JPH1143458A - ジアリールアセトアルデヒド類とその誘導体の合成方法及び新規なエナミン化合物 - Google Patents
ジアリールアセトアルデヒド類とその誘導体の合成方法及び新規なエナミン化合物Info
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- JPH1143458A JPH1143458A JP9202870A JP20287097A JPH1143458A JP H1143458 A JPH1143458 A JP H1143458A JP 9202870 A JP9202870 A JP 9202870A JP 20287097 A JP20287097 A JP 20287097A JP H1143458 A JPH1143458 A JP H1143458A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
- Epoxy Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 有機光導電性材料、液晶材料、電子写真感光
体材料及びそれらの原料として有用なジアリールアセト
アルデヒド類とその誘導体を、安価な原料と試薬を用い
て、簡便かつ高収率に供給できる合成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 一般式(1)で示されるベンゾフェノン
類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステ
ル類を塩基の存在下で縮合して一般式(2)で示される
エポキシプロピオン酸エステル類を得て、これを塩基性
条件下で加水分解して一般式(3)で示されるエポキシ
プロピオン酸塩基とし、更にこれを酸性条件下で脱炭酸
する一般式(4)で示されるジアリールアセトアルデヒ
ド類の合成方法。
体材料及びそれらの原料として有用なジアリールアセト
アルデヒド類とその誘導体を、安価な原料と試薬を用い
て、簡便かつ高収率に供給できる合成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 一般式(1)で示されるベンゾフェノン
類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステ
ル類を塩基の存在下で縮合して一般式(2)で示される
エポキシプロピオン酸エステル類を得て、これを塩基性
条件下で加水分解して一般式(3)で示されるエポキシ
プロピオン酸塩基とし、更にこれを酸性条件下で脱炭酸
する一般式(4)で示されるジアリールアセトアルデヒ
ド類の合成方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジアリールアセトア
ルデヒド類とその誘導体の合成方法に関するものであ
る。更に詳しくは有機光導電性材料、液晶材料、電子写
真感光体材料及びそれらの原料として有用なジアリール
アセトアルデヒド類とその誘導体であるエナミン化合物
を、安価な原料を用いて簡便かつ高収率で供給できる合
成方法に関するものである。
ルデヒド類とその誘導体の合成方法に関するものであ
る。更に詳しくは有機光導電性材料、液晶材料、電子写
真感光体材料及びそれらの原料として有用なジアリール
アセトアルデヒド類とその誘導体であるエナミン化合物
を、安価な原料を用いて簡便かつ高収率で供給できる合
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ジアリールアセトアルデヒド類と
その誘導体であるエナミン化合物は有機光導電性材料、
液晶材料、電子写真感光体材料及びそれらの原料として
の幅広い利用が提案されている。例えばJ.Imag.Sci.(19
85),29,7-10、特開昭62−237458号公報、同6
2−244061号公報、同62−272269号公報
等にその利用例が記載されている。また、特開平2−1
83260号公報、同2−184857号公報、同2−
184859号公報、同2−259766号公報、同6
−194851号公報、同6−348045号公報、同
7−120945号公報等に記載されている化合物の原
料としても利用することが可能である。しかし、市販さ
れているジアリールアセトアルデヒド類は一般に高価で
あり、かつ試薬単位でしか販売されていない。そのた
め、これらから誘導されるエナミン化合物も必然的に高
価となり、その上、原料として用いるための十分な量の
ジアリールアセトアルデヒド類を確保することは容易で
ない。更に、芳香環に置換基を有するジアリールアセト
アルデヒド類は市販されておらず、従来知られている合
成方法に従い合成する以外には、入手することすら困難
であるのが現状である。
その誘導体であるエナミン化合物は有機光導電性材料、
液晶材料、電子写真感光体材料及びそれらの原料として
の幅広い利用が提案されている。例えばJ.Imag.Sci.(19
85),29,7-10、特開昭62−237458号公報、同6
2−244061号公報、同62−272269号公報
等にその利用例が記載されている。また、特開平2−1
83260号公報、同2−184857号公報、同2−
184859号公報、同2−259766号公報、同6
−194851号公報、同6−348045号公報、同
7−120945号公報等に記載されている化合物の原
料としても利用することが可能である。しかし、市販さ
れているジアリールアセトアルデヒド類は一般に高価で
あり、かつ試薬単位でしか販売されていない。そのた
め、これらから誘導されるエナミン化合物も必然的に高
価となり、その上、原料として用いるための十分な量の
ジアリールアセトアルデヒド類を確保することは容易で
ない。更に、芳香環に置換基を有するジアリールアセト
アルデヒド類は市販されておらず、従来知られている合
成方法に従い合成する以外には、入手することすら困難
であるのが現状である。
【0003】従来から知られているジアリールアセトア
ルデヒド類の合成方法としては、Organic Syntheses Co
l.Vol.IV,375-377、J.Org.Chem.(1996),61,1877-9、Tet
rahedron Lett.(1989),30,5607-10、Chem.Lett.(1992),
1193-6、英国特許第2,205,835号明細書、Chem.Lett.(19
83),305-8、Chemical Abstracts 96:199225、同85:1766
07等にtrans-スチルベンオキシドをジフェニルアセトア
ルデヒドに変換する方法が記載されている。しかしこれ
らの合成方法は原料や使用する試薬が高価であり、反応
が急激に進行するため反応の制御が難しく、かつ収率も
悪いため工業的レベルで行うには好ましくない。ジフェ
ニルアセチルクロリドをジフェニルアセトアルデヒドに
還元する方法もJ.Org.Chem.(1981),46,4439-45、J.Orga
nomet.Chem.(1984),276,205-8等に記載されているが、
この方法も上記と同様に原料や試薬が高価であるため実
用的ではない。
ルデヒド類の合成方法としては、Organic Syntheses Co
l.Vol.IV,375-377、J.Org.Chem.(1996),61,1877-9、Tet
rahedron Lett.(1989),30,5607-10、Chem.Lett.(1992),
1193-6、英国特許第2,205,835号明細書、Chem.Lett.(19
83),305-8、Chemical Abstracts 96:199225、同85:1766
07等にtrans-スチルベンオキシドをジフェニルアセトア
ルデヒドに変換する方法が記載されている。しかしこれ
らの合成方法は原料や使用する試薬が高価であり、反応
が急激に進行するため反応の制御が難しく、かつ収率も
悪いため工業的レベルで行うには好ましくない。ジフェ
ニルアセチルクロリドをジフェニルアセトアルデヒドに
還元する方法もJ.Org.Chem.(1981),46,4439-45、J.Orga
nomet.Chem.(1984),276,205-8等に記載されているが、
この方法も上記と同様に原料や試薬が高価であるため実
用的ではない。
【0004】ジフェニル酢酸の還元によってジフェニル
アセトアルデヒドを得る方法が、Tetrahedron Lett.(19
87),28,6231-4、同4575-8、J.Org.Chem.(1987),52,5400
-6、J.Am.Chem.Soc.(1984),106.8001-2、J.Org.Chem.(1
987),52,5030-2等に記載されている。これらの方法では
原料は比較的安価に入手することが可能であるが、高価
でかつ取り扱いの難しい還元剤を用いる必要があり、ま
た収率も十分ではなく実用的な合成方法とは言い難い。
この他にもTetrahedron Lett.(1983),24,637-8、J.Org.
Chem.(1981),46,3372-74、Chemical Abstracts109:3757
0、同103:104803、同70:46763等に記載されている合成
方法が知られているが、いずれも原料もしくは試薬が高
価な場合が多く、また収率も十分なものとは言い難く実
用的な合成方法とは言えない。
アセトアルデヒドを得る方法が、Tetrahedron Lett.(19
87),28,6231-4、同4575-8、J.Org.Chem.(1987),52,5400
-6、J.Am.Chem.Soc.(1984),106.8001-2、J.Org.Chem.(1
987),52,5030-2等に記載されている。これらの方法では
原料は比較的安価に入手することが可能であるが、高価
でかつ取り扱いの難しい還元剤を用いる必要があり、ま
た収率も十分ではなく実用的な合成方法とは言い難い。
この他にもTetrahedron Lett.(1983),24,637-8、J.Org.
