JPH1137273A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH1137273A
JPH1137273A JP20990497A JP20990497A JPH1137273A JP H1137273 A JPH1137273 A JP H1137273A JP 20990497 A JP20990497 A JP 20990497A JP 20990497 A JP20990497 A JP 20990497A JP H1137273 A JPH1137273 A JP H1137273A
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Kuniaki Murakami
邦昭 村上
Toru Matsubara
亨 松原
Yoji Takanami
陽二 高波
Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Koji Taniguchi
浩司 谷口
Yoshinobu Nozaki
芳信 野崎
Hiroya Nakamura
泰也 中村
Kagenori Fukumura
景範 福村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後進レンジから前進レンジへのマニュアルシ
フトが行われた場合のショックを可及的に抑制すること
の可能な自動変速機の制御装置を提供する。 【解決手段】 並列して配置された複数の摩擦係合装置
を備え、後進レンジから前進レンジにマニュアルシフト
された場合に、第1の摩擦係合装置が解放され、かつ、
第2の摩擦係合装置が係合される自動変速機の制御装置
において、後進レンジから前進レンジにマニュアルシフ
トされたことを検出するマニュアルシフト検出手段(ス
テップ1)と、後進レンジから前進レンジにマニュアル
シフトされたことが検出された場合に、第2の摩擦係合
装置の係合を遅延させる遅延手段(ステップ2,3)と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の自動変
速機における変速を制御する装置に関し、特に後進レン
ジから前進レンジにマニュアルシフトした場合の制御を
行う装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように通常の車両用の自動変速機
は、車両を前進させるための前進レンジ(ドライブレン
ジ)と、車両を後進させるするための後進レンジ(リバ
ースレンジ)とを備えている。そして、シフト装置を手
動操作することによって、ドライブまたはリバースレン
ジを選択するように構成されている。
【0003】このリバースレンジからドライブレンジへ
のマニュアルシフトは、通常、車両をほぼ停止させた状
態で行うから、一般には、ドライブレンジにシフトする
ことによって第1速が設定される。この場合、変速制御
を容易にするために、第1速を設定するべく係合させる
摩擦係合装置の数が可及的に少なくなるように構成する
が、他の要因によって2つ以上の摩擦係合装置を係合さ
せる場合がある。その一例が特開平8−277920号
公報に記載されている。
【0004】この公報に記載された自動変速機は、変速
比が“1”以下のオーバードライブ段を設定するための
副変速部と、後進状態および前進4段を設定する主変速
部とを備えており、副変速部が主変速部に対して前置さ
れたギヤトレーンを構成している。その主変速部を後進
状態に設定して得られる変速比が大きすぎるので、後進
段では副変速部のブレーキを係合させてオーバードライ
ブ状態としている。これに対して前進第1速ないし第4
速は、副変速部を直結状態にして設定するように構成さ
れている。
【0005】したがって、上記の公報に記載された自動
変速機では、リバースレンジからニュートラルレンジを
経てドライブレンジにマニュアルシフトした場合、副変
速部をオーバードライブ状態から直結状態に切り換える
ために前記ブレーキを解放するとともに所定のクラッチ
を係合させ、かつ主変速部における所定のクラッチを係
合させることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載された自動変速機の制御装置においては、リバ
ースレンジからニュートラルレンジを経てドライブレン
ジにマニュアルシフトされた場合に、後進段を設定する
第2クラッチおよび第4ブレーキの油圧をドレーンする
制御と、前進段の第1速を設定する第1クラッチに油圧
を供給する制御とがほぼ並行して行われていた。
【0007】このため、後進段を設定する摩擦係合装置
と、前進段の第1速を設定する摩擦係合装置とが、共に
大きなトルク容量をもつ、いわゆるタイアップ状態にな
り、シフトショックが生じる可能性があった。
【0008】ところで、リバースレンジからニュートラ
ルレンジを経てドライブレンジにマニュアルシフトした
場合、変速過渡期の摩擦係合装置の油圧の制御は、それ
ぞれの後進段または前進段に関与する摩擦係合装置に付
設してある複数のアキュームレータの背圧を制御するこ
とにより行われる。各アキュームレータの背圧の制御
は、単一のアキュームレータコントロールバルブの出力
圧によって制御されている。
【0009】そして、上記公報に記載されたギヤトレー
ンは後進段の変速比が大きく、第2クラッチおよび第4
ブレーキを急激に解放したのではシフトショックが生じ
るため、摩擦係合装置の解放を緩慢に行っている。具体
的には第2クラッチのアキュームレータ背圧を低くして
その解放を促すとともに、第4ブレーキの油圧のドレー
ン速度を制御することにより、自動変速機の出力トルク
の変動割合を小さくし、そのショックを防止している。
【0010】これに対して、ドライブレンジで設定され
る第1速は、第1クラッチを係合することにより達成さ
れ、第1速を迅速に達成してトルク容量を確保する必要
から、第1クラッチのアキュームレータ背圧を高く設定
し、第1クラッチの係合を速めるように制御している。
つまり、リバースレンジからニュートラルレンジを経て
ドライブレンジにマニュアルシフトした場合、リバース
レンジからニュートラルレンジへのシフトの際のアキュ
ームレータ背圧の制御と、それに続くニュートラルレン
ジからドライブレンジへのシフトに伴うアキュームレー
タ背圧の制御とが異なっている。
