JP4737622B2 - クリーニング機能付搬送部材および基板処理装置のクリーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クリーニング機能付搬送部材に関する。より詳細には、本発明は、紫外線による劣化がなく、保存安定性に優れ、かつ、異物除去性能および搬送性能に優れたクリーニング機能付搬送部材に関する。また、本発明は、このようなクリーニング機能付搬送部材を用いた基板処理装置のクリーニング方法に関する。
半導体、フラットパネルディスプレイ、プリント基板などの製造装置や検査装置など、異物を嫌う各種の基板処理装置では、各搬送系と基板とを物理的に接触させながら搬送する。その際、基板や搬送系に異物が付着していると、後続の基板をつぎつぎと汚染するため、定期的に装置を停止し、洗浄処理する必要があった。その結果、処理装置の稼動率が低下するという問題や装置の洗浄処理のために多大な労力が必要となるという問題があった。
このような問題を克服するため、板状部材を搬送することにより基板裏面に付着する異物を除去する方法(特許文献1参照)が提案されている。このような方法によれば、基板処理装置を停止させて洗浄処理を行う必要がないので、処理装置の稼動率が低下するという問題は解消される。しかし、この方法では、異物を十分に除去することはできない。
一方、粘着性物質を固着した基板をクリーニング部材として基板処理装置内に搬送することにより、当該処理装置内に付着した異物をクリーニング除去する方法(特許文献2参照)が提案されている。この方法は、特許文献1に記載の方法の利点に加えて異物の除去性にも優れるので、処理装置の稼動率が低下するという問題や装置の洗浄処理のために多大な労力が必要となるという問題はいずれも解消される。しかし、特許文献2に記載の方法によれば、粘着性物質と装置との接触部分が強く接着しすぎて離れないおそれがある。その結果、基板を確実に搬送できないという問題や、搬送装置を破損させるという問題が生じるおそれがある。
さらに、従来のクリーニング部材においては、紫外線等によるクリーニング層の劣化が生じ、その結果、クリーニング層の表面が硬くなり、異物除去性能が低下するという問題がある。加えて、従来のクリーニング部材においては、使用前の長期保存により品質が低下する場合がある。
特開平11−87458号公報(第2〜3頁) 特開平10−154686号公報(第2〜4頁)
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、紫外線による劣化がなく、保存安定性に優れ、かつ、異物除去性能および搬送性能に優れたクリーニング機能付搬送部材(以下、単にクリーニング部材と称することもある)を提供することにある。本発明の別の目的は、そのようなクリーニング機能付搬送部材を用いた基板処理装置のクリーニング方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、所定のゲル分率を有するポリエチレン系樹脂をクリーニング層に用いることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のクリーニング機能付搬送部材は、搬送部材と、該搬送部材の少なくとも片面に設けられたクリーニング層とを有し、該クリーニング層が、95%以上のゲル分率を有するポリエチレン系樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記クリーニング層の融点は180℃以上である。
好ましい実施形態においては、上記クリーニング層は、エネルギー線照射により架橋したポリエチレン系樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記エネルギー線の照射線量は300Mrad以下である。
好ましい実施形態においては、上記クリーニング層のビッカーズ硬度は20以上である。
好ましい実施形態においては、上記クリーニング層の室温における引張弾性率は2000MPa以下である。
本発明の別の局面によれば、基板処理装置のクリーニング方法が提供される。この方法は、上記のクリーニング機能付搬送部材を基板処理装置内に搬送することを含む。
以上のように、本発明によれば、クリーニング層に95%以上のゲル分率を有するポリエチレン系樹脂を用いることにより、クリーニング層の紫外線等による劣化を顕著に抑制することができる。これは、あらかじめ架橋構造を形成することにより、紫外線等によるポリエチレン系樹脂分子中のラジカルの発生を防止できるためであると推定される。加えて、架橋密度をあらかじめ調整することにより、表面特性(例えば、ビッカーズ硬度)、機械的特性(例えば、引張弾性率)および/または耐熱性(例えば、融点)を制御することができ、目的に応じた所望の特性を有するクリーニング層を形成することができる。本発明の好ましい実施形態においては、クリーニング層のビッカーズ硬度は20以上であり、融点は180℃以上であり、引張弾性率は2000MPa以下である。このような特性を有するクリーニング層を形成することにより、紫外線による劣化がなく、保存安定性に優れ、かつ、異物除去性能および搬送性能に優れたクリーニング機能付搬送部材が得られる。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるクリーニング機能付搬送部材の概略断面図である。このクリーニング機能付搬送部材100は、搬送部材10と、搬送部材10の一方の面に設けられたクリーニング層20とを有する。クリーニング層20は、目的等に応じて搬送部材10の両面に設けられてもよい。本発明においては、クリーニング層は、95%以上のゲル分率を有するポリエチレン系樹脂を含む。
