JPH1140077A

JPH1140077A - カラー画像表示装置

Info

Publication number: JPH1140077A
Application number: JP19727097A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Nakane; 孝之中根
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1997-07-23
Filing date: 1997-07-23
Publication date: 1999-02-12

Abstract

(57)【要約】【課題】インライン型のカラー画像表示管を用いたカ
ラー画像表示装置において、ランディングＹＰＢ成分補
正を簡便に効果的に行う。【解決手段】３本のインライン型の電子銃を有するカ
ラー画像表示管、上記電子銃からの電子ビームを水平お
よび垂直方向に偏向する偏向ヨーク３、およびこの偏向
ヨーク３の電子銃側端に配置され、偏向ヨーク３の磁界
に感応し、偏向ヨーク３の電子銃側端近傍において電子
ビームに影響を与える水平方向および／または垂直方向
の磁界を発生する補正用コイル４を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ランディング補
正を可能にしたカラー画像表示装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラー画像表示装置は、図１４に
示すように、水平偏向軸に沿って並んだインライン電子
銃１１により発せられる３本の電子ビーム１２を、偏向
ヨークにて水平および垂直に偏向することにより画面を
形成する。３本のビーム１２は、色選択マスク１３を通
過して色選択が行われ、各ビーム１２が所望の各蛍光体
１４に入射する。各ビーム１２が所望の蛍光体１４に入
射することをランディングというが、ランディングがず
れた場合、所望の色が表示できない問題が発生する。こ
こではランディングのズレを蛍光体１４に対するビーム
１２の相対位置にて表している。

【０００３】ランディングの調整にはセンターランディ
ング調整、ＹＰＢ調整、マグネット調整がある。センタ
ーランディング調整は、カラー画像表示管のネック部後
端に配置された２極磁界を発生する磁石によって行われ
る。ランディングの変化は、図１５に示すように、右方
向（図１５（ａ））もしくは上方向（図１５（ｂ））も
しくはその組み合わせ方向へのシフト変化が得られる。
なお、これら図において、破線１２’が元のビーム、実
線１２が補正されたビームである（以下同じ）。むろん
左方向もしくは下方向へのシフトも可能であることは明
らかである。ＹＰＢ調整は、偏向ヨークを前後させるこ
とで偏向中心を変化させる。例えば偏向ヨークを電子銃
側に移動させると、偏向中心が電子銃側にずれ、図１６
に示すように内ズレの変化が現れる。逆に反対に動かし
た場合は外ズレに変化する。マグネット調整は主に画面
コーナーでのランディングのばらつきを補正するもので
ある。

【０００４】前記ランディング調整の他に、歪み調整、
コンバージェンス調整などを行うことをＩＴＣ調整とい
う。ＩＴＣ調整を行った後、偏向ヨークは硬化シリコン
などによってカラー画像表示管に固定される。これはＩ
ＴＣ調整後に偏向ヨークの位置が何らかの影響で変化
し、前記ランディングのＹＰＢ成分が変化したり、ラス
ターの回転が変化したりしないようにするためである。
ところが、ＩＴＣ調整した後になってランディングが変
化するという問題が発生することがある。主な原因とし
ては、環境温度の変化、輝度設定の違い、モニターセツ
トの影響のばらつきなどがあげられるが、原因が不明の
場合もある。ただし、左右方向へのシフト成分について
は前記２極マグネットの再調整にて比較的容易にランデ
ィング変化を補正でき、またコーナーランディングの変
化も変化量が大きくなければマグネット補正片にてラン
ディング変化を補正できる。

【０００５】しかし、ランディングのＹＰＢ成分の変化
については、前述したように偏向ヨークがカラー画像表
示管に固定されており、容易に位置を変化させることは
できないので、ランディング変化は補正できない結果と
なる。この場合、画面品位の劣化は避けられず、最悪の
場合は製品として成り立たない場合もあり得る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記ラン
ディングのＹＰＢ成分の変化をＩＴＣ調整後においても
補正可能とし、かつ外部からランディング補正のためだ
けの電力供給を一切必要としないカラー画像表示装置を
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係るカラー画
像表示装置は、３本のインライン電子銃を有するカラー
画像表示管と、上記電子銃からの電子ビームを水平およ
び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、この偏向ヨークの
電子銃側端に配置され、上記偏向ヨークの磁界に感応
し、上記偏向ヨークの電子銃側端近傍において電子ビー
ムに影響を与える水平方向および垂直方向のいずれか一
方または両方の磁界を発生する補正用コイルとを備えて
いる。

