JPH1143347A - 基板用のガラス組成物 - Google Patents
基板用のガラス組成物Info
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- JPH1143347A JPH1143347A JP19750597A JP19750597A JPH1143347A JP H1143347 A JPH1143347 A JP H1143347A JP 19750597 A JP19750597 A JP 19750597A JP 19750597 A JP19750597 A JP 19750597A JP H1143347 A JPH1143347 A JP H1143347A
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- glass
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- thermal expansion
- composition
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/076—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
- C03C3/083—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
- C03C3/085—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal
- C03C3/087—Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal containing calcium oxide, e.g. common sheet or container glass
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】傷がつきにくい基板用ガラス組成物を得る。
【解決手段】実質的に重量%で、SiO2 :53〜59
未満、Al2 O3 :5〜10未満、MgO:0〜9、C
aO:0.5〜11、SrO:0〜6、BaO:0〜
5、MgO+CaO+SrO+BaO:3〜19、Na
2 O:0〜9、K2O:10〜21、Na2 O+K2
O:10〜22、ZrO2 :0.5〜10.5で比重が
2.6未満である。
未満、Al2 O3 :5〜10未満、MgO:0〜9、C
aO:0.5〜11、SrO:0〜6、BaO:0〜
5、MgO+CaO+SrO+BaO:3〜19、Na
2 O:0〜9、K2O:10〜21、Na2 O+K2
O:10〜22、ZrO2 :0.5〜10.5で比重が
2.6未満である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットディスプ
レイパネル、特にプラズマディスプレイパネル(PD
P)に用いる基板用ガラス組成物に関する。
レイパネル、特にプラズマディスプレイパネル(PD
P)に用いる基板用ガラス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPは一般的に、基板ガラス上に金属
電極、絶縁ペースト、リブペースト等を550〜600
℃程度の最高温度で焼成した後、対向板と周囲をフリッ
トシールすることにより製造される。従来、このための
基板ガラスとして建築用または自動車用として広く用い
られるソーダ石灰ガラスが一般的に用いられてきた。
電極、絶縁ペースト、リブペースト等を550〜600
℃程度の最高温度で焼成した後、対向板と周囲をフリッ
トシールすることにより製造される。従来、このための
基板ガラスとして建築用または自動車用として広く用い
られるソーダ石灰ガラスが一般的に用いられてきた。
【0003】しかし、ソーダ石灰ガラスのガラス転移点
は530〜560℃であるため、上記の最高温度で熱処
理を受けると基板ガラスが変形または収縮し、寸法が著
しく変化するため、対向板との電極位置合わせを精度良
く実現することが難しいという課題があった。特に、生
産性の高いベルト炉のような連続式の焼成炉を使用して
製造する場合、焼成中にガラス板の先端と後端で温度差
がつき、ガラス板が前後に非対称な寸法変化を起こすと
いう問題があった。
は530〜560℃であるため、上記の最高温度で熱処
理を受けると基板ガラスが変形または収縮し、寸法が著
しく変化するため、対向板との電極位置合わせを精度良
く実現することが難しいという課題があった。特に、生
産性の高いベルト炉のような連続式の焼成炉を使用して
製造する場合、焼成中にガラス板の先端と後端で温度差
がつき、ガラス板が前後に非対称な寸法変化を起こすと
いう問題があった。
【0004】このガラス基板の熱変形または熱収縮の問
