JPH1140922A - セラミックス配線基板の製造方法 - Google Patents

セラミックス配線基板の製造方法

Info

Publication number
JPH1140922A
JPH1140922A JP19235897A JP19235897A JPH1140922A JP H1140922 A JPH1140922 A JP H1140922A JP 19235897 A JP19235897 A JP 19235897A JP 19235897 A JP19235897 A JP 19235897A JP H1140922 A JPH1140922 A JP H1140922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
green sheet
conductive paste
dried
photoresist layer
paste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19235897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3823457B2 (ja
Inventor
Yoshikazu Nakada
好和 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc filed Critical Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Priority to JP19235897A priority Critical patent/JP3823457B2/ja
Publication of JPH1140922A publication Critical patent/JPH1140922A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3823457B2 publication Critical patent/JP3823457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部に導体ペーストが充填されたグリーンシ
ート上にフォトリソグラフィーと厚膜法との組み合わせ
により導体ペースト層を形成する際、導体ペースト乾燥
工程で加熱によりグリーンシートの寸法が変化するた
め、ビア用貫通孔の位置が変化し、ビアカバー部分とビ
ア用貫通孔との間に位置ずれを生じる。 【解決手段】 フィルム基材11上のポジ型フォトレジ
スト層12に導体パターン形状の凹部15が形成され、
凹部15に導体ペースト16が充填・乾燥された転写用
複合体のポジ型フォトレジスト層12及び導体ペースト
乾燥体16’上に、ビア用貫通孔20を有する第1のグ
リーンシート19を圧接し、ビア用貫通孔20に導体ペ
ースト21を充填・乾燥させ、第1のグリーンシート1
9上に別の転写用複合体の導体ペースト乾燥体16’及
びポジ型フォトレジスト層12を圧接する工程を経てセ
ラミックス配線基板を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス配線基
板の製造方法に関し、より詳細には半導体LSI、チッ
プ部品等を実装するために用いられるセラミックス配線
基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器はますます小型化や配線
等の高密度化が進んできており、これらに装備される半
導体装置の狭ピッチ多ピン化や、マルチチップ化も急速
に進められつつある。従って、LSIチップやICチッ
プ等のボンディング法も従来のワイヤボンディング法か
ら、マルチチップ化や高密度実装に適したTAB(Tape
Automated Bonding)方式又はフリップチップ方式が採用
されるようになってきている。このような電子機器にお
ける配線等の高密度化に伴い、セラミックス配線基板上
に、線幅が100μm以下の微細配線や、直径が100
μm以下のバンプ等の導体パターンを形成する技術が要
求されるようになってきている。
【0003】上記要求に応えるため、パターンの形成に
はフォトレジストを用いたフォトリソグラフィーを導入
し、導体層の形成には導体ペーストを用いる方法(厚膜
法による方法)が種々試みられている。この種の方法で
は、従来、ガラス基板やセラミックス基板等の基板を対
象にしていたが、最近では焼成前のグリーンシートを対
象にしたものも開示されている(特開平4−28394
6号公報等)。前記公報においては、グリーンシートの
表面にフォトレジスト層を形成した後、フォトリソグラ
フィーにより前記フォトレジスト層に配線パターン形状
に凹部(開口部)を形成し、次に、印刷機等を使用して
導体ペーストを前記凹部に充填して導体パターンを形成
する。上記方法によりほぼ薄膜法と同等の精度を有する
微細配線パターンを形成することができる。
【0004】上記工程の後、前記グリーンシート上に導
体ペースト(乾燥体)のみを残すために、前記フォトレ
ジスト層を除去する。前記フォトレジスト層の構成材料
としてポジ型フォトレジストを使用した場合には、前記
フォトレジスト層に再度露光処理を施すことにより、現
像液により前記ポジ型フォトレジスト層を溶解、除去す
ることができる。上記方法によれば、前記ポジ型フォト
レジスト層を除去した後、非酸化性雰囲気で焼成して導
体ペースト中の有機分を分解、消失させることができ、
Cu、Mo−Mn等の易酸化性卑金属を導体として使用
した場合でも、導体自体を酸化させずに導体層を形成す
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、内部にビア用
導体ペーストが充填されたグリーンシート上に上記した
フォトリソグラフィーと厚膜法とを組み合わせた方法で
導体ペースト層を形成しようとする場合、以下のような
不都合が生じてしまう。
【0006】すなわち、初めにグリーンシートを作製し
た後、該グリーンシートにビア用貫通孔を形成し、続い
て、該ビア用貫通孔に導体ペーストを充填して乾燥させ
た後、前記グリーンシート上に上記した方法により導体
ペーストのパターンを形成するが、前記乾燥工程におい
て、グリーンシートは加熱によりその寸法が変化し、そ
のためにビア用貫通孔の位置に変化が生じる。
【0007】上記したフォトリソグラフィーと厚膜法と
を組み合わせた方法では、グリーンシート上に精度の高
い導体パターンを形成するため、配線用導体ペースト層
やビアカバー用導体ペースト層の寸法は小さくとってお
り、ビアカバー用導体ペースト層と前記ビア用貫通孔と
の間に位置ずれが生じると、焼成後にビアカバーとビア
とが接続されないといった不都合が生じてしまう。
【0008】また、表面に導体ペースト層が形成された
グリーンシートを積層した場合にも、前記導体ペースト
層と隣接するグリーンシートのビア用貫通孔との間に同
様の位置ずれが生じ、その結果、焼成後のセラミックス
配線基板の導体層に断線が生じる原因となるという課題
があった。
