JPH07333640A

JPH07333640A - 液晶表示素子

Info

Publication number: JPH07333640A
Application number: JP6131677A
Authority: JP
Inventors: Yuzo Hisatake; 雄三久武; Masahito Ishikawa; 正仁石川; Makiko Satou; 摩希子佐藤; Hitoshi Hado; 仁羽藤
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1994-06-14
Filing date: 1994-06-14
Publication date: 1995-12-22

Abstract

(57)【要約】【構成】液晶層１９とこの液晶層を配向層１５、１６を
介して挟んだ表示電極１３および対向電極１４からなり
これら電極に印加される電圧により表示画像を形成する
第１の液晶構成体Ｉと、隔離層１８を介して一体にされ
高分子分散形液晶層２２とこの高分子分散形液晶層を挟
んだ一対の電極２０、２１とからなる第２の液晶構成体
IIとからなる。【効果】印加電圧により視野角を広げたり狭めたりする
こと、すなわち視角特性を制御でき、用途に応じて望ま
しい液晶表示装置を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に係わ
る。

【０００２】

【従来の技術】機器のディスプレーに用いられる液晶表
示素子装置としては、例えば９０°ねじれた分子配列を
もつツイステッドネマティック（ＴＮ）型液晶やねじれ
角を１８０°以上としたスーパーツイステッドネマティ
ック（ＳＴＮ）型液晶がある。前者は、原理的に薄い液
晶層厚、低電圧で偏光制御できることから、早い応答速
度、低消費電力にて、高いコントラスト比を示し、単純
マトリクス駆動や、スイッチング素子を各画素ごとに具
備したアクティブマトリクス駆動に適し、また、カラー
フィルターと組み合わせて、フルカラーの表示の液晶Ｔ
Ｖなどに応用されている。また、後者は、印加電圧に対
する透過率の変化が急峻であり単純マトリクス駆動でも
高いコントラスト比を得ることができることが特徴であ
りワードプロセッサ、パーソナルコンピューターなどに
広く用いられている。

【０００３】しかし、これらの液晶表示装置はいずれも
視角依存性が大きく、視角が狭いことが問題であった。
このため液晶パネルの前面に半透過拡散板を置き、背面
光源から出た光が液晶パネルを通過し、この半透過拡散
板に投写され、視角を広げる試みが知られている。しか
し、この場合、その表示性は半透過拡散板の特性で一義
的に決まり、一旦作製した後は変更・制御できず、例え
ば視角を意図的に広げたりあるいは狭めたりといったこ
とはできなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
液晶表示装置はいずれも視角依存性が大きく、視角が狭
いことが問題であった。また、これを解決するために半
透過拡散板を配置するといった試みは、その表示性はこ
の特性に依存し、一旦作製した後は変更・制御できず、
例えば視角を意図的に広げたりあるいは狭めたりといっ
たことはできなかった。

【０００５】本発明は液晶表示素子の視角特性など表示
性を自由に制御することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、液晶層とこの
液晶層を配向層を介して挟んだ表示電極および対向電極
からなりこれら電極に印加される電圧により表示画像を
形成する第１の液晶構成体と、高分子分散形液晶層とこ
の高分子分散形液晶層を挟んだ一対の電極とからなる第
２の液晶構成体と、前記第１の液晶構成体と前記第２の
液晶構成体とを隔離層を介して一体にする手段とを具備
してなる液晶表示素子を得るものである。

【０００７】さらに、前記隔離層が偏光板である液晶表
示素子を得るものである。。

【０００８】さらに、前記隔離層と前記第１の液晶構成
体との間にカラーフィルター層が介挿されてなる液晶表
示素子を得るものである。

【０００９】さらに、第１の液晶構成体と第２の液晶構
成体が一対の基板間に設置されている液晶表示素子を得
るものである。

【００１０】また、一方の面に複数の画素電極を有しそ
の上に配向層を有した第１の基板と、前記画素電極に所
定の間隙をおいて対向しこの間隙に液晶層を配置した一
方の面に配向層を有する対向電極と、この対向電極の他
の面側に設けられた絶縁隔離層と、この絶縁隔離層の他
の面に設けられた第１の電極と、この第１の電極に接し
て設けられた高分子分散形液晶層と、前記第１の電極と
ともに前記高分子分散形液晶層を挟むように設けられた
第２の電極と、第２の電極上に設けられた第２の基板と
からなることを特徴とする液晶表示素子を得るものであ
る。

