JP3056642B2 - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

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    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/133377Cells with plural compartments or having plurality of liquid crystal microcells partitioned by walls, e.g. one microcell per pixel

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絵素の周囲を取り囲む
高分子壁を有する液晶表示素子とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在の液晶表示素子には種々の表示モー
ドがある。例えば、電気光学効果を利用する液晶表示素
子には、ネマチック液晶を用いたTN(ツイステッドネ
マチック)モードやSTN(スーパーツイステッドネマ
チック)モードのものが実用化されている。また、最近
では強誘電性液晶(FLC)を用いた液晶表示素子も実
用化されるようになってきている。
【0003】また、液晶の複屈折率を利用し、透明状態
または白濁状態を電気的にコントロールする方式が提案
されている。この方式は、基本的には液晶分子の常光屈
折率と表示媒体である高分子の屈折率とを一致させ、電
圧を印加して液晶の配向方向が電場方向に揃うときには
透明状態を表示し、また、電圧無印加時、即ち液晶分子
の配向の乱れによる光散乱状態のときには白濁状態を表
示する方式である。
【0004】この方式の液晶表示素子の製造方法として
は、以下のような各製造方法が提案されている。
【0005】即ち、第1の方法(特表昭58−5016
31号公報)としては、ポリマーカプセルに液晶を含有
させて表示媒体を設ける方法がある。
【0006】また、第2の方法(特表昭61−5021
28号公報)としては、光硬化性樹脂または熱硬化性樹
脂と液晶とを混合し、光または熱で樹脂を硬化させるこ
とにより、液晶を析出させて樹脂中に液晶領域を形成さ
せる方法がある。
【0007】さらに、第3の方法(特開平3−7231
7号公報)としては、滴状の液晶領域の径を制御する方
法がある。
【0008】さらに、第4の方法(特開平3−5951
5号公報)としては、高分子多孔膜に液晶を含浸させる
方法がある。
【0009】さらに、第5の方法(特開平3−4662
1号公報)としては、隔離配設した2枚の透明電極間に
設けられた液晶中に、光の散乱源となるポリマー製のビ
ーズを浮遊させた液晶構造が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の第
1の方法では、ポリマーカプセルに含有された液晶が独
立した液晶滴となっているため、液晶分子の配向に変化
を生じさせるための駆動電圧が各液晶滴毎に異なり、結
果として全液晶滴を同時に動作させるための駆動電圧が
高くなってしまい、液晶表示素子として利用できる範囲
が狭いものになっている。
【0011】また、上記従来の第2の方法および第3の
方法では、相分離法を利用しているために、前者の場合
では液晶滴を平面的に精密に配置することが困難であ
り、後者の場合では液晶滴の直径を精密に制御すること
が困難であった。
【0012】さらに、上記従来の第4の方法では、液晶
滴を作成するときに相分離を利用しないため、適応でき
る樹脂材料や液晶の選択の自由度が非常に大きく、高分
子多孔膜の十分な精製が可能であるという利点を有する
が、一方において現状では、十分に液晶滴の直径を制御
すること、および基板表面に沿った方向における液晶滴
の位置を精密に配置することができないという欠点を有
していた。
【0013】さらに、上記従来の第5の方法では、光の
散乱強度は大きいが、ビーズを均一に分散させることが
難しく、各絵素で同じ程度の散乱を発生させることが困
難であり、表示むらが発生しやすいという欠点があっ
た。
【0014】以上のように、液晶滴を分散した高分子型
液晶を使用する高分子分散型の液晶表示素子において
は、その製造法上、液晶滴の形状が均一ではなく、かつ
その基板表面に沿った方向における液晶滴の位置を正確
に規制することが難しいものとなっていた。また、液晶
滴の位置を精度よく配置できないために、液晶滴毎の駆
動電圧が異なり、そのため電気光学特性におけるしきい
値の急峻性に欠き、かつ相対的に駆動電圧が高くなって
いた。さらに、光の散乱能の低い液晶滴が多数存在する
ために、相対的にコントラストが低くなるという問題を
有していた。
【0015】また、上述した如く液晶滴の形状が均一で
はなく、かつ基板表面に沿った方向における液晶滴の位
置配置を規制することが難しいため、高精細な状態で大
画面化することができず、これに加えて、液晶表示素子
を駆動させる方式が信号をオン、オフさせて平均化した
値により駆動させるデューティ駆動方式である場合にお
いて、そのデューティ比を大きくすることができなかっ
た。
【0016】このような上記従来の問題を有した高分子
分散型液晶表示素子から、本発明者等は新たに表示モー
ドを見いだしている。その1つは液晶と高分子をさらに
明確にし、絵素部に液晶を配置させ、非絵素部に高分子
を配置させ、また、この高分子を柱状に配置し、高分子
