JPH1138393A - 液晶素子の製造方法 - Google Patents

液晶素子の製造方法

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JPH1138393A
JPH1138393A JP9193488A JP19348897A JPH1138393A JP H1138393 A JPH1138393 A JP H1138393A JP 9193488 A JP9193488 A JP 9193488A JP 19348897 A JP19348897 A JP 19348897A JP H1138393 A JPH1138393 A JP H1138393A
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resin
substrate
manufacturing
resin precursor
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JP9193488A
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Naoki Masazumi
直樹 将積
Nobuyuki Kobayashi
信幸 小林
Masakazu Okada
真和 岡田
Kiyobumi Hashimoto
清文 橋本
Takuji Hatano
卓史 波多野
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Minolta Co Ltd
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    • G02F1/13718Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells characterised by the electro-optical or magneto-optical effect, e.g. field-induced phase transition, orientation effect, guest-host interaction or dynamic scattering based on a change of the texture state of a cholesteric liquid crystal

Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣合う液晶どうしが混ざり合うことがなく、
それによりマルチカラー表示を安定して行うことができ
る液晶素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方が透明な1対の基板5A
及び5Bと、基板5A及び5B間に保持され、樹脂隔壁
9b及び液晶9a、9a´、9a″を含む複合膜とを有
する液晶素子の製造方法であって、(a)第1基板5A
上に樹脂前駆体9b´を塗布する工程と、(b)樹脂前
駆体9b´塗布面上に液晶9a、9a´、9a″を分散
させて滴下する工程と、(c)樹脂前駆体9b´及び液
晶9a、9a´、9a″上に第2基板5Bを設け、第1
基板5Aとで樹脂前駆体9b´及び液晶9a、9a´、
9a″を挟み込む工程と、(d)樹脂前駆体9b´を硬
化させて樹脂隔壁9bを形成する工程とを含む液晶素子
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶を用いて画像
表示、画像記録等を行う液晶素子及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、メモリ性を有する液晶表示素子が
種々提案されている。米国特許第3578844号によ
ると、例えばゼラチン、アラビアゴム等の高分子物質に
よりカプセル化されたコレステリック液晶を1対の基板
間に保持した液晶素子はメモリ性を有し、電圧印加によ
り所定の状態に表示され、この状態は電圧印加後も安定
に維持されることが開示されている。この液晶素子は、
可視域に選択反射波長を有するコレステリック液晶の配
列状態を電圧印加により変化させて反射光量の差により
表示を行うものである。
【0003】このような高分子材料とコレステリック液
晶とを含む複合膜を有する液晶素子は、該液晶による入
射光の選択反射を利用しているため偏光板が不要であ
り、明るい反射型の表示を行うことができる。また、単
純マトリクス駆動により、TFTやMIM等のメモリ素
子なしに高精細表示が可能である。コレステリック液晶
の選択反射を利用した反射型の液晶素子は、各ドメイン
を構成する液晶分子のヘリカル軸が基板に対して垂直と
なったプレーナ配列状態と、各ドメインを構成する液晶
分子のヘリカル軸が不規則な方向ないしは基板に対して
ほぼ平行となったフォーカルコニック配列状態との間で
表示を切り換える。
【0004】従来の、高分子材料とコレステリック相を
示す液晶とを含む複合膜を有する液晶素子の他の例を図
7(A)及び(B)に模式的に概略図示する。この液晶
素子は、それぞれ透明導電膜2a、2bが設けられた1
対の透明基板1a、1bが、導電膜2a、2bを内側に
して対向配置されており、その間に複合膜3が保持され
たものである。複合膜3は、例えば網目構造の樹脂3b
と該樹脂3bの間を満たす液晶3aからなる。また、透
明基板1bの外側には黒色吸収体層4が設けられてい
る。液晶3aはコレステリック相を示す液晶であり、図
(A)に示すプレーナ配列状態でヘリカルピッチに対応
する選択反射波長の光を反射して所定の色を表示し、図
(B)に示すフォーカルコニック配列状態で透明となっ
て黒色の背景色を表示する。この液晶素子は、選択反射
と透明(背景色)との間で切り換えてモノカラー表示を
行うことができる。なお、この液晶素子を駆動するにあ
たっては、図示しない電源から導電膜2a、2b間に所
定のパルス電圧を印加することにより、液晶3aの状態
をプレーナ配列とフォーカルコニック配列との間で切り
換える。
【0005】樹脂とコレステリック相を示す液晶とを含
む複合膜を有する液晶素子を用いてマルチカラー表示を
行うためには、プレーナ配列状態で互いに異なる色を表
示する複数の複合膜を重ねた積層型の液晶素子を用いる
ことが考えられる。このような積層型の液晶素子の1例
を図8に示す。なお、図8の液晶素子の構成は本発明者
らが本発明に至る過程で考案したものである。
【0006】この液晶素子は、それぞれ1対の透明基板
に保持され、プレーナ配列状態で互いに異なる波長の可
視光を反射して異なる色を示す三つの複合膜3A、3
B、3Cが重ね合わされたものである。複合膜3Aは、
該膜に面して透明導電膜2A、2Bがそれぞれ設けられ
た透明基板1A、1Bにより保持されている。複合膜3
Bは該膜に対して透明導電膜2C、2Dがそれぞれ設け
られた透明基板1B、1Cにより保持されている。透明
基板1Bは複合膜3A及び3Bの保持に共用され、その
両面には透明導電膜2B、2Cが設けられている。複合
膜3Cは該膜に面して透明導電膜2E、2Fがそれぞれ
設けられた透明基板1C、1Dにより保持されている。
透明基板1Cは複合膜3B及び3Cの保持に共用され、
その両面には透明導電膜2D、2Eが設けられている。
透明基板1Dの外側には、黒色吸収体層4´が設けられ
ている。
【0007】複合膜3A、3B、3Cはそれぞれ、例え
ば網目構造の樹脂3bA、3bB、3bCとその間を満
たす液晶3aA、3aB、3aCからなる。液晶3a
A、3aB、3aCは、それぞれプレーナ配列状態で赤
色、緑色、青色に見え、フォーカルコニック配列状態で
透明状態となる。なお、図8はプレーナ配列状態の液晶
3aA、3aB、3aCを示している。
【0008】透明導電膜2A〜2Fはそれぞれ画素を形
成できるマトリクス状の電極である。この液晶素子を駆
動するにあたっては、透明導電膜2A、2B間への図示
しない電源からの電圧印加による複合膜3Aの表示の切
替えと、透明導電膜2C、2D間への図示しない電源か
らの電圧印加による複合膜3Bの表示の切替えと、透明
導電膜2E、2F間への図示しない電源からの電圧印加
による複合膜3Cの表示の切替えとを個別に行う。これ
により、所定の画素について、黒を含む8色のマルチカ
ラー表示を行うことができる。
【0009】しかし、このような積層型の液晶素子を用
いてマルチカラー表示を行う場合、次のような難点があ
る。第1に、黒表示を行うために全ての複合膜をフォー
カルコニック配列による透明状態にしても、観察側と黒
色吸収体層との間に置かれる基板数が多いために基板面
での入射光の反射量が多くなって透明度が低くなり、そ
の結果コントラストが低くなる傾向にある。
【0010】第2に、透明導電膜を設けた各透明基板を
重ね合わせるときに各画素の位置合わせが難しい。第3
に、基板数の増加により重くなって扱い難い。図7に示
す液晶素子のように1対の基板に保持された単一の複合
膜を有し、該複合膜が赤、緑、青の表示を行える画素で
もって構成されるカラー表示のための画素を複数有する
ような液晶素子であれば、マルチカラー表示を行えると
ともにこのような難点を回避できる。
【0011】このような液晶素子の製造方法としてフォ
トチューナブル法が提案されている。フォトチューナブ
ル法では、コレステリック相を示す液晶として、紫外線
の露光量により異なるカイラリティを示すチューナブル
カイラル材料(Tunable Chiral Material 、TCM)を
ネマティック液晶に添加したものを用いる。少なくとも
一方が透明な1対の電極付き基板を、該電極を内側にし
て、スペーサを介して組み立て、該基板間にこのコレス
テリック相を示す液晶と樹脂モノマーとの相溶液を満た
す。次いで、紫外線を照射して該樹脂モノマーを硬化さ
せるにあたり、各部位毎に露光量を調製できるようなフ
ィルターを介して紫外線を照射する。これにより、複合
膜の各部位の液晶は、互いに異なるヘリカルピッチを有
し、互いに異なる選択反射波長を有するものとなり、該
