JPH113932A - 収納容器および脂肪族ポリケトン樹脂組成物 - Google Patents

収納容器および脂肪族ポリケトン樹脂組成物

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JPH113932A
JPH113932A JP9153679A JP15367997A JPH113932A JP H113932 A JPH113932 A JP H113932A JP 9153679 A JP9153679 A JP 9153679A JP 15367997 A JP15367997 A JP 15367997A JP H113932 A JPH113932 A JP H113932A
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antistatic agent
aliphatic polyketone
resin
resin composition
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JP9153679A
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Kunihiko Eguchi
邦彦 江口
正人 ▲高▼木
Masato Takagi
Masashi Nakamura
正志 中村
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂等の磨耗粉および揮発分(アウトガスな
ど)の発生が極めて少なく、半導体材料を汚染せず、帯
電防止性能を備えた収納容器、および該容器の素材とし
て好適な脂肪族ポリケトン樹脂組成物の提供。 【解決手段】半導体材料を収納する容器であって、少な
くとも半導体材料と接触する部分の構成部材が、有機系
帯電防止剤と脂肪族ポリケトン樹脂とを含む脂肪族ポリ
ケトン樹脂組成物からなり、該構成部材の表面抵抗率が
109 〜1013Ω/sqである収納容器、および脂肪族
ポリケトン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハ等
の半導体材料を収納する収納容器および脂肪族ポリケト
ン樹脂組成物に関し、特に、優れた帯電防止性能を有
し、半導体ウエハ、チップ、ベアチップ、磁気メモリデ
ィスク、各種電子部品等を汚染することなく、収納、搬
送、貯蔵、処理等するための収納容器、該容器の素材と
して好適な脂肪族ポリケトン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】収納容器、例えば、半導体製造工程内で
用いられるウエハ搬送用カセットは、半永久的な帯電防
止性能を有することが求められる。これは、静電気によ
って帯電した樹脂部品が電子デバイスや処理装置に接触
すると、静電気放電によって損傷を与え、また、静電気
帯電したウエハ搬送用カセットは、空気中に浮遊する粒
子を引き寄せて、ウエハの汚染を招くからである。そこ
で、従来の収納容器は、ポリプロピレン(PP)に帯電
防止剤を練り込んだものを素材としている。
【0003】また、半導体の製造工程においては、特開
平8−250581号公報等に説明されているとおり、
ウエハ搬送用カセットからの揮発物(有機物などのアウ
トガスなど)による半導体材料の汚染防止が重要な問題
である。そこで、アウトガスの発生を抑制するために、
添加剤含有量を特定の範囲としたポリブチレンテレフタ
レート(PBT)を素材とするウエハキャリヤが提案さ
れている(特開平8−288377号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PP製の収納
容器は、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤
を多く含むため、洗浄、乾燥、または加熱処理に供した
際に、揮発物(アウトガスなど)を多く発生し、半導体
材料への汚染を引き起こすという問題がある。また、P
Pは耐磨耗特性が不十分であるため、ウエハ等の半導体
材料と樹脂容器との接触、搬送用装置と樹脂容器との接
触等によって磨耗粉の原因となる樹脂磨耗粉などが多く
発生する問題がある。
【0005】また、PBTを用いた場合は、一般にはP
Pに比べてアウトガスが少ないものの、有機系帯電防止
剤を大量に入れないと帯電防止性能が発現されず、その
ために、PBT本来の物性が維持できないという問題が
ある。
【0006】さらに、PPまたはPBTのいずれの樹脂
の場合も、帯電防止性能の付与を目的として有機系帯電
