JPH1142739A - 導電性複合シート - Google Patents
導電性複合シートInfo
- Publication number
- JPH1142739A JPH1142739A JP33620797A JP33620797A JPH1142739A JP H1142739 A JPH1142739 A JP H1142739A JP 33620797 A JP33620797 A JP 33620797A JP 33620797 A JP33620797 A JP 33620797A JP H1142739 A JPH1142739 A JP H1142739A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- resin
- weight
- conductive composite
- composite sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 テープ用素材の表面に導電性を付与するため
にカーボンブラックを入れた構成において、カーボンブ
ラックの粉落ち等がない優れた摩擦性、引張強度、その
他割れ、亀裂を発生しにくい導電性複合シートを提供す
る。 【解決手段】 第一層がポリカーボネート樹脂或いはポ
リカーボネート樹脂とABS樹脂の混合物からなり、第
一層に隣接する第二層がABS樹脂からなり、第二層に
隣接する第三層がポリスチレン樹脂100重量部或いは
ポリスチレン樹脂98〜80重量%、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体2〜20重量%の混合物100重量部に対
してカーボンブラック10〜40重量部からなる導電性
複合シート。
にカーボンブラックを入れた構成において、カーボンブ
ラックの粉落ち等がない優れた摩擦性、引張強度、その
他割れ、亀裂を発生しにくい導電性複合シートを提供す
る。 【解決手段】 第一層がポリカーボネート樹脂或いはポ
リカーボネート樹脂とABS樹脂の混合物からなり、第
一層に隣接する第二層がABS樹脂からなり、第二層に
隣接する第三層がポリスチレン樹脂100重量部或いは
ポリスチレン樹脂98〜80重量%、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体2〜20重量%の混合物100重量部に対
してカーボンブラック10〜40重量部からなる導電性
複合シート。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の搬送に
用いられているキャリアテープ等、導電性を有する包装
材用シートに関するものである。
用いられているキャリアテープ等、導電性を有する包装
材用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品の代表的な包装材の一つとして
キャリアテープが挙げられる。以下、キャリアテープ用
途の場合について記述するが該材料はキャリアテープ用
途のみに限定されない。キャリアテープの材料として
は、真空成形、圧空成形そしてプレス成形等の熱成形が
必要なことから、従来、塩化ビニル樹脂(以下PVCと
いう)、ポリカーボネート樹脂(以下PCという)、ポ
リエステル樹脂(以下PETという)そしてポリスチレ
ン樹脂(以下PSという)等が起用されてきた。
キャリアテープが挙げられる。以下、キャリアテープ用
途の場合について記述するが該材料はキャリアテープ用
途のみに限定されない。キャリアテープの材料として
は、真空成形、圧空成形そしてプレス成形等の熱成形が
必要なことから、従来、塩化ビニル樹脂(以下PVCと
いう)、ポリカーボネート樹脂(以下PCという)、ポ
リエステル樹脂(以下PETという)そしてポリスチレ
ン樹脂(以下PSという)等が起用されてきた。
【0003】特に内容物である電子部品が、抵抗、コン
ポーネントである場合に比べ高価なIC等の包装用のキ
ャリアテープの場合は、IC自体が静電気で破壊されや
すいこともあって、上述の各樹脂に導電材料(一般的に
は低価格であるカーボンブラック)を練り込んだもの、
あるいは表面にコーティングしたものが導電キャリアテ
ープとして使われている。
ポーネントである場合に比べ高価なIC等の包装用のキ
ャリアテープの場合は、IC自体が静電気で破壊されや
すいこともあって、上述の各樹脂に導電材料(一般的に
は低価格であるカーボンブラック)を練り込んだもの、
あるいは表面にコーティングしたものが導電キャリアテ
ープとして使われている。