液晶素子は、液晶のプレーナ配列状態で各部位毎に異な
る色を表示できるものとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなフォトチューナブル法により製造されるマルチカラ
ー表示用液晶素子では、樹脂前駆体と液晶とを含む相溶
液を保持した基板対の全体にわたり紫外線を照射して各
部位の液晶のヘリカルピッチを調整するとともに、樹脂
を重合相分離させるため、樹脂の形成位置を制御するこ
とができず、形成された複合膜は液晶領域が連続したも
のとなる。このため、液晶が流動して次第に異なる選択
反射波長を有する液晶どうしが混ざってしまい、マルチ
カラー表示を安定して行うことができない。また、選択
反射波長が紫外線露光量により異なってくるため、液晶
素子の作成後も経時的に選択反射波長が変化する恐れが
ある。
【0013】そこで本発明は、隣合う液晶どうしが混ざ
り合うことがない液晶素子を作成することができる液晶
素子の製造方法を提供することを第1の課題とする。ま
た、本発明は、マルチカラー表示を安定して行うことが
できる液晶素子の製造方法を提供することを第2の課題
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために本発明者らは研究を重ね、樹脂前駆体及び液晶
として液晶素子製造時の温度下で相溶しない組み合わせ
のものを用いること、及びこれらを1対の基板間の所定
の位置に予め配置した後、すなわち、該樹脂前駆体を樹
脂隔壁を形成しようとする位置に予め配置するとともに
該液晶をその他の位置に予め配置した後、これらの全体
に紫外線照射等を行って該樹脂前駆体を硬化させること
により、樹脂隔壁により分離された領域に液晶が配置さ
れた液晶素子を製造できることを見いだした。
【0015】前記知見に基づき本発明は、次の第1、第
2及び第3の液晶素子の製造方法を提供する。 第1の液晶素子の製造方法 少なくとも一方が透明な1対の基板と、該基板間に保持
され、樹脂隔壁及び液晶を含む複合膜とを有する液晶素
子の製造方法であって、(a)第1基板上に樹脂前駆体
を塗布する工程と、(b)該樹脂前駆体塗布面上に液晶
を分散させて滴下する工程と、(c)該樹脂前駆体及び
該液晶上に第2基板を設け、該第1基板とで、該樹脂前
駆体及び該液晶を挟み込む工程と、(d)該樹脂前駆体
を硬化させて樹脂隔壁を形成する工程とを含むことを特
徴とする液晶素子の製造方法。 第2の液晶素子の製造方法 少なくとも一方が透明な1対の基板と、該基板間に保持
され、樹脂隔壁及び液晶を含む複合膜とを有する液晶素
子の製造方法であって、(a)第1基板上の樹脂隔壁を
形成しようとする所定部位に樹脂前駆体を滴下するとと
もに、該第1基板の画素を形成しようとする所定部位に
液晶を滴下する工程と、(b)該樹脂前駆体及び該液晶
上に第2基板を設け、該第1基板とで、該樹脂前駆体及
び該液晶を挟み込む工程と、(c)該樹脂前駆体を硬化
させて樹脂隔壁を形成する工程とを含むことを特徴とす
る液晶素子の製造方法。 第3の液晶素子の製造方法 少なくとも一方が透明であり、且つ、少なくとも一方が
可撓性を有するフィルム状である1対の基板と、これら
の間に保持され、光硬化性樹脂からなる樹脂隔壁及び液
晶を含む複合膜とを有する液晶素子の製造方法であっ
て、(a)第1基板上に光硬化性樹脂の前駆体を略均一
厚さとなるように塗布する工程と、(b)該樹脂前駆体
塗布面上に液晶を分散させて滴下する工程と、(c)該
樹脂前駆体及び該液晶上にフィルム状の第2基板を設
け、該第1基板とで、該樹脂前駆体及び該液晶を挟み込
む工程と、(c)所定間隔をおいて配置されたローラ対
間に、該樹脂前駆体及び該液晶を保持した該基板対を相
対的に通過させることで、その厚さを均一にする工程
と、(d)光照射により樹脂前駆体を硬化させて樹脂隔
壁を形成する工程とを含むことを特徴とする液晶素子の
製造方法。
【0016】また、前記第2の課題を解決するために、
前記第1、第2及び第3の液晶素子の各製造方法におい
て、前記液晶として表示色の異なる複数の液晶を用い、
これらを異なる位置に分散配置する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態である液
晶素子の製造方法は、少なくとも一方が透明な1対の基
板を用い、第1基板上に樹脂前駆体を塗布し、該樹脂前
駆体塗布面上に液晶を分散させて滴下し、該樹脂前駆体
及び該液晶上に第2基板を設けて、該第1基板とで、該
樹脂前駆体及び該液晶を挟み込み、該樹脂前駆体を硬化
させて樹脂隔壁を形成することで、該第1基板と該第2
基板との間に樹脂隔壁及び液晶を含む複合膜が保持され
た液晶素子を製造する方法である。
【0018】前記液晶としては、代表的には使用環境温
度下(室温下)でコレステリック相を示す液晶を用いる
ことができる。該コレステリック相を示す液晶として
は、コレステリック液晶やネマティック液晶に所定のヘ
リカルピッチが得られるようにカイラル材料を添加した
カイラルネマティック液晶等を用いることができる。ネ
マティック液晶としては、シアノビフェニル系、トラン
系、ピリミジン系等の正の誘電異方性を有するネマティ
ック液晶を用いることができ、具体的には、例えばMN
1000XX(チッソ社製)、ZLI−1565、BL
−009、MLC6436(以上メルク社製)等を用い
ることができる。なお、ネマティック液晶MN1000
XXは以下の物性値を有する液晶である。
【0019】△n:0.219 (λ=589nm)、TN-1 =69.9
℃、V90=2.29V、η20=30.6cps カイラル材料としては、不斉炭素を有する化合物で液晶
分子に旋光性を誘起するものを用いることができ、具体
的には、例えばカイラルドーパントS−811、S−1
011、CB15、CE2(以上メルク社製)等を用い
ることができる。また、コレステリック液晶であるコレ
ステリックノナノエイト CN(メルク社製)もカイラ
ル剤として使用できる。 前記コレステリック相を示す
液晶として、可視域に選択反射波長を有し、その選択反
射波長が互いに異なる複数の液晶を用い、これら複数の
液晶を前記樹脂前駆体塗布面上の互いに異なる位置(画
素を形成しようとする位置)に混ざり合わないように独
立して滴下することができる。この場合、これら複数の
液晶領域でマルチカラー表示を行うための1画素が形成
される。互いに異なる選択反射波長を有する複数のコレ
ステリック相を示す液晶は、ネマティック液晶にカイラ
ル材料を混合したカイラルネマティック液晶を用いる場
合、カイラル材料の混合比率を調整して、生成するコレ
ステリック相を示す液晶のヘリカルピッチを変化させる
ことで容易に得ることができる。
【0020】前記樹脂前駆体としては、液晶との相互作
用、信頼性、基板との密着性等の観点から、紫外線硬化
型のモノマー又は(及び)オリゴマーであって、アクリ
ル系、メタクリル系又はエポキシ系等の単官能又は多官
能樹脂モノマー又は(及び)オリゴマーを用いることが
好ましい。このような樹脂前駆体として、アダマンタン
メタクリレート、BF−530(大八化学社製)、R−
128H、R−712、R−551(以上日本化薬社
製)等を例示できる。紫外線等の光による硬化性の樹脂
は、重合の開始及び停止の制御や、重合部位の制御を容
易に行うことができる。
【0021】紫外線硬化性樹脂を用いる場合、重合開始
剤は、樹脂のラジカル重合を紫外線照射により誘起する
ことができる材料を用いることができ、具体的には、D
AROCUR1173、IRGACUR184(いずれ
もチバガイギー社製)等を用いることができる。なお、
前記樹脂前駆体として、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂のモノマー又は(及び)オリゴマーを用いても構
わない。
【0022】樹脂前駆体と液晶とが該樹脂前駆体の硬化
前に混ざり合わないようにするため、該樹脂前駆体と該
液晶とは液晶素子製造時の温度下で相溶しない組み合わ
せのものを用いることが望ましい。このような組み合わ
せとして、紫外線硬化性樹脂前駆体R−128Hと、ネ
マティック液晶MN1000XXにカイラル剤S−81
1を添加したカイラルネマティック液晶との組み合わせ
を挙げることができる。この他、紫外線硬化性樹脂前駆
体のR−712又はR−551と、ネマティック液晶の
MLC6436又はZLI−1565と、カイラル剤の
CN又はS−1011を任意に組み合わせて用いること
ができる。
【0023】前記複合膜を保持する「基板」は、可撓性
のある又は可撓性に乏しい板状部材、可撓性ないしは柔
軟性のあるフィルム等を含む概念のものであり、例えば
1対の基板のうち、一方が液晶と樹脂を含む複合膜を保
持し得るだけの硬度を有する板状のものであり、他方が
該複合膜を保護するための、例えばフィルム状のもので
あることも考えられる。光(例えば紫外線)照射により
樹脂を硬化させる場合、光照射する側の基板材料は、光
(例えば紫外光)に対して散乱吸収のないものを用いる
ことが好ましい。例えば、ガラス、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン等
を採用できる。
【0024】前記第1及び第2の基板には、それぞれ駆
動電圧を印加するための電極を設けておくことができ
る。これらの電極により画素を形成する(画素位置を与
える)方法としては、電極の一方を基板の全面又は略全
面を覆う膜状の電極とし他方をマトリクス状の電極とす
る方法、両方の電極を共にマトリクス状の電極とする方
法、一方の電極を多数の並行した線状のものとし他方の
電極をそれと直行する多数の並行した線状のものとする
方法等を採用できる。
【0025】この場合、液晶は前記マトリクス状電極で
構成される画素に対応する位置に混ざり合わないように
滴下する。これにより、その他の非表示領域に樹脂隔壁
が形成されて、前記マトリクス状電極で構成される画素
に対応する位置に液晶が独立して存在する複合膜が得ら
れる。可視域に選択反射波長を有し、その選択反射波長
