JPH1141887A - 永久磁石併用同期回転機 - Google Patents

永久磁石併用同期回転機

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JPH1141887A
JPH1141887A JP9195299A JP19529997A JPH1141887A JP H1141887 A JPH1141887 A JP H1141887A JP 9195299 A JP9195299 A JP 9195299A JP 19529997 A JP19529997 A JP 19529997A JP H1141887 A JPH1141887 A JP H1141887A
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裕章 梶浦
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  • Synchronous Machinery (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1の回転子コアの突出部および第2の回転
子コアの突出部の外径方向への拡がりを第3の回転子コ
アにて抑えて耐遠心力強度を向上しつつ、かつ第3の回
転子コアにて磁石の保持を行うことで組み付けが容易と
なる。 【解決手段】 ロータ120は鉄心コア121aおよび
121b、電磁鋼板を積層して構成された積層コア12
2、鉄心コア121aおよび121bから放射状に伸び
た極部(突出部)123aおよび123b、鉄心コア1
21aおよび121bの間に巻装された界磁巻線124
ならびに鉄心コア121aおよび121bが圧入された
シャフト125を有している。そして、ロータ120外
周はロータ120に挿入された磁石128により、N磁
極,S磁極の各磁極を構成しているが、N磁極の磁束は
N磁極側溝127と噛み合う極部123a、鉄心コア1
21a、鉄心コア121b、S磁極側溝127と噛み合
う極部123bを通ってS磁極に短絡している。これに
より、ステータ110側への有効磁束を分流、短絡し減
少させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石ロータを
有する同期回転機において、永久磁石ロータのステータ
への鎖交磁束量を調整可能な界磁巻線をロータ内に設
け、鎖交磁束量とステータへの通電電流を同時に制御す
ることにより高効率な同期回転機の駆動が可能となる、
永久磁石併用同期回転機に関し、主に、使用回転数範囲
の広い電気自動車用の回転機として利用できる。
【0002】
【従来の技術】通常、モータの発生するトルクはロータ
からステータ側へ発生する磁束と、ステータ巻線に流れ
る電流により決定される。永久磁石型同期回転機の場
合、ロータ磁束は永久磁石で作られ、永久磁石および磁
気回路寸法により前記磁束が決定される。 ステータ巻
線に流れる電流は、低回転時にはオームの法則に従いス
テータ巻線への印加電圧をステータ巻線抵抗で除した分
流れるが、回転数が上昇すると、ロータ磁束により巻線
に反作用誘起電圧が印加電圧を打ち消す向きに発生する
ため、ステータ巻線に流れる電流が減少する。これによ
りモータとして駆動できる回転数は、逆起電圧が印加電
圧以下までの回転数となる。(図9)そこで、一般には
ステータ巻線にロータ磁束を打ち消す電流を流し反作用
誘起電圧の発生を抑えることにより、高回転数域までモ
ータ駆動することが可能となる。ただし、この時ステー
タ巻線に流れる電流は、トルク発生分のトルク電流Iq
に加えて磁束打ち消し分の弱め界磁電流Id (Iq 及び
Id の量は、ステータ巻線に流れる電流の量と、ロータ
磁極位置に対する位相によって設定することができ
る。)が必要である。従って、高回転数域では磁石の磁
束を打ち消すといった本来無駄な電流を流す必要があ
り、この分の銅損が効率を低下させるため、モータのT
−Nカーブ内の効率マップは回転数の増加とともに急激
に低下することとなる。また磁束打ち消し電流は永久磁
石に加わる反作用磁界となるため、高温での不可逆減磁
に注意する必要があり、その防止のため永久磁石を厚く
し高価な磁石量を増やす必要がある。
【0003】また、永久磁石形同期回転機を電気自動車
用走行モータに適用する場合の問題の一つに、坂道下降
時タイヤから回転機が回されるモードになったとき、回
転機誘起電圧がそれに繋がる電力変換器素子の耐電圧以
