JP3215255B2 - 液晶電気光学装置 - Google Patents

液晶電気光学装置

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JP3215255B2
JP3215255B2 JP04525594A JP4525594A JP3215255B2 JP 3215255 B2 JP3215255 B2 JP 3215255B2 JP 04525594 A JP04525594 A JP 04525594A JP 4525594 A JP4525594 A JP 4525594A JP 3215255 B2 JP3215255 B2 JP 3215255B2
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美知緒 清水
利光 小沼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複屈折型または旋光型の
液晶電気光学装置の構成とその作製方法に関するもので
ある。
【0002】本発明は、液晶電気光学装置特に大面積の
液晶電気光学装置の基板間隔(基板間距離)を一定に保
つ為の構造及びその作製方法に関するものである。
【0003】本発明は、液晶材料中から析出させた未硬
化の樹脂を硬化させて得られたカラム状の樹脂を有する
液晶電気光学装置及びその作製方法に関するものであ
る。
【0004】
【従来の技術】従来の液晶電気光学装置はネマチック液
晶等を使用したTN型やSTN型のものが広く知られ、
実用化されている。また、最近では強誘電性液晶を使用
したものも知られている。これらの液晶電気光学装置
は、基本的には基板上に電極を有する第1の基板と基板
上に電極を有する第2の基板を電極を有する面を内側に
して対向して設け、この基板間に液晶材料を挟持して液
晶層を形成し、前記基板上の電極によって、前記液晶層
に電圧を印加して、液晶材料自身の誘電率の異方性によ
って、または強誘電性液晶の場合は自発分極によって、
液晶分子の状態を変化させ、その結果液晶分子の状態の
変化に伴う電気光学効果を利用するものである。
【0005】TN、STN型の液晶電気光学装置におい
て、液晶分子は、液晶層の両基板接触面では配向処理の
ために行われるラビングによる規制力に従って、ラビン
グ方向に並ぶ。上下基板においては、このラビング方向
が90゜または200゜〜290゜に位置するようにず
らせてある。液晶層の中間付近では、90゜〜290゜
に位置する上下の分子の間をエネルギーが一番小さくな
るように螺旋状に液晶分子が並ぶことになる。この時、
STN型の場合は必要に応じて液晶材料にカイラル物質
を混合している。
【0006】上記TN、STN型の液晶電気光学装置に
おいて、螺旋状に並んだ液晶分子は両基板間に電圧を印
加することにより、液晶分子の誘電異方性により電界方
向に平行または垂直に並ぶことで螺旋構造を解く。装置
はこのように液晶分子が基板面に対して垂直な場合には
明状態を、平行な場合には暗状態を示す。またこれら液
晶分子の状態は基板間に印加する電圧を変化させること
で連続的に変化するため、印加電圧を適当に制御するこ
とにより階調表示が可能である。
【0007】強誘電性液晶または、反強誘電性液晶を用
いた液晶電気光学装置において、液晶分子は、少なくと
も一方の基板面において、ラビング処理の規制力に従っ
て並ぶ。これら液晶分子は一方の基板表面からもう一方
の基板面に対して、規則正しく積み重なった層構造をし
ている。
【0008】上記の強誘電性液晶または、反強誘電性液
晶を用いた液晶電気光学装置において、基板と平行に層
構造をなす液晶分子は、両基板間に電圧を印加すること
により液晶分子自身が持つ自発分極の向きを180゜変
化(以下反転という)させる。装置はこの液晶分子の反
転によりラビング方向に並んだ液晶分子の向きをラビン
グ方向からある角度だけ変化させて、明状態から暗状態
または、暗状態から明状態へのスイッチングを行う。
【0009】またこれらの液晶電気光学装置において、
液晶材料を挟持する基板の一方の基板の電極を複数の画
素電極とし、各画素にダイオードや薄膜トランジスタ
(TFT)といったスイッチング素子を接続した、いわ
ゆるアクティブマトリクス型の液晶電気光学装置におい
てはさらに高速、高精彩、多階調の表示等、一層高度な
表示が行なわれいている。
【0010】以上に述べた液晶電気光学装置の一般的な
セルの構造に関して図1を用いて説明する。図示したも
のは単純マトリクス型の装置である。ガラスや樹脂等の
透光性基板1100、1101上に電極パターン110
2、1103を形成する。電極上には液晶を一定の向き
に配列させる為の配向手段1104、1105が形成さ
れる。基板上に散布されたスペーサー1107で最小と
なるところの電極間距離を保ち、シール材料で2枚の基
板を固定している。基板間に液晶材料1106が注入さ
れて液晶層を構成している。
【0011】通常、配向手段としてラビングしたポリイ
ミド膜を用いる場合には、液晶分子は基板面に平行また
はある一定の角度を有して一方向に配列した水平配向と
なる。また、シランカップリング剤を用いた場合には液
晶分子は基板面に垂直な方向に立つ垂直配向となる。こ
のように液晶分子を水平配向にするか垂直配向にするか
は目的とする動作モードによって異なる。
【0012】この状態で液晶には電極1102、110
3から電圧が印加される。液晶分子はそこに発生した電
界に応答して、明状態や暗状態が形成される。セル全面
にわたって均一な表示を行うならば基板間距離を一定に
保つこと、しいては2枚の基板を一定の間隔で配置させ
る必要がある。通常基板間距離は、動作モードによって
異なるが、1.2〜20μmの間であり、その精度は
0.05μm以下であることが要求される。
【0013】
【従来技術の問題点】このような液晶電気光学装置に対
して、近年は大面積の画面が要求されるようになり、対
角40インチにも及ぶ巨大な液晶ディスプレイの実現に
向けての努力も払われている。
【0014】その場合に、画面サイズは大きくなってい
るが、要求される基板間距離は前述の如く1.2〜20
μmと極めて小さく、また、その精度も0.05μm以
下が要求される。
【0015】前述の対角40インチの場合、大きさ12
0cm□、厚さ1.1mmのガラス基板を対向するだけ
で8kgを超える事になる。基板間の距離が6μmでは
基板間に入る液晶の重量は60gとなる。このような大
きさになると剛直なガラスの基板を用いても面積が大き
いだけに、基板を立てただけでも自重であたかも紙の如
くにたわんでしまう。
【0016】そのような大きな2枚の基板を貼り合わせ
た液晶セルを直立させた場合には、下側が膨れた瓢箪の
様な形状になってしまう。その結果、下部の基板間距離
は、上部の基板間距離の数倍から数十倍、時によっては
数百倍となり、液晶には一定の電界が生じなくなり均一
な表示ができなかった。
【0017】また強誘電性液晶の場合には、液晶の配向
が層構造を形成している為に、基板の変形によりこの層
構造が壊れ、表示不能という致命傷を与えることにな
る。この現象は、表示面積が5cm□程度の小さなもの
でも容易に発生し、強誘電性液晶ディスプレイの一つの
大きな問題となっていた。
【0018】従来の液晶電気光学装置の構造は、図1に
おいて示したが、2枚の基板を一定の間隔で固定してい
るのは、ガラス基板の周囲部のシール材の場所のみであ
って、内部では基板の間隔が狭くなり過ぎないようにス
ペーサーで支えるだけである。従って、シール部からの
距離が離れるほどセルのたわみが生じるのは当然であっ
た。
【0019】その対策として従来は、外周のシール接着
剤の他にセル内部に接着剤粒子を散布し、2枚の基板を
接着しようというものがあった。しかしながら、接着剤
の周囲での配向が乱れやすいといった現象が発生してい
た。
【0020】従来技術の問題点としてさらに述べると、
基板間の液晶分子の状態を決定するのは主に、両基板の
電極に印加される電圧の大きさであるが、従来の装置内
には液晶または配向膜からの電荷を持った不純物が存在
したり、電圧印加時にその電圧とは逆方向の電圧を発生
させる余分な電荷が生じることはよく知られている。
【0021】これら電荷は、電圧印加に伴い両基板間に
挟持された液晶層内を自由に移動する。これら電荷の多
くは移動して配向膜表面に到達するが、本来配向膜は絶
縁性であるために電荷はそれ以上は移動せず配向膜と液
晶層の間(配向膜液晶界面)に蓄積される形となる。
【0022】これらの電荷により液晶電気光学装置とし
ては好ましくない問題が発生する。たとえば両基板間に
印加した電圧を打ち消す作用が生じてしまい、液晶分子
を十分に反転させる際には、印加する電圧を自発分極を
反転させるのに必要な電圧より大きくする必要がある。
また、電極間に電圧を印加した際に、液晶層内の電荷量
が経時変化するために液晶分子の状態が安定しない。さ
らに配向膜−液晶界面に蓄積した電荷により電気的に吸
着された液晶分子は、液晶層内部の吸着されていない液
晶分子よりも状態変化に必要とする電圧が大きいために
液晶層内の液晶分子が一斉に状態変化を起こさず、液晶
電気光学装置の特性として一番重要な光の透過特性が安
定しないという問題が生じるのである。
【0023】この問題点を解決すべく、電荷の蓄積を緩
和する配向膜材料の選定をしたり、絶縁膜である配向膜
の代わりに、電極上にSiO2 などを斜方蒸着して液晶
分子を配向させる方法があるが、多くの予備実験を必要
とするため時間がかかりコスト高になること、また材料
的な組合せによりその効果が変化するなど一般的な手法
とは言えない。また、液晶を精製して不純物を取り除く
方法もあるが、この方法では精製して使える液晶は極僅
かであり量産性を考えると大変不向きである。
【0024】また、電荷移動錯体を用いて、液晶層内に
存在する電荷を吸着させたり、結合させたりしてプラス
またはマイナスの電荷をプラスマイナス0の状態にする
(以下キャンセル、または中和するという)方法もある
が、電荷を完全にキャンセルするに丁度よい量の電荷移
動錯体を装置内に測り入れることは困難であり、液晶層
内の電荷移動錯体が不十分であれば不所望な電荷はキャ
ンセル出来ず、過剰な電荷移動錯体は前述の電荷と同様
に液晶層内を移動し、不具合をもたらす。
【0025】上記のように、液晶層へ印加される電圧変
化を引き起こす要因、つまり液晶分子の経時的な状態変
化を引き起こし装置の光学特性を不安定にする要因であ
る、液晶層内に存在する電荷をキャンセルするには様々
な方法が提案されてはいるが、容易にそして完全にキャ
ンセルする方法はまだ存在しない。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の如き種
々の問題を解決するものである。すなわち本発明は、液
晶材料の配向状態を乱さずに基板間を接着できる液晶電
気光学装置およびその作製方法を提供するものある。ま
た本発明は、液晶層内の不所望な電荷による影響を排除
して装置の光学特性を安定化し、ちらつきやトーン変化
のない高性能な液晶電気光学装置を提供するものであ
る。
【0027】
【問題を解決するための手段】
「発明の構成」上記課題を解決するために本発明は、表
面に電極を有する一対の透光性基板を前記電極を内側に
して相対向して設け、前記一対の基板間に液晶材料と、
前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の内側面上
に前記液晶材料を一定の方向に配列させる配向手段を設
け、前記液晶材料中に混入させていた未硬化樹脂が析
出、硬化したことによって形成されるカラム状に硬化し
た樹脂が前記配向手段または前記基板と接着しているこ
とを特徴とする液晶電気光学装置である。
