JPH1144655A - 多層構造体およびその検査方法 - Google Patents

多層構造体およびその検査方法

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JPH1144655A
JPH1144655A JP20008797A JP20008797A JPH1144655A JP H1144655 A JPH1144655 A JP H1144655A JP 20008797 A JP20008797 A JP 20008797A JP 20008797 A JP20008797 A JP 20008797A JP H1144655 A JPH1144655 A JP H1144655A
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JP
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JP20008797A
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Satoshi Arai
敏 荒井
Keiichi Nakano
恵一 中野
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マーカを介しての各物体の位置ずれなどの状態
を正確かつ簡単な方法で検出できる多層構造体及びその
検査方法を提供する。 【解決手段】所定のプロセスで形成される複数の物体を
重ねることで構成される多層構造体において、物体の少
なくとも2つが形成する境界部により構成される第1の
マーカ101と、物体の少なくとも2つが形成する境界
部により構成される第2のマーカ102とを備え、第1
のマーカ101を形成する物体の組み合わせと、第2の
マーカ102を形成する物体の組み合わせは異なるもの
とし、各マーカを形成する物体より更に上方に形成され
る他の物体は、各マーカの光学的検出を阻害しないよう
に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定のプロセスで
形成される複数の物体を重ねることで構成される多層構
造体及びその検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば日本国特許第2550881号は
従来のマーカの形成方法を開示している。この方法は図
17に示すように、複数の正ひし形のパッド1a〜1d
が形成された層の上に形成する物体(印刷用ソルダレジ
スト2)で、前記パッド1a〜1dを45度の傾きをも
ってそれぞれ囲む複数の正方形の枠を形成する。ただし
この時、枠のそれぞれの辺が正ひし形のパッド1a〜1
dの角部4a〜4dと少しずつ異なった所定の間隔(図
17では25μmずつ異なる)で配置されるように層を
形成するものとする。3は正方形のソルダレジストの逃
げ枠である。
【0003】ところが層を形成するときにずれが生じる
場合には、そのずれの大きさより小さな間隔で配置され
るように設計されていた前記パッド1a〜1dの角部4
a〜4dと正方形の枠の間隙は埋められ、前記正方形の
枠を形成する物体がパッド1a〜1dの角部4a〜4d
を消失させてしまう。
【0004】このようにしてパッド1a〜1dの角部4
a〜4dを消失させた正方形の枠の内、設計上、間隔が
最大のものに対応する間隔値およびその方向を物体のず
れ量およびずれの方向と判断することが可能となる。こ
れにより従来曖昧であった、層間のずれが許容範囲内で
あるか否かの合否判断に対して、一見して判断可能な基
準が与えられ、多層構造体の層間のずれの検査の自動化
を容易にしている。
【0005】また、例えば特公平7−21458号公報
は、多層構造体の検査において各層のずれ量を検出し、
これを基に設計データから比較用の画像を合成し、検査
対象画像を比較することで欠陥を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術にお
いては、正ひし形のパッド1a〜1dの角部4a〜4d
と,これを囲む正方形の枠との間隔が異なる複数のパタ
ーンを用意することにより、ずれにより消失する間隔の
限界値を求めているが、この方法で検査精度を高めるた
めには、物差し(ruler)の目盛のように非常に細
かい間隔のパターン(パッドと枠)を多数組用意する必
要がある。
【0007】これは特に多層基板の検査の場合に問題と
なる。例えばn層の各物体間の相対的な位置ずれを知る
ために、それぞれm種類の間隔からずれ量を判定しよう
とすると、n×(n−1)×m個ものパターンを用意す
る必要がある。さらに多層基板の場合は、日本国特許第
2550881号に例示されているパッド1a〜1d
と、印刷用ソルダレジスト2のように2つの物体の境界
を画像として捉えたときにコントラストが十分である、
という保証はない。
【0008】すなわち、一般の多層基板では、注目して
いる2つの物体が重なった境界における、得られる画像
のコントラストが不十分である可能性があるので、日本
国特許第2550881号のように相対的なずれ量を知
りたい物体同士を直接組み合わせてパターンを生成する
方法では、正しいずれ量を検知することが困難になる場
合がある。
【0009】また、特公平7−21458号公報に開示
されているような、設計データからずれ量を考慮して基
準画像を合成する方法では、ずれ量を求めるために二次
元の局部的な微分により層の境界を抽出する手法が開示
されている。しかし多層構造体の場合は前述の通り、層
の境界のコントラストが十分でない場合が多いため、様
