JPH1143493A - 新規な燐酸エステル及び該化合物からなる離型剤 - Google Patents
新規な燐酸エステル及び該化合物からなる離型剤Info
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- JPH1143493A JPH1143493A JP15023298A JP15023298A JPH1143493A JP H1143493 A JPH1143493 A JP H1143493A JP 15023298 A JP15023298 A JP 15023298A JP 15023298 A JP15023298 A JP 15023298A JP H1143493 A JPH1143493 A JP H1143493A
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Abstract
と、透明性に優れた高品質の透明樹脂を提供する。 【解決手段】 下記式(1) (式中、mは1又は2を示し、nは1〜5の整数を示
し、R1は炭素数1〜20の残基を示し、R2、R3はそ
れぞれ水素原子又はメチル基を示す。但し、R2、R3が
ともに水素原子の場合は除く。)で表される燐酸エステ
ルとその製造方法、該燐酸エステルを含む離型剤、燐酸
エステルを含む透明樹脂並びに透明樹脂が透明光学材
料、プラスチックレンズからなるものである。
Description
新規な燐酸エステルとその製造方法、並びにそれらの燐
酸エステルを含んだ透明樹脂、透明光学材料、プラスチ
ックレンズに関する。
よりも高い衝撃性を利用して、例えば、航空機用窓ガラ
ス、自動車用ヘッドライトカバー、ペットボトル、封止
剤、液晶パネル、光ディスク、光ファイバー、プラスチ
ックレンズなどの多品種に使用されている。
化ビニル、ポリプロピレン、PMMA、(メタ)アクリ
ル樹脂等のオレフィン樹脂、ポリエン−ポリチオール樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。通常、こ
れらの透明樹脂は射出成型又は注型重合によって成型さ
れる。何れの成型方法によっても、樹脂を成形型から離
型させなければ製品は得られない。
の樹脂では、成形型からの樹脂の離型は比較的容易で、
成形型からの離型性を改良するいわゆる離型剤は必要と
されない場合が多い。ところが厳密な成型を行なう場
合、離型剤無しでそれらの樹脂を成型すると、離型の際
に過大な応力がかかることにより、成型物が反る等の変
形を起こしたり、内部に光学歪みを発生する等の好まし
くない結果を与える場合が多かった。
着剤にも用いられている事からも判る通り、極めて接着
力の強い樹脂として知られ、通常離型剤の使用は必須で
ある。
して塗布する外部離型剤と、原料モノマーに予め添加し
ておく内部離型剤がある。外部離型剤は、操作が煩雑で
あるばかりでなく、離型膜が一定になりにくく面精度が
低下するといった問題点がある。
る化合物としては、脂肪族アルコール、脂肪酸エステ
ル、トリグリセリド類、フッ素系界面活性剤、高級脂肪
酸金属塩等があるが、これらを使用した場合、離型し難
かったり、樹脂内部及び表面に濁りを発生し易く樹脂本
来の透明性を損ない易いといった欠点があった。
た透明樹脂製成型物では、特に問題で、そのなかでも通
常の目視では到底判断できない程の僅かな曇りでもスペ
ックアウトになるプラスチックレンズに代表される光学
材料の分野では、極めて致命的な欠点となっていた。特
に透明ポリチオウレタン樹脂の場合は、通常のエポキシ
樹脂及びウレタン樹脂と同様に極めて接着力が強く、同
様に離型剤量を多く必要とするが、通常のエポキシ樹脂
及びウレタン樹脂よりもかなり濁り易く、透明性を維持
して問題なく離型させる事は容易でなかった。
案が行なわれている。例えば、燐酸エステル等を用いる
方法(特開平1−18851号公報,特公平7−118
