JPH114515A - 配線器具取付用耐火保護カバーおよび中空壁への配線器具の取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁板との間に隙間を生じさせることなしに容
易に取付を可能にすることにより優れた耐火性を発揮さ
せる。 【解決手段】 耐火材により形成され前面を開口した箱
形の保護カバー本体２と、前面に配線器具用取付枠７を
取付可能で保護カバー本体２に開口から差し込み嵌装さ
れる配線器具取付用カバー３とからなり、保護カバー本
体２は少なくとも一つの側面２２に中空壁内に配設され
る桟木５への固定部２６を有するとともに前記開口周端
に沿ってフランジ２７が拡設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、配線器具取付用耐
火保護カバーおよび中空壁への配線器具の取付方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、建築構造材に例えば石膏ボードの
ような壁材を取り付けることにより中空の壁構造を形成
し、この中空壁内にコンセントやスイッチなどの配線器
具を金属製の配線器具取付用ボックスを用いて取り付け
ることが行われている。

【０００３】ところが、このような配線器具取付用ボッ
クスは壁板を取り付ける前に建築構造材を構成する木桟
などに予め取り付けておき、施工後に壁板の該当個所を
配線器具取付用ボックスに合わせて表面から開口するも
のであり、隙間なく正確に開口することがきわめて困難
であった。

【０００４】また、中空壁への配線器具取付手段として
予め中空壁に開口部を形成し、この開口部から差し込ん
だフレームやボックスと壁板の表側に配置した枠体とで
壁板を挟持固定する取付手段などのように正確に且つ容
易な作業で配線器具を取り付ける方法が提示されてい
る。

【０００５】しかしながら、これらの取付手段において
耐火性を付与するにはプレートの裏面に耐火カバーを取
り付けて簡易耐火手段として用いることができるだけで
あり、確実な耐火性を持たせることはできなかった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、施工が容易であるとともに正確な位置に且
つ壁板との間に隙間を生じさせることなしに取付が可能
であり、従って、優れた耐火性を発揮する配線器具取付
用耐火保護カバーおよび中空壁への配線器具の取付方法
を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明である配線器具取付用耐火保護カバー
は、耐火材により形成され前面を開口した箱形の保護カ
バー本体と、前面に配線器具用取付枠を取付可能で前記
保護カバー本体に開口から差し込み嵌装される配線器具
取付用カバーとからなり、前記保護カバー本体は少なく
とも一つの側面に中空壁内に配設される桟木への固定部
を有するとともに前記開口周端に沿ってフランジが拡設
されていることを特徴とする。

【０００８】また、前記手段において、配線器具取付用
カバーと保護カバー本体とに互いに係止される係止部を
それぞれ設けることにより取付作業の能率化を図ること
ができ、強電の配線に加えて弱電の配線を同一保護カバ
ー内で施工する場合には、前記配線器具取付用カバー内
に強電の配線と弱電の配線とを仕切る隔壁を差込み固定
可能とすることにより簡単な操作で施工することができ
る。

【０００９】更に、本発明である中空壁への配線器具の
取付方法は、耐火材により形成され前面の開口部の周端
に沿ってフランジ部が拡設されている箱形の保護カバー
本体をその側面に配置されている固定部を介して中空壁
内に配設される桟木に予め固定した状態で壁材を貼設し
た後に、前記壁材の内で保護カバー本体の部分を切り欠
いて配線器具取付口を形成するとともに、この配線器具
取付口をから前記桟木に固定した保護カバー本体にその
開口から配線器具取付用カバーを差し込み嵌装し、次い
で、前記保護カバー本体に形成された挿通孔ならびに前
記配線器具用取付口を通過させた中空壁内に配線された
電線の接続端を接続させた配線器具を予め取り付けた配
線器具用取付枠と前記保護カバー本体との間で前記壁材
を挟持させて前記配線器具取付用カバーに固定し、更
に、前記配線器具用取付枠に配線器具用プレートを装着
することを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。

【００１１】図１および図２は本発明の好ましい実施の
形態の一例を示すものであり、配線器具取付用耐火保護
カバー１は保護カバー本体２と配線器具取付用カバー３
とから構成される。

【００１２】そして、保護カバー本体２は、全体が金属
などの耐火材により前面を開口した矩形状の箱形に形成
され、開口周端に沿って水平方向に延びるフランジ２１
が外側へ向けて拡設されている。