壁として一種のスペーサの役目を持たせて液晶表示パネ
ルの耐衝撃性を向上させることができる新規な液晶表示
素子である。この表示モードを形成する製造方法とし
て、本発明者等は今までに以下のような2つの製造方法
を提案している。
【0017】まず、本発明者等は、1つ目の製造方法と
して、対向配設した一対の基板間に液晶材料と光硬化性
樹脂と光開始剤との混合物を注入し、その後に絵素部分
が遮光部となるようにフォトマスクを一方の基板上に被
せ、フォトマスク側から紫外線を混合物に照射すること
により、光弱照射領域である絵素部分に液晶領域が集ま
り、光強照射領域である絵素以外の部分に高分子材料が
集まった表示媒体を有するようにした液晶表示素子の製
造方法(特願平5−30996号)を提案している。こ
の液晶表示素子の製造方法において、フォトマスクを使
用して絵素部分を遮光部とするため、目的とする絵素部
分に液晶領域を凝集させることができる。
【0018】また、本発明者等は、2つ目の製造方法と
して、ITO電極をホトマスクとするセルフアライメン
ト法を用いた製造方法(特願平6−25485号)を提
案している。このITO電極をホトマスクとする製造方
法は、ITO電極が紫外光を吸収する性質を利用し、I
TO電極をホトマスクとし、ITO部と非ITO部の光
透過率差を利用して光の強領域と弱領域を形成し、絵素
部に液晶を凝集させる方法である。
【0019】本発明者等は、絵素部に高分子を残さない
ように完全に相分離を行うこと、つまり液晶領域と高分
子領域を完全に独立させることを目標としているが、液
晶と高分子を完全に相分離させることは非常に困難であ
る。
【0020】このように、本発明者等が既に提案してい
る上記2つの製造方法では、液晶内に高分子が取り残さ
れたり、高分子壁内に液晶が取り残されたりする場合が
多い。前者の、液晶内に高分子が取り残された場合は、
取り残された高分子はパネルの開口率を低下させ、ま
た、配向膜上に高分子が残ることで配向状態を悪化させ
たり、液晶の光学特性つまり応答速度やコントラストの
低下を招く。また、後者の、高分子壁内に液晶が取り残
された場合には、非絵素部で光散乱が生じ、また高分子
の壁としては、強度が弱くなり、耐衝撃性の効果も低下
することが懸念されている。このように、液晶と高分子
の分離性が悪いと上記のような様々な問題が生じる。つ
まり、液晶と重合性樹脂としての高分子とを如何に明確
に相分離させるかが大きな問題となっている。
【0021】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、液晶−モノマー混合材料の温度を制御することによ
り、より明確に液晶と重合性樹脂を相分離させた液晶表
示素子およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、ITO電極が形成された少なくとも一方が透明な一
対の基板間に液晶と高分子が狭持された液晶表示素子に
おいて、ITO電極をホトマスクとするセルフアライメ
ント法を用い、少なくとも液晶材料および光硬化性樹脂
を液晶材料の転移温度以上にすることにより液晶材料
光硬化性樹脂を相分離させ、液晶と高分子がそれぞれ
独立した領域を保持して存在しており、液晶領域内に含
まれる光硬化性樹脂の含有量が3重量%以下であり、そ
のことにより上記目的が達成される。さらに、好ましく
は、本発明の液晶表示素子における透明な基板上に形成
された透明電極は、ITO電極が紫外線を吸収する性質
を利用して露光するため、ITO電極などの光を通しに
くい構成とする。
【0023】また、液晶表示素子の製造方法は、電極が
形成された少なくとも一方が透明な一対の基板間に、
材料と光硬化性樹脂を相分離させて液晶高分子と
がそれぞれ独立した領域を保持して存在している液晶表
示素子の製造方法において、光硬化性樹脂を硬化する工
程の前に、少なくとも一方が透明な一対の基板間に液晶
材料と光硬化性樹脂が狭持されたセルを、液晶材料
転移温度以上に加熱する加熱工程と、加熱工程の後、セ
ルを液晶材料の転移温度以下に冷却する冷却工程と、を
複数回行う加熱−冷却工程を含むものであり、そのこと
により上記目的が達成される。本発明の液晶表示素子の
製造方法は、電極が形成された少なくとも一方が透明な
一対の基板間に、液晶材料と光硬化性樹脂とを相分離さ
せて液晶と高分子とがそれぞれ独立した領域を保持して
存在している液晶表示素子の製造方法において、少なく
とも一方が透明な一対の基板間に液晶材料と光硬化性樹
脂とが狭持されたセルを、液晶材料の転移温度以上に加
熱する加熱工程と、加熱工程の後、セルを液晶材料の転
移温度以下に冷却する冷却工程と、を少なくとも一回行
う加熱−冷却工程と、光硬化性樹脂を硬化する工程と、
加熱−冷却工程および光硬化性樹脂を硬化する工程の後
に、再度液晶が等方状態になるまで過熱し、過熱した温
度を保持した状態で、セルに紫外線光を照射する工程
と、を含み、そのことにより上記目的が達成される。
発明の液晶表示素子の製造方法は、電極が形成された少
なくとも一方が透明な一対の基板間に、液晶材料と光硬
化性樹脂とを相分離させて液晶と高分子とがそれぞれ独
立した領域を保持して存在している液晶表示素子の製造
方法において、少なくとも一方が透明な一対の基板間に
液晶材料と光硬化性樹脂とが狭持されたセルを、液晶材
料の転移温度以上に加熱する加熱工程と、加熱工程の
後、セルを液晶材料の転移温度以下に冷却する冷却工程
と、を少なくとも一回行う加熱−冷却工程と、光硬化性