989号公報)、アルコキシアルキル燐酸エステルを用
いる方法(特公平6−20752号公報,特開平3−2
87641号公報)等が挙げられる。本発明者らも、界
面活性剤を用いる方法(特公平7−77733号公
報)、チオ燐酸エステル類を用いる方法(特開平5−3
06320号公報)、酸性ホスホン酸誘導体を用いる方
法(特開平8−57864号公報)等を提案している。
厳密にはまだ透明性が不充分であったり、着色したり、
不快臭がしたり、接着力の極めて強い場合には、通常の
量では離型性が悪かったり、離型性を向上させる為に離
型剤量を多く使用して樹脂が濁ったり、染色ムラ、ハー
ドコートの密着性の低下等の二次加工時に問題等が発生
する事があった。また、燐酸エステルのモノエステル体
とジエステル体の組成比がある一定の範囲内でない場合
は、重合中発泡したり、調合時に不透明物質を生じた
り、得られた樹脂が白濁したりするといった問題が発生
することもあった(特公平6−20752号公報)。通
常、酸性ホスホン酸誘導体を用いれば、良好な結果を与
える事が多い。しかしながらこの酸性ホスホン酸誘導体
も、例えば、ルイス酸と3級アミンを併用してウレタン
化重合を均一に短時間で行なう特別な方法(特開平8−
8792号公報)に使用した場合、透明性が損なわれ易
くなるといった傾向があり、従来の方法では、充分に満
足できるとは言い難かった。
する課題は、モノエステル体とジエステル体の組成比を
管理することなく従来よりも透明性と離型性に優れた離
型剤と、透明性に優れた高品質の透明樹脂を提供する事
にある。
題に鑑み、鋭意検討を行った結果、新規化合物である燐
酸エステルを見出すとともに、該燐酸エステル並びにそ
の組成物を透明樹脂の離型剤として使用すれば、上記問
題点は解決され、高品質の透明樹脂が得られる事を見出
し、本発明に到達した。
し、R1は炭素数1〜20の残基を示し、R2、R3はそ
れぞれ水素原子又はメチル基を示す。但し、R2、R3が
ともに水素原子の場合は除く。)で表される燐酸エステ
ルとその製造方法、該燐酸エステルを含む離型剤、燐酸
エステルを含む透明樹脂並びに透明樹脂が透明光学材
料、プラスチックレンズからなるものである。
本発明に係わる式(1)の燐酸エステルは、(ジ)メチ
ルエチレングリコール骨格を有する燐酸モノエステルま
たは燐酸ジエステルで、mで表せば各々1または2であ
る。
グリコール骨格の繰り返し数を表し、1〜5の範囲であ
り、好ましくは1〜3である。
基を表す(R2,R3がともに水素の場合を除く。)。R
2,R3がともに水素の場合は、少なくとも何れかがメチ
ル基で置換された本発明の燐酸エステルと比較して、離
型性が低下する。
素数は、1〜20である。炭素数が20を超えると透明
性が低下する。好ましくは3〜15である。
20の範囲で構成されている事を必須とするものであ
る。従って、以下に代表的な残基の形態を例示するが、
本発明がこれらの形態のみに限定されるものではない。
残基の形態としては、例えば、直鎖状飽和アルキル基、
直鎖状不飽和アルキル基、分岐状飽和アルキル基、分岐
状不飽和アルキル基、直鎖状飽和アルキルアリール基、
直鎖状不飽和アルキルアリール基、分岐状飽和アルキル
アリール基、分岐状不飽和アルキルアリール基、アリー
ルアルキル基、アリールアルキレン基、アルキルアリー
ルアルキレン基等が挙げられる。また、上記の残基中
に、エーテル結合、チオエーテル結合、スルホキシ結
合、スルホン結合、エステル結合、カルボニル結合、ア
ミド結合、イミド結合、ヘテロ環、シクロアルキレン環
等の異種結合、異種原子、異種構造等も問題のない範囲
で含んでもよい。さらにはこれらの残基を構成する水素
原子の一部を同様に問題のない範囲でフッ素、塩素、臭
素等のハロゲン原子で置換してもよい。
は、例えば、次のような方法で合成される。1,2−プ
ロピレンオキサイド又は2,3−エポキシブタンと、ア