が互いに異なる複数のコレステリック相を示す液晶を用
いる場合、これら複数の液晶が滴下された複数の画素で
マルチカラー表示のための1画素が形成される。
【0026】前記電極は、普通には、前記各基板の最終
的に複合膜と接する面に設けられる。また、電極の上に
は該電極を覆うことができる絶縁膜を設けておき、該複
合膜と該電極との間を電気的に絶縁することが望まし
い。該電極を透明電極とするためには、ITO(Indium
Tin Oxide)、SnO2 、InO3 等の材料からなる電
極、薄い金属膜からなる電極等とすればよい。
【0027】なお、前記第1の実施形態の方法により製
造される液晶素子を駆動する方法としては、前記各基板
に設けられた電極間に駆動電圧を印加する方法の他、外
部に設けられた1対の電極間に該液晶素子を挿入して該
外部電極間に電圧印加する方法、一方の基板上に設けら
れた導電膜と他方の基板の外部に設けられた電極(例え
ばペン電極や消去電極)との間に電圧印加する方法等が
考えられる。
【0028】また、複合膜の厚さを所定のものにするた
めに、スペーサを用いればよい。スペーサとしては、プ
ラスチック、ガラス等の材料からなるもの(例えば粒子
状のもの)を用いることができ、予め基板に散布する、
樹脂前駆体に混入する等の方法で使用する。その直径
は、複合膜の膜厚として予定した厚さとほぼ同じ又は若
干小さくする。これは、複合膜の膜厚は樹脂隔壁の高さ
によりほぼ定まるが、樹脂隔壁の高さより若干厚くなる
からである。
【0029】高精細の表示を行うためには、一つの液晶
領域を小さくすることにより、形成される画素を小さく
すればよい。そのためには、滴下する液晶滴を小さくす
ればよく、直径500μm程度以下とすることが望まし
い。このような小さな液滴を所定の位置に正確に滴下で
きる方法として、インクジェット方式等が有効である。
インクジェット方式によると、液晶滴の滴下位置や液滴
の大きさを容易に制御できるため、形成される画素の配
列ピッチや大きさを容易に制御できる。また、高速で滴
下を行える。
【0030】前記の第1の実施形態の液晶素子の製造方
法において、複合膜に対して観察側とは反対側の位置
に、該複合膜を覆うことができるだけの大きさを有する
黒色の光吸収体を設けることができる。これにより、液
晶が透明状態にあるとき背景色である黒色を表示でき、
例えば、該液晶がコレステリック相を示す液晶であっ
て、可視域に選択反射波長を有するものであるとき、黒
と該波長に対応した色との間の表示を行うことができ
る。黒色吸収体を設ける位置は、観察側から見て複合膜
の向こう側であればよいが、より高い黒レベルを得るた
めにはできるだけ観察側に近い位置に設けることが望ま
しい。例えば、各基板に電極及び絶縁膜を設ける場合
は、いずれか一方の基板上に電極、絶縁膜、黒色吸収体
をこの順に設けておき、その基板を観察側から見て複合
膜の向こう側に置いて用いればよい。また、いずれか一
方の絶縁膜を複合膜を覆うことができるだけの大きさを
有する膜状のものとし、該膜を黒色のものとして黒色吸
収体を兼ねさせることもできる。これらの場合、黒色吸
収体を観察側とは反対側の基板の向こう側に設ける場合
より、基板、電極及び絶縁膜の各1枚分、該黒色吸収体
の位置が観察面に近くなるため、その分黒レベルが向上
してコントラストが向上する。
【0031】また、樹脂前駆体中に黒色色素を混入させ
ておくことにより形成される樹脂隔壁が黒色を呈するよ
うにすることが好ましい。これによっても、液晶領域以
外の部分の黒レベルを向上させることができ、それだけ
良好なコントラストが得られる。樹脂前駆体中に黒色色
素を混入させておくのに代えて、前記第1基板上に樹脂
前駆体塗布後、液晶滴下前に、該樹脂前駆体塗布面上に
色素を載せる等の方法により、樹脂隔壁の観察側部分の
み黒色にすることでも、前記と同様の効果が得られる。
【0032】また、液晶ドメイン間のディスクリネーシ
ョンによる光の散乱成分をカットするために、液晶中に
微量の染料を含ませたり、光反射側(観察側)の基板の
外側又は内側にカラーフィルターを設けることができ
る。なお、染料として、液晶の選択反射波長以外の波長
のスペクトル光を吸収するような染料を用いれば、コン
トラストを向上させることもできる。この場合、染料は
液晶及び樹脂壁のいずれに取り込まれるものであっても
よい。但し、樹脂隔壁に黒色色素を混入させておく場合
は当該染料は液晶に取り込まれるものとし、黒色色素は
液晶に取り込まれないものとする。このような液晶又は
樹脂隔壁に添加する染料としては、例えばSI−42
6、M−483(いずれも三井東圧染料社製)等の液晶
表示用二色性色素を用いることができる。
【0033】コレステリック相を示す液晶を用いた液晶
素子を電圧印加により駆動する場合、高低2種類のパル
ス電圧を複合膜に印加し液晶分子の配列をプレーナ配列
とフォーカルコニック配列との間で切替える。複合膜
に、該液晶をそのヘリカル軸が電界の方向を向いたホメ
オトロピック配列にできるだけの高いパルス電圧を印加
すると、電圧印加後、複合膜中の液晶は各ドメインを構
成する液晶分子のヘリカル軸が基板に対して垂直に並ん
だプレーナ配列をとる。また、複合膜に、該液晶をホメ
オトロピック配列にすることができない低いパルス電圧
を印加すると、電圧印加後、複合膜中の液晶は各ドメイ
ンを構成する液晶分子のヘリカル軸が不規則な方向ない
しは基板に対して略並行に並んだフォーカルコニック配
列をとる。プレーナ配列及びフォーカルコニック配列は
それぞれ安定に保持される。
【0034】コレステリック相を示す液晶は、プレーナ
配列状態でヘリカルピッチと該液晶の平均屈折率の積に
対応する波長の光を選択的に反射するため、選択反射波
長が例えば赤色域、青色域、緑色域にある液晶を用いれ
ば、プレーナ配列状態で各波長の光を選択的に反射して
それぞれ赤、青、緑に着色して見える。また、フォーカ
ルコニック配列状態で入射光を散乱して白濁して見え
る。コレステリック液晶のヘリカルピッチが短いと可視
光に対する散乱が小さくなって、透明に近い状態が得ら
れる。
【0035】従って、可視域に選択反射波長を有するコ
レステリック相を示す液晶を用い、黒色の背景色を設け
ることにより、プレーナ配列とフォーカルコニック配列
の2状態を切り換えることで、選択反射(プレーナ配
列)−黒色(フォーカルコニック配列)の表示を行うこ
とができる。次に、本発明の第1の実施形態の液晶素子
の製造方法の1例を図1(模式図)を参照して説明す
る。
【0036】まず、図1の図(A)に示すように、透明
な第1基板5Aを準備する。基板5Aは、一方の面に多
数の並行した線状の透明導電膜(透明電極)6A及びそ
の上の絶縁膜7Aを備えており、他方の面に黒色吸収体
層8を備えている。絶縁膜7Aの上には紫外線硬化性樹
脂の前駆体9b´を塗布する。次いで、図(B)に示す
ように、該塗布面上の導電膜6A及び後述する導電膜6
Bで与えられる画素位置にコレステリック相を示す液晶
9a、9a´、9a″を滴下する。滴下する液晶滴は直
径500μm以下とし、滴下後の液晶滴が互いに混ざり
合わないように分散させて滴下する。該液晶9a、9a
´、9a″は、それぞれ赤色域、緑色域、青色域に選択
反射波長を有する液晶であり、これら3種の液晶領域で
カラー表示用の1画素を形成できる位置に滴下する。ま
た、樹脂前駆体9b´と液晶9a、9a´、9a″は、
製造温度下で相溶しない組み合わせのものを用いる。
【0037】次いで、図(C)に示すように第2基板5
Bを設ける。基板5Bは、前記導電膜6Aと直交する方
向の多数の並行線状の透明導電膜6B(透明電極)及び
その上の絶縁膜7Bを備えており、該絶縁膜7Bの上に
はスペーサSPを散布付着してある。この基板板5Bを
導電膜6B等を設けた側を内側にして該樹脂前駆体及び
該液晶上に載置し、第1基板5Aと第2基板5Bとで、
該樹脂前駆体及び該液晶を挟み込む。さらに、図示の例
では第2基板5Bの外側からその全面に紫外光Lを照射
して、樹脂前駆体9b´を硬化させる。これにより、マ
トリクス状配置の導電膜6A、6Bで与えられた画素に
対応する位置に各色の液晶9a、9a´、9a″が配置
され、その他の非表示領域に樹脂隔壁9bが形成された
複合膜9を有する液晶素子が得られる。なお、黒色吸収
体層8を設けない場合、第1基板5A及び第2基板5B
の両側からそれぞれ紫外線Lを照射して樹脂前駆体9b
´を硬化させてもよい。また、この後に黒色吸収体層8
を設けることもできる。
【0038】この液晶素子を駆動する際には、図示しな
い電源から、選択した導電膜6A及び6B間に所定の電
圧を印加することにより、各画素に液晶をプレーナ配列
又はフォーカルコニック配列にするための所定の電圧が
印加されるようにして、複合膜9に文字や図形等の画像
情報を書き込むことができる。このとき、隣接して形成
され、赤色域、緑色域、青色域にそれぞれ選択反射波長
を有する各液晶からなる三つの画素は、これら3画素で
マルチカラー表示のための1画素を形成する。そして、
この1画素において、3領域のそれぞれを適宜プレーナ
配列又はフォーカルコニック配列とすることにより、す
べての領域がフォーカルコニック配列となったときの背
景色である黒表示と、すべての領域がプレーナ配列とな
った時の赤、緑、青の混合色表示との間で合わせて8色
のマルチカラー表示を行うことができる。
【0039】また、液晶滴を互いに混ざり合わないよう
に分散させて滴下していること、及び、樹脂前駆体及び
液晶として、液晶素子の製造温度下で相溶しない組み合
わせのものを用いていることから、各色の液晶は製造中
及びその後も混ざり合うことがなく、樹脂隔壁により分
離された領域に各液晶が存在する状態が維持される。ま
た、樹脂隔壁及び液晶領域は、予め定めた位置に正確に
形成される。
【0040】なお、黒色吸収体層8を、いずれかの基板
の最終的に外側になる面に設けておくことにより、図1
の図(C)に示すように、観察側から最も離れた位置に
黒色吸収体層8が配置された液晶素子を得ることができ