樹脂を硬化する工程と、を含み、冷却する工程の冷却温
度が0℃以下であり、そのことにより上記目的が達成さ
れる。 さらに、好ましくは、液晶表示素子の製造方法に
おける光照射工程において、光を通しにくい透明電極が
形成された基板の少なくとも一方の側から紫外光を照射
する。さらに、好ましくは、本発明の液晶表示素子の製
造方法における光照射工程は、該セルの外部にホトマス
クを設置する工程と、該ホトマスク側から紫外光を照射
する工程とを含む。
【0024】さらに、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、電極を有する少なくとも一方が透明な一対の基板間
に液晶と高分子を狭持する工程と、該液晶と高分子が挟
持された基板部を液晶の転移温度以上に加熱し、さらに
該液晶の転移温度以下に冷却する該加熱と冷却を少なく
とも一回繰り返す加熱−冷却工程と、該加熱−冷却工程
において、該液晶の転移温度以上に加熱した状態で基板
に紫外光を照射する光照射工程とを含むものであり、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0025】
【作用】本発明においては、液晶が等方性液体状態であ
る転移温度以上であると液晶と重合性樹脂の相溶性が向
上し、つまり液晶と光重合性樹脂との均一性が向上し、
またそれぞれの分子移動度が大きくなる。つまりこの
後、光を照射したとき、それぞれ選択的位置に光重合性
樹脂が凝集しやすくなり、液晶領域に高分子領域が残る
のをより少なくすることが可能となる。
【0026】したがって、上記請求項1の構成により、
一対の基板間に挟持される少なくとも液晶および高分子
を液晶の転移温度以上にすることにより液晶と高分子の
移動度を制御して液晶と高分子を相分離させれば、液晶
と光硬化性樹脂のより明確な相分離状態が得られること
になる。
【0027】上記請求項2の構成により、本発明の表示
モードを確立するには、液晶と高分子の分離性が液晶内
に取り込まれている高分子の量として3重量%以下にす
ることが望ましい。
【0028】上記請求項3の構成により、液晶と高分子
の分離性において、相分離後の液晶の転移温度が、液晶
単体の転移温度の±10℃以内であることが望ましい。
【0029】上記請求項4の構成により、液晶と光硬化
性樹脂を狭持したセルを、液晶の転移温度以上に加熱
し、さらに液晶の転移温度以下に冷却するような温度昇
降をすると、液晶内に溶け込んでいた光重合性樹脂が体
積変化による吐き出し効果によって液晶と光硬化性樹脂
が分離しやすい状態が作り出され、液晶と光硬化性樹脂
の分離が起こって、液晶と光硬化性樹脂の明確な相分離
状態が得られることになる。
【0030】上記請求項5の構成により、液晶の温度が
転移温度以上の状態で、少なくとも1回紫外光照射を行
うと、液晶と光重合性樹脂は移動度を増した状態で露光
がなされて、液晶領域から光硬化性樹脂がよりよく相分
離して樹脂壁を形成する。また、上記のような液晶の転
移温度以上に加熱したりする温度昇降後に、再度、液晶
の温度が転移温度以上に加熱し、その状態で紫外光照射
を行うと、液晶領域内に取り残されている樹脂成分を液
晶領域からより効果的に吐き出させることが可能とな
る。
【0031】上記請求項6の構成により、冷却温度が0
℃以下であると、樹脂が結晶化し、液晶領域内に取り残
されている樹脂を析出させ、液晶の純度が向上する。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は以下に述べる各実施例に限定されるもので
はない。
【0033】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
ける液晶表示素子の断面図である。
【0034】図1において、液晶表示素子1は、透明な
一対の基板部6の間に、液晶部と高分子部が位置選択的
に形成された液晶−高分子の複合膜が狭持された構成と
なっている。
【0035】この液晶表示素子1の製造は、まず、基板
2上に例えば幅280μmのITO電極5が20μm間
隔で帯状に形成されている。このITO電極5の厚みは
2000オングストロームである。この帯状電極である
ITO電極5を覆うように電気絶縁膜さらに配向膜が形
成される。次に、この配向膜をナイロン布などでラビン
グ処理を行う。このようにして薄膜が形成された一対の
基板部6を、各基板部6のITO電極5が互いに直交す
るように対向させ、各基板部6の間にスペーサを介在さ
せてシール剤によって一対の基板部6を貼り合わせる。
【0036】さらに、各基板部6の間に液晶材料と光硬
化性樹脂と光重合開始剤の混合物を注入するが、具体的
には、本実施例では、液晶材料にカイラル剤(S−81
1)を0.3%添加したZLI−4792(メルク社
製)4g、光硬化性樹脂にアダマンチルアクリレートを
0.1g、P−フェニルスチレンを0.07g、イソボ
ルニルメタクリレート0.8g、パーフルオロメタクリ
レートを0.1g、光重合開始剤にIrugacure
651(チバガイギー製)0.003gを用い、約30
℃の温度雰囲気で注入する。なお、高分子壁4の形成に
は、他の硬化性樹脂を使用することもできる。また、注
入孔は基板の表示部に光があたらないように市販のUV
硬化樹脂で封止する。
【0037】次に、このようにして得られた液晶セルを
液晶が等方性液体状態を示す転移温度まで加熱し(本実
施例の場合、95℃)、その後、その転移温度以下の室
温まで徐冷を行う。この加熱−徐冷工程を数回繰り返し
