JPH1140621A - Tabフィルムのビームリードの接合装置および該接合装置によって電気的接合された半導体チップならびに液体噴射記録ヘッド - Google Patents

Tabフィルムのビームリードの接合装置および該接合装置によって電気的接合された半導体チップならびに液体噴射記録ヘッド

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JPH1140621A
JPH1140621A JP20721297A JP20721297A JPH1140621A JP H1140621 A JPH1140621 A JP H1140621A JP 20721297 A JP20721297 A JP 20721297A JP 20721297 A JP20721297 A JP 20721297A JP H1140621 A JPH1140621 A JP H1140621A
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semiconductor chip
bonding
recording head
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Mitsuji Kitani
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体チップにおいてボンディングツールと
の平行度にばらつきがありあるいは平行度が出しづらい
ようなものであっても、一括してギャングボンディング
方式でTAB実装を行ない得る接合装置を提供する。 【解決手段】 裏面に放熱プレート12を接着した複数
の電極バンプを有する半導体チップ11を保持するチッ
プステージ13を真空バキュームチャック型式の支持部
16で揺動可能に支持し、その上方にボンディングツー
ル10を設け、ボンディングツール10の押下によりボ
ンディングツール10がTABフィルム20および半導
体チップ11に接触した時点でチップステージ13のツ
ール面に対する平行が補正され、その後にチップステー
ジ13は支持部16の真空バキュームチャックにより固
定され、半導体チップ11とTABフィルム20のビー
ムリードを熱圧着でギャングボンディングにより一括し
て接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体チップに対
するTABフィルムのビームリードの接合技術に関し、
特に、液体噴射記録ヘッドのシリコン素子基板等の半導
体チップの電気接続を行なうために有用な接合装置およ
び該接合装置によって電気的接合された液体噴射記録ヘ
ッド用シリコン素子基板等の半導体チップに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録方式に適用される液体噴射
記録ヘッドは、一般に、記録用インクの吐出エネルギー
を発生する複数の電気熱変換素子とこれらの電気熱変換
素子を駆動する駆動回路を形成したシリコン素子基板
と、インク流路であるノズルおよびこれらのノズルにイ
ンクを供給する共通液室を備えた溝付き天板とを接合し
て形成され、外部から入力される画像情報に対応した駆
動信号を電気熱変換素子に印加して、インクに核沸騰現
象を越えて膜沸騰現象を生じさせるような急激な温度上
昇を与える熱エネルギーを発生させ、インク内に気泡を
形成させて、この気泡の成長収縮によりインクを液滴と
してノズルから吐出させて印字記録させるように構成さ
れている。
【0003】そして、この種の液体噴射記録ヘッドにお
いては、例えば、特開平2−192954号公報等に示
されているように、複数の電気熱変換素子を形成したシ
リコン素子基板と配線基板を支持部材の同じ面上に接着
配設し、シリコン素子基板上に樹脂成形された溝付き天
板を接合するとともに、印字装置本体との電気的接続部
を配線基板に設けた構成が知られており、また、特開平
5−169662号公報に記載されているように、フレ
キシブルプリント基板を用いて、フレキシブルプリント
基板を電気熱変換素子を形成したシリコン素子基板と隣
接してアルミ支持板上に貼り合わせて、フレキシブルプ
リント基板とシリコン素子基板をワイヤーボンディング
するとともに、フレキシブルプリント基板の中間部分を
湾曲させることにより、印字装置本体との電気的接続部
をアルミ支持板の裏面側に配することを可能とした技術
も知られている。
【0004】また、液体噴射記録ヘッドにおいては、電
気熱変換素子を形成したシリコン素子基板を溝付き天板
に接合した後に、シリコン素子基板の裏面に熱伝導率の
良い接着剤で放熱プレートを接着して、シリコン素子基
板からの熱を逃がすように構成している。
【0005】ところで、半導体チップの電極部とリード
フレーム上の導体等との電気接続に関しては、ワイヤー
ボンディング方式やワイヤーレスボンディング方式等が
用いられているけれども、近年、電気的接続部の薄型
化、多ピン化や実装面積の削減等を目的として、ワイヤ
ーレスボンディング方式、なかでもTAB実装方式が採
用されている。そして、TABフィルムのビームリード
と半導体チップ上の金の突起(以下、バンプという。)
の接合を行なうTAB実装方式には、ビームリードを一
本ずつ超音波と加熱により接合するシングルポイントの
ボンディング方式および複数のビームリードをそれぞれ
のバンプに一括して接合するギャングボンディング方式
があり、シングルポイントのボンディング方式において
は、ビームリードを一本ずつ高さを検出しながら接合す
ることが可能であるために、ボンディングツールと半導
体チップの平行度は50μm以下に抑えれば、十分に適
切なボンディングを行なうことができる。一方、ギャン
グボンディング方式の場合には全てのビームリードを同
一のボンディングツールで同時に接合するために半導体
チップ上に形成されたバンプとボンディングツールとの
平行度は5μm以下になるように調整することが必要で
あった。
【0006】ウエハーから切り出された半導体チップに
おいては、チップ裏面とボンディングパッド面との平行
度は充分に保たれている場合が多く、ギャングボンディ
ング方式を採用することができるけれども、例えばコン
ピュータ用のCPUのように消費電力が増加するものに
