JP2009292084A - 液体吐出記録ヘッドおよび該液体吐出記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

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恒 深井
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Abstract

【課題】電気配線基板の浮き上がりを改善し、画像性能を向上させること。
【解決手段】液体を吐出する記録素子110と、記録素子110に電気信号を送信するための電気配線基板130、記録素子110を電気配線基板130に位置決めして固定支持する支持部材150を備えたインクジェット記録ヘッドである。電気配線基板130には、記録素子110の吐出部を露出させる第一の開口部134と、第一の開口部134に近接する第二の開口部135、第二の開口部135を第一の開口部134から分離する分離帯130a、インナーリード132を有する。電気配線基板130は、電気導体層と、該電気導体層を保護する被覆層、該電気導体層と被覆層を接着する接着層を積層してなる。分離帯130aが電気配線基板130の線膨張係数より小さい該電気配線基板を構成する層からなる。このような電気配線基板130が加熱された後に支持部材150に接合されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、インク等の液体を吐出して記録を行う記録装置に搭載される液体吐出記録ヘッドおよびその製造方法に関するものである。なお、本発明の液体吐出記録ヘッドは、一般的なプリント装置のほかに、複写機、通信システムを有するファクシミリや、プリント部を有するワードプロセッサ等の記録装置に適用される。さらには当該記録ヘッドは、各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用の記録装置に適用することができる。
インクジェットプリンタ等の液体吐出方式の記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、高速な記録や、様々な記録メディアに対する記録が可能である。さらに記録時における騒音がほとんど生じないという特徴を有するため、プリンタ、ワードプロセッサ、ファクシミリ、複写機等の記録装置として広く採用されている。
図7は、一従来例による液体吐出記録ヘッドの主要部を示すもので、同図の(a)は、吐出面を示す斜視図であり、(b)は、(a)の反対面の斜視図である。
図7の(a)に示すように、液体吐出記録ヘッドである記録ヘッド1001は、以下の主要部材などから構成される。発熱抵抗体である電気熱変換体によってインクを加熱し、膜沸騰の作用によりインク滴を吐出させる記録素子1100が備わる。記録素子1100に装置本体(不図示)からの駆動信号等を印加する電気配線基板1300が備わる。インクタンク(不図示)から記録素子1100にインクを供給するためのインク流路を形成する支持部材1500が備わる。
インクタンクに接続される支持部材1500は、図7の(b)に示すように、接続部にフィルター1504およびシールゴム1505を備え、インクタンクからのインクを記録素子1100へと導く流路を形成している。
図8の分解斜視図に示すように、流路の出口となるインク供給口1506に対応して、記録素子1100のインク供給口(不図示)が、接着剤1501によって接続される。記録素子1100は、素子を組み込むための開口部1304を有する電気配線基板1300に電気的に接続される。具体的には、支持部材1500に接着固定された記録素子1100の電極部1103に対して、電気配線基板1300のインナーリード1302が接続できる位置に電気配線基板1300を支持部材1500に接着剤1502で固定する。また、電気配線基板1300に対して装置本体からの駆動信号等を入力する外部信号入力端子1301を有する部位は、支持部材1500の側面に接着剤1503によって接着固定される。
電気配線基板1300は、ベースフィルム、接着剤層、配線から構成される。電気配線基板1300は、記録素子1100の吐出部である吐出口列1101を有する流路形成部材1102を外部に露出する第1の開口部(デバイスホール)1304と、記録素子1100との電気接続部に設けた補助開口である第2の開口部1305を備える。