々な構造を持つ多層構造体については、実際の被検体を
捉えた画像と比較するに足りうるような基準画像を合成
することは困難である。
【0010】また、この従来技術に開示されている方法
では、検査パターンそのものを用いてずれ量を検出する
ことになるが、この場合、検査パターンの内容によって
精度が左右され、正確な検出が難しい。
【0011】さらに、設計データを用いて比較用画像を
合成する方法では、設計上の都合から検査には不都合な
構造部分が存在する可能性もあるため、検査対象によっ
ては有意な比較用画像を合成するために、検査に不都合
な構造部分を取り除くような複雑な処理を必要とする、
といった問題がある。
【0012】本発明はこのような課題に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、各物体の位置
ずれを正確かつ簡単な方法で検出できる多層構造体及び
その検査方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明は、所定のプロセスで形成される複数
の物体を重ねることで構成される多層構造体において、
前記物体の少なくとも2つが形成する境界部により構成
される第1のマーカと、前記物体の少なくとも2つが形
成する境界部により構成される第2のマーカとを備え、
前記第1のマーカを形成する前記物体の組み合わせと、
前記第2のマーカを形成する前記物体の組み合わせは異
なるものとし、前記各マーカを形成する前記物体より更
に上方に形成される他の物体は、前記各マーカの光学的
検出を阻害しないように形成されている。
【0014】また、第2の発明は、所定のプロセスで形
成される物体を複数重ねることで構成される多層構造体
の検査方法において、前記多層構造体は、所定のプロセ
スで形成される複数の物体を重ねることで構成され、前
記物体の少なくとも2つが形成する境界部により構成さ
れる第1のマーカと、前記物体の少なくとも2つが形成
する境界部により構成される第2のマーカとを備え、前
記第1のマーカを形成する前記物体の組み合わせと、前
記第2のマーカを形成する前記物体の組み合わせは異な
るものとし、かつ、前記各マーカを形成する前記物体よ
り更に上方に形成される他の物体は、前記各マーカの光
学的検出を阻害しないように形成され、前記多層構造体
の検査方法は、形成された前記各マーカを2つ以上組み
合わせて用いる。
【0015】また、第3の発明は、第2の発明におい
て、前記多層構造体を光学的に撮像して得られる画像中
の、前記各マーカの画像により、1つ以上の物体に対し
て位置ずれ、輝度値、変形のうち少なくとも1つを検出
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態について
説明する。まず、本実施形態で用いられるマーカの形成
方法について説明する。ここで、マーカとは、以下の条
件を満たしながら、半導体作成技術等の所定のプロセス
で検査対象である物体に形成される構成物のことであ
る。
【0017】図1及び図2は、所定のプロセスで形成さ
れる複数の物体を重ねることで構成される多層構造体の
一部に形成されたマーカを示す。ここでは、一例とし
て、重ねられた3つの物体によりA,B,Cの3層が形
成されているものとする。第1のマーカ101は、A層
とB層とが形成する境界部(エッジ)、すなわちA層と
B層に加工された各マーカ構成部103と104とによ
り形成される境界部(エッジ)で規定される。具体的に
は、図1に示されるようにA層にある平坦なマーカ構成
部分103の上に、上面が正方形状の平たい直方体であ
るB層に形成されたマーカ構成部分104が載せられて
いる。また、第2のマーカは、B層とC層とが形成する
境界部(エッジ)、すなわちB層とC層に加工された各
マーカ構成部105と106とにより形成される境界部
(エッジ)で規定される。具体的には、図1に示される
ようにB層にある平坦なマーカ構成部分105の上に、
上面が正方形状の平たい直方体であるC層に形成された
マーカ構成部分106が載せられている。第1のマーカ
101を形成する2つの層の組み合わせ(ここではA層
とB層)と、第2のマーカ102を形成する2つの層の
組み合わせ(ここではB層とC層)は異なるものとす
る。
【0018】そして、マーカが形成された後のプロセス
で形成される層が、加工される層とその下方の層との境
界部、即ち、マーカの光学的検出を阻害する可能性があ
る場合には、この後のプロセスで形成される層は、加工
層とその下方の層との境界部を含む一定の領域を覆わな
いような形状に形成される。後のプロセスで形成される
層が透明な層である場合は光学的検出が可能なので当該
境界部が覆われていてもよい。
【0019】また、図1及び図2において、A,B,C
層の各マーカ構成部103、104、105、106は
それぞれ各層が形成される製造プロセスと同じプロセス
で形成される。すなわち、A層のマーカ構成部103は
A層と同じ製造プロセスで形成され、位置ずれ、反射輝
度、変形の程度等においてA層の他の部分と同じ特性を
有する。他のマーカ構成部104、105、106につ
いても同様である。
【0020】なお、図1において、103、105で示
す破線はマーカを図示するために便宜的に設けた境界線
であり、実際には基板上の他のパターンとの明確な境界
はない。
【0021】図3は基板107にマーカ101、102
を配置したようすを示す図であり、(a)は基板107
の検査領域108外にマーカ101、102を配置した
実施形態であり、検査領域108との干渉がなく、検査
領域108内のパターンをマーカ設置のために変える必
要がない。(b)は基板107の検査領域108内にマ
