JPH1142303A

JPH1142303A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JPH1142303A
Application number: JP9215599A
Authority: JP
Inventors: Masahide Onuki; 正秀大貫; Akio Onishi; 章夫大西
Original assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date: 1997-07-24
Filing date: 1997-07-24
Publication date: 1999-02-16
Anticipated expiration: 2017-07-24
Also published as: US6001032A; TWI232118B; JP3410335B2

Abstract

(57)【要約】【課題】フェース体をヘッド本体の凹所に確実に嵌着
固定する。【解決手段】ヘッド本体２のフェース面側にフェース
体３を嵌着指せる凹所５を形成する。この凹所５をの内
周面に沿って小さい厚さ寸法の側壁６を介して凹溝７を
形成する。この凹溝７内にかしめ部材８を圧入する。側
壁６はこのかしめ部材８の側圧でフェース体３側へ変形
して、フェース体３を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はゴルフクラブヘッド
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ゴルフクラブヘッド本体と、その
フェース面側の凹所に嵌着されるフェース体との固定の
方法としては、以下の〜の技術が公知である。

【０００３】即ち、特開平６−165843号公報には、フ
ェース体が連結用金属部材を介してヘッド本体に固定さ
れているゴルフクラブヘッドが開示されている。

【０００４】特開平６−182006公報には、ヘッド本体
とフェース体の接合部の一方に凹部を形成し、他方に凹
部と係合する凸部を塑性変形により形成してフェース体
を抜け止めしたゴルフクラブが開示されている。

【０００５】特開平５−337222公報には、フェース体
が取り付けられるヘッド本体の凹部の周面を後側が広く
なるように逆テーパ状に形成するとともに、該凹部に前
記フェース体をプレスにより塑性変形させながら圧入し
て固定されたクラブヘッドが開示されている。

【０００６】特開平７−255884公報にはフェース体が
納められるヘッド本体の凹部にピン体を設けるととも
に、フェース体に該ピン体の貫通するピン孔を設け、ピ
ン体をかしめることによりフェース体とヘッド本体を固
定したクラブヘッドが開示されている。

【０００７】特開平８−252344公報には、ヘッド本体
の凹所の内周とフェース体の外周との間の隙間にかしめ
部材を設け、該かしめ部材の塑性変形によりヘッド本体
とフェース体とを固定したゴルフクラブが開示されてい
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】近年、異種金属を組み
合わせたゴルフクラブヘッドが注目されている。異種金
属を用いる効果は、重量配分の自由度が大きくなること
や、少量の高価な材料（例えばチタン合金など）を効率
良く使用できること、ヘッド各部の要求特性の違い（強
度、剛性、摩耗性など）による材料の使い分け、外観の
美しさなどが考えられる。このような異種金属を用いた
複合ヘッドを実現するために、上記の通り種々のヘッド
本体とフェース体との固定方法が提案されてきた。

【０００９】しかしながら、下記のような問題点が未だ
解決するに至っていない。即ち、近年クラブヘッド材料
として注目されているチタン合金を、ヘッド本体もしく
はフェース体に用い、もう一方にさらに塑性加工が困難
な材料（例えば純チタンやタングステン、セラミックや
金属ガラスアモルファスなど）を用いた場合には、と
に示された塑性変形を伴う嵌合方法では固定が困難で
ある。チタンやチタン合金は、塑性加工時の変形抵抗が
大きく、またスプリングバックも大きいために寸法精度
が悪い等、塑性加工が従来材料に比べてかなり困難なた
めである。また、無理に塑性変形（かしめ）にて固定す
ると、かしめた箇所が浮上って隙間を生ずることもあ
る。

【００１０】やの固定方法は、連結用金属部材やピ
ン体を用いて連結固定するために、ヘッド本体やフェー
ス体が塑性変形し難い材料であっても固定できるもの
の、連結用金属部材やピン体およびそれらが挿入される
ピン孔などが必要となって部品点数が多くなり部材準備
に手間がかかるとともに、組立工程が多くなって、製造
効率が悪くコストが高くなるという欠点があった。