【0011】したがって、リバースレンジからニュート
ラルレンジにシフトした際の第2クラッチのアキューム
レータ背圧を、ニュートラルレンジからドライブレンジ
にシフトした際に係合させられる第1クラッチ背圧より
も小さく設定している場合は、リバースレンジからニュ
ートラルレンジを経てドライブレンジにシフトする段階
でアキュームレータ背圧が高められるから、後進段を設
定している摩擦係合装置のアキュームレータ背圧が高く
なって、その摩擦係合装置の解放が遅れる。その結果、
ドライブレンジの達成時、具体的には第1速が設定され
る際に、リバースレンジ状態からドライブレンジ状態に
強制的に変更させることになり、出力軸以降の動力伝達
系に加わるトルク方向が急激に変化し、変速ショックが
大きくなる。
【0012】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たものであり、後進レンジから前進レンジへのマニュア
ルシフトが行われた場合のショックを可及的に抑制する
ことの可能な自動変速機の制御装置を提供することを目
的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、後進段を設定
する第1の摩擦係合装置と、前進段を設定する第2の摩
擦係合装置とを備え、後進レンジから前進レンジにマニ
ュアルシフトされた場合に、前記第1の摩擦係合装置を
解放させ、かつ、前記第2の摩擦係合装置を係合させる
制御が行われる自動変速機の制御装置において、後進レ
ンジから前進レンジにマニュアルシフトされたことを検
出するマニュアルシフト検出手段と、自動変速機が後進
レンジから前進レンジにマニュアルシフトされたことが
検出された場合に、前記第2の摩擦係合装置の係合を遅
延させる遅延手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】請求項1の発明によれば、後進レンジから
前進レンジにマニュアルシフトされた場合は、前進段を
設定する第2の摩擦係合装置の係合が遅延されるため、
第1の摩擦係合装置および第2の摩擦係合装置が、共に
大きなトルク容量をもつタイアップ状態が可及的に抑制
される。
【0015】また、請求項2の発明は、後進段を設定す
る第1の摩擦係合装置と、前進段を設定する第2の摩擦
係合装置と、前記第1の摩擦係合装置に作用する油圧を
制御する第1のアキュームレータと、前記第2の摩擦係
合装置に作用する油圧を制御する第2のアキュームレー
タとを備え、後進レンジからニュートラルレンジにマニ
ュアルシフトされた場合における前記第1のアキューム
レータおよび第2のアキュームレータの背圧よりも、ニ
ュートラルレンジから前進レンジにマニュアルシフトさ
れた場合における前記第1のアキュームレータおよび第
2のアキュームレータの背圧を高く設定する制御が行わ
れる自動変速機の制御装置において、自動変速機がニュ
ートラルレンジから前進レンジにマニュアルシフトされ
た状態で車両の加速要求の有無を検出する加速要求検出
手段と、前記加速要求が検出された場合における前記第
1のアキュームレータおよび第2のアキュームレータの
背圧を、前記加速要求が検出されない場合における前記
第1のアキュームレータおよび第2のアキュームレータ
の背圧よりも低く設定するアキュームレータ背圧制御手
段とを備えていることを特徴とする。
【0016】請求項2の発明によれば、後進レンジから
前進レンジにマニュアルシフトされたとしても、加速要
求が検出されない場合は、後進段を設定する第1の摩擦
係合装置の解放が緩慢に行なわれ、かつ、前進段を設定
する第2の摩擦係合装置の係合が緩慢に行なわれる。し
たがって、自動変速機の出力トルクの急激な変化が抑制
される。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図を参照してよ
り具体的に説明する。先ず、全体的な制御系統について
説明すると、図2は、原動機の一例としてのエンジン1
および自動変速機2についての制御系統図を示してお
り、アクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号がエン
ジン用電子制御装置4に入力されている。
【0018】またエンジン1の吸気配管には、スロット
ルアクチュエータ5によって駆動される電子スロットル
バルブ6が設けられている。そしてこの電子スロットル
バルブ6は、アクセルペダル3の踏み込み量に応じてエ
ンジン用電子制御装置4からスロットルアクチュエータ
5に制御信号が出力され、その制御量に応じて開度が制
御されるようになっている。
【0019】エンジン1を制御するためのエンジン用電
子制御装置4は、中央演算処理装置(CPU)および記
憶装置(RAM,ROM)ならびに入出力インターフェ
ースを主体とするものであって、このエンジン用電子制
御装置4には、上記のアクセルペダル3の踏み込み量に
応じた信号に加えて、エンジン回転速度Ne 、吸入空気
量Q、吸入空気温度、電子スロットルバルブ6の開度を
検出するアイドルスイッチ、車速、エンジン水温、ブレ
ーキスイッチの出力信号などが、制御データとして入力
されている。
【0020】また、エンジン用電子制御装置4は、上記
のスロットルアクチュエータ5の制御に加えて、自動変
速機2の変速時などにおいて、エンジン1のトルク制御
のために燃料噴射装置7や点火時期を変更するイグナイ
タ8などに信号を出力するように構成されている。
【0021】上記エンジン1に連結された自動変速機2
は、油圧を電気的に制御して変速やロックアップクラッ
チの係合・解放の制御などを行ういわゆる電子制御式の
自動変速機である。そして、自動変速機2の油圧を制御
する油圧制御装置9は、主として変速を実行するための
3つのシフトソレノイドバルブSOL1 ,SOL2 ,SOL3
と、主としてエンジンブレーキ状態を制御するソレノイ
ドバルブSOL4 と、主としてロックアップクラッチを制
御するリニアソレノイドバルブSLUと、スロットル開度
に応じてライン圧を制御するリニアソレノイドバルブS
LTと、主としてアキュームレータの背圧を制御するリニ
アソレノイドバルブSLNとを備えている。
【0022】この油圧制御装置9における各ソレノイド
バルブに制御信号を出力する自動変速機用電子制御装置
10が設けられている。この自動変速機用電子制御装置