開口部1304、1305は、電気接続部と平行に延在する分離手段である分離帯1300aによって分離され、互に独立して配設されている。
図8は、記録ヘッド1001の組み立て過程を示すもので、記録素子1100の主面には、吐出口列1101を備える流路形成部材1102と電極部1103とが備わっており、電極部1103は第2の開口部1305に組み込まれる。電極部1103にはバンプ1104が形成され、インナーリード1302と電極部1103がバンプ1104を介して電気的に接続される(特許文献1参照)。
次いで、電気配線基板1300の第1の開口部1304より、記録素子1100の側面周囲に、第1の封止剤1201が充填される。このとき、電気配線基板1300の第1の開口部1304と第2の開口部1305を分離する分離帯1300aと、記録素子1100との間にも、毛細管現象によって第1の封止剤1201の一部が充填される。その後、第2の開口部1305の内側に第2の封止剤が充填されて、電気接続部が封止される(特許文献2参照)。
特開平10−000776号公報 特開2001−130001号公報
印刷品位や印刷スピードを向上するために吐出口列を増やした場合記録素子のサイズ(特に主走査方向の寸法)が拡大する。上記図7の記録ヘッドの場合では、記録素子サイズが拡大すると、記録素子1100上の電気配線基板1300の開口部が拡大して分離帯1300aが延長される。したがって、分離帯が長ければ長いほど、このような電気配線基板を支持部材に接着した場合に分離帯がたわんで太鼓状に浮き上がる現象が生じた。
他方、記録装置においては、記録ヘッド1001と記録紙等の記録媒体との間に、両者が接触しないように、例えば、2mm程度の間隔を空けている。しかし流路形成部材1102からの電気配線基板1300の浮き上がりが大きいほど、流路形成部材1102と記録媒体の間隔を大きくする必要があり、画像性能の低下を招く虞があるという課題が生じた。
本発明は、上記背景技術の課題を解決することができる液体吐出記録ヘッドおよびその製造方法を提供することを目的とする。その目的の一例は、電気配線基板の浮き上がりを改善し、画像性能を向上させることである。
本発明は、液体を吐出する吐出部を備えた記録素子と、前記記録素子に電気信号を入力するための電気配線基板と、前記記録素子を前記電気配線基板に位置決めして固定支持する支持手段と、を備えた液体吐出記録ヘッドに係るものである。
そして、上記記電気配線基板が、上記記録素子の吐出部を露出させる第一の開口部と、該第一の開口部に近接する第二の開口部と、該第二の開口部を前記第一の開口部から分離する分離手段と、を有している。
このような記録ヘッドにおいて、上記電気配線基板は、電気導体層と、該電気導体層を保護する被覆層と、前記電気導体層と前記被覆層を接着する接着層とを含む構成であり、前記分離手段が、前記電気配線基板の線膨張係数より小さい前記電気配線基板を構成する層からなる。そのうえ、このような電気配線基板が加熱されてから前記支持手段に接合されている。
本発明によれば、流路形成部材からの電気配線基板の浮き上がりを改善し、印刷品位を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、記録ヘッド100は、液体であるインクを吐出するエネルギー発生手段を備えた記録素子110と、記録素子110と電気的に接続される電気接続部を有する電気配線基板130と、を備える。さらに当該記録ヘッドは、記録素子110を電気配線基板130に位置決めして固定支持する支持手段を備えている。
電気配線基板130は、記録素子110の吐出部である吐出口列111を有する流路形成部材112を外部に露出する第1の開口部(デバイスホール)134と、記録素子110との電気接続部に設けた補助開口である第2の開口部135と、を備える。開口部134、135は、電気接続部と平行に延在する分離手段である分離帯130aによって分離され、互に独立して配設されている。
電気配線基板130は、電気導体層と、電気導体層を保護する被覆層と、電気導体層と被覆層を接着する接着層とから成り、分離帯130aが電気配線基板130の線膨張係数より小さい層で構成されている。
記録ヘッド100の組立工程において、電気配線基板130は加熱された状態で支持手段に接合固定される。
「実施例1」