ルコール類、フェノール類に代表されるヒドロキシ化合
物類とを反応させて得られるオキシアルコール類と、オ
キシハロゲン化燐類を反応させて、下記式(2)
し、R1は炭素数1〜20の残基を示す、R2、R3はそ
れぞれ水素原子又はメチル基を示す、但し、R2、R3が
ともに水素原子の場合は除く。Xはハロゲン原子を示
す。)で表される燐酸エステルハライドを合成し、次い
で加水分解する事によって得られる。pH8以下は好ま
しい。
たい場合は、オキシハロゲン化燐類の代わりに三塩化
燐、三臭化燐等の三ハロゲン化燐類とオキシアルコール
類を反応させて、亜燐酸ジエステル体を合成する。次い
で、副生したアルコキシ(ジ)メチルエチルハロゲライ
ドを減圧蒸留等の精製操作によって系外に留去除去した
後、塩素、臭素等のハロゲン類を反応させてハロゲノ亜
燐酸ジエステル体を生成せしめ、最後にオキシハロゲン
化燐を用いた場合と同様に加水分解することによって得
られる。
製造方法を述べる。
ールに式(B)の1,2−プロピレンオキサイドを反応
させて、オキシアルコール類である式(C)の1−ブト
キシ−2−プロパノールを合成する。この付加反応に於
ける反応温度は、例えば、ヒドロキシ基がアルコール性
であるかフェノール性であるか等の酸性度の差でもかな
り異なるが0〜200℃が好ましく、30〜150℃が
特に好ましい。
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基類を触媒とし
て加えてもよい。添加量は、反応液に対して0.001
〜5wt%の範囲が好ましく、0.05〜3wt%の範
囲であればさらに好ましい。
する場合はアセトニトリル、トルエン、ジクロロエタ
ン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド等の非プロ
トン性溶媒類が好ましい。選択率の向上や急激な内温上
昇抑制等を目的として、原料である1−ブタノールまた
は1,2−プロピレンオキサイドの何れかまたは両方を
滴下してもよい。こうして得られた式(C)の1−ブト
キシ−2−プロパノールは、そのまま次の反応に用いて
も構わないが、通常、蒸留によって精製される事が多
い。
ロゲライド類に属する式(E)のモノ(1−ブトキシ−
2−プロピル)燐酸ジハロゲライドは、式(C)の1−
ブトキシ−2−プロパノールを、オキシ塩化燐、オキシ
臭化燐等に代表される式(D)のオキシハロゲン化燐類
と反応させる事によって得られる。オキシハロゲン化燐
類の中では、経済的に有利なオキシ塩化燐が好ましく用
いられる。
ルと式(D)のオキシハロゲン化燐類とのモル比は、所
望する燐酸エステルの組成によってほぼ決定されるが、
好ましくは0.5〜2.5(C/D)、特に好ましくは
0.9〜2.1(C/D)である。
0〜50℃であればさらに好ましい。100℃を超えた
場合、著しく着色する場合がある。
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基類を触媒とし
て加えてもよい。中でもトリエチルアミン、ピリジン等
の3級アミンを用いた場合、好ましい結果を与える。塩
基類の使用量は、オキシアルコール類である式(C)の
1−ブトキシ−2−プロパノールのヒドロキシに対し
て、0.5〜2.0当量が好ましく、0.9〜1.3当
量であればさらに好ましい。
ない方が好ましい。触媒を使用する場合は、反応溶媒は
使用した方が都合がよい場合が多く、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン等
の水と分離する溶媒が好ましく用いられる。中でも、ジ
クロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の
ハロゲン溶媒がさらに好ましい。
的として、オキシアルコール類である式(C)の1−ブ
トキシ−2−プロパノールと触媒を同時に滴下するか、