【００１１】また、一方の面に複数の画素電極を有しそ
の上に配向層を有した第１の基板と、前記画素電極に所
定の間隙をおいて対向しこの間隙に液晶層を配置した一
方の面に配向層を有する対向電極と、この対向電極の他
の面側に設けられた絶縁隔離層と、この絶縁隔離層の他
の面に設けられた高分子分散形液晶層と、この高分子分
散形液晶層上に設けられた電極と、この電極上に設けら
れた第２の基板とからなることを特徴とする液晶表示素
子を得るものである。

【００１２】さらに、基板の少なくとも一方が高分子フ
ィルムでなる液晶表示素子を得るものである。

【００１３】

【作用】図２に本発明の液晶表示装置の概略図を示す。

【００１４】透明ガラスの第１の基板１１は、表面上に
複数の画素電極１３を形成し、その上に配向層１５を有
している。

【００１５】一方、透明な合成樹脂板できた第２の基板
１２は、表面に第２の電極２１、高分子分散形液晶層２
２、第１の電極２０、偏光層からなる隔離層１８、対向
電極１４および配向層１６を積層している。高分子分散
形液晶層２２は例えばネマティック液晶と紫外線硬化型
アクリル樹脂とを混合し層状にした状態で紫外線照射に
より固めたもので、過数の微小液晶領域を樹脂絶縁物で
囲む構造を有する。

【００１６】次に第２の基板１２の対向電極１４を、第
１の基板１１の画素電極１３に対向させ、これら電極間
に所定の間隙ができるように両基板の周辺をシール剤２
３で封止して液晶セルを形成する。電極間間隙にネマテ
ィック液晶組成物をスペーサとともに充填して液晶層１
９を形成し、セルを封着して液晶表示素子を構成する。
配向層１５、１６は互いに配向方向が９０°交差するよ
うにラビング処理されており、画素電極１３と対向電極
１４に挟まれた液晶層１９はＴＮ形配列になっている。
得られる素子の第１の基板の他の面に偏光層１７を貼り
付ける。

【００１７】ここで、第１の基板側の画素電極１３、配
向層１５、液晶層１９、配向層１６および対向電極１４
で構成する液晶表示部は両電極への電圧印加制御により
画像表示できる第１の液晶構成体Ｉを構成する。また、
第２の基板側の第１の電極２０、高分子分散型液晶層２
２および第２の電極２１は光拡散機能を制御できる第２
の液晶構成体IIを構成し、隔離層１８を介して第１の液
晶構成体Ｉと一体構成になっている。

【００１８】第２の液晶構成体IIは、第１、第２の電極
２０、２１間に第２の電源３１から電圧が供給されず、
高分子分散形液晶層２２には電圧が印加されない場合、
高分子分散形液晶層２２は散乱特性を示す。すなわち、
従来の半透過拡散板と同等の機能を果たすことができ
る。このため、第１の液晶構成体Ｉで偏光層１７、１８
とともにＴＮモードの画像表示を行い、偏光層１７から
の入射光を透過させた場合、この第２の液晶構成体IIの
光拡散作用により通過する光は散乱し、疑似的に投射形
表示を行うことができて、非常に広い視角となる。

【００１９】また、第２の液晶構成体IIの第１、第２の
電極２０、２１に電圧を印加し、両電極の間に電位差を
与えた場合、高分子分散形液晶層２２には電圧が印加さ
れる。このとき高分子分散形液晶層２２は透明となり、
この層は光学的には何も無い状態と等価となる。したが
って、この場合は第１の液晶構成体Ｉを第１の電源３０
で駆動した状態、すなわち第１の基板上の画素電極１３
と対向電極１４とで挟まれたＴＮ形液晶層１９自体の狭
い視角特性となる。

【００２０】このように本発明によれば、液晶表示素子
の視角特性を第２の液晶構成体の第１、第２の電極に与
える電圧によって自由に制御できる。

【００２１】さらに、本発明においては、図２の構成に
おいて、対向電極１４で第１の電極２０を兼ね、第１の
電極を省略することができる。

【００２２】この場合、高分子分散形液晶層２２への電
圧印加は第２の電極２１と対向電極１４との間の電位差
により制御できる。この場合、高分子分散形液晶層２２
へ印加される実効値電圧は電圧印加が絶縁層である隔離
層１８を介して行われるため多少損失されるが構成が簡
単となる利点がある。この隔離層１８は例えば高分子フ
ィルムの偏光板で構成している。