る。いずれかの基板上の絶縁膜(ここでは第1基板5A
上の絶縁膜7A)上に設けると、図2の図(A)に示す
位置に黒色吸収体層8が配置された液晶素子とすること
もできる。このとき、絶縁膜7A、透明導電膜6A及び
第1基板5Aの各1枚分だけ黒色吸収体層8が観察側に
近くなるため、より黒レベルが上がり、コントラストが
向上する。
【0041】また、このような黒色吸収体層8を設ける
場合、樹脂前駆体中に黒色色素を混入させておくことに
より図2の図(B)に示す液晶素子が得られ、樹脂隔壁
9bが黒色を呈して一層コントラストが向上する。或い
は、樹脂前駆体塗布後であって液晶滴下前に、色素80
を該樹脂前駆体の上に載せておくこと等により、図2の
図(C)に示すように上部(観察側)のみ黒色の樹脂隔
壁9bを形成することもでき、この場合も一層コントラ
ストが向上する。
【0042】また図3(A)は、前記第1の実施形態の
方法により得られる液晶素子の他の例の使用時の状態を
側面からみた図であり、図3(B)はその斜視図であ
る。この液晶素子の製造にあたっては、図1に示す基板
5A及び5Bではあるが、導電膜6A及び6B並びに絶
縁膜7A及び7Bを有していない基板5A及び5Bを用
いる。また、液晶滴は、後述する外部電極アレイ10に
より駆動電圧が印加される各位置に滴下する。その他は
図1の方法と同様にして製造したものである。複合膜9
の内部構造については図示を省略してある。
【0043】この液晶素子を駆動するにあたっては、外
部電極アレイ10が用いられる。電極アレイ10は、基
板5A、5Bの幅と同じ又はそれ以上の長さを有し、複
数の電極が該基板の幅方向に配列された1対の電極支持
体10A、10Bからなるもので、電極支持体10A、
10Bは対応する電極が対向するようにして若干の間隔
をおいて配置され、該両者間を複合膜9を挟持した基板
5A、5Bがローラ11A、11Bの回転により通過で
きるようになっている。電極支持体10A、10Bには
原稿画像等に応じてパルス電圧を各電極に印加する書き
込みユニット12が接続されている。
【0044】この液晶素子を駆動する際には、ユニット
12から電極支持体10A、10Bの各電極を介して複
合膜9に、画像情報に応じた高低2種類のパルス電圧
(例えば160V・10msec及び80V・10ms
ec)を印加することで、図1に示す方法により得られ
た液晶素子と同様に、複合膜各部の液晶をプレーナ配列
状態又はフォーカルコニック配列状態にすることができ
る。さらに説明すると、複合膜9を挟持した1対の基板
5A、5Bを外部電極アレイ10の電極支持体10A、
10B間に通過させることにより、基板5A、5Bに挟
持された複合膜9の一方の端から他方の端まで一様な電
圧を印加することで、複合膜9全体を一様な一つの状態
に変化させることができ、或いは画像情報に応じた所定
の電圧信号を印加することにより複合膜に文字や図形等
の画像情報を書き込むこともできる。なお、ここではロ
ーラ11A、11Bの回転により、複合膜9を挟持した
1対の基板5A、5Bを移動させているが、該基板5
A、5Bを固定した状態で外部電極アレイ10を移動さ
せるようにしても構わない。
【0045】この液晶素子は、書換え可能なリライタブ
ルペーパーとして用いることができる。また、黒色吸収
体層8を設けないことにより、書換え可能なOHPシー
トとしても用いることもできる。さらに、これらは電圧
印加したペンを基板に接触させることで追記も可能なも
のである。図4は前記第1実施形態の方法により得られ
る液晶素子のさらに他の例の使用状態を側面からみた図
である。この液晶素子は電子黒板として用いる。この液
晶素子も図1に示す液晶素子製造方法と同様にして作っ
たものである。ただし、使用者が対面する側の基板5B
には図1に示すような導電膜6B及び絶縁膜7Bを設け
ていない。液晶の滴下については、後述するペン電極1
3Aにより基板5A上の導電膜6Aとの間に駆動電圧が
印加され得る各部位に対し行われている。そして、赤色
域、緑色域、青色域に選択反射波長を有する3種類の液
晶を1組としてマルチカラー表示のための1画素が形成
されており、さらにこのマルチカラー表示用の画素が多
数形成されている。その他は図1の方法と同様にして製
造したものである。なお、複合膜9の内部構造について
は図示を省略してある。基板5A上の導電膜(電極)6
Aについてさらに説明すると、導電膜6Aは赤色表示用
の液晶に電圧印加できるように配置された導電膜6A
R、緑色表示用の液晶に電圧印加できるように配置され
た導電膜6AG、青色表示用の液晶に電圧印加できるよ
うに配置された導電膜6ABの3種類があり、これら導
電膜6AR、6AG、6ABは切り換えスイッチ部14
aを介して書き込み用パルス電源14Aに接続されてい
るとともに、切り換えスイッチ部14bを介して消去用
パルス電源14Bに接続されている。また、書き込み用
電源14Aにはペン電極13Aが、消去用電源14Bに
は消去用電極13Bが接続されている。ペン電極13A
は文字や図形等の画像情報を書き込むための電極で、そ
の先端は文字等を描き易いように比較的細くなってい
る。パルス電源14Aは、例えば100V・10mse
cのパルス状電圧を発生する。また、消去電極13Bは
ペン電極13Aにより複合膜9に書き込んだ画像情報を
消去するイレーサとして用いるもので、その先端は比較
的広い面積を消去できるように太くなっている。パルス
電源14Bは、例えば50V・10msecのパルス状
電圧を発生する。なお、消去電極13Bの先端は電極ア
レイで構成してもよい。
【0046】この液晶素子(電子黒板)を使用するにあ
たっては、普通には、当初全ての液晶をフォーカルコニ
ック配列状態として黒を表示させておく。文字、図形等
を書き込むときは、所望の色に応じて前記基板5A上の
導電膜6AR群、6AG群、6AB群のうち1又は2以
上をスイッチ部14aを介して電源14Aに接続する。
例えば赤色で表示したいときは導電膜6AR群をスイッ
チ部14aを介して電源14Aに接続し、白色で表示し
たいときは導電膜6AR群、6AG群及び6AB群を電
源14Aに接続する。このようにしてペン電極13Aに
て基板5Bをなぞる。これによりパルス電圧が印加され
た液晶がプレーナ配列となり、所望色の文字や図形が表
示される。また、書き込んだ文字、図形等を消去すると
きは消去電極13Bで消去したい部分を基板5B上でな
ぞればよい。このとき、消去電極13Bでなぞった部分
の情報をすべて消去したいときは、基板5A上の導電膜
6AR、6AG、6ABのすべてを切り換えスイッチ部
14bを介して電源14Bに接続しておけばよく、特定
色のみ消去したいときは、導電膜6AR、6AG、6A
Bのうちその色に対応する導電膜をスイッチ部14bに
て電源14Bに接続すればよい。なお、使用者の安全を
期すため、ペン電極13A及び消去電極13Bにそれぞ
れ別途スイッチを設け当該スイッチがオン状態のときの
み電極13A、13Bに電圧印加されるようにしてもよ
い。次に、本発明の第2の実施形態である液晶素子の製
造方法について説明する。この方法は、少なくとも一方
が透明な1対の基板を用い、第1基板上の樹脂隔壁を形
成しようとする所定部位に樹脂前駆体を滴下するととも
に、該基板の画素を形成しようとする所定部位に液晶を
滴下し、該樹脂前駆体及び該液晶上に第2基板を設け、
該第1基板とで、該樹脂前駆体及び該液晶を挟み込み、
該樹脂前駆体を硬化させて樹脂隔壁を形成することで、
該第1基板と該第2基板との間に樹脂隔壁及び液晶を含
む複合膜が保持された液晶素子を製造する方法である。
【0047】この第2の実施形態である液晶素子の製造
方法において、液晶の材料、樹脂前駆体の材料、重合開
始剤、基板、電極、絶縁膜、スペーサ、黒色吸収体層、
液晶ドメイン間のディスクリネーションによる光の散乱
成分の除去方法等については、前記第1の実施形態の方
法と同様である。なお、第2の実施形態の方法において
は、高精細の表示を行うために、液晶滴に加えて樹脂前
駆体滴の直径も500μm程度以下とすることが望まし
い。 次に、本発明の第2の実施形態である液晶素子の
製造方法の1例を図5(模式図)を参照して説明する。
【0048】まず、図5の図(A)に示すように、透明
な第1基板5Aを準備する。基板5Aは一方の面に多数
の並行した線状の透明導電膜(透明電極)6A及びその
上の絶縁膜7Aを備えており、他方の面に黒色吸収体層
8を備えている。該絶縁膜7Aの上にコレステリック相
を示す液晶9a、9a´、9a″及び紫外線硬化性樹脂
の前駆体9b´をそれぞれ滴下する。このとき、導電膜
6A及び後述する導電膜6Bで与えられる画素に対応す
る位置に液晶9a、9a´、9a″を滴下し、その他の
樹脂隔壁を形成しようとする位置に樹脂前駆体9b´を
滴下する。滴下する液晶滴及び樹脂前駆体滴は、それぞ
れ直径500μm以下とし、滴下後の液晶滴が互いに混
ざり合わないようにする。該液晶9a、9a´、9a″
は、それぞれ赤色域、緑色域、青色域に選択反射波長を
有する液晶であり、これら3種の液晶領域でマルチカラ
ー表示のための1画素を形成する。また、樹脂前駆体9
b´と液晶9a、9a´、9a″は、液晶素子の製造温
度下で相溶しない組み合わせのものを用いる。
【0049】次いで、図(B)に示すように第2基板5
Bを設ける。基板5Bは前記導電膜6Aと直交する方向
の多数の並行な線状の透明導電膜(透明電極)6B及び
その上の絶縁膜7Bを備えている。絶縁膜7Bの上には
スペーサSPを散布付着してある。かかる基板5Bを導
電膜6B等を設けた側を内側にして該樹脂前駆体及び該
液晶上に載置し、第1基板5Aと第2基板5Bとで、該
樹脂前駆体及び該液晶を挟み込む。さらに、図示の例で
は第2基板5Bの外側からその全面に、紫外光Lを照射
して、該樹脂前駆体9b´を硬化させる。これにより、
導電膜6A、6Bで与えられる画素に対応する位置に各
色の液晶9a、9a´、9a″が配置され、その他の非
表示領域に樹脂隔壁9bが形成された複合膜9を有する
液晶素子が得られる。
【0050】この液晶素子の製造方法によると、図1に