若しくは両方を滴下してもよい。
属する式(F)のモノ(1−ブトキシ−2−プロピル)
燐酸は、式(E)のモノ(1−ブトキシ−2−プロピ
ル)燐酸ジクロライドを加水分解する事によって得られ
る。
トリウム水、炭酸水素ナトリウム水、炭酸カリウム水、
燐酸ナトリウム水、酢酸ナトリウム水、アンモニア水、
水、酢酸水、燐酸水、塩酸、硫酸等の各種の塩基及び酸
等が使用できるが、加水分解のpHは8以下、好ましく
は7以下である。pHが8を超えた状態で加水分解を行
っても離型剤の性能としては充分満足できるものが得ら
れるが、得られる製品が着色したり、加水分解以外の副
反応が起こったりする場合があり、あまり好ましくはな
い。加水分解剤の種類としては、経済性、品質、及び操
作性等の面から、水が好ましい。さらに、加水分解は、
反応液を窒素バブリングしながら行った方が、好ましい
結果を与える場合が多い。
く、30〜70℃であればさらに好ましい。加水分解の
場合も急激な内温上昇抑制等を目的として、例えば、水
等の加水分解剤に、式(E)のモノ(1−ブトキシ−2
−プロピル)燐酸ジクロライドまたはその反応液を滴下
するといった滴下形態の方が、より好ましい結果を与え
る事が多い。
て、洗浄、濾過、活性炭処理等に代表される吸着剤処理
等、及び脱溶媒等の蒸留操作等よって精製され、本発明
の燐酸エステルである式(F)のモノ(1−ブトキシ−
2−プロピル)燐酸が得られる。
の燐酸エステルとしては、例えば、以下の化合物が挙げ
られる。代表的な化合物としては、例えば、(モノ,
ジ)〔1−メトキシ−2−プロピル〕燐酸、(モノ,
ジ)〔1−エトキシ−2−プロピル〕燐酸、(モノ,
ジ)〔1−ブトキシ−2−プロピル〕燐酸、(モノ,
ジ)〔2−ブトキシ−3−ブチル〕燐酸、(モノ,ジ)
〔1−デシルオキシ−2−プロピル〕燐酸、(モノ,
ジ)〔1−シクロヘキシルオキシ−2−プロピル〕燐
酸、(モノ,ジ)〔1−アリルオキシ−2−プロピル〕
燐酸、(モノ,ジ)〔1−(3,7,11,15−テト
ラメチル−2−ヘキサデシルオキシ)−2−プロピル〕
燐酸、(モノ,ジ)〔1−フェノキシ−2−プロピル〕
燐酸、(モノ,ジ)〔1−o−メチルフェノキシ−2−
プロピル〕燐酸、(モノ,ジ)〔1−p−ノニルフェノ
キシ−2−プロピル〕燐酸、(モノ,ジ)〔1−(p−
クロロフェノキシ)−2−プロピル〕燐酸、(モノ,
ジ)〔1−(p−メトキシフェノキシ)−2−プロピ
ル〕燐酸、(モノ,ジ)〔1−ベンジルオキシ−2−プ
ロピル〕燐酸、(モノ,ジ)〔1−(ウンデシルオキシ
ベンジルオキシ)−2−プロピル〕燐酸、(モノ,ジ)
〔1−(1−ブトキシ−2−プロポキシ)−2−プロピ
ル〕燐酸、(モノ,ジ)〔トリ(1,2−プロピレング
リコールモノブチルエーテル)〕燐酸、(モノ,ジ)
〔テトラ(1,2−プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル)〕燐酸、(モノ,ジ)〔ペンタ(1,2−プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル)〕燐酸等が挙げ
られる。当然、本発明の燐酸エステルが、これら列記化
合物のみに限定されるものではない。
る燐酸エステルを、すくなくとも含むことを必須とする
燐酸エステル組成物である。例えば、式(1)であらわ
される燐酸エステル以外に、問題の無い範囲でトリエス
テル、酸無水物、燐酸、ヒドロキシ化合物類、オキシア
ルコール類等の原料類、反応溶媒、水、金属、金属塩、
有機金属塩、及び式(1)以外のその他の燐酸エステル
類等を含んでいても良い。さらには、粘度を下げて操作
性及び分散性を向上したり、モノマー並びにポリマーへ
の溶解性を高める目的等で、例えばヘキサン、クロロホ
ルム、ジクロロエタン等に代表される炭化水素系溶媒、
アルキル(アリル)アルコール及びアルコキシ(アリロ
キシ)アルキル(アリル)アルコール類とそのエーテル