ーカ101、102を配置した実施形態であり、検査領
域108を撮像することでマーカ101、102も同時
に撮像できる利点がある。
【0022】以下に検査対象について説明する。検査対
象はいかなる多層構造体でも構わないが、本実施例では
検査対象としてプリント基板やBGA(Ball Gr
idArray)基板等の多層基板を想定する。例とす
る基板は基材であるA層の上にB層とC層を順に重ねて
半導体作成技術等のプロセスを用いて形成するものであ
り、検査対象となる基板の画像を、正常であることが判
っている参照サンプルの基板の画像と比較し、両者の差
異を欠陥として検出する。ここで、参照サンプルは、設
計データに最も近いものを目視にて選択したものを参照
サンプルとするか、あるいは、規定条件を満たしている
ものをすべて抽出し、その中から1つを選択したり、そ
れらの平均値をもって参照サンプルとする。また、上記
抽出したものをすべて含むように許容幅を設定してもよ
い。
【0023】以下に、マーカを用いた検査方法について
図4の装置構成図と、図5の欠陥検査フローを参照して
説明する。また、使用されるマーカは、図1及び図2で
説明した第1及び第2のマーカと同じである。なお、参
照サンプルのマーカを検査対象基板のマーカと区別する
ため、参照サンプルのマーカの符号にはSを付ける。
【0024】まず、参照サンプルを撮像部10内のライ
ンセンサやエリアセンサ等の光学撮像素子で撮像する
(ステップS10)。この時マーカは検査領域と同時に
撮像する。撮像された画像は画像取込部20においてデ
ジタルデータに変換され、画像記憶部30のメモリ内に
画像データとして記憶される。記憶された画像データは
マーカ検出部40に読み出され、マーカの大体の位置が
検出される(ステップS20)。例えば、設計値、ある
いは指定された座標値を基にマーカが含まれる画像の領
域を検出(抽出)する。
【0025】次に、第1のマーカ101Sの詳細な位置
を検出するために座標演算部41でマーカの位置座標を
求め(ステップS21)、記憶しておく。この詳細なマ
ーカ位置の検出には例えば広く知られているテンプレー
トマッチング法が使用できる。次にマーカの詳細な位置
が特定できた段階で、輝度検出部42および形状検出部
43においてマーカの輝度値と形状を計測し記憶してお
く。マーカの輝度検出(ステップS22)については、
マーカの中央(即ちマーカ構成部104Sの中央点)等
の代表点の輝度値をマーカの輝度値とする方法や、画像
上でマーカに含まれる全ての画素の輝度値の平均をマー
カの輝度値とする方法等が考えられる。また、マーカの
形状検出(ステップS23)については、マーカの1頂
点(例えば左下角)を基準とした他の頂点の位置をもっ
て、マーカの形状の表現形式とする。
【0026】次に同じ処理を第2のマーカ102Sに対
しても行い、ステップS21で座標位置、ステップS2
2で輝度、ステップS23で形状に関する情報を取得す
る。参照サンプルに関しては、検査開始時に撮像し上記
の情報を取得すれば、照明等の撮影条件が変化しない限
り同じ情報を繰り返し使用することができる。
【0027】次に、検査対象となる基板105を撮像し
(ステップS11)、参照サンプルの場合と同様に第1
及び第2のマーカ101、102の座標位置(ステップ
S21)、輝度(ステップS22)、形状(ステップS
23)を検出するとともに、参照サンプルと検査対象基
板のマーカより得られた情報を基に、以下の手順で各マ
ーカが形成された層間の位置ずれ(ステップS21)、
輝度(ステップS22)、変形(回転)(ステップS2
3)を算出する。
【0028】(i)位置ずれ(ステップS21) 参照サンプルにおいて第1のマーカ101を基準とした
場合の第2のマーカ102の位置と、検査対象において
第1のマーカ101を基準とした場合の第2のマーカ1
02の位置とのずれを算出する。各マーカは設置された
層と同じプロセスで形成されるため、前記のずれは、参
照サンプルと検査対象を、B層を基準として位置合わせ
した場合の、C層の相対的な位置ずれに一致する。
【0029】ずれの算出は図6(a)に示すように、参
照サンプル画像において、第1のマーカ101の左端の
エッジと第2のマーカ102の左端のエッジとの間隔d
refを求める。また図6(b)に示すように、検査対象
画像において、第1のマーカ101の左端のエッジと第
2のマーカ102の左端のエッジとの間隔dtestを求め
る。そして両者の間隔の違いdを次式によって算出す
る。
【0030】d=dtest−dref (a)d=0の場合、水平方向に相対的な位置ずれはな
い。 (b)d<0(またはd>0)の場合、検査対象のC層
は参照サンプルのC層に比べ|d|だけ左方向(または
右方向)にずれている。
【0031】ここで、算出されたずれ量があらかじめ設
定した許容範囲を逸脱する場合、画像補正部50の処理
をバイパスし、直ちに判定部70に報告(異常パラメー
タ検出のステップS40)されて、不良であると判定
(ステップS60)される。また垂直方向に関しても、
B層とC層の層間の相対的なずれ量に対して同様の検出
が可能である。
【0032】さらに特別な場合として、図7のようにマ
ーカの辺(図では上辺)が一直線上に位置するように設
計を行なうことによって、設計データとの絶対的な位置
ずれを、図6(b)のdabs に示すようにマーカの辺同
士のずれとして検出可能である。
【0033】(ii)輝度(ステップS22) ここではマーカの輝度値をもって加工された層の輝度値
の平均と見做す。但しマーカ構成部の輝度値があらかじ
め設定した許容範囲を逸脱する場合、直ちに判定部70