示した液晶素子製造方法におけると同様の利点が得られ
る。また、この液晶素子の駆動方法は図1に示す液晶素
子と同様である。さらに、黒色吸収体層8を設けること
ができる位置についても、前記第1の実施形態と同様に
図2に示すような位置が考えられる。次に、本発明の第
3の実施形態である液晶素子の製造方法について説明す
る。この方法は、少なくとも一方が透明であり、且つ、
少なくとも一方が可撓性を有するフィルム状である1対
の基板を用い、第1基板上に光硬化性樹脂の前駆体を略
均一厚さとなるように塗布し、該樹脂前駆体塗布面上に
液晶を分散させて滴下し、該樹脂前駆体及び該液晶上に
フィルム状の第2基板を設け、該第1基板とで、該樹脂
前駆体及び該液晶を挟み込み、所定間隔をおいて配置さ
れたローラ対間に、該樹脂前駆体及び該液晶を保持した
該基板対を相対的に通過させることで、その厚さを均一
にし、光照射により樹脂前駆体を硬化させて樹脂隔壁を
形成することにより、該第1基板と該第2基板との間に
樹脂隔壁及び液晶を含む複合膜が保持された液晶素子を
製造する方法である。
【0051】この第3の実施形態である液晶素子の製造
方法において、液晶の材料、光硬化性樹脂前駆体の材
料、重合開始剤、電極、絶縁膜、スペーサ、黒色吸収体
層、液晶ドメイン間のディスクリネーションによる光の
散乱成分の除去方法等については、前記第1の実施形態
の方法と同様である。なお、この第3の実施形態の方法
においては、第2基板が可撓性を有するフィルム状のも
のであればよく、第1基板は可撓性のある又は可撓性に
乏しい板状部材、可撓性ないしは柔軟性を有するフィル
ム等のいずれのものであってもよい。なお、これらの基
板に採用できる材質については、前記第1の実施形態の
方法の場合と同様である。
【0052】また、前記樹脂前駆体を前記第1基板に塗
布する際、例えばブレードを用いることにより均一厚さ
に塗布することができる。第3の実施形態の方法におい
ては、第1基板への樹脂前駆体の塗布、液晶の滴下、第
2基板の載置、ローラ対による押圧、光照射の各工程
を、基板全体にわたり前工程が終わった後に次に工程を
行うようにして進めることもできるが、第2基板が可撓
性を有するフィルム状のものであるため、第1基板の一
端部から順に樹脂前駆体を均一に塗布し、塗布された部
分から順に液晶を滴下し、滴下された部分から順にフィ
ルム状の第2基板を被せ、第2基板を設けた部分から順
にローラ対間を通過させ、ローラ対間を通過後の部分か
ら順に光照射することにより、前記各工程を連続して進
めることもできる。さらに、この場合、第1基板を静置
した状態で前記各工程を該第1基板の一端部から他端部
にかけて順に行ってもよいが、前記各工程を行える各装
置に対し該第1基板を移動させることで、前記各工程を
該第1基板の一端部から他端部にかけて順に行ってもよ
い。
【0053】なお、第3の実施形態の方法において、樹
脂前駆体として特に光硬化性樹脂の前駆体を用いるの
は、限定された狭い部分を光照射により容易に硬化させ
ることができるため、前記各工程を連続して行い易いか
らである。次に、本発明の第3の実施形態である液晶素
子の製造方法の1例を図6(模式図)を参照して説明す
る。
【0054】まず、第1基板5Aを準備する。この第1
基板5Aは一方の面に多数の並行な線状の透明導電膜
(透明電極)及びその上の絶縁膜を備えており、他方の
面に黒色吸収体層8を備えている。なお、透明導電膜及
び絶縁膜については図示を省略している。この基板5A
の絶縁膜に対し、その一端から順に樹脂前駆体貯留槽S
1のノズルN1から紫外線硬化性樹脂の前駆体9b´を
流下し、これをブレードBを用いて均一に塗布する。
【0055】次いで、樹脂前駆体9b´が塗布された部
分から順に、導電膜6A及び後述する導電膜6Bで与え
られる画素に対応する位置に液晶貯留槽S2、S3、S
4のノズルN2、N3、N4からそれぞれコレステリッ
ク相を示す液晶9a、9a´、9a″を滴下する。滴下
する液晶滴は直径500μm以下とし、滴下後の液晶滴
が互いに混ざり合わないようにする。液晶9a、9a
´、9a″は、赤色域、緑色域、青色域にそれぞれ選択
反射波長を有する液晶であり、これら3種の液晶領域で
マルチカラー表示のための1画素を形成する。また、樹
脂前駆体9b´と液晶9a、9a´、9a″は、製造温
度下で相溶しない組み合わせのものを用いる。
【0056】次いで、これら樹脂前駆体と液晶の上にフ
ィルム状の第2基板5Bを重ね設けていく。基板5Bは
フィルム供給装置FSから供給する。基板5Bは基板5
A上の図示を省略した前記導電膜と直交する方向の多数
の並行な線状の透明導電膜及びその上の絶縁膜を備えて
おり、該絶縁膜の上には図示を省略したスペーサを散布
付着してある。なお、これら透明導電膜及び絶縁膜につ
いても図示を省略している。かかるフィルム状基板5B
は導電膜等を設けた側を内側にして、液晶9a、9a
´、9a″が滴下された部分から順にその上に載置し、
第1基板5Aと第2基板5Bとで、該樹脂前駆体及び該
液晶を挟み込む。
【0057】次いで、第2基板5Bを載置した部分から
順に、所定の間隔をおいた1対のローラRの間を、樹脂
前駆体9b´及び液晶9a、9a´、9a″を保持した
1対の基板5A及び5Bを通過させて、その厚さを均一
にする。さらに、ローラ対R間を通過後の部分から順
に、該基板対に対し、第2基板5B側から紫外線ランプ
UVを用いて紫外光Lを照射し、該樹脂前駆体9b´を
硬化させる。なお、以上の各工程は、樹脂前駆体用ノズ
ルN1、ブレードB、液晶用ノズルN2、N3、N4、
第2基板供給装置FS、ローラ対R、紫外線ランプUV
をこの順で配置し、この間を第1基板を通過させること
により行う。
【0058】これにより、基板5A、5B上の導電膜で
与えられる画素に対応する位置に各色の液晶9a、9a
´、9a″が配置され、その他の非表示領域に樹脂隔壁
9bが形成された複合膜を有する液晶素子が得られる。
この液晶素子の製造方法によると、図1を参照して説明
した前記第1の実施形態の方法によると同様の利点があ
る。
【0059】また、このように、第2基板5Bとして可
撓性を有するフィルム状のものを用いているため、樹脂
前駆体9b´の塗布、液晶9a、9a´、9a″の滴
下、第2基板5Bの載置、ローラ対Rによる押圧、紫外
光Lの照射の各工程を第1基板5Aを移動させつつその
一端から他端にかけて順に行うことができ、それによ
り、液晶素子製造装置全体のサイズを大きくすることな
く、大サイズの液晶素子を得ることができる。
【0060】また、この液晶素子の駆動方法は、前記第
1の実施形態の方法により得られる液晶素子と同様であ
る。また、黒色吸収体層8を設けることができる位置に
ついても、前記第1の実施形態の方法と同様に、図2に
示すような位置が考えられる。なお、ここでは、本発明
の第1、第2及び第3の実施形態の各例として、液晶と
してコレステリック相を示す液晶を用い、そのメモリ効
果を利用して表示を行う液晶素子の製造例を示したが、
本発明はこれに限られるものではなく、液晶として例え
ばネマティック相を示すものやスメクティック相を示す
もの等を用いてもよい。また、得られる液晶素子は、単
純マトリクス駆動の他、TFT素子等を利用したアクテ
ィブマトリクス駆動等も行える。
【0061】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 100mm×100mmのサイズのガラス製の第1基板
を準備した。この第1基板は、一方の面に多数の並行な
線状のITOからなる導電膜(電極)及びその上のポリ
イミドからなる絶縁膜を備え、他方の面に黒色吸収体層
を備えている。この基板の絶縁膜上に紫外線硬化性樹脂
モノマー R−128H(日本化薬社製)を塗布した。
【0062】次いで、ネマティック液晶 MN1000
XX(チッソ社製、Δn=0.219(λ=589n
m)、TN-I =69.9℃)にカイラル剤 S−811
(メルク社製)を31.0重量%添加したコレステリッ
ク相を示す液晶を、該樹脂モノマー塗布面上に注射針を
用いて順に滴下した。その滴下位置は、第1基板に設け
られた導電膜(電極)と後述する第2基板に設けられる
導電膜(電極)で構成される画素に対応する位置であ
る。この液晶は、選択反射波長570nmを有し、緑色
を呈し得るものである。液晶は0.065μlずつ滴下
することにより、液晶滴の直径を500μm程度とし
た。
【0063】次いで、該樹脂モノマーと液晶の上にガラ
ス製の第2基板を載置した。この第2基板は、第1基板
に設けられた線状導電膜と直交する方向の多数の線状の
ITOからなる導電膜及びその上のポリイミドからなる
絶縁膜を備え、該絶縁膜の上に直径10μmのスペーサ
粒子が散布されている。この第2基板は該導電膜側を内
側にして前記樹脂モノマー及び前記液晶の上に載置し、
第1基板と第2基板とで該樹脂モノマー及び該液晶を挟
み込んだ。さらに、第2基板側からその全面に、15m
w/cm2 の紫外線を1分間照射して、該樹脂モノマー
を硬化させた。これにより、第1基板及び第2基板にそ
れぞれ設けられた導電膜で構成される画素に対応する位
置に液晶が配置され、その他の非表示領域に樹脂隔壁が
形成された複合膜を有する液晶素子が得られた。
【0064】この液晶素子は、50V・10msecの
パルス電圧印加により、フォーカルコニック配列状態に
よる透明(背景色である黒色)を呈し、100V・10
msecのパルス電圧印加により、プレーナ配列状態に
よる緑色(選択散乱反射色)を呈した。これらの状態
は、電圧印加停止後も保持され、双安定性を示した。ま
た、この液晶素子は、液晶領域が樹脂隔壁により完全に
分離されているため、隣接する液晶領域が次第に混ざり
合うということはなかった。また、室温で相溶しない組
み合わせの液晶と樹脂モノマーを用いたため、所定の位
置に正確に液晶領域及び樹脂隔壁を形成することができ
た。 実施例2 ガラスからなる100mm×100mmのサイズの第1
基板を準備した。この第1基板は一方の面に多数の並行