Chem.(1981),46,3372-74、Chemical Abstracts109:3757
0、同103:104803、同70:46763等に記載されている合成
方法が知られているが、いずれも原料もしくは試薬が高
価な場合が多く、また収率も十分なものとは言い難く実
用的な合成方法とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べたように、
ジアリールアセトアルデヒド類及びその誘導体はその幅
広い用途が期待されながらも、大量合成が困難であり、
必然的に高価となるため、実用化が難しく、安価で入手
容易な原料を用いて簡便かつ高収率で大量に供給できる
合成方法の開発が望まれていた。本発明の目的は、有機
光導電性材料、液晶材料、電子写真感光体材料及びそれ
らの原料として有用なジアリールアセトアルデヒド類と
その誘導体を、安価な原料と試薬を用いて、工業化に適
した穏和な条件で簡便かつ高収率で大量に供給できる合
成方法を提供することである。
ジアリールアセトアルデヒド類及びその誘導体はその幅
広い用途が期待されながらも、大量合成が困難であり、
必然的に高価となるため、実用化が難しく、安価で入手
容易な原料を用いて簡便かつ高収率で大量に供給できる
合成方法の開発が望まれていた。本発明の目的は、有機
光導電性材料、液晶材料、電子写真感光体材料及びそれ
らの原料として有用なジアリールアセトアルデヒド類と
その誘導体を、安価な原料と試薬を用いて、工業化に適
した穏和な条件で簡便かつ高収率で大量に供給できる合
成方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討を行った結果、Organic Syntheses
Col.Vol.III,727-728及び同733-734に記載されているア
セトフェノンより2−フェニルプロピオンアルデヒドを
合成する方法をベンゾフェノン類に適用することによっ
て、高収率でジアリールアセトアルデヒド類が得られる
ことを見出した。更に使用する試薬や溶媒を詳細に検討
し、改良を加えることによって、より安価で取り扱い容
易な試薬を用いて、高収率で目的物を得られることを見
出し本発明に至った。すなわち本発明は以下の(I)〜
(VII)である。
達成すべく鋭意検討を行った結果、Organic Syntheses
Col.Vol.III,727-728及び同733-734に記載されているア
セトフェノンより2−フェニルプロピオンアルデヒドを
合成する方法をベンゾフェノン類に適用することによっ
て、高収率でジアリールアセトアルデヒド類が得られる
ことを見出した。更に使用する試薬や溶媒を詳細に検討
し、改良を加えることによって、より安価で取り扱い容
易な試薬を用いて、高収率で目的物を得られることを見
出し本発明に至った。すなわち本発明は以下の(I)〜
(VII)である。
【0007】(I)一般式(1)で示されるベンゾフェ
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合して一般式(2)で示さ
れるエポキシプロピオン酸エステル類を得て、これを塩
基性条件下で加水分解して一般式(3)で示されるエポ
キシプロピオン酸塩類とし、更にこれを酸性条件下で脱
炭酸する一般式(4)で示されるジアリールアセトアル
デヒド類の合成方法。
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合して一般式(2)で示さ
れるエポキシプロピオン酸エステル類を得て、これを塩
基性条件下で加水分解して一般式(3)で示されるエポ
キシプロピオン酸塩類とし、更にこれを酸性条件下で脱
炭酸する一般式(4)で示されるジアリールアセトアル
デヒド類の合成方法。
【0008】
【化4】
【0009】一般式(1)〜(4)において、R1及び
R2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示
す。R3はアルキル基を示し、M+は塩を形成するのに必
要な一価の陽イオンを示す。
R2は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示
す。R3はアルキル基を示し、M+は塩を形成するのに必
要な一価の陽イオンを示す。
【0010】(II)一般式(1)で示されるベンゾフェ
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩
基として金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香
族炭化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒
を用いることを特徴とする一般式(2)で示されるエポ
キシプロピオン酸エステル類の合成方法。
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩
基として金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香
族炭化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒
を用いることを特徴とする一般式(2)で示されるエポ
キシプロピオン酸エステル類の合成方法。
【0011】(III)一般式(2)で示されるエポキシ
プロピオン酸エステル類を塩基性条件下で加水分解する
反応において、塩基として金属アルコキシド、水酸化ア
ルカリもしくは有機アルカリを用い、かつ溶媒としてア
ルコール系溶媒、エーテル系有機溶媒もしくは水を主成
分とする溶媒を用いることを特徴とする一般式(3)で
示されるエポキシプロピオン酸塩類の合成方法。
プロピオン酸エステル類を塩基性条件下で加水分解する
反応において、塩基として金属アルコキシド、水酸化ア
ルカリもしくは有機アルカリを用い、かつ溶媒としてア
ルコール系溶媒、エーテル系有機溶媒もしくは水を主成
分とする溶媒を用いることを特徴とする一般式(3)で
示されるエポキシプロピオン酸塩類の合成方法。
【0012】(IV)一般式(1)で示されるベンゾフェ
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合して一般式(2)で示さ
れるエポキシプロピオン酸エステル類を得て、これを塩
基性条件下で加水分解して一般式(3)で示されるエポ
キシプロピオン酸塩類とし、更にこれを酸性条件下で脱
炭酸して一般式(4)で示されるジアリールアセトアル
デヒド類とし、これを一般式(5)で示されるジアリー
ルアミン類と脱水縮合する一般式(6)で示されるエナ
ミン化合物の合成方法。
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合して一般式(2)で示さ
れるエポキシプロピオン酸エステル類を得て、これを塩
基性条件下で加水分解して一般式(3)で示されるエポ
キシプロピオン酸塩類とし、更にこれを酸性条件下で脱
炭酸して一般式(4)で示されるジアリールアセトアル
デヒド類とし、これを一般式(5)で示されるジアリー
ルアミン類と脱水縮合する一般式(6)で示されるエナ
ミン化合物の合成方法。
【0013】
【化5】
【0014】一般式(5)〜(6)において、R1、R2
は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示し、
Ar 1、Ar2は同一であっても異なっていてもよく、置
換基を有していてもよいアリール基を示す。
は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示し、
Ar 1、Ar2は同一であっても異なっていてもよく、置
換基を有していてもよいアリール基を示す。
【0015】(V)一般式(1)で示されるベンゾフェ
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩
基として金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香
族炭化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒
を用い、一般式(2)で示されるエポキシプロピオン酸
エステル類を塩基性条件下で加水分解する反応におい
て、塩基として金属アルコキシド、水酸化アルカリもし
くは有機アルカリを用い、かつ溶媒としてアルコール系
溶媒、エーテル系溶媒もしくは水を主成分とする溶媒を
用いることを特徴とする上記(I)記載のジアリールア
セトアルデヒド類の合成方法。
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩
基として金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香
族炭化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒
を用い、一般式(2)で示されるエポキシプロピオン酸
エステル類を塩基性条件下で加水分解する反応におい
て、塩基として金属アルコキシド、水酸化アルカリもし
くは有機アルカリを用い、かつ溶媒としてアルコール系
溶媒、エーテル系溶媒もしくは水を主成分とする溶媒を
用いることを特徴とする上記(I)記載のジアリールア
セトアルデヒド類の合成方法。
【0016】(VI)一般式(1)で示されるベンゾフェ
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩
基として金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香
族炭化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒
を用い、一般式(2)で示されるエポキシプロピオン酸
エステル類を塩基性条件下で加水分解する反応におい
て、塩基として金属アルコキシド、水酸化アルカリもし
くは有機アルカリを用い、かつ溶媒としてアルコール系
溶媒、エーテル系溶媒もしくは水を主成分とする溶媒を
用いることを特徴とする上記(IV)記載のエナミン化合
物の合成方法。
ノン類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エ
ステル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩
基として金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香
族炭化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒
を用い、一般式(2)で示されるエポキシプロピオン酸
エステル類を塩基性条件下で加水分解する反応におい
て、塩基として金属アルコキシド、水酸化アルカリもし
くは有機アルカリを用い、かつ溶媒としてアルコール系
溶媒、エーテル系溶媒もしくは水を主成分とする溶媒を
用いることを特徴とする上記(IV)記載のエナミン化合
物の合成方法。
【0017】(VII)有機光導電性材料、液晶材料、電
子写真感光体材料及びそれらの原料として有用な、下記
式(7)で示される新規なエナミン化合物。
子写真感光体材料及びそれらの原料として有用な、下記
式(7)で示される新規なエナミン化合物。
【0018】
【化6】
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明に係わる一般式(1)で示
されるベンフェノン類において、R1及びR2は同一であ
っても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-
ブトキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基を示
す。
いて詳しく説明する。本発明に係わる一般式(1)で示
されるベンフェノン類において、R1及びR2は同一であ
っても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-
ブトキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基を示
す。
【0020】これらベンゾフェノン類と縮合させるクロ
ロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステル類は特に
限定されるものではないが、クロロ酢酸もしくはブロモ
酢酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブ
チルエステル、sec-ブチルエステル、tert-ブチルエス
テル等のアルキルエステルが好ましく、その使用量はベ
ンゾフェノン類1重量部に対して0.5〜20重量部の
範囲内が好ましい。
ロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステル類は特に
限定されるものではないが、クロロ酢酸もしくはブロモ