【0028】また本発明は、表面に電極を有する一対の
基板を前記電極面を内側にして相対向して設け、前記一
対の基板間に液晶材料を有し、前記一対の基板のうち少
なくとも一方の基板の内側面上に前記液晶材料を一定の
方向に配列させるための配向手段を設けた液晶電気光学
装置において、前記液晶材料中に硬化した樹脂材料と反
応開始剤とを有することを特徴とする液晶電気光学装置
である。
【0029】また本発明は、表面に電極をそれぞれ有す
る一対の基板を前記電極面を内側に相対向して設け、前
記基板間に液晶材料を挟持し、前記一対の少なくとも一
方の基板の電極上に前記液晶材料を一定の方向に配向さ
せるための配向手段を有し、前記液晶材料は反応開始剤
を含んでいることを特徴とする液晶電気光学装置であ
る。
【0030】また本発明は、表面に電極をそれぞれ有す
る一対の基板を前記電極面を対向して配設し、前記一対
の基板間に液晶材料を有する液晶電気光学装置におい
て、前記液晶材料中には反応開始剤が存在することを特
徴とする液晶電気光学装置である。
【0031】また本発明は、内側面に電極と少なくとも
一方の内側面に配向膜を有する一対の相対向する基板間
に、液晶材料と樹脂構成材料と反応開始剤よりなる液晶
混合物を満たす工程と、前記液晶混合物中の前記液晶材
料と前記樹脂構成材料を分離させる工程と、前記反応開
始剤を開裂させる工程とを少なくとも有することを特徴
とする液晶電気光学装置の作製方法である。
【0032】また本発明は、内側面に電極を有する一対
の相対向する基板間に、液晶材料と反応開始剤よりなる
液晶混合物を満たす工程と、前記反応開始剤を開裂させ
る工程とを少なくとも有することを特徴とする液晶電気
光学装置の作製方法である。
【0033】また本発明は、一対の相対向する透光性基
板間の液晶材料と未硬化樹脂との混合物に対し、前記未
硬化樹脂を前記混合物から析出させる工程と、前記液晶
材料を配向させる工程と、前記未硬化樹脂を硬化させる
工程と、前記液晶材料を再び配向させる工程とを有する
ことを特徴とする液晶電気光学装置の作製方法である。
【0034】また本発明は、内側面に電極を有する一対
の相対向する基板間に、液晶材料と、紫外線と熱のいず
れにおいても硬化する未硬化の樹脂との混合物を満た
し、前記樹脂を前記混合物中から析出させた後、紫外線
および加熱により前記析出した樹脂を硬化させることを
特徴とする液晶電気光学装置の作製方法である。
【0035】また本発明は、少なくとも一方が透光性を
有する一対の相対向する基板間に、前記一対の基板を張
り合わせるシール材と、液晶材料と未硬化樹脂との混合
物とを有し、前記混合物中から前記未硬化樹脂をカラム
状に析出させた後、前記シール材および前記未硬化樹脂
とを同一工程にて硬化させることを特徴とする液晶装置
の作製方法である。
【0036】「構成の説明」本発明は、樹脂構成材料
(モノマーやオリゴマー)および反応開始剤よりなる未
硬化の樹脂材料を液晶材料中に添加した液晶混合物を、
液晶電気光学装置の基板間に挟持して、基板間において
樹脂を硬化させることで、液晶の配向を乱さずに基板間
距離を固定し、また液晶層内の不所望な電荷を取り除く
ものである。また反応開始剤の作用により不所望な電荷
を取り除くものである。
【0037】本発明の液晶電気光学装置の基本的な構造
の例を図4を用いて説明する。電極及びリード100、
101、偏光板112、113を有する透光性の基板1
02、103の少なくとも一方の基板上に液晶を配向さ
せる手段として配向膜104、105が形成されてい
る。また、基板間隔を一定に維持するためにスペーサー
としてたとえばシリカビーズ106を用い、シール材1
07で両基板を固定している。この基板間に上下基板を
接着したカラム状の樹脂108、あるいは樹脂塊109
と液晶110が、またこれら樹脂および液晶中に反応開
始剤111が拡散した形で挟持され装置が構成されてい
る。
【0038】本発明の液晶電気光学装置は作製時に添加
してあった反応開始剤が液晶混合物中に均一に拡散し、
室温下において、液晶混合物中から前記樹脂構成材料が
液晶材料に排斥される形で分離析出しても、前記反応開
始剤は液晶混合物内に拡散したままとなり、反応開始剤
が開裂して樹脂材料が硬化しても、残った液晶材料中に
反応開始剤が存在している。また樹脂材料は硬化して、
カラム(柱)状になり、上下基板および配向膜表面等を
接着する、もしくは液晶層中に樹脂塊(樹脂固形物)と
して存在している。
【0039】本発明のカラム状の樹脂を、柱状の樹脂ス
ペーサという意味で重合カラムスペーサ(Polymerized
Column Spacer 、PCSと略す)という。
【0040】この液晶電気光学装置を作製するには、液
晶材料、樹脂構成材料、反応開始剤を混合し、液晶と樹
脂がよりよく混ざり合うように液晶が等方相を示すまで
加熱、攪はんして作製した液晶混合物を、上記装置の基
板間に挟持させる。この液晶混合物が等方相を示す温度
から徐々に装置の温度を下げてゆくと、液晶混合物中に
混合されていた樹脂構成材料は排斥され、装置内に点在
する形になる。また、反応開始剤は液晶材料中にも拡散
してゆくが、この拡散した反応開始剤は装置の温度を下
げていっても液晶材料中から排斥されることはない。こ
のため液晶装置内の反応開始剤は、樹脂構成材料部分と
液晶材料部分の両方に存在する。
【0041】カラム状の樹脂を形成せずに、不所望な電
荷を取り除くだけであれば、樹脂構成材料を使用せず、
反応開始剤のみを液晶材料に混合させてもよい。
【0042】前記液晶混合物は液晶材料が等方相を示す
温度まで加熱、攪はんすることが望ましく、これを液晶
材料が液晶相を示すまで徐冷すると、液晶材料から排斥
するように樹脂構成材料が分離する。
【0043】この装置内の反応開始剤を開裂させると電
荷を発生し、これら反応開始剤からの電荷の一部は樹脂
の硬化に寄与し、一部は装置内の余分な電荷を直接キャ
ンセルすることになる。
【0044】硬化した樹脂が液晶電気光学装置の表示部
分を占める面積の割合が0.1から20%であれば、液
晶電気光学装置として十分な表示特性と装置自体の強度
を得ることができる。
【0045】また、前記液晶混合物作製にあたり、一般
的に市販されているいわゆる樹脂材料(未硬化樹脂)
は、樹脂構成材料に反応開始剤が添加されたものである
ため、その樹脂材料を液晶材料中に混合して液晶混合物
を作製してもよいし、また樹脂材料中に添加する反応開
始剤量を変化させても、樹脂構成材料と反応開始剤に分
割しておいて、別々に混合しても構わない。
【0046】前記反応開始剤はあらかじめ液晶材料中に
混入されていてもよく、配向手段としての配向膜材料中
に混入されていてもよいし、配向膜面上に塗布されてい
てもよい。すなわち反応開始剤111は、前述の配向膜
104、105中に混在、あるいは表面に塗布されてい
ても構わない。
【0047】反応開始剤としては、紫外線励起開裂型の
反応開始剤が最適である。この場合、偏光板112、1
13は、紫外線を照射して反応開始剤を開裂させた後
に、基板102、103上に設ける。
【0048】また、反応開始剤の添加量は、基板の清浄
度や液晶材料の精製度に応じて任意に変える事ができる
が、目安として液晶材料に対し0.001〜10%、望
ましくは0.1〜3%の添加が前述の問題解決に有効で
ある。
【0049】
【作用】
「カラム状樹脂の形成」本発明は、基板間の液晶材料と
未硬化の樹脂(樹脂構成材料(モノマーやオリゴマー)
および反応開始剤)との混合物中から、樹脂構成材料を
分離析出し、液晶材料を配向させ、その後反応開始剤を
開裂させて樹脂をカラム状に硬化させ、両基板と接着さ
せることで、基板間距離を固定する。
【0050】基板間に満たされた液晶材料と未硬化樹脂
との混合物の温度を高くして該混合物中の液晶材料が等
方相の状態では未硬化の樹脂と液晶の区別をする事はで
きず一様であるが、温度が室温程度まで低下してくる
と、未硬化樹脂は、液晶材料から排斥されて析出し基板
間に散在する。この段階で樹脂硬化の為の手段を施すこ
とで、散在している樹脂はカラム(柱)状に硬化して双
方の基板を接着することができる。
【0051】液晶の配向性の向上の為に液晶材料と未硬
化樹脂との混合物を液晶材料が等方相の状態となるまで
加熱した後、液晶相を示す温度まで徐冷を行なうとよ
い。特に秩序性の高いスメクチック相を有する液晶材料
を用いる時には徐冷は効果的であり、配向性を向上させ
る事が出来る。またこの工程により同時に混合物中から
未硬化樹脂を分離析出させることができる。その後の硬
化工程により該樹脂を硬化させる。
【0052】本発明はこのように、液晶材料が配向手段
に従って配列した後に樹脂を硬化するために、硬化前の
良好な液晶の配向状態を保つことができ、硬化後の樹脂
が配向に与える影響は極めて少ない。配向状態が良いま
ま樹脂を硬化させるのだから、樹脂硬化後に配向を損な
う結果には至らないのはしごく当然である。
【0053】液晶材料と未硬化樹脂との混合物中の樹脂
の含有量が0.1〜20%の時に示す液晶材料の配向
は、液晶材料のみを挟持している通常のセルにおいて示
される配向とほぼ同一であり、樹脂の混在によって配向
に与える影響は少ない。
【0054】これを硬化したときの、装置の基板面から
見た表示部分の面積全体に対してカラム(柱状)に硬化
した樹脂の面積がしめる割合は、未硬化樹脂が混合物中
に混入している割合とほぼ一致して0.1〜20%程度
である。すなわち混合した未硬化樹脂のほとんどは硬化
している。残る液晶材料が占める面積の割合は、80〜
99.9%となる。樹脂の混入量は2枚の基板を接着す
るのに必要な力に応じて調整すればよい。当然のように
表示部分において硬化した樹脂の部分が多ければ、液晶
セル自体の強度すなわち基板間距離を一定に維持する力
は強くなるが、光が通過する面積が損なわれ、コントラ
スト比などの電気光学特性は低下する。この強度と電気
光学特性の両方を満足させる数値としては上記の範囲が
好ましかった。
【0055】こうした方法を行なう際に使用する樹脂
は、高温状態で液晶材料との混合状態を呈し、温度が低
下した状態では液晶材料と分離し、析出するものである
ことが望ましい。また、2枚の基板間に挟持された状態
で樹脂を硬化する為に未硬化の樹脂には溶媒が含まれて
いないことが極めて望ましい。さらに、液晶材料と樹脂
の分離や液晶材料の配向状態の形成は温度に依存すると
ころが大きいため、樹脂は温度とは別の因子で硬化する
ほうが望ましい。そうした事柄を考慮すると、例えば未
硬化樹脂として紫外線硬化型樹脂、樹脂硬化手段として
紫外線を用いることは本発明の実施に極めて相応しい。
【0056】「不所望な電荷のキャンセル」また、本発
明者らは、液晶分子状態を不安定にする液晶層内に存在
する不所望な電荷を、液晶層内で樹脂を硬化させる、あ
るいは反応開始剤の開裂させることでキャンセルできる
ことを発見した。これらの方法により従来問題となって
いた電荷の移動や配向膜液晶界面での電荷の蓄積がなく
なる。よって、液晶層を挟む両基板間(電極間)の電圧
に経時変化は起こらず、液晶分子の不所望な状態変化が
起こらないことから、液晶分子の状態変化と光学特性の
制御が容易に行えるようになる。また、基板上に吸着さ
れる液晶分子がなくなるために液晶層全体が電圧印加よ
り同時に状態変化を起こすこととなり、より安定な光学
特性が得られる。
【0057】液晶層内の不所望な電荷をキャンセルする
仕組みは以下の如くであると考える。すなわち、第1に
前記の不所望な電荷を樹脂材料が硬化する際に樹脂中に
取り込むことによりキャンセルする。第2に前記の不所
望な電荷を液晶材料中に拡散した反応開始剤に吸着させ
たり、結合させたりしてキャンセルする。
【0058】上記第1の方法は、紫外線硬化樹脂が硬化
する際の反応を利用したものである。つまり前記紫外線
