JPH1147789A - 油脂含有廃水の処理方法 - Google Patents
油脂含有廃水の処理方法Info
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Abstract
り扱いが容易な好気性細菌で直接処理することにより、
工程や操作を簡略化すると共に、廃水処理効果を向上せ
しめ、しかも現状の廃水処理施設のままで、安価で特別
な技術を要することのない油脂含有廃水の処理方法を提
供すること。 【解決手段】 油脂分解能を有する新菌株シュードモナ
ス セパシア LM2−1(Pseudomonas
cepacia LM2−1)を用いて、廃水中に含ま
れる油脂を分解処理する。
Description
seudomonas)属に属し、油脂に対して高い分
解能を有する新規な菌株シュードモナス セパシア L
M2−1(Pseudomonas cepacia
LM2−1)株(FERM P−16330)もしくは
油脂分解能を有するその突然変異体、又はそれらの培養
物を用いて、廃水中に含まれる油脂を生物学的に分解除
去する方法に関する。
は、その性状からこれまでは、自然浮上分離法や加圧浮
上分離法、グリーストラップならびに各種の油脂吸着材
を利用した吸着法等、物理化学的方法により除去されて
きた。しかし、従来の処理方法では、エマルジョン状態
の油脂が多い場合、安定に除去することが困難な場合が
多く、廃水中に含まれる全ての油脂を予め取り除く事は
不可能であり、例えば、活性汚泥を用いる廃水の処理方
法の場合、曝気槽中に油脂が流入しているのが現状であ
る。
ら発生する廃水中に含まれる動植物性油脂は、活性汚泥
等の生物学的処理方法により、ある程度まで分解・除去
できるが、油脂分の負荷量が増えた場合、活性汚泥のフ
ロックや生物膜表面に付着して、酸素や基質もしくは栄
養物などの浸透性に悪影響を及ぼし、これにより徐々に
処理効率が低下し、油脂以外の易分解性有機物の処理も
十分に行えなくなるという問題点が指摘されていた。
−146798号公報には、リパーゼを用いて廃水中の
油脂分を予め脂肪酸とグリセリンに加水分解し、微生物
が資化し易い形にした後、活性汚泥により処理する方法
が記載されている。しかし、このリパーゼを用いる方法
は、加水分解により生じた脂肪酸の不溶化を防止するた
め、pHを6.5以上に維持する必要がある上、廃水の
温度によりリパーゼ活性が大きく左右されるという問題
がある。また、リパーゼ自身蛋白質であることから、廃
水等に含まれる微生物由来の蛋白分解酵素により容易に
分解され、油脂の加水分解処理の効果が低下することと
いう問題もある。
報には、非イオン界面活性剤で安定化された含油廃水の
処理方法としてタンニンを主成分とする処理剤を用いる
方法が記載されているが、この方法も水と分離した油脂
を物理化学的に取り除かなくてはならない。
−179745号公報には、油脂を分解する微生物を使
用することが記載されている。しかし、これらの報告に
は、使用する微生物についての詳細な開示はなされてい
ない。
は、油脂分解微生物としてハンゼヌラ属、ピキア属、サ
ッカロミセス属、キャンディダ属、トリコスポロン属等
に属する酵母が例示されており、前処理槽を設け、嫌気
的に油脂を分解する方法が用いられているが、この酵母
を用いる方法は、活性汚泥槽に直接油脂分解酵母を添加
することができないことから前処理槽が必要であり、廃
水処理施設の敷地等に余裕のある所でしか実施できない
という問題がある。
報や特開平7−303474号公報には、油脂分解微生
物として土壌の中から分離されたアスペルギルス属に属
する新菌株が開示されている。油脂分解微生物としてア
スペルギルス属等に属する黴を用いる場合、活性汚泥槽
で使用することは困難であり、前処理槽を設け、その中
で油脂を分解する方法を採用せざるを得ないことから、
上記酵母の場合と同様な問題がある上に、油脂分解に使
用した黴が活性汚泥槽に流れ込んだ場合、バルキングを
誘発する恐れが多分にあるという問題もある。
−322799号公報には、油脂含有有機性廃水を予め
油脂分と分離水に分離し、油脂分を油脂分解菌であるシ
ュードモナス属、バチルス属、ムコバクテリア、かび
類、酵母類その他公知の油脂分解菌等を用いて処理する
ことが記載されているが、一般的に例示された微生物の
油脂分解能力については詳細に開示されていない。
ードモナス属やアシネトバクター属に属する新菌株を脂
質含有排水処理系に加えて培養し、処理系の食用油脂濃
度を減少させることが記載されている。また、特開平8
−197086号公報には、n−ヘキサン抽出物分解能
を有するシュードモナス属に属する新菌株を用いて廃水
中に含まれるn−ヘキサン抽出物を分解処理することが
記載されている。さらに、特開平9−85283号公報
には、ブルクホルデリア属に属し、高温で好気的に油脂