酢酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエス
テル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブ
チルエステル、sec-ブチルエステル、tert-ブチルエス
テル等のアルキルエステルが好ましく、その使用量はベ
ンゾフェノン類1重量部に対して0.5〜20重量部の
範囲内が好ましい。
【0021】縮合反応の際には、必要に応じて各種の溶
媒を用いることができる。溶媒としては特に制限はない
が、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、1−メチルナフタレン等の芳香族炭化水素、ペン
タン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、
石油ナフサ、石油ベンジン、リグロイン、工業ガソリ
ン、灯油、軽油等の石油系溶媒、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロ
エタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−
クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエー
テル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,2−
ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトニトリル、N,N−ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2
−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げること
ができる。これらの中でも、上述の芳香族炭化水素、エ
ーテル系溶媒を主成分とする溶媒を用いることが好まし
い。また、これら溶媒の使用量はベンゾフェノン類1重
量部に対して0〜50重量部の範囲内が好ましい。
媒を用いることができる。溶媒としては特に制限はない
が、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、1−メチルナフタレン等の芳香族炭化水素、ペン
タン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、石油エーテル、
石油ナフサ、石油ベンジン、リグロイン、工業ガソリ
ン、灯油、軽油等の石油系溶媒、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロ
エタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−
クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエー
テル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,2−
ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトニトリル、N,N−ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2
−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等を挙げること
ができる。これらの中でも、上述の芳香族炭化水素、エ
ーテル系溶媒を主成分とする溶媒を用いることが好まし
い。また、これら溶媒の使用量はベンゾフェノン類1重
量部に対して0〜50重量部の範囲内が好ましい。
【0022】ここで用いる塩基としては特に制限はない
が、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリ
ウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド、金属ナト
リウム、金属カリウム等のアルカリ金属、水素化ナトリ
ウム等の水素化アルカリ金属、ナトリウムアミド等を挙
げることができる。これらの中でも安価で取り扱いの容
易な金属アルコキシドを用いることが好ましい。また、
これら塩基の使用量は反応条件にもよるが、ベンゾフェ
ノン類1重量部に対して0.5〜20重量部の範囲内が
好ましい。
が、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリ
ウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド、金属ナト
リウム、金属カリウム等のアルカリ金属、水素化ナトリ
ウム等の水素化アルカリ金属、ナトリウムアミド等を挙
げることができる。これらの中でも安価で取り扱いの容
易な金属アルコキシドを用いることが好ましい。また、
これら塩基の使用量は反応条件にもよるが、ベンゾフェ
ノン類1重量部に対して0.5〜20重量部の範囲内が
好ましい。
【0023】反応に際してこれら試薬類の混合順序は特
に制限はないが、この反応は発熱反応であるため、上述
のクロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステル類
と塩基のいずれか一種とベンゾフェノン類及び必要に応
じて溶媒を混合し、この混合物へ残りの一種を滴下して
必要に応じて冷却しながら反応を制御するのが好まし
い。また、ここで滴下する試薬は必要に応じて溶媒に溶
解もしくは懸濁して添加することができる。添加の速度
が速すぎたり、冷却が十分でない場合、反応系の温度が
上昇する場合があるが、副反応を抑制するためには−5
0〜50℃の範囲、好ましくは−30〜30℃の範囲内
に反応系内の温度を維持することが望ましい。
に制限はないが、この反応は発熱反応であるため、上述
のクロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステル類
と塩基のいずれか一種とベンゾフェノン類及び必要に応
じて溶媒を混合し、この混合物へ残りの一種を滴下して
必要に応じて冷却しながら反応を制御するのが好まし
い。また、ここで滴下する試薬は必要に応じて溶媒に溶
解もしくは懸濁して添加することができる。添加の速度
が速すぎたり、冷却が十分でない場合、反応系の温度が
上昇する場合があるが、副反応を抑制するためには−5
0〜50℃の範囲、好ましくは−30〜30℃の範囲内
に反応系内の温度を維持することが望ましい。
【0024】上記工程で得られた一般式(2)で示され
るエポキシプロピオン酸エステル類を塩基性条件下で加
水分解することにより、一般式(3)で示されるエポキ
シプロピオン酸塩類が得られる。一般式(2)〜(3)
において、R1及びR2は同一であっても異なっていても
よく、それぞれ水素原子、前述のハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基を示し、R3は前述のアルキル基を
示す。この反応の場合も必要に応じて溶媒を用いること
ができる。溶媒としては特に制限はなく、例えば水、メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル
−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等
のアルコール系溶媒、前述の芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、石油系溶媒、ハロゲン化炭化水素、エーテル系
溶媒、非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。
これらの中でも、水、前述のアルコール系溶媒、エーテ
ル系溶媒を主成分とする溶媒を用いることが好ましい。
また、これら溶媒の使用量はエポキシプロピオン酸エス
テル類1重量部に対して0〜50重量部の範囲内が好ま
しい。
るエポキシプロピオン酸エステル類を塩基性条件下で加
水分解することにより、一般式(3)で示されるエポキ
シプロピオン酸塩類が得られる。一般式(2)〜(3)
において、R1及びR2は同一であっても異なっていても
よく、それぞれ水素原子、前述のハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基を示し、R3は前述のアルキル基を
示す。この反応の場合も必要に応じて溶媒を用いること
ができる。溶媒としては特に制限はなく、例えば水、メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル
−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等
のアルコール系溶媒、前述の芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、石油系溶媒、ハロゲン化炭化水素、エーテル系
溶媒、非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。
これらの中でも、水、前述のアルコール系溶媒、エーテ
ル系溶媒を主成分とする溶媒を用いることが好ましい。
また、これら溶媒の使用量はエポキシプロピオン酸エス
テル類1重量部に対して0〜50重量部の範囲内が好ま
しい。
【0025】この工程で使用する塩基としては特に制限
はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の水酸化アルカリ、ジアザビシクロウンデセン、ジアザ
ビシクロノネン等有機アルカリ、前述の金属アルコキシ
ド、アルカリ金属、水素化アルカリ金属、ナトリウムア
ミド等を挙げることができる。これらの中でも金属アル
コキシド、水酸化アルカリ、有機アルカリを用いること
が好ましく、これら塩基の使用量は、エポキシプロピオ
ン酸エステル類1重量部に対して0.5〜10重量部の
範囲内が好ましい。反応に際して、これら試薬類及び水
の混合順序は特に制限はないが、この反応も発熱反応で
あるため、これらの内いずれか一種をその他の試薬の混
合物へ滴下し、必要に応じて冷却しながら反応を制御す
るのが好ましい。また、ここで滴下する試薬または水
は、必要に応じて溶媒に溶解もしくは懸濁して添加する
ことができる。添加の速度が速すぎたり、冷却が十分で
ない場合、反応系の温度が上昇する場合があるが、副反
応を抑制するためには−50〜50℃の範囲、好ましく
は−30〜30℃の範囲内に反応系内の温度を維持する
ことが望ましい。エポキシプロピオン酸塩類の一般式
(3)において、塩を形成するの必要な一価の陽イオン
M+はここで使用した塩基により決まり、金属アルコキ
シド及び水酸化アルカリ、水素化アルカリ金属等を用い
た場合は対応する金属陽イオンを示し、有機アルカリを
用いた場合は対応する有機陽イオンを示す。
はないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の水酸化アルカリ、ジアザビシクロウンデセン、ジアザ
ビシクロノネン等有機アルカリ、前述の金属アルコキシ
ド、アルカリ金属、水素化アルカリ金属、ナトリウムア
ミド等を挙げることができる。これらの中でも金属アル
コキシド、水酸化アルカリ、有機アルカリを用いること
が好ましく、これら塩基の使用量は、エポキシプロピオ
ン酸エステル類1重量部に対して0.5〜10重量部の
範囲内が好ましい。反応に際して、これら試薬類及び水
の混合順序は特に制限はないが、この反応も発熱反応で
あるため、これらの内いずれか一種をその他の試薬の混
合物へ滴下し、必要に応じて冷却しながら反応を制御す
るのが好ましい。また、ここで滴下する試薬または水
は、必要に応じて溶媒に溶解もしくは懸濁して添加する
ことができる。添加の速度が速すぎたり、冷却が十分で
ない場合、反応系の温度が上昇する場合があるが、副反
応を抑制するためには−50〜50℃の範囲、好ましく
は−30〜30℃の範囲内に反応系内の温度を維持する
ことが望ましい。エポキシプロピオン酸塩類の一般式
(3)において、塩を形成するの必要な一価の陽イオン
M+はここで使用した塩基により決まり、金属アルコキ
シド及び水酸化アルカリ、水素化アルカリ金属等を用い
た場合は対応する金属陽イオンを示し、有機アルカリを
用いた場合は対応する有機陽イオンを示す。
【0026】上記工程で得られたエポキシプロピオン酸
塩類を酸性条件下で脱炭酸して、一般式(4)で示され
るジアリールアセトアルデヒド類を得る。一般式(4)
において、R1及びR2は同一であっても異なっていても
よく、それぞれ水素原子、前述のハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基を示す。この反応の場合も必要に応
じて溶媒を用いることができる。使用できる溶媒として
は特に制限はないが、例えば水、前述の芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素、石油系溶媒、ハロゲン化炭化水
素、エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、アルコー