硬化樹脂の硬化とは、その樹脂構成材料のモノマーとオ
リゴマーが、反応開始剤が熱や特に紫外光などの可視光
以下の短波長光をエネルギーとして与えることにより励
起、開裂して発生した電荷を出発因子として重合反応が
進行してゆくものであり、この重合反応進行中にはモノ
マーおよびオリゴマーの側鎖部分も大変反応性が高くな
る(以下活性であるという)。前述の電荷を樹脂中に取
り込むとはすなわち、この活性な前記側鎖部分と装置内
に存在する不所望な電荷を反応させるということであ
る。また硬化した樹脂は通常容易なことでは分解しない
ために、取り込まれた電荷が再度液晶層中を移動するよ
うなことはない。
【0059】上記第2の方法は、徐冷後も液晶材料中に
拡散している反応開始剤が、樹脂硬化の際の積極的な紫
外線照射により、不所望な電荷をキャンセルするだけの
充分な電荷を発生さる。また、この第2の方法で不所望
な電荷をキャンセルするに必要な分以上に発生した過剰
な電荷はそれら自身と再結合して安定状態となる。
【0060】したがって樹脂構成材料を用いずに反応開
始剤のみを液晶材料に混入しても、液晶電気光学装置内
に存在する不所望な電荷自体をキャンセルできる。
【0061】これら上記の第1および第2の方法による
電荷の発生率は、通常反応開始剤1つからは1つ以上、
一般には2つ以上の電荷が、またモノマー1分子からは
1つ以上の、オリゴマー1分子からは1つ以上、通常は
2つ以上の電荷が発生する。
【0062】反応開始剤は自然に開裂することもある
が、熱や特に紫外光などの可視光以下の短波長光をエネ
ルギーとして与えることにより励起、開裂して電荷を発
生させやすい。また発生した電荷は反応性が高いため、
他に存在する電荷と容易に反応する。もし他に電荷が存
在しなければ、開裂したもう一方の自分自身の電荷と反
応して安定な状態となる。
【0063】不所望な電荷がキャンセルされたかどうか
ということは、見て直接確認することはできないので、
一般的には装置にある電圧を一定時間印加した時の電流
値の経時変化や、印加電圧を連続的に変化したときの電
流値変化としてとらえることができる。
【0064】本発明を用いた図4の液晶電気光学装置に
対して、電極間に±30V、5Hzの三角波を印加して
電圧変化に対する電流値を測定した結果を図5に示す。
図5からわかるように、本発明の液晶電気光学装置は電
流の正負の方向に自発分極の反転に伴う電流ピーク(以
下Psピークという)が確認されるのみである。これに
対し、従来の液晶電気光学装置では液晶層内に不所望な
電荷が存在するため、図7に示すように図5のようなP
sピークの他に別のピーク(以下第2ピークという)が
発生する。この第2ピークが不所望な電荷による余分な
電流を示すものであり、第2ピークが大きいほど液晶分
子の状態が不安定な傾向を示した。本発明の液晶電気光
学装置はこの第2ピークがほとんど発生せず、液晶分子
の状態が極めて安定する。
【0065】また液晶電気光学装置には基板材料として
ガラスやポリエチレンテレフタレート(PET)など
が、また液晶分子の一軸性とそれに伴う偏光を利用する
ために、ポリビニルアルコール(PVA)やポリカーボ
ネートを主材料とする偏光板や位相差板が使用される。
時にはこれら偏光板や位相差板に紫外線吸収剤を混合し
たり、装置に紫外線吸収フィルターを付加することもあ
る。これらガラスや偏光板、位相差板、紫外線吸収剤も
しくは紫外線吸収フィルターは可視光以下の波長域の光
を積極的に吸収するために、通常の装置動作時には液晶
材料と樹脂に可視光以下の波長の光が到達することはほ
とんどなく、装置完成後に不用な反応開始剤の開裂を起
こす事はない。
【0066】よって、液晶に添加された反応開始剤が自
然に開裂して、装置内に存在する液晶分子の不所望な状
態変化を引き起こす電荷をキャンセルした際には、その
後は開裂することなく安定状態を得る。
【0067】また、前述したような装置内に存在する液
晶分子の不所望な状態変化を引き起こす電荷が反応開始
剤の自然な開裂による電荷だけではキャンセルしきれな
い場合、積極的に例えば紫外線照射などのエネルギーを
与えることにより、上記電荷をキャンセルするに必要な
だけの反応開始剤からの電荷を提供することができる。
そして、キャンセルに必要な分以上に発生した反応開始
剤からの過剰な電荷はそれ自身と再結合して安定な状態
となる。
【0068】また、反応開始剤を液晶材料に添加すると
液晶材料が劣化することが懸念されるが、本発明におい
ては液晶材料の劣化は全く見られない。
【0069】本発明において、液晶の動作モードとして
は様々なものが利用できる。例えば誘電異方性が正のネ
マチック液晶を用いて、基板間における液晶分子の配向
方向が90°ねじれているTN型、180〜270°ね
じれているSTN型、STN型で基板面と液晶分子との
なす角(プレチルト角)が3〜10°のもの、また配向
手段として垂直配向処理が施され、液晶材料として誘電
異方性が負のネマチック液晶を用いたもの、さらにスメ
クチック液晶を用いたもの等である。
【0070】「樹脂硬化後の再配向」一方、樹脂は硬化
時に体積収縮があり、樹脂、液晶の分離後に未硬化樹脂
の周りで無理なく配向していた液晶分子が、樹脂硬化の
際の体積収縮に伴い、配向乱れを生じ、光学特性特に暗
状態低下に伴う、コントラストの低下を引き起こすこと
がある。
【0071】これら光学特性が時間経過に伴い安定であ
るかどうかを示す指標の1つとして電圧保持率がある。
電圧保持率とは1画素に短時間印加した電圧が、電圧除
去後にどれほど保持されるかを示した値である。言い替
えれば、液晶分子の配向がいかに保持されるかというこ
とでもある。よって、電圧保持率を上げるためには、液
晶分子がより安定であり配向は一様に揃っていることが
望ましい。
【0072】そのためにも、硬化後のカラム状樹脂の体
積収縮に伴う該樹脂周りを含む液晶材料の配向乱れを防
いで配向性を向上させ、電圧保持率の向上、ひいては光
学特性の向上を促すことが望まれる。
【0073】これを解決するために、一対の相対向する
透光性基板間の液晶材料と未硬化樹脂との混合物に対
し、前記未硬化樹脂を前記混合物から析出させる工程
と、前記液晶材料を配向させる工程と、前記未硬化樹脂
を硬化させる工程と、前記液晶材料を再び配向させる工
程とにより作製するとよい。
【0074】すなわち、まずセル内の液晶材料と未硬化
樹脂の混合物に対し徐冷等により未硬化樹脂材料の析出
および液晶材料の配向をなさしめ、その後未硬化樹脂を
硬化させる。この時樹脂の体積の収縮が大きいと樹脂周
りの液晶の配向に乱れが生じることがあるが、この後液
晶材料を例えば加熱・徐冷工程により再配向させる工程
(以下エージング工程という)を加えることで、樹脂周
りを含む配向の乱れが無くなり、電圧保持率の向上、ひ
いては光学特性の向上を促すことができる。
【0075】「シール材とカラム状樹脂の同時硬化」ま
た、カラム状樹脂を有する液晶電気光学装置を作製する
際の、樹脂と液晶の混合物(液晶混合物)のセル内への
注入は、あらかじめ基板同士を貼り合わせた空セル中に
真空法または、加熱毛細管現象法により行うが、この場
合、真空引き等の手間と時間、大がかりな設備等が必要
となる。またカラム状樹脂析出・硬化工程が必要となる
ため、一般の液晶電気光学装置に比べて工程数が多くな
ってしまう。
【0076】作製工程の簡略化、作製時間の短縮を図る
ために、基板の周辺シール材と混合物中からカラム状に
析出させた未硬化樹脂の硬化を同一工程にて行なうとよ
い。
【0077】例えば、第1の基板の周辺部にシール材を
形成する工程と、前記第1の基板上に、液晶材料と未硬
化樹脂との混合物を滴下する工程と、前記混合物を滴下
した面に第2の基板を張り合わせる工程と、前記混合物
中から前記未硬化樹脂を析出させる工程と、前記シール
材および前記未硬化樹脂を硬化させる工程とにより液晶
電気光学装置を作製すればよい。
【0078】このとき、シール材および未硬化樹脂とし
て紫外線硬化型樹脂、シール材および未硬化樹脂の硬化
手段として紫外線を用いることが有効である。
【0079】この構成により、カラム状樹脂を用いた液
晶電気光学装置を作製するに必要な工程は、液晶滴下−
基板張り合わせ−カラム状樹脂析出−紫外線照射(シー
ル材、カラム状樹脂硬化)となり、液晶注入工程は不要
としかつ紫外線照射工程は1回のみとすることができ
る。
【0080】すなわち、基板を貼り合わせる際に、一方
の基板に液晶混合物を滴下し、両基板で挟み込んでセル
内に液晶混合物を満たす。そして液晶材料中から樹脂を
析出させカラム状とし、このカラム状に樹脂が析出した
後に、シール部を含むセル全面に紫外線を照射すること
によって、シール部およびカラム状の樹脂を1つの工程
で硬化させることができる。また再ギャップ工程も不要
となる。したがって、作製工程の簡略化と作製時間の短
縮が図れる。
【0081】「紫外線と熱による硬化」また、一般に、
アクティブ型の液晶電気光学装置においてはTFTやM
IM素子を基板上に有する場合、それら素子と対向する
側の基板には、動作の安定化のため素子に対する光の照
射を防ぐ遮光膜が設けられている。よって、カラム状の
樹脂を形成するために通常の紫外線硬化型樹脂を用いた
場合、素子部分に存在する未硬化樹脂には対向基板側か
ら照射される紫外線が届かずに未硬化のまま残ってしま
い、十分な基板強度が得られなくなってしまうことがあ
った。
【0082】また、このような未硬化のまま残った樹脂
は、温度が上がると液晶材料中に溶解して不純物として
作用し、表示が不安定になるなど装置の動作に悪影響を
与えてしまうことがあった。
【0083】この遮光膜のような紫外線が遮光される領
域を有する部分の未硬化状樹脂を硬化させ、装置の機械
的強度と動作特性の低下を防ぐために、紫外線照射に加
えて加熱を用いて未硬化樹脂を硬化させてもよい。この
場合、樹脂として、紫外線、熱のいずれにおいても硬化
する樹脂としてアクリル変成エポキシ樹脂を用いるとよ
い。
【0084】すなわち、カラム状樹脂となる樹脂材料
を、紫外線でも熱でも硬化するアクリル変成エポキシ樹
脂を用い、紫外線が遮光される部分の樹脂は主に熱によ
って硬化させ、それ以外の部分の樹脂は紫外線によって
硬化させる。
【0085】このようにすることにより、紫外線照射が
妨げられない部分にカラム状に析出した樹脂は、紫外線
照射で完全硬化する。他の部分の樹脂材料は遮光されて
いるので、紫外線を硬化のエネルギー源として使用でき
ないが、加熱することでこの部分の樹脂を硬化させるこ
とが可能となり、遮光膜等があっても装置の機械的強度
と動作特性の低下を防ぐことができる。
【0086】「効果」以上の如く、本発明により、液晶
材料の配向を損なうことなく、基板間に樹脂を散在させ
て、両面の基板をその樹脂で固着する事が出来る。その
結果大面積の液晶セルであっても基板間距離を一定に保
つ事ができるようになる。
【0087】また本発明により従来の液晶電気光学装置
で問題となっていた、装置内部の電荷による液晶分子の
余計な状態変化を、装置内に存在する電荷自身を反応開
始剤からの電荷により積極的にキャンセルすることによ
り解決することができる。
【0088】また、本発明によれば、従来のように電荷
移動錯体を用いることで問題となっていた、過剰なキャ
ンセル分の電荷が発生しないことから、長期にわたる装
置の光学安定性が得られる。
【0089】
【実施例】
『実施例1』実施例1〜8は、液晶セル内にカラム状樹
脂を形成した例を示す。本発明を強誘電性液晶を用いた
液晶電気光学装置に対して実施した例を図2を用いて記
述する。
【0090】10cm□の青板ガラス1110、1111
にインジウム・チン・オキサイド(ITOと省略する)
1112、1113をスパッタ法や蒸着法にて500〜
2000Å、ここでは1000Åの膜厚に成膜し、通常