な線状のITOからなる導電膜及びその上のポリイミド
からなる絶縁膜を備え、他方の面に黒色吸収体層を備え
ている。この第1基板の絶縁膜上に紫外線硬化性樹脂モ
ノマー R−128H(日本化薬社製)を塗布した。
【0065】次いで、ネマティック液晶 MN1000
XX(チッソ社製、Δn=0.219(λ=589n
m)、TN-I =69.9℃)にカイラル剤 S−811
(メルク社製)をそれぞれ38.6重量%、31.0重
量%、24.0重量%添加した3種のコレステリック相
を示す液晶を調製した。これらの液晶は、それぞれ48
0nm、570nm、700nmに選択反射波長を有
し、それぞれ青色、緑色、赤色を呈するものである。こ
れらの液晶を、該樹脂モノマー塗布面上に注射針を用い
て順に滴下した。その位置は、第1基板に設けられた導
電膜(電極)と後述する第2基板に設けられる導電膜
(電極)で構成される画素に対応する位置である。また
3種の液晶は、これら3種の液晶領域でマルチカラー表
示のための1画素を形成できる位置に滴下した。また、
液晶は0.065μlずつ滴下し、液晶滴の直径を50
0μm程度とした。
【0066】次いで、ガラスからなる第2基板を前記樹
脂モノマー及び液晶上に載置した。この第2基板は、第
1基板に設けられた線状導電膜と直交する方向の多数の
線状のITOからなる導電膜及びその上のポリイミドか
らなる絶縁膜を備え、該絶縁膜の上に直径10μmのス
ペーサ粒子を散布したものである。この第2基板は該導
電膜側を内側にして前記樹脂モノマー及び前記液晶の上
に載置し、第1基板と第2基板とで該樹脂モノマー及び
該液晶を挟み込んだ。さらに、第2基板側からその全面
に15mw/cm2 の紫外線を1分間照射して、該樹脂
モノマーを硬化させた。これにより、画素に対応する位
置に液晶が配置され、その他の非表示領域に樹脂隔壁が
形成された複合膜を有する液晶素子が得られた。
【0067】この液晶素子は、各画素に50V・10m
secのパルス電圧を印加することにより、該画素がフ
ォーカルコニック配列状態による透明(背景色である黒
色)を呈し、100V・10msecのパルス電圧を印
加することにより、プレーナ配列状態による青色、緑色
又は赤色(選択散乱反射色)を呈した。そして、3種の
液晶領域で構成されるマルチカラー表示のための各画素
について、該3領域のそれぞれを適宜プレーナ配列又は
フォーカルコニック配列とすることにより、すべての領
域がフォーカルコニック配列となったときの背景色であ
る黒表示と、すべての領域がプレーナ配列となった時の
赤、緑、青の混合色表示との間で合わせて8色のマルチ
カラー表示を行うことができた。
【0068】また、この液晶素子は、液晶領域が樹脂隔
壁により完全に分離されていため、隣接する液晶領域が
次第に混ざり合うということはなかった。また、室温で
相溶しない組み合わせの液晶と樹脂モノマーを用いたた
め、所定の位置に正確に液晶領域及び樹脂隔壁を形成す
ることができた。 実施例3 ガラスからなる100mm×100mmのサイズの第1
基板を準備した。この第1基板は一方の面に多数の並行
な線状のITOからなる導電膜及びその上のポリイミド
からなる絶縁膜を備え、他方の面に黒色吸収体層を備え
ている。この第1基板の絶縁膜上に、ネマティック液晶
MN1000XX(チッソ社製、Δn=0.219
(λ=589nm)、TN-I =69.9℃)にカイラル
剤 S−811(メルク社製)を31.0重量%添加し
たコレステリック相を示す液晶を、注射針を用いて順に
滴下した。その滴下位置は第1基板に設けられた導電膜
と後述する第2基板に設けられる導電膜(電極)で構成
される画素に対応する位置である。
【0069】それとともに、該絶縁膜上のその他の非表
示領域に対応する位置に、紫外線硬化性樹脂モノマー
R−128H(日本化薬社製)を注射針を用いて順に滴
下した。この液晶は、選択反射波長570nmを有し、
緑色を呈するものである。また、樹脂モノマー及び液晶
をそれぞれ0.065μlずつ滴下することにより、樹
脂モノマー滴及び液晶滴の直径をそれぞれ500μm程
度とした。
【0070】次いで、該樹脂モノマーと液晶の上にガラ
ス製の第2基板を載置した。この第2基板は、第1基板
に設けられた線状導電膜と直交する方向の多数の線状の
ITOからなる導電膜及びその上のポリイミドからなる
絶縁膜を備え、該絶縁膜の上に直径10μmのスペーサ
粒子が散布されている。この第2基板は、該導電膜を設
けた側を内側にして前記樹脂モノマー及び前記液晶の上
に載置し、第1基板と第2基板とで該樹脂モノマー及び
該液晶を挟み込んだ。さらに、第2基板側からその全面
に、15mw/cm2 の紫外線を1分間照射して、該樹
脂モノマーを硬化させた。これにより、第1基板及び第
2基板にそれぞれ設けられた導電膜で構成される画素に
対応する位置に液晶が配置され、その他の非表示領域に
樹脂隔壁が形成された複合膜を有する液晶素子が得られ
た。
【0071】この液晶素子は、50V・10msecの
パルス電圧印加により、フォーカルコニック配列状態に
よる透明(背景色である黒色)を呈し、100V・10
msecのパルス電圧印加により、プレーナ配列状態に
よる緑色(選択散乱反射色)を呈した。これらの状態
は、電圧印加停止後も保持され、双安定性を示した。ま
た、この液晶素子は、液晶領域が樹脂隔壁により完全に
分離されていため、隣接する液晶領域が次第に混ざり合
うということはなかった。また、室温で相溶しない組み
合わせの液晶と樹脂モノマーを用いたため、所定の位置
に正確に液晶領域及び樹脂隔壁を形成することができ
た。 実施例4 ネマティック液晶 MN1000XX(チッソ社製、Δ
n=0.219(λ=589nm)、TN-I =69.9
℃)にカイラル剤 S−811(メルク社製)をそれぞ
れ38.6重量%、31.0重量%、24.0重量%添
加した3種のコレステリック相を示す液晶を調製した。
これらの液晶は、それぞれ480nm、570nm、7
00nmに選択反射波長を有し、それぞれ青色、緑色、
赤色を呈し得るものである。
【0072】ガラスからなる100mm×100mmの
サイズの第1基板を準備した。この第1基板は一方の面
に多数の並行な線状のITOからなる導電膜及びその上
のポリイミドからなる絶縁膜を備え、他方の面に黒色吸
収体層を備えている。この第1基板の絶縁膜上に、前記
3種の液晶を順に注射針を用いて滴下した。その滴下位
置は、第1基板に設けられた導電膜と後述する第2基板
に設けられる導電膜(電極)で構成される画素に対応す
る位置である。また3種の液晶は、これら3種の液晶領
域でマルチカラー表示のための1画素を形成できる位置
に滴下した。
【0073】それとともに、該絶縁膜上のその他の非表
示領域に対応する位置に、紫外線硬化性樹脂モノマー
R−128H(日本化薬社製)を順に注射針を用いて滴
下した。樹脂モノマー及び液晶はそれぞれ0.065μ
lずつ滴下することにより、樹脂モノマー滴及び液晶滴
の直径を500μm程度とした。次いで、該樹脂モノマ
ーと液晶の上にガラス製の第2基板を載置した。この第
2基板は、第1基板に設けられた線状導電膜と直交する
方向の多数の線状のITOからなる導電膜及びその上の
ポリイミドからなる絶縁膜を備え、該絶縁膜の上に直径
10μmのスペーサ粒子が散布されている。この第2基
板は、該導電膜側を内側にして前記樹脂モノマー及び前
記液晶の上に載置し、第1基板と第2基板とで該樹脂モ
ノマー及び該液晶を挟み込んだ。さらに、第2基板側か
らその全面に、15mw/cm2 の紫外線を1分間照射
して、該樹脂モノマーを硬化させた。これにより、画素
に対応する位置に液晶が配置され、その他の非表示領域
に樹脂隔壁が形成された複合膜を有する液晶素子が得ら
れた。
【0074】この液晶素子は、各画素に50V・10m
secのパルス電圧を印加することにより、該画素はフ
ォーカルコニック配列状態による透明(背景色である黒
色)を呈し、100V・10msecのパルス電圧を印
加することにより、プレーナ配列状態による青色、緑色
又は赤色(選択散乱反射色)を呈した。そして、3種の
液晶領域で構成されるマルチカラー表示のための各画素
について、該3領域のそれぞれを適宜プレーナ配列又は
フォーカルコニック配列とすることにより、すべての領
域がフォーカルコニック配列となったときの背景色であ
る黒表示と、すべての領域がプレーナ配列となった時の
赤、緑、青の混合色表示との間で合わせて8色のマルチ
カラー表示を行うことができた。
【0075】また、この液晶素子は、液晶領域が樹脂隔
壁により完全に分離されていため、隣接する液晶領域が
次第に混ざり合うということはなかった。また、室温で
相溶しない組み合わせの液晶と樹脂モノマーを用いたた
め、所定の位置に正確に液晶領域及び樹脂隔壁を形成す
ることができた。 実施例5 幅1m×長さ1mのサイズのガラス製の第1基板を準備
した。この基板は一方の面に多数の並行な線状のITO
からなる導電膜及びその上のポリイミドからなる絶縁膜
を備え、他方の面に黒色吸収体層を備えている。この基
板の長さ方向の一端の該絶縁膜上に紫外線硬化性樹脂モ
ノマー R−128H(日本化薬社製)を流下し、ブレ
ードを用いて基板長さ方向に均一厚さに塗り広げた。
【0076】次いで、該樹脂モノマーが均一に塗布され
た部分から順に、ネマティック液晶MN1000XX
(チッソ社製、Δn=0.219(λ=589nm)、
N- I =69.9℃)にカイラル剤 S−811(メル
ク社製)を31.0重量%添加したコレステリック相を
示す液晶を注射針を用いて順に滴下した。その滴下位置
は、第1基板に設けられた導電膜と後述する第2基板に
設けられる導電膜(電極)で構成される画素に対応する
位置である。この液晶は、選択反射波長570nmを有
し、緑色を呈し得るものである。液晶は0.065μl
ずつ滴下することにより、液晶滴の直径を500μm程
度とした。
【0077】次いで、ポリエチレンテレフタレートから
なるフィルム状の第2基板を、液晶を滴下した部分から
順にその上に被せた。この第2基板は、第1基板に設け