【００２３】以上の説明で、本発明の作用を、表示用液
晶層として偏光制御型液晶モード（前述した説明におい
てはＴＮモード）を用いた場合にて説明したが、本発明
の効果は、こうした偏光制御型液晶モード以外にも適用
できる。例えば染料添加型液晶モードに適用した場合、
前記２つの偏光層は、０乃至１とすることができる。０
とした場合は、液晶層のみで明暗を得る液晶モード（例
えばＰＣ−ＧＨモード）とした場合は、偏光層は必要な
く、液晶層と偏光層１層で明暗を得る液晶モード（例え
ばＧＨ−ＴＮモード）とした場合は、偏光層は１とする
ことができる。これらを実現する構成を考えると、第
１、第２の液晶構成体を隔てる偏光層を兼ねる隔離層
は、光吸収の少ない単なる絶縁層に置き換えることがで
きる。また、第１の基板裏面の偏光層を取り除くことが
できる。これらの構成は、前記偏光制御型液晶モード
（前述した説明においてはＴＮモード）を用いた場合と
比較して、素子の透過率が向上する作用を有する。

【００２４】また、少なくとも一方の基板が合成樹脂の
ような高分子フィルムからなる場合はガラス基板などか
らなる場合に比べて薄く、また軽くすることが可能であ
り、本発明のように多層構成ではより望ましいものとな
る。

【００２５】

【実施例】以下本発明の実施例について説明する。

【００２６】（実施例１）図１に本発明の実施例の要部
を拡大して示す。ガラスでできた第１の基板の一方の面
にａ−Ｓｉを半導体層とする縦４８０ドット、横６４０
ドットの薄膜トランジスタ１３ａとこれに接続された画
素電極すなわち表示電極１３をゲート線や信号線（図示
しない）とともにマトリクス状に配置する。

【００２７】一方、ガラス製の第２の基板１２には一方
の面にＩＴＯ透明電極からなる第２の電極２１をスパッ
タにより形成し、その上に誘電異方性が正のネマティッ
ク液晶（商品名Ｅ−８、メルクジャパン社製）と紫外線
硬化型アクリル樹脂とを混合し固めたものである高分子
分散形液晶層２２を形成し、その上に第１の電極２０と
してＩＴＯ透明電極を同じくスパッタにより作製する。
このうえに高分子フィルムの偏光板層１８を貼付し、さ
らにこの上にブラックマトリクス２４として黒色有機材
料を、赤・緑・青カラーフィルタ２５としてそれぞれの
色の着色有機材料をフォトリソグラフィー法により積層
して作製した。この上に対向電極１４としてＩＴＯ透明
電極をスパッタにより作製した。

【００２８】これら２枚の基板の表面に水平配向を誘起
するポリイミド配向膜からなる配向層１５、１６を形成
しＴＮモードのラビング配向処理を行った後、直径約５
μｍのプラスチックボールスペーサを介して２枚の基板
をほぼ平行に配置し１か所を除き周辺をエポキシシール
剤により接着固定して液晶表示セルとした。これら２枚
の基板間に誘電異方性が正のネマティック液晶（商品名
ＺＬＩ−４７９２、メルクジャパン社製）を注入して９
０°ねじれのＴＮ型液晶層１９を充填した後、封止し、
第１の基板１１の他の面に偏光層１７を貼り付け、背面
光源３２を設置して液晶表示素子を作製した。表示電極
１３、液晶層１９、対向電極１４の部分で第１液晶構成
体Ｉを、第１の電極２０、高分子分散形液晶層２２、第
２の電極２１の部分で第２の液晶構成体IIを構成し、こ
れら構成体間に隔離層として偏光層１８を介挿してい
る。

【００２９】本実施例の液晶表示素子は、第２の基板側
の第１、第２の電極２０、２１間の電位差が無い場合、
高分子分散形液晶層２２は散乱特性を示し、疑似的には
第１液晶構成体の表示を投射形で表示を行うことがで
き、非常に広い視角となった。また、第２の基板の第
１、第２の電極に電圧を印加し、両電極の間に電位差を
与えた場合、高分子分散形液晶層２２は透明となり、表
示電極１３と対向電極１４とで挟まれたＴＮ形液晶層１
９自体の狭い視角特性を示した。

【００３０】ここに第１、第２の電極２０、２１間に与
えた電位差と液晶表示素子の視角特性の関係を図３に示
す。図に示すように、第１、第２の電極間に与える電位
差（０〜１０Ｖ）によってコントラスト比の視角特性を
自由に制御できた。

【００３１】（実施例２）本実施例を図２に示す。実施
例１と比較して、カラーフィルター部を設けず、高分子
分散形液晶層２２およびこれを挟む２つの電極層２０、
２１からなる疑似的な投射形を形成するための各層を第
２の極基板側に設けている。作成条件、材料は実施例１
と同様とした。実施例１同様の評価を行ったところ、実
施例１同様の良好な特性を得た。

【００３２】（実施例３）実施例１において、液晶（商
品名ＺＬＩ−４７９２、メルクジャパン社製）に黒色染
料を添加した液晶組成物で液晶層１９を形成した。ま
た、上下基板間に設けた隔離層を偏光層から透明なアク
リル樹脂層に変えて、スピンコートにより形成した。こ
れ以外の製法、条件、材料は実施例１同様にして本実施
例の液晶表示素子を得た。実施例１同様の評価を行った
ところ、実施例１同様の良好な特性を得た。

