル材の上面
に接触しているので、コイルフィーダの送り用ローラを
リリース、つまり所定距離だけ上昇させる。これによっ
て、打ち抜き時にコイル材を上記送り用ローラの押さえ
力から開放し、コイル材に意図しない引っ張り力が掛か
ることを防止する。この結果、良好な加工品が得られ
る。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか1つに記載のサーボプレスの周辺機器制御装置
において、前記荷重検出手段34は、前記電動サーボモ
ータ4の駆動電流値から算出されるモータ出力トルクに
基づいてスライド荷重を求めるようにしている。
【0016】請求項5に記載の発明によると、スライド
を駆動する電動サーボモータの駆動電流値からモータ出
力トルクを算出し、この出力トルクに基づいて、サーボ
プレスが実際の加圧に要する加圧力として実作業トルク
を求め、この実作業トルクからスライド荷重を求めるこ
とができる。これによって、スライド荷重が精度良く求
められるので、このスライド荷重が増加開始するときの
スライド位置に基づいて求められる素材の上面位置、あ
るいは、スライド荷重が所定の減少率以上に急激に減少
するときのスライド位置に基づいて求められる打ち抜き
位置をそれぞれ精度良く検出できる。したがって、この
上面位置又は打ち抜き位置に基づいて、金型と素材との
干渉が無く、かつ、周辺機器への起動指令を出力するこ
とが可能なスライド位置が精度良く算出され、このスラ
イド位置で確実にスライドを一時停止できる。この結
果、例えばコイルフィーダ等の周辺機器が素材の供給を
開始したときの金型と素材との干渉が、確実に防止され
る。また、スライドの一時停止位置と下限位置との距離
が板厚のばらつきに因らずに最短に設定されるので、各
ショット毎の加工サイクル時間を最短化することがで
き、周辺機器との連動運転におけるサーボプレスの生産
速度を機械式プレスと同等程度に向上することが可能と
なる。
【0017】請求項6に記載の発明は、直動するスライ
ド2を、コイル材15又はシート材等の素材を供給する
周辺機器10と同期して連動運転し、この供給された素
材の打ち抜き加工を行うサーボプレスの周辺機器制御方
法において、スライド2にかかる荷重が増加開始すると
きのスライド位置を前記素材の上面位置Cとして記憶す
ると共に、スライド2の上昇行程のとき、かつ、スライ
ド位置が前記上面位置Cの近傍に来たときに、前記周辺
機器10に起動信号を出力する方法としている。
【0018】請求項6に記載の発明によると、サーボプ
レスの各ショット毎に、スライド荷重が増加開始したと
きのスライド位置に基づいて素材の上面位置を検出して
いるので、素材の板厚のばらつきに影響されずに確実に
上面位置が検出される。そして、スライドが上昇行程で
この上面位置に来たときに、周辺機器に起動信号が出力
されるので、干渉を発生させずに早いタイミングで周辺
機器を起動できる。したがって、1サイクル加工時間を
短縮した周辺機器との連動運転が可能となり、全体とし
てサーボプレスの生産性を向上できる。さらに、素材の
板厚が変わる毎にリミットスイッチの位置を設定し直す
作業が不要となるので、段取り換え時間を短縮化でき
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係わるサーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法に
関する実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明で
は、周辺機器10としてコイル材供給装置の例を示して
いるが、本発明はこれに限定するものではなく、例え
ば、シート材を搬入又は搬出するロボット装置あるいは
トランスファフィーダ装置等の場合にも適用できる。
【0020】図1は、本発明に係わるサーボプレスとコ
イル材供給装置(以後、コイルラインと呼ぶ)との連動
加工システムの一例の構成図を示している。同図におい
て、サーボプレス1の本体フレーム7の下部にはベッド
9が設けられ、ベッド9の上部にボルスタ3が設置され
ている。また、本体フレーム7の上部後側には、スライ
ド駆動手段4の一例として電動サーボモータ(以後、電
動サーボモータ4と言う)が配設されており、本体フレ
ーム7の上部前側の左右方向略中央部には、この電動サ
ーボモータ4の回転動力を上下方向の直動に変換する例
えばボールネジ等で構成される動力変換装置8が配設さ
れている。そして、この電動サーボモータ4の出力回転
軸は回転伝達部材4b(例えばベルトやギア等)を介し
て動力変換装置8の回転部(例えばボールネジのネジ