【００１１】の固定方法は、ヘッド本体の凹所の内周
とフェースインサートの外周との間の隙間のかしめ部材
の塑性変形により連結する方法であるため、塑性変形し
難い材料のヘッド本体・フェース体であっても固定でき
る利点があるものの、次のような問題が残されていた。

【００１２】即ち、クラブヘッドがゴルフボールに衝突
した際の衝撃力により、フェース体が弾性変形を起こ
し、フェース体とヘッド本体の間の隙間を埋めていたか
しめ部材が塑性変形し易い材質であることから、変形や
こすれ等による損傷を受けるという問題があり、また、
かしめ部材とインサート体の間に隙間を生ずるという問
題があった。

【００１３】そこで、本発明の目的とするところは、ヘ
ッド本体やフェース体が塑性変形し難い材料であって
も、作業能率良く固定することが出来、仕上がりも美し
く長期の使用にも耐えて、損傷も間隙も生じないフェー
ス体の固定を実現したゴルフクラブヘッドを提供する点
にある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は、ヘッド本体の
フェース面側にフェース体を嵌合させる凹所を形成する
と共に、該凹所の内周面に沿って小さい厚さ寸法の側壁
を介して凹溝を形成し該凹溝内にかしめ部材を圧入塑性
変形すると共に上記側壁を、上記フェース体の外周縁部
側へ変形させて、ヘッド本体とフェース体とを連結固定
した。

【００１５】また、凹溝が凹所の周縁を包囲するように
閉じた環状に形成されている。あるいは、凹溝が凹所の
周縁に沿って間欠的に形成されている。そして、かしめ
部材がヘッド本体及びフェース体よりも塑性変形し易い
材料から成る。また、ヘッド本体がチタン又はチタン合
金から成る。さらにフェース体がアモルファス金属から
成る。また、凹溝がその外側の内側面に小横凹溝部を有
する。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、図面に基き本発明の実施の
形態を詳説する。

【００１７】図１はウッド型クラブヘッドに適用した本
発明の実施の一形態を示す正面図であり、図２はその縦
断面図であり、図３はその要部拡大断面図兼製法説明図
である。

【００１８】この図１〜図３に示すように、このゴルフ
クラブヘッド１は、ヘッド本体２とフェース面の一部を
占めるフェース体３とを、同種又は異種材料にて形成し
たものであり、ヘッド本体２には（図外）のゴルフクラ
ブシャフトに接続するためのネック部４が一体に形成さ
れている。

【００１９】ところで、このヘッド本体２のフェース面
側に、フェース体（インサートプレート）３を嵌合させ
る浅い凹所５が形成され、この凹部５の内周面５ａに沿
って小さい厚さ寸法Ｔの側壁６を介して凹溝７が形成さ
れ、この凹溝７内に、かしめ部材８を圧入塑性変形する
と共に、側壁６をフェース体３の外周縁部３ａの直線状
面取部９側へ変形させて、ヘッド本体２とフェース体３
とを、連結固定した構造となっている。

【００２０】更に詳しく説明すれば、（図２に示すよう
に）ヘッド本体２には、そのフェース壁部には中空室部
20に連通（貫通）する窓部21が形成されており、この窓
部21の内周面に内鍔部11が突設され、この内鍔部11を底
面とする浅い凹所５が、前述のフェース体３の嵌着され
る部位である。なお、フェース壁部に窓部21を省略し
て、フェース壁部の外面（表て面）側に、完全に閉じた
浅皿状に凹所５を形成することも、自由である（図示省
略）。

【００２１】さらに、本発明はウッド型クラブヘッドに
限定されず、図７と図８に示す他の実施の形態のよう
に、アイアン型クラブヘッドにも適用できる。

【００２２】図７と図８に於て、同一符号は図１と図２
の場合と同様の構成であるので、説明を省略するが、こ
のアイアン型の場合、ヘッド本体２には、そのフェース
面とバック面に連通（貫通）する空所10が形成されてお
り、この空所10の内周面に内鍔部11が突設され、この内
鍔部11を底面とする浅い凹所５に、フェース体３が嵌着
される。