を資化しうる微生物を固定化し、廃水中に含まれる動植
物性の油脂を処理する方法が記載されている。
ス属やブルクホルデリア属に属する微生物を用いて廃水
中の油脂を処理することは知られているが、曝気槽で直
接処理することにより、工程や操作を簡略化すると共
に、廃水処理効果を向上せしめ、しかも現状の廃水処理
施設のままで、安価で特別な技術を要することのない油
脂含有廃水の処理方法に適した微生物は知られていなか
った。本発明の課題は、油脂分解能力が高く、曝気槽で
直接処理することにより、工程や操作を簡略化すると共
に、廃水処理効果を向上せしめ、しかも現状の廃水処理
施設のままで、安価で特別な技術を要することのない油
脂含有廃水の処理に適した微生物及びそれを用いた油脂
含有廃水の処理方法を提供することにある。
に、本発明者らは、油脂分解能力が高く、かつ保存中に
死滅することや油脂分解能力が低下することがない微生
物を自然界より新たに分離することを試み、常法に従い
土壌や活性汚泥を分離源とすることなく、空気に浮遊す
るちりや埃を分離源とするスクリーニングを行った結
果、油脂分解能力が高く、曝気槽で直接処理することに
より、工程や操作を簡略化すると共に、廃水処理効果を
向上せしめ、しかも現状の廃水処理施設のままで、安価
で特別な技術を要することのない油脂含有廃水の処理に
適した細菌菌株を分離し、該細菌菌株を同定し、本発明
を完成するに至った。
方法において、処理槽にシュードモナス セパシア L
M2−1(Pseudomonas cepacia
LM2−1)株もしくは油脂分解能を有するその突然変
異体、又はそれらの培養物を添加することを特徴とする
油脂含有廃水の処理方法に関する。
理方法において、活性汚泥を構成する微生物群にシュー
ドモナス セパシア LM2−1(Pseudomon
ascepacia LM2−1)株もしくは油脂分解
能を有するその突然変異体、又はそれらの培養物を添加
することを特徴とする油脂含有廃水の処理方法や、生物
膜を用いる廃水の処理方法において、生物膜を構成する
微生物群にシュードモナス セパシア LM2−1(P
seudomonas cepacia LM2−1)
株もしくは油脂分解能を有するその突然変異体、又はそ
れらの培養物を添加することを特徴とする油脂含有廃水
の処理方法に関する。
ードモナス セパシア LM2−1(Pseudomo
nas cepacia LM2−1)株又は油脂分解
能を有するその突然変異体に関する。
パシア LM2−1(Pseudomonascepa
cia LM2−1)株又は油脂分解能を有するその突
然変異体を用いて、廃水中に含まれる油脂を分解するこ
とを特徴とするものであり、例えば活性汚泥又は各種生
物膜中にシュードモナス セパシア LM2−1(Ps
eudomonas cepacia LM2−1)株
を接種し、油脂含有廃水の処理を行うものである。
リーニングによる単離は、分離源となる試料をオリーブ
油を唯一の炭素源とする培地中で培養し、生育してくる
微生物を採取することにより行われた。オリーブ油を唯
一の炭素源とする培地としては、例えば、オリーブ油
0.3%、硝酸アンモニウム0.2%、リン酸二カリウ
ム0.2%、リン酸一ナトリウム0.1%、硫酸マグネ
シウム0.05%、塩化カルシウム0.003%、硫酸
第一鉄0.003%を含む液体培地(pH6.8)や、
これに寒天1.5%を加えた寒天培地を、121℃で1
5分間オートクレーブで滅菌したものを例示することが
できる。
するには、上記液体培地及び寒天培地の容器の蓋を開
け、実験室、廊下、屋外に一昼夜放置し、その後、30
℃の培養温度で振盪培養及び静置培養をそれぞれ実施し
た。液体培地で振盪培養をした場合には、振盪培養後の
希釈液を上記寒天培地に0.1ml塗布し30℃の培養
温度で静置培養し生育してくるコロニーを採取した。ま
た、寒天培地で静置培養した場合には、直接生育してく
るコロニーを採取した。
30℃で振盪培養した後、n−ヘキサンで培地中に残存
しているオリーブ油を抽出し、菌株のオリーブ油分解能
力を測定した。その結果、空気に浮遊するちりや埃から
分離した一菌株シュードモナス セパシア LM2−1
(Pseudomonas cepacia LM2−
1)が高いオリーブ油分解率を示した。
LM2−1(Pseudomonas cepacia
LM2−1)株の菌学的性質について説明する。な
お、菌学的性質の試験及び分類方法は、長谷川武ら著、
学会出版センター発行「〈改訂版〉微生物の分類と同
定」(1984)、及びバージイズ マニュアル オブ
システマティック バクテリオロジー(Bergey’
s Manual ofSystematic Bac
teriology)(1984)の各文献の記載に基
づいて行った。
5μmの桿菌 2.細胞の多形成:なし 3.運動性:有り 4.鞭毛:極鞭毛(1から3本) 5.グラム染色:陰性 6.抗酸性:陰性