行うが、この回数は液晶と光硬化性樹脂の分離のしやす
さに関係しており、特に限定することができない。本実
施例においては5回繰り返し行う。また、加熱後の冷却
方法であるが、基本的には徐冷を行うことが好ましい
が、加熱−冷却工程を繰り返し行う場合は、初めの数回
に関しては特に精度のいる徐冷を行う必要はない。この
ように、加熱−徐冷工程を繰り返し行うことで光硬化性
樹脂を絵素3の領域であるITO電極5が重なった電極
間に有効に凝集させることが可能になる。
【0038】このようにして作製した液晶セルの両側
に、2枚の偏光板を貼り合わせることによりTN型液晶
表示素子1を製造することができる。
【0039】このように得られた液晶表示素子1を顕微
鏡で観察したところ、絵素3の領域に液晶7が集中し、
液晶7と配向膜の界面に高分子が残ることなく良好な配
向状態が得られていた。また、高分子壁4の部分はその
壁内に液晶7が取り込まれることなく、また、絵素3の
液晶7に壁部の樹脂が入り込まず、ほぼITO電極5に
沿った高分子壁4が形成されていた。さらに、液晶の液
体相への転移温度を測定したところ、83℃であったの
で、この領域はほぼ液晶が占めていることが分かる。
【0040】また、作成したセル基板を剥がし、液晶7
のみをかき集め、ガスクロマトグラフィによって液晶7
内に含まれる光硬化性樹脂としてのアクリル樹脂成分の
含有量を測定したところ、約2.7wt%であった。
【0041】(実施例2)図2は本発明の実施例2にお
ける液晶表示素子の断面図であり、図3は図2の液晶表
示素子の製造方法を示す製造工程図で、(a)は光照射
工程図、(b)は相分離した状態図である。
【0042】図2および図3において、液晶表示素子1
1は、一対の透明な基板部16の間に、絵素13が高分
子壁14で包囲された液晶−高分子の複合膜を狭持した
構成となっている。
【0043】この液晶表示素子11は、まず、基板12
上に例えば幅280μmのITO電極15が20μm間
隔で帯状に形成されている。このITO電極15の厚み
は2000オングストロームである。また、250nm
から400nmの波長域での光透過率は非電極部に比べ
て40%である。この帯状電極であるITO電極15を
覆うように電気絶縁膜さらに配向膜が形成される。次
に、この配向膜をナイロン布などでラビング処理を行
う。このようにして薄膜が形成された一対の基板部16
を帯状電極であるITO電極15が互いに直交するよう
に対向させ、各基板部16の間にスペーサを介在させて
シール剤により一対の基板部16を貼り合わせる。
【0044】さらに、各基板部16の間に液晶材料と光
硬化性樹脂と光重合開始剤の混合物を注入するが、具体
的には、本実施例では、液晶材料にカイラル剤(S−8
11)を0.3%添加したZLI−4792(メルク社
製)4g、光硬化性樹脂にアダマンチルアクリレートを
0.1g、P−フェニルスチレンを0.07g、イソボ
ルニルメタクリレート0.8g、パーフルオロメタクリ
レートを0.1g、光重合開始剤にIrugacure
651(チバガイギー製)0.003gを用い、約30
℃の温度雰囲気で注入する。なお、高分子壁14の形成
には、他の硬化性樹脂を使用することもできる。また、
注入孔は基板の表示部に光があたらないように市販のU
V硬化樹脂で封止する。
【0045】次に、このようにして得られた液晶セルを
液晶が等方性液体状態を示す転移温度まで加熱し(本実
施例の場合、95℃)、その後、その転移温度以下の室
温まで徐冷を行う。このとき、液晶と光硬化性樹脂はラ
ンダムに相分離を起こしている。次に、再度、液晶セル
を液晶が等方性液体状態を示す転移温度まで加熱し、I
TO電極15をホトマスクとするセルフアライメント法
を用い、パターン化した相分離を行う。このときの諸条
件は、一対の基板12に波長400nm以下の紫外光1
7を照射するが、その一例として、光源に平行光が得ら
れる紫外線照射用の高圧水銀ランプを使用し、照射位置
は、高圧水銀ランプ下の10mW/cm2(波長:36
5nm)のところで行う。また照射は基板12の一方向
から片側ずつ行ってもよいが、本実施例では、基板12
の両側から同時に5分間紫外光17を照射する。このよ
うに紫外光17を照射して高分子壁14をITO電極1
5の重なる電極間に形成し、基板12の両側から紫外光
17を照射することで絵素13を包囲するように高分子
壁14を形成する。次に、照射後は、徐冷オーブン内で
室温まで徐冷を行う。徐冷のスピードは3℃/h〜20
℃/h、好ましくは、5℃/h〜10℃/hでよい。ま
た、高分子壁14の形成後、高分子の架橋を十分行うた
めに、基板12に短時間、弱照度でUV照射を行う。
【0046】このようにして作製した液晶セルの両側
に、2枚の偏光板を貼り合わせることによりTN型液晶
表示素子11を製造することができる。
【0047】このように得られた液晶表示素子11を顕
微鏡で観察したところ、絵素13の領域に液晶18が集
中し、液晶18と配向膜の界面に高分子が残ることなく
良好な配向状態が得られていた。また、高分子壁14は
その壁内に液晶が取り込まれることなく、また、絵素1
3内に壁部が入り込まず、ほぼITO電極15に沿って
高分子壁14が形成されていた。さらに、液晶18の液
体相への転移温度を測定したところ、87℃であったの
でほぼこの領域は液晶18が占めていることが分かる。
【0048】また、作成したセル基板を剥がし、液晶の
みをかき集め、ガスクロマトグラフィによって液晶内に
