JPH1140054A - ペーストの塗布方法および画像表示装置 - Google Patents

ペーストの塗布方法および画像表示装置

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JPH1140054A
JPH1140054A JP19251197A JP19251197A JPH1140054A JP H1140054 A JPH1140054 A JP H1140054A JP 19251197 A JP19251197 A JP 19251197A JP 19251197 A JP19251197 A JP 19251197A JP H1140054 A JPH1140054 A JP H1140054A
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electron
paste
glass
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JP19251197A
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English (en)
Inventor
Shinya Koyama
信也 小山
Kohei Nakada
耕平 中田
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Canon Inc
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Publication date
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像表示装置の作製におけるフリットガラス
の塗布を安定かつ微細に行える塗布方法を提供すること
により、歩留まりを向上し、さらに高品質な画像を表示
できる画像表示装置を提供する。 【解決手段】 平均粒径が1〜10μm、粒度分布にお
いて粒径20μm以上の粒子がカットされた細粒化かつ
分級された粉末材料を、ビヒクルと混練して、使用粘度
が10000〜100000mPa・sのペースト状に
し、これを、内径40μm以上のノズルを用いたディス
ペンス方式の吐出装置により塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細粉末材料から
なるペーストの塗布方法、より具体的には画像表示装置
の部材の固着材として使用する低融点ガラス(フリット
ガラス)の線引塗布方法、及びこの方法を用いて作製し
た画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子は大別して熱陰極電
子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類のものが知ら
れている。
【0003】このうち冷陰極電子放出素子は、電界放出
型電子放出素子(以下「FE型」と記す。)や、金属/
絶縁層/金属型電子放出素子(以下「MIM型」と記
す。)や、表面伝導型電子放出素子などが知られてい
る。
【0004】FE型としては、例えば、W.P.Dyke & W.
W.Doran,"Field Emission",Advancein Electron Physic
s,8,89(1956)や、C.A.Spindt,"Physical Properties
of thin-film field emission cathodes with molybden
ium cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等に記載され
たものが知られている。
【0005】MIM型としては、例えば、C.A.Mead,"Op
eration of Tunnel-Emission Devices",J.Appl.Phys.,3
2,646(1961)等に開示されたものが知られている。
【0006】表面伝導型電子放出素子型としては、M.I.
Elinson Radio Eng. Electron Phys.,10,1290(1965)等
に開示されたものや、後述する他の例がある。
【0007】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜へ膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子の放出が生ずる。このような表面伝導型電子放
出素子としては、前記エリンソン等によるSnO2薄膜
を用いたものや、Au薄膜によるもの(G.Dittmer,Thin
Solid Films,9,317(1972))、In23/SnO2薄膜
によるもの(M.Hartwell and C.G.Fonsrad,IEEE Trans.
ED Conf.,519(1975))、カーボン薄膜によるもの(荒木
久 他、真空、第26巻、第1号、22頁(1983))等が報
告されている。
【0008】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として、前述のM.ハートウエルの素子構成を図1
8に模式的に示す。同図において31は基板である。3
4は導電性薄膜であり、これは、金属酸化物薄膜等をス
パッタでH型形状のパタ−ンに形成されたものであり、
後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理により電子
放出部35が形成されている。尚、図中の素子電極間隔
Lは0.5〜1mm、またWaは0.1mmに設定され
ている。
【0009】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜34を予め通
電フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部
35を形成するのが一般的であった。通電フォーミング
とは、導電性薄膜34の両端に直流電圧あるいは非常に
ゆっくりとした昇電圧を印加通電し、導電性薄膜を局所
的に破壊、変形もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状
態にした電子放出部35を形成することである。なお、
電子放出部35は、導電性薄膜34の一部に亀裂が発生
しその亀裂付近から電子放出が行われる。このような通
電フォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、
導電性薄膜34に電圧を印加し、素子に電流を流すこと
により電子放出部35より電子が放出する。
【0010】前記の冷陰極電子放出素子は、熱陰極電子
放出素子と比較して低温で電子放出を得ることができる
ため加熱用ヒーターを必要としない。そのため、熱陰極
電子放出素子よりも構造が単純であり、微細な素子を作
製できる。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置
しても、素子基板の熱溶融などの問題が発生しにくい。
さらに、熱陰極電子放出素子がヒーターの加熱により動
作するため応答速度が遅いのとは異なり、冷陰極電子放
出素子の場合には応答速度が速いという利点もある。こ
のため、冷陰極電子放出素子を応用するための研究が盛
んに行われてきている。例えば、表面伝導型電子放出素
子は、冷陰極電子放出素子の中でも特に構造が単純で製
造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を
形成できる利点がある。
【0011】表面伝導型電子放出素子の応用について
は、例えば、画像表示装置、画像記録装置当の画像表示
装置や、荷電ビーム源などが研究されている。特に、画
像表示装置への応用としては、表面伝導型電子放出素子
と電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合わ
せて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導型
電子放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示
装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特
性が期待されている。例えば、近年普及してきた液晶表
示装置と比較しても、自発光型であるためバックライト
を必要としない点や、視野角が広い点が優れている。
【0012】一方、FE型を画像表示装置に応用した例
としては、例えば、R.Meyerらにより報告された平板型
表示装置が知られている(R.Meyer,"Recent Developmen
t onMicrotips Display at LETI", Tech. Digest of 4t
h Int. Vacuum Microelectronics Conf.,Nagahama,pp,6