のフォトリソ工程でパターニングした。この基板上にス
ピンコート法でポリイミド1114、1115を塗布し
280℃で焼成した。ポリイミドとしては日立化成製L
Q5200、または東レ製LP−64、日産化学製RN
−305を用いた。厚さは100〜300Å、ここでは
100Åであった。この基板をラビング処理を施して一
軸配向処理とした。一方の基板上には、シリカ粒子であ
る触媒化成製真絲球のスペーサー1118を散布し、他
方の基板にエポキシ樹脂製のシール材1119をスクリ
ーン印刷で形成した。両基板はスペーサーにより電極間
の距離を約1.5μmとして貼り合わせ、セルを形成し
た。
【0091】液晶材料1116としては、ビフェニル系
の強誘電性液晶混合物を用いた。構造式としては C817O−C64 −C64 −COO−C* HCH
3251021O−C64 −C64 −COO−C* HCH
325 を1:1で混合したものである。相系列は、等方相−ス
メクチックA相−スメクチックC* −結晶を示すもので
ある。また樹脂としては市販の紫外線硬化型樹脂を用い
た。未硬化樹脂と液晶材料との混合物において未硬化樹
脂の混入率を5%および15%とした。残りの95%お
よび85%が液晶材料である。樹脂を混合することで液
晶材料の等方相から液晶相への転移点は5〜20℃低下
した。
【0092】セルと液晶を100℃に加熱し、真空下で
前述のセルに注入した。この後2〜20℃/hr、ここ
では3℃/hrで室温へ徐冷した。徐冷後の室温におけ
る配向状態を偏光顕微鏡で観察すると、液晶材料の配向
は、ラビング方向に沿って一軸配向となった。つまり、
偏光顕微鏡下で良好な消光位を確認する事ができた。
【0093】樹脂は、その液晶材料の間に点在するよう
に析出した。樹脂は複屈折を示さず、偏光顕微鏡下では
黒状態となって観察することができた。この状態で液晶
材料と未硬化樹脂を分離することが出来ている。
【0094】次に、このセルに紫外線を照射してセル内
部の樹脂を硬化した。紫外線強度は3〜30mW/cm2
ここでは10mW/cm2 、照射時間は0.5〜5分ここ
では1分であった。
【0095】紫外線照射後の液晶材料の配向は、紫外線
照射前の顕微鏡観察の時とほぼ一致しており良好な配向
状態となっていた。
【0096】このセルに方形波を印加し、コントラスト
比を測定した結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】表1に示すように、混合物中の樹脂の割合
が高い方がスイッチングしない部分の面積が増加する為
にON透過率がやや低下したが、OFFの時にはその影
響がでなかった。コントラスト比は、それらの値の商で
あるがそれ程差はなく、良好なコントラスト比が得られ
た。また基板側から肉眼で見た際には樹脂の存在は全く
認識できなかった。これらの結果から、混合物中の未硬
化樹脂の割合は0.1〜20%程度であれば従来の装置
と比較して遜色のないものとすることができることがわ
かった。すなわち表示部の面積を液晶材料が占める割合
が80〜99.9%であればよい。
【0099】次に、徐冷の効果を見る為に、冷却速度を
変化したときの配向状態の変化を観察した。その結果を
表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】表2に示すように、本実施例においては徐
冷速度100℃/hr以上では液晶材料が一軸配向しな
い部分が生じた。20℃/hr程度以下では実用上全く
問題の無い良好な一軸配向を得る事ができた。このよう
に徐冷によって良好な一軸配向が得ることができた。こ
の後、基板1110、1111に偏光板1120、11
21を貼り、セルが完成した。
【0102】このようにして、均一な電極間距離を有す
るセルを作製することができた。完成したセルを垂直に
しても表示ムラ等は全く認識できなかった。基板の変形
等が生じることもなく、使用した強誘電性液晶の層構造
が壊れることもなかった。
【0103】基板をはがして、液晶をアルコールで洗浄
除去した後、基板上に残存する樹脂を走査型電子顕微鏡
で観察すると、図27に示す様に両基板を固定していた
カラム状の樹脂を観察する事が出来た。
【0104】この樹脂の形状は、液晶材料の相転移系列
や徐冷速度等によって変化する。またカラム状樹脂の存
在する間隔は10〜100μm程度であった。
【0105】図3にこの樹脂が表示部の面積を占める割
合と混合物中の未硬化樹脂の混入率の関係を示す。図3
からわかるように、両者はほぼ一致していた。すなわち
混入した未硬化樹脂のほとんどがカラム状に硬化してい
たことがわかった。
【0106】『実施例2』液晶の動作モードとしてST
N型を用いた時の実施例について記述する。ITOを成
膜しパターニングを行った対角15インチを有する基板
上に配向膜として日産化学製SE−4110またはSE
−610をストライプコータを用いたオフセット印刷の
手法で成膜した。焼成温度は200〜300℃ここでは
280℃であった。膜厚は、600〜1000Åここで
は800Åであった。上下の基板を対向させた時のラビ
ング方向のなす角度が240°になるように、2枚の基
板をラビング処理した。さらに一方の基板上には6.5
μmのシリカ製スペーサーを散布し、他方の基板上には
シール印刷を施し、両者処理面を内向きにして加圧し、
加熱固定した。
【0107】液晶材料としては、メルク製ZLI−22
93を用い、カイラル剤としてS−811を0.1〜3
%ここでは0.12%添加し、ピッチ調整を行い、ピッ
チに対するセル厚の比率を0.50から0.55とし
た。ここに紫外線硬化樹脂を液晶に対して5%添加した
ものを前述のセル中に真空注入した。注入後セルをプレ
スし余分な液晶を排除した後、120℃、1時間加熱
後、室温まで徐冷した。
【0108】このセルに3〜30mW/cm2 ここでは1
0mW/cm2 の紫外線を照射し、内部の樹脂を硬化させ
た。樹脂はセル中で散在していた。偏光板と色補償板を
組み合わせて、TSTNパネルとした。
【0109】2枚の基板は内部の樹脂で固定化されてい
るために対角15インチと言う大面積であるにもかかわ
らず、均一な電極間距離とすることができた。このセル
をデューティ200で駆動した時のコントラスト比は1
5であり、樹脂を含んでいない従来の装置と同等のコン
トラスト比のパネルを得ることができた。
【0110】『実施例3』本発明を複屈折制御効果型液
晶電気光学装置に実施した場合について記述する。配向
膜として日産化学製SE−7511L、RN715又は
日立化成製LQ−1800をITO付基板上にスピナー
を用いて塗布し、250〜300℃ここでは300℃で
焼成した。膜厚は500〜1000Åここでは600Å
であった。この配向膜はネマチック液晶に対して容易に
垂直配向を形成させる疎水性の高い配向膜である。この
基板を用いて電極間距離が6μmのセルを形成した。こ
こに誘電異方性が負のメルク製ZLI−4318ネマチ
ック液晶に対して紫外線硬化樹脂を5%含有した混合物
を前記セルに注入した。この液晶材料の誘電異方性は、
−2.0であった。
【0111】徐冷後、紫外線を照射して、散在している
樹脂を硬化した。この状態で偏光顕微鏡でコノスコープ
像を観察すると、十字の像が観察され、基板面に対して
液晶分子が垂直に配列していることがわかった。このセ
ルに対し駆動電圧を印加した時のコントラスト比は80
であり、また極めて表示ムラの少ないものとすることが
できた。このようにして配向状態及びコントラスト比に
おいて樹脂を含んでいない時の液晶特性を残したまま、
両基板を樹脂で固着させることができた。
【0112】『実施例4』30cm□、1.1mm厚の一
対のガラス基板にそれぞれ電極材料であるインジウム・
チン・オキサイド(ITOと省略する)をスパッタ法や
蒸着法にて500〜2000Å、本実施例では1000
Åの膜厚に成膜し、通常のフォトリソ工程で電極をパタ
ーニングした。この基板上にスピンコート法でポリイミ
ドを塗布し、280℃で焼成した。ポリイミドとしては
日産化学製RN−305、東レ製LP−64ここでは東
レ製LP−64を用いた。ポリイミド膜厚は100〜8
00Å、本実施例では150Åであった。この基板にラ
ビング処理を施して一軸配向処理を行った。一方の基板
上には、シリカ粒子である触媒化成製真絲球をスペーサ
ーとして散布し、一方の基板上には、エポキシ樹脂製の
シール材をスクリーン印刷にて形成した。両基板は電極
間距離を約1.5μmとして貼り合わせて、セルを形成
した。電極間のショートを防止するために、基板上の電
極およびリードを覆って絶縁膜を設け、その上に配向膜
を設けてもよい。
【0113】本実施例で使用した液晶材料としては、チ
ッソ社製の強誘電性液晶、CS1014である。この液
晶のPsは5.4nC/cm2 であり、相系列はI(等
方相)−N(ネマチック相)−A(スメクチックA相)
−C* (スメクチックC* 相)である。
【0114】また本実施例で用いた樹脂材料は、市販の
紫外線硬化型樹脂であり、樹脂材料中の反応開始剤とし
ては、本発明の効果が最も良く得られるもののうちから
反応性の高いチバガイギー製イルガキュア369を用い
た。
【0115】液晶材料95%と、樹脂材料として反応開
始剤を添加した樹脂構成材料を5%混合し、混合した樹
脂材料が液晶材料中によりよく混合するように、100
℃で液晶が等方相を示すまで加熱、攪はんして樹脂を液
晶材料中に均一に混合して液晶混合物とした。反応開始
剤と樹脂構成材料の総量に対し反応開始剤の添加量は3
%であった。
【0116】セルと液晶混合物を100℃に加熱し、真
空下で前述のセルに注入後2〜20℃/hr、本実施例
では2℃/hrで室温まで徐冷した。徐冷後の室温での
配向状態を偏光顕微鏡で観察すると、樹脂材料はセル中
に点在しており、液晶材料の配向は樹脂を添加しない液
晶材料と同様に、液晶は配向膜のラビング方向に沿って
一軸配向となり、良好な消光位が得られた。
【0117】このセルに紫外線を、強度3〜30mW/
cm2 、照射時間0.5〜5min、本実施例では強度
20mW/cm2 で1minの照射を行って樹脂を硬化
させた。紫外線照射後も液晶は配向膜のラビング方向に
沿って一軸配向となっており、良好な消光位が得られ
た。またこのセルの表示部分の面積を樹脂材料が占める
割合は、約5%であった。この硬化した樹脂は顕微鏡で
は観察できたが、肉眼では全くその存在を確認できなか
った。このセルに偏光板等を加えて液晶電気光学装置を
作製した。
【0118】この液晶電気光学装置の上下電極間に±3
0V、5Hzの三角波を印可して電圧を連続的に変化さ
せた時の電流の特性(以下電流−電圧特性という)を測
定すると、図5のようにある電圧値において液晶分子が
自発分極の向きを180°かえる、つまり反転するPs
ピークのみが観察できた。
【0119】この装置の電極間に1μsec、15Vの
パルスを1sec毎に印加(非印可時開放)して動作さ
せた時の光学特性を図6に示す(なお、本明細書中の実
施例において、電流−電圧特性および光学特性を示す図
はそれぞれの要素の相対値を示した)。図から明らかな
ようにPsピーク電圧以上の電圧印加時に急峻な明暗
(Bright、Dark)の反転が起こり、なおかつ
その状態は安定していることが分かる。また短絡時のメ
モリー性も良好であった。
【0120】液晶混合物中の樹脂の割合を0.1%から
20%まで変化させてみても、硬化後のセル中の樹脂の
表示部分を占める面積の割合は混合した樹脂の割合と同
様に0.1%から20%でありセル中に分散していた。
またこれら樹脂硬化後のセルを厚さ方向に分断し、液晶
をメタノールで洗浄除去して樹脂部分の形状をSEMに
て観察したところ、上下基板を接着するカラム形状や樹
脂塊として存在していることが確認できた。
