JPH1137584A - 冷凍機のシール構造 - Google Patents

冷凍機のシール構造

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JPH1137584A
JPH1137584A JP19676997A JP19676997A JPH1137584A JP H1137584 A JPH1137584 A JP H1137584A JP 19676997 A JP19676997 A JP 19676997A JP 19676997 A JP19676997 A JP 19676997A JP H1137584 A JPH1137584 A JP H1137584A
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seal ring
seal
ring
cylinder
displacer
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Hirotoshi Torii
宏年 鳥居
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍機を配置する方向の如何に拘わらず、
シリンダとディスプレーサが直接接触することがなく、
また、シリンダとシールリングの間の摩擦による発熱が
小さくて、かつ、漏れのない冷凍機のシール構造および
冷凍能力の優れた膨張式冷凍機を提供する。 【解決手段】 断面が凹形状のシールリング5は、高
さHがシール溝3の深さDよりも大きく、シール溝3に
完全に没入することがない。横置きされたシリンダ1の
下部側では、シールリング5の凹部6の両側部5a,5
aがシール溝3の底に当接して、ディスプレーサ2を支
持する。コイルスプリング4は凹部6とシール溝3の底
との間に在る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、クライオポンプ
等の膨張式冷凍機に使用される冷凍機のシール構造およ
びそれを用いた膨張式冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来より、たとえばクライオポンプの
冷凍機としては、図3に示すような膨張式冷凍機があ
る。この膨張式冷凍機は、縦置型で、バルブモータ34
が内側に取り付けられた駆動部31と、上記駆動部31
の一端に一端が接続された大径部32と、上記大径部3
2の他端に一端が接続され、他端が底部38で閉鎖され
た小径部33とを備えている。上記大径部32と小径部
33でシリンダ30を構成している。この膨張式冷凍機
の圧縮機37は、上記駆動部31の低圧側に開閉弁35
を介して接続される一方、開閉弁36を介して高圧側に
接続されている。上記開閉弁35,36を交互に開閉す
ることにより、大径部42と小径部43とを有するディ
スプレーサ40をピストン41によりシリンダ30内を
往復運動させると、ディスプレーサ40の蓄冷室51,
52内のヘリウムガスの温度を低下させ、発生した冷熱
をディスプレーサ40の蓄冷室51,52内の図示しな
い蓄冷材に蓄積する。こうして、上記膨張冷凍機では、
シリンダ30の先端側を4K以下の極低温に冷却する冷
凍能力を得ている。
【0003】しかしながら、上記縦置型の膨張式冷凍機
は、大型機の場合、鉛直方向にかさ張って据え付け工事
および補修や保守点検が大掛かりになるという問題があ
った。このため、膨張式冷凍機を横置きにしている。
【0004】図4は、横置型膨張式冷凍機のシール構造
を示す断面図である。図4において、シリンダ61に嵌
合されたディスプレーサ62の外周に、シール溝63が
環状に形成されている。このシール溝63には、コイル
スプリング64と断面矩形のシールリング65が嵌め込
まれている。シール溝63の深さdは、シールリング6
5の高さhよりも大きくなっている。そして、上記コイ
ルスプリング64はシールリング65を半径方向外側に
シリンダ61に向けて押し付けて、ディスプレーサ62
とシリンダ61の間を密封している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
横置型膨張式冷凍機では、ディスプレーサ62の重量は
密封に必要なコイルスプリング64の力よりも大きい。
このため、ディスプレーサ62の重量がコイルスプリン