下になるように設定する必要がある。これにより回転機
設計自由度が下がり、そのため必要以上に大きな体格の
回転機或いは電力変換器が必要となってくる。
【0004】また、永久磁石形同期回転機を発電機とし
て使用するとき、発電量の調整はステータ巻線からの反
作用起磁力で制御する必要がある。この場合無制御の状
態が出力最大となり安全上問題となるため、永久磁石同
期形回転機は一般に発電機として使用されない。また永
久磁石には常に反作用磁界が減磁界として加わり、不可
逆減磁が生じ易い。
【0005】上記問題を解決する手段として特開平6ー
351206に見られる様な、ハイブリッド励磁形の永
久磁石形同期回転機が提案されている。これは永久磁石
部と鉄心部を設けたロータを、ステータ側から直流励磁
し、鉄心部をN 極またはS 極に励磁することで、ステー
タ上で永久磁石の磁束の方向を変えて、ステータ巻線に
鎖交する量を調整することで誘起電圧量を制御してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では
ステータ内の磁束が電磁鋼板シートを貫通する方向に鎖
交し、鉄損を増やすことになる。そこで、本発明は、こ
れらの問題点を解決するためになされたもので、永久磁
石同期回転機の回転子側に界磁巻線を設け、永久磁石に
よる回転子から固定子への磁束を調整することができる
同期回転機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の手段を採用する。請求項1記載の構
成によれば、磁性体よりなり、第1の回転子コアおよび
第2の回転子コアの突出部間の空間を覆う第3の回転子
コアに、N極およびS極の磁極の表面から固定子に磁束
を供給するように設けられた磁石を設けることで、第1
の回転子コアの突出部および第2の回転子コアの突出部
の外径方向への拡がりを第3の回転子コアにて抑えて耐
遠心力強度を向上しつつ、かつ第3の回転子コアにて磁
石の保持を行うことで組み付けが容易となる。
【0008】また、界磁巻線への電流量を調整すること
で、磁石から固定子への磁束量を増減させるものであ
り、例えば、発電機としての作動時には固定子への磁束
量が制御可能なため、高効率な発電出力調整が容易に実
現でき、一方モータ駆動時には、低回転数域で磁束量を
増加し、高回転数域で磁束を減少させることで、固定子
巻線への必要入力電流を抑えることができる。そのため
回転機効率が向上し、更に小型の電力変換器が使用でき
る。
【0009】請求項2および請求項3に記載の構成によ
れば、第3の回転子コアに複数の軸方向の穴を設けるこ
とで、磁石の保持を確実に行うことができる。請求項4
に記載の構成によれば、第3の回転子コアは、第1の回
転子コアおよび第2の回転子コアの外周に設けられた円
環状コアとすることで、第3の回転子コアの第1の回転
子コアおよび第2の回転子コアへの固定が簡単にでき
る。
【0010】また、請求項5に記載の構成によれば、第
3の回転子コアには、内径側でかつ軸方向延びる複数の
凹形状溝と第1および第2のの回転子コアの突出部との
結合により固定できる。請求項6に記載の構成によれ
ば、第1および第2の回転子コアは鉄塊であり、第3の
回転子コアは磁性体よりなる薄板の積層体とすること
で、交番磁界の影響を抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1、図2および図3に本発明の
第1の実施例を示す。回転機100は、フロントフレー
ム190およびエンドフレーム191内部に固定子に相
当するステータ110と、フロントフレーム190およ
びエンドフレーム191で囲まれた空間内に設けられ、
前記ステータ110の内側にエアギャップを介して回転
可能に設けられた回転子に相当するロータ120を有し
ている。
【0012】ステータ110は回転磁界を作る3相コイ
ル111及び電磁鋼板を積層したステータコア112で
構成される。ロータ120は鉄心コア121aおよび1
21b、電磁鋼板を積層して構成された積層コア12
2、鉄心コア121aおよび121bから放射状に伸び
た極部(突出部)123aおよび123b、鉄心コア1
21aおよび121bの間に巻装された界磁巻線124
ならびに鉄心コア121aおよび121bが圧入された
シャフト125を有している。ここで鉄心コア121a
および極部123aにより第1の回転子コアを、鉄心コ
ア121bおよび極部123bにより第2の回転子コア
を構成しており、円環状の積層コア122が第3の回転
子コアを構成している。