【0121】このようにして作製された液晶電気光学装
置は表示ムラ、チラツキ等はみられず、安定した光学特
性を有する極めて高性能な装置とすることができた。ま
た、一方の基板の内側表面に複数の画素電極とそれに接
続する薄膜トランジスタを形成したアクティブマトリク
ス型の液晶電気光学装置を本実施例の液晶混合物をセル
内に満たして作製したところ、高速かつ高いコントラス
ト比を有する装置とすることができた。また樹脂により
基板間距離一定に保たれ、30cm□という大面積である
にもかかわらず、装置を立てて使用して場合の基板のた
わみによる基板間距離の拡大、および基板面を指などで
押した場合の基板間距離の縮小も発生せず、表示ムラや
液晶の層構造、配向の乱れもなかった。
【0122】比較のため、樹脂材料すなわち未硬化樹脂
材料および反応開始剤を液晶材料中に混合せずに同じセ
ル構造、作製条件、液晶材料で特性の測定を行った。液
晶とセルを100℃に加熱し、セル中に真空下で注入、
徐冷した。徐冷後の配向状態を偏光顕微鏡で観察する
と、液晶は配向膜のラビング方向に沿って一軸配向とな
り、良好な消光位が得られた。このセルに偏光板等を加
えて液晶電気光学装置を作製した。
【0123】この液晶電気光学装置に±30V、5Hz
の三角波を印可して電流−電圧特性を測定すると、図7
のようにPsピークと、装置内の電荷の移動と考えられ
る電流の増減即ち第2ピークが測定される。
【0124】この装置に1μsec、15Vのパルスを
1sec毎に印加して動作させた時の光学特性を図8に
示す。電圧印加で液晶分子が反転して暗状態になるもの
の、この暗状態は時間経過に伴い明状態側へその後また
暗状態側へと不安定に変化してしまう。またこの暗状態
もあまり良好ではなかった。
【0125】また装置を立てて使用すると基板の下部に
液晶材料が溜まって基板間隔が大きくなる部分が発生
し、また指で押すとその部分の基板間距離が縮小し、共
に液晶の層構造が崩れ、表示ムラが発生してしまった。
【0126】次に液晶材料と樹脂材料をそれぞれ95
%、5%として混合し、樹脂材料中の反応開始剤添加量
を樹脂構成材料と反応開始剤の合計量に対し0〜10%
まで変化させた。
【0127】反応開始剤の添加量が0%の場合、液晶は
配向膜のラビング方向に沿って一軸配向となり良好な消
光位は得られたが、三角波電圧を印加して電流−電圧特
性を測定するとPsピークと、第2ピークが測定され
る。この装置に1μsec、15Vのパルスを1sec
毎に印加して動作させた時の光学特性を図9に示す。電
圧印加で液晶分子が反転して暗状態になるものの、この
暗状態は経時変化して少し明状態に移る。前述の樹脂を
加えない例(図8)と比較してやや良好な特性を示すも
のの、不安定性は残った。また樹脂は当然硬化しない。
【0128】本実施例で使用した反応開始剤の場合、添
加量を0.3%以上とした場合、樹脂も硬化し、第2ピ
ークの発生も抑えられ、特性の改善ができた。
【0129】『実施例5』本実施例における装置の構造
および液晶と樹脂の割合、また樹脂中の反応開始剤種お
よび添加量は実施例4と同じである。本実施例の液晶材
料としてはチッソ社製のPsが6.6nC/cm2 の相
系列がI−N−A−C* を示すCS1015を使用し
た。液晶材料中に樹脂材料を添加し、液晶材料中により
よく混合するために、90℃に加熱、攪はんし、90℃
に加熱したセルに真空下で注入、徐冷後、紫外線照射で
樹脂を硬化した。液晶はラビング方向に沿って一軸配向
となり、良好な消光位が得られた。このセルに偏光板等
を加えて液晶電気光学装置とした。
【0130】この液晶電気光学装置に±30V、5Hz
の三角波を印加し電流−電圧特性を測定すると、図10
のようにPsピークのみが観察できた。
【0131】この装置に1μsec、15Vのパルスを
1sec毎に印加(非印加時開放)して動作させた時の
光学特性は実施例4と同じであり、電圧印荷に伴い明暗
の急峻な反転が起こり、この明および暗状態は経時変化
せず安定であった。短絡時のメモリー性も良好であっ
た。
【0132】このようにして作製された液晶電気光学装
置は表示ムラ、チラツキ等はみられず、安定した光学特
性を有する極めて高性能な装置とすることができた。ま
た、一方の基板の内側表面に複数の画素電極とそれに接
続する薄膜トランジスタを形成したアクティブマトリク
ス型の液晶電気光学装置を本実施例の液晶混合物をセル
内に満たして作製したところ、高速かつ高いコントラス
ト比を有する装置とすることができた。また樹脂により
基板間距離一定に保たれ、30cm□という大面積である
にもかかわらず、装置を立てて使用して場合の基板のた
わみによる基板間距離の拡大、および基板面を指などで
押した場合の基板間距離の縮小も発生せず、表示ムラや
液晶の層構造、配向の乱れもなかった。
【0133】比較のため本実施例の構成において、樹脂
構成材料および反応開始剤を添加せずに液晶材料のみを
セル中に満たして特性を調べた。液晶は配向膜のラビン
グ方向に沿って一軸配向となり、良好な消光位が得られ
たが、電極間に三角波を印加して電流−電圧特性を測定
すると、図11のようにPsピークと、第2ピークが観
察された。
【0134】この装置に1μsec、15Vのパルスを
1sec毎に印加して動作させた時の光学特性を図12
に示す。電圧印加で液晶分子が反転して暗状態になるも
のの、すぐに明状態側へと不安定に変化してしまった。
【0135】また装置を立てて使用すると基板の下部に
液晶材料が溜まって基板間隔が大きくなる部分が発生
し、また指で押すとその部分の基板間距離が縮小し、共
に液晶の層構造が崩れ、表示ムラが発生してしまった。
【0136】『実施例6』本実施例における装置の構造
および液晶と樹脂の割合、また樹脂中の反応開始剤種お
よび添加量は実施例4と同じである。ただし本実施例の
液晶材料はチッソ社製のPsが9.3nC/cm2 の相
系列がI−N−A−C* を示すCS1017を使用し
た。添加した樹脂材料を液晶中によりよく混合するため
に、80℃に加熱、攪はんし、80℃に加熱したセルに
真空下で注入、徐冷後、紫外線照射で樹脂を硬化した。
液晶は配向膜のラビング方向に沿って一軸配向となり、
良好な消光位が得られた。偏光板等を加えて装置として
完成させた。
【0137】この液晶電気光学装置に印加する電圧を連
続的に変化させた時の電流を測定すると、図13のよう
にPsピークのみが観察できた。
【0138】この装置に1μsec、15Vのパルスを
1sec毎に印加(非印加時開放)して動作させた時の
光学特性は実施例4と同じで、電圧印荷に伴い明暗の急
峻な反転が起こり、この明および暗状態は経時変化せず
安定であった。短絡時のメモリー性も良好であった。
【0139】このようにして作製された液晶電気光学装
置は表示ムラ、チラツキ等はみられず、安定した光学特
性を有する極めて高性能な装置とすることができた。ま
た、一方の基板の内側表面に複数の画素電極とそれに接
続する薄膜トランジスタを形成したアクティブマトリク
ス型の液晶電気光学装置を本実施例の液晶混合物をセル
内に満たして作製したところ、高速かつ高いコントラス
ト比を有する装置とすることができた。また樹脂により
基板間距離一定に保たれ、30cm□という大面積である
にもかかわらず、装置を立てて使用して場合の基板のた
わみによる基板間距離の拡大、および基板面を指などで
押した場合の基板間距離の縮小も発生せず、表示ムラや
液晶の層構造、配向の乱れもなかった。
【0140】比較のため液晶材料には樹脂構成材料およ
び反応開始剤を混合せずにセルを作製した。液晶はラビ
ング方向に沿って一軸配向となり、良好な消光位が得ら
れたが、この装置に三角波を印加して電流−電圧特性を
調べると図14のようにPsピークと、第2ピークが観
察された。
【0141】この装置に1μsec、15Vのパルスを
1sec毎に印加して動作させた時の光学特性は実施例
5の図12とほぼ同様であった。電圧印加で液晶分子が
反転して暗状態になるものの、すぐに明状態側へと不安
定に変化してしまった。
【0142】また装置を立てて使用すると基板の下部に
液晶材料が溜まって基板間隔が大きくなる部分が発生
し、また指で押すとその部分の基板間距離が縮小し、共
に液晶の層構造が崩れ、表示ムラが発生してしまった。
【0143】『実施例7』本実施例における装置の構造
および、液晶混合物中の液晶と樹脂の混合割合は、実施
例4と同じである。ただし本実施例の液晶材料として
は、ビフェニル系でPsが10.9nC/cm2 の相系
列がI−A−C* を示す強誘電性液晶を用いた。樹脂材
料は市販の紫外線硬化型樹脂である。この樹脂中の反応
開始剤としてはチバガイギー製イルガキュア184を樹
脂構成材料と反応開始剤の合計量に対して1%となるよ
うに混合した。
【0144】添加した樹脂材料を液晶中によりよく混合
するために、120℃で液晶が等方相を示すまで加熱、
攪はんし、120℃に加熱したセルに、真空下で注入、
徐冷後、紫外線照射して樹脂を硬化させた。配向状態は
樹脂を添加しない液晶材料と同様、液晶は配向膜のラビ
ング方向に沿って一軸配向となり、良好な消光位が得ら
れた。偏光板等を加えて液晶電気光学装置として完成さ
せた。
【0145】この液晶電気光学装置に印加する電圧を連
続的に変化させた時の電流を測定すると、図15のよう
にPsピークのみが観察できた。
【0146】この装置に1μsec、15Vのパルスを
1sec毎に印加(非印加時開放)して動作させた時の
光学特性を図16に示す。図から明らかなように電圧印
加時に明暗の反転が起こり、光学特性、特に暗状態が良
好となりこの状態も安定していることが分かる。また短
絡時のメモリー性も良好であった。
【0147】このようにして作製された液晶電気光学装
置は表示ムラ、チラツキ等はみられず、安定した光学特
性を有する極めて高性能な装置とすることができた。ま
た、一方の基板の内側表面に複数の画素電極とそれに接
続する薄膜トランジスタを形成したアクティブマトリク
ス型の液晶電気光学装置を本実施例の液晶混合物をセル
内に満たして作製したところ、高速かつ高いコントラス
ト比を有する装置とすることができた。また樹脂により
基板間距離一定に保たれ、30cm□という大面積である
にもかかわらず、装置を立てて使用して場合の基板のた
わみによる基板間距離の拡大、および基板面を指などで
押した場合の基板間距離の縮小も発生せず、表示ムラや
液晶の層構造、配向の乱れもなかった。
【0148】比較のため液晶材料には樹脂材料は添加せ
ずにセルを作製した。液晶はラビング方向に沿って一軸
配向となり、良好な消光位が得られたが、電流−電圧特
性を測定すると、図17のようにPsピークと第2ピー
クが観察された。
【0149】この装置に1μsec、15Vのパルスを
1sec毎に印加して動作させた時の光学特性を図18
に示す。電圧印加で液晶分子が反転して暗状態になるも
のの、この状態変化は緩やかであり、暗状態が充分安定
しなかった。
【0150】また装置を立てて使用すると基板の下部に
液晶材料が溜まって基板間隔が大きくなる部分が発生
し、また指で押すとその部分の基板間距離が縮小し、共
に液晶の層構造が崩れ、表示ムラが発生してしまった。
【0151】『実施例8』10cm□のガラス基板にイン
ジウム・チン・オキサイド(ITOと省略する)をスパ
ッタ法や蒸着法にて500〜2000Å、本実施例では
1000Åの膜厚に成膜し、通常のフォトリソ工程で電
極をパターニングした。この基板上に日産化学製SE−
4110または、SE−610ここではSE−4110
をストライプコーターにてオフセット印刷し、200〜
300℃本実施例では280℃で焼成して配向膜とし
た。膜厚は600〜1000Å、本実施例では800Å
であった。この基板を電極面を対向させた時にラビング
方向が90゜となるように処理し、一方の基板上に6.