ル系溶媒等を挙げることができる。これらの中でも、
水、上述のアルコール系溶媒を主成分とする溶媒を用い
ることが好ましい。また、これら溶媒の使用量は、エポ
キシプロピオン酸塩類1重量部に対して0〜50重量部
の範囲内が好ましい。酸性条件とする際に用いる酸はエ
ポキシプロピオン酸類を遊離させる程度の強酸であれば
特に制限はなく、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、p−ト
ルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。エ
ポキシプロピオン酸類を遊離させる過程では若干の発熱
が観測される場合があるので、必要に応じて冷却を行っ
てもよい。この際の反応温度は−50〜150℃の範
囲、好ましくは−30〜130℃の範囲内に反応系内の
温度を維持することが望ましい。脱炭酸の段階では必要
に応じて加熱を行ってもよく、使用する溶媒にも依存す
るが、−50〜200℃の範囲、好ましくは−30〜1
50℃の範囲内に反応系内の温度を維持することが望ま
しい。
塩類を酸性条件下で脱炭酸して、一般式(4)で示され
るジアリールアセトアルデヒド類を得る。一般式(4)
において、R1及びR2は同一であっても異なっていても
よく、それぞれ水素原子、前述のハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基を示す。この反応の場合も必要に応
じて溶媒を用いることができる。使用できる溶媒として
は特に制限はないが、例えば水、前述の芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素、石油系溶媒、ハロゲン化炭化水
素、エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、アルコー
ル系溶媒等を挙げることができる。これらの中でも、
水、上述のアルコール系溶媒を主成分とする溶媒を用い
ることが好ましい。また、これら溶媒の使用量は、エポ
キシプロピオン酸塩類1重量部に対して0〜50重量部
の範囲内が好ましい。酸性条件とする際に用いる酸はエ
ポキシプロピオン酸類を遊離させる程度の強酸であれば
特に制限はなく、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、p−ト
ルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。エ
ポキシプロピオン酸類を遊離させる過程では若干の発熱
が観測される場合があるので、必要に応じて冷却を行っ
てもよい。この際の反応温度は−50〜150℃の範
囲、好ましくは−30〜130℃の範囲内に反応系内の
温度を維持することが望ましい。脱炭酸の段階では必要
に応じて加熱を行ってもよく、使用する溶媒にも依存す
るが、−50〜200℃の範囲、好ましくは−30〜1
50℃の範囲内に反応系内の温度を維持することが望ま
しい。
【0027】上記で得られたジアリールアセトアルデヒ
ド類を一般式(5)で示されるジアリールアミン類と脱
水縮合して一般式(6)で示されるエナミン化合物を得
る。一般式(5)〜(6)において、R1、R2は同一で
あっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、前述
のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示す。A
r1、Ar2は同一であっても異なっていてもよく、フェ
ニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル
基、ピレニル基等のアリール基を示し、前述のハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有してい
てもよい。ジアリールアミン類の使用量は、ジアリール
アセトアルデヒド類1重量部に対して0.5〜10重量
部の範囲内が好ましい。反応に用いる溶媒としては特に
制限はないが、例えばニトロベンゼン、スルホラン、前
述の芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、石油系溶媒、ハ
ロゲン化炭化水素、エーテル系溶媒、非プロトン性極性
溶媒等を挙げることができる。これらの中でも、ニトロ
ベンゼン、スルホラン、上述の芳香族炭化水素、脂肪族
炭化水素等が好ましい。また、これら溶媒の使用量は、
ジアリールアセトアルデヒド類1重量部に対して0〜5
0重量部の範囲内が好ましい。反応温度は使用する溶媒
に依存するが、0〜300℃の範囲、好ましくは0〜1
50℃の範囲内で行うことが望ましい。また、反応を速
やかに進行させるため、必要に応じてp−トルエンスル
ホン酸、酢酸、Dowex-50W、Montmorillonite K-10等の
触媒を系内に共存させることができる。系内に副成する
水は、必要に応じてモレキュラーシーブ、無水硫酸ナト
リウム等の乾燥剤や共沸的脱水によって除去することが
好ましい。
ド類を一般式(5)で示されるジアリールアミン類と脱
水縮合して一般式(6)で示されるエナミン化合物を得
る。一般式(5)〜(6)において、R1、R2は同一で
あっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、前述
のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示す。A
r1、Ar2は同一であっても異なっていてもよく、フェ
ニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル
基、ピレニル基等のアリール基を示し、前述のハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有してい
てもよい。ジアリールアミン類の使用量は、ジアリール
アセトアルデヒド類1重量部に対して0.5〜10重量
部の範囲内が好ましい。反応に用いる溶媒としては特に
制限はないが、例えばニトロベンゼン、スルホラン、前
述の芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、石油系溶媒、ハ
ロゲン化炭化水素、エーテル系溶媒、非プロトン性極性
溶媒等を挙げることができる。これらの中でも、ニトロ
ベンゼン、スルホラン、上述の芳香族炭化水素、脂肪族
炭化水素等が好ましい。また、これら溶媒の使用量は、
ジアリールアセトアルデヒド類1重量部に対して0〜5
0重量部の範囲内が好ましい。反応温度は使用する溶媒
に依存するが、0〜300℃の範囲、好ましくは0〜1
50℃の範囲内で行うことが望ましい。また、反応を速
やかに進行させるため、必要に応じてp−トルエンスル
ホン酸、酢酸、Dowex-50W、Montmorillonite K-10等の
触媒を系内に共存させることができる。系内に副成する
水は、必要に応じてモレキュラーシーブ、無水硫酸ナト
リウム等の乾燥剤や共沸的脱水によって除去することが
好ましい。
【0028】一連の反応は、それぞれの反応終了後得ら
れた反応混合物をそのまま次の反応に用いることもでき
るが、反応混合物を必要に応じて濃縮、濾過、水洗、濾
取、溶媒洗浄等によって過剰の試薬や副生成物、溶媒等
を除去した後に次の反応に用いてもよい。また、必要に
応じて蒸留、再結晶等の精製を施してもよい。
れた反応混合物をそのまま次の反応に用いることもでき
るが、反応混合物を必要に応じて濃縮、濾過、水洗、濾
取、溶媒洗浄等によって過剰の試薬や副生成物、溶媒等
を除去した後に次の反応に用いてもよい。また、必要に
応じて蒸留、再結晶等の精製を施してもよい。
【0029】一般式(6)で示されるエナミン化合物
は、そのままでも有機光導電性材料、液晶材料、電子写
真感光体材料として有用であるが、更に、これらの原料
としても有用である。例えば、本発明に係わるエナミン
化合物にビルスマイヤー反応等によりホルミル基を導入
し、前述の特開平6−194851号公報等に記載され
ているヒドラゾン化合物、スチリル化合物の原料として
利用することができる。
は、そのままでも有機光導電性材料、液晶材料、電子写
真感光体材料として有用であるが、更に、これらの原料
としても有用である。例えば、本発明に係わるエナミン
化合物にビルスマイヤー反応等によりホルミル基を導入
し、前述の特開平6−194851号公報等に記載され
ているヒドラゾン化合物、スチリル化合物の原料として
利用することができる。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0031】実施例1 ジフェニルアセトアルデヒドの合成 ベンゾフェノン182.2g、クロロ酢酸エチル12
8.7g及び1,3−ジオキソラン200mlを室温下
に混合した。この混合液へ、別途調製したカリウムtert
−ブトキシド134.7gと1,3−ジオキソラン60
0mlを混合した懸濁液を、氷冷撹拌下に滴下した。こ
の際発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20
℃以下を維持した。滴下終了後、更に1時間室温下で撹
拌して反応を完結させた。反応液を水4000mlで希
釈してトルエンで有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和
食塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下に濃縮して淡黄色油状の3,3−ジフェニル
−2,3−エポキシプロピオン酸エチルを268g得
た。収率はほぼ100%であった。
8.7g及び1,3−ジオキソラン200mlを室温下
に混合した。この混合液へ、別途調製したカリウムtert
−ブトキシド134.7gと1,3−ジオキソラン60
0mlを混合した懸濁液を、氷冷撹拌下に滴下した。こ
の際発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20
℃以下を維持した。滴下終了後、更に1時間室温下で撹
拌して反応を完結させた。反応液を水4000mlで希
釈してトルエンで有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和
食塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下に濃縮して淡黄色油状の3,3−ジフェニル
−2,3−エポキシプロピオン酸エチルを268g得
た。収率はほぼ100%であった。
【0032】上記で得られたエステル化合物を2−プロ
パノール400mlに溶かし、氷冷撹拌下にナトリウム
メトキシド(28%メタノール溶液)202.6gを滴
下した。この時点では目立った発熱は観測されなかっ
た。次いで、氷冷撹拌下に水24gを滴下した。この時
点で発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20
℃以下を維持した。滴下終了時点で反応液は均一液とな
ったが、次第に結晶が析出し懸濁液となった。室温下に
1時間撹拌した後、析出した結晶を濾取し、ロート上2
−プロパノールで洗浄して、白色結晶の3,3−ジフェ
ニル−2,3−エポキシプロピオン酸ナトリウム19
2.0gを得た。収率は73.2%であった。
パノール400mlに溶かし、氷冷撹拌下にナトリウム
メトキシド(28%メタノール溶液)202.6gを滴
下した。この時点では目立った発熱は観測されなかっ
た。次いで、氷冷撹拌下に水24gを滴下した。この時
点で発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20
℃以下を維持した。滴下終了時点で反応液は均一液とな
ったが、次第に結晶が析出し懸濁液となった。室温下に
1時間撹拌した後、析出した結晶を濾取し、ロート上2
−プロパノールで洗浄して、白色結晶の3,3−ジフェ
ニル−2,3−エポキシプロピオン酸ナトリウム19
2.0gを得た。収率は73.2%であった。
【0033】上記で得られたナトリウム塩を水366m
lに懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸73.2mlを滴下し
た。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発
泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で
1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後、有機成
分をトルエンで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し
て粗生成物を得た。得られた粗生成物を減圧蒸留し、1
63〜165℃(8Torr)の留分を分取してジフェ
ニルアセトアルデヒド130.9gを得た。収率は9
1.1%であった。 13 C−NMR(CDCl3)δ63.90ppm,δ1
27.45ppm,δ128.84ppm,δ129.