【0013】シャフト125は、先端側にスプライン1
26、後端側にスリップリング132を有しており、こ
のスリップリング132には、シャフト125内部に樹
脂モールド等の絶縁部133を介して設けられているリ
ード部134を介して界磁巻線124に接続されてい
る。そして、スリップリング132上には、ブラシホル
ダ130によりブラシ131がしゅう動自在に設けられ
ている。また、シャフト125は、フロントフレーム1
90およびエンドフレーム191に設けられたベアリン
グ192、193により回転可能に支持されている。
【0014】なお、194は、ロータ120の回転位置
を検出する回転位置センサである。そして、回転機10
0の3相コイル111は電力変換器200に、電力変換
器200はバッテリ300に結線される。また、ブラシ
131は界磁回路400に、回転位置センサ194は信
号処理回路500に接続される。さらに、電力変換器2
00、界磁回路400、信号処理回路500を制御する
制御回路600を有する。
【0015】図1は図2のA−A断面を示したものであ
り、積層コア122は円環状電磁鋼板を積層したもの
で、軸方向磁石挿入穴126が周方向に等間隔で設けら
れ、周方向に着磁された磁石128が隣り合う磁極が同
極となるように挿入されている。また隣り合う2つの磁
石挿入穴126の周方向中央部内径側に軸方向に設けら
れた溝127が設けらている。
【0016】鉄心コア121aおよび121bはその中
心軸より径方向に放射状に伸びた極部123aおよび1
23bを有し、それぞれの極部が対向しないように交互
に配置されている。なお、図3は図1のB矢視図であ
る。鉄心コア121aおよび121bの外径側には積層
コア122が圧入される。このとき溝127と極部12
3aおよび123bが噛み合うことで積層コア122の
鉄心コア121aおよび121bに対する周方向への回
動を防止することが可能となる。
【0017】そして、ロータ120外周はロータ120
に挿入された磁石128により、N磁極,S磁極の各磁
極を構成しているが、N磁極の磁束はN磁極側溝127
と噛み合う極部123a、鉄心コア121a、鉄心コア
121b、S磁極側溝127と噛み合う極部123bを
通ってS磁極に短絡している。これにより、ステータ1
10側への有効磁束を分流、短絡し減少させている。
【0018】磁気回路ブロックの磁気回路を図4に示
す。ステータ側の磁気抵抗Rs、エアギャップ磁気抵抗
Rg,磁石部磁気抵抗Rm,短絡部磁気抵抗Rr,磁石
起磁力Fm,界磁巻線起磁力Fcとすると、ステータ側
に流れる有効磁束量Φ1は次式で表わせる。
【0019】
【数1】Φ1=(RmFc+RrFm)/(RrRm+
Rm(Rg+Rs)+(Rg+Rs)Rr) 各パラメータの設定により有効磁束量Φ1は任意に設定
できる。例えば界磁巻線に電流を流さないとき(Fc=
0)、 Φ10=RrFm/(RrRm+Rm(Rg+Rs)+
(Rg+Rs)Rr) となり、短絡部磁気抵抗Rrが小のときはΦ10≒0と
なる。短絡部磁気抵抗Rrは積層コア122、鉄心コア
121円環部、極部123および各部材の接合部の磁気
抵抗により決定されるため、前記各部の断面積および長
さを設定することで、界磁巻線124に電流を流さない
時の有効磁束量Φ10を調整することができる。ここで
はロータ120からステータ110への磁路が構成磁性
体のB−Hカーブ線形領域で使用できる様、磁束密度を
1T 以下に設定する。界磁巻線に通電した場合は、界磁
巻線起磁力Fc分の磁束Φ1c
【0020】
【数2】Φ1c =RmFc/(RrRm+Rm(Rg+
Rs)+(Rg+Rs)Rr) が加算され、有効磁束量Φ11は
【0021】
【数3】Φ1=Φ10+Φ1c となり、界磁巻線通電電流により有効磁束量を調整する
ことが可能である。次に、本発明の回転機を例えば電気
自動車用走行モータの様な広使用回転数域のモータに適
用した場合について記載する。
【0022】弱め界磁制御が不要なモータ低回転数域に
おいては、界磁巻線への通電電流を増加し、作用磁束量
Φ1を増加する。モータ発生トルクは作用磁束量Φ1と
トルク電流に比例するため、作用磁束量Φ1を増加する
ことでステータ巻線に流れるトルク電流を低減すること
が可能である。また反作用誘起電圧が印加電圧を超える
ためモータ駆動に弱め界磁制御が必要な高回転数域にお
いては、界磁巻線への通電電流をゼロとし磁石による磁
束Φ10のみにすることで、トルク電流とは別な本来必
要無い弱め界磁電流を減少させることができる。これに