題を解決するため、熱膨張係数がソーダ石灰ガラスと近
く、ガラス転移点、歪点が高いガラスが知られている
(特開平3−40933号、特開平7−257937
号)。このようなガラスを用いると、連続式の焼成炉で
PDP製造の熱処理を行っても、ソーダ石灰ガラスで問
題となるような前後に非対称な寸法変化を起こしにくい
ため、高い精度でパネルを焼成できる。
題を解決するため、熱膨張係数がソーダ石灰ガラスと近
く、ガラス転移点、歪点が高いガラスが知られている
(特開平3−40933号、特開平7−257937
号)。このようなガラスを用いると、連続式の焼成炉で
PDP製造の熱処理を行っても、ソーダ石灰ガラスで問
題となるような前後に非対称な寸法変化を起こしにくい
ため、高い精度でパネルを焼成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年のPDP
の大型化により、製造工程でのハンドリングがますます
困難になってきている。特に、大型基板は自重により大
きな曲げ応力を受けることが多いため、わずかな傷の存
在が、製造工程での割れにつながる。また、すでに提案
されている組成は、比重が大きく、部材の軽量化が困難
であるという問題もある。
の大型化により、製造工程でのハンドリングがますます
困難になってきている。特に、大型基板は自重により大
きな曲げ応力を受けることが多いため、わずかな傷の存
在が、製造工程での割れにつながる。また、すでに提案
されている組成は、比重が大きく、部材の軽量化が困難
であるという問題もある。
【0006】さらに、PDPに要求される画面の解像度
が高まるにつれ、ガラス基板に許容される寸法変化の最
大値はますます厳しくなりつつあり、さらにガラス転移
点が高いガラスが求められている。
が高まるにつれ、ガラス基板に許容される寸法変化の最
大値はますます厳しくなりつつあり、さらにガラス転移
点が高いガラスが求められている。
【0007】本発明の目的は上記欠点を解決し、高いガ
ラス転移点を有し、かつ熱膨張係数がソーダ石灰ガラス
と同等であるとともに、傷がつきにくく製造工程で割れ
にくい基板用ガラス組成物を提供することにある。
ラス転移点を有し、かつ熱膨張係数がソーダ石灰ガラス
と同等であるとともに、傷がつきにくく製造工程で割れ
にくい基板用ガラス組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、実質的に重量
表示で、 SiO2 53〜59%未満、 Al2 O3 5〜10%未満、 MgO 0〜 9%、 CaO 0.5〜11%、 SrO 0〜 6%、 BaO 0〜 5%未満、 MgO+CaO+SrO+BaO 3〜19%、 Na2 O 0〜 9%、 K2 O 10〜21%、 Na2 O+K2 O 10〜22%、 ZrO2 0.5〜10.5%、 からなり、比重が2.6未満である基板用ガラス組成物
である。
表示で、 SiO2 53〜59%未満、 Al2 O3 5〜10%未満、 MgO 0〜 9%、 CaO 0.5〜11%、 SrO 0〜 6%、 BaO 0〜 5%未満、 MgO+CaO+SrO+BaO 3〜19%、 Na2 O 0〜 9%、 K2 O 10〜21%、 Na2 O+K2 O 10〜22%、 ZrO2 0.5〜10.5%、 からなり、比重が2.6未満である基板用ガラス組成物
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のガラスの組成について以
下に説明する。SiO2 はガラスの骨格をなす成分であ
る。含有量が53重量%(以下%と表記する)未満では
耐熱性が劣り、また傷つきやすくなる。他方、59%以
上では熱膨張係数が小さくなりすぎる。
下に説明する。SiO2 はガラスの骨格をなす成分であ
る。含有量が53重量%(以下%と表記する)未満では
耐熱性が劣り、また傷つきやすくなる。他方、59%以
上では熱膨張係数が小さくなりすぎる。
【0010】Al2 O3 はガラス転移点を上げ、耐熱性
を向上させるため5%以上添加される。この観点では、
7%以上含有することが好ましい。他方、10%以上で
はガラスの熔解性が低下する傾向がある。
を向上させるため5%以上添加される。この観点では、
7%以上含有することが好ましい。他方、10%以上で
はガラスの熔解性が低下する傾向がある。
【0011】MgOは必須ではないが、ガラスの熔解時
の粘性を下げ、熔解を促進するため添加することができ
る。この場合は、0.5%以上添加されることが好まし
い。特に、2%以上含有することが好ましい。他方、9
%超では熱膨張係数が大きくなり、かつ傷つきやすくな
る傾向がある。この観点で、好ましくは、7%以下であ
る。
の粘性を下げ、熔解を促進するため添加することができ
る。この場合は、0.5%以上添加されることが好まし
い。特に、2%以上含有することが好ましい。他方、9
%超では熱膨張係数が大きくなり、かつ傷つきやすくな