5μmのシリカ粒子を散布、もう一方の基板上にシール
材をスクリーン印刷し貼り合わせ、TN用セルとした。
【0152】使用した液晶材料としては、誘電異方性が
正のシアノビフェニル系のネマチック液晶95%に対
し、樹脂材料は市販の紫外線硬化型樹脂を5%の割合で
用いた。樹脂を液晶中によりよく混合するために、90
℃で液晶が等方相を示すまで加熱、攪はんし、真空下で
前記セル中に注入、徐冷後、樹脂を硬化した。
【0153】この完成した液晶電気光学装置に10Vの
電圧を印加した時の液晶層にかかる電圧は急峻に変化
し、経時変化しない。光学特性も電圧変化に伴い暗から
明状態に急峻に変化し、経時変化はなかった。また装置
を立てて使用しても樹脂により基板間距離が大きくなら
ずに一定に保たれ、表示ムラの発生はなかった。
【0154】このようにして作製された液晶電気光学装
置は表示ムラ、チラツキ等はみられず、安定した光学特
性を有する極めて高性能な装置とすることができた。ま
た、一方の基板の内側表面に複数の画素電極とそれに接
続する薄膜トランジスタを形成したアクティブマトリク
ス型の液晶電気光学装置を本実施例の液晶混合物をセル
内に満たして作製したところ、高速かつ高いコントラス
ト比を有する装置とすることができた。
【0155】比較のため液晶材料には樹脂は添加せずに
装置を作製した。この液晶電気光学装置に10Vの電圧
を印加した時の電極間(液晶層間)の電圧は大きく経時
変化し、光学特性もこの電圧の経時変化に伴い変化し
た。
【0156】『実施例9』実施例9〜12は、液晶材料
に反応開始剤を混入した例を示す。10cm□のガラス基
板に電極用材料であるインジウム・チン・オキサイド
(ITOと省略する)をスパッタ法や蒸着法にて500
〜2000Å、本実施例では1000Åの膜厚に成膜
し、通常のフォトリソ工程で電極をパターニングした。
この基板上にスピンコート法でポリイミドを塗布し、2
80℃で焼成した。ポリイミドとしては日産化学製RN
−305、東レ製LP−64を用いた。ポリイミド膜厚
は100〜800Å、本実施例では150Åであった。
この基板にラビング処理を施して一軸配向処理を行っ
た。一方の基板上には、シリカ粒子である触媒化成製真
し球をスペーサーとして散布し、一方の基板上には、エ
ポキシ樹脂製のシール材をスクリーン印刷した。両基板
は電極間距離を約1.5μmとして貼り合わせて、セル
を形成した。
【0157】本実施例で使用した液晶材料としては、チ
ッソ社製の強誘電性液晶、CS1014である。この液
晶のPs(自発分極)は5.4nC/cm2 であり、相
系列はI(等方相)−N(ネマチック相)−A(スメク
チックA相)−C* (スメクチックC* 相)である。ま
た反応開始剤として、本発明の効果が最も良いもののう
ちからチバガイギー製イルガキュア369を用いた。
【0158】上記、液晶中に反応開始剤を0.1〜3
%、本実施例では、3%添加し、添加した反応開始剤を
液晶中によりよく混合するために、100℃で液晶が等
方相を示すまで加熱、攪はんして反応開始剤を液晶内に
均一に混合した。(以下液晶混合物という)
【0159】セルと液晶混合物を100℃に加熱し、真
空下で前述のセルに注入した。この後2〜20℃/h
r、本実施例では2℃/hrで室温まで徐冷した。徐冷
後の室温での配向状態を偏光顕微鏡で観察すると、反応
開始剤を添加しない液晶材料と同様、液晶はラビング方
向に沿って一軸配向となり良好な消光位が得られた。
【0160】この液晶電気光学装置に対し、電極間に±
20V、5Hzの三角波を印加して印加する電圧を連続
的に変化させた時の電流−電圧特性を測定すると、図1
9(任意単位で示す)のようなある電圧値において液晶
分子が自発分極の向きを180°変える、つまり反転す
るピーク(以下Psピークという)のみが観察できた。
【0161】この装置に1μmsec、15Vのパルス
を1sec毎に印加して動作させた時の光学特性を図2
0に示す。図から明かなようにPsピーク電圧以上の電
圧印加時に明暗(Brigth、Dark)の反転が起
こり、急峻な明暗の状態が起こりなおかつその状態は安
定していることが分かる。
【0162】『実施例10』本実施例における装置の構
造および使用した液晶材料、反応開始剤は実施例1と同
じである。ただし本実施例の反応開始剤添加量は液晶材
料中に1%である。添加した反応開始剤を液晶中により
よく混合するために、実施例9と同様、100℃で液晶
が等方相を示すまで加熱、攪はんして反応開始剤を液晶
内に均一に混合し、液晶混合物を作製した。
【0163】セルと液晶混合物を100℃に加熱し、真
空下で前述のセルに注入した。この後2〜20℃/h
r、本実施例では実施例9と同様に2℃/hrで室温ま
で徐冷した。徐冷後の室温での配向状態を偏光顕微鏡で
観察すると、反応開始剤を添加しない液晶材料と同様、
液晶はラビング方向に沿って一軸配向となり、良好な消
光位が得られた。
【0164】実施例9と同様にこの液晶電気光学装置の
電極間に±20V、5Hzの三角波を印加して電流−電
圧特性を測定すると、実施例9と同様にある電圧値にお
いてPsピークのみが観察される特性となった。
【0165】この装置に1μmsec 15Vのパルス
を1sec毎に印加して動作させた時の光学特性を図2
1に示す。図から明かなようにPsピーク電圧以上の電
圧印加時に明暗の反転が起こり、一度暗状態になるが、
この状態は時間経過に伴い明状態側へと変化してしま
う。
【0166】この装置に反応開始剤からのさらなる電荷
供給のために紫外光を照射した。この時の紫外光の照射
強度は20mW/cm2、照射時間は1minであっ
た。電流−電圧特性を観察すると紫外光照射前と同様P
sピークのみが確認された。光学特性は実施例9と同様
に急峻な明暗の反転が起こり、この状態は経時変化せず
安定であった。
【0167】『実施例11』本実施例で使用した液晶材
料としては、ビフェニル系でPsが10.9nC/cm
2の相系列がI(等方相)−A(スメクチックA相)−
* (スメクチックC* 相)を示す強誘電性液晶であ
る。また反応開始剤としては、チバガイギー製イルガキ
ュア184を用い、添加量は液晶材料中に1%とした。
【0168】添加した反応開始剤を液晶中によりよく混
合するために、120℃で液晶が等方相を示すまで加
熱、攪はんして反応開始剤を液晶内に均一に混合し、液
晶混合物を作製した。
【0169】実施例9と同様の構造のセルを用意し、こ
のセルと液晶混合物を120℃に加熱し、真空下で前述
のセルに注入した。この後2〜20℃/hr、本実施例
では2℃/hrで室温まで徐冷した。徐冷後の室温での
配向状態を偏光顕微鏡で観察すると、反応開始剤を添加
しない液晶材料と同様、液晶は配向膜のラビング方向に
沿って一軸配向となり、良好な消光位が得られた。
【0170】この液晶電気光学装置において電極間に±
20V、5Hzの三角波を印加したときの電流−電圧特
性を測定すると、前述の実施例と同様なある電圧値にお
けるPsピークのみが観察できた。
【0171】この装置に1μmsec、15Vのパルス
を1sec毎に印加して動作させた時の光学特性を図2
2に示す。電圧印加で明暗が反転して暗状態になるもの
の、この暗状態は時間経過に伴い明状態側へと変化して
しまう。またこの暗状態はあまり良好ではなかった。
【0172】この装置に反応開始剤からのさらなる電荷
供給のために紫外光を照射した。この時の照射紫外光強
度は20mW/cm2 、照射時間は1minであった。
この液晶電気光学装置において電流−電圧特性を測定す
ると、紫外光照射前と同様なある電圧値においてのPs
ピークのみが観察できた。
【0173】この装置に紫外光照射前と同様に1μms
ec、15Vのパルスを1sec毎に印加して動作させ
た時の光学特性を図23に示す。すると電圧印加時に明
暗の反転が起こり、光学特性、特に暗状態が良好となり