並びにエステル類、トルエン、キシレン等に代表される
ベンゼン誘導体類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン溶媒
類、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,′N−ジメチ
ルイミダゾリジノン等に代表される非プロトン性極性溶
媒類なども同様に問題の無い範囲で含んでも一向に差し
支えない。
予め添加する内部離型剤方式でも、成形型に予め塗布し
ておく外部離型剤方式で良いが、煩雑な操作の少ない内
部離型剤方式が好ましく用いられる。
主成分とする透明樹脂であり、例えば、オレフィン樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、カーボネート樹脂、
エステル樹脂、オレフィン−チオール樹脂、エポキシ−
チオール樹脂、並びにそれらの併用透明樹脂等が挙げら
れが、本発明が以上に列記した樹脂のみに限定されるも
のではないが、特にポリチオウレタン樹脂の場合は、効
果的である。
うに行う。成型形態は、射出成型法、インジェクション
キュアー法、注型重合法の凡そ3種類に分類されるが、
3種類とも行われる操作について先ず説明する。
マーペレットに本発明の燐酸エステルまたは離型剤を添
加し、必要な場合は加熱して、混合溶解する。離型剤の
添加量は原料によって大きく変化するため限定出来ない
が、0.0001〜30重量%である。次に、必要に応
じ減圧などの適当な方法で脱泡を行い、成形型に注入
し、硬化させて透明樹脂成型物を取り出す。得られた透
明樹脂は、歪みを取ったり、より完全に重合を完結させ
る目的で、通常100℃以上以下の温度でアニールを行
なう。以下、前記した3形態について、各々個別に簡単
な説明を行う。
テル樹脂等の場合に良く用いられる射出成型の場合は、
ペレットに離型剤を添加し100〜400℃で加熱溶解
した後、主に金属製の成形型に溶融液を注入し、冷却し
て、透明樹脂を硬化させる。
良く用いられるインジェクションキュアー法の場合も、
主に金属製の成形型が用いられ、モノマー組成物に離型
剤、硬化剤等を添加し、減圧等によって脱泡を行なった
後、樹脂が硬化する前に直ちに成形型に注入し熱硬化さ
せる。
大部分の樹脂の精密成型に良く用いられる注型重合は、
モノマー組成物に離型剤を添加し、減圧等によって脱泡
を行なった後、主にガラスモールドと樹脂製のガスケッ
トまたはテープからなるガラス製モールドに脱泡液を注
入し、熱または放射線によって重合硬化させる。加熱重
合の場合の条件は、0〜200℃の温度範囲で低温から
高温迄徐々に昇温を行い、1〜100時間で終了させ
る。放射線重合の場合は、主に400nm以下の紫外線
が良く用いられる。紫外線の量は凡そ1〜1000mJ
/secの強度で1〜7200sec照射される場合が
多く、時には除熱や光学的に均一な成型物を得る目的
で、照射前に冷却したり、照射を数回に分けて行なった
りする。また、熱重合と放射線重合を組み合わせて行な
う場合もある。本発明は、この注型重合の場合に、より
効果的になる。
UV吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、油溶染料、充填
剤、可塑剤、その他の離型剤、溶剤等の原料以外の有機
化合物、無機化合物も問題の無い範囲で加える事ができ
る。
及びプラスチックレンズは、必要に応じ反射防止、高硬
度付与、耐摩耗性向上、耐薬品性向上、防曇性付与、あ
るいはファッション性付与等の改良を行うため、染色、
表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コ
ート処理、調光処理等の物理的あるいは化学的処理を施
すことができる。
的に説明する。なお、得られた透明樹脂の屈折率、アッ
ベ数、着色度、透明度、及び離型性は、以下の試験方法