る傾向がある。この観点で、好ましくは、7%以下であ
る。
【0012】CaOはガラスの熔解時の粘性を下げ、熔
解を促進するため0.5%以上添加される。2%以上含
有することが好ましい。他方、11%超では熱膨張係数
が大きくなり、かつ傷つきやすくなる傾向がある。ま
た、失透温度が上がり、フロート法による成形温度(例
えば、104 ポイズの粘性を有する温度)を超えやすく
なるので、フロート法による成形が困難になるおそれが
ある。この観点では、好ましくは9%以下である。
解を促進するため0.5%以上添加される。2%以上含
有することが好ましい。他方、11%超では熱膨張係数
が大きくなり、かつ傷つきやすくなる傾向がある。ま
た、失透温度が上がり、フロート法による成形温度(例
えば、104 ポイズの粘性を有する温度)を超えやすく
なるので、フロート法による成形が困難になるおそれが
ある。この観点では、好ましくは9%以下である。
【0013】SrOは必須成分ではないが、ガラスの熔
解時の粘性を下げ、熔解を促進する効果があるので添加
できる。しかし、6%超では傷つきやすくなるおそれが
ある。好ましくは、4%以下、特に好ましくは2%以下
である。
解時の粘性を下げ、熔解を促進する効果があるので添加
できる。しかし、6%超では傷つきやすくなるおそれが
ある。好ましくは、4%以下、特に好ましくは2%以下
である。
【0014】BaOは必須成分ではないが、ガラスの熔
解時の粘性を下げ、熔解を促進する効果があるので添加
できる。しかし、5%以上では傷つきやすくなるおそれ
がある。好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下
である。
解時の粘性を下げ、熔解を促進する効果があるので添加
できる。しかし、5%以上では傷つきやすくなるおそれ
がある。好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下
である。
【0015】SrOとBaOの含有量は、ガラスが傷つ
きやすくなりすぎるのを抑制するため、合量で4%以下
であることが好ましい。特に好ましくは3%以下であ
る。
きやすくなりすぎるのを抑制するため、合量で4%以下
であることが好ましい。特に好ましくは3%以下であ
る。
【0016】MgO、CaO、SrOおよびBaOの含
有量は、ガラスの熔解時の粘性を下げ、熔解しやすくす
るため合量で3%以上である。熔解をより容易にするた
め、8%以上含有することが好ましく、特に好ましくは
10%以上である。他方、合量で19%超ではガラスが
傷つきやすくなり、また失透温度が高くなる。この観点
で、好ましくは17%以下、特に好ましくは16%以下
である。
有量は、ガラスの熔解時の粘性を下げ、熔解しやすくす
るため合量で3%以上である。熔解をより容易にするた
め、8%以上含有することが好ましく、特に好ましくは
10%以上である。他方、合量で19%超ではガラスが
傷つきやすくなり、また失透温度が高くなる。この観点
で、好ましくは17%以下、特に好ましくは16%以下
である。
【0017】Na2 Oは必須ではないが、ガラスの熔解
時の粘性を下げ、熔解を促進する効果があるため含有で
きる。この場合は1%以上含有することが好ましい。他
方、9%超では熱膨張係数が大きくなりすぎ、また、化
学的耐久性やガラス転移点が低下し、電気抵抗が小さく
なるおそれがある。この観点で好ましくは5%以下であ
る。
時の粘性を下げ、熔解を促進する効果があるため含有で
きる。この場合は1%以上含有することが好ましい。他
方、9%超では熱膨張係数が大きくなりすぎ、また、化
学的耐久性やガラス転移点が低下し、電気抵抗が小さく
なるおそれがある。この観点で好ましくは5%以下であ
る。
【0018】K2 Oはガラスの熔解時の粘性を下げ、熔
解を促進する作用があり、かつNa2 Oほどは、化学的
耐久性の劣化やガラス転移点の低下をを生じない成分で
あるので、10%以上含有される。他方、21%超では
熱膨張係数が大きくなりすぎ、化学的耐久性が低下す
る。
解を促進する作用があり、かつNa2 Oほどは、化学的
耐久性の劣化やガラス転移点の低下をを生じない成分で
あるので、10%以上含有される。他方、21%超では
熱膨張係数が大きくなりすぎ、化学的耐久性が低下す
る。
【0019】Na2 OとK2 Oとの含有量はガラスの熔
解時の粘性を下げ、熔解しやすくするため合量で10%
以上である。好ましくは12%以上含有される。他方、
合量で22%超では化学的耐久性が低下し、電気抵抗が
小さくなるおそれが強い。
解時の粘性を下げ、熔解しやすくするため合量で10%
以上である。好ましくは12%以上含有される。他方、
合量で22%超では化学的耐久性が低下し、電気抵抗が
小さくなるおそれが強い。
【0020】ZrO2 はガラス転移点を上げ、また、ガ
ラスの化学的耐久性を向上させる効果があるので、0.