【００１３】また、長さ方向へ延びる一対の側壁２２，
２２には配線器具取付用カバー３を係止するための係止
孔からなる一方の係止部２３，２３がそれぞれ形成され
ているとともに、幅方向に延びる一対の側壁２４，２４
には配線用の電線４の挿入孔２５がそれぞれ形成されて
いる。

【００１４】更に、保護カバー本体２の長さ方向へ延び
る一方の側壁２２には桟木５への固定部２６が備えられ
ている。

【００１５】この固定部２６は、前記保護カバー本体２
の一方の側壁２２に一体に形成され、側壁２２よりも長
い細長矩形の板状を呈し、側壁２２に拡設されたフラン
ジ２１の外側端縁２７に沿って且つ取付ねじ６の挿通孔
２８，２８を有して両端に形成された固定部２６，２６
を側壁２２の両端から突出させている。

【００１６】一方、前記保護カバー本体２に嵌装される
配線器具取付用カバー３は、保護カバー本体２と同じく
金属などの耐火性を有する材料により端面門形で前面を
開口した形状を呈し、その開口３１の長さ方向の両端に
側壁３２，３２間に架設された配線器具取付枠７の取付
部３３，３３が形成されている。

【００１７】また、配線器具取付用カバー３はその側壁
３２，３２の外側に前記保護カバー本体２０の側壁２
２，２２に形成された係止孔からなる一方の係止部２
３，２３にそれぞれ弾圧的に係合する弾性係止爪片から
なるもう一方の係止部３４，３４がそれぞれ突設されて
いる。

【００１８】更に、配線器具取付用カバー３の互いに対
向して配置される側壁３２，３２の内側面には隔壁３５
を差し込み固定するための差し込み固定部３６，３６が
突設されている。

【００１９】尚、本実施の形態では前記係止部３４，３
４ならびに固定部３６，３６は、いずれも側壁３２，３
２を一部を残して切り欠き、これを起立することにより
一体的に形成してあるので製作が容易である。

【００２０】このような構成を有する耐火保護カバー１
を用いて中空壁に配線器具を取り付けるには、まず、石
膏ボードなどの耐火性の壁板を張設前の露出状態にある
桟木５の内で所望の取付位置に合致する部位に保護カバ
ー本体２を取り付ける。

【００２１】このとき、フランジ２１の表面が桟木５の
表面５１と同一面となるように、且つフランジ２１の固
定部２６側の端縁を、桟木５の表面５１と取付面である
側面５２とによって形成される稜５３に合致させた状態
で固定部２６，２６において取付ねじ６，６を用いて固
定する。

【００２２】そして、予め中空壁内に配設されている電
線４の接続側の端部を挿入孔２５を介して保護カバー本
体２内に差し込んだ状態としておき、この状態で桟木５
に壁板８を張設する。

【００２３】次に、従来の金属製の配線ボックスを用い
た場合と同様に壁板８に保護カバー本体２の開口に沿っ
て開口部８１を例えば金属探知器などを用いて位置を確
認しながら形成する。

【００２４】このとき、従来の配線ボックスを用いた場
合には、配線ボックスの開口に合わせて壁板に正確に開
口部を形成することはきわめて困難であり、殊に、開口
部の一部または全部が配線ボックスの開口よりも広く形
成されて配線ボックスと壁板との間に隙間が生じる結
果、充分な耐火効果を得ることができないが、本発明の
実施の形態においては保護カバ゛ー本体２の開口よりも
外側において外側に広がるフランジ２１が拡設されてい
るので壁板８における開口作業の際に開口部８１の一部
または全部が保護カバー本体２の開口３１よりも広く形
成されたとしてもフランジ２１が露出するだけであり、
保護カバ゛ー本体２と壁板８との間に隙間が生じること
がなく充分な耐火性を発揮することができるものであ
る。

【００２５】次に、配線器具取付用カバー３を前記壁板
８に形成した開口部８１を通して保護カバー本体２内に
差し込み所定の位置に固着する。

【００２６】このとき、本実施の形態では、保護カバー
本体２と配線器具取付用カバー３とに互いに係合する係
止部２３，２３および係止部３４，３４がそれぞれ設け
られているので、配線器具取付用カバー３を保護カバー
本体２内に所定位置まで差し込むだけで係止部２３，２
３と係止部３４，３４とが自動的に係合して固着される
ので作業がきわめて簡単である。