あっては放熱冷却することを要するために半導体チップ
の裏面にアルミの放熱プレート等の別部材を付設するこ
とを要し、このように別部材を付設した半導体チップに
ついては、ボンディングツールとの平行度がばらつくた
めに、ギャングボンディング方式を採用することが困難
であって、通常、予め半導体チップとTABフィルムと
のTABボンディングを行ない、そして樹脂封止を行な
った後に、半導体チップの裏面に放熱プレートを熱伝導
率の良い接着剤あるいは接着テープで固定している。
【0007】また、液体噴射記録ヘッドにおいても、米
国特許第4635073号明細書あるいは米国特許第4
827294号明細書に、インク吐出用の電気熱変換素
子を形成した素子基板の抵抗体および配線板としてTA
Bフィルムを用いて、TABフィルムのビームリードを
サーモソニックボンディングにより素子基板に接続して
電気的接続をとり、そしてTABフィルムが印字装置本
体との電気接続部を兼ね備えた形態の液体噴射記録ヘッ
ドが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】半導体チップにおい
て、TABフィルムのビームリードとの接合をギャング
ボンディング方式で行なうことが困難な場合、例えば、
チップサイズが大きくボンディングツールとの平行が出
しにくい場合や、半導体チップの裏面側に放熱プレート
等の別部材を付設したことによりボンディングツールと
の平行度がばらつく場合は、ビームリードを一本ずつ超
音波と加熱により接合するシングルポイントのボンディ
ング方式が採用されている。しかし、このシングルポイ
ントのボンディング方式はビームリードを一本ずつ接合
するため本数分の時間がかかり、一括で接合するギャン
グボンディング方式と比較して生産効率が劣るためにコ
スト高となっていた。
【0009】さらに、シリコン素子基板とTABフィル
ムを接合した後にシリコン素子基板に放熱プレート等の
別部材を付設する場合に、放熱プレートを必要最小限の
大きさにしたときにはTABフィルムより小さくなり、
放熱プレートを接着する接着剤の硬化工程に搬送する際
に位置ずれをおこしやすく、その搬送のために仮固定が
必要となって、処理工程が長くなり生産効率が劣り、コ
スト高となっていた。また、例えば液体噴射記録ヘッド
において、シリコン素子基板に溝付き天板を接合した後
に放熱プレートを接着する場合、放熱プレートをシリコ
ン素子基板に対し密着させることは難しく、そして放熱
プレートの接着時に加熱または加熱と振動を加えて行な
うと予め前工程で出していた位置精度を悪化させること
があり、接着層を薄くすることが困難であった。
【0010】そこで、半導体チップに予め放熱プレート
等の別部材を付設した後に、ギャングボンディング方式
で半導体チップの電気的接続を行なうことが生産効率上
好ましいところであり、そのために、半導体チップに放
熱プレート等の別部材を付設したことによりボンディン
グツールとの平行度がばらつく場合やチップサイズが大
きくボンディングツールとの平行が出しにくい場合であ
っても、ギャングボンディング方式で一括してTAB実
装を行ない得る接合装置の開発が望まれている。
【0011】また、前述した液体噴射記録ヘッドにおけ
るシリコン素子基板と配線基板の電気接続においても、
従来の電気接続手法では工程数が多くなり、生産効率が
悪くコスト高となるために、ギャングボンディング方式
のTAB実装形態を採用することが望ましいところであ
った。なお、前記の米国特許第4635073号明細書
あるいは米国特許第4827294号明細書には、TA
Bフィルムのビームリードをサーモソニックボンディン
グにより素子基板に接合して電気的接続をとり、そして
TABフィルムが印字装置本体との電気接続部を兼ね備
えた形態の液体噴射記録ヘッドが記載されているが、前
記米国特許に記載されている液体噴射記録ヘッドにおい
ては放熱プレート等の別部材を予め付設してTABフィ
ルムをギャングボンディングするものではなく、さら
に、TABフィルムを用いる半導体チップや液体噴射記
録ヘッドにおけるシリコン素子基板の場合、通常、半導
体チップの四辺を囲み半導体チップとTABフィルムの
開口部をまたいで電気的接続をとるようにビームリード
が配されており、例えば、前記米国特許に記載されてい
るような液体噴射記録ヘッドにおけるインク吐出方向が
素子基板に対して直角方向である場合は四方がTABフ
ィルムで囲まれていても問題はないけれども、電気熱変
換素子と平行にインクを吐出させる型式の液体噴射記録
ヘッドでは、電気熱変換素子を並べた辺側にTABフィ
ルムを配するとインク吐出方向に障害物を配することに
なり好ましいものではなかった。
【0012】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決な課題に鑑みてなされたものであって、半導体チ
ップにおいてボンディングツールとの平行度がばらつき
あるいは平行度が出しづらいようなものであっても一括
してギャングボンディング方式でTAB実装を行ない得
る接合装置を提供するとともに、この接合装置を用いる
ことによって、半導体チップに放熱プレート等の別部材
を接着した後にギャングボンディング方式によりTAB
実装を行なうことができる半導体チップおよび液体噴射
記録ヘッドを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の接合装置は、複数の電極パッドを形成した
半導体チップを保持するチップステージと、絶縁フィル
ム上に形成された配線から延在するビームリードを有す
るTABフィルムを前記チップステージ上へ搬送する搬
送手段と、前記チップステージに保持された半導体チッ
プ上の電極パッドとTABフィルムのビームリードを熱
圧着で接合するためのボンディングツールとを備えた接
合装置において、半導体チップを保持する前記チップス
テージ側に、半導体チップ上の電極パッドとビームリー
ドを接合するための前記ボンディングツールの面に追従
しならう機構を設けたことを特徴とする。
【0014】そして、本発明の接合装置においては、半
導体チップを保持するチップステージ側に設けたボンデ
ィングツールの面に追従しならう機構が、前記チップス
テージに一体的に設けられた球状可動部と、該球状可動
部を移動可能に受け入れ、そして前記チップステージが