〜9(1991))。
【0013】冷陰極電子放出素子を単純マトリックス配
線したマルチ電子源はいろいろな応用の可能性があり、
例えば画像情報に応じた電気信号を適宜印加すれば、画
像表示装置用の電子源として好適に用いることができ
る。
【0014】上述の電子放出素子は、1.33×10-3
Pa程度以上の真空雰囲気中で動作させていることか
ら、この電子放出素子を用いて画像表示装置を形成する
場合、耐大気圧構造が必要となる。特に、大面積の背面
板と前面板を用いて耐大気圧支持を行う平面型画像表示
装置の場合は、各板が非常に厚くなってしまうために、
重量、コスト等の点で実用性が乏しくなる。この問題を
回避するために、前面板と背面板の間に支柱としてスペ
ーサを配置し、耐大気圧構造とすることで、画像表示装
置の軽量化を図っている。
【0015】この前面板および背面板と支持枠およびス
ペーサ等との接着材料としては、PbO−B23−Si
2系やPbO−B23−ZnO系の低融点ガラス粉末
に、チタン酸鉛(PbTiO3)やウイレマイト(Zn2
SiO4)等の粉末であるフィラーを添加した混合粉末
(以下「フリットガラス」という。)等が広く用いられ
ており、一般に400〜550℃で加熱溶着が行われ
る。このフリットガラスには、結晶性、非結晶性、成分
の違いにより数種類のものがあり、封着温度や使用部材
に応じて適宜選択することができる。
【0016】スペーサ表面には、電子放出素子からの電
子ビームの衝突などによる帯電を抑制するために、高抵
抗な被膜を形成する場合がある。この場合は、前記フリ
ットガラスには、後述する金属粉や、ガラスビーズやセ
ラミックをメッキしたもの等の導電性微粒子を添加した
導電性フリットガラスが用いられる。
【0017】フリットガラスは通常、粉末であり、その
ため、ビヒクルと呼ばれる有機溶媒や、ニトロセルロー
スやアクリル樹脂等のバインダーで粘度やチクソ性を調
整した有機溶剤の溶液中に懸濁・混練してペースト(イ
ンキ)状にした後、所望の接合形状を実現できるような
形状や厚さで部材に塗布される。
【0018】塗布方式としては、ニードル(ノズル)で
フリットペーストを吐出させるディスペンサーに、吐出
部と被塗布部材との位置を相対的に移動・制御するロボ
ットを組み合わせた装置が一般的に用いられている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上に
述べた平面型画像表示装置の作製において、以下のよう
な問題がある。
【0020】図12は、真空容器に支持部材を配置した
画像表示装置の例である。801は電子源基板である背
面板、811は支持枠、809は蛍光面及び加速電極を
有する前面板であり、これらにより真空容器が形成され
ている。また、電子源基板である背面板801上には、
素子電極803a、803b及び電子放出部804から
なる電子放出素子805、走査電極802a及び情報信
号電極802bからなる電子放出素子駆動用配線電極が
形成されている。また、前面板809は、ガラス基板8
06上に、電子放出部804から放出された電子ビーム
の照射により発光する蛍光体808、電子ビーム加速電
圧を印加させる加速電極807が形成されている。ま
た、810はスペーサであり、背面板801と前面板8
09の間に配置され、真空容器を内部から支える耐大気
圧構造部材である。
【0021】以上のような画像表示装置は、X、Yマト
リックス状に配置された走査電極802a及び情報信号
電極802bに所定の信号電圧を印加することにより、
情報信号に応じた電子ビームを電子放出素子から放出さ
せ、これを画像形成部材である蛍光体808に衝突さ
せ、画像を表示させる。
【0022】ここで、スペーサ810を画像表示装置に
配置する際には、前面板、背面板および支持枠が形成す
る真空容器内において蛍光体と電子源の邪魔にならない
位置、すなわち表示画像を乱さない位置(一般には、背
面板側では数百μm幅の電極配線上、及び前面板側では
カラー表示の場合は各色蛍光体間に形成される黒色部材
上)に、数十〜数百μm程度の幅(電極配線幅以下)の
スペーサを数μm〜数十μmの高精度で多数配置する必
要がある。そのためには、スペーサを固定するフリット
ガラスもスペーサ幅と同等に数十〜数百μm程度の幅で
前面板および背面板上の接合面に高精度に線引塗布する
必要があった。
【0023】さらには、スペーサ表面に高抵抗膜を形成
した場合は、帯電を前記配線に逃がすために、配線と高
抵抗膜との十分な電気的接続も前記導電性フリットガラ
スに持たせる必要があった。すなわち、スペーサの固定
に際して、スペーサ幅と同等かそれ以下の線幅でフリッ
トガラスを形成し、しかも、高抵抗膜が被覆された導電
性スペーサを用いる場合は、前記電気的接続を確保する
ために、導電性フリットに含まれる導電性微粒子とスペ
ーサに形成された高抵抗被膜との接触面積を広くとる必
要がある。そのため、低融点ガラス、フィラーの粒径
は、用いるスペーサの幅以下に少なくとも設定されなけ
ればならない。
【0024】しかしながら、このようにフリットガラス
を塗布する場合は、安定かつ微細な線引塗布を行うこと
は不可能であった。これは、通常市販されているフリッ
トガラスは、250〜150メッシュ(63〜150μ
m)のふるいでふるい分けられただけの比較的粗いもの
であり、さらに平均粒径や粒度分布が調整されていない
ため、前記のような数十〜数百μm幅の微細線引塗布に
必要な内径が数十〜数百μmの微細なノズルを作製して
用いたとしても、ノズル内でのペーストの流動性が悪
く、塗布幅のうねり、ノズルの目づまり等が頻繁に発生
するためである。
【0025】そこで本発明の目的は、画像表示装置の作
製におけるフリットガラスの塗布を安定かつ微細に行え
る塗布方法を提供することにより、歩留まりを向上し、
さらに高品質な画像を表示できる画像表示装置を提供す
ることである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0027】本発明は、平均粒径が1〜10μm、粒度
分布において粒径20μm以上の粒子がカットされた細
粒化かつ分級された粉末材料を、ビヒクルと混練して、
使用粘度が10000〜100000mPa・sのペー
スト状にし、これを、内径40μm以上のノズルを用い
たディスペンス方式の吐出装置により塗布することを特
徴とするペーストの塗布方法に関する。
【0028】また本発明は、電子放出素子を搭載した背
面板と、該背面板と対向して配置されると共に該電子放
出素子から放出される電子線の照射により画像が形成さ
れる画像形成部材を搭載した前面板と、該前面板と該背
面板の間にあって、該背面板および該前面板の周縁を包
囲する支持枠と、該背面板と該前面板を大気圧に対して
保持するスペーサとを少なくとも有する画像形成装置で
あって、前記スペーサーと、前記背面板および/或いは
前面板との固定に、少なくとも、粒度分布において粒径
20μm以上の粒子がカットされた低融点ガラス粉末を
含むフリットガラスを用いたことを特徴とする画像表示
装置に関する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を挙げ
て詳細に説明する。
【0030】本発明に用いる微粉末材料は、特にその材
質に制限はないが、好ましくは、PbO−B23−Si
2系やPbO−B23−ZnO系の低融点ガラス粉末
にチタン酸鉛(PbTiO3)やウイレマイト(Zn2
iO)等の粉末であるフィラーを添加した非晶性および
結晶性の絶縁性フリットガラス、PbO−B23−Si
2系やPbO−B23−ZnO系の低融点ガラス粉末
に金属粉や、ガラスビーズやセラミックをメッキしたも
の等の導電性微粒子を添加した導電性フリットガラスが
特に有効である。
【0031】粉体の細粒化方法は、ボールミル、ロ−ラ
ミル、高速回転ミル、ジェットミル等が挙げられるが、
特に限定されない。また、分級方法についても、ふる
い、遠心場分級、重力場分級などが挙げられるが特に限
定するものではない。
【0032】細粒化かつ分級した粉体は、平均粒径が1
〜10μm、好ましくは1〜3μm、粒度分布は20μ
m以上の粒子がカットされたものであり、好ましくは
0.5wt%以下にカットされたものである。また、粉
体は良く分散していることが望ましい。
【0033】上記の微細粉末は、塗布時の作業性を良く
するために、ビヒクルと呼ばれる水や有機溶媒の溶液中
に懸濁・混練し、チクソ性をもつペースト状として用い
る。また、ペーストの塗布形状を維持するために、ペー
ストの高粘度化あるいは溶媒乾燥後のバインダとしてビ
ヒクル中に有機高分子を溶解させることも行われる。一
般に、バインダにはアクリル系等の合成樹脂が用いら
れ、溶媒にはアルコール、エステル等の有機溶剤が用い
られ、その混合液は良く攪拌させた後、使用前にバイン
ダーの溶け残りを除去するためフィルターを通して用い
る。
【0034】ペーストの混練においては、粒子同士の凝