【0009】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、内部のビア用導体ペースト層の位置精度が高く、該
ビア用導体ペースト層とビアカバー用導体ペースト層と
の位置ずれのないグリーンシート積層体を作製すること
ができ、その結果、セラミックス基板の表面及び/又は
内部に、精密かつ微細で断線等の欠陥のない配線パター
ンを形成することができるセラミックス配線基板の製造
方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るセラミックス配線基板の製造方法(1)
は、フィルム基材に形成されたポジ型フォトレジスト層
に導体パターン形状の凹部が形成され、該凹部に導体ペ
ーストが充填・乾燥されて転写用複合体が構成され、前
記ポジ型フォトレジスト層及び前記導体ペースト乾燥体
の上に、ビア用貫通孔が形成された第1のグリーンシー
トを載置した後加圧する第1の圧接工程と、前記第1の
グリーンシートの前記ビア用貫通孔に導体ペーストを充
填した後乾燥させる第1の導体ペースト充填・乾燥工程
と、前記第1のグリーンシート上に、前記転写用複合体
と同様の方法で作製された別の転写用複合体の導体ペー
スト乾燥体及びポジ型フォトレジスト層を載置・加圧す
る第2の圧接工程とを含むことを特徴としている。
【0011】上記セラミックス配線基板の製造方法
(1)によれば、前記転写用複合体を構成する前記ポジ
型フォトレジスト層及び前記導体ペースト乾燥体の上に
前記第1のグリーンシートを載置した後加圧して圧接す
る際、前記第1のグリーンシートには前記ビア用貫通孔
のみが形成され、該ビア用貫通孔には導体ペーストが充
填されていない。従って、前記第1のグリーンシートに
は乾燥のための加熱処理が施されておらず、熱による寸
法の変化がなく、前記ビア用貫通孔の位置が正確に設定
された状態が維持されている。その結果、前記導体ペー
スト乾燥体を構成するビアカバー部と前記第1のグリー
ンシートの前記ビア用貫通孔との位置合わせを高精度に
行うことができ、前記ビアカバー部を従来の場合より小
さくしても、前記ビアカバー部と前記ビア用貫通孔との
位置ずれの発生を防止することができる。
【0012】また、前記第1の導体ペースト充填・乾燥
工程において、前記第1のグリーンシートを加熱して
も、前記第1のグリーンシートは前記ポジ型フォトレジ
スト層及び前記導体ペースト乾燥体により拘束されてい
るため伸び縮みせず(寸法が変化せず)、そのために前
記第2の圧接工程においても、前記ビアカバー部と前記
前記ビア用貫通孔との位置合わせを高精度に行うことが
できる。
【0013】その結果、精密かつ微細で、断線、短絡等
の欠陥のない導体層が形成されたセラミックス配線基板
を製造することができる。
【0014】また、本発明に係るセラミックス配線基板
の製造方法(2)は、上記セラミックス配線基板の製造
方法(1)において、前記第2の圧接工程の後に前記フ
ィルム基材を剥離した後、前記ポジ型フォトレジスト層
を消失させ、これら工程の後、前記導体ペースト乾燥体
のみが両面に残された前記第1のグリーンシートの前記
両面に、ビア用貫通孔が形成された第2及び第3のグリ
ーンシートをそれぞれ積層するグリーンシート積層工程
と、これら第2及び第3のグリーンシートの前記ビア用
貫通孔に導体ペーストを充填した後乾燥させる第2の導
体ペースト充填・乾燥工程とを含むことを特徴としてい
る。
【0015】上記セラミックス配線基板の製造方法
(2)によれば、前記導体ペースト乾燥体のみが両面に
残された前記第1のグリーンシートの前記両面に、前記
ビア用貫通孔のみが形成され、熱に起因する寸法の変化
がない前記第2及び第3のグリーンシートを載置した後
加圧、積層するので、前記第1のグリーンシートに転写
された前記導体ペースト乾燥体のビアカバー部と前記第
2及び第3のグリーンシートの前記ビア用貫通孔との位
置合わせを高精度に行うことができる。
【0016】その結果、より精密かつ微細で、断線、短
絡等の欠陥のない導体層が積層形成されたセラミックス
配線基板を製造することができる。
【0017】また、本発明に係るセラミックス配線基板
の製造方法(3)は、上記セラミックス配線基板の製造
方法(1)において、前記第2の圧接工程の後に2枚の
前記フィルム基材のうちの1枚を剥離した後、前記ポジ
型フォトレジスト層を消失させ、これら工程の後、前記
導体ペースト乾燥体のみが残された前記第1のグリーン
シートの片面に、ビア用貫通孔が形成された第2のグリ
ーンシートを積層する第2のグリーンシート積層工程
と、前記第2のグリーンシートの前記ビア用貫通孔に導
体ペーストを充填した後乾燥させる第2の導体ペースト
充填・乾燥工程と、前記第1のグリーンシートの他面に
存在する残り1枚の前記フィルム基材を剥離した後、前
記ポジ型フォトレジスト層を溶解、消失させ、これら工
程の後、前記導体ペースト乾燥体のみが残された前記第
1のグリーンシート他面に、ビア用貫通孔が形成された
第3のグリーンシートを載置した後加圧する第3のグリ
ーンシート積層工程と、前記第3のグリーンシートの前
記ビア用貫通孔に導体ペーストを充填した後乾燥させる
第3の導体ペースト充填・乾燥工程と、を含むことを特
徴としている。
【0018】上記セラミックス配線基板の製造方法
(3)によれば、前記導体ペースト乾燥体のみが片面に
残された前記第1のグリーンシートの前記片面に、前記
ビア用貫通孔のみが形成され、熱に起因する寸法の変化
がない前記第2のグリーンシートを載置した後加圧、積
層するので、前記第1のグリーンシートに転写された前
記導体ペースト乾燥体の前記ビアカバー部と前記第2の
グリーンシートの前記ビア用貫通孔との位置合わせを高
精度に行うことができる。
【0019】また、前記第2の導体ペースト充填・乾燥
工程において、前記第1及び第2のグリーンシート積層
体は、前記第1のグリーンシート他面に存在する前記ポ
ジ型フォトレジスト層及び前記導体ペースト乾燥体によ
り拘束されているため伸び縮みせず、そのため前記第3
のグリーンシート積層工程においても、前記第1のグリ
ーンシートに転写された前記導体ペースト乾燥体の前記
ビアカバー部と前記第3のグリーンシートの前記ビア用
貫通孔との位置合わせを高精度に行うことができる。
【0020】その結果、より精密かつ微細で、断線、短
絡等の欠陥のない導体層が積層形成されたセラミックス
配線基板を製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
セラミックス配線基板の製造方法について説明する。ま
ず、実施の形態(1)に係るセラミックス配線基板の製
造方法について説明する。図1(a)〜(h)及び図2
(i)〜(m)は、実施の形態(1)に係るセラミック
ス配線基板の製造方法における各工程を模式的に示した
断面図であり、図1(a)〜(h)が前半の工程を、図
2(i)〜(m)が後半の工程を示している。
【0022】本実施の形態では、フォトレジスト層形成
工程として、まずフィルム基材11上にポジ型フォトレ
ジスト層12を形成する(図1(a))。フィルム基材
11は、耐水性、耐熱性に優れ、後述する第2の圧接工
