JPH1146635A - 釣り用リールのスプール - Google Patents

釣り用リールのスプール

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JPH1146635A
JPH1146635A JP21523197A JP21523197A JPH1146635A JP H1146635 A JPH1146635 A JP H1146635A JP 21523197 A JP21523197 A JP 21523197A JP 21523197 A JP21523197 A JP 21523197A JP H1146635 A JPH1146635 A JP H1146635A
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JP
Japan
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spool
hole
fishing line
peripheral surface
fishing
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JP21523197A
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English (en)
Inventor
Yuzo Kawabe
雄三 川辺
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Original Assignee
Shimano Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 釣り糸を傷つけたり糸巻形状をくずすことな
く貫通孔によりスプールの軽量化を図る。 【解決手段】 スピニングリールのスプール4は、外周
面に釣り糸が巻き付けられるスピニングリールのスプー
ルであって、外側部材51と内側部材50とを備えてい
る。外側部材51は周面に複数の貫通孔55が形成され
た薄肉筒状の部材である。内側部材50は、外側部材5
1の内周側に同芯に重ねて配置され周面に複数の丸孔5
4が形成された筒状の部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプール、特に、
外周面に釣り糸が巻き付けられるスピニングリール,両
軸受リール等の釣り用リールのスプールに関する。
【0002】
【従来の技術】両軸受リールやスピニングリール等の釣
り用リールには、釣り糸を巻き付けるためにリール本体
にスプールが装着されている。両軸受リールのスプール
は釣り竿の軸方向と直交する方向に配置された円柱状の
糸巻胴部を有しており、スピニングリールのスプール
は、釣り竿の軸方向に沿って配置された前側が後側より
小径の円錐台形状の糸巻胴部を有している。両軸受リー
ルでは、スプール自体が回転することが釣り糸が巻き付
けられたり繰り出されたりする。スピニングリールで
は、巻取時には、ベールアームがスプールの回りを回転
して釣り糸を糸巻胴部に巻き付ける。繰り出し時には、
ベールアームを開放姿勢することで釣り糸が糸巻胴部か
ら前方に向けて放出される。
【0003】この種の釣り用スプールでは、リール全体
の軽量化を図るために、スプールを軽量化することが行
われている。たとえば、両軸受リールでは糸巻胴部に貫
通孔あけて軽量化を図ることが従来行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
貫通孔をあけて軽量化を図ろうとすると、両軸受リール
及びスピニングリールでは、貫通孔形成部分で釣り糸の
糸巻形状がくずれるおそれがある。また、スピニングリ
ール、特にキャスティングに用いられるスピニングリー
ルの場合には、さらに貫通孔のエッジで釣り糸が傷つく
おそれがある。このように、糸巻胴部に貫通孔をあけて
スプールの軽量化を図ると、釣り糸に不具合が生じやす
い。
【0005】本発明の課題は、釣り糸を傷つけたり糸巻
形状をくずすことなく貫通孔によりスプールの軽量化を
図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明1に係る釣り用リー
ルのスプールは、外周面に釣り糸が巻き付けられる釣り
用リールのスプールであって、外側部材と内側部材とを
備えている。外側部材は周面に複数の第1貫通孔が形成
された薄肉筒状の部材である。内側部材は、外側部材の
内周側に同芯に重ねて配置され周面に複数の第2貫通孔
が形成された筒状の部材である。
【0007】このスプールでは、内側部材の外周面に薄
肉筒状の外側部材を重ね、たとえば第1貫通孔と第2貫