部)上端と回転自在に連結されている。さらに、前記動
力変換装置8の直動部(例えばボールネジのナット部)
の下端で、かつ、ボルスタ3と対向した位置にスライド
2が昇降自在に配設されている。このようにスライド2
は電動サーボモータ4によって上下駆動されるようにな
っており、このスライド2の上下動に伴って、ボルスタ
3の上面に取着された下型6と、スライド2の下面に取
着された上型5との間でプレス加工が行われる。
【0021】電動サーボモータ4の前記出力回転軸と反
対側で、かつ、この出力回転軸と同軸上に、例えばエン
コーダ等の速度センサ4aが取着されており、この速度
センサ4aからの速度信号は後述するサーボアンプに入
力されている。なお、電動サーボモータ4は、ACサー
ボモータ又はDCサーボモータのいずれで構成されても
よい。
【0022】また、スライド2の後部側には、例えばリ
ニアセンサよりなるスライド位置センサ23が配設され
ている。このスライド位置センサ23は、軸心方向がス
ライド2の移動方向と平行で、かつ、スライド2の後部
に支持されたセンサロッド23aと、このセンサロッド
23aに嵌挿され、かつ、本体フレーム7側に取着され
たセンサヘッド23bとからなっている。そして、スラ
イド2の上下動に伴ってセンサロッド23aがセンサヘ
ッド23bに対して上下動し、これによって、センサヘ
ッド23bの内部の位置検出部によりスライド2の位置
がボルスタ3の上面からの高さとして検出されるように
なっている。このスライド位置センサ23が検出した位
置信号は後述するプレスコントローラ20に入力され、
このプレスコントローラ20は前記位置信号に基づいて
前記電動サーボモータ4を駆動してスライド2の位置を
所定のモーションカーブに沿うように制御する。
【0023】また、サーボプレス1の側方には、素材と
してコイル材を供給するコイルライン10aが配設され
ている。このコイルライン10aは、コイルライン制御
装置11とコイル材アンコイラー12とレベラー13と
コイルフィーダ14とを備えている。コイル材アンコイ
ラー12は、コイル材15が巻かれたリールを所定速度
で回転させながら、コイル材をレベラー13及びコイル
フィーダ14を介してサーボプレス1に供給する。レベ
ラー13はこのコイル材15の曲がり方向の反対側から
所定圧で押圧してこの曲がりくせを矯正しながらコイル
材15を送給しており、コイルフィーダ14はこの矯正
されたコイル材15を所定のタイミングでサーボプレス
1の上型5と下型6間に搬入する。そして、コイルライ
ン制御装置11は、サーボプレス1の作動を制御してい
る後述のプレスコントローラ20との間で信号を送受信
して連動の同期をとっており、上記コイル材アンコイラ
ー12、レベラー13及びコイルフィーダ14の各機器
に所定のタイミング信号を出力している。
【0024】図2は、本発明に係わるサーボプレスの周
辺機器制御装置のハード構成ブロック図を示している。
モータ電流センサ24は電動サーボモータ4の駆動電流
値を検出しており、例えばシャント抵抗の両端の電圧降
下を検出して駆動電流値を検出するようになっている。
この駆動電流値に比例した大きさの検出信号は後述のプ
レスコントローラ20に入力され、プレスコントローラ
20はこの駆動電流値に基づいて電動サーボモータ4の
出力トルクを算出し、この出力トルクから実作業トルク
を算出する。この実作業トルクは、前記コイル材15を
プレス加工するための電動サーボモータ4の実質的な加
圧力に等しい。また、スライド位置センサ23は前述の
ようにスライド2の高さ方向の位置を検出し、この検出
したスライド位置信号はプレスコントローラ20に入力
されている。
【0025】さらに、このプレスコントローラ20に
は、上方余裕量設定スイッチ21及び操作モードスイッ
チ22が付設されている。上方余裕量設定スイッチ21
は、プレスコントローラ20がコイルライン制御装置1
1にフィーダ搬送開始指令(つまり起動指令であり、以
後起動指令と言う)を出力するときのスライド位置の、
コイル材15の上面からの上昇余裕距離αを設定するも
のであり、この上昇余裕距離αの設定値はプレスコント
ローラ20に入力される。図3は、この上昇余裕距離α
の説明図であり、金型(上型5と下型6)の近傍を一部
断面の側面図で示している。同図において、板厚Tのコ
イル材15が矢印16の方向にフィードされ、上型5と
下型6間に供給されている。この供給時にコイル材15
がばたついても所定の供給経路から外れないように、下
型6の上方にガイド17が設けられており、このガイド
17によってコイル材15を上方及びフィード方向左右
から押さえ込んでガイドしている。矢印Zはスライド2
