JP4919337B2 - クリーニングシート、クリーニング機能付搬送部材および基板処理装置のクリーニング方法 - Google Patents

クリーニングシート、クリーニング機能付搬送部材および基板処理装置のクリーニング方法 Download PDF

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Description

本発明は、クリーニングシートおよびクリーニング機能付搬送部材に関する。より詳細には、本発明は、異物除去性能および搬送性能に優れ、かつ、所定の粒子径を有する異物を特に効率よく除去し得るクリーニングシートおよびクリーニング機能付搬送部材に関する。また、本発明は、このようなクリーニングシートおよびクリーニング機能付搬送部材を用いた基板処理装置のクリーニング方法に関する。
半導体、フラットパネルディスプレイ、プリント基板などの製造装置や検査装置など、異物を嫌う各種の基板処理装置では、各搬送系と基板とを物理的に接触させながら搬送する。その際、基板や搬送系に異物が付着していると、後続の基板をつぎつぎと汚染するため、定期的に装置を停止し、洗浄処理する必要があった。その結果、処理装置の稼動率が低下するという問題や装置の洗浄処理のために多大な労力が必要となるという問題があった。
このような問題を克服するため、板状部材を搬送することにより基板裏面に付着する異物を除去する方法(特許文献1参照)が提案されている。このような方法によれば、基板処理装置を停止させて洗浄処理を行う必要がないので、処理装置の稼動率が低下するという問題は解消される。しかし、この方法では、異物を十分に除去することはできない。
一方、粘着性物質を固着した基板をクリーニング部材として基板処理装置内に搬送することにより、当該処理装置内に付着した異物をクリーニング除去する方法(特許文献2参照)が提案されている。この方法は、特許文献1に記載の方法の利点に加えて異物の除去性にも優れるので、処理装置の稼動率が低下するという問題や装置の洗浄処理のために多大な労力が必要となるという問題はいずれも解消される。しかし、特許文献2に記載の方法によれば、粘着性物質と装置との接触部分が強く接着しすぎて離れないおそれがある。その結果、基板を確実に搬送できないという問題や、搬送装置を破損させるという問題が生じるおそれがある。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、ウェハ表面のみならず裏面への異物の付着も問題となっている。洗浄工程でウェハ裏面からウェハ表面への異物の乗り移りが起こり、製品歩留まりを低下させるからである。現在、半導体素子の配線幅は、65nmの量産が開始されており、当該配線幅と同等またはそれ以上のサイズの異物が付着すると、断線などの不良が起こりやすくなる。特に、0.1〜2.0μm程度の粒子径を有する異物が問題となっている。しかし、従来の技術はいずれも、所定の粒子径を有する異物を特に効率的に除去するには不十分である。
特開平11−87458号公報(第2〜3頁) 特開平10−154686号公報(第2〜4頁)
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、異物除去性能および搬送性能に優れ、かつ、所定の粒子径を有する異物を特に効率よく除去し得るクリーニングシートおよびクリーニング機能付搬送部材(以下、これらをまとめてクリーニング部材と称することもある)を提供することにある。本発明の別の目的は、そのようなクリーニング部材を用いた基板処理装置のクリーニング方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、クリーニング層に所定の粗面化を行い、クリーニング層表面に特定の凹凸を形成することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のクリーニングシートは、算術平均粗さRaが0.05μm以下であり、かつ、最大高さRzが1.0μm以下である凹凸形状を有するクリーニング層を備える。
好ましい実施形態においては、上記凹凸形状は溝構造である。
好ましい実施形態においては、上記クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積は、シリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積の150%以上である。
好ましい実施形態においては、上記クリーニング層の引張弾性率は、0.98MPa〜4900MPaである。
本発明の別の局面によれば、クリーニング機能付搬送部材が提供される。このクリーニング機能付搬送部材は、搬送部材と、該搬送部材の少なくとも片面に設けられた上記のクリーニング層とを備える。
好ましい実施形態においては、上記クリーニング層は上記搬送部材に直接貼り付けられている。別の実施形態においては、上記クリーニング層は感圧接着剤層を介して上記搬送部材に貼り付けられている。
本発明のさらに別の局面によれば、基板処理装置のクリーニング方法が提供される。この方法は、上記のクリーニングシート、あるいは上記のクリーニング機能付搬送部材を基板処理装置内に搬送することを含む。
以上のように、本発明によれば、所定の表面粗さを有するクリーニング層を用いることにより、搬送性能および異物除去性能に優れるのみならず、所定の粒子径を有する異物を特に効率的に除去し得るクリーニング部材が得られる。
A.クリーニングシート
図1は、本発明の好ましい実施形態によるクリーニングシートの概略断面図である。このクリーニングシート100は、支持体10と、クリーニング層20と、剥離ライナー30とを有する。支持体10および/または剥離ライナー30は、目的に応じて省略してもよい。すなわち、クリーニングシートは、クリーニング層単独で構成されてもよい。
クリーニング層20は、その表面の算術平均粗さRaが0.05μm以下であり、かつ、最大高さRzが1.0μm以下である凹凸形状を有する。このような算術平均粗さおよび最大高さを有することで、クリーニング層20は、平滑表面に比べて顕著に大きい表面積を有し、かつ、凹凸の大きさ(深さ)が小さい表面形状を有する。クリーニング層がこのような特定の表面形状を有することにより、所定の粒子径(代表的には、0.1〜2.0μm)を有する異物をきわめて効率的に除去することができる。算術平均粗さRaは、好ましくは0.04μm以下、さらに好ましくは0.03μm以下である。一方、算術平均粗さRaの下限は、好ましくは0.0002μm、より好ましくは0.0004μm、さらに好ましくは0.002μm、特に好ましくは0.004μmである。最大高さRzは、好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.7μm以下である。一方、最大高さRzの下限は、好ましくは0.1μm、さらに好ましくは0.2μm、特に好ましくは0.3μmである。算術平均粗さおよび最大高さはいずれも、JIS B0601に規定されている。算術平均粗さおよび最大高さは、例えば、以下の手順で測定される:触針式表面粗さ測定装置(Tencor社製、商品名P−11)において、先端部の曲率が2μmのダイヤモンド製触針を用い、針押し付け力5mg、測定スピード1μm/秒(測定長さ100μm)、サンプリング周期200Hzでデータを取り込む。算術平均粗さは、カットオフ値25〜80μmとして算出する。