集体の形成による混合不良に注意することが必要である
が、ペーストの質的均一化が達成できれば、用いる装置
や方法などは特に限定されない。
【0035】本発明において、ペーストは使用前に十分
に真空脱泡処理することが望ましい。
【0036】本発明に用いるペーストの粘度は、所望の
塗布形状の線幅や高さ、また被塗布材のぬれ性等の表面
物性、ノズルの吐出性能などにより適宜調整することが
必要であるが、一般には、粉体とビヒクルの混合比、保
持温度等を調節することにより10000〜10000
0mPa・s、好ましくは30000〜50000mP
a・sで使用し、このとき粘度は、塗布の最初から完了
まで常に一定になるように管理することが望ましい。
【0037】このようにして得られたペーストの塗布に
は、主に、ノズル先端からペーストを吐出させるディス
ペンサーと、吐出部を被塗布部材沿面上において2次元
的に操作・制御する機構および被塗布部材沿面の直交方
向において塗布面の形状変化をセンサにより感知して位
置制御する機構を備えたロボットとを組み合わせたディ
スペンサー塗布装置を用いることが望ましいが、その他
の方法、例えば、スクリーン印刷等もペースト塗布方法
の一つに考えられ、大面積に適用する場合にディスペン
サーよりも生産性に優れる。
【0038】次に、本発明の塗布方法の好ましい実施様
態を図面を用いて説明する。図1は本発明の一例を示す
概略図である。なお、ここでは被塗布部材としてガラス
基板を用いた例について説明する。
【0039】図1において、131はペーストを充填し
ておくシリンジ、136は上記のペースト、134は被
塗布部材であるガラス基板である。
【0040】ディスペンサーに選択されるノズルの内径
の下限は、後述するスペーサの厚み、及びスペーサを配
置する電子源基板上の配線幅あるいはフェースプレート
上のブラックストライプ(ブラックマトリクス)の幅か
ら適宜設定される。通常、スペーサの厚みは、上記配線
幅、ブラックストライプ(ブラックマトリクス)幅以下
に設定されるため、ノズルの内径の下限は、スペーサの
厚みと同等かそれ以下に設定される。それ故、高精細な
画像を得るために、蛍光体の配列ピッチ及び電子放出素
子の配列ピッチ(配線のピッチ)を狭めることを考える
と、スペーサの厚みを百μm前後に設定する場合が考え
られ、したがって、塗布時のペーストのダレ等を考慮し
て、ノズルの内径は数十〜数百μm程度のものが設定さ
れる。市販されるノズルは、内径が50μm以上のもの
が安定に機械加工で形成供給できるため、ノズルの内径
の下限は50μm程度である。また、ノズルの内径の上
限は、形成するパターンに依存し、スペーサならば数百
μmで十分であるが、後述する支持枠まで対象とすると
数千μm程度までが考えられる。さらに、前記下限の内
径である50μm程度のノズルに用いることのできるフ
リット(低融点ガラスやフィラー等)の最大粒径は約2
0μmとなる。これは一般に、ノズルの内径は、安定し
た吐出を得るために、用いるフリットの粒径の少なくと
も2倍以上、好ましくは2〜3倍程度に設定されること
に起因したものである。
【0041】133はノズルであり、その寸法・形状
は、前述のように所望の塗布形状により決定されるが、
スペーサに適用する場合、ノズルの内径は通常数十〜数
百μmの範囲、特に市販されるノズルを用いることを考
えると50μm以上の所望の線幅より若干小さめか若し
くは同等の径のノズルを用いる。ノズル133の材質
は、SUS等の金属材、プラスチック、セラミック等が
用いられ特に限定されるものではないが、ペーストの滑
り、流体的な流れ、加工性などに優れたルビーやサファ
イヤ等の焼結性セラミックが好ましい。
【0042】ペーストの塗布形状である塗布幅および塗
布高は、ペーストの粘度やノズル形状以外に、ノズル1
33と被塗布部材134とのギャップ距離、ペーストの
吐出圧力、ノズルの送り速度により調整する。また、比
較的高い塗布高を必要とする場合は同一箇所において重
ね塗りを行う。吐出圧力は空気で行うことが望ましい。
【0043】ノズル133と被塗布部材134とのギャ
ップ距離は、50〜2000μmの範囲が好ましく、通
常、塗布幅の微細化を進めるほどギャップ距離を小さく
とる。また、特に広範囲において安定な微細線引塗布を
行う場合は、ギャップ距離の安定性が特に必要とされる
ため、図1に示すような非接触式センサ135や接触式
センサを用いた被塗布部材の表面形状測定系とステッピ
ングモータ等の駆動系とを組合わせたフィードバック制
御機構を設けて、ノズルの位置を制御することが好まし
い。
【0044】ペーストの吐出圧力は0.05〜0.5M
paの範囲が好ましく、通常、塗布幅と吐出圧力は比例
的な関係がある。
【0045】ノズル形状、ギャップ距離、吐出圧力およ
びノズル送り速度はそれぞれ相関しており、所望の塗布
形状によりこれらを適正に制御することが望ましい。
【0046】図1において、132はペーストの温度管
理を行う温度調整器であり、使用粘度により決まった温
度を一定に保つ。なお、図ではシリンジのみを包み込む
構造を示しているが、好ましくはノズル先端まで包み込
む構造が好ましい。
【0047】ロボットの駆動系については、リニア駆動
機および回転位置センサを内蔵したステッピングモータ
等が用いられ塗布が行われる。
【0048】次に、本発明の塗布方法を用いて作製する
画像表示装置の好ましい実施態様を説明する。
【0049】まず、本発明の画像表示装置の電子源につ
いて述べる。本発明に用いる冷陰極電子源としては、比
較的単純な構成であり、製法が容易な表面伝導型電子放
出素子が好適である。この表面伝導型電子放出素子は、
基本的に平面型表面伝導型電子放出素子と垂直型表面伝
導型電子放出素子の2種類が挙げられる。
【0050】図2に、基本的な表面伝導型電子放出素子
の構成を示す模式的平面図及び断面図を示す。図2にお
いて、1は基板、2、3は素子電極、4は導電性薄膜、
5は電子放出部である。
【0051】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量の少ないガラス、青板ガラス、SiO2を表
面に形成したガラス基板、及びアルミナ等のセラミック
ス基板が用いられる。
【0052】素子電極2、3の材料としては、一般的に
導電体が用いられ、例えば、Ni、Cr、Au、Mo、
W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属あるは合金
及びPd、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag等の金属
あるいは金属酸化物とガラス等から構成される印刷導
体、In23−SnO2等の透明導電体及びポリシリコ
ン等の半導体材料等から適宜選択される。
【0053】素子電極間隔Lは、好ましくは数十ナノメ
ートルから数百マイクロメートルである。また、素子電
極間に印加する電圧は低い方が望ましく、再現良く作製
することが要求されるため、好ましい素子電極間隔は数
マイクロメートルから数十マイクロメートルである。
【0054】素子電極長さWは、電極の抵抗値や電子放
出特性から、数マイクロメートルから数百マイクロメー
トルが好ましく、また素子電極2、3の膜厚dは、数十
ナノメートル〜数マイクロメートルが好ましい。
【0055】尚、図2の構成だけでなく、基板1上に導
電性薄膜4、素子電極2、3の電極を順に形成させた構
成にしてもよい。
【0056】導電性薄膜4は、良好な電子放出特性を得
るために、微粒子で構成された微粒子膜が特に好まし
く、その膜厚は素子電極2、3ヘのステップカバレー
ジ、素子電極2、3間の低抗値および後述する通電フォ
ーミング条件等によって、適宜設定されるが、好ましく
は数百ピコメートルから数百ナノメートルで、特に好ま
しくは1〜50ナノメートルである。そのシート抵抗値
は10の3乗〜10の7乗オーム/□である。
【0057】導電性薄膜4を構成する材料は、Pd、P
t、Rう、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、F
e、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、S
nO2、In23、PbO、Sb23等の酸化物、Hf
2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、GdB4等の
硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、W
C等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、S
i、Ge等の半導体、カーボン等が挙げられる。
【0058】尚、ここで述べ微粒子膜とは、複数の微粒
子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が
