JP2006303337A - クリーニング機能付き搬送部材と基板処理装置のクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract



【課題】 基板処理装置内を良好に搬送できると共に、この搬送で上記装置内に付着している異物を簡便かつ確実にクリーニング除去できるクリーニング機能付き搬送部材を提供することを課題としている。


【解決手段】 搬送部材の少なくとも片面に耐熱性を有する高分子樹脂からなるクリーニング層を有するクリーニング機能付き搬送部材において、上記のクリーニング層は、表面自由エネルギーが25mJ/m2 以上、ビッカース硬度が15以上であることを特徴とするクリーニング機能付き搬送部材。


【選択図】 なし

Description

本発明は、クリーニング機能付き搬送部材と、これを使用した基板処理装置のクリーニング方法とに関するものである。

半導体、フラットパネルディスプレイ等の製造装置や検査装置等、異物を嫌う各種の基板処理装置では、各搬送系と基板とを物理的に接触させながら搬送する。

その際、基板や搬送系に異物が付着していると、後続の基板をつぎつぎに汚染することになる。このため、装置を定期的に停止して、装置内を洗浄処理する必要があり、稼動率の低下や多大な労力が必要という問題があった。

この問題に対し、基板処理装置内に、粘着性物質を固着した基板を搬送して、装置内に付着する異物をクリーニング除去する方法(特許文献1)、板状部材を搬送して、裏面に付着する異物を除去する方法(特許文献2)が提案されている。これらの方法によると、装置を停止して洗浄処理する必要がないため、稼働率の低下や多大な労力を回避でき、特に前者の方法は、異物の除去性にすぐれている。
特開平10−154686号公報(第2〜4頁) 特開平11−87458号公報(第2〜3頁)
しかしながら、粘着性物質を固着した基板を搬送する方法は、粘着性物質と装置接触部とが強く接着しすぎて剥がれなくなることがあり、これが原因で、基板を確実に搬送できなかったり、搬送装置を破損させるおそれがあった。

また、板状部材を搬送する方法は、搬送は支障なく行えるが、肝心の除塵性に劣りやすい。とりわけ、プラズマエッチング装置、スパッタリング装置、ドライエッチング装置、反応性イオンエッチング装置、CVD装置等、基板の吸着に静電吸着方式を用いている基板処理装置に搬送する場合、搬送部材の絶縁性が高いと静電吸着力が小さくなり、装置接触部との密着性が低下して、クリーニング性能が低下する。

本発明は、このような事情に照らし、基板処理装置内を良好に搬送できると共に、この搬送で上記装置内、特に静電吸着機能を有する静電チャックテーブルを持つ基板処理装置内に付着している異物を簡便かつ確実にクリーニング除去できるクリーニング機能付き搬送部材を提供することを課題としている。

本発明者らは、上記の課題を克服するために、鋭意検討した結果、搬送部材上に耐熱性を有する高分子樹脂からなる実質的に粘着力を有しないクリーニング層を設けて、クリーニング機能付き搬送部材とするにあたり、上記クリーニング層の表面自由エネルギーとビッカース硬度をそれぞれ特定範囲に設定すると、基板処理装置内を良好に搬送できると共に、この搬送で上記装置内、特に静電吸着機能を有する静電チャックテーブルを持つ基板処理装置内に付着している異物を簡便かつ確実にクリーニング除去できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。

すなわち、本発明は、搬送部材の少なくとも片面に耐熱性を有する高分子樹脂からなるクリーニング層を有するクリーニング機能付き搬送部材において、上記のクリーニング層は、表面自由エネルギーが25mJ/m2 以上、ビッカース硬度が15以上であることを特徴とするクリーニング機能付き搬送部材に係るものである。

特に、本発明は、上記クリーニング層の水の接触角が50度を超える上記構成のクリーニング機能付き搬送部材、上記クリーニング層が実質的に粘着力を有しない上記構成のクリーニング機能付き搬送部材を、提供できるものである。

また、本発明は、基板処理装置内に、上記各構成のクリーニング機能付き搬送部材を搬送することを特徴とする基板処理装置のクリーニング方法と、さらにこのクリーニング方法によりクリーニングされた基板処理装置とを、提供できるものである。

このように、本発明においては、搬送部材上に設ける耐熱性を有する高分子樹脂からなるクリーニング層の表面自由エネルギーとビッカース硬度を特定範囲に設定したことにより、基板処理装置内を良好に搬送できると共に、基板処理装置内、特に静電吸着機能を有する静電チャックテーブルを持つ基板処理装置内に付着している異物を簡便かつ確実にクリーニング除去できるクリーニング機能付き搬送部材を提供することができる。