図1から図4は本発明の実施例1の液体吐出記録ヘッドを示したものである。
本実施例の記録ヘッドは、電気信号に応じて膜沸騰を液体であるインクに対して生じせしめるための電気熱変換体を有する記録素子110を用いて記録を行うバブルジェット方式のサイドシューター型記録ヘッドである。
図1(a)(b)に示される記録ヘッドは、流路形成部材112を有する記録素子110、電気配線基板130、これらを固定支持する支持手段である支持部材150等で構成される。尚、図1(a)は記録ヘッドの斜視図、図1(b)は図1(a)中のC1の領域の拡大図である。
電気配線基板130は、図示しない外部配線と接続される外部信号入力端子131と、記録素子110の流路形成部材112を露出するデバイスホールである第1の開口部134と、補助開口である一対の第2の開口部135と、を備える。
第1の開口部134内の記録素子110の側面を封止する封止剤121と、第2の開口部135を電気配線基板130の表面側から封止する封止剤122と、からなる封止部を有し、開口部134、135の間は分離帯130aによって分離されている。
記録素子110は、シリコン製の基板の中央にインク供給口を長穴の形状で開け、この基板上に複数の発熱抵抗体からなる電気熱変換体をほぼ等間隔でインク供給口の両縁に沿って配列したものを含む。
このように発熱抵抗体が形成された基板は、ヒーターボード110a(図4参照)と呼ばれている。記録素子110の本体部に相当するヒーターボード110aの主面には、発熱抵抗体に電力を供給するための配線が設けられ、図3に示すように、記録素子110の両端に設置された電極部113と結線されている。そして、このようなヒーターボード110a上に保護膜と吐出口列111を有する流路形成部材112とを形成して、記録素子110が完成する。
発熱抵抗体は、装置本体からの駆動信号によって、インクを加熱し、膜沸騰の作用によりインク滴を吐出させる。また、流路形成部材112の表面は撥水処理されており、流路形成部材112の厚みは、例えば、25μmである。
電気配線基板130は、記録装置の本体から外部信号入力端子131を経て供給される駆動信号を、電気接続手段であるインナーリード132(図3(b)参照)によって、記録素子110に伝えるものであり、例えばTABテープが用いられる。記録装置の本体は、記録媒体を記録ヘッドの吐出口に対向するように搬送する搬送手段を備える。
また図4に示すように、電気配線基板130は、ベースフィルム137に接着剤138を介して、インナーリード132に接続する配線139が積層された積層構造を有する。
流路形成部材112を露出する第1の開口部134と、電極部113とインナーリード132との電気接続部を露出する第2の開口部135とは、電気配線基板130のベースフィルム137に形成される。そして両開口部は、ベースフィルム137の一部である分離帯130aによって分離されている。
分離帯部の線膨張係数が、電気配線基板の線膨張係数よりも小さくなるように考慮されている。そのために本実施例ではベースフィルムには宇部興産(株)社製ユーピレックスS(線膨張係数:12.0×10-6/℃)、配線には電解銅箔(線膨張係数:16.5×10-6/℃)、接着剤には(株)巴川製紙所製X-Typeが使用されている。また、各材料の厚みについてはベースフィルム137が50μm、接着剤138が10μm、配線139が25μmである。
分離帯130aの幅L2 は、広いほど、対応する記録素子110のサイズも大きくなってしまうため、できるだけ狭い方が望ましい。本実施例では、開口部134、135の打ち抜きを行う金型の加工精度や、ベースフィルム137の材料となる剛性を考慮して、例えば、分離帯130aの幅L2 が0.35mmに設定されている。
また、分離帯130aからインナーリード132の先端までの距離L3 も、できるだけ狭くすることによって、対応する記録素子110のサイズを小さくすることができる。本実施例では、TABテープの加工精度を考慮して、距離L3 は0.1mmに設定されている。開口部135の長辺の長さが8mm以上の場合には、電気配線基板130の加熱前は分離帯130bにたわみが生じた状態になる(図2中に実線で示した電気配線基板を参照)。
図2および図4に示すように、記録素子110は接着剤151によって支持部材150に固定され、電気配線基板130は接着剤152、153によって支持部材150に固定される。