個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣
接あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜をさし
ており、微粒子の粒径は数百ピコメートルから数百ナノ
メートルであり、好ましくは1〜20ナノメートルであ
る。
【0059】電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂であり、通電フォーミング等によ
り形成される。また亀裂内には数百ピコメートルから数
十ナノメートルの粒径の導電性微粒子を有することもあ
る。この導電性微粒子は導電性薄膜4を構成する物質の
少なくとも一部の元素を含んでいる。また電子放出部5
及びその近傍の導電性薄膜4は炭素及び炭素化合物を有
することもある。
【0060】図3に、基本的な垂直型表面伝導型電子放
出素子の構成を示す。図3においては、図2と同一の部
材については同一符号を付してある。21は段差形成部
である。
【0061】基板1、素子電極2と3、導電性薄膜4、
電子放出部5は前述した平面型表面伝導型電子放出素子
と同様の材料で構成することができ、段差形成部21は
絶縁性材料で構成され、段差形成部21の膜厚が先に述
べた平面型表面伝導型電子放出素子の素子電極間隔Lに
相当する。その間隔は数十ナノメートル〜数十マイクロ
メートルである。またその間隔は段差形成部の製法およ
び素子電極間に印加する電圧により制御することができ
るが、好ましくは数十ナノメートルから数マイクロメー
トルである。
【0062】導電性薄膜4は、素子電極2、3と段差形
成部21の作製後に形成するため、素子電極2、3の上
に積層される。なお、図3において電子放出部5は段差
形成部21に直線状に形成されているように示されてい
るが、作製条件や通電フォーミング条件等に依存し、形
状および位置ともこれに限るものではない。
【0063】以下、図2及び図4に基づいて電子源基板
の作製方法について説明する。なお、図4において図2
と同一の部材については同一の符号を付してある。
【0064】1)基板を洗剤、純水および有機溶剤によ
り十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等により素子
電極材料を推積する。その後、フォトリソグラフィー技
術によりこの基板上に素子電極2、3を形成する(図4
(a))。
【0065】2)素子電極2、3を設けた基板1に、有
機金属溶液を塗布して放置することにより有機金属薄膜
を形成する。ここでいう有機金属溶液とは、前述の導電
性薄膜4を形成する金属を主元素とする有機金属化合物
の溶液である。その後、有機金属薄膜を加熱焼成処理
し、リフトオフ、エッチング等によりパターニングし、
導電性薄膜4を形成する(図4(b))。なお、ここで
は有機金属溶液の塗布により行ったが、これに限るもの
でなく真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相推積法、分
散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等によって形
成してもよい。
【0066】3)続いて、通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を行う。通電フォーミングは素子電極2、3間
に不図示の電源より通電を行い、導電性薄膜4を局所的
に破壊、変形もしくは変質させて、構造を変化させた部
位を形成する処理である。この局所的に構造変化させた
部位を電子放出部5とよぶ(図4(c))。
【0067】通電フォーミングの電圧波形の例を図5に
示す。電圧波形は、特にパルス波形が好ましく、パルス
波高値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合(図
5(a))とパルス波高値を増加させながら電圧パルス
を印加する場合(図5(b))とがある。
【0068】まずバルス波高値を一定電圧とした場合
(図5(a))について説明する。図5(a)における
T1及びT2はそれぞれ電圧波形のパルス幅とパルス間隔
である。T1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マ
イクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波高値(通電フ
ォーミング時のピーク電圧)を表面伝導型電子放出素子
の形態に応じて適宜選択し、適当な真空度、例えば1.
33×10-2Pa程度の真空雰囲気下で、数秒から数十
分印加する。なお、素子の電極間に印加する波形は三角
波に限定することはなく、矩形波など所望の波形を用い
てもよい。
【0069】図5(b)におけるT1及びT2は図5
(a)と同様に設定し、三角波の波高値(通電フオーミ
ング時のピーク電圧)を、例えば0.1Vステップ程度
づつ増加させて適当な真空雰囲気下で印加する。なお、
この場合の通電フォーミング処理はパルス間隔T2中
に、導電性薄膜2を局所的に破壊・変形しない程度の電
圧、例えば0.1V程度の電圧で、素子電流を測定し、
抵抗値を求め、例えば、1Mオーム以上の抵抗を示した
時に通電フォーミングを終了する。
【0070】上記の通電フォーミングが終了した素子に
活性化処理を施すことが望ましい。活性化処理は、例え
ば、1.33×10-1〜1.33×10-2Pa程度の真
空度で、通電フォーミングと同様、パルス波高値が一定
の電圧パルスを繰り返し印加する処理のことであり、真
空中に存在する有機物質に起因する炭素及び炭素化合物
を導電性薄膜上に堆積させ、素子電流If及び放出電流
Ieを著しく変化させる処理である。この活性化処理は
素子電流Ifと放出電流Ieを測定しながら、例えば、
放出電流Ieが飽和した時点で終了する。また印加する
電圧パルスは動作駆動電圧で行うことが好ましい。な
お、ここで炭素および炭素化合物とは、グラファイト
(単結晶および多結晶の双方を指す)、非晶質カーボン
(非晶質カーボン及び多結晶グラファイトとの混合物を
指す)であり、その膜厚は50ナノメートル以下が好ま
しく、より好ましくは30ナノメートル以下である。
【0071】このように作製した電子放出素子は、フォ
ーミング工程および活性化工程における真空度よりも高
い真空度の雰囲気下で動作駆動させるのがよい。さら
に、高い真空度の雰囲気下で、80〜150℃の加熱処
理を行った後に動作駆動させることが望ましい。ここ
で、フォーミング工程および活性化工程における真空度
より高い真空度とは、例えば、約10-6以上の真空度で
あり、より好ましくは超高真空系であり、新たに炭素お
よび炭素化合物が導電性薄膜上にほとんど推積しない真
空度である。このようにすることによって素子電流If
及び放出電流Ieを安定化させることが可能になる。
【0072】次に、本発明の画像表示装置について説明
する。本発明の画像表示装置に用いられる電子源基板
は、複数の表面伝導型電子放出素子を基板上に配列する
ことにより形成される。表面伝導型電子放出素子の配列
の方式には、表面伝導型電子放出素子を並列に配置し、
個々の素子の両端を配線で接続するはしご型配置(はし
ご型配置電子源基板)や、表面伝導型電子放出素子の一
対の素子電極にそれぞれX方向配線およびY方向配線を
接続した単純マトリクス配置(マトリクス型配置電子源
基板)が挙げられる。なお、はしご型配置電子源基板を
有する画像表示装置は、電子放出素子からの電子の飛翔
を制御する電極である制御電極(グリッド電極)を必要
とする。
【0073】図6に、マトリクス型配置電子源基板を示
す。71は電子源基板、72はX方向配線、73はY方
向配線、74は表面伝導型電子放出素子、75は結線で
ある。なお、表面伝導型電子放出素74は前述した平面
型あるいは垂直型のどちらであってもよい。
【0074】電子源基板71に用いる基板は前述のガラ
ス基板等であり、用途に応じて形状が適宜設定される。
m本のX方向配線72は、Dx1、Dx2、・・・Dxmから
なり、Y方向配線73は、Dy1、Dy2、・・・Dynのn
本の配線からなる。また多数の表面伝導型素子にほぼ均
等な電圧が供給されるように材料、膜厚および配線幅が
適宜設定される。これらm本のX方向配線72とn本の
Y方向配線73間は不図示の層間絶縁層により電気的に
分離されてマトリックス配線を構成する。不図示の層間
絶縁層は、X方向配線72を形成した基板71の全面あ
るいは一部に所望の領域に形成される。X方向配線72
とY方向配線73はそれぞれ外部端子として引き出され
る。さらに、表面伝導型放出素子74の素子電極(不図
示)がm本のX方向配線72とn本のY方向配線73と
結線75によって電気的に接続されている。また、表面
伝導型電子放出素子は基板あるいは不図示の層間絶縁層
上のどちらに形成してもよい。また、X方向配線72
は、X方向に配列する表面伝導型放出素子74の行の各
行を入力信号に応じて走査するための走査信号を印加す