【0004】ここで言う導電とは、電子部品業界、食品
用包装材等の一般汎用シートで言われている通称であ
り、表面抵抗率1×104〜108Ωレベルのものを指
す。AMERICAN NATIONAL STANDARD であるELECTRONIC I
NDUSTRIES ASSOCIATION(EIA)では、1×105未満を導
電と規定している。ところで、これらのキャリアテープ
用プラスチックの中でも最近では、主に欧州から始まっ
た環境への配慮、そして低比重に起因する低コストか
ら、PSの使用率が高まっている。
用包装材等の一般汎用シートで言われている通称であ
り、表面抵抗率1×104〜108Ωレベルのものを指
す。AMERICAN NATIONAL STANDARD であるELECTRONIC I
NDUSTRIES ASSOCIATION(EIA)では、1×105未満を導
電と規定している。ところで、これらのキャリアテープ
用プラスチックの中でも最近では、主に欧州から始まっ
た環境への配慮、そして低比重に起因する低コストか
ら、PSの使用率が高まっている。
【0005】PSに導電性を付与したものは過去に何例
か出願されており、当初は例えば図1のように、ごく一
般的な汎用ポリスチレン樹脂(以下GPSという)、ハ
イインパクトスチレン樹脂(以下HIPSという)にカ
ーボンブラックを練り込んだもの、図2のようにカーボ
ンブラックを表面にコーティングしたものがある。また
図3のようにカーボンブラック含有の樹脂よりなる表面
層、中間層、カーボンブラック含有の樹脂よりなる表面
層の3層より構成されるものもある。
か出願されており、当初は例えば図1のように、ごく一
般的な汎用ポリスチレン樹脂(以下GPSという)、ハ
イインパクトスチレン樹脂(以下HIPSという)にカ
ーボンブラックを練り込んだもの、図2のようにカーボ
ンブラックを表面にコーティングしたものがある。また
図3のようにカーボンブラック含有の樹脂よりなる表面
層、中間層、カーボンブラック含有の樹脂よりなる表面
層の3層より構成されるものもある。
【0006】更に同じ3層構造でも中間層にABS樹脂
を配し、表層に導電層としてカーボンブラック、HIP
Sを配したものも特公平1−43622号公報で紹介さ
れている。これはPVC、PET、PC等に比べ、衝撃
及び耐候性に劣るPSを何とか実使用に耐えうる域にま
で改良しようとした結果である。中間層にABSを持つ
3層タイプでは、PVC、PC等の他樹脂と比較すると
まだ強度的には劣るが実用可能なレベルまでになってい
る。但し、このタイプであっても次のような重大欠点が
ある。
を配し、表層に導電層としてカーボンブラック、HIP
Sを配したものも特公平1−43622号公報で紹介さ
れている。これはPVC、PET、PC等に比べ、衝撃
及び耐候性に劣るPSを何とか実使用に耐えうる域にま
で改良しようとした結果である。中間層にABSを持つ
3層タイプでは、PVC、PC等の他樹脂と比較すると
まだ強度的には劣るが実用可能なレベルまでになってい
る。但し、このタイプであっても次のような重大欠点が
ある。
【0007】即ち、機械強度特に引張強度がPVCに比
べ50〜70%程度しかないことから、打点式シール機
と共に市場で広く使われている摺動式シール機において
シール時、キャリアテープが延び、ピッチズレを起こす
という問題がある。詳しくは、図4に示すようにキャリ
アテープ(6)にカバーテープ(7)がシールコテ
(8)で熱シールされ、駆動ローラー(9)で引き取ら
れる。その際、摺動式シール機の場合はシールコテ
(8)が常時押し当てられているため、シールコテがブ
レーキの役目を果たし、駆動ローラーとシールコテの間
(範囲A)のテーピング品に強い引張力が働く。その結
果、キャリアテープが伸び、ピッチズレを起こし以降の
工程で発生する送り不良の原因となる。ピッチズレによ
る送り不良は最悪、実装工程で発生する事もあり導電P
S系キャリアテープ材料の改良すべき必須項目である。
それ以外の問題として樹脂自体の脆さに起因する成型物
の割れ、亀裂がある。
べ50〜70%程度しかないことから、打点式シール機
と共に市場で広く使われている摺動式シール機において
シール時、キャリアテープが延び、ピッチズレを起こす
という問題がある。詳しくは、図4に示すようにキャリ
アテープ(6)にカバーテープ(7)がシールコテ
(8)で熱シールされ、駆動ローラー(9)で引き取ら
れる。その際、摺動式シール機の場合はシールコテ
(8)が常時押し当てられているため、シールコテがブ
レーキの役目を果たし、駆動ローラーとシールコテの間
(範囲A)のテーピング品に強い引張力が働く。その結