02ppm,δ136.18ppm,δ198.41p
pm
lに懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸73.2mlを滴下し
た。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発
泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で
1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後、有機成
分をトルエンで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し
て粗生成物を得た。得られた粗生成物を減圧蒸留し、1
63〜165℃(8Torr)の留分を分取してジフェ
ニルアセトアルデヒド130.9gを得た。収率は9
1.1%であった。 13 C−NMR(CDCl3)δ63.90ppm,δ1
27.45ppm,δ128.84ppm,δ129.
02ppm,δ136.18ppm,δ198.41p
pm
【0034】実施例2 エナミン化合物(8)の合成
【0035】
【化7】
【0036】ベンゾフェノン9.11g、クロロ酢酸エ
チル6.43g及び1,3−ジオキソラン10mlを室
温下に混合した。この混合液へ、別途調製したカリウム
tert−ブトキシド6.73gと1,3−ジオキソラン3
0mlを混合した懸濁液を、氷冷撹拌下に滴下した。こ
の際発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20
℃以下を維持した。滴下終了後、更に1時間室温下で撹
拌して反応を完結させた。反応液を水200mlで希釈
してトルエンで有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食
塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下に濃縮して淡黄色油状の3,3−ジフェニル
−2,3−エポキシプロピオン酸エチルを得た。
チル6.43g及び1,3−ジオキソラン10mlを室
温下に混合した。この混合液へ、別途調製したカリウム
tert−ブトキシド6.73gと1,3−ジオキソラン3
0mlを混合した懸濁液を、氷冷撹拌下に滴下した。こ
の際発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20
℃以下を維持した。滴下終了後、更に1時間室温下で撹
拌して反応を完結させた。反応液を水200mlで希釈
してトルエンで有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食
塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下に濃縮して淡黄色油状の3,3−ジフェニル
−2,3−エポキシプロピオン酸エチルを得た。
【0037】上記で得られたエステル化合物をエタノー
ル20mlに溶かし、氷冷撹拌下にナトリウムメトキシ
ド(28%メタノール溶液)10.13gを滴下した。
この時点では目立った発熱は観測されなかった。次い
で、氷冷撹拌下に水1.2gを滴下した。この時点で発
熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20℃以下
を維持した。滴下終了時点で反応液は均一液となった
が、次第に結晶が析出し懸濁液となった。室温下で更に
1時間撹拌して反応を完結させた。この反応混合物へ水
30mlを添加し、更に室温撹拌下に濃塩酸6.0ml
を滴下した。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸
による発泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃
の湯浴で1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷
後、反応液を水100mlで希釈してトルエンで有機成
分を抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過により無水硫
酸ナトリウムを除去した後、更にトルエンを添加して8
0mlの溶液とした。この溶液にジフェニルアミン8.
46gとp−トルエンスルホン酸一水和物0.1gを添
加し、ディーン・スタークトラップを装着して共沸的に
脱水しつつ1時間加熱還流した。放冷後、減圧下にトル
エンを除去し、析出した結晶をエタノール50mlに懸
濁して加熱洗浄した。放冷後結晶を濾取し、ロート上エ
タノールで洗浄して白色結晶のエナミン化合物(8)を
12.7g得た。ベンゾフェノンより4工程での収率は
73.1%であった。 融点152.2〜152.7℃1 H−NMR(CDCl3)δ6.73ppm(s,1
H),δ6.87ppm(t,2H),δ6.91〜
6.99ppm(m,9H),δ7.05〜7.12p
pm(m,4H),δ7.21〜7.28ppm(m,
5H)13 C−NMR(CDCl3)δ122.39ppm,δ
122.63ppm,δ126.28ppm,δ12
6.60ppm,δ127.42ppm,δ127.5
2ppm,δ128.13ppm,δ128.72pp
m,δ129.99ppm,δ130.26ppm,δ
131.22ppm,δ138.88ppm,δ14
1.98ppm,δ145.72ppm
ル20mlに溶かし、氷冷撹拌下にナトリウムメトキシ
ド(28%メタノール溶液)10.13gを滴下した。
この時点では目立った発熱は観測されなかった。次い
で、氷冷撹拌下に水1.2gを滴下した。この時点で発
熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20℃以下
を維持した。滴下終了時点で反応液は均一液となった
が、次第に結晶が析出し懸濁液となった。室温下で更に
1時間撹拌して反応を完結させた。この反応混合物へ水
30mlを添加し、更に室温撹拌下に濃塩酸6.0ml
を滴下した。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸
による発泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃
の湯浴で1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷
後、反応液を水100mlで希釈してトルエンで有機成
分を抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過により無水硫
酸ナトリウムを除去した後、更にトルエンを添加して8
0mlの溶液とした。この溶液にジフェニルアミン8.
46gとp−トルエンスルホン酸一水和物0.1gを添
加し、ディーン・スタークトラップを装着して共沸的に
脱水しつつ1時間加熱還流した。放冷後、減圧下にトル
エンを除去し、析出した結晶をエタノール50mlに懸
濁して加熱洗浄した。放冷後結晶を濾取し、ロート上エ
タノールで洗浄して白色結晶のエナミン化合物(8)を
12.7g得た。ベンゾフェノンより4工程での収率は
73.1%であった。 融点152.2〜152.7℃1 H−NMR(CDCl3)δ6.73ppm(s,1
H),δ6.87ppm(t,2H),δ6.91〜
6.99ppm(m,9H),δ7.05〜7.12p
pm(m,4H),δ7.21〜7.28ppm(m,
5H)13 C−NMR(CDCl3)δ122.39ppm,δ
122.63ppm,δ126.28ppm,δ12
6.60ppm,δ127.42ppm,δ127.5
2ppm,δ128.13ppm,δ128.72pp
m,δ129.99ppm,δ130.26ppm,δ
131.22ppm,δ138.88ppm,δ14
1.98ppm,δ145.72ppm
【0038】実施例3 エナミン化合物(8)の合成 ベンゾフェノン9.11g、クロロ酢酸エチル6.43
g及び1,3−ジオキソラン10mlを室温下に混合し
た。この混合液へ、別途調製したカリウムtert−ブトキ
シド6.73gと1,3−ジオキソラン30mlを混合
した懸濁液を、氷冷撹拌下に滴下した。この際発熱が観
測されたが、滴下速度を調節して内温20℃以下を維持
した。滴下終了後、更に1時間室温下で撹拌して反応を
完結させた。次にこの反応混合物へ、氷冷撹拌下にナト
リウムメトキシド(28%メタノール溶液)9.56g
を滴下した。この時点では目立った発熱は観測されなか
った。次いで、氷冷撹拌下に水1.2gを滴下した。こ
の時点で発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温
20℃以下を維持した。室温下で更に1時間撹拌して反
応を完結させた。この反応混合物を減圧下に濃縮して、
3,3−ジフェニル−2,3−エポキシプロピオン酸ナ
トリウムの白色結晶を得た。
g及び1,3−ジオキソラン10mlを室温下に混合し
た。この混合液へ、別途調製したカリウムtert−ブトキ
シド6.73gと1,3−ジオキソラン30mlを混合
した懸濁液を、氷冷撹拌下に滴下した。この際発熱が観
測されたが、滴下速度を調節して内温20℃以下を維持
した。滴下終了後、更に1時間室温下で撹拌して反応を
完結させた。次にこの反応混合物へ、氷冷撹拌下にナト
リウムメトキシド(28%メタノール溶液)9.56g
を滴下した。この時点では目立った発熱は観測されなか
った。次いで、氷冷撹拌下に水1.2gを滴下した。こ
の時点で発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温
20℃以下を維持した。室温下で更に1時間撹拌して反
応を完結させた。この反応混合物を減圧下に濃縮して、
3,3−ジフェニル−2,3−エポキシプロピオン酸ナ
トリウムの白色結晶を得た。
【0039】上記で得られたナトリウム塩を水30ml
に懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸6.0mlを滴下した。
濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発泡が
観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で1時
間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後、反応液を水
100mlで希釈してトルエンで有機成分を抽出した。
抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。濾過により無水硫酸ナトリウムを
除去した後、更にトルエンを添加して80mlの溶液と
した。この溶液にジフェニルアミン8.46gとp−ト
ルエンスルホン酸一水和物0.1gを添加し、ディーン
・スタークトラップを装着して共沸的に脱水しつつ1時
間加熱還流した。放冷後、減圧下にトルエンを除去し、
析出した結晶をエタノール50mlに懸濁して加熱洗浄
した。放冷後結晶を濾取し、ロート上エタノールで洗浄
して白色結晶のエナミン化合物(8)を13.3g得
た。ベンゾフェノンより4工程での収率は76.6%で
あった。融点、NMRのデーターは実施例2の場合と同
様であった。
に懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸6.0mlを滴下した。
濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発泡が
観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で1時
間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後、反応液を水
100mlで希釈してトルエンで有機成分を抽出した。
抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。濾過により無水硫酸ナトリウムを
除去した後、更にトルエンを添加して80mlの溶液と
した。この溶液にジフェニルアミン8.46gとp−ト
ルエンスルホン酸一水和物0.1gを添加し、ディーン
・スタークトラップを装着して共沸的に脱水しつつ1時
間加熱還流した。放冷後、減圧下にトルエンを除去し、
析出した結晶をエタノール50mlに懸濁して加熱洗浄
した。放冷後結晶を濾取し、ロート上エタノールで洗浄
して白色結晶のエナミン化合物(8)を13.3g得
た。ベンゾフェノンより4工程での収率は76.6%で
あった。融点、NMRのデーターは実施例2の場合と同
様であった。
【0040】実施例4 エナミン化合物(9)の合成
【0041】
【化8】
【0042】4,4′−ジクロロベンゾフェノン49.