により評価した。
を用い、20℃で測定した。 着 色 度 ; 9mm平板を作成し、ミノルタ色彩
色差計にてYIを測定し、4.5以下を(○)、4.5
を越えたものを(×)とした。 透 明 度 ; 厚さ9mm、Φ75mmの円形平板
を作成し、濃淡画像装置で測定を行なった。C輝度平均
で50以下を(○)50を越えた物を(×)とした。 離 型 性 ; 成型型から容易に離型した場合を
(○)、無理な力を必要とした場合を(△)モールド及
び樹脂が破損したり変形した場合を(×)とした。
2モル)と酢酸ブチル200mlを仕込み、1−n−ブ
トキシ−2−プロパノール86.2g(0.652モ
ル)とピリジン51.6g(0.652モル)の混合液
を氷冷下で攪拌を行いながら内温15〜20℃で滴下
し、20〜30℃で3時間熟成した。次に、49%Na
OH水106.5g(1.304モル)を同様に氷冷下
で内温15〜20℃で滴下し、15〜25℃で1時間熟
成した。得られた反応マスに酢酸ブチル200mlと5
%塩酸300mlを加えて混合攪拌後、静置して、下層
の水層を分液廃棄した。更に残った有機層を4回水洗
し、得られた有機層を脱溶媒し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで主生成物を分取した。分取液を
脱溶媒後濾過して、水分0.1%以下の透明液体59g
(粗収率43%)を得た。得られた液体の分析結果を表
1に示す。
(3)の燐酸エステルである事が判明した。
0モル)と酢酸ブチル200mlを仕込み、1−n−ブ
トキシ−2−プロパノール132.2g(1.00モ
ル)とトリエチルアミン101.2g(1.00モル)
の混合液を氷冷下で攪拌を行いながら内温20〜30℃
で滴下し、30〜40℃で5時間熟成した。次に、49
%NaOH水40.8g(0.50モル)を同様に氷冷
下で内温15〜20℃で滴下し、20〜25℃で2時間
熟成した。得られた反応マスに酢酸ブチル100mlと
希塩酸300mlを加えて混合攪拌し、以下、実施例1
と同様の操作で目的物を取り出し、水分0.1%以下の
透明液体57.1g(粗収率35%)を得た。得られた
液体の分析結果を表2に示す。
(4)の燐酸エステルである事が判明した。
合成) 1l反応フラスコに、オキシ塩化燐76.6g(0.5
0モル)とトルエン200mlを仕込み、1−フェノキ
シ−2−プロパノール114g(0.75モル)とトリ
エチルアミン75.9g(0.75モル)の混合液を氷
冷下で攪拌を行いながら内温20〜30℃で滴下し、3
0〜40℃で5時間熟成した。次に、この反応マスを濾
過後、濾液を49%NaOH水61.2g(0.75モ
ル)に同様に氷冷下で内温15〜20℃で滴下し、20
〜25℃で5時間熟成した。得られた反応マスに酢酸ブ
チル300mlと希塩酸300mlを加えて混合攪拌
し、静置して、下層の水層を分液廃棄した。更に残った
有機層を5回水洗した。次に、得られた有機層を脱溶媒
後濾過して、水分0.1%以下の透明粘調液体132g
(粗収率88%)を得た。 <組成分析>この液体をHPLCにて分析を行い、それ
ぞれのピークをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
分取し、解析を行ったところ、以下のような組成物であ
った。
成) 実施例1、2及び3と同様にして、その他の燐酸エステ
ルを合成した。代表的な化合物を表6に示す。
ル)、ジメチル錫ジクロリド3.5mg(50pp
m)、ジメチルシクロヘキシルアミン3.5mg(50
ppm)、とペンタエリスリトールテトラキス(3−メ
ルカプトプロピオン酸)39g(0.08モル)の混合
液に離型剤となる各種燐酸エステルを0.05〜1wt
%の範囲で加えて混合し、この均一溶液を減圧下で混合
脱泡を行った後、ガラスモールドと樹脂性のガスケット
からなる成型モールドに注入し、室温から120℃まで