【００２７】そして、配線器具取付用カバー３を保護カ
バー本体２に固着したならば、保護カバー本体２内に予
め引き込んでおいた電線４の接続端部を例えばコンセン
トからなる配線器具９を取り付けた配線器具用取付枠７
を取付ねじ９１，９１により取り付ける。

【００２８】尚、必要であれば配線器具取付枠７を取り
付ける前に予め隔壁３５を配線器具取付用カバー３に差
し込み固着しておく。

【００２９】最後に、配線器具取付枠７の前面にプレー
ト９２を装着して取付作業を終了する。

【００３０】尚、本実施の形態においては配線器具９と
してコンセントを用いた場合を示したが、スイッチなど
他の種類の配線器具についても同様に実施することが可
能である。

【００３１】また、本実施の形態では壁面８に取り付け
る場合を示したが、床面や天井面などのように他の取付
箇所にも同様に耐火性を持たせて取り付けることができ
ることは云うまでもない。

【発明の効果】

【００３２】以上のように本発明は従来に比較して簡単
な作業で充分に耐火性を持たせた状態で配線器具を取り
付けることができる。

【００３３】殊に、保護カバー本体の開口周端にフラン
ジを拡設したこととから壁板に保護カバー本体の開口周
端よりも広い開口を形成したとしてもフランジが保護カ
バー本体と壁板に形成された開口とのあいただに間に隙
間が生じることがなく充分な耐火性を確保することがで
きる。

【００３４】また、配線器具取付用カバーと保護カバー
本体とに互いに係止される係止部をそれぞれ備えた構成
とした場合には配線器具取付用カバーを木桟に固定して
ある保護カバー本体内に差し込むだけの簡単な作業で配
線器具取付用カバーを保護カバー本体内の所定位置に装
着することができ、更に、作業能率を向上させることが
できる。

【００３５】更に、強電の配線に加えて弱電の配線を同
一保護カバー内で施工する場合には、前記配線器具取付
用カバー内に強電の配線と弱電の配線とを仕切る隔壁を
差込み固定可能とすることにより簡単な操作で施工する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい実施の形態の一つを示す分解
した状態を示す斜視図。

【図２】図１に示した実施の形態についての取付順序を
示す説明図である。

【符号の説明】

１ 配線器具取付用耐火保護カバー ２ 保護カバー本体 ３ 配線器具取付用カバー ５ 桟木 ７ 配線器具取付枠 ２１ フランジ ２３ 係止部 ２４ 側壁 ２６ 固定部 ３４ 係止部 ３５ 隔壁

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 耐火材により形成され前面を開口した箱
   形の保護カバー本体と、前面に配線器具用取付枠を取付
   可能で前記保護カバー本体に開口から差し込み嵌装され
   る配線器具取付用カバーとからなり、前記保護カバー本
   体は少なくとも一つの側面に中空壁内に配設される桟木
   への固定部を有するとともに前記開口周端に沿ってフラ
   ンジが拡設されていることを特徴とする配線器具取付用
   耐火保護カバー。
2. 【請求項２】 前記配線器具取付用カバーと保護カバー
   本体とに互いに係止される係止部がそれぞれ設けられて
   いる請求項１に記載の配線器具取付用耐火保護カバー。
3. 【請求項３】 前記前記配線器具取付け用カバー内に隔
   壁を差込み固定可能とした請求項１に記載の配線器具取
   付用耐火保護カバー。
4. 【請求項４】 耐火材により形成され前面の開口部の周
   端に沿ってフランジ部が拡設されている箱形の保護カバ
   ー本体をその側面に配置されている固定部を介して中空
   壁内に配設される桟木に予め固定した状態で壁材を貼設
   した後に、前記壁材の内で保護カバー本体の部分を切り
   欠いて配線器具取付口を形成するとともに、この配線器
   具取付口から前記桟木に固定した保護カバー本体にその
   開口から配線器具取付用カバーを差し込み嵌装し、次い
   で、前記保護カバー本体に形成された挿通孔ならびに前
   記配線器具用取付口を通過させた中空壁内に配線された
   電線の接続端を接続させた配線器具を予め取り付けた配
   線器具用取付枠と前記保護カバー本体との間で前記壁材
   を挟持させて前記配線器具取付用カバーに固定し、更
   に、前記配線器具用取付枠に配線器具用プレートを装着
   することを特徴とする中空壁への配線器具の取付方法。