果、キャリアテープが伸び、ピッチズレを起こし以降の
工程で発生する送り不良の原因となる。ピッチズレによ
る送り不良は最悪、実装工程で発生する事もあり導電P
S系キャリアテープ材料の改良すべき必須項目である。
それ以外の問題として樹脂自体の脆さに起因する成型物
の割れ、亀裂がある。
【0008】また、特開平7−21834号公報で中間
層にABSとPCのブレンド品を用い、強度アップを図
る試みが紹介されているが、それまでの中間層ABSに
比べ原料費が1.5〜2倍の価格となり実用的ではな
い。本願の対象用途が価格ダウンの激しい電子部品の搬
送用(キャリアテープ等)であることを考えると、価格
(製造コスト)を意識した構成体が必要である。
層にABSとPCのブレンド品を用い、強度アップを図
る試みが紹介されているが、それまでの中間層ABSに
比べ原料費が1.5〜2倍の価格となり実用的ではな
い。本願の対象用途が価格ダウンの激しい電子部品の搬
送用(キャリアテープ等)であることを考えると、価格
(製造コスト)を意識した構成体が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】テープ用素材の表面に
導電性を付与するためにカーボンブラックを入れた構成
において、価格の上昇を押さえカーボンブラックの粉落
ち等がない優れた摩擦性、かつ摺動式シール機で発生す
るピッチズレを起こしにくい優れた引張強度、その他割
れ、亀裂を発生しにくい優れた一般的機械強度を保有す
る導電性複合シートを提供する。
導電性を付与するためにカーボンブラックを入れた構成
において、価格の上昇を押さえカーボンブラックの粉落
ち等がない優れた摩擦性、かつ摺動式シール機で発生す
るピッチズレを起こしにくい優れた引張強度、その他割
れ、亀裂を発生しにくい優れた一般的機械強度を保有す
る導電性複合シートを提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、機械強度の不
足及びPCのブレンド品の高価格を補うため、第一層
(或いは第二層)に強度に優れたPC或いはPC/AB
Sアロイ、第二層(或いは第一層)にABSを配するこ
とによって低価格で強度に優れた構成物とすることがで
きる。この構成では第一層と第二層の厚み構成を変化さ
せることにより、目的に応じ強度と価格のバランス調整
が容易である。
足及びPCのブレンド品の高価格を補うため、第一層
(或いは第二層)に強度に優れたPC或いはPC/AB
Sアロイ、第二層(或いは第一層)にABSを配するこ
とによって低価格で強度に優れた構成物とすることがで
きる。この構成では第一層と第二層の厚み構成を変化さ
せることにより、目的に応じ強度と価格のバランス調整
が容易である。
【0011】ポリカーボネート樹脂或いはポリカーボネ
ート樹脂とABS樹脂のアロイで構成された第一層(或
いは第二層)と、ABS樹脂で構成された第二層(或い
は第一層)と、ポリスチレン樹脂100重量部或いはポ
リスチレン樹脂98〜80重量%、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体2〜20重量%の混合物100重量部に対し
てカーボンブラック10〜40重量部からなる導電表面
層とからなる導電性複合シートである。更に好ましい態
様は、ポリカーボネート樹脂或いはポリカーボネート樹
脂とABS樹脂のアロイのアイゾット衝撃強さが25kg
f-cm/cm2以上であり、ポリスチレン樹脂がハイインパク
トスチレン樹脂であり、厚み構成比率が第一層(或いは
第二層)3〜80%、第二層(或いは第一層)80〜3
%、導電表面層5〜20%からなり、共押出し法により
作製された導電性複合シートである。
ート樹脂とABS樹脂のアロイで構成された第一層(或
いは第二層)と、ABS樹脂で構成された第二層(或い
は第一層)と、ポリスチレン樹脂100重量部或いはポ
リスチレン樹脂98〜80重量%、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体2〜20重量%の混合物100重量部に対し
てカーボンブラック10〜40重量部からなる導電表面
層とからなる導電性複合シートである。更に好ましい態
様は、ポリカーボネート樹脂或いはポリカーボネート樹
脂とABS樹脂のアロイのアイゾット衝撃強さが25kg
f-cm/cm2以上であり、ポリスチレン樹脂がハイインパク
トスチレン樹脂であり、厚み構成比率が第一層(或いは
第二層)3〜80%、第二層(或いは第一層)80〜3
%、導電表面層5〜20%からなり、共押出し法により