度、生育は良好、コロニーの形はほぼ円形で半レンズ状
に隆起しており、周辺は波状である。コロニーの表面は
しわ状で光沢があるクリーム色を呈し、粘稠である。 2.肉汁寒天斜面培養:生育は良好で、拡布状に生育す
る。培養時間の経過につれ、寒天培地はやや茶色っぽく
変色する。特徴的集落色素の生成は、認められない。 3.肉汁液体培養:生育の程度は良好で、沈殿を生じ
る。また、培地表面に膜状に生育し、培養液は少し混濁
する。 4.肉汁ゼラチン培養:ゼラチンを液化する。 5.リトマスミルク:色の変化は還元脱色による。ペプ
トン化が起こる。
ナトリウム培地を利用) 9.無機窒素源の利用:陽性 10.色素の生成:Pseudomonas F ag
ar、肉汁寒天培地、標準寒天培地で極薄い茶色っぽい
色素を生成 11.ウレアーゼ:陰性 12.オキシダーゼ:陽性 13.カタラーゼ:陽性 14.生育の範囲: pH;pH4からpH9で生育、pH5からpH7が最
適 温度;15℃から41℃で生育、25℃から37℃が最
適 15.酸素に対する態度:好気性 16.O−Fテスト:好気的に糖を酸化分解する 17.糖類から酸及びガスの生成の有無:D−アラビノ
ース、D−キシロース、D−グルコース、D−マンノー
ス、D−フラクトース、D−ガラクトース、しょ糖、ト
レハロース、D−ソルビット、D−マンニット、イノシ
ット、グリセロールを利用し、酸を生成するが、ガスの
発生は認められない。マルトース、ラクトース、デンプ
ン、ラムノースは利用できない。 18.ポリ−β−ヒドロキシ酪酸の蓄積の有無:陽性 19.Tweenの分解:Tween40、60、80
共に分解する。 20.アミノ酸の脱炭酸: L−リジン;陰性 L−アルギニン;陰性 21.DNAの分解:陰性
に基づいて検索した結果、シュードモナス(Pseud
omonas)属に属する微生物であると決定した。シ
ュードモナス(Pseudomonas)属の公知の菌
種と比較すると、本発明の菌株はシュードモナス セパ
シア(Pseudomonas cepacia)と酷
似している。しかし、硝酸塩の還元力がない点や、L−
リジンの脱炭酸反応が認められないという点で、本発明
の菌株とシュードモナス セパシア(Pseudomo
nas cepacia)とは異なっている。
は区別されるため、シュードモナスセパシア(Pseu
domonas cepacia)に属する新菌株と判
断し、シュードモナス セパシア LM2−1(Pse
udomonas cepacia LM2−1)株と
命名し、平成9年7月10日に通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所に、微生物受託番号FERM P
−16330として寄託した。
2−1(Pseudomonascepacia LM
2−1)株を培養するために用いられる培地の栄養源と
しては、炭素源、窒素源、無機塩等微生物の生育に必要
であって、この菌株が資化可能な栄養源であれば、いか
なるものでも使用でき、通常の培養方法により培養する
ことができる。好ましくは、炭素源及び有機窒素源とし
て、ペプトンや肉エキス、酵母エキス等、無機窒素源と
して、硝酸アンモニウムや硝酸ナトリウム等、無機塩と
しては、リン酸二カリウム、リン酸一ナトリウム、硫酸
マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸第一鉄等を用い
て、培地のpHを4から9、好ましくは5から7、培養
温度を15℃から41℃、好ましくは25℃から37℃
の条件下で好気的に培養するのが望ましい。また、炭素
源として、オリーブ油等動植物性油脂を用いて継代培養
を続けていくことが、この菌株の優れた油脂分解能を維
持していく上で望ましい。
2−1(Pseudomonascepacia LM
2−1)株は、油脂を分解する能力があるので、菌自体
やその培養物を活性汚泥と混合して増殖させることによ
り、活性汚泥のフロックや生物膜表面に付着した油脂を
分解し、活性汚泥や生物膜の持つ本来の能力を引き出
し、廃水中の有機物の分解能力を向上させることができ
る。また、その後、活性汚泥槽や生物膜槽に流入してく
る油脂も効率よく分解し、活性汚泥のフロックや生物膜
表面に油脂が付着することも防止できる。なお、生物膜
を用いる排水処理法としては、散水濾床法、回転板式生
物酸化法、接触曝気法等を例示することができる。
2−1(Pseudomonascepacia LM
2−1)株は、油脂分解能や生存力に優れており、例え
ばこの菌の培養物とふすま等とを混合した微生物含有剤
を予め調製しておき、かかる微生物含有剤を廃水処理施
設まで輸送し、直接曝気槽に投入することにより、既存
の施設のままで簡便に油脂含有廃水の優れた処理効果を
達成することができる。
シア LM2−1(Pseudomonascepac