程(図1(h))の後、ポジ型フォトレジスト層12か
らの剥離が容易なものが好ましい。フィルム基材11と
しては、例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエステル、ポリエチレン等の柔軟性を有する
樹脂が挙げられる。
【0023】ポジ型フォトレジスト層12の形成方法は
特に限定されるものではないが、例えば、液状のポジ型
フォトレジストをロールコーター法、バーコーター法、
ディップ法、スピンコーター法等の方法によりフィルム
基材11表面に塗布した後、オーブンに入れて約85〜
95℃で30分程度加熱し、フォトレジストを乾燥、固
化させる方法を採用することができる。上記方法は平坦
なポジ型フォトレジスト層を形成することができる点か
らも好ましい。また、上記した塗布方法の中でも、ロー
ルコーター法、バーコータ−法が均一な厚さの膜を形成
することができる点からより好ましい。前記液状のポジ
型フォトレジストとしては、例えばヘキストジャパン社
製のAZ4903、AZ4620、東京応化工業社製の
OPレジスト、東京エレクトロン社製のアキュトレー
ス、日本チバガイギー社製のプロビマー等が挙げられ
る。
【0024】ポジ型フォトレジスト層12の厚さは15
μm以上に設定するのが好ましい。ポジ型フォトレジス
ト層12の厚さが15μm未満であると、後工程の研磨
工程(図1(e))において、凹部15に充填された導
体ペースト乾燥体16’が剥れ易くなる。
【0025】次に、凹部形成工程として、フォトリソグ
ラフィーの手法によりポジ型フォトレジスト層12に凹
部15を形成するが、具体的には、まずポジ型フォトレ
ジスト層12に、導体パターン形状(ビアカバーの形状
を含む)に紫外線13が露光されるように設計されたフ
ォトマスク14を介して紫外線13を照射し(図1
(b))、その後現像処理を施すことにより、ポジ型フ
ォトレジスト層12に導体パターン形状の凹部15を形
成する(図1(c))。
【0026】上記した紫外線13による露光処理及び現
像処理の条件は特に限定されず、通常、半導体基板等の
処理において、ポジ型フォトレジスト層12にフォトマ
スク14を介して紫外線13による露光処理を施す場合
の条件とほぼ同様の条件で露光処理を施すことができ
る。また、通常の水性現像液を使用する条件で現像処理
を施すことができる。
【0027】上記工程によりポジ型フォトレジスト層1
2に、その幅又は直径が20μm程度で、お互いの間隔
が20μm程度まで近づいた凹部15を形成することが
できる。この後、後工程で導体ペースト16を充填する
際にポジ型フォトレジスト層12の凹部15が変形しな
いように、ポジ型フォトレジスト層12に約120℃前
後で1分程度加熱処理を施してその強度を強化しておい
てもよい。
【0028】次に、導体ペースト塗布工程として、ポジ
型フォトレジスト層12の凹部15を含む部分に、スキ
ージ17を用い、スクリーン印刷法により導体ペースト
16を塗布する(図1(d))。
【0029】前記スクリーン印刷の際に用いるスキージ
17はウレタンゴム製又はシリコンゴム製のものが好ま
しく、メッシュスクリーン18は、ポリエチレン製又は
ステンレス製のものが好ましい。スクリーン印刷法(メ
ッシュスクリーン18)を用いることにより、ポジ型フ
ォトレジスト層12を余り押圧せずに、導体ペースト1
6をポジ型フォトレジスト層12の凹部15を含む部分
に塗布することが可能となり、ポジ型フォトレジスト層
12の破損を防止することができる。
【0030】導体ペースト16、21は、導体粉末、溶
剤、及び樹脂(バインダ)等により構成される。前記導
体粉末の材料としては、通常基板等の配線に使用される
公知の導体材料を使用することができ、例えばAu、A
g、Ag−Pd、Cu、W、Mo等が挙げられる。
【0031】導体ペースト16、21用の溶剤には、凹
部15の形状が崩れないよう、ポジ型フォトレジスト層
12を溶解しないものを用いる必要がある。ポジ型フォ
トレジスト層12を溶解しない溶剤としては、例えばト
ルエン、キシレン、ショウノウ油、テレビン油、パイン
油等の炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0032】また、導体ペースト16、21用の樹脂
(バインダ)も、後工程でポジ型フォトレジスト層12
を消失させる際に用いられる現像液に溶解しない、非水
溶性の樹脂である必要がある。前記樹脂としては、例え
ばエチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂等が挙げられる。
【0033】導体ペースト16、21としては、例えば
前記導体粉末を80〜92wt%、アクリル樹脂等の樹
脂(バインダ)を2〜6wt%、及びトルエン等の溶剤
を2〜18wt%含むものが好ましく、その他に基板へ
の密着性を向上させるため、ガラス粉末やセラミックス
粉末が少量添加されていてもよい。導体ペースト16、
21は、メッシュスクリーン18より吐出され易い粘度
に調整するが、この粘度は溶剤の添加量により調整す
る。
【0034】上記組成の導体ペースト16の具体的な塗
布方法としては、ポジ型フォトレジスト層12上にメッ
シュスクリーン18を載置し、ポジ型フォトレジスト層
12に圧力を加えすぎないように、導体ペースト16を
保持したスキージ17を移動させ、凹部15を含むポジ
型フォトレジスト層12に導体ペースト16を塗布する
方法をとればよい。このとき、図1(d)に示したよう
に、導体ペースト16が塗布される部分が、凹部15が
形成されていない部分も含め、ポジ型フォトレジスト層
12の全体に及ぶようにする。このように導体ペースト
16を厚く塗布することにより、次の乾燥工程で導体ペ
ースト16が収縮しても、凹部15内の導体ペースト乾
燥体16’の厚さを十分確保することができる。導体ペ
ースト乾燥体16’の厚さを十分確保するため、前記ス
クリーン印刷を複数回繰り返してもよい。余分の導体ペ
ースト乾燥体16’は、後工程で研磨し、除去する。
【0035】この後、真空脱泡処理を行い、塗布された
導体ペースト16中の気泡や凹部15内の気泡を除去す
ることが望ましい。この真空脱泡処理により、導体ペー
スト16が凹部15内に完全に充填される。
【0036】次に、乾燥工程として、前記工程を経たポ
ジ型フォトレジスト層12及び導体ペースト16に加熱
処理を施し、導体ペースト16中の溶剤等を揮発させ、
導体ペースト16を乾燥、固化させる。加熱処理は、約
70〜90℃で3〜20分程度行うことが好ましい。前
記加熱処理の温度が90℃を超えると、導体ペースト乾
燥体16’にき裂が発生し易くなってしまう。
【0037】次に、研磨除去工程として、ポジ型フォト
レジスト層12の凹部15の内部以外に塗布された導体
ペースト乾燥体16’を研磨除去する(図1(e))。
【0038】前記研磨除去方法としては、粒径約1μm
〜約9μmの砥粒が被着されたラッピングフィルムを用
い、導体ペースト乾燥体16’表面を研磨することによ
り除去する。前記研磨除去により、図1(e)に示した
ように、凹部15内の導体ペースト乾燥体16’は断面