の上昇行程での動作を示しており、上昇行程で上型5は
下限位置Lから上限位置Uまで上昇しているとする。こ
のとき、上型5の下端部がコイル材15の上面位置Cか
ら上方に上昇余裕距離αだけ上昇したときに、プレスコ
ントローラ20は前記起動指令を出力するようにしてい
る。この上昇余裕距離αは、コイル材15の送り開始の
ときにコイル材15が上型5に引っ掛からないようにす
るための余裕度や、下型6に配設され、かつ、コイル材
搬入時にコイル材を当接させて位置決めさせるパイロッ
ト18の上方逃げに要する距離、あるいは、上記起動指
令に対するコイルフィーダ14の応答遅れ時間等を考慮
して設定される。当然のことながら、上記の引っ掛かり
やパイロット18の逃げ距離等を考慮する必要がない場
合には、上昇余裕距離αを零に設定、つまり上面位置C
で起動指令を出力してもよい。なお、本発明において
は、後述するように、コイル材15の上面位置Cは各シ
ョット毎にスライド荷重値に基づいて求められている。
【0026】また、操作モードスイッチ22はプレス操
作モードを選択でき、少なくとも、コイルライン10a
などの周辺機器との連動が可能な連動モード等の生産モ
ードを選択可能となっている。選択されたモード信号
は、プレスコントローラ20に入力される。
【0027】プレスコントローラ20は、例えばマイク
ロコンピュータを主体にした一般的なコンピュータ制御
装置で構成されている。プレスコントローラ20の内部
には、前記上昇余裕距離αの設定値や前記モーションカ
ーブのモーション設定値等を記憶するメモリ20aが設
けられている。プレスコントローラ20は、前記各セン
サの検出信号、上方余裕量設定スイッチ21からの設定
値データ及び操作モードスイッチ22からのモード信号
を入力し、後述する所定の演算及び判定処理を行ってい
る。そして、この処理結果に基づいて、スライド2が予
め設定された所定のモーションカーブに沿って、すなわ
ち、スライド位置とスライド速度と経過時間との関係を
設定したモーションカーブに沿って作動するようにサー
ボアンプ28へ速度指令を出力したり、コイルライン制
御装置11と各制御信号を送受信したり、あるいは、後
述の設定値表示器27に上昇余裕距離αの設定値や前記
上面位置Cの検出データ等を表示させる。
【0028】サーボアンプ28は、プレスコントローラ
20からの前記速度指令に基づいて電動サーボモータ4
を制御する。すなわちサーボアンプ28は、この速度指
令と、前記速度センサ4aにより検出したモータ回転速
度のフィードバック値との速度偏差が小さくなるように
電動サーボモータ4の駆動電流(モータ出力トルクに相
当する)を制御する。これにより、スライド2は前記モ
ーションカーブに沿って制御される。サーボアンプ28
はサーボモータを駆動する一般的なサーボアンプにより
構成することができ、例えば演算増幅器等を使用したア
ナログサーボ回路や、あるいは、コンピュータ又はディ
ジタル信号処理IC(いわゆる、DSP)等を主体にし
たディジタルサーボ回路により構成することができる。
【0029】また、設定値表示器27は、プレスコント
ローラ20からの表示指令に基づいて、前述のように上
昇余裕距離αの設定値や前記上面位置Cの検出データ等
を表示でき、例えば液晶やEL等のグラフィック表示器
や、LED表示素子等でなるキャラクタ表示器などで構
成することができる。
【0030】また、送受信回路26はコイルライン制御
装置11との制御信号の送受信を行うためのインターフ
ェース回路であり、例えば、シリアル通信回路や、パラ
レルI/O回路、又は、データバス通信回路等によって
構成することができる。
【0031】以上のようなハード構成によって周辺機器
との連動運転を制御する際、前記起動指令をコイルライ
ン10aに送信するタイミングの判断は、次に述べるよ
うな異なる2つの方法で可能となる。まず、第1実施形
態として、スライド荷重が急激に増加することを検出し
て上型5がコイル材15の上面に当接するスライド位置
を検出し、これによって算出された上面位置Cから上記
タイミングを判断する方法を説明する。
【0032】図4には第1実施形態における周辺機器制
御装置の機能構成ブロック図を示しており、同図に基づ
いて各機能構成を説明する。上方余裕量設定手段31
は、前記上方余裕量設定スイッチ21によって入力され
た前記上昇余裕距離αの設定値を取り込んでメモリ20
aの所定エリアに記憶する。なお、この上昇余裕距離α
の設定値の入力手段は、上方余裕量設定スイッチ21に
限定されず、例えば、上位コンピュータ等のような他の
制御装置からの通信などによることもできる。また、操
作モード設定手段32は、操作モードスイッチ22から