通孔との位相をずらす等して配置を変えたり形状を変え
ることにより、第1貫通孔の深さを外側部材の厚み分の
薄いものにすることができ、第1貫通孔のエッジで釣り
糸を傷つけにくくなる。また、第1貫通孔があいていて
も内側部材で釣り糸を支持できるので糸巻形状がくずれ
にくくなる。
【0008】発明2に係る釣り用リールのスプールは、
発明1に記載のスプールにおいて、第1貫通孔及び第2
貫通孔は、それぞれの周面に周方向に間隔を隔てて配置
されている。この場合には、第1及び第2の貫通孔の周
方向での位相を変えたり形状を変えたりすることで、内
側部材及び外側部材をそれぞれの強度を損なうことなく
軽量化できる。
【0009】発明3に係る釣り用リールのスプールは、
発明2に記載のスプールにおいて、第1貫通孔は、第2
貫通孔と周方向で異なる位相に配置されている。この場
合に、第1貫通孔と第2貫通孔との周方向の位相がずれ
ているので、実質的に大きな貫通孔をあけたのと同様な
軽量化を図れしかも強度を維持できる。また、釣り糸が
第1貫通孔のエッジで傷つくことが少なくなる。
【0010】発明4に係る釣り用リールのスプールは、
発明2又は3に記載のスプールにおいて、第1貫通孔及
び第2貫通孔は、それぞれの周面に軸方向に間隔を隔て
て配置されている。この場合には、2つの貫通孔が軸方
向と周方向とに配置されるので、貫通孔の数が多くなり
より軽量化を図ることができる。発明5に係る釣り用リ
ールのスプールは、発明4に記載のスプールにおいて、
第1貫通孔及び第2貫通孔は、それぞれの軸方向に隣合
う孔が周方向に位相がずれている。この場合には、軸方
向に隣合う孔の位相がずれているので、貫通孔を密に形
成することができる。
【0011】発明6に係る釣り用リールのスプールは、
発明1から5のいずれかに記載のスプールにおいて、第
1貫通孔と第2貫通孔とはその孔形状及び/又は配置が
異なる。この場合には、たとえば外側部材お第1貫通孔
は糸巻形状をくずしにくい形状・配置にし、内側部材に
は強度を考慮した形状・配置にすることができる。発明
7に係る釣り用リールのスプールは、発明1から6のい
ずれかに記載のスプールにおいて、第1貫通孔及び第2
貫通孔の少なくとも一方の孔の形状は非円形である。こ
の場合には、たとえば外側部材の第1貫通孔を糸巻形状
をくずしにくい菱形等の形状にすることができる。
【0012】発明8に係る釣り用リールのスプールは、
発明1に記載のスプールにおいて、外側部材は、周面に
多数の第1貫通孔が形成された金属製の網状素材を用い
ている。この場合には、糸巻形状を貫通孔をあけていな
い場合とほとんど同じにすることができるとともに、多
数の第1貫通孔により滑り止め効果も期待できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔全体構成及びリール本体の構成〕図1〜図3におい
て、本発明の一実施形態を採用したスピニングリール
は、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、
ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、
リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプ
ール4は釣り糸をその外周面に巻き取るものであり、ロ
ータ3の前部に前後移動可能に配置されている。
【0014】リール本体2は、ロータ3やスプール4を
支持する筐体部10と、筐体部10の両側面に着脱自在
にネジ止めされた1対の蓋体部11a,11bと、筐体
部10から上方に延びる竿取付部12とを有している。
筐体部10はたとえばアルミニウム合金製の薄肉部分と
厚肉部分とが混在した部材であり、両側に開口部10
a,10bを有している。筐体部10の内部には、ロー
タ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、スプール
4を前後移動させて均一に釣り糸を巻き取るためのオシ
レーティング機構6とが設けられている。
【0015】蓋体部11a,11bは、たとえばマグネ
シウム合金製の薄肉の部材であり、筐体部10の開口部
10a,10bをそれぞれをカバーする。蓋体部11
a,11bは、たとえばマグネシウム合金が持つチクソ
トロピ性を利用したチクソモールディング法によりマグ
ネシウム合金を射出成形して製造される。なお、耐食性
を確保するためにマグネシウム合金の表面はクロメート
処理されている。一方の蓋体部11a(図3下側)に
は、ハンドル1が先端に固定されたハンドル軸7を支持
する側方に突出する筒状のハンドル支持部8が設けられ
ている。ハンドル支持部8の両端には軸受9,9が配置