ia LM2−1)株の他に、このシュードモナス セ
パシア LM2−1株と同等もしくはそれ以上の油脂分
解能を有する限り、このシュードモナス セパシア L
M2−1株を紫外線等を用いて変異させた突然変異体も
使用することができる。
するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるもの
ではない。 (実施例1)オリーブ油0.3%、硝酸アンモニウム
0.2%、リン酸二カリウム0.2%、リン酸一ナトリ
ウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、塩化カル
シウム0.003%、硫酸第一鉄0.003%を含む滅
菌された液体培地(pH6.8)100mlを300m
lのコルベンに入れ、本発明のシュードモナス セパシ
ア LM2−1(Pseudomonas cepac
ia LM2−1)菌(FERM P−16330)を
接種し、ロータリーシェイカーにて30℃で7日間培養
した。サンプリングは 、培養1日後、3日後、5日
後、7日後に行い、各サンプルにつき「油脂量」及び
「菌体量」を測定した。
ロートに移し、n−ヘキサン50mlで2回抽出し、抽
出液をロータリーエバポレーターで減圧乾固後、50℃
で真空ポンプにより揮散物を更に除去することにより行
い、また、菌体量の測定は、遠心分離で得られた沈殿物
を600nmにおける吸光度が0.5以下となるように
精製水で希釈し、分光光度計U−100(株式会社日立
製作所)を用いて濁度を測定することにより行った。
結果を図2にそれぞれ示す。図1からもわかるように、
本発明のシュードモナス セパシア LM2−1(Ps
eudomonas cepacia LM2−1)株
は、培養7日間で約80%のオリーブ油を分解した。ま
た図2からもわかるように、培養日数が進むにつれ、本
発明のシュードモナス セパシア LM2−1(Pse
udomonas cepacia LM2−1)株は
増殖した。したがって、図1に示す上記の試験結果は、
本発明のシュードモナス セパシア LM2−1(Ps
eudomonas cepacia LM2−1)株
による効果であると判断される。
施設の原水で置換したn−ヘキサン抽出物質を186p
pm含有する活性汚泥水100mlを300mlのコル
ベンに入れ、本発明のシュードモナス セパシア LM
2−1(Pseudomonas cepacia L
M2−1)株を接種し、ロータリーシェイカーにて30
℃で3日間培養した。サンプリングは、培養1日後、2
日後、3日後に行い、各サンプルについて「n−ヘキサ
ン抽出物質量」及び「水溶性有機炭素濃度」について測
定した。なお、対照試験区には、本発明のシュードモナ
ス セパシア LM2−1(Pseudomonas
cepacia LM2−1)株の接種を行わない他は
実施例2と同様の操作を行った。
泥水100mlのpHを塩酸にて4.0以下に調整した
後、分液ロートに移し、n−ヘキサン50mlで2回抽
出し、抽出液をロータリーエバポレーターで減圧乾固す
ることにより行い、また、水溶性有機炭素濃度の測定
は、活性汚泥水2mlをマイクロチューブに採取し、微
量小型遠心機で12,000rpm.15分間遠心分離
し、上清中の水溶性有機物(TOC)を全有機炭素計T
OC−500(株式会社島津製作所)で測定することに
より行った。
に、水溶性有機炭素濃度の測定結果を図4にそれぞれ示
す。図3からわかるように、本発明のシュードモナス
セパシア LM2−1(Pseudomonas ce
pacia LM2−1)株添加試験区は、対照試験区
に比べ、n−ヘキサン抽出物質分解率は上回っていた。
特に、培養1日目のn−ヘキサン抽出物質分解率は対照
試験区に比べ約15倍高く、本発明のシュードモナス
セパシア LM2−1(Pseudomonas ce
pacia LM2−1)株の添加効果、特に短期間に
おける油脂分解能が顕著に優れていることが明らかとな
った。
シュードモナス セパシア LM2−1(Pseudo
monas cepacia LM2−1)株添加試験
区は、対照試験区に比べ、TOC濃度は低く推移した。
これは、本発明のシュードモナス セパシア LM2−
1(Pseudomonas cepacia LM2
−1)株により、廃水中の有機物の分解が促進されたた
めであると考えられる。
実廃水(原水)の流入量1l/日、MLSS5,000
ppm、室温25℃で、曝気槽(容量2l)と沈澱槽
(容量0.5l)が分離している培養装置に本発明のシ
ュードモナス セパシア LM2−1(Pseudom
onas cepacia LM2−1)株を接種し、
「n−ヘキサン抽出物質量」及び「水溶性有機炭素濃
度」について測定した。なお、対照試験区には、本発明
のシュードモナス セパシア LM2−1(Pseud