前記ボンディングツールの面に接触して前記ボンディン
グツールに対する平行が補正された時点で、前記球状可
動部を真空吸着により固定する支持部とから構成されて
いる。
【0015】また、本発明の接合装置においては、複数
の電極パッドを形成した半導体チップの電極パッドを形
成した面と反対側の面に予め放熱プレート等の別部材を
接着してあることが好ましく、さらに、半導体チップは
液体噴射記録ヘッドにおける複数の電気熱変換素子と該
電気熱変換素子を駆動する駆動回路を形成したシリコン
素子基板であることが好ましい。
【0016】本発明の半導体チップは、半導体チップの
一辺を除く三辺に沿って複数の電極パッドを設け、その
裏面に放熱プレート等の別部材を予め接着した半導体チ
ップにおいて、前記半導体チップの前記三辺に対向する
ようにビームリードを配設したTABフィルムを前記半
導体チップに対して位置付け、請求項1または2記載の
接合装置によって、前記電極パッドと前記ビームリード
を一括してギャングボンディング接合したことを特徴と
する。
【0017】また、本発明の液体噴射記録ヘッドは、記
録用液体の吐出エネルギーを発生する複数の電気熱変換
素子と該電気熱変換素子を駆動する駆動回路を備えた素
子基板と、液体流路であるノズルと該ノズルに液体を供
給する共通液室を備えた溝付き天板とからなり、両者を
組み付けることにより形成される液体噴射記録ヘッドに
おいて、素子基板の一辺に沿って複数の電気熱変換素子
を配し、他の三辺に沿って電極を配列した素子基板に対
して、該素子基板の前記電極を配列した三辺に対向する
ように可撓性の絶縁フィルムを配設し、該フィルムは前
記素子基板の三辺に配列された前記電極に向かって延び
る金属導体のリードおよび該リードに連続した金属配線
を有し、そして前記素子基板上の前記フィルムと対向し
ない一辺に沿って複数の電気熱変換素子を配した面の反
対側の面に放熱プレートを接着し、請求項1または2記
載の接合装置によって前記フィルムの前記金属導体のリ
ードを前記電極に一括してギャングボンディング接合し
たことを特徴とする。
【0018】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドにお
いては、素子基板の複数の電気熱変換素子を配した辺に
交わる辺に沿って電源配線の電極を配列し、前記辺に対
向する可撓性の絶縁フィルムから前記電極に向かって延
在させ接合された金属導体のリードが電源配線であるこ
とが好ましい。
【0019】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドにお
いては、可撓性の絶縁フィルムにおける外部との電気接
続部となるコンタクトパッドを、素子基板の電気熱変換
素子を配した面と反対側の面に設けることが好ましく、
また、可撓性の絶縁フィルムは、素子基板に電気的接合
された後に、その中間部において予め曲げられ、その後
にノズルと該ノズルに液体を供給する共通液室を備えた
溝付き天板に組み付けられることが好ましく、そして、
可撓性の絶縁フィルムは、一連の連続した穴を有するキ
ャリアテープに保持されて連続的に搬送され、素子基板
に接合後切断することによって素子基板の電気熱変換素
子を配した辺に対向する部分の可撓性の絶縁フィルムを
取り除くことが好ましく、可撓性の絶縁フィルムはポリ
イミドフィルムにより作製されていることが好ましい。
【0020】
【作用】本発明の接合装置においては、半導体チップを
保持するステージ側に、半導体チップ上の電極パッドと
ビームリードを接合するためのボンディングツール面に
追従しならう機構を設けることにより、半導体チップサ
イズが大きくなりボンディングツールとの平行度を保つ
ことが困難な場合や半導体チップに放熱プレート等の別
部材が設けられてボンディングツールとの平行度がばら
つくような場合であっても、一括のギャングボンディン
グ方式で半導体チップ上の電極パッドとビームリードと
の接合が可能となり、従来のシングルポイントのボンデ
ィング方式の場合のようにビームリードの本数によって
生産タクトが変わり生産効率が悪くなるという問題点を
解消することができる。
【0021】本発明の半導体チップや液体噴射記録ヘッ
ドにおけるシリコン素子基板においては、シリコン素子
基板に放熱プレート等を接着した後にTAB実装形態を
用いて電気接続を行うことによって、放熱プレート等へ
のTABフィルムの仮止めが不要となり、シリコン素子
基板と配線部材の支持部材を設けることなくシリコン素
子基板と配線部材の接合を行なうことが可能となり、部
品点数を削減することができ、より安価に半導体チップ
や液体噴射記録ヘッドを提供することができる。
【0022】さらに、液体噴射記録ヘッドにおいて、従
来、設計上困難であったシリコン素子基板の電気熱変換
素子を並べた辺に交わる辺に沿って電気熱変換素子の電
源配線の電極を配列し、その電極を配列した辺に対向す
る可撓性の絶縁フィルムから前記電極に向かった延在す
るビームリードを接合することができ、これによって、
シリコン素子基板内の電機熱変換素子の電源配線の長さ
を短くすることができ、電気熱変換素子の電源配線内の
電圧降下が少なくなり、各ノズル内の電気熱変換素子に
かかる電圧のばらつきを少なくすることができ、さら
に、電気熱変換素子にかかる電圧余裕を小さくすること
ができ、電気熱変換素子の耐久性を向上させることがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0024】図1は、本発明の一括してギャングボンデ
ィングすることができる接合装置の模式図であり、図2
および図3は、図1に図示する接合装置によってTAB
フィルムと電気的接続した液体噴射記録ヘッドのシリコ
ン素子基板等の半導体チップの斜視図およびその一部を
拡大して示す拡大斜視図である。
【0025】先ず、半導体チップの複数の電極とTAB
フィルムの複数のビームリードを一括してギャングボン
ディングする接合装置について図1に基づいて説明す
る。
【0026】接合装置Bは、上下動可能に設けられたボ
ンディングツール10と、半導体チップ11を保持する
チップステージ13と、このチップステージ13を支持
する支持部16と、キャリアテープ上に形成されたTA
Bフィルム20を搬送する搬送手段26とからなる。チ