本発明におけるクリーニング層は、表面自由エネルギーが25mJ/m2 以上であることが必要であり、特に好ましくは30〜50mJ/m2 である。また、本発明におけるクリーニング層は、ビッカース硬度(JIS Z2244に準ずる)が15以上であることが必要であり、特に好ましくは20〜100である。

このような表面自由エネルギーとビッカース硬度を有すると、基板処理装置への搬送時に装置接触部と強く接着しすぎて剥がれなくなる等の問題がなく、しかも静電吸着機能を有する静電チャックテーブルを持つ基板処理装置に対しても装置接触部との良好な密着性が確保されて、搬送性とクリーニング性能を共に満足させることができる。

なお、クリーニング層の表面自由エネルギーとは、以下のようにして求められる固体の表面自由エネルギー値を意味する。

すなわち、クリーニング層の表面に対して、水およびヨウ化メチレンを用いてそれぞれ接触角を測定し、この測定値と接触角測定液体の表面自由エネルギー値(文献より既知)を、Youngの式および拡張Fowkesの式から導かれる下記の式(1)に代入し、得られる二つの式を連立一次方程式として解くことにより求められる固体の表面自由エネルギー値を意味するものである。

(1+cosθ)YL=2 √(Ysd YLd )+2 √(Ysp YLp ) …(1)

θ:接触角
YL:接触角測定液体の表面自由エネルギー
YLd :YLにおける分散力成分
YLp :YLにおける極性力成分
Ysd :固体の表面自由エネルギーにおける分散力成分
Ysp :固体の表面自由エネルギーにおける極性力成分

本発明において、クリーニング層の表面自由エネルギーおよびビッカース硬度を上記の特定範囲に設定するには、クリーニング層を後述する耐熱性を有する高分子樹脂で構成する場合に、その樹脂の組成や架橋度ないし硬化度等を適宜調整することにより、容易に行うことができる。

上記調整が不十分で、クリーニング層の表面自由エネルギーが25mJ/m2 未満となると、静電吸着機能を有する静電チャックテーブルを持つ基板処理装置に搬送したときに装置接触部との良好な密着性が得られず、クリーニング性能に劣り、またビッカース硬度が15未満となると、装置接触部と強く接着して搬送性が低下しやすい。

本発明において、上記のクリーニング層は、水の接触角が50度を超える、特に好ましくは60〜90度であるのがよい。また、引張弾性率(試験法:JIS K7127に準ずる)が0.1N/mm2 以上、特に好ましくは1〜3,000N/mm2 であるのがよい。さらに、実質的に粘着力を有しないものであることが望ましい。

クリーニング層がこのような水の接触角、引張弾性率を有して、実質的に粘着力を有しない構成とされていると、基板処理装置への搬送性とクリーニング性能との両立にさらに好ましい結果が得られるものである。

なお、上記の実質的に粘着力を有しないとは、粘着の本質をすべりに対する抵抗である摩擦としたとき、粘着性の機能を代表する感圧性タックがないことを意味する。ここで、感圧性タックとは、例えば、Dahlquistの基準にしたがうと、粘着性物質の弾性率が1MPa間での範囲で発現するものである。

また、上記の実質的に粘着力を有しない構成として、具体的には、シリコンウエハ(ミラー面)に対する180度引き剥がし粘着力(JIS Z0237に準じて測定)として0.20N/10mm幅以下、好ましくは0.01〜0.1N/10mm幅程度となる、低粘着ないし非粘着の構成とされているのがよい。

本発明において、このような特性を備えたクリーニング層としては、耐熱性を有する高分子樹脂が好ましく用いられる。これは、高温処理を行う基板処理装置、例えば、オゾンアッシヤー、レジストコーター、酸化拡散炉、常圧CVD装置、減圧CVD装置、プラズマCVD装置等に適用しても、搬送時に処理装置内での搬送不良や汚染を発生させることなく使用できるからである。

耐熱性を有する高分子樹脂としては、特に限定はないが、例えば、フェニル−T、ポリキノキサリン、ポリベンゾイレンベンズイミダゾール等のラダーポリマー、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリペンズイミダゾール、ポリカルボジイミド、アラミド等の芳香族ポリマー等が挙げられる。

このような高分子樹脂の中でも、ポリイミド、ポリアミド、ポリカルボジイミド等は、400℃以上の高温にさらしても、揮発性ガスや分解モノマーを生成しないという点で、好ましい。特に、ポリイミドは、クリーニング層として好適である。

ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物やトリメリット酸無水物またはこれらの誘導体とジアミン化合物とを適宜の有機溶媒中で縮合反応させて得られるポリアミック酸を、高温で熱硬化(イミド化)させることにより、得ることができる。

上記のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

また、上記のジアミン化合物としては、例えば、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、ヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,12−ジアミノドデカン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。