作製された導電性複合シートである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第一層(或いは第二層)
に用いるポリカーボネート樹脂或いはポリカーボネート
樹脂とABS樹脂のアロイは特に限定されないが、アイ
ゾット衝撃強さが25kgf-cm/cm2(JIS K 7110,ASTM D 2
56 t=6.4mmノッチ付き)以上であるものが望ましい。ポ
リカーボネート樹脂或いはポリカーボネート樹脂とAB
S樹脂のアロイはシート全体の強度向上させるために使
用される。アイゾット衝撃強さが25kgf-cm/cm2未満の
場合にはシート全体の強度が不十分となる。
に用いるポリカーボネート樹脂或いはポリカーボネート
樹脂とABS樹脂のアロイは特に限定されないが、アイ
ゾット衝撃強さが25kgf-cm/cm2(JIS K 7110,ASTM D 2
56 t=6.4mmノッチ付き)以上であるものが望ましい。ポ
リカーボネート樹脂或いはポリカーボネート樹脂とAB
S樹脂のアロイはシート全体の強度向上させるために使
用される。アイゾット衝撃強さが25kgf-cm/cm2未満の
場合にはシート全体の強度が不十分となる。
【0013】ポリカーボネート樹脂を単独で第一層(或
いは第二層)に用いる場合は構成体全体の強度も飛躍的
にアップするので、価格面から、高価なこのポリカーボ
ネート層の厚み比率を下げ実用強度と適正価格の折り合
ったポイントに設計することが出来る。その場合、押出
し機の能力或いは技術面から第二層(或いは第一層)で
あるABS層との密着度が懸念される場合は、ポリカー
ボネート樹脂単独の代わりにポリカーボネート樹脂とA
BS樹脂のアロイを適用すれば良い。
いは第二層)に用いる場合は構成体全体の強度も飛躍的
にアップするので、価格面から、高価なこのポリカーボ
ネート層の厚み比率を下げ実用強度と適正価格の折り合
ったポイントに設計することが出来る。その場合、押出
し機の能力或いは技術面から第二層(或いは第一層)で
あるABS層との密着度が懸念される場合は、ポリカー
ボネート樹脂単独の代わりにポリカーボネート樹脂とA
BS樹脂のアロイを適用すれば良い。
【0014】次に第二層(或いは第一層)に用いるAB
S樹脂としては、特に限定されず、例えば三元共重合体
やアクリロニトリル−スチレンの二元共重合体にポリブ
タジエンをポリマ−アロイさせたものが使用できる。A
BS樹脂は、ポリカーボネート樹脂或いはポリカーボネ
ート樹脂とABS樹脂のアロイ程ではないがシート全体
の強度向上させるために使用される。
S樹脂としては、特に限定されず、例えば三元共重合体
やアクリロニトリル−スチレンの二元共重合体にポリブ
タジエンをポリマ−アロイさせたものが使用できる。A
BS樹脂は、ポリカーボネート樹脂或いはポリカーボネ
ート樹脂とABS樹脂のアロイ程ではないがシート全体
の強度向上させるために使用される。
【0015】次に導電表面層の樹脂としては、コストの
点よりPS系の樹脂が好ましく、PS樹脂としては、例
えば、GPS樹脂、HIPS樹脂のようなものが使用で
きる。中でもHIPS樹脂が耐折強度の点でより好まし
い。更にこのPS樹脂にエチレン・酢酸ビニル共重合体
(以下EVAという)を添加するのが望ましい。これは
カ−ボンブラックを練り込んだ場合のカーボンブラック
脱落防止の為であり、EVAの添加量はPS98〜80
重量%に対し、EVAは2〜20重量%であり、好まし
くは5〜15重量%である。EVAの量がは2重量%未
満ではカーボンブラックの脱落防止の効果は少なく、E
VAの量が20重量%を越えると機械的強度が低下する
という問題が生じる。
点よりPS系の樹脂が好ましく、PS樹脂としては、例
えば、GPS樹脂、HIPS樹脂のようなものが使用で
きる。中でもHIPS樹脂が耐折強度の点でより好まし
い。更にこのPS樹脂にエチレン・酢酸ビニル共重合体
(以下EVAという)を添加するのが望ましい。これは
カ−ボンブラックを練り込んだ場合のカーボンブラック
脱落防止の為であり、EVAの添加量はPS98〜80
重量%に対し、EVAは2〜20重量%であり、好まし
くは5〜15重量%である。EVAの量がは2重量%未
満ではカーボンブラックの脱落防止の効果は少なく、E
VAの量が20重量%を越えると機械的強度が低下する
という問題が生じる。
【0016】導電表面層の樹脂にカーボンブラックが添
加される。PS或いはPSとEVAからなる樹脂成分1
00重量部に対し、カーボンブラックの添加量は10〜
40重量部であり、好ましくは15〜30重量部であ
る。カーボンブラックの添加量が10重量部未満である
