JP4109898B2 - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14024Assembling head parts

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体の記録面に対してインクを吐出し記録画像を得るインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のインク吐出口からインクが記録データに基づき記録媒体の記録面に対して選択的に吐出されてそのインクがその記録面に付着されて画像を形成するインクジェット記録装置が実用に供されている。このようなインクジェット記録装置においては、記録媒体の記録面に対して対向して配され記録媒体の搬送方向に直交する方向に走査されるキャリッジ部に選択的に搭載されるインクジェット記録ヘッドが備えられている。
【0003】
サイドシュータ型とされるインクジェット記録ヘッド16は図8に示されるように、例えば、インクタンクITが装着されるインク供給部18Bと、図示が省略されるキャリッジ部に電気的に接続されキャリッジ部からの駆動制御信号群が入力される入力端子部18Aとからなる本体部18と、本体部18のインク供給部18Bにおける凹部18BGの被接合面18bに接合される支持部材20と、支持部材20における第2の接合面としての上面に接着される記録素子基板24と、記録素子基板24に電気的に接続され入力端子部18Aからの駆動制御信号群を供給するプリント配線基板22とを含んで構成されている。
【0004】
本体部18は、入力端子部18Aとインク供給部18Bとが例えば、樹脂により一体に成形されている。本体部18のインク供給部18BにおけるインクタンクITが装着される部分に対向する上面には、図8および図9に示されるように、略長方形の凹部18BGが設けられている。凹部18BGの底部は、支持部材20が接着される被接合面18bとされる。被接合面18bの一部は、例えば、アルミニウム合金で作られたブロック片26の表面によって形成されている。ブロック片26は、本体部18が成形されるとき、金型内に配置されて樹脂で包囲されたものである。被接合面18bの略中央部には、インクタンクITからのインクを導入するインク供給路18aの細長い開口端部が開口している。
【0005】
記録素子基板24は、図10、および、図11に示されるように、インク供給部におけるインク供給路の開口端部に連通するインク供給開口部10cを有する基板10と、基板10におけるインク加熱部としてのヒータ10aに対応してそれぞれ設けられる複数のインク分岐供給路12aを形成する隔壁部材12と、基板10における各ヒータ10aに対向して設けられる複数のインク吐出口14aの配列が平行に2列形成されるオリフィスプレート14とを含んで構成されている。
【0006】
記録素子基板24における基板には、例えば、厚さ0.5〜1.0mmのシリコン材料で薄膜が形成されている。また、基板におけるインク供給部18Bの凹部18BGの被接合面18bに接着剤により接着せしめられる面には、図9の(A)に示されるように、オリフィスプレートに対向しインク吐出口24aの配列方向に伸びるインク供給開口部24cが設けられている。さらに、その基板におけるインク供給開口部24cを挟んだ両側部分には、図示が省略されるヒータが所定の相互間隔をもってそれぞれ配されている。隔壁部材におけるインク分岐供給路の一方の端部はインク供給開口部24cに連通しており、各インク分岐供給路は、インク供給開口部24cを通じて供給されるインクをそれぞれのヒータに導くものとされる。
【0007】
記録素子基板24における基板の各電極には、図8および図9に示されるように、プリント配線基板22が電気的に接続されている。プリント配線基板22は、記録素子基板24が配置される記録素子基板収容部24Bと、本体部18における入力端子部18Aに配される端子部24Aとを有している。プリント配線基板22と記録素子基板24とをボンディングするにあたっては、例えば、TAB(テープ・オートメイティド・ボンディング)方式により接続される。
【0008】
記録素子基板24とインク供給部18Bの凹部18BGの被接合面18bとの間に配される支持部材20は、図8および図9に示されるように、長方形の板状に形成されている。支持部材20は、例えば、記録素子基板24の材質と同一のシリコンで作られている。
【0009】
支持部材20は、図9の(A)に示されるように、記録素子基板24におけるインク供給開口部24cが設けられる面に接着される第2の接合面20saと、インク供給部18Bの凹部18BGの被接合面18bに接着される第1の接合面20sbとを有している。また、支持部材20は、記録素子基板24におけるインク供給開口部24cとインク供給部18Bの凹部18BGの被接合面18bに設けられるインク供給路18aとに対応する位置に、長手方向に細長く伸びる連通路20aが設けられている。さらに、支持部材20の短辺、および、長辺の長さは、それぞれ、記録素子基板24の短辺、および、長辺の長さと同一とされ、支持部材20の厚さは、記録素子基板24の厚さと略同一とされる。
【0010】