omonas cepacia LM2−1)株の接種
を行わない他は実施例3と同様の操作を行い、原水とし
てはpH6.5から6.9に調整したものを用いた。
5に示す。図5からわかるように、本発明のシュードモ
ナス セパシア LM2−1(Pseudomonas
cepacia LM2−1)株添加試験区は、対照
試験区に比べ、n−ヘキサン抽出物質濃度は常に下回っ
ていた。また、図6からもわかるように、本発明のシュ
ードモナス セパシア LM2−1(Pseudomo
nas cepacia LM2−1)株添加試験区
は、対照試験区に比べ、TOC濃度は低く推移した。こ
れは、本発明のシュードモナス セパシア LM2−1
(Pseudomonascepacia LM2−
1)株により、廃水中の有機物の分解が促進されたため
であると考えられる。以上の結果から考察すると、本発
明のシュードモナス セパシア LM2−1(Pseu
domonas cepacia LM2−1)株は、
活性汚泥中で増殖し、原水中のn−ヘキサン抽出物質
や、水溶性有機炭素化合物の分解に寄与していることが
明らかである。
M2−1(Pseudomonascepacia L
M2−1)株(FERM P−)を生物学的廃水処理施
設に添加することにより、安価で特別な技術を要するこ
となく、現状の廃水処理施設のままで、廃水中に含まれ
る油脂を効率よく、速やかに分解・除去することができ
る。
セパシア LM2−1(Pseudomonas ce
pacia LM2−1)株によるオリーブ油分解率の
経日変化を示す図である。
セパシア LM2−1株の菌体濃度の経日変化を示す図
である。
セパシア LM2−1株によるn−ヘキサン抽出物質分
解率の経日変化を示す図である。
セパシア LM2−1株による水溶性有機炭素濃度の経
日変化を示す図である。
セパシア LM2−1株投与によるn−ヘキサン抽出物
質濃度の経日変化を示す図である。
セパシア LM2−1株投与による水溶性有機炭素濃度
の経日変化を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 油脂含有廃水の処理方法において、処理
槽にシュードモナスセパシア LM2−1(Pseud
omonas cepacia LM2−1)株もしく
は油脂分解能を有するその突然変異体、又はそれらの培
養物を添加することを特徴とする油脂含有廃水の処理方
法。 - 【請求項2】 油脂含有廃水の処理方法が、活性汚泥を
用いる処理方法において、活性汚泥を構成する微生物群
にシュードモナス セパシア LM2−1(Pseud
omonas cepacia LM2−1)株もしく
は油脂分解能を有するその突然変異体、又はそれらの培
養物を添加することを特徴とする油脂含有廃水の処理方
法。 - 【請求項3】 生物膜を用いる廃水の処理方法におい
て、生物膜を構成する微生物群にシュードモナス セパ
シア LM2−1(Pseudomonascepac
ia LM2−1)株もしくは油脂分解能を有するその
突然変異体、又はそれらの培養物を添加することを特徴
とする油脂含有廃水の処理方法。 - 【請求項4】 油脂分解能を有するシュードモナス セ
パシア LM2−1(Pseudomonas cep
acia LM2−1)株又は油脂分解能を有するその
突然変異体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21219297A JPH1147789A (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 油脂含有廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21219297A JPH1147789A (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 油脂含有廃水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1147789A true JPH1147789A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16618457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21219297A Ceased JPH1147789A (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 油脂含有廃水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH1147789A (ja) |
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