本明細書において「ポリエチレン系樹脂」とは、繰り返し単位中に少なくとも1つのエチレン繰り返し単位を含む樹脂をいう。したがって、ポリエチレン系樹脂は、エチレンホモポリマーであってもよく、エチレン系コポリマーであってもよい。さらに、ポリエチレン系樹脂は、直鎖状ポリマーであってもよく、分岐状ポリマーであってもよい。上記エチレンホモポリマーの具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。上記エチレン系コポリマーの具体例としては、エチレンとα−オレフィンとのコポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体が挙げられる。上記α−オレフィンとしては、代表的には3〜12個、好ましくは3〜8個、さらに好ましくは4〜6個の炭素原子を有するαオレフィンが用いられる。これらのポリエチレン系樹脂は、目的に応じて適宜選択され得る。また、これらのポリエチレン系樹脂は、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。
上記ポリエチレン系樹脂の数平均分子量は、好ましくは3000〜500000であり、さらに好ましくは10000〜100000である。このような範囲であれば、適切な表面特性および機械的特性を有するクリーニング層が得られるので、異物除去性能と搬送性能とのバランスに優れたクリーニング部材が得られる。
上記クリーニング層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。添加剤の具体例としては、界面活性剤、可塑剤、酸化防止剤、導電性付与材、紫外線吸収剤、光安定化剤、架橋剤、架橋助剤が挙げられる。用いる添加剤の種類および/または量を調整することにより、目的に応じた所望の特性を有するクリーニング層が得られ得る。本発明においては、紫外線吸収剤、光安定化剤または酸化防止剤が好適に用いられる。例えば、添加剤の添加量は、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜100重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明においては、上記クリーニング層のゲル分率は95%以上、好ましくは97%以上である。ゲル分率が95%未満である場合には、基板処理装置内の異物を除去する際にクリーニング層が装置との接触部分で強く接触しすぎて剥がれなくなるおそれがある。さらに、このような非常に高いゲル分率を有することにより、紫外線等による劣化や品質の変化が顕著に抑制され得る。したがって、非常に優れた保存安定性を有するクリーニング部材が得られる。加えて、このような非常に高いゲル分率を有することにより、適切な搬送性能および異物の除去能力を有するクリーニング部材が得られる。なお、ゲル分率は、JIS K6769に準じて以下の方法により測定される:測定試料(重量約0.3g)を100メッシュの金網かごに入れ、沸騰させたパラキシレン中で8時間抽出処理する。抽出処理後、金網かご中に残留する不溶部分の重量を測定し、下記式からゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=(抽出後の不溶部分の重量)/(抽出前の試料重量)×100
上記クリーニング層は、好ましくは180℃以上、さらに好ましくは190℃以上、最も好ましくは220℃以上の融点を有する。本発明によれば、ゲル分率の高い(架橋密度の高い)ポリエチレン系樹脂を用いてクリーニング層を形成することにより、未架橋(未硬化)のポリエチレンに比べて非常に高い融点を実現することができる(未架橋のポリエチレンの融点は110℃程度である)。このような融点を有することにより、高温での洗浄処理が可能な耐熱性を有し、かつ、異物の除去能力に優れたクリーニング部材が得られる。本発明において融点の上限は特に限定されないが、実用的な上限は例えば250℃程度である。なお、融点は、例えば示差走査熱量分析(DSC)により測定される。
上記クリーニング層のビッカーズ硬度は、好ましくは20以上、さらに好ましくは30〜45である。このような範囲のビッカーズ硬度を有するクリーニング層を採用することにより、異物の除去性能と搬送性能のバランスに優れたクリーニング部材を得ることができる。なお、ビッカーズ硬度は、JIS Z2244に準じて測定される。
上記クリーニング層の引張弾性率は、好ましくは2000MPa以下、さらに好ましくは1〜2000MPa、最も好ましくは500〜1000MPaである。引張弾性率がこのような範囲であれば、装置内のクリーニング対象外の部分と接着することなく、クリーニング対象部分の異物を確実に除去することができる。なお、引張弾性率は、JIS K7127に準じて測定される。