防止剤を添加した場合、該帯電防止剤がアウトガスの発
生源となる場合がある。また、従来は有機系の帯電防止
剤として、主に界面活性剤型が用いられてきた。この界
面活性剤型帯電防止剤は、成形時にブリードを起こし、
その表面吸湿性を利用して帯電防止性能を発現するもの
である。しかし、収納容器においては、洗浄などを繰り
返して使用すると、帯電防止剤が流出し、帯電防止性能
を維持することが困難であった。
【0007】そこで、本発明の目的は、樹脂等の磨耗粉
および揮発分(アウトガスなど)の発生が極めて少な
く、半導体材料を汚染せず、帯電防止性能を備えた収納
容器、および該容器の素材として好適な脂肪族ポリケト
ン樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの課
題を解決するために種々検討した結果、容器の樹脂材料
として、脂肪族ポリケトンを用い、さらに有機系帯電防
止剤を配合することで、従来よりも少ない帯電防止剤配
合量によって、帯電防止性能の要求値を高いレベルで満
足でき、合わせて、半導体材料への汚染原因となる樹脂
等の磨耗粉および揮発分(アウトガスなど)の発生を抑
えた収納容器が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は、半導体材料を収納す
る容器であって、少なくとも半導体材料と接触する部分
の構成部材が、有機系帯電防止剤と脂肪族ポリケトン樹
脂とを含む脂肪族ポリケトン樹脂組成物からなり、該構
成部材の表面抵抗率が109〜1013Ω/sqである収
納容器を提供するものである。
【0010】また、本発明は、前記収納容器の素材とし
て好適な樹脂組成物として、有機系帯電防止剤と、脂肪
族ポリケトン樹脂とを含む脂肪族ポリケトン樹脂組成物
を提供するものである。
【0011】以下、本発明の収納容器および脂肪族ポリ
ケトン樹脂組成物について詳細に説明する。
【0012】本発明の収納容器は、シリコンウエハ等の
半導体ウエハ、チップ、ベアチップ、磁気メモリディス
ク素板、あるいは各種電子部品などの材料の輸送、搬
送、貯蔵、加工処理等を行う際に、該材料を収納・保持
し、その損壊、汚損等を防止するものである。この収納
容器の形状、寸法等は、特に限定されず、収納・保持す
る材料の形状、寸法等に応じて適宜選択される。本発明
の収納容器は、半導体ウエハ、磁気メモリディスク素板
等の輸送、貯蔵用の容器として、また、半導体製造工
程、磁気メモリディスクの製造工程等における各種の処
理において、または各工程間を搬送する途中において、
半導体ウエハ、磁気メモリディスク素板、またはそれら
に各種加工処理を施した部材を保持、収納するための搬
送用容器として用いられるものである。特に、本発明の
収納容器は、半導体ウエハの収納容器(輸送、貯蔵用お
よび搬送用容器)として最適なものである。
【0013】この収納容器の一例として、図1に示す半
導体ウエハ用収納容器1が挙げられる。この半導体ウエ
ハ用収納容器1は、複数の半導体ウエハを個別に隔離、
支持するためのものである。この半導体ウエハ用収納容
器1は、対向する側壁2aおよび2bと、側壁2aと側
壁2bの一端を連結する側端壁3と、側壁2aと側壁2
bの他端を連結する架橋支持部4とからなり、側壁2a
と側壁2bの内面5aおよび5bには、円板状の半導体
ウエハを矢印A方向に平行して整列して収納するため
に、半導体ウエハの側端を保持する溝6aおよび6b
が、対向して穿設されている構造を有するものである。
【0014】本発明の収納容器は、少なくとも半導体材
料と接触する部分の構成部材が、有機径帯電防止剤と脂
肪族ポリケトンとを必須成分として含む脂肪族ポリケト
ン樹脂組成物から構成されるものであり、収納容器の全
体が脂肪族ポリケトン樹脂組成物で構成されていてもよ
いし、半導体材料と接触する部分のみが脂肪族ポリケト
ン樹脂組成物で構成されていてもよい。例えば、本発明
の収納容器の一例である前記の図1に示す半導体ウエハ
用収納容器においては、半導体ウエハの側端を保持する
溝6aおよび6bを有する側壁2aと側壁2bを、脂肪
族ポリケトン樹脂組成物で構成する、あるいは少なくと
も溝6aおよび6bを形成する部材のみを脂肪族ポリケ
トン樹脂組成物で構成するものである。また、図1に示
す収納容器は、一体成形品であってもよいし、各構成部
材を組立たものであってもよい。さらに、この収納容器
は、本発明の組成物からなる構成部材と、他の樹脂また
は金属からなる構成部材とを複合化してなるものでもよ
い。さらにまた、本発明の組成物と他の樹脂、金属また
は補強材とをアウター成形によって一体化させてなるも