49g、クロロ酢酸エチル25.37g、トルエン39
ml及び1,3−ジオキソラン39mlを室温下に混合
した。この混合液へ、別途調製したカリウムtert−ブト
キシド26.55gと1,3−ジオキソラン118ml
を混合した懸濁液を、氷冷撹拌下に滴下した。この際発
熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20℃以下
を維持した。滴下終了後、更に1時間室温下で撹拌して
反応を完結させた。反応液を水788mlで希釈してト
ルエンで有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で
順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧
下に濃縮して淡黄色結晶の3,3−ビス(4−クロロフ
ェニル)−2,3−エポキシプロピオン酸エチルを5
9.64g得た。収率は89.7%であった。
49g、クロロ酢酸エチル25.37g、トルエン39
ml及び1,3−ジオキソラン39mlを室温下に混合
した。この混合液へ、別途調製したカリウムtert−ブト
キシド26.55gと1,3−ジオキソラン118ml
を混合した懸濁液を、氷冷撹拌下に滴下した。この際発
熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20℃以下
を維持した。滴下終了後、更に1時間室温下で撹拌して
反応を完結させた。反応液を水788mlで希釈してト
ルエンで有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で
順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧
下に濃縮して淡黄色結晶の3,3−ビス(4−クロロフ
ェニル)−2,3−エポキシプロピオン酸エチルを5
9.64g得た。収率は89.7%であった。
【0043】上記で得られたエステル化合物をエタノー
ル202mlに溶かし、氷冷撹拌下にナトリウムメトキ
シド(28%メタノール溶液)35.84gを滴下し
た。この時点では目立った発熱は観測されなかった。次
いで、氷冷撹拌下に水4.3gを滴下した。この時点で
発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20℃以
下を維持した。室温下で更に1時間撹拌して反応を完結
させた後、減圧下に濃縮して黄白色結晶の3,3−ビス
(4−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピオン
酸ナトリウムを得た。
ル202mlに溶かし、氷冷撹拌下にナトリウムメトキ
シド(28%メタノール溶液)35.84gを滴下し
た。この時点では目立った発熱は観測されなかった。次
いで、氷冷撹拌下に水4.3gを滴下した。この時点で
発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20℃以
下を維持した。室温下で更に1時間撹拌して反応を完結
させた後、減圧下に濃縮して黄白色結晶の3,3−ビス
(4−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピオン
酸ナトリウムを得た。
【0044】上記で得られたナトリウム塩を水101m
lに懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸28.4mlを滴下し
た。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発
泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で
1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後、反応液
を水200mlで希釈してトルエンで有機成分を抽出し
た。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。濾過により無水硫酸ナトリウ
ムを除去した後、減圧下に濃縮して黄色油状の2,2−
ビス(4−クロロフェニル)アセトアルデヒドを得た。
lに懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸28.4mlを滴下し
た。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発
泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で
1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後、反応液
を水200mlで希釈してトルエンで有機成分を抽出し
た。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。濾過により無水硫酸ナトリウ
ムを除去した後、減圧下に濃縮して黄色油状の2,2−
ビス(4−クロロフェニル)アセトアルデヒドを得た。
【0045】上記で得られたアルデヒド化合物とジフェ
ニルアミン29.94g、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.34g及びトルエン120mlを混合し、ディ
ーン・スタークトラップを装着して共沸的に脱水しつつ
1時間加熱還流した。放冷後、減圧下にトルエンを除去
し、得られた油状物にエタノール200mlを添加して
加熱撹拌した。放冷後、析出した結晶を濾取し、ロート
上エタノールで洗浄して淡黄色結晶のエナミン化合物
(9)を58.23g得た。4,4′−ジクロロベンゾ
フェノンより4工程での収率は71.0%であった。 融点148.2〜149.3℃13 C−NMR(CDCl3)δ122.59ppm,δ
123.20ppm,δ126.64ppm,δ12
7.78ppm,δ128.35ppm,δ128.4
6ppm,δ128.89ppm,δ131.21pp
m,δ131.99ppm,δ132.10ppm,δ
132.41ppm,δ136.98ppm,δ14
0.21ppm,δ145.42ppm
ニルアミン29.94g、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.34g及びトルエン120mlを混合し、ディ
ーン・スタークトラップを装着して共沸的に脱水しつつ
1時間加熱還流した。放冷後、減圧下にトルエンを除去
し、得られた油状物にエタノール200mlを添加して
加熱撹拌した。放冷後、析出した結晶を濾取し、ロート
上エタノールで洗浄して淡黄色結晶のエナミン化合物
(9)を58.23g得た。4,4′−ジクロロベンゾ
フェノンより4工程での収率は71.0%であった。 融点148.2〜149.3℃13 C−NMR(CDCl3)δ122.59ppm,δ
123.20ppm,δ126.64ppm,δ12
7.78ppm,δ128.35ppm,δ128.4
6ppm,δ128.89ppm,δ131.21pp
m,δ131.99ppm,δ132.10ppm,δ
132.41ppm,δ136.98ppm,δ14
0.21ppm,δ145.42ppm
【0046】実施例5 エナミン化合物(7)の合成
【0047】4,4′−ジフルオロベンゾフェノン2
5.09g、クロロ酢酸エチル14.80g及び1,3
−ジオキソラン23mlを室温下に混合した。この混合
液へ、別途調製したカリウムtert−ブトキシド15.4
8gと1,3−ジオキソラン69mlを混合した懸濁液
を、氷冷撹拌下に滴下した。この際発熱が観測された
が、滴下速度を調節して内温20℃以下を維持した。滴
下終了後、更に1時間室温下で撹拌して反応を完結させ
た。次にこの反応混合物へ、氷冷撹拌下にナトリウムメ
トキシド(28%メタノール溶液)22.20gを滴下
した。この時点では目立った発熱は観測されなかった。
次いで、氷冷撹拌下に水2.8gを滴下した。この時点
で発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20℃
以下を維持した。室温下で更に1時間撹拌して反応を完
結させた後、減圧下に濃縮して3,3−ビス(4−フル
オロフェニル)−2,3−エポキシプロピオン酸ナトリ
ウムを得た。
5.09g、クロロ酢酸エチル14.80g及び1,3
−ジオキソラン23mlを室温下に混合した。この混合
液へ、別途調製したカリウムtert−ブトキシド15.4
8gと1,3−ジオキソラン69mlを混合した懸濁液
を、氷冷撹拌下に滴下した。この際発熱が観測された
が、滴下速度を調節して内温20℃以下を維持した。滴
下終了後、更に1時間室温下で撹拌して反応を完結させ
た。次にこの反応混合物へ、氷冷撹拌下にナトリウムメ
トキシド(28%メタノール溶液)22.20gを滴下
した。この時点では目立った発熱は観測されなかった。
次いで、氷冷撹拌下に水2.8gを滴下した。この時点
で発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温20℃
以下を維持した。室温下で更に1時間撹拌して反応を完
結させた後、減圧下に濃縮して3,3−ビス(4−フル
オロフェニル)−2,3−エポキシプロピオン酸ナトリ
ウムを得た。
【0048】上記で得られたナトリウム塩を水69ml
に懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸13.8mlを滴下し
た。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発
泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で
1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後トルエン