支持部材150は樹脂成形により形成され、インクタンク(不図示)から記録素子110にインクを供給するためのインク流路156が形成されている。支持部材150とインクタンクとの接続部分にはフィルターおよびシールゴムが設けられている、記録素子110は、支持部材150に形成された凹部157に組み込まれる。
支持部材150に設けられたインク流路156に記録素子110のインク供給口(不図示)が対応するように位置決めしたうえで、記録素子110が接着剤151によって固定される。
記録素子110は、流路形成部材112からなる主面を電気配線基板130の第1の開口部134に組み込んで、第2の開口部135に突出するインナーリード132に電気接続される。
電気配線基板130は、内部にカートリッジヒータ201が組み込まれた銅製の金属ブロック200に真空吸着保持されて加熱される。
電気配線基板130は加熱されることで熱膨張し、第一の開口部134は電気配線基板の線膨張係数に従い拡大する。分離帯130aは、電気配線基板130の線膨張係数より小さいベースフィルム材で構成されている。そのためベースフィルム材の線膨張係数に従いに分離帯は伸びようとするが、電気配線基板130の熱膨張に伴って拡大する第一の開口部134に引っ張られて、分離帯130aのたわみが解消される(図2中に一点鎖線で示した電気配線基板を参照)。
分離帯130aのたわみが解消された状態の電気配線基板130は、支持部材150に固定された記録素子110の電極部113に対して電気配線基板130のインナーリード132が接続できる位置に合せられ、接着剤152で支持部材150に接着固定される。
なお、電気配線基板130が接着固定される部材は、支持部材150に接合された、支持部材150に記録素子110を組み込むための開口部を有したプレート状の部材でも良い。
支持部材150または、支持部材150に記録素子110を組み込むための開口部を有したプレート状の部材は、樹脂成形から形成されているため熱伝導率が低いことから、温度上昇が小さいまま、電気配線基板側からの加熱でも効率よく接着できる。
位置決め固定された記録素子110の電極部113と電気配線基板130のインナーリード132は、電極部113に設けられたバンプ114を介して、TAB実装技術によって電気的に接続される。
接着剤152としては、熱硬化型の接着剤であり、金属ブロック200が電気配線基板130を保持し支持部材150に当接している短時間で硬化するものを使うと良い。
装置本体からの駆動信号を受け取る外部信号入力端子131を有する電気配線基板130の部位は、接着剤153によって、支持部材150に接着固定される。
次いで、電気配線基板130の第1の開口部134より、記録素子110の側面周囲に、第1の封止剤121が充填される。
第1の封止剤121は、直接塗布することのできない電気接続部(インナーリード132)の裏側まで充填させる必要があるため、初期の粘度が低く流動性の良いものが用いられる。本実施例においては、例えば、熱硬化型の封止剤であるサンユレック社製 NR200Cが使用されている。そして、第1の封止剤121を、例えば、100℃で1時間から4時間程度、加熱することにより、記録素子110の側面全体に充填し、第1の封止剤121の一部121aは電気接続部(インナーリード132)の裏側まで充填し仮硬化する。
記録素子110の側面全体への第1の封止剤の充填および仮硬化と同時に、記録素子110と分離帯130aの間にも、毛細管現象によって第1の封止剤121の一部121bが充填され仮硬化する。この事により、分離帯130aは、記録素子110の主面に接着固定され、第2の開口部135は、開口周囲がせき止められたダム形状となる(図4参照)。
ダム形状となった第2の開口部135には第2の封止剤122が充填され、電気接続部が封止される。
第2の封止剤122は、深さが例えば、0.1mmほどのダム形状部に充填されため、第1の封止剤121と同様に初期粘度が低く、レベリング性の良いものを用いることができる。よって、第2の封止剤122の高さを電気配線基板130のベースフィルム137(分離帯130a)の表面とほぼ同じにすることができ、外周がベースフィルム137で囲われ、外力を受けにくい構成とすることができる。例えば、記録装置本体に備わるワイピング機構に対しても、ワイパーブレードから受ける接触時の外力が小さくなる。