10は、前述したエンジン用電子制御装置4と同様に、
中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM,
ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とする
ものである。したがって、必要に応じてエンジン用電子
制御装置4と、自動変速機用電子制御装置10とを統合
・一体化することができる。
【0023】この自動変速機用電子制御装置10には、
自動変速機2の変速やロックアップクラッチを制御する
ために、予め変速マップや演算式が記憶されている。こ
の変速マップは、スロットル開度および車速を基準とす
るものであり、変速マップには、低速段から高速段にア
ップシフトすることを許可するアップダウンシフト線、
高速段から低速段にダウンシフトすることを許可するダ
ウンシフト線、ロックアップクラッチの係合・解放領域
などが設定されている。そして、自動変速機用電子制御
装置10に入力されるデータに基づく演算を行い、その
演算結果に基づいた制御信号を前記各ソレノイドバルブ
に出力して変速やロックアップクラッチの係合・解放の
制御ならびに変速時の過渡油圧の制御などを実行するよ
うに構成されている。
【0024】そして自動変速機用電子制御装置10に
は、制御データとして、上記の電子スロットルバルブ6
の開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチの出力
信号に加えて、自動変速機2のレンジを選択するシフト
装置(図示せず)のマニュアルシフトスイッチの出力信
号、パターンセレクトスイッチの出力信号、後述するク
ラッチC0 の回転数を検出するC0 センサからの出力信
号、第2クラッチC2 の回転数を検出するC2 センサの
出力信号、自動変速機2の油温、オーバードライブスイ
ッチの出力信号などが入力されている。
【0025】上記各電子制御装置4,10は、相互にデ
ータ通信可能に接続されており、特に自動変速機用電子
制御装置10からエンジン用電子制御装置4には、各変
速段を設定する信号が送信されており、またエンジン用
電子制御装置4から自動変速機用電子制御装置10に
は、エンジン1の一回転当たりの吸入空気量(Q/N
e)が送信されている。
【0026】上記の自動変速機2は、前進5段・後進1
段の変速段を設定することができ、そのギヤトレーンの
一例を図3に示してある。図3において、自動変速機2
はトルクコンバータ13を介してエンジン1に連結され
ている。このトルクコンバータ13は、エンジン1のク
ランク軸14に連結されたポンプインペラ15と、自動
変速機2の入力軸16に連結されたタービンランナー1
7と、これらポンプインペラ5とタービンランナー17
との間を直結するロックアップクラッチ18と、一方向
クラッチ19によって一方向の回転が阻止されているス
テータ20とを備えている。
【0027】上記自動変速機2は、ハイおよびローの2
段の切り換えを行う副変速部21と、後進段および前進
4段の切り換えが可能な主変速部22とを備えている。
副変速部21は、サンギヤS0 、リングギヤR0 、およ
びキャリヤK0 に回転可能に支持されてそれらサンギヤ
S0 およびリングギヤR0 に噛み合わされているピニオ
ンP0 からなる遊星歯車装置23と、サンギヤS0 とキ
ャリヤK0 との間に設けられたクラッチC0 および一方
向クラッチF0 と、サンギヤS0 とハウジング29との
間に設けられたブレーキB0 とを備えている。
【0028】主変速部22は、サンギヤS1 、リングギ
ヤR1 、およびキャリヤK1 に回転可能に支持されてそ
れらサンギヤS1 およびリングギヤR1 に噛み合わされ
ているピニオンP1 からなる第1遊星歯車装置24と、
サンギヤS2 、リングギヤR2 、およびキャリヤK2 に
回転可能に支持されてそれらサンギヤS2 およびリング
ギヤR2 に噛み合わされているピニオンP2 からなる第
2遊星歯車装置25と、サンギヤS3 、リングギヤR3
、およびキャリヤK3 に回転可能に支持されてそれら
サンギヤS3 およびリングギヤR3 に噛み合わされてい
るピニオンP3 からなる第3遊星歯車装置26とを備え
ている。
【0029】上記サンギヤS1 とサンギヤS2 とは互い
に一体的に連結され、リングギヤR1 とキャリヤK2 と
キャリヤK3 とが一体的に連結され、そのキャリヤK3
は出力軸27に連結されている。また、リングギヤR2
がサンギヤS3 に一体的に連結されている。そして、リ
ングギヤR2 およびサンギヤS3 と中間軸28との間に
第1クラッチC1 が設けられ、サンギヤS1 およびサン
ギヤS2 と中間軸28との間に第2クラッチC2 が設け
られている。
【0030】またブレーキ手段として、サンギヤS1 お
よびサンギヤS2 の回転を止めるためのバンド形式の第
1ブレーキB1 がハウジング29に設けられている。ま
た、サンギヤS1 およびサンギヤS2 とハウジング29
との間には、第1一方向クラッチF1 およびブレーキB
2 が直列に設けられている。この第1一方向クラッチF
1 は、サンギヤS1 およびサンギヤS2 が入力軸6と反
対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるよう
に構成されている。
【0031】キャリヤK1 とハウジング29との間には
第3ブレーキB3 が設けられており、リングギヤR3 と
ハウジング29との間には、第4ブレーキB4 と第2一
方向クラッチF2 とが並列に設けられている。この第2
一方向クラッチF2 は、リングギヤR3 が逆回転しよう
とする際に係合させられるように構成されている。上記
クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2
,B3 ,B4 は、油圧が作用することにより摩擦材が
係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0032】そして副変速部23におけるクラッチC0
の回転数、すなわち入力回転数を検出するC0 センサ3
0と、主変速部22における第2クラッチC2 の回転数
を検出するC2 センサ31が設けられている。なお、こ
れらのセンサ30,31は、前述したように自動変速機
用電子制御装置10に接続されている。
