JP2002240294A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置 - Google Patents
液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置Info
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Abstract
ツキが生じる。 【解決手段】 剛性基板61のノズル連通穴径Dと樹脂
フィルム62のノズル穴径dとの関係をD/dが1.3
〜8の間の値を取るように設定した。
Description
製造方法並びにインクジェット記録装置に関する。
画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジ
ェット記録装置において使用するインクジェットヘッド
としては、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが
連通する加圧室、(インク流路、加圧液室、圧力室、吐
出室、液室等とも称される。)と、加圧室内のインクを
加圧する圧電素子などの電気機械変換素子、或いはヒー
タなどの電気熱変換素子、若しくはインク流路の壁面を
形成する振動板とこれに対向する電極からなるエネルギ
ー発生手段とを備えて、エネルギー発生手段で発生した
エネルギーで加圧室内インクを加圧することによってノ
ズルからインク滴を吐出させる。
を設けたノズル形成部材(以下「ノズルプレート」とも
いう。)としては、従前、電鋳法やプレス法等が知られ
ている。しかしながら、これらの製造方法では、高画質
化の要求に対して必要なノズル径の小径化への対応とし
てノズルプレートの厚さを薄くせざるを得ず、そのた
め、インク滴吐出の際のインクの圧力による振動、変形
を防止し、またノズル組立時の取り扱い性を向上するた
めに必要な厚さを確保することができなくなっている。
ートの厚さは形成するノズルの穴径とピッチにより一義
的に決定されるので、ノズルの穴径が小さいほどノズル
プレートの厚さは薄くなってしまう。また、プレス法に
あっては、ノズルの穴径が小さいほどプレス用ピンの径
が細くなりピン先端の寿命が短くなる。加工可能な金属
板の厚さは、前記ピン径に依存し、ノズルの穴径が小さ
いと金属板の厚さを厚くすることができない。
公報、特開平11−147316号などに記載にされて
いるように、ノズル穴へ連通する穴(ノズル連通穴)を
設けた剛性基板と、樹脂フィルムとを接合して積層構造
とし、全体のプレートとしての厚さを厚くして剛性を上
げると共に、フィルムにレーザー光を照射してノズル穴
を開け、小径ノズルの加工を可能にしている。
に記載のものは、図10に示すように、予めノズル連通
穴103を形成した金属板101と樹脂フィルム102
とを積層接合し、金属板101の連通穴103側からエ
キシマレーザを照射することで、金属板101がマスク
となって加工が行われ、樹脂フィルム102にはノズル
穴104が加工される。
載のものは、図11に示すように、予めノズル連通穴1
13を形成した剛性基板111と樹脂フィルム112と
を接着剤115で接合して一体化し、剛性基板111の
ノズル連通穴113を通してエキシマレーザを樹脂フィ
ルム112に照射してノズル穴114を形成する。この
とき、エキシマレーザーはノズル穴114の部分のみが
照射されるように絞り込まれており、剛性基板111を
マスクとして加工するものではない。この結果、ノズル
連通穴113とノズル穴114とは段差部116を介し
てつながる形となる。
に示したノズル形成部材にあっては、フィルム上のノズ
ル径は、あらかじめ加工された剛性基板の穴径の精度に
依存することになり、剛性基板の穴は前記したように径
精度を確保することが難しく、またノズルの穴部以外に
もエキシマレーザを照射することになるため、エキシマ
レーザのエネルギー利用効率が悪く、加工時間が長くな
り、ひいてはノズルプレートのコストが高くなる。
っては、剛性基板111と樹脂フィルム112の接合の
際に、接合用の接着剤115が、剛性基板111のノズ
ル連通穴113に対応するフィルム面上にはみ出てしま
い、このはみ出し部115aがその後の工程のエキシマ
加工時に影響を与えてしまうという課題がある。
112の接合は、樹脂フィルム112にあらかじめ塗布
されている接着剤115を用いて、加熱、加圧すること
で行うが、未接合部分をなくするように接合するために
は、かなり高い温度をかけて、大きい力で加圧する必要
があり、それによって接合部分の接着剤115が、非加
圧部分である段差部116にはみ出し部115aのよう
にはみ出してしまうことになる。エキシマレーザによる
ノズル穴114の加工は、剛性基板111側から剛性基
板111に設けられた連通孔113を通して、すなわち
前記接着剤115のはみ出し部115aを通して樹脂フ
ィルム112へとレーザビームが照射されて行われる。
着剤の塗布厚さ、樹脂フィルムの厚さ、剛性基板の厚
さ、加熱の温度分布、加圧力の分布等のバラツキで変化
するため、各連通穴によって大きくばらつくことにな
る。このようにばらついたはみ出しの上から、エキシマ
レーザによるノズル穴加工が行われるため、必然的にノ
ズルの出口側径(ノズル開口径)がばらついてしまうこ
とになる。
であり、ノズル径のバラツキが少なく画像品質が向上す
るインクジェットヘッド及びその製造方法並びにインク
ジェット記録装置を提供することを目的とする。
め、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、剛性部材のノズル
連通穴の穴径Dと樹脂部材のノズル穴の穴径dとの関係
が、D/d=1.3〜8である構成としたものである。