されており、軸受9,9によりハンドル軸7はハンドル
支持部8に回転自在に支持されている。
【0016】竿取付部12は、筐体部10から上方に斜
め前方に延びる部材であり、筐体部10と一体でほぼT
字型に形成されている。竿取付部12の上部には、竿取
付面12aが形成されている。ロータ駆動機構5は、ハ
ンドル軸7の基端にハンドル軸7と一体で形成されたマ
スターギア13と、マスターギア13に噛み合うピニオ
ンギア14とを有している。ピニオンギア14は筒状に
形成されており、その前部14aはロータ3の中心部を
貫通してスプール4側に延びている。そして、その先端
にはネジ部が形成されている。ピニオンギア14は、そ
の軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受15,1
6を介してリール本体2の筐体部10に回転自在に支持
されている。
【0017】オシレーティング機構6は、スプール4の
中心部を先端で固定したスプール軸20を前後方向に往
復移動させてスプール4を同方向に移動させるための機
構である。オシレーティング機構6は、スプール軸20
の上方に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後
方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定
された中間ギア23とを有している。螺軸21は、スプ
ール軸20と平行に配置されており、先端部がロータ3
の内部で筐体部10に回転自在に支持されている。ま
た、螺軸21の外周部には螺旋状の溝21aが形成され
ており、後端には平坦部20aが形成されている。スラ
イダ22にはスプール軸20の後端が軸方向移動不能及
び回転不能に固定されている。スライダ22は、螺軸2
1の上方及び下方に平行に配置されたガイド軸24a,
24bにより軸方向に案内される。中間ギア23は、螺
軸21の先端部に固定されており、ピニオンギア14に
噛み合っている。
【0018】〔ロータの構成〕ロータ3は、図1及び図
4に示すように、円筒部30と、円筒部30の側方に互
いに対向して設けられた第1ロータアーム31及び第2
ロータアーム32とを有している。円筒部30と両ロー
タアーム31,32とは一体成形されている。円筒部3
0の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中
央部にはボス33aが形成されている。このボス33a
の貫通孔をピニオンギア14の前部14a及びスプール
軸20が貫通している。前壁33の前方側にはナット3
4が配置されており、このナット34がピニオンギア1
4の先端のネジ部に螺合している。ナット34の内周部
には、ナット34をスプール軸20に対して回転自在に
支持するための軸受35が配置されている。
【0019】また、円筒部30の内部にはロータ3の逆
転防止機構37が配置されている。逆転防止機構37
は、ローラ型のワンウェイクラッチ(図示せず)と、ワ
ンウェイクラッチを作動状態及び非作動状態に切り換え
る操作機構38とを有している。ワンウェイクラッチ
は、外輪が筐体部10に固定され、内輪がピニオンギア
14に固定されている。操作機構38は、筐体部10の
下部に配置された操作レバー39を有しており、操作レ
バー39を揺動させることでワンウェイクラッチが2つ
の状態に切り換られ、作動状態のときにロータ3が逆転
不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能にな
る。
【0020】ロータ3の前壁33には、前方に開口を有
する筒状の糸噛み防止部材36が設けられている。この
糸噛み防止部材36は、外周先端部に段部36aを有し
ており、スプール4に巻き付けられた釣り糸がロータ3
との間の隙間から入ってスプール軸20に噛み込むのを
防止するために設けられている。〔ベールアームの構
成〕図1〜図3に示すように、第1及び第2ロータアー
ム31,32の先端にはベールアーム40が開閉自在に
装着されている。ベールアーム40は、第1及び第2ロ
ータアーム31,32の先端の内周側にそれぞれ揺動自
在に装着された第1及び第2ベール支持部材41a,4
1bと、釣り糸案内機構42と、釣り糸案内機構42及
び第2ベール支持部材41bに両端が固定されたベール
46とを有している。第1ベール支持部材41aは、2
つの軸受40aにより第1ロータアーム31に回転自在
に支持されている。釣り糸案内機構42は、釣り糸をス
プール4に案内するためものであり、第1ベール支持部
材41aの先端に装着されている。ここで、第2ベール
支持部材41bを、例えば、他の部分より比重の大きい
材質で構成し、第1ベール支持部材41a及び釣り糸案