本発明のクリーニング機能付き搬送部材は、搬送部材の少なくとも片面(つまり、片面または両面)に、上記構成のクリーニング層を設けたものである。このクリーニング層の厚さは、特に限定されないが、通常は、片面で1〜300μmであるのが好ましく、特に好ましくは10〜100μmであるのがよい。

クリーニング層を設ける搬送部材は、異物除去の対象となる基板処理装置の種類に応じて、各種の基板が用いられる。例えば、半導体ウエハ、LCD,PDP等のフラットパネルディスプレイ用基板、その他コンパクトディスク,MRヘッド等が挙げられる。

このような搬送部材にクリーニング層を設ける方法は、特に限定はなく、例えば、搬送部材上に、クリーニング層形成材料をスピンコート法、スプレー法、ロールコート法等により直接塗布して、クリーニング層を形成することができる。

ここで、クリーニング層形成材料として使用する耐熱性を有する高分子樹脂材料がポリアミック酸である場合、塗布乾燥後に、例えば200℃以上の高温で加熱処理して熱硬化(イミド化)させればよく、その際、樹脂の酸化劣化を防ぐため、窒素雰囲気や真空中等不活性な雰囲気下で処理するのが望ましい。これによって、樹脂中に残った揮発成分を完全に除去することができる。

また、搬送部材上にクリーニング層を設ける別の方法として、まず、支持体の片面に、クリーニング層形成材料をスピンコート法、スプレー法、ロールコート法、コンマコート法、ファウンテン法、グラビア法等の方法で塗布する。乾燥後、前記と同様にして高温での熱硬化処理等を施し、クリーニング層を形成する。つぎに、この支持体の反対面に通常の粘着剤層を形成する。

このようにして、支持体の片面にクリーニング層を、反対面に通常の粘着剤層を有するクリーニングシートを作製する。このクリーニングシートを、上記の粘着剤層を介して、搬送部材上に貼り合わせ、クリーニング機能付き搬送部材とする。

上記の支持体には、特に限定はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート等からなるプラスチックフィルムが挙げられる。

これらのプラスチックフィルムの中でも、ポリオレフィン系樹脂やエチレン・酢酸ビニル共重合体からなるプラスチックフィルムは、低吸湿材料であり、特に好ましく用いられる。また、これらの支持体は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよく、さらに、片面または両面にコロナ処理などの表面処理を施したものでもよい。

また、上記支持体のクリーニング層とは反対面側に設ける粘着剤層は、その材料構成について特に限定はなく、アクリル系やゴム系等の通常の粘着剤をいずれも使用できる。中でも、アクリル系の粘着剤として、重量平均分子量が10万以下の成分が10重量%以下であるアクリル系ポリマーを主剤としたものが、特に好ましい。

上記のアクリル系ポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体とし、これに必要により共重合可能な他の単量体を加えた単量体混合物を、重合反応させることにより、合成することができる。

このような粘着剤層としては、厚さが通常5〜100μmであるのがよく、特に好ましくは5〜20μmであるのがよい。また、シリコンウエハ(ミラー面)に対する180度引き剥がし粘着力が、0.01〜10N/10mm幅、特に好ましくは0.05〜5N/10mm幅であるのがよい。粘着力が高すぎると、クリーニングシートを搬送部材から剥離除去する際に、支持体フィルムが裂けるおそれがある。

本発明においては、クリーニング層を保護するために保護フィルムを使用してもよい。保護フィルムの厚さは、通常10〜100μm程度であるのがよい。

保護フィルムの材質は、特に限定されない。例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、脂肪酸アミド系、シリカ系の剥離剤などで剥離処理された、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート等からなるプラスチックフィルム等が挙げられる。

また、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジェン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂系のフィルムについては、離型処理剤を用いなくとも離型性を有するので、それ単体を保護フィルムとして使用することもできる。

また、前記したクリーニングシートにおいて、支持体上のクリーニング層とは反対面側に設けられる粘着剤層の表面にも、保護フィルムを貼り合わせておいてもよい。この保護フィルムは、クリーニング層上に貼り合わせる保護フィルムと同じもの、つまり、各種の剥離処理剤で剥離処理されたプラスチックフィルムやポリオレフィン樹脂系のフィルムが用いられる。この保護フィルムの厚さは、通常10〜100μmである。

本発明においては、上記のクリーニング機能付き搬送部材を、基板処理装置内に搬送して、クリーニング層を装置内の被接触部位に接触させることにより、上記部位に付着した異物をクリーニング除去する。その際、クリーニング層が前記した特定の表面自由エネルギーおよびビッカース硬度を有していることにより、装置内への搬送性とクリーニング性能に共にすぐれ、装置のクリーニングを簡便かつ確実に実現できる。