と樹脂部材のノズル穴の穴径dとの関係が、D/d=2
〜5であることが好ましい。また、剛性部材と樹脂部材
とは予め樹脂部材側に塗布された接着剤層で接合されて
いることが好ましい。この場合、接着剤が熱可塑性ポリ
イミド接着剤であることが好ましい。さらに、剛性部材
がNi−Fe合金材料からなることが好ましい。
方法は、樹脂部材に剛性部材側からエキシマレーザーを
照射してノズル穴を形成し、このエキシマレーザのエネ
ルギー密度が0.6〜2.0J/cm2である構成とし
たものである。
インクジェットヘッドが本発明に係る液滴吐出ヘッドで
ある構成としたものである。
照して説明する。図1は本発明に係るインクジェット記
録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機構部の側
面説明図である。
本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キ
ャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録
ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカート
リッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、給紙カ
セット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を
取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した
後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイ
ドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で
紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ1
3にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する
インクジェットヘッドからなるヘッド14をインク滴吐
出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側に
はヘッド14に各色のインクを供給するための各インク
タンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着し
ている。
通する大気口、下方にはインクジェットヘッド14へイ
ンクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された
多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインク
ジェットヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧
に維持している。このインクカートリッジ15からイン
クをヘッド14内に供給する。
送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装
し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド1
2に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ
13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ1
7で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19と
の間にタイミングベルト20を張装し、このタイミング
ベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モ
ータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動さ
れる。
ッド14を用いているが、各色のインク滴を吐出するノ
ズルを有する1個のヘッドでもよい。さらに、ヘッド1
4としては、後述するように、インク流路の壁面の少な
くとも一部を形成する振動板とこれに対向する電極とを
備え、静電力で振動板を変形変位させてインクを加圧す
る静電型インクジェットヘッドを用いている。
をヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット
4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリク
ションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23
と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ
24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬
送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し
角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ロー
ラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転
駆動される。
動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙
3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材
である印写受け部材29を設けている。この印写受け部