プリント配線基板22が接続された記録素子基板24をインク供給部18Bに配置するにあたっては、先ず、支持部材20の第1の接合面20sbが被接合面18bの所定の位置に接着剤により接着される。続いて、図9の(B)に示されるように、支持部材20の第2の接合面20saが記録素子基板24におけるインク供給開口部24cが設けられる面に接着剤により接着される。その接着剤は例えば、粘度が低く、接触面に形成される接着層が薄く、かつ、硬化後、比較的高い硬度を有するものが望ましい。
【0011】
かかる構成のもとで、プリント配線基板22を通じて記録素子基板24における基板の各ヒータに駆動制御信号が供給されて各ヒータが発熱するとき、インク供給路18aを通じてインクが隔絶部材のインク分岐供給路を介し導入される。インクが各ヒータにより加熱されて膜沸騰現象により気泡が発生し気泡の膨張に伴ってそのインクがインク吐出口24aから記録媒体の記録面に向けて吐出されることとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来例には以下の課題がある。
すなわち、ノズル数が増え、記録素子基板の長さが更に長くなると支持部材をシリコンで形成した場合でも、線膨張係数がシリコンに近いアルミナ等を使用した場合でも下記の問題が発生する場合があることを見出した。以下に支持部材と記録素子基板とを接合する接着剤の特性に応じた問題点を指摘する。
(1)熱硬化型接着剤を使用した場合
記録素子基板と支持部材を熱硬化型接着剤で接着した場合は硬化温度は室温より高くなる。つまり、本体部のアルミブロック、さらに支持部材、記録素子基板は全て室温時より膨張した状態で接着され、接着後記録ヘッド温度が低下するにつれ各部材は収縮する。一般にアルミブロックは記録素子基板、支持基板より線膨張係数が大きいので記録ヘッド温度低下時の収縮率が大きい。その結果、接着後に記録ヘッドが室温に戻る際にアルミブロックの寸法変化が記録素子基板や支持基板より大きくなり、記録素子基板、支持基板、アルミブロックの間に応力が発生する。ノズル数が少なく記録素子基板が短い場合は、温度変化時の寸法変化が小さく発生応力も小さい。そのため支持基板にシリコンや、アルミナを使えば発生応力に抗して記録素子基板の変形量を小さくおさえることが可能である。しかしながら、ノズル数が増え記録素子基板が長くなると、接着後の記録素子基板、支持基板とアルミブロックの寸法変化の差が大きくなりこれに従って発生応力も大きくなる。そのため、支持基板にシリコンやアルミナを使っても、発生応力に抗しきれず記録素子基板が大きく変形する場合がある。それによりインクジェット記録装置の記録ヘッドからの着弾位置がずれて印字品位が劣化したり、さらには記録素子基板が壊れたりする場合がある。
(2)低温硬化型接着剤を使用した場合
記録素子基板と支持部材を室温に近い低温硬化型接着剤で接着した場合は上記の問題は無くなるが、印字動作中に記録ヘッド温度が上昇するときに同様の問題が発生する。すなわち、印字動作中にヘッド温度が上昇するとアルミブロックと記録素子基板、支持基板は膨張し、夫々の寸法が大きくなる。特にアルミブロックは記録素子基板、支持基板より線膨張係数が大きいので、寸法変化が大きく、ヘッド温度上昇時にアルミブロックと記録素子基板、支持基板との寸法変化に差が生じる。その結果、記録素子基板、支持基板、アルミブロックの間に応力が発生する。
ノズル数が少なく記録素子基板が短い場合は温度変化時の寸法変化が小さく発生応力も小さい。そのため支持基板にシリコンや、アルミナを使えば発生応力に抗して記録素子基板の変形量を小さくおさえることが可能である。しかしながら、ノズル数が増え記録素子基板が長くなると接着後の記録素子基板、支持基板とアルミブロックの寸法変化の差が大きくなりこれに従って発生応力も大きくなる。そのため、支持基板にシリコンやアルミナを使っても発生応力に抗しきれず記録素子基板が大きく変形し、着弾位置がずれて印字品位が劣化したり、記録素子基板が壊れたりする場合がある。
【0013】
そこで、本発明は、上記課題を解決し、ノズル数の増加により、記録素子基板が長くなった場合でも、記録素子基板を接着するときの温度と室温の差や、駆動時の温度変化で記録素子基板が変形することなく常に高品位な画像を印字できるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、つぎの(1)〜()のように構成したインクジェット記録ヘッドを提供するものである。
(1)インクを加熱するインク加熱部と、該インク加熱部により加熱されたインクを吐出するインク吐出口と、を有する記録素子基板と、
インク貯留部からのインクを導入するインク供給路を有する本体部と、
前記本体部に接合される第一の接合面と、該第一の接合面の裏面であって前記記録素子基板に接合される第二の接合面と、を有する接合部材と
を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記第一の接合面における前記本体部との第一の接合部は、前記第二の接合面における前記記録素子基板との第二の接合部に対し、これらの接合面に沿った方向にずらした位置に構成され、熱変化による応力を前記第一の接合部と前記第二の接合部との間に介在する前記接合部材の変形によって吸収することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