に報告(ステップS40)され、不良と判定(ステップ
S60)される。
【0034】(iii) 形状(ステップS23) 各層の変形を1次変換で近似する。マーカを構成する辺
または対角線上にあり、平行でない2本のベクトルをあ
らかじめ選択しておき、検査時に前記マーカ形状の検出
処理で得たマーカの頂点の座標からこれらを算出する。
2本のベクトルが設計データから得られる所定のベクト
ルに変換されるよう、層毎に1次変換のパラメータを算
出する。但し、2本のベクトルのノルムおよびなす角が
あらかじめ設定した許容範囲を逸脱する場合、直ちに判
定部70に報告(ステップS40)され、不良と判定
(ステップS60)される。特に変形がなく、回転のみ
を考慮すれば良い場合、パラメータ決定に必要なベクト
ルは1本だけで良く、これを算出するためには、前記処
理マーカ形状の検出処理において高々2つの頂点の位置
を検出しておけば良い。
【0035】上記のようにして得られた、位置ずれ、輝
度、形状の情報に基き、画像補正部50において検査対
象画像を補正(ステップS30)する。この補正処理に
ついて、図4、図5に図8を加えて説明する。
【0036】まず画像分離部51において、検査対象画
像(原画像)における各層の輝度値が異なる事を用い
て、撮像した画像を層毎の画像に分離する(ステップS
31)。本実施形態では説明を簡明にするため、検査対
象画像におけるA層のマーカ構成部103の平均輝度値
がItest A 、B層のマーカ構成部104の輝度値がI
test B 、C層のマーカ構成部106の輝度値がItest C
で、かつItest A <Itest C <Itest B であることを仮
定する。また、画素の輝度値として可能な最小の値をI
min 、最大の値をImax で表す。ここで、各画素が画像
上でどの層に属するかを輝度値によって判定する。
【0037】・輝度値が区画[Imin ,(Itest A +I
test C )/2]に属する画素は画像上でA層に属する。 ・輝度値が区画[(Itest A +Itest C )/2,(I
test C +Itest B )/2]に属する画素は画像上でC層
に属する。
【0038】・輝度値が区画[Itest B +Itest C )/
2,Imax ]に属する画素は画像上でB層に属する。 各層に属する画素を抽出することで、検査対象画像か
ら、必要な層の情報のみを含み、不要な情報を除去した
分離画像を生成することができる。
【0039】次に輝度補正部52において、マーカから
得られた輝度情報に基づいて、各層の画像の輝度値を補
正する(ステップS32)。参照サンプル画像のB層の
マーカ構成部104Sの輝度値がIref B 、検査対象画
像のB層のマーカ構成部104の輝度値がItest B のと
き、検査対象画像から分離したB層の画像の全ての画素
の輝度値をIref B /Itest B 倍する。必要に応じて他
層の画像に対しても同様に補正を行う。但し、例えば、
輝度の変動がないことがあらかじめわかっている場合に
は補正を行なわない。
【0040】次に形状補正部53において、マーカから
得られた形状情報に基づいて検査対象画像の変形(回
転)形状を補正する(ステップS33)。前記1次変換
のパラメータ決定処理で算出したパラメータを用いて各
層の画像を変換する。
【0041】そして位置ずれ補正部54において、前記
位置ずれ検出処理(ステップS21)によりマーカから
得られた位置ずれ量を用い、各層の画像を水平方向およ
び垂直方向にシフトすることで、位置ずれを補正する
(ステップS34)。
【0042】最後に画像合成部55において、各層の画
像を重ね合わせて合成する(ステップS35)ことで画
像の補正を完了する。但し、位置ずれを補正して合成す
ることで、画像上にどの層にも属さない画素が生じる場
合がある。この様な画素は次の画像比較においてdo
n't care(考慮の対象としない)とする。
【0043】そして画像比較部60において、合成され
た画像と参照サンプル画像との画像比較(ステップS5
0)を行い、判定部70において、差異の甚だしいもの
は不良と判定(ステップS60)され、その結果は表示
部80に出力される。
【0044】以下に上記した第1実施形態の効果を述べ
る。検査対象である多層構造体の各層に本実施形態で説
明したマーカを設置することで、従来のマーカと同じく
各層の絶対位置が検出できる。さらに、この各層の絶対
位置を組み合わせて処理することで、各層の相対的な位
置ずれ量も精密に検出することが可能となる。また、マ
ーカの輝度を検出することで、マーカと同じプロセスで
形成された層の輝度情報を取得することができる。これ
によって、メッキの不良等、層の形成が不完全であるよ
うな場合に速やかな異常の検出が可能となる。更に、マ
ーカの形状を検出することで、マーカと同じプロセスで
形成された層の変形(回転)情報を取得することができ
る。これによって、層の状態の良否だけでなく、マーカ
の設置されている多層構造体の反りやねじれといった不
良も検出することができる。得られた位置ずれ情報、輝
度情報、変形(回転)情報を用いて対象画像を補正する
ことで、画像比較の性能を向上させ、ひいては欠陥の検
出精度を改善することができる。これらの処理は複雑な
画像処理を必要とすることなく実現されるため、検査時
間の短縮と、検査装置のコストダウンに効果的である。
【0045】なお、上記した実施形態における各構成に
対する各種の変形、変更が可能である。 ・同じ物体(層)の組合せにおいて、マーカを2つ以上
形成する(つまり、例えばA層とB層で構成されるマー
カは1つに限らない)。
【0046】・上記の2つ以上のマーカから検出した情