グ64の力に打ち勝つ。そして、シール溝63の深さd
がシールリング65の高さhよりも大きいため、図4に
示すように、シールリング65の下側の部分は、シール
溝63の中に完全に押し込まれる。図5はシールリング
65の下側の部分の拡大図である。このように、シール
リング65がシール溝63の中に完全に押し込まれる
と、シリンダ61とディスプレーサ62とが直接接触す
る。冷凍機の作動時には、ディスプレーサ62は、シリ
ンダ61とディスプレーサ62とが直接接触した状態
で、往復運動する。このため、シリンダ61とディスプ
レーサ62とが擦り合って、熱を発生して、冷凍能力を
低下させ、かつ、それらが摩耗するという問題がある。
【0006】この問題を解決するために、上記ディスプ
レーサ62の重量に打ち勝つことができる弾性力の大き
なコイルスプリングを使用すると、シリンダ61を押す
シールリング65の力が過大になって、シールリング6
5とシリンダ61の間の摩擦が大きくなる。このため、
シールリング65とシリンダ61の発熱が大きくなっ
て、冷凍機の冷凍能力が低下し、また、シールリング6
5の耐久性が低下するという問題が生じる。
【0007】そこで、本発明の目的は、冷凍機を配置す
る方向の如何に拘わらず、シリンダとディスプレーサが
直接接触することがなく、また、シリンダとシールリン
グの間の摩擦による発熱が小さくて、かつ、漏れのない
冷凍機のシール構造および冷凍能力の優れた膨張式冷凍
機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の冷凍機のシール構造は、シリンダ
に嵌合されたディスプレーサの外周に環状に形成された
シール溝と、このシール溝に嵌合されたシールリング
と、このシールリングをシリンダに向けて付勢するスプ
リングとを備えている冷凍機のシール構造において、上
記シールリングの断面が凹形状をなし、上記スプリング
が上記シールリングの凹部とシール溝の底との間にあっ
て、上記シールリングの高さが上記シール溝の深さより
大きいことを特徴としている。
【0009】請求項1に記載の冷凍機のシール構造によ
れば、シールリングの断面が凹形状をなし、シールリン
グの高さがシール溝の深さより大きいから、シールリン
グがシール溝に完全に押し込まれることは無い。このた
め、シールリングがシール溝に押し込まれることによっ
て起こるディスプレーサとシリンダとの直接的な接触は
起こらず、シリンダとディスプレーサの摩擦による発熱
はなくなる。
【0010】また、シールリングがシール溝に完全に没
入することがないから、スプリングの力をディスプレー
サを支持するように大きくする必要がなく、したがって
シールリングは滑らかにスライドすることができる。そ
のため、シールリングとシリンダの間の摩擦を小さく
し、シールの発熱を小さくできて、冷凍機の能力を向上
できる。また、シールリングの耐久性が向上する。
【0011】さらに、スプリングが上記シールリングの
凹部とシール溝の底との間にあって、シールリングをシ
リンダに向けて付勢する。上記スプリングは、密閉に必
要な所定の力でシールリングに向けて押し付けるので、
漏れを防止できる。
【0012】また、上記断面凹形状のシールリングの両
側部でシールリングがシール溝の底に支持されるので、
シールリングが傾くことはない。したがって、良好なシ
ール性が得られる。
【0013】請求項2に記載の膨張式冷凍機は、請求項
1の冷凍機のシール構造を有するディスプレーサを備え
たことを特徴としている。
【0014】請求項2に記載の膨張式冷凍機によれば、
膨張式冷凍機を横に置いても、シールリングがシール溝
の中に完全に没入することがない。したがって、シリン
ダの内周面とディスプレーサとが直接摺動することがな
く、シリンダ内周面とディスプレーサとの摺動による摩
擦熱が発生することはない。さらに、シールリングの背
が高いから、シールリングはそれのみでディスプレーサ
を常にシリンダに支持し、しかも、スプリングの力を密
封に必要なだけの小さい力とできるので、シールリング
とシリンダとの間の摩擦熱を小さくして、スムーズにシ
ールリングを動かすことができる。したがって、摩擦熱
が小さくなって、冷凍機の冷凍能力を高くできる。ま
た、シールリングの耐久性が向上する。さらに、上記断
面凹形状のシールリングが両側部でシール溝の底に支持
されるので、シールリングが傾くことはなく、良好なシ