上記クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積は、シリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積に対して、好ましくは150%以上、さらに好ましくは160%以上、最も好ましくは170%以上である。一方、上記クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積は、シリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積に対して、好ましくは220%以下、さらに好ましくは200%以下である。このような表面粗さを有することにより、所定の粒子径(代表的には0.1μm以上、好ましくは0.1〜2.0μm)を有する異物をきわめて効率的に除去することができる。
上記のような表面形状(表面粗さ)を有する限りにおいて、クリーニング層20の凹凸形状としては、任意の適切な形状が採用され得る。凹凸形状の具体例としては、溝形状、ストライプ形状、突起形状、窪み(ディンプル)形状、紙やすり表面のようなざらついた表面形状が挙げられる。溝形状が好ましい。理論的には明らかではないが、異物除去性能に優れるからである。
上記クリーニング層の引張弾性率は、クリーニング部材の使用温度領域において好ましくは0.5MPa以上、さらに好ましくは1〜1000MPaである。引張弾性率がこのような範囲であれば、異物除去性能と搬送性能のバランスに優れたクリーニング部材が得られる。1つの実施形態においては、引張弾性率は、0.98〜4900MPaである。このような場合には、フラットパネルディスプレイ用基板処理装置のクリーニングにおいて顕著な効果が得られる。なお、引張弾性率は、JIS K7127に準じて測定される。
上記クリーニング層は、例えばシリコンウェハのミラー面に対する180度引き剥がし粘着力が、好ましくは0.2N/10mm幅以下、さらに好ましくは0.01〜0.10N/10mm幅である。このような範囲であれば、クリーニング層は、良好な異物除去性能および搬送性能を有する。180度引き剥がし粘着力は、JIS Z0237に準じて測定される。
上記クリーニング層の厚みは、好ましくは0.1〜2mm、さらに好ましくは0.2〜1mmである。このような厚みであれば、クリーニング層単独でも搬送可能でかつ異物除去可能となるような自己支持性が得られる。また、クリーニングシートが支持体を有する場合のクリーニング層の厚みは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは5〜50μm、特に好ましくは10〜50μmである。このような範囲であれば、異物の除去性能と搬送性能のバランスに優れたクリーニング部材が得られる。
次に、クリーニング層20を構成する材料について説明する。クリーニング層を構成する材料としては、目的や凹凸の形成方法に応じて任意の適切な材料が採用され得る。クリーニング層を構成する材料の具体例としては、耐熱性樹脂、エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。
上記耐熱性樹脂としては、基板処理装置を汚染する物質を含まない樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、半導体製造装置に使用されるような耐熱性樹脂が挙げられる。具体例としては、ポリイミド、フッ素樹脂が挙げられる。ポリイミドが好ましい。凹凸をノズル法(後述)で形成する場合における操作性に優れるからである。
好ましくは、上記ポリイミドは、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体骨格を主鎖中に有するポリアミック酸をイミド化して得ることができる。当該ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを実質的に等モル比にて任意の適切な有機溶媒中で反応させて得ることができる。
上記テトラカルボン酸二無水物成分としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ジアミン成分としては、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体骨格を有するジアミンが挙げられる。具体例としては、下記化学式で表される脂肪族ジアミンが挙げられる。このような脂肪族ジアミンは、単独で用いてもよく、他のジアミンと併用してもよい。併用されるジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、ヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン が挙げられる。
Figure 0004919337
上記ジアミン成分の別の具体例としては、アミン構造を有する末端を二つ有し、ポリエーテル構造を有するジアミン化合物(以下、PEジアミン化合物と称する)が挙げられる。PEジアミン化合物は、高耐熱性、低応力の低弾性率ポリイミド樹脂を得る点で好ましい。PEジアミン化合物は、ポリエーテル構造を有し、アミン構造を有する末端を少なくとも二つ有する限り、任意の適切な化合物を採用し得る。例えば、ポリプロピレングリコール構造を有する末端ジアミン、ポリエチレングリコール構造を有する末端ジアミン、ポリテトラメチレングリコール構造を有する末端ジアミンや、これらの複数の構造を有する末端ジアミン等が挙げられる。中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ポリテトラメチレングリコール、またはこれらの混合物と、ポリアミンとから調製されるPEジアミン化合物が好ましい。
上記テトラカルボン酸二無水物との反応に際し、ジアミン成分として、上記PEジアミン化合物と共に、ポリエーテル構造を有さない他のジアミン化合物を併用することが好ましい。当該ポリエーテル構造を有さない他のジアミン化合物としては、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミンが挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,9−ジオキサ−1,12−ジアミノドデカン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(α,ω−ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン)、ポリオキシプロピレンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジアミンの分子量は、代表的には、50〜1,000,000、好ましくは100〜30,000である。芳香族ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
