JP3251843B2 - 汚泥の生物学的処理における可溶化方法 - Google Patents
汚泥の生物学的処理における可溶化方法Info
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理における有機性固形物質の可溶化方法に関し、更に詳
細には、有機性汚泥、例えば、下水処理場、屎尿処理場
などの下水処理プロセスから排出される生汚泥及び余剰
汚泥ならびに生物性汚泥、さらには、食品工場、化学工
場などの製造プロセス及び排水処理プロセスから排出さ
れる有機性高濃度汚泥の生物学的処理において、汚泥の
可溶化率を高めるための方法に関する。
理するためには、沈殿槽などで固液分離後、液体成分を
適宜排水し、沈殿固形物質は、通常、脱水後または脱水
及び焼却後に、陸地または海洋に投棄される。しかしな
がら、汚泥を海洋に投棄することは環境破壊につながり
好ましくないため、地球環境保護の必要性が認識されて
いる昨今においては、ほとんど禁止されるようになって
きており、また陸地に投棄するにも埋立地の確保が困難
になってきている。。
は生物学的に、またはそれらを組み合わせて可溶化し、
その後、嫌気的または好気的に消化処理を行う方法が考
案されてきた。この可溶化は、通常、別途可溶化槽を設
けてその中で処理が行われる。
は、例えば、熱分解、昇温に加えて加圧が行われる、い
わゆるジーマンマンプロセスや、汚泥中の微生物の細胞
壁を破砕すべく、ミルや超音波などを適用して固形物質
を微細とする方法などが挙げられるが、可溶化達成効
率、時間、コスト、操作の煩雑さなどの点において欠点
を有し、実用化には好ましくないものであった。
ルカリ、酸などの薬品による処理法が挙げられる(特開
平2-277597号、特開平5-345200号及び特開平6-99199号
等)。これらの方法ではかなり優れた可溶化が達成され
るようであるが、薬品及び加熱に要するコスト面や作業
従事者への安全性面の問題、また、廃液が強酸性または
強塩基性を呈するため、後処理としてpH調整を施す場合
には更にそれに要する手間を要し、試薬の経費が嵩むこ
と、などの点から、大規模なレベルで実用化するために
は理想的な方法とは言い難い。
ゼなどの酵素を用いて汚泥中の成分を分解して低分子化
することにより、固形成分を可溶化する方法が提案され
ている。この方法は比較的穏和な条件下で行われ、安全
性の面からは好ましいと考えられるが、使用する酵素が
かなり高価であるため大規模な処理に適用することは実
質的に困難であり、酵素の各種特性によって適用しうる
諸条件(培地の種類、pH、温度等)が厳しく限定され、
操作が煩雑になる傾向があるので、やはり実用化する上
で好ましいとはいえない。
率的に可溶化する好熱菌を用いて短時間で汚泥を可溶化
する方法(特願平7-50817号参照)等も開発したが、高
温培養槽において汚泥を可溶化しない菌、いわゆる雑菌
も多量に増殖し、見かけ上、汚泥の可溶化率を低下させ
るという問題があった。
含む汚泥の生物学的処理における有機性固形物質の可溶
化方法で、大規模なレベルでの実用化に耐えうる経済
性、安全性、簡便性及び安定性を兼ね備えた方法が希求
されている。本発明はかかる現状に鑑みてなされたもの
であり、以下の可溶化方法を提供することを目的とす
る。
汚泥の生物学的処理方法に関わる、従来技術における前
記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果成し遂
げられたものであって、以下の点を特徴とする。
において採用される、有機性固形物質の可溶化方法であ
って、前記汚泥に含まれる有機性固形物質の可溶化率を
高めるために、汚泥可溶化酵素を生成する好熱菌を汚泥
に添加する工程を含み、可溶化が50〜70℃にて実施
されることを特徴とする可溶化方法。
アーゼを含む、(1)記載の可溶化方法。