ール性が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
により詳細に説明する。
【0016】図1は、横置型の膨張式冷凍機の一実施の
形態の断面図である。この膨張式冷凍機は、シール構造
を除いたその他の構成および作用は、図3の従来例と全
く同じなので、それらの説明は省略する。
【0017】この実施の形態は、図1に示すように、横
置きのシリンダ1に嵌合するディスプレーサ2の外周
に、シール溝3を環状に形成し、上記シール溝3の中に
環状のコイルスプリング4とシールリング5を嵌め込ん
でいる。このシールリング5は、図2に示すように、断
面が凹の形状をして、シールリング5の高さHがシール
溝3の深さDよりも大きい。上記コイルスプリング4
は、シールリング5の凹部6とシール溝3の底部との間
にあって、シールリング5を密封に必要な所定の力で半
径方向外側にシリンダ1の内周面8に向けて押し付けて
いる。
【0018】上記シリンダ1の下部側では、ディスプレ
ーサ2の重量がコイルスプリング4に掛かって、シール
リング5をシール溝3に完全に没入させようとする。し
かし、図2に示すように、上記シールリング5の高さH
がディスプレーサ2の溝の深さDよりも大きいので、断
面凹形状のシールリング5はシール溝3に完全に没入す
ることはなく、断面凹形状のシールリング5の両端部5
a,5aはシール溝3の底に当接する。すなわち、シー
ルリング5がディスプレーサ2を支持する。このよう
に、シールリング5の両端部5a,5aでシールリング
5がシール溝3の底に支持されるから、シールリング5
が傾くことはない。したがって、良好なシール性が得ら
れる。
【0019】一方、シリンダ1の上部側では、図1に示
すように、ディスプレーサ2の重量はシールリング5に
掛からず、コイルスプリング4の力によって、シールリ
ング5がシリンダ1の内周面8に押し付けられる。こう
して、シールリング5はディスプレーサ2とシリンダ1
の間を密封する。
【0020】このように、シールリング5の断面が凹形
状をなし、シールリング5の高さHがシール溝の深さD
より大きいから、シールリング5がシール溝3に完全に
押し込まれることは無い。したがって、シールリング5
がシール溝3に完全に押し込まれることによって起こる
シリンダ1とディスプレーサ2との直接的な接触は起こ
らない。このため、シリンダ1とディスプレーサ2の摩
擦による発熱はなくなる。
【0021】また、シールリング5がシール溝3に完全
に没入することがないから、ディスプレーサ2の重量を
支持するためにコイルスプリング4の力を大きくする必
要がない。したがって、コイルスプリング4の力は密封
に要する力のみでよい。そのため、コイルスプリング4
の力でディスプレーサ2の重量を支持する場合と比較し
て、シールリング5を押すコイルスプリング4の力は小
さくできる。したがって、シリンダ1とシールリング5
との間の摩擦が小さくなり、シリンダ1とシールリング
5の間で生じる摩擦熱を小さくできる。この小さな摩擦
熱によって冷凍機の能力を向上することができる。ま
た、摩擦が小さいことから、シールリング5の耐久性も
向上する。
【0022】また、コイルスプリング4が上記シールリ
ング5の凹部6とシール溝3の底との間にあって、シー
ルリング5をシリンダ1に向けて付勢している。上記コ
イルスプリング4は、密閉に必要な所定の力でシールリ
ング5に向けて押し付けるので、漏れを防止できる。
【0023】また、シールリング5は、断面が凹形状を
していて、凹形状の両側部5a,5aがシール溝3の底
に当接してディスプレーサ2を支持する。このように、
上記シールリング5の両側部5a,5aでシールリング
5がシール溝3の底に支持されるから、シールリング5
が傾くことはない。したがって、良好なシール性が得ら
れて、シールリング5は滑らかにスライドすることがで
きる。
【0024】このように、シリンダ1の下部側では、シ
ールリング5がシリンダ溝3の底部に当接してディスプ
レーサ2の重量を支えるので、コイルスプリング4がデ
ィスプレーサ2の重量を支持する場合のように、コイル
スプリング4は大きな力を必要とせず、密封に必要な力
だけでよい。その結果、シリンダ1とコイルスプリング
4との間の摩擦力は最小限とすることができ、シールリ
ング4の発熱を小さくできて、冷凍機の冷凍能力を向上
できる。