視矩形状となっており、後工程の焼成後も導体層26
(図2(m))は矩形形状を維持する。
【0039】次に、第1の圧接工程として、前記工程を
経たフィルム基材11上のポジ型フォトレジスト層12
及び導体ペースト乾燥体16’(以下、これらを転写用
複合体とも記す)上の所定の位置にビア用貫通孔20が
形成された第1のグリーンシート19を載置した後加圧
し、ポジ型フォトレジスト層12及び導体ペースト乾燥
体16’に第1のグリーンシート19を圧接させる(図
1(f))。
【0040】本実施の形態で用いるグリーンシート(第
1のグリーンシート19、第2のグリーンシート22、
第3のグリーンシート23)は通常の方法、すなわち、
例えばアルミナ、ムライト、ガラスセラミックス、窒化
アルミニウム等のセラミックス粉末に、焼結助剤、ポリ
ビニルブチラール(PVB)樹脂、アクリル樹脂等の非
水溶性樹脂(バインダ)、トルエン、キシレン、イソブ
チルアルコール等の溶剤、及びフタル酸ブチル(DB
P)等の可塑剤を添加、混合してスラリを形成し、続い
てドクターブレード法等により成形し、その後乾燥する
ことにより作製する。ビア用貫通孔20は、前記方法に
より作製されたグリーンシートにパンチング処理を施す
か、又はレーザ光を照射することにより形成する。
【0041】第1のグリーンシート19を載置する際、
導体ペースト乾燥体16’のビアカバーに相当する部分
(ビアカバー部)16a’の中心にビア用貫通孔20の
中心が位置するように正確に第1のグリーンシート19
の位置を調整する。第1のグリーンシート19のビア用
貫通孔20には、導体ペーストが充填されておらず、第
1のグリーンシート19は加熱工程(乾燥工程)を経て
いない。従って、第1のグリーンシート19は加熱処理
による伸び縮み(寸法の変化)がなく、ビア用貫通孔2
0の位置は正確に設定されている。そのため、ビアカバ
ー部16a’とビア用貫通孔20との位置合わせを高精
度に行うことができ、結果的にビアカバー部16a’の
大きさを従来のものより小さくすることができる。
【0042】第1のグリーンシート19を圧接する際に
は、例えば通常のプレス成形装置等を用い、第1のグリ
ーンシート19の厚さ方向に圧力を加える。このとき、
例えば10〜100kg/cm2 程度の圧力を1〜2分
程度維持するのが望ましい。また、この際、第1のグリ
ーンシート19の可塑性を高めるために100℃前後に
加熱してもよい。
【0043】第1のグリーンシート19は可塑剤を含む
ため柔軟性を有し、ポジ型フォトレジスト層12及び導
体ペースト乾燥体16’に第1のグリーンシート19を
上記条件で圧接させることにより、第1のグリーンシー
ト19に導体ペースト乾燥体16’がしっかりと接着さ
れる。また、導体ペースト乾燥体16’はポジ型フォト
レジスト層12内に充填、固定されているため、加圧に
よりクラックが生じることはない。
【0044】次に、第1の導体ペースト充填・乾燥工程
として、ビア用貫通孔20に導体ペースト21を充填
し、乾燥させる(図1(g))。導体ペースト21の充
填は、スクリーン印刷により行う。乾燥条件は、導体ペ
ースト16を乾燥させた場合と同様の条件でよい。この
乾燥工程において、第1のグリーンシート19はポジ型
フォトレジスト層12及び導体ペースト乾燥体16’に
拘束されているため、加熱により伸び縮み(寸法の変
化)が生じることはなく、加熱前の寸法を維持する。
【0045】次に、第2の圧接工程として、前記転写用
複合体と同様の方法で作製した別の転写用複合体のポジ
型フォトレジスト層12及び導体ペースト乾燥体16’
を第1のグリーンシート19の上に載置し、加圧する
(図1(h))。ポジ型フォトレジスト層12及び導体
ペースト乾燥体16’を載置する際には、第1のグリー
ンシート19のビア用貫通孔20と導体ペースト乾燥体
16’ののビアカバー部16a’との位置が一致するよ
うに位置合わせを行うが、前記第1の導体ペースト充填
・乾燥工程においても、第1のグリーンシート19には
寸法に変化が生じないので、前記位置合わせを高精度に
行うことができる。また、導体ペースト乾燥体16’は
ポジ型フォトレジスト層12内に充填、固定されている
ため、加圧によりクラックが生じることはない。
【0046】次に、フィルム基材剥離工程として、第1
のグリーンシート19の両側に存在するフィルム基材1
1を剥離し(図2(i))、続いて、フォトレジスト層
消失工程として、このフィルム基材11の剥離により露
出したポジ型フォトレジスト層12をアルカリ性水溶液
等を用いて溶解、消失させ、第1のグリーンシート19
の両面に導体ペースト乾燥体16’のみを残す(図2
(j))。
【0047】前記アルカリ性水溶液としては、例えば3
wt%の水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水
溶液を使用することができ、この場合には前もって紫外
線による全面露光処理を施しておかなくてもポジ型フォ
トレジスト層12を溶解、消失させることができる。
【0048】場合によっては、ポジ型フォトレジスト層
12に凹部15を形成した後、全面露光処理を施してお
き、通常の現像液を用いてポジ型フォトレジスト層12
を溶解、消失させてもよい。
【0049】次に、グリーンシート積層工程として、導
体ペースト乾燥体16’が残された第1のグリーンシー
ト19の両面にビア用貫通孔20が形成された第2のグ
リーンシート22及び第3のグリーンシート23を積層
する(図2(k))。
【0050】積層の際には、第2のグリーンシート22
及び第3のグリーンシート23のビア用貫通孔20とビ
アカバー部16a’との位置が一致するように位置合わ
せを行うが、第2のグリーンシート22及び第3のグリ
ーンシート23のビア用貫通孔20には導体ペースト1
6が充填されておらず、加熱工程(乾燥工程)を経てい
ない。従って、第2のグリーンシート22及び第3のグ
リーンシート23は加熱処理による伸び縮み(寸法の変
化)がなく、ビア用貫通孔20の位置が正確に設定され
ている。そのため、上記した位置合わせを高精度に行う
ことができる。
【0051】次に、第2の導体ペースト充填・乾燥工程
として、第2のグリーンシート22及び第3のグリーン
シート23のビア用貫通孔20にスクリーン印刷法によ
り導体ペースト21を充填した後、乾燥させる(図2
(l))。
【0052】その後、グリーンシート積層体の表面に導
体ペースト層を形成した後、焼成することにより、セラ
ミックス配線基板24を製造する(図1(m))。な
お、前記グリーンシート積層体には、別のグリーンシー
トを積層させてもよい。
【0053】焼成条件は、セラミックス粉末の種類や導
体ペースト16中の導体の種類により異なるが、グリー
ンシート中に含まれる有機成分が十分に分解、消失し、
導体材料が酸化せず、また導体ペースト中の前記導体や
前記セラミックス粉末が十分に焼結する条件とする。
【0054】上記した各工程を経ることにより、セラミ
ックス基板25上やセラミックス基板25内に、その幅
又は直径が20μm程度で、お互いの間隔が20μm程
度まで近づいた導体層26が形成される。このセラミッ