材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ
送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32
を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ロ
ーラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部
材35,36とを配設している。
がら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することに
より、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を
記録し、用紙3を所定量搬送後次の行の記録を行う。記
録終了信号または、用紙3の後端が記録領域に到達した
信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を
排紙する。
記録領域を外れた位置には、ヘッド14の吐出不良を回
復するための回復装置37を配置している。回復装置3
7は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有
している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装
置37側に移動されてキャッピング手段でヘッド14を
キャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
る(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘
度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
ング手段でヘッド14の吐出口(ノズル)を密封し、チ
ューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気
泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等は
クリーニング手段により除去され吐出不良が回復され
る。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された
廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のイ
ンク吸収体に吸収保持される。
ド14を構成するインクジェットヘッドについて図3乃
至図6を参照して説明する。なお、図3はインクジェッ
トヘッドの分解斜視説明図、図4は同ヘッドの振動板長
手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの振動板長手
方向に沿う要部拡大断面説明図、図6は同ヘッドの振動
板短手方向に沿う要部拡大断面図である。
コン基板、多結晶シリコン基板、SOI基板などのシリ
コン基板等を用いた第一基板である流路基板41と、こ
の流路基板41の下側に設けたシリコン基板、パイレッ
クス(登録商標)ガラス基板、セラミックス基板等を用
いた第二基板である電極基板42と、流路基板41の上
側に設けた第三基板であるノズル板43とを備え、複数
のインク滴を吐出するノズル44、各ノズル44が連通
するインク流路である加圧室46、各加圧室46にイン
ク供給路を兼ねた流体抵抗部47を介して連通する共通
液室流路48などを形成している。
室46の壁面である底部をなす第1電極を兼ねた振動板
50を形成する凹部を形成し、ノズル板43には流体抵
抗部47を形成する溝を形成し、また流路基板41と電
極基板42には共通液室流路48を形成する貫通部を形
成している。
リコン基板を用いた場合、予め振動板厚さにボロンを注
入してエッチングストップ層となる高濃度ボロン層を形
成し、電極基板42と接合した後、加圧室46となる凹
部をKOH水溶液などのエッチング液を用いて異方性エ
ッチングすることにより、このとき高濃度ボロン層がエ
ッチングストップ層となって振動板50が高精度に形成
される。また、多結晶シリコン基板で振動板50を形成
する場合は、液室基板上に振動板となる多結晶シリコン
薄膜を形成する方法、または、予め電極基板42を犠牲
材料で平坦化し、その上に多結晶シリコン薄膜を成膜し
た後、犠牲材料を除去することで形成できる。
もよいが、上述したように不純物の拡散などによって振
動板が電極を兼ねるようにしている。また、振動板50
の電極基板42側の面に絶縁膜を形成することもでき
る。この絶縁膜としてはSiO2等の酸化膜系絶縁膜、S
i3N4等の窒化膜系絶縁膜などを用いることができる。
絶縁膜の成膜は、振動板表面を熱酸化して酸化膜を形成
したり、成膜手法を用いたりすることができる。さら
に、この流路基板1には共通電極を設けている。この共
通電極は、Al等の金属をスパッタしてシンタリング
(熱拡散)することにより付設しており、流路基板1と
の導通を確保して、半導体基板よりなる流路基板1とオ
ーミックコンタクトを取っている。
形成し、この酸化膜層42aの部分に凹部54を形成し
て、この凹部54底面に振動板50に対向する第2電極
である電極15を設け、振動板50と電極55との間に
所定のギャップ56(ギャップ0.2μmとしてい
る。)を形成し、これらの振動板50と電極55とによ
ってアクチュエータ部を構成している。なお、電極55
表面にはSiO2膜などの酸化膜系絶縁膜、Si3N4膜
などの窒化膜系絶縁膜からなる電極保護膜57を成膜し
ているが、電極表面55に電極保護膜57を形成しない
で、振動板50側に絶縁膜を形成することもできる。