この状態も安定していることが分かる。
【0174】『実施例12』10cm□のガラス基板に電
極用材料であるインジウム・チン・オキサイド(ITO
と省略する)をスパッタ法や蒸着法にて500〜200
0Å、本実施例では1000Åの膜厚に成膜し、通常の
フォトリソ工程で電極をパターニングした。この基板上
に日産化学製SE−4110または、、SE−610を
ストライプコーターにてオフセット印刷し、200〜3
00℃本実施例では280℃で焼成して配向膜とした。
膜厚は600〜1000Å、本実施例では800Åであ
った。この基板を電極面を対向させた時にラビング方向
が90゜となるように処理し、一方の基板上に6.5μ
mのシリカ粒子を散布、もう一方の基板上にシール材を
印刷し貼り合わせ、TN用セルとした。
【0175】使用した液晶材料としては、誘電異方性が
正のシアノビフェニル系のネマチック液晶を用いた。反
応開始剤としては、イルガキュア369を液晶中に3%
添加し、添加した反応開始剤を液晶中によりよく混合す
るために、90℃で液晶が等方相を示すまで加熱、攪は
んして反応開始剤を液晶内に均一に混合し、液晶混合物
を作製、前記セル中に注入した。
【0176】この液晶電気光学装置に10Vの電圧を印
加した時の液晶層にかかる電圧は急峻に変化し、経時変
化しない。光学特性も電圧変化に伴い暗から明状態に急
峻に変化し、経時変化はなかった。
【0177】『比較例1』本比較例における装置の構造
および液晶材料は実施例9および10と同じである。た
だし本比較例の液晶材料には反応開始剤は添加されてい
ない。
【0178】セルと液晶材料を100℃に加熱し、真空
下で前述のセルに注入した。この後2〜20℃/hr、
本実施例では2℃/hrで室温まで徐冷した。徐冷後の
室温での配向状態を偏光顕微鏡で観察すると、液晶はラ
ビング方向に沿って一軸配向となり、良好な消光位が得
られた。
【0179】この液晶電気光学装置の電流−電圧特性を
測定すると、図24のようにPsピークと、装置内の電
荷の移動と考えられる電流の増減(以下第2ピークとい
う)が測定される。通常この第2ピークはPsピークと
近接して存在しているため、装置動作時に印加する電圧
を決定することが困難である。
【0180】この装置に1μmsec、15Vのパルス
を1sec毎に印加して動作させた時の光学特性を図2
5に示す。電圧印加で液晶分子が反転して暗状態になる
ものの、この暗状態は時間経過に伴い明状態側へその後
また暗状態側へと不安定に変化してしまう。
【0181】『比較例2』本比較例における装置の構造
および液晶材料は実施例11と同じである。ただし本比
較例の液晶材料には反応開始剤は添加されていない。
【0182】実施例11と同様に、上記セル中に真空下
で液晶を注入した。この液晶電気光学装置の電流−電圧
特性をを測定すると、比較例1と同様にPsピークと、
第2ピークが測定された。
【0183】この装置に1μmsec、15Vのパルス
を1sec毎に印加して動作させた時の光学特性を図2
6に示す。電圧印加で明暗の状態が反転するがその状態
変化は緩やかである。
【0184】『比較例3』本比較例における装置の構造
および液晶材料は実施例12と同じである。ただし本比
較例の液晶材料には反応開始剤は添加されていない。こ
の液晶を実施例12と同様に注入した。
【0185】この液晶電気光学装置に10Vの電圧を印
加した時の液晶にかかる電圧は経時変化し、光学特性も
この電圧の経時変化に伴い変化した。
【0186】『実施例13』本実施例は、樹脂硬化後に
再び液晶材料を配向させた例を示す。10cm□のガラス
基板に電極材料であるインジウム・チン・オキサイド
(ITOと省略する)をスパッタ法や蒸着法にて500
〜2000Å、本実施例では1000Åの膜厚に成膜
し、通常のフォトリソ工程で電極をパターニングした。
この基板上にスピンコート法でポリイミドを塗布し、2
80℃で焼成した。配向膜となるポリイミドとしては日
産化学製RN−305、東レ製LP−64を用いた。ポ
リイミド膜厚は100〜800Å、本実施例では150
Åであった。この基板にラビング処理を施して一軸配向
処理を行った。一方の基板上には、シリカ粒子である触
媒化成製真絲球をスペーサーとして散布し、一方の基板
上には、エポキシ樹脂製のシール材をスクリーン印刷に
て形成した。両基板は電極間距離を約1.5μmとして
貼り合わせて、セルを形成した。
【0187】本実施例で使用した液晶材料としては、チ
ッソ社製の強誘電性液晶、CS1014である。この液
晶のPsは5.4nC/cm2 であり、相系列はI(等
方相)−N(ネマチック相)−A(スメクチックA相)
−C(スメクチックC* 相)である。
【0188】本実施例で用いた樹脂材料は市販のウレタ
ン系オリゴマーとアクリル系モノマーの混合物である。
【0189】上記液晶材料95%と、未硬化樹脂材料5
%(重量比)を混合し、混合した樹脂が液晶材料中によ
りよく混合するように90℃で液晶が等方相を示すまで
加熱、攪はんして樹脂を液晶材料中に均一に混合した
(以下液晶混合物という)。
【0190】セルと液晶混合物を90℃に加熱し、真空
下で前述のセルに注入後2〜20℃/hr、本実施例で
は2℃/hrで室温まで徐冷した。徐冷後の室温での配
向状態を偏光顕微鏡で観察すると、樹脂材料はセル中に
点在しており、液晶材料の配向は樹脂を添加しない液晶
材料と同様に、液晶は配向膜のラビング方向に沿って一
軸配向となり、良好な消光位が得られた。
【0191】このセルに紫外線を、強度3〜30mW/
cm2 、照射時間0.5〜5min、本実施例では強度
20mW/cm2 で1min、照射して樹脂を硬化させ
た。紫外線照射後も液晶は配向膜のラビング方向に沿っ
て一軸配向となり、良好な消光位が得られた。
【0192】このセルに±30Vの三角波を印加して光
学特性を測定した。動作状態を注意深く観察すると暗状
態表示時に樹脂周りから微量だが光が抜けていることが
分かった。この時の明状態値(任意値で示す)は35.
26、暗状態値は1.131、コントラストは31.1
6、このセルに±20V、60μmのパルスを印加した
時の電圧保持率を測定したところ、45.0%であっ
た。このセルをエージングした後に観察すると樹脂周り
の光の抜けは目視でもかなり改善され、この時の明状態
値は40.08、暗状態値は0.924、コントラスト
は43.39、このセルの電圧保持率を測定したとこ
ろ、49.0%となり、実際の特性も大幅に改善され
た。
【0193】『実施例14』本実施例は、樹脂硬化後に
液晶材料を再び配向させた例を示す。本実施例における
装置の構成および液晶材料、樹脂材料は実施例13と同
様のものを使用した。
【0194】上記液晶材料85%と、未硬化樹脂材料1
5%を混合し、混合した樹脂が液晶材料中によりよく混
合するに、90℃で液晶が等方相を示すまで加熱、攪は
んして液晶混合物とした。
【0195】セルと液晶混合物を90℃に加熱し、真空
下で前述のセルに注入後2〜20℃/hr、本実施例で
は2℃/hrで室温まで徐冷した。徐冷後の室温での配
向状態を偏光顕微鏡で観察すると、樹脂材料はセル中に
点在しており、液晶材料の配向は樹脂を添加しない液晶
材料と同様に、液晶は配向膜のラビング方向に沿って一
軸配向となり、良好な消光位が得られた。
【0196】このセルに紫外線を、強度3〜30mW/
cm2 、照射時間0.5〜5min、本実施例では強度
20mW/cm2 で1minの照射を行って樹脂を硬化
させた。紫外線照射後も液晶は配向膜のラビング方向に
沿って一軸配向となり、良好な消光位が得られた。
【0197】このセルに±30Vの三角波を印加して光
学特性を測定した。動作状態を注意深く観察すると暗状
態表示時に樹脂周りから微量だが光が抜けていることが
分かった。この時の明状態値(任意値で示す)は22.