ップステージ13は、保持する半導体チップ11を加熱
するための加熱用ヒーター19を内蔵し、そして球状可
動部14の上部に一体的に設けられたチップステージ保
持部14aに取り付けられている。チップステージ13
を支持する支持部16は、真空バキュームチャックとし
て構成され、全体として球状の凹部を形成する複数の分
割凹部をそれぞれ有する少なくとも2個の分割された支
持部材からなり、例えば、図1に示すように半球状の凹
部18a、18bをそれぞれ有する2個に分割された支
持部材17a、17bからなる。これらの半球状の凹部
18a、18bは互いに対向して配置されて、全体とし
て球状凹部を形成し、その内部にチップステージ13の
球状可動部14を受け入れて支持する。真空バキューム
チャックを構成する支持部16の各支持部材17a、1
7bの内部は、吸引孔15を介して図示しない真空吸引
源に連通されており、これらの支持部材17a、17b
は、互いに矢印方向に接離可能に対向して配設され、図
1に図示するようにやや離間した状態においては、球状
可動部14を外からの力に応じて回転しうるように移動
可能な状態に支持し、一方、真空吸引源の吸引作用によ
り互いに接近した状態では球状可動部14を固定的に支
持するように構成されている。したがって、チップステ
ージ13に保持された半導体チップ11が、そのチップ
サイズが大きくボンディングツールとの平行が出しにく
い場合、あるいはチップの裏面に放熱プレート等の別の
部材を接着してあるためにボンディングツールとの平行
度にばらつきがあるような場合等であっても、チップス
テージ13は、その球状可動部14と支持部16の球状
凹部18a、18aの機能によって、ボンディングツー
ル10の下降押圧に応じて適宜回動あるいは揺動して、
ボンディングツール10の先端の接合面に追従し倣うこ
とができ、ボンディングツール10との平行の補正を速
やかに行ない、その後に真空バキュームチャックの支持
部材17a、17bにより球状可動部14を固定して、
ボンディングツール10との平行度を維持することがで
きるように構成されている。
【0027】キャリアテープ上に形成されたTABフィ
ルム20を搬送する搬送手段26は、ボンディング箇所
にTABフィルム20を案内するテープガイド21、2
1およびガイドローラ22、22と、TABフィルム2
0を保持するキャリアテープに穿設された一連のホール
に係合してキャリアテープを搬送するスプロケットホイ
ール23からなり、スプロケットホイール23を駆動す
ることによって、一方のリール25aからキャリアテー
プを繰出し、キャリアテープ上に形成されたTABフィ
ルム20をボンディング箇所に搬送する。そして、キャ
リアテープは他方のリール25bに巻き取られる。
【0028】次に、上記のように構成された接合装置B
を用いて、半導体チップ11とTABフィルム20を接
合する態様を説明する。
【0029】シリコン素子基板からなる半導体チップ1
1は、事前の工程において、複数の電極パッド部にバン
プを形成し、そしてウエハーから切り出されるとともに
バンプの高さを揃えるレベリングを行なった後に、アル
ミ製の放熱プレート12が熱伝導性の優れた接着剤で接
着され、加熱硬化される。そして、放熱プレート12を
接着した半導体チップ11は、搬送用トレイ(図示しな
い)に載置されて搬送され、この搬送用トレイから角錐
状のピックアップコレット(図示しない)により接合装
置Bのチップステージ13上に供給される。
【0030】チップステージ13に供給された半導体チ
ップ11は、チップステージ13上でXY軸方向の位置
決めが行なわれ、そして、キャリアテープに保持された
TABフィルム20の開口部の下方へチップステージご
と搬送され、そこで、TABフィルム20のビームリー
ドとの位置関係を画像処理により補正する。このように
位置補正され合致された半導体チップ11のバンプとビ
ームリードの位置へボンディングツール10を移動させ
る。次に、ボンディングツール10を下降させてTAB
フィルム20のビームリードに当接させ、さらにボンデ
ィングツール10を下降させてビームリードをバンプに
当接させて、ある一定の加圧を越えるところまでボンデ
ィングツール10を押圧下降させる。ここで、一定の加
圧はビームリードの幅や厚みにより異なるけれども、本
実施例においては50g/1リードとした。そして、ボ
ンディングツール10がビームリードおよびバンプを押
圧した時点においては、チップステージ13はその球状
可動部14と支持部材17a、17bによって回転方向
に移動可能であって、チップステージ13はボンディン
グツール10の先端の接合面に追従し倣うことができる
ために、チップステージ13上に保持された放熱プレー
ト12を有する半導体チップ11がたとえボンディング
ツールとの平行度が出しにくい場合や平行度にばらつき
があるような場合であっても、ボンディングツール10
との平行の補正を速やかに行なうことができる。平行の
補正が終了した時に真空バキュームチャックの支持部材
17a、17bにより球状可動部14を固定する。その
後に、ボンディングツール10はさらに下降して、半導
体チップ11のバンプとTABリード20のビームリー
ドを接合させるべくさらに加圧しそして加熱する。この
ときの接合のための加圧は、リードとバンプの接合面積
によって異なるが、本実施例においては150g/1リ
ードとなるように設定して接合した。また、加熱方式と
しては、パルス加熱方式を用いたが、常時加熱方式を用
いることも可能である。そして、加熱条件として、本実
施例においては、金バンプと金メッキビームリードの場
合に、530℃、1secと設定しているが、金バンプ
とSnメッキビームリードの場合はさらに低い温度で接
合することができる。
【0031】そして、接合装置Bにおいて一括して接合
を行なった後に、キャリアテープとTABフィルムの接
続部を切断することにより、TABフィルムを切り出
す。このようにTABフィルムを切り離すことによっ
て、例えば図2に示すような構成のTABフィルム付き
半導体チップを得ることができる。
【0032】次に、ギャングボンディングによってTA
Bフィルムと電気的接続した半導体チップについて、液
体噴射記録ヘッドのシリコン素子基板を例として、図2
および図3に基づいて説明する。
【0033】インク吐出用の複数の電気熱変換素子31