報(位置、輝度、形状)を統計的に処理すれば、検出精
度を高めることができる。 ・図9に示すように、同じ物体の組合せによるマーカを
複数個1列に並べて形成することができる。この場合他
の組合せによるマーカ(図示せず)は、少なくとも1つ
ずつ配置する。
【0047】・検査対象が撮像素子に対して相対的に移
動する場合、移動方向に沿って等間隔でマーカの列を形
成すれば、画像上での出現間隔を検知することで、相対
的な移動速度やそのムラを算出することができる。これ
はラインカメラを用いて撮像する場合に特に有効であ
る。
【0048】・本実施形態では3層の多層構造体につい
ての検査方法を述べたが、多層構造体をなすn層のうち
任意のm層を検査する場合にも容易に拡張できる。図1
0は任意のm層を検査する場合のマーカ構成の一例であ
る。層は数字の小さいものから順に積層して形成され、
0層が基準となる最も下の層、m層が最も上の層である
(0層は基準となる層であって、位置ずれ量の算出対象
にはならない)。各層のマーカの絶対位置をまず取得
し、次に任意の2つの層のマーカの絶対位置からそれら
の層の相対的な位置ずれ量を算出する。これを全ての層
の組(全部でm2通り)に関して行えば、m層全ての相
対的な位置ずれ量が明らかとなる。各層の輝度、変形
(回転)については本実施形態と全く同じ方法で検出で
きる。
【0049】・マーカを明示的に設置せず、基板上のパ
ターンの中でコントラストが高く、形状が既知で、検出
可能な部位をマーカと見做して使用することもできる。
この場合、マーカを設置するためにマスクパターン等の
設計を変更する必要がない。
【0050】・図1では2つのマーカが独立して設置さ
れているが、図11(a)のように複数のマーカが周辺
領域を共有する形状や、図11(b)のようにマーカが
他のマーカを内包する形状も可能である。前者ではマー
カの設置面積を小さく押さえることができ、後者では水
平方向と垂直方向のそれぞれ1ラインのスキャンで複数
のマーカの位置を取得できるため、処理を単純化でき
る。図12(a)、(b)はそれぞれ図11(a)、
(b)の断面図である。
【0051】・マーカを構成する2つの層は図13にあ
るように様々なバリエーションが可能である。(a)は
図1に提示したマーカと同じ構成であるが、(b)、
(c)(d)の構成であっても同じ機能を有する。すな
わち、これらのうち、マーカを構成する2つの層の間の
コントラストが最も高いものを選択するようにすれば検
出精度が向上する。
【0052】・撮像した画像からマーカを検出する際、
あらかじめマーカ境界部の形状を基板に形成されるパタ
ーンに含まれない様な形状としておくことで、相関演算
による検出が可能となる。この方法では、マーカの探索
範囲の画素数が多い場合、テンプレートマッチング法よ
りも高速に検出が行える。
【0053】・位置ずれ補正、輝度補正、変形(回転)
の補正の3つの画像補正処理のうち、検査仕様上必要の
ない処理は省略することができる。どの処理を適用する
かは層毎に選択できる。この場合、処理に使われないパ
ラメータは検出する必要がない。例えば、変形の補正を
行わない場合、マーカの形状は検出する必要がない。従
って、検査時間の短縮が図れる。
【0054】以下に、本発明の第2実施形態を説明す
る。本発明の第2実施形態では、第1の実施形態と比べ
て、マーカの形状と数が異なっている。図14(a)は
第2実施形態におけるマーカ構成で、各層に対して少な
くとも3つの(図では4つ)の円形マーカを配置して1
つの組とし、これを図14(b)のような仮想的に1つ
の、相対的に大きな矩形マーカとして扱う。円形マーカ
同士の間に仮想的な辺があると考えることで、第1実施
形態における矩形マーカと全く同様に形状の情報を取得
あるいは処理することができる。この場合、各組に属す
る円形マーカの位置平均あるいは代表的な円形マーカの
位置を、そのグループの表す仮想的な矩形マーカの位置
とする。また各グループに属する円形マーカの輝度平均
あるいは代表的な円形マーカの輝度を、そのグループの
表す仮想的な矩形マーカの輝度とする。
【0055】以上のようにすることで、画像補正以降の
処理は第1実施形態における矩形マーカの位置、輝度、
形状検出後と全く同じように実行できる。本実施形態で
は、各層の変形(回転)を補正する場合でも、マーカ個
々の形状は検出する必要がなく、位置と輝度のみが検出
できれば良いため、円形以外の形状のマーカも使用でき
る。よってマーカの検出アルゴリズムに応じて最適なマ
ーカ形状を選択すれば良い。マーカ形状の例を図15に
示す。
【0056】また検査仕様および必要な補正処理の種類
に応じて1組に含まれるマーカの数を少なくすることが
できる。例えば仮想的なマーカ(図14(b)の相対的
に大きな矩形マーカ)の形状検出においては、小さなマ
ーカを始点および終点とする平行でないベクトルが2本
決定できれば良いから、図16(a)のように1組のマ
ーカを3つとすることができる。また、仮想的なマーカ
の形状検出において回転に関する情報のみを知るために
は、仮想的なマーカの1辺に相当する情報が得られれば
良い。つまり図16(b)のようにマーカが同じ組合せ
の層につき2個あれば良い。
【0057】次に、上記した第2実施形態の効果を述べ
る。同じ組合せの層に形成された複数のマーカを使用し
て層の変形(回転)を検出するためマーカの形状を直接
検出する必要がない。よって、回転不変な形状である円
形のマーカを使うことができ、層が回転してもマーカの
検出精度に影響を受けない。さらに通常、仮想的な矩形
マーカは、単一の矩形マーカに比べ、サイズをより大き
くすることができる。また仮想的な矩形マーカの一辺の