【0033】上記の自動変速機2では、前進5段と後進
段とを設定することができ、これらの変速段を設定する
ための各摩擦係合装置の係合・解放の状態を図4の係合
作動図表に示してある。なお、図4において○印は係合
状態、◎印は係合してもトルク伝達に関係しないこと
を、●印はエンジンブレーキを効かせるために係合する
ことを、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0034】すなわち、上記構成の自動変速機2におい
ては、リバースレンジからドライブレンジにマニュアル
シフトされた場合は、第2クラッチC2 および第4ブレ
ーキB4 が解放され、第1クラッチC1 が係合されるよ
うに構成されている。このための油圧回路の一部が図5
に示されている。各レンジを設定するためのマニュアル
バルブ32は、従来使用されているものと同様である。
このマニュアルバルブ32は、シフト装置(図示せず)
によってスプールが移動され、入力ポート32AをDレ
ンジポート33やRレンジポート34などに選択的に連
通させるように構成されている。このRレンジポート3
4には、第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 が接
続されている。
【0035】また、Dレンジポート33には油圧回路3
5を介して第1クラッチC1 が接続されている。さらに
油圧回路35に並列して油圧回路36が配置され、油圧
回路36が、オリフィスコントロールバルブ37の入力
ポート38に接続されている。このオリフィスコントロ
ールバルブ37は、スプリングにより所定方向に押圧さ
れるスプールを備えた公知の構造のものである。
【0036】そして、オリフィスコントロールバルブ3
8の信号圧入力ポート39には、リニアソレノイドバル
ブSLUの信号圧PSLUが入力されるように構成されてい
る。また、オリフィスコントロールバルブ37の出力ポ
ート40および制御ポート41が、第1クラッチC1 に
接続されている。
【0037】なお、リニアソレノイドバルブSLUは、デ
ューティ制御されてデューティ比DSLU に応じた信号圧
PSLU を出力するバルブである。そのデューティ比DSL
U と信号圧PSLU との関係は、図5に付記してあるとお
りであり、デューティ比DSLU が大きくなるに従って信
号圧PSLU が上昇するように構成されている。
【0038】前記油圧回路35の中途部位には、オリフ
ィス42を介してアキュームレータ43が配置されてい
る。このアキュームレータ43はスプリングおよびピス
トンを備えた公知の構造のものである。なお、前記油圧
回路35における油圧回路36との分岐位置とアキュー
ムレータ42との間には、オリフィス43が配置されて
いる。
【0039】上記構成において、リニアソレノイドバル
ブSLUの信号圧PSLU が信号圧入力ポート39に入力さ
れた場合は、オリフィスコントロールバルブ37のスプ
ールがスプリングの弾性力に抗して移動し、入力ポート
38と出力ポート40とが遮断される。一方、リニアソ
レノイドバルブSLUの信号圧PSLU が信号圧入力ポート
39に入力されなくなった場合は、オリフィスコントロ
ールバルブ37のスプールがスプリングの弾性力により
移動し、入力ポート38と出力ポート40とが接続され
る。
【0040】ところで、図3に示されたクラッチやブレ
ーキなどの摩擦係合装置は、負荷されるトルクによって
滑りを生じない範囲で必要十分なトルク容量を持つよう
に構成され、また変速時には、実際のトルクに適したト
ルク容量になるように制御される。
【0041】具体的には、後進(リバース)レンジから
ニュートラルレンジを経て前進(ドライブ)レンジにマ
ニュアルシフトした場合、変速過渡期の摩擦係合装置の
油圧の制御は、それぞれの後進段または前進段に関与す
る摩擦係合装置に付設してあるアキュームレータの背圧
を制御することにより行われる。このアキュームレータ
の背圧の制御は、単一のアキュームレータコントロール
バルブの出力圧によって制御されている。
【0042】そして、図3に示されたギヤトレーンは後
進段の変速比が大きいため、第2クラッチC2 および第
4ブレーキB4 を急激に解放したのではシフトショック
が生じるため、摩擦係合装置の解放を緩慢に行ってい
る。具体的には第2クラッチC2 のアキュームレータ背
圧を低くしてその解放を促すとともに、第4ブレーキB
4 の油圧のドレーン速度を制御することにより、自動変
速機2の出力トルクの変動割合を小さくし、そのショッ
クを防止している。
【0043】これに対して、ドライブレンジで設定され
る第1速は、第1クラッチC1 を係合することにより達
成され、第1速を迅速に達成してトルク容量を確保する
必要から、第1クラッチC1 のアキュームレータ背圧を
高く設定し、第1クラッチC1 の係合を速めるように制
御している。つまり、リバースレンジからニュートラル
レンジを経てドライブレンジにマニュアルシフトした場
合、リバースレンジからニュートラルレンジへのシフト
の際のアキュームレータ背圧と、それに続くニュートラ
ルレンジからドライブレンジへのシフトに伴うアキュー
ムレータ背圧とを異ならせる制御が行われる。
【0044】このような変速過渡期における油圧制御を
行うために、油圧制御装置9には、トルクに応じた油圧
を発生させるための構成が組み込まれている。その一例
を図6に示してある。
【0045】図6において、オイルポンプ60によって
汲み上げたオイルをライン圧PL に調圧するプライマリ
ーレギューレータバルブ61が設けられている。このプ
ライマリレギュレータバルブ61はスプールタイプのバ
ルブであって、入出力ポート62にオイルポンプ60が
連通されている。また、入出力ポート62に、オリフィ
ス63を介して連通させたフィードバックポート64
が、スプールを挟んでスプリング65とは反対側に形成
されている。また、スプリング65による押圧力と同方
向に信号圧PSLT が作用するように、リニアソレノイド
バルブSLTが接続されている。したがって、スプリング
力および信号圧PSLT による軸方向力と、フィードバッ
ク圧とを対抗させ、フィードバック圧による軸方向力の
方が大きい場合に、入出力ポート62をドレーンポート
66に連通させることにより、スプリング力および信号