のでもよい。
【0015】また、本発明の収納容器は、前記図1に示
す半導体ウエハ用収納容器に限定されず、例えば、複数
のウエハを隔離、支持するための複数の溝をもつ相対す
る2枚のパネルを有するウエハ収納枠と、該枠を収める
ケースと、ケースの蓋と、ウエハ押さえ治具から構成さ
れるウエハ輸送用容器、シリコンウエハ・磁気ディスク
の加工処理を行う前後に、ウエハ・ディスクの搬送・貯
蔵・処理等を行うために用いるウエハ搬送用カセット、
ウエハ・磁気ディスク・ICチップ等の搬送用トレイ、
チップ洗浄器、電子部品包装材、磁気ディスクケース、
各種保管用ボックス等の半導体・電子部品関連の収納容
器に適用することができる。
【0016】本発明の収納容器の素材として用いられる
ポリケトン樹脂組成物の必須成分である脂肪族ポリケト
ン(以下、「PK」と略記する)は、一酸化炭素と少な
くとも1種のエチレン性不飽和化合物との線状交互ポリ
マーであり、好ましくは、エチレン性不飽和炭化水素と
一酸化炭素との線状交互ポリマーであり、例えば、下記
式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体からな
る、半結晶性の熱可塑性脂肪族系樹脂である。
【0017】
【化1】
【0018】前記式(1)において、Gはエチレン性不
飽和化合物に由来する、少なくとも3個の炭素原子を有
する基を示し、nおよびmは正の整数を示し、m/(n
+m)が0.5以下である。Gを形成するためのエチレ
ン性不飽和化合物の中でも、エチレン性不飽和炭化水素
としては、例えば、プロペン、1−ブテン、2−メチル
プロペン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン
等のビニル基を有する化合物が例示され、これらの中で
は、特にプロペンが好ましい。また、エチレン性不飽和
化合物の他の例として、ビニルエチルエーテル、N−ビ
ニルピロリドン、ジメチルビチルホスホネート等を用
い、エーテル、アミドまたはホスホネート基等の官能基
を分子内に有する重合体としてもよい。さらに、アリー
ル置換基を有するエチレン性不飽和炭化水素、例えば、
スチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、
m−イソプロピルスチレン等を用いることもできる。P
Kにおいて、Gは、これらのエチレン性不飽和化合物の
1種もしくは複数種から構成されるものであってもよ
い。
【0019】また、このPKは、通常、融点が175〜
300℃であるものであり、210〜270℃のものが
典型的なものである。
【0020】このPKの分子量は、毛細管粘度計(例え
ば、ウベローデ型粘度計)を用い、60℃のm−クレゾ
ール中で測定した極限粘度数(LVN)で、好ましくは
0.5〜10dl/g、特に好ましくは0.8〜4dl
/gであるものである。
【0021】このPKの具体例として、Shell Chemical
s 社から、商品名CARILON DP R−1000で市販されている
ものが挙げられる。
【0022】また、脂肪族ポリケトン樹脂組成物のもう
1つの必須成分である有機系帯電防止剤は、帯電防止性
能の発現を目的として使用されるものである。この有機
系帯電防止剤としては、特に制限されず、市販の各種帯
電防止剤が使用可能である。例えば、多価アルコール脂
肪酸エステル、ヒドロキシエチルアルキルアミン等のノ
ニオン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩等のカチオ
ン系界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルフォ
スフェート塩等のアニオン系界面活性剤、アルキルペタ
イン、アルキルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面
活性剤、あるいは親水性セグメントと親油性セグメント
のブロックポリマーに代表される樹脂型の帯電防止剤、
ポリエチレングリコール共重合系ポリエステル、ポリエ
チレングリコール共重合系ポリアミド、第4級アンモニ
ウム塩基含有メタクリレート重合体、エピクロルヒドリ
ン/エチレンオキシド共重合体、超高分子量ポリエチレ
ングリコール、メトキシポリエチレングリコールメタク
リレート共重合体、カルボペタイングラフト共重合体、
高分子電荷移動型結合体等の樹脂型の帯電防止剤などが
例示される。収納容器を洗浄せず、繰り返して使用しな
い場合には、前記のノニオン系、カチオン系、アニオン
系または両性界面活性剤型の有機系帯電防止剤を使用す