長さを大きくすることでマーカの形状の検出精度を高め
ることができる。
【0058】なお、上記した具体的実施形態には以下の
ような構成の発明が含まれている。 (1)所定のプロセスで形成される複数の物体を重ねる
ことで構成される多層構造体において、前記物体の少な
くとも2つが形成する境界部により構成される第1のマ
ーカと、前記物体の少なくとも2つが形成する境界部に
より構成される第2のマーカとを備え、前記第1のマー
カを形成する前記物体の組み合わせと、前記第2のマー
カを形成する前記物体の組み合わせは異なるものとし、
前記各マーカを形成する前記物体より更に上方に形成さ
れる他の物体は、前記各マーカの光学的検出を阻害しな
いように形成されていることを特徴とする多層構造体。 (作用・効果)複数の物体の少なくとも2つが形成する
境界部により構成される第1のマーカと、この第1のマ
ーカを形成する物体の組み合わせとは異なる物体の組み
合わせによる少なくとも2つの物体が形成する境界部に
より構成される第2のマーカとが設けられる。すなわ
ち、多層構造体を構成する各物体と各々同じプロセスで
構成される少なくとも2つの、異なる層におけるマーカ
を多層構造体に形成するが、各マーカは同じプロセスで
形成された各物体の位置ずれ等を反映しその状態を同じ
くする。また各マーカは境界部が明瞭となる物体の上方
に形成され、かつ、各マーカを形成する物体より更に上
方に形成される他の物体は、各マーカ即ち物体の境界部
の光学的検出を阻害しないように形成される。これによ
って、光学的方法による検出が容易となり、マーカを介
しての各物体の位置ずれなどの状態を正確かつ簡単な方
法で検出できる。 (2)前記複数の物体は、前記各マーカを構成する前記
物体の境界部を覆わないように形成されていることを特
徴とする構成(1)に記載の多層構造体。 (作用・効果)複数の物体は各マーカを構成する物体の
境界部を覆わないように形成されているので、マーカを
介しての各物体の位置ずれなどの状態を正確かつ簡単な
方法で検出できる。 (3)前記各マーカを構成する前記物体の境界部に透明
な物体が重ねられていることを特徴とする構成(1)に
記載の多層構造体。 (作用・効果)各マーカを構成する物体の境界部に透明
な物体が重ねられているので、マーカを介しての各物体
の位置ずれなどの状態を正確かつ簡単な方法で検出でき
る。 (4)所定のプロセスで形成される物体を複数重ねるこ
とで構成される多層構造体の検査方法において、前記多
層構造体は、所定のプロセスで形成される複数の物体を
重ねることで構成され、前記物体の少なくとも2つが形
成する境界部により構成される第1のマーカと、前記物
体の少なくとも2つが形成する境界部により構成される
第2のマーカとを備え、前記第1のマーカを形成する前
記物体の組み合わせと、前記第2のマーカを形成する前
記物体の組み合わせは異なるものとし、かつ、前記各マ
ーカを形成する前記物体より更に上方に形成される他の
物体は、前記各マーカの光学的検出を阻害しないように
形成され、前記多層構造体の検査方法は、形成された前
記各マーカを2つ以上組み合わせて用いる。 (作用・効果)構成(1)に記載のマーカを設置した多
層構造体であって、形成された前記マーカを2つ以上組
み合わせて用いる。すなわち、2つの異なる層を形成す
る2つの物体の位置ずれは、各物体で形成されたマーカ
の位置関係を捉えることで検出可能となり、これにより
2つの物体間の相対的な位置関係を正確かつ簡便に取得
できる。層の数が増えた場合はそれに対応したマーカを
使用することにより、2層以上の構造体についても同様
に位置関係の検出が可能であり、多層構造体の検査精度
を向上させることが可能となる。 (5)前記多層構造体を光学的に撮像して得られる画像
中の、前記各マーカの画像により、1つ以上の物体に対
して位置ずれ、輝度値、変形のうち少なくとも1つを検
出することを特徴とする構成(4)に記載の多層構造体
の検査方法。 (作用・効果)基板中の回路など本来の機能を果たすた
めに様々に形状が変わる可能性のある部分に比べ、マー
カ部分は安定した画像として取得できる。そこでこのマ
ーカを用いて層の位置ずれ、輝度値、変形(回転)を検
出することで、検出精度の向上と処理時間の短縮が実現
される。 (6)前記多層構造体を光学的に撮像して得られる画像
から1つ以上の層の情報を取り除いた画像を生成し、前
記生成した画像に対して位置ずれ補正、輝度補正、変形
(回転)補正のうち少なくとも1つの補正処理を行うこ
とを特徴とする構成(5)に記載の多層構造体の検査方
法。 (作用・効果)マーカ部分の画像からマーカを形成して
いる物体よりなる層に対応する画素が推定可能となる。
そこで多層構造体を撮像した画像より不要な層の画素を
除去した後に画像を補正することで、必要な層の画像に
関してのみ位置、輝度、変形(回転)の適切な補正を実
現することができ、かつ不要な層のデータの悪影響を受
けないで済む。これにより検査精度を向上させることが
できる。 (7)同一のプロセスで形成された複数のマーカを仮想
的に1つのマーカとして扱うことを特徴とする構成
(5)に記載の多層構造体の検出方法。 (作用・効果)同一のプロセスで形成された複数のマー
カを仮想的な1つのマーカとして扱うことで、仮想的な
マーカのサイズを大きくする。あるいは任意の形状を持
つマーカとして構成する。これにより、マーカの物理的
配置に関する制約によることなく、任意の大きさと形状
のマーカとして扱うことができ、この仮想的なマーカの
形状によって、多層構造体の変形などを容易に検出する
ことが可能になる。また大きなマーカとして扱うことに
よりマーカの形状の検出精度を高めることもできる。 (8)(1)記載の多層構造体の検査方法において、検