上記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。原材料等の溶解性を調整するために、非極性溶媒(例えば、トルエンや、キシレン)を併用してもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応温度は、好ましくは100℃未満、さらに好ましくは50〜90℃である。ただし、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体骨格含むジアミンを用いる場合には、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは110〜150℃である。このような反応温度であれば、ゲル化が防止でき、反応系中にゲル分が残留することがないので、ろ過時の目詰まり等が防止され、反応系からの異物の除去が容易となる。さらに、このような反応温度であれば、樹脂中の揮発成分を実質的に完全に除去することができる。また、不活性雰囲気で処理することにより、樹脂の酸化や劣化を防止することができる。
上記ポリアミック酸のイミド化は、代表的には不活性雰囲気(代表的には、真空または窒素雰囲気)下で加熱処理することにより行われる。加熱処理温度は、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは180〜450℃である。このような温度であれば、樹脂中の揮発成分を実質的に完全に除去することができる。また、不活性雰囲気で処理することにより、樹脂の酸化や劣化を防止することができる。
上記エネルギー線硬化性樹脂は、代表的には、粘着性物質、エネルギー線硬化性物質およびエネルギー線硬化開始剤を含む組成物である。
上記粘着性物質としては、目的に応じて任意の適切な粘着性物質が採用される。粘着性物質の重量平均分子量は、好ましくは50〜100万、さらに好ましくは60〜90万である。なお、粘着剤性物質は、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、充点剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を配合したものであってもよい。
1つの実施形態においては、粘着性物質として、感圧接着性ポリマーが用いられる。感圧接着性ポリマーは、クリーニング層の凹凸形成にノズル法(後述)を用いる場合に好適に用いられる。感圧接着性ポリマーの代表例としては、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルなどのアクリル系モノマーを主モノマーとしたアクリル系ポリマーが挙げられる。アクリル系ポリマーは、単独でまたは組み合わせて用いられる。必要に応じて、アクリル系ポリマーの分子内に不飽和二重結合を導入して、このアクリル系ポリマー自体にエネルギー線硬化性を付与してもよい。不飽和二重結合を導入する方法としては、例えば、アクリル系モノマーと分子内に不飽和二重結合を2個以上有する化合物とを共重合する方法、アクリル系ポリマーと分子内に不飽和二重結合を2個以上有する化合物の官能基同士を反応させる方法が挙げられる。
別の実施形態においては、粘着性物質として、ゴム系やアクリル系、ビニルアルキルエーテル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリアミド系、ウレタン系やスチレン・ジエンブロック共重合体系、融点が約200℃以下等の熱溶融性樹脂を配合してクリープ特性を改良した粘着剤(例えば特開昭56−61468号公報、特開昭61−174857号公報、特開昭63−17981号公報、特開昭56−13040号公報)などが用いられる。これらは、単独でまたは組み合わせて用いられる。これらの粘着剤は、フラットパネルディスプレイ基板処理装置のクリーニング部材に好適に用いられる。
より具体的には、上記粘着剤は、好ましくは、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとするゴム系粘着剤;あるいは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基やヘキシル基、ヘプチル基や2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基の如き炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸やメタクリル酸等のエステルからなるアクリル酸系アルキルエステルの1種又は2種以上を用いたアクリル系共重合体をベースポリマーとするアクリル系粘着剤である。
上記アクリル系共重合体としては、目的に応じて任意の適切なアクリル系共重合体が用いられる。当該アクリル系共重合体は、必要に応じて、凝集力や耐熱性や架橋性等を有してもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシルエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イコタン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸の如きカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸の如き酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルメタアクリレートの如きヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸の如きスルホン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドの如き(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸アルキリアミノ系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルの如き(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドの如きマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドの如きイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドの如きスクシンイミド系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ブニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムの如きビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きシアノアクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルの如きエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールの如きグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチルアクリレートの如きアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートの如き多官能モノマー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテル等の適宜なモノマー;等の2種以上の共重合が挙げられる。これらのモノマーの配合比等は、目的に応じて適宜設定される。