で有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃
縮して淡黄色油状の2,2−ビス(4−フルオロフェニ
ル)アセトアルデヒドを得た。
に懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸13.8mlを滴下し
た。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発
泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で
1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後トルエン
で有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃
縮して淡黄色油状の2,2−ビス(4−フルオロフェニ
ル)アセトアルデヒドを得た。
【0049】上記で得られたアルデヒド化合物とジフェ
ニルアミン19.46g、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.22g及びトルエン140mlを混合し、ディ
ーン・スタークトラップを装着して共沸的に脱水しつつ
1時間加熱還流した。放冷後、減圧下にトルエンを除去
し、析出した結晶を2−プロパノール150mlに懸濁
して加熱洗浄した。放冷後結晶を濾取し、ロート上2−
プロパノールで洗浄して白色結晶のエナミン化合物
(7)を35.24g得た。4,4′−ジフルオロベン
ゾフェノンより4工程での収率は79.9%であった。 融点144.1〜144.5℃1 H−NMR(CDCl3)δ6.65〜6.70ppm
(m,3H),δ6.84〜7.00ppm(m,10
H),δ7.08〜7.19ppm(m,6H) 13 C−NMR(CDCl3)δ114.32ppm,δ
114.66ppm,δ114.88ppm,δ11
5.22ppm,δ122.36ppm,δ122.9
1ppm,δ127.83ppm,δ128.68pp
m,δ128.83ppm,δ131.15ppm,δ
131.36ppm,δ131.49ppm,δ13
4.72ppm,δ134.78ppm,δ137.9
1ppm,δ137.95ppm,δ145.53pp
m,δ159.47ppm,δ160.09ppm,δ
163.37ppm,δ164.00ppm
ニルアミン19.46g、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.22g及びトルエン140mlを混合し、ディ
ーン・スタークトラップを装着して共沸的に脱水しつつ
1時間加熱還流した。放冷後、減圧下にトルエンを除去
し、析出した結晶を2−プロパノール150mlに懸濁
して加熱洗浄した。放冷後結晶を濾取し、ロート上2−
プロパノールで洗浄して白色結晶のエナミン化合物
(7)を35.24g得た。4,4′−ジフルオロベン
ゾフェノンより4工程での収率は79.9%であった。 融点144.1〜144.5℃1 H−NMR(CDCl3)δ6.65〜6.70ppm
(m,3H),δ6.84〜7.00ppm(m,10
H),δ7.08〜7.19ppm(m,6H) 13 C−NMR(CDCl3)δ114.32ppm,δ
114.66ppm,δ114.88ppm,δ11
5.22ppm,δ122.36ppm,δ122.9
1ppm,δ127.83ppm,δ128.68pp
m,δ128.83ppm,δ131.15ppm,δ
131.36ppm,δ131.49ppm,δ13
4.72ppm,δ134.78ppm,δ137.9
1ppm,δ137.95ppm,δ145.53pp
m,δ159.47ppm,δ160.09ppm,δ
163.37ppm,δ164.00ppm
【0050】実施例6 エナミン化合物(10)の合成
【0051】
【化9】
【0052】4,4′−ジメチルベンゾフェノン25.
50g、クロロ酢酸エチル15.61g及び1,3−ジ
オキソラン24mlを室温下に混合した。この混合液
へ、別途調製したカリウムtert−ブトキシド16.33
gと1,3−ジオキソラン73mlを混合した懸濁液
を、氷冷撹拌下に滴下した。この際発熱が観測された
が、滴下速度を調節して内温20℃以下を維持した。滴
下終了後、更に1時間室温下で撹拌して反応を完結させ
た。反応混合物を水500mlで希釈してトルエンで有
機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し
て淡黄色油状の3,3−ビス(4−メチルフェニル)−
2,3−エポキシプロピオン酸エチルを得た。
50g、クロロ酢酸エチル15.61g及び1,3−ジ
オキソラン24mlを室温下に混合した。この混合液
へ、別途調製したカリウムtert−ブトキシド16.33
gと1,3−ジオキソラン73mlを混合した懸濁液
を、氷冷撹拌下に滴下した。この際発熱が観測された
が、滴下速度を調節して内温20℃以下を維持した。滴
下終了後、更に1時間室温下で撹拌して反応を完結させ
た。反応混合物を水500mlで希釈してトルエンで有
機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し
て淡黄色油状の3,3−ビス(4−メチルフェニル)−
2,3−エポキシプロピオン酸エチルを得た。
【0053】上記で得られたエステル化合物を2−プロ
パノール48.5mlに溶解し、氷冷撹拌下にナトリウ
ムメトキシド(28%メタノール溶液)24.56gを
滴下した。この時点では目立った発熱は観測されなかっ
た。次いで、氷冷撹拌下に水2.5gを滴下した。この
時点で発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温2
0℃以下を維持した。室温下で更に1時間撹拌して反応
を完結させた後、減圧下に濃縮して3,3−ビス(4−
メチルフェニル)−2,3−エポキシプロピオン酸ナト
リウムを得た。
パノール48.5mlに溶解し、氷冷撹拌下にナトリウ
ムメトキシド(28%メタノール溶液)24.56gを
滴下した。この時点では目立った発熱は観測されなかっ
た。次いで、氷冷撹拌下に水2.5gを滴下した。この
時点で発熱が観測されたが、滴下速度を調節して内温2
0℃以下を維持した。室温下で更に1時間撹拌して反応
を完結させた後、減圧下に濃縮して3,3−ビス(4−
メチルフェニル)−2,3−エポキシプロピオン酸ナト
リウムを得た。
【0054】上記で得られたナトリウム塩を水61ml
に懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸12.1mlを滴下し
た。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発
泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で
1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後トルエン
で有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃
縮して淡黄色油状の2,2−ビス(4−メチルフェニ
ル)アセトアルデヒドを26.14g得た。4,4′−
ジメチルベンゾフェノンより3工程での収率は96.1
%であった。1 H−NMR(CDCl3)δ2.30ppm(s,6
H),δ4.77ppm(s,1H),δ7.07pp
m(d,4H),δ7.14ppm(d,4H),δ
9.86ppm(s,1H)13 C−NMR(CDCl3)δ20.91ppm,δ6
3.22ppm,δ128.85ppm,δ129.5
1ppm,δ133.32ppm,δ137.06pp
m,δ198.64ppm
に懸濁し、室温撹拌下に濃塩酸12.1mlを滴下し
た。濃塩酸の滴下により内温が上昇し、脱炭酸による発
泡が観測された。滴下終了後、反応器を90℃の湯浴で
1時間加熱撹拌して反応を完結させた。放冷後トルエン
で有機成分を抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で順次洗
浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃
縮して淡黄色油状の2,2−ビス(4−メチルフェニ
ル)アセトアルデヒドを26.14g得た。4,4′−
ジメチルベンゾフェノンより3工程での収率は96.1
%であった。1 H−NMR(CDCl3)δ2.30ppm(s,6
H),δ4.77ppm(s,1H),δ7.07pp
m(d,4H),δ7.14ppm(d,4H),δ
9.86ppm(s,1H)13 C−NMR(CDCl3)δ20.91ppm,δ6
3.22ppm,δ128.85ppm,δ129.5
1ppm,δ133.32ppm,δ137.06pp
m,δ198.64ppm
【0055】上記で得られたアルデヒド化合物とジフェ
ニルアミン19.72g、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.22g及びトルエン160mlを混合し、ディ
ーン・スタークトラップを装着して共沸的に脱水しつつ
1時間加熱還流した。放冷後、減圧下にトルエンを除去
し、得られた油状物に2−プロパノール100mlを添
加して加熱撹拌した。放冷後、析出した結晶を濾取し、
ロート上2−プロパノールで洗浄して白色結晶のエナミ
ン化合物(10)を28.58g得た。4,4′−ジメ
チルベンゾフェノンより4工程での収率は62.7%で
あった。 融点90.8〜91.8℃1 H−NMR(CDCl3)δ2.17ppm(s,3
H),δ2.34ppm(s,3H),δ6.65pp
m(s,1H),δ6.74〜6.89ppm(m,6
H),δ6.97ppm(d,4H),δ7.04〜
7.20ppm(m,8H)13 C−NMR(CDCl3)δ21.08ppm,δ1
22.24ppm,δ122.34ppm,δ127.