圧PSLT に応じたライン圧PL をライン圧油路67に発
生させるように構成されている。
【0046】なお、リニアソレノイドバルブSLTは、デ
ューティ制御されてデューティ比DSLT に応じた信号圧
PSLT を出力するバルブである。そのデューティ比DSL
T と信号圧PSLT との関係は、図6に付記してあるとお
りであり、デューティ比DSLT が大きくなるに従って信
号圧PSLT が低下するように構成されている。
【0047】このデューティ比DSLT を決定する項目に
は、スロットル開度に応じて決められる項目を含んでお
り、スロットル開度が増大するに従ってデューティ比D
SLTが小さくなるように制御される。すなわちスロット
ル開度が増大してエンジン出力が大きくなった場合に
は、プライマリーレギュレータバルブ61の調圧レベル
が高くなり、その結果、ライン圧PL が高くなって摩擦
係合装置の係合圧、すなわちトルク容量が増大する。し
たがって、摩擦係合装置のトルク容量が負荷されるトル
クに適した値になり、所定の変速段を設定でき、また同
時に過剰な油圧を発生させないので、動力損失が防止さ
れる。
【0048】また図6に示すように、上記の油圧制御装
置9には、アキュームレータコントロールバルブ68が
設けられている。このアキュームレータコントロールバ
ルブ68は、前述した第1クラッチC1 ,第2クラッチ
C2 や、ブレーキB0 ,第2ブレーキB2 に連通させて
あるアキュームレータ69,70,71,72の背圧P
ACCを制御する調圧バルブである。このアキュームレー
タコントロールバルブ68は、前記リニアソレノイドバ
ルブSLNによって過渡的な調圧レベルを変更するととも
に、基本油圧をリニアソレノイドバルブSLTによって変
更するように構成されている。
【0049】すなわちこのアキュームレータコントロー
ルバルブ68は、ライン圧PL の入力される入力ポート
73を出力ポート74とドレーンポート75とに選択的
に連通させるスプールを備えており、その一端側にスプ
リング76が配置されるとともに、このスプリング76
と同方向に信号圧PSLT による押圧力が生じるようにリ
ニアソレノイドバルブSLTが接続されている。これとは
反対側の端部には、出力ポート74にオリフィス77を
介して連通させたフィードバックポート78が形成され
ている。そして出力ポート74が各アキュームレータ6
9,70,71,72の背圧室に連通されている。
【0050】したがって、リニアソレノイドバルブSLT
の信号圧PSLT が高くなると、アキュームレータコント
ロールバルブ68の調圧レベルが高くなり、アキューム
レータコントロールバルブ68の出力圧、すなわちアキ
ュームレータ背圧PACCが高くなるように構成されてい
る。前記リニアソレノイドバルブSLNは、デューティ制
御されてデューティ比DSLN に応じた信号圧PSLN を出
力するバルブである。そのデューティ比DSLN と信号圧
PSLN との関係は、図6に付記してあるとおりであり、
デューティ比DSLN が大きくなるに従って信号圧PSLN
が上昇するように構成されている。
【0051】(第1制御例)つぎに、上記ハード構成を
有する自動変速機の制御装置の一制御例を、図1のフロ
ーチャートおよび図5の油圧回路図、ならびに図7のタ
イムチャートに基づいて説明する。この第1制御例は、
この発明の請求項1に対応する制御例である。まず、シ
フト装置がリバースレンジに設定されている場合は、入
力ポート32に入力されたライン圧PL が、Rレンジポ
ート34を介して第2クラッチC2 および第4ブレーキ
B4 に供給され、第2クラッチC2 および第4ブレーキ
B4 が係合している。
【0052】そして、シフト装置がリバースレンジから
ドライブレンジにマニュアルシフトされたか否かが判断
される(ステップ1)。このステップ1の判断は、リバ
ースレンジスイッチがONからOFFに切り換えられた
こと、ニュートラルレンジスイッチがONからOFFに
切り換えられたこと、電子スロットルバルブ6のアイド
ルスイッチがONされていること、ブレーキスイッチが
ONされていること、の条件に基づいて行われる。
【0053】上記全ての条件が満たされた場合、言い換
えれば、シフト装置がリバースレンジからドライブレン
ジにマニュアルシフトされ、かつ、マニュアルシフトの
時点で運転者に車両を加速させる意図がない場合にはス
テップ1で肯定判断され、ステップ2に進む。シフト装
置がドライブレンジに設定された場合は、第2クラッチ
C2 および第4ブレーキB4 に作用していた油圧がドレ
ーンされ、第2クラッチC2 および第4ブレーキB4 が
解放される。これと同時に、入力ポート32Aに入力さ
れたライン圧PL が、Dレンジポート33に供給され
る。
【0054】そして、ステップ2では、上記条件が全て
成立した時点から所定時間TMRDの間、リニアソレノイド
バルブSLUから所定の信号圧PSLUが出力され、この信
号圧PSLUがオリフィスコントロールバルブ37の信号
圧入力ポート39に入力される。ここで、所定時間TMRD
は、自動変速機2の油温をパラメータとするマップ値で
あり、予め自動変速機用電子制御装置10に設定されて
いる。すなわち、自動変速機2の油温の低下にともなっ
てその粘度が上昇し、油圧の伝達応答性が低下するから
である。したがって、自動変速機2の油温が低下するほ
ど、所定時間TMRDが可及的に短くなるような傾向のマッ
プが設定されている。
【0055】上記信号圧PSLUが信号圧入力ポート39
に入力されると、オリフィスコントロールバルブ37の
スプールが、スプリングの弾性力に抗して移動し、入力
ポート38と出力ポート40とが遮断される。このた
め、Dレンジポート33から出力されたライン圧PL が
油圧回路35を介して第1クラッチC1 に供給され、第
1クラッチC1 が係合される。ここで、油圧回路35を
流れる油の量がオリフィス43により制限されるため、
図7に実線で示すように、第1クラッチC1 の係合が遅
延されて可及的に低速度で係合される。また、第1クラ
ッチC1 に供給されるライン圧PL は、アキュームレー
タ43により一定の圧力に減圧され、変速に伴うショッ
クが軽減される。
【0056】そして、所定時間TMRDが経過した後、リニ
アソレノイドバルブSLUの信号圧DSLUを零にする制御
と、スクォート制御とが行われ(ステップ3)リターン