上記エネルギー線硬化性物質としては、エネルギー線(好ましくは光、さらに好ましくは紫外線)によって上記粘着性物質と反応し、三次元網目構造を形成する際の架橋点(分岐点)として機能し得る任意の適切な物質が採用され得る。エネルギー線硬化性物質の代表例としては、分子内に不飽和二重結合を1個以上有する化合物(以下、重合性不飽和化合物という)が挙げられる。好ましくは、重合性不飽和化合物は、不揮発性で、かつ重量平均分子量が10,000以下、さらに好ましくは5,000以下である。このような分子量であれば、上記粘着性物質が効率よく三次元網目構造を形成し得る。エネルギー線硬化性物質の具体例としては、フェノキシポリエチレングリコ―ル(メタ)アクリレ─ト、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレ─ト、ポリエチレングリコ―ルジ(メタ)アクリレ─ト、ポリプロピレングリコ―ルジ(メタ)アクリレ─ト、トリメチロ─ルプロパントリ(メタ)アクリレ─ト、ジペンタエリスリト─ルヘキサ(メタ)アクリレ─ト、ウレタン(メタ)アクリレ─ト、エポキシ(メタ)アクリレ─ト、オリゴエステル(メタ)アクリレ─ト、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。これらは、単独でまたは組み合わせて用いられる。エネルギー線硬化性物質は、上記粘着性物質100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部の割合で用いられる。
また、エネルギー線硬化性物質としてエネルギー線硬化性樹脂を用いてもよい。エネルギー線硬化性樹脂の具体例としては、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、アクリル樹脂(メタ)アクリレート、分子末端にアリル基を有するチオール−エン付加型樹脂や光カチオン重合型樹脂、ポリビニルシンナマートなどのシンナモイル基含有ポリマー、ジアゾ化したアミノノボラック樹脂やアクリルアミド型ポリマーなど、感光性反応基含有ポリマーあるいはオリゴマーなどが挙げられる。さらに、エネルギー線で反応するポリマーとしては、エポキシ化ポリブタジエン、不飽和ポリエステル、ポリグリシジルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルシロキサン等が挙げられる。これらは単独で、または組み合わせて用いられる。エネルギー線硬化性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは50〜100万、さらに好ましくは60〜90万である。
上記エネルギー線硬化開始剤としては、目的に応じて任意の適切な硬化開始剤(重合開始剤)が採用され得る。例えば、エネルギー線として熱を用いる場合には熱重合開始剤が用いられ、エネルギー線として光を用いる場合には光重合開始剤が用いられる。熱重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンゾインエーテル;アニソールメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル;2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルケトンなどの置換アセトフェノン;ベンジルメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタールなどのケタール;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、シメチルチオキサントンなどのキサントン;ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンなどのベンゾフェノン;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換アルファーケトール;2−ナフタレンスルフォニルクロライドなどの芳香族スルフォニルクロライド;1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどの光活性オキシム;ベンゾイル;シベンジル;α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;2−ヒドロキシメチルフェニルプロパンが挙げられる。エネルギー線硬化開始剤は、エネルギー線硬化性物質100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部の割合で用いられる。
上記クリーニング層を構成する材料は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。添加剤の具体例としては、界面活性剤、可塑剤、酸化防止剤、導電性付与材、紫外線吸収剤、光安定化剤が挙げられる。用いる添加剤の種類および/または量を調整することにより、目的に応じた所望の特性を有するクリーニング層が得られ得る。例えば、添加剤の添加量は、上記粘着性物質100重量部に対して、好ましくは0.01〜100重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。
上記エネルギー線としては、目的に応じて任意の適切なエネルギー線が採用され得る。具体例としては、紫外線、電子線、放射線、熱等が挙げられる。好ましくは、紫外線である。紫外線の波長は、目的に応じて適宜選択され、好ましくは、中心波長が320〜400nmである。紫外線発生源としては、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、Xe−Hgランプ、ディープUVランプ等が挙げられる。紫外線積算光量は目的に応じて適宜設定される。具体的には、紫外線積算光量は、好ましくは100〜8000mJ/cm2であり、さらに好ましくは500〜5000mJ/cm2である。
上記エネルギー線は、クリーニング層形成用材料(エネルギー線硬化性樹脂)全体に照射してもよく、所定の位置に選択的に照射してもよい。照射部分と非照射部分の面積比は、目的に応じて適宜設定され得る。例えば、装置内搬送性を重視する場合は、照射部分の面積比を相対的に高くすることで、装置内搬送性を高めればよい。逆に装置内搬送性よりも異物捕集性を重視する場合は、非照射部分の面積比を相対的に高くすることで、異物捕集性を高めればよい。面積比を調整することにより、異物捕集性能および搬送性能が所望のバランスを有するクリーニング層を得ることができる。選択的にエネルギー線照射を施す方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用される。例えば、エネルギー線遮光性材料を用いて所定のパターンのマスクを作製し、そのマスクを介してエネルギー線照射を行う方法;クリーニング層側のセパレーターに予め部分的にエネルギー線遮光印刷を施したものを使用し、該クリーニング層側のセパレーターを介してエネルギー線照射を施す方法が挙げられる。また、エネルギー線を遮光するパターンは、目的に応じて適宜設定され得る。具体例としては、格子状、水玉状、市松状、モザイク状が挙げられる。