【００２３】なお、図９に示す変形例の如く、底面５ｂ
が完全に閉じた浅皿状に凹所５を形成することも、自由
である。

【００２４】そして、図１又は図７、及び、図３に於
て、凹溝７と凹所５とを区画する側壁６の厚さ寸法Ｔと
しては、0.5mm 〜3.0mm 程度に設定する。かつ、凹溝７
の横断面形状は、側壁６の変形前の状態では、側壁６側
内面を鉛直状すると共に、外側の内面を溝幅が奥側へ拡
大する勾配面12とする。

【００２５】また、フェース体３の外周縁部３ａに形成
された面取部９の深さ寸法Ｄと傾斜角度θとしては、
0.3Ａ≦Ｄ≦ 1.0Ａ，15°≦θ≦ 45°（但し、フェー
ス体３の厚さ寸法をＡとする）に設定する。望ましいの
は、 0.4Ａ≦Ｄ≦ 0.6Ａ，20°≦θ≦ 30°である。深
さ寸法Ｄが下限値未満であると、側壁６が変形し難くな
り、また、側壁６の変形によるフェース体３の抜け止め
用掛け代が小さくてフェース体３の固定が不安定となる
からである。逆に、上限値を越えると、側壁６を大きく
変形させねばならず、その意味で変形が難しくなる。さ
らに不必要に大きく側壁６を変形させることが無駄なた
めである。また、傾斜角度θが下限値未満であるとフェ
ース体３の抜け止め用掛け代が小さくてフェース体３の
固定が不安定となるからである。逆に、傾斜角度θが上
限値を越えると、側壁６を余分に変形させねばならず製
造が難しくなるためである。

【００２６】そして、凹溝７の深さ寸法Ｂとしては、フ
ェース体３の厚さ寸法Ａによって設定され、 0.5Ａ≦Ｂ
≦ 1.0Ａの範囲に設定する。下限値未満であると、かし
め部材８の圧入による塑性変形に伴って、側壁６が変形
不十分となる。上限値を越えると、かしめ部材８の塑性
変形加工量が過大となり、作業が難しくなる。

【００２７】次に、かしめ部材８の圧入塑性加工と側壁
６の変形について説明する。図３（ａ）に於て、横断面
矩形のかしめ部材８を凹溝７に設置して、プレス成形機
等にて矢印Ｃ方向から押圧して、圧縮塑性変形してゆく
が、このとき、薄い厚さ寸法Ｔの側壁６は、凹溝７に充
填されるかしめ部材８によって強い横方向の圧力（図の
右方向への圧力）を受け、フェース体３の面取部９に密
着するまで、弾性変形乃至塑性変形する。

【００２８】その後、フェース面側から研削等の仕上加
工を行なって（かしめ部材８の余分な盛り上り部分、及
び、側壁６の余分な突出部分等を削り取って）、図３
（ｂ）の完成品の状態とする。

【００２９】ところで、図１又は図７で明らかなよう
に、凹溝７は、凹所５の周縁を包囲するように、閉じた
環状（ループ状）に、前記寸法Ｔを隔てて、形成されて
いる。図10（ａ）（ｂ）はその変形例を示し、凹溝７…
を凹所５の周縁に沿って間欠的に形成されている。例え
ば、図10（ａ）では、凹所５の上辺部と下辺部に配設さ
れており、図10（ｂ）では、凹所５の４隅部及び上辺一
部と下辺一部に、配設されている。勿論、これ以外の配
置にて、凹溝７…を間欠的───断続的───に配設し
ても良い。

【００３０】次に、図４に示す他の実施の形態では、フ
ェース体３の面取部９が丸味のある勾配面（乃至アール
面取）となっていると共に、かしめ部材８は圧入塑性変
形前では円形の横断面となっている。それ以外は、図３
と同様である。