本実施例では、第1の封止剤121と同じ、サンユレック社製 NR200Cが第2の封止剤122として用いられる。第1、第2の封止剤121、122を同一の材料にすることにより、両者の接着性を向上させることができる。第2の封止剤122を充填した後、例えば、150℃で3時間程度、加熱することにより、第1の封止剤121および第2の封止剤122を完全に硬化することができる。
本実施例の記録ヘッドにおいては、電気配線基板130の分離帯130aを線膨張係数の小さいベースフィルム137で構成し、電気配線基板130を加熱して分離帯130aのたわみを解消して支持部材150に接着固定する方法が採られている。
こうした手法により、流路形成部材112からの電気配線基板130の浮き上がり高さを抑えることが出来る。その結果、記録ヘッドと、図示しない搬送手段によって記録ヘッドと対向するように搬送される記録媒体との間隔を縮め、記録装置の印字品位等を向上させることができる。
「実施例2」
図5および図6は本発明の実施例2の液体吐出記録ヘッドを示したものである。
本実施例の記録ヘッドは、上記実施例1の構成と同様、流路形成部材112を有する記録素子110、電気配線基板130、これらを固定支持する支持手段である支持部材150等で構成される。
色数や吐出口数が増えて記録素子サイズがさらに大きくなると、インクを吐出するための発熱抵抗体が増え多くのエネルギーが消費され記録素子はより高温となる。記録素子110が高温となることで、記録素子110と支持部材150とを接着剤151で接着する接合部にストレスが生じる。
このストレスを軽減するには記録素子の線膨張係数と同等の線膨張率を有する材料で支持部材150を構成するとよい。
よって本実施例の記録素子110の基材には、実施例1と同様にシリコン(Si 線膨張係数:4.2×10-6)が用いられ、支持部材150にはアルミナ(Al23 線膨張係数:7.2×10-6)が用いられている。
支持部材150は記録素子110よりも体積が大きく、アルミナは熱伝導率が24W/(m・K)あり、電気配線基板130の上面側からだけの加熱では支持部材150に熱が逃げてしまい接着剤152に効率よく熱が伝わり難い。接着の効率を更に上げるためには支持部材150も加熱することで効率よく接着を行うことが出来る。
実施例1と同様に電気配線基板130は加熱されることで熱膨張し、第一の開口部134は電気配線基板130の線膨張係数に従い拡大する。
分離帯130aは、電気配線基板130の線膨張係数より小さいベースフィルム材で構成されている。そのためベースフィルム材の線膨張係数に従い伸びようとするが、電気配線基板130の熱膨張に伴って拡大する第一の開口部134に引っ張られて、分離帯130aのたわみが解消される(図6中に一点鎖線で示した電気配線基板を参照)。
さらに、内部にヒーター202が組み込まれた銅製のブロック204により、分離帯のたわみが解消される温度と同等に支持部材150を加熱することで、接着の効率を良くすることが出来る。
分離帯部のたわみが解消した温度から常温に戻しても当該たわみの解消を維持するために、支持部材150の線膨張係数は電気配線基板130の線膨張係数より小さく設定されている。この事により、電気配線基板130を支持部材150に接着固定後の常温状態においても、分離帯部は電気配線基板130の開口に引っ張られた状態を維持し、たわみは生じない。
以上のような手法で流路形成部材112からの電気配線基板130の浮き上がり高さを抑えることにより、記録ヘッドと、図示しない搬送手段によって記録ヘッドと対向するように搬送される記録媒体との間隔を縮めることができる。その結果、記録装置の印字品位等を向上させることができる。
すなわち本発明では、デバイスホール(第一の開口部134)に近接する補助開口(第二の開口部135)と、補助開口をデバイスホールから分離する分離手段(分離帯130a)が、電気配線基板の線膨張係数より小さい当該電気配線基板を構成する層からなる。このような電気配線基板が加熱されて支持手段に接合されるため、流路形成部材からの電気配線基板の浮き上がりが抑えられる。
これによって、液体吐出記録ヘッドと記録媒体との間隔を縮めることが可能となり、印字品位等を大幅に向上させることができる。