ることができる。しかし、容器を洗浄処理し、繰り返し
て使用する用途においては、半永久的な帯電防止性能を
維持することができる点で、前記の樹脂型帯電防止剤を
用いることが好ましい。そのなかでも、アルキレングリ
コールセグメントを含有する樹脂型帯電防止剤が好適で
ある。
【0023】有機系帯電防止剤として、界面活性剤型帯
電防止剤を使用する場合は、通常、脂肪族ポリケトン樹
脂組成物中の樹脂成分に対して0.01〜0.5重量
%、特に、0.02〜0.2重量%の割合で配合するの
が好ましい。また、有機系帯電防止剤として、樹脂型帯
電防止剤を使用する場合は、通常、脂肪族ポリケトン樹
脂組成物中の樹脂成分に対して1〜30重量%、特に、
5〜20重量%の割合で配合するのが好ましい。
【0024】さらに、脂肪族ポリケトン樹脂組成物は、
前記PKおよび有機系帯電防止剤以外に、本発明の目的
を阻害しない範囲において、他の樹脂、酸化防止剤、補
強材等の各種添加剤を含有していてもよい。
【0025】この脂肪族ポリケトン樹脂組成物の製造
は、PKと有機系帯電防止剤、および必要に応じて配合
される各種添加剤を、所定の割合で、押出機、ニーダー
等に供給して、溶融混練する公知の方法にしたがって、
行うことができる。
【0026】本発明の収納容器の製造は、前記脂肪族ポ
リケトン樹脂組成物を、所要の形状に成形することによ
って行うことができる。成形方法は、特に限定されず、
例えば、射出成形等の方法によって行うことができる。
また、PKと有機系帯電防止剤を直接、あるいはPKと
高濃度の有機系帯電防止剤を含有するPKを同時に成形
機に供給し、成形することも可能である。
【0027】本発明の収納容器は、表面抵抗率が109
〜1013Ω/sq、好ましくは10 10〜1012Ω/sq
であるものである。本発明において、収納容器の構成材
料として用いられる脂肪族ポリケトン樹脂組成物の必須
成分であるPKが、樹脂単体の表面抵抗率が他の樹脂に
比べて低いため、従来の樹脂組成物よりも少ない有機系
帯電防止剤の配合によって、帯電防止性能に必要な前記
範囲の表面抵抗率を得ることができると考えられる。
【0028】本発明の収納容器は、その素材として用い
られる樹脂組成物の主成分であるPKが、樹脂単体の表
面固有抵抗値が他の樹脂に比べて小さい特徴を活かした
ものである。帯電防止性能を発現するにあたり、有機系
帯電防止剤を添加する場合に、その添加量が少量であっ
ても十分な帯電防止性能を発現することができる。その
ため、本発明においては、帯電防止剤に由来するアウト
ガスの発生量も必然的に低減することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに具体的に説明する。
【0030】(実施例1)脂肪族ポリケトン樹脂(Shel
l Chemicals 社製、商品名:CARILON DP R-1000)85重
量%とエチレングリコールセグメント含有樹脂型帯電防
止剤(三洋化成工業(株)製、商品名:ペレスタット3
170)15重量%とを溶融混練して、樹脂組成物から
なるペレットを調製した。このペレットを、型締力20
0tonの射出成形機に供給して、シリンダー温度26
0℃、金型温度120℃、および射出圧力1000kg
/cm2 の条件で成形して、図1に示す構造の6インチ
径のウエハ用の収納容器(ウエハ搬送用カセット)を製
造した。得られた収納容器について、下記の方法にした
がって、表面抵抗率、アウトガス発生量および樹脂磨耗
粉発生量を測定または評価した。結果を表1に示す。
【0031】(1)表面抵抗率 ASTM規格D−257に準拠して、収納容器の側端壁
3から試験片を切出し、表面抵抗率(成形後)を測定し
た。また、収納容器を、ウエハ専用洗浄機を用いてイソ
プロピルアルコールで洗浄した後、80℃の温風で乾燥
した。この洗浄および乾燥を10回繰り返した後、端壁
3の平面部から試験片を切出し、ASTM規格D−25
7に準じて、表面抵抗率(洗浄試験後)を測定した。
【0032】(2)アウトガス発生量 収納容器を切削し、切削片をバイアル瓶に入れて密閉
し、80℃で2時間加熱した後、採取したガスをガスク
ロマトグラフィーに供し、各種ガス成分に由来するピー
クの総面積を算出した。ガス発生量は、エチレングリコ
ールセグメント含有樹脂型帯電防止剤を含有するPP製
収納容器(比較例1)について、同様にアウトガス発生
量を測定し、ガスクロマトグラフィーのピーク総面積を
100とした場合の相対値で示した。
【0033】(3)樹脂磨耗粉発生量 収納容器にRCA洗浄(アンモニア、過酸化水素、水)