【００３１】この図４の場合の利点は、側壁６の変形後
の形状が、弧状弯曲形であるため、側壁６に応力集中を
生じない点にある。これによって、側壁６はその厚さ寸
法Ｔが小さくとも、亀裂等を生じ難くなる。

【００３２】次に、図５に示す別の実施の形態では、フ
ェース体３には図３と同様の直線状（ストレート状）面
取部９が形成され、かしめ部材８としては図４と同様の
横断面円形の部材が用いられていると共に、凹溝７の形
状は（図３，図４と略同様ではあるが）開口端面に、か
しめ部材８を誘導する案内勾配面13を有する小突隆部14
を予め形成し、かしめ部材８の圧入塑性変形（圧潰）後
に行う切削等の仕上加工に於て、余分なかしめ部材８の
はみ出し部と共に、除去して、図５（ｂ）の状態とす
る。

【００３３】次に、図６に示すさらに別の実施の形態で
は、基本的には図３の実施の形態と同様であるが、相違
する点は、凹溝７の横断面形状にある。即ち、図３の勾
配面12の代りに、図６では、外側の内側面に小横凹溝部
15を形成している点が相違する。このような小横凹溝部
15によって、図６（ｂ）のように、かしめ部材８が凹溝
７内に確実に保持されて、外部へ離脱することを防止し
ている。なお、図例では小横凹溝部15は横断面三角形で
あるが、これ以外の形状としても自由である。但し、か
しめ部材８が図６の（ａ）か（ｂ）のように、塑性変形
しつつ流入しやすい形とすることが必要である。

【００３４】ところで、フェース体３の材料（材質）と
しては、例えば、アモルファス金属（非晶質金属）、又
は、チタンやチタン合金やタングステン若しくはセラミ
ック等の塑性加工の困難なものを用いる。他方、ヘッド
本体２としては、例えば、チタン、チタン合金等の比較
的硬質で降伏点の高い材質を用いる。

【００３５】そして、かしめ部材８の材料（材質）とし
ては、例えば、真鍮、銅、金、銀又はステンレス鋼等を
用いる。つまり、かしめ部材８としてはヘッド本体２及
びフェース体３よりも、塑性変形し易い───降伏点の
低い───材料を用いる。

【００３６】ヘッド本体２は、上述のように降伏点が高
くて塑性加工の困難な材質を用いるが、その側壁６はそ
の寸法Ｔが小さく（薄く）て、凹溝７内へ押圧されたか
しめ部材８の側圧によって、フェース体３の外周縁部３
ａ側へ、弾性域乃至塑性域で、変形可能である。このよ
うに、ヘッド本体２とフェース体３とが異種材料であっ
て、かつ、いずれも塑性変形させ難い材質であっても、
かしめ部材８の凹溝７への圧入塑性変形と、（これに伴
う）厚さ寸法Ｔの小なる側壁６の変形によって、フェー
ス体３をヘッド本体２に確実に、かつ、強固に固定出来
る。しかも、実使用い於いて、嵌合部位での緩みや間隙
の発生を、防止出来る。

【００３７】しかも、図３〜図６に示した各実施の形態
に於て、フェース体３の外周縁部３ａは、直接的に、ヘ
ッド本体２の凹所５の内周面５ａに、密接（密嵌）させ
得る構造であるから、フェース体３をヘッド本体２に対
して、正確に位置決めが出来る利点がある。

【００３８】特に、図３〜図６に於て、矢印Ｃにて示し
た方向にプレス機械等で圧入する際、凹溝７の長手方向
に圧入加工位置を移動しつつ、順次凹溝７内へ圧入塑性
変形させていくプレス方法を採用したとしても、ヘッド
本体２に対するフェース体３の位置づれを発生しないと
いう利点がある。（つまり、従来の特開平８−252344号
公報記載の構造では、かしめ部材にフェース体が直接的
に接触するため、フェース体の位置づれを生じ、特に、
フェース体の周囲の隙間が不均一となる欠点があった
が、これを、本発明では解消しているといえる。）