89、暗状態値は3.491、コントラストは6.6、
電圧保持率は61.0%であった。このセルをエージン
グした後に観察すると樹脂周りの光の抜けは目視でもか
なり改善され、この時の明状態値は31.48、暗状態
値は3.162、コントラストは10、電圧保持率は7
1.0%となり、実際の特性も大幅に改善された。
【0198】『実施例15』本実施例では、シール材と
未硬化樹脂を同時に硬化して作製した例を示す。本実施
例で使用した液晶材料としては、チッソ社製の強誘電性
液晶、CS1014である。この液晶のPsは5.4n
C/cm2 であり、相系列はI(等方相)−N(ネマチ
ック相)−A(スメクチックA相)−C(スメクチック
* 相)である。
【0199】本実施例で用いた樹脂材料は市販のウレタ
ン系オリゴマーとアクリル系モノマーの混合物である。
上記材料を重量比で液晶95%と、未硬化樹脂5%で混
合し、混合した樹脂と液晶がよりよく混合するように、
90℃で液晶が等方相を示すまで加熱、攪はんして樹脂
を液晶材料中に均一に混合した(以下液晶混合物とい
う)。
【0200】10cm□のガラス基板に電極材料であるイ
ンジウム・チン・オキサイド(ITOと省略する)をス
パッタ法や蒸着法にて500〜2000Å、本実施例で
は1000Åの膜厚に成膜し、通常のフォトリソ工程で
電極をパターニングした。この基板上にスピンコート法
でポリイミドを塗布し、280℃で焼成した。配向膜と
なるポリイミドとしては日産化学製RN−305、東レ
製LP−64、ここでは東レ製LP−64を用いた。ポ
リイミド膜厚は100〜800Å、本実施例では150
Åであった。この基板にラビング処理を施して一軸配向
処理を行った。この一方の基板上には、スペーサーとし
てシリカ粒子である触媒化成製真し球を散布し、もう一
方の基板上には、紫外線硬化型樹脂をシール材としてス
クリーン印刷にて形成した。
【0201】両基板を液晶混合物の転移点以上に温め、
シールをスクリーン印刷した基板上に、等方相の液晶混
合物を適量滴下した。この基板に液晶混合物を挟持する
ように、もう一方のスペーサーを散布した基板を上から
押圧することによって、基板間隔が1.5μmのセルを
作製した。このセルを室温まで徐冷し、液晶材料と未硬
化樹脂の分離を行ったところ、偏光顕微鏡下で液晶は着
色して観察でき、樹脂を添加しない液晶材料と同様に液
晶は配向膜のラビング方向に沿って一軸配向となり良好
な消光位が得られ、樹脂はセル内に点在して観察でき
た。
【0202】次に、このセルのシール部を含む全面に紫
外線を、強度3〜30mW/cm2、照射時間0.5〜
5min、本実施例では強度20mW/cm2 で1mi
n、照射してシール部および表示部に点在する樹脂を硬
化させた。樹脂硬化後においても樹脂硬化前と同様に液
晶は配向膜のラビング方向に沿って一軸配向となり、良
好な消光位が得られた。
【0203】『実施例16』本実施例は、紫外線照射と
加熱により樹脂を硬化した例を示す。10cm□のガラス
基板上にスイッチング素子としてTFT(薄膜トランジ
スタ)とこれに接続するITO(インジウム・チン・オ
キサイド)の画素電極、信号電極、走査電極等を形成し
た。
【0204】別の基板に対向電極としてITOを設け
た。該基板のTFTを有する基板と対向させて各TFT
素子に対向する部位にあたるITO上にCrやAlおよ
びその酸化膜などにより遮光膜を設けた。この基板上に
スピンコート法を用いてポリイミドを塗布し、焼成して
配向膜を形成し、ラビング処理を施して一軸配向処理を
行った。
【0205】一方の基板上にはスペーサーを散布し、他
方の基板上には、エポキシ樹脂製のシール材をスクリー
ン印刷にて形成した。両基板は電極間距離を約3μmと
して貼り合わせて、セルを形成した。
【0206】本実施例で使用した液晶材料としては、チ
ッソ社製の強誘電性液晶、CS1014である。この液
晶のPsは5.4nC/cm2 であり、相系列はI(等
方相)−N(ネマチック相)−A(スメクチックA相)
−C(スメクチックC* 相)である。
【0207】本実施例で用いた樹脂材料は市販のアクリ
ル変性エポキシ樹脂であり、紫外線でも硬化し、かつ熱
により完全硬化するものである。このときの樹脂硬化温
度は液晶が等方相を示す温度よりも高いことが望まし
い。
【0208】上記材料を重量比で液晶95%と、未硬化
樹脂5%で混合する。(以下液晶混合物という)。この
場合、液晶と樹脂がよりよく混合するために樹脂が硬化
しない温度、望ましくは液晶混合物が等方相を示すまで
加温してもよい。
【0209】セルと液晶混合物を90℃に加熱し、真空
下で前述のセルに注入後、室温まで冷却した。冷却後の
セルの室温での配向状態を偏光顕微鏡で観察すると、樹
脂材料はセル中に点在しており、液晶材料の配向は樹脂
を添加しない液晶材料と同様に、液晶は配向膜のラビン
グ方向に沿って一軸配向となり、良好な消光位が得られ
た。
【0210】このセルに紫外線を、強度3〜30mW/
cm2 、照射時間0.5〜5min、本実施例では強度
20mW/cm2 で1min、照射して樹脂を硬化させ
た。さらに、このセルを160℃のオーブン中で2.5
h加熱し、樹脂を完全硬化させた。
【0211】樹脂の紫外線照射での硬化、および加熱に
よる樹脂の完全硬化後において、液晶は配向膜のラビン
グ方向に沿って一軸配向となり、良好な消光位が得ら
れ、樹脂は点在していることが観察できた。
【0212】このセルの光学特性を測定したところ、コ
ントラスト比100の電気光学装置としての充分な特性
を得ることができた。
【0213】次にこのセルの基板を剥して、液晶をアル
コールで洗浄除去し、カラム状に硬化した樹脂の残存状
態をSEMにて観察した結果、樹脂は光学顕微鏡で観察
したのと同じに、基板上に、点在するカラムとして、ま
た素子部も同様のカラムとして存在していることが観察
できた。
【0214】熱硬化をしない以外は同様の条件でセルを
作製し、SEMにて基板上を観察したところ、基板上の
大部分において樹脂はカラム状に硬化した樹脂として観
察できたが、素子部およびその対向部では樹脂の痕跡が
わずかに観察できただけでカラム状には硬化していなっ
た。
【0215】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のように樹
脂材料を用いることにより、上下基板をカラム状に接着
することができる。これにより特に大面積の液晶電気光
学装置で問題となっていた、基板間距離の維持を確実に
でき、液晶の層構造の崩れや表示ムラ等の発生を抑え、
装置を立てて使用することも可能となった。
【0216】また、本発明によれば、液晶材料に未硬化
の樹脂材料、すなわちモノマーやオリゴマーなどの樹脂
構成材料と反応開始剤を添加することにより、従来の液
晶電気光学装置で問題となっていた装置内部の電荷を、
積極的にキャンセルすることができた。この結果、不所
望な電荷による液晶分子の状態の不安定性を排除し、安
定な光学特性が得られる。
【0217】これにより液晶電気光学装置の表示のチラ
ツキ、階調あるいは色調の経時変化、表示ムラ等をなく
し高性能な液晶電気光学装置とすることができた。特に
強誘電性液晶を用いた液晶電気光学装置では、単純マト
リクス型の場合、メモリー性を高め、高コントラスト
化、また高速化できた。またアクティブマトリクス型特
にTFT駆動型の場合、高コントラスト化、高速化でき
た。またネマチック液晶を用いた液晶電気光学装置にお
いても、コントラスト比や表示状態の改善をすることが
できた。
【0218】また、液晶に樹脂構成材料は添加せず反応
開始剤のみを添加しても、従来の液晶電気光学装置で問
題となっていた、装置内部の電荷による液晶分子の余計
な状態変化を、装置内に存在する電荷自身を反応開始剤
からの電荷により積極的にキャンセルすることにより解
決することができ、装置の光学特性を安定にし、ちらつ
きやトーン変化のない時分割駆動の可能な、高性能な液
晶電気光学装置とすることができた。
【0219】また、本発明によれば、従来のように電荷
移動錯体を用いることで問題となっていた、過剰なキャ
ンセル分の電荷が発生しないことから、長期にわたる装
置の光学安定性が得られ、本発明が液晶電気光学装置と
しての特性安定性に寄与するところは大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の液晶セルの概要を示す。
【図2】 本発明の液晶セルの基本的な構造を示す。
【図3】 実施例1で得られた、樹脂が表示部の面積を
占める割合と混合物中の未硬化樹脂の混入率の関係を示
した図
【図4】 本発明の液晶電気光学装置の構成概略図を示
す。
【図5】 実施例4の液晶電気光学装置の電流−電圧特
性を示す。
【図6】 実施例4および実施例5、6の液晶電気光学
装置にパルス電圧を印加した時の光学特性を示す。
【図7】 実施例4における比較例の液晶電気光学装置
の電流−電圧特性を示す。
【図8】 実施例4における比較例の液晶電気光学装置
にパルス電圧を印加した時の光学特性を示す。
【図9】 実施例4における他の比較例の液晶電気光学
装置にパルス電圧を印加した時の光学特性を示す。
【図10】 実施例5の液晶電気光学装置の電流−電圧
特性を示す。
【図11】 実施例5における比較例の液晶電気光学装
置の電流−電圧特性を示す。
【図12】 実施例5および実施例6における比較例の
液晶電気光学装置にパルス電圧を印加した時の光学特性
を示す。
【図13】 実施例6の液晶電気光学装置の電流−電圧
特性を示す。
【図14】 実施例6の比較例の液晶電気光学装置の電
流−電圧特性を示す。
【図15】 実施例7の液晶電気光学装置の電流−電圧
特性を示す。
【図16】 実施例7の液晶電気光学装置にパルス電圧
を印加した時の光学特性を示す。
【図17】 実施例7の比較例の液晶電気光学装置の電
流−電圧特性を示す。
【図18】 実施例7の比較例の液晶電気光学装置にパ
ルス電圧を印加した時の光学特性を示す。
【図19】 実施例9および10の電流−電圧特性を示
す。
【図20】 実施例9および実施例10の紫外光照射後
の液晶電気光学装置にパルス電圧を印加した時の光学特
性を示す。
【図21】 実施例10の紫外光照射前の液晶電気光学
装置にパルス電圧を印加した時の光学特性を示す。
【図22】 実施例11の紫外光照射前の液晶電気光学
装置にパルス電圧を印加した時の光学特性を示す。
【図23】 実施例11の紫外光照射後の液晶電気光学
装置にパルス電圧を印加した時の光学特性を示す。
【図24】 比較例1および比較例2の電流−電圧特性
を示す。
【図25】 比較例1の液晶電気光学装置にパルス電圧
を印加した時の光学特性を示す。
【図26】 比較例2の液晶電気光学装置にパルス電圧
を印加した時の光学特性を示す。
【図27】 基板上に形成された微細なパターンのSE
M写真を示す。
【符号の説明】
100、101 透明導電膜 102、103 基板 104、105 液晶配向手段 106 スペーサー 107 シール部 108 カラム状樹脂 109 樹脂塊 110 液晶材料 111 反応開始剤 112、113 偏光板 1100、1101 透光性基板 1102、1103 電極 1104、1105 配向手段 1106 液晶材料 1107 スペーサー 1108 シール材 1110、1111 透光性基板 1112、1113 電極 1114、1115 配向手段 1116 液晶材料 1117 樹脂 1118 スペーサー 1119 シール材 1120、1121 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−139397 (32)優先日 平成5年5月18日(1993.5.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−177195 (32)優先日 平成5年5月20日(1993.5.20) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−142884 (32)優先日 平成5年5月21日(1993.5.21) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 昭62−240930(JP,A) 特開 昭63−50817(JP,A) 特開 昭63−110425(JP,A) 特開 昭63−116126(JP,A) 特開 昭63−135917(JP,A) 特開 昭64−18126(JP,A) 特開 昭64−33524(JP,A) 特開 平2−212817(JP,A) 特開 平5−27242(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 500 G02F 1/13 101 G02F 1/1334

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する第1及び第2の透光性基板と、 前記第1及び第2の透光性基板間にある反応開始剤及び
    未硬化樹脂が混合された強誘電性液晶材料と、 前記第1の透光性基板に形成された電極と、 前記第1もしくは前記第2の透光性基板の一方に形成さ
    れた前記強誘電性液晶材料を一定の方向に配向させる配
    向手段と ラム状の樹脂と、 を有する液晶電気光学装置であって、 前記カラム状の樹脂は、前記未硬化樹脂が析出、硬化し
    て形成することにより、前記第1及び第2の透光性基
    板、または前記配向手段と接着し、前記反応開始剤は前記強誘電性液晶材料に対して0.1
    〜3%添加され、且つ前記強誘電性液晶材料の電荷を中
    和する作用を有している ことを特徴とする液晶電気光学
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1及び第2の
    透光性基板の基板間距離は1.2〜20μmであること
    を特徴とする液晶電気光学装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記反応開始
    剤は前記強誘電性液晶材料中にあることを特徴とする液
    晶電気光学装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至のいずれか一において、
    前記第1及び第2の透光性基板はシール剤によって接着
    していることを特徴とする液晶電気光学装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至のいずれか一において、 前記液晶電気光学装置の表示部分の一画素において、前
    記硬化した樹脂の占める面積の割合は0.1〜20%で
    あることを特徴とする液晶電気光学装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか一において、前
    記未硬化樹脂は紫外線もしくは加熱により硬化すること
    を特徴とする液晶電気光学装置
  7. 【請求項7】 請求項乃至のいずれか一において、
    前記未硬化樹脂は紫外線硬化型樹脂であることを特徴と
    する液晶電気光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項乃至のいずれか一において、
    前記未硬化樹脂はアクリル変成エポキシ樹脂であること
    を特徴とする液晶電気光学装置。
  9. 【請求項9】 請求項乃至のいずれか一において、
    前記反応開始剤は紫外線励起開裂型からなることを特徴
    とする液晶電気光学装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至のいずれか一におい
    て、前記第1の透光性基板は薄膜トランジスタを有する
    ことを特徴とする液晶電気光学装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか一におい
    て、前記電極はITOからなることを特徴とする電気液
    晶光学装置。
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