査対象となる前記多層構造体とこの多層構造体の検査基
準となる多層構造体サンプルとを準備し、検査対象とな
る前記多層構造体と前記多層構造体サンプルのおのおの
に構成された前記第1のマーカと第2のマーカの基準位
置を検出し、検査対象となる前記多層構造体に構成され
た前記第1のマーカの基準位置と第2のマーカの基準位
置との位置のずれと、前記多層構造体のサンプルに構成
された前記第1のマーカの基準位置と第2のマーカの基
準位置との位置のずれを検出し、そして両位置ずれの差
を算出して、前記第1のマーカを構成する物体群のうち
最上層の物体と、前記第2のマーカを構成する物体群の
うち最上層の物体との位置ずれを検出する多層構造体の
検査方法。 (効果)検査対象となる前記多層構造体にある第1のマ
ーカと第2のマーカの基準位置の位置ずれと検査基準と
なる多層構造体サンプルにある第1のマーカと第2のマ
ーカの基準位置の位置ずれの差を検出することで、日本
国特許第2550881号のように多数のマーカを用意
することなく、多層構造体を構成する物体相互の位置ず
れを検出できる。 (9)(1)記載の多層構造体の検査方法において、前
記多層構造体を撮像し、取り込まれた撮像信号から前記
第1のマーカを形成する物体の前記境界部に隣接する部
分と前記第2のマーカを形成する物体の前記境界部に隣
接する部分との輝度を検出し、検出された輝度の値に応
じて前記多層構造体の撮像画像の各画素がどの物体に属
しているかを判別し、前記多層構造体の撮像画像を各物
体毎の画像に分離することを特徴とする多層構造体の検
査方法。 (効果)多層構造体の撮像画像に画像処理をするに際し
て、多層構造体を構成する物体毎の画像に分離できるの
で、各物体の特性に合わせて画像処理することが可能と
なる。特に、与えられた機能に応じて形状の変化するこ
とが多い多層構造体に対して、マーカ周辺の構造はどの
多層構造体に対しても一定にしておいて構わないので、
輝度検出が処理しやすい。 (10)(9)記載の多層構造体の検査方法において、
検査対象となる前記多層構造体とこの多層構造体の検査
基準となる多層構造体サンプルとを準備し、前記多層構
造体及び多層構造体サンプルを撮像し、取り込まれた撮
像信号から前記多層構造体の前記第1のマーカ又は前記
第2のマーカを形成する物体の前記境界部に隣接する部
分の輝度と、前記多層構造体サンプルの前記第1のマー
カ又は前記第2のマーカを形成する物体の前記境界部に
隣接する部分との輝度とを検出し、検出された前記多層
構造体側の輝度と前記多層構造体サンプル側の輝度との
値に応じて、前記多層構造体の分離された物体の画像毎
に輝度を補正することで撮像画像全体の輝度を補正する
ことを特徴とする多層構造体の検査方法。 (効果)検査対象となる前記多層構造体とこの多層構造
体の検査基準となる多層構造体サンプルの各マーカ周辺
の輝度を検出し、この輝度の値に基づいて前記多層構造
体の物体毎に分離された画像の輝度を補正し、多層構造
体全体の輝度を補正するので、一定の構造を備えたマー
カから輝度を検出することから、輝度検出の処理が複雑
化しない。 (10−1)(1)記載の多層構造体の検査方法におい
て、検査対象となる前記多層構造体とこの多層構造体の
検査基準となる多層構造体サンプルとを準備し、前記多
層構造体及び多層構造体サンプルを撮像し、取り込まれ
た撮像信号から前記多層構造体の前記第1のマーカ又は
前記第2のマーカを形成する物体の前記境界部に隣接す
る部分の輝度と、前記多層構造体サンプルの前記第1の
マーカ又は前記第2のマーカを形成する物体の前記境界
部に隣接する部分との輝度とを検出し、検出された前記
多層構造体側の輝度と前記多層構造体サンプル側の輝度
との値に応じて前記多層構造体の撮像画像全体の輝度を
補正することを特徴とする多層構造体の検査方法。 (効果)検査対象となる前記多層構造体とこの多層構造
体の検査基準となる多層構造体サンプルの各マーカ周辺
の輝度を検出し、この輝度の値に基づいて前記多層構造
体全体の輝度を補正するので、一定の構造を備えたマー
カから輝度を検出するため、輝度検出の処理が複雑化し
ない。 (11)(8)記載の多層構造体の検査方法において、
検査対象となる前記多層構造体とこの多層構造体の検査
基準となる多層構造体サンプルとを準備し、前記多層構
造体と前記多層構造体サンプルを撮像し、検査対象とな
る前記多層構造体と前記多層構造体サンプルのおのおの
に構成された前記第1のマーカと第2のマーカの基準位
置を撮像された画像から検出し、検査対象となる前記多
層構造体に構成された前記第1のマーカの基準位置と第
2のマーカの基準位置との位置のずれと、前記多層構造
体のサンプルに構成された前記第1のマーカの基準位置
と第2のマーカの基準位置との位置のずれを検出し、そ
して両位置ずれの差を算出して、前記第1のマーカを構
成する物体の最上層の物体と、前記第2のマーカを構成
する物体の最上層の物体との位置ずれを検出し、前記多
層構造体の撮像信号から前記第1のマーカを形成する物
体の前記境界部に隣接する部分と前記第2のマーカを形
成する物体の前記境界部に隣接する部分との輝度を検出
し、検出された輝度の値に応じて前記多層構造体の撮像
画像をどの物体の画像であるかを判別し、前記多層構造
体の撮像画像を各物体毎の画像に分離した後で、前記検
出された物体の位置ずれに応じて各物体毎に分離した各
撮像画像を補正し、補正された各物体の撮像画像を合成
し、この合成撮像画像と前記多層構造体サンプル撮像画
像とを比較することを特徴とする多層構造体の検査方
法。 (効果)マーカ情報を用いて物体の位置ずれの検出と、