される。リニアソレノイドバルブSLUの信号圧DSLU が
零に制御された場合は、オリフィスコントロールバルブ
37の入力ポート38と出力ポート40とが接続され、
Dレンジポートから出力されたライン圧PL が、油圧回
路36および入力ポート38ならびに出力ポート40を
介して第1クラッチC1 に供給される。
【0057】また、スクォート制御が行われた場合は、
直ちに第1速に設定せずに、一旦第2速または第3速、
あるいはオーバードライブなどに設定した後、その後に
第1速が設定されてショックが緩和される。
【0058】なお、ステップ1において、電子スロット
ルバルブ6のアイドルスイッチがOFFされ、かつ、ブ
レーキスイッチがOFFされていることが検出された場
合は、運転者に車両を加速させる意図があることにな
る。したがって、自動変速機2に入力されるトルクの増
大に応じたトルク容量を確保するため、第1クラッチC
1 の遅延制御を行うことなくリターンする。
【0059】ここで、図1のフローチャートに示された
機能的手段と、請求項1の構成との対応関係を説明す
る。すなわち、ステップ1が、請求項1のマニュアルシ
フト検出手段に相当し、ステップ2,3が、請求項1の
遅延手段に相当する。
【0060】以上のように、第1制御例によれば、リバ
ースレンジからドライブレンジにマニュアルシフトされ
たことが検出された時点から、所定時間TMRDの間、第1
クラッチC1 に供給されるライン圧PL の油量が制限さ
れ、第1クラッチC1 の係合が遅延される。このため、
後進段を設定していた第2クラッチC2 および第4ブレ
ーキB4 と、前進段を設定する第1クラッチC1 とが、
共に大きなトルク容量をもつこと、つまりタイアップが
抑制されてショックを軽減できる。
【0061】ちなみに、、図7に点線で示すクラッチ油
圧は比較例を示している。この比較例では、後進段を設
定する摩擦係合装置の油圧をドレーンする制御と、前進
段の第1速を設定するクラッチに油圧を供給する制御と
がほぼ並行して行われる。このため、後進段を設定する
摩擦係合装置と、前進段の第1速を設定するクラッチと
が、共に大きなトルク容量をもつ、いわゆるタイアップ
状態になりショックが生じる。
【0062】なお、図1の制御例は、リバースレンジか
らニュートラルレンジにマニュアルシフトされた場合に
おける第2クラッチC2 のアキュームレータ(図示せ
ず)の背圧と、ニュートラルレンジからドライブレンジ
にマニュアルシフトされた場合における第1クラッチC
1 のアキュームレータ43の背圧との関係に関わりなく
適用可能である。すなわち、一方の背圧が他方の背圧よ
りも高く設定されている場合、または両方の背圧がほぼ
同一に設定されている場合のいずれにも適用可能であ
る。
【0063】また、図1のステップ2,3の制御内容の
代わりに、C2 センサ31により第2クラッチのC2 の
解放完了を検出した後に、第1クラッチC1 の係合を開
始させる制御内容の遅延手段を採用することも可能であ
る。
【0064】(第2実施例)つぎに、上記ハード構成を
有する自動変速機の制御装置の他の制御例を、図6の油
圧回路図および図8のフローチャートならびに図9のタ
イムチャートに基づいて説明する。この第2制御例は、
この発明の請求項2に対応する制御例である。まず、マ
ニュアルシフトスイッチの検出信号に基づいて、リバー
スレンジが設定されていることを示すフラグ1が立てら
れているか否かが判断される(ステップ1)。ステップ
1で肯定判断された場合は、その後にリバースレンジス
イッチがOFFされたか否かが判断される(ステップ
2)。
【0065】ここで、リバースレンジからニュートラル
レンジにマニュアルシフトされた場合はステップ2で肯
定判断され、ステップ3に進む。リバースレンジからニ
ュートラルレンジにマニュアルシフトされた時点から、
第2クラッチC2 に作用する油圧PC2 、および第4ブ
レーキB4 に作用する油圧PB4 が低下し、かつ、リニ
アソレノイドバルブSLNのデューティ比DSLNが、ほぼ
一定の値αに制御される。
【0066】つまり、アキュームレータ背圧PACCが低
圧に維持され、第2クラッチC2 が緩やかに解放され
る。なお、第4ブレーキB4 に作用する油圧PB4 にの
低下割合は、第2クラッチC2 に作用する油圧PC2 の
低下割合よりも小さく設定されている。この状態では、
自動変速機2の出力トルクは負側でほぼ一定に維持され
る。
【0067】そして、ステップ3では、ドライブレンジ
スイッチがONされたか否か、つまり、ニュートラルレ
ンジからドライブレンジにマニュアルシフトされたか否
かが判断される。ニュートラルレンジに維持されたまま
であれば、ステップ3で否定判断され、リニアソレノイ
ドバルブSLNのデューティ比DSLNの値がαに維持され
る(ステップ4)。
【0068】ついで、リバースレンジスイッチがOFF
されてからs秒以内であるか否かが判断され(ステップ
5)、ステップ5で肯定判断された場合はリターンされ
る。また、リバースレンジスイッチがOFFされてから
s秒を越えた場合はニュートラルレンジが維持されてい
ることになるため、ステップ5で否定判断されてステッ
プ6に進む。ステップ6ではフラグ1が零に戻され(ス
テップ6)、リターンされる。
【0069】また、ステップ3で肯定判断された場合
は、前進段の第1速を設定する第1クラッチC1 に油圧
PC1 の供給が開始され、かつ、リバースレンジスイッ
チがOFFされてからt秒以内か否かが判断される(ス
テップ7)。ステップ7で肯定判断された場合は、自動
変速機2の入力回転数NCOが、基準回転数Arpm 未満で
あるか否かが判断される(ステップ8)。この基準回転
数Arpm は、予め自動変速機用電子制御装置10に記憶
されている。ステップ8で肯定判断された場合は、運転
者が加速を意図していないことになるため、リニアソレ
ノイドバルブSLUのデューティ比DSLUの値を、αから
γに変更する制御が行われる(ステップ9)。ここで、
値γは、前記値αよりも若干低い値である。
【0070】このため、アキュームレータコントロール
バルブ68の制御ポート75に入力される信号圧PSLN
が、リバースレンジの場合とほぼ近似する値に維持さ
れ、アキュームレータコントロールバルブ68の調圧レ
ベルの低下割合が小さく制御される。つまり、アキュー
ムレータコントロールバルブ68の出力圧、すなわち、