【０００８】また、上記構成において、補正用コイルを
空芯コイルで構成している。

【０００９】また、補正用コイルを多極コアに巻回され
たコイルで構成している。

【００１０】また、補正用コイルには、このコイルに流
れる電流を可変できる電流可変手段が設けられている。

【００１１】また、水平方向の磁界を発生する補正用コ
イルの電流可変手段としてインダクタンス素子を用いて
いる。

【００１２】また、垂直方向の磁界を発生する補正用コ
イルの電流可変手段として抵抗素子を用いている。

【００１３】

【発明の実施の形態】

実施の形態１．図１はこの発明の実施の形態１に係るカ
ラー画像表示装置の要部を示す斜視図である。図２、図
３、図４は図１に示す構成を側面から見た模式図であ
る。これらの図において、１はカラー画像表示管のファ
ンネル部、２は図示省略したインライン電子銃が収容さ
れたネック部、３はファンネル部１に装着された偏向ヨ
ークで、水平偏向コイル３１と垂直偏向コイル３２から
なる。４は偏向ヨーク３の電子銃側端近傍（水平偏向コ
イル３１の直後）に、水平偏向磁界と同一向きの磁界を
発生できるようネック部２を上下から挟んで配置された
補正用空芯コイルである。５は上下の補正用空芯コイル
４を直列に接続する回路に挿入された可変インダクター
で、上下の補正用空芯コイル４と可変インダクター５で
閉回路を形成している。

【００１４】次に動作を説明する。補正用空芯コイル４
は偏向ヨーク３に近接しているので、偏向ヨーク３の後
端から回り込んできた偏向磁界内に配置されることにな
る。従って、偏向ヨーク３により偏向磁界が発生してい
る状態では、水平偏向コイル３１から発せられる水平偏
向磁界Ｆ１に注目すると、図３に示すように、偏向ヨー
ク３の電子銃側端近傍、すなわち補正用空芯コイル４が
ある範囲において、水平偏向磁界Ｆ１とは反対の向きの
磁界Ｆ２が発生している。よって補正用空芯コイル４に
はこの水平偏向磁界Ｆ１と反対向きの磁界Ｆ２を打ち消
そうとする誘起起電力が発生する。さらに、上記補正用
コイル４は可変インダクター５を介して閉回路を形成し
ているので、誘起起電力により電流が流れ、これにより
図４に示すように、補正用空芯コイル４部分に、水平偏
向磁界Ｆ１と同じ向きの破線で示す磁界Ｆ３が発生す
る。電子銃から出射した電子ビームは、この磁界Ｆ３に
より、偏向ヨーク３による偏向よりもより電子銃に近い
側から偏向されることになる。すなわち水平偏向中心が
より電子銃側へと変化することとなる。この場合ランデ
ィングの変化としては、図５に示すように、画面上で左
右端の内ズレ変化が起こる（すなわち外ズレ補正を行っ
たことになる）。この補正用空芯コイル４は偏向ヨーク
３からの誘導磁界により磁界Ｆ３を発生するものである
から、外部電源による電流供給を必要としない。

【００１５】また、可変インダクター５が補正用空芯コ
イル４の閉回路中に挿入されており、これのインダクタ
ンスを変化させることにより、周波数の比較的高い（数
十ＫＨｚ）水平偏向電流による補正用空芯コイル４の誘
起電流を増減させることができる。これにより電子ビー
ムの偏向中心を前後に変化させることができる。例え
ば、可変インダクター５のインダクタンスを増加させた
場合、交流抵抗は増加するので補正用コイル４に流れる
電流量は減少する。すると補正用コイル４から発せられ
る水平偏向磁界Ｆ３も減少し、偏向中心はカラー画像表
示管の管面側（前方）へ移動する。よって、ランディン
グは外ズレへと変化する。逆に、インダクタンスを減少
させた場合は、ランディングは内ズレへと変化する。上
記可変インダクター５の代わりに可変抵抗を使用するこ
とも考えられるが、水平偏向電流は周波数が高いことか
ら、抵抗を用いると波形が鈍ってしまう恐れがあるの
で、可変インダクターを用いるのがよい。