細菌である、(1)または(2)記載の可溶化方法 (4) 前記好熱菌がバチルス・ステアロサーモフィラ
ス SPT2-1株[FERM P-15395]である、(3)記載の可
溶化方法。
的に添加される、(1)乃至(4)のいずれかに記載の
可溶化方法。
燥処理を施された好熱菌である、(1)乃至(5)のい
ずれかに記載の可溶化方法。
汚泥などの有機質を含む汚泥の生物学的処理において、
汚泥中の有機性固形物質を可溶化する場合に、汚泥可溶
化酵素を生成する好熱菌を添加することで上記目的が達
成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
する。
汚泥は、有機性汚泥、例えば、下水処理場、屎尿処理場
などの下水処理プロセスから排出される生汚泥及び余剰
汚泥ならびに生物性汚泥、さらには、食品工場、化学工
場などの製造プロセスまたは排水処理プロセスから排出
される有機性汚泥である。
理において、有機性固形物質を可溶化するに際し、汚泥
可溶化酵素を生成する好熱菌を添加することで、前記汚
泥に含まれる有機性固形物質の可溶化率を高めることが
できる。
機性固形物質を分解し、低分子化することで可溶性物質
に変換することができる酵素を称し、かかる活性酵素と
して、特にタンパク質分解酵素すなわちプロテアーゼが
好ましい。
ば、前掲の種々の汚泥を50〜90℃程度の高温で長期間培
養して得られる培養液から菌を分離し、スクリーニング
することによって得ることができる。スクリーニング
は、かかる培養液から分離して継代した菌株を、汚泥を
含有する寒天培地に接種し、高温で培養した後、汚泥溶
解斑の形成を観察する方法などにより汚泥可溶化能を調
べて行うとよい。後述する実施例1にて示されるよう
に、例えば下水処理場由来の余剰汚泥をスクリーニング
すると、得られた分離菌株のうち約10%の好熱菌が汚
泥可溶化酵素を生成していた。しかして、得られた全好
熱菌のうち約90%は、汚泥可溶化酵素を生成、分泌し
ない雑菌と称してもよい菌であり、これらの菌が可溶化
時に混在すると、増殖に伴って菌体成分である有機性固
形物質が増大する要因となりうる。従って、本発明にお
いて汚泥可溶化酵素を生成する好熱菌を添加して可溶化
を行う場合、これら雑菌をできる限り含まないようにす
ると、より優れた可溶化効率を達成することができると
考えられる。
菌が好ましく、特にバチルス・ステアロサーモフィラス
(Bacillus stearothermophilus) SPT2-1株 [FERM P
-15395] (特願平8-42496号参照)が、好適に用いられ
る。
成能、ならびに処理対象の汚泥の有機性固形物質含有量
及び他の特性に応じて適宜選択されるべきであり、特に
限定されないが、例えば、Y-P培地(DIFCO社製:イース
トエキス4 g:ペプトン8 g、水1 L;pH 6.8)において
約15時間培養しておいた菌培養液であれば、汚泥に対し
て0.5〜3容量%程度用いることが好ましい。
施した後に添加すると、雑菌の混入を抑制することがで
き、また添加量も少なくでき、ハンドリングも容易であ
るので好ましい。ここで採用しうる濃縮法としては、遠
心濃縮、膜分離及び重力沈降を利用した濃縮が挙げられ
る。凍結乾燥は、常法に従って行えばよい。上述のY-P
培地における菌培養液を、約10,000 Gで5分間、遠心濃
縮し、さらにスキムミルクを10重量/容量%含有する水
溶液に懸濁させた液体を、菌濃縮液として添加して可溶
化を行う場合、かかる菌濃縮液は、可溶化処理対象の汚
泥に対して0.005〜0.03容量%となるような量で用いる
とよい。
うと、長期間にわたって高い汚泥の可溶化効果が持続さ
れるので好ましい。可溶化が回分式により実施される場
合には、好熱菌を1〜10バッチごと、特に好ましくは1
〜5バッチごとに添加するとよい。
添加して、本発明の汚泥の可溶化を実施するが、可溶化
は、添加した好熱菌が生育するに至適の条件で行うこと