クス配線基板24の導体層26は精密かつ微細であり、
断線、短絡等の欠陥は存在しない。
【0055】次に、実施の形態(2)に係るセラミック
ス配線基板の製造方法について説明する。
【0056】図3(i)〜(m)及び図4(n)〜
(q)は、実施の形態(2)に係るセラミックス配線基
板の製造方法における中間段階以後の工程をそれぞれ模
式的に示した断面図である。実施の形態(2)に係るセ
ラミックス配線基板の製造方法において、最初のフォト
レジスト層形成工程から第2の圧接工程までの工程は、
実施の形態(1)に係るセラミックス配線基板の製造方
法と同様に行う(図1(a)〜(h))。従って、ここ
では図面及びこれらの工程の説明を省略する。
【0057】前記第2の圧接工程の後、2枚のフィルム
基材11のうちの1枚を剥離した後(図3(i))、フ
ィルム基材11の剥離により露出したポジ型フォトレジ
スト層12を、実施の形態(1)の場合と同様に、アル
カリ性水溶液等を用いて溶解、消失させ、第1のグリー
ンシート19の片面に導体ペースト乾燥体16’のみを
残す(図3(j))。
【0058】次に、第2のグリーンシート積層工程とし
て、導体ペースト乾燥体16’のみが残された第1のグ
リーンシート19の片面に、ビア用貫通孔20が形成さ
れた第2のグリーンシート22を積層する(図3
(k))。
【0059】積層の際には、第2のグリーンシート22
のビア用貫通孔20と導体ペースト乾燥体16’のビア
カバー部16a’との位置が一致するように位置合わせ
を行うが、第2のグリーンシート22のビア用貫通孔2
0には導体ペースト16が充填されておらず、加熱工程
(乾燥工程)を経ていないので、熱による伸び縮み(寸
法の変化)がなく、ビア用貫通孔20の位置は正確に設
定されている。従って、上記位置合わせを高精度に行う
ことができる。
【0060】次に、第2の導体ペースト充填・乾燥工程
として、第2のグリーンシート22のビア用貫通孔20
にスクリーン印刷法により導体ペースト21を充填した
後、乾燥させる(図3(l))。乾燥は、導体ペースト
16を乾燥させた場合の条件と同様の条件でよい。
【0061】前記乾燥工程において、第1のグリーンシ
ート19及び第2のグリーンシート22の積層体は、第
1のグリーンシート19下面に存在するポジ型フォトレ
ジスト層12及び導体ペースト乾燥体16’により拘束
されているため伸び縮みせず、第1のグリーンシート1
9及び第2のグリーンシート22の積層体の寸法に変化
は生じない。
【0062】次に、第1のグリーンシート19の他面に
存在する残り1枚のフィルム基材11を剥離した後(図
3(m))、フィルム基材11の剥離により露出したポ
ジ型フォトレジスト層12を、実施の形態(1)の場合
と同様に、アルカリ性水溶液等を用いて溶解、消失さ
せ、第1のグリーンシート19他面に導体ペースト乾燥
体16’のみを残す(図4(n))。
【0063】次に、第3のグリーンシート積層工程とし
て、導体ペースト乾燥体16’のみが残された第1のグ
リーンシート19他面に、ビア用貫通孔20が形成され
た第3のグリーンシート23を積層する(図4
(o))。
【0064】積層の際には、第3のグリーンシート23
のビア用貫通孔20と第1のグリーンシート19に転写
された導体ペースト乾燥体16’のビアカバー部16
a’との位置が一致するように位置合わせを行う。前記
第3のグリーンシート積層工程において、第1のグリー
ンシート19及び第2のグリーンシート22の積層体
は、上記したように第2の導体ペースト充填・乾燥工程
において寸法が変化しておらず、一方、第3のグリーン
シート23にも熱による伸び縮み(寸法の変化)がな
く、ビア用貫通孔20の位置が正確に設定されている。
従って、上記位置合わせを高精度に行うことができる。
【0065】次に、第3の導体ペースト充填・乾燥工程
として、第3のグリーンシート23のビア用貫通孔20
にスクリーン印刷法により導体ペースト21を充填した
後、乾燥させる(図4(p))。
【0066】その後、表面に導体ペースト層を形成した
後、焼成することにより、セラミックス配線基板24を
製造する(図4(q))。焼成条件は、実施の形態
(1)の場合と同様でよい。
【0067】上記した各工程を経ることにより、セラミ
ックス基板35上やセラミックス基板35内に、その幅
又は直径が20μm程度で、お互いの間隔が20μm程
度まで近づいた導体層36が形成される。このセラミッ
クス配線基板34の導体層36は精密かつ微細であり、
断線、短絡等の欠陥は全く存在しない。
【0068】上記実施の形態(1)及び(2)により製
造されたセラミックス配線基板24、34の導体層2
6、36のうち表面の導体層には、適宜NiメッキやA
uメッキを施してもよく、またCrやCu等を蒸着させ
てもよい。
【0069】また、これらセラミックス配線基板24、
34は種々の用途に使用することができるが、例えばマ
ルチチップ化や高密度実装に適したTAB(Tape Autom
atedBonding)方式又はフリップチップ方式により半導体
装置と接続を行うタイプの配線基板としても好適に使用
することができる。
【0070】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るセラミックス
配線基板の製造方法の実施例を図面に基づいて説明す
る。また、比較例として、従来の方法によりセラミック
ス配線基板を製造し、評価を行った。なお、実施例1は
図1及び図2に基づき、実施例2は図1、図3及び図4
に基づき、比較例1は図5に基づき、それぞれその製造
方法を説明する。
【0071】〔実施例1〕まず、フォトレジスト層形成
工程として、ポリエチレンテレフタレート(PET)か
らなる、厚さが250μm、縦、横の長さが90mmの
フィルム基材11(ニッパ(株)製)の表面に液状ポジ
型フォトレジスト(ヘキストジャパン社製AZ490
3)をロールコーター法により塗布し、90℃に保持し
たオーブン内に入れて乾燥させた(図1(a))。乾燥
後のポジ型フォトレジスト層12の膜厚は25μmであ
った。
【0072】次に、凹部形成工程として、線幅が20μ
mで配線間の間隔が20μmからなる所定の配線パター
ン形状、及びその直径が80μmのビアカバーパターン
形状を有するフォトマスク14を介して、ポジ型フォト
レジスト層12に紫外線13を露光量が1000mJ/
cm2 の条件で照射した(図1(b))。次に、上記露
光処理の終ったポジ型フォトレジスト層12を有するフ
ィルム基材11を現像液(ヘキストジャパン社製 AZ
400Kを純水で5倍に希釈した液)中に浸漬した後、
揺動させて現像処理を施し、フィルム基材11上に形成
されたポジ型フォトレジスト層12に導体パターン形状
に凹部15を形成した(図1(c))。
【0073】次に、導体ペースト塗布工程として、平均
粒径が2.0μmのAg粉末:87wt%、ガラス(鉛
ホウケイ酸系)粉末1wt%、エチルセルロース樹脂:
3wt%、及びテレビン油:9wt%からなる導体ペー
スト16を用い、硬度70のシリコンゴム製のスキージ
17(厚さ3mm)及びメッシュカウント#100のポ