【００１６】実施の形態２．図６はこの発明の実施の形
態２に係るカラー画像表示装置のランディング補正装置
を示す正面図である。図７は図６に示すランディング補
正装置を設けたカラー画像表示管の一部を側面から見た
図である。図において、６は偏向ヨーク３の電子銃側端
に配置された多極コア（例えば本実施の形態においては
ａ乃至ｈからなる８極コア）、７はこの多極コア６の各
極に巻回され、水平偏向磁界と同一向きの磁界を発生す
る補正用コイル、５はこの補正用コイル７に直列に接続
された可変インダクターである。補正用コイル７の巻回
分布は、多極コア６のｂ極およびｈ極はａ極の巻回数
の、また、ｄ極およびｆ極はｅ極の巻回数の、それぞれ
√２分の１の巻回数となっている。これはいわゆるコサ
イン巻きであり、なるべく斉一磁界を発生するための巻
き方である。

【００１７】本実施の形態２は、偏向ヨークの電子銃側
端近傍に配置された補正用コイル７が、偏向ヨークの電
子銃側端近傍に配置された多極コアからなる副ヨークに
巻回されているため、補正用コイル７の磁界をカラー画
像表示管のネック部に集中し易く、実施の形態１に比べ
て効率よく補正を行うことができる。また、可変インダ
クター５を変化させることで水平偏向中心を変化させる
こともできる。

【００１８】実施の形態３．図８はこの発明の実施の形
態３に係るカラー画像表示管の要部を示す斜視図であ
る。図９は図８に示す構成を上から見た模式図である。
図において、８は偏向ヨーク３の電子銃側端近傍（垂直
偏向コイル３２の直後）に垂直偏向磁界と同一向きの磁
界を発生できるようにネック部２を左右から挟んで配置
された一対の補正用空芯コイル、９は左右の補正用空芯
コイル８を直列に接続する回路に挿入された可変抵抗
で、左右の補正用空芯コイル８と可変抵抗９で閉回路を
形成している。

【００１９】上記が実施の形態３の構成であるが、作用
については実施の形態１において水平偏向を垂直偏向と
置き換えただけであり、その効果は図１０に示すように
画面上下端にて内ズレへの変化（すなわち外ズレ補正）
であることは明らかである。また、可変抵抗９の抵抗値
を増加または減少させることで、補正用コイル８に流れ
る誘起電流は減少または増加する。これにより偏向中心
は管面側または電子銃側へ移動し、ランディングは外ズ
レまたは内ズレへと変化することとなる。上記可変抵抗
９の代わりに可変インダクターを用いることも考えられ
るが、誘起した垂直偏向電流は周波数が低く可変インダ
クターでは効果的に電流の可変ができない可能性がある
ので、可変抵抗９を用いるのがよい。

【００２０】実施の形態４．図１１はこの発明の実施の
形態４に係るカラー画像表示管のランディング補正装置
を示す正面図で、ネック部からみた概略の構成図であ
る。図１１に示す構成を横から見た概略の構成図は図７
と同一である。６は偏向ヨーク３の電子銃側端に配置さ
れた多極コア（例えば本実施の形態においてはａ乃至ｈ
からなる８極コア）、１０はこの多極コア６の各極に巻
回され、垂直偏向磁界と同一向きの磁界を発生する補正
用コイル、９はこの補正用コイル１０に直列に接続され
た可変抵抗である。補正用コイル１０の巻回分布は多極
コア６のｂ極およびｄ極がｃ極の巻回数の、また、ｆ極
およびｈ極がｇ極の巻回数の、それぞれ√２分の１の巻
回数となっている。これはいわゆるコサイン巻きであ
り、なるべく斉一磁界を発生するための巻き方である。

【００２１】本実施の形態４は、偏向ヨークの電子銃側
端近傍に配置された補正用コイル１０が、偏向ヨークの
電子銃側端近傍に配置された多極コアからなる副ヨーク
に巻回されているため、補正用コイル１０の磁界をカラ
ー画像表示管のネック部に集中し易く、実施の形態３に
比べて効率よく補正を行うことができる。また、可変抵
抗９を変化させることで垂直偏向中心を変化させること
もできる。

【００２２】実施の形態５．本実施の形態５は、上記実
施の形態１および実施の形態３を一体にした形態であ
る。すなわち、図１２に示すように、偏向ヨーク３の電
子銃側端近傍のネック部２をはさむように、実施の形態
１に記述した水平偏向磁界と同一向きの磁界発生用の補
正用空芯コイル４と、実施の形態３に記述した垂直偏向
磁界と同一向きの磁界発生用の補正用空芯コイル８とを
ともに配置し、各補正用コイルとも可変インダクター５
または可変抵抗９を含むそれぞれ独立の閉回路を構成し
ている。本実施の形態５によれば、水平偏向中心と垂直
偏向中心とをそれぞれ独立に変化させることが可能であ
り、また、その中心の移動も独立に行うことができる。