上記クリーニング層の凹凸形状の形成方法としては、例えば、上記のクリーニング層形成用材料をノズルから吐出して形成する方法(以下、単にノズル法とする)、剥離ライナーを用いて形成する方法(以下、転写法とする)が挙げられる。
図2は、ノズル法を説明する概念図である。図2に示すように、ノズル法は、回転する支持体10(または後述の搬送部材)に、ノズルを当該支持体の半径方向にスキャンさせながら、クリーニング層形成用組成物を当該ノズルから吐出することを含む。ノズルと支持体との間隔、ノズルのスキャン速度および/または吐出量を適切に調整することにより、所望の凹凸形状が形成され得る。ノズルと支持体との間隔は、所望の塗布厚みの±5%(例えば、設定した塗布厚みが60μmである場合には57〜63μm)である。間隔が広すぎると、最大高さRzが大きくなりすぎてしまい、所定の粒子径を有する異物を効果的に除去する能力が不十分な場合がある。間隔が狭すぎると、算術平均粗さRaも最大高さRzも大きくなりすぎてしまい、この場合も所定の粒子径を有する異物を効果的に除去する能力が不十分となることが多い。スキャン速度は、支持体の回転速度に対応して適切に設定され得る。例えば支持体の回転速度が60rpmである場合には、スキャン速度は、好ましくは0.8〜1.2mm/秒である。吐出量は、好ましくは1.7〜2.5ml/秒である。例えば、ポリイミドを用いてクリーニング層を形成する場合には、ポリイミド溶液がノズルに導入される。ポリイミド溶液の濃度は目的やクリーニング層の所望の厚み等に応じて適宜設定され得る。具体的には、当該濃度は20〜40重量%(固形分濃度)である。溶液に用いられる溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンが挙げられる。
転写法は、剥離ライナーを用いて凹凸を形成する方法である。図1に示すように、クリーニング層20の支持体10とは反対側の面(すなわち、クリーニング層の異物捕集面)には、クリーニング部材が実用に供されるまでの間、剥離ライナー30が配置され得る。剥離ライナーは、代表的には、剥離処理されたプラスチックフィルムである。剥離ライナーを配置することにより、洗浄処理前にクリーニング層に異物が付着することが防止され、その結果、クリーニング部材のクリーニング性能低下が防止される。所定の凹凸表面を有する剥離ライナーを配置することにより、クリーニング層20に凹凸が形成され得る。必要に応じて、剥離ライナーを配置した後で所定の押圧を行ってもよい。剥離ライナー表面の凹凸形状は、クリーニング層に上記のような所望の凹凸が形成され得るような形状であればよい。代表的には、剥離ライナー表面は、クリーニング層の所望の算術平均粗さRaおよび最大高さRzと同等の算術平均粗さRaおよび最大高さRzを有する。剥離ライナー表面の凹凸は、剥離ライナーの剥離面を形成する際(すなわち、プラスチックフィルムの剥離処理の際)に形成される。なお、剥離処理の具体例としては、長鎖アルキル系、フッ素系、脂肪酸アミド系などの剥離剤による表面処理が挙げられる。また、プラスチックフィルムを構成する材料の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリウレタン;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン系共重合体;アイオノマー樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリイミドなどの耐熱性樹脂が挙げられる。剥離ライナーの厚みは、代表的には5〜100μmである。なお、ノズル法と転写法とを併用してもよい。その場合、代表的には、ノズル法でクリーニング層を形成した後、剥離ライナーを用いてさらに凹凸形状が調整され得る。
上記支持体10は、クリーニングシート100を搬送可能に支持する。支持体10の厚さは適宜選択でき、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは3〜300μm、最も好ましくは5〜250μmである。支持体の表面は、隣接する層との密着性,保持性などを高めるために、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理などの化学的または物理的処理,下塗剤(例えば、上記粘着性物質)によるコーティング処理が施されていてもよい。なお、支持体は単層であっても多層体であってもよい。
支持体10は、目的に応じて任意の適切な支持体が採用される。例えば、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックのフィルムが挙げられる。エンジニアリングプラスチックおよびスーパーエンジニアリングプラスチックの具体例としては、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミドが挙げられる。分子量などの諸物性は、目的に応じて適宜選択され得る。また、支持体の成形方法は目的に応じて適宜選択される。
上記クリーニングシートは保護フィルムを有してもよい。保護フィルムは、代表的にはクリーニング層の形成時や、クリーニング層と搬送部材を貼り合わせる(圧着)する際、クリーニング層の保護を目的として使用される。また、保護フィルムはクリーニング部材の形成を補助するために用いられるため、適切な段階で剥離される。保護フィルムは目的に応じて任意の適切なフィルムが採用される。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネートなどからなるプラスチックフィルムやポリイミド、フッ素樹脂フィルムが挙げられる。保護フィルムは、目的に応じ剥離剤などで剥離処理が施されてもよい。剥離剤は、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、脂肪酸アミド系、シリカ系を挙げることができる。この保護フィルムの厚さは、好ましくは1〜100μmである。保護フィルムの形成方法は目的に応じて適宜選択され、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法により形成することができる。
B.クリーニング機能付搬送部材
本発明のクリーニングシートは、クリーニングシートとして単独で使用してもよく、任意の適切な搬送部材上に設けられたクリーニングシートとして(すなわち、本発明のクリーニング機能付搬送部材のクリーニングシートとして)使用してもよい。以下、本発明の好ましい実施形態によるクリーニング機能付搬送部材について説明する。