リエチレン製のメッシュスクリーン18を用いたスクリ
ーン印刷により、凹部15を含むポジ型フォトレジスト
層12全体に導体ペースト16を塗布した(図1
(d))。
【0074】次に、真空脱泡処理工程として、前記工程
を経たフィルム基材11を真空デシケータに入れ、15
0Torr(約2×104 Pa)にまで減圧し、真空脱
泡処理を施した。
【0075】次に、乾燥工程として、前記工程を経たフ
ィルム基材11を70℃で20分間加熱することによ
り、塗布された導体ペースト16を乾燥させた。導体ペ
ースト乾燥体16’の厚さは35〜45μmであった。
【0076】次に、研磨除去工程として、ポジ型フォト
レジスト層12の凹部15以外に塗布された導体ペース
ト乾燥体16’を、5μmの砥粒が被着したアルミナラ
ッピングフィルム(住友スリーエム社製)で2分間程度
研磨することにより除去した(図1(e))。
【0077】一方、これまでの工程とは別に、アルミナ
粉末(60wt%)及びガラス粉末(CaO−Al2
3 −B23 −SiO2 系:40wt%)の混合物10
0重量部に、バインダとしてメタクリル酸エステル樹脂
を13重量部、可塑剤としてジオクチルフタレートを5
重量部、及び溶剤としてトルエンとイソプロピルアルコ
ールとを合計で27重量部添加、混合して、スラリを調
製した。次に、このスラリを用いてドクターブレード法
によりテープを作製し、このテープを乾燥させてアルミ
ナセラミックスを主成分とするグリーンシート(第1の
グリーンシート19、第2のグリーンシート22、第3
のグリーンシート23)を作製した。続いて、これらの
グリーンシートに打ち抜き型を用いて直径50μmのビ
ア用貫通孔20を形成した(図示せず)。
【0078】次に、第1の圧接工程として、フィルム基
材11上に形成した導体ペースト乾燥体16’とポジ型
フォトレジスト層12(転写用複合体)上に第1のグリ
ーンシート19を載置した後加圧し、ポジ型フォトレジ
スト層12及び導体ペースト乾燥体16’に第1のグリ
ーンシート19を圧接させた(図1(f))。
【0079】第1のグリーンシート19を載置する際、
導体ペースト乾燥体16’のビアカバー部16a’の中
心にビア用貫通孔20の中心が位置するように正確に第
1のグリーンシート19の位置を調整し、続いて、これ
らをプレス成形機により熱を加えながらプレスした。前
記プレスの条件は、圧力が60kg/cm2 、温度が9
0℃であり、この加圧状態を30秒間維持した。
【0080】次に、第1の導体ペースト充填・乾燥工程
として、凹部15の充填に用いた導体ペースト16と同
じ組成の導体ペースト21を用い、スクリーン印刷によ
り第1のグリーンシート19のビア用貫通孔20に導体
ペースト21を充填し、80℃で乾燥させた(図1
(g))。
【0081】次に、第2の圧接工程として、前記転写用
複合体と同様の方法で作製した別の転写用複合体のポジ
型フォトレジスト層12及び導体ペースト乾燥体16’
を第1のグリーンシート19上に載置し、前記第1の圧
接工程と同様の条件で圧接させた(図1(h))。
【0082】この場合にも、第1のグリーンシート19
のビア用貫通孔20の中心に導体ペースト乾燥体16’
のビアカバー部16a’が位置するように正確にポジ型
フォトレジスト層12及び導体ペースト乾燥体16’の
位置を調整した。
【0083】次に、フィルム基材剥離工程として、第1
のグリーンシート19の両側に存在するフィルム基材1
1を剥離した(図2(i))。次に、フォトレジスト層
消失工程として、上記工程を経た第1のグリーンシート
19を3wt%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した
後、揺動させ、ポジ型フォトレジスト層12を溶解、消
失させ、導体ペースト乾燥体16’のみを第1のグリー
ンシート19の両面に残した(図2(j))。
【0084】次に、グリーンシート積層工程として、導
体ペースト乾燥体16’が残された第1のグリーンシー
ト19の両面にビア用貫通孔20が形成された第2のグ
リーンシート22及び第3のグリーンシート23を、前
記第1の圧接工程と同様の条件でプレスし、積層した
(図2(k))。
【0085】積層の際には、第2のグリーンシート22
及び第3のグリーンシート23のビア用貫通孔20とビ
アカバー部16a’との位置が一致するように正確に位
置を調整した。
【0086】次に、第2の導体ペースト充填・乾燥工程
として、凹部15の充填に用いた導体ペースト16と同
じ組成の導体ペースト21を用い、スクリーン印刷によ
り第2のグリーンシート22及び第3のグリーンシート
23のビア用貫通孔20に導体ペースト21を充填し、
80℃で乾燥させた(図2(l))。
【0087】前記工程により作製されたグリーンシート
積層体の表面に導体ペースト層を形成した後、大気中、
900℃で焼成することによりセラミックス配線基板2
4を製造した。
【0088】焼成後のセラミックス配線基板24内に
は、線幅が17μm、配線間の距離の最小値が23μm
の導体層26が形成されていた。また、走査型電子顕微
鏡(SEM)により、導体層26のビアカバーとビアと
の接続部分の断面を100箇所観察したが、位置ずれは
皆無であった。また、導体層26の導通不良箇所及び導
通短絡箇所も皆無であった。
【0089】〔実施例2〕フォトレジスト層形成工程〜
第2の圧接工程は、実施例1の場合と同様に行った(図
1(a)〜(h))。
【0090】前記第2の圧接工程の後、2枚のフィルム
基材11のうちの1枚を剥離し(図3(i))、フィル
ム基材11の剥離により露出したポジ型フォトレジスト
層12を、実施例1の場合と同様に、アルカリ性水溶液
等を用いて溶解、消失させ、第1のグリーンシート19
の片面に導体ペースト乾燥体16’のみを残した(図3
(j))。
【0091】次に、第2のグリーンシート積層工程とし
て、導体ペースト乾燥体16’のみが残された第1のグ
リーンシート19の片面に、ビア用貫通孔20が形成さ
れた第2のグリーンシート22を積層した(図3
(k))。
【0092】積層の際には、第2のグリーンシート22
のビア用貫通孔20と導体ペースト乾燥体16’のビア
カバー部16a’との位置が一致するように正確に位置
合わせを行い、前記第2の圧接工程と同様の条件で第2
のグリーンシート22を積層した。
【0093】次に、実施例1の場合と同様に、第1のグ
リーンシート19のビア用貫通孔20に導体ペースト2
1を充填、乾燥させ、続いて、剥離していないフィルム
基材11が上にくるように上下を逆転した。
【0094】次に、第1のグリーンシート19の他面に
存在する残り1枚のフィルム基材11を剥離した後(図
3(m))、露出したポジ型フォトレジスト層12を、
実施例1の場合と同様の条件で溶解、消失させ、第1の
グリーンシート19他面に導体ペースト乾燥体16’の
みを残した(図4(n))。
【0095】次に、第2のグリーンシートを積層した場
合と同様の条件で、導体ペースト乾燥体16’のみが残
された第1のグリーンシート19他面に、ビア用貫通孔
20が形成された第3のグリーンシート23を積層し