徐々昇温し、20時間かけて加熱硬化させた。この間、
調合時に不透明物質を生成したり、重合中に発泡したり
する現象は全くなかった。冷却後、離型して得られたレ
ンズは無色透明で、屈折率Nd=1.594,アッベ数
νd=36であった。結果を表7に示す。
た。結果を表7に示す。
チア−1,11−ウンデカンジチオール(FSHと略
す。)40部、ノルホルナンジイソシアナートメチル2
0部、トリメチロールプロパントリス(メタクリレー
ト)43部、ジメチル錫ジクロリド0.1部(1000
ppm)、t−ブチルペロキシ(2−エチルヘキサノエ
ート)0.1部(1000ppm)、ベンジルメチルケ
タール0.01部(100ppm)と、実施例10で得
られた燐酸エステル0.05部(500ppm)を混合
し、均一とした液を減圧下で混合脱泡後、ガラスモール
ドと樹脂性のガスケットからなる成型モールドに注入
し、UV照射して硬化させた。冷却後、容易に離型して
得られた樹脂は無色透明で、屈折率Nd=1.59、ア
ッベ数νd=44であった。結果を表9に示す。
2モル)とクロロベンゼン200mlを仕込み、1−n
−ブトキシ−2−プロパノール86.2g(0.652
モル)とピリジン54.0g(0.683モル,1.0
5モル当量)の混合液を氷冷下で攪拌を行いながら、内
温15〜20℃で滴下し、20〜30℃で2時間熟成し
た。得られた反応マスを濾過して、濾塊をクロロベンゼ
ン250mlで洗浄した。濾液と洗液の混合液を減圧下
で脱溶媒し、粗モノ(1−ブトキシ−2−プロピル)燐
酸ジクロライドを得た。次に、水300ml(PH=
7.2)が仕込まれた1l反応フラスコに、窒素バブリ
ングを行いながら、得られたモノ(1−ブトキシ−2−
プロピル)燐酸ジクロライドを、内温60℃で1時間か
けて滴下し、60℃で6時間熟成した(PH<1)。室
温に冷却するまで窒素バブリングを続行し、次に活性炭
を3g加えて室温で1時間撹拌後、濾過した。クロロベ
ンゼン750mlで、濾塊の活性炭を洗浄し、その濾液
と洗液の混合液を5wt%塩酸60で洗浄し、さらに下
層の有機層を水60mlで3回洗浄し、得られた下層の
有機層を減圧下脱溶媒した。最後に、残渣を濾過して、
ほぼ無色透明の液体を97g(粗収率70%)得た。得
られた燐酸エステルの組成は以下の通りであった。
結果は以下の表11の通りである。
型から容易に透明樹脂が離型し、なおかつ極めて透明性
の高い光学材料、プラスチックレンズ製品が得られる。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、mは1又は2を示し、nは1〜5の整数を示
し、R1は炭素数1〜20の残基を示し、R2、R3はそ
れぞれ水素原子又はメチル基を示す。但し、R2、R3が
ともに水素原子の場合は除く。)で表される燐酸エステ
ル。 - 【請求項2】 下記式(2) 【化2】 (式中、mは1又は2を示し、nは1〜5の整数を示
し、R1は炭素数1〜20の残基を示し、R2、R3はそ
れぞれ水素原子又はメチル基を示す。但し、R2、R3が
ともに水素原子の場合は除く。Xはハロゲン原子を示
す。)で表される燐酸エステルハライドを、加水分解す
ることを特徴とする請求項1記載の燐酸エステルの製造
方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の燐酸エステルを含む離型
剤。 - 【請求項4】 請求項3記載の離型剤を含む透明樹脂。
- 【請求項5】 透明樹脂が透明光学材料である請求項4
記載の透明樹脂。 - 【請求項6】 透明樹脂がプラスチックレンズである請
求項4記載の透明樹脂。
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JP14149997 | 1997-05-30 | ||
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