含まれるアクリル樹脂成分の含有量を測定したところ、
約2.4wt%であった。
【0049】したがって、少なくとも一方が透明な基板
12にITO電極15を形成し、対向された基板部16
に液晶18と光硬化性樹脂を狭持してセル基板を得る。
図4(a)はこの状態を示しており、黒点19はスペー
サである。紫外光をあるパターン状の減光手段としての
ITO電極15を介して選択的に照射する前に、セル基
板を液晶18が等方性液体状態になる転移温度以上に加
熱することで一度相転移させて移動度を高め、さらに液
晶の転移温度以下の室温に戻す。図4(b)はこの状態
を示しており、黒い線状物20は相分離した光硬化性樹
脂(モノマー)である。この後に再度、液晶18の温度
を転移温度以上に加熱し、その状態で、選択的に光硬化
性樹脂を硬化させるための減光手段を介して紫外光の照
射を行い、選択的位置に液晶18と光硬化性樹脂をパタ
ーン相分離させて強光領域に高分子壁14を形成させれ
ば、絵素部13には液晶18のみが存在することにな
る。図4(c)は液晶18を囲むパターン状の高分子壁
14を形成したときの状態を示している。
【0050】(実施例3)本実施例では、基板部は実施
例2で用いた仕様のものを用いる。
【0051】図5は本発明の実施例3における液晶表示
素子の断面図である。図5において、基板12上にIT
O電極15が形成された少なくとも一方が透明な一対の
基板部16の間に液晶材料と光硬化性樹脂と光重合開始
剤の混合物を注入するが、具体的には、本実施例では実
施例2と同様に、液晶材料にカイラル剤(S−811)
を0.3%添加したZLI−4792(メルク社製)4
g、光硬化性樹脂にアダマンチルアクリレートを0.1
g、P−フェニルスチレンを0.07g、イソボルニル
メタクリレート0.8g、パーフルオロメタクリレート
を0.1g、光重合開始剤にIrugacure651
(チバガイギー製)0.003gを用い、約30℃の温
度雰囲気で注入する。なお、高分子壁24の形成には、
他の硬化性樹脂を使用することもできる。また、注入孔
は基板の表示部に光があたらないように市販のUV硬化
樹脂で封止する。
【0052】このようにして得られた基板部16を液晶
18が等方性液体状態を示す転移温度まで加熱し、その
まま恒温にする。この場合の温度は95℃である。この
温度を保持したまま、液晶−樹脂の相分離を行うための
紫外光照射を行うが、ここでは、相分離法としてITO
電極15をホトマスクとするセルフアライメント法を用
いる。ここで用いる400nm以下の紫外光17は、照
度均一度の優れたランプであればよく、ここでは、その
一例として、光源に平行光を得られる紫外線照射用の高
圧水銀ランプを使用し、照射位置は、高圧水銀ランプ下
の5〜12mW/cm2、好ましくは6〜8mW/cm2
(波長:365nm)の照度を得ることができる位置で
よい。また、この光照射は基板12の一方向から片側ず
つ行ってもよいが、ここでは、基板12の両側から同時
に5分間紫外光17を照射する。このように紫外光17
を照射して高分子壁24をITO電極15の重なる電極
間に形成し、基板12の両側から照射することで絵素2
3を包囲するように高分子壁24を形成する。次に、光
照射後は、徐冷オーブン内で室温まで徐冷を行う。徐冷
のスピードは3℃/h〜20℃/h、好ましくは5℃/
h〜10℃/hでよい。液晶の転移温度以下の室温まで
徐冷後、セル基板を再度液晶が等方性液体状態になるま
で加熱しその温度で保持する。その温度で保持したま
ま、紫外光照射するが、ここでは照度が3mW/cm2
〜10mW/cm2、好ましくは5〜8mW/cm2であ
ればよく、時間は5分〜10分でよい。このように再度
液晶18が液体状態となる高温で紫外光17を照射する
ことで液晶18内に取り残されている高分子を析出さ
せ、絵素23での液晶の純度を高めることができる。こ
の光照射の後、セル基板を液晶の転移温度以下の室温ま
で徐冷するが、この徐冷スピードは前記したスピードと
同程度でよく、3℃/h〜20℃/h、好ましくは5℃
/h〜10℃/hでよい。
【0053】このようにして作製した液晶セルの両側
に、2枚の偏光板を貼り合わせることによりTN型液晶
表示素子21を製造することができる。
【0054】このようにして得られた液晶表示素子21
を顕微鏡で観察したところ、絵素23の領域に液晶18
が集中し、液晶18と配向膜の界面に高分子が残ること
なく良好な配向状態が得られていた。また、高分子壁2
4はその壁内に液晶18が取り込まれることなく、ま
た、絵素23内に壁部が入り込まず、ほぼITO電極1
5に沿った高分子壁24が形成されていた。さらに、液
晶18の液体相への転移温度を測定したところ86℃で
あったので、ほぼこの領域は液晶18が占めていること
が分かる。
【0055】また、作成したセル基板を剥がし、液晶の
みをかき集め、ガスクロマトグラフィによって液晶内に
含まれるアクリル樹脂成分の含有量を測定したところ、
約2.7wt%であった。
【0056】(実施例4)本実施例では、基板部は実施
例2で用いた仕様のものを用いた。
【0057】図6は本発明の実施例4における液晶表示
素子の断面図である。図6において、基板12上にIT
O電極15が形成された少なくとも一方が透明な一対の
基板部16の間に、液晶材料と光硬化性樹脂と光重合開
始剤の混合物を注入するが、具体的には、本実施例では
実施例2と同様に、液晶材料にカイラル剤(S−81
1)を0.3%添加したZLI−4792(メルク社
製)4g、光硬化性樹脂にアダマンチルアクリレートを