アキュームレータ背圧PACCが低圧に維持される。した
がって、リバースレンジからニュートラルレンジを経て
ドライブレンジにマニュアルシフトされた場合のアキュ
ームレータ背圧PACCの上昇割合が小さく維持されて、
第2クラッチC2の油圧PC2 が、図9に実線で示すよ
うに緩やかに低下する。また、前進段の第1速を設定す
る第1クラッチC1 の油圧PC1 が、図9に実線で示す
ように緩やかに上昇する。したがって、自動変速機2の
出力トルクが実線で示すように緩やかに正側に変化し、
ショックが低減される。
【0071】その後、第1速への変速が終了したか否
か、またはニュートラルレンジからドライブレンジに変
更された時点を基準とする所定時間が経過したか否かが
判断される(ステップ10)。ここで、入力回転数NC0
が基準回転数B未満になった場合は第1速への変速が終
了したことになる。この基準回転数Brpm は、予め自動
変速機用電子制御装置10に設定されている。この基準
回転数Brpm は、基準回転数Aよりも小さく、かつ、零
に近い値である。また、ステップ10で用いられる所定
時間は、自動変速機用電子制御装置10に予め記憶され
ている。
【0072】そして、ステップ10で否定判断された場
合は制御ルーチンを終了する。また、ステップ10で肯
定判断された場合は、図9に実線で示すように出力トル
クがほぼ一定に維持されるとともに、フラグを零に戻す
制御が行われ(ステップ6)、制御ルーチンを終了す
る。
【0073】前記ステップ7で否定判断された場合、ま
たはステップ8で否定判断された場合は、加速要求が発
生していないことになるため、リニアソレノイドバルブ
DSLN のデューティ比DSLN の値を、αからβに変更す
る制御が行われ(ステップ11)、ステップ10に進
む。この値βは、値γよりも低い値である。
【0074】すなわち、リニアソレノイドバルブDSLN
のデューティ比DSLN の値がβに設定された場合は、ア
キュームレータコントロールバルブ68の調圧レベルが
高められてアキュームレータ背圧PACCが高くなる。こ
のため、第1速を設定する第1クラッチC1 に供給され
る油圧PC1 の上昇割合が大きくなり、第1クラッチC
1 の係合が迅速に行われる。前述したように、ステップ
7,8で否定判断された場合は加速要求があるため、第
1クラッチC1 の係合が速められてショックが生じたと
しても、このショックは加速感に含まれるものとして容
認される。
【0075】また、前記ステップ2で否定判断された場
合は、リバースレンジに維持されていることになり、こ
の制御ルーチンを終了する。さらに、前記ステップ1で
否定判断された場合は、その後にリバースレンジスイッ
チがONされたか否かが判断される(ステップ12)。
ステップ12で肯定判断された場合は、フラグ1が立て
られ(ステップ13)、この制御ルーチンを終了する。
さらにまた、ステップ12で否定判断された場合は、ス
テップ6に進む。
【0076】ここで、図8の制御例に示された機能的手
段と、この発明の請求項2の構成との対応関係を説明す
る。
【0077】すなわち、ステップ2,3,7,8が、請
求項2の加速要求検出手段に相当し、ステップ9,11
が、請求項2のアキュームレータ背圧制御手段に相当す
る。
【0078】以上のように、第2制御例によれば、リバ
ースレンジからニュートラルレンジを経てドライブレン
ジにマニュアルシフトされる動作が連続的に行なわれた
場合において、入力回転数NC0が基準回転数Arpm 未満
の状態におけるアキュームレータ背圧PACCを、入力回
転数NC0が基準回転数Arpm を越えた状態におけるアキ
ュームレータ背圧PACCよりも低く設定する制御が行わ
れる。
【0079】つまり、車両の加速要求が発生していない
状態では、後進段を設定する第2クラッチC2 の解放が
緩やかに行われ、かつ、前進段を設定する第1クラッチ
C1の係合が緩やかに行われる。したがって、リバース
レンジからニュートラルレンジを経てドライブレンジに
マニュアルシフトされた場合において、出力軸27以降
に配置された動力伝達系のトルク伝達方向の急激な変化
が抑制され、シフトショックが軽減される。
【0080】なお、第2制御例において、車両の加速要
求の有無を判断する基準として、アクセルペダル3の踏
み込み量、または電子スロットルバルブ6の開度を用い
ることも可能である。
【0081】ちなみに、図9のタイムチャートには、比
較例の制御内容が破線で示されている。すなわち、比較
例においては、ニュートラルレンジでリニアソレノイド
バルブのデューティ比がαに制御され、ニュートラルレ
ンジからドライブレンジにマニュアルシフトされた時点
で、リニアソレノイドバルブのデューティ比がβに変更
されている。このため、後進段を設定していた摩擦係合
装置の油圧が低下する途中で一旦上昇し、その後、油圧
が再度低下することになる。
【0082】したがって、後進段を設定していた摩擦係
合装置の油圧の上昇により、後進段を設定する摩擦係合
装置の係合圧が一旦高められて、出力トルクが負側に変
化し、その後、前進段を設定する摩擦係合装置の係合に
より出力トルクが急激に正側に変化し、最終的にほぼ一
定に維持されている。このように、比較例の制御内容に
おいては、リバースレンジからニュートラルレンジを経
てドライブレンジにマニュアルシフトされる動作が連続
して行なわれた場合、大きなショックが生じることが分
かる。
【0083】ここで、上記の具体例に基づいて開示した
この発明に特徴的な構成を記載すれば、以下のとおりで
ある。すなわち、前進段を設定する第1の摩擦係合装置
と、後進段を設定する第2の摩擦係合装置と、前記第1
の摩擦係合装置に作用する油圧を制御する第1のアキュ
ームレータと、前記第2の摩擦係合装置に作用する油圧
を制御する第2のアキュームレータとを備え、後進レン
ジからニュートラルレンジにマニュアルシフトされた場
合における前記第1のアキュームレータおよび第2のア
キュームレータの背圧よりも、ニュートラルレンジから
前進レンジにマニュアルシフトされた場合における前記
第1のアキュームレータおよび第2のアキュームレータ
の背圧を高く設定する制御が行われる自動変速機の制御
装置において、ニュートラルレンジから前進レンジにマ
ニュアルシフトされた状態での自動変速機の入力回転数