るための不図示の走査信号発生手段と電気的に接続され
ている。一方、Y方向配線73は、Y方向に配列する表
面伝導型放出素子74の列の各列を入力信号に応じて変
調するための変調信号を印加するための不図示の変調信
号発生手段と電気的に接続されている。表面伝導型電子
放出素子の各素子に印加される駆動電圧は、当該素子に
印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給され
るものである。このような構成にすることにより、単純
なマトリクス配線だけで個別の素子を選択して独立に駆
動することができる。
【0075】次に、以上のようにして作製したマトリク
ス型配置電子源基板を用いた画像表示装置について、図
7、図8及び図9を用いて説明する。図7は画像表示装
置の基本構成図であり、図8は蛍光膜、図9はNTSC
方式のテレビ信号に応じて表示をするための駆動回路と
画像表示装置を示すブロック図である。。
【0076】図7において、71は電子放出素子を基板
上に作製した電子源基板、81は電子源基板71を固定
したリアプレート、86はガラス基板83の内面に蛍光
膜84とメタルバック85等が形成されたフエースプレ
ート、82は支持枠であり、これら部材によって外囲器
88が構成される。また、74は図2の電子放出素子に
相当する。72及び73は、表面伝導型電子放出素子の
一対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線
である。外囲器88は、図7ではフエースプレート8
6、支持枠82及びリアプレート81で構成したが、リ
アプレート81は主に電子源基板71の強度を補強する
目的で設けられるため、電子源基板71自体で十分な強
度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要であり、
電子源基板71に直接支持枠82を設け、フエースプレ
ート86、支持枠82及び電子源基板71で外囲器88
を構成してもよい。
【0077】図8において、92は蛍光体である。この
蛍光体92はモノクロームの場合は蛍光体のみからなる
が、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体と、蛍光体の配列
によりブラックストライプ(図8(a))やブラックマ
トリクス(図8(b))などと呼ばれる黒色導電材91
とで構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリ
クスが設けられる目的は、カラー表示の場合、必要とな
る三原色蛍光体の各蛍光体92間の塗り分け部を黒くす
ることで、混色等を目立たなくすることと、蛍光膜84
における外光反射によるコントラストの低下を抑制する
ことである。ブラックストライプの材料としては、通常
よく用いられている黒鉛を主成分とする材料だけでな
く、導電性があり、光の透過および反射が少ない材料で
あればこれに限るものではない。
【0078】ガラス基板93へ蛍光体を塗布する方法と
しては、モノクローム、カラーによらず沈澱法や印刷法
が用いられる。
【0079】蛍光膜84の内面側には、通常メタルバッ
ク85が設けられる。メタルバツクの目的は、蛍光体の
発光のうち内面側ヘの光をフエースプレート86側ヘ鏡
面反射することにより輝度を向上すること、電子ビーム
加速電圧を印加するための電極として作用すること、外
囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージからの
蛍光体を保護すること等である。メタルバックは、蛍光
膜の作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常
「フィルミング」と呼ばれる)を行い、その後、Alを
真空蒸着等で推積することで作製できる。
【0080】フエースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導電性を高めるため蛍光膜84の外面側に透明電極
(不図示)を設けてもよい。
【0081】外囲器88は、不図示の排気管を通じ、
1.33×10-4Pa程度の真空度にされ、封止がおこ
なわれる。また外囲器88の封止後の真空度を維持する
ためにゲッター処理を行なう場合もある。これは外囲器
88の封止を行う直前あるいは封止後に抵抗加熱あるい
は高周波加熱等の加熱法により、外囲器88内の所定の
位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜
を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分
であり、この蒸着膜の吸着作用により、例えば1.33
×10-2Pa〜1.33×10-4Paの真空度を維持す
るものである。なお、表面伝導型電子放出素子のフォー
ミング以降の工程は適宜設定される。
【0082】次に、マトリクス型配置電子源基板を用い
て構成した画像表示装置を、NTSC方式のテレビ信号
に基づきテレビジョン表示を行うための駆動回路の概略
構成を図9のブロック図を用いて説明する。101は表
示パネルであり、また102は走査回路、103は制御
回路、104はシフトレジスタ、105はラインメモ
リ、106は同期信号分離回路、107は変調信号発生
器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0083】以下、各部の機能を説明する。まず、表示
パネル101は、端子Dox1ないしDoxm、及び端子Do
y1ないしDoyn、及び高圧端子Hvを介して外部の電気
回路と接続している。このうち端子Dox1ないしDoxm
には前記表示パネル内に設けられている電子源、すなわ
ちM行N列の行列状にマトリクス配線された表面伝導型
電子放出素子群を1行(N素子)ずつ順次駆動してゆく
ための走査信号が印加される。
【0084】一方、端子Doy1ないしDoynには前記走
査信号により選択された1行の表面伝導型電子放出素子
の各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が
印加される。また、高圧端子Hvには直流電圧源Vaよ
り、例えば10KMの直流電圧が供給されるが、これ
は、表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビーム
に蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与するた
めの加速電圧である。
【0085】次に、走査回路102について説明する。
同回路は内部にM個のスイッチング素子を備えるもので
(図中、S1ないしSmで模式的に示している)、各ス
イッチング素子は直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0
V(グランドレペル)のいずれか一方を選択し、表示パ
ネル101の端子Dx1ないしDxmと電気的に接続するも
のである。S1ないしSmの各スイッチング素子は制御回
路103が出力する制御信号Tscanに基づいて動作する
ものだが、実際には例えばFETのようなスイッチング
素子を組み合わせることにより構成することが可能であ
る。
【0086】なお、前記の直流電圧源Vxは、表面伝導
型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づ
き走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放
出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよ
う設定されている。
【0087】また、制御回路103は、外部から入力す
る画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各
部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明
する同期信号分離回路106から送られる同期信号Tsy
ncに基づいて各部に対してTscan、Tsft及びTmryの各
制御信号を発生する。
【0088】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離するための回路で周波数分離(フィ
ルター)回路を用いれば構成できるものである。同期信
害分離回路106により分離された同期信号はよく知ら
れるように垂直同期信号と水平同期信号から成るが、こ
こでは説明の便宜上Tsync信号として図示した。一方、
テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上
DATA信号と表すが、同信号はシフトレジスタ104
に入力される。
【0089】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力されるDATA信号を画像の1ライン毎にシ