モード信号を入力し、モード信号が周辺機器10との連
動を行うための連動モード信号の時はこの連動モード信
号を出力演算手段46に出力している。なお、この操作
モード設定手段32は、操作モードスイッチ22からの
モード信号に限らず、例えば上位コンピュータ等の他の
制御装置からの通信によってモード信号を入力するよう
にしてもよい。
【0033】スライド位置検出手段33は、スライド位
置センサ23からの位置信号を入力してこの位置信号に
基づいてスライド位置を求め、このスライド位置データ
を上昇/下降行程判別手段37、起動信号生成手段3
8、打ち抜き位置判断手段39、荷重発生位置検出手段
41、リリース信号生成手段43及び出力演算手段46
にそれぞれ出力する。
【0034】また、荷重検出手段34は加圧加工時にコ
イル材15から反力を受けてスライド2にかかる荷重を
検出しており、本実施形態では、荷重として、スライド
2を駆動する電動サーボモータ4の実作業トルクに基づ
いて検出している。この実作業トルクは、電動サーボモ
ータ4の出力トルクの内、実際の加圧加工に要する加圧
力に相当するものである。実作業トルクの演算は、例え
ば以下のようにして行われる。
【0035】荷重検出手段34は予め、加速又は減速ト
ルクを算出するための負荷イナーシャ定数、定速を維持
するトルクを算出するための速度抵抗トルク比例定数、
摩擦トルク定数、及び、モータ駆動電流と出力トルクと
の関係を表すトルク定数等の各定数データを記憶してお
く。そして、加速時又は減速時には、必要な加速度値又
は減速度値と上記の各定数データとに基づいて必要なモ
ータ出力トルクを求め、モータ電流センサ24で検出し
た駆動電流値に基づいて実際のモータ出力トルクを算出
し、この実際のモータ出力トルクから前記求めた必要な
モータ出力トルクを差し引いて、加減速時の実作業トル
クを算出する。定速時も、同様にして、この時維持すべ
き速度値と上記各定数データとに基づいて必要なモータ
出力トルクを求め、この時検出した駆動電流値に基づい
て算出した実際のモータ出力トルクから前記求めた必要
なモータ出力トルクを差し引いて、定速時の実作業トル
クを算出する。そして、この実作業トルクとスライド2
の加圧力との関係を予め求めて記憶しておき、加工時に
検出された駆動電流値に基づいて実作業トルクを求め、
この実作業トルクからスライド2の加圧力を演算するこ
とができる。
【0036】なお、スライド2にかかる荷重の検出は、
上記のように駆動電流値から求めるモータ出力トルクに
よる方法に限定されずに、例えばサーボプレス1の本体
フレーム7の歪みを歪みゲージセンサによって検出し、
この歪みの大きさに基づいてスライド荷重値を算出する
ことも可能である。
【0037】フィーダ送り完入力手段36は、コイルフ
ィーダ14によるコイル材15の供給が完了したとき、
コイルライン制御装置11からデータ通信等によってフ
ィーダ送り完了信号を入力する。このフィーダ送り完了
信号は、起動/停止判断手段45に出力され、スライド
2を再起動する指令となる。
【0038】また、上昇/下降行程判別手段37は、ス
ライド位置検出手段33から入力するスライド位置デー
タの時間的な増加又は減少の区別に基づいて、スライド
2が上昇行程か又は下降行程かを判別し、この判別結果
を出力する。また、荷重発生位置検出手段41は、荷重
検出手段34により検出された荷重値の大きさに基づい
て、コイル材15の上面に上型5が接触したときのスラ
イド位置を検出している。ここで、コイル材15の上面
に上型5が接触したか否かを荷重値により判断する方法
について、図5に基づいて説明する。同図にはスライド
2のモーションカーブとスライド荷重との関係を表すタ
イムチャートが示されており、横軸は経過時間を表し、
また縦軸はスライド位置とスライド荷重値を表してい
る。同図に示すように、スライド2が所定の低速度で下
降中に(図示では、位置Bから下限位置Lの間)上型5
がコイル材15の上面に接触すると、スライド2が下降
するに伴ってスライド荷重値は徐々に増加して行く。し
たがって、この荷重値が増加開始した時点を荷重発生と
判断することができる。上記荷重発生位置検出手段41
は、荷重値が増加開始したとき荷重発生信号を出力する
と共に、荷重発生時点でのスライド位置をスライド位置
検出手段33から入力し、このスライド位置をコイル材
15の上面位置Cと判断し、メモリ20aの所定エリア
に記憶しておく。
【0039】起動信号生成手段38は、荷重発生位置検
出手段41から上記上面位置Cの位置データを入力する
と共に、上方余裕量設定手段31から上昇余裕距離αの
設定データを入力し、両データに基づいて、周辺機器