【００３９】本発明は上述のように、チタンやチタン合
金等のスプリングバックの大きい材料───降伏点が高
い材料───のヘッド本体２が、フェース体３に接する
部位を、薄い厚さ寸法Ｔの側壁６としたので、これを第
３物体（かしめ部材８）にて押込むことによって弾性的
にフェース体３を接合出来る。

【００４０】従って、クラブヘッドがゴルフボールに衝
突した際の衝撃力によりプレート状のフェース体３が弾
性変形を発生するが、これを、弾性的に保持出来、フェ
ース体３と側壁６との間に、隙間を生ずることを防止出
来る。

【００４１】また、本発明の上述の構造によれば、塑性
加工時の変形抵抗が大きく、スプリングバックも大きい
チタンやチタン合金製等のヘッド本体２であっても、ヘ
ッド本体２の変形させるべき部位の長さ───側壁６の
長手方向の全長───が大きいため、かしめ部材８の圧
入塑性加工と共に順次変形させてゆけば、その変形抵抗
が小さく、容易に加工が出来る。しかも、かしめ部材８
の塑性変形によって、側壁６の変形状態（図３（ｂ）、
図４（ｂ）、図５（ｂ）、図６（ｂ）参照）が保持され
て、側壁６のスプリングバックを有効に防ぎ得る。

【００４２】そして、かしめ部材８をヘッド本体２とフ
ェース体３よりも塑性変形し易い材料とすることで、加
工効率を改善出来る。かつ、かしめ部材８はフェース体
３に直接的には接触していないから、かしめ部材８の変
形やこすれ時による損傷は受け難くなる。このように、
塑性加工し易い材料と塑性加工の難しい材料とを巧妙に
結合させたフェース体３の固定（接合）構造であること
が判る。

【００４３】また、クラブヘッド本体２を低比重で強度
の高いチタンやチタン合金にすると、クラブヘッド１の
慣性モーメントを大きくすることが出来、ヘッド各部の
要求特性の違いに関する複合効果を十分発揮出来る。特
に、フェース体３をアモルファス金属（非晶質金属）と
すれば、アモルファス金属の有する低弾性率と高強度と
いった特性を生かして、高いボール反撥性を発揮する。

【００４４】また、図３〜図６に示したように、凹溝７
の奥部を拡大状としたことで、又は、小横凹溝部15を形
成したことで、そこに塑性変形したかしめ部材８が食い
込んで、かしめ部材８の抜け出る抵抗を拡大して、一層
確実な固定を実現している。

【００４５】本発明は、ウッド型クラブヘッド及びアイ
アン型クラブヘッドの他に、パター型クラブヘッド等に
も応用できる。クラブヘッドがゴルフボールに衝突した
際の衝撃力が大きいウッド型及びアイアン型のクラブヘ
ッドに好適であり、特に、衝撃力の大きいウッド型クラ
ブヘッドに最も適する。

【００４６】

【実施例】図５に示すような嵌合（接合）構造のクラブ
ヘッドを製造した。ヘッド本体２は６Ａ１−４Ｖチタン
合金製とし、フェース体３はＺｒ系アモルファス合金
（Ｚｒ55Ａ1 10Ｎ15Ｃｕ30）製とし、かしめ部材ははス
テンレス鋼（ＳＵＳ630)を用いた。プレスにてかしめ部
材８を圧入塑性変形した後、フェース面側から表面研磨
加工を行った。

【００４７】その結果、従来のステンレス（例えばＳＵ
Ｓ630)製ヘッドと同等の加工時間で、プレス加工できる
と共に、表面観察によれば、かしめ部材８と側壁６とフ
ェース体外周縁部３ａとの間に、間隙は見られなかっ
た。