各物体毎の撮像画像の分離を行い、検出された位置ずれ
情報に基づいて各物体毎の撮像画像を補正してから合成
するようにしたので、多層構造体製造時に発生した各物
体の位置ずれを相殺した画像が得られ、これとサンプル
画像を比較することにより製造された多層構造体の良否
を正確に判断できる。 (12)(1)記載の多層構造体において、前記第1の
マーカ又は前記第2のマーカを形成する物体の各組み合
わせとして、最もコントラストの高い組み合わせを選択
することを特徴とする多層構造体。 (効果)各マーカの境界部が高いコントラストで検出で
きるので、検出精度が上がる。 (13)(1)記載の多層構造体において、前記第1の
マーカ又は前記第2のマーカの境界部の形状を各物体に
は無い形状とすることを特徴とする多層構造体。 (効果)相関演算による検出が高い精度で可能となる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、各物体の位置ずれを正
確かつ簡単な方法で検出できるマーカを備えた多層構造
体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるマーカの形成方法
を説明するための図である。
【図2】図1に示すマーカ構成の断面図である。
【図3】基板にマーカを配置したようすを示す図であ
る。
【図4】検査対象の欠陥を検査する本実施形態の装置の
構成を示す図である。
【図5】本実施形態に係る欠陥検査の手順を示すフロー
チャートである。
【図6】位置ずれを検出する方法を説明するための図で
ある。
【図7】特別な場合の位置ずれの検出方法を説明するた
めの図である。
【図8】検査対象画像を補正するときの補正処理につい
て説明するための図である。
【図9】変形例として、同じ物体の組合せによるマーカ
を複数個1列に並べて形成する例を説明するための図で
ある。
【図10】任意のm層を検査する場合のマーカ構成の一
例である。
【図11】複数のマーカが周辺領域を共有する形状や、
マーカが他のマーカを内包する形状を示す図である。
【図12】図11に示すマーカ構成の断面図である。
【図13】2つの層によるマーカ構成のバリエーション
を示す図である。
【図14】本発明の第2実施形態におけるマーカ構成及
び仮想的なマーカを示す図である。
【図15】マーカ形状の一例を示す図である。
【図16】仮想的なマーカの形状検出について説明する
ための図である。
【図17】従来のマーカの形成方法を説明するための図
である。
【符号の説明】
10…撮像部、 11…光学系、 12…照明系、 13…検査対象、 20…画像取込部、 30…画像記憶部、 40…マーカ検出部、 41…座標演算部、 42…輝度検出部、 43…形状検出部、 50…画像補正部、 51…画像分離部、 52…輝度補正部、 53…形状補正部、 54…位置ずれ補正部、 55…画像合成部、 60…画像比較部、 70…判定部、 80…表示部。 101、102…マーカ、 103、104…境界線、 105…基板、 106…検査領域。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のプロセスで形成される複数の物体
    を重ねることで構成される多層構造体において、 前記物体の少なくとも2つが形成する境界部により構成
    される第1のマーカと、前記物体の少なくとも2つが形
    成する境界部により構成される第2のマーカとを備え、 前記第1のマーカを形成する前記物体の組み合わせと、
    前記第2のマーカを形成する前記物体の組み合わせは異
    なるものとし、 前記各マーカを形成する前記物体より更に上方に形成さ
    れる他の物体は、前記各マーカの光学的検出を阻害しな
    いように形成されていることを特徴とする多層構造体。
  2. 【請求項2】 所定のプロセスで形成される物体を複数
    重ねることで構成される多層構造体の検査方法におい
    て、 前記多層構造体は、所定のプロセスで形成される複数の
    物体を重ねることで構成され、 前記物体の少なくとも2つが形成する境界部により構成
    される第1のマーカと、前記物体の少なくとも2つが形
    成する境界部により構成される第2のマーカとを備え、 前記第1のマーカを形成する前記物体の組み合わせと、
    前記第2のマーカを形成する前記物体の組み合わせは異
    なるものとし、 かつ、前記各マーカを形成する前記物体より更に上方に
    形成される他の物体は、前記各マーカの光学的検出を阻
    害しないように形成され、 前記多層構造体の検査方法は、形成された前記各マーカ
    を2つ以上組み合わせて用いることを特徴とする多層構
    造体の検査方法。
  3. 【請求項3】 前記多層構造体を光学的に撮像して得ら
    れる画像中の、前記各マーカの画像により、1つ以上の
    物体に対して位置ずれ、輝度値、変形のうち少なくとも
    1つを検出することを特徴とする請求項2記載の多層構
    造体の検査方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014654A (ja) * 2001-06-27 2003-01-15 Ngk Spark Plug Co Ltd 基板の検査方法及び検査装置並びに電子機器用製品の製造方法
JP2011085544A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Toppan Forms Co Ltd 積層物検査装置

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