上記クリーニング層の厚みは、好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。このような範囲であれば、クリーニング層が適切な自己支持性を有するので、結果として、異物の除去性能と搬送性能のバランスに優れたクリーニング部材が得られる。
上記クリーニング層は、代表的には、ポリエチレン系樹脂の層またはフィルムにエネルギー線を照射することにより形成される。エネルギー線を照射することにより、ポリエチレン系樹脂が架橋(硬化)して3次元網目構造を形成し、本発明に所望の特性が実現されると推定される。エネルギー線の具体例としては、電子線、光(例えば、紫外線、可視光)が挙げられる。本発明においては、電子線が好適に用いられる。電子線を照射する手段としては、高周波型、コッククロフト型、ダイナミトロン型などの各種電子線加速器が挙げられる。照射される電子線のエネルギーおよび/または照射線量を調整することにより、目的に応じた適切な架橋密度(網目構造)を有し、その結果、所望のビッカーズ硬度、引張弾性率および融点を有するクリーニング層を形成することが可能となる。具体的には、照射される電子線のエネルギーは、好ましくは150〜500Kev程度である。加速電圧(電子線のエネルギーに対応する)が低すぎると、所望の電子線が十分に発生しない場合がある。電子線の照射線量は、好ましくは0.1〜200Mrad、さらに好ましくは1〜100Mradである。さらに、照射線量は、400Mradを超えないことが好ましい。このような範囲の照射線量であれば、適切な架橋密度を有するクリーニング層が形成され得る。照射線量が0.1Mrad未満では、不十分なゲル分率を有するクリーニング層しか得られない場合が多い。照射線量が400Mradを超えると、照射されるポリエチレン系樹脂の層またはフィルムが劣化し、強度が不十分なクリーニング層が得られる場合が多い。
クリーニング層20は、搬送部材10上に直接形成してもよく、任意の適切な基材から搬送部材10に転写してもよい。クリーニング層を直接形成する場合には、その形成方法は特に限定されない。例えば、クリーニング層は、上記ポリエチレン系樹脂を含む組成物(代表的には、ワックス状組成物)を搬送部材上に塗布し、当該塗布層に電子線を照射することにより形成される。塗布方法の具体例としては、コンマコート法、ファウンテン法、グラビア法が挙げられる。
クリーニング層を転写により形成する場合には、代表的には以下の手順が採用され得る:まず、任意の適切な基材(例えば、PETフィルム、ポリイミドフィルム)上にポリエチレン系樹脂層を形成する。形成方法の具体例としては、塗布(例えば、コンマコート法、ファウンテン法、グラビア法)、ラミネーション(例えば、押出ラミネーション、共押出ラミネーション)、インフレーション(例えば、インフレーション、共押出インフレーション)が挙げられる。次に、このポリエチレン樹脂層を、搬送部材に転写する。転写方法としては、例えば、基材/ポリエチレン系樹脂層の積層体を、ポリエチレン系樹脂層が搬送部材に接するようにして搬送部材に貼り合わせた後、基材を剥離する方法が挙げられる。最後に、搬送部材上に転写されたポリエチレン系樹脂層に電子線を照射して、クリーニング層を形成する。
上記搬送部材10としては、異物除去の対象となる基板処理装置の種類に応じて任意の適切な基板が用いられる。具体例としては、半導体ウェハ(例えば、シリコンウェハ)、LCD、PDPなどのフラットパネルディスプレイ用基板、コンパクトディスク、MRヘッドなどの基板が挙げられる。
必要に応じて、クリーニング層20の搬送部材10とは反対側の面(すなわち、クリーニング層の異物捕集面)には、クリーニング部材が実用に供されるまでの間、セパレーターが設けられる。セパレーターを設けることにより、洗浄処理前にクリーニング層に異物が付着することが防止され、その結果、クリーニング部材のクリーニング性能低下が防止される。セパレーターとしては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切なセパレーターが採用される。例えば、剥離処理されたプラスチックフィルムが用いられる。剥離処理の具体例としては、長鎖アルキル系、フッ素系、脂肪酸アミド系などの剥離剤による表面処理が挙げられる。プラスチックフィルムを構成する材料の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリウレタン;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共重合体;アイオノマー樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリイミドなどの耐熱性樹脂が挙げられる。セパレーターの厚みは、代表的には5〜100μmである。
本発明の好ましい実施形態によるクリーニング方法は、上記クリーニング機能付搬送部材を所望の基板処理装置内に搬送して、その被洗浄部位に接触させることにより、当該被洗浄部位に付着した異物を簡便かつ確実にクリーニング除去することができる。本発明のようなゲル分率の高い(したがって、融点およびビッカーズ硬度の高い)クリーニング層を有するクリーニング部材を用いることにより、例えばオゾンアッシャー、レジストコーター、酸化拡散炉、常圧CVD装置、減圧CVD装置、プラズマCVD装置などの高温下で使用される基板処理装置に用いても、ウェハステージの温度を室温まで下げることなく、かつ、搬送時に処理装置内での搬送不良や汚染を発生させることなく使用できるという利点がある。