したウエハ25枚を収納し、実際に半導体製造工程内を
1時間搬送した後、ウエハへの磨耗粉の付着数を調査し
た。ウエハ1個あたりの0.3μm以上の磨耗粉の数が
2個以下を○、3〜10個を△、10個を超える場合を
×と判定した。
【0034】(実施例2)帯電防止剤をグリセリン脂肪
酸エステル型ノニオン系界面活性剤に変えた以外は、実
施例1と同様にして収納容器を製造し、表面抵抗率、ア
ウトガス発生量および樹脂磨耗粉発生量を測定または評
価した。結果を表1に示す。
【0035】(比較例1〜3)各例において、表1に示
す有機系帯電防止剤と、PPまたはPBTとを含む樹脂
組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして収納容器
を製造し、表面抵抗率、アウトガス発生量および樹脂磨
耗粉発生量を測定または評価した。なお、帯電防止剤と
しては、実施例1または実施例2で用いたものと同じも
のを用いた。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示す結果から、PKと有機系帯電防
止剤とを必須成分とする樹脂組成物を素材とする半導体
ウエハ用収納容器は、(1)〜(3)の全ての評価項目
において、比較例に示す従来の樹脂(PP,PBT)か
らなる収納容器よりも優れたものであることが分かる。
また、従来の樹脂組成物からなる比較例1〜3の収納容
器は、実施例と同じ表面抵抗率を示すためには、多量の
帯電防止剤配合量が必要となることが分かる。さらに、
エチレングリコールセグメントを有する帯電防止剤を用
いたものは、洗浄および乾燥を繰り返しても、帯電防止
性が低下せず、長期の使用が可能であることが分かる。
【0038】また、PKと有機系帯電防止剤とからなる
樹脂組成物を素材とする収納容器を実際に半導体製造工
程で使用してみたところ、洗浄、乾燥、加熱処理等のい
ずれの使用環境下においても全く問題を生じず、好適に
用いることができた。帯電防止性能にも優れ、静電気に
よるトラブルも全く生じなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明の収納容器は、樹脂等の磨耗粉お
よび揮発分(アウトガスなど)の発生が極めて少なく、
半導体材料を汚染せず、帯電防止性能を備えたものであ
る。
【0040】さらに、本発明の脂肪族ポリケトン樹脂組
成物は、前記特性を有する本発明の収納容器を構成する
材料として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体ウエハ用収納容器の一例を説明する図。
【符号の説明】
1 半導体ウエハ用収納容器 2a,2b 側壁 3 側端壁 4 架橋支持部 5a,5b 側壁の内面 6a,6b 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体材料を収納する容器であって、少な
    くとも半導体材料と接触する部分の構成部材が、有機系
    帯電防止剤と脂肪族ポリケトン樹脂とを含む脂肪族ポリ
    ケトン樹脂組成物からなり、該構成部材の表面抵抗率が
    109 〜1013Ω/sqである収納容器。
  2. 【請求項2】前記有機系帯電防止剤が、アルキレングリ
    コールセグメントを含有する樹脂型帯電防止剤である請
    求項1に記載の収納容器。
  3. 【請求項3】有機系帯電防止剤と、脂肪族ポリケトン樹
    脂とを含む脂肪族ポリケトン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記有機系帯電防止剤が、アルキレングリ
    コールセグメントを含有する樹脂型帯電防止剤である請
    求項3に記載の脂肪族ポリケトン樹脂組成物。
JP9153679A 1997-06-11 1997-06-11 収納容器および脂肪族ポリケトン樹脂組成物 Withdrawn JPH113932A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4660923A (en) * 1984-03-22 1987-04-28 Daikin Kogyo Co., Ltd. Optical fiber
WO2005097905A1 (ja) 2004-03-31 2005-10-20 Techno Polymer Co., Ltd. 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形体

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