(ここでは、コイルライン制御装置11)に起動信号を
出力すべき位置A(図3を参照)を求める。ここで、位
置Aの位置データA0 は、以下の数1によって算出され
る。
【数1】A0 =C+α さらに、起動信号生成手段38は、上昇/下降行程判別
手段37から入力する行程判別結果が上昇行程のとき
に、スライド位置検出手段33から入力するスライド位
置を上記位置Aと比較し、スライド2が位置Aより上に
上昇したとき、周辺機器起動信号を出力する。そして、
起動信号出力手段42はこの周辺機器起動信号を受けて
コイルライン制御装置11に送受信回路26を介して送
信する。
【0040】また、打ち抜き位置判断手段39は、荷重
検出手段34により検出された荷重値の大きさに基づい
て、コイル材15が打ち抜かれたときのスライド位置を
検出している。ここで、荷重値により打ち抜きが発生し
たか否かを判断する方法について、図5に基づいて説明
する。同図において、上型5がコイル材15の上面に接
触した後、スライド2が下降するに伴ってスライド荷重
値は徐々に増加して行き、下限位置Lの手前の位置H1
(通常は、コイル材15の板厚の略中間位置)に来て打
ち抜きが発生すると、荷重値が所定の減少率以上に急激
に減少して行く。したがって、上記打ち抜き位置判断手
段39はこの荷重値が急激に減少する時点を打ち抜き発
生と判断するようにしており、この判断情報を出力す
る。また、このときの位置H1 をスライド位置検出手段
33から入力してメモリ20aの所定エリアに記憶す
る。
【0041】リリース信号生成手段43は、荷重発生位
置検出手段41から前記荷重発生信号を入力すると共
に、上昇/下降行程判別手段37から前記行程判別結果
を入力し、行程が下降行程で、かつ、荷重発生信号を入
力したときは、コイルフィーダ14のコイル材15の送
り用ローラを所定距離だけ上昇させるフィーダリリース
信号をリリース信号出力手段44に出力する。また、打
ち抜き位置判断手段39から打ち抜き発生の判断情報を
入力したときは、上記フィーダリリース信号の出力を停
止する。そして、リリース信号出力手段44は、このフ
ィーダリリース信号を受けてコイルライン制御装置11
に送受信回路26を介して送信する。
【0042】また、起動/停止判断手段45は、起動信
号生成手段38が前記周辺機器起動信号を出力したと
き、すなわち、スライド2が前記位置Aまで上昇したと
き、スライド2を一時停止させるための停止指令を出力
演算手段46に出力する。そして次に、フィーダ送り完
入力手段36からフィーダ送り完了信号を入力したと
き、スライド2を再起動させて所定のモーションカーブ
に沿って移動するようにスライド起動指令を出力演算手
段46に出力する。
【0043】出力演算手段46は、操作モード設定手段
32により設定されたプレス操作モードが連動モードの
とき、起動/停止判断手段45からスライド起動指令を
入力すると、予め設定された所定のモーションカーブに
沿ってスライド2が所定速度で移動するように、スライ
ド位置を監視しながら、電動サーボモータ4の速度指令
値を演算してサーボアンプ28に出力する。これによ
り、スライド駆動手段(ここでは、電動サーボモータ)
4の位置及び速度が制御される。ここで、この所定のモ
ーションカーブは、前記一時停止時の位置Aを上限位置
として位置Aから直ちに下降するように設定されてい
る。また、起動/停止判断手段45から前記停止指令を
入力したときは、出力演算手段46はスライド2を一時
停止させる速度指令を出力し、次に前記スライド起動指
令を入力するまで前記位置Aにてスライド2を待機させ
る。
【0044】図6に本実施形態に係わる周辺機器制御装
置の制御フローチャートを示しており、同図に基づいて
制御方法を説明する。なお、ここでは、各処理ステップ
番号はSを付して表している。まず、S1で(上昇/下
降行程判別手段37)現在の行程が下降行程か否かを判
断し、下降行程のときはS2に処理を移行し、そうでな
いとき、つまり停止又は上昇行程のときはS7に処理を
移行する。S2では(荷重発生位置検出手段41)荷重
が発生したか、すなわち、荷重が増加開始したか否かを
判断し、荷重が発生してないときは発生するまでS2の
処理を繰り返して待つ。そして、荷重が発生したときは
S3で、その時点のスライド位置を入力して上面位置C
として記憶する。次に、S4で(リリース信号生成手段
43)フィーダリリース信号を出力し、この後S5で
(打ち抜き位置判断手段39)打ち抜きが発生したか否
かを判断し、発生してないときは発生するまでS5の処
理を繰り返して待つ。そして、打ち抜きが発生したとき