上記クリーニング方法により洗浄される基板処理装置は、特に限定されない。基板処理装置の具体例としては、本明細書ですでに記載した装置に加えて、回路形成用の露光照射装置、レジスト塗布装置、スパッタリング装置、イオン注入装置、ドライエッチング装置、ウエハプローバなどの各種の製造装置や検査装置などが挙げられる。
ここまで、搬送部材上にクリーニング層が設けられている形態について説明してきたが、本発明に用いられるクリーニング層は、クリーニングシートとして単独で使用してもよく、任意の適切な基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリイミドフィルムなどの耐熱性フィルム)上に配置して使用してもよい。例えば、当該クリーニング層をクリーニングシートとして単独で使用する場合には、その厚みは、好ましくは0.1〜2mm、さらに好ましくは0.5〜1mmである。このような厚みであれば、クリーニングシート単独でも搬送可能でかつ異物除去可能となるような自己支持性が得られる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における評価方法は以下の通りである。また、実施例における「部」は重量基準である。
(1)ゲル分率
JIS K6769に準じて測定した。具体的には以下の通りである:測定試料(重量約0.3g)を100メッシュの金網かごに入れ、沸騰させたパラキシレン中で8時間抽出処理した。抽出処理後、金網かご中に残留する不溶部分の重量を測定し、下記式からゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(抽出後の不溶部分の重量)/(抽出前の試料重量)×100
(2)ビッカーズ硬度
JIS Z2244に準じて、薄膜物性評価装置(NEC社製、MHA−400)を用いて測定した。
(3)引張弾性率
JIS K7127に準じて測定した。
低密度ポリエチレンを主成分とする接着剤(三井化学工業社製、アドマーLF500)を8inchシリコンウェハ上に塗布し、80Mradの電子線を照射してクリーニング層を形成することにより、クリーニング機能付搬送部材Aを作製した。クリーニング層のゲル分率は96%、ビッカーズ硬度は34、引張弾性率は620MPa、厚みは15μm、1ヵ月後のビッカーズ硬度は34であった。
レーザー表面検査装置を用いて、新品の8inchシリコンウェハ4枚のミラー面の0.2μm以上の異物を測定したところ、それぞれ3個、5個、10個、3個であった。それぞれ別個の静電吸着機構を有するドライエッチング装置(東京エレクトロン社製)に、これらのウェハのミラー面を下側に向けて搬送した後、レーザー表面検査装置でミラー面を測定した。その結果、ミラー面の0.2μm以上の異物は、それぞれ26761個、27578個、26347個、26973個であった。
次いで、上記のようにして得られたクリーニング機能付搬送部材Aを、26761個の異物が付着していたウェハステージ(ウェハステージ温度100℃)を有するドライエッチング装置で搬送した。その結果、クリーニング機能付搬送部材Aは、支障なく搬送できた。この操作を繰り返し、合計5回のクリーニング操作を行った。クリーニング操作後、新品の8inchシリコンウェハのミラー面を下側に向けて搬送した後、レーザー表面検査装置でミラー面を測定した。その結果、ミラー面の0.2μm以上の異物は、初期に対して82%が除去されており、良好なクリーニングが実施されたことがわかった。さらに、その後に実際の製品ウェハを装置に投入しても全く問題は発生せず、正常な処理が可能であった。加えて、1ヵ月後に上記と同様の搬送試験を行ったところ、ステージに固着せず支障なく搬送できた。
酢酸ビニル含有量が30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体100部に低分子量ポリエチレン(三井化学工業社製、HIWAX2203A、分子量2700)5部配合したものをポリエチレン系樹脂として用いたこと以外は実施例1と同様にして、クリーニング機能付搬送部材Bを作製した。クリーニング層のゲル分率は99%、ビッカーズ硬度は40、引張弾性率は860MPa、厚みは15μm、1ヵ月後のビッカーズ硬度は41であった。
次いで、上記のようにして得られたクリーニング機能付搬送部材Bを、27578個の異物が付着していたウェハステージ(ウェハステージ温度100℃)を有するドライエッチング装置で搬送した。その結果、クリーニング機能付搬送部材Bは、支障なく搬送できた。この操作を繰り返し、合計5回のクリーニング操作を行った。クリーニング操作後、新品の8inchシリコンウェハのミラー面を下側に向けて搬送した後、レーザー表面検査装置でミラー面を測定した。その結果、ミラー面の0.2μm以上の異物は、初期に対して88%が除去されており、良好なクリーニングが実施されたことがわかった。さらに、その後に実際の製品ウェハを装置に投入しても全く問題は発生せず、正常な処理が可能であった。加えて、1ヵ月後に上記と同様の搬送試験を行ったところ、ステージに固着せず支障なく搬送できた。
(比較例1)