(図4(o))、第3のグリーンシート23のビア用貫
通孔20にスクリーン印刷法により導体ペースト21を
充填した後、乾燥させたた(図4(p))。
【0096】次に、実施例1の場合と同様に、前記工程
により作製されたグリーンシート積層体の表面に導体ペ
ースト層を形成した後、大気中、900℃で焼成し、セ
ラミックス配線基板34を製造した。
【0097】焼成後のセラミックス配線基板34内に
は、線幅が17μm、配線間の距離の最小値が23μm
の導体層36が形成されていた。また、SEMにより、
導体層36のビアカバーとビアとの接続部分の断面を1
00箇所観察したところ、位置ずれは皆無であった。ま
た、導体層36の導通不良箇所及び導通短絡箇所も皆無
であった。
【0098】〔比較例1〕実施例1と同じ組成のグリー
ンシート(第1のグリーンシート41、第2のグリーン
シート42、第3のグリーンシート43)を3枚、同じ
寸法になるように作製した後ビア用貫通孔44を形成
し、実施例1と同様の条件でスクリーン印刷法によりビ
ア用貫通孔44に導体ペースト45を充填した(図5
(a))。
【0099】次に、これら第1のグリーンシート41、
第2のグリーンシート42、及び第3のグリーンシート
43に加熱処理を施し、導体ペースト45を乾燥させた
後、実施例1と同様の方法で作製した転写用複合体を用
いて、第2のグリーンシート42及び第3のグリーンシ
ート43の片面に導体ペースト乾燥体16’とポジ型フ
ォトレジスト層12とを圧接させ、その後ポジ型フォト
レジスト層12を消失させた(図5(b))。
【0100】次に、前記工程を経た第1のグリーンシー
ト41、第2のグリーンシート42、及び第3のグリー
ンシート43を積層し(図5(c))、実施例1と同様
の条件で焼成することによりセラミックス配線基板46
を製造した(図5(d))。
【0101】本比較例においては、図5(b)にも示し
ているように、乾燥工程において、グリーンシート(第
1のグリーンシート41、第2のグリーンシート42、
第3のグリーンシート43)が寸法の変化(伸び)を生
じており、ビア用貫通孔44(導体ペースト乾燥体4
5’)の位置が変化している。そのため第2のグリーン
シート42及び第3のグリーンシート43のビア用貫通
孔44と導体ペースト乾燥体16’のビアカバー部16
a’の位置を正確に調整することができなかった。
【0102】従って、得られたセラミックス配線基板4
6の導体層47のビアカバーとビアとの接続部分の断面
をSEMにより100箇所観察したところ、位置ずれの
箇所を32箇所発見した。また、導通不良箇所及び導通
短絡箇所が多発していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(h)は、本発明の実施の形態(1)
に係るセラミックス配線基板の製造方法における前半の
各工程を模式的に示した断面図である。
【図2】(i)〜(m)は、実施の形態(1)に係るセ
ラミックス配線基板の製造方法における後半の各工程を
模式的に示した断面図である。
【図3】(i)〜(m)は、実施の形態(2)に係るセ
ラミックス配線基板の製造方法における中間段階の各工
程を模式的に示した断面図である。
【図4】(n)〜(q)は、実施の形態(2)に係るセ
ラミックス配線基板の製造方法における後半の各工程を
模式的に示した断面図である。
【図5】従来のセラミックス配線基板の製造方法におけ
る各工程を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
11 フィルム基材 12 ポジ型フォトレジスト層 15 凹部 16、21 導体ペースト 16’、21’ 導体ペースト乾燥体 19 第1のグリーンシート 20 ビア用貫通孔 22 第2のグリーンシート 23 第3のグリーンシート 24、34 セラミックス配線基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材に形成されたポジ型フォト
    レジスト層に導体パターン形状の凹部が形成され、該凹
    部に導体ペーストが充填・乾燥されて転写用複合体が構
    成され、前記ポジ型フォトレジスト層及び前記導体ペー
    スト乾燥体の上に、ビア用貫通孔が形成された第1のグ
    リーンシートを載置した後加圧する第1の圧接工程と、 前記第1のグリーンシートの前記ビア用貫通孔に導体ペ
    ーストを充填した後乾燥させる第1の導体ペースト充填
    ・乾燥工程と、 前記第1のグリーンシート上に、前記転写用複合体と同
    様の方法で作製された別の転写用複合体の導体ペースト
    乾燥体及びポジ型フォトレジスト層を載置・加圧する第
    2の圧接工程とを含むことを特徴とするセラミックス配
    線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の圧接工程の後に前記フィルム
    基材を剥離した後、前記ポジ型フォトレジスト層を消失
    させ、これら工程の後、前記導体ペースト乾燥体のみが
    両面に残された前記第1のグリーンシートの前記両面
    に、ビア用貫通孔が形成された第2及び第3のグリーン
    シートをそれぞれ積層するグリーンシート積層工程と、 これら第2及び第3のグリーンシートの前記ビア用貫通
    孔に導体ペーストを充填した後乾燥させる第2の導体ペ
    ースト充填・乾燥工程とを含むことを特徴とする請求項
    1記載のセラミックス配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の圧接工程の後に2枚の前記フ
    ィルム基材のうちの1枚を剥離した後、前記ポジ型フォ
    トレジスト層を消失させ、これら工程の後、前記導体ペ
    ースト乾燥体のみが残された前記第1のグリーンシート
    の片面に、ビア用貫通孔が形成された第2のグリーンシ
    ートを積層する第2のグリーンシート積層工程と、 前記第2のグリーンシートの前記ビア用貫通孔に導体ペ
    ーストを充填した後乾燥させる第2の導体ペースト充填
    ・乾燥工程と、 前記第1のグリーンシートの他面に存在する残り1枚の
    前記フィルム基材を剥離した後、前記ポジ型フォトレジ
    スト層を溶解、消失させ、これら工程の後、前記導体ペ
    ースト乾燥体のみが残された前記第1のグリーンシート
    他面に、ビア用貫通孔が形成された第3のグリーンシー
    トを載置した後加圧する第3のグリーンシート積層工程
    と、 前記第3のグリーンシートの前記ビア用貫通孔に導体ペ
    ーストを充填した後乾燥させる第3の導体ペースト充填
    ・乾燥工程と、 を含むことを特徴とする請求項1記載のセラミックス配
    線基板の製造方法。