【0025】なお、本実施の形態では、スプリングとし
てコイルスプリングを使用したが、板状のスプリングで
あっもよいし、テープコイルを使用してもよい。
【0026】また、上記実施の形態では、各ディスプレ
ーサに1本のシールリングを使用しているが、各ディス
プレーサに2本以上のシールリングを使用して、シール
リング1本当たりに掛かるディスプレーサの重量を軽減
してもよい。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の冷凍機のシール構造は、シールリングの断面が凹形
状をなし、シールリングの高さがシール溝の深さより大
きいので、シールリングがシール溝に完全に没入するこ
とがなくて、ディスプレーサとシリンダとの直接的な接
触は起こらず、シリンダとディスプレーサの摩擦による
発熱はなくなる。
【0028】また、シールリングがシール溝に完全に没
入することがないから、スプリングの力を、ディスプレ
ーサを支持する場合のように大きくする必要がなく、し
たがってシールリングは滑らかにスライドすることがで
きる。そのため、シールリングとシリンダの間の摩擦を
小さくし、シールの発熱を小さくできて、冷凍機の能力
を向上できる。また、シールリングの耐久性が向上す
る。さらに、スプリングが上記シールリングの凹部とシ
ール溝の底との間にあって、シールリングをシリンダの
内周面に向けて付勢するので、漏れを防止できる。
【0029】また、上記シールリングにディスプレーサ
から大きな力が掛かった場合には、断面凹形状のシール
リングの両側部でシールリングがシール溝の底に支持さ
れるので、シールリングが傾くことはない。したがっ
て、良好なシール性が得られる。
【0030】請求項2に記載の膨張式冷凍機は、請求項
1の冷凍機のシール構造を有するディスプレーサを備え
るので、膨張式冷凍機を横に置いてもシールリングがシ
ール溝の中に完全に没入することがない。したがって、
シリンダ内面とディスプレーサとが直接摺動することが
なく、シリンダ内面とディスプレーサとの摺動による摩
擦熱が発生することはない。さらに、シールリングの背
が高いから、シールリングはそれのみでディスプレーサ
を常にシリンダに支持し、しかも、スプリングの力を密
封に必要なだけの小さい力とできるので、シールリング
とシリンダとの間の摩擦が小さくなってスムーズにシー
ルリングを動かすことができる。したがって、摩擦熱が
小さくなって、冷凍機の冷凍能力を高くできる。また、
シールリングの耐久性が向上する。さらに、上記シール
リングにディスプレーサから大きな力が掛かった場合に
は、断面凹形状のシールリングが両側部でシール溝の底
に支持されるので、シールリングが傾くことはなく、良
好なシール性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の冷凍機のシール構造の一実施の形
態の断面図である。
【図2】 図1のシール構造の部分の拡大図である。
【図3】 従来の縦置型膨張式冷凍機の概略断面図で
ある。
【図4】 従来の冷凍機のシール構造の断面図であ
る。
【図5】 図4のシール構造の部分の拡大図である。
【符号の説明】
1…シリンダ、 2…ディスプレーサ、 3…シール
溝、4…コイルスプリング、 5…シールリング、 6
…凹部、 H…高さ、D…深さ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(1)に嵌合されたディスプレ
    ーサ(2)の外周に環状に形成されたシール溝(3)と、こ
    のシール溝(3)に嵌合されたシールリング(5)と、この
    シールリング(5)をシリンダ(1)に向けて付勢するスプ
    リング(4)とを備えている冷凍機のシール構造におい
    て、 上記シールリング(5)の断面が凹形状をなし、上記スプ
    リング(4)が上記シールリング(5)の凹部(6)とシール
    溝(3)の底との間にあって、上記シールリング(5)の高
    さ(H)が上記シール溝(3)の深さ(D)より大きいことを
    特徴とする冷凍機のシール構造。
  2. 【請求項2】 請求項1の冷凍機のシール構造を有す
    るディスプレーサ(2)を備えたことを特徴とする膨張式
    冷凍機。
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