図3(a)および(b)は、本発明の好ましい実施形態によるクリーニング機能付搬送部材の概略断面図である。1つの実施形態においては、図3(a)に示すように、クリーニング機能付搬送部材200は、搬送部材50と、搬送部材50の少なくとも片面(図示例では片面)にクリーニング層20とを有する。すなわち、この実施形態においては、クリーニング層20が搬送部材50に直接貼り付けられている。例えば上記ノズル法でクリーニング層を形成する場合には、クリーニング層が搬送部材に直接形成される。別の実施形態においては、図3(b)に示すように、クリーニングシート100の支持体10が接着剤層40を介して搬送部材50に貼り合わされている。図示例では、クリーニング層20の支持体10と反対側の表面に剥離ライナー30が配置されている。好ましくは、剥離ライナー30は、上記のように転写法でクリーニング層20に凹凸を形成するために用いられる。すなわち、支持体10の表面に適切な方法でクリーニング層を形成し、剥離ライナーを用いて凹凸を形成する。支持体10上にノズル法でクリーニング層を形成する場合には、剥離ライナーは表面の汚染防止のみに用いてもよい。図示していないが、接着剤層を介してクリーニング層を搬送部材に貼り合わせてもよい。このようなクリーニング機能付搬送部材を装置内で搬送し、被洗浄部位に接触・移動させることにより、上記装置内に付着する異物による搬送トラブルを生じることなく簡便かつ確実にクリーニング除去することができる。
上記接着剤層は、例えばシリコンウェハのミラー面に対する180度引き剥がし粘着力が、好ましくは0.01〜10N/10mm幅、さらに好ましくは0.05〜5N/10mm幅である。粘着力が高すぎると、剥離除去する際に、クリーニング層などが裂ける恐れがある。また、接着剤層の厚さは、目的に応じて適宜設定される。好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは5〜30μmである。
接着剤層の材料構成については特に限定されず、例えば、アクリル系やゴム系など通常の接着剤(好ましくは、感圧接着剤)からなるものが使用される。好ましくはアクリル系の接着剤である。アクリル系接着剤の主成分は、目的に応じて適宜選択される。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに必要に応じ共重合可能な他のモノマーを加えた混合物(混合比は目的に応じて適宜設計される)を、重合反応させることにより得ることができる。さらに、接着剤層は目的に応じて添加剤を含んでもよい。接着剤層の主成分の重量平均分子量は目的に応じて適宜選択され、好ましくは10万〜130万である。これらの範囲を有することで、所望の粘着性を有することができる。また、接着剤層の主成分の含有率は目的に応じて適宜選択される。好ましくは接着剤層全体の90重量%以上である。
上記搬送部材50としては、異物除去の対象となる基板処理装置の種類に応じて任意の適切な基板が用いられる。具体例としては、半導体ウェハ(例えば、シリコンウェハ)、LCD、PDPなどのフラットパネルディスプレイ用基板、コンパクトディスク、MRヘッドなどの基板が挙げられる。
C.クリーニング方法
本発明の好ましい実施形態によるクリーニング方法は、上記クリーニング機能付搬送部材を所望の基板処理装置内に搬送して、その被洗浄部位に接触させることにより、当該被洗浄部位に付着した異物を簡便かつ確実にクリーニング除去することができる。
上記クリーニング方法により洗浄される基板処理装置は、特に限定されない。基板処理装置の具体例としては、本明細書ですでに記載した装置に加えて、回路形成用の露光照射装置、レジスト塗布装置、スパッタリング装置、イオン注入装置、ドライエッチング装置、ウエハプローバなどの各種の製造装置や検査装置、さらに、オゾンアッシャー、レジストコーター、酸化拡散炉、常圧CVD装置、減圧CVD装置、プラズマCVD装置などの高温下で使用される基板処理装置などが挙げられる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における測定および評価方法は下記のとおりである。また、実施例における「部」は重量基準である。
(1)算術平均粗さRaおよび最大高さRz
JIS B0601に準じて測定した。具体的には、触針式表面粗さ測定装置(Tencor社製、商品名P−11)において、先端部の曲率が2μmのダイヤモンド製触針を用い、針押し付け力5mg、測定スピード1μm/秒(測定長さ100μm)、サンプリング周期200Hzでデータを取り込んだ。算術平均粗さは、カットオフ値25〜80μmとして算出した。
(2)クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積表面積
超深度カラー3D形状測定顕微鏡(KEYENCE社製、VK−9500)を用いて測定した。サンプルは8インチのシリコンウェハ上、ガラス上またはフィルム上にクリーニング層を形成したものを用いた。測定位置は中心から10mm、50mmおよび90mmの位置、測定面積は1mm×1mmで、3箇所の平均値をその表面積とした。リファレンスのシリコンウェハの表面積は、測定平面1mmあたり1.0002mmであった。
(3)引張弾性率
JIS K7127に準じて測定した。具体的には、所定の基材上にクリーニング層を形成した後、当該クリーニング層を剥離し、動的粘弾性測定装置を用いて測定した。
(4)引き剥がし粘着力
シリコンウェハのミラー面にクリーニング層を形成し、JIS Z0237に準じて測定した。
(5)クリーニング性能評価方法
異物検査装置(KLA Tencor製、SFS6200)(以下、装置Aとする)を用いて、シリコンウェハミラー面上の0.200μm以上の異物数を測定することにより評価した。より詳細には、クリーニング部材を、クリーニングシート製造用のライナーフィルム剥離装置(日東精機製、HR−300CW)(以下、装置Bとする)に搬送し、クリーニング部材の搬送前後の異物数を測定する事で評価した。具体的な方法は以下のとおりである。
装置Bへ、まず新品のシリコンウェハミラー面を下向きにしてミラー面が搬送アームやチャックテーブルに接触するように自動搬送した(フェイスダウン搬送)。そしてミラー面に付着した異物数を、装置Aを用いて測定した(この時の異物数を「異物数1」とする。)。その後、装置Bに本発明のクリーニング部材を搬送してクリーニング処理を行った後、再度新品ウェハをフェイスダウン搬送し、その時付着した異物数を装置Aを用いて測定した(この時の異物数を「異物数2」とする)。クリーニング部材のクリーニング効果のパラメータとして異物除去率を以下の式により算出した。
異物除去率=[100−(異物数2)/(異物数1)×100]%
(6)搬送性
装置Bにてチャックテーブル上に搬送し、真空吸着を行い、真空を解除した後、リフトピンにてクリーニング部材をチャックテーブルから剥離できるかどうかで評価した。
アクリル酸−2−エチルヘキシル75部、アクリル酸メチル20部、及びアクリル酸5部からなるモノマー混合液から得たアクリル系ポリマー(重量平均分子量70万)100部に対して、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製、商品名:NKエステル4G)200部、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL)3部およびベンジルメチルケタール(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、光重合開始剤、商品名:イルガキュア−651)3部を均一に混合し、クリーニング層形成用組成物A(紫外線硬化型の粘着剤溶液)とした。