【００４８】

【発明の効果】本発明は上述の構成により、次のような
著大な効果を奏する。

【００４９】（請求項１によれば、）ヘッド本体２がチ
タン合金等の塑性加工し難い材料であっても、かつフェ
ース体３が同じく塑性加工し難いアモルファス合金等の
材料であっても、効率良く、フェース体３を安定して確
実に固着出来る。即ち、凹溝７内のかしめ部材８の側圧
を利用して、側壁６のスプリングバックを押え込み、こ
の側壁６を介してフェース体３を、弾性的に有効に接合
出来る。

【００５０】従って、ボール打撃時の衝撃にて、フェー
ス体３が瞬間時に弾性変形したとしても、このフェース
体３を、弾性的に接合した側壁６が確実に保持出来るの
で長期間使用後も、フェース体３の離脱の虞はないと共
に、境目に間隙を生ずることもない。さらに、かしめ部
材８は直接にフェース体３に隣接していないから、変形
やこすれ等による損傷は非常に受け難く、耐久性にも優
れている。

【００５１】（請求項２によれば、）凹溝７及び側壁６
が長い寸法となり、凹溝７の長手方向に順次プレス加工
等にてかしめ部材８の圧入塑性加工を行ってゆけば、小
型のプレス機械にて効率良く作業が出来る。しかも、フ
ェース体３は一層確実に固着（保持）される。（請求項３によれば、）必要最小限の圧入塑性変形加工
にて、フェース体３を固着可能である。（請求項４によれば、）かしめ部材８を凹溝７内へ圧入
する作業が容易となる。かつ、降伏点の高い材料から成
るヘッド本体２の側壁６との有機的結合相乗効果を増大
する。

【００５２】（請求項５によれば、）クラブヘッド１の
慣性モーメントを増大出来て、ヘッド各部の要求特性の
違いに関する複合効果を十分に発揮することが出来る。（請求項６によれば、）アモルファス金属の有する低弾
性率と高強度特性によって、高い反撥特性を得る事が出
来る。（請求項７によれば、）塑性変形したかしめ部材８が小
横凹溝部15内へ食い込み、かしめ部材８の抜けに対する
抵抗を高めて、一層確実な固定とすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態を示す正面図である。

【図２】その断面図である。

【図３】要部拡大断面説明図である。

【図４】他の実施の形態を示す要部拡大断面説明図であ
る。

【図５】別の実施の形態を示す要部拡大断面説明図であ
る。

【図６】さらに別の実施の形態を示す要部拡大断面説明
図である。

【図７】本発明の他の実施の形態を示す正面図である。

【図８】その断面図である。

【図９】図８に代わる変形例を示す断面図である。

【図10】さらに他の実施の形態を示す簡略正面図であ
る。

【符号の説明】

２ヘッド本体３フェース体５凹所６側壁７凹溝８かしめ部材 15 小横凹溝部Ｔ厚さ寸法

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヘッド本体２のフェース面側にフェース
体３を嵌合させる凹所５を形成すると共に、該凹所５の
内周面５ａに沿って小さい厚さ寸法Ｔの側壁６を介して
凹溝７を形成し該凹溝７内にかしめ部材８を圧入塑性変
形すると共に上記側壁６を、上記フェース体３の外周縁
部３ａ側へ変形させて、ヘッド本体２とフェース体３と
を連結固定したことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項２】凹溝７が凹所５の周縁を包囲するように
閉じた環状に形成されている請求項１記載のゴルフクラ
ブヘッド。
【請求項３】凹溝７が凹所５の周縁に沿って間欠的に
形成されている請求項１記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項４】かしめ部材８がヘッド本体２及びフェー
ス体３よりも塑性変形し易い材料から成る請求項１記載
のゴルフクラブヘッド。
【請求項５】ヘッド本体２がチタン又はチタン合金か
ら成る請求項１又は４記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項６】フェース体３がアモルファス金属から成
る請求項１，４又は５記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項７】凹溝７がその外側の内側面に小横凹溝部
15を有する請求項１，２，３又は４記載のゴルフクラブ
ヘッド。