およびこれらの電気熱変換素子31を駆動する駆動回路
(図示しない)が形成された半導体チップ30は、ウエ
ハーの状態において長方形状のチップの電気熱変換素子
31を並べた一辺を除く三辺に沿って設けられた複数の
電極パッド部にバンプ32、32…、33…を形成す
る。バンプの形成方法としては、めっきバンプやスタッ
ドバンプ等が一般に用いられているが、本実施例では、
スタッドバンプを用いている。バンプ32…、33…を
形成した状態でウエハーから半導体チップ30を切り出
してバンプ32、33の高さを揃えるレベリングを行な
い、その後に放熱プレート34を半導体チップ30の電
気熱変換素子31を形成した面と反対側の面に熱伝導率
の良い接着剤を用いて接着し、加熱硬化する。接着剤と
しては、熱伝導性に優れるAgペーストで日立化成
(株)のEN4065を用いている。なお、前記のAg
ペーストに代えて、Agフィラを所定の含有量有するも
の(例えば、熱伝導率が2W/m・KであればAgフィ
ラの含有率76%)で、ペースト硬化時の弾性率がチッ
プサイズに合うものを用いることもできる。
【0034】半導体チップ30に接合されるTABフィ
ルム35としては、従来のTABフィルムのように半導
体チップの四辺に対向したものでは、電気熱変換素子3
1を並べた辺側のインク吐出方向に障害物が存在するこ
ととなって好ましくない。そこで、TABフィルム35
は、半導体チップ30の電気熱変換素子31によるイン
ク吐出方向側の一辺を除く三辺に対向するように配され
たポリイミドフィルム等の可撓性フィルム36に配線パ
ターンを形成したものであって、前記三辺に設けられた
電極パッド部のバンプ32…、33…にそれぞれ対向す
るようにボンディングビームリード37…、38…を設
けたものを用いる。
【0035】半導体チップ30の三辺に設けられたバン
プ32…、33…において、半導体チップ30の電気熱
変換素子31…を並べた辺に交わる両側の辺には、電気
熱変換素子31の電源配線の電極バンプ33、33…を
配置する。そして、TABフィルム35には、半導体チ
ップ30の前記両側の辺に対向して半導体チップ30の
両側に延在する可撓性の絶縁フィルム36a、36aを
設け、この延在した可撓性フィルム36aにはそれぞれ
配線38aおよび接合用の複数のビームリード38、3
8を配する。半導体チップ30の複数の電極バンプ32
…、33…に対してTABフィルム35のビームリード
37…、38…をそれぞれ位置合わせした後に、これら
を一括してギャングボンディングにより接合する。
【0036】このように電気熱変換素子31…を並べた
辺に交わる両側の辺に形成した電源配線の電極バンプ3
3、33…に延在した可撓性フィルム36aのビームリ
ード38、38をそれぞれ接合することにより、従来電
気熱変換素子を並び配した辺と反対側の辺側に並べられ
ていたボンディングパッドまでの長く細い電源配線を設
ける必要がなくなり、そして、シリコン素子基板内の電
気熱変換素子の電源配線の長さを短くすることができ
て、配線抵抗を低減することができ、電気熱変換素子の
電源配線内の電圧降下も少なくすることができる。その
結果、従来それぞれ電気熱変換素子の発泡開始電圧が全
吐時、単吐時でも満足できるように電気熱変換素子の電
源配線に印加する電圧に余裕をもたせて設定していた
が、配線部の電圧降下が少なくなった結果、各ノズル内
の電気熱変換素子にかかる電圧のばらつきが少なくで
き、電気熱変換素子の耐久性を向上させることができ
る。
【0037】また、TABフィルム35において、印字
装置本体側との電気的接続をとるための複数のコンタク
トパッド39を半導体チップ30の電気熱変換素子31
の配設した面と反対側に設ける。さらに、TABフィル
ム35はポリイミドフィルム等で構成することにより可
撓性をもたせることができ、その中間部で湾曲させるこ
とができ、印字装置本体と電気的接続するコンタクトパ
ッド39と半導体チップ30との配置関係の自由度が増
す。
【0038】そして、放熱プレート34を接着した半導
体チップ30とTABフィルム35は、前述しかつ図1
に図示した接合装置Bによって一括してギャングボンデ
ィングすることができ、そして接合した後にキャリアテ
ープとTABフィルムの接続部を切断することにより、
図2に示すような所定形状のTABフィルム35をキャ
リアテープから切り出す。この切断時に半導体チップの
電気熱変換素子を並べた辺に相対向する部分のフィルム
部を除去してインク吐出の邪魔にならないようにする。
【0039】以上のような構成をもつ液体噴射記録ヘッ
ドのシリコン素子基板等の半導体チップにおいては、従
来、シリコン素子基板の四辺に対向するように配置され
ていたTABフィルムを、シリコン素子基板のインク吐
出口方向側を除く三辺に対向するTABのフィルムとし
て、そして、ボンディングリードをシリコン素子基板の
インク吐出口方向側を除く三辺に対向するようにTAB
フィルム上に設け、シリコン素子基板上に設けたバンプ
とビームリードとをギャングボンディングにより接合す
ることにより、インクの吐出を妨げることなく、TAB
フィルムを用いることが可能となる。しかも、シリコン
素子基板の電気熱変換素子を並べた辺に交わる辺に沿っ
て電源配線の電極を配し、前記辺に対向する可撓性の絶
縁フィルムから前記電極に延びるビームリードを該電極
に接合することによりシリコン素子基板内の電源配線の
長さを短くすることが可能となる。
【0040】さらに、シリコン素子基板と配線部材の支
持部材を設けることなく、シリコン素子基板と配線部材
の接合を行なうことが可能となり、部品点数を削減する
ことができ、より安価に液体噴射記録ヘッドを提供する
ことが可能になる。
【0041】放熱プレート34を接着した半導体チップ
30の電極バンプ32…、33…とTABフィルム35
のビームリード37…、38…を、前述した接合装置B
を用いて、一括してギャングボンディングして図2およ
び図3に図示するような構成とした後に、これを液体噴
射記録ヘッドに組み込む。この液体噴射記録ヘッドの組
み立て状態を図4に図示する。TABフィルム35は、
半導体チップ(シリコン素子基板)30を溝付き天板4
0に接合する前に図4に示すようにその中間部に曲げ癖
を付けておく。そして、半導体チップ30は、溝付き天
板40の吐出口プレート41に形成されたインク吐出用