5%以上含有される。好ましくは2%以上含有される。
一方、10.5%超ではガラスが傷つきやすくなる。こ
の観点で好ましくは5%以下である。
ラスの化学的耐久性を向上させる効果があるので、0.
5%以上含有される。好ましくは2%以上含有される。
一方、10.5%超ではガラスが傷つきやすくなる。こ
の観点で好ましくは5%以下である。
【0021】本発明によるガラスは上記成分以外にガラ
スの熔解性、清澄性、成形性を改善するため、As2 O
3 、Sb2 O3 、P2 O5 、F、Clを合量で2%以下
添加できる。ここで、As2 O3 、Sb2 O3 はリサイ
クルを容易にするため、P2O5 、F、Clはガラス転
移点を高く維持するため、それぞれの含有量は0.5%
以下が好ましく、より好ましくは実質的に含有されな
い、すなわち不純物の程度を超えない。
スの熔解性、清澄性、成形性を改善するため、As2 O
3 、Sb2 O3 、P2 O5 、F、Clを合量で2%以下
添加できる。ここで、As2 O3 、Sb2 O3 はリサイ
クルを容易にするため、P2O5 、F、Clはガラス転
移点を高く維持するため、それぞれの含有量は0.5%
以下が好ましく、より好ましくは実質的に含有されな
い、すなわち不純物の程度を超えない。
【0022】また、ガラスの化学的耐久性の向上のた
め、La2 O3 、TiO2 、SnO2を合量で5%以下
添加できる。さらに、Fe2 O3 、CoO、NiO、S
e、Nd2 O3 等の着色剤を添加してガラスの色調を調
整できる。この着色剤の含有量は合量で1%以下が好ま
しい。
め、La2 O3 、TiO2 、SnO2を合量で5%以下
添加できる。さらに、Fe2 O3 、CoO、NiO、S
e、Nd2 O3 等の着色剤を添加してガラスの色調を調
整できる。この着色剤の含有量は合量で1%以下が好ま
しい。
【0023】さらに、熔解性を向上するためにB2 O3
を添加できる。ただし、過度の添加は、熱膨張係数を低
下させるので1.5%未満とすることが好ましい。フロ
ート法による成形に悪影響を与えないようにするために
は、実質的に添加しないほうがよい場合もある。
を添加できる。ただし、過度の添加は、熱膨張係数を低
下させるので1.5%未満とすることが好ましい。フロ
ート法による成形に悪影響を与えないようにするために
は、実質的に添加しないほうがよい場合もある。
【0024】また、ZnOを熔解性改善のために添加し
てもよいが、5%以上添加すると、フロートバス内で還
元されて欠点を生じるおそれがある。さらに、Li2 O
を熔解性改善のために添加してもよいが、3%以上添加
するとガラス転移点が低くなるおそれがある。
てもよいが、5%以上添加すると、フロートバス内で還
元されて欠点を生じるおそれがある。さらに、Li2 O
を熔解性改善のために添加してもよいが、3%以上添加
するとガラス転移点が低くなるおそれがある。
【0025】かくして得られる本発明のガラスは比重が
2.6未満であり、より好ましくは2.55以下であ
る。また、ガラス転移点は好ましくは600℃以上、よ
り好ましくは、660℃以上である。さらに、50〜3
50℃の平均の熱膨張係数は好ましくは75×10-7〜
95×10-7/℃の範囲、より好ましくは80×10-7
〜90×10-7/℃の範囲にある。
2.6未満であり、より好ましくは2.55以下であ
る。また、ガラス転移点は好ましくは600℃以上、よ
り好ましくは、660℃以上である。さらに、50〜3
50℃の平均の熱膨張係数は好ましくは75×10-7〜
95×10-7/℃の範囲、より好ましくは80×10-7
〜90×10-7/℃の範囲にある。
【0026】特に、本発明にかかるガラスは脆さ指標値
が7400m-1/2以下であることが好ましく、より好ま
しくは、7300m-1/2以下である。なお、本発明にお
いて、ガラスの脆さ指標値としてはローンらによって提
案された脆さ指標値Bを使用する(B.R.Lawn and D.B.M
arshall,J.Am.Ceram.Soc.,62[7-8]347-350(1979))。こ
こで、脆さ指標値Bは材料のビッカース硬さHV と破壊
靭性値KC から式(1)により定義される。 B=HV /KC (1)
が7400m-1/2以下であることが好ましく、より好ま
しくは、7300m-1/2以下である。なお、本発明にお
いて、ガラスの脆さ指標値としてはローンらによって提
案された脆さ指標値Bを使用する(B.R.Lawn and D.B.M
arshall,J.Am.Ceram.Soc.,62[7-8]347-350(1979))。こ
こで、脆さ指標値Bは材料のビッカース硬さHV と破壊
靭性値KC から式(1)により定義される。 B=HV /KC (1)
【0027】本発明で得られるガラスは、PDP用基板