JP19235897A 1997-07-17 1997-07-17 セラミックス配線基板の製造方法 Expired - Lifetime JP3823457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19235897A JP3823457B2 (ja) 1997-07-17 1997-07-17 セラミックス配線基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19235897A JP3823457B2 (ja) 1997-07-17 1997-07-17 セラミックス配線基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1140922A true JPH1140922A (ja) 1999-02-12
JP3823457B2 JP3823457B2 (ja) 2006-09-20

Family

ID=16289959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19235897A Expired - Lifetime JP3823457B2 (ja) 1997-07-17 1997-07-17 セラミックス配線基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3823457B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10012244A1 (de) * 2000-03-14 2001-10-04 Bosch Gmbh Robert Verfahren zur Herstellung einer Druckplatte und Verfahren zum Bedrucken von keramischen oder glaskeramischen Grünfolien
KR100704915B1 (ko) 2005-09-15 2007-04-09 삼성전기주식회사 미세 패턴을 가지는 인쇄회로기판 및 그 제조방법
DE102009015742A1 (de) * 2009-03-31 2010-10-14 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Elektrisch funktionales Mehrschichtfoliensystem und Verfahren zum Herstellen desselben
CN108323002A (zh) * 2017-01-16 2018-07-24 中兴通讯股份有限公司 一种印制电路板及方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10012244A1 (de) * 2000-03-14 2001-10-04 Bosch Gmbh Robert Verfahren zur Herstellung einer Druckplatte und Verfahren zum Bedrucken von keramischen oder glaskeramischen Grünfolien
KR100704915B1 (ko) 2005-09-15 2007-04-09 삼성전기주식회사 미세 패턴을 가지는 인쇄회로기판 및 그 제조방법
DE102009015742A1 (de) * 2009-03-31 2010-10-14 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Elektrisch funktionales Mehrschichtfoliensystem und Verfahren zum Herstellen desselben
DE102009015742B4 (de) * 2009-03-31 2013-09-05 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Elektrisch funktionales Mehrschichtfoliensystem und Verfahren zum Herstellen desselben
CN108323002A (zh) * 2017-01-16 2018-07-24 中兴通讯股份有限公司 一种印制电路板及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3823457B2 (ja) 2006-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7888789B2 (en) Transfer material used for producing a wiring substrate
JP3177211B2 (ja) プリント配線基板内のホールを充填する方法
KR0127666B1 (ko) 세라믹전자부품 및 그 제조방법
US6074893A (en) Process for forming fine thick-film conductor patterns
US20060060558A1 (en) Method of fabricating package substrate using electroless nickel plating
KR100521941B1 (ko) 다층 세라믹 기판의 제조 방법
JP3070364B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
US5787578A (en) Method of selectively depositing a metallic layer on a ceramic substrate
JP2004253432A (ja) プリント配線基板の製造方法
JP3823457B2 (ja) セラミックス配線基板の製造方法
US6527963B1 (en) Method of manufacturing multilayer wiring boards
JP2896296B2 (ja) セラミックス配線基板の製造方法
JPH10242620A (ja) セラミックス配線基板の製造方法
JP4407781B2 (ja) セラミック回路基板の製造方法
JP3709453B2 (ja) セラミックス多層配線基板の製造方法
JPH09321411A (ja) セラミックス配線基板の製造方法
JP2004111840A (ja) バンプ電極付き電子部品の製造方法
JP3909196B2 (ja) ガラスセラミック基板の製造方法
JPH08222840A (ja) 電極パッド付き回路基板およびその製造方法
JP4550243B2 (ja) ガラスセラミック基板の製造方法
JP2004146701A (ja) ガラスセラミック基板の製造方法
JPH1093223A (ja) セラミックス配線基板の製造方法
JP3748400B2 (ja) ガラスセラミック基板の製造方法
JP3909201B2 (ja) ガラスセラミック基板の製造方法
JP2004179525A (ja) 複合シート、積層部品およびそれらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130707

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term