が好ましく、通常の嫌気的または好気的な条件で加熱す
ることにより行われる。
した好熱菌の生育速度及び酵素分泌の双方の面から好ま
しい値にすべきであるが、通常、中性付近に調整され
る。pH調整は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムな
どの塩基または塩酸、硫酸などの酸を適宜添加すること
により行うことができる。
好ましくは60〜70℃の範囲とすればよいが、最も好まし
くは、添加した好熱菌が生育するに至適の温度であっ
て、該好熱菌より生成、分泌される酵素が安定に効果を
発揮しうる温度が選択される。可溶化温度が低すぎると
可溶化率が低くなり、高すぎると経済性が悪く、また添
加した好熱菌や生成される酵素に対して悪影響を及ぼす
可能性がある。
理、及び10〜50℃における低温処理を反復して行うと、
可溶化効率が上昇することが期待される。この場合、低
温処理後に、前記好熱菌を追加することが好ましい。
間、最も好ましくは24〜48時間である。
均一な温度となるように、撹拌しながら加熱することが
好ましい。撹拌は、可溶化を行う反応槽に、一般に繁用
される撹拌手段を具備して行うことができる。
気手段等を用いて酸素を供給すればよい。
連続式のいずれで行ってもよい。回分式にて操作をする
場合、5〜72時間ごとに0.5〜3%の植継ぎを行って、可
溶化を継続することが好ましい。ここで雑菌の混入が予
想される場合には、前記のようにその度合いに応じて、
各バッチごとまたは数バッチごとに好熱菌を添加するべ
きである。
溶化物の消化を行い、汚泥中の有機質を液体及び気体に
まで変換して、廃棄処理可能な物質とする。
ましくは中温消化の35〜40℃の範囲で操作するとよい
が、可溶化槽が高温で運転されていることから、高温消
化の50〜60℃の範囲で操作することも可能である。ま
た、ここで消化槽内のpHは、中性付近の条件とすること
が好ましい。消化の時間は、含まれる有機物の分解性及
び濃度などに応じて適宜選択すべきであるが、好ましく
は3〜48時間、さらに好ましくは6〜24時間行う。消化反
応は常圧下で、撹拌しながら行う。かかる消化工程も、
回分式または連続式のいずれの形態でも行うことができ
る。
るために、従来の汚泥処理法で採用されている固液分離
や熱交換等を組合せ、また、適宜各操作を反復すること
で、さらに迅速且つ効率のよい方法となすことができ
る。
が、本発明は、もとよりこれら実施例に限定されるもの
ではない。
び同定 下水処理場由来の余剰汚泥を70℃にて1年以上馴致した
培養液を、滅菌水で希釈して、希釈液を標準寒天培地に
塗布し、70℃の恒温槽内で24時間培養した。形成した合
計40のコロニーの色及び形状を観察した後、それぞれ
2回継代培養して分離菌株を得た。各分離菌株につき、
プロテアーゼ活性及びアミラーゼ活性、ならびに汚泥可
溶化能を測定した。
各菌を培養し、その培養上澄を採取して、活性測定用の
試料を得た。
無の定性的評価は、それぞれスキムミルク及びデンプン
の分解能により間接的に判定した。具体的には、これら
基質を0.1重量/容量%混合した寒天培地においてハロ
(溶解斑)を形成する程度に応じて目視により判定した
(表1参照)。なお、かかるスキムミルク及びデンプン
の分解能の検定は、R.BEAUDET, C.GAGNON, J.G.BISAILL
ON and M.ISHAQUE、"Microbiological Aspects of Aero
bic Thermophilic Treatment of Swine Waste"、Applie
d and Environmental Microbiology、971〜976頁、(19
90年4月)に記載の方法の変法によった。
物性汚泥(約1,000 ppm)を1 %含有する寒天培地に前
記の分離菌株をそれぞれ接種し、70℃にて24時間培養し
た後、汚泥溶解斑の形成を観察した。