は、S6で(リリース信号生成手段43)フィーダリリ
ース信号の出力を停止する。そして、S1に戻って以上
の処理を繰り返す。このとき、打ち抜き後にスライドの
上昇行程に入り、S1からS7に移行する。
【0045】S7では(起動信号生成手段38)、現在
のスライド位置Pが数式「P≧C+α」を満足するか、
すなわち、前記記憶した上面位置Cから上昇余裕距離α
だけ上方にある位置Aまで上昇したか否かを判断する。
数式「P≧C+α」を満足してないときは、満足するま
でS7を繰り返して待ち、満足するときは、S8で(起
動信号生成手段38)周辺機器起動信号を出力すると共
に、S9で(起動/停止判断手段45)スライド2の停
止指令を出力する。これによって、コイルフィーダ14
がコイル材15の供給を開始すると共に、(出力演算手
段46)スライド2は前記位置Aで待機する。次に、S
10で(起動/停止判断手段45)フィーダ送り完入力
手段36がコイルライン制御装置11からのフィーダ送
り完了信号を受信したか否かを判断し、受信してないと
きは、受信するまでS10を繰り返して待る。そして、
受信したときはS11で、モーションカーブに従って位
置Aから直ちに下降させるスライド起動指令を出力して
再起動すると同時に、前記周辺機器起動信号の出力を停
止する。これにより、(出力演算手段46)スライド2
はモーションカーブに沿って駆動され、コイルフィーダ
14は送給停止する。そして、S11の後、スライド2
の下降行程となるので、S1に戻ってから再びS2に処
理が移行し、この後以上の処理を繰り返す。
【0046】次に、図7〜図8に基づいて第2実施形態
を説明する。本実施形態では、荷重が所定の減少率以上
に急激に減少することを検出して打ち抜き発生時のスラ
イド位置を検出し、これによって算出された上面位置C
に基づいて、起動信号をコイルライン制御装置11に送
信するタイミングを判断する方法を説明する。ここで、
本実施形態における構成は図1及び図2と同様とする。
【0047】また、図7は本実施形態に係わる周辺機器
制御装置の機能構成ブロック図を示している。同図にお
いて、前実施形態における図4と同じ機能構成には同一
の符号を付してあり以下の説明を省く。ここでは、起動
信号生成手段38は、判断のための上面位置Cを算出す
る際に打ち抜き位置判断手段39からの打ち抜き発生信
号に基づいているので、この算出方法の異なる点のみを
説明する。
【0048】打ち抜き位置判断手段39は、前述と同様
にして、荷重検出手段34により検出された荷重値が急
激に減少したとき打ち抜き発生と判断し、このときのス
ライド位置を打ち抜き位置H1 として検出してメモリ2
0aの所定エリアに記憶しておく。この打ち抜き位置H
1 の位置データは、起動信号生成手段38に出力され
る。
【0049】そして、起動信号生成手段38は、荷重発
生位置検出手段41から上記打ち抜き位置H1 の位置デ
ータを入力すると共に、上方余裕量設定手段31から上
昇余裕距離αの設定データを入力し、両データに基づい
て、起動信号を出力すべき位置Aの位置データA1 を次
の数2によって算出する。
【数2】A1 =H1 +β+α ここで、βはコイル材15の標準板厚Tの半分の値とし
ている。すなわち、通常、打ち抜きは板厚の略中間位置
で発生するものと考えられるので、打ち抜き位置H1 よ
り距離βだけ上方の位置を上面位置Cとみなし、これよ
りさらに上昇余裕距離αだけ上方の位置を上記位置Aと
している。さらに、起動信号生成手段38は、行程が上
昇行程のときに現在のスライド位置をこの位置Aと比較
し、スライド2が位置A以上に上昇したとき、周辺機器
起動信号を出力する。
【0050】図8に本実施形態の制御フローチャート例
を示しており、同図に基づいて制御方法を説明する。本
制御フローチャートにおいては、前記図6と同じ処理内
容のステップに同一のステップ番号を付してあり、以下
異なる処理内容のみを詳細に説明する。まず、S1で
(上昇/下降行程判別手段37)現在の行程が下降行程
か否かを判断し、下降行程のときは前実施形態と同様に
S2〜S6の処理を実行し、そうでないときはS7aに
処理を移行する。なお、S6では(打ち抜き位置判断手
段39)、打ち抜き発生時のスライド位置を打ち抜き位
置H1 として記憶しておく。S7aでは(起動信号生成
手段38)、現在のスライド位置Pが数式「P≧H1 +
β+α」を満足するか、すなわち、数式「H1 +β」で
算出される上面位置Cから上昇余裕距離αだけ上方にあ
る位置Aより上にスライドが上昇したか否かを判断す
る。数式「P≧H1 +β+α」を満足してないときは、
満足するまでS7aを繰り返して待ち、満足するとき
は、前実施形態と同様にS8〜S11の処理を実行す