)前記接合部材が、樹脂、金属板、樹脂と金属の複合材のいずれかによって構成されていることを特徴とする上記(1)に記載のインクジェット記録ヘッド。
)前記接合部材が、ポリイミドによって構成されていることを特徴とする上記(1)に記載のインクジェット記録ヘッド。
)前記接合部材が、記録素子基板の発熱素子駆動用の電極配線を備えていることを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
)前記接合部材が、電極配線を樹脂でラミネートした構成を有することを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
)前記記録素子基板と前記本体部とは、直接接合される部分を有することを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
)前記記録素子基板と前記本体部とにおいて、前記直接接合される部分が複数個所からなることを特徴とする上記()に記載のインクジェット記録ヘッド
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態においては、上記構成を適用することによって、記録媒体の記録面に対してインクを吐出し記録画像を得るインクジェット記録ヘッドにおける記録素子基板を、本体部に接着固定するにあたり、ノズル数を増やし、記録素子基板が長くなった場合でも、記録素子基板を接着するときの温度と室温の差や、駆動時の温度変化で記録素子基板が変形することなく常に高品位な画像を印字できるインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【0016】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
図1、図2に、本発明の実施例1におけるインクジェット記録ヘッドの構成を示す。図1はインクジェット記録ヘッドの斜視図、図2は図1のインクジェットヘッドの断面模式図を示す。但し図においては記録素子基板における流路、吐出口部の構成は省略している。
図1、図2に従って説明する。図中、1は本体部、2は吐出口からインクを吐出する記録素子基板、3は本体部と記録素子基板の間に接合される接合部材であり、本実施例のインクジェット記録ヘッドは大きくこの3つの構成要素から構成されている。
ここで、本体部1は、インクタンクからインクが供給されるインク供給部1aと、図示が省略されるキャリッジ部からの駆動制御信号群が入力される入力端子部1bを備えている。
【0017】
記録素子基板2には、図示されないプリント配線基板によって、入力端子部からの駆動制御信号群が供給される。記録素子基板2の内部構造は図10に示される記録素子基板と同様なので説明は省略する。記録素子基板2は厚さ0.5〜1.0mmのシリコン材料からなり、接合部材と接合される接合面A’側にはインク吐出口の配列方向に延びるインク供給開口部が設けられている。
【0018】
本体部1のインク供給部1aには略長方形の凹状の液室1dが設けられている。液室1dの略中央には図示されないがインク貯留部からのインクを液室内に導入するための細長い開口部があり、その上にインク中のゴミを除去するためのフィルタ1eが設けられている。液室1dには更に、本体部と記録素子基板を直接接合するための記録素子支持部1cが設けられている。記録素子支持部1cを接合部材3と直接接合することによって記録素子基板2の位置が高精度に維持される。
【0019】
接合部材3の接合面Bは本体部1の接合面のB’と接合され、また接合部材3の接合面Aは記録素子基板2の接合面A’と接合される。実際に接合される接合領域は図2に示すように接合面AA’、接合面BB’の一部であり、それぞれは水平方向にずれている。接合部材の中央にはインクを液室から記録ヘッドのインク供給開口部に供給するための連通口としてインク供給口があいている。
【0020】
接合部材3は記録素子基板2より伸び強さが弱い例えば0.5mm程度の薄いポリイミドなどの樹脂からなる。ポリイミドはインク成分に侵されにくい上、耐熱性もあり、かつ柔らかいので接合部材として非常に適している。なお、接合部材3の素材は、樹脂に限らず、薄いSUSなどの金属、またはアルミ(Al)と樹脂の多層ラミネート材のような金属と樹脂の複合材でもよい。金属の場合はガスバリア性が高く、インク蒸発を極めて低レベルに抑えることが可能となる。しかしインク成分に侵されず、溶け出してコゲの原因にもならない金属種は選択肢が限られる上、薄くしても伸び強さが比較的強いため記録素子基板が変形し易いというデメリットがある。これに対して、樹脂と金属の複合材は薄い金属板、もしくは金属蒸着膜を樹脂でサンドイッチした多層構造で、インク成分には金属が直接触れないので金属がインクに侵されたり、溶け出してコゲの原因になることはない。加えて、サンドイッチした金属膜によってインクの蒸発は抑制されるので非常に適している。
また、接合部材は記録素子基板より伸び強さが弱いものであれば良く、好ましくは以下の関係を満たすものがよい。
すなわち
Es・ts3・ws>Ea・ta3・wa
ここで、