が所定値未満か否かを検出する入力回転数検出手段と、
前記入力回転数が所定値未満である場合における前記第
1のアキュームレータおよび第2のアキュームレータの
背圧を、前記入力回転数が所定値を越えていた場合にお
ける前記第1のアキュームレータおよび第2のアキュー
ムレータの背圧よりも低く設定するアキュームレータ背
圧制御手段とを備えていることを特徴とする自動変速機
の制御装置。この場合、第2制御例のステップ2,3,
7,8が、上記入力回転数検出手段に相当し、第2制御
例のステップ9,11が、上記アキュームレータ背圧制
御手段に相当する。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、後進レンジから前進レンジにマニュアルシフトさ
れた場合は、第2の摩擦係合装置の係合が遅延される。
このため、前進段で解放される第1の摩擦係合装置と、
前進段で係合される第2の摩擦係合装置とが、共に大き
なトルク容量をもつこと、つまりタイアップが抑制され
てショックを軽減できる。
【0085】また、請求項2の発明によれば、リバース
レンジからニュートラルレンジを経てドライブレンジに
マニュアルシフトされた場合において、加速要求が検出
されていない状態におけるアキュームレータ背圧を、加
速要求が検出された状態におけるアキュームレータ背圧
よりも低く設定する制御が行われる。
【0086】つまり、車両の加速要求が発生していない
状態では、後進段を設定していた第2の摩擦係合装置の
解放が緩やかに行われ、かつ、前進段を設定する第1の
摩擦係合装置の係合が緩やかに行われる。したがって、
リバースレンジからニュートラルレンジを経てドライブ
レンジにマニュアルシフトされた場合において、自動変
速機の出力軸以降に配置された動力伝達系のトルク伝達
方向の急激な変化が抑制され、シフトショックが軽減さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動変速機の制御装置の実施例であ
り、第1制御例を示すフローチャートである。
【図2】この発明で対象とする自動変速機の全体的な制
御系統を模式的に示す図である。
【図3】この発明で対象とする自動変速機のギヤトレー
ンの一例を示すスケルトン図である。
【図4】図3に示された自動変速機の各変速段を設定す
るための摩擦係合装置の係合・解放状態を示す図表であ
る。
【図5】この発明で対象とする自動変速機の油圧回路の
一部を示す部分油圧回路図である。
【図6】この発明で対象とする自動変速機の油圧回路の
一部を示す部分油圧回路図である。
【図7】この発明の第1制御例と、比較例とを比較した
もので、リニアソレノイドバルブのデューティ比の変化
と、摩擦係合装置に作用する油圧の変化とを示すタイム
チャートである。
【図8】この発明の自動変速機の制御装置の実施例であ
り、第2制御例を示すフローチャートである。
【図9】この発明の第2制御例と、比較例とを比較した
もので、リニアソレノイドバルブのデューティ比の変化
と、摩擦係合装置に作用する油圧の変化と、出力トルク
の変化とを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 4 エンジン用電子制御装置 10 自動変速機用電子制御装置 69,71 アキュームレータ C1 第1クラッチ C2 第2クラッチ B4 第4ブレーキ
フロントページの続き (72)発明者 岩月 邦裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 谷口 浩司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 野崎 芳信 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中村 泰也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 福村 景範 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後進段を設定する第1の摩擦係合装置
    と、前進段を設定する第2の摩擦係合装置とを備え、後
    進レンジから前進レンジにマニュアルシフトされた場合
    に、前記第1の摩擦係合装置を解放させ、かつ、前記第
    2の摩擦係合装置を係合させる制御が行われる自動変速
    機の制御装置において、 後進レンジから前進レンジにマニュアルシフトされたこ
    とを検出するマニュアルシフト検出手段と、 自動変速機が後進レンジから前進レンジにマニュアルシ
    フトされたことが検出された場合に、前記第2の摩擦係
    合装置の係合を遅延させる遅延手段とを備えていること
    を特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 後進段を設定する第1の摩擦係合装置
    と、前進段を設定する第2の摩擦係合装置と、前記第1
    の摩擦係合装置に作用する油圧を制御する第1のアキュ
    ームレータと、前記第2の摩擦係合装置に作用する油圧
    を制御する第2のアキュームレータとを備え、後進レン
    ジからニュートラルレンジにマニュアルシフトされた場
    合における前記第1のアキュームレータおよび第2のア
    キュームレータの背圧よりも、ニュートラルレンジから
    前進レンジにマニュアルシフトされた場合における前記
    第1のアキュームレータおよび第2のアキュームレータ
    の背圧を高く設定する制御が行われる自動変速機の制御
    装置において、 自動変速機がニュートラルレンジから前進レンジにマニ
    ュアルシフトされた状態で車両の加速要求の有無を検出
    する加速要求検出手段と、 前記加速要求が検出された場合における前記第1のアキ
    ュームレータおよび第2のアキュームレータの背圧を、
    前記加速要求が検出されない場合における前記第1のア
    キュームレータおよび第2のアキュームレータの背圧よ
    りも低く設定するアキュームレータ背圧制御手段とを備
    えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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