0.1g、P−フェニルスチレンを0.07g、イソボ
ルニルメタクリレートを0.8g、パーフルオロメタク
リレート0.1g、光重合開始剤にIrugacure
651(チバガイギー製)0.003gを用い、約30
℃の温度雰囲気下で注入する。なお、高分子壁34の形
成には、他の硬化性樹脂を使用することもできる。ま
た、注入孔は基板の表示部に光があたらないように市販
のUV硬化樹脂で封止する。
【0058】このようにして得られたセル基板を、ま
ず、液晶が等方性液体状態を示す転移温度まで加熱し
て、そのまま恒温にする。本実施例ではその温度は95
℃である。ここでは、液晶−樹脂の相分離法としてIT
O電極15によるセルフアライメント法を用いる。この
温度を保ちながら波長400nm以下の紫外光17を照
射するが、その一例として、光源に平行光を得られる紫
外線照射用の高圧水銀ランプを使用し、照射位置は、高
圧水銀ランプ下の10mW/cm2(波長:365n
m)のところで行う。また、この光照射は、この場合、
基板12の両側から5分間行う。その後、セル基板をゆ
っくり徐冷するが、この徐冷のスピードは3℃/h〜2
0℃/h、好ましくは5℃/h〜10℃/hで行い、樹
脂が結晶化する温度である零度以下まで行う。基板部を
零度以下にまで冷却したとき、液晶内に取り残されてい
る樹脂が結晶化を起こす。その後、再度基板部を液晶が
等方性液体状態を示す転移温度まで加熱し、その温度で
恒温にする。この場合の温度は95℃である。この温度
を保持したまま、液晶パネルに、波長400nm以下の
紫外光17を照射するが、その一例として、光源に平行
光を得られる紫外線照射用の高圧水銀ランプを使用し、
照射位置は、高圧水銀ランプ下の5〜10mW/cm2
(波長:365nm)、好ましくは6〜7mW/cm2
のところで行う。また、この光照射は、この場合、基板
12の両側から5分間行う。その後、セル基板をゆっく
り徐冷するが、この徐冷のスピードは3℃/h〜20℃
/h、好ましくは5℃/h〜10℃/hで行う。
【0059】このようにして作製した液晶セルの両側
に、2枚の偏光板を貼り合わせることにより液晶表示素
子31を製造することができる。
【0060】このようにして得られた液晶表示素子31
を顕微鏡で観察したところ、絵素33の領域に液晶18
が集中し、液晶18と配向膜の界面に高分子が残ること
なく良好な配向状態が得られていた。また、高分子壁部
34はその壁内に液晶が取り込まれることなく、また、
絵素33内に壁部が入り込まず、ほぼITO電極15に
沿った高分子壁34が形成されていた。さらに、液晶1
8の液体相への転移温度を測定したところ、83℃であ
ったのでほぼこの領域は液晶18が占めていることが分
かる。
【0061】また、作成したセル基板を剥がし、液晶1
8のみをかき集め、ガスクロマトグラフィによって液晶
18内に含まれるアクリル樹脂成分の含有量を測定した
ところ、約2.8wt%であった。
【0062】(実施例5)本実施例では、実施例2と同
じ製造方法を用い、相分離法としてパネル外部にパター
ン化されたホトマスクを設置し、そのマスク側から紫外
光照射する方法について説明する。
【0063】基板部は実施例2で用いたものと同様のも
のを用いる。
【0064】図7は本発明の実施例5における液晶表示
素子の断面図である。図7において、基板12上にIT
O電極15が形成された少なくとも一方が透明な一対の
透明な基板部16の間に、液晶材料と光硬化性樹脂と光
重合開始剤の均一混合物を注入して狭持するが、具体的
には、本実施例では、カイラル剤にS−811を0.3
%含んだZLI−4792 4g、光硬化性樹脂にアダ
マンチルアクリレートを0.1g、P−フェニルスチレ
ンを0.07g、イソボルニルメタクリレートを0.8
g、パーフルオロメタクリレートを0.1g、光重合開
始剤にIrugacure651(チバガイギー製)
0.003g用いる。これらを真空注入法で注入する。
【0065】その後、図8に示すように、絵素43と高
分子壁44のパターンと一致した遮光部51と透光部5
2のパターンを有するホトマスク53を液晶パネルの一
方側にアライメントした後、これを固定する。次に、こ
のようにホトマスク53を固定した液晶セルを液晶18
が等方性液体状態を示す転移温度まで加熱し(本実施例
の場合は、95℃)、その後、その転移温度以下の室温
まで徐冷を行う。このとき、液晶18と光硬化性樹脂は
ランダムに相分離を起こしている。次に、再度、液晶セ
ルを液晶18が等方性液体状態を示す転移温度まで加熱
し、ホトマスク53を介した紫外光47によるパターン
化した相分離を行う。このときの諸条件は、一対の基板
部16に波長400nm以下の紫外光47を照射する
が、その一例として、光源に平行光を得られる紫外線照
射用の高圧水銀ランプを使用し、照射位置は、高圧水銀
ランプ下の10mW/cm2(波長:365nm)のと
ころで行う。また、この光照射はホトマスク53を固定
した基板12側から5分間行う。このように、高分子壁
44をITO電極15間に形成し、ホトマスク53を介
して光照射することで絵素43を包囲するように高分子
壁44を形成する。次に、光照射後は、徐冷オーブン内
で室温まで徐冷を行う。この徐冷のスピードは3℃/h
〜20℃/h、好ましくは5℃/h〜10℃/hでよ
い。ついで基板12からホトマスク53を取り外し、基
板12を再度、液晶が等方性液体状態を示す温度、この
場合は95℃であるが、この温度まで加熱して保持す