上記組成物Aを、円コーターを用いて下記の条件でシリコンウェハのミラー面に塗布した。ここで、円コーターとは、特開2001−310155号公報に記載される装置であり、当該公報の開示は本明細書に参考として援用される。
ノズル移動速度:1.0mm/秒
テーブル回転数:60rpm
塗工方向 :中心からウェハ端部
吐出量 :2.1ml/秒
ギャップ :63μm
上記粘着剤溶液Aが塗工されたシリコンウェハを、150℃で10分間ホットプレート(ASAP社製、HB−01)で乾燥させた後、その表面に保護フィルム(非シリコーン剥離剤で処理された長鎖ポリエステルフィルム:厚さ25μm)を貼り合わせた。次いで、このシリコンウェハに保護フィルム側から中心波長365nmの紫外線を積算光量1000mJ/cm照射し、粘着剤溶液の塗工層からクリーニング層を形成した。最後に、保護フィルムを剥離し、クリーニング機能付搬送部材Aを得た。当該搬送部材Aのクリーニング層の厚みは16.4μm、Raは0.04μm、Rzは0.82μm、クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積はシリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積の174%であった。さらに、クリーニング層の引張弾性率は1.5MPa、シリコンウェハのミラー面に対する180°引き剥がし粘着力は0.05N/10mmであった。
パーティクル管理された新品の8inchシリコンウェハのミラー面における0.200μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ2個であった。このウェハを装置Bにフェイスダウン搬送し、0.200μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ、8742個であった(異物数1)。また、クリーニング機能付き搬送部材Aを、装置Bに搬送してクリーニング処理を行ったところ、支障なく搬送できた。上記クリーニング処理を行った装置Bに新品のシリコンウェハをフェイスダウン搬送した後、装置Aを用いて0.200μm以上の異物数を測定したところ、1924個であった(異物数2)。異物数1、異物数2から算出した異物除去率は、全体で78.0%であった。
エチレン−1,2−ビストリメリテート,テトラカルボン酸二無水物(TMEG)30.0gと、下記化学式で表されるジアミン(宇部興産ATBN1300X16、アミン当量900、アクリロニトリル含有量18%)65.8gと、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)15.0gとを、窒素気流下、258gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中、120℃で、固形分濃度が30wt%となるように混合し、反応させた。これを冷却し、粘度750cpのポリアミック酸溶液Bを得た。
Figure 0004919337
上記溶液Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミック酸塗工層を有するシリコンウェハを得た。このシリコンウェハを、窒素雰囲気下、300℃で2時間熱処理して、ポリイミドからなるクリーニング層を形成した。このようにして、クリーニング機能付搬送部材Bを得た。当該搬送部材Bのクリーニング層の厚みは15.2μm、Raは0.03μm、Rzは0.80μm、クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積はシリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積の193%であった。さらに、クリーニング層の引張弾性率は420MPa、シリコンウェハのミラー面に対する180°引き剥がし粘着力は0.03N/10mmであった。
パーティクル管理された新品の8inchシリコンウェハのミラー面における0.200μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ3個であった。このウェハを装置Bにフェイスダウン搬送し、0.200μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ、9684個であった(異物数1)。また、クリーニング機能付き搬送部材Bを、装置Bに搬送してクリーニング処理を行ったところ、支障なく搬送できた。上記クリーニング処理を行った装置Bに新品のシリコンウェハをフェイスダウン搬送した後、装置Aを用いて0.200μm以上の異物数を測定したところ、1462個であった(異物数2)。異物数1、異物数2から算出した異物除去率は、全体で84.9%であった。
(比較例1)
塗工条件を下記のようにしたこと以外は実施例2と同様にして、クリーニング機能付搬送部材Cを得た。当該搬送部材Cのクリーニング層の厚みは14.7μm、Raは0.78μm、Rzは1.54μm、クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積はシリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積の121%であった。
ノズル移動速度:1.5mm/秒
テーブル回転数:60rpm
塗工方向 :中心からウェハ端部
吐出量 :2.1ml/秒
ギャップ :50μm
パーティクル管理された新品の8inchシリコンウェハのミラー面における0.200μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ3個であった。このウェハを装置Bにフェイスダウン搬送し、0.200μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ、11035個であった(異物数1)。また、クリーニング機能付き搬送部材Cを、装置Bに搬送してクリーニング処理を行ったところ、支障なく搬送できた。上記クリーニング処理を行った装置Bに新品のシリコンウェハをフェイスダウン搬送した後、装置Aを用いて0.200μm以上の異物数を測定したところ、8350個であった(異物数2)。異物数1、異物数2から算出した異物除去率は、全体で24.3%であった。
アクリル酸−2−エチルヘキシル75部、アクリル酸メチル20部、及びアクリル酸5部からなるモノマー混合液から得たアクリル系ポリマー(重量平均分子量70万)100部に対して、ウレタンアクリレート50部、ベンジルメチルケタール3部、及びジフェニルメタンジイソシアネート3部を均一に混合し、クリーニング層形成用組成物とした。この組成物を、ポリエステル系剥離ライナー(厚さ:38μm、剥離処理面の算術平均粗さRa:0.4μm、最大高さRz:0.92μm)の剥離処理面に硬化後の厚み(すなわち、得られるクリーニング層の厚み)が35μmとなるように塗布して、積層体を作製した。