Es:記録素子基板のヤング率(dyn/cm2
ts:記録素子基板の厚み(cm)
ws:記録素子基板の幅(cm)
Ea:接合部材のヤング率(dyn/cm2
ta:接合部材の厚み(cm)
wa:接合都材の幅(cm)
である。
【0021】
かかる構成で記録素子基板、接合部材、支持部材、インク供給部材を熱硬化型接着剤で接着すると、硬化温度が室温より高いため、各部材は全て室温時より膨張した状態で接着され、接着後ヘッド温度が低下するにつれ各部材は収縮する。通常、支持部材、インク供給部材は樹脂でできているので線膨張係数は記録素子基板より大きい。また、接合部材にも樹脂を用いると線膨張係数は記録素子基板より大きくなる。従って、接着後のヘッド温度低下時での記録素子基板と他の部材の収縮率が異なり寸法変化に差が発生する。しかし、上記に説明したように接合部材を記録素子基板より伸び強さの弱い部材にすることにより、上記熱変化による応力を接合部材の変形により吸収することができ、記録素子基板への影響が軽減される。それにより、熱硬化型接着剤を使用による記録ヘッドへの熱の影響を、問題のないレベルに押さえることができる。
さらに上記実施例のように、記録基板素子と接合部材の接合部AA’と接合部材と本体部の接合面BB’とを水平方向にずらして(軸をずらして)構成すること、かつまた接合部材の伸び強さを記録素子基板より弱くすることで、上記記録素子基板とその他の部材との寸法変化差によって発生する応力は接合部AA’と接合部BB’の間に介在する接合部材が変形することによって吸収される。それにより記録素子基板には、上記熱、応力に関する影響はほとんど発生しない。
上記のずらした接合部間の接合部材の変形による応力吸収は、記録素子基板と本体部を柔軟な特性を有する接着剤または樹脂で直接貼りつけた構成よりも変形量を格段に大きくできるため、応力吸収効果の面において優れている。
そのため本構成によればノズルの数を多くし記録素子基板の長さを長くしても(例えば1インチ以上の長さの記録素子基板に特に有効)記録素子基板をほとんど変形させずにヘッド実装が可能となる。
また、本実施例においては、図1,2に示すように、記録素子基板の端部記録素子支持部1cと直接接合することにより、吐出口に近い中央領域での位置精度を出しつつ、その周辺部で応力を吸収する構成としている。それにより、結果的に高品位の印字を可能としている。
これらによって、本構成ではノズル数が多くなって記録素子基板が長くなっても記録素子基板の変形を確実に防止しながら、記録素子基板の位置を高精度に保つことが可能となる。
また、記録素子基板、接合部材、支持部材、インク供給部材を低温(室温)硬化型接着材で接着した場合の印字動作中のヘッド昇温による各部材の膨張率の違いによる応力発生に対しても本構成は同様に効果がある。
すなわち、印字動作中にヘッド温度が上昇すると各部材は膨張し、寸法が大きくなる。通常、支持部材、インク供給部材は樹脂でできているので線膨張係数は記録素子基板より大きい。また、接合部材にも樹脂を用いると線膨張係数は記録素子基板より大きくなる。従って、印字動作中にヘッド温度が上昇すると記録素子基板と他の部材の膨張率が異なり寸法変化に差が発生する。
しかし、上記に説明したように接合部材を記録素子基板より伸び強さの弱い部材にすることにより、上記熱変化による応力を接合部材の変形により吸収することができ、記録素子基板への影響が軽減される。
さらに上記実施例のように、記録基板素子と接合部材の接合部AA’と接合部材と本体部の接合面BB’とを水平方向にずらして(軸をずらして)構成すること、かつまた接合部材の伸び強さを記録素子基板より弱くすることで、上記記録素子基板とその他の部材との寸法変化差によって発生する応力は接合部AA’と接合部BB’の間に介在する接合部材が変形することによって吸収される。それにより記録素子基板には、上記熱、応力に関する影響はほとんど発生しない。
そのため本構成によればノズルの数を多くし記録素子基板の長さを長くしても(例えば1インチ以上の長さの記録素子基板に特に有効)記録素子基板をほとんど変形させずにヘッド実装が可能となる。
【0022】
[実施例2]
図3、図4に、本発明の実施例2の構成を示す。
本実施例では、接合部材3が記録素子基板へ駆動制御信号群を供給するプリント配線基板を兼ねるように構成されている。
接合部材3は電極が樹脂でラミネートされた構造で、記録素子基板と電気接続を取るための電極パッドとキャリッジと電気接続をとるためのキャリッジ電極コンタクト部が樹層の上にむき出しになっている。接合部材は図4に示すように本体部に取付けられワイヤボンダなどによって記録素子基板から接合部材の電極パッドに電極を配線してある。
キャリッジ電極コンタクト部は矢印の方向に折り曲げられ本体部の側壁に装着される。
本実施例によれば、実施例1と同様の利点を有しながら更に、記録素子基板に駆動制御信号群を供給するプリント基板を別部品として用いなくてもよくなり、コストダウンが可能となる。
【0023】
[実施例3]
図5、図6、図7に、本発明の実施例3の構成を示す。
本実施例では、接合部材3が本体部1の断面積より大きい面積を持ち、放熱部も兼ねるように構成されている。図6に示すように本体から大きくはみ出した接合部材を矢印の方向に折り曲げ、図7に示すように本体部の側面に装着する。