る。さらに、紫外光47の照射を行うが、ここでは一例
として、平行光を得られる紫外線照射用の高圧水銀ラン
プを使用し、照射位置は、高圧水銀ランプ下の5〜12
mW/cm2、好ましくは6〜8mW/cm2の均一照度
の得られるところで行う。光照射方向は基板12の両側
から5分間行った。その後、液晶の転移温度以下の室温
まで徐冷を行うが、そのスピードは緩やかであればより
良いが、好ましくは、3〜10℃/hであれば良い。
【0066】このようにして作製した液晶セルの両側
に、2枚の偏光板を貼り合わせることにより液晶表示素
子41を製造することができる。
【0067】このようにして得られた液晶表示素子41
を顕微鏡で観察したところ、絵素43の領域に液晶18
が集中し、液晶18と配向膜の界面に高分子が残ること
なく良好な配向状態が得られていた。また、高分子壁4
4はその壁内に液晶18が取り込まれることなく、ま
た、絵素43内に壁部が入り込まず、ほぼITO電極1
5に沿った高分子壁44が形成されていた。さらに、液
晶18の液体相への転移温度を測定したところ、81℃
であったのでほぼこの領域は液晶18が占めていること
が分かる。
【0068】また、作成したセル基板を剥がし、液晶1
8のみをかき集め、ガスクロマトグラフィによって液晶
18内に含まれるアクリル樹脂成分の含有量を測定した
ところ、約3.0wt%であった。
【0069】以下の表1に上記各実施例1〜5における
相分離後の液晶の転移温度TN-1を一覧にしている。
【0070】
【表1】
【0071】ここで、本発明についてさらに詳しく説明
する。
【0072】本発明は液晶と高分子の複合膜による表示
媒体を有する液晶表示素子とその製造方法に関するもの
であり、さらに詳しくは、液晶と樹脂を相分離させ、特
定の領域に独立した形でそれぞれを配置した液晶表示素
子およびその製造方法である。つまり、本発明は、本発
明者等が、特願平5−30996号と特願平6−254
85号で提案した液晶と光重合性化合物の相分離法を必
要ならば用い、液晶と樹脂をさらに明確に相分離させる
方法に関するものである。この製造方法については上記
各実施例1〜5で説明した通りであるが、以下に各工程
におけるさらに詳しい条件を示す。
【0073】まず、実施例2〜5におけるパターン露光
時のセル基板の温度であるが、原則的には液晶の相状態
が等方性液体状態である転移温度であることが好まし
い。これは液晶が等方性液体状態であると液晶と重合性
樹脂の相溶性が向上し、つまり液晶と重合性樹脂の均一
性が向上し、またそれぞれの分子移動度が大きくなる。
つまりこの後、光を照射したとき、それぞれ特定の位置
に凝集しやすくなり、液晶領域と高分子領域をより容易
に形成することが可能となる。
【0074】次に、パターン露光後の室温までの冷却速
度であるが、原則的には極力緩やかな徐冷であるほうが
よいが、好ましくは3℃〜20℃/h、さらに好ましく
は5℃〜10℃/hであればよい。これは降温をゆっく
りすることで液晶と樹脂の移動にかかる時間を十分に維
持することができ、それぞれの移動度を大きくすること
ができる。
【0075】さらに、実施例1,2におけるパターン露
光前の温度昇降によるプレ相分離についてであるが、昇
温は液晶が等方性液体状態になる転移温度以上であれば
よい。また、降温はセル基板が液晶の転移温度以下の室
温になればよい。その昇降スピードはとくに限定はな
い。このように、一度、セル基板を温度昇降すること
で、これまで液晶内に溶け込んでいた重合性樹脂が体積
変化による吐き出し効果によって、ランダムに重合性樹
脂の集合体ができる。その大きさは断定できないが、急
冷するほうが小さくなる。このようにある程度樹脂の集
合体を形成することで、この後のパターン露光による相
分離を明確に行いやすくすることができる。さらに、実
施例3における徐冷後の高温での紫外光露光の工程であ
るが、この工程は、一度目の露光と条件的には同じであ
るが、高温つまり液晶が等方性液体状態で行うことで、
液晶と樹脂の移動度が増し、液晶内に取り残されている
樹脂成分を液晶から効果的に吐き出させることができ
る。
【0076】さらに、実施例4におけるパターン露光後
の徐冷を零度以下まで行う工程であるが、これは、樹脂
が結晶化する温度まで冷却することで、液晶内に取り残
されている樹脂を析出させ、液晶の純度を向上させるこ
とができる。
【0077】このように、各工程での温度制御について
主に説明し、相分離をさらに明確に行う方法を提案して
きたが、液晶と重合性樹脂を選べば、パターン露光時に
液晶が等方性液体状態となる転移温度に加熱し、その温
度を保持したままパターン露光を行い、その後、液晶の
転移温度以下の室温まで徐冷を行うことで相分離を十分
行うことができる場合がある。しかしこのような場合
は、例えば、液晶パネルにこれら表示媒体を注入する場
合、その注入過程において相分離を起こし、液晶パネル
全体で樹脂の濃度むらが発生し表示品位を乱す可能性が
ある。
【0078】さらに、ここで、液晶モードおよび基板材
料について説明する。
【0079】本発明の方法はアクティブ駆動できるほと
んどの液晶モード(TN,STN,FLC,ECBな
ど)を高分子壁で囲んだ液晶表示素子に応用することが
できる。また、透過型液晶表示素子および反射型液晶表
示素子にも適用できる。
【0080】また、本発明の素子では、基板材料は特に
は限定しないが、光を透過する透明固体、例えば、ガラ
ス、プラスチックフィルムなどであり、一方の基板が金