尚、以上では、インクジェット記録分野において記録用のインクを吐出するのに使用されるインクジェットヘッドについて説明したが、本発明は、医療分野において液状薬剤を霧状として肺吸入させる際に使用される吸入装置などで液体を微小な液滴として吐出するヘッドにも好適に用いられる。薬剤吸入用のヘッドとして用いる場合は、ヘッドを薬剤のディスペンサと連結した構成とし、吐出する液体としては、インスリン、人成長ホルモン、性腺刺激ホルモンなどの蛋白製剤、ニコチン、または麻酔薬などが用いられる。
本発明の実施例1による液体吐出記録ヘッドを示すもので、(a)はその主要部を示す斜視図、(b)は(a)の方形C1 で囲んだ部分を拡大して示す拡大部分斜視図である。 図1の記録ヘッドの組立て手順を示す分解斜視図である。 図1の記録ヘッドを、封止剤による封止前の状態で示すもので、(a)はその斜視図、(b)は方形C2 で囲んだ部分を拡大して示す拡大部分斜視図、(c)は分離帯に浮きを生じた場合の方形C2で囲んだ分を拡大した手示す拡大斜視図である。 図1の記録ヘッドの一部分を、図1の(b)のB−B線に沿った断面で示す部分断面図である。 本発明の実施例2による液体吐出記録ヘッドの斜視図である。 図5の記録ヘッドの組立て手順を示す分解斜視図である。 一従来例を示すもので、(a)は記録ヘッドの主要部を示す斜視図、(b)は(a)の支持部材の反対側を示す斜視図である。 図7の記録ヘッドを分解して示す分解斜視図である。
符号の説明
110 記録素子
111 吐出口列
112 流路形成部材
113 電極部
120 封止部
121、122 封止剤
130 電気配線基板
130a 分離帯
132 インナーリード
134 第1の開口部
135 第2の開口部
150 支持部材
151〜153 接着剤

Claims (6)

  1. 液体を吐出する吐出部を備えた記録素子と、前記記録素子に電気信号を入力するための電気配線基板と、前記記録素子を前記電気配線基板に位置決めして固定支持する支持手段と、を備え、
    前記電気配線基板が、前記記録素子の前記吐出部を露出させる第一の開口部と、該第一の開口部に近接する第二の開口部と、該第二の開口部を前記第一の開口部から分離する分離手段と、を有する液体吐出記録ヘッドにおいて、
    前記電気配線基板は、電気導体層と、該電気導体層を保護する被覆層と、前記電気導体層と前記被覆層を接着する接着層とを含む構成であり、
    前記分離手段が、前記電気配線基板の線膨張係数より小さい前記電気配線基板を構成する層からなり、且つ、
    当該電気配線基板が加熱された後に前記支持手段に接合されていることを特徴とする液体吐出記録ヘッド。
  2. 前記分離手段が前記電気配線基板の前記被覆層により構成されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出記録ヘッド。
  3. 前記支持手段の線膨張係数が前記電気配線基板の線膨張係数より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出記録ヘッド。
  4. 液体を吐出する吐出部を備えた記録素子と、前記記録素子に電気信号を入力するための電気配線基板と、前記記録素子を前記電気配線基板に位置決めして固定支持する支持手段と、を備え、
    前記電気配線基板が、前記記録素子の前記吐出部を露出させる第一の開口部と、該第一の開口部に近接する第二の開口部と、該第二の開口部を前記第一の開口部から分離する分離手段と、を有する液体吐出記録ヘッドの製造方法において、
    前記電気配線基板を、電気導体層と該電気導体層を保護する被覆層とを接着して構成するとともに、前記分離手段を、前記電気配線基板の線膨張係数より小さい前記電気配線基板を構成する層により構成し、
    該電気配線基板を加熱した後に前記支持手段に接合することを特徴とする液体吐出記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記分離手段を前記電気配線基板の前記被覆層により構成したことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記支持手段の線膨張係数が前記電気配線基板の線膨張係数より小さいことを特徴とする請求項4または5に記載の液体吐出記録ヘッドの製造方法。
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