接合は、接着剤による接合も可能であるが、より信頼性
の高い物理的な接合、例えば電極基板42がシリコンで
形成される場合、酸化膜を介した直接接合法を用いるこ
とができる。この直接接合は1000℃程度の高温化で
実施する。また、電極基板42がガラスの場合、陽極接
合を行うことができる。電極基板42をシリコンで形成
して、陽極接合を行う場合には、電極基板42と流路基
板41との間にパイレックスガラスを成膜し、この膜を
介して陽極接合を行うこともできる。さらに、流路基板
41と電極基板42にシリコン基板を使用して金等のバ
インダーを接合面に介在させた共晶接合で接合すること
もできる。
通常半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるA
l、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN、W等の
高融点金属、または不純物により低抵抗化した多結晶シ
リコン材料などを用いることができる。電極基板42を
シリコンウエハで形成する場合には、電極基板42と電
極55との間には絶縁層(上述した酸化膜層42a)を
形成する必要がある。電極基板42にガラス等の絶縁性
材料を用いる場合には電極55との間に絶縁層を形成す
る必要はない。
る場合、電極55としては、不純物拡散領域を用いるこ
とができる。この場合、拡散に用いる不純物は基板シリ
コンの導電型と反対の導電型を示す不純物を用い、拡散
領域周辺にpn接合を形成し、電極55と電極基板42
とを電気的に絶縁する。
置して形成したものであり、吐出面には撥水処理を施し
ている。ここでは、このノズル板43は、後に詳述する
ように樹脂部材と金属部材との複層部材からなる。この
ノズル板43は流路基板41に接着剤にて接合してい
る。
44を二列配置し、この各ノズル44に対応して加圧室
46、振動板50、電極55なども二列配置し、各ノズ
ル列の中央部に共通液室流路48を配置して、左右の加
圧室46にインクを供給する構成を採用している。これ
により、簡単なヘッド構成で多数のノズルを有するマル
チノズルヘッドを構成することができる。
55は外部に延設して接続部(電極パッド部)55aと
し、これにヘッド駆動回路であるドライバIC60を搭
載したFPCケーブル61を異方性導電膜などを介して
接続している。このとき、電極基板42とノズル板43
との間は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用
いたギャップ封止剤62にて気密封止している。
フレーム部材65上に接着剤で接合している。このフレ
ーム部材65にはインクジェットヘッド40の共通液室
流路48に外部からインクを供給するためのインク供給
穴66を形成しており、またFPCケーブル61等はフ
レーム部材65に形成した穴部67に収納される。
間は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いた
ギャップ封止剤68にて封止し、撥水性を有するノズル
板43表面のインクが電極基板42やFPCケーブル6
1等に回り込むことを防止している。
5にはインクカートリッジ15とのジョイント部材70
が連結されて、フィルタ71を介してインクカートリッ
ジ15からインク供給穴66を通じて共通液室流路48
にインクが供給される。
は、振動板50を共通電極とし、電極55を個別電極と
して、振動板50と電極55との間に駆動電圧を印加す
ることによって、振動板50と電極55との間に発生す
る静電力によって振動板50が電極55側に変形変位
し、この状態から振動板50と電極55間の電荷を放電
させることによって振動板50が復帰変形して、加圧室
46の内容積(体積)/圧力が変化することによって、
ノズル44からインク滴が吐出される。
ス電圧を印加すると、共通電極となる振動板50との間
に電位差が生じて、個別電極55と振動板50の間に静
電力が生じる。この結果、振動板50は印加した電圧の
大きさに応じて変位する。その後、印加したパルス電圧
を立ち下げることで、振動板50の変位が復元して、そ
の復元力により加圧室46内の圧力が高くなり、ノズル
44からインク滴が吐出される。
るノズル形成部材であるノズル板43の詳細について図
7以降をも参照して説明する。ノズル板43の一例につ
いて図7を参照して説明する。このノズル板43は剛性
部材である剛性基板61と樹脂部材である樹脂フィルム
62とを接着剤63を介して接合した積層部材からな
る。
法、例えばプレス加工、エッチング加工、放電加工など
でノズル連通穴64を形成している。このノズル連通穴
64の樹脂フィルム62側の径をノズル連通穴径Dとす
る。なお、ノズル連通穴64はインクの流れ易さからテ
ーパ形状に形成することが好ましいが、ストレートの形
状であっても良い。
している。このノズル穴65の剛性基板61側の径をノ
ズル穴径dとする。このノズル穴65の形状は、連通穴
64の形状より一層インクの流れ易さに影響を与え、ヘ
ッドとしての吐出効率を左右する一要因となっている。
ノズル穴65の角度θは、実験によると、5°以上が好
ましく、特に10°以上が好ましい。
と樹脂フィルム62のノズル穴径dとの関係を、D/d
が1.3〜8の間の値を取るように設定している。この
D/d=1.3〜8の関係に設定することで、ノズル穴
径のバラツキが低減するとともに、樹脂フィルム62の
圧力変動に伴う変形を抑制できて、安定したインク滴吐
出特性を得ることができ、高画質記録が可能になる。
2とを接合する際には接着剤63のはみ出し部63aが
発生してしまい、そのはみ出し量は種々の要因でばらつ
いてしまう。この場合、できる限りはみ出し量を少なく
するべく、またバラツキを少なくするべく要因を管理す