として好適である。その分光透過率は425〜475n
m、510〜560nm、600〜650nmの範囲で
それぞれ85%以上となっていることが好ましい。これ
らの波長範囲での発光が効率的に表示に利用できるから
である。
として好適である。その分光透過率は425〜475n
m、510〜560nm、600〜650nmの範囲で
それぞれ85%以上となっていることが好ましい。これ
らの波長範囲での発光が効率的に表示に利用できるから
である。
【0028】本発明のガラス基板は、例えば次のような
方法で製造できる。すなわち、通常使用される各成分の
原料を目標成分になるように調合し、これを熔解炉に連
続的に投入し、1500〜1600℃に加熱して熔融す
る。この熔融ガラスをフロート法により所定の板厚に成
形し、徐冷後切断することによって、透明なガラス基板
を得る。
方法で製造できる。すなわち、通常使用される各成分の
原料を目標成分になるように調合し、これを熔解炉に連
続的に投入し、1500〜1600℃に加熱して熔融す
る。この熔融ガラスをフロート法により所定の板厚に成
形し、徐冷後切断することによって、透明なガラス基板
を得る。
【0029】
【実施例】表1に本発明に関する実験例を示す。
【0030】各成分の原料を目標組成になるように調合
し、白金るつぼを用いて1550〜1650℃に加熱し
4〜5時間かけて熔融した。熔解にあたっては、白金ス
ターラを挿入し2時間撹拌してガラスの均質化を行っ
た。
し、白金るつぼを用いて1550〜1650℃に加熱し
4〜5時間かけて熔融した。熔解にあたっては、白金ス
ターラを挿入し2時間撹拌してガラスの均質化を行っ
た。
【0031】以上のようにして得られたガラスの脆さ指
標値、平均熱膨張係数、ガラス転移点(一部のものは歪
点も)、比重を以下に示す方法で測定し、表1にガラス
組成とともに示した。また、熔解性を示す指標である粘
性が102 ポイズとなる温度T(logη=2) 、フロート成
形のしやすさを示す指標である粘性が104 ポイズとな
る温度T(logη=4) を併せて単位℃で示した。
標値、平均熱膨張係数、ガラス転移点(一部のものは歪
点も)、比重を以下に示す方法で測定し、表1にガラス
組成とともに示した。また、熔解性を示す指標である粘
性が102 ポイズとなる温度T(logη=2) 、フロート成
形のしやすさを示す指標である粘性が104 ポイズとな
る温度T(logη=4) を併せて単位℃で示した。
【0032】比重:泡を含まない約20gのガラス塊を
アルキメデス法によって測定する。
アルキメデス法によって測定する。
【0033】脆さ指標値(単位:m-1/2):脆さの指標
をガラスに適用する際の大きな問題は破壊靭性値KC が
正確に評価しにくいことである。しかし、本出願人は、
いくつかの手法を検討した結果、ビッカース圧子を押し
込んだときにガラス表面に残る圧子の痕の大きさと痕の
四隅から発生するクラックの長さとの関係から脆さを定
量的に評価できることを見いだしている。その関係は式
(2)により定義される。ここで、Pはビッカース圧子
の押し込み荷重であり、a、cは、それぞれ、ビッカー
ス圧痕の対角長および四隅から発生するクラックの長さ
(圧子の痕を含む対称な2つのクラックの全長)であ
る。各種ガラスの表面に打ち込んだビッカース圧痕の寸
法と式(2)を用いて、脆さ指標値を評価する。 c/a=0.0056B2/3 P1/6 (2)
をガラスに適用する際の大きな問題は破壊靭性値KC が
正確に評価しにくいことである。しかし、本出願人は、
いくつかの手法を検討した結果、ビッカース圧子を押し
込んだときにガラス表面に残る圧子の痕の大きさと痕の
四隅から発生するクラックの長さとの関係から脆さを定
量的に評価できることを見いだしている。その関係は式
(2)により定義される。ここで、Pはビッカース圧子
の押し込み荷重であり、a、cは、それぞれ、ビッカー
ス圧痕の対角長および四隅から発生するクラックの長さ
(圧子の痕を含む対称な2つのクラックの全長)であ
る。各種ガラスの表面に打ち込んだビッカース圧痕の寸
法と式(2)を用いて、脆さ指標値を評価する。 c/a=0.0056B2/3 P1/6 (2)
【0034】平均熱膨張係数(単位:×10-7/℃):示
差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料として室温
から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸び率を測
定する。測定はガラスが軟化してもはや伸びが観測され
なくなる温度(屈伏点)まで行い、50〜350℃の平
均の線熱膨張係数を算出した。
差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料として室温