る。
【0051】以上説明したように、サーボプレスの各シ
ョット毎に、スライド荷重が増加開始したときのスライ
ド位置、又は、スライド荷重が所定の減少率以上で減少
した、すなわち打ち抜きが発生したときのスライド位置
を求めることによって素材の上面位置を検出しているの
で、素材の板厚のばらつきに影響されずに確実に上面位
置が検出される。そして、スライドが上昇行程中にこの
上面位置近傍(つまり、位置A)に到達したとき、周辺
機器に起動信号が出力されるので、上型5と素材との干
渉を発生させずに早いタイミングで周辺機器を起動でき
る。このとき、この起動信号を出力する位置は上記上面
位置から上方に所定の上昇余裕距離αだけ上昇した位置
に設定され、また、この上昇余裕距離αは、コイル材1
5の送り開始のときにコイル材15が上型5に引っ掛か
らないようにするための余裕度や、下型6に配設された
素材搬入位置決め用のパイロット18の逃げに要する距
離、あるいは、上記起動信号に対する周辺機器(例え
ば、コイルフィーダ14)の応答遅れ時間等を考慮して
設定される。なお、上記の引っ掛かりやパイロット逃げ
距離等を考慮する必要がない場合には、上昇余裕距離α
を零に設定してもよい。
【0052】したがって、素材の板厚のばらつきに影響
されずに、スライド2が素材の上面位置C近傍まで上昇
したときに直ちに周辺機器を起動するので、周辺機器の
停止時間が短くなる。また、スライド2の上限位置つま
り上面位置C近傍の位置Aから下限位置までの距離を板
厚のばらつきに左右されずに最短にすることができるの
で、サーボプレス1の1サイクル加工時間の短縮化が可
能となる。この結果、サーボプレス1と周辺機器10と
の連動運転において、全体としてサーボプレス1の生産
性を向上できる。さらに、素材の板厚が変わる毎にリミ
ットスイッチ等の位置を設定し直す作業が不要となるの
で、段取り換え時間を短縮化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるサーボプレスの連動加工システ
ム例の構成図を示す。
【図2】本発明に係わるサーボプレスの周辺機器制御装
置のハード構成ブロック図を示す。
【図3】本発明に係わる周辺機器制御装置の上昇余裕距
離の説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態の周辺機器制御装置の機
能構成ブロック図を示す。
【図5】本発明に係わるモーションカーブとスライド荷
重との関係を表すタイムチャートを示す。
【図6】本発明に係わる第1実施形態の制御フローチャ
ート例を示す。
【図7】本発明の第2実施形態の周辺機器制御装置の機
能構成ブロック図を示す。
【図8】本発明に係わる第2実施形態の制御フローチャ
ート例を示す。
【符号の説明】
1…サーボプレス、2…スライド、3…ボルスタ、4…
スライド駆動手段(電動サーボモータ)、4a…速度セ
ンサ、5…上型、6…下型、7…本体フレーム、8…動
力変換装置、9…ベッド、10…周辺機器、10a…コ
イルライン、11…コイルライン制御装置、12…コイ
ル材アンコイラー、13…レベラー、14…コイルフィ
ーダ、15…コイル材、17…ガイド、18…パイロッ
ト、20…プレスコントローラ、20a…メモリ、21
…上方余裕量設定スイッチ、22…操作モードスイッ
チ、23…スライド位置センサ、24…モータ電流セン
サ、26…送受信回路、27…設定値表示器、28…サ
ーボアンプ、31…上方余裕量設定手段、32…操作モ
ード設定手段、33…スライド位置検出手段、34…荷
重検出手段、36…フィーダ送り完入力手段、37…上
昇/下降行程判別手段、38…起動信号生成手段、39
…打ち抜き位置判断手段、41…荷重発生位置検出手
段、42…起動信号出力手段、43…リリース信号生成
手段、44…リリース信号出力手段、45…起動/停止
判断手段、46…出力演算手段。
フロントページの続き (72)発明者 中野 昭彦 石川県小松市八日市町地方5 株式会社小 松製作所小松工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動サーボモータ(4) により駆動されて
    直動するスライド(2) を、コイル材(15)又はシート材等
    の素材を供給する周辺機器(10)と同期して連動運転し、
    この供給された素材の打ち抜き加工を行うサーボプレス
    の周辺機器制御装置において、 スライド(2) の位置を検出するスライド位置検出手段(3
    3)と、 スライド(2) にかかる荷重を検出する荷重検出手段(34)
    と、 前記検出されたスライド位置のデータの増加又は減少の