リアル/パラレル変換するためのもので、制御回路10
3から送られる制御信号Tsftに基づいて動作する。す
なわち制御信号Tsftは、シフトレジスタ104のシフ
トクロックであると言い換えてもよい。シリアル/パラ
レル変換された画像1ライン分(電子放出素子N素子分
の駆動データに相当する)のデータはId1ないしIdn
のN個の並列信号としてシフトレジスタ104から出力
される。
【0090】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路103から送られる制御信号Tmryにした
がって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶さ
れた内容はId1ないしIdnとして出力され変調信号発
生器107に入力される。
【0091】変調信号発生器107は、画像データId
1ないしIdnの各々に応じて表面伝導型電子放出素子の
各々を適切に駆動変調するための信号源で、その出力信
号は端子Doy1ないしDoynを通じて表示パネル101内
の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0092】前述したように本発明に関わる電子放出素
子は放出電流|eに対して以下の基本特性を有してい
る。すなわち、前述したように電子放出には明確なしき
い値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された時の
み電子放出が生じる。また電子放出しきい値以上の電圧
に対しては素子ヘの印加電圧の変化に応じて放出電流も
変化してゆく。
【0093】なお、電子放出素子の材料や構成、製造方
法を変えることにより電子放出しきい値電圧Vthの値や
印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わる場合
もあるが、いずれにしても以下のようなことがいえる。
すなわち、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例
えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても電子放出は生
じないが電子放出閾値以上の電圧を印加する場合には電
子ビームが出力される。その際、第1にはパルスの波高
値Vmを変化させることにより出力電子ビームの強度を
制御することが可能である。第2には、バルスの幅Pw
を変化させることにより出力される電子ビームの電荷の
総量を制御することが可能である。したがって、入力信
号に応じて電子放出素子を変調する方式としては、電圧
変調方式、パルス幅変調方式等があげられ、電圧変調方
式を実施するには変調信号発生器107としては一定の
長さの電圧パルスを発生するが入力されるデータに応じ
て適宜パルスの波高値を変調するような電圧変調方式の
回路を用いる。また、パルス幅変調方式を実施するには
変調信号発生器107としては、一定の波高値の電圧パ
ルスを発生するが入力されるデータに応じて適宜電圧パ
ルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用
いる。
【0094】以上に説明した一連の動作により、本発明
の画像表示装置は表示パネル101を用いてテレビジョ
ンの表示を行なえる。なお、上記説明中、特に記載しな
かったがシフトレジスタ104やラインメモリ105は
デジタル信号式のものでもアナログ信号式のものでも差
し支えなく、要は画像信号のシリアル/パラレル変換や
記憶が所定の速度で行なわれればよい。
【0095】デジタル信号式を用いる場合には同期信号
分離回路106の出カ信号DATAをデジタル信号化す
る必要があるが、これは106の出力部にA/D変換器
を備えれは可能である。また、これと関連してラインメ
モリ105の出力信号がデジタル信号かアナログ信号か
により、変調信号発生器107に用いられる回路が若干
異なったものとなる。
【0096】まず、デジタル信号の場合について述べ
る。電圧変調方式においては変調信号発生器107に
は、例えばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に
応じて増幅回路などを付け加えればよい。また、パルス
幅変調方式の場合、変調信号発生器107は、例えば高
速の発振器および発振器の出力する波数を計数する計数
器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力
値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路
を用いることにより構成できる。必要に応じて比較器の
出力するパルス幅が変調された変調信号を表面伝導型電
子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器
を付け加えてもよい。
【0097】次に、アナログ信号の場合について述べ
る。電圧変調方式においては変調信号発生器107に
は、例えばよく知られるオペアンプ当を用いた増幅回路
を用いればよく、必要に応じてレベルシフト回路などを
付け加えてもよい。またパルス幅変調方式の場合には、
例えばよく知られた電圧制御型発振回路(VCO)を用
ればよく、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよ
い。
【0098】以上のように完成した画像表示装置におい
て、このようにして、各電子放出素子に、容器外端子D
ox1ないしDo、Doy1ないしDoynを通じて電圧を印加す
ることにより電子を放出させ、高圧端子Hvを通じてメ
タルバック85あるいは透明電極(不図示)に高圧を印
加し、電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させ、励
起・発光させることで画像を表示することができる。
【0099】以上に述べた構成は、表示等に用いられる
好適な画像表示装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像表示装置の用途に適するよう
に適宜選択する。また、入力信号の例としてNTSC方
式をあげたが、これに限るものでなく、PAL、SEC
AM方式などの諸方式でもよく、また、これよりも多数
の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をは
じめとする高品位TV)方式でもよい。
【0100】次に、前述のはしご型配置電子源基板及び
それを用いた画像表示装置について図10及び図11に
より説明する。
【0101】図10において、110は電子源基板、1
11は電子放出素子、112のDx1〜Dx10は電子放出
素子に接続する共通配線である。電子放出素子111
は、電子源基板110上に、X方向に並列に複数個配置
される(これを素子行と呼ぶ)。この素子行が複数個基
板上に配置され、はしご型電子源基板が構成される。各
素子行の共通配線間に適宜駆動電圧を印加することで、
各素子行を独立に駆動することが可能になる。すなわ
ち、電子ビームを放出させる素子行には電子放出しきい
値を超えた電圧を、電子ビ−ムを放出させない素子行に
は電子放出しきい値以下の電圧を印加すればよい。ま
た、各素子行間の共通配線Dx2〜Dx9を、例えばDx2と
Dx3とを同一配線とするようにして構成してもよい。
【0102】図11は、はしご型配置電子源基板を備え
た画像表示装置の説明図である。120はグリッド電
極、121は電子が通過するための空孔、122はDox
1、Dox2、・・・Doxmからなる容器外端子、123
は、グリッド電極120と接続されたG1、G2、・・・
Gnからなる容器外端子、110は前述の各素子行間の
共通配線を同一配線とした電子源基板である。なお、図
7及び図10と同一の符号は同一の部材を示す。前述の
マトリクス型配置電子源基板を備えた画像表示装置(図
7)との違いは、電子源基板110とフェースプレート
86との間にグリッド電極120を備えている点であ
る。グリッド電極120は、表面伝導型電子放出素子か
ら放出された電子ビームを変調することができるもの
で、はしご型配置の素子行と直交して設けられたストラ
イプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に
対応して1個ずつ円形の空孔121が設けられている。
グリッドの形状や設置位置は必ずしも図11のようなも
のでなくともよく、空孔としてメッシュ状に多数の通過
口を設けてもよく、また例えば表面伝導型電子放出素子
の周囲や近傍に設けてもよい。
【0103】容器外端子122、123は、不図示の制
御回路と電気的に接続されている。本画像表示装置で
は、素子行を順次駆動(走査)していくのと同期してグ