より、ステータ最大電流を減らすことができるため、巻
線部の発熱が抑えられ回転機の小型化が可能となる。ま
た、電力変換器の電流容量も低減することができるた
め、電力変換器の小型化と低コスト化が実現可能であ
る。更に界磁巻線部の銅損はステータ巻線の銅損に比べ
てわずかであるため、本発明のような界磁巻線部で弱め
界磁を行う制御方法は、ステータ巻線のみからの弱め界
磁を行う従来の永久磁石式回転機の制御方法に比べて銅
損が少ないため効率が良い。
【0023】また一般にステータ巻線はスロットに集中
的に巻装されるため、例えステータ巻線に歪のない正弦
波電流が流れた場合でも、ある瞬間を見れば、ステータ
内周およびロータ外周間のエアギャップにおけるステー
タ側からロータ側への発生界磁(ステータ界磁)は、ス
テータの周方向位置に対して空間的に階段状である。こ
の階段状磁界により例えば空間的に正弦波分布をしたロ
ータ磁界を打ち消す場合、ロータ磁界の波長に相当する
基本波レベルで打ち消せてもその差の高調波磁界が残
り、これがエアギャップ、ステータコアおよびロータコ
アに交番する高調波磁束となる(図5)。この高調波磁
束は周波数が高いことからステータ鉄損及びロータ表面
鉄損を大幅に増加する原因となり好ましくない。これに
対し本発明では、ロータからの起磁力を直接減らす制御
法であるため、ステータ巻線の弱め界磁電流がわずか或
いはゼロでよい(但しステータ巻線にはトルク電流分の
電流は流れている)ため高調波磁束の発生が抑えられ、
それによるステータおよびロータ表面に発生する鉄損を
最小限に抑えることが可能である。
【0024】また、界磁巻線起磁力Fc=0のときの有
効磁束量Φ10を有効磁路内構成部材磁気特性のB−H
カーブの線形領域で設定した理由は、有効磁束量Φ10
による反作用誘起電圧が印加電圧以上となる高回転数域
でモータ駆動する必要が生じたとき、ステータからの弱
め界磁に必要なステータ電流を最小限に抑えることが可
能であるためである。図6において説明すると、ステー
タ磁界により有効磁束をΦ1からΦ2に減少させる場
合、B−Hカーブが線形であるときの必要ATをATa
,非線形であるときの必要ATをATb とするとATa
<ATb となって、ステータ巻線の巻数が同じである
場合、その差はステータ巻線電流の差となるためであ
る。
【0025】従来の永久磁石式回転機をモータとして動
作させた時のT−Nカーブにおける効率マップ図7に対
して、本発明の回転機を上記制御方法にて駆動した場合
のT−Nカーブにおける効率マップは図8のようにな
り、効率マップ上の最大効率範囲が拡大する。本発明の
回転機を車両用発電機として使用する場合は、Φ10を
車両用常用負荷のレベルに設定しておき、それ以上の出
力が要求されるときのみ界磁巻線に通電すれば、界磁巻
線の銅損が低減でき高効率の発電が可能である。
【0026】従来、ロータからの界磁をコントロールで
きる同期回転機として突極形同期機、クローポール形同
期機があげられる。両者は共に界磁巻線のみにより、有
効磁束を得ており、必要最小限を界磁巻線で補う本発明
に対して界磁巻線での抵抗損が大きくなる。また、クロ
ーポール形同期機に対しては、ロータ磁極表面が積層電
磁鋼板により構成されるため、ロータ磁極表面での鉄損
を抑えることが可能である。
【0027】図10、図11および図12に本発明の第
2の実施例を示す。本実施例は第1の実施例に対してブ
ラシ、スリップリングを廃止したものである。回転機1
00は、フロントフレーム190およびエンドフレーム
191内部に固定子に相当するステータ110と、フロ
ントフレーム190およびエンドフレーム191で囲ま
れた空間内に設けられ、前記ステータ110の内側にエ
アギャップを介して回転可能に設けられた回転子に相当
するロータ120を有している。
【0028】ステータ110は回転磁界を作る3相コイ
ル111及び電磁鋼板を積層したステータコア112で
構成される。ロータ120は鉄心コア121cおよび1
21d、電磁鋼板を積層して構成された積層コア12
2、鉄心コア121cおよび121dから放射状に伸び
た極部(突出部)123cおよび123d、鉄心コア1
21cおよび121dの間にエアギャップを介して配置
される鉄心ボビン130、および鉄心ボビン130に巻
装された界磁巻線124ならびに鉄心コア121cが圧
入されたシャフト125を有している。ここで鉄心コア
121cおよび極部123cにより第1の回転子コア
を、鉄心コア121dおよび極部123dにより第2の