    区別によって、スライド(2) の上昇行程又は下降行程の
    判別を行う上昇/下降行程判別手段(37)と、 前記検出された荷重が増加開始するときのスライド位置
    をスライド位置検出手段(33)から入力し、この位置を前
    記素材の上面位置(C) として記憶する荷重発生位置検出
    手段(41)と、 スライド(2) の上昇行程のとき、かつ、スライド位置が
    前記上面位置(C) の近傍に来たときに、前記周辺機器(1
    0)に起動信号を出力する起動信号生成手段(38)とを備え
    たことを特徴とするサーボプレスの周辺機器制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のサーボプレスの周辺機器
    制御装置において、前記起動信号生成手段(38)が前記起
    動信号を出力するときのスライド位置は、上型(5) と素
    材の干渉、及び前記素材を上方から押さえるガイド(17)
    の素材上面からの許容距離を考慮した上昇余裕距離(
    α) だけ前記上面位置(C) より上方にある位置(A) であ
    ることを特徴とするサーボプレスの周辺機器制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のサーボプレスの周
    辺機器制御装置において、 前記荷重検出手段(34)により検出された荷重が所定の減
    少率以上で減少したときのスライド位置を打ち抜き位置
    として前記スライド位置検出手段(33)より入力し、この
    打ち抜き位置に基づいて素材の前記上面位置(C) を算出
    して記憶する打ち抜き位置判断手段(39)を付設すると共
    に、 前記起動信号生成手段(38)は、この打ち抜き位置判断手
    段(39)から入力した前記上面位置(C) に基づいて、前記
    周辺機器(10)に起動信号を出力するときのスライド位置
    を判断することを特徴とするサーボプレスの周辺機器制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記上昇/下降行程判別手段(37)の判別
    結果が下降行程のとき、かつ、前記荷重発生位置検出手
    段(41)が荷重の増加開始と判断したときに、コイル材を
    供給するコイルフィーダ(14)の送り用ローラを上昇させ
    るフィーダリリース信号を出力するリリース信号生成手
    段(43)が付設されたことを特徴とする請求項1又は2記
    載のサーボプレスの周辺機器制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載のサ
    ーボプレスの周辺機器制御装置において、 前記荷重検出手段(34)は、前記電動サーボモータ(4) の
    駆動電流値から算出されるモータ出力トルクに基づいて
    スライド荷重を求めることを特徴とするサーボプレスの
    周辺機器制御装置。
  6. 【請求項6】 直動するスライド(2) を、コイル材(15)
    又はシート材等の素材を供給する周辺機器(10)と同期し
    て連動運転し、この供給された素材の打ち抜き加工を行
    うサーボプレスの周辺機器制御方法において、 スライド(2) にかかる荷重が増加開始するときのスライ
    ド位置を前記素材の上面位置(C) として記憶すると共
    に、スライド(2) の上昇行程のとき、かつ、スライド位
    置が前記上面位置(C) の近傍に来たときに、前記周辺機
    器(10)に起動信号を出力することを特徴とするサーボプ
    レスの周辺機器制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100387422C (zh) * 2002-08-15 2008-05-14 村元弘平 多台压机传送装置
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WO2022158414A1 (ja) * 2021-01-22 2022-07-28 株式会社アマダ プレスシステム及びプレスシステムの制御方法

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WO2022158414A1 (ja) * 2021-01-22 2022-07-28 株式会社アマダ プレスシステム及びプレスシステムの制御方法

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