内機構42に起因する回転時のアンバランスを解消する
ためのバランサとして機能させている。これにより、ベ
ールアーム40を含むロータ3全体は、動的バランスが
釣り合ったものになる。
【0021】また、各ベール支持部材41a,41bを
ロータアーム31,32の内周側に装着することによ
り、ベールアーム40の回転半径が小さくなり、釣り竿
も持つ手に当たりにくくなる。したがって、竿取付部1
2を短くしてスプール4と釣り竿を近づけることがで
き、全体として小型化が可能になる。ここで、両ベール
支持部材41a,41bは、一本の揺動軸Mを中心に揺
動自在である。そして、揺動軸Mと第1ロータアーム3
1の第1ベール支持部材取付面とが交差する点を揺動中
心C1とし、揺動軸Mと第2ロータアーム32の第2ベ
ール支持部材取付面とが交差する点を揺動中心C2とし
た場合、揺動中心C2は揺動中心C1より前方に位置し
ている。すなわち、揺動軸Mは、スプール軸20と直交
する軸に対して後方に傾いている。また、各ベール支持
部材41a,41bは、それらの揺動面が揺動軸Mに対
して直交するように配置されている。
【0022】釣り糸案内機構42は、図2及び図3に示
すように、第1ベール支持部材41aに一端が固定され
た固定軸(図示せず)と、固定軸と一体で形成された固
定軸カバー44と、概略筒状のラインローラ45とを有
している。固定軸43は、固定軸カバー44と一体で切
削加工により製作された部材である。固定軸43は、基
端が固定軸カバー44から延びており、先端が第1ベー
ル支持部材41aの先端に固定されている。固定軸カバ
ー44は頂点が中心からずれた略円錐形状であり、その
頂点は、固定軸の軸芯を基準にしてリールの後方向でか
つスプール4の径方向外方を向いている。この円錐の頂
点付近の稜線部にベール46が稜線部と滑らかに接合さ
れている。このベール46と固定軸カバー44との接合
部は、円錐の頂点より釣り糸案内側に偏倚している。ラ
インローラ45は、固定軸に軸受を介して回転自在に支
持されている。ベール46は、固定軸カバー44と第2
ベール支持部材41bとに挿入固定されている。ベール
46は、スプール4の周方向外方に湾曲して配置され、
釣り糸を固定軸カバー44を介してラインローラ45に
導く。ここで、固定軸カバー44及びベール46のライ
ンローラ側部分46a(図2)の釣り糸案内側接触部4
6b(図1)とスプール4上での釣り糸接触部との距離
Rは、ベール46からラインローラ45に向かうに従っ
て短くなるように、固定軸カバー44及びベール46は
構成されている。
【0023】〔スプールの構成〕スプール4は、ロータ
3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との
間に配置されており、スプール軸20の先端に固定され
ている。スプール4は、図4及び図5に示すように、外
周に釣り糸が巻き付けられる先細りテーパ筒状の糸巻胴
部4aと、糸巻胴部4aの後部にそれより大径に一体で
形成された後フランジ部4bと、糸巻胴部4aの前部に
固定された大径の前フランジ部4cとを有している。糸
巻胴部4aはロータ3の円筒部30の外周側まで延びて
おり、通常のスピニングリールより胴長さが長くなって
いる。また、両フランジ部4b,4cのフランジ高さ
は、通常のスピニングリールより低くなっている。これ
により、糸放出時の抵抗が少なくなり、細い釣り糸を糸
巻胴部4aに巻き付けても釣り糸がよれにくくなってい
る。
【0024】糸巻胴部4aは、内側部材50と内側部材
50の外周側に同芯に重ねて装着された薄肉の外側部材
51とを有している。内側部材50は、たとえば、1.
0mm〜1.5mm程度のアルミニウム合金製の先細り
有底筒状の部材である。なお、この内側部材50を蓋体
部11a,11bと同様にマグネシウム合金製にしても
よい。内側部材50の先端部には円板状の前壁部52が
一体で形成されており、その中心部にはスプール軸20
に回転不能に装着されたボス部53が形成されている。
また、内側部材50の後部に後フランジ部4bが一体で
形成されている。内側部材50の外周面には、内外周を
貫通する多数の丸孔54が形成されている。丸孔54
は、スプール4の軽量化を図るために形成されており、
位相をずらして周方向及び軸方向に間隔を隔てて配置さ
れている。
【0025】外側部材51は、周面に多数の貫通孔55
を有するたとえばステンレス製の金網を先細り筒状に成
形して得られた部材である。外側部材51は、先端に内
側に折れ曲がる係止部51aを有し、後端に外側に折れ
曲がる鍔部51bを有している。この係止部51aが内
側部材50の先端に係止される。また鍔部51bは後フ
ランジ部4bに螺合するネジリング56により糸巻胴部