ノズルと半導体チップ30の電気熱変換素子31とを位
置合わせした状態で溝付き天板40に接合され、溝付き
天板40に密着するように放熱プレート34の裏面から
ばね部材42で押圧され固定される。この状態において
は、放熱プレート34付き半導体チップ30のみが溝付
き天板40に固定され、TABフィルム35は固定され
ていない。このように組み立てられた液体噴射記録ヘッ
ドをシールパッキン46を介してインクタンク45に結
合して記録ヘッドユニットを形成する。そして、記録ヘ
ッドキャリッジへ組み込む際に、TABフィルム35の
コンタクトパッド39が記録ヘッド等の印字装置本体側
の電極と電気接続される。このように、TABフィルム
35上の印字装置本体との電気的接続部であるコンタク
トパッド39を、半導体チップ30の電気熱変換素子3
1を設けた面と反対側の面側に配することによって、図
4に図示するように、一体の溝付き天板40の両側に半
導体チップ30、30を配置し、2ヘッド分を1個の天
板で構成することができ、例えば、一方を黒インクを印
字するヘッド、他方をカラーインクを印字するヘッドと
することができ、また、半導体チップ30の電気熱変換
素子31を設けた面とある角度をつけてコンタクトパッ
ド39の電気接続面を設けることが可能となり、より安
価に高性能のヘッドを製造することができる。
【0042】次に、前記液体噴射記録ヘッドを搭載した
液体噴射記録装置としての印字装置について図5に基づ
いて説明する。
【0043】前記液体噴射記録ヘッドと同様の記録ヘッ
ド103とインクタンク102とを接合した記録ヘッド
ユニットを搭載したキャリッジ101は、ガイド軸10
4および螺旋溝105aをもつリードスクリュ105に
案内される。記録ヘッドは、一つの記録ヘッド内に2個
のシリコン基板を有し、一方は黒インク吐出用であり、
他方はシリコン基板上の液室が3液室に分離されてお
り、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを吐出
するカラー用のヘッドである。
【0044】リードスクリュ105は、正逆回転する駆
動モータ106によって歯車列106a,106b,1
06c,106dを介して正逆回転され、その螺旋溝1
05aに先端部が係合したキャリッジ101に設けられ
ているピン(図示せず)を介してキャリッジ101を矢
印方向および反矢印方向へ往復移動させる。駆動モータ
106の正逆回転の切換は、キャリッジ101がホーム
ポジションにあることをキャリッジ101に設けられた
レバー115とフォトカプラ116とで検出することに
より行なう。
【0045】他方、被記録媒体である記録紙109は、
プラテン107に押え板108によって押圧され、紙送
りモータ110によって駆動される紙送りローラ(図示
せず)によって記録ヘッドに対向するように搬送され
る。
【0046】回復ユニットは、記録ヘッド103の吐出
口に付着した異物や粘度の高くなったインクを除去し
て、吐出特性を正規の状態に維持するために設けられた
ものである。回復ユニットは、吸引手段(図示せず)に
連通されたキャップ部材113を有し、記録ヘッド10
3の吐出口をキャッピングして吸引することにより、吐
出口に付着した異物や粘度の高くなったインクを除去す
る。また、回復ユニットとプラテン107の間には、案
内部材112に案内された記録ヘッド103の吐出口面
の走行経路上に向けて前進、後退するクリーニングブレ
ード114が配設されており、該クリーニングブレード
114の先端で前記吐出口面に付着した異物やインク滴
をクリーニングできるように構成されている。
【0047】本発明の液体噴射記録ヘッドは、特にイン
クジェット記録方式の中で、インク吐出を行なわせるた
めに利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生す
る手段(例えば、電気熱変換素子あるいはレーザ光等)
を備え、熱エネルギーによりインクの状態変化を生じさ
せて、飛翔液滴を形成し、記録を行なうインクジェット
記録方式において優れた効果をもたらすものである。
【0048】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明による記録ヘ
ッドはこれらの基本的な原理を用いて行なうものが好ま
しい。この記録方式は所謂オンデマンド型、コンティニ
ュアス型のいずれにも適用可能である。
【0049】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換素子に記録情報に対応して記録
液(インク)に核沸騰現象を越えて膜沸騰現象を生じる
ような急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの
駆動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。
このように記録液(インク)から電気熱変換素子に付与
する駆動信号に一対一で対応した気泡を形成できるた
め、特にオンデマンド型の記録法には有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出孔を介して記録液(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすることにより、即時適切に
気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた
記録液(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463
359号明細書、同第4345262号明細書に記載さ
れているようなものが適している。なお、上記熱作用面
の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124
号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優
れた記録を行なうことができる。
【0050】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
素子を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に、米国特許第4558333号明細書、米国