回転子コアを構成しており、円環状の積層コア122が
第3の回転子コアを構成している。
【0029】ここで、第2の回転子コアは非磁性リング
129により第1の回転子コアにろう付け固定されてい
る。これにより、第2の回転子コアは外径側を第3の回
転子コアにより、内径側を非磁性リング129により第
1の回転子コアに結合される。シャフト125は、先端
側にスプライン126を有しており、シャフト125
は、フロントフレーム190およびエンドフレーム19
1に設けられたベアリング192、193により回転可
能に支持されている。
【0030】なお、194は、ロータ120の回転位置
を検出する回転位置センサである。そして、回転機10
0の3相コイル111は電力変換器200に、電力変換
器200はバッテリ300に結線される。また、界磁巻
線124は界磁回路400に、回転位置センサ194は
信号処理回路500に接続される。さらに、電力変換器
200、界磁回路400、信号処理回路500を制御す
る制御回路600を有する。
【0031】図11は図10のC−C断面を示したもの
であり、積層コア122は円環状電磁鋼板を積層したも
ので、軸方向磁石挿入穴126が周方向に等間隔で設け
られ、周方向に着磁された磁石128が隣り合う磁極が
同極となるように挿入されている。また隣り合う2つの
磁石挿入穴126の周方向中央部内径側に軸方向に設け
られた溝127が設けらている。
【0032】鉄心コア121cおよび121dはその中
心軸より径方向に放射状に伸びた極部123cおよび1
23dを有し、それぞれの極部が対向しないように交互
に配置されている。なお、図12は図10のD矢視図で
ある。鉄心コア121cおよび121dの外径側には積
層コア122が圧入される。このとき溝127と極部1
23cおよび123dが噛み合うことで積層コア122
の鉄心コア121cおよび121dに対する周方向への
回動を防止することが可能となる。
【0033】そして、ロータ120外周はロータ120
に挿入された磁石128により、N磁極,S磁極の各磁
極を構成しているが、N磁極の磁束はN磁極側溝127
と噛み合う極部123c、鉄心コア121c、鉄心ボビ
ン130、鉄心コア121d、S磁極側溝127と噛み
合う極部123dを通ってS磁極に短絡している。これ
により、ステータ110側への有効磁束を分流、短絡し
減少させている。
【0034】なお、第2の実施例において磁石の磁束を
ロータ内にて短絡する原理、有効磁路に有効磁束を発生
する原理および基本効果については第1の実施例と同様
である。以上説明した様に本発明によれば、埋込み磁石
形回転子の中に有効磁束をコントロール可能な界磁巻線
を設けることにより、回転機の全回転数領域において効
率最大となる制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わる回転機の縦断面図
である。
【図2】第1実施例に係わる回転機の横断面図である。
【図3】図2におけるB矢視図である。
【図4】回転機の磁気回路を説明する回路図である。
【図5】各部の磁界を表わすための特性図である。
【図6】B−Hカーブを表わす特性図である。
【図7】従来の永久磁石形回転機の効率マップを表わす
特性図である。
【図8】本発明の回転機の効率マップを表わす特性図で
ある。
【図9】従来の永久磁石形回転機におけるトルク−回転
数の関係を表わす特性図である。
【図10】本発明の第2実施例に係わる回転機の横断面
である。
【図11】第2実施例に係わる回転機の縦断面図であ
る。
【図12】図10におけるD矢視図である。
【符号の説明】
100 回転機 110 ステータ 120 ロータ 121 回転子コア 122 積層コア 123 極部 124 界磁巻線 126 磁石挿入穴 128 磁石

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子巻線が巻装された固定子と、 磁性体よりなり、径方向外周側に延びる複数の突出部を
    有する第1の回転子コアと、 磁性体よりなり、径方向外周側に延びる前記第1の回転
    子コアと同数の突出部を有し、前記第1の回転子コアに
    対して互いの突出部が交互になるように配置された第2
    の回転子コアと、 磁性体よりなり、前記第1の回転子コアおよび前記第2
    の回転子コアの突出部間の空間を覆う第3の回転子コア
    と、 この第3の回転子コアにN極及びS極の磁極の表面から
    前記固定子に磁束を供給するように設けられた磁石と、 前記第1の回転子コアと前記第2の回転子コア間に、第