と導電性が不十分であり、カーボンブラックの添加量が
40重量部を越えるとシート作製が困難となり、押し出
し時の流れ不良、カーボンブラック凝集によるいわゆ
る”ブツ”の発生となり、電子部品の収納ポケット成型
時の成形不良、外観不良となる。また、折り曲げ強度等
の機械強度の低下をもたらす。
加される。PS或いはPSとEVAからなる樹脂成分1
00重量部に対し、カーボンブラックの添加量は10〜
40重量部であり、好ましくは15〜30重量部であ
る。カーボンブラックの添加量が10重量部未満である
と導電性が不十分であり、カーボンブラックの添加量が
40重量部を越えるとシート作製が困難となり、押し出
し時の流れ不良、カーボンブラック凝集によるいわゆ
る”ブツ”の発生となり、電子部品の収納ポケット成型
時の成形不良、外観不良となる。また、折り曲げ強度等
の機械強度の低下をもたらす。
【0017】本発明に使用するカーボンブラックは特に
限定されないが、コストの点よりカーボンブラックが好
ましく、更にアセチレンブラックがより好ましい。本発
明に使用するカーボンブラックの平均粒径は10〜70
nmであり、10nm未満であると取り扱いが困難にな
り、コンパウンディング及びシーティングが出来ないと
いう問題があり、70nmを越えると所定内の部数で表
面抵抗率が出ないという問題があり、好ましくは30〜
60nmである。
限定されないが、コストの点よりカーボンブラックが好
ましく、更にアセチレンブラックがより好ましい。本発
明に使用するカーボンブラックの平均粒径は10〜70
nmであり、10nm未満であると取り扱いが困難にな
り、コンパウンディング及びシーティングが出来ないと
いう問題があり、70nmを越えると所定内の部数で表
面抵抗率が出ないという問題があり、好ましくは30〜
60nmである。
【0018】各層の厚み構成比率は第一層/第二層/導
電表面層で3〜80%/80〜3%/5〜20%であ
り、14〜30%/72〜40%/7〜15%がより好
ましい。また各層の層間密着度をより向上させるため接
着層等を層間に配した更なる多層構成としても良い。導
電表面層の片側の厚み比率が5%未満であると成形時、
加熱され延伸された部分特にコーナー部において薄くな
り、導電層中のカーボンブラックストラクチャ−が破壊
され、狙った導電性がでないと言う不都合が発生する。
また20%を越えると引張強度等の機械物性が落ちる或
いは表面抵抗率が低すぎるという問題が発生する。市場
要求では、1×104Ω/□未満の表面抵抗率は低すぎ
るとされている。第二層(或いは第一層)と第一層(或
いは第二層)の厚み比率は相対関係にあり、第一層(或
いは第二層)の厚みが決まると必然的に第二層(或いは
第一層)の厚みも決定する。
電表面層で3〜80%/80〜3%/5〜20%であ
り、14〜30%/72〜40%/7〜15%がより好
ましい。また各層の層間密着度をより向上させるため接
着層等を層間に配した更なる多層構成としても良い。導
電表面層の片側の厚み比率が5%未満であると成形時、
加熱され延伸された部分特にコーナー部において薄くな
り、導電層中のカーボンブラックストラクチャ−が破壊
され、狙った導電性がでないと言う不都合が発生する。
また20%を越えると引張強度等の機械物性が落ちる或
いは表面抵抗率が低すぎるという問題が発生する。市場
要求では、1×104Ω/□未満の表面抵抗率は低すぎ
るとされている。第二層(或いは第一層)と第一層(或
いは第二層)の厚み比率は相対関係にあり、第一層(或
いは第二層)の厚みが決まると必然的に第二層(或いは
第一層)の厚みも決定する。
【0019】本願の層構成として、第一層/第二層/導
電表面層の構成があるが、第二層を2つに分けて、第一
層の表裏両面に配してもよく、また、更に導電表面層を
2つに分けて、第二層の表裏両面に配してもよく、前者
の場合には導電表面層/第二層/第一層/第二層の構成
となり、後者の場合には導電表面層/第二層/第一層/
第二層/導電表面層の構成となり、シートの反りの点を
考慮すると対称形の方が好ましい。各層の個々の厚みの
決定は、まず導電表面層の厚みを決定する。目的の導電
レベルによってカーボンブラックの量及びその導電層の
厚みを決める。次に、強度と価格のバランスを見極めな
がら第一層、第二層の厚みを決定する。構成体の層毎に
厚みを変化させても良いが普通には対称形が望ましい。
電表面層の構成があるが、第二層を2つに分けて、第一
層の表裏両面に配してもよく、また、更に導電表面層を
2つに分けて、第二層の表裏両面に配してもよく、前者
の場合には導電表面層/第二層/第一層/第二層の構成