ち、汚泥を可溶化することができる菌株は、分離した4
0コロニーのうちの4つのみ、すなわち10%であるこ
とが明らかになり、従って、残り90%の好熱菌は、汚
泥の可溶化に貢献することのない、むしろ、それらが生
育することにより汚泥可溶化酵素生成菌の増殖を阻む可
能性のある、雑菌と称すべきものであることが示され
た。また、高いプロテアーゼ活性が認められたコロニー
は汚泥可溶化能が高かったので、プロテアーゼ活性と汚
泥可溶化能との相関性が確認されたが、アミラーゼの生
成、分泌と汚泥可溶化能とは必ずしも相関しないことが
示唆された。
り固液分離して得られる上澄を、70℃にて24時間培養し
て得られた培養液中の、揮発性懸濁固形物質(VSS:Vol
atile Suspended Solids)重量及び除去された揮発性物
質(VM:Volatile Matter)重量を定量し、培養によっ
て増殖した好熱菌の菌体収率を求めた。VSS及びVMの定
量は、下水試験法(1984年版)に準じて行った。得られ
た結果を表2に示す。
いても、除去された有機物に対して約50%の量が、有
機性固形物質に転換することが示された。これは、廃液
中に含まれる好熱菌の増殖に伴って生じる成分であり、
かかる好熱菌が混在することで、汚泥の可溶化の効率が
見かけ上低下することが推測される。
る、余剰汚泥の可溶化 直径150 mm、有効容積10 Lのステンレス製反応器を用
い、下水処理場から排出された10 Lの余剰汚泥(有機性
固形物質濃度=2.4%(重量/容量)、懸濁固形物質(S
S:Suspended Solids)中の揮発性懸濁固形物質(VSS)
の割合=85%(重量/重量))の可溶化を、回分式に
て行った。1バッチ終了時、処理液の20%を次のバッチ
の種汚泥として残し、他を可溶化処理液として排水し
た。次いで排水した可溶化処理液と同量の、前記下水処
理場から排出された余剰汚泥を投入し、次のバッチを始
めた。処理温度は70℃とし、通気は0.4 vvmにて実施し
た。
おいて、1バッチの開始時及び終了時の処理液のVSS濃
度及びVM濃度を測定し、見かけのVSS除去率及びVM除去
率を算出した。さらに、参考例1の結果をふまえて、す
なわち全VMのうち50%が好熱菌の菌体由来であるとし
て、真のVSS除去率を求め、各除去率とHRTとの相関を図
1のグラフに示した。
た方法で行った。見かけのVSS除去率及び真のVSS除去率
は、下式に従って求めたものである。
た方法では、汚泥可溶化酵素を生成する菌により可溶化
がなされたとしても、それ以外の雑菌が増殖するに伴っ
て菌体成分が有機性固形物質として増大し、見かけの可
溶化率は低値に抑えられる。
性の変動 バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearot
hermophilus)に属するSPT2-1 株 [受託番号:FERM P-1
5395] は、汚泥可溶化を行うプロテアーゼを生成する好
熱菌として、下水処理場余剰汚泥から同定、単離された
好熱菌である(特願平8-42496号参照)。この菌をY-P培
地を用いて回分培養した場合の、培地中のプロテアーゼ
活性の変動を調べた。まず、Y-P培地中で、SPT2-1 株を
70℃にて15時間、100 rpmで振盪しながら前培養した。
溶解性有機炭素(DOC:Dissolved Organic Carbon)濃
度を約1500 ppmに調整した300 mlのY-P培地を入れた1
Lの三角フラスコを2ケ準備し、前培養液を、それぞれ1
及び10容量%接種した。5時間ごとに、培養液を、それ
ぞれ99及び90%廃棄し、その量を補うように新しいY-P
培地を加えて植継いだ。このように1%及び10%を植継
いで回分培養を継続し、5時間ごとに試料を採取して各
プロテアーゼ活性を定量した。
量した。すなわち、非特異的なプロテアーゼアッセイ用
の基質であるアゾコール(商品名、Sigma社製)をpH 7.