リッド電極列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加
することにより、各電子ビームの蛍光体ヘの照射を制御
し、画像を1ラインずつ表示することができる。
【0104】また本発明によれば、テレビジョン放送の
表示装置のみならずテレビ会議システム、コンピュータ
ー等の表示装置に適した画像表示装置を提供することが
できる。さらには、感光性ドラム等で構成された光プリ
ンターとしての画像表示装置としても用いることもでき
る。また、電子放出素子として表面伝導型電子放出素子
ばかりでなく、MIM型電子放出素子、電界放出型電子
放出素子等の冷陰極電子源にも適用可能である、さらに
は熱電子源による画像表示装置にも適用することができ
る。
【0105】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。
【0106】実施例1 本実施例は、本発明のペースト塗布方法を、前述のマト
リクス型配置電子源基板を備えた画像表示装置の製造に
おけるフリット塗布、特に導電性スペーサ部への塗布に
適用した例である。
【0107】図13は、本実施例の画像表示装置の一部
を破断した斜視図であり、図14は図13に示した画像
表示装置の要部断面図(図13のA−A′線断面の一
部)であり、図15は、図14におけるフリットの塗布
方法を部分的に拡大し表わしたものである。図13は、
基本的には図7と同じであるが、電子源基板71を補強
するリアプレート81がないこと、及びSnO2からな
る高抵抗膜が被覆されたスペーサ89を有することが大
きく異なる。構造の共通部分については同一符号を付し
た。
【0108】図13及び図14において、89は、青板
ガラスを研磨加工して百μmの厚さとしたスペーサ、8
0aと80bは導電性フリットガラス、80cは絶縁性
フリットガラス、71は青板ガラスを材質としX方向配
線72等を配した電子源基板、86は、青板ガラス基板
83、蛍光体84及びメタルバック85から成るフエー
スプレート、82は支持枠である。
【0109】電子源基板71は次のようにして形成し
た。まず、よく洗浄した青板ガラス基板上にスパッタリ
ング法により金属薄膜を形成し、次いでフォトリソエッ
チング法により素子電極部を形成した。その後、素子電
極と接続するようにY方向配線73及びX方向配線72
を順次、銀ペーストを用いてスクリーン印刷法でパター
ニングし、次いで焼成することで形成した。最後に、素
子電極上に、有機金属溶液を塗布、焼成し、次いでフォ
トリソグラフィー等によるパターニングを行ってPdO
からなる導電性薄膜を形成した。また、Y方向配線73
とX方向配線72の間は、ガラスを主成分とする絶縁層
で完全に絶縁した。
【0110】スペーサ89の固定には、画像表示装置の
作製上の理由で、異なるフリットガラスを用いた。すな
わち、フェースプレート86のメタルバック85とスペ
ーサ89の固定には結晶性の導電性フリットガラス80
aを、電子源基板71上のX方向配線72とスペーサ8
9との固定には非晶質の導電性フリットガラス80bを
用いた。
【0111】以下にフリットガラスの塗布方法を図15
を用いて具体的に説明する。161はペーストを充填す
るシリンジ、162はペーストの温度を一定に保つため
の温度調節器、164はノズル、165は、塗布面表面
のうねりや反りを測定し制御させるためのフォーカス式
レーザセンサ(非接触式センサ)である。
【0112】フリットガラス80aは、市販されている
PbO、ZnO、B23、SiO2、BaOを主成分と
する結晶性のフリットガラスをジェットミルにより数μ
mオーダーに粉砕した後、ふるいにより分級し、粒度分
布において20μm以上の粒径の粒子をカットした平均
粒径3μmのものにメッキ処理したフィラー(粒径20
μm未満)を加えたものを用いた。
【0113】フリットガラスは、塗布時の作業性を考
え、テルピネオールの溶剤にアクリル系樹脂のバインダ
ー樹脂(デュボン社製2045)を数日かけて完全に溶
解させたビヒクルと混合し、十分に攪拌してペーストと
した後、真空脱泡処理をし、シリンジに充填した。
【0114】フリットガラスとビヒクルの混合比は、ノ
ズルの吐出性能および被塗布面状態等から、粘度250
00〜30000mPa・sを目標とし、図16に示す
関係から1:4.6とした。また、ペーストの粘度は、
図17に示すような温度−粘度曲線を示すため、27℃
で厳密な温度管理を行った。
【0115】このフリットガラスペーストを内径100
μmのルビー(Al23)製ノズル164を装着したデ
ィスペンサフリット塗布装置を用いてフェースプレート
86のブラックストライプ上に形成されたメタルバック
上の所望の位置に塗布した。塗布は、120℃の乾燥工
程をはさんで2回(2層)行い、その断面は図15
(b)の断面図に示す形状となった。
【0116】塗布条件は、1層目は、ペースト吐出圧力
0.13Mpa、ノズル先端と被塗布部材間距離(ギャ
ップ距離)70μm、2層目は、ペースト吐出圧力0.
15Mpa、ギャップ間距離170μmとし、ノズルの
送り速度は両塗布とも12mm/sとした。
【0117】フリットガラス80bは、市販されている
PbO、B23、Bi23、ZnOを主成分とする非晶
性のフリットガラスを、上記と同様にジェットミルによ
り数μmオーダーに粉砕した後、ふるいにより分級し、
粒度分布において20μm以上の粒径の粒子をカットし
た平均粒径3μmのものに、Ag微粒子(粒径20μm
未満)を加えたもの用いた。
【0118】また前記のフリットガラス80aと同様な
手法で、粘度25000〜30000mPa・sのペー
スト状にした。
【0119】塗布も同様に、内径100μmのルビー製
ノズルを用いたディスペンサフリット塗布装置を用い
て、電子源基板71上の幅200μmのX方向配線72
上の所望の位置に120℃の乾燥工程をはさんで2層重
ねて塗布した。
【0120】塗布条件は、1層目は、ペースト吐出圧力
0.15Mpa、ノズル先端と被塗布部材間距離(ギャ
ップ距離)70μm、2層目には、ペースト吐出圧力
0.17Mpa、ギャップ間距離170μmとし、ノズ
ルの送り速度は両塗布とも12mm/sとした。
【0121】フリットガラス80a及び80bのフリッ
トガラス塗布においては、ギャップ間距離を安定保持さ
せるため、ノズル塗布部の塗布面垂直方向のうねりをノ
ズル塗布部直前においてセンサリングして塗布装置にフ
ィードバックを行って精密に制御する機構を設けて行っ
た。
【0122】このように塗布したフリットガラスを最高
温度320〜380℃において各々仮焼成した後、40
0〜450℃において焼成し、スペーサの固着を行っ
た。仮焼成は、フリットガラスペースト中のビヒクルで
ある溶媒および有機高分子樹脂バインダーを分解・揮散
させるためのプロセスである。
【0123】その結果、フリットガラス塗布幅180〜
220μm、フリット高さ110〜130μmの微細か
つ安定した線引塗布(従来と比較して10倍以上の時間
の連続吐出)が可能となり、その焼成体を媒体とした強
固で質的に安定したスペーサ保持が可能となり、画像表
示装置の歩留りの向上と品質向上を達成することができ
た。また、スペーサ近傍の画像に欠陥や色ズレが見られ
なかったことから、導電性スペーサ表面の帯電も、導電
性フリットガラス中に含まれるメッキしたフィラー、A
g微粒子を介し、良好に除電できたと考えられる。
【0124】なお本実施例では、スペーサを、フェース
プレート側およびリアプレート側の双方にフリットガラ
スで固定したが、機械強度に問題が無い場合には片側の
みの固定でもかまわない。さらに、本実施例では、支持
枠固定用のフリットガラス80cとして、上述フリット
ガラス80aの金属メッキ処理したフィラーを除いたも
のを用い、フリットガラス80cの接合部への塗布にス
クリーン印刷法を用いたため、フリットガラス80aと
は粘度を異ならせた。
【0125】実施例2 実施例2は、本発明のペースト塗布方法を、前述のマト
リクス型配置電子源基板を備えた画像表示装置の製造に
おけるスペーサの固定用に加え、支持枠部への塗布に適
用した例である。
【0126】本実施例の画像表示装置の構造は、実施例
1と同様な上記に記載したものであり、図13及び図1
4に示されるものである。
【0127】本実施例では、幅が数mm〜数十mmであ
る支持枠82とフェースプレート86、電子源基板71
とを封着するフリットガラス80cの塗布に用いた例を
示す。なお、スペーサ部へのフリットガラスの塗布は実
施例1と同様に行った。
【0128】以下に支持枠部へのフリットガラスの塗布
方法を具体的に説明する。フリットガラス80cには、
実施例1のフリットガラス80bと同様に市販されてい
る非結晶性フリットガラス(日本電気硝子(株)社製、
LS−3081)と同成分のフリットガラスをジェット
ミルにより数μmオーダーに粉砕した後、ふるいにより
分級し、粒度分布において10μm以下の粒径の粒子が
95wt%以上、かつ20μm以上の粒径の粒子を0.