となり、後者の場合には導電表面層/第二層/第一層/
第二層/導電表面層の構成となり、シートの反りの点を
考慮すると対称形の方が好ましい。各層の個々の厚みの
決定は、まず導電表面層の厚みを決定する。目的の導電
レベルによってカーボンブラックの量及びその導電層の
厚みを決める。次に、強度と価格のバランスを見極めな
がら第一層、第二層の厚みを決定する。構成体の層毎に
厚みを変化させても良いが普通には対称形が望ましい。
【0020】
【実施例】押出機を用い共押出法にて表1に示す配合
で、表2、3に示す如く各層の厚み比率を変更した実施
例1〜20、比較例1〜16の導電性複合シートを作製
した。使用した原材料は次のとおりである。 GPS:住友化学工業(株)製 スミブライトE−16
3 HIPS:住友化学工業(株)製 スミブライトE−5
80 EVA:住友化学工業(株)製 エバテートH−203
1 ABS:三井東圧化学(株)製 サンタックMT−81 PC:住友ダウ(株) カリバ−301 PC/ABSアロイ:三井東圧化学(株)製 プラロネ
イAC−2725 カーボンブラック:電気化学工業(株) デンカブロッ
ク
で、表2、3に示す如く各層の厚み比率を変更した実施
例1〜20、比較例1〜16の導電性複合シートを作製
した。使用した原材料は次のとおりである。 GPS:住友化学工業(株)製 スミブライトE−16
3 HIPS:住友化学工業(株)製 スミブライトE−5
80 EVA:住友化学工業(株)製 エバテートH−203
1 ABS:三井東圧化学(株)製 サンタックMT−81 PC:住友ダウ(株) カリバ−301 PC/ABSアロイ:三井東圧化学(株)製 プラロネ
イAC−2725 カーボンブラック:電気化学工業(株) デンカブロッ
ク
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】作製したシートの評価を行った。その評価
結果を表4に示す。
結果を表4に示す。
【表4】
【0025】評価については次のように実施した。機械
強度の内、引張強度については、JIS K 6734法で450
kgf/cm2以上の値を持つかどうかで判定した。次にその
機械強度(主には引張強度)と実使用時の特性を調べる
ため住友ベークライト製SOIC16L用の成形金型を
用い成形物を作製し、SYSTEMATION ST-50型摺動シール
機でシール圧40psi下で住友ベークライト製カバーテ
ープZ7301と熱シールし、50スプロケットホール
寸法が元値200mmにたいし200.3mm以上に伸びて
いるかどうかで判定した。その結果を表4中のシール時
の延びに示す。
強度の内、引張強度については、JIS K 6734法で450
kgf/cm2以上の値を持つかどうかで判定した。次にその
機械強度(主には引張強度)と実使用時の特性を調べる
ため住友ベークライト製SOIC16L用の成形金型を
用い成形物を作製し、SYSTEMATION ST-50型摺動シール
機でシール圧40psi下で住友ベークライト製カバーテ
ープZ7301と熱シールし、50スプロケットホール
寸法が元値200mmにたいし200.3mm以上に伸びて
いるかどうかで判定した。その結果を表4中のシール時
の延びに示す。
【0026】導電性は、住友ベークライト製SOIC1
6L用の成形金型を用い成型物を作製し、ADVAN-TEST社
製 MODEL:R8340A測定器で2点式2mm角電極を用い、それ
ぞれの成型物(キャリアテープ)ポケット底コーナー部
の表面抵抗(Ω/□)を測定し、好ましい導電性即ち1
×109Ω/□未満かどうかで判定した。成形性は、住
友ベークライト性真空成形機及び圧空成形機及びSOI
C16L用の成形金型を用いて成型物を作製し、その成
形部の寸法を測定し、図6に示すA,A1,B、B1及
びK1の値が指定寸法の0.1mm以内に入るかどうかで
判定した。これらの判定基準を表5に示す。
6L用の成形金型を用い成型物を作製し、ADVAN-TEST社
製 MODEL:R8340A測定器で2点式2mm角電極を用い、それ
ぞれの成型物(キャリアテープ)ポケット底コーナー部
の表面抵抗(Ω/□)を測定し、好ましい導電性即ち1
×109Ω/□未満かどうかで判定した。成形性は、住
友ベークライト性真空成形機及び圧空成形機及びSOI
C16L用の成形金型を用いて成型物を作製し、その成
形部の寸法を測定し、図6に示すA,A1,B、B1及
びK1の値が指定寸法の0.1mm以内に入るかどうかで
判定した。これらの判定基準を表5に示す。
【0027】
【表5】
【0028】
【発明の効果】本発明の導電性複合シートは一般的な機