0のリン酸緩衝液に懸濁した液(5 mg/ml) 0.7 mlに、
等量の試料を加え、70℃にて30分間インキュベートし
た。反応終了後、520 nmにおける吸光度を測定した。こ
の測定法でトリプシン(約400 BAEE U/mg、和光純薬(株)
製)のリン酸緩衝液(pH7.0)溶液30μg/mlを試料とし
て同様に測定すると、520 nmにおける吸光度は1.0であ
った。
は10回、10%では5回まで、高いプロテアーゼ活性が
認められたが、それ以上培養を継続すると活性は低下し
た。
め、プロテアーゼ活性が充分に高かった3回目の回分操
作終了時(図2、(a))の試料と、同活性がA520=0.1
以下に低下してから後2回目の回分操作終了時(図2、
(b))の試料における、プロテアーゼ生成菌の有無を評
価した。実施例1に記載の方法に従い、スキムミルクを
混合した寒天培地上で、70℃にて24時間培養した後のハ
ロ形成から定性的に判定したところ、プロテアーゼ活性
が高い試料(a)では、70℃培養によってコロニーを形成
する菌株のほとんど全数がプロテアーゼ活性を明確に示
したが、プロテアーゼ活性が低下した後の試料(b)で
は、プロテアーゼ活性を示す菌株数が、全コロニー数の
1割以下に低下していた。
合にプロテアーゼ活性を維持するためには、プロテアー
ゼ生成菌を定期的に追加することが好ましいことが示唆
された。
ぼす効果 前記のようにプロテアーゼを生成することが立証された
SPT2-1株を、下水処理場由来の余剰汚泥に添加して可溶
化を行い、その効果を検討した。
2-1 株を前培養しておき、比較例1と同様の反応器に余
剰汚泥10 Lを投入して、さらに前記SPT2-1 株の前培養
液500mlを添加した。70℃にて可溶化反応を行い、経時
的に試料を採取してVSS含量を定量し、各時間経過後の
可溶化率を算出した。可溶化率は、以下の式に従って求
めた。
同様の操作を行い、経時的な可溶化率の変化を調べた。
その結果を図3に示す。 図3より、SPT2-1 株を添加
して汚泥の可溶化を行うことによって、菌を添加しない
場合に比して、極めて速やかに大量の有機質が可溶化さ
れることが明らかであり、この菌による可溶化促進効果
が実証された。このように短時間で多くの有機質を可溶
化できるので、本発明の方法によって、汚泥の可溶化を
含む処理システムを大幅に迅速化しうることが期待され
る。
泥などの、有機質を含む汚泥の生物学的処理において、
有機性固形物質の可溶化が効率よく行われる方法が提供
される。
る好熱菌を汚泥に添加する操作を実施するだけで、短時
間に大量の汚泥の可溶化がなされるので、極めて簡便
に、汚泥処理システムの迅速化を図ることができるとい
う効果が奏される。従って、本発明の方法は、処理装置
の減容化にも貢献し、維持費の低減を実現することを可
能とするものである。
をもたらしうる雑菌の繁殖を抑制し、優れた可溶化能を
長時間にわたって維持させることもできる。汚泥可溶化
酵素を生成する好熱菌は、例えばSPT2-1株のような分離
菌を一旦入手すれば、または汚泥などから分離して株化
すれば、適宜培養して増菌し、必要量を調製できるの
で、安定供給が可能である。
地等の高価な試薬は不要であり、また、別途反応槽を用
意したり、処理後の後処理を行う必要も特にないので、
本発明の方法は、コスト面でも大規模なレベルでの採用
に耐えうる優れた方法である。
示すグラフである。
生成を示すグラフである。
を経時的に示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 有機質を含む汚泥の生物学的処理におい
て採用される、有機性固形物質の可溶化方法であって、 前記汚泥に含まれる有機性固形物質の可溶化率を高める
ために、汚泥可溶化酵素を生成する好熱菌を汚泥に添加
する工程を含み、可溶化が50〜70℃にて実施される
ことを特徴とする可溶化方法。 - 【請求項2】 前記酵素が活性酵素としてプロテアーゼ
を含む、請求項1記載の可溶化方法。 - 【請求項3】 前記好熱菌がバチルス属に属する細菌で
ある、請求項1または2記載の可溶化方法 - 【請求項4】 前記好熱菌がバチルス・ステアロサーモ
フィラス SPT2-1株[FERM P-15395]である、請求項3
記載の可溶化方法。 - 【請求項5】 前記好熱菌が、連続的または間欠的に添
加される、請求項1乃至4のいずれかに記載の可溶化方
法。 - 【請求項6】 前記好熱菌が、濃縮または凍結乾燥処理
を施された好熱菌である、請求項1乃至5のいずれかに
記載の可溶化方法。
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JP06952096A JP3251843B2 (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 汚泥の生物学的処理における可溶化方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09253699A JPH09253699A (ja) | 1997-09-30 |
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CN104003595B (zh) * | 2014-06-16 | 2016-03-09 | 蓝敏武 | 间歇式流化床固体有机物反应器 |
JP6457596B2 (ja) * | 2016-09-01 | 2019-01-23 | 積水アクアシステム株式会社 | 活性汚泥の処理方法、汚泥発生量の抑制方法、並びに、微生物 |
-
1996
- 1996-03-26 JP JP06952096A patent/JP3251843B2/ja not_active Expired - Lifetime
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