られた線状導電膜と直交する方向の多数の線状のITO
からなる導電膜及びその上のポリイミドからなる絶縁膜
を備え、該絶縁膜の上に直径10μmのスペーサ粒子が
散布されている。この第2基板は該導電膜側を内側にし
て前記樹脂モノマー及び前記液晶の上に載置し、第1基
板と第2基板とで樹脂モノマー及び液晶を挟み込んだ。
【0078】次いで、該基板対の該フィルム状第2基板
が被せられた部分から順に、適当な荷重をかけて圧接さ
れたローラ対間を通過させ、該基板対の厚さを均一にし
た。さらに、該基板対のローラ対間を通過後の部分から
順に、該フィルム状第2基板側から15mw/cm2
紫外線を1分間照射して、該樹脂モノマーを硬化させ
た。これにより、第1基板及び第2基板にそれぞれ設け
られた導電膜で構成される画素に対応する位置に液晶が
配置され、その他の非表示領域に樹脂隔壁が形成された
複合膜を有する液晶素子が得られた。
【0079】なお、前記各工程は、樹脂モノマー貯留槽
のノズル、ブレード、液晶貯留槽の注射針、フィルム供
給装置、ローラ対、紫外線ランプを所定の位置に配置
し、それらの間を第1基板を順に移動させることにより
行った。この液晶素子は、50V・10msecのパル
ス電圧印加により、フォーカルコニック配列状態による
透明(背景色である黒色)を呈し、100V・10ms
ecのパルス電圧印加により、プレーナ配列状態による
緑色(選択散乱反射色)を呈した。これらの状態は、電
圧印加停止後も保持され、双安定性を示した。
【0080】また、この液晶素子は、液晶領域が樹脂隔
壁により完全に分離されていため、隣接する液晶領域が
次第に混ざり合うということはなかった。また、室温で
相溶しない組み合わせの液晶と樹脂モノマーを用いたた
め、所定の位置に正確に液晶領域及び樹脂隔壁を形成す
ることができた。また、柔軟性を有するフィルムを第2
基板として用いたため、装置サイズを大きくすることな
く、大画面の液晶素子を容易に製造することができた。 実施例6 ガラスからなる幅1m×長さ1mのサイズの第1基板を
準備した。この第1基板は一方の面に多数の並行な線状
のITOからなる導電膜及びその上のポリイミドからな
る絶縁膜を備え、他方の面に黒色吸収体層を備えてい
る。
【0081】また、ネマティック液晶 MN1000X
X(チッソ社製、Δn=0.219(λ=589n
m)、TN-I =69.9℃)にカイラル剤 S−811
(メルク社製)をそれぞれ38.6重量%、31.0重
量%、24.0重量%添加した3種のコレステリック相
を示す液晶を調製した。これらの液晶は、それぞれ48
0nm、570nm、700nmに選択反射波長を有
し、それぞれ青色、緑色、赤色を呈し得るものである。
【0082】第1基板の長さ方向の一端の該絶縁膜上に
紫外線硬化性樹脂モノマー R−128H(日本化薬社
製)を流下し、ブレードを用いて基板長さ方向に均一厚
さに塗り広げた。次いで、該樹脂モノマーが均一に塗布
された部分から順に、前記3種の液晶を注射針を用いて
順に滴下した。その滴下位置は、第1基板に設けられた
導電膜と後述する第2基板に設けられる導電膜(電極)
で構成される画素に対応する位置である。また3種の液
晶は、これら3種の液晶領域でマルチカラー表示のため
の1画素を形成できる位置に滴下した。また、液晶は
0.065μlずつ滴下することにより、液晶滴の直径
を500μm程度とした。
【0083】次いで、ポリエチレンテレフタレートから
なるフィルム状の第2基板を液晶を滴下した部分から順
にその上に被せた。この第2基板は、第1基板に設けら
れた線状導電膜と直交する方向の多数の線状のITOか
らなる導電膜及びその上のポリイミドからなる絶縁膜を
備え、該絶縁膜の上に直径10μmのスペーサ粒子が散
布されている。この第2基板は該導電膜側を内側にして
前記樹脂モノマー及び前記液晶の上に載置し、第1基板
と第2基板とで樹脂モノマー及び液晶を挟み込んだ。
【0084】次いで、該基板対の該フィルム状第2基板
が被せられた部分から順に、適当な荷重をかけて圧接さ
れたローラ対間を通過させ、該基板対の厚さを均一にし
た。さらに、該基板対のローラ対間を通過後の部分から
順に、該フィルム状第2基板側から15mw/cm2
紫外線を1分間照射して、該樹脂モノマーを硬化させ
た。これにより、各画素に対応する位置に液晶が配置さ
れ、その他の非表示領域に樹脂隔壁が形成された複合膜
を有する液晶素子が得られた。
【0085】なお、前記各工程は、樹脂モノマー貯留槽
のノズル、ブレード、液晶貯留槽の注射針、フィルム供
給装置、ローラ対、紫外線ランプを所定の位置に配置
し、それらの間を第1基板を順に移動させることにより
行った。この液晶素子は、第1基板及び第2基板にそれ
ぞれ設けられた導電膜で構成される各画素に50V・1
0msecのパルス電圧を印加することにより、各画素
はフォーカルコニック配列状態による透明(背景色であ
る黒色)を呈し、100V・10msecのパルス電圧
を印加することにより、プレーナ配列状態による青色、
緑色又は赤色(選択散乱反射色)を呈した。そして、3
種の液晶領域で構成されるマルチカラー表示のための各
画素について、該3領域のそれぞれを適宜プレーナ配列
又はフォーカルコニック配列とすることにより、すべて
の領域がフォーカルコニック配列となったときの背景色
である黒表示と、すべての領域がプレーナ配列となった
時の赤、緑、青の混合色表示との間で合わせて8色のマ
ルチカラー表示を行うことができた。
【0086】また、柔軟性を有するフィルムを第2基板
として用いたため、装置サイズを大きくすることなく、
大画面の液晶素子を容易に製造することができた。ま
た、この液晶素子は、液晶領域が樹脂隔壁により完全に
分離されていため、隣接する液晶領域が次第に混ざり合
うということはなかった。また、室温で相溶しない組み
合わせの液晶と樹脂モノマーを用いたため、所定の位置
に正確に液晶領域及び樹脂隔壁を形成することができ
た。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、隣
合う液晶どうしが混ざり合うことがない液晶素子を作成
できる液晶素子の製造方法を提供することができる。ま
た本発明によると、マルチカラー表示を安定して行うこ
とができる液晶素子の製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図(A)、図(B)及び図(C)は、それぞ
れ、本発明の第1の実施形態の液晶素子の製造方法の1
例を説明する図である。
【図2】図(A)、図(B)及び図(C)は、それぞ
れ、黒色吸収体層を配置できる位置について説明する図
である。
【図3】図(A)は、本発明の第1の実施形態の液晶素
子の製造方法の他の例により得られる液晶素子の使用状
態における側面図であり、図(B)はその斜視図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施形態の液晶素子の製造方法
のさらに他の例により得られる液晶素子の使用状態を側
面からみた模式図である。
【図5】図(A)及び図(B)は、それぞれ、本発明の
第2の実施形態の液晶素子の製造方法の1例を説明する
図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の液晶素子の製造方法
の1例を説明する図である。
【図7】図(A)及び図(B)は、それぞれ従来の液晶
素子の1例の断面図である。図(A)は液晶がプレーナ
配列状態の図であり、図(B)は液晶がフォーカルコニ
ック配列状態の図である。
【図8】マルチカラー表示可能な積層型の液晶素子とし
て考えられるものの1例の断面図である。
【符号の説明】
1a、1b、1A、1B、1C、1D 透明基板 2a、2b、2A、2B、2C、2D、2E、2F 透
明導電膜 3、3A、3B、3C 複合膜 3a、3aA、3aB、3aC コレステリック相を示
す液晶 3b、3bA、3bB、3bC 樹脂 4、4´ 黒色吸収体層 5A 第1基板 5B 第2基板 6A、6B、6AR、6AG、6AB 透明導電膜 7A、7B 絶縁膜 8 黒色吸収体層 9 複合膜 9a 赤色域に選択反射波長を有する液晶 9a´ 緑色域に選択反射波長を有する液晶 9a″ 青色域に選択反射波長を有する液晶 9b 樹脂隔壁 9b´ 樹脂前駆体 10 外部電極アレイ 10A、10B 電極支持体 11A、11B ローラ 12 書き込みユニット 13A ペン電極 13B 消去電極 14A、14B パルス電源 14a、14b 切り換えスイッチ部 L 紫外光 S1 樹脂前駆体貯留槽 S2、S3、S4 液晶貯留槽 N1 樹脂前駆体貯留槽のノズル N2、N3、N4 液晶貯留槽のノズル B ブレード R ローラ対 UV 紫外線ランプ
フロントページの続き (72)発明者 岡田 真和 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 橋本 清文 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 波多野 卓史 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な1対の基板と、
    該基板間に保持され、樹脂隔壁及び液晶を含む複合膜と
    を有する液晶素子の製造方法であって、(a)第1基板
    上に樹脂前駆体を塗布する工程と、(b)該樹脂前駆体
    塗布面上に液晶を分散させて滴下する工程と、(c)該
    樹脂前駆体及び該液晶上に第2基板を設け、該第1基板
    とで、該樹脂前駆体及び該液晶を挟み込む工程と、
    (d)該樹脂前駆体を硬化させて樹脂隔壁を形成する工
    程とを含むことを特徴とする液晶素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記液晶としてコレステリック相を示す
    液晶を用いる請求項1記載の液晶素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記コレステリック相を示す液晶とし