    1の回転子コアと前記第2の回転子コア共通の回転軸上
    を中心に巻装される界磁巻線とを備え、 前記第1の回転子コアおよび前記第2の回転子コアは、
    前記第3の回転子コアのN極およびS極を前記第1の回
    転子コアおよび前記第2の回転子コア内径側で磁気的に
    短絡すると共に、 前記界磁巻線は前記第1の回転子コアおよび前記第2の
    回転子コアに流れる磁束量を制御するようにしたことを
    特徴とする永久磁石併用同期回転機。
  2. 【請求項2】 固定子巻線が巻装された固定子と、 磁性体よりなり、径方向外周側に延びる複数の突出部を
    有する第1の回転子コアと、 磁性体よりなり、径方向外周側に延びる前記第1の回転
    子コアと同数の突出部を有し、前記第1の回転子コアに
    対して互いの突出部が交互になるように配置された第2
    の回転子コアと、 磁性体よりなり、前記第1の回転子コアおよび前記第2
    の回転子コアの突出部間の空間を覆う第3の回転子コア
    と、 この第3の回転子コアにN極及びS極の磁極の表面から
    前記固定子に磁束を供給するように設けられた磁石と、 前記第1の回転子コアおよび前記第2の回転子コアとエ
    アギャップを介して磁気的に結合される回転不能な鉄心
    ボビンと、 前記鉄心ボビンに巻装される界磁巻線とを備え、 前記第1の回転子コアおよび前記第2の回転子コアは、
    前記第3の回転子コアのN極およびS極を前記第1の回
    転子コアおよび前記第2の回転子コア内径側で、前記鉄
    心ボビンを通して磁気的に短絡すると共に、 前記界磁巻線は前記第1の回転子コアおよび前記第2の
    回転子コアに流れる磁束量を制御するようにしたことを
    特徴とする永久磁石併用同期回転機。
  3. 【請求項3】 前記第3の回転子コアに複数の軸方向の
    穴を設けると共に、 前記磁石は前記穴に挿入することで、前記第3の回転子
    コア上にN 極及びS 極の磁極を構成したことを特徴とす
    る請求項1もしくは請求項2に記載の永久磁石併用同期
    回転機。
  4. 【請求項4】 前記第1の回転子コアおよび前記第2の
    回転子コアには、これら第1の回転子コアおよび第2の
    回転子コアを回転自在に支持するシャフトを有し、かつ
    前記第3の回転子コアの穴は、前記シャフトの軸から放
    射状に伸びた矩形穴であり、 前記第3の回転子の磁極は、前記穴間に形成されると共
    に、 前記矩形穴の外径側及び内径側に設けられた前記磁極間
    を接続する接続部とを有し、 着磁の方向が前記第3の回転子コアの周方向に沿い、か
    つ隣り合う前記磁石の対向し合う極が同極となるように
    挿入されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    いずれか1項に記載の永久磁石併用同期回転機。
  5. 【請求項5】 前記第3の回転子コアは、前記第1の回
    転子コアおよび前記第2の回転子コアの外周に設けられ
    た円環状コアであることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4のいずれか1項に記載の永久磁石併用同期回転
    機。
  6. 【請求項6】 前記第3の回転子コアには、内径側でか
    つ軸方向に延びる複数の凹形状溝を有し、 前記第1の回転子コアおよび前記第2の回転子コアの突
    出部と前記凹形状溝の結合により前記第1の回転子コア
    および前記第2の回転子コアと前記第3の回転子コアと
    を固定することを特徴とする請求項5に記載の永久磁石
    併用同期回転機。
  7. 【請求項7】 前記第1の回転子コアおよび前記第2の
    回転子コアは鉄塊であり、前記第3の回転子コアは磁性
    体よりなる薄板の積層体であることを特徴とする請求項
    1ないし請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石併用
    同期回転機。
  8. 【請求項8】 前記第2の回転子コアは、非磁性のリン
    グを介して第1の回転子コアに同軸上に固定されること
    を特徴とする請求項2に記載の永久磁石併用同期回転
    機。
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