から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸び率を測
定する。測定はガラスが軟化してもはや伸びが観測され
なくなる温度(屈伏点)まで行い、50〜350℃の平
均の線熱膨張係数を算出した。
【0035】ガラス転移点(単位:℃):熱膨張曲線に
おける屈曲点をガラス転移点とした。
おける屈曲点をガラス転移点とした。
【0036】表より明らかなように、本発明によるガラ
ス組成物の脆さ指標値は、7400m-1/2以下であり、
傷がつきにくい。熱膨張係数は75×10-7〜95×1
0-7/℃の範囲にあり、従来PDP用基板として用いら
れていたソーダライムガラスの熱膨張係数と同程度であ
るため、同種のフリット材料を使用できる。また、ガラ
ス転移点は、いずれも600℃以上であり、大型PDP
の製造において、ガラスが変形したり収縮したりする等
の問題がない。比重は2.6未満であり、部材の軽量化
が容易である。
ス組成物の脆さ指標値は、7400m-1/2以下であり、
傷がつきにくい。熱膨張係数は75×10-7〜95×1
0-7/℃の範囲にあり、従来PDP用基板として用いら
れていたソーダライムガラスの熱膨張係数と同程度であ
るため、同種のフリット材料を使用できる。また、ガラ
ス転移点は、いずれも600℃以上であり、大型PDP
の製造において、ガラスが変形したり収縮したりする等
の問題がない。比重は2.6未満であり、部材の軽量化
が容易である。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によるガラスは、傷がつきにく
く、耐熱性が高く、かつソーダ石灰ガラスと同等の熱膨
張係数を有するので、PDP用基板等、かかる特性を要
求する用途に好適である。また、比重が小さいので、部
材の軽量化が容易である。
く、耐熱性が高く、かつソーダ石灰ガラスと同等の熱膨
張係数を有するので、PDP用基板等、かかる特性を要
求する用途に好適である。また、比重が小さいので、部
材の軽量化が容易である。
Claims (4)
- 【請求項1】実質的に重量表示で、 SiO2 53〜59%未満、 Al2 O3 5〜10%未満、 MgO 0〜 9%、 CaO 0.5〜11%、 SrO 0〜 6%、 BaO 0〜 5%未満、 MgO+CaO+SrO+BaO 3〜19%、 Na2 O 0〜 9%、 K2 O 10〜21%、 Na2 O+K2 O 10〜22%、 ZrO2 0.5〜10.5%、 からなり、比重が2.6未満である基板用ガラス組成
物。 - 【請求項2】脆さ指標値が7400m-1/2以下である請
求項1記載の基板用ガラス組成物。 - 【請求項3】ガラス転移点が600℃以上である請求項
1または2記載の基板用ガラス組成物。 - 【請求項4】請求項1、2または3記載の基板用ガラス
組成物からなる基板を有するプラズマディスプレイパネ
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19750597A JPH1143347A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 基板用のガラス組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19750597A JPH1143347A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 基板用のガラス組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1143347A true JPH1143347A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=16375599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19750597A Withdrawn JPH1143347A (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 基板用のガラス組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1143347A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-07-23 JP JP19750597A patent/JPH1143347A/ja not_active Withdrawn
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