5wt%以下にした平均粒径5μmのものを用いた。
【0129】また、実施例1と同様な手法で、粘度25
000〜30000mPa・sのペーストにし、内径6
00μmのSUS製ノズルを用いたディスペンサフリッ
ト塗布装置を用いてこのフリットガラスペーストを支持
枠82上および電子源基板71上の所望の位置に230
℃の乾燥工程をはさんで3列に2層重ねて塗布した。
【0130】塗布条件は、1層目は、ペースト吐出圧力
0.2Mpa、ノズル先端と被塗布部材間距離(ギャッ
プ間距離)1000μm、2層目は、ペースト吐出圧力
0.22Mpa、ギャップ間距離2000μmとし、ノ
ズルの送り速度は両塗布とも12mm/sとした。
【0131】このように塗布したフリットガラスを別々
に最高温度320〜380℃において仮焼成した後、4
00〜450℃において組み合わせて封着し画像表示装
置を完成させた。
【0132】その結果、フリットガラス塗布幅が3列で
5〜6mm、フリット高さが2層で1〜1.2mmの、
目づまり及びうねりの無い安定した線引塗布が可能とな
り、画像表示装置の歩留りの向上と品質向上を達成する
ことができた。
【0133】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、数十〜数千μm幅で可変可能な線引塗布が目づ
まりや幅のうねりが無く安定的に行えた。さらに、同一
箇所において重ね塗りを行うことで数mm厚までのペー
スト塗布が可能となった。
【0134】その結果、本発明の方法を画像表示装置の
フリットガラス塗布に適用すると、前面板および背面板
内における蛍光面および電子源の邪魔にならない位置
に、数十〜数百μm程度の幅の細いスペーサを高精度で
多数配置するために行うフリット線引塗布を安定して行
うことが可能となり、歩留りが向上し、さらに、このよ
うにして作製された画像表示装置は高品質な画像を表示
できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布方法の説明図である。
【図2】本発明の画像表示装置の表面伝導型電子放出素
子の説明図である。
【図3】本発明の画像表示装置の垂直型表面伝導型電子
放出素子の説明図である。
【図4】本発明の画像表示装置の表面伝導型電子放出素
子の製造方法の説明図である。
【図5】本発明の画像表示装置の表面伝導型電子放出素
子の製造における通電フォーミングの電圧波形の一例を
示す図である。
【図6】本発明の画像表示装置のマトリクス型配置電子
源基板の説明図である。
【図7】本発明の画像表示装置の斜視図である。
【図8】本発明の画像表示装置の蛍光膜の説明図であ
る。
【図9】NTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行な
うための駆動回路と画像表示装置を示すブロック図であ
る。
【図10】本発明の画像表示装置のはしご型配置電子源
基板の説明図である。
【図11】本発明の画像表示装置の斜視図である。
【図12】支持部材を設けた画像表示装置の説明図であ
る。
【図13】本発明の方法が適用された画像表示装置の斜
視図である。
【図14】本発明の画像表示装置の要部断面図である。
【図15】本発明のペースト塗布方法の説明図である
【図16】本発明の実施例1における、ビヒクル/フリ
ットガラスの混合比とフリットガラスペーストの粘度と
の関係を示すグラフである。
【図17】本発明の実施例1におけるフリットガラスペ
ーストの粘度と温度との関係を示すグラフである。
【図18】従来の表面伝導型電子放出素子の構成を示す
模式的平面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 素子電極 3 素子電極 4 導電性薄膜 5 電子放出部 21 段差形成部 31 基板 34 導電性薄膜 35 電子放出部 71 電子源基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 表面伝導型電子放出素子 75 結線 80a、80b、80c フリットガラス 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 87 高圧端子 88 外囲器 89 スペーサ 91 黒色導電材 92 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 Vx及びVa 直流電圧源 110 電子源基板 111 電子放出素子 112 共通配線 120 グリッド電極 121 空孔 122 容器外端子 123 容器外端子 131 シリンジ 132 温度調節器 133 ノズル 134 ガラス基板 135 ギャップセンサ 136 ペースト 161 シリンジ 162 温度調節器 163 ペースト 164 ノズル 165 非接触式センサ 801 背面板 802a 走査電極 802b 情報信号電極 803a、803b 素子電極 804 電子放出部 805 電子放出素子 806 ガラス基板 807 加速電極 808 蛍光体 809 前面板 810 スペーサ 811 支持枠 812 発光部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1〜10μm、粒度分布にお
    いて粒径20μm以上の粒子がカットされた細粒化かつ
    分級された粉末材料を、ビヒクルと混練して、使用粘度
    が10000〜100000mPa・sのペースト状に
    し、これを、内径40μm以上のノズルを用いたディス
    ペンス方式の吐出装置により塗布することを特徴とする
    ペーストの塗布方法。
  2. 【請求項2】 使用粘度が所定の粘度に保持されるよう
    に温度制御を行う請求項1記載のペーストの塗布方法。
  3. 【請求項3】 ペーストを所望の高さに塗布できるよう
    に同一箇所において複数回の重ね塗りを行う請求項1又
    は2記載のペーストの塗布方法。
  4. 【請求項4】 粉末材料が、低融点ガラス粉末と結晶性
    材料からなるフィラーとを含む混合粉末材料である請求
    項1、2又は3記載のペーストの塗布方法。
  5. 【請求項5】 粉末材料が、低融点ガラス粉末と導電性
    材料からなるフィラーとを含む混合粉末材料である請求
    項1、2又は3記載のペーストの塗布方法。
  6. 【請求項6】 低融点ガラスが、PbO−B23−Si
    2系またはPbO−B23−ZnO系材料を主成分と
    するガラスである請求項4又は5記載のペーストの塗布
    方法。
  7. 【請求項7】 導電性材料が、金属微細粉体、又はガラ
    スビーズ若しくはセラミックに金属をメッキしたもので
    ある請求項5記載のペーストの塗布方法。
  8. 【請求項8】 塗布方式が、吐出圧力として空気圧を用
    いたディスペンス方式である請求項1記載のペーストの
    塗布方法。
  9. 【請求項9】 電子放出素子を搭載した背面板と、該背
    面板と対向して配置されると共に該電子放出素子から放
    出される電子線の照射により画像が形成される画像形成
    部材を搭載した前面板と、該前面板と該背面板の間にあ
    って、該背面板および該前面板の周縁を包囲する支持枠
    と、該背面板と該前面板を大気圧に対して保持するスペ
    ーサとを少なくとも有する画像表示装置であって、前記
    スペーサーと、前記背面板および/或いは前面板との固
    定に、少なくとも、粒度分布において粒径20μm以上
    の粒子がカットされた低融点ガラス粉末を含むフリット
    ガラスを用いたことを特徴とする画像表示装置。
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