アクリル酸−2−エチルヘキシル30部、アクリル酸メチル70部およびアクリル酸10部からなるモノマー混合液から得たアクリルポリマー(重量平均分子量280万)100部に対して、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、商品名NKエステル4G)200部、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL)3部、エポキシ系化合物(三菱瓦斯化学社製、商品名テトラッドC)2部およびベンジルメチルケタール(光重合開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名イルガキュアー651)3部を均一に混合して、紫外線硬化型の粘着剤溶液Vを調製した。
8inchシリコンウェハに対して、上記粘着剤溶液Vをスピンコート法でコートし、130℃で2分間乾燥した。乾燥後の粘着剤層の厚みは15μmであった。次いで、シリコーン系離型剤で処理されたポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、商品名MRF25N100、厚み25μm、幅250mm)のシリコーン処理面を粘着剤層に貼り合わせ、保護フィルムとした。このように保護フィルムを貼り合わせた状態で、中心波長365nmの紫外線を積算光量1000mJ/cm照射して、紫外線硬化したクリーニング層を有するクリーニング部材Cを得た。この紫外線硬化したクリーニング層のゲル分率は62.8%、ビッカーズ硬度は15、引張弾性率は540MPaであった。さらに、1ヵ月後のビッカーズ硬度は21となっており、クリーニング層表面の劣化による硬度上昇が確認された。
次いで、クリーニング部材Cから保護フィルムを剥離し、26347個の異物が付着していたウェハステージ(ウェハステージ温度100℃)を有するドライエッチング装置で搬送した。その結果、クリーニング層がウェハステージの熱によって軟化し、ステージに固着して搬送できなかった。そのため、クリーニング操作を直ちに中止した。
(比較例2)
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物50.0g、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン12.5gおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン5.0gを窒素気流下、415.8gのN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する)中、100℃で混合反応させた後冷却し、クリーニング層樹脂用のポリアミック酸溶液Wを調製した。
8inchシリコンウェハのミラー面および圧延銅箔シャイン面に、上記ポリアミック酸溶液Wをスピンコート法でコートし、100℃で5分間乾燥した。これを、窒素雰囲気下、300℃で2時間処理して、ポリイミド層(クリーニング層)を形成した。得られたポリイミド層の厚みは20μmであった。このようにして、クリーニング部材Dを得た。
圧延銅箔シャイン面に塗布したものを塩化第二鉄溶液でエッチング除去した後、クリーニング層の特性を測定した。その結果、クリーニング層のゲル分率は89.3%、引張弾性率は700MPaであった。クリーニング層のビッカーズ硬度は、初期測定では31であったが、1ヵ月後に測定すると56となっており、クリーニング層表面の劣化による硬度上昇が確認された。
1ヶ月保存したクリーニング部材Dを、26973個の異物が付着していたウェハステージ(ウェハステージ温度100℃)を有するドライエッチング装置で搬送したところ、除塵率が55%以下となり、異物の除去性能が低下していることがわかった。
本発明のクリーニング機能付搬送部材は、各種の製造装置や検査装置のような基板処理装置のクリーニングに好適に用いられる。
本発明の好ましい実施形態によるクリーニング機能付搬送部材の概略断面図である。
符号の説明
100 クリーニング機能付搬送部材
10 搬送部材
20 クリーニング層

Claims (7)

  1. 搬送部材と、該搬送部材の少なくとも片面に設けられたクリーニング層とを有し、該クリーニング層が、95%以上のゲル分率を有するポリエチレン系樹脂を含む、クリーニング機能付搬送部材。
  2. 前記クリーニング層の融点が180℃以上である、請求項1に記載のクリーニング機能付搬送部材。
  3. 前記クリーニング層が、エネルギー線照射により架橋したポリエチレン系樹脂を含む、請求項1または2に記載のクリーニング機能付搬送部材。
  4. 前記エネルギー線の照射線量が300Mrad以下である、請求項3に記載のクリーニング機能付搬送部材。
  5. 前記クリーニング層のビッカーズ硬度が20以上である、請求項1から4のいずれかに記載のクリーニング機能付搬送部材。
  6. 前記クリーニング層の室温における引張弾性率が2000MPa以下である、請求項1から5のいずれかに記載のクリーニング機能付搬送部材。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のクリーニング機能付搬送部材を基板処理装置内に搬送することを含む、基板処理装置のクリーニング方法。


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