【００２３】実施の形態６．本実施の形態６は、上記実
施の形態２および実施の形態４を一体にした形態であ
る。すなわち、図１３に示すように、多極コア６に実施
の形態２に記述した水平偏向磁界と同一向きの磁界発生
用の補正用コイル７と、実施の形態４に記述した垂直偏
向磁界と同一向きの磁界発生用の補正用コイル１０とを
ともに巻回し、各補正用コイルとも可変インダクター５
または可変抵抗９を含むそれぞれ独立の閉回路を構成し
ている。本実施の形態６によれば、水平偏向中心と垂直
偏向中心をそれぞれ独立に変化させることが可能であ
り、また、その中心の移動も独立に行うことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ＩＴ
Ｃ作業を終えたカラー画像表示装置において、ランディ
ングズレのＹＰＢ成分を、外部からの特別な電力供給な
しに効果的に補正することができ、画面品位を向上させ
ることができる。

【００２５】また、補正用コイルに補正用空芯コイルを
用いることにより、偏向ヨーク本来の特性に影響を与え
ることなくランディングの補正を行い、また、可変手段
を調節することにより補正量を加減できる。

【００２６】また、補正用コイルを多極コアに巻回した
ものでは、補正用コイルの磁界をネック部に集中し易く
効率のよいランディング補正が可能であり、また、可変
手段を調節することにより補正量を加減できる。さら
に、既存の多極コアを利用すれば経済的でもある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態１に係るカラー画像表
示装置の要部を示す斜視図である。

【図２】この発明の実施の形態１を模式的に示す側面
図である。

【図３】この発明の実施の形態１の動作を説明する模
式図である。

【図４】この発明の実施の形態１の動作を説明する模
式図である。

【図５】この発明の実施の形態１のランディング補正
効果を示す図である。

【図６】この発明の実施の形態２に係るカラー画像表
示装置のランディング補正装置を示す正面図である。

【図７】この発明の実施の形態２に係るカラー画像表
示装置の要部を示す側面図である。

【図８】この発明の実施の形態３に係るカラー画像表
示装置の要部を示す斜視図である。

【図９】この発明の実施の形態３を模式的に示す上面
図である。

【図１０】この発明の実施の形態３のランディング補
正効果を示す図である。

【図１１】この発明の実施の形態４に係るカラー画像
表示装置の要部を示す正面図である。

【図１２】この発明の実施の形態５に係るカラー画像
表示装置の要部を示す斜視図である。

【図１３】この発明の実施の形態６に係るカラー画像
表示装置の補正装置を示す正面図である。

【図１４】一般的なカラー画像表示管のランディング
を説明する図である。

【図１５】２極磁界によるランディングの変化を説明
する図である。

【図１６】ＹＰＢ変化によるランディング変化を説明
する図である。

【符号の説明】

１カラー画像表示管ファンネル部、２ネック部、３
偏向ヨーク、４補正用空芯コイル、５可変インダ
クター、６多極コア、７補正用コイル、８補正用
空芯コイル、９可変抵抗、１０補正用コイル、１１
電子銃、１２電子ビーム、３１水平偏向コイル、
３２垂直偏向コイル。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】３本のインライン電子銃を有するカラー
画像表示管、上記電子銃からの電子ビームを水平および
垂直方向に偏向する偏向ヨーク、およびこの偏向ヨーク
の電子銃側端に配置され、上記偏向ヨークの磁界に感応
し、上記偏向ヨークの電子銃側端近傍において電子ビー
ムに影響を与える水平方向および垂直方向のいずれか一
方または両方の磁界を発生する補正用コイルを備えたこ
とを特徴とするカラー画像表示装置。
【請求項２】補正用コイルは、空芯コイルであること
を特徴とする請求項１記載のカラー画像表示装置。
【請求項３】補正用コイルは、多極コアに巻回された
コイルであることを特徴とする請求項１記載のカラー画
像表示装置。
【請求項４】補正用コイルは、このコイルに流れる電
流を可変できる電流可変手段を備えていることを特徴と
する請求項１乃至請求項３のいずれか一項記載のカラー
画像表示装置。
【請求項５】水平方向の磁界を発生する補正用コイル
の電流可変手段は、インダクタンス素子であることを特
徴とする請求項４記載のカラー画像表示装置。
【請求項６】垂直方向の磁界を発生する補正用コイル
の電流可変手段は、抵抗素子であることを特徴とする請
求項４記載のカラー画像表示装置。