属などを有する基板も使用できる。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶と光
重合性樹脂の分子移動度を大きくして、液晶領域内に取
り残されていた樹脂をさらに析出させることができるた
め、相分離をより明確に行うことができ、また、液晶領
域に樹脂が残ることで液晶の配向状態を悪化させたり、
光学特性つまり応答速度、コントラストの低下を引き起
こすなどの従来の問題を解決することができる。しか
も、従来のホトマスク法やITO電極をホトマスクとす
るセルフライメント法による相分離をさらに効率良くま
た効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における液晶表示素子の断面
図である。
【図2】本発明の実施例2における液晶表示素子の断面
図である。
【図3】図2の液晶表示素子の製造工程を説明するため
の図で、(a)は光照射工程図、(b)は相分離した状
態図である。
【図4】実施例2における、(a)は液晶−光硬化性樹
脂を狭持したときの状態を示すモデル図、(b)はセル
を一度液晶のTN-1温度以上に加熱し、液晶のTN-1温度
以下に冷却したときの状態を示すモデル図、(c)は高
分子壁を形成したときの状態を示すモデル図である。
【図5】本発明の実施例3における液晶表示素子の断面
図である。
【図6】本発明の実施例4における液晶表示素子の断面
図である。
【図7】本発明の実施例5における液晶表示素子の断面
図である。
【図8】図7の液晶表示素子の製造工程を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41 液晶表示素子 2,12 基板 3,13,23,33,43 絵素 4,14,24,34,44 高分子壁 5,15 ITO電極 6,16 基板部 7,18 液晶 17,47 紫外線 51 遮光部 52 透光部 53 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−281519(JP,A) 特開 平7−43695(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 500

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ITO電極が形成された少なくとも一方
    が透明な一対の基板間に液晶と高分子が狭持された液晶
    表示素子において、ITO電極をホトマスクとするセルフアライメント法を
    用い、 少なくとも液晶材料および光硬化性樹脂を該液晶
    材料の転移温度以上にすることにより該液晶材料該光
    硬化性樹脂を相分離させ、該液晶と高分子がそれぞ
    れ独立した領域を保持して存在しており、該液晶領域内
    に含まれる該光硬化性樹脂の含有量が3重量%以下であ
    液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 電極が形成された少なくとも一方が透明
    な一対の基板間に、液晶材料と光硬化性樹脂を相分離
    させて液晶高分子とがそれぞれ独立した領域を保持し
    て存在している液晶表示素子の製造方法において、該光硬化性樹脂を硬化する工程の前に、 少なくとも一方
    が透明な一対の基板間に該液晶材料光硬化性樹脂
    が狭持されたセルを、該液晶材料の転移温度以上に加熱
    する加熱工程と、該加熱工程の後、該セルを液晶材料
    の転移温度以下に冷却する冷却工程と、を複数回行う加
    熱−冷却工程を含む液晶表示素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 電極が形成された少なくとも一方が透明
    な一対の基板間に、液晶材料と光硬化性樹脂とを相分離
    させて液晶と高分子とがそれぞれ独立した領域を保持し
    て存在している液晶表示素子の製造方法において、 少なくとも一方が透明な一対の基板間に該液晶材料と該
    光硬化性樹脂とが狭持されたセルを、該液晶材料の転移
    温度以上に加熱する加熱工程と、該加熱工程の後、該セ
    ルを該液晶材料の転移温度以下に冷却する冷却工程と、
    を少なくとも一回行う加熱−冷却工程と、 該光硬化性樹脂を硬化する工程と、 該加熱−冷却工程および該光硬化性樹脂を硬化する工程
    の後に、再度該液晶が等方状態になるまで過熱し、該過
    熱した温度を保持した状態で、該セルに紫外線光を照射
    する工程と、 を含む、液晶表示素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 電極が形成された少なくとも一方が透明
    な一対の基板間に、 液晶材料と光硬化性樹脂とを相分離
    させて液晶と高分子とがそれぞれ独立した領域を保持し
    て存在している液晶表示素子の製造方法において、 少なくとも一方が透明な一対の基板間に該液晶材料と該
    光硬化性樹脂とが狭持されたセルを、該液晶材料の転移
    温度以上に加熱する加熱工程と、該加熱工程の後、該セ
    ルを該液晶材料の転移温度以下に冷却する冷却工程と、
    を少なくとも一回行う加熱−冷却工程と、 該光硬化性樹脂を硬化する工程と、 を含み、該冷却する工程の 冷却温度が0℃以下である液
    晶表示素子の製造方法。
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