    て、可視域に選択反射波長を有するものを用いる請求項
    2記載の液晶素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記コレステリック相を示す液晶とし
    て、互いに異なる選択反射波長を有する2種以上の液晶
    を用い、これら2種以上の液晶を前記樹脂前駆体塗布面
    上の互いに異なる位置に分散させて滴下する請求項3記
    載の液晶素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 マトリクス状電極を得るように前記1対
    の基板にそれぞれ電極を設けておく請求項1から4のい
    ずれかに記載の液晶素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記マトリクス状電極で構成される画素
    に対応する位置に液晶を滴下して、その他の非表示領域
    に樹脂隔壁が形成されるようにする請求項5記載の液晶
    素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記樹脂として紫外線硬化性樹脂を用い
    る請求項1から6のいずれかに記載の液晶素子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記樹脂前駆体及び液晶として、液晶素
    子製造時の温度下で相溶しない組み合わせの樹脂前駆体
    と液晶とを用いる請求項1から7のいずれかに記載の液
    晶素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 滴下する液晶滴の直径を500μm以下
    とする請求項1から8のいずれかに記載の液晶素子の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記1対の基板のうち一方が透明基板
    であり、他方が黒色吸収体層が設けられた不透明基板で
    ある請求項1から9のいずれかに記載の液晶素子の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記樹脂前駆体中に黒色色素を混入さ
    せておくことにより、形成される樹脂隔壁を光を吸収し
    て黒色に見えるものとする請求項1から10のいずれか
    に記載の液晶素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも一方が透明な1対の基板
    と、該基板間に保持され、樹脂隔壁及び液晶を含む複合
    膜とを有する液晶素子の製造方法であって、(a)第1
    基板上の樹脂隔壁を形成しようとする所定部位に樹脂前
    駆体を滴下するとともに、該第1基板の画素を形成しよ
    うとする所定部位に液晶を滴下する工程と、(b)該樹
    脂前駆体及び該液晶上に第2基板を設け、該第1基板と
    で、該樹脂前駆体及び該液晶を挟み込む工程と、(c)
    該樹脂前駆体を硬化させて樹脂隔壁を形成する工程とを
    含むことを特徴とする液晶素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記液晶としてコレステリック相を示
    す液晶を用いる請求項12記載の液晶素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記コレステリック相を示す液晶とし
    て可視域に選択反射波長を有するものを用いる請求項1
    3記載の液晶素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記コレステリック相を示す液晶とし
    て、互いに異なる選択反射波長を有する2種以上の液晶
    を用い、これら2種以上の液晶を互いに異なる位置に分
    散させて滴下する請求項14記載の液晶素子の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 マトリクス状電極を得るように前記1
    対の基板にそれぞれ電極を設けておく請求項12から1
    5のいずれかに記載の液晶素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記マトリクス状電極で構成される画
    素に対応する位置に液晶を滴下するとともに、その他の
    非表示領域に樹脂前駆体を滴下して該領域に樹脂隔壁が
    形成されるようにする請求項16記載の液晶素子の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 前記樹脂として紫外線硬化性樹脂を用
    いる請求項12から17のいずれかに記載の液晶素子の
    製造方法。
  19. 【請求項19】 前記樹脂前駆体及び液晶として、液晶
    素子製造時の温度下で相溶しない組み合わせの樹脂前駆
    体と液晶とを用いる請求項12から18のいずれかに記
    載の液晶素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 滴下する樹脂前駆体滴及び液晶滴の直
    径をそれぞれ500μm以下とする請求項12から19
    のいずれかに記載の液晶素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記1対の基板のうち一方が透明基板
    であり、他方が黒色吸収体層が設けられた不透明基板で
    ある請求項12から20のいずれかに記載の液晶素子の
    製造方法。
  22. 【請求項22】 前記樹脂前駆体中に黒色色素を混入さ
    せておくことにより、形成される樹脂隔壁を光を吸収し
    て黒色に見えるものとする請求項12から21のいずれ
    かに記載の液晶素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 少なくとも一方が透明であり、且つ、
    少なくとも一方が可撓性を有するフィルム状である1対
    の基板と、これらの間に保持され、光硬化性樹脂からな
    る樹脂隔壁及び液晶を含む複合膜とを有する液晶素子の
    製造方法であって、(a)第1基板上に光硬化性樹脂の
    前駆体を略均一厚さとなるように塗布する工程と、
    (b)該樹脂前駆体塗布面上に液晶を分散させて滴下す
    る工程と、(c)該樹脂前駆体及び該液晶上にフィルム
    状の第2基板を設け、該第1基板とで、該樹脂前駆体及
    び該液晶を挟み込む工程と、(c)所定間隔をおいて配
    置されたローラ対間に、該樹脂前駆体及び該液晶を保持
    した基板対を相対的に通過させることで、その厚さを均
    一にする工程と、(d)光照射により樹脂前駆体を硬化
    させて樹脂隔壁を形成する工程とを含むことを特徴とす
    る液晶素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記液晶としてコレステリック相を示
    す液晶を用いる請求項23記載の液晶素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記コレステリック相を示す液晶とし
    て可視域に選択反射波長を有するものを用いる請求項2
    4記載の液晶素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記コレステリック相を示す液晶とし
    て、互いに異なる選択反射波長を有する2種以上の液晶
    を用い、これら2種以上の液晶を前記樹脂前駆体塗布面
    上の互いに異なる位置に分散させて滴下する請求項25
    記載の液晶素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 マトリクス状電極を得るように前記1
    対の基板にそれぞれ電極を設けておく請求項23から2
    6のいずれかに記載の液晶素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記マトリクス状電極で構成される画
    素に対応する位置に液晶を滴下して、その他の非表示領
    域に樹脂隔壁が形成されるようにする請求項27記載の
    液晶素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記樹脂として紫外線硬化性樹脂を用
    いるとともに、該樹脂の前駆体を硬化させるために照射
    する光を紫外光とする請求項23から28のいずれかに
    記載の液晶素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記樹脂前駆体及び液晶として、液晶
    素子製造時の温度下で相溶しない組み合わせの樹脂前駆
    体と液晶とを用いる請求項23から29のいずれかに記
    載の液晶素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 滴下する液晶滴の直径を500μm以
    下とする請求項23から30のいずれかに記載の液晶素
    子の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記1対の基板のうち一方が透明基板
    であり、他方が黒色吸収体が設けられた不透明基板であ
    る請求項23から31のいずれかに記載の液晶素子の製
    造方法。
  33. 【請求項33】 前記樹脂前駆体中に黒色色素を混入さ
    せておくことにより、形成される樹脂隔壁を光を吸収し
    て黒色に見えるものとする請求項23から32のいずれ
    かに記載の液晶素子の製造方法。
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