一方、上記クリーニング層形成用組成物からベンジルメチルケタールを除いた以外は上記と同様にして得た粘着剤溶液を、幅250mm、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート製支持体の一方の側に、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布・乾燥して接着剤層を設け、その表面にポリエステル系剥離ライナー(厚さ:38μm)を貼り付けた。
上記支持体のもう一方の側に、上記積層体のクリーニング層形成用組成物塗布層を貼り付けた。次いで、中心波長365nmの紫外線を積算光量1000mJ/cm照射して塗布層からクリーニング層を形成し、本発明のクリーニングシートを得た。隔離ライナーを剥がしたクリーニング層のRaは0.37μm、Rzは0.78μm、クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積はシリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積の182%であった。さらに、クリーニング層の引張弾性率については、別途、上記作製方法と同様にして測定用試料を作製し算出したところ、クリーニング層の引張弾性率は90MPaであった。
上記で得られたクリーニングシートの接着剤層側の剥離ライナーを剥がし、8インチのシリコンウェハのミラー面にハンドローラーで貼り付けて、クリーニング機能付搬送部材Dを得た。
一方、基板処理装置のウェハステージを2つ取り外し、8インチシリコンウェハのミラー面における0.300μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ20300個であった。上記搬送部材Dのクリーニング層側の剥離ライナーを剥がし、20300個の異物が付着していたウェハステージを有する基板処理装置内を搬送させ、クリーニング処理を行った。当該クリーニング処理を3回繰り返したところ、3回とも支障なく搬送できた。その後、ウェハステージを取り外し、8インチシリコンウェハのミラー面における0.300μm以上の異物数を測定したところ6050個であり、クリーニング処理前に付着していた異物の2/3以上を除去することができた。
(比較例2)
紫外線照射を行わなかったこと以外は実施例3と同様にして、クリーニング機能付搬送部材Eを作製した。搬送部材Eを、上記基板処理装置内を搬送させたところ、搬送部材がウェハステージに固着し搬送できなくなった。
(比較例3)
表面粗さRaが0.02μm、Rzが0.08μmである剥離ライナー上にクリーニング層を形成したこと以外は実施例1と同様にしてクリーニング機能付搬送部材Fを作製した。この搬送部材のクリーニング層のRaは0.02μm、Rzは0.07μm、クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積はシリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積の116%であった。搬送部材Fを、上記基板処理装置内を搬送、クリーニング処理を行った。当該クリーニング処理を3回繰り返したところ、3回とも支障なく搬送できた。しかし、クリーニング処理による異物除去率は32.8%であり、異物を十分に除去できなかった。
ポリオキシプロピレンジアミン(三井化学ファイン製、XTJ−510)44.27gおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル25.34gを、N−メチル−2−ピロリドン398.44g中で溶解した。次に、ピロメリット酸二無水物30.00gを加え、反応させた。これを冷却してポリアミック酸溶液Gを得た。
上記ポリアミック酸溶液Gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミック酸塗工層を有するシリコンウェハを得た。このシリコンウェハを、窒素雰囲気下、300℃で2時間熱処理して、ポリイミドからなるクリーニング層を形成した。このようにして、クリーニング機能付搬送部材Gを得た。当該搬送部材Bのクリーニング層の厚みは11.4μm、Raは40nm、Rzは60nm、クリーニング層の平面1mmあたりの実質表面積はシリコンウェハミラー面の平面1mmあたりの実質表面積の172%であった。さらに、クリーニング層の引張弾性率は200MPa、シリコンウェハのミラー面に対する180°引き剥がし粘着力は0.04N/10mmであった。
パーティクル管理された新品の8inchシリコンウェハのミラー面における0.200μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ1個であった。このウェハを装置Bにフェイスダウン搬送し、0.200μm以上の異物数を、装置Aを用いて測定したところ、14230個であった(異物数1)。また、クリーニング機能付き搬送部材Gを、装置Bに搬送してクリーニング処理を行ったところ、支障なく搬送できた。上記クリーニング処理を行った装置Bに新品のシリコンウェハをフェイスダウン搬送した後、装置Aを用いて0.200μm以上の異物数を測定したところ、2613個であった(異物数2)。異物数1、異物数2から算出した異物除去率は、全体で81.6%であった。
実施例および比較例の結果から明らかなように、クリーニング層を所定の表面粗さで形成することにより、0.2μm以上の粒子径を有する異物除去性能が格段に改善され得る。
本発明のクリーニング機能付搬送部材は、各種の製造装置や検査装置のような基板処理装置のクリーニングに好適に用いられる。
本発明の好ましい実施形態によるクリーニングシートの概略断面図である。 ノズル法を説明する概念図である。 本発明の好ましい実施形態によるクリーニング機能付搬送部材の概略断面図である。
符号の説明
10 支持体
20 クリーニング層
30 剥離ライナー
40 接着剤層
50 搬送部材
100 クリーニングシート
200 クリーニング機能付搬送部材

Claims (7)

  1. 算術平均粗さRaが0.05μm以下であり、かつ、最大高さRzが1.0μm以下である凹凸形状を有するクリーニング層を備え
    該クリーニング層の平面1mm あたりの実質表面積が、シリコンウェハミラー面の平面1mm あたりの実質表面積の150%以上である、クリーニングシート。
  2. 前記凹凸形状が溝構造である、請求項1に記載のクリーニングシート。
  3. 前記クリーニング層の引張弾性率が、0.98MPa〜4900MPaである、請求項1または2に記載のクリーニングシート。
  4. 搬送部材と、該搬送部材の少なくとも片面に設けられた請求項1からのいずれかに記載のクリーニング層とを備える、クリーニング機能付搬送部材。
  5. 前記クリーニング層が前記搬送部材に直接貼り付けられている、請求項に記載のクリーニング機能付搬送部材。
  6. 前記クリーニング層が感圧接着剤層を介して前記搬送部材に貼り付けられている、請求項に記載のクリーニング機能付搬送部材。
  7. 請求項1からのいずれかに記載のクリーニングシート、あるいは請求項からのいずれかに記載のクリーニング機能付搬送部材を基板処理装置内に搬送することを含む、基板処理装置のクリーニング方法。
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