ることになるが、完全にはみ出し部を抑え切ることはで
きない。はみ出し量がばらつくと、エキシマレーザーで
のノズル穴加工の際にエネルギーがはみ出し部63aの
接着剤63を加工することによりロスしてしまい、結果
としてノズル径精度がばらつくことになる。
高いノズル穴を得るかということが重要になる。ここ
で、ノズル穴径dの寸法に対してノズル連通穴径Dの寸
法を大きくすれば、はみ出しの影響が減少する。しかし
ながら、一方では、インク滴吐出時の内部圧力上昇によ
るノズル穴65周辺の変形も極力低減する必要があり、
むやみにノズル穴径dとノズル連通穴径Dの差を大きく
することはできない。
の差を大きくすることは、ノズル穴65の周辺が樹脂フ
ィルム62のみなって変形を生じ易くなり、このノズル
穴65の周辺部分が内部圧力で変形すると、インクジェ
ットヘッドのアクチュエータによって与えられた吐出室
46のインクに対する圧力を上昇するためのエネルギー
損失が発生し、安定したインク滴吐出特性が得られなく
なるのである。
上述したように、剛性基板61のノズル連通穴径Dと樹
脂フィルム62のノズル穴径dとの関係を、D/d=
1.3〜8の関係に設定することで、接着剤63のはみ
出しによるノズル穴径dのバラツキとノズル穴65周辺
部分の樹脂フィルム62の変形の両者を低減できること
を確認した。更に、実験によると、D/d=2.0〜
5.0の関係にすることで、より効果的であることが確
認できた。
を接合をするための接着剤63は、剛性基板61側に塗
布しておくこともできるが、剛性のある材料に接着剤を
塗布することはかなり困難が伴うことから、樹脂フイル
ム62に予め塗布しておくことが好ましい。樹脂フィル
ム62への接着剤の塗布は、通常の接着テープ等の生産
で広く利用されているので特に困難は伴わない。
剤、エポキシ接着剤、アクリル形接着剤、ポリウレタン
系接着剤などが使用可能であるが、より好適には、接着
強度、インクに対する接液信頼性、薄膜塗布性等から、
ポリイミド接着剤を使用するのが好ましい。
鋳Ni板、ステンレス板、コバール板などが使用可能で
あるが、インクに対する接液信頼性、また本ノズルプレ
ートを組み立てる際の相手部材との熱膨張係数の合わせ
込み(通常加熱接着接合されるため、双方の材料の熱膨
張係数が近いものでないと、使用中剥離等の問題が発生
する。本実施形態の場合、相手部材は前述したように流
路基板41を形成しているシリコン基板である。)、材
料コスト等からNi−Fe合金、具体的には42アロイ
(Ni−42%、Fe−58%の組成でICなどのリー
ドフレームに使用されているもの)が好ましい。
て図8及び図9を参照して説明する。先ず、図8(a)
に示すように予めノズル連通穴64を形成した剛性基板
61と樹脂フィルム(高分子樹脂フィルム)62とを接
着剤63を介して接合した積層部材を得る。このとき、
ノズル連通穴64の樹脂フィルム62側には若干のはみ
出し部63aが生じる。そして、同図(b)に示すよう
に、剛性基板61のノズル連通穴64側からエキシマレ
ーザーを照射して樹脂フィルム62にノズル穴65を形
成する。
ム62のノズル穴加工では、エネルギー密度を変化させ
ることで、ノズル穴65のテーパ角θ(図7参照)が変
化することがわかっており、テーパ角θを大きくするた
めには、前記エネルギー密度を小さくする必要がある。
ただし、あまりこのエネルギー密度を小さくすると、エ
キシマレーザの発振が不安定になったり、また樹脂フィ
ルム加工に対するエネルギーの余裕度がなくなり、種々
の外乱(レーザのパワーバラツキ、ごみの付着、樹脂フ
ィルムの材質不均一など)による影響を受け、結果とし
てノズル穴65の加工精度が低下してしまうことにな
る。
ーザのエネルギー密度が、0.4J/cm2以上であれ
ばほぼ安定した加工が可能であり、特に、0.6〜2.
0J/cm2の範囲にすることで安定した加工ができ、
且つ必要なテーパ角度も得られることを確認した。
に示すように、レーザー発振器81から射出されたエキ
シマレーザビーム82がミラー83、ビームエキスパン
ダ84、ミラー85、マスク86、フィールドレンズ8
7、ミラー88を経て、更に結像光学系89を介して加
工テーブル90上に導かれている。
を介して加工物(剛性基板61と樹脂フィルム62の積
層部材)Wを載置して、加工物Wにレーザビーム82を
照射する。なお、加工テーブル90は、周知のXYZテ
ーブル等で構成されていて、必要に応じて加工物Wを移
動し所望の位置にレーザビーム82を照射することがで
きるようになっている。
する。剛性基板61として厚さt=25μmのコバール
材にノズル連通穴64を両面エッチングで加工したもの
を用い、樹脂フィルム62として厚さt=25μmのポ
リイミドフィルムで、このポリイミドフィルムの片面に
厚さ5μmのポリイミド系接着剤63を塗布したものを
用いた。
との接合は、230℃、4kg/cm2で数分間加圧及
び加熱して接合した。その後、剛性基板61のノズル連
通穴64側からエキシマレーザービームを照射した。レ
ーザビームは剛性基板61をマスクとする加工ではな
く、マスク像をノズル連通穴64を通して樹脂フィルム
62面に縮小投影する、マスクイメージ法にして加工し
た。
状で、ノズル連通穴径D=100μm、エキシマレーザ
エネルギー密度は、0.8J/cm2で加工したところ、
ノズル穴径dは38μm、テーパ角θは約13°のノズ
ル穴65を形成できた。
てインクジェットヘッドを製作し、インク滴を吐出させ
たところ、はみ出し部63aの影響によるノズル穴径精
度のバラツキも、ノズル穴65の周辺の樹脂フィルム6
2の変形によるインク滴吐出特性及び吐出効率の低下も
見られないヘッドを得ることができた。
静電型インクジェットヘッドのノズル形成部材に適用し