【００３３】また、本実施例の液晶表示素子は、実施例
１、２の液晶表示素子と比較して透過率が高かった。

【００３４】（実施例４）実施例３において、液晶（商
品名ＺＬＩ−４７９２、メルクジャパン社製）に黒色染
料を添加し、さらに、カイラル剤（商品名ｓ−８１１、
メルクジャパン社製）を２．５％混合し、プレーナー配
列が形成されるカイラリティーとして注入した。さら
に、第１の基板１１の下面に貼り付けていた偏光板を貼
り付けずに実施例３同様にして本発明の液晶表示素子を
得た。実施例１同様の評価を行ったところ、実施例１同
様の良好な特性を得た。

【００３５】また、本実施例の液晶表示素子は、実施例
１、２、３の液晶表示素子と比較して透過率が高かっ
た。

【００３６】（実施例５）実施例４において、第１、第
２の基板として合成樹脂基板を用いる以外、実施例４同
様にして本発明の液晶表示素子を得た。実施例１同様の
評価を行ったところ、実施例１同様の良好な特性を得
た。

【００３７】また、本実施例の液晶表示素子は、実施例
１、２、３、４の液晶表示素子と比較して透過率が高か
った。

【００３８】

【発明の効果】本発明によれば、印加電圧により視野角
を広げたり狭めたりすること、すなわち視角特性を制御
でき、用途に応じて望ましい液晶表示装置を得ることが
できる。

【００３９】また、実施例に述べた例は単なる動作原理
を説明するに足りる例を示しており、高分子分散形液晶
層の特性によって種々の視角特性の制御が得られる。ま
た、実施例では、アクティブマトリクス駆動方式で説明
したが、単純マトリクス駆動のものが使用でき、また、
この時の動作モードもＴＮ形、ＳＴＮ形の旋光性や複屈
折性あるいは吸収などを用いた各種のものが利用できる
ことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の構成を説明する図。

【図２】本発明の基本構成を説明する図。

【図３】本発明の実施例の視角特性を説明する図。

【符号の説明】

１１、１２…基板１３…表示電極１４…対向電極１８…隔離層１９…液晶層２０…第１の電極２１…第２の電極２２…高分子分散形液晶層Ｉ…第１の液晶構成体 II…第２の液晶構成体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者羽藤仁神奈川県横浜市磯子区新杉田町８番地株式会社東芝横浜事業所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液晶層とこの液晶層を配向層を介して挟
んだ表示電極および対向電極からなりこれら電極に印加
される電圧により表示画像を形成する第１の液晶構成体
と、高分子分散形液晶層とこの高分子分散形液晶層を挟
んだ一対の電極とからなる第２の液晶構成体と、前記第
１の液晶構成体と前記第２の液晶構成体とを隔離層を介
して一体にする手段とを具備してなる液晶表示素子。
【請求項２】前記隔離層が偏光板である請求項１に記
載の液晶表示素子。
【請求項３】前記隔離層と前記第１の液晶構成体との
間にカラーフィルター層が介挿されてなる請求項１また
は２記載の液晶表示素子。
【請求項４】第１の液晶構成体と第２の液晶構成体が
一対の基板間に設置されている請求項１記載の液晶表示
素子。
【請求項５】一方の面に複数の画素電極を有しその上
に配向層を有した第１の基板と、前記画素電極に所定の
間隙をおいて対向しこの間隙に液晶層を配置した一方の
面に配向層を有する対向電極と、この対向電極の他の面
側に設けられた絶縁隔離層と、この絶縁隔離層の他の面
に設けられた第１の電極と、この第１の電極に接して設
けられた高分子分散形液晶層と、前記第１の電極ととも
に前記高分子分散形液晶層を挟むように設けられた第２
の電極と、第２の電極上に設けられた第２の基板とから
なることを特徴とする液晶表示素子。
【請求項６】一方の面に複数の画素電極を有しその上
に配向層を有した第１の基板と、前記画素電極に所定の
間隙をおいて対向しこの間隙に液晶層を配置した一方の
面に配向層を有する対向電極と、この対向電極の他の面
側に設けられた絶縁隔離層と、この絶縁隔離層の他の面
に設けられた高分子分散形液晶層と、この高分子分散形
液晶層上に設けられた電極と、この電極上に設けられた
第２の基板とからなることを特徴とする液晶表示素子。
【請求項７】基板の少なくとも一方が高分子フィルム
でなる請求項４、５または６記載の液晶表示素子。