特許第4459600号明細書に開示されているよう
に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つも
のにも本発明は有効である。
【0051】加えて、複数の電気熱変換素子に対して、
共通するスリットを電気熱変換素子の吐出口とする構成
を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネル
ギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成
を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた
構成を有するものにおいても本発明による記録ヘッドは
有効である。
【0052】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドとし
ては、記録装置が記録可能である記録媒体の最大幅に対
応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがある。こ
のフルラインヘッドは、上述した明細書に開示されてい
るような記録ヘッドを複数組み合わせることによってフ
ルライン構成にしたものや、一体的に形成された一個の
フルライン記録ヘッドであっても良い。
【0053】また、本発明の液体噴射記録ヘッドを搭載
した液体噴射記録装置に、記録ヘッドに対する回復手段
や予備的な補助手段を付加することは、記録装置を一層
安定にすることができるので好ましいものである。これ
らを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッ
ピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手
段、電気熱変換素子あるいはこれとは別の加熱素子、あ
るいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行なう予備吐出モード手段を付加すること
も安定した記録を行なうために有効である。
【0054】本発明による記録ヘッドにおいて、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0055】さらに加えて、本発明による記録ヘッドを
搭載したインクジェット記録装置の形態としては、コン
ピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採る
ものであってよい。
【0056】
【発明の効果】本発明の接合装置は、上述のように構成
されているので、半導体チップを保持するステージ側
に、半導体チップ上のバンプとビームリードを接合する
ためのボンディングツール面に追従しならう機構を設け
ることにより、半導体チップサイズが大きくなりボンデ
ィングツールとの平行度を保つことが困難な場合、ある
いは、半導体チップの下に放熱プレート等の別部材が設
けられてボンディングツールとの平行度がばらつく場合
でも、一括のギャングボンディング方式で半導体チップ
上のバンプとビームリードとの接合が可能となり、従来
のシングルポイントのボンディング方式の場合のように
ビームリードの本数によって生産タクトが変わり生産効
率が悪くなるという問題点を解消することができる。
【0057】また、本発明の半導体チップや液体噴射記
録ヘッドにおけるシリコン素子基板においては、シリコ
ン素子基板等に放熱プレート等を接着した後に、TAB
ボンディングすることが可能となり、TABフィルムを
連続した状態で搬送することができ、そして、放熱プレ
ート等へのTABフィルムの仮止めが不要となり、次工
程での位置決めがTABフィルムのスプロケットホール
でできるために生産効率が良くなる利点がある。さら
に、シリコン素子基板と配線部材の支持部材を設けるこ
となくシリコン素子基板と配線部材の接合を行なうこと
が可能となり、部品点数を削減することができ、より安
価に半導体チップや液体噴射記録ヘッドを提供すること
ができる。
【0058】また、本発明の液体噴射記録ヘッドにおけ
るシリコン素子基板において、TAB実装形態を用いて
電気接続を行うことによって前述した利点を有するとと
もに、シリコン素子基板の電気熱変換素子を設けた面と
TABフィルム上の印字装置本体との電気的接続部を、
電気熱変換素子と反対側の面に配することによって、一
体の溝付き天板の両側にシリコン素子基板を配置し、2
ヘッド分を1個分の溝付き天板で形成することができ、
例えば、一方を黒インクを印字するヘッドとし、他方を
カラーインクを印字するヘッドとすることができ、そし
て、シリコン素子基板の電気熱変換素子を設けた面と適
宜角度をつけて電気接続面を設けることが可能となりよ
り安価に高性能の記録ヘッドを製造することができ、ま
た、従来、設計上困難であったシリコン素子基板の電気
熱変換素子を並べた辺に交わる辺に沿って電気熱変換素
子の電源配線の電極を配列し、その電極を配列した辺に
対向する可撓性の絶縁フィルムから前記電極に向かった
延びるビームリードを接合することによって、シリコン
素子基板内の電機熱変換素子の電源配線の長さを短くす
ることができ、電気熱変換素子の電源配線内の電圧降下
が少なくなり、各ノズル内の電気熱変換素子にかかる電
圧のばらつきを少なくすることができ、さらに、電気熱
変換素子にかかる電圧余裕を小さくすることができ、電
気熱変換素子の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体チップとTABフィルムとの電気的接続
を一括してギャングボンディングする接合装置の模式図
である。
【図2】TABフィルムと電気的接続した液体噴射記録
ヘッドの素子基板等の半導体チップの斜視図である。
【図3】図2に図示した半導体チップの一部を拡大して
示す拡大斜視図である。
【図4】液体噴射記録ヘッドの組み立て状態を分解して
示す斜視図である。
【図5】液体噴射記録ヘッドを搭載した液体噴射記録装
置の概略的な斜視図である。