4aと後フランジ部4bとの段差部に固定されている。
【0026】このようにスプール4の糸巻胴部4aを厚
肉の内側部材50と金網を成形した薄肉の外側部材51
とで構成することで、糸巻形状を貫通孔をあけていない
場合とほとんど同じにすることができるとともに、多数
の貫通孔55により滑り止め効果も期待できる。後フラ
ンジ部4bには、内周部にリング状の溝部57が形成さ
れている。溝部57には、制振リング58が嵌め込まれ
ている。制振リング58は、ポリアセタール樹脂等の弾
性を有する合成樹脂製のリングであり、円弧の一部が切
り欠かれた形状である。この制振リング58の外径は、
溝部57の内径より大きい。このため、溝部57に制振
リング58を嵌め込む際には、制振リング58の切欠き
の両端を僅かに力を入れて掴み、その径を溝部57の縁
部の内径より小さく縮めるようにして嵌め込む。これに
より、制振リング58は、合成樹脂の弾性を利用して溝
部57に装着されることになる。
【0027】このような合成樹脂製の制振リング58を
薄肉のスプール4に装着すると、釣り糸を巻き取るとき
に釣り糸がスプール4に当たっても、接触による振動が
制振リング58により抑えられ、スプール4が振動しに
くくなる。このため、釣り糸が金属製のスプール4に巻
き取られる際にスプール4に接触しても鈴の音のような
騒音が発生しにくくなる。また、制振リング58は、ス
プール4の内周面に装着されているので、制振リング5
8が糸巻取の邪魔にならず、スプール全体の大型化を抑
えることができる。
【0028】前フランジ部4cは、底無し皿状の部材で
あり、内側部材50の前壁部52の周縁部とで外側部材
51の係止部51aを挟んで固定している。前フランジ
部4cは、内側部材50に螺合するスプールリングカラ
ー59により内側部材50との間で挟持され内側部材5
0に固定されている。内側部材50の前壁部52には雌
ネジ部60が形成されており、この雌ネジ部60にスプ
ールリングカラー59が螺合している。スプールリング
カラー59は鍔付フランジ形状であり、その前側にはス
プールナット61が配置されている。スプールナット6
1は、スプール軸の先端に螺合しており、スプール4を
スプール軸20に固定している。
【0029】〔リールの操作及び動作〕このスピニング
リールでは、キャスティング時には、ベール46を糸巻
取側から糸開放側に倒す。これにより第1及び第2ベー
ル支持部材41a,41bは、揺動軸Mを中心として同
方向に回転する。このとき、第1及び第2ベール支持部
材41a,41bは、第1及び第2ロータアーム31,
32の内周側に配置され、かつ揺動軸Mがスプール軸2
0に対して後方に傾いているので、第1ベール支持部材
41a及びその先端のラインローラ45は、糸巻取姿勢
時の位置よりもさらに内周側に移動する。このため、キ
ャスティング時に繰り出された釣り糸が第1ベール支持
部材41aやラインローラ45に絡みにくくなる。
【0030】釣り糸巻取時には、ベール46を糸巻取姿
勢に倒す。これは、ハンドル1を糸巻取方向に回転させ
ると図示しないカムとバネの働きにより自動的に行われ
る。ハンドル1を糸巻取方向に回転させると、この回転
力はハンドル軸12及びマスターギア13を介してピニ
オンギア14に伝達される。このピニオンギア14に伝
達された回転力は、ピニオンギア14前部を介してロー
タ3に伝達され、ロータ3が糸巻取方向に回転する。
【0031】また、ベール46が糸巻取姿勢に倒れてロ
ータ3が回転すると、ベール46の後部(釣り糸案内側
接触部)に接触した釣り糸は、ベール46により固定軸
カバー44に案内される。固定軸カバー44に案内され
た釣り糸は、ラインローラ45に案内され、さらに、ラ
インローラ45で釣り糸の方向が変えられスプール4の
糸巻胴部4aの外周に巻き取られる。
【0032】この糸巻胴部4aは、軽量化を図るために
内側部材50と外側部材51とに貫通孔が形成されてい
るが、外側部材51が金網で形成されているので、釣り
糸を傷つけたり糸巻形状をくずすことがない。また、2
つの部材でスプール4を構成することで、デザイン的に
も新しさを演出することができる。さらに、内側部材5
0に丸孔54が形成されているので、スプール4に巻か
れた釣り糸の下巻部分にも空気が触れるため釣り糸が濡
れても乾燥しやくなる。このため、環境に優しい生分解
性を有する釣り糸を使用しても釣り糸が劣化しにくくな
る。
【0033】この固定軸カバー44及びベール46のラ
インローラ側部分46aの釣り糸案内側接触部とスプー
ル4上の釣り糸接触部との距離Rがベール46からライ
ンローラ45に向かうに従って短くなるように、ベール
46及び固定軸カバー44が構成されているので、スプ
ール4との距離の増減変動がなくなり、釣り糸が引っ掛