械強度の向上と共に、広く流通している摺動式シール機
における伸びによるピッチズレという問題を克服したも
のであり、電子部品搬送用キャリアテープの材料として
ふさわしいものである。
械強度の向上と共に、広く流通している摺動式シール機
における伸びによるピッチズレという問題を克服したも
のであり、電子部品搬送用キャリアテープの材料として
ふさわしいものである。
【図1】基材にカーボンブラックを練り込んだ構成のも
の
の
【図2】基材の表面にカーボンブラックをコーティング
した構成のもの
した構成のもの
【図3】カーボンブラック含有の樹脂よりなる表面層、
中間層、カーボンブラック含有の樹脂よりなる表面層の
3層より構成のもの
中間層、カーボンブラック含有の樹脂よりなる表面層の
3層より構成のもの
【図4】摺動式シール機上でのシール状態模式図
【図5】本願品の標準的シート断面図
【図6】成形物(キャリアテープ)の寸法測定個所
1 基材 2 カーボンブラック 3 カーボンブラックコーティング層 4 カーボンブラック含有表面樹脂層 5 中間層 6 キャリアテープ 7 カバーテープ 8 シールコテ 9 駆動ローラー 10 第一層 11 第二層
Claims (10)
- 【請求項1】 第一層がポリカーボネート樹脂或いはポ
リカーボネート樹脂とABS樹脂の混合物からなり、第
一層に隣接する第二層がABS樹脂からなり、第二層に
隣接する第三層がポリスチレン樹脂100重量部或いは
ポリスチレン樹脂98〜80重量%、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体2〜20重量%の混合物100重量部に対
してカーボンブラック10〜40重量部からなることを
特徴とする導電性複合シート。 - 【請求項2】 請求項1記載のシートの第一層の表面に
ABS樹脂層を設けた導電性複合シート。 - 【請求項3】 請求項2記載のシートの最外層であるA
BS樹脂層の表面にポリスチレン樹脂100重量部或い
はポリスチレン樹脂98〜80重量%、エチレン・酢酸
ビニル共重合体2〜20重量%の混合物100重量部に
対してカーボンブラック10〜40重量部からなる層を
設けた導電性複合シート。 - 【請求項4】 第一層がABS樹脂からなり、第一層に
隣接する第二層がポリカーボネート樹脂或いはポリカー
ボネート樹脂とABS樹脂の混合物からなり、第二層に
隣接する第三層がポリスチレン樹脂100重量部或いは
ポリスチレン樹脂98〜80重量%、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体2〜20重量%の混合物100重量部に対
してカーボンブラック10〜40重量部からなることを
特徴とする導電性複合シート。 - 【請求項5】 請求項4記載のシートの第一層の表面に
ポリカーボネート樹脂或いはポリカーボネート樹脂とA
BS樹脂の混合物からなる層を設けた導電性複合シー
ト。 - 【請求項6】 請求項5記載のシートの最外層であるポ
リカーボネート樹脂或いはポリカーボネート樹脂とAB
S樹脂の混合物からなる層の表面にポリスチレン樹脂1
00重量部或いはポリスチレン樹脂98〜80重量%、
エチレン・酢酸ビニル共重合体2〜20重量%の混合物
100重量部に対してカーボンブラック10〜40重量
部からなる層を設けた導電性複合シート。 - 【請求項7】 ポリカーボネート樹脂或いはポリカーボ
ネート樹脂とABS樹脂の混合物のアイゾット衝撃強さ
が25kgf-cm/cm2以上であることを特徴とする請求項
1、2、3、4、5または6記載の導電性複合シート。 - 【請求項8】 ポリスチレン樹脂がハイインパクトスチ
レン樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、
4、5、6または7記載の導電性複合シート。 - 【請求項9】 カーボンブラックを含む層の厚み構成比
率が5〜20%であることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5、6、7または8記載の導電性複合シート。 - 【請求項10】 導電性複合シートが共押出し法により
作製されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、
5、6、7、8または9記載の導電性複合シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33620797A JPH1142739A (ja) | 1997-05-30 | 1997-12-08 | 導電性複合シート |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-141568 | 1997-05-30 | ||