38ppm,δ128.13ppm,δ128.64p
pm,δ128.82ppm,δ129.75ppm,
δ130.30ppm,δ130.76ppm,δ13
5.83ppm,δ135.98ppm,δ136.3
6ppm,δ139.24ppm,δ145.85pp
m
ニルアミン19.72g、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.22g及びトルエン160mlを混合し、ディ
ーン・スタークトラップを装着して共沸的に脱水しつつ
1時間加熱還流した。放冷後、減圧下にトルエンを除去
し、得られた油状物に2−プロパノール100mlを添
加して加熱撹拌した。放冷後、析出した結晶を濾取し、
ロート上2−プロパノールで洗浄して白色結晶のエナミ
ン化合物(10)を28.58g得た。4,4′−ジメ
チルベンゾフェノンより4工程での収率は62.7%で
あった。 融点90.8〜91.8℃1 H−NMR(CDCl3)δ2.17ppm(s,3
H),δ2.34ppm(s,3H),δ6.65pp
m(s,1H),δ6.74〜6.89ppm(m,6
H),δ6.97ppm(d,4H),δ7.04〜
7.20ppm(m,8H)13 C−NMR(CDCl3)δ21.08ppm,δ1
22.24ppm,δ122.34ppm,δ127.
38ppm,δ128.13ppm,δ128.64p
pm,δ128.82ppm,δ129.75ppm,
δ130.30ppm,δ130.76ppm,δ13
5.83ppm,δ135.98ppm,δ136.3
6ppm,δ139.24ppm,δ145.85pp
m
【0056】比較例 Organic Syntheses Col.Vol.III,727-728の記載によれ
ば、アセトフェノンとクロロ酢酸エチルを縮合させて対
応するエステル化合物を得る反応では、収率は62〜6
4%である。同733-734の記載によれば、このエステル
化合物を加水分解して対応する塩化合物を得る反応で
は、収率は80〜85%である。更に、酸性条件下での
脱炭酸により2−フェニルプロピオンアルデヒドを得て
いる記述があるが、この工程の収率は65〜70%であ
る。すなわち、アセトフェノンより2−フェニルプロピ
オンアルデヒドまでの3工程の収率は32〜38%であ
り、実施例と比較して低収率である。
ば、アセトフェノンとクロロ酢酸エチルを縮合させて対
応するエステル化合物を得る反応では、収率は62〜6
4%である。同733-734の記載によれば、このエステル
化合物を加水分解して対応する塩化合物を得る反応で
は、収率は80〜85%である。更に、酸性条件下での
脱炭酸により2−フェニルプロピオンアルデヒドを得て
いる記述があるが、この工程の収率は65〜70%であ
る。すなわち、アセトフェノンより2−フェニルプロピ
オンアルデヒドまでの3工程の収率は32〜38%であ
り、実施例と比較して低収率である。
【0057】
【発明の効果】本発明の合成法によれば、有機光導電性
材料、液晶材料、電子写真感光体材料及びそれらの原料
として有用なジアリールアセトアルデヒド類とその誘導
体であるエナミン化合物を、安価な原料を用いて簡便か
つ高収率で供給することができる。
材料、液晶材料、電子写真感光体材料及びそれらの原料
として有用なジアリールアセトアルデヒド類とその誘導
体であるエナミン化合物を、安価な原料を用いて簡便か
つ高収率で供給することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 5/06 313 G03G 5/06 313
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(1)で示されるベンゾフェノン
類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステ
ル類を塩基の存在下で縮合して一般式(2)で示される
エポキシプロピオン酸エステル類を得て、これを塩基性
条件下で加水分解して一般式(3)で示されるエポキシ
プロピオン酸塩類とし、更にこれを酸性条件下で脱炭酸
する一般式(4)で示されるジアリールアセトアルデヒ
ド類の合成方法。 【化1】 (一般式(1)〜(4)において、R1及びR2は同一で
あっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を示す。R3はア
ルキル基を示し、M+は塩を形成するのに必要な一価の
陽イオンを示す。) - 【請求項2】 一般式(1)で示されるベンゾフェノン
類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステ
ル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩基と
して金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香族炭
化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒を用
いることを特徴とする一般式(2)で示されるエポキシ
プロピオン酸エステル類の合成方法。 - 【請求項3】 一般式(2)で示されるエポキシプロピ
オン酸エステル類を塩基性条件下で加水分解する反応に
おいて、塩基として金属アルコキシド、水酸化アルカリ
もしくは有機アルカリを用い、かつ溶媒としてアルコー
ル系溶媒、エーテル系溶媒もしくは水を主成分とする溶
媒を用いることを特徴とする一般式(3)で示されるエ
ポキシプロピオン酸塩類の合成方法。 - 【請求項4】 一般式(1)で示されるベンゾフェノン
類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステ
ル類を塩基の存在下で縮合して一般式(2)で示される
エポキシプロピオン酸エステル類を得て、これを塩基性
条件下で加水分解して一般式(3)で示されるエポキシ
プロピオン酸塩類とし、更にこれを酸性条件下で脱炭酸
して一般式(4)で示されるジアリールアセトアルデヒ
ド類を得て、更にこれを一般式(5)で示されるジアリ
ールアミン類と脱水縮合する一般式(6)で示されるエ
ナミン化合物の合成方法。 【化2】 (一般式(5)〜(6)において、R1、R2は同一であ
っても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基を示し、Ar1、A
r2は同一であっても異なっていてもよく、置換基を有
していてもよいアリール基を示す。) - 【請求項5】 一般式(1)で示されるベンゾフェノン
類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステ
ル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩基と
して金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香族炭
化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒を用
い、一般式(2)で示されるエポキシプロピオン酸エス
テル類を塩基性条件下で加水分解する反応において、塩
基として金属アルコキシド、水酸化アルカリもしくは有
機アルカリを用い、かつ溶媒としてアルコール系溶媒、
エーテル系溶媒もしくは水を主成分とする溶媒を用いる
ことを特徴とする請求項1記載のジアリールアセトアル
デヒド類の合成方法。 - 【請求項6】 一般式(1)で示されるベンゾフェノン
類と、クロロ酢酸エステル類もしくはブロモ酢酸エステ
ル類を塩基の存在下で縮合させる反応において、塩基と
して金属アルコキシドを用い、かつ溶媒として芳香族炭
化水素もしくはエーテル系溶媒を主成分とする溶媒を用
い、一般式(2)で示されるエポキシプロピオン酸エス
テル類を塩基性条件下で加水分解する反応において、塩
基として金属アルコキシド、水酸化アルカリもしくは有
機アルカリを用い、かつ溶媒としてアルコール系溶媒、
エーテル系溶媒もしくは水を主成分とする溶媒を用いる
ことを特徴とする請求項4記載のエナミン化合物の合成
方法。 - 【請求項7】 式(7)で示される新規なエナミン化合
物。 【化3】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9202870A JPH1143458A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | ジアリールアセトアルデヒド類とその誘導体の合成方法及び新規なエナミン化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9202870A JPH1143458A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | ジアリールアセトアルデヒド類とその誘導体の合成方法及び新規なエナミン化合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1143458A true JPH1143458A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=16464568
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9202870A Pending JPH1143458A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | ジアリールアセトアルデヒド類とその誘導体の合成方法及び新規なエナミン化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1143458A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100412698C (zh) * | 2002-09-04 | 2008-08-20 | 夏普株式会社 | 有机光导电性材料、采用该材料的电子照相感光体及图像形成装置 |
JP2010122631A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、新規エナミン系化合物、電子写真感光体カートリッジおよび画像形成装置 |
JP2011219398A (ja) * | 2010-04-07 | 2011-11-04 | Mitsui Chemicals Agro Inc | 分岐脂肪族アルデヒドの製造方法 |
CN111153806A (zh) * | 2020-01-08 | 2020-05-15 | 北京航空航天大学 | 聚集诱导发光型苯胺衍生物类发光化合物及其制备方法 |
US11329229B2 (en) | 2016-09-19 | 2022-05-10 | Kauno Technologies Universitetas | Hole transporting organic molecules containing enamine groups for optoelectronic and photoelectrochemical devices |
-
1997
- 1997-07-29 JP JP9202870A patent/JPH1143458A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100412698C (zh) * | 2002-09-04 | 2008-08-20 | 夏普株式会社 | 有机光导电性材料、采用该材料的电子照相感光体及图像形成装置 |
JP2010122631A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、新規エナミン系化合物、電子写真感光体カートリッジおよび画像形成装置 |
JP2011219398A (ja) * | 2010-04-07 | 2011-11-04 | Mitsui Chemicals Agro Inc | 分岐脂肪族アルデヒドの製造方法 |
US11329229B2 (en) | 2016-09-19 | 2022-05-10 | Kauno Technologies Universitetas | Hole transporting organic molecules containing enamine groups for optoelectronic and photoelectrochemical devices |
CN111153806A (zh) * | 2020-01-08 | 2020-05-15 | 北京航空航天大学 | 聚集诱导发光型苯胺衍生物类发光化合物及其制备方法 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060926 |