た例で説明したが、インクジェットヘッド以外のノズル
形成部材にも適用することができ、またピエゾ型インク
ジェットヘッドやバブル型インクジェットヘッドなどの
ノズル形成部材にも適用することができる。また、液滴
吐出ヘッドとしてはインクジェットヘッド以外にも液体
レジストを吐出させるヘッドなどとしても用いることが
できる。
吐出ヘッドによれば、剛性部材のノズル連通穴の穴径D
と樹脂部材のノズル穴の穴径dとの関係が、D/d=
1.3〜8である構成としたので、ノズル径精度のばら
つきを低減できるとともに、安定した液滴吐出特性を得
られ、吐出効率も向上する。
と樹脂部材のノズル穴の穴径dとの関係が、D/d=2
〜5であることで、ノズル径精度のばらつきを低減でき
るとともに、安定した液滴吐出特性を得られ、吐出効率
も向上する。
材側に塗布された接着剤層で接合されていることで、低
コストで塗布膜厚のバラツキが少ない接着剤層を得るこ
とができる。この場合、接着剤が熱可塑性ポリイミド接
着剤であることで、接着強度、接液信頼性を確保でき
る。さらに、剛性部材がNi−Fe合金材料からなるこ
とで、ノズル形成部材を接合する相手方部材との熱膨張
係数差を低コストで低減できる。
方法によれば、樹脂部材に剛性部材側からエキシマレー
ザーを照射してノズル穴を形成し、このエキシマレーザ
のエネルギー密度が0.6〜2.0J/cm2である構
成としたので、外乱に対する影響を低減できてノズル穴
径精度の低下を防止できる。
れば、インクジェットヘッドが本発明に係る液滴吐出ヘ
ッドである構成としたので、安定したインク滴吐出特性
が得られて高画質記録を行うことができる。
の概略斜視説明図
式的断面説明図
明図
面図
ー加工装置を説明する説明図
図
明図
33…排紙ローラ、41…流路基板、42…電極基板、
43…ノズル板、44…ノズル、46…加圧室、47…
流体抵抗部、48…共通液室流路、50…振動板、55
…電極、61…剛性基板(剛性部材)、62…樹脂フィ
ルム(樹脂部材)、63…接着剤、64…ノズル連通
穴、65…ノズル穴。
Claims (7)
- 【請求項1】 液滴を吐出するノズル穴を形成した樹脂
部材と前記ノズル穴に連通するノズル連通穴を形成した
剛性部材との積層部材からなるノズル形成部材を備えた
液滴吐出ヘッドにおいて、前記剛性部材のノズル連通穴
の穴径Dと前記樹脂部材のノズル穴の穴径dとの関係
が、D/d=1.3〜8であることを特徴とする液滴吐
出ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおい
て、前記剛性部材のノズル連通穴の穴径Dと前記樹脂部
材のノズル穴の穴径dとの関係が、D/d=2〜5であ
ることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド
において、前記剛性部材と樹脂部材とは予め樹脂部材側
に塗布された接着剤層で接合されていることを特徴とす
る液滴吐出ヘッド。 - 【請求項4】 請求項3に記載の液滴吐出ヘッドにおい
て、前記接着剤が熱可塑性ポリイミド接着剤であること
を特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドにおいて、前記剛性部材がNi−Fe合金材
料からなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の液滴
吐出ヘッドを製造する製造方法であって、前記樹脂部材
に前記剛性部材側からエキシマレーザーを照射して前記
ノズル穴を形成し、このエキシマレーザのエネルギー密
度が0.6〜2.0J/cm2であることを特徴とする
液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 【請求項7】 インク滴を吐出するインクジェットヘッ
ドを備えたインクジェット記録装置において、前記イン
クジェットヘッドが前記請求項1乃至5のいずれかに記
載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクジェ
ット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001045377A JP2002240294A (ja) | 2001-02-21 | 2001-02-21 | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001045377A JP2002240294A (ja) | 2001-02-21 | 2001-02-21 | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002240294A true JP2002240294A (ja) | 2002-08-28 |
JP2002240294A5 JP2002240294A5 (ja) | 2006-03-16 |
Family
ID=18907180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001045377A Pending JP2002240294A (ja) | 2001-02-21 | 2001-02-21 | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002240294A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-02-21 JP JP2001045377A patent/JP2002240294A/ja active Pending
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