本発明において、クリーニングの対象とされる基板処理装置は、基板の吸着方式として静電吸着機構を有する処理装置が特に好ましいが、これ以外の各種の基板処理装置を使用できるものである。具体的には、露光装置、レジスト塗布装置、現像装置、アッシング装置、ドライエッチング装置、イオン注入装置、PVD装置、CVD装置、外観検査装置、ウェハプローバ等が挙げられる。本発明においては、前記の方法によりクリーニングされた上記の各基板処理装置を提供できるものである。

つぎに、本発明のクリーニング機能付き搬送部材に関し、その実施例を記載して、より具体的に説明する。ただし,本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において,部とあるのは重量部を意味するものとする。

ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物30.0gを、窒素気流下、184gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン21.3gおよび2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)12.5gと、120℃で混合し、反応させて、ポリアミック酸溶液を得た。

このポリアミック酸溶液を、搬送部材としての8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法により、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布し、90℃で15分間加熱乾操した。その後、窒素雰囲気下、300℃で2時間熱処理することにより、耐熱性樹脂(ポリイミド樹脂)からなるクリーニング層を形成して、クリーニング機能付き搬送部材Aを作製した。

このクリーニング機能付き搬送部材Aは、上記クリーニング層の表面自由エネルギーが40.5mJ/m2 で、薄膜物性評価装置(NEC製の「MHA−400」)で測定したクリーニング層のビッカース硬度が45であった。また、クリーニング層の水の接触角は81.3度であった。

レーザー表面検査装置で,新品の8インチシリコンウエハ2枚のミラー面の0.2μm以上の異物を測定したところ、それぞれ、3個、7個であった。これらのウエハを、別々の静電吸着機構を有し、装置内の真空度が10-9Torrであるスパッタリング装置に、ミラー面を下側に向けて搬送したのち、レーザー表面検査装置でミラー面の0.2μm以上の異物を測定したところ,8インチウエハサイズのエリア内で、それぞれ、32,141個、27,530個であった。

つぎに、上記の32,141個の異物が付着していたウエハステージを持つスパッタリング装置に、前記の方法で作製したクリーニング機能付き搬送部材Aを搬送したところ、支障なく搬送できた。この操作を5回繰り返し、その後に新品の8インチシリコンウエハをミラー面を下側に向けて搬送したのち、レーザー異物検査装置でミラー面の0.2μm以上の異物を測定したところ、8インチウエハサイズのエリア内で、4,500個となった。この結果より、クリーニング機能付き搬送部材Aの搬送により、クリーニング前に付着していた異物を86%除去できるものであることがわかった。

比較例1
アクリル酸2−エチルヘキシル30部、アクリル酸メチル70部およびアクリル酸10部からなるモノマー混合物から得たアクリル系ポリマー(重量平均分子量280万)100部に対して、ポリエチレングリコール600ジアクリレート(新中村化学社製の商品名「NKエステルA−600」)100部、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートL」)3部および光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(チバ・スペシヤリティケミカルズ社製の商品名「イルガキュアー651」)10部を、均一に混合して、紫外線硬化型の粘着剤溶液を調製した。

この紫外線硬化型の粘着剤溶液を、搬送部材としての8インチシリコンウエハ上に、スピンコート法により、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布し、120℃で5分間乾操させたのち、1,000mJ/cm2 の紫外線を照射して、クリーニング層を形成して、クリーニング機能付き搬送部材Bを作製した。

このクリーニング機能付き搬送部材Bは、上記クリーニング層の表面自由エネルギーが32.0mJ/m2 で、前記と同様に測定したクリーニング層のビッカース硬度が8であった。また、クリーニング層の水の接触角は89.6度であった。

つぎに、前記の27,530個の異物が付着していたウエハステージを持つスパッタリング装置に、上記の方法で作製したクリーニング機能付き搬送部材Bを搬送したところ、1枚目でウエハステージに固着し、搬送できなくなった。

Claims (5)

  1. 搬送部材の少なくとも片面に耐熱性を有する高分子樹脂からなるクリーニング層を有するクリーニング機能付き搬送部材において、上記のクリーニング層は、表面自由エネルギーが25mJ/m2 以上、ビッカース硬度が15以上であることを特徴とするクリーニング機能付き搬送部材。

  2. クリーニング層は、水の接触角が50度を超える請求項1に記載のクリーニング機能付き搬送部材。

  3. クリーニング層は、実質的に粘着力を有しない請求項1または2に記載のクリーニング機能付き搬送部材。

  4. 基板処理装置内に、請求項1〜3のいずれかに記載のクリーニング機能付き搬送部材を搬送することを特徴とする基板処理装置のクリーニング方法。

  5. 請求項4に記載のクリーニング方法によりクリーニングされた基板処理装置。
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