接合部材は金属材料または金属材料を樹脂でラミネートしたもの、インクに接する領域だけ金属を樹脂でラミネートし放熱部は金属むき出しにしたものによって構成されている。
本実施例によれば、印字動作中に記録素子基板で発熱した熱を接合部材を経由して効率よく外気に放熱できるので記録素子基板の温度が上がりにくく、更に記録素子基板の変形量を小さくすることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、記録素子基板と記録ヘッドの本体部の間に接合した接合部材の伸び強さが記録ヘッドより弱いので、ノズル数が増え、記録素子基板が長くなった場合でも、記録素子基板を接着するときの温度と室温の差や、駆動時の温度変化で記録素子基板が変形することなく常に高品位な画像を印字できるインクジェット記録ヘッドを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるインクジェット記録ヘッドの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1におけるインクジェット記録ヘッドの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例2の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例2の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施例3の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例3の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例3の構成を示す図である。
【図8】従来例におけるインクジェット記録ヘッドの構成を示す図である。
【図9】従来例の構成を示す図である。
【図10】従来例の記録素子基板の内部詳細図である。
【図11】従来例の記録素子基板とプリント配線基板図である。
【符号の説明】
1:本体部
1a:インク供給部
1b:入力端子部
1c:記録素子支持部
1d:液室
1e:フイルタ
2:記録素子基板
3:接合部材
4:プリント配線基板
10:基板
12:隔壁部材
12a:インク分岐供給路
14:オリフィスプレート
14a:インク吐出口
16:インクジェット記録ヘッド
18:本体部
18a:インク供給路
18b:被接合面
18A:入力端子部
18B:インク供給部
18BG:凹部
20:支持部材
20a:連通路
20Sa:第2の接合面
20Sb:第1の接合面
22:プリント配線基板
24:記録素子基板
24a:インク吐出口
24c:インク供給開口部
24A:端子部
24B:記録素子基板収容部
26:ブロック片

Claims (7)

  1. インクを加熱するインク加熱部と、該インク加熱部により加熱されたインクを吐出するインク吐出口と、を有する記録素子基板と、
    インク貯留部からのインクを導入するインク供給路を有する本体部と、
    前記本体部に接合される第一の接合面と、該第一の接合面の裏面であって前記記録素子基板に接合される第二の接合面と、を有する接合部材と
    を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記第一の接合面における前記本体部との第一の接合部は、前記第二の接合面における前記記録素子基板との第二の接合部に対し、これらの接合面に沿った方向にずらした位置に構成され、熱変化による応力を前記第一の接合部と前記第二の接合部との間に介在する前記接合部材の変形によって吸収することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記接合部材が、樹脂、金属板、樹脂と金属の複合材のいずれかによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記接合部材が、ポリイミドによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記接合部材が、記録素子基板の発熱素子駆動用の電極配線を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記接合部材が、電極配線を樹脂でラミネートした構成を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記記録素子基板と前記本体部とは、直接接合される部分を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記記録素子基板と前記本体部とにおいて、前記直接接合される部分が複数個所からなることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録ヘッド。
JP2002134521A 2001-05-22 2002-05-09 インクジェット記録ヘッド Expired - Fee Related JP4109898B2 (ja)

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