JP14156897 | 1997-05-30 | ||
JP33620797A JPH1142739A (ja) | 1997-05-30 | 1997-12-08 | 導電性複合シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1142739A true JPH1142739A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=26473786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33620797A Pending JPH1142739A (ja) | 1997-05-30 | 1997-12-08 | 導電性複合シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1142739A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6485832B1 (en) | 1999-10-27 | 2002-11-26 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Resin composition, molded product thereof and electroconductive sheet |
WO2008020579A1 (fr) * | 2006-08-15 | 2008-02-21 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Composition de résine conductrice et feuilles conductrices l'utilisant |
-
1997
- 1997-12-08 JP JP33620797A patent/JPH1142739A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6485832B1 (en) | 1999-10-27 | 2002-11-26 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Resin composition, molded product thereof and electroconductive sheet |
US6759130B2 (en) | 1999-10-27 | 2004-07-06 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Resin composition, molded product thereof and electroconductive sheet |
JP2005170514A (ja) * | 1999-10-27 | 2005-06-30 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 電子部品包装容器用の導電シート |
US6960390B2 (en) | 1999-10-27 | 2005-11-01 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Resin composition, molded product thereof and electroconductive sheet |
WO2008020579A1 (fr) * | 2006-08-15 | 2008-02-21 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Composition de résine conductrice et feuilles conductrices l'utilisant |
US8148456B2 (en) | 2006-08-15 | 2012-04-03 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Conductive resin composition and conductive sheets comprising the same |
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