かりにくくなる。このため、釣り糸をベール46からラ
インローラ45にスムーズに案内することができる。
【0034】〔他の実施形態〕 (a) 図6に示すように、内側部材50の周面に長孔
54aを周方向に間隔を隔てて形成し、たとえばステン
レス製の薄肉先細り円筒部材で外側部材51を構成し、
その周面にたとえば、菱形等の非円形の貫通孔55aを
形成してもよい。このように形状が異なる2種の孔をそ
れぞれの部材に形成することで、貫通孔55aの深さを
外側部材51の厚み分の薄いものにすることができ、貫
通孔55aのエッジで釣り糸を傷つけにくくなる。ま
た、貫通孔55aがあいていても内側部材で釣り糸を支
持できるので糸巻形状がくずれにくくなる。ここで、外
側部材51を内側部材50に装着したときに長孔54a
と貫通孔55aの周方向の位相をずらして装着すると、
2つの孔が同じ位置に配置されなくなり、上記効果がよ
り発揮される。
【0035】(b) 図7に示すように、内側部材50
と外側部材51とに同じ形状の丸孔54b,55bを形
成し、丸孔54b,55bの周方向の位相をずらすよう
に配置してもよい。この場合にも、丸孔55bの深さを
外側部材51の厚み分の薄いものにすることができ、丸
孔55bのエッジで釣り糸を傷つけにくくなる。また、
丸孔55bがあいていても内側部材で釣り糸を支持でき
るので糸巻形状がくずれにくくなる。
【0036】(c) 前記実施形態ではスピニングリー
ルのスプールを例に説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、両軸受リールや片軸受リール等の全
ての釣り用リールのスプールに適用できる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、内側部材の外周面に薄
肉筒状の外側部材を重ね、たとえば第1貫通孔と第2貫
通孔との位相をずらす等して配置を変えたり形状を変え
ることにより、第1貫通孔の深さを外側部材の厚み分の
薄いものにすることができ、第1貫通孔のエッジで釣り
糸を傷つけにくくなる。また、第1貫通孔があいていて
も内側部材で釣り糸を支持できるので糸巻形状がくずれ
にくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリー
ルの断面側面図。
【図2】その正面図。
【図3】その平面断面図。
【図4】スプール及びロータの断面拡大図。
【図5】スプールの分解斜視図。
【図6】他の実施形態の図5に相当する図。
【図7】さらに他の実施形態の図4に相当する図。
【符号の説明】
4 スプール 50 内側部材 51 外側部材 54,54b,55b 丸孔 54a 長孔 55,55a 貫通孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に釣り糸が巻き付けられる釣り用リ
    ールのスプールであって、 周面に複数の第1貫通孔が形成された薄肉筒状の外側部
    材と、 前記外側部材の内周側に同芯に重ねて配置され周面に複
    数の第2貫通孔が形成された筒状の内側部材と、を備え
    た釣り用リールのスプール。
  2. 【請求項2】前記第1貫通孔及び第2貫通孔は、それぞ
    れの周面に周方向に間隔を隔てて配置されている、請求
    項1に記載の釣り用リールのスプール。
  3. 【請求項3】前記第1貫通孔は、前記第2貫通孔と周方
    向で異なる位相に配置されている、請求項2に記載の釣
    り用リールのスプール。
  4. 【請求項4】前記第1貫通孔及び第2貫通孔は、それぞ
    れの周面に軸方向に間隔を隔てて配置されている、請求
    項2又は3に記載の釣り用リールのスプール。
  5. 【請求項5】前記第1貫通孔及び第2貫通孔は、それぞ
    れの軸方向に隣合う孔が周方向に位相がずれている、請
    求項4に記載の釣り用リールのスプール。
  6. 【請求項6】前記第1貫通孔と第2貫通孔とはその孔形
    状及び/又は配置が異なる、請求項1から5のいずれか
    に記載の釣り用リールのスプール。
  7. 【請求項7】前記第1貫通孔及び第2貫通孔の少なくと
    も一方の孔の形状は非円形である、請求項1から6のい
    ずれかに記載の釣り用リールのスプール。
  8. 【請求項8】前記外側部材は、周面に多数の第1貫通孔
    が形成された金属製の網状素材を用いている、請求項1
    に記載の釣り用リールのスプール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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