【符号の説明】 B 接合装置 10 ボンディングツール 11 半導体チップ 12 放熱プレート 13 チップステージ 14 球状可動部 16 支持部 17(17a、17b) 支持部材 18(18a、18b) 凹部 20 TABフィルム 26 搬送手段 30 半導体チップ(シリコン素子基板) 31 電気熱変換素子 32、33 バンプ 34 放熱プレート 135 TABフィルム 37、38 ビームリード 39 コンタクトパッド 40 溝付き天板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電極パッドを形成した半導体チッ
    プを保持するチップステージと、絶縁フィルム上に形成
    された配線から延在するビームリードを有するTABフ
    ィルムを前記チップステージ上へ搬送する搬送手段と、
    前記チップステージに保持された半導体チップ上の電極
    パッドとTABフィルムのビームリードを熱圧着で接合
    するためのボンディングツールとを備えた接合装置にお
    いて、 半導体チップを保持する前記チップステージ側に、半導
    体チップ上の電極パッドとビームリードを接合するため
    の前記ボンディングツールの面に追従しならう機構を設
    けたことを特徴とする接合装置。
  2. 【請求項2】 半導体チップを保持するチップステージ
    側に設けたボンディングツールの面に追従しならう機構
    が、前記チップステージに一体的に設けられた球状可動
    部と、該球状可動部を移動可能に受け入れ、そして前記
    チップステージが前記ボンディングツールの面に接触し
    て前記ボンディングツールに対する平行が補正された時
    点で、前記球状可動部を真空吸着により固定する支持部
    とからなることを特徴とする請求項1記載の接合装置。
  3. 【請求項3】 複数の電極パッドを形成した半導体チッ
    プの電極パッドを形成した面と反対側の面に予め放熱プ
    レート等の別部材を接着してあることを特徴とする請求
    項1または2記載の接合装置。
  4. 【請求項4】 半導体チップが、液体噴射記録ヘッドに
    おける複数の電気熱変換素子と該電気熱変換素子を駆動
    する駆動回路を形成したシリコン素子基板であることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の接合
    装置。
  5. 【請求項5】 半導体チップの一辺を除く三辺に沿って
    複数の電極パッドを設け、その裏面に放熱プレート等の
    別部材を予め接着した半導体チップにおいて、前記半導
    体チップの前記三辺に対向するようにビームリードを配
    設したTABフィルムを前記半導体チップに対して位置
    付け、請求項1または2記載の接合装置によって、前記
    電極パッドと前記ビームリードを一括してギャングボン
    ディング接合したことを特徴とする半導体チップ。
  6. 【請求項6】 半導体チップが液体噴射記録ヘッドを構
    成するシリコン素子基板であり、記録用液体の吐出エネ
    ルギーを発生する複数の電気熱変換素子と該電気熱変換
    素子を駆動する駆動回路を備えていることを特徴とする
    請求項5記載の半導体チップ。
  7. 【請求項7】 記録用液体の吐出エネルギーを発生する
    複数の電気熱変換素子と該電気熱変換素子を駆動する駆
    動回路を備えた素子基板と、液体流路であるノズルと該
    ノズルに液体を供給する共通液室を備えた溝付き天板と
    からなり、両者を組み付けることにより形成される液体
    噴射記録ヘッドにおいて、 素子基板の一辺に沿って複数の電気熱変換素子を配し、
    他の三辺に沿って電極を配列した素子基板に対して、該
    素子基板の前記電極を配列した三辺に対向するように可
    撓性の絶縁フィルムを配設し、該フィルムは前記素子基
    板の三辺に配列された前記電極に向かって延びる金属導
    体のリードおよび該リードに連続した金属配線を有し、
    そして前記素子基板上の前記フィルムと対向しない一辺
    に沿って複数の電気熱変換素子を配した面の反対側の面
    に放熱プレートを接着し、請求項1または2記載の接合
    装置によって前記フィルムの前記金属導体のリードを前
    記電極に一括してギャングボンディング接合したことを
    特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 素子基板の複数の電気熱変換素子を配し
    た辺に交わる辺に沿って電源配線の電極を配列し、前記
    辺に対向する可撓性の絶縁フィルムから前記電極に向か
    って延在させ接合された金属導体のリードが電源配線で
    あることを特徴とする請求項7記載の液体噴射記録ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 可撓性の絶縁フィルムにおける外部との
    電気接続部となるコンタクトパッドを、素子基板の電気
    熱変換素子を配した面と反対側の面に設けたことを特徴
    とする請求項7または8記載の液体噴射記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 可撓性の絶縁フィルムは素子基板に電
    気的接合された後に、その中間部において予め曲げら
    れ、その後にノズルと該ノズルに液体を供給する共通液
    室を備えた溝付き天板に組み付けられることを特徴とす
    る請求項7ないし9のいずれか1項記載の液体噴射記録
    ヘッド。
  11. 【請求項11】 可撓性の絶縁フィルムは、一連の連続
    した穴を有するキャリアテープに保持されて連続的に搬
    送され、素子基板に接合後切断することによって素子基
    板の電気熱変換素子を配した辺に対向する部分の可撓性
    の絶縁フィルムを取り除くことを特徴とする請求項7な
    いし10のいずれか1項記載の液体噴射記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 可撓性の絶縁フィルムがポリイミドフ
    ィルムにより作製されていることを特徴とする請求項7
    ないし11のいずれか1項記載の液体噴射記録ヘッド。
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